JP5961951B2 - 測定装置および当該測定装置を用いた検出対象物質測定方法 - Google Patents
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Description
そのため、例えば、検出結果に影響を与える雰囲気状態の変動を検知して補正用電気信号を出力する補正用電極(基質濃度検知電極、pH電極、温度センサ、電気伝導度計測用電極)を設けることにより検出結果を補正することのできる被検知物質測定装置が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
また、例えば、表面に固定化酵素膜が設けられた下地電極の活性低下を検出するため下地電極間に所定電圧波形を印加する電圧波形印加手段と、下地電極間に生ずる電気信号に基づいて所定の特徴データを生成する特徴データ生成手段と、下地電極の活性が十分に維持されている状態において前記所定電圧波形を印加したときの特徴データを保持する活性時特徴データ保持手段と、特徴データ生成手段によって生成された特徴データと活性時特徴データ保持手段に保持された活性時の特徴データとに基づいて下地電極の活性低下を判別する判別手段とを具備するバイオセンサの電極活性低下状態検出装置も提案されている(例えば、特許文献6参照)。
また、特許文献6に記載の装置では、下地電極の活性が十分に維持されている状態における特徴データを予め取得しておく必要があるため、煩わしいという問題がある。
検出対象物質に接触させた第1の酵素センサおよび前記検出対象物質に接触させていない第2の酵素センサと、
前記第1の酵素センサおよび前記第2の酵素センサの出力値に基づいて前記検出対象物質の濃度を決定する濃度決定部と、を有し、
前記第1の酵素センサと前記第2の酵素センサは、同一の酵素を備え、
前記検出対象物質は、前記酵素の活性を阻害する物質であり、
前記出力値は、前記第1の酵素センサおよび前記第2の酵素センサを前記酵素の基質に接触させた際に取得される値であることを特徴とする。
前記濃度決定部は、前記第1の酵素センサおよび前記第2の酵素センサの複数の時間の出力値に基づいて濃度を決定することを特徴とする。
前記第1の酵素センサと前記第2の酵素センサの出力値は、所定時間内に取得されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の測定装置において、
前記所定時間内は、略同時であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記濃度決定部は、前記第1の酵素センサの複数の時間の出力値の差と、前記第2の酵素センサの複数の時間の出力値の差と、の比を前記検出対象物質の濃度とすることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置において、
前記濃度決定部は、第1の時間の前記第1の酵素センサと前記第2の酵素センサの出力値が所定の範囲内である場合には、第2の時間の出力値の比を前記検出対象物質の濃度とすることを特徴とする。
前記検出対象物質に接触させた第1の酵素センサおよび前記検出対象物質に接触させていない第2の酵素センサの出力値を取得する出力値取得ステップと、
前記第1の酵素センサおよび前記第2の酵素センサの出力値に基づいて前記検出対象物質の濃度を決定する濃度決定ステップと、を有し、
前記出力値は、前記第1の酵素センサおよび前記第2の酵素センサを前記酵素の基質に接触させた際に取得される値であることを特徴とする。
また、温度やpH等の外部環境の変化の影響も吸収できるので、高価で複雑な機構やシステムを用いて外部環境を一定に保つ必要がなく、また、測定のための複雑な調整等も必要ないので、簡易な測定が可能となる。
したがって、簡易な構成で、高速かつ高感度な測定が可能となる。
まず、本実施形態の検出対象物質測定装置1の構成について説明する。
検出対象物質測定装置1は、有機リン系農薬やカーバメート系農薬等の検出対象物質を、当該検出対象物質がコリンエステラーゼ等の酵素の活性を阻害することを利用して電気化学的計測法により検出し、当該検出結果に基づいて検出対象物質の濃度を測定する装置である。
検出対象物質測定装置1は、図1に示すように、主に、複数の酵素センサ10と、複数の酵素センサ10と接続する取得手段20と、取得手段20と接続する濃度算出手段30と、を備えて構成される。
図2(a)は、酵素センサ10の構成の一例を示す模式図であり、図2(b)は、酵素センサ10の要部(具体的には、液溜形成部14および絶縁膜15を除いた部分)の構成の一例を示す模式図である。
