JP5958863B2 - 純粋な中間体 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、レトロゾール(I)及びその合成中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の調製のための改善された方法に関する。本発明は特に、位置異性体不純物を実質的に含まないレトロゾール及びその中間体(III)を調製するための方法に関する。本発明はまた、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の酸付加塩(例えばシュウ酸塩)に関する。さらに、本発明の方法によって調製可能なレトロゾール(I)、中間体(III)及びその塩に関する。
発明の背景
レトロゾール(化学名:4−[1−(4−シアノフェニル)−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル)]ベンゾニトリル)(I)は、アロマターゼ阻害剤として知られる新たなクラスの薬物の1つである。多くの乳癌はホルモンのエストロゲンを利用してサイズを増すが、アロマターゼ阻害剤は、閉経後の女性のエストロゲンレベルを低減させることによって機能する。閉経を経験した女性において、エストロゲンは主として、アンドロゲン(副腎によって生成される性ホルモン)からエストロゲンへの変換を通じて得られる。芳香族化として知られる変換プロセスは主として体の脂肪組織において生じ、アロマターゼという酵素によって触媒される。レトロゾールはこの芳香族化プロセスを阻止し、体内のエストロゲン量を低減させる。そのため、レトロゾールは、女性の乳癌の治療に使用されるホルモン療法剤の1つとして販売されている。
レトロゾール及びそれを調製するための方法は米国特許第4,978,672号に最初に開示された。レトロゾールの合成は、触媒としてのカリウムtert−ブトキシドの存在下、中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)と4−フルオロベンゾニトリル(IV)との反応を介して進行する。中間体(III)の調製は、還流下、クロロホルム及びアセトニトリルの混合物中での4−ブロモメチルベンゾニトリルと1,2,4−トリアゾールとの反応、次いでカラムクロマトグラフィーによる生成物(III)の精製によって達成される。中間体(III)の調製中に、望ましくない位置異性体、すなわち4−[(1−(1,3,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(V)が約20〜25%の収率で形成されることが判明している。この位置異性体の形成は、収率の不経済な損失、及び中間体(III)の困難かつ不便な精製(これは、位置異性体不純物(V)を除去するのに必要とされる。)につながる。加えて、完全精製は不可能であり、不純物(V)は合成中存続し、レトロゾールを調製する合成ステップにおいて位置異性体(II)の形成をもたらす。そのため、レトロゾールの最終精製の際は不純物(II)の除去を行う必要がある。これらの2つの精製は非常に困難であり、カラムクロマトグラフィーによる精製中に相当な量の材料が失われる。加えて、カラムクロマトグラフィーによる不純物の除去はプロセスの溶媒消費量を大幅に増加させるため、カラムクロマトグラフィーを使用する精製はレトロゾール又はその中間体の工業的生産のための現実的なアプローチではない。
国際公開第2005/047269号パンフレットに開示されている、レトロゾールの調製のための他の方法は、カラムクロマトグラフィーによる望ましくない位置異性体の除去が問題であることを認識したものである。中間体(III)からの不要な不純物(V)の分離のための方法としては次の方法が開示されている。すなわち、溶媒のジクロロメタン及びクロロホルムに比較的溶解性が低い該中間体の塩酸塩を調製し、所望生成物である塩酸塩を溶液中に残したまま濾過により分離する。次いで、所望の中間体を遊離塩基として単離し、溶媒の除去によって精製してHPLC純度99.7%の中間体(III)を得る。異性体純度の制御はこの方法によってある程度達成されるが、所望の生成物(III)のかなりの量の損失を回避することはできない。特に、この方法は、数種の溶媒の使用を要すること、スケールアップを妨げる、望ましくない異性体の分離のための長期のプロセスを伴うものであることから、この方法は商業的生産にとって魅力的ではない。加えて、位置異性体不純物(V)は生成物(III)中に依然として検出される。上述の通り、不純物(V)は商業規模でレトロゾールから除去することが非常に困難な位置異性体不純物(II)に変換されるため、不純物(V)の検出はレトロゾールの調製において非常に不利である。
中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の位置特異的調製は国際公開第2004/076409号パンフレットに開示されている。開示の方法では、反応の位置選択性が達成できるように1,2,4−トリアゾールの4−アミノ−誘導体を使用して、位置異性体不純物を実質的に含まない中間体(III)を得る。所望の中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は、亜硝酸ナトリウム及び濃塩酸による該中間体の4−アミノ誘導体の脱アミノ化によって得られる。しかしながら、この方法は、余分なステップが合成に必要とされ、脱アミノ化反応中に毒性の亜硝酸が形成される点で不利である。そのため、この方法はあまり安全ではなく、レトロゾールの商業的生産にふさわしいアプローチではない。加えて、この方法は、1,3,4−トリアゾリル異性体不純物のレベルを低減させたが、不純物の形成を完全に解消したわけではない。
位置異性体不純物を低減させるための同様のアプローチは、国際公開第2007/039912号パンフレット及び米国特許出願公開第2007/0066831号に記載されている。そこでは、1,2,4−トリアゾールのアルカリ金属(好ましくはナトリウム又はカリウム)塩とα−ブロモ−トルニトリル(4−ブロモメチルベンゾニトリル)との反応が開示されている。1,2,4−トリアゾールのアルカリ金属塩を溶媒(例えば、NMP、DMAc、DMF、THF又はそれらの混合物)に溶解し、その後、4−ブロモメチルベンゾニトリルで処理して中間体(III)を得る。この方法は、1,3,4−トリアゾリル異性体不純物のレベルを低減させたが、不純物の形成を完全に解消したわけではない。加えて、1,2,4−トリアゾールのアルカリ塩の形成は、追加ステップのためにプロセスの時間サイクルを増大させる。この方法も最終生成物レトロゾールの精製のためのカラムクロマトグラフィーを必要とし、このことが該方法を工業的用途にふさわしくないものとしている。
国際公開第2007/144896号パンフレットに開示されている他のアプローチでは、4,4’−二置換ジフェニルメタン部分を調製し、次いで1,2,4−トリアゾール環を導入してレトロゾールを得る。この方法は、カリウム第三級ブトキシドを触媒として使用する、DMF中での4−フルオロベンゾニトリル(IV)と4−トルニトリルとのカップリングを伴う。得られる4,4’−ジ(シアノフェニル)メタンをN−ブロモコハク酸イミドで臭素化してブロモメチル中間体を得、これを1,2,4−トリアゾールと反応させてレトロゾールを得る。しかしながら、1,3,4−トリアゾリル異性体不純物(II)の形成を完全に回避することはできず、加えて、4−トルニトリルと4−フルオロベンゾニトリルとの反応は、特に商業規模で除去することが厄介なトリス−フェニル不純物(T)の顕著な形成をもたらす。
米国特許出願公開第2005/0209294号に開示されている他の方法では、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミド中、4−ブロモメチルベンゾニトリルと1,2,4−トリアゾールのLi、Na又はK塩との10℃での反応が行われる。次いで、生成物である中間体(III)が、2−プロパノール、トルエン又はジイソプロピルエーテルからなる群から選択される溶媒を使用する溶媒結晶化によって精製される。この方法では、1,2,4−トリアゾールLi、Na又はK塩を調製するために1つの追加ステップが必要であり、また、純粋な生成物が得られない。
国際公開第2007/090464A1号パンフレットに開示されているさらなる方法では、1,2,4−トリアゾールを水素化ナトリウムの懸濁液と反応させた後、4−ブロモメチルベンゾニトリルとさらに反応させて中間体(III)を得る。反応生成物は、さらに精製することなくレトロゾールに直接変換される。この出願に開示されているプロセスを繰り返した場合、レトロゾール及び中間体(III)における位置異性体不純物レベルはむらがあり、純度はせいぜい90.0%前後である。加えて、水素化ナトリウムの使用も該方法を商業規模では比較的安全性の低いものとする。
国際公開第2007/054964A2号パンフレットに開示されている方法では、2−プロパノール中、炭酸カリウムを塩基として用いて1,2,4−トリアゾールを4−ブロモメチルベンゾニトリルと反応させ、中間体(III)を単離する。反応完了後、粗反応混合物の塩酸塩を調製することによって望ましくない位置異性体(V)が除去され、次いで溶媒抽出、さらにアルカリ性条件下での生成物の抽出が行われる。所望の純度を達成するための種々のpH条件下での異なる抽出は、プロセスを長期かつ煩雑なものにする。また、このプロセスを繰り返しても、位置異性体不純物のない中間体(III)又はレトロゾール(I)は得られない。
国際公開第2007/107733A1号パンフレットに開示されている方法では、1,2,4−トリアゾールと4−ブロモメチルベンゾニトリルとの反応において、塩基として炭酸セシウム及び触媒量のヨウ化カリウムが使用される。反応工程では、CsCO、KI及び1,2,4−トリアゾールをアセトンに溶かし、DCM中の4−ブロモメチルベンゾニトリルの溶液をゆっくり添加し、次いで反応混合物を還流させる。塩酸塩を調製することにより所望の異性体(III)の単離及び精製を行って、生成物(III)を所望の異性体純度99%で得る。
国際公開第2009/069140A1号パンフレットに開示されている他の方法では、50〜110℃のトルエン中、4−ブロモメチルベンゾニトリル及び塩基(炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等)の混合物に少量の1,2,4−トリアゾールを添加してトリアゾール中間体(III)を得る。有機溶媒の除去後の残留物は酢酸エチルに溶解され、水で洗浄される。次いで、IPA−HCl溶液を添加してpHは0〜2に調整される。塩酸塩を塩基性化することによって精製トリアゾール中間体を遊離させて、異性体純度が99.0%の生成物を得る。
上記の酸/塩基精製方法を繰り返し行ったところ、いずれの方法においても、所望の異性体(III)又は(I)の位置異性体純度はせいぜい99.0%であった。これらの方法は種々の溶媒での抽出及び/又はカラムクロマトグラフィーを必要とし、このことがこれらの方法を商業規模では実現可能性の低いものにしている。
したがって、レトロゾール及びその中間体の調製について上述した先行技術の方法は、プロセスに関係する不純物の形成及び除去、有害な反応物質の使用による低い商業的実現可能性、カラムクロマトグラフィー等の高価で時間のかかる分離方法、及び/又は最終生成物の低収率に関して大きなデメリットを有する。
レトロゾールの商業的生産は非常に重要であるので、また、先行技術に関連する上記のデメリットを考慮すると、多数のステップを伴わず、煩雑な精製、特に位置異性体(II)及び(V)の除去の必要のない、レトロゾール(I)及び中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の調製のための代替的な改善された方法が真に必要である。代替的な方法は経済的かつ高収率なものでなくてはならず、また、化学的純度の高いレトロゾールを提供するものでなくてはならない。
