以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[組成物]
本実施形態に係る組成物は、(A)カーボネート化合物(以下、場合により「成分(A)」という)と、(B)三ハロゲン化ホウ素(以下、場合により「成分(B)」という)と、(C)エポキシ化合物(以下、場合により「成分(C)」という)と、を含有する。以下、組成物に含有される成分(A)、(B)、(C)及びその他の成分の詳細について説明する。
(成分(A):カーボネート化合物)
本実施形態の成分(A)は、カーボネート基を分子内に1つ以上含有するカーボネート化合物である。成分(A)として、1種のカーボネート化合物を単独で用いてもよいし、複数種のカーボネート化合物を組み合わせて用いてもよい。
(A)カーボネート化合物は、室温下で組成物を調製する際、(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向にある、及び/又は、(C)エポキシ化合物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
式中、aは1以上の数を示し、R1及びR2は、炭素数1〜33の鎖状、分岐状若しくは環状の脂肪族炭化水素基又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を示す。R1及びR2は、互いに連結されていてもよい。aが2以上の場合、複数存在するR2は同一でも異なっていてもよい。R2同士が連結されていてもよい。
(A)カーボネート化合物の炭素数は、(C)エポキシ化合物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にある、及び/又は、室温下で組成物を調製する際、(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向にあることから、3以上であることが好ましい。蒸気圧がより高くなり、取り扱い性がより向上する傾向にあることから、炭素数は4以上であることがより好ましい。同様の観点から、炭素数は5以上であることがさらに好ましい。
(A)カーボネート化合物の炭素数は、入手が容易となり、組成物としてのコストをより抑制でき、経済性により優れる傾向にあることから、25以下であることが好ましい。同様の観点から、炭素数は17以下であることが好ましい。組成物を調製する際、未溶解物の残留をより抑制でき、均一性により優れた組成物が得られる傾向にあることから、炭素数は15以下であることがさらに好ましい。同様の観点から、炭素数は13以下であることが特に好ましい。
(A)カーボネート化合物のカーボネート基の数は、室温下で組成物を調製する際、(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向になることから、1以上であり、2以上であることがより好ましい。
(A)カーボネート化合物のカーボネート基の数は、入手が容易となり、組成物としてのコストをより抑制でき、経済性により優れる傾向にあることから4以下であることが好ましい。組成物を調製する際、未溶解物の残留を抑制でき、均一性に優れた組成物が得られる傾向にあることから、カーボネート基の数は、2以下であることがさらに好ましい。
(A)カーボネート化合物の構造は、鎖状、分岐状又は環状構造のいずれでも構わないが、(B)三ハロゲン化ホウ素と配位結合を介した化合物(錯体)の形成がより容易となる場合があることから、鎖状又は環状構造であることが好ましい。
(C)エポキシ化合物に対する、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素が配位結合を介した化合物(錯体)の溶解性を高め、未溶解分を減少できる場合があることから、(A)カーボネート化合物の構造は、鎖状構造であることがより好ましい。
(A)カーボネート化合物と、(B)三ハロゲン化ホウ素と、(C)エポキシ化合物とを含有する組成物を重合して得られる重合物及び硬化物を、高温下で長期保持した際の揮発分がより低減され、溶融加工により成形する際のボイド発生、又は、重合物若しくは硬化物の近傍にある金属部材の汚染又は腐食をより抑制できる傾向にあることから、(A)カーボネート化合物の構造は、環状構造であることがより好ましい。
(A)カーボネート化合物を具体的に例示するならば、脂肪族単官能カーボネート化合物、芳香族単官能カーボネート化合物、多官能カーボネート化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。
(脂肪族単官能カーボネート化合物)
本実施形態に係る脂肪族単官能カーボネート化合物は、カーボネート基を1つ有し、脂肪族炭化水素基のみを有するものであれば、特に限定されない。脂肪族単官能カーボネート化合物は、上記式(1)において、aが1であり、R1及びR2が脂肪族炭化水素基で表される化合物が挙げられる。
R1及びR2が連結されていない場合、R1及びR2を具体的に例示するならば、以下が挙げられる。
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル等の脂肪族炭化水素基(これらの基は直鎖状、分岐状又は環状であってもよい)。
R1及びR2が連結されている場合、R1及びR2を具体的に例示するならば、以下が挙げられる。
メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレン、ノナデシレン、イコサニレン、ヘンイコサニレン、ドコサニレン、トリコサニレン、テトラコサニレン、ペンタコサニレン、ヘキサコサニレン、ヘプタコサニレン、オクタコサニレン、ノナコサニレン、トリアコンタニレン、ヘントリアコンタニレン、ドトリアコンタニレン等の脂肪族炭化水素基(これらの基は直鎖状、分岐状又は環状であってもよい)。
脂肪族単官能カーボネート化合物の中でも、入手が容易となり、組成物としてのコストをより抑制でき、経済性により優れる傾向にあり、室温下で組成物を調製する際に(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向にある、及び/又は、(C)エポキシ化合物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジシクロプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−sec−ブチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート、ジシクロブチルカーボネート、ジペンチルカーボネート、ジシクロペンチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、ジオクチルカーボネート、ジシクロオクチルカーボネート、ジノニルカーボネート、ジデシルカーボネート、ジシクロデシルカーボネート、ジウンデシルカーボネート、ジドデシルカーボネート、ジトリデシルカーボネート、ジテトラデシルカーボネート、ジペンタデシルカーボネート、ジヘキサデシルカーボネート、ジヘプタデシルカーボネート、ジオクタデシルカーボネート、ジノナデシルカーボネート、ジイコシルカーボネート、ジヘンイコシルカーボネート、ジドコシルカーボネート、ジトリコシルカーボネート、ジテトラコシルカーボネート、ジペンタコシルカーボネート、ジヘキサコシルカーボネート、ジヘプタコシルカーボネート、ジオクタコシルカーボネート、ジノナコシルカーボネート、ジトリアコンチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルn−プロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルシクロプロピルカーボネート、メチルn−ブチルカーボネート、メチルイソブチルカーボネート、メチルsec−ブチルカーボネート、メチルtert−ブチルカーボネート、メチルシクロブチルカーボネート、メチルペンチルカーボネート、メチルシクロペンチルカーボネート、メチルヘキシルカーボネート、メチルシクロヘキシルカーボネート、メチルヘプチルカーボネート、メチルオクチルカーボネート、メチルシクロオクチルカーボネート、メチルノニルカーボネート、メチルデシルカーボネート、メチルウンデシルカーボネート、メチルドデシルカーボネート、メチルトリデシルカーボネート、メチルテトラデシルカーボネート、メチルペンタデシルカーボネート、メチルヘキサデシルカーボネート、メチルヘプタデシルカーボネート、メチルオクタデシルカーボネート、メチルノナデシルカーボネート、メチルイコシルカーボネート、メチルヘンイコシルカーボネート、メチルドコシルカーボネート、メチルトリコシルカーボネート、メチルテトラコシルカーボネート、メチルペンタコシルカーボネート、メチルヘキサコシルカーボネート、メチルヘプタコシルカーボネート、メチルオクタコシルカーボネート、メチルノナコシルカーボネート、メチルトリアコンチルカーボネート;
エチルn−プロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、エチルシクロプロピルカーボネート、エチルn−ブチルカーボネート、エチルイソブチルカーボネート、エチルsec−ブチルカーボネート、エチルtert−ブチルカーボネート、エチルシクロブチルカーボネート、エチルペンチルカーボネート、エチルシクロペンチルカーボネート、エチルヘキシルカーボネート、エチルシクロヘキシルカーボネート、エチルヘプチルカーボネート、エチルオクチルカーボネート、エチルシクロオクチルカーボネート、エチルノニルカーボネート、エチルデシルカーボネート、エチルウンデシルカーボネート、エチルドデシルカーボネート、エチルトリデシルカーボネート、エチルテトラデシルカーボネート、エチルペンタデシルカーボネート、エチルヘキサデシルカーボネート、エチルヘプタデシルカーボネート、エチルオクタデシルカーボネート、エチルノナデシルカーボネート、エチルイコシルカーボネート、エチルヘンイコシルカーボネート、エチルドコシルカーボネート、エチルトリコシルカーボネート、エチルテトラコシルカーボネート、エチルペンタコシルカーボネート、エチルヘキサコシルカーボネート、エチルヘプタコシルカーボネート、エチルオクタコシルカーボネート、エチルノナコシルカーボネート、エチルトリアコンチルカーボネート、プロピルシクロプロピルカーボネート、プロピルブチルカーボネート、プロピルシクロブチルカーボネート、プロピルペンチルカーボネート、プロピルシクロペンチルカーボネート、プロピルヘキシルカーボネート、プロピルシクロヘキシルカーボネート、プロピルヘプチルカーボネート、プロピルオクチルカーボネート、プロピルシクロオクチルカーボネート、プロピルノニルカーボネート、プロピルデシルカーボネート、プロピルウンデシルカーボネート、プロピルドデシルカーボネート、プロピルトリデシルカーボネート、プロピルテトラデシルカーボネート、プロピルペンタデシルカーボネート、プロピルヘキサデシルカーボネート、プロピルヘプタデシルカーボネート、プロピルオクタデシルカーボネート、プロピルノナデシルカーボネート、プロピルイコシルカーボネート、プロピルヘンイコシルカーボネート、プロピルドコシルカーボネート、プロピルトリコシルカーボネート、プロピルテトラコシルカーボネート、プロピルペンタコシルカーボネート、プロピルヘキサコシルカーボネート、プロピルヘプタコシルカーボネート、プロピルオクタコシルカーボネート、プロピルノナコシルカーボネート、プロピルトリアコンチルカーボネート;
シクロプロピルブチルカーボネート、シクロプロピルシクロブチルカーボネート、シクロプロピルペンチルカーボネート、シクロプロピルシクロペンチルカーボネート、シクロプロピルヘキシルカーボネート、シクロプロピルシクロヘキシルカーボネート、シクロプロピルヘプチルカーボネート、シクロプロピルオクチルカーボネート、シクロプロピルシクロオクチルカーボネート、シクロプロピルノニルカーボネート、シクロプロピルデシルカーボネート、シクロプロピルウンデシルカーボネート、シクロプロピルドデシルカーボネート、シクロプロピルトリデシルカーボネート、シクロプロピルテトラデシルカーボネート、シクロプロピルペンタデシルカーボネート、シクロプロピルヘキサデシルカーボネート、シクロプロピルヘプタデシルカーボネート、シクロプロピルオクタデシルカーボネート、シクロプロピルノナデシルカーボネート、シクロプロピルイコシルカーボネート、シクロプロピルヘンイコシルカーボネート、シクロプロピルドコシルカーボネート、シクロプロピルトリコシルカーボネート、シクロプロピルテトラコシルカーボネート、シクロプロピルペンタコシルカーボネート、シクロプロピルヘキサコシルカーボネート、シクロプロピルヘプタコシルカーボネート、シクロプロピルオクタコシルカーボネート、シクロプロピルノナコシルカーボネート、シクロプロピルトリアコンチルカーボネート、ブチルシクロブチルカーボネート、ブチルペンチルカーボネート、ブチルシクロペンチルカーボネート、ブチルヘキシルカーボネート、ブチルシクロヘキシルカーボネート、ブチルヘプチルカーボネート、ブチルオクチルカーボネート、ブチルシクロオクチルカーボネート、ブチルノニルカーボネート、ブチルデシルカーボネート、ブチルウンデシルカーボネート、ブチルドデシルカーボネート、ブチルトリデシルカーボネート、ブチルテトラデシルカーボネート、ブチルペンタデシルカーボネート、ブチルヘキサデシルカーボネート、ブチルヘプタデシルカーボネート、ブチルオクタデシルカーボネート、ブチルノナデシルカーボネート、ブチルイコシルカーボネート、ブチルヘンイコシルカーボネート、ブチルドコシルカーボネート、ブチルトリコシルカーボネート、ブチルテトラコシルカーボネート、ブチルペンタコシルカーボネート、ブチルヘキサコシルカーボネート、ブチルヘプタコシルカーボネート、ブチルオクタコシルカーボネート、ブチルノナコシルカーボネート、ブチルトリアコンチルカーボネート;
ペンチルシクロペンチルカーボネート、ペンチルヘキシルカーボネート、ペンチルシクロヘキシルカーボネート、ペンチルヘプチルカーボネート、ペンチルオクチルカーボネート、ペンチルシクロオクチルカーボネート、ペンチルノニルカーボネート、ペンチルデシルカーボネート、ペンチルシクロデシルカーボネート、ペンチルウンデシルカーボネート、ペンチルドデシルカーボネート、ペンチルトリデシルカーボネート、ペンチルテトラデシルカーボネート、ペンチルペンタデシルカーボネート、ペンチルヘキサデシルカーボネート、ペンチルヘプタデシルカーボネート、ペンチルオクタデシルカーボネート、ペンチルノナデシルカーボネート、ペンチルイコシルカーボネート、ペンチルヘンイコシルカーボネート、ペンチルドコシルカーボネート、ペンチルトリコシルカーボネート、ペンチルテトラコシルカーボネート、ペンチルペンタコシルカーボネート、ペンチルヘキサコシルカーボネート、ペンチルヘプタコシルカーボネート、ペンチルオクタコシルカーボネート、ペンチルノナコシルカーボネート、ペンチルトリアコンチルカーボネート、シクロペンチルヘキシルカーボネート、シクロペンチルシクロヘキシルカーボネート、シクロペンチルヘプチルカーボネート、シクロペンチルオクチルカーボネート、シクロペンチルシクロオクチルカーボネート、シクロペンチルノニルカーボネート、シクロペンチルデシルカーボネート、シクロペンチルシクロデシルカーボネート、シクロペンチルウンデシルカーボネート、シクロペンチルドデシルカーボネート、シクロペンチルトリデシルカーボネート、シクロペンチルテトラデシルカーボネート、シクロペンチルペンタデシルカーボネート、シクロペンチルヘキサデシルカーボネート、シクロペンチルヘプタデシルカーボネート、シクロペンチルオクタデシルカーボネート、シクロペンチルノナデシルカーボネート、シクロペンチルイコシルカーボネート、シクロペンチルヘンイコシルカーボネート、シクロペンチルドコシルカーボネート、シクロペンチルトリコシルカーボネート、シクロペンチルテトラコシルカーボネート、シクロペンチルペンタコシルカーボネート、シクロペンチルヘキサコシルカーボネート、シクロペンチルヘプタコシルカーボネート、シクロペンチルオクタコシルカーボネート、シクロペンチルノナコシルカーボネート、シクロペンチルトリアコンチルカーボネート;
ヘキシルシクロヘキシルカーボネート、ヘキシルヘプチルカーボネート、ヘキシルオクチルカーボネート、ヘキシルシクロオクチルカーボネート、ヘキシルノニルカーボネート、ヘキシルデシルカーボネート、ヘキシルシクロデシルカーボネート、ヘキシルウンデシルカーボネート、ヘキシルドデシルカーボネート、ヘキシルトリデシルカーボネート、ヘキシルテトラデシルカーボネート、ヘキシルペンタデシルカーボネート、ヘキシルヘキサデシルカーボネート、ヘキシルヘプタデシルカーボネート、ヘキシルオクタデシルカーボネート、ヘキシルノナデシルカーボネート、ヘキシルイコシルカーボネート、ヘキシルヘンイコシルカーボネート、ヘキシルドコシルカーボネート、ヘキシルトリコシルカーボネート、ヘキシルテトラコシルカーボネート、ヘキシルペンタコシルカーボネート、ヘキシルヘキサコシルカーボネート、ヘキシルヘプタコシルカーボネート、ヘキシルオクタコシルカーボネート、ヘキシルノナコシルカーボネート、ヘキシルトリアコンチルカーボネート、シクロヘキシルヘプチルカーボネート、シクロヘキシルオクチルカーボネート、シクロヘキシルシクロオクチルカーボネート、シクロヘキシルノニルカーボネート、シクロヘキシルデシルカーボネート、シクロヘキシルウンデシルカーボネート、シクロヘキシルドデシルカーボネート、シクロヘキシルトリデシルカーボネート、シクロヘキシルテトラデシルカーボネート、シクロヘキシルペンタデシルカーボネート、シクロヘキシルヘキサデシルカーボネート、シクロヘキシルヘプタデシルカーボネート、シクロヘキシルオクタデシルカーボネート、シクロヘキシルノナデシルカーボネート、シクロヘキシルイコシルカーボネート、シクロヘキシルヘンイコシルカーボネート、シクロヘキシルドコシルカーボネート、シクロヘキシルトリコシルカーボネート、シクロヘキシルテトラコシルカーボネート、シクロヘキシルペンタコシルカーボネート、シクロヘキシルヘキサコシルカーボネート、シクロヘキシルヘプタコシルカーボネート、シクロヘキシルオクタコシルカーボネート、シクロヘキシルノナコシルカーボネート、シクロヘキシルトリアコンチルカーボネート;
ヘプチルオクチルカーボネート、ヘプチルシクロオクチルカーボネート、ヘプチルノニルカーボネート、ヘプチルデシルカーボネート、ヘプチルウンデシルカーボネート、ヘプチルドデシルカーボネート、ヘプチルトリデシルカーボネート、ヘプチルテトラデシルカーボネート、ヘプチルペンタデシルカーボネート、ヘプチルヘキサデシルカーボネート、ヘプチルヘプタデシルカーボネート、ヘプチルオクタデシルカーボネート、オクチルシクロオクチルカーボネート、オクチルノニルカーボネート、オクチルデシルカーボネート、オクチルウンデシルカーボネート、オクチルドデシルカーボネート、オクチルトリデシルカーボネート、オクチルテトラデシルカーボネート、オクチルペンタデシルカーボネート、オクチルヘキサデシルカーボネート、オクチルヘプタデシルカーボネート、オクチルオクタデシルカーボネート、シクロオクチルノニルカーボネート、シクロオクチルデシルカーボネート、シクロオクチルウンデシルカーボネート、シクロオクチルドデシルカーボネート、シクロオクチルトリデシルカーボネート、シクロオクチルテトラデシルカーボネート、シクロオクチルペンタデシルカーボネート、シクロオクチルヘキサデシルカーボネート、シクロオクチルヘプタデシルカーボネート、シクロオクチルオクタデシルカーボネート、ノニルデシルカーボネート、ノニルウンデシルカーボネート、ノニルドデシルカーボネート、ノニルトリデシルカーボネート、ノニルテトラデシルカーボネート、ノニルペンタデシルカーボネート、ノニルヘキサデシルカーボネート、ノニルヘプタデシルカーボネート、ノニルオクタデシルカーボネート、デシルウンデシルカーボネート、デシルドデシルカーボネート、デシルトリデシルカーボネート、デシルテトラデシルカーボネート、デシルペンタデシルカーボネート、デシルヘキサデシルカーボネート、デシルヘプタデシルカーボネート、デシルオクタデシルカーボネート、ウンデシルドデシルカーボネート、ウンデシルトリデシルカーボネート、ウンデシルテトラデシルカーボネート、ウンデシルペンタデシルカーボネート、ウンデシルヘキサデシルカーボネート、ウンデシルヘプタデシルカーボネート、ウンデシルオクタデシルカーボネート、ドデシルトリデシルカーボネート、ドデシルテトラデシルカーボネート、ドデシルペンタデシルカーボネート、ドデシルヘキサデシルカーボネート、ドデシルヘプタデシルカーボネート、ドデシルオクタデシルカーボネート、トリデシルテトラデシルカーボネート、トリデシルペンタデシルカーボネート、トリデシルヘキサデシルカーボネート、トリデシルヘプタデシルカーボネート、トリデシルオクタデシルカーボネート、テトラデシルペンタデシルカーボネート、テトラデシルヘキサデシルカーボネート、テトラデシルヘプタデシルカーボネート、テトラデシルオクタデシルカーボネート、ペンタデシルヘキサデシルカーボネート、ペンタデシルヘプタデシルカーボネート、ペンタデシルオクタデシルカーボネート、ヘキサデシルヘプタデシルカーボネート、ヘキサデシルオクタデシルカーボネート、ヘプタデシルオクタデシルカーボネート;
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、1,2−ヘキシレンカーボネート、2,3−ヘキシレンカーボネート、3,4−ヘキシレンカーボネート、1,2−ヘプチレンカーボネート、2,3−ヘプチレンカーボネート、3,4−ヘプチレンカーボネート、1,2−オクチレンカーボネート、2,3−オクチレンカーボネート、3,4−オクチレンカーボネート、4,5−オクチレンカーボネート、ノニレンカーボネート、デシレンカーボネート、ウンデシレンカーボネート、ドデシレンカーボネート、トリデシレンカーボネート、テトラデシレンカーボネート、ペンタデシレンカーボネート、ヘキサデシレンカーボネート、ヘプタデシレンカーボネート、オクタデシレンカーボネート、ノナデシレンカーボネート、イコサニレンカーボネート、ヘンイコサニレンカーボネート、ドコサニレンカーボネート、トリコサニレンカーボネート、テトラコサニレンカーボネート、ペンタコサニレンカーボネート、ヘキサコサニレンカーボネート、ヘプタコサニレンカーボネート、オクタコサニレンカーボネート、ノナコサニレンカーボネート、トリアコンタニレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ペンタメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネート、ヘプタメチレンカーボネート、オクタメチレンカーボネート、ノナメチレンカーボネート、デカメチレンカーボネート、ウンデカメチレンカーボネート、ドデカメチレンカーボネート、トリデカメチレンカーボネート、テトラデカメチレンカーボネート、ペンタデカメチレンカーボネート、ヘキサデカメチレンカーボネート、ヘプタデカメチレンカーボネート、オクタデカメチレンカーボネート、ノナデカメチレンカーボネート、イコサメチレンカーボネート、ヘンイコサメチレンカーボネート、ドコサメチレンカーボネート、トリコサメチレンカーボネート、テトラコサメチレンカーボネート、ペンタコサメチレンカーボネート、ヘキサコサメチレンカーボネート、ヘプタコサメチレンカーボネート、オクタコサメチレンカーボネート、ノナコサメチレンカーボネート、トリアコンタメチレンカーボネート;
1,3−ジオキソラン−2−オン、メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、シクロプロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、シクロブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、シクロペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、オクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ノニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、デシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ウンデシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ドデシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、フェニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ナフチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、アントラセニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジエチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジプロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジシクロプロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジシクロブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジシクロペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジオクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジノニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジデシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジウンデシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジドデシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジフェニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジナフチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジアントラセニル−1,3−ジオキソラン−2−オン;
メチルエチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルプロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルオクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルプロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルオクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピルブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピルペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピルヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピルヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピルオクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ブチルペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ブチルヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ブチルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ブチルヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ブチルオクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ペンチルヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ペンチルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ペンチルヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ペンチルオクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ヘキシルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ヘキシルヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ヘキシルオクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、シクロヘキシルヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、シクロヘキシルオクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチル2−({[2−(メトキシカルボニル)フェノキシ]カルボニル}オキシ)ベンゾアート。
より好ましくは、脂肪族単官能カーボネート化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−sec−ブチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート、ジペンチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、ジオクチルカーボネート、ジノニルカーボネート、ジデシルカーボネート、ジウンデシルカーボネート、ジドデシルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルn−プロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルn−ブチルカーボネート、メチルイソブチルカーボネート、メチルsec−ブチルカーボネート、メチルtert−ブチルカーボネート、メチルペンチルカーボネート、メチルヘキシルカーボネート、メチルシクロヘキシルカーボネート、メチルヘプチルカーボネート、メチルオクチルカーボネート、メチルノニルカーボネート、メチルデシルカーボネート、エチルn−プロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、エチルn−ブチルカーボネート、エチルイソブチルカーボネート、エチルsec−ブチルカーボネート、エチルtert−ブチルカーボネート、エチルペンチルカーボネート、エチルヘキシルカーボネート、エチルシクロヘキシルカーボネート、エチルヘプチルカーボネート、エチルオクチルカーボネート、エチルノニルカーボネート、エチルデシルカーボネート;
プロピルブチルカーボネート、プロピルペンチルカーボネート、プロピルヘキシルカーボネート、プロピルシクロヘキシルカーボネート、プロピルヘプチルカーボネート、プロピルオクチルカーボネート、プロピルノニルカーボネート、プロピルデシルカーボネート、ブチルペンチルカーボネート、ブチルヘキシルカーボネート、ブチルシクロヘキシルカーボネート、ブチルヘプチルカーボネート、ブチルオクチルカーボネート、ブチルノニルカーボネート、ブチルデシルカーボネート、ペンチルヘキシルカーボネート、ペンチルシクロヘキシルカーボネート、ペンチルヘプチルカーボネート、ペンチルオクチルカーボネート、ペンチルノニルカーボネート、ペンチルデシルカーボネート、ヘキシルシクロヘキシルカーボネート、ヘキシルヘプチルカーボネート、ヘキシルオクチルカーボネート、ヘキシルノニルカーボネート、ヘキシルデシルカーボネート、シクロヘキシルヘプチルカーボネート、シクロヘキシルオクチルカーボネート、シクロヘキシルノニルカーボネート、シクロヘキシルデシルカーボネート、ヘプチルオクチルカーボネート、ヘプチルノニルカーボネート、ヘプチルデシルカーボネート、オクチルノニルカーボネート、オクチルデシルカーボネート、ノニルデシルカーボネート;
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、1,2−ヘキシレンカーボネート、2,3−ヘキシレンカーボネート、3,4−ヘキシレンカーボネート、1,2−ヘプチレンカーボネート、1,2−オクチレンカーボネート、ノニレンカーボネート、デシレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ペンタメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネート、1,3−ジオキソラン−2−オン、メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、オクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ノニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、デシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、フェニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジエチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジプロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジヘプチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジオクチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジノニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジデシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジフェニル−1,3−ジオキソラン−2−オン;
メチルエチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルプロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、メチルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルプロピル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、エチルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピルブチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピルペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピルヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、プロピルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ブチルペンチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ブチルヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ブチルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ペンチルヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ペンチルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ヘキシルシクロヘキシル−1,3−ジオキソラン−2−オン。
さらに好ましくは、脂肪族単官能カーボネート化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−sec−ブチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ジオキソラン−2−オン。
(芳香族単官能カーボネート化合物)
本実施形態に係る芳香族単官能カーボネート化合物は、カーボネート基を1つ有し、芳香族炭化水素基を1つ以上有するものであれば、特に限定されない。芳香族単官能カーボネート化合物は、上記式(1)において、aが1であり、R1及び/又はR2が芳香族炭化水素基で表される化合物が挙げられる。
R1及びR2が連結されていない場合、芳香族炭化水素基であるR1及び/又はR2を具体的に例示するならば、置換又は無置換のフェニル、ナフチル、アントラセニル等が挙げられる。
これらの芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル等の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、OR基、OCOR基、NR2基、NHCOR基、CF3基、CCl3基、NO2基、CN基、CHO基、COR基、CO2R基、SO2R基、SO3R基等が挙げられる。なお、前記Rは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を示す。
R1及びR2が連結されている場合、芳香族炭化水素基であるR1及び/又はR2を具体的に例示するならば、置換又は無置換のフェニレン、ナフチレン、アントラセニレン等が挙げられる。
これらの芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル等の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、OR基、OCOR基、NR2基、NHCOR基、CF3基、CCl3基、NO2基、CN基、CHO基、COR基、CO2R基、SO2R基、SO3R基等が挙げられる。なお、前記Rは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を示す。
R1及びR2が連結されておらず、R1又はR2が脂肪族炭化水素基である場合、脂肪族炭化水素基を具体的に例示するならば、以下が挙げられる。
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル等の脂肪族炭化水素基(これらの基は直鎖状、分岐状又は環状であってもよい)。
R1及びR2が連結されており、R1又はR2が脂肪族炭化水素基である場合、脂肪族炭化水素基を具体的に例示するならば、以下が挙げられる。
メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレン、ノナデシレン、イコサニレン、ヘンイコサニレン、ドコサニレン、トリコサニレン、テトラコサニレン、ペンタコサニレン、ヘキサコサニレン、ヘプタコサニレン、オクタコサニレン、ノナコサニレン、トリアコンタニレン、ヘントリアコンタニレン、ドトリアコンタニレン等の脂肪族炭化水素基(これらの基は直鎖状、分岐状又は環状であってもよい)。
芳香族単官能カーボネート化合物の中でも、入手が容易となり、組成物としてのコストをより抑制でき、経済性により優れる傾向にあり、室温下で組成物を調製する際に(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向にある、及び/又は、(C)エポキシ化合物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
ジフェニルカーボネート、ビス(メチルフェニル)カーボネート、ビス(エチルフェニル)カーボネート、ビス(プロピルフェニル)カーボネート、ビス(ブチルフェニル)カーボネート、ビス(メトキシフェニル)カーボネート、ビス(ジメチルアミノフェニル)カーボネート、ビス(フルオロフェニル)カーボネート、ビス(トリフルオロメチルフェニル)カーボネート、ビス(アセチルフェニル)カーボネート、ビス(ジメチルフェニル)カーボネート、ビス(ジエチルフェニル)カーボネート、ビス(ジプロピルフェニル)カーボネート、ビス(ジブチルフェニル)カーボネート、ビス(ジメトキシフェニル)カーボネート、ビス[ジ(ジメチルアミノ)フェニル]カーボネート、ビス(ジフルオロフェニル)カーボネート、ビス[ジ(トリフルオロメチル)フェニル]カーボネート、ビス(ジアセチルフェニル)カーボネート、ビス(トリメチルフェニル)カーボネート、ビス(トリエチルフェニル)カーボネート、ビス(トリプロピルフェニル)カーボネート、ビス(トリブチルフェニル)カーボネート、ビス(トリメトキシフェニル)カーボネート、ビス[トリ(ジメチルアミノ)フェニル]カーボネート、ビス(トリフルオロフェニル)カーボネート、ビス[トリ(トリフルオロメチル)フェニル]カーボネート、ビス(トリアセチルフェニル)カーボネート、ジベンジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(メチルナフチル)カーボネート、ジアントラセニルカーボネート、(メチルフェニル)フェニルカーボネート、(エチルフェニル)フェニルカーボネート、(プロピルフェニル)フェニルカーボネート、(ブチルフェニル)フェニルカーボネート、ベンジルフェニルカーボネート、ナフチルフェニルカーボネート、(アントラセニルフェニルカーボネート、(エチルフェニル)メチルフェニルカーボネート、(プロピルフェニル)メチルフェニルカーボネート、(ブチルフェニル)メチルフェニルカーボネート、(メチルフェニル)ベンジルカーボネート、(メチルフェニル)ナフチルカーボネート、(メチルナフチル)メチルフェニルカーボネート、(メチルフェニル)アントラセニルカーボネート;
