JP5959861B2 - ガスタービン発電設備 - Google Patents

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Description

本発明は、大気から導入した空気(以下、「吸気」という。)を予め冷却あるいは加熱し、冷却あるいは加熱された吸気を圧縮して圧縮空気を生成し、その圧縮空気と別系統から導入した燃料とを燃焼させて生成した高温燃焼ガスの作用によりガスタービンを駆動し、ガスタービンのロータ軸に連結した発電機を同軸の回転により駆動することで発電を行うガスタービン発電設備に関するものである。
吸気を予め冷却し、冷却された空気を圧縮して圧縮空気を生成し、その圧縮空気と別系統から導入した燃料とを燃焼させて生成した高温燃焼ガスの作用によりガスタービンを駆動し、ガスタービンのロータ軸に連結した発電機を同軸の回転により駆動することで発電を行うガスタービン発電設備としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
特開平4−69649号公報
また、近年では、図6および図7に示すようなガスタービン発電設備51が提案されている。
ガスタービン発電設備51は、発電機2を駆動するガスタービン3と、発電機冷却装置4と、吸気冷却装置5と、吸気加熱装置6(図7参照)と、を備えている。
ガスタービン3は、圧縮機11と、燃焼器12と、タービン13と、を備えており、発電機2、圧縮機11、およびタービン13は、一本のロータ軸(回転軸)14を介して連結されている。
圧縮機11の吸気入口11aには、ダクト15を介して吸気が導かれるようになっている。
発電機冷却装置4は、(第1の)熱交換器21と、(第2の)熱交換器22と、(第3の)熱交換器23と、配管24と、を備えている。
熱交換器21は、配管24内を循環する媒体(例えば、水)と、発電機2内に封入されている窒素ガスとを熱交換させて、発電機2で発生した熱を吸収して(奪い去って)、発電機2を冷却するものである。発電機2で発生した熱を吸収した(奪い去った)媒体(ここでは40℃の媒体)は、配管24を介して熱交換器22に導かれる。
熱交換器22は、配管24を介して熱交換器21から導かれた媒体と、ファン25から送出された空気とを熱交換させて、熱交換器21から導かれた媒体が持っている熱を(一次的に)吸収して、熱交換器21から導かれた媒体を(一次的に)冷却するものである。熱交換器22で(一次的に)放熱された媒体は、配管24を介して熱交換器23に導かれる。
熱交換器23は、配管24を介して熱交換器22から導かれた媒体と、後述する冷凍機31から送出されてバイパス管32を循環する媒体とを熱交換させて、熱交換器22から導かれた媒体が持っている熱を(二次的に)吸収して、熱交換器22から導かれた媒体を(二次的に)冷却するものである。熱交換器23で(二次的に)放熱された媒体(ここでは30℃の媒体)は、配管24を介して熱交換器21に導かれる。
配管24は、熱交換器21を通過した媒体を熱交換器22に導き、熱交換器22を通過した媒体を熱交換器23に導いて、熱交換器23を通過した媒体を熱交換器21に導く配管であり、その途中には、媒体を循環させる循環ポンプ(図示せず)が設けられている。
吸気冷却装置5は、冷凍機31と、バイパス管32と、(第3の)熱交換器23と、(第4の)熱交換器34と、配管35と、を備えている。
冷凍機31は、バイパス管32を介して熱交換器23から導かれた媒体(例えば、水)、および配管35を介して熱交換器34から導かれた媒体を冷却する(ここでは25℃で戻ってきた(流入してきた)媒体を5℃に冷却して送出する)装置である。
バイパス管32は、一端(上流端)が冷凍機31の出口近傍に位置する配管35に接続され、他端(下流端)が冷凍機31の入口近傍に位置する配管35に接続されており、熱交換器23よりも上流側に位置するバイパス管32の途中には、媒体を循環させる循環ポンプP1が設けられている。
熱交換器(第1の熱交換器)23は、バイパス管32を介して導かれた媒体と、配管24を介して導かれた媒体(熱交換器23を通過する媒体)とを熱交換させて、配管24を介して導かれた媒体が持つ熱を吸収して(奪い去って)、配管24を介して導かれた媒体を冷却するものである。配管24を介して導かれた媒体が持つ熱を吸収した(奪い去った)媒体は、バイパス管32および配管35を介して冷凍機31に導かれる。
熱交換器(第2の熱交換器)34は、吸気の温度が高い場合(ここでは吸気の温度が35℃のとき)に、配管35を介して冷凍機31から導かれた媒体と、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気(ここでは35℃の吸気)とを熱交換させて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気が持っている熱を吸収して、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気を(ここでは15℃まで)冷却する熱交換器である。吸気が持つ熱を吸収した(奪い去った)媒体は、配管35を介して冷凍機31に導かれる。