本発明は、99.7%以上の異性体純度及び化学的純度を有する中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)及びレトロゾール(I)の調製のための、単純、経済的で、商業的に実現可能な方法を提供する。
高純度のレトロゾールの調製について先行技術で直面した困難は、高純度の中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)をその塩を介して調製することによって本発明において克服されている。
本発明の第1の態様は、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の酸付加塩であって、酸が塩酸ではない塩を提供する。
本発明の第2の態様は、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の酸付加塩であって、酸が有機酸である塩を提供する。
本発明の第1又は第2の態様の一実施形態において、酸は、−1を超えるpK(対水)を有する。例えば、酸は、約−0.5、0、1、2又は3のpKを有し得る。好ましくは、酸は、0を超える、より好ましくは1を超えるpK(対水)を有する。
本明細書において、「酸」は、pK(対水)が10未満の任意の化合物を指す。場合により、「酸」は、pKが5未満の任意の化合物を指す。
酸のpK値は、当技術分野において、例えば「Advanced Organic Chemistry」,J.March著,第4版,1992, 250〜252頁の表8.1から知られている。
好ましくは、酸はカルボン酸(例えばモノ、ジ又はトリカルボン酸)である。
酸がモノカルボン酸である場合、好ましくは、酸は、式RCOOH[式中、Rは、水素、又は置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール若しくはアルキニルアリール基から選択される。]によって表わされる。好ましくは、Rは、置換されていてもよいアルキル又はアリールアルキル基である。より好ましくは、Rは、置換されていてもよいC〜C20アルキル基であり、さらに好ましくは、Rは、置換されていてもよいC〜C12アルキル基である。最も好ましくは、Rは、置換されていてもよいC〜Cアルキル基である。
本発明において、「アルキル」基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環式基であっても環式基を含んでもよい一価飽和炭化水素として定義される。アルキル基は、炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子N、O又はSを含んでもよい。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル及びn−ペンチル基が挙げられる。好ましくは、アルキル基は直鎖状又は分岐鎖状であり、炭素骨格中にいかなるヘテロ原子も含まない。好ましくは、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を含むアルキル基として定義されるC〜C12アルキル基である。より好ましくは、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基として定義されるC〜Cアルキル基である。「アルキレン」基は、二価アルキル基として同様に定義される。
「アルケニル」基は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含み、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環式基であっても環式基を含んでもよい一価炭化水素として定義される。アルケニル基は、炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子N、O又はSを含んでもよい。アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、ブタ−1−エニル及びブタ−2−エニル基が挙げられる。好ましくは、アルケニル基は直鎖状又は分岐鎖状であり、炭素骨格中にいかなるヘテロ原子も含まない。好ましくは、アルケニル基は、2〜12個の炭素原子を含むアルケニル基として定義されるC〜C12アルケニル基である。より好ましくは、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含むアルケニル基として定義されるC〜Cアルケニル基である。「アルケニレン」基は、二価アルケニル基として同様に定義される。
「アルキニル」基は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環式基であっても環式基を含んでもよい一価炭化水素として定義される。アルキニル基は、炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子N、O又はSを含んでもよい。アルキニル基としては、例えば、エチニル、プロパルギル、ブタ−1−イニル及びブタ−2−イニル基が挙げられる。好ましくは、アルキニル基は直鎖状又は分岐鎖状であり、炭素骨格中にいかなるヘテロ原子も含まない。好ましくは、アルキニル基は、2〜12個の炭素原子を含むアルキニル基として定義されるC〜C12アルキニル基である。より好ましくは、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含むアルキニル基として定義されるC〜Cアルキニル基である。「アルキニレン」基は、二価アルキニル基として同様に定義される。
「アリール」基は、一価芳香族炭化水素として定義される。アリール基は、炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子N、O又はSを含んでもよい。アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル及びフェナントレニル基が挙げられる。好ましくは、アリール基は、炭素骨格中にいかなるヘテロ原子も含まない。好ましくは、アリール基は、4〜14個の炭素原子を含むアリール基として定義されるC〜C14アリール基である。より好ましくは、アリール基は、6〜10個の炭素原子を含むアリール基として定義されるC〜C10アリール基である。「アリーレン」基は、二価アリール基として同様に定義される。
本発明においては、基の組み合わせが1つの部分(moiety)をなし、例えばアリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリールと呼ばれる場合、該部分(moiety)が分子の残りの部分に結合する原子は最後に挙げられた基に含まれる。アリールアルキル基の典型的な例はベンジルである。
本発明において、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリール基は、−F、−Cl、−Br、−I、−CF、−CCl、−CBr、−CI、−OH、−SH、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−Rα−O−Rβ、−Rα−S−Rβ、−Rα−SO−Rβ、−Rα−SO−Rβ、−Rα−SO−ORβ、−RαO−SO−Rβ、−Rα−SO−N(Rβ、−Rα−NRβ−SO−Rβ、−RαO−SO−ORβ、−RαO−SO−N(Rβ、−Rα−NRβ−SO−ORβ、−Rα−NRβ−SO−N(Rβ、−Rα−N(Rβ、−Rα−N(Rβ 、−Rα−P(Rβ、−Rα−Si(Rβ、−Rα−CO−Rβ、−Rα−CO−ORβ、−RαO−CO−Rβ、−Rα−CO−N(Rβ、−Rα−NRβ−CO−Rβ、−RαO−CO−ORβ、−RαO−CO−N(Rβ、−Rα−NRβ−CO−ORβ、−Rα−NRβ−CO−N(Rβ、−Rα−CS−Rβ、−Rα−CS−ORβ、−RαO−CS−Rβ、−Rα−CS−N(Rβ、−Rα−NRβ−CS−Rβ、−RαO−CS−ORβ、−RαO−CS−N(Rβ、−Rα−NRβ−CS−ORβ、−Rα−NRβ−CS−N(Rβ、−Rβ、架橋置換基(例えば、−O−、−S−、−NRβ−、−Rα−)又はπ−結合置換基(例えば、=O、=S、=NRβ)の少なくとも1種で置換されていてもよい。ここで、−Rα−は、独立に、化学結合、C〜C10アルキレン、C〜C10アルケニレン又はC〜C10アルキニレン基である。−Rβは、独立に、水素、非置換C〜Cアルキル又は非置換C〜C10アリールである。任意選択の置換基で置換されている親基中の炭素原子の総数を算出する場合、好ましくは該任意選択の置換基を考慮に入れる。好ましくは、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリール基は架橋置換基で置換されていない。好ましくは、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリール基はπ−結合置換基で置換されていない。好ましくは、置換されている基は置換基を1、2又は3個、より好ましくは1又は2個、より好ましくは1個含む。
任意選択の置換基は保護されていてもよい。任意選択の置換基を保護するための適切な保護基は、当技術分野において、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis」,T.W.Greene及びP.G.M.Wuts著(Wiley−Interscience,第4版,2006)から知られている。
好ましくは、酸がモノカルボン酸である場合、酸はギ酸、酢酸、プロピオン酸又は酪酸から選択される。
本発明の第1又は第2の態様の好ましい一実施形態において、酸はジカルボン酸、例えば式HOOC−R−COOH[式中、−R−は、化学結合、又は置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン若しくはアリールアルキニレン基から選択される。]によって表わされる酸である。好ましくは、−R−は、化学結合、又は置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、アルキニレン若しくはアリーレン基から選択される。より好ましくは、−R−は、化学結合、又は置換されていてもよいアルキレン若しくはアルケニレン基から選択される。最も好ましくは、−R−は、化学結合又は置換されていてもよいアルキレン基から選択される。
本発明においては、基の二価の組み合わせが1つの部分(moiety)をなし、例えばアリールアルキレン、アリールアルケニレン又はアリールアルキニレンと呼ばれる場合、該部分(moiety)が分子の残りの部分に結合する一方の原子は最後に挙げられた基に含まれ、該部分(moiety)が分子の残りの部分に結合する他方の原子は最初に挙げられた基に含まれる。
本発明の第1又は第2の態様の一実施形態において、−R−は0〜20個の炭素原子を含む。好ましくは、−R−は、0〜12個の炭素原子、より好ましくは0〜6個の炭素原子を含む。最も好ましくは、−R−は0〜3個の炭素原子を含む。
酸がジカルボン酸である場合、例えば、ジカルボン酸は、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシマレイン酸、粘液酸又はパモン酸から選択される。好ましくは、ジカルボン酸はシュウ酸、酒石酸、コハク酸又はフマル酸から選択され、より好ましくはシュウ酸である。
本発明の第1又は第2の態様の一実施形態において、酸は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸又はカンファースルホン酸等の有機スルホン酸である。好ましくは、有機スルホン酸は、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸から選択される。
