JP5962903B2 - 防水性プレミックスセメント組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、セメント、水、骨材、および複分解法で製造される金属石鹸を混合して防水性プレミックスセメント組成物を製造する方法であって、前記金属石鹸が、亜鉛塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩およびバリウム塩から選ばれる一種または二種以上の塩とステアリン酸との反応物からなり、前記金属石鹸のかさ比重が0.10〜0.30であり、前記金属石鹸の平均粒径が2μm以上、30μm以下であり、前記金属石鹸が平均粒径の0.5〜2.0倍の範囲内の粒径の割合が50%以上である粒度分布を有しており、前記セメント100質量部に対する前記金属石鹸の比率が0.1〜5.0質量部であることを特徴とする、防水性プレミックスセメント組成物の製造方法に係るものである。
R1O(AO)nR2
〔1〕
(式(1)において、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、AOを構成する前記オキシアルキレン基の80モル%以上がオキシエチレン基からなり、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、nは、20〜1000を表わす。)
本発明のプレミックスセメント組成物は、セメントを含有する。セメントの具体例としては、ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカヒュームセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント等が挙げられる。セメントは、組成物から水を除いた全固形分量中に、30〜80質量%の比率で用いられることが好ましく、30〜60質量%の比率で用いられることが更に好ましい。
本発明のプレミックスセメント組成物は、骨材を使用する。骨材としては細骨材が好ましく、細骨材は珪砂、山砂、陸砂、川砂、砕砂、軽量骨材等があり、特に好ましくは珪砂である。骨材は、組成物から水を除いた全固形分量中に、20〜70質量%の比率で用いられることが好ましく、40〜70質量%の比率で用いられることが更に好ましい。
本発明のプレミックスセメント組成物に使用される水は、組成物から水を除いた全固形分の質量を100質量部としたとき、10〜50質量部の比率で用いられることが好ましい。
本発明のプレミックスセメント組成物に添加される金属石鹸は、ステアリン酸アルカリ化合物塩と、2価の金属塩および3価の金属塩からなる群より選ばれた一種以上の金属塩とを反応させる、複分解法で調製される。具体的には、ステアリン酸1モルに対して1価のアルカリ化合物を0.99〜1.05モルの割合で反応させてステアリン酸アルカリ化合物塩を得、このステアリン酸アルカリ化合物塩を、2価の金属塩および3価の金属塩からなる群より選ばれた一種以上の金属塩と水溶液中で反応させて得られる。
本発明のプレミックスセメント組成物に添加される金属石鹸のかさ比重は0.10〜0.30である。かさ比重が0.10よりも小さいと取り扱いが困難になる。この観点からは、本かさ比重は0.15以上が更に好ましい。また本かさ比重が0.30よりも大きいと、本発明の防水効果が得られなくなる。防水性の観点からは、本かさ比重は、0.25以下が更に好ましい。
金属石鹸サンプル0.5gをエタノール媒体中に投入し、レーザー回折散乱粒度分布測定機(マイクロトラックMT3000、日機装(株)製)を用いて測定する。
金属石鹸サンプル0.5gをエタノール媒体中に投入し、レーザー回折散乱粒度分布測定機(マイクロトラックMT3000、日機装(株)製)を用いて測定する。
分散媒: イオン交換水
分散液の質量: 40g
分散液の濃度: 0.005質量%
分散剤の種類: 非イオン系界面活性剤(ポリ(n=10)オキシエチレンノニルフェニルエーテル)
分散剤の添加量: 30mg
超音波の周波数、出力:20kHz、300W
超音波処理の時間: 5分
金属石鹸と分散剤をスパチュラで馴染ませ、そこにイオン交換水を入れ、液中に超音波分散機を入れて超音波分散を行う。
本発明のプレミックスセメント組成物は、一般式(1)で示される水溶性のポリオキシアルキレン誘導体を含有することができる。
一般式(1)において、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基があり、ブロック状に付加していてもよく、ランダム状に付加していてもよい。AOが、炭素数5以上のオキシアルキレン基であると、製造時の反応性が低下するため好ましくない。