酵素センサ10は、図2(a),(b)に示すように、主に、基板11と、基板11上に形成された電極12(作用電極121、対電極122および参照電極123)と、作用電極121上に形成された酵素含有部13と、酵素含有部13の周囲に液溜を形成するための液溜形成部14と、電極12からの配線を保護するための絶縁膜15と、を備えて構成される。
なお、電極12は、カーボン電極に限定されるものではなく、電極12の材質は、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、さらには、白金、金、銀、ニッケル、バラジウム、鉄、銅等の金属、或いは、これらをカーボンや樹脂へ混ぜ込んだもの、多孔質にしたもの等、適宜任意に変更可能である。
また、酵素センサ10の電極方式は、作用電極と対電極と参照電極との三極方式に限定されるものではなく、作用電極と対電極との二極方式であっても良い。
また、電極12は、スクリーン印刷によって作製されたものに限定されるものではなく、電極12の作製方法は適宜任意に変更可能である。具体的には、電極12は、例えば、蒸着法、スパッタリング法等によって作製することも可能である。
具体的には、例えば、これらの電極は、市販の電解セル、測定セル等で使用する大きな電極であっても良いし、ディスク電極、回転リングディスク電極、ファイバー電極等であっても良いし、例えば、フォトリソグラフィー等の公知の微細加工技術により作製した微小電極(円盤電極、円筒電極、帯状電極、配列帯状電極、配列円盤電極、リング電極、球状電極、櫛型電極、ペア電極等)であっても良い。また、作用電極121、対電極122および参照電極123はそれぞれ同じ大きさ、形状、構成であっても良いし、異なる大きさ、形状、構成であっても良い。
酵素含有部13は、例えば、ポリビニルアルコール樹脂等の所定の樹脂に酵素を添加し、それを作用電極121上に塗布することによって形成される。
なお、作用電極121上に酵素を固定する手法は、酵素が添加された所定の樹脂を作用電極121上に塗布する手法に限定されるものではなく、適宜任意に変更可能である。具体的には、例えば、作用電極121上に配設された多孔体が有する細孔の内部に酵素を固定化する手法等であっても良い。
また、酵素含有部13は、酵素に加えて、酵素と電極(作用電極121)との間の電子の受け渡しを促進するための電子伝達物質や、酵素の活性の発現を触媒するための補酵素等を含有していても良い。
酵素センサ10を所定の液体に浸漬させた状態で当該液体に基質(アセチルチオコリン(或いは、ブチリルチオコリン))を添加したり、基質(アセチルチオコリン(或いは、ブチリルチオコリン))を含む液体に酵素センサ10を浸漬させたりして、酵素センサ10を基質に接触させると、図3に示すように、酵素センサ10の酵素(コリンエステラーゼ)は、選択的触媒作用により基質を分解して、チオコリンを生成する。なお、酵素センサ10の酵素含有部13がTCNQ(テトラシアノキノジメタン)等の電子伝達物質を含有していない場合には、例えば、酵素センサ10が浸漬している液体にTCNQ等の電子伝達物質を添加しても良い(酵素センサ10が浸漬する前に添加しても良いし、浸漬した後に添加しても良い)。
そのため、検出対象物質に接触させていない酵素センサ10における酵素の活性と、検出対象物質に接触させた酵素センサ10における酵素の活性と、を比較して、検出対象物質によって酵素の活性が阻害されることに伴い生じる酵素の活性の低下度合いから、試料液中の検出対象物質の濃度を測定することができる。
なお、検出対象物質に接触させた酵素センサ10は、酵素センサ10の液溜(すなわち、電極12上に配置された液溜形成部14の開口部14a内)に検出対象物質を含む試料液を滴下したり、検出対象物質を含む試料液に酵素センサ10を浸漬させたりすることによって得ることができる。
したがって、従来は、劣化等に伴うセンサ間のばらつきの影響を抑えるために、同一の酵素センサを用いて検出対象物質との接触前後における応答電流値を測定することによって、検出対象物質に接触させていない酵素センサの応答電流値と、検出対象物質に接触させた酵素センサの応答電流値と、を測定していた。
しかしながら、センサ間のばらつきの影響を抑えるために同一の酵素センサを用いて検出対象物質との接触前後における応答電流値を測定すると、応答電流値の測定を続けて2回行う必要があるため、測定に時間がかかるという問題がある。
したがって、従来は、温度やpH等の外部環境の変化の影響を抑えるために、ペルチェ素子等を用いて周囲の温度を一定に保ったり緩衝液等でpHを一定に保ったりしながら応答電流値を測定していた。