好ましくは、本発明の第1又は第2の態様の塩は化学的及び位置異性的にほぼ純粋である。例えば、本発明の第1又は第2の態様の塩は99.80%以上のHPLC純度を有する。好ましくは、塩は99.85%以上又は99.90%以上のHPLC純度を有し、最も好ましくは、塩は99.95%以上のHPLC純度を有する。
本明細書において、HPLC純度(%)は面積正規化法により測定される。
好ましくは、本発明の第1又は第2の態様の塩は位置異性体不純物(V)又はその塩を実質的に含まない。
本発明の第3の態様は、本発明の第1又は第2の態様の塩の調製のための方法であって、溶媒系中で4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)を酸と混合するステップを含む方法を提供する。
本発明の第3の態様の一実施形態において、溶媒系は、双極性非プロトン性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、エステル、ケトン)、極性プロトン性溶媒(例えば、アルコール、カルボン酸、アミン)、又はそれらの混合物を含む。好ましくは、溶媒系は双極性非プロトン性溶媒及び極性プロトン性溶媒の混合物を含む。
溶媒系が双極性非プロトン性溶媒を含む場合、好ましくは、双極性非プロトン性溶媒はエステル及びケトンから選択される。より好ましくは、双極性非プロトン性溶媒はケトンである。
本発明の第3の態様の溶媒系中で使用するのに適したケトンは、式RCORの化合物[式中、R及びRは、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリール基から独立に選択され、R及びRは、それらが結合した炭素原子と一緒になって環式ヒドロカルビル基(該環式ヒドロカルビル基は、炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子N、O又はSを含んでもよく、また、置換されていてもよい。)を形成していてもよい。]を含む。好ましくは、R及びRは、置換されていてもよいアルキル、アリール若しくはアリールアルキル基から独立に選択されるか、又は一緒になってアルキレン基(該アルキレン基は置換されていてもよい。)を形成する。より好ましくは、R及びRは、置換されていてもよいC1〜8アルキル基であるか、又は一緒になってC1〜8アルキレン基(該C1〜8アルキレン基は置換されていてもよい。)を形成する。さらに好ましくは、R及びRは、置換されていてもよいC1〜4アルキル基である。
本発明の第3の態様の溶媒系中で使用されるケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、ジプロピルケトン、シクロプロパノン、シクロヘキサノン及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン又はそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、ケトンはアセトンである。
溶媒系が極性プロトン性溶媒を含む場合、好ましくは、極性プロトン性溶媒はアルコール、例えばROH[式中、Rは、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリール基から選択される。]である。好ましくは、Rは、置換されていてもよいアルキル又はアリールアルキル基である。より好ましくは、Rは、置換されていてもよいC〜C20アルキル基であり、さらに好ましくは、Rは、置換されていてもよいC〜C12アルキル基又はC〜Cアルキル基である。好ましくは、ROHは一水酸基である。
本発明の第3の態様の溶媒系中で使用されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、第三級ブタノール又はそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、アルコールはメタノールである。
本発明の第3の態様の好ましい一実施形態において、溶媒系は、直鎖若しくは分岐鎖脂肪族ケトン、直鎖若しくは分岐鎖脂肪族C〜Cアルコール、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種の溶媒を含む。好ましくは、ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、第三級ブタノール又はそれらの混合物から選択される。
本明細書において、「脂肪族」とは、非環式又は環式、飽和又は不飽和の炭素含有化合物(芳香族化合物を除く。)を指す。
本発明の第3の態様の一実施形態において、溶媒系が双極性非プロトン性溶媒及び極性プロトン性溶媒(例えば、アセトン及びアルコール)を含む場合、溶媒系中の双極性非プロトン性溶媒対極性プロトン性溶媒の体積比は95:5〜5:95である。好ましくは、体積比は80:20〜20:80、より好ましくは60:40〜40:60である。最も好ましくは、体積比は約50:50である。
最も好ましくは、溶媒系はアセトン及びメタノールを含み、好ましくは、溶媒混合物中のアセトン:メタノールの体積比は95:5、より好ましくは80:20、より好ましくは60:40、最も好ましくは50:50である。
本発明の第3の態様の一実施形態では、溶媒系中で合計1〜10倍体積の溶媒が使用される。すなわち、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)1gにつき溶媒1〜10mlが使用される。好ましくは2〜6倍体積の溶媒が使用される。最も好ましくは約4倍体積の溶媒が使用される。
好ましくは、酸は4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)と10〜60℃、より好ましくは20〜40℃、最も好ましくは25〜30℃で反応させる。
典型的には、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)に対して例えば1〜10当量の酸が使用される。好ましくは1〜5当量の酸が使用され、より好ましくは1〜1.5当量の酸が使用され、最も好ましくは約1.05当量の酸が使用される。
本発明の第4の態様は、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の調製のための方法であって、溶媒系中、塩基及び触媒量のヨウ化物イオンの存在下、4−ブロモメチルベンゾニトリルを1,2,4−トリアゾールと反応させるステップを含む方法を提供する。
本発明の第4の態様の一実施形態において、溶媒系はケトン及び/又はアルコールを含む。好ましくは、溶媒系は、直鎖若しくは分岐鎖脂肪族ケトン、直鎖若しくは分岐鎖脂肪族C〜Cアルコール、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種の溶媒を含む。
本発明の第5の態様は、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の調製のための方法であって、ケトン及びアルコールを含む溶媒系中で4−ブロモメチルベンゾニトリルを1,2,4−トリアゾールと反応させるステップを含む方法を提供する。任意選択で、反応は塩基及び/又は触媒量のヨウ化物イオンの存在下で行われる。
本発明の第4及び第5の態様の溶媒系中で使用するのに適したケトンとしては、例えば式RCORの化合物[式中、R及びRは、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリール基から独立に選択され、R及びRは、それらが結合した炭素原子と一緒になって環式ヒドロカルビル基(該環式ヒドロカルビル基は、炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子N、O又はSを含んでもよく、また、置換されていてもよい。)を形成していてもよい。]が挙げられる。好ましくは、R及びRは、置換されていてもよいアルキル、アリール若しくはアリールアルキル基から独立に選択されるか、又は一緒になってアルキレン基(該アルキレン基は置換されていてもよい。)を形成する。より好ましくは、R及びRは、置換されていてもよいC1〜8アルキル基であるか、又は一緒になってC1〜8アルキレン基(該C1〜8アルキレン基は置換されていてもよい。)を形成する。さらに好ましくは、R及びRは、置換されていてもよいC1〜4アルキル基である。
本発明の第4及び第5の態様の溶媒系中で使用されるケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、ジプロピルケトン、シクロプロパノン、シクロヘキサノン及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン又はそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、ケトンはアセトンである。
本発明の第4及び第5の態様の溶媒系中で使用するのに適したアルコールとしては、例えば式ROHの化合物[式中、Rは、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリール基から選択される。]が挙げられる。好ましくは、Rは、置換されていてもよいアルキル又はアリールアルキル基である。より好ましくは、Rは、置換されていてもよいC〜C20アルキル基であり、さらに好ましくは、Rは、置換されていてもよいC〜C12アルキル基又はC〜Cアルキル基である。好ましくは、ROHは一水酸基である。
本発明の第4及び第5の態様の溶媒系中で使用されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、第三級ブタノール又はそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、アルコールはメタノールである。
本発明の第4又は第5の態様の一実施形態において、溶媒系がケトン及びアルコールを含む場合、溶媒系中のケトン対アルコールの体積比は95:5〜5:95である。好ましくは、体積比は80:20〜20:80、より好ましくは60:40〜40:60である。最も好ましくは、体積比は約50:50である。
最も好ましくは、溶媒系はアセトン及びメタノールを含む。好ましくは、溶媒系中のアセトン:メタノールの体積比は95:5、より好ましくは80:20、より好ましくは60:40、最も好ましくは50:50である。
本発明の第4又は第5の態様の一実施形態では、溶媒系中で1〜100倍体積の溶媒が使用される。すなわち、4−ブロモメチルベンゾニトリル出発材料1gにつき溶媒1〜100mlが使用される。好ましくは2〜25倍体積の溶媒が使用され、より好ましくは5〜15倍体積の溶媒が使用される。最も好ましくは約10倍体積の溶媒が使用される。
好ましくは、4−ブロモメチルベンゾニトリルは1,2,4−トリアゾールと20〜100℃、より好ましくは20〜60℃、より好ましくは20〜40℃、最も好ましくは25〜30℃で反応させる。
典型的には、4−ブロモメチルベンゾニトリルは1,2,4−トリアゾールと30分〜48時間反応させる。好ましくは、4−ブロモメチルベンゾニトリルは1,2,4−トリアゾールと1〜12時間、より好ましくは2〜6時間反応させる。最も好ましくは、4−ブロモメチルベンゾニトリルは1,2,4−トリアゾールと3〜5時間反応させる。
典型的には、4−ブロモメチルベンゾニトリルに対して例えば0.5〜10当量の1,2,4−トリアゾールが使用される。好ましくは0.75〜5当量の1,2,4−トリアゾールが使用され、最も好ましくは約1当量の1,2,4−トリアゾールが使用される。
本発明の第4又は第5の態様の好ましい一実施形態において、1,2,4−トリアゾールは、塩形態ではなく遊離塩基の形態で反応混合物に添加される。