(プロピルフェニル)エチルフェニルカーボネート、(ブチルフェニル)エチルフェニルカーボネート、(エチルフェニル)ベンジルカーボネート、(エチルフェニル)ナフチルカーボネート、(エチルフェニル)アントラセニルカーボネート、(ブチルフェニル)プロピルフェニルカーボネート、(プロピルフェニル)ベンジルカーボネート、(プロピルフェニル)ナフチルカーボネート、(プロピルフェニル)アントラセニルカーボネート、(ブチルフェニル)ベンジルカーボネート、(ブチルフェニル)ナフチルカーボネート、(ブチルフェニル)アントラセニルカーボネート、ベンジルナフチルカーボネート、ベンジルアントラセニルカーボネート、ナフチルアントラセニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、n−プロピルフェニルカーボネート、イソプロピルフェニルカーボネート、シクロプロピルフェニルカーボネート、n−ブチルフェニルカーボネート、イソブチルフェニルカーボネート、sec−ブチルフェニルカーボネート、tert−ブチルフェニルカーボネート、シクロブチルフェニルカーボネート、ペンチルフェニルカーボネート、シクロペンチルフェニルカーボネート、ヘキシルフェニルカーボネート、シクロヘキシルフェニルカーボネート、ヘプチルフェニルカーボネート、シクロヘプチルフェニルカーボネート、オクチルフェニルカーボネート、シクロオクチルフェニルカーボネート、ノニルフェニルカーボネート、デシルフェニルカーボネート、ウンデシルフェニルカーボネート、ドデシルフェニルカーボネート、トリデシルフェニルカーボネート、テトラデシルフェニルカーボネート、ペンタデシルフェニルカーボネート、ヘキサデシルフェニルカーボネート、ヘプタデシルフェニルカーボネート、オクタデシルフェニルカーボネート、ノナデシルフェニルカーボネート、イコシルフェニルカーボネート、ヘンイコシルフェニルカーボネート、ドコシルフェニルカーボネート、トリコシルフェニルカーボネート、テトラコシルフェニルカーボネート、ペンタコシルフェニルカーボネート、ヘキサコシルフェニルカーボネート、ヘプタコシルフェニルカーボネート、オクタコシルフェニルカーボネート、ノナコシルフェニルカーボネート、トリアコンチルフェニルカーボネート;
(メチルフェニル)メチルカーボネート、(メチルフェニル)エチルカーボネート、(メチルフェニル)n−プロピルカーボネート、(メチルフェニル)イソプロピルカーボネート、(メチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(メチルフェニル)n−ブチルカーボネート、(メチルフェニル)イソブチルカーボネート、(メチルフェニル)sec−ブチルカーボネート、(メチルフェニル)tert−ブチルカーボネート、(メチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(メチルフェニル)ペンチルカーボネート、(メチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(メチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(メチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(メチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(メチルフェニル)オクチルカーボネート、(メチルフェニル)ノニルカーボネート、(メチルフェニル)シクロノニルカーボネート、(メチルフェニル)デシルカーボネート、(メチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(メチルフェニル)ドデシルカーボネート、(エチルフェニル)メチルカーボネート、(エチルフェニル)エチルカーボネート、(エチルフェニル)n−プロピルカーボネート、(エチルフェニル)イソプロピルカーボネート、(エチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(エチルフェニル)n−ブチルカーボネート、(エチルフェニル)イソブチルカーボネート、(エチルフェニル)sec−ブチルカーボネート、(エチルフェニル)tert−ブチルカーボネート、(エチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(エチルフェニル)ペンチルカーボネート、(エチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(エチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(エチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(エチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(エチルフェニル)オクチルカーボネート、(エチルフェニル)ノニルカーボネート、(エチルフェニル)デシルカーボネート、(エチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(エチルフェニル)ドデシルカーボネート、(プロピルフェニル)メチルカーボネート、(プロピルフェニル)エチルカーボネート、(プロピルフェニル)n−プロピルカーボネート、(プロピルフェニル)イソプロピルカーボネート、(プロピルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(プロピルフェニル)n−ブチルカーボネート、(プロピルフェニル)イソブチルカーボネート、(プロピルフェニル)sec−ブチルカーボネート、(プロピルフェニル)tert−ブチルカーボネート、(プロピルフェニル)シクロブチルカーボネート、(プロピルフェニル)ペンチルカーボネート、(プロピルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(プロピルフェニル)ヘキシルカーボネート、(プロピルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(プロピルフェニル)ヘプチルカーボネート、(プロピルフェニル)オクチルカーボネート、(プロピルフェニル)ノニルカーボネート、(プロピルフェニル)デシルカーボネート、(プロピルフェニル)ウンデシルカーボネート、(プロピルフェニル)ドデシルカーボネート;
(ブチルフェニル)メチルカーボネート、(ブチルフェニル)エチルカーボネート、(ブチルフェニル)n−プロピルカーボネート、(ブチルフェニル)イソプロピルカーボネート、(ブチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(ブチルフェニル)n−ブチルカーボネート、(ブチルフェニル)イソブチルカーボネート、(ブチルフェニル)sec−ブチルカーボネート、(ブチルフェニル)tert−ブチルカーボネート、(ブチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(ブチルフェニル)ペンチルカーボネート、(ブチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(ブチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(ブチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(ブチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(ブチルフェニル)オクチルカーボネート、(ブチルフェニル)ノニルカーボネート、(ブチルフェニル)デシルカーボネート、(ブチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(ブチルフェニル)ドデシルカーボネート、(メトキシフェニル)メチルカーボネート、(メトキシフェニル)エチルカーボネート、(メトキシフェニル)プロピルカーボネート、(メトキシフェニル)シクロプロピルカーボネート、(メトキシフェニル)ブチルカーボネート、(メトキシフェニル)シクロブチルカーボネート、(メトキシフェニル)ペンチルカーボネート、(メトキシフェニル)シクロペンチルカーボネート、(メトキシフェニル)ヘキシルカーボネート、(メトキシフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(メトキシフェニル)ヘプチルカーボネート、(メトキシフェニル)オクチルカーボネート、(メトキシフェニル)ノニルカーボネート、(メトキシフェニル)デシルカーボネート、(メトキシフェニル)ウンデシルカーボネート、(メトキシフェニル)ドデシルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)メチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)エチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)プロピルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)シクロプロピルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ブチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)シクロブチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ペンチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)シクロペンチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ヘキシルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ヘプチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)オクチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ノニルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)デシルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ウンデシルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ドデシルカーボネート;
(フルオロフェニル)メチルカーボネート、(フルオロフェニル)エチルカーボネート、(フルオロフェニル)プロピルカーボネート、(フルオロフェニル)シクロプロピルカーボネート、(フルオロフェニル)ブチルカーボネート、(フルオロフェニル)シクロブチルカーボネート、(フルオロフェニル)ペンチルカーボネート、(フルオロフェニル)シクロペンチルカーボネート、(フルオロフェニル)ヘキシルカーボネート、(フルオロフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(フルオロフェニル)ヘプチルカーボネート、(フルオロフェニル)オクチルカーボネート、(フルオロフェニル)ノニルカーボネート、(フルオロフェニル)デシルカーボネート、(フルオロフェニル)ウンデシルカーボネート、(フルオロフェニル)ドデシルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)メチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)エチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)プロピルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ブチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ペンチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)オクチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ノニルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)デシルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ドデシルカーボネート、(アセチルフェニル)メチルカーボネート、(アセチルフェニル)エチルカーボネート、(アセチルフェニル)プロピルカーボネート、(アセチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(アセチルフェニル)ブチルカーボネート、(アセチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(アセチルフェニル)ペンチルカーボネート、(アセチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(アセチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(アセチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(アセチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(アセチルフェニル)オクチルカーボネート、(アセチルフェニル)ノニルカーボネート、(アセチルフェニル)デシルカーボネート、(アセチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(アセチルフェニル)ドデシルカーボネート;
(ジメチルフェニル)メチルカーボネート、(ジメチルフェニル)エチルカーボネート、(ジメチルフェニル)プロピルカーボネート、(ジメチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(ジメチルフェニル)ブチルカーボネート、(ジメチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(ジメチルフェニル)ペンチルカーボネート、(ジメチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(ジメチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(ジメチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(ジメチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(ジメチルフェニル)オクチルカーボネート、(ジメチルフェニル)ノニルカーボネート、(ジメチルフェニル)デシルカーボネート、(ジメチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(ジメチルフェニル)ドデシルカーボネート、(ジエチルフェニル)メチルカーボネート、(ジエチルフェニル)エチルカーボネート、(ジエチルフェニル)プロピルカーボネート、(ジエチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(ジエチルフェニル)ブチルカーボネート、(ジエチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(ジエチルフェニル)ペンチルカーボネート、(ジエチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(ジエチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(ジエチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(ジエチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(ジエチルフェニル)オクチルカーボネート、(ジエチルフェニル)ノニルカーボネート、(ジエチルフェニル)デシルカーボネート、(ジエチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(ジエチルフェニル)ドデシルカーボネート、(ジプロピルフェニル)メチルカーボネート、(ジプロピルフェニル)エチルカーボネート、(ジプロピルフェニル)プロピルカーボネート、(ジプロピルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(ジプロピルフェニル)ブチルカーボネート、(ジプロピルフェニル)シクロブチルカーボネート、(ジプロピルフェニル)ペンチルカーボネート、(ジプロピルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(ジプロピルフェニル)ヘキシルカーボネート、(ジプロピルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(ジプロピルフェニル)ヘプチルカーボネート、(ジプロピルフェニル)オクチルカーボネート、(ジプロピルフェニル)ノニルカーボネート、(ジプロピルフェニル)デシルカーボネート、(ジプロピルフェニル)ウンデシルカーボネート、(ジプロピルフェニル)ドデシルカーボネート;
(ジブチルフェニル)メチルカーボネート、(ジブチルフェニル)エチルカーボネート、(ジブチルフェニル)プロピルカーボネート、(ジブチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(ジブチルフェニル)ブチルカーボネート、(ジブチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(ジブチルフェニル)ペンチルカーボネート、(ジブチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(ジブチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(ジブチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(ジブチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(ジブチルフェニル)オクチルカーボネート、(ジブチルフェニル)ノニルカーボネート、(ジブチルフェニル)デシルカーボネート、(ジブチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(ジブチルフェニル)ドデシルカーボネート、(トリメチルフェニル)メチルカーボネート、(トリメチルフェニル)エチルカーボネート、(トリメチルフェニル)プロピルカーボネート、(トリメチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(トリメチルフェニル)ブチルカーボネート、(トリメチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(トリメチルフェニル)ペンチルカーボネート、(トリメチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(トリメチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(トリメチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(トリメチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(トリメチルフェニル)オクチルカーボネート、(トリメチルフェニル)ノニルカーボネート、(トリメチルフェニル)デシルカーボネート、(トリメチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(トリメチルフェニル)ドデシルカーボネート、(トリエチルフェニル)メチルカーボネート、(トリエチルフェニル)エチルカーボネート、(トリエチルフェニル)プロピルカーボネート、(トリエチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(トリエチルフェニル)ブチルカーボネート、(トリエチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(トリエチルフェニル)ペンチルカーボネート、(トリエチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(トリエチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(トリエチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(トリエチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(トリエチルフェニル)オクチルカーボネート、(トリエチルフェニル)ノニルカーボネート、(トリエチルフェニル)デシルカーボネート、(トリエチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(トリエチルフェニル)ドデシルカーボネート;
(トリプロピルフェニル)メチルカーボネート、(トリプロピルフェニル)エチルカーボネート、(トリプロピルフェニル)プロピルカーボネート、(トリプロピルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(トリプロピルフェニル)ブチルカーボネート、(トリプロピルフェニル)シクロブチルカーボネート、(トリプロピルフェニル)ペンチルカーボネート、(トリプロピルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(トリプロピルフェニル)ヘキシルカーボネート、(トリプロピルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(トリプロピルフェニル)ヘプチルカーボネート、(トリプロピルフェニル)オクチルカーボネート、(トリプロピルフェニル)ノニルカーボネート、(トリプロピルフェニル)デシルカーボネート、(トリプロピルフェニル)ウンデシルカーボネート、(トリプロピルフェニル)ドデシルカーボネート、(トリブチルフェニル)メチルカーボネート、(トリブチルフェニル)エチルカーボネート、(トリブチルフェニル)プロピルカーボネート、(トリブチルフェニル)シクロプロピルカーボネート、(トリブチルフェニル)ブチルカーボネート、(トリブチルフェニル)シクロブチルカーボネート、(トリブチルフェニル)ペンチルカーボネート、(トリブチルフェニル)シクロペンチルカーボネート、(トリブチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(トリブチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(トリブチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(トリブチルフェニル)オクチルカーボネート、(トリブチルフェニル)ノニルカーボネート、(トリブチルフェニル)デシルカーボネート、(トリブチルフェニル)ウンデシルカーボネート、(トリブチルフェニル)ドデシルカーボネート、ベンジルメチルカーボネート、ベンジルエチルカーボネート、ベンジルn−プロピルカーボネート、ベンジルイソプロピルカーボネート、ベンジルシクロプロピルカーボネート、ベンジルn−ブチルカーボネート、ベンジルイソブチルカーボネート、ベンジルsec−ブチルカーボネート、ベンジルtert−ブチルカーボネート、ベンジルシクロブチルカーボネート、ベンジルペンチルカーボネート、ベンジルシクロペンチルカーボネート、ベンジルヘキシルカーボネート、ベンジルシクロヘキシルカーボネート、ベンジルヘプチルカーボネート、ベンジルオクチルカーボネート、ベンジルノニルカーボネート、ベンジルデシルカーボネート、ベンジルウンデシルカーボネート、ベンジルドデシルカーボネート;
ナフチルメチルカーボネート、ナフチルエチルカーボネート、ナフチルプロピルカーボネート、ナフチルシクロプロピルカーボネート、ナフチルブチルカーボネート、ナフチルシクロブチルカーボネート、ナフチルペンチルカーボネート、ナフチルシクロペンチルカーボネート、ナフチルヘキシルカーボネート、ナフチルシクロヘキシルカーボネート、ナフチルヘプチルカーボネート、ナフチルオクチルカーボネート、ナフチルノニルカーボネート、ナフチルデシルカーボネート、ナフチルウンデシルカーボネート、ナフチルドデシルカーボネート、アントラセニルメチルカーボネート、アントラセニルエチルカーボネート、アントラセニルプロピルカーボネート、アントラセニルシクロプロピルカーボネート、アントラセニルブチルカーボネート、アントラセニルシクロブチルカーボネート、アントラセニルペンチルカーボネート、アントラセニルシクロペンチルカーボネート、アントラセニルヘキシルカーボネート、アントラセニルシクロヘキシルカーボネート、アントラセニルヘプチルカーボネート、アントラセニルオクチルカーボネート、アントラセニルノニルカーボネート、アントラセニルデシルカーボネート、アントラセニルウンデシルカーボネート、アントラセニルドデシルカーボネート。
より好ましくは、芳香族単官能カーボネート化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
ジフェニルカーボネート、ビス(メチルフェニル)カーボネート、ビス(メトキシフェニル)カーボネート、ビス(ジメチルアミノフェニル)カーボネート、ビス(フルオロフェニル)カーボネート、ビス(トリフルオロメチルフェニル)カーボネート、ビス(アセチルフェニル)カーボネート、ビス(ジメチルフェニル)カーボネート、ビス(トリメチルフェニル)カーボネート、ジベンジルカーボネート、(メチルフェニル)フェニルカーボネート、ベンジルフェニルカーボネート、ナフチルフェニルカーボネート、(メチルフェニル)ベンジルカーボネート;
ベンジルナフチルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、n−プロピルフェニルカーボネート、イソプロピルフェニルカーボネート、n−ブチルフェニルカーボネート、イソブチルフェニルカーボネート、sec−ブチルフェニルカーボネート、tert−ブチルフェニルカーボネート、ペンチルフェニルカーボネート、ヘキシルフェニルカーボネート、シクロヘキシルフェニルカーボネート、ヘプチルフェニルカーボネート、オクチルフェニルカーボネート、ノニルフェニルカーボネート、デシルフェニルカーボネート、ウンデシルフェニルカーボネート、ドデシルフェニルカーボネート;
(メチルフェニル)メチルカーボネート、(メチルフェニル)エチルカーボネート、(メチルフェニル)n−プロピルカーボネート、(メチルフェニル)イソプロピルカーボネート、(メチルフェニル)n−ブチルカーボネート、(メチルフェニル)イソブチルカーボネート、(メチルフェニル)sec−ブチルカーボネート、(メチルフェニル)tert−ブチルカーボネート、(メチルフェニル)ペンチルカーボネート、(メチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(メチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(メチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(メチルフェニル)オクチルカーボネート、(メトキシフェニル)メチルカーボネート、(メトキシフェニル)エチルカーボネート、(メトキシフェニル)プロピルカーボネート、(メトキシフェニル)ブチルカーボネート、(メトキシフェニル)ペンチルカーボネート、(メトキシフェニル)ヘキシルカーボネート、(メトキシフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(メトキシフェニル)ヘプチルカーボネート、(メトキシフェニル)オクチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)メチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)エチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)プロピルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ブチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ペンチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ヘキシルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)ヘプチルカーボネート、(ジメチルアミノフェニル)オクチルカーボネート;
(フルオロフェニル)メチルカーボネート、(フルオロフェニル)エチルカーボネート、(フルオロフェニル)プロピルカーボネート、(フルオロフェニル)ブチルカーボネート、(フルオロフェニル)ペンチルカーボネート、(フルオロフェニル)ヘキシルカーボネート、(フルオロフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(フルオロフェニル)ヘプチルカーボネート、(フルオロフェニル)オクチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)メチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)エチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)プロピルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ブチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ペンチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(トリフルオロメチルフェニル)オクチルカーボネート、(アセチルフェニル)メチルカーボネート、(アセチルフェニル)エチルカーボネート、(アセチルフェニル)プロピルカーボネート、(アセチルフェニル)ブチルカーボネート、(アセチルフェニル)ペンチルカーボネート、(アセチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(アセチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(アセチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(アセチルフェニル)オクチルカーボネート;
(ジメチルフェニル)メチルカーボネート、(ジメチルフェニル)エチルカーボネート、(ジメチルフェニル)プロピルカーボネート、(ジメチルフェニル)ブチルカーボネート、(ジメチルフェニル)ペンチルカーボネート、(ジメチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(ジメチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(ジメチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(ジメチルフェニル)オクチルカーボネート、(トリメチルフェニル)メチルカーボネート、(トリメチルフェニル)エチルカーボネート、(トリメチルフェニル)プロピルカーボネート、(トリメチルフェニル)ブチルカーボネート、(トリメチルフェニル)ペンチルカーボネート、(トリメチルフェニル)ヘキシルカーボネート、(トリメチルフェニル)シクロヘキシルカーボネート、(トリメチルフェニル)ヘプチルカーボネート、(トリメチルフェニル)オクチルカーボネート、ベンジルメチルカーボネート、ベンジルエチルカーボネート、ベンジルn−プロピルカーボネート、ベンジルイソプロピルカーボネート、ベンジルn−ブチルカーボネート、ベンジルイソブチルカーボネート、ベンジルsec−ブチルカーボネート、ベンジルtert−ブチルカーボネート、ベンジルペンチルカーボネート、ベンジルヘキシルカーボネート、ベンジルシクロヘキシルカーボネート、ベンジルヘプチルカーボネート、ベンジルオクチルカーボネート。
さらに好ましくは、芳香族単官能カーボネート化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
ジフェニルカーボネート、ビス(メチルフェニル)カーボネート、ビス(メトキシフェニル)カーボネート、ビス(ジメチルアミノフェニル)カーボネート、ビス(フルオロフェニル)カーボネート、ビス(トリフルオロメチルフェニル)カーボネート、ビス(アセチルフェニル)カーボネート、ビス(ジメチルフェニル)カーボネート、ビス(トリメチルフェニル)カーボネート、ジベンジルカーボネート、ベンジルフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、n−プロピルフェニルカーボネート、イソプロピルフェニルカーボネート、n−ブチルフェニルカーボネート、イソブチルフェニルカーボネート、sec−ブチルフェニルカーボネート、tert−ブチルフェニルカーボネート。
(多官能カーボネート化合物)
本実施形態に係る多官能カーボネート化合物は、カーボネート基を2つ以上有するものであれば、特に限定されない。多官能カーボネート化合物は、上記式(1)において、aが2以上で表される化合物が挙げられる。
R1を具体的に例示するならば、以下が挙げられる。
メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレン、ノナデシレン、イコサニレン、ヘンイコサニレン、ドコサニレン、トリコサニレン、テトラコサニレン、ペンタコサニレン、ヘキサコサニレン、ヘプタコサニレン、オクタコサニレン、ノナコサニレン、トリアコンタニレン、ヘントリアコンタニレン、ドトリアコンタニレン等の脂肪族炭化水素基(これらの基は直鎖状、分岐状又は環状であってもよい)、並びに、置換又は無置換のフェニレン、ナフチレン、アントラセニレン等の芳香族炭化水素基。
フェニレン、ナフチレン、アントラセニレン等の芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル等の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、OR基、OCOR基、NR2基、NHCOR基、CF3基、CCl3基、NO2基、CN基、CHO基、COR基、CO2R基、SO2R基、SO3R基等が挙げられる。なお、前記Rは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を示す。
R1及びR2が連結されていない場合、R2を具体的に例示するならば、以下が挙げられる。
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル等の脂肪族炭化水素基(これらの基は直鎖状、分岐状又は環状であってもよい)、並びに、置換又は無置換のフェニル、ナフチル、アントラセニル等の芳香族炭化水素基。
フェニル、ナフチル、アントラセニル等の芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル等の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、OR基、OCOR基、NR2基、NHCOR基、CF3基、CCl3基、NO2基、CN基、CHO基、COR基、CO2R基、SO2R基、SO3R基等が挙げられる。なお、前記Rは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を示す。
R1及びR2が連結されている場合、又はR2同士が連結されている場合、R2を具体的に例示するならば、以下が挙げられる。
メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレン、ノナデシレン、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル等の脂肪族炭化水素基(これらの基は直鎖状、分岐状又は環状であってもよい)、並びに、置換又は無置換のフェニレン、ナフチレン、アントラセニレン等の芳香族炭化水素基。
フェニレン、ナフチレン、アントラセニレン等の芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、ヘントリアコンチル、ドトリアコンチル等の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、OR基、OCOR基、NR2基、NHCOR基、CF3基、CCl3基、NO2基、CN基、CHO基、COR基、CO2R基、SO2R基、SO3R基等が挙げられる。なお、前記Rは、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基を示す。
多官能カーボネート化合物の中でも、入手が容易となり、組成物としてのコストをより抑制でき、経済性により優れる傾向にあり、室温下で組成物を調製する際、(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向にある、及び/又は、(C)エポキシ化合物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。
エチレングリコールビス(メチルカーボネート)、エチレングリコールビス(エチルカーボネート)、エチレングリコールビス(n−プロピルカーボネート)、エチレングリコールビス(イソプロピルカーボネート)、エチレングリコールビス(n−ブチルカーボネート)、エチレングリコールビス(イソブチルカーボネート)、エチレングリコールビス(sec−ブチルカーボネート)、エチレングリコールビス(tert−ブチルカーボネート)、エチレングリコールビス(シクロブチルカーボネート)、エチレングリコールビス(ペンチルカーボネート)、エチレングリコールビス(シクロペンチルカーボネート)、エチレングリコールビス(ヘキシルカーボネート)、エチレングリコールビス(シクロヘキシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ヘプチルカーボネート)、エチレングリコールビス(シクロヘプチルカーボネート)、エチレングリコールビス(オクチルカーボネート)、エチレングリコールビス(シクロオクチルカーボネート)、エチレングリコールビス(ノニルカーボネート)、エチレングリコールビス(デシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ウンデシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ドデシルカーボネート)、エチレングリコールビス(トリデシルカーボネート)、エチレングリコールビス(テトラデシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ペンタデシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ヘキサデシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ヘプタデシルカーボネート)、エチレングリコールビス(オクタデシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ノナデシルカーボネート)、エチレングリコールビス(イコシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ヘンイコシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ドコシルカーボネート)、エチレングリコールビス(トリコシルカーボネート)、エチレングリコールビス(テトラコシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ペンタコシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ヘキサコシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ヘプタコシルカーボネート)、エチレングリコールビス(オクタコシルカーボネート)、エチレングリコールビス(ノナコシルカーボネート)、エチレングリコールビス(トリアコンチルカーボネート);
