JP5963576B2 - 金属構造体の製造方法、及びx線光学素子の製造方法 - Google Patents

金属構造体の製造方法、及びx線光学素子の製造方法 Download PDF

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本発明は、金属構造体の製造方法に関し、例えばX線位相イメージングに用いられるX線光学素子に好適に適用可能な金属構造体の製造方法に関する。
X線を用いた被検知物の撮像は、工業利用から医療利用まで幅広い分野で用いられている。
これらは主に、X線による吸収能の違いを用いた吸収コントラスト法が用いられ、工業利用では鉄鋼材料などの内部亀裂検査や手荷物検査など、医療分野ではレントゲン撮影やX線CTなどに用いられている。
一方、X線の吸収によるコントラストが形成されにくい低密度の被検知物に対しては、例えば、特許文献1に開示されているような被検知物によるX線の位相変化を検出するX線位相イメージングが有効である。
図7を用い、このようなX線位相イメージングにより位相情報を得る方法の概略を説明する。
X線は被検知物を透過する際、位相変化と同時に微少な屈折をする。
そこで、例えば図7に示すように、X線源501から放射されるX線の光路上に光路とは垂直方向に連続的にX線の吸収量が変化する楔形状のX線光学素子504を周期的に配置する。これにより、上記微少に屈折したX線の位置変化をX線の強度変化に変えて位相情報を得ることが可能となる。
更には、X線源501から放射されたX線をスリットアレイなどの分割素子502を通すことで空間的に分割し、その分割されたX線を被検知物503に照射する。
被検知物503により微少に屈折したX線を、強度情報に変換する為のX線光学素子504に通し、X線検出器505でその強度測定を行えば、位相イメージングが可能となる。
特開2011−11039号公報
図7に示した装置において、X線を空間的に分割する分割素子とX線光学素子とを対応させるため、X線光学素子の素子サイズは、分割素子のピッチサイズと同等以上のサイズとする必要がある。具体的には、数十〜数百μmである。また、X線光学素子はX線の位置変化を強度に変換させるために、素子内においてX線の吸収量が連続的に変化する形態が必要である。
また、X線の屈折量は極めて小さいため、μmレベルの加工精度が要求される。更に、イメージングには数多くの素子を大きな基板上に並べる必要がある。
したがって、検出されたX線のS/N低下を防ぐために、素子を保持する基板はX線の吸収が小さい材料が好ましい。
上記のようなX線光学素子を作製する方法としては、カーボン基板上に数百μm厚の金属メッキを施し、切削加工による素子を作製する方法や、樹脂基板上に数百μm厚の金属膜を樹脂系の接着材で固定し、切削加工による素子を作製する方法がある。
本発明は、これらとは異なる作製方法を用いて、より精度良く、X線光学素子等の金属構造体を製造することのできる方法を提供することを目的とする。
本発明の金属構造体の製造方法は、任意の断面形状を有する柱状構造が周期的に並べられた周期構造体により構成された金属構造体の製造方法であって、
エッチングが可能な材料による第1の金属基板を準備する第1の金属基板準備工程と、
前記第1の金属基板準備工程で準備された前記第1の金属基板上に、第2の金属膜を形成する第2の金属膜形成工程と、
前記第2の金属膜形成工程で形成された第2の金属膜を、切削加工を行うことにより前記任意の断面形状を有する柱状構造が周期的に並べられた周期構造体を形成する切削加工工程と、
前記切削加工工程で形成された前記周期構造体を、樹脂部材で固定する工程と、
前記樹脂部材で固定する工程で前記周期構造体が前記樹脂部材で固定された後、前記第1の金属基板をエッチングにより除去する工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、より精度良く、X線光学素子等の金属構造体を製造することのできる方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態及び実施例1における金属構造体の製造方法を説明するフロー図。 本発明の第1の実施形態における金属構造体の製造方法を説明する概略図。 本発明の第2の実施形態及び実施例2における金属構造体の製造方法を説明するフロー図。 本発明の第2の実施形態における金属構造体の製造方法を説明する概略図。 本発明の実施例1における金属構造体の製造方法を説明する概略図。 本発明の実施例2における金属構造体の製造方法を説明する概略図。 従来例におけるX線位相イメージングにより位相情報を得る方法を説明する概略図。
