JP5959506B2 - 妊娠合併症を治療するための体外デバイスおよび方法 - Google Patents

妊娠合併症を治療するための体外デバイスおよび方法 Download PDF

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Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、米国仮出願第61/334,824号(2010年5月14日出願)および同第61/346,216号(2010年5月19日出願)の利益を主張する(これらのそれぞれが、参照により本明細書中に組み入れられる)。
発明の分野
一般的に、本発明は、妊娠関連高血圧障害を有する被験体の体外治療、および体外治療のためのデバイスに関する。
子癇前症は、高血圧、浮腫、およびタンパク尿の症候群であり、妊婦のうち5〜10%が罹患し、無視できない母体および胎児の罹患率ならびに死亡率をもたらす。子癇前症は、全世界で年間、少なくとも200,000名の妊産婦死亡数の原因である。子癇前症の症状は、典型的には、妊娠第20週の後に現われ、通常、女性の血圧および尿の定期測定により検出される。しかしながら、これらのモニタリング法は、早期での症候群の診断に対して有効ではない。早期での症候群の診断は、有効な治療を用いることができれば、被験体または発達中の胎児のリスクを軽減することができる。
現在、子癇前症に対する公知の治療法はない。子癇前症は、軽度から生死に関わるものまで、重症度は様々であり得る。軽度の子癇前症は、床上安静および頻繁なモニタリングを用いて治療することができる。中等度〜重症の症例に対しては、入院が推奨され、発作を防ぐための血圧薬または抗けいれん薬が処方される。状態が母体または子供の生命を脅かすものになった場合、妊娠を終了させ、出産予定日よりも早く子供を出産させる。
胎児および胎盤の発達との、より具体的には子癇前症との関連を有する数種類の因子が報告されている。これには、血管内皮増殖因子(VEGF)、可溶性Flt-1受容体(sFlt-1)、胎盤増殖因子(PlGF)、および可溶性エンドグリンが含まれる。VEGFは、内皮細胞特異的マイトジェンであり、血管新生誘導因子であり、かつ血管透過性のメディエーターである。VEGFはまた、糸球体毛細管修復に対しても重要であることが示されている。VEGFは、2種類の相同な膜貫通型チロシンキナーゼ受容体であるfms様チロシンキナーゼ(fms-like tyrosine kinase)(Flt-1)およびキナーゼドメイン受容体(kinase domain receptor)(KDR)の一方にホモ二量体として結合する。これらの受容体は、多数の様々な組織から取得した内皮細胞で異なる様式で発現している。Flt-1は(KDRはそうではない)、胎盤形成に寄与する栄養膜細胞により強く発現されている。PlGFはVEGFファミリーメンバーであり、これもまた胎盤発達に関与する。PlGFは、細胞栄養芽層(cytotrophoblast)および合胞体栄養細胞層(syncytiotrophoblast)により発現され、内皮細胞の増殖、遊走、および活性化を誘導することができる。PlGFは、ホモ二量体としてFlt-1受容体に結合するが、KDR受容体には結合しない。PlGFとVEGFの両方が、発達中の胎盤にとって重要な細胞分裂促進活性および血管新生に寄与する。
可溶性Flt-1(sFlt-1)は、受容体の膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを有さず、高親和性でVEGFに結合するが、内皮細胞の細胞分裂を刺激しない。血管新生および細胞分裂促進シグナル伝達経路の注意深い調節は、発達中の胎盤での栄養膜細胞による適切な増殖、遊走、および血管新生を維持するために重要である。
望ましくは最も重い症状の発症前の、子癇前症および子癇をはじめとする妊娠関連高血圧障害に対する安全かつ有効な治療に対する必要性がある。
本発明は、子癇前症および子癇をはじめとする妊娠関連高血圧障害を治療するための体外法の発見に基づく。本発明はまた、妊娠関連高血圧障害の治療に有用な体外デバイスを特徴とする。
本発明者らは、子癇前症をはじめとする高血圧を伴う妊娠合併症に罹患した妊婦由来の胎盤組織サンプルで、sFlt-1レベルが著明に上昇していることを過去に見出した(例えば、米国特許第7,335,362号;同第7,407,659号;および同第7,435,419号ならびにPCT公開第WO 2004/008946号および同第WO 2005/077007号を参照されたい。これらは参照により本明細書中に組み入れられる)。sFlt-1は、「生理学的シンク」として作用することによりVEGFおよびPlGFに拮抗することが知られており、子癇前症または子癇の女性では、sFlt-1が、必要な量のこれらの必須の血管新生/細胞分裂促進因子を胎盤から枯渇させている可能性がある。過剰なsFlt-1はまた、血液脳関門を維持する内皮細胞および/または脳の脈絡叢を裏打ちする内皮細胞を破壊して、それにより脳浮腫および子癇で見られる発作に導くことにより、子癇前症または子癇をもたらし得る。過剰なsFlt-1の作用に対抗し、必須の血管新生/細胞増殖促進因子の増加を可能にする方法は、妊娠関連高血圧障害の治療に有用である。
驚くべきことに、本発明者らは、以前に血液からの正に荷電したタンパク質(アポリポタンパク質など)の除去に効果的に用いられた体外アフェレーシス処置を用いて、子癇前症をはじめとする高血圧を伴う妊娠合併症に罹患した妊娠女性の血液からsFlt-1を除去することができることを見出した。
従って、一態様では、本発明は、妊娠被験体(例えば、sFlt-1の上昇を有する妊娠被験体)での妊娠関連高血圧障害の少なくとも1つの症状を治療または改善する方法を特徴とし、該方法は、アフェレーシス処置を用いて妊娠被験体からsFlt-1を体外的に除去するステップを含み、該アフェレーシス処置は、正に荷電したタンパク質(例えば、リポタンパク質、アポリポタンパク質、フィブリノーゲン、グロブリン、およびC反応性タンパク質)に結合する薬剤(例えば、負に荷電したポリマーまたは多糖)の使用を含み、該アフェレーシス処置は、妊娠関連高血圧障害の少なくとも1つの症状を治療または改善するのに十分である。
別の態様では、本発明は、被験体の体液中のsFlt-1レベルを低下させる方法を特徴とし、該方法は、アフェレーシス処置を用いて妊娠被験体からsFlt-1を体外的に除去するステップを含み、該アフェレーシス処置は、正に荷電したタンパク質(例えば、リポタンパク質、アポリポタンパク質、フィブリノーゲン、グロブリン、およびC反応性タンパク質)に結合する薬剤を含み、該アフェレーシス処置は、それを必要とする被験体でのsFlt-1レベルを低下させるのに十分である。
別の態様では、本発明は、妊娠被験体での妊娠関連高血圧障害の治療方法での使用のための、正に荷電したタンパク質に結合する薬剤を特徴とし、該薬剤は体外デバイスに結合しており、該方法は、体外デバイスを用いた体液のアフェレーシスを含むアフェレーシス処置を含み、該アフェレーシスは、体液からのsFlt-1の除去をもたらす。種々の実施形態で、薬剤としては、デキストラン硫酸またはアニオン性ポリアクリレートが挙げられる。一部の実施形態では、正に荷電したタンパク質に結合する薬剤は、ヘパリンを含まない。追加の実施形態では、妊娠被験体は、正常参照、標準、またはレベルと比較して、sFlt-1レベルの上昇を有し、薬剤はヘパリンを含む。種々の実施形態で、アフェレーシス処置は、妊娠被験体から採血するステップ、および薬剤を含む体外回路に血液を通すステップを含む。
別の態様では、本発明は、妊娠関連高血圧障害を有する妊娠被験体由来の体液からsFlt-1を除去するためのin vitro法を特徴とし、該方法は、薬剤が結合した体外デバイスを用いた体液のアフェレーシスを含み、該アフェレーシスは、体液からのsFlt-1の除去をもたらす。種々の実施形態で、薬剤としては、デキストラン硫酸またはアニオン性ポリアクリレートが挙げられる。一部の実施形態では、正に荷電したタンパク質に結合する薬剤は、ヘパリンを含まない。追加の実施形態では、妊娠被験体は、正常参照、標準、またはレベルと比較して、sFlt-1レベルの上昇を有し、薬剤はヘパリンを含む。種々の実施形態で、アフェレーシス処置は、妊娠被験体から採血するステップ、および薬剤を含む体外回路に血液を通すステップを含む。
別の態様では、本発明は、妊娠被験体での妊娠関連高血圧障害を治療するための医薬の製造での、ex vivoでsFlt-1を減少させた自家体液の使用を特徴とする。一実施形態では、sFlt-1をアフェレーシス処置により減少させてあり、該アフェレーシス処置は、正に荷電したタンパク質に結合する薬剤の使用を含む。種々の実施形態で、薬剤としては、デキストラン硫酸またはアニオン性ポリアクリレートが挙げられる。一部の実施形態では、正に荷電したタンパク質に結合する薬剤は、ヘパリンを含まない。追加の実施形態では、妊娠被験体は、正常参照、標準、またはレベルと比較して、sFlt-1レベルの上昇を有し、薬剤はヘパリンである。種々の実施形態で、アフェレーシス処置は、妊娠被験体から採血するステップ、および薬剤を含む体外回路に血液を通すステップを含む。追加の実施形態では、自家体液は妊娠被験体の血液であり、正に荷電したタンパク質に結合する薬剤を含む体外回路に血液を通すステップにより、sFlt-1を除去する。
上記の態様のそれぞれの種々の実施形態で、薬剤はデキストラン硫酸もしくはアニオン性ポリアクリレートを含むか、またはヘパリンを含まない。
上記の態様の一部の実施形態では、妊娠被験体は、正常参照、標準、またはレベルと比較して、sFlt-1レベルの上昇を有し、薬剤はヘパリンを含む。
上記の態様のそれぞれの一実施形態では、体液中のsFlt-1レベルは5ng/mL以下まで低下する。別の実施形態では、体液中のsFlt-1レベルは2ng/mL以下まで低下する。別の実施形態では、体液中のsFlt-1レベルは1ng/mL以下まで低下する。
上記の態様のそれぞれの一実施形態では、アフェレーシス処置は、妊娠被験体から採血するステップ、および正に荷電したタンパク質(例えば、リポタンパク質、アポリポタンパク質、フィブリノーゲン、グロブリン、およびC反応性タンパク質)に結合する薬剤を含む体外回路に血液を通すステップを含む。
上記の態様のそれぞれの種々の実施形態で、正に荷電したタンパク質に結合する薬剤としては、負に荷電したポリマーまたは負に荷電した多糖が挙げられる(例えば、硫酸化多糖、ポリスチレンスルホン酸、およびポリアクリル酸)。一例では、負に荷電したポリマーとしては、ポリスチレンスルホン酸またはポリアクリル酸が挙げられる。別の実施形態では、負に荷電した多糖としては、硫酸化多糖が挙げられる。特に、妊娠被験体がsFlt-1レベルの上昇を有する場合、非限定的な例としては、デキストラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、またはヘパリン硫酸をはじめとする多糖が挙げられる。
上記の態様のそれぞれの種々の実施形態で、薬剤は、親水性多孔性担体(例えば、多糖、親水性ポリマー)をはじめとする水不溶性多孔性担体に固定化される。多糖の非限定的な例としては、セルロース、ペクチン、キチン、アガロース、カラギーナン、およびデキストランが挙げられる。親水性ポリマーの非限定的な例としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、およびシリカゲルが挙げられる。一実施形態では、水不溶性多孔性担体としては、セルロースまたはポリアクリル酸が挙げられる。
上記の態様のそれぞれの種々の実施形態で、薬剤は、アフェレーシスカラムを含むカートリッジに充填されている。本発明の種々の実施形態で用いることができるアフェレーシスカラムの非限定的な例としては、リポソーバー(LIPOSORBER)カラム(デキストラン硫酸;カネカ社);リポソーバー LA-15カラム(デキストラン硫酸;カネカ社);リポソーバー Dカラム(デキストラン硫酸;カネカ社);H.E.L.Pカラム、Therasorbカラム、またはDALIカラム(アニオン性ポリアクリレート; Fresenius SE)が挙げられる。望ましくは、アフェレーシスカラムは、デキストラン硫酸またはアニオン性ポリアクリレートに基づくカラムである。