本発明の第4又は第5の態様の一実施形態において、塩基は炭酸塩又は重炭酸塩である。好ましくは、塩基は、金属炭酸塩若しくは金属重炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム)又は炭酸アンモニウム若しくは重炭酸アンモニウムである。より好ましくは、塩基は金属炭酸塩、最も好ましくは炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムである。
典型的には、4−ブロモメチルベンゾニトリルに対して例えば0.5〜10当量の塩基が使用される。好ましくは0.75〜5当量の塩基が使用され、最も好ましくは約1当量の塩基が使用される。
好ましくは、ヨウ化物イオンはヨウ化カリウム又はヨウ化ナトリウムとして存在する。
典型的には、4−ブロモメチルベンゾニトリルに対して例えば0.01〜1当量のヨウ化物イオンが使用される。好ましくは0.05〜0.5当量のヨウ化物イオンが使用され、最も好ましくは約0.1当量のヨウ化物イオンが使用される。
反応が完了したら、反応混合物は、任意選択で、例えば水及び/又は酢酸等の酸の添加によってクエンチしてもよい。好ましくは、反応混合物のpHは5〜8に調整する。より好ましくは、反応混合物のpHは6〜7に調整する。
本発明の第4又は第5の態様の一実施形態において、形成された4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は塩に変換される。好ましくは、形成された4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は本発明の第3の態様の方法に従って塩に変換される。
本発明の第6の態様は、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の調製のための方法であって、本発明の第1若しくは第2の態様の塩又は本発明の第3〜第5の態様のいずれかの方法によって調製された塩を精製するステップと、精製された塩から4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)を遊離させるステップと、を含む方法を提供する。
本発明の第6の態様の一実施形態において、塩の精製は溶媒系からの結晶化によって行われる。溶媒系は、例えば、双極性非プロトン性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、エステル、ケトン)、極性プロトン性溶媒(例えば、アルコール、カルボン酸、アミン)、又はそれらの混合物を含む。好ましくは、溶媒系は双極性非プロトン性溶媒及び極性プロトン性溶媒の混合物を含む。
溶媒系が双極性非プロトン性溶媒を含む場合、好ましくは、双極性非プロトン性溶媒はエステル及びケトンから選択される。より好ましくは、双極性非プロトン性溶媒はケトンである。
本発明の第6の態様の溶媒系中で使用するのに適したケトンとしては、式RCOR10の化合物[式中、R及びR10は、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリール基から独立に選択され、R及びR10は、それらが結合した炭素原子と一緒になって環式ヒドロカルビル基(該環式ヒドロカルビル基は、炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子N、O又はSを含んでもよく、また、置換されていてもよい。)を形成していてもよい。]が挙げられる。好ましくは、R及びR10は、置換されていてもよいアルキル、アリール若しくはアリールアルキル基から独立に選択されるか、又は一緒になってアルキレン基(該アルキレン基は置換されていてもよい。)を形成する。より好ましくは、R及びR10は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基であるか、又は一緒になってC1〜8アルキレン基(該C1〜8アルキレン基は置換されていてもよい。)を形成する。さらに好ましくは、R及びR10は、置換されていてもよいC1〜4アルキル基である。
本発明の第6の態様の溶媒系中で使用されるケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、ジプロピルケトン、シクロプロパノン、シクロヘキサノン及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン又はそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、ケトンはアセトンである。
溶媒系が極性プロトン性溶媒を含む場合、好ましくは、極性プロトン性溶媒はアルコール、例えばR11OH[式中、R11は、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリール基から選択される。]である。好ましくは、R11は、置換されていてもよいアルキル又はアリールアルキル基である。より好ましくは、R11は、置換されていてもよいC〜C20アルキル基であり、さらに好ましくは、R11は、置換されていてもよいC〜C12アルキル基又はC〜Cアルキル基である。好ましくは、R11OHは一水酸基である。
本発明の第6の態様の溶媒系中で使用されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、第三級ブタノール又はそれらの混合物から選択される。最も好ましくは、アルコールはメタノールである。
本発明の第6の態様の好ましい一実施形態において、溶媒系は、直鎖若しくは分岐鎖脂肪族ケトン、直鎖若しくは分岐鎖脂肪族C〜Cアルコール、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種の溶媒を含む。好ましくは、ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、第三級ブタノール又はそれらの混合物から選択される。
本発明の第6の態様の一実施形態において、溶媒系が双極性非プロトン性溶媒及び極性プロトン性溶媒(例えば、アセトン及びアルコール)を含む場合、溶媒系中の双極性非プロトン性溶媒対極性プロトン性溶媒の体積比は95:5〜5:95である。好ましくは、体積比は80:20〜20:80、より好ましくは60:40〜40:60である。最も好ましくは、体積比は約50:50である。
最も好ましくは、溶媒系はアセトン及びメタノールを含む。好ましくは、溶媒系中のアセトン:メタノールの体積比は95:5、より好ましくは80:20、より好ましくは60:40、最も好ましくは50:50である。
本発明の第6の態様の一実施形態において、溶媒系中で合計1〜10倍体積の溶媒が使用される。すなわち、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル塩1gにつき溶媒1〜10mlが使用される。好ましくは2〜6倍体積の溶媒が使用される。最も好ましくは約3倍体積の溶媒が使用される。
好ましくは、塩は溶媒系中、10〜60℃、より好ましくは20〜40℃、最も好ましくは25〜30℃で精製される。
本発明の第6の態様の一実施形態において、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は、精製された塩から塩基での処理によって遊離させる。好ましくは、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は、精製された塩から塩基水溶液での処理によって遊離させる。
典型的には、塩基水溶液中で1〜10倍体積の水が使用される。すなわち、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル塩1gにつき水1〜10mlが使用される。好ましくは2〜6倍体積の水が使用される。最も好ましくは約3倍体積の水が使用される。
塩基は、有機塩基(例えば、アミン、アルコキシド)であっても無機塩基(例えば、アンモニア、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩)であってもよい。好ましくは、塩基はアルコキシド又は水酸化物である。より好ましくは、塩基は、金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム)又は水酸化アンモニウムである。最も好ましくは、塩基は水酸化ナトリウムである。
典型的には、塩の溶液又は懸濁液のpHを7以上に調整することによって、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は精製された塩から遊離させる。好ましくは、pHは7〜10、より好ましくは7〜8に調整する。
好ましくは、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は−20〜40℃、より好ましくは0〜30℃、最も好ましくは10〜15℃で遊離させる。
任意選択で、遊離した4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は、有機溶媒に溶解され、酸の金属塩又はアンモニウム塩(例えばシュウ酸ナトリウム)の不溶性不純物を除去することによってさらに精製される。典型的には1〜50倍体積の有機溶媒が使用される。すなわち、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)1gにつき有機溶媒1〜50mlが使用される。好ましくは5〜20倍体積の溶媒が使用される。最も好ましくは約10倍体積の有機溶媒が使用される。
好ましくは、有機溶媒は、非極性溶媒若しくは双極性非プロトン性溶媒又はそれらの混合物から選択される。より好ましくは、有機溶媒は非極性溶媒から選択される。非極性溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素(例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン又はn−ヘプタン等のアルカン及びシクロアルカン、トルエン、ベンゼン)、アルキルエーテル若しくはシクロアルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン)、及び塩化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン(DCM))が挙げられる。非極性溶媒は、好ましくは塩化炭化水素、最も好ましくはジクロロメタンである。
あるいは又はさらに、遊離した4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は溶媒系からの結晶化によってさらに精製してもよい。好ましくは、溶媒系は、非極性溶媒、例えば、アルカン若しくはシクロアルカン(例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、ベンゼン)、アルキルエーテル若しくはシクロアルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン)、塩化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン(DCM))、又はそれらの混合物を含む。より好ましくは、溶媒系はアルカン又はシクロアルカンを含む。最も好ましくは、溶媒系はn−ヘプタンを含む。
本発明の第7の態様は、本発明の他の任意の態様の方法によって調製された、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩を提供する。
本発明の第7の態様の一実施形態において、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩は99.8%以上のHPLC純度を有する。
本発明の第8の態様は、HPLC純度が99.8%以上である、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩を提供する。
