JP5959488B2 - 粉体塗装方法 - Google Patents

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この発明は、摩擦帯電チューブ内で粉体塗料を摩擦帯電させ、摩擦帯電させた粉体塗料を吐出口から被塗装物に噴射して塗装する摩擦帯電式静電塗装ガンに、コロナ放電を組み合わせた粉体塗装方法に関するものである。
粉体塗装は、有機溶剤を含まず無公害塗装として広く採用されている。当初フェンス、ガードレールなどの道路資材から始まり、家庭で使用する冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、消火器や、ワイパー、コイルスプリング、ブレーキパッド、アルミホイールなど自動車部品にも多く使用されている。
海外では、乗用車のトップクリアー塗装にも使用されている。
また、近年では、ビルの内外装として、パーテーションや耐候性の必要な外装パネルにも使用されている。
さらに、無公害の点から、鋼製家具、小学校の椅子、机にも使用されている。
ところで、静電粉体塗装は、粉体塗料を例えば平均20〜30μmの粒子にし、静電気にて被塗装物に付着させ、その後焼付け乾燥炉にて、溶融、硬化を行い、塗膜を形成する塗装方法である。
一般に静電粉体塗装を行うガン方式は、コロナガンと摩擦帯電ガンの2つに大別できる。
コロナガンの特徴は、コロナ電極(ピン)からイオンを発生し粉体塗料が通過する時に、粉体塗料に電荷を帯びさせる帯電方式である。コロナガンによって帯電する粉体塗料の電荷量は微量であり、発生するイオンの大半(99%以上)がフリーイオンとして被塗装物との間に電場を形成し、この電場によって粉体塗料を付着させて塗装を行なうといって過言ではない方式である。
一方、摩擦帯電ガンは、摩擦帯電チューブ内で粉体塗料を摩擦帯電させ、摩擦帯電させた粉体塗料を吐出口から被塗装物に噴射して塗装する方式である。
摩擦帯電チューブとしては、一般に非導電性樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が使用される。その理由は、例えば、粉体塗料がポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ナイロン樹脂の場合に、極性がかけ離れているためである。
摩擦帯電チューブでは、塗料粒子に帯電した電荷量と同じ逆極の電荷が非導電性樹脂に溜まるので、この電荷をアース(接地)によって取り除いている。摩擦による塗料粒子への帯電量は、粉体塗料にもよるが、コロナガンでの帯電量に比べて2〜5倍の電荷量を持ち、塗料粒子の帯電量のみで、被塗装物に塗料粒子が付着する。その反面、摩擦帯電ガンは、被塗装物との間に、コロナガンのような電場(フリーイオン)は形成されない。
コロナガンと摩擦帯電ガンは、上記のような特徴があり、被塗装物の種類や形状等に応じて選択することが重要である。
例えば、洗濯機のような平板の塗装には、電場を使用したコロナガンが適している。電場により、被塗装物に吐出した粉体塗料の跳ね返りが押さえられるため、塗着効率が高い。
しかし、コロナガンは、コーナー(エッジ)のような凸部には、電場が集中するために、その箇所に多くの粉体塗料が付着し、厚膜や静電反発を起こしやすい。
したがって、凹部の多い、例えば、ラジエーターのフィンを塗装するような場合には、コロナガンは適さず、摩擦帯電ガンがその威力を発揮する。
即ち、摩擦帯電ガンには、コロナガンのように電場(フリーイオン)の形成がないため、電荷を十分持った塗料粒子がフィンの隙間に侵入し、その電荷量で被塗装物に付着する。
摩擦帯電ガンは、例えば、平板に凹凸を持った制御盤の裏面を塗装するような場合には、凹部への付き回り及び端面部の平滑性はよい。
しかしながら、制御盤でも平面部分の塗装には、摩擦帯電ガンよりもコロナガンの方が塗着効率が高い。
従来、摩擦帯電ガンの吐出口付近にコロナ電極を設置したものが特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示のものは、例えば、摩擦帯電によって塗料粒子にプラス(+)の電荷が帯電する場合、コロナ電極からもプラス(+)のイオンを放電させて、塗料粒子に2重に電荷を与えようとするものである。