上記の態様のそれぞれの種々の実施形態で、アフェレーシス処置は、妊娠中に、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、または必要な回数だけ行われる。望ましくは、アフェレーシス処置は、被験体のsFlt-1レベルを、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上低下させる。追加の望ましい実施形態では、アフェレーシス処置は、被験体のsFlt-1レベルを、61%超低下させる。低下は、アフェレーシス処置がすべて完了した後の合計の低下であるか、または1回のアフェレーシス処置の後の低下であり得る。上記の態様のいずれかの別の実施形態では、アフェレーシス処置は、被験体のsFlt-1レベルを、在胎期間について合致する正常対照または参照でのsFlt-1レベルまで低下させる。上記の態様のいずれかの別の実施形態では、アフェレーシス処置は、被験体のsFlt-1レベルを、在胎期間について合致する正常対照または参照でのsFlt-1レベルの20%、10%、5%、または2%以内まで低下させる。
上記の態様のそれぞれの追加の実施形態では、妊娠被験体は、妊娠関連高血圧障害の2つ以上の症状を有する。妊娠関連高血圧障害の症状の例は、当技術分野で公知であるか、または本明細書中に記載されている。妊娠被験体は、正常参照、標準、またはレベルと比較して、sFlt-1レベルの上昇、またはVEGFもしくはPlGFタンパク質レベルの低下を有する場合がある。一実施形態では、妊娠被験体は、正常参照、標準、またはレベルと比較して上昇したsFlt-1レベルを有する。正常参照は、該被験体由来の以前のサンプルであるか、または妊娠関連高血圧障害を有しない被験体由来のサンプルであり得る。一実施形態では、妊娠被験体は、アフェレーシス処置を行う前に、少なくとも2ng/mLまたは少なくとも5ng/mLのsFlt-1レベルを有する。
本発明の種々の実施形態で、妊娠被験体は、少なくとも妊娠第17週、第18週、第19週、第20週、第21週、第22週、第23週、第24週、第25週、第26週、第27週、第28週、第29週、第30週、第31週、第32週、第33週、第34週、第35週、第36週、第37週、第38週、第39週、もしくは第40週であるか、妊娠第2期であるか、または妊娠第3期である。被験体はまた、分娩後の被験体でもあり得る。妊娠被験体は、妊娠関連高血圧障害を有するか、またはこれを発症するリスクを有すると診断されている場合がある。妊娠関連高血圧障害の非限定的な例としては、子癇前症、子癇、妊娠性高血圧、慢性高血圧、HELLP症候群、および在胎期間に比べて小さい(small for gestational age;SGA)胎児を有する妊娠が挙げられる。一実施形態では、妊娠関連高血圧障害は、子癇前症または子癇である。
本発明の種々の実施形態では、方法は、被験体由来の体液サンプル中のsFlt-1、遊離VEGF、遊離PlGF、または可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定することにより、被験体での妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症または子癇)をモニタリングするステップをさらに含む。
上記の態様のそれぞれの別の実施形態では、sFlt-1または可溶性エンドグリンのレベルを測定し、sFlt-1または可溶性エンドグリン陽性参照、標準またはレベルと比較したアフェレーシス後のsFlt-1または可溶性エンドグリンレベルの低下が、被験体での妊娠関連高血圧障害の改善を示す。一実施形態では、陽性参照は、妊娠の早期またはアフェレーシス前の同じ被験体由来のサンプルからのものである。
上記の態様のそれぞれのまた別の実施形態では、遊離VEGFまたは遊離PlGFのレベルを測定し、陽性参照、標準、もしくはレベルと比較したアフェレーシス後の遊離VEGFまたは遊離PlGFレベルの上昇が、被験体での妊娠関連高血圧障害の改善を示す。一実施形態では、陽性参照は、妊娠の早期またはアフェレーシス前の同じ被験体由来のサンプルからのものである。
種々の実施形態で、アフェレーシス処置を繰り返すべきかどうか決定するために、モニタリングステップを用いる。一例では、アフェレーシス処置の後に、sFlt-1もしくは可溶性エンドグリンレベルの低下がないこと、または遊離VEGFもしくは遊離PlGFレベルの上昇がないことが、少なくとも1回の追加のアフェレーシス処置に対する必要性を示す。種々の実施形態で、低下または上昇がないことは、検出可能な低下もしくは上昇がないか、または治療効果をもたらすのに不十分な低下もしくは上昇を意味し得る。
上記の態様のそれぞれの別の実施形態では、5ng/mL未満、望ましくは2ng/mL未満のsFlt-1ポリペプチドのレベルが、子癇前症または子癇の改善を示す。別の実施形態では、アフェレーシス処置は、被験体でのsFlt-1レベルが2ng/mL未満になるまで行なう。別の実施形態では、療法前の値と比較した、療法の実施中もしくは実施後に測定したsFlt-1レベルの低下、またはVEGFもしくはPlGFポリペプチドもしくは核酸レベルの上昇が、子癇前症または子癇の改善を示す。
上記の態様のそれぞれの一実施形態では、方法は、アフェレーシス処置の前にsFlt-1レベルを測定するステップおよびアフェレーシス処置中または処置後にsFlt-1レベルを測定するステップを含み、アフェレーシス処置は、アフェレーシス処置前のsFlt-1レベルと比較して、アフェレーシス処置中または処置後に、sFlt-1ポリペプチドレベルが少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上低下するまで行われる。望ましくは、sFlt-1レベルは、61%超低下する。
また別の実施形態では、測定値または比率を用いて、治療前、治療中または治療後のsFlt-1、VEGF、PlGF、または可溶性エンドグリンレベルをモニタリングすることができる。例えば、子癇前症抗血管新生指数(PAAI):[sFlt-1/VEGF + PlGF]またはsFlt-1/PlGFを用いて、療法中の被験体の進行状態をモニタリングすることができる。一実施形態では、同じ被験体で測定した以前の値と比較したPAAI値またはsFlt-1/PlGF値の減少が、子癇前症または子癇の改善を示す。追加の実施形態では、20未満、より好ましくは10未満のPAAI値が、子癇前症または子癇の改善を示す。療法中もしくは療法後に測定したPAAIまたはsFlt-1/PlGFレベルの低下はまた、アフェレーシス処置の効果的な量または継続期間を示し得る。一例では、PAAIが20未満となるようにアフェレーシス処置を行なう。別の例では、PAAIが10未満となるようにアフェレーシス処置を行なう。別の実施形態では、例えば、Elecsysプラットホーム(Roche社)で測定したsFlt-1/PlGFレベルが80以下となるようにアフェレーシス処置を行なう。好ましい実施形態では、sFlt-1、PlGF、またはVEGFレベルの測定を2回以上行ない、測定間のレベルの変化を用いて、療法をモニタリングするか、またはアフェレーシス治療の適切な継続期間もしくは量を決定する。別の例では、陽性参照、標準、またはレベルと比較したアフェレーシス後のPAAIまたはsFlt-1/PlGFレベルが、被験体での妊娠関連高血圧障害の改善を示す。一実施形態では、陽性参照は、妊娠早期またはアフェレーシス前の同じ被験体由来のサンプルからのものである。
好ましい実施形態では、本明細書中に記載された診断法およびモニタリング法を用いて、療法中に被験体をモニタリングするか、または有効な治療投与量を決定するか、または必要な治療回数を決定する。一実施形態では、療法前の値と比較した、療法の実施中もしくは療法の実施後に測定したsFlt-1ポリペプチドまたは核酸レベルの低下が、子癇前症または子癇の改善を示す。そのような実施形態では、医師は、アフェレーシス治療を停止することを決める場合がある。別の実施形態では、療法前の値と比較した療法の実施中もしくは療法の実施後に測定したsFlt-1ポリペプチドもしくは核酸レベルの低下がないことまたはその上昇が、継続したアフェレーシス治療の必要性を示す場合がある。
当技術分野で公知であるかまたは本明細書中に記載された診断方法のいずれか(例えば、米国特許第7,335,362号;同第7,407,659号;および同第7,435,419号;米国特許出願公開第2006/0067937号および同第2007/0104707号;ならびにPCT公開第WO 2004/008946号;同第WO 2005/077007号;同第WO 2006/034507号;および同第WO 2008/030283号を参照されたい)を用いて、治療前、治療中、もしくは治療後の被験体での子癇前症または子癇をモニタリングすることができる。
本発明のすべての態様の種々の実施形態で、方法は、妊娠被験体に抗凝固薬物化合物または抗高血圧化合物を投与するステップをさらに含む。抗高血圧化合物の非限定的な例としては、ニコチン、テオフィリン、アデノシン、ニフェジピン、ミノキシジル、および硫酸マグネシウムが挙げられる。
本発明のすべての態様の種々の実施形態で、体液は、血液、血清、または血漿である。上記の態様の他の実施形態では、被験体は、妊娠中のヒト、分娩後のヒト、または非ヒト(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、イヌ、またはネコ)である。一実施形態では、被験体は、妊娠関連高血圧障害を有するか、またはこれを発症するリスクを有する妊娠中のヒトである。
上記の態様のそれぞれの種々の実施形態で、アフェレーシス処置はアフェレーシスカラムを再生するステップを含み、アフェレーシスカラムを再生するステップは、溶出液(例えば、無機塩溶液を含む溶出液)の使用を含む。一例では、治療中の処理能力が低下したアフェレーシスカートリッジを、溶出液を用いて再生し、該溶出液は、0.5〜25w/v%の無機塩溶液、または生理食塩溶液または3〜10w/v%生理食塩溶液を含む。望ましい実施形態では、アフェレーシスカートリッジの再生のための溶出液として、4〜6w/v%生理食塩溶液を用いる。再生は、アフェレーシス処置を用いる治療中またはその後に行なうことができる。
さらに、本発明はまた、本明細書中に記載された方法と、以下の刊行物に記載された治療法、診断法、またはモニタリング法のうちいずれかとの組み合わせも特徴とする:米国特許第7,335,362号;同第7,407,659号;および同第7,435,419号;米国特許出願公開第2006/0067937号および同第2007/0104707号;ならびにPCT公開第WO 2004/008946号;同第WO 2005/077007号;同第WO 2006/034507号;および同第WO 2008/030283号(これらのそれぞれが参照により本明細書中に組み入れられる)。
本発明の目的のために、以下の略語および用語を、下記で定義する。
「変化」(alteration)とは、変化(change)(増大または減少)を意味する。変化としては、下記に記載されたものなどの標準的な当技術分野で公知の方法により検出した場合の遺伝子またはポリペプチドの発現レベルの変化が挙げられる。本明細書中で用いる場合、変化としては、タンパク質レベルの10%の変化、好ましくは25%の変化、より好ましくは40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上の発現レベルの変化が挙げられる。
「アフェレーシス」(“apheresis”、“hemapheresis”、または“pheresis”)とは、被験体の血液、血漿、血清、またはその画分から、特定の成分を除去する工程を意味する。アフェレーシスは、血液、血漿、血清、もしくはその画分の1種以上の特定の成分を、除去、分離、または回収するために用いることができる。一般的に、アフェレーシスは、被験体の身体からの採血、血液からの1種以上の成分の除去、および残余の血液を被験体の身体に輸血することを含む。
「結合」(binding)とは、2つの分子を一緒に保つ非共有的または共有的相互作用(好ましくは非共有的相互作用)を意味する。非共有的相互作用としては、限定するものではないが、水素結合、荷電した基同士のイオン的相互作用、ファンデルワールス相互作用、および非極性基同士の疎水性相互作用が挙げられる。これらの相互作用のうち1種以上が、2つの分子が互いに結合するのを仲介することができる。結合は、特異性または選択性などの識別性を示す場合がある。
「体格指数」(body mass index)とは、身長および体重の測定値を用いることにより導かれる数字を意味し、これは、体重が健康的な範囲に入るか否かの一般的な指標を与える。体格指数を決定するために一般的に用いられる式は、ある人物の体重(kg)を身長(m)の二乗で除算する、つまり体重(kg)/(身長(m))2である。
「化合物」とは、いずれかの小分子化合物(ペプチジルまたは非ペプチジル)、抗体、核酸分子、ポリペプチド、またはその断片を意味する。