本発明の第7又は第8の態様の一実施形態では、HPLC純度が99.85%以上である、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩が提供される。より好ましくは、HPLC純度が99.85%以上である、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩が提供される。最も好ましくは、HPLC純度が99.95%以上である、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩が提供される。
本発明の第7又は第8の態様の他の実施形態において、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩は位置異性体不純物(V)又はその塩を実質的に含まない。
本発明の第9の態様は、位置異性体不純物(V)又はその塩を実質的に含まない、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩を提供する。
本発明の第10の態様は、無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)を提供する。無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は、好ましくは約4.91、7.60、8.70、11.80、12.65、15.80、16.74、17.31、18.47、20.13、21.22、21.73、22.88、23.26、24.10、26.01、28.25及び29.40度2θ±0.2に少なくとも3つの特徴的ピークを含む粉末X線回折パターン、より好ましくは約4.91、7.60、8.70、11.80、12.65、15.80、16.74、17.31、18.47、20.13、21.22、21.73、22.88、23.26、24.10、26.01、28.25及び29.40度2θ±0.2に少なくとも7つの特徴的ピークを含む粉末X線回折パターンを有する。最も好ましくは、無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は、約4.91、7.60、8.70、11.80、12.65、15.80、16.74、17.31、18.47、20.13、21.22、21.73、22.88、23.26、24.10、26.01、28.25及び29.40度2θ±0.2の各々に特徴的ピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
本発明の第10の態様の一実施形態において、無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は、図3に示されるものとほぼ同じ粉末X線回折パターン、及び/又は図4に示されるものとほぼ同じ示差走査熱量測定(DSC)トレース、及び/又は図5に示されるものとほぼ同じ熱重量分析(TGA)トレースを有する。
好ましくは、結晶性無水形態は、示差走査熱量測定(DSC)分析において77〜79℃で単一の吸熱ピークを有する。
好ましくは、無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は位置異性体不純物(V)又はその塩を実質的に含まない。
本発明の第10の態様の一実施形態において、無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は99.80%以上のHPLC純度を有する。好ましくは、無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は、99.85%以上、より好ましくは99.90%以上のHPLC純度を有する。最も好ましくは、無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は99.95%以上のHPLC純度を有する。
本発明の第11の態様は、レトロゾール(I)又はその塩(例えば薬学的に許容される塩)の調製のための方法であって、本発明の第1若しくは第2の態様の塩、本発明の第7〜第9の態様のいずれかの4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)若しくはその塩又は本発明の第10の態様の無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)が使用される方法を提供する。
任意選択で、本発明の第1若しくは第2の態様の塩、本発明の第7〜第9の態様のいずれかの4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)若しくはその塩又は本発明の第10の態様の無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は中間体として使用される。
同様に、本発明の第3〜第6の態様のいずれかの一実施形態において、調製された4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩はレトロゾール(I)又はその塩(例えば薬学的に許容される塩)にさらに変換され得る。
本発明の第3〜第6又は第11の態様のいずれかの一実施形態において、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩は、4−フルオロベンゾニトリル(IV)と好ましくは−20℃〜0℃、より好ましくは−20℃〜−10℃、最も好ましくは−20℃〜−15℃で反応させることによって、レトロゾール(I)又はその塩(例えば薬学的に許容される塩)にさらに変換される。
一実施形態において、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)に対して例えば0.5〜10当量の4−フルオロベンゾニトリル(IV)が使用される。好ましくは0.75〜5当量の4−フルオロベンゾニトリル(IV)が使用され、最も好ましくは約1当量の4−フルオロベンゾニトリル(IV)が使用される。
他の実施形態において、4−フルオロベンゾニトリル(IV)との反応は塩基の存在下で行われる。好ましくは、塩基は非求核性である。適切な塩基としては、第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ−ウンデカ−7−エン(DBU))、分岐鎖アルコキシド(例えばtert−ブトキシド)、水素化物(例えばNaH)、及び有機金属塩基(例えばリチウムジイソプロピルアミド)が挙げられる。塩基は、好ましくは分岐鎖アルコキシド、より好ましくは金属tert−ブトキシド、最も好ましくはカリウムtert−ブトキシドである。
典型的には、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)に対して例えば0.5〜10当量の塩基が使用される。好ましくは1〜5当量の塩基が使用され、最も好ましくは約3当量の塩基が使用される。
任意選択で、塩基は、4−フルオロベンゾニトリル(IV)の添加前に4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)と組み合わせられる。
本発明の第3〜第6又は第11の態様のいずれかの一実施形態において、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩と4−フルオロベンゾニトリル(IV)との反応は双極性非プロトン性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、エステル、ケトン)中で行われる。好ましくは、反応はN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又はアセトニトリル中で行われる。最も好ましくは、反応はN,N−ジメチルホルムアミド中で行われる。
典型的には、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩と4−フルオロベンゾニトリル(IV)との反応は1〜50倍体積の溶媒中で行われる。すなわち、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)1gにつき溶媒1〜50mlが使用される。好ましくは2〜20倍体積の溶媒が使用される。より好ましくは5〜10倍体積の溶媒が使用される。最も好ましくは約6.5倍体積の溶媒が使用される。
反応が完了したら、反応混合物は、任意選択で、例えば酸(例えば酢酸)の添加によってクエンチしてもよい。好ましくは、反応混合物のpHは4〜7に調整する。より好ましくは、反応混合物のpHは5〜6に調整する。
任意選択で、反応混合物は、有機溶媒での希釈、次いでクエンチ用酸の塩(例えば酢酸カリウム)の不溶性不純物の除去によって精製される。好ましくは、有機溶媒は、非極性溶媒若しくは双極性非プロトン性溶媒又はそれらの混合物から選択される。より好ましくは、有機溶媒は非極性溶媒から選択される。非極性溶媒としては、例えば、アルカン若しくはシクロアルカン(例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、ベンゼン)、アルキルエーテル若しくはシクロアルキルエーテル(例えば、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン)、及び塩化炭化水素(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン(DCM))が挙げられる。非極性溶媒は、好ましくは塩化炭化水素、最も好ましくはジクロロメタンである。
任意選択で、レトロゾール(I)が調製される本発明の任意の態様において、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩は単離されず、in situで使用される。
レトロゾール(I)が調製される本発明の任意の態様において、レトロゾール(I)は例えば少なくとも1回の結晶化によってさらに精製されてもよい。
本発明の第12の態様は、レトロゾール(I)又はその薬学的に許容される塩の精製のための方法であって、メタノール及びn−ヘプタンを含む溶媒系からレトロゾール(I)を結晶化するステップを含む方法を提供する。レトロゾールは本発明の他の任意の態様の方法によって調製してもよい。
本発明の第12の態様の一実施形態において、溶媒系中のメタノール対n−ヘプタンの体積比は50:50〜10:90である。好ましくは、溶媒系中のメタノール対n−ヘプタンの体積比は40:60〜20:80である。最も好ましくは、溶媒系中のメタノール対n−ヘプタンの体積比は約20:50である。
本発明の第13の態様は、レトロゾール(I)又はその薬学的に許容される塩の精製のための方法であって、
(a)ギ酸アルキル、酢酸アルキル、プロピオン酸アルキル、酪酸アルキル又はイソ酪酸アルキルと、
(b)C〜C12エーテルと、
を含む溶媒系からレトロゾール(I)を結晶化するステップを含む方法を提供する。
レトロゾールは本発明の他の任意の態様の方法によって調製してもよい。
本発明の第13の態様の一実施形態において、溶媒系中の(a)対(b)の体積比は60:40〜90:10である。好ましくは、溶媒系中の(a)対(b)の体積比は70:30〜80:20である。最も好ましくは、溶媒系中の(a)対(b)の体積比は約75:25である。
本発明の第13の態様の他の実施形態において、ギ酸アルキル、酢酸アルキル、プロピオン酸アルキル、酪酸アルキル又はイソ酪酸アルキルのアルキル基はC〜Cアルキル基である。好ましくは、アルキル基はC〜Cアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル)である。最も好ましくは、アルキル基はエチルである。
本発明の第13の態様のさらなる実施形態において、溶媒系は、