特開昭63−502408号公報
ところが、摩擦帯電によって帯電した塗料粒子に、同極のイオンをコロナ電極から放電させても、摩擦帯電による電荷量が大きいために、コロナ放電による電荷量の増加はほとんど認められない。
そして、コロナ電極からコロナ放電させると、コロナ電極と被塗装物との間に電場が形成される。
この電場(フリーイオン)のエネルギーが大きく、塗料粒子を摩擦帯電によって帯電させていても、電場によってコロナガンと同様の付き回りになり、凹部への付き回りが悪くなり、コーナー(エッジ)のような凸部に電場が集中し、厚膜や静電反発を起こしやすい。
このため、凹部への付き回りが良く、端面部の平滑性が良いという摩擦帯電ガンの利点が得られない。
そこで、この発明は、凹部への入り込み、端面部の平滑性が良好であるという摩擦帯電ガンの利点を損なうことなく、コロナ電極によるコロナ放電を追加することにより、より効果的な粉体塗装方法を提供することを目的とする。
この発明は、上記の課題を解決するために、摩擦帯電チューブ内で粉体塗料を摩擦帯電させ、摩擦帯電させた粉体塗料を吐出口から被塗装物に噴射して塗装する摩擦帯電ガンと、摩擦帯電ガンの吐出口付近に設置されたコロナ電極と、コロナ電極にコロナ放電電圧を印加する高圧発生器とを備え、高圧発生器からコロナ電極にコロナ放電電圧を印加して、摩擦帯電させた粉体塗料の電荷と逆極性の電荷をコロナ電極から発生させながら摩擦帯電させた粉体塗料を被塗装物に噴射して塗装を行うこと特徴とする。
コロナ電極への印加の方法としては、コロナ放電電圧を間欠的に変化させる方法、低電圧のパルス信号を高電圧に昇圧して作成する方法を採用することができる。
前記コロナ電極は、プラスの電極とマイナスの電極がそれぞれ少なくとも1本以上設置してもよい。
前記摩擦帯電ガンの前記吐出口付近に、コロナ電極から放出されるフリーイオンを除去するアースを設置してもよい。
この発明によれば、凹部への入り込み、端面部の平滑性が良好であるという摩擦帯電ガンの利点を損なうことなく、コロナ電極によるコロナ放電を追加することにより、より効果的な粉体塗装が行える。
この発明において使用するコロナ電極付の摩擦帯電ガンを示す概略断面図である。 この発明の被塗装物の一例である配電盤の扉を示す斜視図である。 図2に示す被塗装物を塗装する塗装ブースの一例を示す概略平面図である。 (a)は、この発明の被塗装物の一例である排気口の正面図、(b)その側面図である。 図4に示す被塗装物を塗装する塗装ブースの一例を示す概略平面図である。配電盤の扉を示す斜視図である。 この発明の被塗装物の一例であるブレーキパッドを示す斜視図である。 図6に示す被塗装物を塗装する塗装ブースの一例を示す概略正面図である。 図6に示す被塗装物を塗装する塗装ブースの他の例を示す概略平面図である。 図6に示す被塗装物を塗装する塗装ブースの他の例を示す概略正面図である。
以下、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明で使用する摩擦帯電ガン1の概略図を示している。
摩擦帯電ガン1は、非導電性樹脂の内筒2aと外筒2bからなる摩擦チューブ2を備える。この摩擦チューブ2内には、粉体塗料3と圧縮空気4が供給され、摩擦チューブ2と粉体塗料3との間で摩擦が生じ、この摩擦によって粉体塗料3が帯電し、帯電した粉体塗料3が吐出口5から被塗装物Aに向かって噴射される。
帯電した粉体塗料3が、噴射空気によって被塗装物Aに近づくと、接地された被塗装物Aの表面に、粉体塗料3の電荷とは反対極性の電気が誘起され、粉体塗料3と被塗装物Aとの間に静電気力が働き、この静電気による吸引力と噴射空気の吹き付け力の双方の力によって、粉体塗料3が被塗装物Aの表面に塗着される。
粉体塗料3は、摩擦チューブ2と接触(摩擦)することにより、帯電する。粉体塗料3が帯電(例えば、プラス(+))した場合、摩擦チューブ2にはマイナス(−)が帯電する。したがって、摩擦チューブ2のマイナス(−)電荷を速やかに、逃がさなければ、次々搬送されてくる粉体塗料3が帯電しない。このため、摩擦帯電ガン1では、摩擦チューブ2を構成する内筒の内部にアルミ棒4aと外筒の外面にアルミフィルム4bを設置し、摩擦チューブ2を接地(アース)して摩擦チューブ2に溜まった電荷を前記内筒のアルミ棒4aと外筒のアルミフィルム4bから逃がすようにしている。アース線6の途中には、電流計を設けている。