「エンドグリン」または「Eng」とは、CD105としても知られ、エンドグリン生物活性を有し(例えば、米国特許出願公開第20060067931号および同第20070104707号;WO2006034507号;WO 2008/030283号;Fonsatti et al., Oncogene 22:6557-6563, 2003;Fonsatti et al., Curr. Cancer Drug Targets 3:427-432, 2003;およびCheifetz et al., J. Biol. Chem. 267:19027-19030 (1992)を参照されたい)、以下のGenBank登録番号:AAH29080およびNP_031958(マウス);AAS67893(ラット):NP_000109、P17813、VSP_004233、CAA80673(ブタ);およびCAA50891、AAC63386、BT006872.1またはX72012.1(ヒト)のいずれかにより定義されるタンパク質に相同であるか、または米国特許第6,562,957号に記載されている哺乳動物の増殖因子を意味する。
「可溶性エンドグリンポリペプチド」または「sEng」とは、エンドグリンタンパク質の細胞外部分の少なくとも一部分を含み、エンドグリンタンパク質の細胞外部分をコードするアミノ酸配列(例えば、米国特許出願公開第2006/0067937号および同第2007/0104707号;ならびにPCT公開第WO 2006/034507号および同第WO 2008/030283号を参照されたい)に実質的に同一である(例えば、60%、70%、80%、90%、99.5%、96%、97%、98%、99%、または100%)、いずれかの循環型非膜結合型エンドグリンを意味する。
「断片」とは、ポリペプチドまたは核酸分子の一部分を意味する。この一部分は、好ましくは、参照核酸分子もしくはポリペプチドの全長の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を含む。断片は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1250、1500、1750、1800個以上のヌクレオチドまたは10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、640個以上のアミノ酸を含むことができる。
「在胎期間」とは、母体の最後の月経周期の第1日から数えた胎児の週齢に対する参照を意味し、通常は週数で表される。
「妊娠性高血圧」とは、妊娠第20週以降のタンパク尿を有しない高血圧の発症を意味する。
「子癇前症または子癇の既往歴」とは、被験体自身もしくは血縁関係にある親族メンバーでの、子癇前症または子癇または妊娠により引き起こされた高血圧の過去の診断を意味する。
「子宮内発育遅延」(intrauterine growth retardation、IUGR)とは、胎児の在胎期間に対する予想胎児体重の10パーセンタイル未満の出生体重をもたらす症候群を意味する。低出生体重についての現在の世界保健機関の基準は、2,500グラム(5 lbs. 8 oz.)未満の体重、または人種、経産回数、および子供の性別による在胎期間に対する出生体重の米国データ(Zhang and Bowes, Obstet. Gynecol. 86:200-208, 1995)に従う在胎期間に対する10パーセンタイル以下である。これらの低出生体重児はまた、「在胎期間に比べて小さい」(small for gestational age、SGA)とも称される。子癇前症は、IUGRまたはSGAと関連することが知られる状態である。
「製薬上許容される担体」とは、一緒に投与される化合物の治療特性を保持しながら、治療対象の哺乳動物に生理学的に許容される担体を意味する。1つの例示的な製薬上許容される担体物質は、生理食塩水である。他の製薬上許容される担体およびその製剤は、当業者に公知であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(第20版, A. Gennaro編, 2000, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PA)に記載されている。
「胎盤増殖因子」(PlGF)とは、GenBank登録番号P49763、AAP35846、AAH01422またはNM_002632.4により定義されるタンパク質、またはそのアイソフォームもしくは断片に相同であり、PlGF生物活性を有する哺乳動物の増殖因子を意味する。PlGFは、胎盤の細胞栄養芽層(cytotrophoblast)および合胞体栄養細胞層(syncytiotrophoblast)により発現され、PlGFの生物活性としては、内皮細胞(特に、栄養膜細胞)の増殖、遊走、および活性化の誘導が挙げられる。
「妊娠関連高血圧障害」とは、血圧の上昇に関連するかもしくはこれを特徴とするいずれかの状態または疾患または妊娠状態を意味する。これらの状態としては、子癇前症(早期子癇前症、重度子癇前症を含む)、子癇、妊娠性高血圧、HELLP症候群(溶血、肝臓酵素増加、血小板減少)、胎盤早期剥離、慢性高血圧、子宮内発育遅延を有する妊娠、および在胎期間に比べて小さい(SGA)胎児を有する妊娠が挙げられる。SGA胎児を有する妊娠は、多くの場合に高血圧と関連しないが、本定義に含められることに留意されたい。
「子癇前症」とは、妊娠または最近の妊娠の影響による、タンパク尿もしくは浮腫、またはその両方、糸球体機能不全、脳浮腫、肝臓浮腫、または凝固異常を伴う高血圧を特徴とする多臓器障害を意味する。すべての形態の子癇前症(早期子癇前症、軽度子癇前症、中等度子癇前症、および重度子癇前症など)が本定義に含められる。子癇前症は、一般的に、妊娠第20週以降に生じる。子癇前症は、一般的に、以下の症状のなんらかの組み合わせと定義される:(1)妊娠20週後の収縮期血圧(BP)140mmHg超および拡張期血圧90mmHg超(一般的には、4〜168時間離して2回測定する)、(2)タンパク尿の新たな発症(尿検査試験紙で1+、24時間蓄尿でタンパク質300mg超、または0.3超のタンパク質/クレアチニン比を有する単独の無作為尿サンプル)、ならびに(3)分娩後12週までの高血圧およびタンパク尿の解消。重度子癇前症は、一般的に、以下の症状と定義される:(1)拡張期血圧110mmHg超(一般的には、4〜168時間離して2回測定する)または(2) 24時間蓄尿で3.5グラム以上のタンパク質測定値もしくは試験紙で少なくとも3+を有する2種類の無作為尿検体を特徴とするタンパク尿。子癇前症では、一般的に、高血圧およびタンパク尿が、互いに7日間以内に生じる。重度子癇前症では、重度高血圧、重度タンパク尿およびHELLP症候群(溶血、肝臓酵素増加、血小板減少)もしくは子癇が同時に生じるか、または一時には1種類のみの症状が生じる場合がある。HELLP症侯群は、血小板減少症の兆候(100000細胞/μL未満)、LDH上昇(600IU/L超)およびAST上昇(70IU/L超)を特徴とする。時には、重度子癇前症が、発作の発症を引き起こし得る。症候群のこの重症型は、「子癇」と称される。子癇はまた、肝臓(例えば、肝細胞傷害、門脈周囲壊死)および中枢神経系(例えば、脳浮腫および脳出血)などの数種類の臓器もしくは組織に対する機能不全または傷害も含み得る。発作の病因は、脳浮腫および腎臓の微小血管の局所痙攣の発生による二次的なものであると考えられる。
「早期子癇前症」とは、妊娠第37週未満で発症した子癇前症を意味する。
「タンパク質」または「ポリペプチド」または「ポリペプチド断片」とは、翻訳後修飾(例えば、グリコシル化またはリン酸化)にかかわらず、3個以上のアミノ酸のいずれかの鎖を意味し、これは全部もしくは部分的に天然に存在するポリペプチドまたはペプチドで構成されるか、あるいは天然に存在しないポリペプチドまたはペプチドで構成される。
「対照」または「参照」とは、比較の目的で用いられるいずれかのサンプル、標準、またはレベルを意味する。診断目的または治療的モニタリング目的のためには、対照サンプルは、同じ被験体由来の以前のサンプルであり得る(例えば、過去の時点からのサンプルまたは発症前のサンプル)。対照サンプルの非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:妊娠関連高血圧障害(子癇前症または子癇など)を有しない妊娠被験体または被験体群由来のサンプル;妊娠中の被験体または被験体群由来のサンプルであるが、サンプルが妊娠早期に採取された(例えば、妊娠第1期もしくは第2期または妊娠関連高血圧障害(子癇前症または子癇など)の検出前);妊娠中であり、かつ妊娠関連高血圧障害(子癇前症または子癇など)の既往歴を有しない被験体または被験体群由来のサンプル;妊娠していない被験体または被験体群由来のサンプル;既知の正常濃度の(すなわち、妊娠関連高血圧障害(子癇前症または子癇など)を示すものでない)精製済み参照ポリペプチドのサンプル。対照サンプルの追加の例は、妊娠関連高血圧障害の発症もしくは診断前の被験体または被験体群から用意することができる。「対照標準またはレベル」または「正常参照標準またはレベル」とは、対照サンプルから導かれる値または数字を意味する。例えば、対照標準またはレベルは、例えば以下の基準のうち少なくとも1つについてサンプル被験体と一致する正常被験体もしくは被験体群から導かれる値または数字であり得る:年齢、性別、体重、胎児の在胎期間、母体年齢、妊娠前の母体血圧、妊娠中の母体血圧、母体BMI、胎児体重、子癇前症または子癇の過去の診断、および子癇前症または子癇の家族歴。「陽性対照」または「陽性参照」サンプル、標準または値は、妊娠関連高血圧障害を有することが知られている被験体もしくは被験体群から導かれるサンプルまたは値または数字である。例えば、陽性対照サンプルは、以下の基準のうち少なくとも1つについてサンプル被験体と一致する、妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症または子癇)を有する被験体または被験体群に由来するものであり得る:胎児の在胎期間、母体年齢、妊娠前の母体血圧、妊娠中の母体血圧、母体BMI、胎児体重、妊娠関連高血圧障害の過去の診断、および妊娠関連高血圧障害の家族歴。「上昇したsFlt-1レベル」は、正常参照標準またはレベルより高いsFlt-1レベルである。
「低下させるかまたは阻害する」とは、好ましくは10%以上、より好ましくは20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上の全体的減少を引き起こす能力を意味する。タンパク質または核酸のレベルの低下に関する場合、低下するとは、非治療サンプルと比較したタンパク質または核酸レベルの好ましくは10%以上、より好ましくは20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%以上の低下を意味する。一実施形態では、アフェレーシス処置は、妊娠被験体の血液中のsFlt-1レベルが少なくとも10%、20%、30%、40%、50%以上低下するように行なわれるであろう。sFlt-1レベルは、アフェレーシスを行う前および比較のためにアフェレーシス中またはアフェレーシス後に再び測定することができる。
「サンプル」とは、被験体から取得した体液(例えば、血液、血清、血漿、尿、唾液、羊水、または脳脊髄液)、組織サンプル、細胞または他の検体を意味する。一実施形態では、アフェレーシスに用いるサンプルは血液サンプルである。
「可溶性Flt-1(sFlt-1)」(sVEGF-R1としても知られる)とは、GenBank登録番号U01134、NM_001153392、NM_001159920、またはEU368830により定義されるタンパク質に相同であり、sFlt-1生物活性を有するFlt-1受容体の可溶性形態またはそのアイソフォームもしくは断片を意味する。sFlt-1ポリペプチドの生物活性は、いずれかの標準的な方法を用いて(例えば、VEGFに対するsFlt-1の結合性をアッセイすることにより)アッセイすることができる。sFlt-1は、Flt-1受容体の膜貫通ドメインおよび細胞質チロシンキナーゼドメインを欠いている。sFlt-1は、高親和性でVEGFおよびPlGFに結合することができるが、細胞分裂または血管新生を誘導することはできず、したがって、Flt-1およびKDR受容体とは機能的に異なる。sFlt-1は、当初、ヒト臍帯内皮細胞から精製されたが、後に、in vivoでは栄養膜細胞により産生されていることが示された。本明細書中で用いる場合、sFlt-1は、いずれかのsFlt-1ファミリーメンバーまたはアイソフォーム(例えば、選択的スプライシングアイソフォーム)を含み得る。sFlt-1とはまた、Flt-1受容体の酵素的切断から得られ、かつsFlt-1生物活性を維持する分解産物または断片も意味することができる。
