JP5963501B2 - 電子機器 - Google Patents

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本発明は、電子機器、特に、電子部品が実装された回路基板をケース内に収容してカバーで覆った電子機器に関する。
電子部品が実装された回路基板と、回路基板を収容するケース本体と、ケース本体の開口を覆うカバーとからなる電子機器が知られている。
例えば、特許文献1には、導電材料で形成されたカバーを、プリント基板(回路基板)の四隅に形成された貫通穴を挿通させたねじによって、ケース(ケース本体)に固定した電子制御装置(電子機器)が記載されている。
特開平8−148842号公報
しかしながら、上記特許文献1の構造では、プリント基板はケースの四隅の棚部上に載置され、ケースの側周壁によって位置決めされるが、プリント基板の側面とケースの側周壁との間には隙間がある。そのため、プリント基板の貫通穴とねじ穴とに位置ずれが生じることがあり、プリント基板とカバーとをケースにねじで固定する際、作業性が悪い。
本発明は、以上の点に鑑み、ケース本体に回路基板を高精度に位置決めすることが可能電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、電子部品及びコネクタを実装した回路基板と、前記回路基板を収納するケース本体と、前記ケース本体の開口を覆うカバーとを有する電子機器であって、前記ケース本体は、前記回路基板の底面を支持する基板支持座と、前記基板支持座から前記カバー側に向って伸びる支持座側壁と、前記支持座側壁から突出し、前記基板支持座に支持された前記回路基板の側面の位置を規制する凸部と、前記凸部の根元と前記基板支持座との間に形成された凹部とを備え、前記カバーは、側面が前記支持座側壁によって位置決めされ、前記凸部の上方に隙間を隔てて配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、基板支持座に支持された回路基板は、その側面が支持座側壁から突出した凸部によって位置決めされる。そのため、従来のように、基板ケースの側壁の内周面全体で回路基板を位置決めする場合と比較して、凸部の内側面だけを高精度に位置出しするだけで、回路基板を高精度に位置決めすることができる。
さらに、凸部の根元には凹部が形成されているので、ケース本体を鍛造や鋳造で成形して、凸部の根元にバリなどの不要な部分が形成され、丸みを帯びた場合であっても、この丸みと回路基板とが干渉することはない。よって、基板支持座に浮き上りなく回路基板を支持することが可能となる。
本発明において、前記ケース本体には、前記コネクタを配置するために、前記基板支持座及び前記支持座側壁に切欠きが形成され、前記凸部は、前記切欠きの両側に形成されていることが好ましい。
この場合、切欠きの両側に凸部が形成されているので、回路基板の位置決め機能とともに、凸部を補強リブとしても機能させることで、ケース本体を補強することが可能になる。
また、本発明において、前記凸部の頭頂面は、前記基板支持座の上面と平行であることが好ましい。
この場合、下向きの外力が作用してカバーが下向きに撓むように変形しても、凸部の頭頂面にカバーが接触し、カバーの変形が抑制される。そのため、回路基板の上面に電子部品が実装される場合であっても、カバーが接触して電子部品が破損などするおそれを確実に防止することができる。
また、本発明において、前記凸部は、前記頭頂面から前記凹部の間に、前記基板支持座側壁側から前記回路基板側に向って傾斜するテーパ面を備えることが好ましい。
この場合、凸部がテーパ面を備えるので、凸部に引っ掛ることなく、回路基板を滑らかに基板支持座に載置することができる。
本発明の実施形態に係る電子機器を示す斜視図。 ケース本体を示し、(a)は上面図、(b)は斜視図。 リブ付近の拡大斜視図。 図1のIV−IV線断面図であり、(a)は外力が存在しない状態、(b)は外力がカバーに作用した状態をそれぞれ示す。
本発明の実施形態に係る電子機器について図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る電子機器100は、例えば電子制御装置(ECU)であり、回路基板10(図2参照)を内部に収容する筐体である収容ケース20を備えている。収容ケース20は、ケース本体30と、ケース本体30の開口部を覆うカバー40とから構成されている。そして、ケース本体30に位置決めされて支持された回路基板10が、ねじ50によってカバー40と共締めされてケース本体30に固定されている。
なお、本実施形態の説明においては、便宜上、ケース本体30に収容された回路基板10の表裏面に沿う方向を水平方向とし、回路基板10の表裏面に直交する方向を上下方向として説明する。しかし、電子機器100が実際に取り付けられる姿勢は、設置箇所に応じて変化する。