エチレングリコールビス(フェニルカーボネート)、エチレングリコールビス[(メチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(エチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(プロピルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(ブチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(メトキシフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(ジメチルアミノフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(フルオロフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(トリフルオロメチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(アセチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(ジメチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(ジエチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(ジプロピルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(ジブチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(トリメチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(トリエチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(トリプロピルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス[(トリブチルフェニル)カーボネート]、エチレングリコールビス(ベンジルカーボネート)、エチレングリコールビス(ナフチルカーボネート)、エチレングリコールビス[(メチルナフチル)カーボネート]、エチレングリコールビス(アントラセニルカーボネート);
プロピレングリコールビス(メチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(エチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(n−プロピルカーボネート)、プロピレングリコールビス(イソプロピルカーボネート)、プロピレングリコールビス(n−ブチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(イソブチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(sec−ブチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(tert−ブチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(シクロブチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ペンチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(シクロペンチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ヘキシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(シクロヘキシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ヘプチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(シクロヘプチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(オクチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ノニルカーボネート)、プロピレングリコールビス(デシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ウンデシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ドデシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(トリデシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(テトラデシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ペンタデシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ヘキサデシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ヘプタデシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(オクタデシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ノナデシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(イコシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ヘンイコシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ドコシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(トリコシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(テトラコシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ペンタコシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ヘキサコシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ヘプタコシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(オクタコシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ノナコシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(トリアコンチルカーボネート);
プロピレングリコールビス(フェニルカーボネート)、プロピレングリコールビス[(メチルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(エチルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(プロピルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(ブチルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(メトキシフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(ジメチルアミノフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(フルオロフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(トリフルオロフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(アセチルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(ジメチルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(ジエチルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(ジプロピルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(ジブチルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(トリメチルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(トリエチルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(トリプロピルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス[(トリブチルフェニル)カーボネート]、プロピレングリコールビス(ベンジルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ナフチルカーボネート)、プロピレングリコールビス[(メチルナフチル)カーボネート]、プロピレングリコールビス(アントラセニルカーボネート);
1,3−プロパンジオールビス(メチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(エチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(n−プロピルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(イソプロピルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(n−ブチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(イソブチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(sec−ブチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(tert−ブチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(シクロブチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ペンチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(シクロペンチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ヘキシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(シクロヘキシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ヘプチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(シクロヘプチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(オクチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(シクロオクチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ノニルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(デシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ウンデシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ドデシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(トリデシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(テトラデシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ペンタデシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ヘキサデシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ヘプタデシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(オクタデシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ノナデシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(イコシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ヘンイコシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ドコシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(トリコシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(テトラコシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ペンタコシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ヘキサコシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ヘプタコシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(オクタコシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ノナコシルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(トリアコンチルカーボネート);
1,3−プロパンジオールビス(フェニルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス[(メチルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(エチルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(プロピルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(ブチルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(ジメチルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(ジエチルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(ジプロピルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(ジブチルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(トリメチルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(トリエチルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(トリプロピルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス[(トリブチルフェニル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス(ベンジルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(ナフチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス[(メチルナフチル)カーボネート]、1,3−プロパンジオールビス(アントラセニルカーボネート);
ブチレングリコールビス(メチルカーボネート)、ブチレングリコールビス(エチルカーボネート)、ブチレングリコールビス(プロピルカーボネート)、ブチレングリコールビス(ブチルカーボネート)、ブチレングリコールビス(シクロブチルカーボネート)、ブチレングリコールビス(ペンチルカーボネート)、ブチレングリコールビス(シクロペンチルカーボネート)、ブチレングリコールビス(ヘキシルカーボネート)、ブチレングリコールビス(シクロヘキシルカーボネート)、ブチレングリコールビス(ヘプチルカーボネート)、ブチレングリコールビス(オクチルカーボネート)、ブチレングリコールビス(ノニルカーボネート)、ブチレングリコールビス(デシルカーボネート)、ブチレングリコールビス(ウンデシルカーボネート)、ブチレングリコールビス(ドデシルカーボネート)、ブチレングリコールビス(フェニルカーボネート)、ブチレングリコールビス[(メチルフェニル)カーボネート]、ブチレングリコールビス[(ジメチルフェニル)カーボネート]、ブチレングリコールビス[(トリメチルフェニル)カーボネート]、ブチレングリコールビス(ベンジルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(メチルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(エチルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(プロピルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(ブチルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(シクロブチルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(ペンチルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(シクロペンチルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(ヘキシルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(シクロヘキシルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(ヘプチルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(オクチルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(ノニルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(デシルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(フェニルカーボネート)、ペンチレングリコールビス[(メチルフェニル)カーボネート]、ペンチレングリコールビス[(ジメチルフェニル)カーボネート]、ペンチレングリコールビス[(トリメチルフェニル)カーボネート]、ペンチレングリコールビス(ベンジルカーボネート);
ヘキシレングリコールビス(メチルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(エチルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(プロピルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(ブチルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(シクロブチルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(ペンチルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(シクロペンチルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(ヘキシルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(シクロヘキシルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(ヘプチルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(オクチルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(ノニルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(デシルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(フェニルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス[(メチルフェニル)カーボネート]、ヘキシレングリコールビス[(ジメチルフェニル)カーボネート]、ヘキシレングリコールビス[(トリメチルフェニル)カーボネート]、ヘキシレングリコールビス(ベンジルカーボネート);
シクロヘキサンジオールビス(メチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(エチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(n−プロピルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(イソプロピルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(n−ブチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(イソブチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(sec−ブチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(tert−ブチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(シクロブチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ペンチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(シクロペンチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ヘキシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(シクロヘキシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ヘプチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(オクチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ノニルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(デシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ウンデシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ドデシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(トリデシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(テトラデシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ペンタデシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ヘキサデシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ヘプタデシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(オクタデシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(フェニルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス[(メチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサンジオールビス[(ジメチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサンジオールビス[(トリメチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサンジオールビス(ベンジルカーボネート);
ヘプチレングリコールビス(メチルカーボネート)、ヘプチレングリコールビス(エチルカーボネート)、ヘプチレングリコールビス(プロピルカーボネート)、ヘプチレングリコールビス(ブチルカーボネート)、ヘプチレングリコールビス(ペンチルカーボネート)、ヘプチレングリコールビス(ヘキシルカーボネート)、ヘプチレングリコールビス(シクロヘキシルカーボネート)、ヘプチレングリコールビス(ヘプチルカーボネート)、ヘプチレングリコールビス(オクチルカーボネート)、ヘプチレングリコールビス(フェニルカーボネート)、ヘプチレングリコールビス(ベンジルカーボネート)、オクチレングリコールビス(メチルカーボネート)、オクチレングリコールビス(エチルカーボネート)、オクチレングリコールビス(プロピルカーボネート)オクチレングリコールビス(ブチルカーボネート)、オクチレングリコールビス(ペンチルカーボネート)、オクチレングリコールビス(ヘキシルカーボネート)、オクチレングリコールビス(シクロヘキシルカーボネート)、オクチレングリコールビス(ヘプチルカーボネート)、オクチレングリコールビス(オクチルカーボネート)、オクチレングリコールビス(フェニルカーボネート)、オクチレングリコールビス(ベンジルカーボネート)、エリスリトールビスカーボネート;
プロパントリオールトリス(メチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(エチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(プロピルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ブチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(シクロブチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ペンチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(シクロペンチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ヘキシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(シクロヘキシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ヘプチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(シクロヘプチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(オクチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(シクロオクチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ノニルカーボネート)、プロパントリオールトリス(デシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ウンデシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ドデシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(トリデシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(テトラデシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ペンタデシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ヘキサデシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ヘプタデシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(オクタデシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(フェニルカーボネート)、プロパントリオールトリス[(メチルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(エチルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(プロピルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(ブチルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(ジメチルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(ジエチルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(ジプロピルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(ジブチルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(トリメチルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(トリエチルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(トリプロピルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス[(トリブチルフェニル)カーボネート]、プロパントリオールトリス(ベンジルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ナフチルカーボネート)、プロパントリオールトリス[(メチルナフチル)カーボネート]、プロパントリオールトリス(アントラセニルカーボネート);
ブタントリオールトリス(メチルカーボネート)、ブタントリオールトリス(エチルカーボネート)、ブタントリオールトリス(プロピルカーボネート)、ブタントリオールトリス(ブチルカーボネート)、ブタントリオールトリス(ペンチルカーボネート)、ブタントリオールトリス(ヘキシルカーボネート)、ブタントリオールトリス(シクロヘキシルカーボネート)、ブタントリオールトリス(ヘプチルカーボネート)、ブタントリオールトリス(オクチルカーボネート)、ブタントリオールトリス(ノニルカーボネート)、ブタントリオールトリス(デシルカーボネート)、ブタントリオールトリス(フェニルカーボネート)、ブタントリオールトリス(ベンジルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(メチルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(エチルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(プロピルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(ブチルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(ペンチルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(ヘキシルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(シクロヘキシルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(ヘプチルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(オクチルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(ノニルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(デシルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(フェニルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(ベンジルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(メチルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(エチルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(プロピルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(ブチルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(ペンチルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(ヘキシルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(シクロヘキシルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(ヘプチルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(オクチルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(フェニルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(ベンジルカーボネート);
シクロヘキサントリオールトリス(メチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(エチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(プロピルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ブチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(シクロブチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ペンチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(シクロペンチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ヘキシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(シクロヘキシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ヘプチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(シクロヘプチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(オクチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ノニルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(デシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ウンデシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ドデシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(トリデシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(テトラデシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ペンタデシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ヘキサデシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ヘプタデシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(オクタデシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(フェニルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス[(メチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(エチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(プロピルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(ブチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(ジメチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(ジエチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(ジプロピルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(ジブチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(トリメチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(トリエチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(トリプロピルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(トリブチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス(ベンジルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ナフチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス[(メチルナフチル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス(アントラセニルカーボネート)。
より好ましくは、多官能カーボネート化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
エチレングリコールビス(メチルカーボネート)、エチレングリコールビス(エチルカーボネート)、エチレングリコールビス(n−プロピルカーボネート)、エチレングリコールビス(イソプロピルカーボネート)、エチレングリコールビス(n−ブチルカーボネート)、エチレングリコールビス(イソブチルカーボネート)、エチレングリコールビス(sec−ブチルカーボネート)、エチレングリコールビス(tert−ブチルカーボネート)、エチレングリコールビス(ペンチルカーボネート)、エチレングリコールビス(ヘキシルカーボネート)、エチレングリコールビス(シクロヘキシルカーボネート)、エチレングリコールビス(フェニルカーボネート)、エチレングリコールビス(ベンジルカーボネート)、プロピレングリコールビス(メチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(エチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(n−プロピルカーボネート)、プロピレングリコールビス(イソプロピルカーボネート)、プロピレングリコールビス(n−ブチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(イソブチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(sec−ブチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(tert−ブチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ペンチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ヘキシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(シクロヘキシルカーボネート)、プロピレングリコールビス(フェニルカーボネート)、プロピレングリコールビス(ベンジルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(メチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(エチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(n−プロピルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(イソプロピルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(n−ブチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(イソブチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(sec−ブチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(tert−ブチルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(フェニルカーボネート);