「特異的に結合する」とは、本発明のポリペプチドを認識しこれに結合するが、本発明のポリペプチドを天然に含むサンプル(例えば、生物学的サンプル)中の他の分子を実質的に認識せずこれに結合しない化合物を意味する。
「特異的除去」または「選択的除去」とは、サンプル(例えば、血液)の別のポリペプチドまたは成分を実質的に除去せずに、1種類のポリペプチドまたは成分を(例えば、アフェレーシスを用いて)除去することを意味する。
「被験体」とは、哺乳動物を意味し、限定するものではないが、ヒトまたは非ヒト哺乳動物(ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、イヌ、またはネコなど)が挙げられる。妊娠哺乳動物、分娩後哺乳動物、および非妊娠哺乳動物がこの定義に含められる。
「子癇前症の症状」とは、以下の症状のいずれかを意味する:(1)妊娠20週後の収縮期血圧(BP)140mmHg超および拡張期血圧90mmHg超、(2)タンパク尿の新たな発症(尿検査試験紙で1+、24時間蓄尿でタンパク質300mg超、または無作為尿での0.3超のタンパク質/クレアチニン比)、ならびに(3)分娩後12週までの高血圧およびタンパク尿の解消。子癇前症の症状としてはまた、腎機能不全および糸球体内皮症または糸球体肥大も挙げられる。「子癇の症状」とは、妊娠または最近の妊娠の影響による、以下の症状のうちいずれかの発症を意味する:発作、昏睡、血小板減少症、肝臓浮腫、肺浮腫、および脳浮腫。
「治療的な量」とは、子癇前症または子癇に見舞われた患者に投与した場合に、本明細書中に記載された子癇前症もしくは子癇の症状の定性的または定量的減少をもたらすのに十分な量を意味する。「治療的な量」とはまた、子癇前症または子癇に見舞われた患者に投与した場合に、本明細書中に記載されたアッセイにより測定した可溶性エンドグリンもしくはsFlt-1の発現レベルの低下またはVEGFもしくはPlGFの発現レベルの上昇をもたらすのに十分な量を意味することもできる。
「治療すること」または「改善させること」とは、状態もしくは状態の症状(例えば、本明細書中に記載された妊娠関連高血圧障害の症状)を治療または改善するために、化合物もしくは医薬組成物を投与することまたはex vivo療法(例えば、アフェレーシス)を行うことを意味する。「疾患を治療する」ことまたは「治療的処置」のための使用とは、被験体の状態を改善するために、疾患に既に見舞われている被験体に治療を行うことを意味する。好ましくは、被験体は、妊娠関連高血圧障害と診断されるか、または妊娠関連高血圧障害を発症する素因を有すると同定されている。等価な非治療対照と比較した場合、そのような改善または治療の程度は、いずれかの標準的技術によって測定される、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%の治療対象の被験体の状態または症状の改善である。
「血管内皮増殖因子(VEGF)」とは、米国特許第5,332,671号;同第5,240,848号;同第5,194,596号;およびCharnock-Jonesらの文献(Biol. Reproduction, 48: 1120-1128, 1993)に定義された増殖因子に相同であり、かつVEGF生物活性を有する哺乳動物増殖因子を意味する。VEGFはグリコシル化ホモ二量体として存在し、少なくとも4種類の異なる選択的スプライシングアイソフォームを含む。天然のVEGFの生物活性としては、血管内皮細胞または臍帯静脈内皮細胞の選択的増殖の促進および血管新生の誘導が挙げられる。本明細書中で用いる場合、VEGFには、いずれかのVEGFファミリーメンバーもしくはアイソフォーム(例えば、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、VEGF-E、VEGF189、VEGF165、またはVEGF121)またはVEGFのいずれかの修飾型(Tischer et al., J. Biol. Chem. 266, 11947-11954, 1991;Neufed et al. Cancer Metastasis 15:153-158, 1996)(米国特許第6,447,768号;同第5,219,739号;および同第5,194,596号(参照により本明細書中に組み入れられる)に記載されている)が含まれる。ヒトVEGFが好ましいが、本発明はヒト型に限定されず、VEGFの他の動物型(例えば、マウス、ラット、イヌ、またはニワトリ)を含むことができる。
本発明の他の特徴および利点は、その好ましい実施形態の以下の説明、および特許請求の範囲から明らかであろう。
本発明者らは、驚くべきことに、以前から公知であり、血液から正に荷電したタンパク質(低密度リポタンパク質またはアポリポタンパク質など)を除去するために用いられたものをはじめとするアフェレーシス法およびデバイスを用いて、血液からsFlt-1を除去できることを見出した。そのようなアフェレーシス法およびデバイスは、妊娠関連高血圧障害の症状を治療または改善するために用いることができる。
本発明者らは、リポタンパク質を除去するために用いられたアフェレーシス法が、sFlt-1の特異的除去に有効であることを見出した。これは、大多数の血漿タンパク質が4〜6の等電点を有するが、sFlt-1は9.5超の等電点を有するためである。アフェレーシス技術は、一部のLDLおよび他の正に荷電したタンパク質(フィブリノーゲン、グロブリン、およびC反応性タンパク質など)に結合し、これを除去する場合があるが、該方法は、それでもなお、その等電点により、sFlt-1に選択的であろう。
アフェレーシス法およびデバイス
一般的に、アフェレーシスは、被験体の身体からの血液の取り出しまたは採血、血液からの1種以上の成分の除去、および残余の血液を被験体の身体に輸血することを含む。本発明では、妊娠関連高血圧障害と診断されたかまたはその症状に見舞われている妊娠女性の血液からのsFlt-1の除去(望ましくは、選択的除去)のために、アフェレーシスを用いる。
アフェレーシス処置およびデバイスは、当技術分野で公知であり、本発明に用いることができる。具体的には、本発明は、正に荷電したタンパク質(低密度リポタンパク質、フィブリノーゲン、グロブリン、およびC反応性タンパク質など)の除去のために以前に用いられたアフェレーシス法および試薬(例えば、負に荷電したポリマーまたは多糖)の使用を含む。本発明のアフェレーシス法は、一般的に、カートリッジ、カラム、またはフィルターを利用し、これらは、水不溶性多孔性担体に固定化された薬剤(例えば、硫酸化多糖、ポリスチレンスルホン酸、またはポリアクリル酸)を含み、他の血液成分はそのまま残しながら、sFlt-1に選択的に結合し、これを除去する。そのような薬剤の非限定的な例としては、硫酸化多糖(例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、ヘパリン硫酸、デキストラン硫酸)、ポリスチレンスルホン酸、およびポリアクリル酸が挙げられる。水不溶性多孔性担体としては、親水性多孔性担体が挙げられ、これは、限定するものではないが、多糖(例えば、セルロース、ペクチン、キチン、アガロース、カラギーナン、デキストラン)および親水性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、シリカゲル)等の多孔性担体を含むことができる。これらの分子のすべてが、特定の血液タンパク質(例えば、低密度リポタンパク質、リポタンパク質(a)(Lp(a))または限定するものではないがグロブリン、フィブリノーゲン、およびC反応性タンパク質(CRP)をはじめとする血漿タンパク質)の除去に関して当技術分野で公知であるアフェレーシスデバイスおよび処置で用いられてきた。sFlt-1の選択的除去のためのヘパリン媒介、アニオン性ポリアクリレート媒介、およびデキストラン硫酸媒介アフェレーシスが本発明の種々の実施形態の範囲内に包含されるが、デキストラン硫酸媒介アフェレーシスが好ましい。
上記の通り、薬剤は、水不溶性多孔性担体に固定化することができる。水不溶性多孔性担体に関して、無細胞体液として血漿を用いる場合の平均粒径は、5〜1,000μm、好ましくは25〜1,000μm、最も好ましくは50〜300μmであり得、血液とこれらの担体とが接触する場合は、平均粒径は5〜1,000μm、好ましくは250〜1,000μm、最も好ましくは250〜600μmである。抗凝固剤としてクエン酸を含有する血液を用いる場合、水不溶性多孔性担体についての平均粒径は、5〜1,000μm、好ましくは100〜600μm、最も好ましくは250〜300μmである。抗凝固剤としてヘパリンを含有する血液を用いる場合、水不溶性多孔性担体についての平均粒径は、5〜1,000μm、好ましくは250〜1,000μm、最も好ましくは350〜600μmである。
そのような水不溶性多孔性担体の非限定的な例としては、分子量排除限界(すなわち、ゲル透過クロマトグラフィーで、孔に入ることができない(排除される)分子のうち最も小さい分子量を有する分子の分子量(実験 高速液体クロマトグラフィー、波多野博行/花井俊彦編、化学同人(Experimental High Performance Liquid Chromatography, edited by Hiroyuki Hatano and Toshihiko Hanai, Kagaku Dojin))が10,000〜5,000,000、好ましくは160,000〜5,000,000、最も好ましくは200,000〜5,000,000であるものが挙げられる。分子量排除限界は、一般的に、球状タンパク質、デキストラン、ポリエチレングリコールなどについて、よく研究されている。本発明で用いられる担体は、好適には、球状タンパク質から得られた値を用いる。
正に荷電したリポタンパク質の除去に関して当技術分野で公知の市販のアフェレーシスカラムまたはデバイスの非限定的な例としては、リポソーバー(Liposorber)(登録商標)(デキストラン硫酸媒介アフェレーシス;カネカファーマ社);DL75(Octanova、カネカファーマ社);H.E.L.P.(商標)(ヘパリン媒介アフェレーシス;Braun社)、TheraSorb(商標)(Miltenyi社);およびDALI(アニオン性ポリアクリレート;Fresenius SE)が挙げられる。アフェレーシスの手順は当技術分野で公知であり、当業者に知られているであろうが、例示的な手順を以下に提供する。
一例では、腕の静脈から患者の血液を取り出したら、膜血漿フィルターを用いて、血液の残りから血漿を分離する。血漿がヘパリン緩衝溶液またはデキストラン硫酸緩衝溶液と接触し、その時に反応が起こり、sFlt-1が除去される。sFlt-1を減少させた血漿を、続いて任意により追加のフィルターに通して、さらにタンパク質または混入物質を除去することができる。次に、sFlt-1を減少させた血漿を患者血液と併せて、患者に戻す。
別の例では、患者の静脈から採血し、血液の細胞成分から血漿を分離するデバイスに通す。次に、血漿を吸収材に通す。種々の吸収材が、sFlt-1タンパク質を選択的に保持する特異的マトリックス(例えば、ヘパリン、アニオン性ポリアクリレート、またはデキストラン硫酸に基づく)を含む。吸収材マトリックスに通した後、血漿を残余の血液成分と併せて、患者に戻す。
また別の例では、患者から採取した血液を、標準的なアフェレーシス装置を用いて体外で循環させる。分画遠心またはメンブレンフィルターを用いて、血液を、細胞成分(赤血球、白血球および血小板)と流体(血漿)成分とに分ける。次に、血漿を、目的のアフェレーシスデバイスにポンプで送り、ここでsFlt-1が固定化ヘパリンまたはデキストラン硫酸に結合する。続いて、sFlt-1枯渇血漿を血液の細胞成分と混合し、患者に戻す。
典型的には、アフェレーシスデバイスは、血漿を入れられる一端の入口と、清浄化血漿を出して患者に戻すことを可能にする反対端の出口とを有する円筒として構成されるであろう。他のデバイス構成もまた設計することができ、本発明の範囲内に入る。アフェレーシスカートリッジは、単回使用デバイスとして用いるか、または再生して複数回使用することができる。
一例では、治療中に処理能力が低下したアフェレーシスカートリッジを、0.5〜25w/v%無機塩溶液、3〜10w/v%ほどの生理食塩溶液を含む溶出液を用いて再生する。望ましい実施形態では、アフェレーシスカートリッジの再生のために、4〜6w/v%生理食塩溶液を用いる。