回路基板10には、コネクタ11の他に図示しない電子部品が実装されると共に配線パターンが形成されている。電子部品としては、例えばICチップ、トランジスタ、ダイオード、コンデンサが挙げられる。なお、電子部品は、回路基板10の表面、裏面、又は表面及び裏面に実装されている。そして、回路基板10には、四隅に貫通穴が形成されている(図2(a)参照)。
ケース本体30及びカバー40は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、鉄などの高い熱伝導性を有する金属を、プレス加工、切削加工、溶接加工、ダイカスティングなど適宜な加工方法を用いることによって形成されている。ケース本体30はダイカスティングによって、カバー40は板金をプレス加工することによってそれぞれ形成されることが好ましい。
図2(a)及び図2(b)に示すように、ケース本体30は、平面視略四角形状(矩形状)の底壁31と、底壁31の各周縁部から上方(カバー40に向かう側の方向)にそれぞれ延出する側壁32とを備え、全体として上方が開放された略直方体の箱状となっている。ただし、ケース本体30の一の側壁32には、コネクタ11に対応する部分に切欠が形成されている。これにより、電子機器100からコネクタ11が露出し、コネクタ11と図示しない外部のハーネスとが接続可能となっている。
各側壁32の上部に亘って水平なフランジ部33が形成されており、このフランジ部33の上面が回路基板10を載置して支持するための基板支持面となっている。フランジ部33は、本発明の基板支持座に相当する。そして、フランジ部33の四隅には、回路基板10の貫通穴にそれぞれ対応するねじ穴34が形成されている。
さらに、フランジ部33の外周端から上方にフランジ周壁35が立ち上がっている。フランジ周壁35の内側面は、平面視でカバー40の外側面と略同一形状となるように形成されており、カバー40はフランジ周壁35によって位置決めされる。フランジ周壁35は本発明の支持座側壁に相当する。ケース本体30の一方の長辺側のフランジ部33及びフランジ周壁35にも、回路基板10のコネクタ11に対応する部分に、切欠きが形成されている。
ケース本体30は、電子機器100を他の図示しない装置にボルトなどで取り付けるために、貫通穴が形成された膨出部36を有している。
そして、ケース本体30のフランジ周壁35には、内方に向って突出し、フランジ部33から上方に向って延びる凸部37がケース本体30と一体に形成されている。凸部37は、その内側面37a(図3及び図4(a)参照)が回路基板10の側面と当接して、フランジ部33に支持された回路基板10の位置決めを行う機能を有する。ここでは、凸部37は、ケース本体30の切欠きが形成されていない長辺側のフランジ周壁35に2個、ケース本体30の両短辺側のフランジ周壁35にそれぞれ1個、合計4個形成されている。
さらに、ケース本体30の切欠きの両側端部のフランジ周壁35にはそれぞれ、内方に向って突出し、フランジ部33から上方に向って延びる凸部38がケース本体30と一体に形成されている。凸部38も、その内側面が回路基板10の側面と当接して、フランジ部33に支持された回路基板10の位置決めを行う機能を有する。
また、図3に示すように、凸部37の根元とフランジ部33との間に凹部39が形成されている。
そして、凸部37は、頭頂面37bから凹部39の間に、フランジ部33側から回路基板10側(内方)側に向って傾斜するテーパ面37cを有している。ここでは、頭頂面37bの内方側が面取りされてテーパ面37cとなっている。また、凸部37の頭頂面37bは、フランジ部33の上面と平行、即ち水平になっている。
なお、詳細は図示しないが、凸部38も、凸部37と同様に、凹部が形成され、テーパ面を有し、頭頂面が水平になっている。
図1に示すように、カバー40は、平面視略四角形状(矩形状)であり、その四隅が窪んでフランジ部41となっており、各フランジ部41にそれぞれ1個の貫通穴42が形成されている。これら貫通穴42はケース本体30のねじ穴34に対応している。カバー40の四隅が窪んでおり、この窪んだフランジ部41にねじ50のねじ頭部51が位置するので、カバー40の上面からねじ頭部51が突出しない。
以下、電子機器100の組み立て方法について説明する。
まず、回路基板10をケース本体30に仮支持する。具体的には、回路基板10をケース本体30の開口側から下降させて、フランジ部33の上面に載置する。このとき、回路基板10は、その側面が凸部37の内側面37a及び凸部38の内側面に当接されて位置決めされる。
次に、カバー40をケース本体30に仮支持する。具体的には、ケース本体30に仮支持された回路基板10の上にカバー40を載置する。このとき、カバー40は、ケース本体30のフランジ周壁35によって位置決めされる。