配管35は、冷凍機31で冷却された媒体を熱交換器34に導き、熱交換器34を通過した媒体を冷凍機31に導く配管であり、熱交換器34よりも上流側に位置し、かつ、バイパス管32の一端との接続点(分岐点)よりも下流側に位置する配管35の途中には、媒体を循環させる循環ポンプP2および(オンオフ)弁Bが設けられている。また、熱交換器34よりも下流側に位置し、かつ、バイパス管32の他端との接続点(合流点)よりも上流側に位置する配管35の途中には、(オンオフ)弁Aが設けられている。
吸気加熱装置6は、加熱器41と、配管42と、を備えている。
加熱器41は、吸気の温度が低い場合(ここでは吸気の温度が0℃のとき)に、配管42を介して熱交換器34に暖かい(熱い)媒体を供給する装置である。
配管42は、加熱器41で加熱された媒体を熱交換器34に導く配管である。
そして、吸気の温度が低い場合(ここでは吸気の温度が0℃のとき)、熱交換器34は、配管42を介して加熱器41から導かれた媒体と、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気(ここでは0℃の吸気)とを熱交換させて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気に熱を与えて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気を(ここでは10℃まで)加熱する熱交換器として機能する。
なお、図に示すように、吸気加熱装置6の代わりに抽気管45を備えているものもある。
抽気管45は、圧縮機11で圧縮された吸気の一部を熱交換器34に導く配管であり、吸気加熱装置6の代わりに抽気管45を備えているものでは、抽気管45を介して熱交換器34に暖かい(熱い)吸気が供給され、抽気管45を介して圧縮機11から導かれた吸気と、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気(ここでは0℃の吸気)とを熱交換させて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気に熱を与えて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気が(ここでは10℃まで)加熱されることになる。
ここで、図8に示すように、上記のように構成されたガスタービン発電設備51では、吸気の温度tがT1(例えば、20℃)よりも高くなった場合、閉じられていた弁Aおよび弁Bが開かれるとともに、停止されていた循環ポンプP1,P2および冷凍機31が運転され、冷凍機31で冷却された媒体(ここでは5℃の媒体)が熱交換器34に導かれて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気が(例えば、15℃まで)冷却されることになる。
なお、吸気の温度tがT1(例えば、20℃)以下になると、開かれていた弁Aおよび弁Bが閉じられるとともに、運転されていた循環ポンプP1,P2および冷凍機31が停止され、冷凍機31で冷却された媒体の熱交換器23,34への供給が停止されることになる。
一方、図9に示すように、上記のように構成されたガスタービン発電設備51では、吸気の温度tがT2(例えば、10℃)よりも低い場合、弁Aおよび弁Bは閉じられたまま、循環ポンプP1,P2および冷凍機31は停止されたままで、配管42または抽気管45を介して熱交換器34に暖かい(熱い)媒体が導かれて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気が(例えば、15℃まで)加熱されることになる。
なお、吸気の温度tがT2(例えば、10℃)以上になると、弁Aおよび弁Bは閉じられたまま、循環ポンプP1,P2および冷凍機31は停止されたままで、暖かい(熱い)媒体の熱交換器34への供給が停止されることになる。