望ましくは、ヘパリン媒介、アニオン性ポリアクリレート媒介、またはデキストラン硫酸媒介アフェレーシスは、患者血液中の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、または40%のsFlt-1、多ければ患者血液中の45%、50%、55%、60%、65%、70%、または75%のsFlt-1を除去する。望ましい実施形態では、25%以上、50%以上、60%以上、または75%以上のsFlt-1を患者血液から除去する。一実施形態では、被験体のsFlt-1レベルが、在胎期間について一致する正常対照もしくは参照の20%、10%、5%、2%以内またはそれと同等まで戻るように、sFlt-1を除去する。sFlt-1レベルについての標準的アッセイは当技術分野で公知であり、アフェレーシスの前、その間、またはその後に患者血液中のsFlt-1レベルを測定するために用いることができる。一実施形態では、アフェレーシス法は、アフェレーシス前のレベルと比較して、患者血液からの少なくとも50%のsFlt-1タンパク質の除去をもたらす。
一実施形態では、被験体に戻す前に、血液のpHを正常な生物学的レベルまで回復させる。
本発明の方法で除去されるsFlt-1タンパク質は、全長、もしくはそのsFlt-1断片(例えば、酵素的切断または分解による)、sFlt-1のアイソフォーム(例えば、選択的スプライシングアイソフォーム)、遊離sFlt-1、総sFlt-1、または結合型sFlt-1であり得る。
本発明のアフェレーシス処置は、妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症または子癇)の診断後、および妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症または子癇)の臨床症状の発症前または後に行なうことができる。一実施形態では、患者は子癇前症を発症するリスクがあるとされ、sFlt-1レベルを測定およびモニタリングする。正常参照対照、レベル、もしくは標準値または曲線と比較してsFlt-1レベルが上昇している場合、医師はアフェレーシス治療を開始することができる。治療は、1回、または、症状がなくなるまで;sFlt-1レベルが少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上低下するまで;sFlt-1レベルが、正常レベルもしくは妊娠早期に測定したベースラインレベルまたは正常レベルもしくは妊娠早期(例えば、妊娠第1期または第2期)に測定したベースラインレベルの20%、10%、5%、もしくは2%以内まで戻るまで;子供を出産するまで;妊娠が終了するまで;被験体が安定したかまたはこれ以上治療の必要がないとみなされるまで;あるいは妊娠関連高血圧障害が完全に治療されるかまたはこれ以上治療を必要としなくなるまで、繰り返して行なうことができる。アフェレーシス療法後の改善を示唆する他のパラメータとしては、胎児の成長の増大、在胎34週を超える妊娠、高血圧の改善および/またはタンパク尿の改善が挙げられる。
一例では、治療は、妊娠第2期に開始される。別の例では、治療は妊娠第3期に開始される。別の例では、治療は第17週、第18週、第19週、第20週、第21週、第22週、第23週、第24週、第25週、第26週、第27週、第28週、第29週、第30週、第31週、第32週、第33週、第34週、第35週、第36週、第37週、第38週、第39週、または第40週に開始され、それ以上必要とされなくなるまで継続される。
併用療法
本発明の方法は、当技術分野で公知であるかまたは本明細書中に記載された妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症または子癇)の治療のためのいずれかの他の方法と組み合わせることができる。一例では、本発明のアフェレーシス法を、被験体でのsFlt-1レベルを特異的に低下させる(例えば、VEGFもしくはPlGFまたは抗sFlt-1抗体などのsFlt-1結合性ペプチドの使用を介して)か、またはVEGFもしくはPlGFレベルを上昇させるために設計されたin vivoまたはex vivoの治療方法と組み合わせる(例えば、米国特許第7,335,362号;同第7,407,659号;および同第7,435,419号;ならびにPCT公開第WO 2004/008946号および同第WO 2005/077007号を参照されたい)。別の例では、本発明のアフェレーシス法を、可溶性エンドグリンのレベルを低下させる(例えば、抗可溶性エンドグリン抗体の使用を介して)ために設計されたin vivoもしくはex vivoの治療方法と組み合わせるか、またはTGF-β、eNOS、およびPGI2のレベルもしくは生物活性を増大させるいずれかの化合物(例えば、ポリペプチド、小分子、抗体、核酸、およびミメティクス(mimetic))の使用と組み合わせる(例えば、米国特許出願公開第2006/0067937号および同第2007/0104707号;ならびにPCT公開第WO 2006/034507号;および同第WO 2008/030283号を参照されたい)。
望ましくは、本発明は、本明細書中に記載されたいずれかの1種以上の治療剤の組み合わせの使用を特徴とする。可溶性エンドグリンおよびsFlt-1が共働して、場合によってはNOSシグナル伝達経路に集まるTGF-β1およびVEGFシグナル伝達経路にそれぞれ干渉することにより、血管ダメージおよび妊娠関連高血圧障害を誘導する場合があるという本発明者らの過去の知見を考慮すれば、本発明の治療方法は、可溶性エンドグリンレベルまたは活性を減少させるかあるいはTGF-β、NOS、もしくはPGI2レベルまたは活性を増大させる化合物と組み合わせた、sFlt-1レベルまたは活性を減少させるかあるいはVEGFもしくはPlGFレベルまたは活性を増大させるためのアフェレーシス法を含む。この目的のために、いずれの薬剤のいずれの組み合わせでも用いることができることが、当業者に理解されるであろう。例えば、可溶性エンドグリンに特異的に結合する抗体を、本発明のアフェレーシス法と組み合わせて投与することができる。別の例では、エンドグリンおよびsFlt-1経路の両方を標的とするために、TGF-β1レベルまたは活性を増大させる化合物を、本発明のアフェレーシス法と組み合わせて投与することができる。あるいは、デキストランに基づく(例えば、デキストラン硫酸)かまたはヘパリンに基づくアフェレーシス法と、sFlt-1または可溶性エンドグリンまたはその両方に対する抗体を用いる標的化アフェレーシス法(例えば、抗可溶性エンドグリンまたはsFlt-1抗体を配置したカラムを用い、患者血液をこのカラムに通して循環させる)との組み合わせを用いることもできる。
また、本発明のアフェレーシス法は、アフェレーシス中に有益であることが知られているいずれかの方法と組み合わせることができる。一例では、アフェレーシスの前、その間、またはその後に、被験体に抗凝固療法を施す。別の例では、被験体に、療法中の補液のための流体(例えば、生理食塩水)を投与する。
別の実施形態では、本発明は、本明細書中に記載された治療方法のいずれかと組み合わせて用いるいずれかの慢性高血圧薬物療法の使用を提供する。妊娠中に高血圧の治療のために用いられる薬物療法としては、メチルドパ、塩酸ヒドララジン、またはラベタロールが挙げられる。これらの薬物療法のそれぞれに関して、投与様式および投与量は、医師および製造業者による使用説明書により決定される。
モニタリング
本発明のアフェレーシス法は、当技術分野で公知であるかまたは本明細書中に記載された診断法を用いて、妊娠関連高血圧障害(例えば、子癇前症または子癇)をモニタリングする方法と共に行なうことができる。診断法の非限定的な例としては、以下の刊行物に記載されたものなどの、sFlt-1、VEGF、またはPlGFの測定および検出が挙げられる:米国特許第7,335,362号;同第7,407,659号;および同第7,435,419号;ならびにPCT公開第WO 2004/008946号および同第WO 2005/077007号。本発明のアフェレーシス法と共に用いることができる診断法またはモニタリング法の追加の非限定的な例としては、以下の刊行物に記載されたものなどの、可溶性エンドグリン、TGF-β1、TGF-β3、アクチビン-A、BMP2またはBMP7の測定および検出が挙げられる:米国特許出願公開第2006/0067937号および同第2007/0104707号;ならびにPCT公開第WO 2006/034507号および同第WO 2008/030283号。診断法の追加の非限定的な例としては、以下の刊行物に記載されたものなどの、sFlt-1、PlGF、VEGF、可溶性エンドグリン、またはそれらの組み合わせ(例えば、sFlt-1/PlGF)を組み込んだ評価基準(metrics)の使用が挙げられる:米国特許第7,335,362号;同第7,407,659号;および同第7,435,419号;米国特許出願公開第2006/0067937号および同第2007/0104707号;ならびにPCT公開第WO 2004/008946号;同第WO 2005/077007号;同第WO 2006/034507号;および同第WO 2008/030283号。
一例では、血液、血漿、もしくは血清sFlt-1レベルが5ng/mL未満、望ましくは2ng/mL未満になるまで、またはsFlt-1レベルが子癇前症もしくは子癇の発症前に測定したベースラインレベルに戻るまで、アフェレーシス療法を施す。別の例では、血清PlGFレベルが約400pg/mLに上昇するまで、または血清PlGFレベルが子癇前症もしくは子癇の発症前のベースラインレベルに戻るまで、アフェレーシス療法を行うことができる。この実施形態では、疾患を診断するのみならず、子癇前症および子癇の治療ならびに管理をモニタリングする方法として、可溶性エンドグリン、sFlt-1、PlGF、およびVEGF、またはこれらのいずれかおよびすべてのレベルを、繰り返し測定する。
実施例1
吸収材の調製
反応容器中で、100mLの多孔性セルロースビーズ(球状タンパク質についての分子量排除限界が5,000,000、粒径45〜105μm)、100mLの水、50mLの2N水酸化ナトリウム、および17mLのエピクロロヒドリンを混合し、40℃にて2時間反応させた。反応後、ビーズを水で十分洗浄し、エポキシ化セルロースビーズを得た。得られたエポキシ化セルロースビーズに、107mLの58%デキストラン硫酸ナトリウム水溶液(硫黄含量18%)を添加してpH9に調整し、全体を45℃にて22時間振盪した。続いて、ゲルを濾別し、水で洗浄した。次に、1.2mLのモノエタノールアミンをゲルに添加し、全体を45℃にて2時間振盪し、未反応のエポキシ基を不活性化させた。続いて、生成物を水で十分洗浄し、デキストラン硫酸固定化セルロースビーズを得た(吸収材A)。
ヒトsFlt-1溶液の調製
昆虫細胞組み換えヒトsFlt-1(RDIにより製造)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)/0.1%BSAを用いて所定の濃度に調整した。
吸収材の評価
デキストラン硫酸ナトリウム固定化セルロースビーズを、生理食塩水で平衡化した。試験管に0.5mLのビーズを入れ、過剰な生理食塩水を除去した。試験管に、約4500pg/mLのヒトsFlt-1を含有するヒト血清を3mL加え、全体を37℃にて2時間振盪し、続いて2.5mLの上清を取り出した(上清A)。
処理後の吸収材スラリーに、3mLの溶出液(5%塩化ナトリウム水溶液)を添加し、全体を37℃にて2時間振盪し、続いて2.5mLの上清を取り出した(上清B)。
それとは別に、吸収材の代わりに0.5mLの生理食塩水に、約4500pg/mLのヒトsFlt-1を含有するヒト血清を3mL加えた。全体を37℃にて2時間振盪して、対照溶液を調製した。
分析法
ヒトsFlt-1を測定するためのELISAキット(R&D Systems社製造)を用いて、評価工程で調製された各上清中のsFlt-1濃度を測定し、得られたsFlt-1濃度から、吸収率および回収率を算出した。分析結果を、表1に示す。
吸収率および回収率についての計算式を、以下に示す。
吸収率(%)= (Cc1 - Ca1)/Cc1 × 100
回収率(%)= (4 × Ca2 - Ca1)/(3.5 × (Cc1 - Ca1)) × 100
Cc1:対照溶液中のsFlt-1濃度
Ca1:上清A中のsFlt-1濃度
Ca2:上清B中のsFlt-1濃度
実施例2
多孔性セルロースビーズ(球状タンパク質についての分子量排除限界が20,000,000、粒径45〜105μm)を用いたことを除いては実施例1に記載したのと同じようにして、デキストラン硫酸固定化セルロースビーズ(吸収材B)を得た。得られた吸収材Bの評価もまた、実施例1に記載したのと同じように行なった。
実施例3
多孔性セルロースビーズ(平均粒径195μm)を用いたことを除いては実施例1に記載したのと同じようにして、デキストラン硫酸固定化セルロースビーズ(吸収材C)を得た。得られた吸収材Cの評価もまた、実施例1に記載したのと同じように行なった。
実施例4
吸収材の調製