本発明のプレミックスセメント組成物には、付着性を高める目的でポリマーを混合することができる。ポリマーとしては、水に分散して乳化し得る粉末状のポリマーであっても良く、予め水に分散して乳化したポリマーでも良い。ポリマーは、乾燥することによってポリマー皮膜を形成し得るものであれば、アニオン性、カチオン性、およびノニオン性のどのようなイオン性でも良い。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・ベオバ・アクリル共重合体、メタクリル酸アルキルエステルとアクリル酸アルキルエステルの共重合体、スチレンとアクリル酸アルキルエステルの共重合体等が挙げられる。
(実施例1)
JIS R5201(セメントの強さ試験方法)記載のモルタルミキサに、セメントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)製)600g、細骨材として6号ケイ砂(山形県産)1,200g、および複分解法で製造される金属石鹸として、表1に示したジンクステアレート12gを秤取った。以下は各比率を示す。
セメント: 水を除く固形物の33質量%
骨材: 水を除く固形物の66質量%
ジンクステアレート:セメント100質量部に対して2質量部
5Lガラス製セパラブルフラスコに、混合脂肪酸(ミリスチン酸を2.5質量%、パルミチン酸を30.0質量%、ステアリン酸を66.4質量%、アラキン酸を0.8質量%、およびベヘン酸を0.3質量%含有)250g(0.90モル)および水2500gを仕込み、90℃まで昇温した。次いで、48%
水酸化ナトリウム水溶液77g(0.92モル)を加え、同温度(90℃)にて1時間攪拌した。その後、90℃に保持したまま、25%硫酸亜鉛水溶液355g(0.55モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに90℃
にて1時間攪拌した。得られた混合脂肪酸亜鉛スラリーを吸引ろ過器でろ過し、1000gの水で3回水洗し、送風乾燥機を用いて80℃にて30時間乾燥して金属石鹸を得た。
このジンクステアレートの特性は表1に示す。また、ジンクステアレートをイオン交換水中で超音波処理した後に得られた平均粒径は、3.7μmであり、超音波前の平均粒径の21%であった。
複分解法で製造される金属石鹸として、表1に示したアルミニウムステアレート12gを使用した以外は実施例1と同様にしてセメント組成物を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
5Lガラス製セパラブルフラスコに、実施例1で使用した混合脂肪酸250g(0.90モル)および水2500gを仕込み、90℃まで昇温した。次いで、48%水酸化ナトリウム水溶液77g(0.92モル)を加え、同温度(90℃)にて1時間攪拌した。その後、90℃に保持したまま、25%硫酸アルミニウム水溶液1260g(0.92モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに90℃にて1時間攪拌した。得られた混合脂肪酸アルミニウムスラリーを吸引ろ過器でろ過し、1000gの水で3回水洗し、送風乾燥機を用いて80℃にて30時間乾燥して金属石鹸を得た。
アルミニウムステアレートの特性は表1に示す。また、アルミニウムステアレートをイオン交換水中で超音波処理した後に得られた平均粒径は、8.1μmであり、超音波前の平均粒径の29%であった。
表1に示したジンクステアレート12gを使用した以外は実施例1と同様にしてセメント組成物を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
1Lガラス製セパラブルフラスコに、実施例1で使用した混合脂肪酸250g(0.90モル)を仕込み、90℃
まで昇温した。次いで、酸化亜鉛38g(0.47モル)を加え、反応により生成する水を除去しながら内温を160℃まで昇温し、同温度で2時間攪拌を継続した。その後、ステンレスバットで放冷、固化した後に、ホソカワミクロン(株)製バンタムミルを使用して粉砕し金属石鹸を得た。
上記ジンクステアレートのイオン交換水中で超音波処理した後に得られた平均粒径は、77.4μmであり、超音波前の平均粒径の81%であった。
表1に示したカルシウムステアレート12gを使用した以外は実施例1と同様にしてセメント組成物を調整し、評価を行った。結果を表1に示す。
1Lガラス製セパラブルフラスコに、実施例1で使用した混合脂肪酸250g(0.90モル)を仕込み、80℃まで昇温した。次いで、水酸化カルシウム35g(0.47モル)を加え、反応により生成する水を除去しながら内温を180℃
まで昇温し、同温度で1時間攪拌を継続した。その後、ステンレスバットで放冷、固化した後に、ホソカワミクロン(株)製バンタムミルを使用して粉砕し金属石鹸を得た。