例えば、摩擦チューブ2をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で形成し、粉体塗料3としてポリエステル系粉体塗料を使用した場合、粉体塗料3にはプラス(+)の電荷が蓄積され、摩擦チューブ2にはマイナス(−)の電荷が蓄積されるが、摩擦チューブ2に蓄積されるマイナス(−)の電荷はアース(接地)に流れる。
摩擦チューブ2によって摩擦帯電した粉体塗料3は、ガン先の吐出口5から被塗装物Aに向かって噴射される。
この発明の摩擦帯電ガン1の吐出口5には、周方向に等間隔でコロナ電極7を設置している。
このコロナ電極7には、保護抵抗8を経由して高圧発生器9が接続され、高圧発生器9から高電圧を印加することにより、コロナ電極7からコロナ放電が行えるようになっている。
この発明は、被塗装物Aの形状や材質等の塗装条件に応じてコロナ電極7に高圧発生器9から印加するコロナ放電電圧を変化させることに特徴がある。
例えば、被塗装物Aが、図2に示すような配電盤の扉の場合には、コロナ電極7に高圧発生器9から印加するコロナ放電電圧を次のように変化させている。
配電盤の扉は、表面は平坦面であるが、裏面は角型の鋼管10が等間隔で溶接された凹凸面になっている。
この配電盤の扉の塗装を行う塗装ブース11には、図3に示すように、レシプロケーター12に、コロナ電極7の付いた摩擦帯電ガン1を、扉の表面側の塗装用に2ガン、裏面用に3ガン、計5ガンを配置している。塗装ブース11には、集塵ダクト13を摩擦帯電ガン1の対向位置に2カ所設置している。
この発明では、表面用の2本の摩擦帯電ガン1と裏面側の3本の摩擦帯電ガン1に付加されているコロナ電極7に高圧発生器9から印加するコロナ放電電圧を次のように制御しながら塗装を行っている。
配電盤の扉の表面は平坦面であるので、両側のエッジ部を塗装する際に、コロナ電極7からコロナ放電を発生させると、エッジ部に粉体塗料が集中し、静電反発を起こしたり、塗膜が圧膜になって平滑性を損なう恐れがある。このため、両側のエッジ部を塗装する際には、表面用の2本の摩擦帯電ガン1のコロナ電極7に高圧発生器9からの印加を停止する。
そして、コロナ電極7に高圧発生器9からの印加を停止した状態で、塗装を行った後、摩擦帯電ガン1が扉の表面の平坦面に位置した状態で、表面用の2本の摩擦帯電ガン1のコロナ電極7に高圧発生器9からコロナ放電電圧を印加する。これにより、扉の表面の平坦面は、コロナ放電による電場によって粉体塗料3が効率的に付着する。
このように、配電盤の扉の表面を塗装する際に、高圧発生器9からのコロナ電極7への印加と停止を間欠的に行うことにより、エッジ部の平滑性を損なうことなく、扉の表面全体を効率的に塗装することができる。
扉の裏面は、角型の鋼管10が等間隔で溶接された凹凸面になっている。このため、凹み部分を塗装する際に、コロナ電極7からコロナ放電させると、凹み内に粉体塗料3が侵入しにくくなるため、凹凸形状に合わせて、裏面側の摩擦帯電ガン1の高圧発生器9からのコロナ電極7への印加と停止を間欠的に細かく制御することにより、凹凸のある扉の裏面全体を効率的に塗装することができる。
コロナ電極7の制御は、上記のように、ON−OFFを繰り返す制御の他、OFFの代わりに、例えば30KVのような粉体塗料3に帯電量が非常に小さい、又は付着しない低電圧を使用してもよい。電圧に関しては、粉体塗料3の種類、被塗装物Aの形状によって高電圧と低電圧を切り替えるようにしてもよい。また、コロナ電極7へ低電圧のパルス信号を高電圧に昇圧して印加する電圧の高低を利用してもよいし、直流高電圧とパルス状高電圧を利用するようにしてもよい。
次に、図4(a)(b)に示す被塗装物Aは、ビル、住宅の外壁に設置する排気口である。
排気口は、ルーバー14が狭い間隔で並ぶ複雑な形状をしている。