以下に、本発明の実施形態における金属構造体の製造方法について説明する。(第1の実施形態)
第1の実施形態として、本発明を適用した金属構造体の製造方法について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は本発明の金属構造体の作製方法のフロー図である。図2は作製方法の各工程後における、作製物の断面形状を説明するための概略図である。
本実施形態の金属構造体の製造方法においては、任意の断面形状を有する柱状構造が周期的に並べられた周期構造体により構成された金属構造体を、図1に示す次のような手順によって製造する。
先ず、S100に示す第1の金属基板準備工程においては、次の工程で形成される第2の金属からなる周期構造体103を精度良く加工作製する上で必要な第1の金属基板101を準備する工程である。
図2では(a)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応する。
上記第1の金属基板101の材料や大きさに特に限定はないが、後のエッチングにより基板を除去する工程S104が必要であるため、エッチング可能な材料であることが必要である。
エッチングに強酸を使用する場合では、水素よりも酸化還元電位が低い金属であることが望ましい。安価で加工しやすい金属としては、例えばAl、Fe、Niなどが挙げられる。
また、金属構造体を精度良く加工するため、第1の金属基板101は平行平板であることが望ましい。可能であればサブμmレベルの平坦性があると良い。
次に、S101に示す第2の金属膜形成工程は、第1の金属基板101の上に第2の金属膜102を形成する工程である。
図2では(b)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応する。
この第2の金属膜102としては、エッチングにより基板を除去する工程S104において腐食されない必要があるため、第1の金属基板101のエッチングに対して腐食しない或いは第1の金属基板101の材料に対してエッチングレートが低い材料の必要がある。
エッチングに強酸を使用する場合では、水素よりも酸化還元電位が高い金属であることが望ましい。
例えばAg、Au、Ptなどが挙げられる。X線の位相検出のためのX線光学素子として使用する場合、使用するX線のエネルギーに対して吸収端を持たないことなどの考慮が必要となる。
また、この第2の金属膜102の第1の金属基板101への形成方法については特に限定はないが、数μmから数百μmのサイズの構造体を作製するには、短時間で厚い膜を形成出来る方法が望ましい。
その方法の一例として、形成可能な金属に制限を受けるが、鍍金(メッキ)が挙げられる。
メッキによる金属膜形成では異元素を添加することで、切削加工に適した硬度にコントロールすることが出来る。
例えば、ニッケルメッキでは10%程のリンを添加することで純ニッケルよりも柔らかく出来、金メッキでは1%程度の銅やコバルトを添加することで純金よりも硬くすることが出来る。
また、金属基板101と金属膜102の間の密着性を向上させる為、TiやCrなどの下地層を設けてもよい。
次に、S102に示す切削加工工程は、第2の金属膜102を切削加工により任意の断面形状を有する柱状構造が周期的に並べられた周期構造体103を加工する工程である。
図2では(c)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応する。フォトリソグラフィによる加工方法は、極めて高い精度の微細加工が出来るものの、数μmから数百μmのサイズの構造体の作製や、任意の断面形状の構造体を大面積で作製することは時間が掛り非現実的である。
μmレベルで加工精度が良く、大面積にも対応可能な金属の切削加工が好ましい。
金属の切削加工に特に限定はないが、超鋼チップを高速回転させながら切削する通常の切削方法や、ダイヤモンドチップを一方向に走査しながら切削するシェーパー法などが挙げられる。
特に、ダイヤモンドチップを用いた切削加工では、Raで数十nmレベルと極めて平坦性の高い加工表面が得られる。
また、この第2の金属膜102の切削加工において、精度の高い加工が行われる範囲であれば、第1の金属基板101まで加工がなされても構わない。
次に、S103に示す樹脂部材で固定する工程は、前工程S102で切削加工した第2の金属からなる周期構造体103を樹脂部材104で固定する工程である。
