JP5962634B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、静電スイッチを備える電子機器に関する。
近年、例えば特許文献1に開示のデジタルカメラのように、手指等の操作体による入力操作を静電容量の変化から検知する静電スイッチを備えた種々の電子機器が普及している。こうした静電スイッチは、入力操作に伴う静電容量の変化を検出する入力検出センサと、入力検出センサによって検出された静電容量に基づいて入力操作の有り判定を行う入力検出部を備えている。
しかし、上述したような静電スイッチは、一般に手袋を装着した状態の手指を検知することが困難である。そのため特許文献1に開示の構成は、手指に当たり易い位置に設けられた感度検出センサと、感度検出センサの検出結果に基づいて静電スイッチの感度を制御する制御部をさらに備えている。以上の構成により、手袋を装着した状態の手指による入力操作であっても、静電スイッチによる検知が可能にされている。
特許第4508248号公報
さて、特許文献1の感度検出センサは、電子機器を把持した手指と接触している必要があるため、把持状態にて使用されるデジタルカメラのような電子機器にしか適用できない。故に、本発明の発明者は、上述の感度検出センサのような構成を個別に設けることなく、操作体による入力操作を正しく検知可能な静電タッチスイッチの実現を試みた。
具体的には、入力操作の有り判定に用いられる閾値を、手袋を装着した状態の手指を検知できるよう低く設定することが考えられる。こうした閾値の設定によれば、静電スイッチの感度を高めることができるので、手袋を装着した手指による入力操作であっても、静電スイッチによる検知が可能になる。しかし、こうした閾値の設定では、手袋を装着していない状態の手指に対し静電スイッチが過敏に反応するため、操作者の意図に反した誤検知が頻発し得た。
こうした現象は、特に自動車の運転環境で顕著に発生する。詳記すると、操作者がコントロールパネル上にある静電スイッチを操作して手指を離そうとしたとき、車両が道路の凹凸で上下動したとする。すると手指は、操作対象としていた静電スイッチと近接する他の静電スイッチに、軽く触ることがある。こうした状況において、静電スイッチの感度が過敏だと、そのような意図しない軽い接触でも静電スイッチがオンしてしまい、誤検知となってしまう。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、操作体の状態を検出する構成を個別に設けることなく、操作体の状態に対応して、操作体による入力操作を正しく検知できる静電タッチスイッチを提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された一つの発明は、操作体(F)による入力操作に伴った静電容量(C)の変化を検出する静電スイッチ(30)と、静電スイッチによって検出された静電容量が閾値(Th)を超えたことに基づいて、操作体による入力操作の有り判定を行う判定手段(52)と、判定手段によって入力操作が有ると判定された後の所定時間(TA)において、判定手段にて用いられる閾値を、通常値としての第一閾値(Tmin)から当該第一閾値以上の値である第二閾値(Taj)に変更する閾値変更手段(53)と、を備え、静電スイッチには、接続された機器(AC)の設定値を調整する入力操作及び当該機器の動作モードを変更する入力操作が行われ、判定手段は、複数の静電スイッチのそれぞれに対し、入力操作の有り判定を行うための閾値を個別に保持し、閾値変更手段は、複数の静電スイッチの一つである特定静電スイッチに入力操作が有ると判定された場合に、所定時間において、当該特定静電スイッチに対し保持される閾値を第一閾値から第二閾値に変更し、且つ、特定静電スイッチとは異なる他の非特定静電スイッチに対し保持される閾値を第一閾値から第二閾値に変更し、設定値を調整する調整機能又は動作モードを複数のうちで順に切り替える循環切替機能が特定静電スイッチに割り当てられていた場合に、当該特定静電スイッチの第二閾値を非特定静電スイッチの第二閾値よりも低い値に設定することを特徴とする電子機器とする
また、他の一つの発明は、操作体(F)による入力操作に伴った静電容量の変化を検出する複数の並列された静電スイッチ(30)と、静電スイッチによって検出された静電容量(C)が閾値(Th)を超えたことに基づいて、操作体による入力操作の有り判定を行う判定手段(52)と、判定手段によって入力操作が有ると判定された後の所定時間(TA)において、判定手段にて用いられる閾値を、通常値としての第一閾値(Tmin)から当該第一閾値以上の値である第二閾値(Taj)に変更する閾値変更手段(53)と、を備え、判定手段は、複数の静電スイッチのそれぞれに対し、入力操作の有り判定を行うための閾値を個別に保持し、閾値変更手段は、複数の静電スイッチのうちで、機能的に関連した二つを関連静電スイッチとして関連付け、二つの関連静電スイッチの一方に入力操作があると判定された場合に、二つの関連静電スイッチの各第二閾値を、関連静電スイッチとは異なる他の非関連静電スイッチの第二閾値よりも低い値に設定することを特徴とする電子機器とする。
また、他の一つの発明は、操作体(F)による入力操作に伴った静電容量の変化を検出する複数の並列された静電スイッチ(30)と、静電スイッチによって検出された静電容量(C)が閾値(Th)を超えたことに基づいて、操作体による入力操作の有り判定を行う判定手段(52)と、判定手段によって入力操作が有ると判定された後の所定時間(TA)において、判定手段にて用いられる閾値を、通常値としての第一閾値(Tmin)から当該第一閾値以上の値である第二閾値(Taj)に変更する閾値変更手段(53)と、を備え、判定手段は、複数の静電スイッチのそれぞれに対し、入力操作の有り判定を行うための閾値を個別に保持し、閾値変更手段は、複数の静電スイッチの一つである特定静電スイッチに入力操作が有ると判定された場合に、当該特定静電スイッチに隣接する隣接静電スイッチの第二閾値を、特定静電スイッチの第二閾値よりも高い値に設定することを特徴とする電子機器とする。