(a)酢酸アルキルと、
(b)C〜C12エーテルと、
を含む。
本明細書において、C〜C12エーテルは、5〜12個の炭素原子を含むエーテルとして定義される。本発明の第13の態様の溶媒系中で使用するのに適したエーテルとしては、例えば式R12OR13の化合物[式中、R12及びR13は、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール又はアルキニルアリール基から独立に選択され、R12及びR13は、それらが結合した炭素原子と一緒になって環式ヒドロカルビル基(該環式ヒドロカルビル基は、炭素骨格中に少なくとも1個のヘテロ原子N、O又はSを含んでもよく、また、置換されていてもよい。)を形成していてもよい。]が挙げられる。好ましくは、R12及びR13は、置換されていてもよいアルキル、アリール若しくはアリールアルキル基から独立に選択されるか、又は一緒になってアルキレン基(該アルキレン基は置換されていてもよい。)を形成する。より好ましくは、R12及びR13は、置換されていてもよいC1〜8アルキル基であるか、又は一緒になってC1〜8アルキレン基(該C1〜8アルキレン基は置換されていてもよい。)を形成する。さらに好ましくは、R12及びR13は、置換されていてもよいC1〜4アルキル基である。
好ましくは、本発明の第13の態様において使用されるC〜C12エーテルはC〜Cエーテル(例えばtert−ブチルメチルエーテル(TBME))である。
最も好ましくは、本発明の第13の態様の溶媒系は酢酸エチル及びtert−ブチルメチルエーテル(TBME)を含む。
本発明の第12又は第13の態様の一実施形態において、結晶化は−20〜50℃で行われる。好ましくは、結晶化は0〜30℃、より好ましくは5〜20℃、最も好ましくは10〜15℃で行われる。
本発明の第14の態様は、本発明の第3〜第6又は第11〜第13の態様のいずれかの方法によって調製又は精製された、レトロゾール又はその塩(例えば薬学的に許容される塩)を提供する。
好ましくは、本発明の第14の態様のレトロゾール又はその塩は99.9%以上のHPLC純度を有する。
本発明の第15の態様は、HPLC純度が99.9%以上である、レトロゾール又はその塩(例えば薬学的に許容される塩)を提供する。
本発明の第14又は第15の態様の一実施形態では、HPLC純度が99.95%以上である、レトロゾール又はその塩が提供される。好ましくは、HPLC純度が99.98%以上である、レトロゾール又はその塩が提供される。
本発明の第14又は第15の態様の他の実施形態において、レトロゾール又はその塩は位置異性体不純物(II)又はその塩を実質的に含まない。
本発明の第16の態様は、位置異性体不純物(II)又はその塩を実質的に含まない、レトロゾール又はその塩(例えば薬学的に許容される塩)を提供する。
本発明の第17の態様は、医療において使用するための、本発明の第14〜第16の態様のいずれかのレトロゾール又はその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明の第18の態様は、本発明の第14〜第17の態様のいずれかのレトロゾール又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。好ましくは、医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容される添加剤をさらに含む。
本発明の第19の態様は、アロマターゼ阻害剤として使用するための、本発明の第14〜第17の態様のいずれかのレトロゾール若しくはその薬学的に許容される塩又は本発明の第18の態様の医薬組成物を提供する。
本発明の第20の態様は、癌の治療又は予防に使用するための、本発明の第14〜第17の態様のいずれかのレトロゾール若しくはその薬学的に許容される塩又は本発明の第18の態様の医薬組成物を提供する。好ましくは、癌は乳癌である。
本発明の第21の態様は、癌の治療用医薬の製造における、本発明の第14〜第17の態様のいずれかのレトロゾール若しくはその薬学的に許容される塩又は本発明の第18の態様の医薬組成物の使用を提供する。好ましくは、癌は乳癌である。
本発明の第22の態様は、癌を治療又は予防する方法であって、それを必要とする患者に治療又は予防有効量の本発明の第14〜第17の態様のいずれかのレトロゾール若しくはその薬学的に許容される塩又は本発明の第18の態様の医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。好ましくは、癌は乳癌である。
本発明の第22の態様の好ましい一実施形態において、患者は哺乳動物である。より好ましくは、患者はヒトである。
本明細書において、「レトロゾール」とは、特に断らない限り、レトロゾール及び/又はその任意の塩、溶媒和物(例えば水和物)若しくは多形体を意味する。
特に断らない限り、本発明の化合物は、遊離塩基形態及び酸付加塩形態のいずれでも使用可能である。本発明において、本発明の化合物の「塩」は酸付加塩であってもよい。酸付加塩は、好ましくは、適切な酸[例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸又はヨウ化水素酸)若しくは他の無機酸(例えば、硝酸、過塩素酸、硫酸、リン酸)等の無機酸、又は有機カルボン酸(例えば、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、マンデル酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、サリチル酸、コハク酸、リンゴ酸、ヒドロキシコハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、粘液酸若しくはガラクタル酸、グルコン酸、パントテン酸、パモン酸)、有機スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエン−p−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、カンファースルホン酸)若しくはアミノ酸(例えば、オルニチン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸)等の有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。]との薬学的に許容される非毒性付加塩である。酸付加塩は一酸又は二酸付加塩であってもよい。特に断らない限り、好ましい塩はハロゲン化水素酸、硫酸、リン酸又は有機酸付加塩である。
薬学的に許容される酸付加塩に加えて、他の酸付加塩も本発明に包含される。そのような酸付加塩は、それ以外の酸付加塩(例えば薬学的に許容される酸付加塩)の精製又は調製において中間体としての役割を果たす可能性を有し、また、遊離塩基の同定、特徴付け又は精製に有用である。
本発明において、レトロゾール(I)、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)及びそれらの塩は、不純物がHPLC純度で0.3%未満、好ましくは0.2%未満、好ましくは0.1%未満、最も好ましくは0.05%未満であれば、化学的不純物又は位置異性体不純物を「実質的に含まない」。
念のために言うと、実施可能である限り、本発明の所与の態様の任意の実施形態は、本発明の同じ態様の他の任意の実施形態と組み合わせて実施されてもよい。加えて、実施可能である限り、本発明の任意の態様の任意の好ましい又は任意選択の実施形態は、本発明の他の任意の態様の好ましい又は任意選択の実施形態とみなされるべきであることも理解されよう。
4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の合成のための合成スキームを示す図である。 4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)からのレトロゾール(I)の合成のための合成スキームを示す図である。 本発明の無水結晶性中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)のXRPDを示す図である。 本発明の無水結晶性中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の示差走査熱量測定を示す図である。 本発明の無水結晶性中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の熱重量分析を示す図である。
発明の詳細な説明
[試験に使用された機器及び条件]
XRPD:
CuKα1源を使用し、Bruker D8アドバンス(Advance)回折計で記録した。
DSC:
10℃/分の速度で25℃〜250℃の範囲にわたって、Perkin Elmerパイリス(Pyris)6で記録した。
TGA:
熱重量分析(TGA)はPerkin Elmerパイリス1で行い、1分間当たり10℃の速度で25℃〜250℃の範囲にわたって記録した。重量損失は観察されなかった。
HPLC:
システム: Waters E−2695
検出器: W2489,波長230nm
カラム: L1,C−18 RPカラム
[発明の詳細な説明]
本発明者らは、純粋な中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の調製のための新たな方法であって、新規の塩及び/又は特定の反応条件が使用される方法を用いて、レトロゾールを位置選択的に合成できることを見出した。そのようにして得られるレトロゾールは驚くべきことに位置異性体不純物(II)を実質的に含まず、先行技術文献に記載の種々の方法に比べて大きな進歩である。
すなわち、本発明は、高純度の中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)、レトロゾール及びそれらの薬学的に許容される塩の調製のための単純、便利かつ安価な方法を提供する。本発明の方法により得られる生成物は、驚くべきことに極めて純粋であり、カラムクロマトグラフィー等による煩雑な精製が必要ない。本発明は特に、位置異性体不純物を実質的に含まない、レトロゾール、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)及びそれらの塩を提供する。
本発明は、異性体不純物(V)を実質的に含まない4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)、及び異性体不純物(II)(米国薬局方でいう不純物A)を実質的に含まないレトロゾールの調製のための方法を提供する。
本発明の好ましい態様は、HPLC純度で99.5%を超える、好ましくは99.6%を超える、好ましくは99.7%を超える、好ましくは99.8%を超える、最も好ましくは99.9%を超える化学的純度を有し、さらに位置異性体不純物(V)を実質的に含まない純粋な中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の調製のための商業的に実現可能な方法を提供する。
中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の調製のための特に好ましい方法を図1に示す。
本発明の特に好ましい態様は、中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の合成のための方法であって、下記ステップの少なくとも1つを含む方法を提供する。
(a)4−ブロモメチルベンゾニトリルの溶液を、極性溶媒(例えば、脂肪族アルコール(好ましくはメタノール)、ジアルキルケトン(好ましくはアセトン)又はそれらの混合物)中で調製し、炭酸カリウム及びヨウ化カリウムを添加するステップ
(b)極性溶媒(例えば、脂肪族アルコール(好ましくはメタノール)、ジアルキルケトン(好ましくはアセトン)又はそれらの混合物)に溶解した1,2,4−トリアゾールを反応混合物に20〜35℃でゆっくり添加するステップ