図2では(d)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応する。
この工程S103では、次の工程S104で行う第1の金属基板101のエッチング除去によって、周期構造体103の配列が乱されないように、樹脂部材104で周期構造体103の固定を行う。
樹脂部材104の材料に特に限定はないが、後のS104のエッチングによって腐食を受けない樹脂材料が好ましい。
例えば、酸やアルカリに耐性があり、耐熱性も有するエポキシ樹脂などが挙げられる。
また、X線の位相検出のためのX線光学素子として使用する場合、S/N向上のために樹脂部材によるX線の吸収を極力少なくする必要がある。そのため、材料中に金属などの密度の高い材料が混入していないことが望ましい。
更に、周期構造体103を平坦に保持させるため、樹脂部材104が接着剤と樹脂基板で構成されていてもよい。
次に、S104に示す工程は、第2の金属膜からなる周期構造体103を保持している第1の金属基板101をエッチングにより除去する工程である。
図2では(e)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応し、本実施形態により作製される金属構造体の最終形態となる。
エッチング手段は、第1の金属基板に対して腐食性があり、第2の金属膜に対して腐食性が低い手段であれば特に限定はない。
エッチングを行う媒体が気体でも良いし液体でも良い。例えば、第1の金属基板に水素よりも酸化還元電位が低い金属を用い、第2の金属膜に水素よりも酸化還元電位が高い金属を用いた場合、強酸の水溶液に浸漬させる方法が挙げられる。また、第1の金属基板のエッチングは基板全てをエッチングしても構わないし、周期構造体103の直下の部分のみをエッチングしても構わない。
最後のS105では、エッチング装置から生産された金属構造体を取り出して完成となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態として、本発明を適用した金属構造体の製造方法について、図3及び図4を用いて説明する。
図3は本発明の金属構造体の作製方法のフロー図である。
図4は作製方法の各工程後における、作製物の断面形状を説明する為の概略図である。
本実施形態は、第1の実施形態に2つの工程(S201とS204)を付与したものである。
その1つとして、第1の実施形態における第2の金属膜形成工程の前に、第3の金属からなる薄膜を前記第1の金属基板上に形成する工程が付与されている。
もう1つとして、第1の実施形態における切削加工工程後に、前記第3の金属からなる薄膜を前記切削加工を行う加工面の全面に形成する工程が付与されている。
本実施例によれば、金属基板201のエッチング工程において周期構造体204が腐食される可能性がある場合に有効である。
先ず、S200は、S202の工程で形成される第2の金属からなる周期構造体204を精度良く加工作製する上で必要な第1の金属からなる金属基板201を用意する工程である。
図4では(a)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応する。
基板の材料や形状等については、第1の実施形態のS100と同様である。
次に、S201は、金属基板201の上に第3の金属からなる金属薄膜202を形成する工程である。
図4では(b)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応する。
この金属薄膜202としては、エッチングにより金属基板201を除去する工程S206において腐食されない必要がある。
したがって、金属基板201のエッチングに対して腐食しない或いは金属基板201の材料に対してエッチングレートが低い材料の必要がある。エッチングに強酸を使用する場合では、水素よりも酸化還元電位が高い金属であることが望ましい。例えばAg、Au、Ptなどが挙げられる。更に、我々が開発したX線位相イメージングの光学素子として使用する場合、この金属薄膜202によるX線の吸収を極力少なくしたい為、1μm以下の厚さに抑えることが望ましい。また、この金属薄膜202を金属基板201と後の工程で形成する金属膜203との密着層の役割を持たせても良い。また、この金属薄膜202の金属基板201への形成方法について特に限定はないが、膜厚が数十nm以下で緻密な膜を形成する為、成膜レートは遅くても緻密な膜が形成出来る電子ビーム蒸着などが望ましい。また、金属基板201や金属膜203との間の密着性を向上させる為、TiやCrなどの下地層を設けてもよい。