しかしながら、上記のように構成されたガスタービン発電設備51では、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気を加熱するのに、吸気加熱装置6や抽気管45が必要となる。そして、吸気加熱装置6を設置する場合には、ガスタービン発電設備51全体の設備費が高騰するといった問題が発生し、抽気管45を設置する場合には、ガスタービン発電設備51全体のプラント効率が低下するといった問題が発生するため、何らかの改善を図る必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、従来必要とされた吸気加熱装置や抽気管を不要とすることができるガスタービン発電設備を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係るガスタービン発電設備は、吸気ダクトの入口から取り込まれ、前記吸気ダクトを介して導かれた空気を圧縮する圧縮機、前記圧縮機で圧縮された空気に燃料を混合して燃焼させる燃焼器、および前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンを有するガスタービンと、前記ガスタービンにより駆動される発電機と、吸気冷却兼加熱装置と、を備え、前記吸気冷却兼加熱装置は、前記発電機を冷却する媒体と熱交換する第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器により昇温した媒体を降温する冷凍機と、前記冷凍機により降温した媒体と前記吸気ダクトの入口から取り込まれ前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気とを熱交換する前記吸気ダクト内に設けられた第2の熱交換器と、前記第1の熱交換器により昇温された媒体を前記冷凍機に導き、前記冷凍機により降温された媒体を前記第2の熱交換器に導くとともに前記第2の熱交換器により昇温された媒体を前記第1の熱交換器に導く第1の流路と、前記第1の熱交換器において昇温した媒体を前記第2の熱交換器に導き、前記吸気ダクトの入口から取り込まれ前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気を加熱し前記第2の熱交換器において降温した媒体を前記第1の熱交換器に導く第2の流路と、を備えている。
本発明に係るガスタービン発電設備によれば、例えば、吸気の温度が高いときや、ベース負荷付近で運転するときには、第1の流路を介して、冷凍機において降温した媒体が吸気ダクト内に設けられた第2の熱交換器に導かれ、吸気ダクトの入口から取り込まれ、吸気ダクトを介して圧縮機の吸気入口に導かれる空気が冷却されることにより、プラントの効率が向上することになる。
また、例えば、吸気の温度が低いときや、部分負荷で運転するときには、第2の流路を介して、第1の熱交換器において発電機を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体を第2の熱交換器に導き、吸気ダクトの入口から取り込まれ、吸気ダクトを介して圧縮機の吸気入口に導かれる空気が加熱されることにより、アイシングが防止されることになる。
これにより、従来必要とされた吸気加熱装置や抽気管を不要とすることができ、設備費の高騰やプラント効率の低下を回避することができる。
また、本発明に係るガスタービン発電設備によれば、部分負荷(ベース負荷の30%〜70%の負荷)で運転するときにも、第2の流路を介して、第1の熱交換器において発電機を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体が第2の熱交換器に導かれ、吸気ダクトの入口から取り込まれ、吸気ダクトを介して圧縮機の吸気入口に導かれる空気が加熱されることになる。
これにより、部分負荷運転における(プラント)効率を向上させることができる。
本発明に係るガスタービン発電設備の運転方法は、吸気ダクトの入口から取り込まれ、前記吸気ダクトを介して導かれた空気を圧縮する圧縮機、前記圧縮機で圧縮された空気に燃料を混合して燃焼させる燃焼器、および前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンを有するガスタービンと、前記ガスタービンにより駆動される発電機と、吸気冷却兼加熱装置と、を備え、前記吸気冷却兼加熱装置は、前記発電機を冷却する媒体と熱交換する第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器により昇温した媒体を降温する冷凍機と、前記冷凍機により降温した媒体と前記吸気ダクトの入口から取り込まれ前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気とを熱交換する前記吸気ダクト内に設けられた第2の熱交換器と、前記第1の熱交換器により昇温された媒体を前記冷凍機に導き、前記冷凍機により降温された媒体を前記第2の熱交換器に導くとともに前記第2の熱交換器により昇温された媒体を前記第1の熱交換器に導く第1の流路と、前記第1の熱交換器において昇温した媒体を前記第2の熱交換器に導き、前記吸気ダクトの入口から取り込まれ前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気を加熱し前記第2の熱交換器において降温した媒体を前記第1の熱交換器に導く第2の流路と、を備えたガスタービン発電設備の運