れらの発明では、通常値として判定に用いられる第一閾値を低く設定することにより、入力操作の実施前における静電スイッチの感度が高くなる。故に、手袋を装着した状態の手指が操作体として入力操作を行った場合でも、この操作体による入力操作は、静電スイッチによって検知可能となる。
加えて、入力操作が有ると判定された後の所定時間では、判定手段にて用いられる閾値は、通常値である第一閾値から、第一閾値以上の第二閾値へと変更される。そのため、入力操作が実施された後の所定時間においては、静電スイッチの感度が一時的に低くされる。故に、手袋を未装着の手指等が操作体であった場合でも、操作者の意図に反した誤検知を静電スイッチが頻発させる事態は、回避され得る。
以上によれば、操作体の状態を検出する構成を個別に設けることなく、操作体の状態に対応して、操作体による入力操作を正しく検知できる電子機器が実現される。
尚、上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
本発明の一実施形態によるコントロールパネルの車両に搭載された状態を示す図である。 コントロールパネルの正面図である。 コントロールパネルの電気的な構成を示すブロック図である。 手袋の有無によって変化する静電容量のピーク値と、判定に用いられる閾値との関係を示す図である。 素手による入力操作によって生じる静電容量の変化と、それに伴う閾値の変化を時間の経過に沿って示す図である。 手袋を装着した状態での入力操作によって生じる静電容量の変化と、それに伴う閾値の変化を時間の経過に沿って示す図である。 計測時間よりも短い入力操作によって生じる静電容量の変化と、それに伴う閾値の変化を時間の経過に沿って示す図である。 制御回路において実施される初期化処理を示すフローチャートである。 制御回路において実施される判定処理を示すフローチャートである。 制御回路において実施される閾値更新処理を示すフローチャートである。 制御回路において実施される閾値設定処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2に示す本発明の一実施形態によるコントロールパネル100は、車両に搭載された空調装置ACを操作するための電子機器である。コントロールパネル100は、車室内のインスツルメントパネル90に設けられたセンタークラスタ90aに設置され、操作者の手指Fの届き易い範囲に複数の静電スイッチ30を露出させている。操作者は、静電スイッチ30への入力操作により、空調装置ACの動作モードの変更や設定値の調整等を行うことができる。空調装置ACの作動状態を示す情報は、センタークラスタ90aに設置されたディスプレイ91の表示によって操作者に通知される。
図2に示すように、複数の静電スイッチ30は、コントロールパネル100の左右方向及び上下方向に互いに間隔を開けて配列されている。コントロールパネル100の上段には、一組のファンスイッチ301a,301b、モード切替スイッチ302、及び内外気切替スイッチ303等が配置されている。コントロールパネル100の中段には、フロントデフロスタースイッチ及びリヤウインドゥデフォッガースイッチに加えて、オートエアコンスイッチ304等が配列されている。コントロールパネル100の下段には、二組の温度調節スイッチ305a,305b,306a,306b等が配列されている。
ファンスイッチ301a,301bには、空調装置ACの風量の設定値を調整する風量調整機能が割り当てられている。モード切替スイッチ302には、吹き出し口の動作モードを、例えばFACEモード→BiLevel→FOOTという順でサイクリックに切り替える切替機能が割り当てられている。内外気切替スイッチ303には、空調装置ACにおいて内気循環モードと外気導入モードとを切り替える切替機能が割り当てられている。
尚、吹き出し口のように、三つ以上の動作モードを循環させる切替機能を循環切替機能といい、内気循環モードと外気導入モードとの切り替えのように、二つの動作モードを変更させる切替機能を単純切替機能という。
オートエアコンスイッチ304には、オートエアコンのオン及びオフを切り替える単純切替機能が割り当てられている。温度調節スイッチ305a,305bには、空調装置ACにおける運転席側(図1参照)の温度設定値を調整する温度調整機能が割り当てられている。温度調節スイッチ306a,306bには、空調装置ACにおける助手席側(図1参照)の温度設定値を調整する温度調整機能が割り当てられている。
コントロールパネル100は、図2,3に示すように、スイッチパネル部材10、複数のスイッチ電極20、及び制御回路50等によって構成されている。
スイッチパネル部材10は、例えば板状に加工された透光性の樹脂材料を基材とし、この基材に遮光性塗料による塗装又は遮光性インクによる印刷を施すことにより形成されている。スイッチパネル部材10において操作者に向けて露出したおもて面には、複数の入力面11が形成されている。
入力面11は、静電スイッチ30の一部であり、静電スイッチ30のうちで手指Fと接触する部分である。各入力面11には、各静電スイッチ30に割り当てられた機能を抽象化したアイコン12が形成されている。アイコン12は、遮光性の塗装又は印刷に替えて施された透光性の塗装又は印刷によって形成されている。アイコン12は、スイッチパネル部材10の裏面13側に設けられた光源(図示しない)からの光を透過させることにより、発光表示される。
スイッチ電極20は、入力面11等と組み合わされることにより、静電スイッチ30を形成している。スイッチ電極20は、絶縁フィルムに塗布された導電性高分子塗料(例えばPEDOT)等によって膜状に形成されている。スイッチ電極20は、光源からの光をスイッチパネル部材10に向けて透過可能なよう、透光性を有している。各スイッチ電極20は、スイッチパネル部材10において入力面11の反対側に位置する裏面13に、各アイコン12と重畳するように、両面テープ又は接着剤等によって取り付けられおり、制御回路50と電気的に接続されている。スイッチ電極20は、入力面11に触れた手指Fとの間にて静電容量Cを生じさせる。手指F及びスイッチ電極20間に生じる静電容量Cは、入力面11から手指Fまでの距離に応じて変化する。尚、スイッチ電極20の形成材料としては、上述の材料に替えて、例えば酸化インジウムスズ、多数の透光孔を開口させた金属の膜材、カーボン等の導電性物質を含む印刷材料等が採用可能である。