ブチレングリコールビス(メチルカーボネート)、ブチレングリコールビス(エチルカーボネート)、ブチレングリコールビス(フェニルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(メチルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(エチルカーボネート)、ペンチレングリコールビス(フェニルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(メチルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(エチルカーボネート)、ヘキシレングリコールビス(フェニルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(メチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(エチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(n−プロピルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(イソプロピルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(n−ブチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(イソブチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(sec−ブチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(tert−ブチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ペンチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ヘキシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(シクロヘキシルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(フェニルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(ベンジルカーボネート)、エリスリトールビスカーボネート;
プロパントリオールトリス(メチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(エチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(プロピルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ブチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ペンチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ヘキシルカーボネート)、プロパントリオールトリス(シクロヘキシルカーボネート)、プロパントリオール、プロパントリオールトリス(フェニルカーボネート)、プロパントリオールトリス(ベンジルカーボネート)、ブタントリオールトリス(メチルカーボネート)、ブタントリオールトリス(エチルカーボネート)、ブタントリオールトリス(フェニルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(メチルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(エチルカーボネート)、ペンタントリオールトリス(フェニルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(メチルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(エチルカーボネート)、ヘキサントリオールトリス(フェニルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(メチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(エチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(プロピルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ブチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ペンチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(ヘキシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(シクロヘキシルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(フェニルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス[(メチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(ジメチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス[(トリメチルフェニル)カーボネート]、シクロヘキサントリオールトリス(ベンジルカーボネート)。
さらに好ましくは、多官能カーボネート化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
エチレングリコールビス(メチルカーボネート)、エチレングリコールビス(エチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(メチルカーボネート)、プロピレングリコールビス(エチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(メチルカーボネート)、シクロヘキサンジオールビス(エチルカーボネート)、エリスリトールビスカーボネート、プロパントリオールトリス(メチルカーボネート)、プロパントリオールトリス(エチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(メチルカーボネート)、シクロヘキサントリオールトリス(エチルカーボネート)。
(成分(B):三ハロゲン化ホウ素)
本実施形態の(B)三ハロゲン化ホウ素は、ハロゲン原子3個とホウ素原子1個とから構成されている化合物である。
(B)三ハロゲン化ホウ素の具体例としては、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素及び三ヨウ化ホウ素が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
(B)三ハロゲン化ホウ素は、ルイス酸性が低下し、取り扱い性が向上する傾向にあることから、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素及び三臭化ホウ素が好ましい。(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素との結合力が向上し、組成物とした際、(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向にあることから、三フッ化ホウ素及び三塩化ホウ素であることがより好ましい。同様の観点から、三フッ化ホウ素がさらに好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素との少なくとも一部が、配位結合を介した化合物(錯体)を形成することは、室温下で組成物を調製する際、(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向にある、及び/又は、(C)エポキシ化合物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから好ましい。同様の観点から、組成物中に含有される(B)三ハロゲン化ホウ素の全てが、(A)カーボネート化合物と配位結合を介した化合物(錯体)を形成することは、より好ましい。
(成分(C):エポキシ化合物)
本実施形態の成分(C)は、重合性官能基として、3員環エーテル構造を少なくとも1つ以上有する化合物である。成分(C)として、1種のエポキシ化合物を単独で用いてもよいし、複数種のエポキシ化合物を組み合わせて用いてもよい。
重合性官能基とは、単量体が結合を介して連結されてなる重合体を形成する際、単量体間の結合を与えることができる置換基を示す。
成分(C)は、3員環エーテル構造のみを重合性官能基として有してもよいし、3員環エーテル構造と共に、一般的に用いられる重合性官能基を有してもよい。
一般的に用いられる重合性官能基としては特に限定されないが、例えば、環状エーテル構造、環状チオエーテル構造、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びその含硫黄類縁構造、環状アセタール構造及びその含硫黄類縁構造、環状アミン構造、環状イミノエーテル構造、ラクタム構造、環状チオウレア構造、環状ホスフィナート構造、環状ホスホナイト構造、環状ホスファイト構造、ビニル構造、アリル構造、(メタ)アクリル構造、並びにシクロアルカン構造から選ばれ得る。
重合性官能基として3員環エーテル構造及び一般的に用いられる重合性官能基を有するエポキシ化合物は、重合条件が異なる重合性官能基を有している場合がある。そのため、当該エポキシ化合物は、少なくとも1つの重合性官能基を重合させ、半重合体とし、該半重合体を成型する等の加工を行った後、さらに重合させ、完全重合体とすることで、所望の物性を得るような工程を必要とする用途に対して、有効な手段として用いることができる。
(C)エポキシ化合物としては、3員環エーテル構造のみを重合性官能基として有する、又は3員環エーテル構造を重合性官能基として有し、且つラクトン構造、環状カーボネート構造及びその含硫黄類縁構造、環状アセタール構造及びその含硫黄類縁構造、環状アミン構造、環状イミノエーテル構造、ラクタム構造、環状チオウレア構造、環状ホスフィナート構造、環状ホスホナイト構造並びに環状ホスファイト構造からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の構造を重合性官能基として有することが好ましい。
これらの中でも、重合性官能基の残留が抑制される傾向にあることから、3員環エーテル構造のみを重合性官能基として有する、又は3員環エーテル構造を重合性官能基として有し、且つ4員環、6員環、7員環ラクトン構造、5員環、6員環環状カーボネート構造及びその含硫黄類縁構造、5員環環状アセタール構造及びその含硫黄類縁構造、3員環、4員環環状アミン構造、5員環、6員環環状イミノエーテル構造、4員環、7員環、8員環ラクタム構造、5員環、6員環環状チオウレア構造、環状ホスフィナート構造、環状ホスホナイト構造、環状ホスファイト構造からなる群より選ばれる少なくとも1つ以上の構造を重合性官能基として有する化合物がより好ましい。さらに、重合性の制御がより容易であることから、重合性官能基の残留を抑制できる傾向にあり、多段階の重合工程を必要とせず、重合物としてのコストを抑制でき、経済性に優れる傾向にあることから、3員環エーテル構造のみを重合性官能基として有する化合物が特に好ましい。
成分(C)のエポキシ当量(WPE、g/mol)は、エポキシ化合物の標準状態における蒸気圧が高く、取扱いが容易となる傾向にあることから55以上であることが好ましい。重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから、エポキシ当量は70以上であることがより好ましい。同様の観点から、エポキシ当量は85以上であることがさらに好ましい。
成分(C)のエポキシ当量(WPE、g/mol)は、組成物を重合する際、エポキシ基の残留を抑制出来る傾向にあることから600以下であることが好ましい。エポキシ化合物から形成される硬化物の耐熱性が向上する傾向にあることから、エポキシ当量は500以下であることがより好ましい。同様の観点から、エポキシ当量は450以下であることがさらに好ましい。
成分(C)は、3員環エーテル構造を重合性官能基として有する化合物であれば特に限定されないが、入手が容易であり、組成物のコストが抑制され、経済性に優れる傾向にあることから、下記式(3)、(4)、(5)又は(6)で表される部分構造を有することが好ましい。また、組成物としての安定性がより向上する傾向にあることから、下記式(3)又は(4)で表される部分構造を有することがより好ましい。透明性の観点においては、組成物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから、式(3)で表される部分構造を有することがさらに好ましい。耐熱性の観点においては、エポキシ化合物から形成される硬化物の耐熱性がより向上する傾向にあることから、式(4)で表される部分構造を有することがさらに好ましい。
式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23及びR24はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜20の鎖状、分岐状若しくは環状の脂肪族炭化水素基又は置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基を示す。
成分(C)を具体的に例示するならば、単官能エポキシ化合物、ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、各種ノボラック化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物の核水素化物、複素環式エポキシ化合物、グリシジルエステル系エポキシ化合物、グリシジルアミン系エポキシ化合物、及びハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ化合物、多官能脂肪族エポキシ化合物、分子内にエポキシ基を有するシリコーン化合物、異種重合性官能基含有エポキシ化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。
(単官能エポキシ化合物)
単官能エポキシ化合物は、3員環エーテル構造を1つ有する化合物であれば特に限定されるものではなく、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、ブタジエンオキシド、ブタジエンジエポキシド、シクロブテンオキシド、1,3−シクロブタジエンジエポキシド、1−ペンテンオキシド、2−ペンテンオキシド、1,3−ペンタジエンジエポキシド、1,4−ペンタジエンジエポキシド、2−メチル−2−ブテンオキシド、2−メチル−3−ブテンオキシド、シクロペンテンオキシド、1,3−シクロペンタジエンジエポキシド、1−メチル−シクロブテンオキシド、3−メチル−1−シクロブテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、2−ヘキセンオキシド、3−ヘキセンオキシド、1,3−ヘキサジエンジエポキシド、1,4−ヘキサジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,3,5−ヘキサトリエントリエポキシド、シクロヘキセンオキシド、1,3−シクロヘキサジエンジエポキシド、1,3,5−シクロヘキサトリエントリエポキシド、1−メチル−シクロペンテンオキシド、3−メチル−シクロペンテンオキシド、1−メチル−1,3−シクロペンタジエンジエポキシド、2−メチル−1,3−シクロペンタジエンジエポキシド、5−メチル−1,3−シクロペンタジエンジエポキシド、3,4−ジメチル−シクロブテンオキシド、2,3−ジメチル−シクロブテンオキシド、1,2−ジメチル−シクロブテンオキシド、1,2−ジメチル−1,3−シクロブタジエンジエポキシド、2,3−ジメチル−1,3−シクロブタジエンジエポキシド、3,3−ジメチル−1,2−エポキシブタン、1−ヘプテンオキシド、2−ヘプテンオキシド、3−ヘプテンオキシド、1,3−ヘプタジエンジエポキシド、1,4−ヘプタジエンジエポキシド、1,5−ヘプタジエンジエポキシド、1,5−ヘプタジエンジエポキシド、1,6−ヘプタジエンジエポキシド、1,3,5−ヘプタトリエントリエポキシド、1,3,6−ヘプタトリエントリエポキシド、1,4,6−ヘプタトリエントリエポキシド、シクロヘプテンオキシド、1−メチル−シクロヘキセンオキシド、3−メチル−シクロヘキセンオキシド、4−メチル−シクロヘキセンオキシド、1−メチル−1,3−シクロヘキサジエンジエポキシド、1−メチル−1,4−ヘキサジエンジエポキシド、1−メチル−1,3,5−ヘキサトリエントリエポキシド、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキセン、2−ノルボルネンオキシド、7−メチル−2−ノルボルネンオキシド、7,7−ジメチル−2−ノルボルネンオキシド、2−メチル−2−ノルボルネンオキシド、2,3−ジメチル−2−ノルボルネンオキシド、2,7−ジメチル−2−ノルボルネンオキシド、2,7,7−トリメチル−2−ノルボルネンオキシド、2,3−エポキシ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2,3−エポキシ−2−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2,3−エポキシ−2,3−ジメチル−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2,3−エポキシ−2,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2,3−エポキシ−2,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2,3−エポキシ−2,3,5−トリメチル−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2,3−エポキシ−2,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.2]オクタン、2,3−エポキシ−2,3,5,6−テトラメチル−ビシクロ[2.2.2]オクタン、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、スチルベンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1,2−エポキシプロパン、ピネンオキシド、イソプレンモノオキシド、1,2−エポキシエチルベンゼン、ナフチルグリシジルエーテル、3−(2−ビフェニロキシ)−1,2−エポキシプロパン、アリルグリシジルエーテル、1,1−ジフェニル−エチレンオキシド、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルブチレート、ヨードメチルオキシラン、4−(2,3−エポキシプロピル)モルフォリン、グリシジルメチルエーテル、2−フェニル−プロピレンオキシド、2,3−エポキシプロピル−フルフリルエーテル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレンオキシド、エチル−3−フェニルグリシデート、リモネンオキシド、エポキシスクシン酸、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ペンタメチルジシロキサン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(フェニル)ジエトキシシラン、2,3−エポキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2,3−エポキシプロピル(フェニル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−チオグリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2,3−エポキシプロピルトリメトキシシラン及び2,3−エポキシプロピルトリエトキシシランから選ばれ得る。
上記の中でも、標準状態における蒸気圧が高く、取扱いが容易であり、組成物としての安定性がより向上する傾向にあり、重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから、単官能エポキシ化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、ブタジエンオキシド、ブタジエンジエポキシド、シクロブテンオキシド、1,3−シクロブタジエンジエポキシド、1−ペンテンオキシド、2−ペンテンオキシド、1,3−ペンタジエンジエポキシド、1,4−ペンタジエンジエポキシド、2−メチル−2−ブテンオキシド、2−メチル−3−ブテンオキシド、シクロペンテンオキシド、1,3−シクロペンタジエンジエポキシド、1−メチル−シクロブテンオキシド、3−メチル−1−シクロブテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、2−ヘキセンオキシド、3−ヘキセンオキシド、1,3−ヘキサジエンジエポキシド、1,4−ヘキサジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,3,5−ヘキサトリエントリエポキシド、シクロヘキセンオキシド、1,3−シクロヘキサジエンジエポキシド、1,3,5−シクロヘキサトリエントリエポキシド、1−メチル−シクロペンテンオキシド、3−メチル−シクロペンテンオキシド、1−メチル−1,3−シクロペンタジエンジエポキシド、2−メチル−1,3−シクロペンタジエンジエポキシド、5−メチル−1,3−シクロペンタジエンジエポキシド、3,4−ジメチル−シクロブテンオキシド、2,3−ジメチル−シクロブテンオキシド、1,2−ジメチル−シクロブテンオキシド、1,2−ジメチル−1,3−シクロブタジエンジエポキシド、2,3−ジメチル−1,3−シクロブタジエンジエポキシド、3,3−ジメチル−1,2−エポキシブタン、1−ヘプテンオキシド、2−ヘプテンオキシド、3−ヘプテンオキシド、1,3−ヘプタジエンジエポキシド、1,4−ヘプタジエンジエポキシド、1,5−ヘプタジエンジエポキシド、1,5−ヘプタジエンジエポキシド、1,6−ヘプタジエンジエポキシド、1,3,5−ヘプタトリエントリエポキシド、1,3,6−ヘプタトリエントリエポキシド、1,4,6−ヘプタトリエントリエポキシド、シクロヘプテンオキシド、1−メチル−シクロヘキセンオキシド、3−メチル−シクロヘキセンオキシド、4−メチル−シクロヘキセンオキシド、1−メチル−1,3−シクロヘキサジエンジエポキシド、1−メチル−1,4−ヘキサジエンジエポキシド、1−メチル−1,3,5−ヘキサトリエントリエポキシド、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキセン、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、スチルベンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1,2−エポキシプロパン、ピネンオキシド、イソプレンモノオキシド、1,2−エポキシエチルベンゼン、ナフチルグリシジルエーテル、3−(2−ビフェニロキシ)−1,2−エポキシプロパン、アリルグリシジルエーテル、1,1−ジフェニル−エチレンオキシド、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルブチレート、ヨードメチルオキシラン、4−(2,3−エポキシプロピル)モルフォリン、グリシジルメチルエーテル、2−フェニル−プロピレンオキシド、2,3−エポキシプロピル−フルフリルエーテル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレンオキシド、エチル−3−フェニルグリシデート、リモネンオキシド、エポキシスクシン酸、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ペンタメチルジシロキサン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(フェニル)ジエトキシシラン、2,3−エポキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2,3−エポキシプロピル(フェニル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2,3−エポキシプロピルトリメトキシシラン及び2,3−エポキシプロピルトリエトキシシラン。
さらに好ましくは、単官能エポキシ化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、ブタジエンオキシド、ブタジエンジエポキシド、1−ペンテンオキシド、2−ペンテンオキシド、1,3−ペンタジエンジエポキシド、1,4−ペンタジエンジエポキシド、2−メチル−2−ブテンオキシド、2−メチル−3−ブテンオキシド、シクロペンテンオキシド、1−メチル−シクロブテンオキシド、3−メチル−1−シクロブテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、2−ヘキセンオキシド、3−ヘキセンオキシド、1,3−ヘキサジエンジエポキシド、1,4−ヘキサジエンジエポキシド、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,3,5−ヘキサトリエントリエポキシド、シクロヘキセンオキシド、1,3−シクロヘキサジエンジエポキシド、1−メチル−シクロペンテンオキシド、3−メチル−シクロペンテンオキシド、2−ヘプテンオキシド、3−ヘプテンオキシド、1,3−ヘプタジエンジエポキシド、1,4−ヘプタジエンジエポキシド、1,5−ヘプタジエンジエポキシド、1,5−ヘプタジエンジエポキシド、1,6−ヘプタジエンジエポキシド、1−メチル−シクロヘキセンオキシド、3−メチル−シクロヘキセンオキシド、4−メチル−シクロヘキセンオキシド、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキセン、スチルベンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1,2−エポキシプロパン、ピネンオキシド、イソプレンモノオキシド、1,2−エポキシエチルベンゼン、ナフチルグリシジルエーテル、3−(2−ビフェニロキシ)−1,2−エポキシプロパン、アリルグリシジルエーテル、1,1−ジフェニル−エチレンオキシド、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルブチレート、ヨードメチルオキシラン、4−(2,3−エポキシプロピル)モルフォリン、グリシジルメチルエーテル、2−フェニル−プロピレンオキシド、2,3−エポキシプロピル−フルフリルエーテル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレンオキシド、エチル−3−フェニルグリシデート、リモネンオキシド、エポキシスクシン酸、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ペンタメチルジシロキサン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(フェニル)ジエトキシシラン、2,3−エポキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、2,3−エポキシプロピル(フェニル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2,3−エポキシプロピルトリメトキシシラン、及び2,3−エポキシプロピルトリエトキシシラン。
(多官能エポキシ化合物)
ポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ化合物は、特に限定されるものではなく、具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、2,6−ジ(t−ブチル)ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、及びフェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物から選ばれ得る。
上記の中でも、製造が容易であり、組成物としてのコストが抑制され、経済性に優れることから、ビスフェノールA骨格又はビスフェノールF骨格を有するフェノール類のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ化合物が好ましい。
ビスフェノール骨格を有するフェノール類のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ化合物の代表的な例を下記に示す。
(脂環式エポキシ化合物)
脂環式エポキシ化合物は、脂環式エポキシ構造を有するエポキシ化合物であれば、特に限定されるものではなく、例えば、シクロヘキセンオキシド基、トリシクロデセンオキシド基又はシクロペンテンオキシド基等を有するエポキシ化合物から選ばれ得る。
脂環式エポキシ化合物の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−オエポキシシクロヘキセンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルオクチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、及び1,2,8,9−ジエポキシリモネンが挙げられる。他の多官能脂環式エポキシ化合物としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキセン又は1,2−チオエポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキセン付加物等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物の代表的な例を下記に示す。
(ノボラック化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ化合物)
ノボラック化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、及びナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック化合物、キシリレン骨格含有フェノールノボラック化合物、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック化合物、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック化合物、並びに、フルオレン骨格含有フェノールノボラック化合物等の各種ノボラック化合物のグリシジルエーテル化物から選ばれ得る。
上記の中でも、製造が容易であり、組成物としてのコストが抑制され、経済性に優れることから、フェノール又はクレゾール類等を原料とするノボラック化合物のグリシジルエーテル化物が好ましい。
ノボラック化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ化合物の代表的な例を下記に示す。
(芳香族エポキシ化合物の核水素化物)
芳香族エポキシ化合物の核水素化物は、特に限定されるものではなく、例えば、フェノール化合物(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェノール等)のチオグリシジルエーテル化物、又は各種フェノール(フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等)の芳香環を核水素化したもの、並びに、ノボラック化合物のグリシジルエーテル化物の核水素化物から選ばれ得る。
(複素環式エポキシ化合物)
複素環式エポキシ化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、イソシアヌル環、及びヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ化合物から選ばれ得る。
(グリシジルエステル系エポキシ化合物)
グリシジルエステル系エポキシ化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル及びテトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の、カルボン酸化合物から誘導されるエポキシ化合物から選ばれ得る。
(グリシジルアミン系エポキシ化合物)
グリシジルアミン系エポキシ化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、アニリン、トルイジン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン誘導体及びジアミノメチルベンゼン誘導体等のアミンをグリシジル化したエポキシ化合物から選ばれ得る。
(ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ化合物)
ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、ブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、及びクロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジルエーテル化したエポキシ化合物から選ばれ得る。
(多官能脂肪族エポキシ化合物)
多官能脂肪族エポキシ化合物としては、特に限定されるものではなく、具体的には、1,1−ビスエポキシメタン、1−エポキシ−1−(2,3−エポキシプロピル)メタン、1,1−ビス(2,3−エポキシプロピル)メタン、1−エポキシ−1−(2,3−エポキシプロピル)エタン、1,2−ビス(2,3−エポキシプロピル)エタン、1−エポキシ−3−(2,3−エポキシプロピル)ブタン、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピル)プロパン、1−エポキシ−4−(2,3−エポキシプロピル)ペンタン、1,4−ビス(2,3−エポキシプロピル)ブタン、1−エポキシ−5−(2,3−エポキシプロピル)ヘキサン、1−エポキシ−2−(γ−エポキシブチルチオ)エタン、1−エポキシ−2−[2−(γ−エポキシブチルチオ)エチルチオ]エタン、テトラキス(2,3−エポキシプロピル)メタン、1,1,1−トリス(2,3−エポキシプロピル)プロパン、1,1,3−トリス(2,3−エポキシプロピル)−2−チアプロパン、1,2,4,5−ビス(2,3−エポキシプロピル)−3−チアペンタン、1,3または1,4−ビスエポキシシクロヘキサン、1,3または1,4−ビス(2,3−エポキシプロピル)シクロヘキサン、2,5−ビスエポキシ−1,4−ジチアン、2,5−ビス(2,3−エポキシプロピル)−1,4−ジチアン、4−エポキシ−1、2−シクロヘキセンオキシド、2,2−ビス[4−エポキシシクロヘキシル]プロパン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロピル)シクロヘキシル]プロパン、ビス[4−エポキシシクロヘキシル]メタン、ビス[4−(2,3−エポキシプロピル)シクロヘキシル]メタン、ビス[4−(2,3−エポキシプロピル)シクロヘキシル]スルフィド、ビス[4−エポキシシクロヘキシル]スルフィド、ビス(2,3−エポキシプロピル)エーテル、ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]メタン、1,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]エタン、1,3−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]プロパン、1,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]プロパン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]プロパン、1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]ブタン、1,3−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]ブタン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−3−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]ブタン、1,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]ペンタン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]ペンタン、1,6−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]ヘキサン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−5−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]ヘキサン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2−{[2−(2,3−エポキシプロピル)オキシエチル)オキシ]エタン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ)−2−{[2−(2−(2,3−エポキシプロピル)オキシエチル)オキシエチル]オキシ}エタン、テトラキス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]メタン、1,1,1−トリス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル)プロパン、1,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3−チアペンタン、1,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3−チアペンタン;