転方法であって、前記吸気ダクトの入口から取り込まれた空気の温度が第1の温度よりも高い場合、前記第1の流路を介して、前記冷凍機において降温した媒体を前記吸気ダクト内に設けられた第2の熱交換器に導き、前記吸気ダクトの入口から取り込まれ、前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気を冷却し、前記吸気ダクトの入口から取り込まれた空気の温度が前記第1の温度よりも低い第2の温度よりも低い場合、前記第2の流路を介して、前記第1の熱交換器において前記発電機を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体を前記第2の熱交換器に導き、前記吸気ダクトの入口から取り込まれ、前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気を加熱するようにした。
本発明に係るガスタービン発電設備の運転方法によれば、例えば、吸気の温度が高いときや、ベース負荷付近で運転するときには、第1の流路を介して、冷凍機において降温した媒体が吸気ダクト内に設けられた第2の熱交換器に導かれ、吸気ダクトの入口から取り込まれ、吸気ダクトを介して圧縮機の吸気入口に導かれる空気が冷却されることにより、プラントの効率が向上することになる。
また、例えば、吸気の温度が低いときや、部分負荷で運転するときには、第2の流路を介して、第1の熱交換器において発電機を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体を第2の熱交換器に導き、吸気ダクトの入口から取り込まれ、吸気ダクトを介して圧縮機の吸気入口に導かれる空気が加熱されることにより、アイシングが防止されることになる。
これにより、従来必要とされた吸気加熱装置や抽気管を不要とすることができ、設備費の高騰やプラント効率の低下を回避することができる。
上記ガスタービン発電設備の運転方法において、部分負荷で運転される場合、前記第2の流路を介して、前記第1の熱交換器において前記発電機を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体を前記第2の熱交換器に導き、前記吸気ダクトの入口から取り込まれ、前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気を加熱するとさらに好適である。
このようなガスタービン発電設備の運転方法によれば、部分負荷(ベース負荷の30%〜70%の負荷)で運転するときにも、第2の流路を介して、第1の熱交換器において発電機を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体が第2の熱交換器に導かれ、吸気ダクトの入口から取り込まれ、吸気ダクトを介して圧縮機の吸気入口に導かれる空気が加熱されることになる。
これにより、部分負荷運転における(プラント)効率を向上させることができる。
本発明によれば、従来必要とされた吸気加熱装置や抽気管を不要とすることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るガスタービン発電設備の概略構成図であって、吸気の温度が高いとき、あるいはベース負荷付近で運転するときの状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るガスタービン発電設備の概略構成図であって、吸気の温度が低いとき、あるいは部分負荷で運転するときの状態を示す図である。 吸気の温度が高いとき、あるいはベース負荷付近で運転するときの各弁および各機器のON−OFF状態を示す図表である。 吸気の温度が低いとき、あるいは部分負荷で運転するときの各弁および各機器のON−OFF状態を示す図表である。 本発明の一実施形態に係るガスタービン発電設備(コンバインドサイクル)の(プラント)効率と、(プラント)出力と、圧縮機の吸気入口に導かれる吸気の温度との関係を示す図表である。 近年提案されているガスタービン発電設備の概略構成図であって、吸気の温度が高いときの状態を示す図である。 近年提案されているガスタービン発電設備の概略構成図であって、吸気の温度が低いときの状態を示す図である。 吸気の温度が高いときの各弁および各機器のON−OFF状態を示す図表である。 吸気の温度が低いときの各弁および各機器のON−OFF状態を示す図表である。