次に、S202は、金属基板201の上に第2の金属からなる金属膜203を形成する工程である。図4では(c)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応する。この金属膜203は、エッチングにより基板を除去する工程S206において、第3の金属からなる金属薄膜202によって保護されることから、第1の実施形態と異なり、材料に特に限定はない。尚、X線の位相検出のためのX線光学素子として使用する場合の考慮や、金属膜203の形成方法は、第1の実施形態のS101と同様である。
次に、S203は、金属膜203を切削加工により任意の形状の周期構造体204に加工する工程である。
図4では(d)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応する。この工程においても、第1の実施形態のS102と同様の方法で切削加工を行うことが出来る。
次に、S204は、前工程S203で切削加工した第2の金属からなる周期構造体204の表面に第3の金属からなる金属薄膜202を形成する工程である。
図4では(e)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応する。
この工程は、金属基板201の上に金属薄膜202を形成する工程S201と同様の方法で行うことが出来る。また、その膜厚についてもS201と同様に金属薄膜202によるX線の吸収を極力少なくする為、1μm以下の厚さに抑えることが望ましい。
尚、金属基板201のエッチング工程S206において周期構造体204の表面を保護することが可能であれば、薄膜の形成方法に限定はなく、材料についても金属基板201のエッチング工程で腐食しない第4の金属からなる材料を使用しても構わない。
次に、S205は、前工程S203で切削加工した第2の金属からなる周期構造体204を樹脂部材205で固定する工程である。
図4では(f)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応する。
この工程においても、第1の実施形態のS103と同様の方法により、周期構造体204を樹脂部材205により固定することが出来る。
次に、S206は、金属薄膜202で表面を覆われた周期構造体204を保持している金属基板201をエッチングにより除去する工程である。
図4では(g)に示す断面図がこの工程の作製物の断面図に対応し、本実施形態により作製される金属構造体の最終形態となる。
エッチング手段は、第1の金属に対して腐食性があり、第3の金属に対して腐食性が低い手段であれば特に限定はない。エッチングを行う媒体が気体でも良いし液体でも良い。
例えば、第1の金属に水素よりも酸化還元電位が低い金属を用い、第3の金属に水素よりも酸化還元電位が高い金属を用いた場合、強酸の水溶液に浸漬させる方法が挙げられる。
また、金属基板201のエッチングは基板全てをエッチングしても構わないし、周期構造体204の直下の部分のみをエッチングしても構わない。
最後のS207では、エッチング装置から製造された金属構造体を取り出して完成となる。
以下に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
例えば、第1の金属からなる基板、第2の金属からなる膜及び形成手段、第3の金属からなる薄膜及び形成手段、樹脂部材、エッチング手段は、切削加工した金属構造体が基板のエッチング後に樹脂部材に保持されていれば自由に変えること、等が可能である。
[実施例1]
実施例1として、第1の実施形態を適用した金属構造体の製造方法について、図1及び図5を用いて説明する。
先ず、S100では、第1の金属からなる基板として、70mm×70mm×t1mmのA5052のアルミ基板301を準備した(図5(a))。
アルミは安価な上に、加工し易く、酸及びアルカリに対して腐食性を有している理由から採用した。
また、切削加工において精度の高い加工を行うため、切削加工により平行度の高い加工を施した。厚みの誤差は、5つの測定点に対して1μm以内であった。
次に、S101では、第2の金属からなる膜として、硬質金メッキ膜302を採用し、アルミ基板301の上に形成した(図5(b))。
硬質金メッキは酸やアルカリに腐食されず、切削加工において適度な硬さを有することから採用した。
また、この硬質金メッキ膜302の形成方法は、次の手順で行った。
(1)アルミ基板301を有機溶剤洗浄とUVオゾン洗浄を行う。