1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3−チアヘキサン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2,4,5−トリス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−5−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−5−{[2−(2,3−エポキシプロピル)オキシエチル]オキシメチル}−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−5,6−ビス{[2−(2,3−エポキシプロピル)オキシエチル]オキシ}−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−5,7−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−5,7−{[2−(2,3−エポキシプロピル)オキシエチル]オキシメチル}−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4,7−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6,9−トリチアウンデカン、1,3または1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]シクロヘキサン、1,3または1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]シクロヘキサン、ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]シクロヘキシル}メタン、2,2−ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]シクロヘキシル}プロパン、ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]シクロヘキシル}スルフィド、2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシエチルオキシメチル]−1,4−ジチアン、ビス(2,3−エポキシプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3−エポキシプロピル)トリスルフィド、ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]メタン、ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオ]メタン、ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオ]エタン、ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオエチル]スルフィド、ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオエチル]ジスルフィド、1,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]エタン、1,3−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]プロパン、1,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]プロパン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]プロパン、1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]ブタン、1,3−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]ブタン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−3−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]ブタン、1,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]ペンタン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]ペンタン、1,6−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]ヘキサン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−5−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]ヘキサン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2−{[2−(2,3−エポキシプロピル)チオエチル]チオ}エタン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2−{[2−(2−(2,3−エポキシプロピル)チオエチル)チオエチル]チオ}エタン、テトラキス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]メタン、テトラキス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオメチル]メタン、1,1,1−トリス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]プロパン、1,2,3−トリス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオ]プロパン、1,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3−チアペンタン、1,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3−チアペンタン;
1,6−ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオメチル]−2−[(2,3−エポキシプロピル)ジチオエチルチオ]−4−チアヘキサン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3−チアヘキサン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2,4,5−トリス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−5−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−5−{[2−(2,3−エポキシプロピル)チオエチル]チオメチル}−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−5,6−ビス{[2−(2,3−エポキシプロピル)チオエチル]チオ}−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−5,7−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−5,7−{[2−(2,3−エポキシプロピル)チオエチル]チオメチル}−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4,7−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラ{2−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]アセチルメチル}メタン、1,1,1−トリ{2−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]アセチルメチル}プロパン、テトラ{2−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]アセチルメチル}メタン、1,1,1−トリ{2−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]アセチルメチル}プロパン、1,3または1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキサン、1,3または1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]シクロヘキサン、2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオエチルチオメチル]−1,4−ジチアン、ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキシル}メタン、2,2−ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキシル}プロパン、ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキシル}スルフィド、2,2−ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキシル}プロパン、ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキシル}スルフィドから選ばれ得る。
上記の中でも、製造が容易であるため、組成物としてのコストが抑制でき、経済性に優れることから、多官能脂肪族エポキシ化合物としては、以下の群から選ばれる、少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]メタン、1,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]エタン、1,3−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]プロパン、1,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]プロパン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2−[(2,3−エポキシプロピル)メチル]プロパン、1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]ブタン、1,3−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]ブタン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−3−[(2,3−エポキシプロピル)メチル]ブタン、1,6−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]ヘキサン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−5−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]ヘキサン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2−{[2−(2,3−エポキシプロピル)オキシエチル]オキシ}エタン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2−{[2−(2−(2,3−エポキシプロピル)オキシエチル)オキシエチル]オキシ}エタン、テトラキス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]メタン、1,1,1−トリス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]プロパン、1−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3−チアヘキサン;
1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−4,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2,4,5−トリス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]−2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,3または1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]シクロヘキサン、1,3または1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]シクロヘキサン、ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]シクロヘキシル}メタン、2,2−ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]シクロヘキシル}プロパン、ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)オキシ]シクロヘキシル}スルフィド、2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)オキシエチルオキシメチル]−1,4−ジチアン、ビス(2,3−エポキシプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド、ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]メタン、ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオ]メタン、ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオ]エタン、ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオエチル]スルフィド、ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオエチル]ジスルフィド、1,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]エタン、1,3−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]プロパン、1,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]プロパン;
1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]プロパン、1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]ブタン、1,3−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]ブタン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−3−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]ブタン、1,6−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]ヘキサン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−5−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]ヘキサン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2−{[2−(2,3−エポキシプロピル)チオエチル]チオ}エタン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2−{[2−(2−(2,3−エポキシプロピル)チオエチル)チオエチル]チオ}エタン、テトラキス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]メタン、テトラキス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオメチル]メタン、1,1,1−トリス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]プロパン、1,2,3−トリス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオ]プロパン、1,6−ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオメチル]−2−[(2,3−エポキシプロピル)ジチオエチルチオ]−4−チアヘキサン、1−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2,2−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3−チアヘキサン;
1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−4,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2,4,5−トリス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]−2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−3,6−ジチアオクタン、テトラ{2−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]アセチルメチル}メタン、1,1,1−トリ{2−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]アセチルメチル}プロパン、テトラ{2−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]アセチルメチル}メタン、1,1,1−トリ{2−[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]アセチルメチル}プロパン、1,3または1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキサン、1,3または1,4−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]シクロヘキサン、2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)ジチオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス[(2,3−エポキシプロピル)チオエチルチオメチル]−1,4−ジチアン、ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキシル}メタン、2,2−ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキシル}プロパン、ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキシル}スルフィド、2,2−ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキシル}プロパン、ビス{4−[(2,3−エポキシプロピル)チオ]シクロヘキシル}スルフィド。
(分子内にエポキシ基を有するシリコーン化合物)
分子内にエポキシ基を有するシリコーン化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、下記式(7)で表される化合物から選ばれ得る。
(R40R41R42SiO1/2)a(R43R44SiO2/2)b(R45SiO3/2)c(SiO4/2)d (7)
式(7)中、a、b、c及びdはそれぞれ、a+b+c+d=1.0を満たす数値であり、0≦a/(a+b+c+d)≦1、0≦b/(a+b+c+d)≦1、0≦c/(a+b+c+d)≦1、且つ0≦d/(a+b+c+d)<1である。R40〜R45のうち少なくとも1個は、エポキシ基を含有する基を表し、その他のR40〜R45は、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8の炭化水素基又は該炭化水素基がフッ素化された基を表す。これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
(異種重合性官能基含有エポキシ化合物)
異種重合性官能基含有エポキシ化合物は、特に限定されるものではなく、例えば下記式(8)で表される化合物から選ばれ得る。
上記式(8)中、R50〜R52は、チア化されていてもよい置換又は未置換の鎖状、分岐状、環状の脂肪族又は芳香族炭化水素基を示す。m、n、o及びpは、それぞれ独立に1以上の数を示す。Xは、エポキシ基を示す。Yは、単種の重合性官能基を示す場合、環状エーテル構造、環状チオエーテル構造、ラクトン構造、環状カーボネート構造、及びその含硫黄類縁構造、環状アセタール構造、及びその含硫黄類縁構造、環状アミン構造、環状イミノエーテル構造、ラクタム構造、環状チオウレア構造、環状ホスフィナート構造、環状ホスホナイト構造、環状ホスファイト構造、ビニル構造、アリル構造、(メタ)アクリル構造、シクロアルカン構造から選ばれる構造を示す。複数種の重合性官能基を示す場合、上記の群より選ばれる少なくとも2種の構造を示す。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素との混合比率は、以下の式(2)で算出される指標αで表すことができる。
指標α=αc/αb (2)
αc:(A)カーボネート化合物のカーボネート基の物質量(mol)
αb:(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)
指標αは、組成物中に含有される(B)三ハロゲン化ホウ素の全てが、(A)カーボネート化合物と配位結合を介した化合物(錯体)を形成し、室温下で組成物を調製する際、(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向にあることから、1以上であることが好ましい。同様の観点から、指標αは、1.5以上であることがより好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とが配位結合を介した化合物が変質する可能性がある場合は、該化合物の安定性を高めるため、指標αは、2以上であることが好ましい。
指標αは、組成物を重合する際、(C)エポキシ化合物に含有されるエポキシ基の残留をより抑制できる傾向にあることから、1000以下であることが好ましい。同様の観点から、指標αは500以下であることがより好ましい。組成物を重合し、得られる重合物中に含有される(A)カーボネート化合物を除去する工程を必要とする場合、該工程に要するコストをより抑制でき、経済性により優れる傾向にあることから、指標αは、100以下であることがさらに好ましい。
指標αは10以下であることが、(C)エポキシ化合物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから好ましい。同様の観点から、指標αは5以下であることがより好ましい。
(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物との混合比率に関して、(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が、1:10〜1:100000であることが好ましい。
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が10以上であることが、室温下で組成物を調製する際、(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向にあることから、好ましい。(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が20以上であることが、(C)エポキシ化合物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることからより好ましい。同様の観点から、(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が50以上であることが、さらに好ましい。
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が50以上であることが、(A)カーボネート化合物と、(B)三ハロゲン化ホウ素と、(C)エポキシ化合物の組み合わせによっては、得られた透明重合物の透明性を長期に渡り維持するため、好ましい場合がある。同様の観点から、(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が100以上であることが、より好ましく、さらに好ましくは200以上である。
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が100000以下であることが、組成物を重合する際、(C)エポキシ化合物に含有されるエポキシ基の残留をより抑制できる傾向にあることから、好ましい。(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が20000以下であることで、(C)エポキシ化合物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから、より好ましい。同様の観点から、(B)の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が10000以下であることが、さらに好ましい。
(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物との混合比率は、下記式(9)で表すこともできる。
指標β=αb/αep×100 (9)
αb:(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)
αep:(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が1:10であるとき、指標β=10となる。
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が1:20であるとき、指標β=5となる。
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が1:50であるとき、指標β=2となる。
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が1:100であるとき、指標β=1となる。
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が1:200であるとき、指標β=0.5となる。
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が1:100000であるとき、指標β=0.001となる。
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が1:20000であるとき、指標β=0.005となる。
(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が1:10000であるとき、指標β=0.01となる。
組成物を調製する方法としては、一般的に用いられる方法であれば、特に限定されないが、(A)カーボネート化合物、(B)三ハロゲン化ホウ素及び(C)エポキシ化合物を同時添加する方法、(A)カーボネート化合物、(B)三ハロゲン化ホウ素及び(C)エポキシ化合物の内、任意に選択された2成分を混合した後、残りの成分に添加、又は残りの成分を添加する方法が挙げられる。これらの中でも、組成物を安定的に調製でき、組成物としての安定性も優れる傾向にあることから、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とを含有する混合物を調製した後、(C)エポキシ化合物に添加する、又は(C)エポキシ化合物を添加する方法が好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とを含有する混合物を調製する方法としては、一般的に用いられる方法であれば特に限定されないが、(A)カーボネート化合物と、(B)三ハロゲン化ホウ素とを直接反応させる方法、(A)カーボネート化合物と、(B)三ハロゲン化ホウ素を含有する化合物とを反応させる方法等が挙げられる。これらの中でも、(A)カーボネート化合物と、(B)三ハロゲン化ホウ素を含有する化合物とを反応させる方法は、(B)三ハロゲン化ホウ素を含有する化合物の取り扱い性が向上し、組成物の調製が容易となる傾向にあることから、より好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とを含有する混合物を調製する温度は、特に限定されず、一般的な利用可能温度で行われるが、−80〜100℃であることが好ましい。混合物を調製する温度は、一定である必要はなく、途中で変化させても良い。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素間の配位結合形成に要する時間をより短くできる傾向にあることから、混合物を調製する温度としては、−80℃以上であることが好ましい。同様の観点から、混合物を調製する温度は、−60℃以上であることがより好ましい。
原料の選択によっては原料が凝固し、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とからなる配位結合を介した化合物の形成が妨げられる可能性がある場合には、凝固を抑制させるため、混合物を調製する温度を、原料の凝固点以上とすることが好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とからなる配位結合を介した化合物が不安定である場合には、混合物を調製する温度を、100℃以下とすることが好ましい。同様の観点から、混合物を調製する温度は、80℃以下であることがより好ましい。
原料の選択によっては原料が揮発し、(A)カーボネート化合物と(B)の混合比率が所望の比率から外れる可能性がある場合には、揮発を抑制させるため、混合物を調製する温度を、原料の沸点以下とすることが好ましい。混合物を調製する圧力を、大気圧以上の所望の圧力とすることで、原料の揮発を抑制することも、有効な手段である。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とを含有する混合物を調製する雰囲気としては、一般的に用いられる雰囲気であれば特に限定はされないが、通常は大気雰囲気、窒素雰囲気、及びアルゴン雰囲気等が用いられる。これらのなかでも、(B)三ハロゲン化ホウ素を安定的に取り扱うことができる傾向にあることから、窒素雰囲気、及びアルゴン雰囲気が好ましい。また、経済性に優れる傾向にあることから、窒素雰囲気がさらに好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とを含有する混合物を調製する圧力は、特に限定はされず、通常は大気圧下で反応が行われる。ただし、(A)カーボネート化合物の標準状態での蒸気圧が低く、反応中に(A)カーボネート化合物が揮発する可能性がある場合には、大気圧以上の加圧を行うことが、有効な手段である。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とを含有する混合物を調製する際、(A)カーボネート化合物が固体である場合には、(A)カーボネート化合物を溶解しうる化合物を使用することで、容易に均一な混合物を得られることから、有効な手段となる場合がある。
(A)カーボネート化合物を溶解しうる化合物は、一般的に使用されるものであれば特に限定されないが、具体例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタン等の飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ナフタリン、テトラリン及びビフェニル等の芳香族炭化水素化合物、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン、トリクロロプロパン、塩化イソプロピル、塩化ブチル、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロトルエン及びクロロナフタリン等のハロゲン化炭化水素化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、シクロヘキサノール及びベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルアセトン、エチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類、並びに、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル及び安息香酸ベンジル等のエステル類が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、(B)三ハロゲン化ホウ素に対して安定性が高く、混合物を安定的に調製できる傾向にあることから、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタン等の飽和炭化水素化合物、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン、トリクロロプロパン、塩化イソプロピル、塩化ブチル、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロトルエン及びクロロナフタリン等のハロゲン化炭化水素化合物が好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とを含有する混合物を調製する際、(A)カーボネート化合物を溶解しうる化合物や、(B)三ハロゲン化ホウ素を含有する化合物を用いることで、混合物中に所望の化合物以外のものが含有される場合がある。このような場合には、蒸留を行うことで、所望の化合物を蒸留物として、又は蒸留残渣として得ることができる。蒸留温度、蒸留圧力は、蒸留により分離される化合物の沸点により適宜設定される。
蒸留温度は、100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、60℃以下であることがさらに好ましい。蒸留温度を100℃以下とすることで、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とからなる配位結合を介した化合物の分解を抑制できる場合がある。同様の観点から、80℃以下がより好ましく、さらに好ましくは60℃以下である。蒸留温度は、一定である必要はなく、途中で変化させても良い。
蒸留圧力は、蒸留温度により適宜設定されるが、蒸留温度が100℃を超える場合には、大気圧よりも低い圧力とすることが好ましい。蒸留圧力は、一定である必要はなく、途中で変化させても良い。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物と、を含有する組成物を調製する温度としては、特に限定されず、一般的な利用可能温度で行われるが、−80〜80℃であることが好ましい。組成物を調製する温度は、一定である必要はなく、途中で変化させても良い。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物を調製する際、原料が凝固する可能性がある場合には、原料の凝固を抑制させる、又は原料の粘度を低下させることで、均一な組成物をより容易に得られる傾向があることから、組成物を調製する温度は、−80℃以上であることが好ましい。同様の観点から、組成物を調製する温度は、−40℃以上であることがより好ましい。大型の冷却設備を用いる必要性が低下し、組成物を製造するためのコストを抑制できる傾向にあることから、組成物を調製する温度は、−20℃以上であることがさらに好ましい。同様の観点から、0℃以上であることが、特に好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物を調製する際、(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、均一な組成物をより容易に得られる傾向があることから、組成物を調製する温度は、60℃以下が好ましい。同様の観点から、組成物を調製する温度は、50℃以下であることがより好ましい。(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、組成物の安定性がより向上する傾向にあることから、組成物を調製する温度は、45℃以下であることがさらに好ましい。同様の観点から、40℃以下であることが、特に好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物を調製する雰囲気としては、一般的に用いられる雰囲気であれば特に限定はされないが、通常は大気雰囲気、窒素雰囲気、及びアルゴン雰囲気等が用いられる。これらのなかでも、組成物に含有する(B)三ハロゲン化ホウ素の安定性が向上する傾向にあることから、窒素雰囲気、及びアルゴン雰囲気が好ましい。また、経済性に優れる傾向にあることから、窒素雰囲気がさらに好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物を調製する圧力としては、特に限定はされず、通常は大気圧下で調製が行われる。ただし、組成物に含有される化合物の標準状態での蒸気圧が低く、揮発する可能性がある場合には、大気圧以上の加圧を行うことが、有効な手段である。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物を調製する際に、含有される化合物に固体がある場合、又は(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とを含有する混合物が固体である場合には、可溶化合物を使用することで、容易に均一な組成物を得られることから、有効な手段となる場合がある。
ここでいう可溶化合物とは、組成物に含有される化合物の内、固体のもの、並びに、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とを含有する混合物が固体である場合にそれを溶解可能な化合物を意味する。
可溶化合物は、一般的に使用されるものであれば特に限定されないが、具体例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタン等の飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ナフタリン、テトラリン及びビフェニル等の芳香族炭化水素化合物、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン、トリクロロプロパン、塩化イソプロピル、塩化ブチル、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロトルエン及びクロロナフタリン等のハロゲン化炭化水素化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、シクロヘキサノール及びベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルアセトン、エチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン及びジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、並びに、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル及び安息香酸ベンジル等のエステル類が挙げられる。前記化合物は、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、(B)三ハロゲン化ホウ素に対して安定性が高く、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物を安定的に調製できる傾向にあることから、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタン等の飽和炭化水素化合物、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン、トリクロロプロパン、塩化イソプロピル、塩化ブチル、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロトルエン及びクロロナフタリン等のハロゲン化炭化水素化合物が好ましい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物を調製するに際し、可溶化合物を用いることで、組成物中に所望の化合物以外のものが含有される場合がある。このような場合には、可溶化合物を減圧溜去により除去する方法が、有効な手段となる場合がある。
減圧溜去温度は、(C)エポキシ化合物の重合をより抑制でき、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物の安定性がより向上する傾向にあることから、60℃以下であることが好ましい。同様の観点から、より好ましくは50℃以下であり、さらに好ましくは40℃以下である。減圧溜去圧力は、減圧溜去温度により適宜設定される。前記減圧溜去温度、減圧溜去圧力は、一定である必要はなく、途中で変化させても良い。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物から重合物を得る方法としては、一般的な方法であれば特に限定されないが、組成物を加熱することにより重合を進行させる方法、及び/又はエネルギー線照射により重合を進行させる方法が好適に用いられる。これらの中でも、加熱により重合を進行させる方法は、種々の場面において利用が容易であり、汎用性に優れる傾向にあることから、より好ましい方法である。また、組成物に含有されるエポキシ化合物が2個以上の重合性官能基を有する場合、同様の方法により、硬化物を得ることができる。
加熱により重合を進行させ、重合物を得る際の重合温度としては、特に限定されないが、−80〜200℃であることが好ましい。重合温度は、一定である必要はなく、途中で変化させても良い。
(C)エポキシ化合物を重合する際に生じる重合熱により、複雑な副反応が生じる可能性をより低減できる傾向にあることから、重合温度としては、200℃以下であることが好ましい。同様の観点から、重合温度は、180℃以下であることがより好ましい。(C)エポキシ化合物を重合した後、得られる重合物の透明性をより高められる傾向にあることから、160℃以下がさらに好ましい。同様の観点から、重合温度は、150℃以下であることが特に好ましい。
(C)エポキシ化合物の重合が、組成物中に存在する成分(A)、(B)、(C)、成分(A)と(B)からなる配位結合を介した化合物等の凝固によって妨げられる可能性がある場合には、重合温度は−80℃以上とすることが好ましい。大型の冷却設備を用いる必要性が低下し、重合物を製造するためのコストを抑制できる傾向にあることから、重合温度は、−40℃以上であることがより好ましい。同様の観点から、0℃以上であることが、さらに好ましい。重合物の重合末端の運動性がより高まることで、(C)エポキシ化合物の重合時間をより短くできる傾向にあることから、重合温度は40℃以上であることが好ましい。同様の観点から、重合温度は50℃以上であることがより好ましく、さらに好ましくは60℃以上である。