以下、本発明の一実施形態に係るガスタービン発電設備について、図1から図5を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係るガスタービン発電設備の概略構成図であって、吸気の温度が高いとき、あるいはベース負荷付近で運転するときの状態を示す図、図2は本実施形態に係るガスタービン発電設備の概略構成図であって、吸気の温度が低いとき、あるいは部分負荷で運転するときの状態を示す図、図3は吸気の温度が高いとき、あるいはベース負荷付近で運転するときの各弁および各機器のON−OFF状態を示す図表、図4は吸気の温度が低いとき、あるいは部分負荷で運転するときの各弁および各機器のON−OFF状態を示す図表、図5は本実施形態に係るガスタービン発電設備(コンバインドサイクル)の(プラント)効率と、(プラント)出力と、圧縮機の吸気入口に導かれる吸気の温度との関係を示す図表である。
なお、図1および図2において開状態のスイッチ記号は、弁が閉状態(オフ)であることを示し、閉状態のスイッチ記号は、弁が開状態(オン)であることを示している。
図1および図2に示すように、本実施形態に係るガスタービン発電設備1は、吸気冷却装置5および吸気加熱装置6の代わりに、吸気冷却・加熱装置(吸気冷却兼加熱装置)7が設けられている、すなわち、発電機2を駆動するガスタービン3と、発電機冷却装置4と、吸気冷却・加熱装置7と、を備えているという点で、図6から図9を用いて説明したガスタービン発電設備51と異なる。その他の構成要素については図6から図9を用いて説明したガスタービン発電設備51のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、図6から図9を用いて説明したガスタービン発電設備51と同一の構成要素には同一の符号を付している。
吸気冷却・加熱装置7は、バイパス管61と、配管62と、を備えている。
バイパス管61は、一端(上流端)が冷凍機31の入口近傍に位置する配管62に接続され、他端(下流端)が冷凍機31の出口近傍に位置する配管62に接続されており、その途中には、(オンオフ)弁Cが設けられている。
配管62は、冷凍機31と熱交換器34とを連通(接続)し、熱交換器34と熱交換器23とを連通(接続)するとともに、熱交換器23と冷凍機31とを連通(接続)する配管であり、熱交換器23よりも下流側に位置し、かつ、バイパス管61の一端との接続点(分岐点)よりも下流側に位置する配管62の途中には、(オンオフ)弁Aが設けられている。また、冷凍機31よりも下流側に位置し、かつ、バイパス管61の他端との接続点(分岐点)よりも上流側に位置する配管62の途中には、(オンオフ)弁Bが設けられている。さらに、熱交換器34よりも上流側に位置し、かつ、バイパス管61の他端との接続点(分岐点)よりも下流側に位置する配管62の途中には、媒体を循環させる循環ポンプPが設けられている。
なお、本実施形態における熱交換器23は、配管62を介して導かれた媒体と、配管24を介して導かれた媒体(熱交換器23を通過する媒体)とを熱交換させて、配管24を介して導かれた媒体が持つ熱を吸収して(奪い去って)、配管24を介して導かれた媒体を冷却する熱交換器として機能する。配管24を介して導かれた媒体が持つ熱を吸収した(奪い去った)媒体は、配管62を介して冷凍機31に、または配管62、バイパス管61、配管62を介して熱交換器34に導かれる。
また、本実施形態における熱交換器34は、吸気の温度が高い場合(ここでは吸気の温度が35℃のとき)に、配管62を介して冷凍機31から導かれた媒体(ここでは5℃の媒体)と、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気(ここでは35℃の吸気)とを熱交換させて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気が持っている熱を吸収して、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気を(ここでは15℃まで)冷却する熱交換器として機能する。吸気が持つ熱を吸収した(奪い去った)媒体(ここでは15℃の媒体)は、配管62を介して熱交換器23に導かれる。
一方、本実施形態における熱交換器34は、吸気の温度が低い場合(ここでは吸気の温度が0℃のとき)に、配管62、バイパス管61、配管62を介して熱交換器23から導かれた媒体(ここでは20℃の媒体)と、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気(ここでは0℃の吸気)とを熱交換させて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気に熱を与えて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気を(ここでは10℃まで)加熱する熱交換器として機能する。吸気に熱を与えた媒体(ここでは15℃の媒体)は、配管62を介して熱交換器23に導かれる。
