JP5966165B2 - フルオレン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)融点や溶解度の分布が広くなり蒸着や高純度化などの加工が困難になると共に、加工の精度も低くなる。
(2)π電子のエネルギー準位などの分布が広くなり、特性の分布がぼやける。
[式1]
式中、R3=ハロゲン(F, Cl, Br, I)、 CF3、COOR1(式中、R1=CnH2n+1
、ここでn=1〜4) CON(R2)2(式中、R2=CmH2m+1、ここでm=1〜2)またはSO2C10H21
[式2]
式中、R3=ハロゲン(F, Cl, Br, I)、 CF3、COOR1(式中、R1=CnH2n+1
、ここでn=1〜4) CON(R2)2(式中、R2=CmH2m+1、ここでm=1〜2)またはSO2C10H21
[式3]
式中、R3=ハロゲン(F, Cl, Br, I)、 CF3、COOR1(式中、R1=CnH2n+1
、ここでn=1〜4) CON(R2)2(式中、R2=CmH2m+1、ここでm=1〜2)またはSO2C10H21
[式4]
式中、R3=ハロゲン(F, Cl, Br, I)、 CF3、COOR1(式中、R1=CnH2n+1
、ここでn=1〜4) CON(R2)2(式中、R2=CmH2m+1、ここでm=1〜2)またはSO2C10H21
(1)m=4,R=H
(2)m=3〜5,R=ハロゲン(F, Cl, Br, I)、 CF3、COOR1(式中、R1=CnH2n+1
、ここでn=1〜4) CON(R2)2(式中、R2=CmH2m+1、ここでm=1〜2)またはSO2C10H21
の(1)(2)のうちのいずれか1つとする。
、ここでn=1〜2)、 CON(R2)2(式中、R2=CmH2m+1、ここでm=1)で表されるフルオレン誘導体を電子部材として利用した場合には、誘導体の炭素数が少ないため誘電体としての容量密度が高くなる。
本実施形態のフルオレン誘導体は、高分子有機EL材料、色素増感太陽電池材料、有機半導体レーザ、有機トランジスタのp型有機分子、固体電解キャパシタの固体電解質、アクチュエータ材料、各種センサー材料(ガスセンサ素子、バイオセンサなど)、帯電防止用塗料として用いることができる。特に、本実施形態のフルオレン誘導体とカーボンナノチューブとの電極は、優れた電気特性を発揮する。
[生成工程]
実施例1は、2- ( 2-フェニル−9, 9−ジメチル−9H−フルオレン−7−イル ) −4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロン6a(R = H)とジブロモ体8a-c(n = 1-3)で生成されるオリゴ-フルオレン誘導体94H(m = 4, R =H)の生成手順を示すものである。以下では、オリゴ-フルオレン誘導体94H(m = 4, R =H)の生成工程を示す。
本実施例の2- ( 2-フェニル−9, 9−ジメチル−9H−フルオレン−7−イル ) −4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロン6a (R = H) は、下記[式6]〜[式8]に示すような反応式を含む生成工程を経て生成される。
[式6]
[式7]
[式8]
[式6]で表される反応式は、アルゴン雰囲気下、1, 1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリド-ジクロロメタン錯体(PdCl2(dppf)CH2Cl2)(0.073g, 0.09mmol)と酢酸カリウム(KOAc)(1.060g, 10.8mmol)を溶解させたジメチルスルホキシド(DMSO)溶液に、フェニルブロミド1a(R=H, 0.549g,
3.5mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン2(1.161g, 4.5mmol)を加え、80℃で1.5時間撹拌し、目的化合物(2-フェニル-4, 4, 5, 5-テトラメチル-1, 3, 2-ジオキサボロン3a(R=H)を85%の収率で得る。
absorption spectrometry)により測定した結果は、nmax:2979, 1604, 1451, 1439, 1359, 1325, 1275, 1145, 1026cm-1;である。
[式7]で表される反応式は、アルゴン雰囲気下、トルエン(25mL)と2M炭酸カリウム(K2CO3)水溶液(20mmol, 10mL)との混合溶液に1, 3, 2-ジオキサボロン3a(R=H, 0.484g, 2mmol)と2, 7-ジブロモ-9, 9-ジメチル-9H-フルオレン4(2.112g, 6.0mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)(0.092g, 0.08mmol)を加え、環流条件下22時間強撹拌し、目的化合物(2-ブロモ-7-フェニル-9, 9-ジメチル-9H-フルオレン5a(R=H))を69%の収率で得る。
7.45-7.44(m, 3H), 7.42-7.34(m, 1H), 1.49(s, 6H)である。
[式8]で表される反応式は、アルゴン雰囲気下、PdCl2(dppf)CH2Cl2(0.073g, 0.09mmol)とKOAc(1.060g, 10.8mmol)を溶解させたDMSO溶液にフルオレン5a(R=H, 0.582g, 1.8mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン2(0.686g,