(c)反応が完了するまで反応混合物を20〜35℃で攪拌するステップ
(d)炭酸カリウム及びヨウ化カリウムを濾過し、蒸留により溶媒を除去するステップ
(e)水を残留物に添加し、水層に溶解した4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルを溶媒(例えばジクロロメタン(DCM))で抽出するステップ
(f)DCMを除去して粗4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルを得るステップ
(g)4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルの有機酸塩(好ましくはシュウ酸塩)を極性溶媒(例えば、メタノール、アセトン、それらの混合物)中で調製するステップ
(h)塩基(例えば水酸化ナトリウム)の水溶液での処理によってシュウ酸塩の遊離塩基を遊離させ、遊離した塩基を濾過により水から単離するステップ
(i)単離された固体の精製された塩基をジクロロメタンに溶解し、有機酸の不溶性ナトリウム塩を濾過により除去するステップ
(j)濾過したジクロロメタン層から溶媒を除去し、非極性溶媒(例えば炭化水素(好ましくはn−ヘプタン))を添加することにより、精製された4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルを白色固体として単離するステップ
レトロゾール(I)の調製のための特に好ましい方法を図2に示す。
レトロゾールの調製のための特に好ましい方法は下記ステップの少なくとも1つを含む。
(a)カリウム第三級ブトキシドをジメチルホルムアミドに溶解するステップ
(b)ジメチルホルムアミド中の4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル溶液を、溶媒(例えばジメチルホルムアミド)中のカリウム第三級ブトキシド溶液に好ましくは−5〜−15℃で添加するステップ
(c)反応混合物を、ジメチルホルムアミド中の4−フルオロベンゾニトリル溶液と好ましくはステップ(b)と同じ温度で混合するステップ
(d)反応完了後、水と非混和性の溶媒(例えばジクロロメタン)を添加し、次いで有機酸(好ましくは酢酸)を添加し、反応混合物の濾過により酢酸カリウムを除去するステップ
(e)有機層を水で洗浄し、次いで溶媒を除去するステップ
(f)残留物を、極性溶媒(例えばアルコール(好ましくはメタノール又は2−プロパノール))に溶解し、非極性溶媒(例えばn−ヘプタン)を添加するステップ
(g)HPLC純度が99%を超える固体レトロゾールを単離するステップ
(h)溶媒(例えば、アルキルカルボン酸のアルキルエステル(例えば酢酸エチル)、及び非極性溶媒(好ましくはアルカン(例えばn−ヘプタン)又はジアルキルエーテル(例えばtert−ブチルメチルエーテル))を用いてレトロゾールを精製し、HPLC純度99.9%以上の純粋なレトロゾールを得るステップ
好ましい一実施形態において、ステップ(h)で得られた固体は、減圧下、約30〜60℃、より好ましくは40〜60℃、最も好ましくは50〜55℃で、好ましくは約2〜6時間乾燥する。
種々の先行技術の方法では、還流温度で適切な塩基及び溶媒を用いて4−ブロモメチルベンゾニトリルと1,2,4−トリアゾールとの反応が行われる。本発明者らは、反応がメタノール又はアセトン単独の溶媒中で行われる場合、反応を完了させるのに還流が必要となることを確認したが、驚くべきことに、溶媒比、塩基(例えば炭酸カリウム)及び触媒(例えばヨウ化カリウム)の量を適切に調整した後に溶媒(例えばケトン及びアルコール(例えばアセトン及びメタノール))の混合物を使用することにより、周囲温度(すなわち20〜35℃)で反応を完了できることを見出した。驚くべきことに、反応の位置選択性がはるかに高いことも見出された。先行技術の方法では位置異性体(V)が15〜20%以上の量で形成されたのに対して、上記方法では粗生成物中の不要な位置異性体(V)は12%未満であった。
種々の精製方法(例えば、溶媒精製、塩酸塩の選択的調製)が先行技術文献に記載されているが、これらの方法では中間体(III)を高純度にすることができなかった。驚くべきことに、本発明者らは、驚くべきことに、比較的弱い酸[例えば、種々の有機酸(例えばカルボン酸)、スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸)]を用いて4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の塩を調製した場合、非常に高い純度が達成され得ることを見出した。ジカルボン酸塩(特にシュウ酸塩)は、良好な収率で4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の所望の位置異性体純度及び化学的純度を達成するために最も好ましい。
本発明の方法を、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸を用いる有機酸塩中間体の調製に使用してもよい。最も好ましい酸はシュウ酸である。
さらに、本発明は、先行技術文献にこれまで記載されていない特徴の有利な組み合わせを有する、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルの調製方法を提供する。主要な利点は下記の通りである。
1)20〜40℃、好ましくは25〜35℃の周囲温度での4−ブロモメチルベンゾニトリルと1,2,4−トリアゾールとの反応
2)反応器占有時間を削減し、生産性を増大させる、2〜4時間以内での反応の高速完了
3)粗4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルの単離のための反応混合物の単純なワークアップ
4)有機スルホン酸又は他の有機酸、好ましくは脂肪族又は芳香族のモノカルボン酸又はジカルボン酸、最も好ましくはシュウ酸との塩形成による、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルの精製
5)特定の溶媒(好ましくは有機酸塩の調製及び単離に使用されたのと同じもの)の選択による、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルの、その対応する位置異性体4−[(1−(1,3,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルからの選択的分離
6)位置異性体不純物を実質的に含まず、高い化学的純度を有する4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルを得るための、有機酸塩の加水分解、及び溶媒として水を用いる精製塩基の遊離
7)4.91、7.60、8.70、11.80、12.65、15.80、16.74、17.31、18.47、20.13、21.22、21.73、22.88、23.26、24.10、26.01、28.25及び29.40度2−シータに少なくとも3又は7つのXRPDピークを有する結晶性無水形態の中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルの調製
8)示差走査熱量測定(DSC分析)において77〜79℃で単一の吸熱ピークを有する結晶性無水形態の中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルの調製
9)0.1%よりも高い既知又は未知の不純物を有さず、HPLC純度で99.9%以上の高い化学的純度を有するレトロゾールの調製のための、中間体4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルの使用
図1及び2に示されている試薬及び溶媒は本発明の例示にすぎず、反応スキームはこれらの試薬及び溶媒によって限定されない。任意の適切な代替物が使用可能である。
本発明の方法は、60%より大きい全モル収率、及び99.90%以上、好ましくは99.95%以上、より好ましくは99.98%以上のHPLC純度をもたらす、レトロゾールの調製のための商業的に実現可能な方法を提供する。
必要ならば、レトロゾールは、本発明の態様に従って調製された中間体(III)から、米国特許第4978672号及び上述の他の先行技術文献に記載されているように、カリウムtert−ブトキシドのような強塩基の存在下で中間体(III)を4−フルオロベンゾニトリル(IV)と反応させることによって調製することができる。
好ましくは、レトロゾールの最終精製は、脂肪酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル)に由来する溶媒と非極性溶媒(例えばエーテル(好ましくはエチルエーテル又は第三級ブチルメチルエーテル(TBME)))とを含む溶媒混合物を使用することによって行われる。好ましくは、脂肪酸エステルは酢酸エチルであり、エーテルは第三級ブチルメチルエーテル(TBME)である。
好ましくは、HPLC純度で99.8%を超える純度を有し、異性体不純物が0.1%未満であるレトロゾールが調製される。
好ましくは、生成物は、70%以上、好ましくは80%以上、好ましくは90%以上、好ましくは95%以上の収率で得られる。好ましくは、化学的不純物を実質的に含まないレトロゾールが得られる。
好ましくは、レトロゾールは、商業規模で、好ましくは1kg以上、10kg以上、100kg以上、500kg以上又は1000kg以上のバッチで得られる。
本発明の第18の態様の医薬組成物は溶液又は懸濁液形態であってもよいが、好ましくは固体経口剤形である。本発明における好ましい剤形としては例えば錠剤、カプセル剤が挙げられ、これらは所望によりコーティングされていてもよい。錠剤は、直接圧縮、湿式造粒及び乾式造粒をはじめとする従来の技術によって調製することができる。カプセル剤は、一般にはゼラチン材料から形成され、従来の方法で調製された賦形剤の顆粒を含んでもよい。本発明の医薬組成物は、典型的には、充填剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤からなる群から選択される少なくとも1種の薬学的に許容し得る賦形剤を含み、任意選択で、着色剤、吸着剤、界面活性剤、皮膜形成剤及び可塑剤から選択される少なくとも1種の賦形剤をさらに含む。
上述の通り、本発明の医薬組成物は、典型的には、少なくとも1種の充填剤(例えば、微結晶性セルロース、ラクトース、糖、デンプン、加工デンプン、マンニトール、ソルビトール若しくは他のポリオール、デキストリン、デキストラン、マルトデキストリン)、少なくとも1種の結合剤(例えば、ラクトース、デンプン、加工デンプン、トウモロコシデンプン、デキストリン、デキストラン、マルトデキストリン、微結晶性セルロース、糖、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、アカシアガム、トラガカント、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン)、少なくとも1種の崩壊剤(例えば、クロスカルメロースナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、架橋カルボキシメチルデンプン、デンプン、微結晶性セルロース、ポリアクリリンカリウム)、及び少なくとも1種の異なる流動促進剤若しくは滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸カルシウム、フマル酸ナトリウムステアリル、タルク、三ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸、パルミチン酸、カルナウバワックス、二酸化ケイ素)を含む。