(2)EB蒸着装置により、下地層としてクロム薄膜と金薄膜を各々数十nm成膜する。
(3)メッキしないエリアにカプトンテープによりマスキングを行う。
(4)マスキングしたアルミ基板301をメッキ液(ニュートロネクス240)に浸漬する。
(5)アルミ基板301を揺動させながら電流を流し、硬質金メッキ膜302を形成する。
このような手順により、アルミ基板301の50mm×50mmのエリアに厚み約80μmの硬質金メッキ膜302を形成した。
次に、S102では、上記メッキにより形成した硬質金メッキ膜302をシェーパー法による切削加工で金属構造体303を作製した(図5(c))。
シェーパー加工では、真空チャックによりアルミ基板301を固定し、ダイヤモンド工具による加工を実施した。加工面の精度はRaで数十nmであった。
シェーパー加工では、90°V型のダイヤモンド工具を用い、硬質金メッキ膜302へ90°V溝の加工を行った。
V溝はピッチ200μmで、アルミ基板301へ深さ50μmまで加工を行った。
この加工により、底辺100μm、高さ50μm、頂角90°の硬質金メッキの三角柱が並んだ金属構造体303を作製した。
次に、S103では、前工程S102で加工した金属構造体303を、エポキシ樹脂304とアクリル板305を用いて固定した。
エポキシ樹脂304は常温硬化タイプの接着材で、金属構造体303とアクリル板305を貼り合わせるのに用いた。
アクリル板305は厚み0.5mmのものを採用した。何れの樹脂も酸及びアルカリに耐性があり、アクリル板305は金属構造体303の平坦性を保つ為に使用した。
図5(d)の示すように、エポキシ樹脂304を金属構造体303を支えるアルミ基板301の裏側以外に塗布し、両側からアクリル板305で挟む構造とした。
尚、基板裏側のアクリル板305は図5(d)に示すように、50mm×50mmの四角い穴のあいた板を使用した。
次に、S104では、金属構造体303を保持しているアルミ基板301をエッチングにより除去した。
エッチングには、17wt%の塩酸を使用し、この塩酸の入ったガラスビーカーに約3時間浸漬させた。
最後のS105では、上記ビーカーから金属構造体303作製物を取り出し、水洗いをすることで完成させた。
切削加工では、90°のV溝をアルミ基板301まで加工したため、図5(e)に示すように三角柱との間に三角形のエポキシ樹脂がはみ出した形状となっている。
また、アルミ基板301の外周を残すことで、金属構造体のハンドリングをし易くした。
[実施例2]
実施例2として、第2の実施形態を適用した金属構造体の製造方法について、図3及び図6を用いて説明する。
先ず、S200では、第1の金属からなる基板として、サイズ70mm×70mm×t1mmのA5052のアルミ基板401を準備した(図6(a))。
採用理由や平行平板加工などは実施例1と同様である。
次に、S201では、アルミ基板401の上に第3の金属からなる薄膜として、約100nm厚の金薄膜402をEB蒸着装置により形成した(図6(b))。また、本実施例においてもアルミ基板401を塩酸でエッチングを行うため、塩酸に腐食されない金を採用した。
尚、切削加工での膜剥れを防ぐ為に、場合によってはこの金薄膜402の上下に約10nm厚のクロム薄膜を設けても良い。
次に、S202では、第2の金属からなる膜として、ニッケル−リンメッキ膜403を採用し、金薄膜402の上に形成した(図6(c))。
ニッケル−リンメッキは塩酸に対して腐食を受けるが、アルミ基板401を塩酸でエッチングする工程S206では、金属構造体404は工程S201とS204によって表面に形成した金薄膜402によって保護される。
このニッケル−リンメッキ膜403の形成方法についても実施例1と同様の手順で行った。尚、今回採用したニッケル−リンメッキにはリンが約10%含まれている。
次に、S203では、実施例1と同様に、上記S202の工程で形成したニッケル−リンメッキ膜403をシェーパー法による切削加工を行い、金属構造体404を作製した。加工面の精度はRaで約20nmであった。
シェーパー加工では、三角形状のダイヤモンド工具を用い、ニッケル−リンメッキ膜403へ図6(d)に示したような直角二等辺三角形の溝を加工した。
溝はピッチ400μmで、アルミ基板401へ深さ50μmまで加工を行った。この加工により、断面形状が底辺150μm、高さ50μmの台形の柱が並んだニッケルーリンメッキの金属構造体404を作製した。
次に、S204では、上記S203の工程で切削加工したニッケル−リンメッキの金属構造体404の表面に、上記201の工程で形成した金薄膜402を形成した(図6(e))。