2.7mmol)を加え、80℃で1時間撹拌し、目的化合物2-(2-フェニル−9, 9−ジメチル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロン6a(R=H)を82%の収率で得る。
1610, 1484, 1465, 1414, 1353, 1315, 1256, 1143, 1097, 964, 873, 850, 830, 760, 688cm-1である。
1H), 7.85(dd, 1H, J=7.5Hz, 0.5Hz), 7.82(d, 1H, J=7.5Hz), 7.77(dd,
1H, J=7.5Hz, 1.0Hz), 7.69-7.66(m, 3H), 7.60(dd, 1H, J=8.0Hz, 2.0Hz),
7.49-7.46(m, 2H), 7.39-7.36(m, 1H), 1.57(s, 6H), 1.40(s, 12H)である。13CNMR(CDCl3)による測定では、154.91, 152.70, 141.84, 141.56, 140.92, 138.19, 133.97, 128.76, 127.22,
126.20, 121.46, 120.72, 119.42, 83.74, 46.94, 27.14, 24.90である。
[式9]で表される反応式は、ジブロモ体8b(n=2)の生成工程における反応式である。ジブロモ体8b(n=2)の生成工程は、図1に示すように、滴下工程、攪拌工程、洗浄工程、濃縮工程からなる。
1598, 1567, 1448, 1402, 1262, 1060, 1000, 885, 815, 804, 740cm-1である。
2H, J=7.0Hz), 7.66-7.58(m, 8H), 7.49(dd, 2H, J=8.0Hz, 2.0Hz), 1.56(s,
12H);である。13CNMR(CDCl3)は、δ(ppm):155.92,
153.95, 141.06, 137.84, 137.42, 130.19, 126.51, 126.18, 121.44, 121.09, 120.40,
47.24, 27.11.である。
1259, 1060, 1003, 866, 825, 794, 439cm-1である。
4H), 7.46(dd, 2H, J=8.0Hz, 1.5Hz), 1.46(s, 6H)である。13CNMR(CDCl3)は、δ(ppm):154.24,
152.71, 142.18, 138.92, 133.87, 128.74, 127.72, 126.90, 122.61, 120.41, 119.33,
83.70, 46.80, 27.04, 24.88である。
1425, 1402, 1267, 1059, 1002, 881, 815, 741, 454cm-1である。
2H, J=8.0Hz), 7.77(d, 2H, J=8.0Hz), 7.71-7.65(m, 8H), 7.63-7.58(m,
4H), 7.49(dd, 2H, J=8.0Hz, 1.5Hz), 1.64(s, 6H), 1.56(s, 12H)である。13CNMR(CDCl3)は、δ(ppm):155.97,
154.65, 153.97, 141.28, 140.68, 138.17, 137.92, 137.33, 130.19, 126.52, 126.41,
126.19, 121.42, 121.00, 120.42, 120.39, 47.26, 47.15, 28.93, 27.13.である。
[式10]
R=H))を得る。
以上のような手順で生成した本実施例のオリゴ-フルオレン誘導体は、単一物質であるため次のような効果がある。
(1)単一分子であるために、融点や溶解度の分布が狭い。このため、蒸着や、高純度化などの加工時における容易性が高くなると共に、加工精度が高くなる。
(2)π電子のエネルギー準位の分布がシャープになるなど、オリゴ-フルオレン誘導体としての特性の分布がシャープになる。このため、例えば本実施例のオリゴ-フルオレン誘導体を有機ELに使用した場合に、発光波長分布がシャープになるなどの効果がある。
[生成工程]
実施例2は、2-(2-(4-フルオロフェニル)-9, 9-ジメチル-9H-フルオレン-7-イル)-4, 4, 5, 5-テトラメチル-1, 3, 2-ジオキサボロン6b(R=F)とジブロモ体8a-c(n=1-3)で生成されるオリゴ-フルオレン誘導体9mR(m=3〜5, R=F)の生成手順を示すものである。以下では、一例として、オリゴ-フルオレン誘導体93F(m=3, R=F)の生成工程を示す。
[式11]
[式12]
[式13]
[式11]で表される反応式は、2-(4-フルオロフェニル)-4, 4, 5, 5-テトラメチル-1, 3, 2-ジオキサボロン3b(R=F)の生成工程における反応式である。2-(4-フルオロフェニル)-4, 4, 5, 5-テトラメチル-1, 3, 2-ジオキサボロン3b(R=F)の生成工程は、図2に示すように、攪拌工程、有機層抽出工程、濃縮工程、精製工程からなる。
3.5mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン2(1.161g, 4.5mmol)を加え、80℃で1.5時間撹拌し、反応溶液を得る。
1319, 1271, 1222, 1145, 1089, 962, 860, 838, 730, 652cm-1である。
136.92, 114.88, 114.72, 83.86, 24.82.である。