まず、100mLの多孔性セルロースビーズ(球状タンパク質についての分子量排除限界が50,000,000、平均粒径約450μm)、22mLの水、31mLの4N水酸化ナトリウム水溶液、および32mLのエピクロロヒドリンを加え、全体を40℃にて2時間撹拌し、反応させた。反応後、ビーズを水で十分洗浄し、エポキシ化セルロースビーズを得た。25mLの水に、7.5gのデキストラン硫酸(硫黄含量約18%)を溶解させて、デキストラン硫酸水溶液を調製し、この溶液を50mLのエポキシ化セルロースビーズに添加した。NaOH水溶液を用いて混合物をアルカリ化し、続いて45℃にて1.5時間反応させた。反応後、ビーズを水および塩化ナトリウム水溶液で十分洗浄した。次に、0.77gのL-トリプトファンの溶液(50mLのNaOH希薄水溶液に溶解)を添加し、全体を50℃にて8時間反応させた。続いて、ビーズを水および塩化ナトリウム水溶液で十分洗浄し、デキストラン硫酸/トリプトファン固定化セルロースビーズを得た(吸収材D)。得られた吸収材Dの評価は、実施例1に記載したのと同じように行なった。
吸収材A〜Dをそれぞれ用いた実施例1〜4の分析結果を、表1に示す。
Figure 0005959506
実施例5. sFlt-1の体外除去
sFlt-1について計算された等電点は、9.78である。本発明者らは、生理的pHであるpH7.5では、sFlt-1タンパク質は主に正に荷電しているとの仮説を立てた。大多数の血漿タンパク質は4〜6の等電点を有し、このことは、生理的pHではこれらが負に荷電していることを示唆する。したがって、本発明者らは、負に荷電した材料を含有する体外カラムはsFlt-1に結合し、したがって子癇前症の患者におけるsFlt-1を除去するのに有用であると仮定した。現在は、ホモ接合型の家族性脂質異常症(LDL受容体に突然変異を有する)の治療の目的で正に荷電したアポリポタンパク質を除去するために用いられる多数の市販製品が市場に出回っている。本発明者らは、約50ng/mLの濃度で内在性sFlt-1を含有する50mLのヒト羊水を添加した廃棄ヒト血液(約900ccの全血)を用いたex vivo実験を行い、以下に示す通り、カラムを3回灌流した後にクリアランス試験を行なった。Pre 0は初期の血中濃度を表し、Pre 1、Pre 2およびPre 3は、1、2、または3ラウンドのカラム通過後の血中濃度を表す。2種類の異なるタイプのデキストラン硫酸カラム(LA15およびDL75)、1種類のアニオン性ポリアクリレートカラム(Dali)、および1種類のヘパリンに基づくカラム(Braun)についてのデータを、以下の表に示す。これらのデータは、デキストラン硫酸カラムがヒト血液からsFlt-1を除去するのに非常に有効であることを実証している。デキストラン硫酸カラムは、子癇前症の患者、特に高循環濃度のsFlt-1を特徴とする患者での治療に役立つ可能性がある。
Figure 0005959506
他の実施形態
本発明の具体的実施形態の説明を、例示の目的で示している。これは、網羅的なものであるかまたは本明細書中に記載された具体的な形態に本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本発明を数種類の実施形態を参照して説明してきたが、特許請求の範囲に示した通りの本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の改変を行なうことができることが、当業者には理解されるであろう。本明細書中で引用したすべての特許、特許出願、および刊行物は、参照により本明細書に組み入れられる。
他の実施形態は、特許請求の範囲に示される。
以下に、本発明の実施形態を示す。
(1)可溶性Flt-1(sFlt-1)レベルの上昇を有する妊娠被験体での妊娠関連高血圧障害の少なくとも1つの症状を治療または改善する方法であって、妊娠被験体からsFlt-1を体外で除去するステップを含み、該除去がアフェレーシス処置を含み、該アフェレーシス処置が、デキストラン硫酸またはアニオン性ポリアクリレートを含む薬剤の使用を含み、該アフェレーシス処置が、妊娠関連高血圧障害の少なくとも1つの症状を治療または改善するのに十分である、上記方法。
(2)sFlt-1レベルの上昇を有する妊娠被験体での妊娠関連高血圧障害の少なくとも1種の症状を治療または改善する方法であって、妊娠被験体からsFlt-1を体外で除去するステップを含み、該除去がアフェレーシス処置を含み、該アフェレーシス処置が、正に荷電したタンパク質に結合する薬剤の使用を含み、該アフェレーシス処置が、妊娠関連高血圧障害の少なくとも1つの症状を治療または改善するのに十分である、上記方法。
(3)妊娠被験体の体液中のsFlt-1レベルを低下させる方法であって、妊娠被験体からsFlt-1を体外で除去するステップを含み、該除去がアフェレーシス処置を含み、該アフェレーシス処置が、デキストラン硫酸またはアニオン性ポリアクリレートを含む薬剤の使用を含み、該アフェレーシス処置が、それを必要とする被験体でのsFlt-1レベルを低下させるのに十分である、上記方法。
(4)妊娠被験体の体液中のsFlt-1レベルを低下させる方法であって、妊娠被験体からsFlt-1を体外で除去するステップを含み、該除去がアフェレーシス処置を含み、該アフェレーシス処置が、正に荷電したタンパク質に結合する薬剤の使用を含み、該アフェレーシス処置が、それを必要とする被験体でのsFlt-1レベルを低下させるのに十分である、上記方法。
(5)前記薬剤が、負に荷電したポリマーおよび負に荷電した多糖からなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(2)または(4)に記載の方法。
(6)前記負に荷電したポリマーが、ポリスチレンスルホン酸およびポリアクリル酸からなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(5)に記載の方法。
(7)前記負に荷電した多糖が硫酸化多糖を含む、(5)に記載の方法。
(8)前記硫酸化多糖が、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、ヘパラン硫酸およびデキストラン硫酸からなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(7)に記載の方法。
(9)前記薬剤がアニオン性ポリアクリレートを含む、(1)または(3)に記載の方法。
(10)前記薬剤がデキストラン硫酸を含む、(1)または(3)に記載の方法。
(11)前記アフェレーシス処置がリポソーバー(LIPOSORBER)カラムの使用を含む、(10)に記載の方法。
(12)前記アフェレーシス処置が、妊娠被験体から採血するステップおよび前記薬剤を含む体外回路に該血液を通すステップを含む、(1)〜(11)のいずれか1に記載の方法。
(13)前記アフェレーシス処置を、妊娠中に少なくとも1回繰り返す、(1)〜(12)のいずれか1に記載の方法。
(14)前記妊娠被験体が、妊娠関連高血圧障害の2つ以上の症状を有する、(1)〜(13)のいずれか1に記載の方法。
(15)前記妊娠被験体が、妊娠関連高血圧障害を有すると診断される、(1)〜(13)のいずれか1に記載の方法。
(16)前記妊娠被験体が、正常参照、標準、またはレベルと比較した、sFlt-1レベルの上昇またはVEGFもしくはPlGFタンパク質レベルの低下を有する、(3)または(4)に記載の方法。
(17)前記妊娠被験体が、前記正常参照、標準、またはレベルと比較した、sFlt-1レベルの上昇を有する、(16)に記載の方法。
(18)前記正常参照が、前記被験体由来の以前のサンプルである、(16)に記載の方法。
(19)前記正常参照が、妊娠関連高血圧障害を有しない被験体由来のサンプルである、(16)に記載の方法。
(20)前記妊娠被験体が、少なくとも5ng/mLのsFlt-1レベルを有する、(16)または(17)に記載の方法。
(21)前記妊娠被験体が少なくとも妊娠第17週である、(1)〜(20)のいずれか1に記載の方法。
(22)前記妊娠被験体が妊娠第2期である、(1)〜(20)のいずれか1に記載の方法。
(23)前記妊娠被験体が妊娠第3期である、(1)〜(20)のいずれか1に記載の方法。
(24)前記妊娠関連高血圧障害が、子癇前症、子癇、妊娠性高血圧、慢性高血圧、HELLP症候群、および在胎期間に比べて小さい(SGA)子供を有する妊娠からなる群より選択される、(1)〜(23)のいずれか1に記載の方法。
(25)前記妊娠関連高血圧障害が、子癇前症または子癇である、(24)に記載の方法。
(26)前記アフェレーシス処置が前記sFlt-1レベルを少なくとも20%低下させる、(3)、(4)、または(16)に記載の方法。
(27)前記アフェレーシス処置が前記sFlt-1レベルを少なくとも50%低下させる、(26)に記載の方法。
(28)前記被験体での前記妊娠関連高血圧障害をモニタリングするステップをさらに含み、該モニタリングが、該被験体由来のサンプル中のsFlt-1、遊離VEGF、遊離PlGF、または可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定することを含む、(1)〜(27)のいずれか1に記載の方法。
(29)前記モニタリングが、sFlt-1およびPlGFのレベルを測定するステップ、およびsFlt-1/PlGF比を用いてsFlt-1のPlGFに対する比を算出するステップを含み、陽性参照、標準、またはレベルと比較した前記アフェレーシス処置後のsFlt-1/PlGFレベルの低下が前記被験体での前記妊娠関連高血圧障害の改善を示す、(28)に記載の方法。
(30)sFlt-1または可溶性エンドグリンのレベルを測定し、陽性参照、標準、もしくはレベルと比較した前記アフェレーシス処置後のsFlt-1または可溶性エンドグリンのレベルの低下が前記被験体での前記妊娠関連高血圧障害の改善を示す、(28)に記載の方法。
(31)遊離VEGFまたは遊離PlGFのレベルを測定し、参照、標準、もしくはレベルと比較した前記アフェレーシス処置後の遊離VEGFまたは遊離PlGFのレベルの上昇が前記被験体での前記妊娠関連高血圧障害の改善を示す、(28)に記載の方法。
(32)前記モニタリングを用いて前記アフェレーシス処置を繰り返すべきか否かを決定し、該アフェレーシス処置後にsFlt-1もしくは可溶性エンドグリンレベルの低下がないこと、または遊離VEGFもしくは遊離PlGFレベルの上昇がないことが、少なくとも1回の追加のアフェレーシス処置の必要性を示す、(28)に記載の方法。
(33)前記被験体でのsFlt-1レベルが5ng/mL未満になるまで前記アフェレーシス処置を行なう、(1)〜(4)のいずれか1に記載の方法。
(34)前記アフェレーシス処置前にsFlt-1のレベルを測定するステップおよび該アフェレーシス処置中または処置後にsFlt-1のレベルを測定するステップをさらに含み、該アフェレーシス処置前の該sFlt-1レベルと比較して、該アフェレーシス処置中または処置後に該sFlt-1ポリペプチドのレベルが少なくとも10%低下するまで該アフェレーシス処置を行う、(1)〜(27)のいずれか1に記載の方法。
(35)抗凝固薬化合物または抗高血圧薬化合物の使用をさらに含む、(1)〜(34)のいずれか1に記載の方法。
(36)前記抗高血圧薬化合物が、ニコチン、テオフィリン、アデノシン、ニフェジピン、ミノキシジル、および硫酸マグネシウムからなる群より選択される、(35)に記載の方法。
(37)体液が血液、血清、または血漿である、(3)または(4)に記載の方法。
(38)前記被験体が、妊娠関連高血圧障害を有するかまたはそれを発症するリスクを有する妊娠ヒト被験体である、(3)または(4)に記載の方法。
(39)前記アフェレーシス処置が、溶出液を用いた前記薬剤の再生をさらに含む、(1)〜(38)のいずれか1に記載の方法。
(40)前記溶出液が無機塩溶液を含む、(39)に記載の方法。
(41)前記無機塩溶液が0.5〜25w/v%生理食塩溶液を含む、(40)に記載の方法。
(42)前記無機塩溶液が3〜10w/v%生理食塩溶液を含む、(40)に記載の方法。
(43)前記無機塩溶液が4〜6w/v%生理食塩溶液を含む、(40)に記載の方法。
(44)前記再生ステップが、アフェレーシス処置を含む治療中に行なわれる、(43)に記載の方法。
(45)前記薬剤が水不溶性多孔性担体に固定化される、(1)〜(44)のいずれか1に記載の方法。
(46)前記水不溶性多孔性担体が、多糖および親水性ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(45)に記載の方法。
(47)前記多糖が、セルロース、ペクチン、キチン、アガロース、カラギーナンおよびデキストランからなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(46)に記載の方法。