工程201と同一の装置を用い、金薄膜402を約100nm形成した。
尚、アルミ基板401に垂直な加工面も成膜されるように、蒸着機内で基板を自公転させながら蒸着を行った。
次に、S205では、上記S203の工程で加工した金属構造体404を、エポキシ樹脂405とアクリル板406を用いて固定した(図6(f))。
使用した樹脂の材料や、アクリル板の形状は実施例1と同様のものを使用した。次に、S206では、金属構造体404を保持しているアルミ基板401をエッチングにより除去した。
このエッチングについても実施例1と同様の方法で行い、アルミ基板401の除去を行った。
最後のS207についても、実施例1同様の作業で取り出し、金薄膜402で保護されたニッケル−リンメッキの金属構造体404を完成させた(図6(g))。
以上に説明した本発明の製造方法によれば、X線の吸収量の小さい材料により構成された基板上に、X線の吸収量を連続的に変化させることができる、数μmから数百μmのサイズの金属構造体からなるX線位相イメージングに用いられるX線光学素子を、精度良く製造することが可能となる。
101:第1の金属基板
102:第2の金属膜
103:周期構造体
104:樹脂部材

Claims (9)

  1. 任意の断面形状を有する柱状構造が周期的に並べられた周期構造体により構成された金属構造体の製造方法であって、
    エッチングが可能な材料による第1の金属基板を準備する第1の金属基板準備工程と、
    前記第1の金属基板準備工程で準備された前記第1の金属基板上に、第2の金属膜を形成する第2の金属膜形成工程と、
    前記第2の金属膜形成工程で形成された第2の金属膜を、切削加工を行うことにより前記任意の断面形状を有する柱状構造が周期的に並べられた周期構造体を形成する切削加工工程と、
    前記切削加工工程で形成された前記周期構造体を、樹脂部材で固定する工程と、
    前記樹脂部材で固定する工程で前記周期構造体が前記樹脂部材で固定された後、前記第1の金属基板をエッチングにより除去する工程と、
    を有することを特徴とする金属構造体の製造方法。
  2. 前記第2の金属膜形成工程の前に、第3の金属からなる薄膜を前記第1の金属基板上に形成する工程と、
    前記切削加工工程後に、前記第3の金属からなる薄膜を前記切削加工を行う加工面の全面に形成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の金属構造体の製造方法。
  3. 前記第1の金属が、水素よりも酸化還元電位が低い金属であり、
    前記第2及び第3の金属が、水素よりも酸化還元電位が高い金属であり、
    前記エッチングに強酸が用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属構造体の製造方法。
  4. 前記第2の金属膜形成工程において、前記第1の金属基板上への前記第2の金属膜の形成が、鍍金により行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金属構造体の製造方法。
  5. 前記切削加工工程において、前記第2の金属膜による周期構造体の形成が、切削加工により行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の金属構造体の製造方法。
  6. 前記樹脂部材で固定する工程において、前記第2の金属による周期構造体を固定する前記樹脂部材として、接着剤と樹脂基板とで構成された材料が用いられることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の金属構造体の製造方法。
  7. 前記柱状構造の断面形状が、三角形状である請求項1から6のいずれか1項に記載の金属構造体の製造方法。
  8. 前記第2の金属による周期構造体は、前記柱状構造が数μmから数百μmのサイズに形成されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の金属構造体の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の金属構造体の製造方法により製造された金属構造体による素子を用いて、X線位相イメージングに用いられるX線光学素子を製造することを特徴とするX線光学素子の製造方法。
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