[式12]で表される反応式は、2-ブロモ-7-(4-フルオロフェニル)-9, 9-ジメチル-9H-フルオレン5b(R=F)の生成工程における反応式である。2-ブロモ-7-(4-フルオロフェニル)-9, 9-ジメチル-9H-フルオレン5b(R=F)の生成工程は、図2に示すように、攪拌工程、有機層抽出工程、濃縮工程、精製工程からなる。
1453, 1402, 1257, 1221, 1158, 820cm-1である。
1H, J=7.5Hz), 7.60-7.56(m, 4H), 7.51(dd, 2H, J=8.0Hz, 1.5Hz), 7.46(dd,
1H, J=8.0Hz, 1.5Hz), 7.24-7.12(m, 2H), 1.51(s, 6H)である。13CNMR(CDCl3)は、δ(ppm):156.12,
154.21, 140.10, 138.03, 137.62, 130.47, 129.02, 128.96, 126.53, 126.44, 121.71,
121.54, 121.39, 120.67, 116.01, 115.84, 47.46, 27.32である。
[式13]で表される反応式は、2-(2-(4-フルオロフェニル)-9, 9-ジメチル-9H-フルオレン-7-イル)-4, 4, 5, 5-テトラメチル-1, 3, 2-ジオキサボロン6b(R=F)の生成工程における反応式である。2-(2-(4-フルオロフェニル)-9, 9-ジメチル-9H-フルオレン-7-イル)-4, 4, 5, 5-テトラメチル-1, 3, 2-ジオキサボロン6b(R=F)の生成工程は、図2に示すように、攪拌工程、有機層抽出工程、濃縮工程、精製工程からなる。
2.7mmol)を加え、80℃で1時間撹拌し、反応溶液を得る。
1H, ), 7.83(dd, 1H, J=7.5Hz, 1.0Hz), 7.79(d, 1H, J=8.0Hz), 7.75-7.74(m,
1H), 7.62-7.59(m, 3H), 7.52(dd, 1H, J=8.0Hz, 1.5Hz), 7.2-7.1(m, 2H), 1.54(s,
6H), 1.38(s, 12H).である。さらに、2-(2-(4-フルオロフェニル)-9, 9-ジメチル-9H-フルオレン-7-イル)-4, 4, 5, 5-テトラメチル-1, 3, 2-ジオキサボロン6b(R=F)の元素分析は、C27H28BFO2としての計算値であるC, 78.27;H, 6.81%.実測値:C, 78.34;H, 6.77%となる。
[式14]
R=F))を79%の収率で得る。
2921, 2859, 1602, 1514, 1458, 1223, 1159, 814, 744cm-1である。
6H), 7.75-7.74(m, 4H), 7.69(dd, 2H, J=7.5Hz, 1.5Hz), 7.66-7.63(m, 6H), 7.57-7.55(m,
2H), 7.19-7.16(m, 4H), 1.67(s, 6H), 1.64(s, 12H)である。
以上のような手順で生成した本実施例のオリゴ-フルオレン誘導体は、実施例1のオリゴ-フルオレン誘導体と同様に単一物質であるため実施例1のオリゴ-フルオレン誘導体と同様の特性をもつ。
なお、前記実施例1,2では、オリゴ-フルオレン誘導体93F(m=3, R=F)及びオリゴ-フルオレン誘導体94H(m=4, R=H)の生成手順について説明したが、これらの実施例は一例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。具体的には、以下の(1)〜(2)のオリゴ-フルオレン誘導体94F(m=4, R=F)及びオリゴ-フルオレン誘導体95F(m=5, R=F)も本発明に包含される。
オリゴ-フルオレン誘導体94F(m=4, R=F)は、実施例1,2と同様の方法で作成することができる。すなわち、2-(2-(4-フルオロフェニル)-9, 9-ジメチル-9H-フルオレン-7-イル)-4, 4, 5, 5-テトラメチル-1, 3, 2-ジオキサボロン6bとジブロモ体8b(n=2)とを反応させることにより目的化合物(オリゴ-フルオレン誘導体94F(m=4, R=F))として38%の収率で得る。
オリゴ-フルオレン誘導体95F(m=5, R=F)は、実施例1,2と同様の方法で作成することができる。すなわち、2-(2-(4-フルオロフェニル)-9, 9-ジメチル-9H-フルオレン-7-イル)-4, 4, 5, 5-テトラメチル-1, 3, 2-ジオキサボロン6bとジブロモ体8c(n=3)とを反応させることにより目的化合物(オリゴ-フルオレン誘導体95F(m=5, R=F))として53%の収率で得る。
実施例3では、オリゴフルオレン誘導体/カーボンナノチューブ複合体電極を作製し、このオリゴフルオレン誘導体/カーボンナノチューブ複合体電極のサイクリックボルタモグラム評価を行った。
まず、50mLのイソプロピルアルコールに20mgのオリゴフルオレン誘導体(92F〜95F)粉末と10mgのカーボンナノチューブ粉末(比表面積:200m2/g)を加え、機械的攪拌により分散液を得た。その分散液をろ過し、オリゴフルオレン誘導体がカーボンナノチューブに担持されたオリゴフルオレン誘導体/カーボンナノチューブ複合体のシートを得た。シートを約2cm2にカットし、同サイズのアルミニウム集電体に圧着することにより、オリゴフルオレン誘導体/カーボンナノチューブ複合体電極を得た。
(化合物:C8PF)
また、通常の分子量の異なるポリマーを含むC8PF(ポリ(9, 9-ジ-n-オクチルフルオレニル-2, 7-ジイル))を用い、同様にして、ポリフルオレン誘導体/カーボンナノチューブ複合体電極を得た。
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