必要に応じて、本発明の医薬組成物は界面活性剤及び他の賦形剤を含んでもよい。
固体医薬製剤が、コーティングされた錠剤の形態である場合、コーティングは少なくとも1種の皮膜形成剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メタクリラートポリマー)から調製されてもよく、皮膜形成剤は、少なくとも1種の可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル)及び皮膜コーティングにおいて従来から使用されている他の薬学的補助物質(例えば、顔料、充填剤)を含んでもよい。
本発明のさらなる態様は、癌の治療用医薬、特に閉経後の女性の乳癌の治療用医薬の製造における、本発明の前述の任意の態様の医薬組成物の使用を提供する。
以下、本発明の詳細、目的及び利点を非限定的な実施例により詳細に説明する。
[実施例1:4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)]
炭酸カリウム(70g、0.507モル)及びヨウ化カリウム(8.4g、0.051モル)を、アセトン(500ml)中の4−ブロモメチルベンゾニトリル(100g、0.510モル)の溶液に添加した。この反応混合物に、メタノール(500ml)中の1,2,4−トリアゾール(35g、0.507モル)の溶液を、窒素下25〜35℃で1時間かけてゆっくり添加した。反応混合物をさらに2〜4時間攪拌し、反応完了後、固体を濾過し、濾液を減圧下40〜45℃での蒸留によって濃縮した。残留物に水(2000ml)を添加し、反応混合物のpHを酢酸(3〜4ml)で6〜7に調整した。水層をジクロロメタン(2000ml)で抽出し、有機抽出物を水(200ml)で洗浄し、減圧下40〜45℃での蒸留によって有機溶媒を除去して、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)を粗残留物として得た。
アセトン及びメタノールの等体積(50:50)混合物(300ml)中のシュウ酸二水和物(68g、0.540モル)の溶液を調製し、アセトン及びメタノールの等体積(50:50)混合物(100ml)中の粗残留物の溶液に、25〜30℃で攪拌しながら添加した。さらに30分間攪拌した後、反応混合物を10〜15℃に冷却し、次いで濾過して、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリルのシュウ酸塩を得た。固体をアセトン及びメタノールの等体積混合物(50ml)で洗浄し、吸引乾燥した。
得られた固体シュウ酸塩を水(400ml)に懸濁し、水酸化ナトリウム溶液(10%w/V、約200ml)を攪拌しながらゆっくり添加することにより、懸濁液のpHをアルカリ性(pH7〜8)にした。反応塊を10〜15℃で冷却し、濾過し、単離された固体を水で洗浄し、吸引乾燥した。次いで、単離された固体をジクロロメタン(1000ml)に溶解し、不溶性シュウ酸ナトリウムを濾過により除去した。透明溶液を、溶媒の約90%が除去されるまで濃縮し、n−ヘプタン(120ml)を残留物に攪拌しながら添加した。得られた固体を濾過し、吸引乾燥した。生成物を減圧下45〜50℃で乾燥させて、4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)を純粋なオフホワイトの自由流動固体として得た。生成物は、図3に示されるXRPD、図4に示されるDSC及び図5に示されるTGAを有する新規の無水結晶性4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)として特徴付けられる。
収率:45.5g(モル収率:4−ブロモメチルベンゾニトリルから48.5%)
HPLC純度:99.8%
位置異性体不純物(V)は0.10%未満であった(面積正規化による)。
[実施例2:レトロゾール(I)]
N,N−ジメチルホルムアミド(200ml)中の純粋な4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(100g、0.543モル)(実施例1と同様にして得られた。)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミド(400ml)中のカリウム第三級ブトキシド(182.9g、1.63モル)の溶液に、窒素雰囲気下、温度を−15〜−20℃に維持しながらゆっくり添加した。30分間の攪拌後、N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)中の4−フルオロベンゾニトリル(IV)(65.8g、0.543モル)の溶液を同じ温度でゆっくり添加し、反応混合物を反応が完了するまで攪拌した。次いで、酢酸(200ml)を混合物に−10〜−15℃で添加し、混合物のpHを約5〜6に調整した。1時間の攪拌後、ジクロロメタン(1500ml)を混合物に添加し、得られた混合物を濾過して不純物(例えば酢酸カリウム)を除去した。
透明な濾液を水で5回(計5000ml)洗浄し、次いで減圧下で濃縮した。残留半固体塊にメタノール(200ml)、次いでn−ヘプタン(500ml)を添加した。混合物をまず20〜25℃で攪拌し、次いで10〜15℃に冷却した。単離された固体(sold)を濾過し、吸引乾燥した。固体を加熱することによって酢酸エチル(1500ml)に溶解し、透明溶液を濾過し、減圧下での蒸留によって500mlに濃縮した。この残留溶液にTert−ブチルメチルエーテル(TBME、500ml)を添加し、混合物を10〜15℃に冷却した。沈殿した固体を濾過し、TBMEで洗浄し、吸引乾燥した後、真空乾燥機内、低圧下50〜55℃で乾燥させて、純粋なレトロゾール(I)を白色〜オフホワイトの固体として得た。
収率:95g(モル収率:62%)
HPLC純度:99.9%(面積正規化による)
位置異性体不純物(II)は検出できなかった。
本発明に関する以上の説明が単なる例示的なものであることは理解されよう。実施例は本発明の範囲を限定するものではない。本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ規定され、本発明の範囲及び主旨を逸脱せずに様々な改良及び実施形態を行うことが可能である。

Claims (20)

  1. 4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の酸付加塩であって、酸がシュウ酸である塩。
  2. 請求項1に記載の塩の調製のための方法であって、
    溶媒系中で4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)を前記酸と混合するステップを含む方法。
  3. 請求項に記載の方法であって、
    前記溶媒系は直鎖若しくは分岐鎖脂肪族ケトン、直鎖若しくは分岐鎖脂肪族C〜Cアルコール、又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種の溶媒を含む方法。
  4. 請求項2に記載の方法であって、
    前記溶媒系は、
    (i)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン又はそれらの混合物から選択されるケトン、及び/又は
    (ii)メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、第三級ブタノール又はそれらの混合物から選択されるアルコール
    を含む、方法。
  5. 請求項2に記載の方法であって、
    前記溶媒系はアセトン及びメタノールを含む、方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、
    前記溶媒系中のアセトン:メタノールの体積比は95:5、又は80:20、又は60:40、又は50:50である、方法。
  7. 4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の調製のための方法であって、
    ケトン及びアルコールを含む溶媒系中で4−ブロモメチルベンゾニトリルを1,2,4−トリアゾールと反応させるステップを含む方法
  8. 請求項7に記載の方法であって、
    反応混合物は塩基及び/又は触媒量のヨウ化物イオンをさらに含む、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって
    前記塩基は金属炭酸塩である方法。
  10. 請求項8に記載の方法であって、
    前記塩基は炭酸カリウム又は炭酸ナトリウムである、方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記ヨウ化物イオンはヨウ化カリウム又はヨウ化ナトリウムとして存在する、方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の方法であって、
    (i)前記ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン又はそれらの混合物から選択される、及び/又は
    (ii)前記アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、第三級ブタノール又はそれらの混合物から選択される
    方法。
  13. 請求項7〜11のいずれか一項に記載の方法であって、
    前記溶媒系はアセトン及びメタノールを含む、方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、
    前記溶媒系中のアセトン:メタノールの体積比は95:5、又は80:20、又は60:40、又は50:50である、方法。
  15. 請求項7〜14のいずれか一項に記載の方法であって、
    形成された4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)は請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法に従って塩に変換される、方法。
  16. 4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)の調製のための方法であって、
    請求項1に記載の塩、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法によって調製された塩、又は請求項15に記載の方法によって調製された塩を精製するステップと、
    精製された塩から4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)を遊離させるステップと、
    含み、
    前記塩の精製は溶媒系からの結晶化によって行われる、
    方法
  17. 請求項16に記載の方法であって、
    前記溶媒系は請求項3〜6に記載の溶媒系から選択される、方法。
  18. レトロゾール(I)又はその薬学的に許容される塩の調製のための方法であって、
    請求項1に記載の塩が使用される方法。
  19. 請求項17のいずれか一項に記載の方法であって、
    調製された4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩はレトロゾール(I)又はその薬学的に許容される塩にさらに変換される、方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、
    4−[(1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]ベンゾニトリル(III)又はその塩は単離されず、in situで使用される、方法。
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