なお、上記カルシウムステアレートをイオン交換水中で超音波処理した後に得られた平均粒径は、18.1μmであり、超音波前の平均粒径の81%であった。
JIS R5201(セメントの強さ試験方法)記載のモルタルミキサにセメントとして普通ポルトランドセメント(太平洋セメント(株)社製)600g、細骨材として6号ケイ砂(山形県産)1,200g、複分解法で製造された金属石鹸として、表2に示したジンクステアレート12g、およびポリエチレングリコール(Mw約3,200)12gを秤取った。ジンクステアレートは、実施例1と同じものである。以下は各比率を示す。
セメント: 水を除く固形物の33質量%
骨材: 水を除く固形物の66質量%
ジンクステアレート:セメント100質量部に対して2質量部
表2に示したカルシウムステアレート12gを使用した以外は実施例3と同様にしてセメント組成物を調整し、評価を行った。結果を表2に示す。なお、上記カルシウムステアレートは、比較例2で使用したものと同じである。
表2に示したカルシウムステアレート12gを使用し、ポリエチレングリコール(Mw約3,200)を使用しない以外は実施例3と同様にしてセメント組成物を調整し、評価を行った。結果を表2に示す。なお、上記カルシウムステアレートは、比較例2で使用したものと同じである。
Claims (4)
- セメント、水、骨材、および複分解法で製造される金属石鹸を含有し、前記金属石鹸が、亜鉛塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩およびバリウム塩から選ばれる一種または二種以上の塩とステアリン酸との反応物からなり、前記金属石鹸のかさ比重が0.10〜0.30であり、前記金属石鹸の平均粒径が2μm以上、30μm以下であり、前記金属石鹸が平均粒径の0.5〜2.0倍の範囲内の粒径の割合が50%以上である粒度分布を有しており、前記セメント100質量部に対する前記金属石鹸の比率が0.1〜5.0質量部であることを特徴とする、防水性プレミックスセメント組成物。
- 下記一般式〔1〕で示される水溶性のポリオキシアルキレン誘導体を、前記セメント100質量部に対して0.1〜10質量部含有することを特徴とする、請求項1記載の組成物。
R1O(AO)nR2
(1)
(式(1)において、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、AOを構成する前記オキシアルキレン基の80モル%以上がオキシエチレン基からなり、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、nは、20〜1000を表わす。)
- セメント、水、骨材、および複分解法で製造される金属石鹸を混合して防水性プレミックスセメント組成物を製造する方法であって、前記金属石鹸が、亜鉛塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩およびバリウム塩から選ばれる一種または二種以上の塩とステアリン酸との反応物からなり、前記金属石鹸のかさ比重が0.10〜0.30であり、前記金属石鹸の平均粒径が2μm以上、30μm以下であり、前記金属石鹸が平均粒径の0.5〜2.0倍の範囲内の粒径の割合が50%以上である粒度分布を有しており、前記セメント100質量部に対する前記金属石鹸の比率が0.1〜5.0質量部であることを特徴とする、防水性プレミックスセメント組成物の製造方法。
- 下記一般式〔1〕で示される水溶性のポリオキシアルキレン誘導体を、前記セメント100質量部に対して0.1〜10質量部添加することを特徴とする、請求項3記載の方法。
R 1 O(AO)nR 2
(1)
(式(1)において、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、AOを構成する前記オキシアルキレン基の80モル%以上がオキシエチレン基からなり、R 1 、R 2 は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、nは、20〜1000を表わす。)
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DE3938078A1 (de) * | 1989-11-16 | 1991-05-23 | Henkel Kgaa | Verwendung eines gemisches von metallseifen, quarzsand und anionischen tensiden als luftporenbildner fuer salzhaltige moertel |
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