制御回路50は、静電容量計測部51、操作判定部52、及び閾値設定部53等によって構成されている。これら要素51〜53は、専用の集積回路の組み合わせによって構成されていてもよく、又は所定のプログラムを実行するマイクロコンピュータの機能ブロックであってもよい。制御回路50は、スイッチパネル部材10の裏面13側に配置された回路基板(図示しない)に形成されている。
静電容量計測部51は、各静電スイッチ30にて検出される静電容量Cの変化を取得する。具体的に静電容量計測部51は、各スイッチ電極20から出力される信号(例えば電位)を取得し、各静電スイッチ30において生じている静電容量Cを個別に計測する。静電容量計測部51は、静電スイッチ30によって検出された静電容量Cの値を、操作判定部52及び閾値設定部53に出力する。
操作判定部52は、静電スイッチ30にて検出された静電容量Cの計測値(図4参照)を静電容量計測部51から取得し、取得した静電容量Cと予め設定された閾値Th(図4参照)とを比較する。操作判定部52は、複数の静電スイッチ30のそれぞれに対し、入力操作の有り判定を行うための閾値Thを個別に保持している。操作判定部52は、閾値設定部53からの出力に基づいて、各閾値Thを再設定することができる。操作判定部52は、静電容量Cが閾値Thを超えたことに基づいて、手指Fによる入力操作の有り判定を行う。以下の説明では、静電容量Cが閾値Thを超えた状態を静電スイッチ30のオン状態といい、静電容量Cが閾値Th以下の状態を静電スイッチ30のオフ状態という。操作判定部52は、各静電スイッチ30のオン及びオフの状態を示す判定結果を、制御回路50の外部に出力することにより、空調装置ACの制御部に取得させる。加えて操作判定部52は、上述の判定結果を閾値設定部53に出力する。
閾値設定部53は、タイマ54を有している。タイマ54は、閾値Thを一時的に変更する処理(後述する)の適用時間の計測に用いられる構成である。タイマ54によって計測された時刻は、操作判定部52にも出力される。閾値設定部53は、静電スイッチ30にて検出される静電容量Cの計測値を静電容量計測部51から取得する。閾値設定部53は、各静電スイッチ30のオン及びオフの状態を示す判定結果を、操作判定部52から取得する。
ここで、静電スイッチ30にて検出される静電容量Cは、手指F等の操作体の状態により、顕著に変動する。例えば操作者が素手によって入力操作を行った場合では、図4に示す如く、計測される静電容量のピーク値Cp(bf)は、通常の閾値Thを確実に超える値となる。一方で、手袋を装着した状態で入力操作を行った場合では、計測される静電容量のピーク値Cp(gf)は、閾値Thを大きく下回るようになる。これは、手指F及びスイッチ電極20間の距離が手袋の介在によって拡大した結果、手指F及びスイッチ電極20間の電荷が減少することに起因している。
図3に示す閾値設定部53は、上述したような操作体の状態に適宜対応し、操作判定部52に保持された閾値Thを再設定する機能を有する。加えて操作判定部52は、閾値Thの調整により、各静電スイッチ30への入力操作の操作性を向上させることがでる。こうした効果獲得のため、閾値設定部53は、入力操作のあった静電スイッチ30にて検出される静電容量Cから、現在操作中の手指Fを検知するために最適な閾値Thを求める。そして閾値設定部53は、算出した閾値Thを操作判定部52に出力し、入力操作が有ると判定された後において操作判定部52に保持された閾値Thを一時的に変更させる。こうした閾値Thを変更させる閾値設定部53の作動の詳細を、以下図5〜図7に基づいて説明する。
図5には、時刻tb〜te間にて静電スイッチ30をオン状態にする入力操作に伴った静電容量Cの変化の推移が示されている。入力操作によって静電スイッチ30がオン状態となるまでの閾値Thは、通常値としての基準閾値Tminに設定されている。基準閾値Tminは、手袋を装着した手指Fの入力操作を検知可能な低い値とされている(図6参照)。閾値設定部53は、入力操作のオン時刻tbから予め設定された計測時間TP(例えば、200ミリ秒)が経過するまでの間の静電容量のピーク値Cp(bf)を取得する。
閾値設定部53は、オン時刻tbから計測時間TPが経過した時刻tcにて、閾値Thを基準閾値Tminから調整閾値Tajに変更する。調整閾値Tajは、基準閾値Tmin以上の値であり、且つ、ピーク値Cp(bf)未満の値である。閾値設定部53は、調整閾値Tajをピーク値Cp(bf)よりも低い範囲で設定するために、予め規定された1未満の正の小数を係数としてピーク値Cp(bf)に乗算することにより、調整閾値Tajを算出する。
閾値設定部53は、静電スイッチ30がオン状態からオフ状態へと切り替わるオフ時刻teから、所定時間TAの経過する時刻trまで、調整閾値Tajへの閾値Thの変更を継続する。所定時間TAは、例えば5秒程度に設定されている。閾値設定部53は、時刻trにて、閾値Thを調整閾値Tajから基準閾値Tminに戻す。
図6に示される静電容量Cの変化の推移は、手袋を装着した状態の手指Fによってなされた入力操作に伴うものである。手袋を装着した状態での入力操作を想定した基準閾値Tminの設定により、静電スイッチ30は、オン時刻tbにてオン状態となる。この入力操作では、計測時間TPにて取得されるピーク値Cp(gf)が素手による入力操作時のピーク値Cp(bf)よりも低い値となる。故に、調整閾値Tajは、基準閾値Tminよりも僅かに高い値に留まる。尚、後述の閾値設定処理(図11参照)の説明にて詳記するように、静電容量のピーク値(gf)と係数との積が基準閾値Tminよりも小さくなる場合、調整閾値Tajは、基準閾値Tminと同じ値に設定される。