しかしながら、ペルチェ素子等を用いて周囲の温度を一定に保ったり緩衝液等でpHを一定に保ったりしながら応答電流値を測定するには、高価で複雑な機構やシステムが必要であり、また、測定のための複雑な調整等が必要であるという問題がある。
また、温度やpH等の外部環境の変化の影響も吸収できるので、高価で複雑な機構やシステムを用いて外部環境を一定に保つ必要がなく、また、測定のための複雑な調整等も必要ないので、簡易な測定が可能となる。
取得部(第1取得部21、第2取得部22)は、酵素センサ10が有する電極12(作用電極121、対電極122、参照電極123)からの配線と接続する接続部(本実施形態の場合、接続部21aおよび接続部22a)を有しており、当該接続部を介して各酵素センサ10と接続している。
以下、基質との接触直前の応答電流値をベースライン値と称し、基質に接触してから所定時間(例えば、200秒または400秒)が経過した後の応答電流値を検出値と称する。
なお、取得手段20が備える取得部の個数は、複数であれば適宜任意に変更可能である。
濃度算出手段30は、取得手段20による取得結果に基づき検出対象物質の濃度を算出するように構成されている。
そして、濃度算出手段30は、基準センサによるベースライン値と検出センサによるベースライン値との差が所定の許容範囲内である場合には、取得手段20(具体的には、取得手段20が備える取得部)により取得された基準センサによる検出値に対する検出センサによる検出値の比を応答比として算出し、当該応答比に基づいて、濃度算出手段30に予め記憶されている検量線(具体的には、例えば、検出対象物質の濃度と応答比との関係を示す検量線)等を参照して、検出対象物質の濃度を算出する。
検出値にはベースライン値が含まれているので、検出センサによるベースライン値が基準センサによるベースライン値と大きく異なる場合、検出値をそのまま使用して応答比を算出しても、正確な応答比を算出することはできない。そこで、本実施形態では、前述したように、基準センサによるベースライン値と検出センサによるベースライン値との差が所定の許容範囲外である場合には、検出センサにおけるベースライン値からの応答電流増加分と、基準センサにおけるベースライン値からの応答電流増加分と、を算出して、これらの比を応答比として算出することで、正確な応答比の算出を可能としている。
次に、検出対象物質測定装置1を用いた、試料液中の検出対象物質の濃度を測定する測定方法の一例について説明する。
次いで、検出センサ、すなわち検出対象物質に接触させた酵素センサ10を洗浄する(洗浄ステップ)。なお、この洗浄ステップでは、基準センサ、すなわち検出対象物質に接触させていない酵素センサ10も洗浄しても良い。
次いで、基準センサと検出センサとを同一環境下に配置した状態のまま、所定のタイミング(具体的には、例えば、基準センサの応答電流値と検出センサの応答電流値とが安定したタイミング)で、当該基準センサと当該検出センサとを基質に接触させる(第2接触ステップ)。具体的には、例えば、基準センサが浸漬している液体と検出センサが浸漬している液体とに基質を添加したり、基質を含む液体に基準センサと検出センサとを浸漬させたりすることによって、基準センサと検出センサとを基質に接触させる。
なお、基質に接触させる直前における基準センサおよび検出センサの応答電流値が、それぞれ基準センサおよび検出センサによるベースライン値になるので、測定開始ステップと第2接触ステップとの間に、取得手段20によって、基準センサによるベースライン値が取得されるとともに検出センサによるベースライン値が取得される(ベースライン値取得ステップ)。
なお、基質に接触させてから所定時間(例えば、200秒または400秒)が経過した後の基準センサおよび検出センサの応答電流値が、それぞれ基準センサおよび検出センサによる検出値になるので、第2接触ステップと測定終了ステップとの間に、取得手段20によって、基準センサによる検出値が取得されるとともに検出センサによる検出値が取得される(検出値取得ステップ)。
そして、濃度算出手段30は、基準センサによるベースライン値と検出センサによるベースライン値との差が所定の許容範囲内である場合には、検出値取得ステップで取得した基準センサによる検出値に対する検出センサによる検出値の比を応答比として算出する(第1応答比算出ステップ)。