ここで、図1に示すように、本実施形態に係るガスタービン発電設備1では、吸気の温度tがT1(例えば、20℃)よりも高くなった場合、閉じられていた弁Aおよび弁Bが開かれ、開かれていた弁Cが閉じられるとともに、停止されていた循環ポンプPおよび冷凍機31が運転され、冷凍機31で冷却された媒体(ここでは5℃の媒体)が熱交換器34に導かれて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気が(例えば、15℃まで)冷却されることになる。
なお、吸気の温度tがT1(例えば、20℃)以下になると、開かれていた弁Aおよび弁Bが閉じられ、閉じられていた弁Cが開かれるとともに、運転されていた循環ポンプPおよび冷凍機31が停止され、冷凍機31で冷却された媒体の熱交換器34への供給が停止されることになる。
一方、図2に示すように、本実施形態に係るガスタービン発電設備1では、吸気の温度tがT2(例えば、10℃)よりも低い場合、弁Aおよび弁Bは閉じられたまま、弁Cは開かれたまま、冷凍機31は停止されたままで、循環ポンプPが運転され、配管62、バイパス管61、配管62を介して熱交換器34に暖かい(熱い)媒体が導かれて、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気が(例えば、10℃まで)加熱されることになる。
なお、吸気の温度tがT2(例えば、10℃)以上になると、弁Aおよび弁Bは閉じられたまま、弁Cは開かれたまま、冷凍機31は停止されたままで、循環ポンプPが停止され、暖かい(熱い)媒体の熱交換器34への供給が停止されることになる。
さて、本発明の発明者らは、本発明に至る過程で、図5に示すように、部分負荷(ベース負荷の30%〜70%の負荷)でガスタービン発電設備1が運転される場合、上限はあるものの、吸気の温度が高ければ高い程、ガスタービン発電設備(コンバインドサイクル)1の(プラント)効率がよくなるという知見を得た。
そこで、本発明では、部分負荷(ベース負荷の30%〜70%の負荷)でガスタービン発電設備1が運転される場合にも、図2に示すように、弁Aおよび弁Bは閉じたまま、弁Cは開いたまま、冷凍機31は停止したままで、循環ポンプPを運転し、配管62、バイパス管61、配管62を介して熱交換器34に暖かい(熱い)媒体が導かれるようにして、ダクト15の入口15aから取り込まれた吸気を加熱するようにした。
本実施形態に係るガスタービン発電設備1および本実施形態に係るガスタービン発電設備1の運転方法によれば、例えば、吸気の温度が高いときや、ベース負荷付近で運転するときには、第1の流路を介して、冷凍機において降温した媒体が吸気ダクト内に設けられた第2の熱交換器に導かれ、吸気ダクトの入口から取り込まれ、吸気ダクトを介して圧縮機の吸気入口に導かれる空気が冷却されることにより、プラントの効率が向上することになる。
また、例えば、吸気の温度が低いときや、部分負荷で運転するときには、第2の流路を介して、第1の熱交換器において発電機を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体を第2の熱交換器に導き、吸気ダクトの入口から取り込まれ、吸気ダクトを介して圧縮機の吸気入口に導かれる空気が加熱されることにより、アイシングが防止されることになる。
これにより、従来必要とされた吸気加熱装置6や抽気管45(図7参照)を不要とすることができ、設備費の高騰やプラント効率の低下を回避することができる。
また、本発明に係るガスタービン発電設備1および本実施形態に係るガスタービン発電設備1の運転方法によれば、部分負荷(ベース負荷の30%〜70%の負荷)で運転するときにも、第2の流路を介して、熱交換器23において発電機2を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体が熱交換器34に導かれ、吸気ダクト15の入口15aから取り込まれ、吸気ダクト15を介して圧縮機11の吸気入口11aに導かれる空気が加熱されることになる。
これにより、部分負荷運転における(プラント)効率を向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜必要に応じて変形・変更実施可能である。
1 ガスタービン発電設備
2 発電機
3 ガスタービン
7 吸気冷却兼加熱装置
11 圧縮機
11a 吸気入口
12 燃焼器
13 タービン
15 吸気ダクト
15a 入口
23 熱交換器(第1の熱交換器)
31 冷凍機
34 熱交換器(第2の熱交換器)
61 バイパス管(第2の流路)
62 配管(第1の流路:第2の流路)

Claims (5)

  1. 吸気ダクトの入口から取り込まれ、前記吸気ダクトを介して導かれた空気を圧縮する圧縮機、前記圧縮機で圧縮された空気に燃料を混合して燃焼させる燃焼器、および前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンを有するガスタービンと、
    前記ガスタービンにより駆動される発電機と、