図7に示される静電容量Cの変化の推移は、素手による入力操作であって、計測時間TPよりも短い時間で行われた入力操作に伴うものである。こうした短時間での入力操作でも、閾値設定部53は、オン時刻tbからオフ時刻teまでの間に計測されたピーク値Cp(bf)に係数を乗算して、調整閾値Tajを算出する。閾値設定部53は、時刻tbから計測時間TPが経過した時刻tc(図5参照)ではなく、オフ時刻teにて閾値Thを基準閾値Tminから調整閾値Tajに変更する。そして、閾値設定部53は、時刻teから所定時間TAの経過した時刻trまで、調整閾値Tajへの閾値Thの変更を継続する。
コントロールパネル100では、図2,図3に示す複数の静電スイッチ30の一つに入力操作が加えられると、この静電スイッチ(特定静電スイッチ)30の感度だけでなく、他の静電スイッチ(非特定静電スイッチ)30の感度も、連動して調整される。そのための閾値Thの調整を、閾値設定部53は実施する。閾値設定部53は、特定静電スイッチ30に対し保持される閾値Thを基準閾値Tminから調整閾値Tajに変更し、且つ、非特定静電スイッチ30に対し保持される閾値Thも基準閾値Tminから調整閾値Tajに変更する(図5等参照)。これらの調整閾値Tajの値は、特定静電スイッチ30に割り当てられた機能の違いによって異なる場合がある。その詳細を、以下説明する。
複数の静電スイッチ30のうちで、ファンスイッチ301a,301b、温度調節スイッチ305a,305b,306a,306b、及びモード切替スイッチ302には、連続した入力操作、所謂「連打」が行われ得る。そのため、上記したスイッチ301a,301b,302,305a,305b,306a,306bのいずれかが特定静電スイッチ30である場合、連打の入力を容易にするための感度調整が実施される。
具体的に閾値設定部53は、複数の静電スイッチ30のうちで、機能的に関連した二つを関連静電スイッチとして関連付けている。本実施形態では、ファンスイッチ301a,301b、運転席側の温度調節スイッチ305a,305b、並びに助手席側の温度調節スイッチ305a,305bの三組が、関連静電スイッチに該当する。
閾値設定部53は、二つの関連静電スイッチの一方が特定静電スイッチ30である場合に、二つの関連性電スイッチの各調整閾値Tajを、実質同一の値に設定する。二つの関連静電スイッチの調整閾値Tajを算出する際の係数aiは、例えば0.6程度とされる。一方で、二つの関連静電スイッチを除く他の静電スイッチ(非関連静電スイッチ)の各調整閾値Tajは、関連性電スイッチの各調整閾値Tajよりも高い値に設定される。そのため、非関連静電スイッチの調整閾値Tajを算出する際の係数ajは、例えば0.8程度とされる。以上の各係数は、0<ai<aj<1の関係を満たしていれば、上述の値に限定されず、適宜変更されてよい。
さらに閾値設定部53は、モード切替スイッチ302が特定静電スイッチ30である場合、モード切替スイッチ302の調整閾値Tajを、他の非特定静電スイッチ30の調整閾値Tajよりも低い値に設定する。モード切替スイッチ302の調整閾値Tajの算出には、0.6程度の係数aiが用いられる。一方で、非特定静電スイッチ30の調整閾値Tajの算出には、0.8程度の係数ajが用いられる。
そして閾値設定部53は、上記のスイッチ301a,301b,302,305a,305b,306a,306bを除く各静電スイッチ30が特定静電スイッチ30である場合には、全ての調整閾値Tajを実質同一の値に設定する。この場合、全ての静電スイッチ30の感度を低下させるため、各調整閾値Tajの算出には、同一の係数ai(例えば0.8程度)が用いられる。
ここまで説明したコントロールパネル100の作動を実現するために、制御回路50において実施される各処理を、図8〜図11に基づき、図3を参照しつつ説明する。以下の各処理は、車両のアクセサリ(ACC)電源がオン状態とされる、又は車両のイグニッションがオン状態とされることによって開始される。以下の説明に用いられる[i]は、静電スイッチ30の識別のために割り振られた識別番号であり、1〜N(Nは静電スイッチの個数)までの整数が代入される。
図8に示す初期化処理は、コントロールパネル100への電力供給の開始に基づいて、操作判定部52及び閾値設定部53の協働により実施される。この初期化処理のS1では、各静電スイッチ30[i]に対して保持される各閾値Th[i]を初期化する。具体的には、全ての閾値Th[i]に対して順に基準閾値Tminを代入し、S2に進む。S2では、各静電スイッチ30の状態をオフ状態に初期化する。具体的には、各静電スイッチ30[i]のオン及びオフ状態を示す状態値S[i]の全てに対して順にOFFの値を代入し、初期化処理を終了する。
図9に示す判定処理は、初期化処理後(図8参照)に操作判定部52によって繰り返し開始される。この判定処理のS11では、各静電スイッチ30[i]の各閾値Th[i]を最新の値に設定するため、後述する閾値更新処理(図10参照)を実施し、S12に進む。S12では、[i]に代入する値を決定することで、以降の処理の対象となる静電スイッチ30[i]を選択し、S13に進む。S12及びS22の処理により、S13〜S21の処理が全ての静電スイッチ30[i]に対して行われる。
S13では、S12にて選択された静電スイッチ30[i]の状態値S[i]がOFFであるか否かを判定する。S13にて、肯定判定をした場合には、S14に進む。S14では、静電容量計測部51から取得する現在の静電容量Cが、閾値Th[i]以上か否かを判定する。S14にて否定判定をした場合には、S22に進む。一方、S14にて肯定判定をした場合のS15では、静電スイッチ30[i]の状態値S[i]をOFFからONへと切り替える。加えてS15では、静電スイッチ30がオン状態となったオン時刻tb[i]として、現在の時刻tを代入し、S22に進む。
S13にて否定判定をした場合のS16では、現在の時刻tとオン時刻tb[i]との差分が計測時間TP等しいか否かにより、オン時刻tb[i]から計測時間TPがちょうど経過したか否かを判定する。S16にて、オン時刻tb[i]からの計測時間TPの経過によって肯定判定をした場合には、S20に進む。このS20では、オン時刻tb[i]から計測時間TPの経過した現在時刻tまでの間における静電容量のピーク値Cpを計算する。