(48)前記親水性ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸およびシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(46)に記載の方法。
(49)前記水不溶性多孔性担体が、セルロースおよびポリアクリル酸からなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(45)に記載の方法。
(50)sFlt-1レベルの上昇を有する妊娠被験体での妊娠関連高血圧障害の治療方法での使用のための、正に荷電したタンパク質に結合する薬剤であって、該薬剤が体外デバイスに結合し、該方法が、該体外デバイスを用いる体液のアフェレーシスを含むアフェレーシス処置を含み、該アフェレーシスが、該体液からのsFlt-1の除去をもたらし、該薬剤が、デキストラン硫酸またはアニオン性ポリアクリレートを含む、上記薬剤。
(51)前記アフェレーシス処置が、妊娠被験体から採血するステップおよび前記薬剤を含む体外回路に血液を通すステップを含む、(50)に記載の薬剤。
(52)妊娠関連高血圧障害を有する妊娠被験体由来の体液からsFlt-1を除去するためのin vitroの方法であって、それに結合した薬剤を有する体外デバイスを用いる該体液のアフェレーシスを含み、該アフェレーシスが該体液からのsFlt-1の除去をもたらし、該薬剤がデキストラン硫酸またはアニオン性ポリアクリレートを含む、上記方法。
(53)妊娠被験体での妊娠関連高血圧障害を治療するための医薬の製造における、ex vivoでsFlt-1を減少させた自家体液の使用。
(54)前記sFlt-1をアフェレーシス処置により減少させてあり、該アフェレーシス処置は正に荷電したタンパク質に結合する薬剤の使用を含み、該薬剤はデキストラン硫酸またはアニオン性ポリアクリレートを含む、(53)に記載の使用。
(55)前記自家体液が妊娠被験体の血液であり、正に荷電したタンパク質に結合する前記薬剤を含む体外回路に該血液を通すことにより前記sFlt-1を除去する、(54)に記載の使用。
(56)前記アフェレーシス処置を前記妊娠被験体の妊娠中に少なくとも1回繰り返す、(50)もしくは(51)に記載の薬剤、(52)に記載の方法、または(53)〜(55)のいずれか1に記載の使用。
(57)前記妊娠被験体が、妊娠関連高血圧障害の2つ以上の症状を有する、(50)もしくは(51)に記載の薬剤、(52)に記載の方法、または(53)〜(55)のいずれか1に記載の使用。
(58)前記妊娠被験体が妊娠関連高血圧障害を有すると診断される、(50)もしくは(51)に記載の薬剤、(52)に記載の方法、または(53)〜(55)のいずれか1に記載の使用。
(59)前記妊娠被験体が、正常参照、標準、もしくはレベルと比較して、sFlt-1レベルの上昇またはVEGFもしくはPlGFタンパク質レベルの低下を有する、(50)もしくは(51)に記載の薬剤、(52)に記載の方法、または(53)〜(55)のいずれか1に記載の使用。
(60)前記妊娠被験体が、前記正常参照、標準、またはレベルと比較して上昇したsFlt-1レベルを有する、(59)に記載の薬剤、方法、または使用。
(61)前記正常参照が、前記被験体由来の以前のサンプルである、(59)に記載の薬剤、方法、または使用。
(62)前記正常参照が、妊娠関連高血圧障害を有しない被験体由来のサンプルである、(59)に記載の薬剤、方法、または使用。
(63)前記妊娠被験体が少なくとも5ng/mLのsFlt-1レベルを有する、(50)もしくは(51)に記載の薬剤、(52)に記載の方法、または(53)〜(55)のいずれか1に記載の使用。
(64)前記妊娠被験体が少なくとも妊娠第17週である、(50)〜(63)のいずれか1に記載の薬剤、方法、または使用。
(65)前記妊娠被験体が妊娠第2期である、(50)〜(63)のいずれか1に記載の薬剤、方法、または使用。
(66)前記妊娠被験体が妊娠第3期である、(50)〜(63)のいずれか1に記載の薬剤、方法、または使用。
(67)前記妊娠関連高血圧障害が、子癇前症、子癇、妊娠性高血圧、慢性高血圧、HELLP症候群、および在胎期間に比べて小さい(SGA)子供を有する妊娠からなる群より選択される、(50)〜(66)のいずれか1に記載の薬剤、方法、または使用。
(68)前記妊娠関連高血圧障害が子癇前症または子癇である、(67)に記載の薬剤。
(69)前記アフェレーシス処置が、前記sFlt-1レベルを少なくとも20%低下させる、(50)〜(68)のいずれか1に記載の薬剤、方法、または使用。
(70)前記アフェレーシス処置が、前記sFlt-1レベルを少なくとも50%低下させる、(50)〜(68)のいずれか1に記載の薬剤、方法、または使用。
(71)前記被験体での前記子癇前症または子癇をモニタリングするステップをさらに含み、該モニタリングが該妊娠被験体由来のサンプル中のsFlt-1、遊離VEGF、遊離PlGF、または可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定するステップを含む、(50)に記載の薬剤。
(72)前記モニタリングが、sFlt-1およびPlGFのレベルを測定するステップ、およびsFlt-1/PlGF比を用いてsFlt-1のPlGFに対する比を算出するステップを含み、陽性参照、標準、またはレベルと比較した前記アフェレーシス処置後のsFlt-1/PlGFレベルの低下が前記被験体での前記妊娠関連高血圧障害の改善を示す、(71)に記載の薬剤。
(73)sFlt-1または可溶性エンドグリンのレベルを測定し、陽性参照、標準、またはレベルと比較した前記アフェレーシス処置後のsFlt-1または可溶性エンドグリンのレベルの低下が前記被験体での前記妊娠関連高血圧障害の改善を示す、(71)に記載の薬剤。
(74)遊離VEGFまたは遊離PlGFのレベルを測定し、参照、標準、またはレベルと比較した前記アフェレーシス処置後の遊離VEGFまたは遊離PlGFのレベルの上昇が前記被験体での前記妊娠関連高血圧障害の改善を示す、(71)に記載の薬剤。
(75)前記モニタリングを用いて前記アフェレーシス処置を繰り返すべきか否かを決定し、該アフェレーシス処置後にsFlt-1もしくは可溶性エンドグリンレベルの低下がないこと、または遊離VEGFもしくは遊離PlGFレベルの上昇がないことが、少なくとも1回の追加のアフェレーシス処置の必要性を示す、(71)に記載の薬剤。
(76)前記被験体でのsFlt-1レベルが5ng/mL未満になるまで前記アフェレーシス処置を行なう、(50)もしくは(51)に記載の薬剤、(52)に記載の方法、または(53)〜(55)のいずれか1に記載の使用。
(77)前記アフェレーシス処置前にsFlt-1のレベルを測定するステップおよび該アフェレーシス処置中または処置後にsFlt-1のレベルを測定するステップをさらに含み、該アフェレーシス処置前の該sFlt-1レベルと比較して、該アフェレーシス処置中または処置後に該sFlt-1ポリペプチドのレベルが少なくとも10%低下するまで該アフェレーシス処置を行う、(50)または(51)に記載の薬剤。
(78)抗凝固薬化合物または抗高血圧化合物を前記妊娠被験体に投与することをさらに含む、(50)もしくは(51)に記載の薬剤または(53)〜(55)のいずれか1に記載の使用。
(79)前記抗高血圧化合物が、ニコチン、テオフィリン、アデノシン、ニフェジピン、ミノキシジル、および硫酸マグネシウムからなる群より選択される、(78)に記載の薬剤または使用。
(80)前記アフェレーシス処置が、溶出液を用いた前記薬剤の再生をさらに含む、(50)〜(79)のいずれか1に記載の薬剤、方法、または使用。
(81)前記溶出液が無機塩溶液を含む、(80)に記載の薬剤、方法、または使用。
(82)前記無機塩溶液が0.5〜25w/v%生理食塩溶液を含む、(81)に記載の薬剤、方法、または使用。
(83)前記無機塩溶液が3〜10w/v%生理食塩溶液を含む、(81)に記載の薬剤、方法、または使用。
(84)前記無機塩溶液が4〜6w/v%生理食塩溶液を含む、(81)に記載の薬剤、方法、または使用。
(85)前記再生ステップが、アフェレーシス処置を含む治療中に行なわれる、(81)に記載の薬剤、方法、または使用。
(86)前記薬剤が水不溶性多孔性担体に固定化される、(50)〜(85)のいずれか1に記載の薬剤、方法、または使用。
(87)前記水不溶性多孔性担体が、多糖および親水性ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(86)に記載の薬剤、方法、または使用。
(88)前記多糖が、セルロース、ペクチン、キチン、アガロース、カラギーナンおよびデキストランからなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(87)に記載の薬剤、方法、または使用。
(89)前記親水性ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸およびシリカゲルからなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(87)に記載の薬剤、方法、または使用。
(90)前記水不溶性多孔性担体が、セルロースおよびポリアクリル酸からなる群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、(87)に記載の薬剤、方法、または使用。

Claims (12)

  1. 可溶性Flt-1(sFlt-1)レベルの上昇を有する妊娠被験体での妊娠関連高血圧障害の少なくとも1つの症状を治療又は改善する方法において使用するための、デキストラン硫酸又はアニオン性ポリアクリレートを含む薬剤であって、該方法が妊娠被験体の体液からsFlt-1を体外で除去するステップを含み、該除去がアフェレーシス処置を含み、該アフェレーシス処置が、前記sFlt-1に結合するデキストラン硫酸又はアニオン性ポリアクリレートの使用を含み、該アフェレーシス処置が、妊娠関連高血圧障害の少なくとも1つの症状を治療又は改善するのに十分である、上記薬剤。
  2. sFlt-1レベルの上昇を有する妊娠被験体での妊娠関連高血圧障害の少なくとも1種の症状を治療又は改善する方法において使用するための薬剤であって、該方法が妊娠被験体の体液からsFlt-1を体外で除去するステップを含み、該除去がアフェレーシス処置を含み、該アフェレーシス処置が、リポタンパク質、アポリポタンパク質、フィブリノーゲン、グロブリン及びC反応性タンパク質から成る群より選択されるタンパク質を含む正に荷電したタンパク質に結合する薬剤の使用を含み、該薬剤が前記sFlt-1に結合し、該アフェレーシス処置が、妊娠関連高血圧障害の少なくとも1つの症状を治療又は改善するのに十分であり、前記薬剤が、負に荷電したポリマー及び負に荷電した多糖から成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含み、又は、
    該負に荷電したポリマーが、ポリスチレンスルホン酸及びポリアクリル酸から成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含み、又は、
    該負に荷電した多糖が硫酸化多糖を含み、又は、
    該硫酸化多糖が、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、ヘパラン硫酸及びデキストラン硫酸から成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、
    上記薬剤。
  3. 妊娠被験体の体液中のsFlt-1レベルを低下させる方法において使用するための、デキストラン硫酸又はアニオン性ポリアクリレートを含む薬剤であって、該方法が妊娠被験体の体液からsFlt-1を体外で除去するステップを含み、該除去がアフェレーシス処置を含み、該アフェレーシス処置が、前記sFlt-1に結合するデキストラン硫酸又はアニオン性ポリアクリレートの使用を含み、該アフェレーシス処置が、それを必要とする被験体でのsFlt-1レベルを低下させるのに十分である、上記薬剤。
  4. 妊娠被験体の体液中のsFlt-1レベルを低下させる方法において使用するための薬剤であって、該方法が妊娠被験体の体液からsFlt-1を体外で除去するステップを含み、該除去がアフェレーシス処置を含み、該アフェレーシス処置が、リポタンパク質、アポリポタンパク質、フィブリノーゲン、グロブリン及びC反応性タンパク質から成る群より選択されるタンパク質を含む正に荷電したタンパク質に結合する薬剤の使用を含み、該薬剤が前記sFlt-1に結合し、該アフェレーシス処置が、それを必要とする被験体でのsFlt-1レベルを低下させるのに十分であり、前記薬剤が、負に荷電したポリマー及び負に荷電した多糖から成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含み、又は、
