JP5958741B2 - 廃トナー回収容器、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような廃トナー回収容器は、画像形成装置本体に対して着脱可能に形成されていて、容器内が回収された廃トナーで満杯になると(又は、満杯に近い状態になると)、画像形成装置本体から取出されて、空の容器と交換(メンテナンス)される。
これに対して、特許文献4の技術は、磁力で引き合う力を利用して、画像形成装置本体に対して廃トナー回収容器を固定しているため、そのような問題が生じにくくなっている。しかし、画像形成装置本体の金属部や廃トナー回収容器の磁石が、理想の設置状態に対して、傾いて設置されてしまったり位置ズレした状態で設置されてしまったりした場合などには、画像形成装置本体に対して廃トナー回収容器が傾いたり位置ズレして固定されてしまうため、同様の不具合が生じてしまっていた。
本実施の形態における画像形成装置1は、複数の作像部としてのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKが中間転写体としての中間転写ベルト17に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。
各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKにおける感光体ドラム11(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(不図示である。)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
書込み部6において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。図示は省略するが、レーザ光は、ポリゴンミラーに入射して反射した後に、複数のレンズを透過する。複数のレンズを透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11表面は、それぞれ、像担持体としての中間転写ベルト17(中間転写体)との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写体としての中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、像担持体としての中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11表面は、除電部(不図示である。)の位置を通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部9(クリーニング部)の位置に達する。そして、像担持体としての中間転写ベルト17上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部9(クリーニング部)に回収されて、中間転写ベルト17上の一連の転写プロセスが完了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された転写紙Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ19に導かれる。レジストローラ19に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト17上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ18の位置に向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ29によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙部5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2は、黒色用のプロセスカートリッジ10BKを示す構成図である。その他の3つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10Cは、それぞれ、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる点を除き、黒色用のプロセスカートリッジ10BKとほぼ同じに構成されているため、その図示と説明とを省略する。
帯電部12は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラである。そして、この帯電部12(帯電ローラ)に不図示の電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
具体的に、トナーは、円形度が0.92以上になるように形成されたものである。「円形度」は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」(東亜医用電子社製)により計測した平均円形度である。具体的には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩である。)を0.1〜0.5ml加えて、さらに測定試料(トナー)を0.1〜0.5g程度加える。その後、このトナーが分散した懸濁液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理して、分散液濃度が3000〜10000個/μlとなるようにしたものを上述の分析装置にセットして、トナーの形状及び分布を測定する。
また、トナーは、形状係数SF−1と形状係数SF−2とが、いずれも、100〜180の範囲になるように形成されたものである。
また、トナーは、体積平均粒径(Dv)が3〜8μmの範囲であって、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.05〜1.40の範囲になるように形成されたものである。
さらに、トナーは、長軸と短軸との比(r1/r2)が0.5〜1.0の範囲であって、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足するように形成されたものである。
このような小粒径・球形トナーは、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を、水系媒体中で樹脂微粒子が存在する状態で架橋又は/及び伸長反応させることで製造することができる。
同様に、図1を参照して、クリーニング部としての中間転写ベルトクリーニング部9にも、中間転写ベルト17(中間転写体)に当接するクリーニングブレード、中間転写ベルトクリーニング部9内に回収された未転写トナーを廃トナーとして廃トナー回収容器30(図3を参照できる。)に向けて搬送する搬送コイル(搬送管16)、等が設置されている。そして、中間転写ベルトクリーニング部9内に回収された未転写トナーは、搬送管16(搬送コイルが内設されている。)を介して、廃トナー回収容器30まで搬送されて、廃トナーとして廃トナー回収容器30の内部に回収される。なお、廃トナー回収容器30の構成・動作については、後でさらに詳しく説明する。