一方、S16にて否定判定をした場合のS17では、現在の静電容量Cが、閾値Th[i]未満か否かを判定する。静電スイッチ30が押し続けられていることに起因して、S17にて否定判定をした場合には、S22に進む。対して、静電スイッチ30から手指Fが離れた場合には、S17にて肯定判定を行う。そして、静電スイッチ30のオフ状態を確定させるためのS18を実施する。S18では、静電スイッチ30[i]の状態値S[i]をONからOFFへと切り替える。加えてS18では、静電スイッチ30[i]がオフ状態となったオフ時刻te[i]として、現在の時刻tを代入し、S19に進む。
S19では、現在の時刻tとオン時刻tb[i]との差分、即ちオン時刻tb[i]から現在の時刻tまでの経過時間が、計測時間TP未満か否かを判定する。短時間での入力操作により静電スイッチ30を計測時間TP未満で離していた場合には、S19において肯定判定を行う。そして、S19の肯定判定後のS20では、計測時間TP未満の入力操作による静電容量のピーク値Cpが計算される。一方、計測時間TPを超えて静電スイッチ30を押し続けていた場合には、S19において否定判定を行う。この場合、前回までの判定処理によりピーク値Cpが計算済みであるため、S22に進む。
S20の後のS21では、後述する閾値設定処理(図11参照)を閾値設定部53に実施させ、S22に進む。S22では、処理をS12に戻し、[i]の値を1つ増やすことにより、処理の対象を次の静電スイッチ30[i+1]へと変更する。全ての静電スイッチ30に対しS13〜S21の処理を行うと、判定処理を終了させる。
図10に示す閾値更新処理は、操作判定部52及び閾値設定部53によって実施される。この閾値更新処理は、基準閾値Tminから調整閾値Tajへと変更された閾値Th[i]を、所定時間TAの経過後に再び基準閾値Tminに変更するための処理である。
S111では、[i]に代入する値を決定することで、以降の処理の対象となる静電スイッチ30[i]を選択し、S112に進む。S112及びS115の処理により、S112〜S114の処理が全ての静電スイッチ30[i]に対して行われる。
S112では、閾値Th[i]が基準閾値Tminよりも大きいか否かを判定する。S112にて否定判定をした場合には、S115に進む。S112にて、閾値Th[i]が基準閾値Tminを超えている旨の肯定判定をした場合には、S113に進む。
S113では、静電スイッチ30[i]の状態値S[i]がOFFであり、且つ、オフ時刻te[i]から所定時間TAが経過したか否かを判定する。S113にて、所定時間TAが経過していない旨の否定判定をした場合には、S115に進む。一方、S113にて肯定判定をした場合には、S114に進む。S114では、閾値設定部53が操作判定部52に保持される閾値Th[i]に基準閾値Tminを代入し、S115に進む。
S115では、処理をS111に戻す。S111では、[i]の値を1つ増やすことで、処理の対象が次の静電スイッチ30[i+1]へと変更する。全ての静電スイッチ30に対しS112〜S114の処理の完了により、閾値更新処理を終了する。以上により、図9に示す判定処理に戻り、S12(図9参照)を実施する。
図11に示す閾値設定処理は、操作判定部52及び閾値設定部53によって実施される。この閾値設定処理は、各閾値Th[i]の値を個別に設定する処理である。閾値判定処理にて用いられる各係数は、上述のように0<ai<aj<1の関係を満たしている。
S211では、関連静電スイッチであるファンスイッチ301a,301b(図2参照)のいずれかの状態値S[i]がONとなったか否かを判定する。S211にて、否定判定をした場合にはS213に進む。一方、S211にて肯定判定をした場合には、S212にて、ファンスイッチ301a,301bについての各閾値Th[i]を、ピーク値Cpに係数aiを乗算した値と、基準閾値Tminとのうちで大きい方に設定する。さらに、ファンスイッチ301a,301bを除く他の静電スイッチ30(非関連静電スイッチ)の各閾値Th[i]を、ピーク値Cpに係数ajを乗算した値と、基準閾値Tminとのうちで大きい方に設定する。
S213では、運転席側の温度調節スイッチ305a,305b(図2参照)のいずれかの状態値S[i]がONとなったか否かを判定する。S213にて、否定判定をした場合にはS215に進む。一方、S213にて肯定判定をした場合には、S214にて、温度調節スイッチ305a,305bについての各閾値Th[i]を、ピーク値Cpに係数aiを乗算した値と、基準閾値Tminとのうちで大きい方に設定する。さらに、温度調節スイッチ305a,305bを除く他の静電スイッチの各閾値Th[i]を、ピーク値Cpに係数ajを乗算した値と、基準閾値Tminとのうちで大きい方に設定する。尚、助手席側の温度調節スイッチ306a,306b(図2参照)がオン状態となった場合にも、S213及びS214に相当する処理が実施される。
S215では、モード切替スイッチ302の状態値S[i]がONとなったか否かを判定する。S215にて、否定判定をした場合には、S217に進む。一方、S215にて肯定判定をした場合には、S216にて、モード切替スイッチ302の閾値Th[i]を、ピーク値Cpに係数aiを乗算した値と、基準閾値Tminとのうちで大きい方に設定する。さらに、モード切替スイッチ302を除く他の静電スイッチの各閾値Th[i]を、ピーク値Cpに係数ajを乗算した値と、基準閾値Tminとのうちで大きい方に設定する。
S217では、全てのスイッチの閾値Th[i]をピーク値Cpに係数ajを乗算した値と、基準閾値Tminとのうちで大きい方に設定し、閾値設定処理を終了する。以上により、図9に示す判定処理に戻り、S22を実施する。
ここまで説明した本実施形態では、基準閾値Tminを低く設定することにより、入力操作前における静電スイッチ30の感度が高められている。故に、手袋を装着した状態の手指Fが操作体として入力操作を行った場合でも、この入力操作は、静電スイッチ30によって検知可能となる。