次に、ねじ50を、回路基板10の貫通穴とカバー40の貫通穴42とを挿通させて、ケース本体30のねじ穴34にそれぞれ螺合させる。これにより、回路基板10及びカバー40がケース本体30に固定され、電子機器100の組み立てが完了する。
以上のように、回路基板10は、その側面が凸部37の内側面37a及び凸部38の内側面に当接されて位置決めされる。そのため、従来のように、フランジ周壁35の内周面全体で回路基板10を位置決めする場合と比較して、凸部37,38の内側面だけを高精度に位置出しするだけで、回路基板10を高精度に位置決めすることが可能となる。
そして、凸部37,38にはテーパ面37cが形成されているので、凸部37,38に引っ掛ることなく、回路基板10を滑らかにフランジ部33に載置することができる。よって、回路基板10のケース本体30のフランジ部33への載置、位置決め工程の作業性が向上する。
また、回路基板10が高精度に位置決めされてフランジ部33に載置されるので、回路基板10の各貫通穴と、これら貫通穴に対応するねじ穴34との位置合わせが確実に行われる。よって、ねじ50をねじ穴34に螺合させる際に、ねじ50が回路基板10の貫通穴を確実に挿通させることができ、ねじ締め工程の作業性も向上する。
さらに、図3に示すように、凸部37の根元とフランジ部33との間に凹部39が形成されている。これにより、ケース本体30を鍛造や鋳造で成形して、凸部37の根元にバリなどの不要な部分が形成され、丸みを帯びた場合であっても、この丸みと回路基板10とが干渉することはない。よって、フランジ部33からの浮き上りなく回路基板10を支持することができる。
なお、凸部37,38は、リブとしても機能し、ケース本体30を補強することが可能となる。
ところで、図4(a)に示すように、カバー40は凸部37,38の上方に隙間を隔てて配置されている。そのため、下向きの外力が作用してカバー40が変形すると、回路基板10の上面に電子部品12が実装されていた場合、この電子部品12とカバー40が接触し、電子部品12が破損するおそれがある。
しかし、凸部37,38の頭頂面37bは水平であるので、外力が作用してカバー40が変形しても、凸部37の頭頂面37bにカバー40が接触し、カバー40の変形が抑制される。そのため、回路基板10の上面に実装された電子部品12にカバー40が接触することを確実に防止することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の基板支持座及び支持座側壁にそれぞれ相当するフランジ部33及びフランジ周壁35を、コネクタ11用の切欠きを除いて、全周に亘って形成される場合について説明した。しかし、本発明の基板支持座及び支持座側壁は、必ずしも全周に亘って形成する必要はなく、部分的に又は断続的に形成してもよい。
また、回路基板10の4つの全側面をそれぞれ凸部37,38で位置決めする場合について説明した。しかし、回路基板10の4側面の内、一部の側面のみを凸部37,38で位置決めしてもよい。
10…回路基板、 11…コネクタ、 12…電子部品、 20…収容ケース、 30…ケース本体、 31…底壁、 32…側壁、 33…フランジ部、 34…ねじ穴、 35…フランジ周壁、 37,38…凸部、 37a…内側面、 37b…頭頂面、 37c…テーパ面、 39…凹部、 40…カバー、 41…フランジ部、 42…貫通穴、 50…ねじ、 100…電子機器。

Claims (4)

  1. 電子部品及びコネクタを実装した回路基板と、前記回路基板を収納するケース本体と、前記ケース本体の開口を覆うカバーとを有する電子機器であって、
    前記ケース本体は、
    前記回路基板の底面を支持する基板支持座と、
    前記基板支持座から前記カバー側に向って伸びる支持座側壁と、
    前記支持座側壁から突出し、前記基板支持座に支持された前記回路基板の側面の位置を規制する凸部と、
    前記凸部の根元と前記基板支持座との間に形成された凹部とを備え
    前記カバーは、側面が前記支持座側壁によって位置決めされ、前記凸部の上方に隙間を隔てて配置されていることを特徴とする電子機器。
  2. 前記ケース本体には、前記コネクタを配置するために、前記基板支持座及び前記支持座側壁に切欠きが形成され、前記凸部は、前記切欠きの両側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 記凸部の頭頂面は、前記基板支持座の上面と平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記凸部は、前記頭頂面から前記凹部の間に、前記支持座側壁側から前記回路基板側に向って傾斜するテーパ面を備えることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
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