この排気口を塗装する塗装ブース15には、図5に示すように、排気口を、2列に3個ずつ計6個をハンギングするハンガー16と、両側にレシプロケータ17によって上下動可能にコロナ電極7付きの摩擦帯電ガン1を3本ずつ計6本が設置されている。
この排気口の塗装では、ルーバー14内を塗装する際には、コロナ電極7に高電圧を印加し、コロナ放電をさせていると、静電反発によって、ルーバー14内に摩擦帯電した粉体塗料3が隙間に入らないため、コロナ電極7への高電圧の印加を停止した状態でおこなう。
この排気口の材質は、ステンレス製であり、前処理(脱脂)後、電着塗装を行い、その上にメタリックの粉体塗装を行なう。
電着塗装された表面塗膜は、絶縁性があり、静電反発が起こりやすい。また、粉体塗料3がアルミ顔料を含むメタリック塗料の場合、電場に強い箇所、例えば被塗装物Aのエッジ部等には、多くのメタリック塗料付着し、黒ずむが発生しやすい。
このため、電着塗装の後に、メタリック塗料を使用して塗装する場合には、塗装面が絶縁性であるため、被塗装物Aの電荷量の少ない摩擦帯電ガン1の塗装でも、静電反発が発生しやすい。特にエッジ部への粉体塗料3の付着が多く、黒ずみによって不良品が発生しやすい。
このため、摩擦帯電ガン1による塗料粒子への電荷がプラス(+)極である場合、コロナ電極7からの電荷をマイナス(−)極として電圧を印加する。例えば、コロナ電極7の最大電圧を−72KVに設定し、最低電圧を−23KVに設定する。低電圧23KVの印加の際に、摩擦帯電での粉体塗料3の付着を重視した塗装を行う。そして、静電反発や、エッジ部に黒ずみが生じる部位を塗装する際には、摩擦帯電ガン1による摩擦帯電の電荷プラス(+)と、逆のマイナス(−)電荷をコロナ電極7から付加することにより、被塗装物Aに付着した粉体塗料3の電荷を逆の電荷(電場)によって相殺し、粉体塗料3内に蓄積した電荷量をなくすことにより、静電反発を軽減するようにし、黒ずみの発生を防止した。
また、コロナ放電による電場を調整するために、摩擦帯電ガン1の吐出口5付近に、コロナ電極7から放出されるフリーイオンを除去するアースを設置するようにしてもよい。
が設置
次に、図6に示す被塗装物Aは、車部品のブレーキパッド18である。
ブレーキパッド18は、キャリパーに固定するメタル部19とブレーキ制御を行なうライニング部20から構成されている。
近年、ライニング部20内の金属、例えば銅粉の飛散が環境ホルモンへの影響からライニング部20の材質が絶縁材系(金属フリー)に変わりつつある。そのために一般の塗装方法では絶縁材であるライニング部20の塗装ができない。絶縁材に塗装を行なってもスケが発生しやすい。
ブレーキパッド18の塗装は、ブレーキパッド18の製造直後、例えば150℃で成型され、そのまま塗装(塗装時物温100℃〜140℃付近)を行なう場合と、製造ラインの停止により、常温で行う場合とがある。
そして、ライニング部20の材質が導電性、絶縁性、また、物温に上記のような温度差がある場合も、図7に示すような、一つの塗装ラインで行うことが多い。
図7に示すように、ブース21内には非導電性樹脂(耐熱)のエンドレスのベルト22が設置され、このベルト22の中央部には進行方向に、導電性の耐熱樹脂が埋め込まれたアース(接地)線23されている。
ブレーキパッド18が通過する、ブース21内の天井部にも図9に示すように、アース(接地)線23が設置されている。天井からのアース線23はライニング部20が絶縁、抵抗値が大きい場合に、使用される。
ブース21には、コロナ電極7付きの摩擦帯電ガン1が2本設置されている。
粉体塗料はエポキシ系樹脂で、摩擦帯電では塗料粒子がプラス(+)に帯電される。また、コロナ電極7からはマイナス(−)の電荷が発生するようにしている。
ストックラインから整列されたブレーキパッド18は、移載装置により、ベルト22に移載されて、ブース21内に搬送される。
ブレーキパッド18の材質、温度条件によって、摩擦帯電ガン1のコロナ電極7の電圧を次のように制御して塗装を行う。
ライニング部20が常温、導電性の場合、天井に配置されたアース線23は駆動せず、即ち、メタル部19に接触しない状態で、ベルト22のアース線23からアースを行う。