加えて、入力操作が有ると判定された後の所定時間TAにおいて、閾値Thは、基準閾値Tminから調整閾値Tajへと変更される。そのため、所定時間TAにおいては、各静電スイッチ30の感度が一時的に低くされる。故に、手袋を未装着の手指F等が操作体であった場合でも、操作者の意図に反した誤検知を静電スイッチ30が頻発させる事態は、回避され得る。
以上によれば、手指F等の操作体の状態を検出する構成を個別に設けることなく、操作体の状態に対応して、入力操作を正しく検知できるコントロールパネル100が実現される。
加えて本実施形態によれば、調整閾値Tajが静電容量のピーク値Cpよりも低い範囲で設定されるので、所定時間TA内に行われる再度の入力操作に基づいて、入力操作の有り判定が行われ得る。このように、静電容量のピーク値Cpよりも調整閾値Tajを低く設定する制御によれば、コントロールパネル100は、誤検知の頻発を回避したうえで、所定時間TA内における確実な入力操作を正しく検知できるようになる。
また本実施形態のように、静電容量のピーク値Cpに1未満の正の小数を係数として乗算すれば、ピーク値Cpよりも低い範囲の調整閾値Tajが得られる。こうした処理によれば、操作体の状態に対応した調整閾値Tajが設定可能となる。具体的には、手袋の厚み、静電スイッチ30を押す力の強弱、及び手指F表面の導電率等に応じて、最適な調整閾値Tajが算出される。したがって、誤検知の回避を可能にし、且つ、所定時間TA内における入力操作を正しく検知可能にする効果が、確実に発揮される。
ここで、計測されたピーク値Cpが低いと、ピーク値Cpと係数との積は、基準閾値Tminよりも小さい値となり得る。このように、調整閾値Tajが基準閾値Tminを下回ってしまうと、過度な感度上昇によって誤検知が生じ易くなる。こうした事態を回避するため、本実施形態では、ピーク値Cpと係数との積が基準閾値Tminよりも小さい場合に、調整閾値Tajは、基準閾値Tminと同じ値に設定される。以上の処理によれば、所定時間TA内での過度な感度上昇に起因した誤検知の頻発は、防がれ得る。
さらに本実施形態のように、複数の静電スイッチ30が並列されたコントロールパネル100では、特定の静電スイッチ30への入力操作を行う過程で、他の静電スイッチ30に誤って検知される虞がある。そこで、特定の静電スイッチ30に入力操作があった場合に、所定時間TA、この特定静電スイッチ30の閾値Thだけでなく、他の非特定静電スイッチ30の閾値Thも、基準閾値Tminから調整閾値Tajへと変更される。こうした制御が実施されることにより、所望の特定静電スイッチ30への入力操作を終えた後に、移動中の手等を他の静電スイッチ30が誤検知してしまう事態は、回避可能となる。
また加えて本実施形態では、連打の入力が想定される一部の静電スイッチ30が特定静電スイッチ30であった場合、この特定静電スイッチ30の調整閾値Tajは、非特定静電スイッチ30の調整閾値Tajよりも低く設定される。このように、特定静電スイッチ30の感度が他の非特定静電スイッチ30の感度よりも高められることによれば、静電スイッチ30を連打するような入力でも、コントロールパネル100は、正しく検知可能となる。加えて、連打の入力が他の静電スイッチ30によって誤検知される事態も、回避可能となる。
さらに加えて本実施形態によれば、連打される虞の低い静電スイッチ30が特定静電スイッチ30であった場合、全ての静電スイッチ30の各調整閾値Tajは、同じ値まで引き上げられる。こうして全ての静電スイッチ30の感度が一時的に下げられることにより、コントロールパネル100は、誤検知を生じさせ難い状態へと速やかに遷移し得る。
またさらに本実施形態では、機能的に関連した二つの関連静電スイッチの一方に入力があった場合に、これら二つの関連静電スイッチの各調整閾値Tajが、他の非関連静電スイッチの調整閾値Tajよりも低くされる。こうした感度設定によれば、二つの関連静電スイッチに続けて入力操作が行われても、こうした一連の入力操作は、正しく検知されるようになる。加えて、関連静電スイッチへの一連の入力操作が他の静電スイッチ30によって誤検知される事態も、防がれ得る。
尚、本実施形態では、手指Fが特許請求の範囲に記載の「操作体」に相当し、基準閾値Tminが特許請求の範囲に記載の「第一閾値」に相当し、調整閾値Tajが特許請求の範囲に記載の「第二閾値」に相当する。また、操作判定部52が特許請求の範囲に記載の「判定手段」に相当し、閾値設定部53が特許請求の範囲に記載の「閾値変更手段」に相当し、コントロールパネル100が特許請求の範囲に記載の「電子機器」に相当する。さらに、係数aiが特許請求の範囲に記載の「第一係数」に相当し、係数ajが特許請求の範囲に記載の「第二係数」に相当し、空調装置ACが特許請求の範囲に記載の「機器」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明による一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態の変形例1では、複数の静電スイッチ30の一つである特定静電スイッチ30に入力操作が加えられた場合に、当該特定静電スイッチ30に隣接する隣接静電スイッチ30の感度が下げられる。具体例としては、図2に示す内外気切替スイッチ303が特定静電スイッチである場合、オートエアコンスイッチ304及びモード切替スイッチ302が、隣接静電スイッチに該当し、感度を下げられる。こうした制御により、内外気切替スイッチ303への入力操作がオートエアコンスイッチ304及びモード切替スイッチ302によって誤検知される事態は、確実に回避可能となる。特に、オートエアコンスイッチ304は、内外気切替スイッチ303へ入力操作を行う操作者の手に近接し易い。故に、オートエアコンスイッチ304の感度を下げる制御は、誤検知防止に特に有効である。