加熱により重合を進行させ、重合物を得る際の重合雰囲気としては、一般的に用いられる雰囲気であれば特に限定はされないが、通常は大気雰囲気、窒素雰囲気、及びアルゴン雰囲気等が用いられる。これらのなかでも、重合の際に所望の結合を形成できる傾向にあることから、窒素雰囲気、及びアルゴン雰囲気が好ましい。また、経済性に優れる傾向にあることから、窒素雰囲気がさらに好ましい。
加熱により重合を進行させ、重合物を得る際の重合圧力としては、特に限定はされず、通常は大気圧下で反応が行われる。ただし、組成物に含有される成分として、標準状態での蒸気圧が低く、揮発する可能性がある化合物を用いる場合には、大気圧以上の加圧を行うことが、有効な手段である。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物が高粘度、又は固体である場合には、非反応性化合物により、組成物を低粘度化し、所望の成形を施した重合物を得ることが、有効な手段となる。
非反応性化合物としては、一般的に使用されるものであれば特に限定されないが、具体例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタン等の飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ナフタリン、テトラリン及びビフェニル等の芳香族炭化水素化合物、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン、トリクロロプロパン、塩化イソプロピル、塩化ブチル、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロトルエン及びクロロナフタリン等のハロゲン化炭化水素化合物、アセトン、メチルアセトン、エチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン及びジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、並びに、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル及び安息香酸ベンジル等のエステル類が挙げられる。前記化合物は、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、(B)三ハロゲン化ホウ素に対して安定性が高く、組成物を安定的に調製できる傾向にあることから、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタン等の飽和炭化水素化合物、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン、トリクロロプロパン、塩化イソプロピル、塩化ブチル、塩化ヘキシル、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロトルエン及びクロロナフタリン等のハロゲン化炭化水素化合物が好ましい。
加熱により重合を進行させて重合物を得る際に、重合反応を加速させる目的で、又は、組成物に含有される(C)エポキシ化合物として、3員環エーテル構造に加え、3員環エーテル構造以外の他の重合性官能基を有する化合物を用いた場合に、他の重合性官能基の重合を容易に進行させる目的で、下記の(1)〜(11)の化合物を熱重合促進剤として添加することが、有効な手段となる場合がある。
(1)エチルアミン、n−プロピルアミン、sec−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、i−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミスチリルアミン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アリルアミン、アミノエタノール、1−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピルアミン、アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノノルボルネン、アミノメチルシクロヘキサン、アミノベンゼン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、α−フェニルエチルアミン、ナフチルアミン及びフルフリルアミン等の1級アミン;
エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2’−ジメチルプロパン、アミノエチルエタノールアミン、1,2−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノシクロヘキサン、1,4−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,3−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−アミノピペリジン、4−アミノピペリジン、2−アミノメチルピペリジン、4−アミノメチルピペリジン、2−アミノエチルピペリジン、4−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−アミノベンジルアミン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、テトラクロロ−p−キシリレンジアミン、4−メトキシ−6−メチル−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ベンジジン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−(4,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジトリルスルホン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、1,4−ビス(アミノエチルピペラジン)、1,4−ビス(アミノプロピルピペラジン)及び2,6−ジアミノピリジン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン等の1級ポリアミン;
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、メチルヘキシルアミン、ジアリルアミン、ピロリジン、ピペリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジナフチルアミン、ピロール、インドリン、インドール及びモルホリン等の2級アミン;
N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)ブタン及びテトラメチルグアニジン等の2級ポリアミン;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−iso−プロピルアミン、トリ−1,2−ジメチルプロピルアミン、トリ−3−メトキシプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−iso−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−ペンチルアミン、トリ−3−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリ−ドデシルアミン、トリ−ラウリルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、シクロヘキシルジエチルアミン、トリ−シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N−メチルジヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N、N−ジエチルエタノールアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアミノ−p−クレゾール、N,N−ジメチルアミノメチルフェノール、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン及び2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−メチル−1,3,2−ジオキサボルナン等の3級アミン;
テトラメチルエチレンジアミン、ピラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N’−ビス((2−ヒドロキシ)プロピル)ピペラジン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンアミン、2−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロパン、ジエチルアミノエタノール、N,N,N−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール及びヘプタメチルイソビグアニド等の3級ポリアミン;
イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、N−ウンデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、N−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−ベンジルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、3,3−ビス−(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)メタン、アルキルイミダゾールとイソシアヌル酸の付加物及びアルキルイミダゾールとホルムアルデヒドの縮合物等の各種イミダゾール類;
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のアミジン類。
(2)(1)のアミン類とボラン及び三フッ化ホウ素とのコンプレックス。
(3)トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−iso−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン及びクロロジフェニルホスフィン等のホスフィン類。
(4)テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨーダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロゲンサルファイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフルオロボーレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフェニルボーレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムパラトルエンスルフォネート、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムアセテート、テトラ−n−オクチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−オクチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−オクチルアンモニウムアセテート、トリメチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリエチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリ−n−ブチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムフルオライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムヨーダイド、メチルトリフェニルアンモニウムクロライド、メチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、エチルトリフェニルアンモニウムクロライド、エチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルアンモニウムクロライド、n−ブチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、1−メチルピリジニウムブロマイド、1−エチルピリジニウムブロマイド、1−n−ブチルピリジニウムブロマイド、1−n−ヘキシルピリジニウムブロマイド、1−n−オクチルピリジニウムブロマイド、1−n−ドデシルピリジニウムブロマイド、1−n−フェニルピリジニウムブロマイド、1−メチルピコリニウムブロマイド、1−エチルピコリニウムブロマイド、1−n−ブチルピコリニウムブロマイド、1−n−ヘキシルピコリニウムブロマイド、1−n−オクチルピコリニウムブロマイド、1−n−ドデシルピコリニウムブロマイド及び1−n−フェニルピコリニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩。
(5)テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムヨーダイド、テトラ−n−ヘキシルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−オクチルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、n−ヘキシルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−オクチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムクロライド、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムブロマイド、テトラキスヒドロキシエチルホスホニウムクロライド及びテトラキスヒドロキシブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩。
(6)トリメチルスルホニウムブロマイド、トリエチルスルホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルスルホニウムクロライド、トリ−n−ブチルスルホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルスルホニウムヨーダイド、トリ−n−ブチルスルホニウムテトラフルオロボーレート、トリ−n−ヘキシルスルホニウムブロマイド、トリ−n−オクチルスルホニウムブロマイド、トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムブロマイド及びトリフェニルスルホニウムヨーダイド等のスルホニウム塩。
(7)ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムブロマイド及びジフェニルヨードニウムヨーダイド等のヨードニウム塩。
(8)塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、炭酸等の鉱酸及びこれらの半エステル。
(9)3フッ化硼素及び3フッ化硼素のエーテラート等に代表されるルイス酸。
(10)有機酸及びこれらの半エステル。
(11)ケイ酸及び四フッ化ホウ酸。
これら化合物は単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
エネルギー線照射による重合とは、エネルギー線(紫外線、近紫外線、可視光及、近赤外線及び赤外線等の光、並びに電子線等)を照射することにより重合物を生成させる方法である。エネルギー線の種類は、特に限定されるものではないが、好ましくは光、より好ましくは紫外線である。
エネルギー線の発生源は、特に限定されるものではなく、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、UVランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、ヘリウムネオンレーザ、クリプトンイオンレーザ、各種半導体レーザ、YAGレーザ、エキシマーレーザー、発光ダイオード、CRT光源、プラズマ光源及び電子線照射器等の各種光源が挙げられる。
エネルギー線照射による重合を行う際、重合を加速させるため、以下の化合物を光重合促進剤として添加することが、有効な手段となる場合がある。
ベンゾイン類及びベンゾインアルキルエーテル類(ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル)、アセトフェノン類(アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン及びN,N−ジメチルアミノアセトフェノン等)、アントラキノン類(2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン及び2−アミノアントラキノン等)、チオキサントン類(2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソプロピルチオキサントン等)、ケタール類(アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等)、ベンゾフェノン類(ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン及び4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等)、キサントン類、安息香酸エステル類(エチル4−ジメチルアミノベンゾエート及び2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート等)、アミン類(トリエチルアミン及びトリエタノールアミン等)、ヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物、アンモニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、アルソニウム塩化合物、スチボニウム塩化合物、オキソニウム塩化合物、セレノニウム塩化合物、並びに、スタンノニウム塩化合物。これらは単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物に、さらに(D)連鎖移動剤を含有させてもよい。(D)連鎖移動剤を用いることにより、得られる重合物及び硬化物は、高温下で長期保持した際の揮発分がより低減され、溶融加工により成形する際のボイド発生、又は、重合物若しくは硬化物の近傍にある金属部材の汚染又は腐食をより抑制できる傾向にある。
(D)連鎖移動剤としては、一般的に用いられるものであれば、特に限定されないが、環状エステル化合物、環状シロキサン化合物、水酸基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。これらは単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。(C)エポキシ化合物の選択によっては、得られる重合物の透明性が低下する場合があることから、(D)連鎖移動剤としては、環状エステル化合物、水酸基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることがより好ましい。(C)エポキシ化合物の重合時間をより短く出来る傾向があることから、(D)連鎖移動剤としては、水酸基含有化合物であることがさらに好ましい。
(環状エステル化合物)
環状エステル化合物は、環状構造内にエステル基を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、具体的には、エタノ−2−ラクトン、プロパノ−2−ラクトン、プロパノ−3−ラクトン、ブタノ−2−ラクトン、ブタノ−3−ラクトン、ブタノ−4−ラクトン、3−メチル−ブタノ−4−ラクトン、ペンタノ−2−ラクトン、ペンタノ−3−ラクトン、ペンタノ−4−ラクトン、ペンタノ−5−ラクトン、4−メチル−ペンタノ−4−ラクトン、ヘキサノ−2−ラクトン、ヘキサノ−3−ラクトン、ヘキサノ−4−ラクトン、ヘキサノ−5−ラクトン、ヘキサノ−6−ラクトン、ヘプタノ−2−ラクトン、ヘプタノ−3−ラクトン、ヘプタノ−4−ラクトン、ヘプタノ−5−ラクトン、ヘプタノ−6−ラクトン、ヘプタノ−7−ラクトン、オクタノ−2−ラクトン、オクタノ−3−ラクトン、オクタノ−4−ラクトン、オクタノ−5−ラクトン、オクタノ−6−ラクトン、オクタノ−7−ラクトン、オクタノ−8−ラクトン、ノナノ−2−ラクトン、ノナノ−3−ラクトン、ノナノ−4−ラクトン、ノナノ−5−ラクトン、ノナノ−6−ラクトン、ノナノ−7−ラクトン、ノナノ−8−ラクトン、ノナノ−9−ラクトン、デカノ−2−ラクトン、デカノ−3−ラクトン、デカノ−4−ラクトン、デカノ−5−ラクトン、デカノ−6−ラクトン、デカノ−7−ラクトン、デカノ−8−ラクトン、デカノ−9−ラクトン、デカノ−10−ラクトン;
ウンデカノ−2−ラクトン、ウンデカノ−3−ラクトン、ウンデカノ−4−ラクトン、ウンデカノ−5−ラクトン、ウンデカノ−6−ラクトン、ウンデカノ−7−ラクトン、ウンデカノ−8−ラクトン、ウンデカノ−9−ラクトン、ウンデカノ−10−ラクトン、ウンデカノ−11−ラクトン、ドデカノ−2−ラクトン、ドデカノ−3−ラクトン、ドデカノ−4−ラクトン、ドデカノ−5−ラクトン、ドデカノ−6−ラクトン、ドデカノ−7−ラクトン、ドデカノ−8−ラクトン、ドデカノ−9−ラクトン、ドデカノ−10−ラクトン、ドデカノ−11−ラクトン、ドデカノ−12−ラクトン、トリデカノ−2−ラクトン、トリデカノ−3−ラクトン、トリデカノ−4−ラクトン、トリデカノ−5−ラクトン、トリデカノ−6−ラクトン、トリデカノ−7−ラクトン、トリデカノ−8−ラクトン、トリデカノ−9−ラクトン、トリデカノ−10−ラクトン、トリデカノ−11−ラクトン、トリデカノ−12−ラクトン、トリデカノ−13−ラクトン、テトラデカノ−2−ラクトン、テトラデカノ−3−ラクトン、テトラデカノ−4−ラクトン、テトラデカノ−5−ラクトン、テトラデカノ−6−ラクトン、テトラデカノ−7−ラクトン、テトラデカノ−8−ラクトン、テトラデカノ−9−ラクトン、テトラデカノ−10−ラクトン、テトラデカノ−11−ラクトン、テトラデカノ−12−ラクトン、テトラデカノ−13−ラクトン、テトラデカノ−14−ラクトン;
ペンタデカノ−2−ラクトン、ペンタデカノ−3−ラクトン、ペンタデカノ−4−ラクトン、ペンタデカノ−5−ラクトン、ペンタデカノ−6−ラクトン、ペンタデカノ−7−ラクトン、ペンタデカノ−8−ラクトン、ペンタデカノ−9−ラクトン、ペンタデカノ−10−ラクトン、ペンタデカノ−11−ラクトン、ペンタデカノ−12−ラクトン、ペンタデカノ−13−ラクトン、ペンタデカノ−14−ラクトン、ペンタデカノ−15−ラクトン、ヘキサデカノ−2−ラクトン、ヘキサデカノ−3−ラクトン、ヘキサデカノ−4−ラクトン、ヘキサデカノ−5−ラクトン、ヘキサデカノ−6−ラクトン、ヘキサデカノ−7−ラクトン、ヘキサデカノ−8−ラクトン、ヘキサデカノ−9−ラクトン、ヘキサデカノ−10−ラクトン、ヘキサデカノ−11−ラクトン、ヘキサデカノ−12−ラクトン、ヘキサデカノ−13−ラクトン、ヘキサデカノ−14−ラクトン、ヘキサデカノ−15−ラクトン、ヘキサデカノ−16−ラクトン、から選ばれ得る。
上記の中でも、(D)連鎖移動剤の重合物又は硬化物中への残留が抑制される、及び/又は(C)エポキシ化合物の重合時間の増長が抑制される傾向にあることから、環状エステル化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
ブタノ−4−ラクトン、ペンタノ−4−ラクトン、ペンタノ−5−ラクトン、ヘキサノ−4−ラクトン、ヘキサノ−6−ラクトン、ヘプタノ−4−ラクトン、ヘプタノ−7−ラクトン、オクタノ−4−ラクトン、オクタノ−8−ラクトン、デカノ−10−ラクトン、ドデカノ−12−ラクトン、テトラデカノ−14−ラクトン、ヘキサデカノ−16−ラクトン。
さらに好ましくは、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
ブタノ−4−ラクトン、ペンタノ−4−ラクトン、ヘキサノ−4−ラクトン。
(環状シロキサン化合物)
環状シロキサン化合物は、環状構造がシロキサン結合により形成されている化合物であれば特に限定されるものではなく、具体的には、以下の群から選ばれ得る少なくとも1種の化合物である。
トリメチルシクロトリシロキサン、トリエチルシクロトリシロキサン、トリプロピルシクロトリシロキサン、トリブチルシクロトリシロキサン、トリペンチルシクロトリシロキサン、トリヘキシルシクロトリシロキサン、トリヘプチルシクロトリシロキサン、トリオクチルシクロトリシロキサン、トリノニルシクロトリシロキサン、トリデシルシクロトリシロキサン、トリフェニルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、ヘキサプロピルシクロトリシロキサン、ヘキサブチルシクロトリシロキサン、ヘキサペンチルシクロトリシロキサン、ヘキサヘキシルシクロトリシロキサン、ヘキサヘプチルシクロトリシロキサン、ヘキサオクチルシクロトリシロキサン、ヘキサノニルシクロトリシロキサン、ヘキサデシルシクロトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン;
テトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラエチルシクロテトラシロキサン、テトラプロピルシクロテトラシロキサン、テトラブチルシクロテトラシロキサン、テトラペンチルシクロテトラシロキサン、テトラヘキシルシクロテトラシロキサン、テトラヘプチルシクロテトラシロキサン、テトラオクチルシクロテトラシロキサン、テトラノニルシクロテトラシロキサン、テトラデシルシクロテトラシロキサン、テトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタエチルシクロテトラシロキサン、オクタプロピルシクロテトラシロキサン、オクタブチルシクロテトラシロキサン、オクタペンチルシクロテトラシロキサン、オクタヘキシルシクロテトラシロキサン、オクタヘプチルシクロテトラシロキサン、オクタオクチルシクロテトラシロキサン、オクタノニルシクロテトラシロキサン、オクタデシルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン;
ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ペンタエチルシクロペンタシロキサン、ペンタプロピルシクロペンタシロキサン、ペンタブチルシクロペンタシロキサン、ペンタペンチルシクロペンタシロキサン、ペンタヘキシルシクロペンタシロキサン、ペンタヘプチルシクロペンタシロキサン、ペンタオクチルシクロペンタシロキサン、ペンタノニルシクロペンタシロキサン、ペンタデシルシクロペンタシロキサン、ペンタフェニルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカエチルシクロペンタシロキサン、デカプロピルシクロペンタシロキサン、デカブチルシクロペンタシロキサン、デカペンチルシクロペンタシロキサン、デカヘキシルシクロペンタシロキサン、デカヘプチルシクロペンタシロキサン、デカオクチルシクロペンタシロキサン、デカノニルシクロペンタシロキサン、デカデシルシクロペンタシロキサン、デカフェニルシクロペンタシロキサン、ペンタメチルペンタフェニルシクロペンタシロキサン。
上記の中でも、(D)連鎖移動剤の重合物又は硬化物中への残留が抑制される、及び/又は(C)エポキシ化合物の重合時間の増長が抑制される傾向にあることから、環状シロキサン化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、ヘキサプロピルシクロトリシロキサン、ヘキサブチルシクロトリシロキサン、ヘキサペンチルシクロトリシロキサン、ヘキサヘキシルシクロトリシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタエチルシクロテトラシロキサン、オクタプロピルシクロテトラシロキサン、オクタブチルシクロテトラシロキサン、オクタペンチルシクロテトラシロキサン、オクタヘキシルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカエチルシクロペンタシロキサン、デカプロピルシクロペンタシロキサン、デカブチルシクロペンタシロキサン、デカペンチルシクロペンタシロキサン、デカヘキシルシクロペンタシロキサン、ペンタメチルペンタフェニルシクロペンタシロキサン。
さらに好ましくは、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン。
(水酸基含有化合物)
水酸基含有化合物は、構造内に水酸基を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、具体的には、以下の群から選ばれ得る少なくとも1種の化合物である。
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、シクロプロパノール、メチルシクロプロパノール、ジメチルシクロプロパノール、エチルシクロプロパノール、プロピルシクロプロパノール、ブチルシクロプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、シクロブタノール、メチルシクロブタノール、ジメチルシクロブタノール、エチルシクロブタノール、プロピルシクロブタノール、ブチルシクロブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、メチルシクロペンタノール、ジメチルシクロペンタノール、エチルシクロペンタノール、プロピルシクロペンタノール、ブチルシクロペンタノール、メチル−1−ブタノール、メチル−2−ブタノール、ジメチル−1−ブタノール、ジメチル−2−ブタノール、エチル−1−ブタノール、エチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール、エチルシクロヘキサノール、プロピルシクロヘキサノール、ブチルシクロヘキサノール;
メチル−1−ペンタノール、メチル−2−ペンタノール、メチル−3−ペンタノール、ジメチル−1−ペンタノール、ジメチル−2−ペンタノール、ジメチル−3−ペンタノール、エチル−1−ペンタノール、エチル−2−ペンタノール、エチル−3−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘプタノール、メチルシクロヘプタノール、ジメチルシクロヘプタノール、エチルシクロヘプタノール、メチル−1−ヘキサノール、メチル−2−ヘキサノール、メチル−3−ヘキサノール、ジメチル−1−ヘキサノール、ジメチル−2−ヘキサノール、エチル−1−ヘキサノール、エチル−2−ヘキサノール、エチル−3−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、シクロオクタノール、メチルシクロオクタノール、ジメチルシクロオクタノール、エチルシクロオクタノール、ノナノール、シクロノナノール、デカノール、シクロデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール;
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、メチルプロパンジオール、ジメチルプロパンジオール、シクロプロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、メチルブタンジオール、ジメチルブタンジオール、シクロブタンジオール、メチルシクロブタンジオール、ジメチルシクロブタンジオール、エチルシクロブタンジオール、プロピルシクロブタンジオール、ブチルシクロブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、メチルペンタンジオール、ジメチルペンタンジオール、シクロペンタンジオール、メチルシクロペンタンジオール、ジメチルシクロペンタンジオール、エチルシクロペンタンジオール、プロピルシクロペンタンジオール、ブチルシクロペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ジメチルヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、ジメチルシクロヘキサンジオール、エチルシクロヘキサンジオール、プロピルシクロヘキサンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール;
1,2−ヘプタンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,4−ヘプタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、シクロヘプタンジオール、メチルシクロヘプタンジオール、ジメチルシクロヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,3−オクタンジオール、1,4−オクタンジオール、1,5−オクタンジオール、1,6−オクタンジオール、1,7−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、シクロオクタンジオール、メチルシクロオクタンジオール、ジメチルシクロオクタンジオール、ノナンジオール、シクロノナンジオール、デカンジオール、シクロデカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール、トリデカンジオール、テトラデカンジオール、ペンタデカンジオール、ヘキサデカンジオール;
グリセロール、エリトリトール、キシリトール、マンニトール、ボレミトール、グルコース、スクロース、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、オクタエチレングリコール、ドデカエチレングリコール、メチラール、PEG200、PEG300、PEG400、PEG600、PEG1000、PEG1500、PEG1540、PEG4000、PEG6000、ポリカーボネートジオール;
ポリエステル−8−ヒドロキシ−1−アセチレン ビス−MPA デンドロン ジェネレーション 3(製品名、Aldrich社製)、ポリエステル−16−ヒドロキシ−1−アセチレン ビス−MPA デンドロン ジェネレーション 4(製品名、Aldrich社製)、ポリエステル−32−ヒドロキシ−1−アセチレン ビス−MPA デンドロン ジェネレーション 5(製品名、Aldrich社製)、ポリエステル−8−ヒドロキシ−1−カルボキシル ビス−MPA デンドロン ジェネレーション 3(製品名、Aldrich社製)、ポリエステル−16−ヒドロキシ−1−カルボキシル ビス−MPA デンドロン ジェネレーション 4(製品名、Aldrich社製)、ポリエステル−32−ヒドロキシ−1−カルボキシル ビス−MPA デンドロン ジェネレーション 5(製品名、Aldrich社製)、ハイパーブランチド ビス−MPA ポリエステル−16−ヒドロキシル,ジェネレーション 2(製品名、Aldrich社製)、ハイパーブランチド ビス−MPA ポリエステル−32−ヒドロキシル,ジェネレーション 3(製品名、Aldrich社製)。
上記の中でも、(D)連鎖移動剤の重合物又は硬化物中への残留が抑制される、及び/又は(C)エポキシ化合物の重合時間の増長が抑制される傾向にあることから、水酸基含有化合物は、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、シクロペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、グリセロール、メチラール。
さらに好ましくは、以下の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、メチラール。
(D)連鎖移動剤と(C)エポキシ化合物との混合比率は、(D)連鎖移動剤の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が、1:10〜1:10000であることが好ましい。
(D)連鎖移動剤の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が10以上であることで、(D)連鎖移動剤の重合物又は硬化物中への残留が抑制され、(C)エポキシ化合物を重合して得られる重合物及び硬化物を、高温下で長期保持した際の揮発分がより低減される傾向にあることから、好ましい。(D)連鎖移動剤の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が20以上であることで、(C)エポキシ化合物から形成される硬化物の機械的強度が向上する傾向にあることから、より好ましい。同様の観点から、(D)連鎖移動剤の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が50以上であることが、さらに好ましい。
(D)連鎖移動剤の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)が10000以下であることで、(C)エポキシ化合物を重合して得られる重合物及び硬化物を、高温下で長期保持した際の揮発分がより低減される傾向にあることから、好ましい。同様の観点から、(D)連鎖移動剤の物質量(mol)を1とした場合、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)は2000以下であることがより好ましく、さらに好ましくは1000以下である。(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物とを含有する組成物に、さらに(D)連鎖移動剤を含有させ、得られる重合物及び硬化物を、高温下で長期保持した際の揮発分が低減される傾向がある理由は定かではないが、(D)連鎖移動剤によって、重合物及び硬化物の解重合が抑制される可能性が考えられる。
(D)連鎖移動剤と(C)エポキシ化合物との混合比率は、下記式(10)で表すこともできる。
指標γ=αd/αep×100 (10)
αd:(D)連鎖移動剤の物質量(mol)
αep:(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)
(D)連鎖移動剤の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が、1:10であるとき、指標γ=10となる。
(D)連鎖移動剤の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が、1:20であるとき、指標γ=5となる。
(D)連鎖移動剤の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が、1:50であるとき、指標γ=2となる。
(D)連鎖移動剤の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が、1:10000であるとき、指標γ=0.01となる。
(D)連鎖移動剤の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が、1:2000であるとき、指標γ=0.05となる。
(D)連鎖移動剤の物質量(mol)と、(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)との比が、1:1000であるとき、指標γ=0.1となる。
(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素と(C)エポキシ化合物と(D)連鎖移動剤とを含有する組成物を調製する方法としては、一般的に用いられる方法であれば、特に限定されないが、(A)カーボネート化合物、(B)三ハロゲン化ホウ素、(C)エポキシ化合物、(D)連鎖移動剤を同時に添加する方法、(A)カーボネート化合物、(B)三ハロゲン化ホウ素、(C)エポキシ化合物、(D)連鎖移動剤の内、任意に選択された少なくとも2成分を混合した後、残りの成分に添加、及び/又は、残りの成分を添加する方法が挙げられる。これらの中でも、組成物を安定的に調製でき、組成物としての安定性も優れる傾向にあることから、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素とを含有する混合物を調製した後、残りの成分である(C)エポキシ化合物、(D)連鎖移動剤に添加、及び/又は、前記残りの成分を添加する方法が好ましい。
組成物を重合して得られる重合物及び硬化物は、目的に応じて、各種有機樹脂、無機充填剤、着色剤、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、シリコーン系化合物、反応性希釈剤、非反応性希釈剤、酸化防止剤及び光安定剤等を適宜含むことができる。その他、一般に樹脂用の添加剤(可塑剤、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、耐衝撃強化剤、発泡剤、抗菌・防カビ剤、導電性フィラー、防曇剤、架橋剤等)として供される物質を、重合物又は硬化物に配合しても差し支えない。
有機樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
無機充填材としては、例えば、シリカ類(溶融破砕シリカ、結晶破砕シリカ、球状シリカ、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ及び沈降性シリカ等)、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、及び二硫化モリブデンが挙げられる。これらの中でも、シリカ類、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム及びチタン酸バリウムが好ましく、更に硬化物の物性を考慮すると、シリカ類がより好ましい。これらの無機充填材は単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。