    該負に荷電したポリマーが、ポリスチレンスルホン酸及びポリアクリル酸から成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含み、又は、
    該負に荷電した多糖が硫酸化多糖を含み、又は、
    該硫酸化多糖が、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、ヘパラン硫酸及びデキストラン硫酸から成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、
    上記薬剤。
  5. 前記アフェレーシス処置が、妊娠被験体から採血するステップ及び前記薬剤を含む体外回路に該血液を通すステップを含み;又は該被験体でのsFlt-1レベルが5ng/mL未満になるまで該アフェレーシス処置が行われ;又は該アフェレーシス処置を、妊娠中に少なくとも1回繰り返し;又は該妊娠被験体が、妊娠関連高血圧障害の2つ以上の症状を有し;又は該妊娠被験体が、妊娠関連高血圧障害を有すると診断される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用のための薬剤。
  6. 前記妊娠被験体が、正常参照、標準、又はレベルと比較した、sFlt-1レベルの上昇又はVEGF若しくはPlGFタンパク質レベルの低下を有し;又は該妊娠被験体が、該正常参照、標準、又はレベルと比較した、sFlt-1レベルの上昇を有し;又は該正常参照が、該被験体由来の以前のサンプルであり;又は該正常参照が、妊娠関連高血圧障害を有しない被験体由来のサンプルであり;又は前記アフェレーシス処置が該sFlt-1レベルを少なくとも20%低下させ、又は該アフェレーシス処置が該sFlt-1レベルを少なくとも50%低下させ;又は該妊娠被験体が、少なくとも5ng/mLのsFlt-1レベルを有し;又は体液が血液、血清、又は血漿であり;又は該被験体が、妊娠関連高血圧障害を有するか又はそれを発症するリスクを有する妊娠ヒト被験体である、請求項3又は4に記載の使用のための薬剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用のための薬剤であって、
    前記妊娠関連高血圧障害が、子癇前症、子癇、妊娠性高血圧、慢性高血圧、HELLP症候群、及び在胎期間に比べて小さい(SGA)子供を有する妊娠から成る群より選択され、又は、
    該妊娠関連高血圧障害が、子癇前症又は子癇であり;又は、
    該方法が、前記アフェレーシス処置前にsFlt-1のレベルを測定するステップ及び該アフェレーシス処置中又は処置後にsFlt-1のレベルを測定するステップをさらに含み、該アフェレーシス処置前の該sFlt-1レベルと比較して、該アフェレーシス処置中又は処置後に該sFlt-1ポリペプチドのレベルが少なくとも10%低下するまで該アフェレーシス処置を行い;又は、
    該方法が、該被験体での該妊娠関連高血圧障害をモニタリングするステップをさらに含み、該モニタリングが、該被験体由来のサンプル中のsFlt-1、遊離VEGF、遊離PlGF、又は可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定することを含み、又は、
    該モニタリングが、sFlt-1及びPlGFのレベルを測定するステップ、及びsFlt-1/PlGF比を用いてsFlt-1のPlGFに対する比を算出するステップを含み、陽性参照、標準、又はレベルと比較した該アフェレーシス処置後のsFlt-1/PlGFレベルの低下が該被験体での該妊娠関連高血圧障害の改善を示し、又は、
    sFlt-1又は可溶性エンドグリンのレベルを測定し、陽性参照、標準、若しくはレベルと比較した該アフェレーシス処置後のsFlt-1又は可溶性エンドグリンのレベルの低下が該被験体での該妊娠関連高血圧障害の改善を示し、又は、
    遊離VEGF又は遊離PlGFのレベルを測定し、参照、標準、若しくはレベルと比較した該アフェレーシス処置後の遊離VEGF又は遊離PlGFのレベルの上昇が該被験体での該妊娠関連高血圧障害の改善を示し、又は、
    該モニタリングを用いて該アフェレーシス処置を繰り返すべきか否かを決定し、
    該アフェレーシス処置後にsFlt-1若しくは可溶性エンドグリンレベルの低下がないこと、又は遊離VEGF若しくは遊離PlGFレベルの上昇がないことが、少なくとも1回の追加のアフェレーシス処置の必要性を示す、
    上記使用のための薬剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用のための薬剤であって、該方法が、抗凝固薬化合物又は抗高血圧薬化合物の使用をさらに含み、又は、
    該抗高血圧薬化合物が、ニコチン、テオフィリン、アデノシン、ニフェジピン、ミノキシジル、及び硫酸マグネシウムから成る群より選択され;又は、
    前記アフェレーシス処置が、溶出液を用いた該薬剤の再生をさらに含み、又は、
    該溶出液が無機塩溶液を含み、又は、
    該無機塩溶液が0.5〜25w/v%生理食塩溶液を含み、若しくは該無機塩溶液が3〜10w/v%生理食塩溶液を含み、若しくは該無機塩溶液が4〜6w/v%生理食塩溶液を含み;又は、
    該薬剤が水不溶性多孔性担体に固定化され、又は、
    該水不溶性多孔性担体が、セルロース及びポリアクリル酸から成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含み、又は、
    該水不溶性多孔性担体が、多糖及び親水性ポリマーから成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含み、又は、
    該多糖が、セルロース、ペクチン、キチン、アガロース、カラギーナン及びデキストランから成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含み、又は、
    該親水性ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びシリカゲルから成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、
    上記使用のための薬剤。
  9. sFlt-1レベルの上昇を有する妊娠被験体での妊娠関連高血圧障害の治療方法での使用のための、リポタンパク質、アポリポタンパク質、フィブリノーゲン、グロブリン及びC反応性タンパク質から成る群より選択されるタンパク質を含む正に荷電したタンパク質に結合するデキストラン硫酸又はアニオン性ポリアクリレートを含む薬剤であって、該薬剤が体外デバイスに結合し、該方法が、該体外デバイスを用いる体液のアフェレーシスを含み、該アフェレーシスが、該体液からのsFlt-1の除去をもたらし、又は、該アフェレーシス処置が、妊娠被験体から採血するステップ及び前記薬剤を含む体外回路に血液を通すステップを含み、該アフェレーシス処置が、前記妊娠関連高血圧障害を治療するのに十分である、上記薬剤。
  10. 前記アフェレーシス処置を前記妊娠被験体の妊娠中に少なくとも1回繰り返し;又は、
    該妊娠被験体が、妊娠関連高血圧障害の2つ以上の症状を有し;又は、
    該妊娠被験体が、妊娠関連高血圧障害を有すると診断され;又は、
    該妊娠被験体が、正常参照、標準、若しくはレベルと比較して、sFlt-1レベルの上昇又はVEGF若しくはPlGFタンパク質レベルの低下を有し、又は、
    該妊娠被験体が、該正常参照、標準、又はレベルと比較して上昇したsFlt-1レベルを有し、又は、
    該正常参照が、該被験体由来の以前のサンプルであり、又は、
    該正常参照が、妊娠関連高血圧障害を有しない被験体由来のサンプルであり;又は、
    該妊娠被験体が、少なくとも5ng/mLのsFlt-1レベルを有し;又は、
    該妊娠被験体が少なくとも妊娠第17週であり;又は、
    該妊娠被験体が妊娠第2期であり;又は、
    該妊娠被験体が妊娠第3期であり;又は、
    該妊娠関連高血圧障害が、子癇前症、子癇、妊娠性高血圧、慢性高血圧、HELLP症候群、及び在胎期間に比べて小さい(SGA)子供を有する妊娠から成る群より選択され、又は、該妊娠関連高血圧障害が子癇前症又は子癇であり;又は、
    該アフェレーシス処置が、該sFlt-1レベルを少なくとも20%低下させ;又は、
    該アフェレーシス処置が、該sFlt-1レベルを少なくとも50%低下させる、
    請求項9に記載の使用のための薬剤。
  11. 前記被験体での前記子癇前症又は子癇をモニタリングするステップをさらに含み、該モニタリングが該妊娠被験体由来のサンプル中のsFlt-1、遊離VEGF、遊離PlGF、又は可溶性エンドグリンポリペプチドのレベルを測定するステップを含み、又は、
    該モニタリングが、sFlt-1及びPlGFのレベルを測定するステップ、及びsFlt-1/PlGF比を用いてsFlt-1のPlGFに対する比を算出するステップを含み、陽性参照、標準、又はレベルと比較した前記アフェレーシス処置後のsFlt-1/PlGFレベルの低下が該被験体での前記妊娠関連高血圧障害の改善を示し、又は、
    sFlt-1又は可溶性エンドグリンのレベルを測定し、陽性参照、標準、又はレベルと比較した該アフェレーシス処置後のsFlt-1又は可溶性エンドグリンのレベルの低下が該被験体での該妊娠関連高血圧障害の改善を示し、又は、
    遊離VEGF又は遊離PlGFのレベルを測定し、参照、標準、又はレベルと比較した該アフェレーシス処置後の遊離VEGF又は遊離PlGFのレベルの上昇が該被験体での該妊娠関連高血圧障害の改善を示し、又は、
    該モニタリングを用いて該アフェレーシス処置を繰り返すべきか否かを決定し、該アフェレーシス処置後にsFlt-1若しくは可溶性エンドグリンレベルの低下がないこと、又は遊離VEGF若しくは遊離PlGFレベルの上昇がないことが、少なくとも1回の追加のアフェレーシス処置の必要性を示し、又は、
    前記方法が、該アフェレーシス処置前にsFlt-1のレベルを測定するステップ及び該アフェレーシス処置中又は処置後にsFlt-1のレベルを測定するステップをさらに含み、該アフェレーシス処置前の該sFlt-1レベルと比較して、該アフェレーシス処置中又は処置後に該sFlt-1ポリペプチドのレベルが少なくとも10%低下するまで該アフェレーシス処置を行い、又は、
    前記方法が、抗凝固薬化合物又は抗高血圧化合物を該妊娠被験体に投与することをさらに含み、又は、
    該抗高血圧化合物が、ニコチン、テオフィリン、アデノシン、ニフェジピン、ミノキシジル、及び硫酸マグネシウムから成る群より選択される、
    請求項9に記載の使用のための薬剤。
  12. 前記被験体でのsFlt-1レベルが5ng/mL未満になるまで前記アフェレーシス処置を行ない;又は、
    該アフェレーシス処置が、溶出液を用いた前記薬剤の再生をさらに含み、又は、
    該溶出液が無機塩溶液を含み、又は、
    該無機塩溶液が0.5〜25w/v%生理食塩溶液を含み、又は、
    該無機塩溶液が3〜10w/v%生理食塩溶液を含み、又は、
    該無機塩溶液が4〜6w/v%生理食塩溶液を含み、又は、
    前記再生ステップが、アフェレーシス処置を含む治療中に行なわれ;又は、
    前記薬剤が水不溶性多孔性担体に固定化され、又は、
    該水不溶性多孔性担体が、多糖及び親水性ポリマーから成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含み、又は、
    該多糖が、セルロース、ペクチン、キチン、アガロース、カラギーナン及びデキストランから成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含み、又は、
    該親水性ポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸及びシリカゲルから成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含み、又は、
    該水不溶性多孔性担体が、セルロース及びポリアクリル酸から成る群より選択される少なくとも1種の構成要素を含む、
    請求項9に記載の使用のための薬剤。
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