以上の感度調整を実現するため、変形例1では、特定静電スイッチ30の調整閾値Tajよりも、隣接静電スイッチ30の調整閾値Tajが高い値とされる。具体的には、図11に示す閾値設定処理のS217が上記実施形態とは異なる。変形例1では、入力操作のあった特定静電スイッチ30の調整閾値Tajは、静電容量のピーク値Cpに予め規定された係数ai(例えば0.6程度)を乗算した値とされる。一方、隣接静電スイッチ30の調整閾値Tajは、係数ajにピーク値Cpを乗算した値とされる。これらの各係数は、上述のように0<ai<aj<1の関係を満たしている。尚、変形例1では、特定静電スイッチ30及び隣接静電スイッチ30を除く他の静電スイッチ30の閾値Thは、調整閾値Tajに変更されてなくてもよい。
上記実施形態において、S21の静電容量のピーク値Cpを算出する手法は、公知の技術を適宜適用可能である。例えば、単純に計測時間TP内での静電容量Cの最大値が、ピーク値Cpとされよい。又は、静電容量Cの最大値を含む前後の所定時間の平均値が、ピーク値Cpとされよい。さらに、静電容量Cの信号から高周波(ノイズ)成分を除去したうえで、最大値又は最大値を含む所定時間内の平均値がピーク値Cpとされてもよい。
上記実施形態にて、5秒程度とされていた所定時間TAは、適宜変更可能である。この所定時間TAは、例えば手袋を装着する等、操作体の状態に顕著な変化が生じない程度の時間よりも短くされることが望ましい。加えて所定時間TAは、操作者が所望の静電スイッチを押圧する一連の操作の継続時間よりも長くされることが望ましい。また、計測時間TPも、200ミリ秒に限定されず、入力操作を検知可能な範囲(例えば40〜200ミリ秒)内で適宜変更可能である。
上記実施形態では、オン時刻tbから計測時間TPが経過した時刻tc又はオフ時刻teにおいて、閾値Thは、基準閾値Tminから調整閾値Tajへと変更されていた。しかし、操作判定部52によって入力操作が有ると判定された後、即ちオン時刻tb以降であれば、閾値Thの変更されるタイミングは、適宜変更可能である。
上記実施形態において、調整閾値Tajは、静電容量のピーク値Cpよりも低い範囲で設定されていた。しかし、確実な誤検知防止のために、調整閾値Tajは、ピーク値Cpより高い値であってもよい。また、上記実施形態では、ピーク値Cpと係数ai,ajの積によって調整閾値Tajを設定していたが、調整閾値Tajは、計測したピーク値Cpを用いない予め設定された固定値であってもよい。また、調整閾値Tajの算出に係数を用いる形態においても、この係数の値は適宜変更可能である。
上記実施形態において、制御回路50に設けられた各要素51〜53によって提供されていた機能は、上述のものとは異なるハードウェア及びソフトウェア、或いはこれらの組み合わせによっても提供可能である。
上記実施形態では、車両に搭載された空調装置ACを操作するコントロールパネル100に、本発明を適用した例を説明した。本発明を適用したコントロールパネル100であれば、特定の静電スイッチから手指Fを離そうとしたときに、各静電スイッチの感度が一時的に引き下げられている。故に、特定の静電スイッチから離そうとした手指Fが、道路の凹凸による車両の上下動によって意図しない静電スイッチに軽く触れたとしても、こうした意図しない軽い接触での静電スイッチの誤検知は、防がれ得る。
しかし、本発明は、こうした空調装置ACのコントロールパネル100に限らず、車載された機器を操作する操作装置又は車載機器自体に適用可能である。さらに、車両用に限らず、電極と手指等との間に生じる静電容量の変化に基づいて入力操作が検知されるタッチスイッチを備えた電子機器全般に、本発明は適用可能である。
F 手指(操作体)、AC 空調装置(機器)、C 静電容量、Cp 静電容量のピーク値、TA 所定時間、Tmin 基準閾値(第一閾値)、Taj 調整閾値(第二閾値)、Th 閾値、ai 係数(第一係数)、aj 係数(第二係数)、30 静電スイッチ、301a,301b ファンスイッチ(関連静電スイッチ)、305a,305b,305a,305b 温度調節スイッチ(関連静電スイッチ)、52 操作判定部(判定手段)、53 閾値設定部(閾値変更手段)、100 コントロールパネル(電子機器)

Claims (13)

  1. 操作体(F)による入力操作に伴った静電容量の変化を検出する複数の並列された静電スイッチ(30)と、
    前記静電スイッチによって検出された静電容量(C)が閾値(Th)を超えたことに基づいて、前記操作体による入力操作の有り判定を行う判定手段(52)と、
    前記判定手段によって入力操作が有ると判定された後の所定時間(TA)において、前記判定手段にて用いられる前記閾値を、通常値としての第一閾値(Tmin)から当該第一閾値以上の値である第二閾値(Taj)に変更する閾値変更手段(53)と、を備え
    前記静電スイッチには、接続された機器(AC)の設定値を調整する入力操作及び当該機器の動作モードを変更する入力操作が行われ、
    前記判定手段は、複数の前記静電スイッチのそれぞれに対し、入力操作の有り判定を行うための前記閾値を個別に保持し、
    前記閾値変更手段は、
    複数の前記静電スイッチの一つである特定静電スイッチに入力操作が有ると判定された場合に、前記所定時間において、当該特定静電スイッチに対し保持される前記閾値を前記第一閾値から前記第二閾値に変更し、且つ、前記特定静電スイッチとは異なる他の非特定静電スイッチに対し保持される前記閾値を前記第一閾値から前記第二閾値に変更し、
    前記設定値を調整する調整機能又は前記動作モードを複数のうちで順に切り替える循環切替機能が前記特定静電スイッチに割り当てられていた場合に、当該特定静電スイッチの前記第二閾値を前記非特定静電スイッチの前記第二閾値よりも低い値に設定することを特徴とする電子機器。
  2. 前記閾値変更手段は
    前記静電スイッチによって検出された静電容量のピーク値(Cp)に予め規定された第一係数(ai)を乗算した値を前記特定静電スイッチの前記第二閾値として設定し、
    予め規定された第二係数(aj)を前記ピーク値に乗算した値を前記非特定静電スイッチの前記第二閾値として設定し、