塗装は、コロナ電極7への印加をOFFとし、粉体塗料3の粒子の摩擦帯電(+)のみで塗装を行なう。
次に、物温が100℃〜140℃付近で、ライニング部20が導電性の場合、アース(接地)は常温塗装と同様にブース21の天面からではなく、ベルト22のアース線23からから行なう。
そして、塗装は、コロナ電極7への印加をON−OFF−ONと切り替えながら、ONの時にマイナス(−)の電荷を放電する。つまり、コロナ放電による塗装と、摩擦帯電のみの塗装を切り替えて行う。その理由は、メタル部19が高温のため、その上部では上昇気流が発生する。そのために摩擦帯電ガン1のみによる帯電では、電場が存在しないため、その上昇気流に邪魔され、メタル部19にスケが発生する。そこで、コロナ電極7をON−OFF−ONすることにより、コロナ電極7からメタル部19への電場形成により塗装を行なうようにした。
次に、ライニング部20が絶縁材で、予熱によりライニング部20が加温されている場合には、ライニング部20の抵抗値が下がるので、導電性のライニング部20と同じように塗装が可能となる。
一方、ライニング部20が絶縁材で常温(室温)の場合には、ライニング部20は、絶縁性か抵抗値が大きいので、ライニング部20の塗装が困難となる。この場合には、エンドレスのベルト22に整列された状態で、ブレーキパッド18がブース21内に移動しても、ベルト22上のアース線23は、ライニング部20が絶縁性のため、メタル部19のアースができない。このため、ブース21の天井部に設置されたアース線23からアース行った状態で、コロナ電極7の印加のON−OFF−ONを行なう。
メタル部19は、摩擦帯電によって塗装が十分可能であるが、絶縁材のライニング部20の塗装にばらつき(塗装ができるところと、できないところが斑模様)が発生するが、コロナ電極7への印加をON−OFF−ONして電場を間欠的に形成することにより、塗装が可能になる。その理由は、コロナ電極7によるマイナス(−)の電場による塗装と、摩擦帯電によるプラス(+)のみの塗装が交互に作用することにより、絶縁部に片方の電荷が蓄積されないことによって、塗装が可能になったものと考えられる。
メタル部19の上面部に接触したアース線23の接触痕は、その後の粉体塗料3のオーバースプレー粉の付着により、接触痕は見られない。この実施例では、コロナ電極7の電極はマイナス(−)を使用したが、場合によってはプラス(+)を使用してもよい。また、コロナ電極7からの放電電圧をプラス(+)とマイナス(−)の切り替えを組み合わせるようにしてもよい。
1 摩擦帯電ガン
2 摩擦チューブ
2a 内筒
2b 外筒
3 粉体塗料
4 圧縮空気
4a アルミ棒
4b アルミフィルム
5 吐出口
6 アース線
7 コロナ電極
8 保護抵抗
9 高圧発生器
10 鋼管
11 塗装ブース
12 レシプロケーター
13 集塵ダクト
14 ルーバー
15 塗装ブース
16 ハンガー
17 レシプロケータ
18 ブレーキパッド
19 メタル部
20 ライニング部
21 ブース
22 ベルト
23 アース線
A 被塗装物

Claims (4)

  1. 摩擦帯電チューブ内で粉体塗料を摩擦帯電させ、摩擦帯電させた粉体塗料を吐出口から被塗装物に噴射して塗装する摩擦帯電ガンと、摩擦帯電ガンの吐出口付近に設置されたコロナ電極と、コロナ電極にコロナ放電電圧を印加する高圧発生器とを備え、高圧発生器からコロナ電極にコロナ放電電圧を印加して、摩擦帯電させた粉体塗料の電荷と逆極性の電荷をコロナ電極から発生させながら摩擦帯電させた粉体塗料を被塗装物に噴射して塗装を行うこと特徴とする粉体塗装方法。
  2. 前記高圧発生器からコロナ電極に印加するコロナ放電電圧を間欠的に変化させることを特徴とする請求項1記載の粉体塗装方法。
  3. 前記高圧発生器からコロナ電極に印加するコロナ放電電圧を、低電圧のパルス信号を高電圧に昇圧して作成する請求項1又は2記載の粉体塗装方法。
  4. 前記摩擦帯電ガンの前記吐出口付近に、コロナ電極から放出されるフリーイオンを除去するアースが設置されている請求項1〜のいずれかに記載の粉体塗装方法。
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