    吸気冷却兼加熱装置と、を備え、
    前記吸気冷却兼加熱装置は、
    前記発電機を冷却する媒体と熱交換する第1の熱交換器と、
    前記第1の熱交換器により昇温した媒体を降温する冷凍機と、
    前記冷凍機により降温した媒体と前記吸気ダクトの入口から取り込まれ前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気とを熱交換する前記吸気ダクト内に設けられた第2の熱交換器と、
    前記第1の熱交換器により昇温された媒体を前記冷凍機に導き、前記冷凍機により降温された媒体を前記第2の熱交換器に導くとともに前記第2の熱交換器により昇温された媒体を前記第1の熱交換器に導く第1の流路と、
    前記第1の熱交換器において昇温した媒体を前記第2の熱交換器に導き、前記吸気ダクトの入口から取り込まれ前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気を加熱し前記第2の熱交換器において降温した媒体を前記第1の熱交換器に導く第2の流路と、を備えていることを特徴とするガスタービン発電設備。
  2. 前記第1の熱交換器により昇温された媒体を、前記冷凍機をバイパスさせて前記第2の熱交換器に導くバイパス管を有し、前記吸気ダクトの入口から取り込まれた空気の温度に応じて、前記第1の熱交換器により昇温された媒体を前記バイパス管に流す請求項1に記載のガスタービン発電設備。
  3. 吸気ダクトの入口から取り込まれ、前記吸気ダクトを介して導かれた空気を圧縮する圧縮機、前記圧縮機で圧縮された空気に燃料を混合して燃焼させる燃焼器、および前記燃焼器で発生した燃焼ガスによって駆動されるタービンを有するガスタービンと、
    前記ガスタービンにより駆動される発電機と、
    吸気冷却兼加熱装置と、を備え、
    前記吸気冷却兼加熱装置は、
    前記発電機を冷却する媒体と熱交換する第1の熱交換器と、
    前記第1の熱交換器により昇温した媒体を降温する冷凍機と、
    前記冷凍機により降温した媒体と前記吸気ダクトの入口から取り込まれ前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気とを熱交換する前記吸気ダクト内に設けられた第2の熱交換器と、
    前記第1の熱交換器により昇温された媒体を前記冷凍機に導き、前記冷凍機により降温された媒体を前記第2の熱交換器に導くとともに前記第2の熱交換器により昇温された媒体を前記第1の熱交換器に導く第1の流路と、
    前記第1の熱交換器において昇温した媒体を前記第2の熱交換器に導き、前記吸気ダクトの入口から取り込まれ前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気を加熱し前記第2の熱交換器において降温した媒体を前記第1の熱交換器に導く第2の流路と、を備えたガスタービン発電設備の運転方法であって、
    前記吸気ダクトの入口から取り込まれた空気の温度が第1の温度よりも高い場合、前記第1の流路を介して、前記冷凍機において降温した媒体を前記吸気ダクト内に設けられた前記第2の熱交換器に導き、前記吸気ダクトの入口から取り込まれ、前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気を冷却し、
    前記吸気ダクトの入口から取り込まれた空気の温度が前記第1の温度よりも低い第2の温度よりも低い場合、前記第2の流路を介して、前記第1の熱交換器において前記発電機を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体を前記第2の熱交換器に導き、前記吸気ダクトの入口から取り込まれ、前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気を加熱するようにしたことを特徴とするガスタービン発電設備の運転方法。
  4. 部分負荷で運転される場合、前記第2の流路を介して、前記第1の熱交換器において前記発電機を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体を前記第2の熱交換器に導き、前記吸気ダクトの入口から取り込まれ、前記吸気ダクトを介して前記圧縮機の吸気入口に導かれる空気を加熱するようにしたことを特徴とする請求項に記載のガスタービン発電設備の運転方法。
  5. 前記吸気ダクトの入口から取り込まれた空気の温度が前記第1の温度よりも低い第2の温度よりも低い場合、前記第1の熱交換器において前記発電機を冷却する媒体と熱交換されて昇温した媒体を、前記冷凍機をバイパスさせて前記第2の熱交換器に導く請求項3又は4に記載のガスタービン発電設備の運転方法。
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