着色剤は、着色を目的に使用される物質であれば特に限定されず、例えば、フタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ及びアゾメチン系の各種有機系色素、並びに、酸化チタン、硫酸鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオン、弁殻、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、クロムグリーン、酸化クロム及びコバルトグリーン等の無機顔料から選ばれ得る。これらの着色剤は単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。
レベリング剤は、特に限定されず、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレートから形成される分子量4000〜12000のオリゴマー、エポキシ化大豆脂肪酸、エポキシ化アビエチルアルコール、水添ひまし油、並びにチタン系カップリング剤から選ばれ得る。これらのレベリング剤は単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。
滑剤は、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロワックス及びポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド及びエチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミド系滑剤、硬化ひまし油、ブチルステアレート、エチレングリコールモノステアレート及びペンタエリスリトール(モノ−,ジ−,トリ−,又はテトラ−)ステアレート等の高級脂肪酸エステル系滑剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール及びポリグリセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リシノール酸及びナフテン酸等のマグネシウム、カルシウム、カドミウム、バリウム、亜鉛及び鉛等の金属塩である金属石鹸、並びに、カルナウバロウ、カンデリラロウ、ミツロウ及びモンタンロウ等の天然ワックスから選ばれ得る。これらの滑剤は単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。
界面活性剤は、分子中に溶媒に対して親和性を持たない疎水基と、溶媒に対して親和性を持つ親媒基(通常は親水基)を持つ、両親媒性物質を指す。界面活性剤の種類は特に限定されるものではなく、例えば、シリコン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。
シリコーン系化合物は、特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン縮合物、シリコーン部分縮合物、シリコーンオイル、シランカップリング剤、シリコーンオイル及びポリシロキサンが挙げられる。シリコーン化合物の両末端、片末端、あるいは側鎖に有機基を導入して変性されていてもよい。シリコーン系化合物の変性の方法も特に限定されず、例えば、アミノ変性、エポキシ変性、脂環式エポキシ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、フェノール変性、シラノール変性、ポリエーテル変性、ポリエーテル・メトキシ変性及びジオール変性が挙げられる。
反応性希釈剤は、特に限定されず、例えば、アルキルグリシジルエーテル、アルキルフェノールのモノグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6―ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アルカン酸グリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びプロピレングリコールジグリシジルエーテルから選ばれ得る。
非反応性希釈剤は、特に限定されず、例えば、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等の高沸点溶媒から選ばれ得る。
酸化防止剤は、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤から選ばれ得る。これらは、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。酸化防止剤の具体例としては、以下の(1)〜(4)のものが挙げられる。
(1)フェノール系酸化防止剤:例えば、以下のアルキルフェノール類、ヒドロキノン類、チオアルキル又はチオアリール類、ビスフェノール類、ベンジル化合物類、トリアジン類、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価又は多価アルコールとのエステル、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、及びビタミン類。
(1−1)アルキルフェノール類:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状又は分岐鎖状の側鎖を有するノニルフェノール類(例えば2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール)、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物、4−ヒドロキシラウリルアニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド、並びにオクチルN−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバマート。
(1−2)ヒドロキノン類:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアラート及びビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジパート。
(1−3)チオアルキル又はチオアリール類:2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)及び4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
(1−4)ビスフェノール類:2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチラート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタラート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン及び1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
(1−5)ベンジル化合物類:3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセタート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセタート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタラート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセタート、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロナート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロナート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン及び2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
(1−6)トリアジン類:2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌラート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン及び1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート。
(1−7)β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル:β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、及び4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン等から選ばれる一価又は多価アルコールとのエステル。
(1−8)β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル:β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、及び3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等から選ばれる一価又は多価アルコールとのエステル。
(1−9)β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル:β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、及び4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン等から選ばれる一価又は多価アルコールとのエステル。
(1−10)3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価又は多価アルコールとのエステル:3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、及び4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンから選ばれる一価又は多価アルコールとのエステル。
(1−11)β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド:N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド及びN,N’−ビス{2−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}オキサミド。
(1−12)ビタミン類:α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物、トコトリエノール、並びにアスコルビン酸。
(2)リン系酸化防止剤:以下のホスホナート類、ホスファイト類及びオキサホスファフェナンスレン類。
(2−1)ホスホナート類:ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホナート、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジホスホナート及び3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
(2−2)ホスファイト類:トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフエニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(C12〜C15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)ジホスファイト、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、水素化−4,4‘−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)−ビス[4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)]−1,6−ヘキサンジオールジホスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール−ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス[4,4’−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)]ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(1,3−ジ−ステアロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、及び4,4’−イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノール)−ジ(ノニルフェニル)ホスファイト。
(2−3)オキサホスファフェナンスレン類:9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、8−クロロ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド及び8−t−ブチル−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド。
(3)イオウ系酸化防止剤:以下のジアルキルチオプロピオネート類、オクチルチオプロピオン酸と多価アルコールとのエステル、ラウリルチオプロピオン酸と多価アルコールとのエステル、及びステアリルチオプロピオン酸と多価アルコールとのエステル。
(3−1)ジアルキルチオプロピオネート類:ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、及びジステアリルチオジプロピオネート。
(3−2)オクチルチオプロピオン酸と多価アルコールとのエステル:オクチルチオプロピオン酸と、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等から選ばれる多価アルコールとのエステル。
(3−3)ラウリルチオプロピオン酸と多価アルコールとのエステル:ラウリルチオプロピオン酸と、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートとのエステル。
(3−4)ステアリルチオプロピオン酸と多価アルコールとのエステル:ステアリルチオプロピオン酸と、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等から選ばれる多価アルコールとのエステル。
(4)アミン系酸化防止剤:N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン(例えば、p,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン)、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)−アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジ−アルキル化tert−ブチル−/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジ−アルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジ−アルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジン類の混合物、モノ−及びジ−アルキル化tert−オクチルフェノチアジン類の混合物、N−アリルフェノチアジン,N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブタ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル)セバカート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、並びに、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール。
光安定剤は、特に限定されるものではないが、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、エステル系、アクリラート系、ニッケル系、トリアジン系及びオキサミド系等の紫外線吸収剤、並びにヒンダードアミン系光安定剤から選ばれ得る。これらは、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。光安定剤の具体例としては、以下の(1)〜(8)のものが挙げられる。
(1)トリアゾール類:2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−{3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−{3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル}ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール]、2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物、下記式(11)で示されるトリアゾール化合物、並びに、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(α,α−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール;2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール。
上記式(11)中、Rは、3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニルである。
(2)ベンゾフェノン系:4−デシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ及び2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体類。
(3)エステル系:4−tert−ブチルフェニルサリチラート、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、ヘキサデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート及び2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート。
(4)アクリラート系:エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、イソオクチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリラート、メチル−α−カルボメトキシシンナマート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナマート、ブチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナマート、メチル−α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナマート及びN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
(5)ニッケル系:n−ブチルアミン、トリエタノールアミン及びN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような追加のリガンドを有する又は有さない、1:1又は1:2錯体(例えば、2,2’−チオビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体)、ニッケルジブチルジチオカルバマート、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルリン酸のモノアルキルエステル(例えば、メチル又はエチルエステル)のニッケル塩、ケトキシム類のニッケル錯体(例えば、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体)、並びに、追加のリガンドを有する又は有さない1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体。
(6)トリアジン系:2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン及び2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
(7)オキサミド系:4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリド及びこれと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物、並びにo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
(8)ヒンダードアミン系:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシナート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロナート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖又は環式縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロナート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシナート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの直鎖又は環式縮合物;
2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、5−(2−エチルヘキサノイル)−オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−4−オクタデカノイルオキシー2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ)−s−トリアジン、1,3,5−トリス[N−シクロヘキシル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン−3−オン−4−イル)アミノ]−s−トリアジン、2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−クロロ−s−トリアジンとN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンとの反応生成物、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物;
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、その他に4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物、1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、その他にN,N−ジブチルアミンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカン;5−(2−エチルヘキサノイル)オキシメチル−3,3,5−トリメチル−2−モルホリノン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、並びに、マイレン酸無水物α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン又は1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとの反応生成物。
組成物及び該組成物を重合して形成される重合物若しくは硬化物の用途は、特に限定されるものではなく、例えば、電子材料(碍子類、交流変圧器、開閉機器等の注型及び回路ユニット、各種部品のパッケージ、IC・LED・半導体の周辺材料[封止材、レンズ材、基板材、ダイボンド材、チップコート材、積層板、光ファイバー、光導波路、光フィルター、電子部品用の接着剤、コート材、シール材、絶縁材、フォトレジスト、エンキャップ材、ポッティング材、光ディスクの光透過層や層間絶縁層、導光板、反射防止膜等]、発電器、モーター等の回転機コイル、巻線含浸、プリント配線基板、積層板、絶縁ボード、中型碍子類、コイル類、コネクター、ターミナル、各種ケース類、電気部品類等)、塗料(防蝕塗料、メンテナンス、船舶塗装、耐蝕ライニング、自動車・家電製品用プライマー、飲料・ビール缶、外面ラッカー、押出チューブ塗装、一般防蝕塗装、メンテナンス塗装、木工製品用ラッカー、自動車用電着プライマー、その他工業用電着塗装、飲料・ビール缶内面ラッカー、コイルコーティング、ドラム・缶内面塗装、耐酸ライニング、ワイヤーエナメル、絶縁塗料、自動車用プライマー、各種金属製品の美装兼防蝕塗装、パイプ内外面塗装、電気部品絶縁塗装等)、複合材料(化学プラント用パイプ・タンク類、航空機材、自動車部材、各種スポーツ用品、炭素繊維複合材料、アラミド繊維複合材料等)、土木建築材料(床材、舗装材、メンブレン、滑り止め兼薄層舗装、コンクリート打ち継ぎ・かさ上げ、アンカー埋め込み接着、プレキャストコンクリート接合、タイル接着、コンクリート構造物の亀裂補修、台座のグラウト・レベリング、上下水道施設の防蝕・防水塗装、タンク類の耐蝕積層ライニング、鉄構造物の防蝕塗装、建築物外壁のマスチック塗装等)、接着剤(金属・ガラス・陶磁器・セメントコンクリート・木材・プラスチック等の同種又は異種材質の接着剤、自動車・鉄道車両・航空機等の組み立て用接着剤、プレハブ用複合パネル製造用接着剤等:一液型、二液型、シートタイプを含む。)、航空機・自動車・プラスチック成形の治工具(プレス型、ストレッチドダイ、マッチドダイ等樹脂型、真空成形・ブロー成型用モールド、マスターモデル、鋳物用パターン、積層治工具、各種検査用治工具等)、改質剤・安定剤(繊維の樹脂加工、ポリ塩化ビニル用安定剤、合成ゴムへの添加剤等)、ゴムの改質剤(加硫剤、加硫促進剤等)、等として用いることができる。
レンズ材の例としては、光学機器用レンズ、自動車ランプ用レンズ、メガネレンズ、CD・DVD等のピックアップ用レンズ及びプロジェクター用レンズが挙げられる。
LED封止材の用途としては、特に限定されるものではなく、ディスプレイ、電光表示板、信号機、ディスプレイのバックライト(有機ELディスプレイ、携帯電話、モバイルPC等)、自動車の内外装照明、イルミネーション、照明器具、懐中電灯等、広い分野へ展開することができる。
以下に本実施形態を具体的に説明した実施例を例示する。本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
<三ハロゲン化ホウ素−カーボネート化合物に含有される錯体の検出:11B−NMR測定>
11B−NMR測定は、以下の手順で行った。
(1)サンプル瓶に、10mgのトリメトキシボラン(和光純薬工業株式会社製)を計りとり、クロロホルム−d(和光純薬工業株式会社製)を加え、全体量を1gに調製した。
(2)サンプル瓶に、三ハロゲン化ホウ素−カーボネート化合物を調製する際に用いた、三ハロゲン化ホウ素化合物10mgを計りとり、クロロホルム−d(和光純薬工業株式会社製)を加え、全体量を1gに調製した。
(3)サンプル瓶に、調製した三ハロゲン化ホウ素−カーボネート化合物10mgを計りとり、クロロホルム−d(和光純薬工業株式会社製)を加え、全体量を1gに調製した。
(4)上記(2)の溶液を、直径5mmφのNMRチューブ内に挿入可能な特殊NMRチューブ(例えば、日本精密化学株式会社製「N−502B」等)に移した。
(5)上記(1)の溶液を直径5mmφのNMRチューブに移し、上記(4)の特殊NMRチューブを挿入し、下記条件で、11B−NMRを測定した。
フーリエ変換核磁気共鳴装置:日本電子株式会社製「α−400型」
核種:11B
積算回数:1000回
(6)上記(3)の溶液を、直径5mmφのNMRチューブ内に挿入可能な特殊NMRチューブ(例えば、日本精密化学株式会社製「N−502B」等)に移した。
(7)上記(1)の溶液を直径5mmφのNMRチューブに移し、上記(6)の特殊NMRチューブを挿入し、上記(5)と同様の方法で、11B−NMRを測定した。
(8)上記(5)及び(7)で得られた測定結果において、トリメトキシボランのピークを18ppmとし、(7)で得られたピークに、(5)で得られたピークと異なるピークが検出された場合、調製した三ハロゲン化ホウ素−カーボネート化合物では錯体が形成されていると判断した。
<エポキシ当量(WPE)>
「JIS K7236:2001(エポキシ樹脂のエポキシ当量の求め方)」に従って測定した。
<混合指標αの算出>
混合指標αは、以下の式(2)により算出した。
指標α=αc/αb (2)
ここで、
αc:(A)カーボネート化合物のカーボネート基の物質量(mol)
αb:(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)、をそれぞれ示す。
<混合指標βの算出>
混合指標βは、以下の式(9)により算出した。
指標β=αb/αep×100 (9)
ここで、
αb:(B)三ハロゲン化ホウ素の物質量(mol)
αep:(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)、をそれぞれ示す。
<エポキシ基反応率の算出(以下。「EA法」という):1H−NMR測定>
1H−NMR測定は、以下の手順で行った。
(1)サンプル瓶に、10mgのサンプルと、20mgの内部標準物質を計りとり、更にクロロホルム−d(和光純薬工業株式会社製)を加え、全体量を1gに調製した。
・内部標準物質:1,1,2,2−テトラブロモエタン(東京化成工業株式会社製、以下「TBE」、という)
(2)上記(1)の溶液を、直径5mmφのNMRチューブに移し、下記条件で、1H−NMRを測定した。
フーリエ変換核磁気共鳴装置:日本電子株式会社製「α−400型」
核種:1H
積算回数:1000回
上記測定結果から、以下の手順で、エポキシ基反応率を算出した。
(3)1H−NMRチャートから、エポキシ基由来ピークの面積値を算出した。
ここで、エポキシ基由来のピークとは、エポキシ基を構成する炭化水素上の1つの水素に由来するピークを指す。エポキシ化合物を構成するエポキシ基に由来する水素以外の水素に由来するピークと重複しないピークが適宜選択される。
(4)1H−NMRチャートから、内部標準物質由来ピークの面積値を算出した。
(5)上記(3)及び(4)で算出した面積値を、下記式に代入し、エポキシ基反応率(%)を求めた。
エポキシ基反応率(%)=100−EPOA×(TBEG/TBEM)×(2/TBEA)×(REAG/SAMG)×(WPE/EPOG)×100
EPOA:エポキシ基由来ピークの面積値
TBEA:TBEの2つの水素に由来するピークの面積値
EPOG:組成物を調製する際に使用したエポキシ化合物の重量(g)
WPE:組成物を調製する際に使用したエポキシ化合物のエポキシ当量(g/mol)
REAG:組成物の重量(g)
TBEG:1H−NMR測定を行う溶液を調製する際に、使用したTBEの重量(g)(本実施例においては20mg)
TBEM:TBEの分子量
SAMG:1H−NMR測定を行う溶液を調製する際に、使用したサンプルの重量(g)(本実施例においては10mg)
サンプルに含有されるエポキシ化合物中のエポキシ基を構成する炭化水素上の水素が1H−NMRの測定上同一のピークとして観測される場合には、(5)の手順を以下のように変更することで算出が可能となる。
(5−2)上記(3)及び(4)で算出した面積値を、下記式に代入し、エポキシ基反応率(%)を求めた。
エポキシ基反応率(%)=100−{EPOA/(エポキシ基由来ピークを構成している水素の個数)}×(TBEG/TBEM)×(2/TBEA)×(REAG/SAMG)×(WPE/EPOG)×100
<エポキシ基反応率の算出(以下。「EB法」という):FT−IR測定>
EA法において、サンプルがクロロホルム−dに溶解しない場合には、EB法によりエポキシ基反応率が算出される。
FT−IR測定は、以下の手順で行った。
(1)メノウ製の乳鉢に、2mgのサンプルと、100mgの臭化カリウム(Aldrich社製、IRグレード)を計りとり、メノウ製の乳棒にて均一になるまで粉砕した。
(2)上記(1)の試料50mgを錠剤成型器にて、円盤状に成型した。
(3)上記(2)の成型体を錠剤サンプルホルダーに設置し、下記条件で、FT−IR測定を行った。
フーリエ変換赤外分光装置:サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「Nicolet6700型」
分解能:4cm−1
測定法:透過法
積算回数:128回
上記測定結果から、以下の手順でエポキシ基反応率を算出した。
(4)FT−IRチャートから、エポキシ基由来ピークの面積値を算出した。
ここで、エポキシ基由来のピークとは、エポキシ基を構成する原子間の振動に由来するピークを指す。サンプルに含有される化合物において、エポキシ基に由来するピーク以外の原子間の振動に由来するピークと重複しないピークが適宜選択される。
(5)(4)で算出した面積値を、下記式に代入し、エポキシ基反応率(%)を求めた。
エポキシ基反応率(%)=100−RIRA/SIRA×100
RIRA:サンプルを測定した結果得られたFT−IRチャートにおいて、エポキシ基由来のピーク面積
SIRA:サンプルを作製する際に用いた、重合前のエポキシ化合物を測定した結果得られたFT−IRチャートにおける、エポキシ基由来のピーク面積。
<安定性評価A>
調製した組成物の一部を、20℃に設定された恒温器に入れ、24時間保持した後、EA法にてエポキシ基反応率を算出した。
安定性は、エポキシ基反応率が10%以下の場合に良好(「A」)と判断し、5%以下の場合に特に良好(「AA」)と判断し、これら以外の場合に不良(「C」)と判断した。
<安定性評価B>
安定性評価Aにおいて、組成物がクロロホルム−dに完全に溶解しない場合には、EB法にてエポキシ基反応率を算出した。
安定性は、エポキシ基反応率が10%以下の場合に良好(「A」)と判断し、5%以下の場合に特に良好(「AA」)と判断し、これら以外の場合に不良(「C」)と判断した。
<重合性評価A>
EA法にて、得られた重合物のエポキシ基反応率を算出した。
重合性は、エポキシ基反応率が90%以上の場合に良好(「A」)と判断し、95%以上の場合に特に良好(「AA」)と判断し、これら以外の場合に不良(「C」)と判断した。
<重合性評価B>
重合性評価Aにおいて、重合物がクロロホルム−dに完全に溶解しない場合には、EB法にてエポキシ基反応率を算出した。
重合性は、エポキシ基反応率が90%以上の場合に良好(「A」)と判断し、95%以上の場合に特に良好(「AA」)と判断し、これら以外の場合に不良(「C」)と判断した。
<透明性評価>
以下の手順に従い、黄色度(YI)を測定した。
なお、YIは、“ASTM D1925−70(1988):Test Method for Yellowness Index of Plastics”に準じて求めた。
(1)調製した組成物の一部を、短光路分解セル(スターナ社製、開放型Type20/O、12.5mm×3.5mm×45mm、光路長1mm)に入れ、当該組成物の重合性評価を行う条件と同一の温度・時間にて、重合した。
なお、重合性評価において、封管した耐圧瓶内で重合物を用意したものに関しては、以下の手順で評価用のサンプルを準備した。
(2−1)耐圧瓶内から重合物を取出し、同重量のジクロロメタン(和光純薬工業株式会社製)に溶解し、重合物溶液を得た。
なお、重合物を溶解するために用いる化合物は、特に限定されず、重合物を溶解させられ、且つ後の工程において除去できるものであれば良い。
(2−2)得られた重合物溶液を短光路分解セル(スターナ社製、開放型Type20/O、12.5mm×3.5mm×45mm、光路長1mm)に入れた。
(2−3)真空乾燥器(東京理化器械株式会社製、VOS−451D、なお、真空ポンプには、アルバック機工株式会社製、小型油回転真空ポンプ GCD−201Xを用いた)に上記(2−2)で得られたセルを入れ、室温、13Pa、24時間乾燥させた。
なお、乾燥する際の、温度、圧力は、特に限定されず、重合物溶液に含有される揮発物が急激に揮発しない条件を適宜選択すれば良い。本実施例においては、常圧から徐々に減圧を行い、最終的に13kPaとした。
(3)(1)又は(2−3)で得られた重合物を内包したセルを、下記の機器にてYIを測定した。
分光色彩計:日本電色工業株式会社製「SD5000」(積分球開口部を直径10mmに改造)
透明性は、YIが10以下の場合に良好(「A」)と判断し、5以下の場合に特に良好(「AA」)と判断し、これら以外の場合に不良(「C」)と判断した。
<総合判定>
安定性評価、重合性評価、透明性評価の全ての評価において、特に良好であると判断された場合、及び少なくとも1つの評価において良好と判断され、それ以外の評価において特に良好又は良好と判断された場合に、総合判定として合格(「AA」又は「A」)とした。それ以外の場合については、全て不合格(「C」)とした。
実施例、比較例及び調製例で使用した原材料について、以下の(1)〜(93)に示す。
(エポキシ化合物)
(1)エポキシ化合物A:エチレンオキシド(Aldrich社製、以下、「EPO−1」という。)
・エポキシ当量(WPE):44g/eq.
(2)エポキシ化合物B:プロピレンオキシド(和光純薬工業株式会社製、以下、「EPO−2」という。)
・エポキシ当量(WPE):58g/eq.
(3)エポキシ化合物C:1,2−エポキシブタン(東京化成工業株式会社製、以下、「EPO−3」という。)
・エポキシ当量(WPE):72g/eq.
(4)エポキシ化合物D:1,2−エポキシペンタン(東京化成工業株式会社製、以下、「EPO−4」という。)
・エポキシ当量(WPE):86g/eq.
(5)エポキシ化合物E:1,2−エポキシヘキサン(東京化成工業株式会社製、以下、「EPO−5」という。)
・エポキシ当量(WPE):100g/eq.
(6)エポキシ化合物F:1,2−エポキシヘプタン(東京化成工業株式会社製、以下、「EPO−6」という。)
・エポキシ当量(WPE):114g/eq.
(7)エポキシ化合物G:1,2−エポキシオクタン(和光純薬工業株式会社製、以下、「EPO−7」という。)
・エポキシ当量(WPE):128g/eq.
(8)エポキシ化合物H:1,2−エポキシデカン(和光純薬工業株式会社製、以下、「EPO−8」という。)
・エポキシ当量(WPE):156g/eq.
(9)エポキシ化合物I:1,2−エポキシドデカン(和光純薬工業株式会社製、以下、「EPO−9」という。)
・エポキシ当量(WPE):184g/eq.
(10)エポキシ化合物J:1,2−エポキシテトラデカン(和光純薬工業株式会社製、以下、「EPO−10」という。)
・エポキシ当量(WPE):212g/eq.
(11)エポキシ化合物K:1,2−エポキシヘキサデカン(東京化成工業株式会社製、以下、「EPO−11」という。)
・エポキシ当量(WPE):240g/eq.
(12)エポキシ化合物L:1,2−エポキシオクタデカン(東京化成工業株式会社製、以下、「EPO−12」という。)
・エポキシ当量(WPE):268g/eq.
(13)エポキシ化合物M:1,2−エポキシエイコサン(東京化成工業株式会社製、以下、「EPO−13」という。)
・エポキシ当量(WPE):297g/eq.
(14)エポキシ化合物N:フェニルグリシジルエーテル(和光純薬工業株式会社製、以下、「EPO−14」という。)
・エポキシ当量(WPE):150g/eq.
(15)エポキシ化合物O:ビスフェノールA型エポキシ化合物(以下、「EPO−15」という。)
・商品名:旭化成エポキシ株式会社製、「AER」
・エポキシ当量(WPE):189g/eq.
(16)エポキシ化合物P:水添ビスフェノールA型エポキシ化合物(以下、「EPO−16」という。)
・商品名:ジャパンエポキシレジン社製、「YX8000」
・エポキシ当量(WPE):205g/eq.
(17)エポキシ化合物Q:ビスフェノールA型エポキシ化合物(以下、「EPO−17」という。)
・商品名:旭化成エポキシ株式会社製、「AER」
・エポキシ当量(WPE):450g/eq.
(18)エポキシ化合物R:ビスフェノールA型エポキシ化合物(以下、「EPO−18」という。)
・商品名:旭化成エポキシ株式会社製、「AER」
・エポキシ当量(WPE):480g/eq.
(19)エポキシ化合物S:ビスフェノールA型エポキシ化合物(以下、「EPO−19」という。)
・商品名:旭化成エポキシ株式会社製、「AER」
・エポキシ当量(WPE):560g/eq.
(20)エポキシ化合物T:ビスフェノールA型エポキシ化合物(以下、「EPO−20」という。)
・商品名:旭化成エポキシ株式会社製、「AER」
・エポキシ当量(WPE):650g/eq.
(21)エポキシ化合物U:シクロペンテンオキシド(Aldrich社製、以下、「EPO−21」という。)
・エポキシ当量(WPE):84g/eq.
(22)エポキシ化合物V:シクロヘキセンオキシド(Aldrich社製、以下、「EPO−22」という。)
・エポキシ当量(WPE):98g/eq.
(23)エポキシ化合物W:シクロヘプテンオキシド(Aldrich社製、以下、「EPO−23」という。)
・エポキシ当量(WPE):112g/eq.