一方、濃度算出手段30は、基準センサによるベースライン値と検出センサによるベースライン値との差が所定の許容範囲外である場合には、検出値取得ステップで取得した基準センサによる検出値とベースライン値取得ステップで取得した基準センサによるベースライン値との差を算出するとともに、検出値取得ステップで取得した検出センサによる検出値とベースライン値取得ステップで取得した検出センサによるベースライン値との差を算出して、基準センサにおける差に対する検出センサにおける差の比を応答比として算出する(第2応答比算出ステップ)。
これにより、検出対象物質測定装置1を用いて、試料液中の検出対象物質の濃度を測定することができる。
ここで、検出対象物質測定装置1によるセンシング方法としては、電気化学的計測法を用いることができる。すなわち、酸化電流又は還元電流を測定するクロノアンペロメトリー法、クーロメトリー法、サイクリックボルタンメトリー法等の公知の計測法を適用することが可能である。測定方式としては、デスポーザブル方式、バッチ方式、フローインジェクション方式等、何れであっても良い。
なお、“第1接触ステップ”を“測定開始ステップ”と同時に実行してもよい。すなわち、検出対象物質を一部の酵素センサ10へ接触させると同時に測定を開始し、一定時間後に基質の滴下(第2接触ステップ)を実行してもよい。なお、この場合は“洗浄ステップ”を省略することとなる。
実施例1では、検出対象物質として、アルジカルブ(カーバメート系農薬)を用いた。
まず、複数の酵素センサ10を用意した。
酵素センサ10は、基板11上に電極12としてスクリーン印刷によりカーボン電極を作製し、その上に液溜形成部14と絶縁膜15とを配設し、液溜形成部14の開口部14aから露出している作用電極121上に酵素(コリンエステラーゼ)を含む架橋型ポリビニルアルコール樹脂を塗布することによって作製した。
次いで、この2つの酵素センサ10にそれぞれ+100mVを印加して、応答電流値の測定を開始した。
次いで、応答電流値が安定した後、この2つの酵素センサ10が浸漬している各リン酸緩衝液に濃度1mMの基質溶液を滴下した。
その結果を、図4に示す。なお、図4では、便宜上、2つの酵素センサ10を基準センサと検出センサとに分けているが、図4の場合、2つの酵素センサ10は両方とも検出対象物質を含む液体に浸漬させたものではないので、実際には2つの酵素センサ10は両方とも基準センサである。
これは、2つの酵素センサ10はロットが異なるので、センサ間のばらつき(具体的には、劣化の度合いや酵素含有部13の厚み等が異なること)が原因と考えられる。
次いで、この2つの酵素センサ10(基準センサおよび検出センサ)にそれぞれ+100mVを印加して、応答電流値の測定を開始した。
次いで、応答電流値が安定した後、この2つの酵素センサ10(基準センサおよび検出センサ)が浸漬している各リン酸緩衝液に濃度1mMの基質溶液を滴下した。その結果を、図5に示す。
次いで、この2つの酵素センサ10(基準センサおよび検出センサ)にそれぞれ+100mVを印加して、応答電流値の測定を開始した。
次いで、応答電流値が安定した後、この2つの酵素センサ10(基準センサおよび検出センサ)が浸漬している各リン酸緩衝液に濃度1mMの基質溶液を滴下した。その結果を、図6に示す。
次いで、この2つの酵素センサ10(基準センサおよび検出センサ)にそれぞれ+100mVを印加して、応答電流値の測定を開始した。
次いで、応答電流値が安定した後、この2つの酵素センサ10(基準センサおよび検出センサ)が浸漬している各リン酸緩衝液に濃度1mMの基質溶液を滴下した。その結果を、図7に示す。
これは、各測定時における外部環境の違いや、ロット間のばらつき等が原因と考えられる。
このように、基準センサの応答電流値が測定毎に異なるので、本実施例のように、センサ間にばらつきがある酵素センサ10を用いた場合や、外部環境を一定に保つことなく測定を行った場合には特に、従来のように、単に、検出対象物質によって酵素の活性が阻害されることに伴い生じる応答電流値の低下度合いを求めるだけでは、正確な濃度測定は困難であることが分かった。
なお、図4〜図7において、基準センサによるベースライン値と検出センサによるベースライン値との差は、所定の許容範囲内であるとする。
応答比は、応答比=(検出センサによる検出値)/(基準センサによる検出値)により算出できる。
また、阻害率は、阻害率(%)=100×((1−応答比)/(検出対象物質濃度0ppbにおける応答比))により算出できる。
実施例2では、検出対象物質として、ジクロルボス(有機リン系農薬)を用いた。
まず、複数の酵素センサ10を用意した。酵素センサの作製方法は、実施例1の場合と同様であるため省略する。
次いで、この2つの酵素センサ10(基準センサおよび検出センサ)にそれぞれ+100mVを印加して、応答電流値の測定を開始した。