    前記第一係数及び前記第二係数は共に、0よりも大きく且つ1未満の値であり、
    前記第一係数は、前記第二係数よりも小さい値であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記閾値変更手段は、前記動作モードを二つのうちで切り替える単純切替機能が前記特定静電スイッチに割り当てられている場合に、当該特定静電スイッチ及び前記非特定静電スイッチの各前記第二閾値を同じ値に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記閾値変更手段は、0よりも大きく且つ1未満である係数(aj)を前記静電スイッチによって検出された静電容量のピーク値(Cp)に乗算した値を、前記特定静電スイッチ及び前記非特定静電スイッチの各前記第二閾値として設定することを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記閾値変更手段は、
    複数の前記静電スイッチのうちで、機能的に関連した二つを関連静電スイッチとして関連付け、
    二つの前記関連静電スイッチの一方に入力操作があると判定された場合に、二つの前記関連静電スイッチの各前記第二閾値を、前記関連静電スイッチとは異なる他の非関連静電スイッチの前記第二閾値よりも低い値に設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子機器。
  6. 操作体(F)による入力操作に伴った静電容量の変化を検出する複数の並列された静電スイッチ(30)と、
    前記静電スイッチによって検出された静電容量(C)が閾値(Th)を超えたことに基づいて、前記操作体による入力操作の有り判定を行う判定手段(52)と、
    前記判定手段によって入力操作が有ると判定された後の所定時間(TA)において、前記判定手段にて用いられる前記閾値を、通常値としての第一閾値(Tmin)から当該第一閾値以上の値である第二閾値(Taj)に変更する閾値変更手段(53)と、を備え、
    前記判定手段は、複数の前記静電スイッチのそれぞれに対し、入力操作の有り判定を行うための前記閾値を個別に保持し、
    閾値変更手段は、
    複数の前記静電スイッチのうちで、機能的に関連した二つを関連静電スイッチとして関連付け、
    二つの前記関連静電スイッチの一方に入力操作があると判定された場合に、二つの前記関連静電スイッチの各前記第二閾値を、前記関連静電スイッチとは異なる他の非関連静電スイッチの前記第二閾値よりも低い値に設定することを特徴とする電子機器。
  7. 前記閾値変更手段は、
    前記静電スイッチによって検出された静電容量のピーク値(Cp)に予め規定された第一係数(ai)を乗算した値を二つの前記関連静電スイッチの前記第二閾値として設定し、
    予め規定された第二係数(aj)を前記ピーク値に乗算した値を前記非関連静電スイッチの前記第二閾値として設定し、
    前記第一係数及び前記第二係数は共に、0よりも大きく且つ1未満の値であり、
    前記第一係数は、前記第二係数よりも小さい値であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子機器。
  8. 前記閾値変更手段は、複数の前記静電スイッチの一つである特定静電スイッチに入力操作が有ると判定された場合に、当該特定静電スイッチに隣接する隣接静電スイッチの前記第二閾値を、前記特定静電スイッチの前記第二閾値よりも高い値に設定することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電子機器。
  9. 操作体(F)による入力操作に伴った静電容量の変化を検出する複数の並列された静電スイッチ(30)と、
    前記静電スイッチによって検出された静電容量(C)が閾値(Th)を超えたことに基づいて、前記操作体による入力操作の有り判定を行う判定手段(52)と、
    前記判定手段によって入力操作が有ると判定された後の所定時間(TA)において、前記判定手段にて用いられる前記閾値を、通常値としての第一閾値(Tmin)から当該第一閾値以上の値である第二閾値(Taj)に変更する閾値変更手段(53)と、を備え、
    前記判定手段は、複数の前記静電スイッチのそれぞれに対し、入力操作の有り判定を行うための前記閾値を個別に保持し、
    前記閾値変更手段は、複数の前記静電スイッチの一つである特定静電スイッチに入力操作が有ると判定された場合に、当該特定静電スイッチに隣接する隣接静電スイッチの前記第二閾値を、前記特定静電スイッチの前記第二閾値よりも高い値に設定することを特徴とする電子機器。
  10. 前記閾値変更手段は
    前記静電スイッチによって検出された静電容量のピーク値(Cp)に予め規定された第一係数(ai)を乗算した値を前記特定静電スイッチの前記第二閾値として設定し、
    予め規定された第二係数(aj)を前記ピーク値に乗算した値を前記隣接静電スイッチの前記第二閾値として設定し、
    前記第一係数及び前記第二係数は共に、0よりも大きく且つ1未満の値であり、
    前記第一係数は、前記第二係数よりも小さい値であることを特徴とする請求項8又は9に記載の電子機器。
  11. 前記閾値変更手段は、前記静電スイッチによって検出された静電容量のピーク値(Cp)よりも低い範囲で前記第二閾値を設定することを特徴とする請求項〜10のいずれか一項に記載の電子機器。
  12. 前記閾値変更手段は、予め規定された係数を前記ピーク値に乗算した値を前記第二閾値として設定することを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
  13. 前記閾値変更手段は、前記係数と前記ピーク値との積が前記第一閾値よりも小さい場合、前記第二閾値を前記第一閾値と同じ値に設定することを特徴とする請求項12に記載の電子機器
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