(24)エポキシ化合物X:シクロオクテンオキシド(Aldrich社製、以下、「EPO−24」という。)
・エポキシ当量(WPE):126g/eq.
(25)エポキシ化合物Y:脂環式エポキシ化合物(以下、「EPO−25」という。)
・商品名:ダイセル化学工業株式会社、「セロキサイド2021P」
・エポキシ当量(WPE):131g/eq.
(26)エポキシ化合物Z:ビス(2,3−エポキシプロピル)ジスルフィド(以下、「EPO−26」という。)
特開2002−194083に記載の方法に従ってBEDSを合成した。
・エポキシ当量(WPE):91g/eq.
(27)エポキシ化合物AA:1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(以下、「EPO−27」という。)
・商品名:信越化学工業株式会社、「LS−7970」
・エポキシ当量(WPE):182g/eq.
(28)エポキシ化合物AB:ビス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]テトラメチルジシロキサン(以下、「EPO−28」という。)
・商品名:Gelest, Inc.、「SIB1092.0」
・エポキシ当量(WPE):192g/eq.
(29)エポキシ化合物AC:1,3,5,7−テトラ−(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン(以下、「EPO−29」という。)
Euro.Polym.J.2010,46,1545.記載の方法に従って、TGCSを合成した。
・エポキシ当量(WPE):174g/eq.
(30)エポキシ化合物AD:1,3,5,7−テトラ−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)]テトラメチルシクロテトラシロキサン(以下、「EPO−30」という。)
特開2000−103859に記載の方法に従って、TCCSを合成した。
・エポキシ当量(WPE):184g/eq.
(31)エポキシ化合物AE:ブタジエンモノオキシド(和光純薬工業株式会社製、以下、「EPO−31」という。)
・エポキシ当量(WPE):70g/eq.
(32)エポキシ化合物AF:1,2−エポキシ−5−ヘキセン(和光純薬株式会社製、以下、「EPO−32」という。)
・エポキシ当量(WPE):98g/eq.
(33)エポキシ化合物AG:アリルグリシジルエーテル(和光純薬株式会社製、以下、「EPO−33」という。)
・エポキシ当量(WPE):114g/eq.
(34)エポキシ化合物AH:1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(Aldrich社製、以下、「EPO−34」という。)
・エポキシ当量(WPE):124g/eq.
(35)エポキシ化合物AI:グリシジルメタクリレート(和光純薬株式会社製、以下、「EPO−35」という。)
・エポキシ当量:142g/eq.
(カーボネート化合物)
(36)カーボネート化合物A:ジメチルカーボネート(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBA」という。)
(37)カーボネート化合物B:1,3−ジオキソラン−2−オン(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBB」という。別名として、エチレンカーボネート、とも表現される。)
(38)カーボネート化合物C:エチルメチルカーボネート(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBC」という。)
(39)カーボネート化合物D:4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBD」という。別名として、プロピレンカーボネート、とも表現される。)
(40)カーボネート化合物E:1,3−ジオキサン−2−オン(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBE」という。)
(41)カーボネート化合物F:ジエチルカーボネート(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBF」という。)
(42)カーボネート化合物G:4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBG」という。別名として、1,2−ブチレンカーボネート、とも表現される。)
(43)カーボネート化合物H:4−(メトキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBH」という。)
(44)カーボネート化合物I:ジプロピルカーボネート(Aldrich社製、以下、「MCBI」という。)
(45)カーボネート化合物J:5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン(和光純薬工業株式会社製、以下、「MCBJ」という。)
(46)カーボネート化合物K:5,5−ジエチル−1,3−ジオキサン−2−オン(Aldrich社製、以下、「MCBK」という。)
(47)カーボネート化合物L:3,5−ジメチルフェニルエチルカーボネート(Aldrich社製、以下、「MCBL」という。)
(48)カーボネート化合物M:ジフェニルカーボネート(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBM」という。)
(49)カーボネート化合物N:ベンジルフェニルカーボネート(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBN」という。)
(50)カーボネート化合物O:ジベンジルカーボネート(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBO」という。)
(51)カーボネート化合物P:ビス(2−メトキシフェニル)カーボネート(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBP」という。)
(52)カーボネート化合物Q:メチル2−({[2−(メトキシカルボニル)フェノキシ]カルボニル}オキシ)ベンゾアート(Aldrich社製、以下、「MCBQ」という。)
(53)カーボネート化合物R:ジドデシルカーボネート(Aldrich社製、以下、「MCBR」という。)
(54)カーボネート化合物S:エチレングリコールビス(メチルカーボネート)(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBS」という。)
(55)カーボネート化合物T:エリスリトールビス(カーボネート)(Aldrich社製、以下、「MCBT」という。)
(56)カーボネート化合物U:エチレングリコールビス(エチルカーボネート)(東京化成工業株式会社製、以下、「MCBU」という。)
(三ハロゲン化ホウ素化合物)
(57)三ハロゲン化ホウ素化合物A:三フッ化ホウ素ジメチルエーテル錯体(和光純薬工業株式会社製、以下、「BF3DME」という。)
(58)三ハロゲン化ホウ素化合物B:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(和光純薬工業株式会社製、以下、「BF3DEE」という。)
(59)三ハロゲン化ホウ素化合物C:三フッ化ホウ素ジブチルエーテル錯体(Aldrich社製、以下、「BF3DBE」という。)
(60)三ハロゲン化ホウ素化合物D:三フッ化ホウ素tert−ブチルメチルエーテル錯体(Aldrich社製、以下、「BF3TBME」という。)
(61)三ハロゲン化ホウ素化合物E:三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体(Aldrich社製、以下、「BF3THF」という。)
(62)三ハロゲン化ホウ素化合物F:三フッ化ホウ素メチルスルフィド錯体(Aldrich社製、以下、「BF3DMS」という。)
(63)三ハロゲン化ホウ素化合物G:三フッ化ホウ素メタノール錯体(東京化成工業株式会社製、以下、「BF3MNOL」という。)
(64)三ハロゲン化ホウ素化合物H:三フッ化ホウ素プロパノール錯体(Aldrich社製、以下、「BF3PNOL」という。)
(65)三ハロゲン化ホウ素化合物I:三フッ化ホウ素酢酸錯体(Aldrich社製、以下、「BF3ACOH」という。)
(66)三ハロゲン化ホウ素化合物J:三フッ化ホウ素フェノール錯体(Aldrich社製、以下、「BF3PHNOL」という。)
(67)三ハロゲン化ホウ素化合物K:三フッ化ホウ素エチルアミン錯体(Aldrich社製、以下、「BF3MEA」という。)
(68)三ハロゲン化ホウ素化合物L:三フッ化ホウ素ピペリジン錯体(東京化成工業株式会社製、以下、「BF3PPD」という。)
(69)三ハロゲン化ホウ素化合物Q:三塩化ホウ素(1.0mol/Lジクロロメタン溶液)(Aldrich社製、以下、「BCl3DCM」という。)
(70)三ハロゲン化ホウ素化合物R:三臭化ホウ素(1.0mol/Lジクロロメタン溶液)(Aldrich社製、以下、「BBr3DCM」という。)
(熱重合促進剤)
(71)ホスホニウム塩化合物:テトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド(和光純薬工業株式会社製、以下、「TBPB」という。)
(72)アミン化合物A:トリブチルアミン(和光純薬工業株式会社製、以下、「TBA」という。)
(73)アミン化合物B:N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(和光純薬工業株式会社製、以下、「DMCHA」という。)
(74)アミン化合物C:N,N−ジエチルエタノールアミン(和光純薬工業株式会社製、以下、「DEENA」という。)
(75)スルホニウム塩化合物A:商品名「SI−25」(三新化学工業株式会社製、以下、「S25」という。)
(76)スルホニウム塩化合物B:商品名「SI−60」(三新化学工業株式会社製、以下、「S60」という。)
(77)スルホニウム塩化合物C:商品名「SI−80」(三新化学工業株式会社製、以下、「S80」という。)
(78)スルホニウム塩化合物D:商品名「SI−100」(三新化学工業株式会社製、以下、「S100」という。)
(79)スルホニウム塩化合物E:商品名「SI−110」(三新化学工業株式会社製、以下、「S110」という。)
(80)スルホニウム塩化合物F:商品名「SI−150」(三新化学工業株式会社製、以下、「S150」という。)
(81)スルホニウム塩化合物G:商品名「SI−180」(三新化学工業株式会社製、以下、「S180」という。)
(添加化合物)
(82)添加化合物A:ジクロロメタン(和光純薬工業株式会社製、以下、「DCM」という。)
(83)添加化合物B:ジエチルエーテル(和光純薬工業株式会社製、以下、「DEE」という。)
(連鎖移動剤)
(84)連鎖移動剤A:1−ブタノール(和光純薬工業株式会社製、以下、「CTRA」という。)
(85)連鎖移動剤B:2−ブタノール(和光純薬工業株式会社製、以下、「CTRB」という。)
(86)連鎖移動剤C:エチレングリコール(和光純薬工業株式会社製、以下、「CTRC」という。)
(87)連鎖移動剤D:1,2−プロパンジオール(和光純薬工業株式会社製、以下、「CTRD」という。)
(88)連鎖移動剤E:2,3−ブタンジオール(和光純薬工業株式会社製、以下、「CTRE」という。)
(89)連鎖移動剤F:ブタノ−4−ラクトン(和光純薬工業株式会社製、以下、「CTRF」という。)
(90)連鎖移動剤G:ペンタノ−4−ラクトン(Aldrich社製、以下、「CTRG」という。)
(91)連鎖移動剤H:1,3−ジオキサン−2−オン(Aldrich社製、以下、「CTRH」という。)
(92)連鎖移動剤I:ヘキサメチルシクロトリシロキサン(信越化学社製、以下、「CTRI」という。)
(93)連鎖移動剤J:オクタメチルシクロテトラシロキサン(信越化学社製、以下、「CTRJ」という。)
(実施例1)
<三ハロゲン化ホウ素−カーボネート化合物の準備>
(1)準備:マグネチックスターラー上に、投げ込み式冷却加熱ユニットが取り付けられたウォーターバスを載せ、そこに水及び攪拌子を入れた。投げ込み式冷却加熱ユニットを起動させ、水の温度が20℃となるように設定した。
(2)窒素雰囲気とした反応容器を上記(1)のウォーターバスに設置し、表1の組成比率に従って各原料を反応容器に添加し、1時間撹拌した。
(3)反応容器に減圧溜去装置を取り付け、徐々に減圧を行い、最終的に2kPaまで減圧し、4時間維持した。
(4)上記(3)で得られた反応液を用い、11B−NMRによる解析を行うことで、錯体が形成されていることを確認した。
上記(1)〜(4)の手順を行い、三ハロゲン化ホウ素−カーボネート化合物(以下、「BF3−MCBA」という)を準備した。
<組成物の調製及び重合>
(5)上記(1)と同様の手順で準備を行った。
(6)窒素雰囲気とした反応容器を上記(5)のウォーターバスに設置し、表3の組成比率に従って、各原料を反応容器に添加し、撹拌することで組成物を調製した。
(7)上記(6)において調製した組成物を、表5の重合条件に従い重合することで、重合物を得た。
なお、重合条件としては、以下のいずれかを用いた。
・重合条件A
(1)60℃で1時間保持
(2)120℃まで昇温(昇温速度:10℃/hr)
(3)120℃で1時間保持
・重合条件B
(1)60℃で1時間保持
(2)120℃まで昇温(昇温速度:10℃/hr)
(3)120℃で1時間保持
(4)150℃まで昇温(昇温速度:20℃/hr)
(5)150℃で30分間保持
(実施例2〜70)
表1〜6の組成比率、及び重合条件とした以外は、実施例1と同様の方法により、組成物を調製し、重合物を得た。
なお、実施例24〜30、43〜46、53〜57では、評価を行うに辺り、重合性評価及び透明性評価用のサンプルを封管された耐圧瓶内で用意した。
実施例1〜70で調製した組成物の評価結果を表5、6に示す。
(比較例1〜59)
表7、8の組成に従って、上記実施例1と同様の方法により、比較例1〜59の組成物を調製し、表9、10の重合条件に従って、重合物を得た。比較例25〜31、44〜47、54〜58では、評価を行うにあたり、重合性評価用のサンプルを封管された耐圧瓶内で用意した。比較例1〜59で調製した組成物の評価結果を表9、10に示す。
表1〜10に示すように、本実施形態に係る、(A)カーボネート化合物と、(B)三ハロゲン化ホウ素と、(C)エポキシ化合物と、を含有し、(A)カーボネート化合物及び(B)三ハロゲン化ホウ素の少なくとも一部が錯体を形成している組成物は、安定性及び重合性に優れ、該組成物を重合することで透明性の高い重合物を得られることが確認された。それに対して、エーテル基を1つ有するエーテル化合物、スルフィド化合物、アルコール化合物、酸性化合物、含窒素化合物から選ばれる1種の化合物と、三ハロゲン化ホウ素と、エポキシ化合物を含有する組成物や、エポキシ化合物を重合させる際に用いられる公知の熱重合促進剤を用いた比較例によれば、安定性、重合性、透明性の評価において全て満たすものは確認されなかった。
(実施例71)
<重合物を塗付したガラス基板の準備>
(1)実施例67で得られた重合物を、同重量のジクロロメタン(和光純薬株式会社製)に溶解し、重合物溶液を得た。
なお、重合物を溶解するために用いる化合物は、特に限定されず、重合物を溶解させられ、且つ後の工程において除去できるものであれば良い。
(2)両面光学研磨された角型石英ガラス板(ジーエルサイエンス株式会社製、サイズ10mm×10mm、厚み1mm)上に、上記(1)の重合物溶液を滴下し、バーコーター(第一理化株式会社、番線の番号No.18)で約41μmに塗付した。
(3)真空乾燥器(東京理化器械株式会社製、VOS−451D、なお、真空ポンプには、アルバック機工株式会社製、小型油回転真空ポンプ GCD−201Xを用いた)に上記(2)で得られた石英ガラス板を入れ、室温、13Pa、24時間乾燥させた。
なお、乾燥する際の、温度、圧力は、特に限定されず、重合物溶液に含有される揮発物が急激に揮発しない条件を適宜選択すれば良い。本実施例においては、徐々に減圧を行い、最終的に13kPaとした。
<ガラス基板上の重合物の光透過性維持評価>
(4)乾燥後の石英ガラス板上にある重合物塗布部の全光線透過率を、ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH−5000W)を用い、測定した(ここで得られた全光線透過率を、「TLT0」という。)。本実施例では、全光線透過率は86%であった。
(5)乾燥後の石英ガラス板を、温度25℃、湿度60%RHに設定した恒温恒湿器(エスペック株式会社製、PSL−4J)に、300日間入れ、保持した。
(6)上記(5)で得られた石英ガラス板上にある重合物塗布部の全光線透過率を、上記(4)と同様に測定した(ここで得られた全光線透過率を、「TLT300」という。)。
(7)TLT300が、80%以上の場合に良好(「A」)と判断し、85%以上の場合に特に良好(「AA」)と判断し、これ以外の場合に不良(「C」)と判断した。本実施例では、TLT300が80%であったことから、良好と判断した。
(8)光透過性の維持割合(以下、「dTLT」という。)を、下記式を用いて、算出した。
dTLT(%)=TLT300/TLT0×100
(9)光透過性の維持割合が、90%以上の場合に良好(「A」)と判断し、95%以上の場合に特に良好(「AA」)と判断し、これ以外の場合に不良(「C」)と判断した。本実施例では、光透過性の維持割合が、93%であったことから、良好と判断した。
(10)上記(7)及び(9)の評価において、同時に特に良好であると判断された場合、及び少なくとも1つの評価において良好と判断され、それ以外の評価において特に良好又は良好と判断された場合に、総合判定として合格(「AA」又は「A」)とした。それ以外の場合については、全て不合格(「C」)とした。
なお、本実施例では、TLT300が80%と良好(「A」)であり、dTLTが93%と良好(「A」)であり、両評価において共に良好であったことから、総合判定としては良好(「A」)と判断した。
(実施例72〜74)
表11に記載の実施例で得られた重合物を用いた以外は、実施例71と同様の方法により、重合物が塗付されたガラス基板を評価した。
表11に示すように、本実施形態に係る、(A)カーボネート化合物と、(B)三ハロゲン化ホウ素と、(C)エポキシ化合物と、を含有し、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素の少なくとも一部が錯体を形成している組成物を重合して得られる重合物は、長期保管しても透明性の変化が少ないことが確認された。
(調製例1)
<三ハロゲン化ホウ素−カーボネート化合物(BF3−MCBB−2)の調製>
(1)準備:マグネチックスターラー上に、投げ込み式冷却加熱ユニットが取り付けられたウォーターバスを載せ、そこに水及び攪拌子を入れた。投げ込み式冷却加熱ユニットを起動させ、水の温度が20℃となるように設定した。
(2)窒素雰囲気とした反応容器を上記(1)のウォーターバスに設置し、表12の組成比率に従って各原料を反応容器に添加し、1時間撹拌した。
(3)反応容器に減圧溜去装置を取り付け、徐々に減圧を行い、最終的に2kPaまで減圧し、4時間維持した。
(4)上記(3)で得られた反応液を用い、11B−NMRによる解析を行うことで、錯体が形成されていることを確認した。
上記(1)〜(4)の手順を行い、三ハロゲン化ホウ素−カーボネート化合物(以下、「BF3−MCBB−2」という)を調製した。
(調製例2〜9)
表12の組成比率とした以外は、調製例1と同様の方法により、三ハロゲン化ホウ素−カーボネート化合物を調製した。
(実施例75)
<組成物の調製及び重合>
(1)準備:マグネチックスターラー上に、投げ込み式冷却加熱ユニットが取り付けられたウォーターバスを載せ、そこに水及び攪拌子を入れた。投げ込み式冷却加熱ユニットを起動させ、水の温度が20℃となるように設定した。
(2)窒素雰囲気とした反応容器を上記(1)のウォーターバスに設置し、表13の組成比率に従って、反応容器に添加し、撹拌することで組成物を調製した。
(3)上記(2)において調製した組成物を、表15の重合条件に従い重合することで、重合物を得た。
なお、重合条件としては、以下のいずれかを用いた。
・重合条件C
(1)60℃で1時間保持
(2)120℃まで昇温(昇温速度:10℃/hr)
(3)120℃で4時間保持
・重合条件D
(1)60℃で1時間保持
(2)120℃まで昇温(昇温速度:10℃/hr)
(3)120℃で4時間保持
(4)150℃まで昇温(昇温速度:20℃/hr)
(5)150℃で30分間保持
<重合物の耐熱安定性評価(以下、「RA法」という。):重合物の元となるエポキシ化合物が1つのエポキシ基を有する場合>
(4)真空乾燥器(東京理化器械株式会社製、VOS−451D、なお、真空ポンプには、アルバック機工株式会社製、小型油回転真空ポンプ GCD−201Xを用いた)に上記(3)で得られた重合物を入れ、50℃、13Pa、24時間乾燥させた。
(5)上記(4)で得られた重合物を、乾燥したガラス製容器に移し、重合物の重量を測定した(以下、「RGWS」という。)。
(6)恒温器(エスペック社製、IPHH−202)に入れ、窒素雰囲気とした後、器内温度を150℃として、2000時間保持した。
(7)上記(6)で得られた重合物の重量を測定した(以下、「RGWF」という。)。
(8)重合物の重量変化(以下、「RGW」という。)を、以下の式により算出した。
RGW(%)=100−RGWF/RGWS×100
(9)RGWが、5%以下の場合に良好(「A」)と判断し、2%以下の場合に特に良好(「AA」)と判断し、これ以外の場合に不良(「C」)と判断した。本実施例では、RGWが1%であったことから、特に良好と判断した。
<重合物の耐熱安定性評価(以下、「RB法」という。):重合物の元となるエポキシ化合物が1つのエポキシ基を有する場合>
恒温器の器内温度を170℃とした以外は、RA法と同様に行った。
<重合物の耐熱安定性評価(以下、「RC法」という。):重合物の元となるエポキシ化合物が2つ以上のエポキシ基を有する場合>
恒温器の器内温度を200℃とした以外は、RA法と同様に行った。
<重合物の耐熱安定性評価(以下、「RD法」という。):重合物の元となるエポキシ化合物が2つ以上のエポキシ基を有する場合>
恒温器の器内温度を220℃とした以外は、RA法と同様に行った。
(実施例76〜139)
表13、14の組成比率、及び表15、16の重合条件とした以外は、実施例75と同様の方法により、重合物を得た。実施例75〜139で得られた重合物の評価結果を表15、16に示す。
なお、実施例91〜97、104〜112では、重合物を封管された耐圧瓶内で用意した。
表13〜16に示すように、(A)カーボネート化合物の構造が環状構造であることで、本実施形態に係る、(A)カーボネート化合物と、(B)三ハロゲン化ホウ素と、(C)エポキシ化合物を含有し、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素の少なくとも一部が錯体を形成している組成物を重合して得られる重合物及び硬化物は、高温下で長期保持しても揮発分が少なく、高温下での安定性が高いことが確認された。
(実施例140)
<三ハロゲン化ホウ素−カーボネート化合物(BF3−MCBD−1)の準備>
(1)準備:マグネチックスターラー上に、投げ込み式冷却加熱ユニットが取り付けられたウォーターバスを載せ、そこに水及び攪拌子を入れた。投げ込み式冷却加熱ユニットを起動させ、水の温度が20℃となるように設定した。
(2)窒素雰囲気とした反応容器を上記(1)のウォーターバスに設置し、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン42質量%、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体58質量%を、反応容器に添加し、1時間撹拌した。
(3)反応容器に減圧溜去装置を取り付け、徐々に減圧を行い、最終的に2kPaまで減圧し、4時間維持した。
(4)上記(3)で得られたものを用い、11B−NMRによる解析を行うことで、錯体が形成されていることを確認した。
<組成物の調製及び重合>
(5)上記(1)と同様の手順で準備を行った。
(6)窒素雰囲気とした反応容器を上記(5)のウォーターバスに設置し、表17の組成比率に従って、反応容器に添加し、撹拌することで組成物を調製した。
(7)上記(6)において調製した組成物を、表20の重合条件に従い重合することで、重合物を得た。
なお、混合指標γは、以下の式(10)により算出した。
指標γ=αd/αep×100 (10)
ここで、
αd:(D)連鎖移動剤の物質量(mol)
αep:(C)エポキシ化合物に含まれるエポキシ基の物質量(mol)、をそれぞれ示す。
(8)上記(7)で得られた重合物のエポキシ基反応率を、表20の方法により測定し、元となるエポキシ化合物中のエポキシ基が重合していることを確認した。
(実施例141〜249)
表17〜19の組成比率、及び表20〜22の重合条件とした以外は、実施例140と同様の方法により、重合物を得た。実施例140〜249で得られた重合物の評価結果を表20〜22に示す。
なお、実施例162〜168、175〜190、197〜205では、重合物を封管された耐圧瓶内で用意した。
表17〜22に示すように、本実施形態に係る、(A)カーボネート化合物と、(B)三ハロゲン化ホウ素と、(C)エポキシ化合物と、(D)連鎖移動剤を含有し、(A)カーボネート化合物と(B)三ハロゲン化ホウ素の少なくとも一部が錯体を形成している組成物を重合して得られる重合物及び硬化物は、高温下で長期保持しても揮発分が少なく、高温下での安定性が高いことが確認された。