次いで、応答電流値が安定した後、この2つの酵素センサ10(基準センサおよび検出センサ)が浸漬しているリン酸緩衝液に濃度1mMの基質溶液を添加した。その結果を、図9(a)に示す。
次いで、この2つの酵素センサ10(基準センサおよび検出センサ)にそれぞれ+100mVを印加して、応答電流値の測定を開始した。
次いで、応答電流値が安定した後、この2つの酵素センサ10(基準センサおよび検出センサ)が浸漬しているリン酸緩衝液に濃度1mMの基質溶液を添加した。その結果を、図9(b)に示す。
これにより、基準センサと検出センサとを同一環境下に配置した状態で当該基準センサの応答電流値と当該検出センサの応答電流値とを測定し、それに基づく応答比を求めるだけで、温度等の外部環境の影響や、センサ間のばらつきの影響等を吸収でき、信頼性のある再現性の良い測定が可能であることが分かった。
また、温度やpH等の外部環境の変化の影響も吸収できるので、高価で複雑な機構やシステムを用いて外部環境を一定に保つ必要がなく、また、測定のための複雑な調整等も必要ないので、簡易な測定が可能となる。
したがって、簡易な構成で、高速かつ高感度な測定が可能となる。
また、取得手段20により取得された基準センサによるベースライン値と検出センサによるベースライン値との差が所定の許容範囲内であるか否かにかかわらず、取得手段20により取得された基準センサによる検出値とベースライン値との差に対する、取得手段20により取得された検出センサによる検出値とベースライン値との差の比に基づいて、検出対象物質の濃度を算出するように構成することも可能である。
したがって、酵素センサ10が備える酵素の活性を阻害する物質の濃度を、簡易な構成で、高速かつ高精度に測定することが可能である。
また、温度やpH等の外部環境の変化の影響も吸収できるので、高価で複雑な機構やシステムを用いて外部環境を一定に保つ必要がなく、また、測定のための複雑な調整等も必要ないので、簡易な測定が可能となる。
したがって、簡易な構成で、高速かつ高感度な測定が可能となる。
10 酵素センサ
20 取得手段
30 濃度算出手段
Claims (7)
- 検出対象物質に接触させた第1の酵素センサおよび前記検出対象物質に接触させていない第2の酵素センサと、
前記第1の酵素センサおよび前記第2の酵素センサの出力値に基づいて前記検出対象物質の濃度を決定する濃度決定部と、を有し、
前記第1の酵素センサと前記第2の酵素センサは、同一の酵素を備え、
前記検出対象物質は、前記酵素の活性を阻害する物質であり、
前記出力値は、前記第1の酵素センサおよび前記第2の酵素センサを前記酵素の基質に接触させた際に取得される値であることを特徴とする測定装置。 - 前記濃度決定部は、前記第1の酵素センサおよび前記第2の酵素センサの複数の時間の出力値に基づいて濃度を決定することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
- 前記第1の酵素センサと前記第2の酵素センサの出力値は、所定時間内に取得されることを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
- 前記所定時間内は、略同時であることを特徴とする請求項3に記載の測定装置。
- 前記濃度決定部は、前記第1の酵素センサの複数の時間の出力値の差と、前記第2の酵素センサの複数の時間の出力値の差と、の比を前記検出対象物質の濃度とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置。
- 前記濃度決定部は、第1の時間の前記第1の酵素センサと前記第2の酵素センサの出力値が所定の範囲内である場合には、第2の時間の出力値の比を前記検出対象物質の濃度とすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の測定装置。
- 酵素の活性を阻害する物質を検出対象物質として、当該検出対象物質の濃度を測定する検出対象物質測定方法において、
前記検出対象物質に接触させた第1の酵素センサおよび前記検出対象物質に接触させていない第2の酵素センサの出力値を取得する出力値取得ステップと、
前記第1の酵素センサおよび前記第2の酵素センサの出力値に基づいて前記検出対象物質の濃度を決定する濃度決定ステップと、を有し、
前記出力値は、前記第1の酵素センサおよび前記第2の酵素センサを前記酵素の基質に接触させた際に取得される値であることを特徴とする検出対象物質測定方法。
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