なお、感光体ドラム11や中間転写ベルト17上に付着する付着物としては、未転写トナーの他に、記録媒体P(用紙)から生じる紙粉、帯電ローラ12(帯電部)による放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等があるが、本願ではこれらを総称して「未転写トナー」と呼ぶことにする。
現像ローラ13aは、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転している。現像部13内の現像剤は、間に仕切部材を介在するように配設された第1搬送スクリュ13b1及び第2搬送スクリュ13b2の回転によって、不図示のトナー補給部によってトナー容器28から補給されたトナーとともに撹拌混合されながら長手方向に循環する(図2の紙面垂直方向である。)。
図3、図4、図6等を参照して、本実施の形態における廃トナー回収容器30は、側方からみた形状が略L字状になるように形成されている。なお、図3(及び図14)は廃トナー回収容器30を右側方(図1の右側である。)からみた概略断面図であって、図6(及び図13)は廃トナー回収容器30を左側方(図1の左側である。)からみた詳細断面図である。
廃トナー貯留部31は、奥行方向(図3、図6の左右方向であって、図1の紙面垂直方向である。)に延在するように形成された略直方体の箱状部であって、奥行方向に直交する断面において垂直方向の長さが水平方向の長さよりも短くなるように形成されている。すなわち、図4を参照して、廃トナー貯留部31は、Z方向(高さ方向)の長さに比べて、X方向(幅方向)の長さが長くなるように形成されている。また、廃トナー貯留部31は、その内部に第1搬送部材としての押込部材41が設置されている。さらに、廃トナー貯留部31には、容器内に堆積された廃トナーが所定量(所定高さ)に達したことを検知する廃トナー検知部54(図13をも参照できる。)が設置されている。廃トナー貯留部31は、
廃トナー流入部32(第2廃トナー貯留部)は、廃トナー貯留部31の上方に突設された略直方体の箱状部であって、その内部に第2搬送部材としての搬送スクリュ51が設置されている。廃トナー流入部32と廃トナー貯留部31との境界は、その全面が開口となっている。また、図4、図5、図7を参照して、廃トナー流入部32の天井部32aには、クリーニング部9、15から排出された廃トナーが流入される流入口32a1Y、32a1M、32a1C、32a1BK、32a1Tが幅方向に5つ並設されている(図3、図6では、「32a1」に付する符号を省略している。)。また、図4等を参照して、廃トナー流入部32は、廃トナー貯留部31に対して幅方向における一端側(破線で大きく囲んだ部分である。)が突出するように形成されている。なお、廃トナー流入部32において、この突出した部分も、装置本体1における無駄なスペースを最大限に利用するために形成されたものである。
そして、このように構成された廃トナー回収容器30に、4つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの各クリーニング部15から排出された未転写トナーと、中間転写ベルトクリーニング部9から排出された未転写トナーと、がそれぞれ廃トナーとして回収されることになる。そして、廃トナー貯留部31に大量の廃トナーが収容されて、さらに廃トナー流入部32のスペースの一部にさらに付加的に廃トナーが収容されることになる。
また、廃トナー流入部32において、幅方向の左から2番目に形成された流入口32a1Cは、シアン用プロセスカートリッジ10Cのクリーニング部15で回収された未転写トナーを廃トナーとして廃トナー流入部32内に流入するためのものであって、シアン用のクリーニング部15に接続された搬送管16の排出口16aが流入口32a1Cに連通した状態で、搬送管16から廃トナー流入部32内にトナーが排出される。
また、廃トナー流入部32において、幅方向の左から3番目に形成された流入口32a1Mは、マゼンタ用プロセスカートリッジ10Mのクリーニング部15で回収された未転写トナーを廃トナーとして廃トナー流入部32内に流入するためのものであって、マゼンタ用のクリーニング部15に接続された搬送管16の排出口16aが流入口32a1Mに連通した状態で、搬送管16から廃トナー流入部32内にトナーが排出される。
また、廃トナー流入部32において、幅方向の左から4番目に形成された流入口32a1Yは、イエロー用プロセスカートリッジ10Yのクリーニング部15で回収された未転写トナーを廃トナーとして廃トナー流入部32内に流入するためのものであって、イエロー用のクリーニング部15に接続された搬送管16の排出口16aが流入口32a1Yに連通した状態で、搬送管16から廃トナー流入部32内にトナーが排出される。
また、廃トナー流入部32において、幅方向の最右方に形成された流入口32a1T(中間転写体用の流入口である。)は、中間転写ベルトクリーニング部9で回収された未転写トナーを廃トナーとして廃トナー流入部32内に流入するためのものであって、中間転写ベルトクリーニング部9に接続された搬送管16の排出口16aが流入口32a1Tに連通した状態で、搬送管16から廃トナー流入部32内にトナーが排出される。
なお、図7等において、5つの流入口32a1Y、32a1M、32a1C、32a1BK、32a1Tにそれぞれ接続される搬送管16の図示は省略している。
ここで、本実施の形態における廃トナー回収容器30は、廃トナー回収容器30のメンテナンスサイクルを長期化するために、作像部10Y、10M、10C、10BKや書込み部6や中間転写ベルト17(中間転写ベルトユニット)等の機能部を除くスペースを最大限に利用して、上述したように廃トナー貯留部31の上方に廃トナー流入部32(第2廃トナー貯留部)を設けて大容量化されている。
詳しくは、図3、図7、図11、図12を参照して、搬送スクリュ51(第2搬送部材)の軸部51aの幅方向両端部には、それぞれ、カム部材52が設置されている。このカム部材52は、搬送スクリュ51とともに軸部51aを中心にして回転するものであって、軸部51aと一体的に形成することもできるし、軸部51aとは別部材として形成することもできる。なお、カム部材52の回転中心となる軸部51aの位置は、カム部材52の円中心から偏心した位置となっていて、これによりカム部材52が搬送スクリュ51の回転にともない「カム」として機能することになる。また、このカム部材52は、後述する押込部材41(第1搬送部材)を駆動するためのものであって、押込部材41の腕部41bが吊設されている。
また、搬送スクリュ51(第2搬送部材)の軸部51aにおいて、カム部材52が形成された位置を除く位置であって、幅方向の一端側から他端側に至らない中央部の位置にかけて、スクリュ部51bが形成(巻装)されている。換言すると、搬送スクリュ51の軸部51aには、カム部材52が形成された位置や他端側(図7の左方である。)を除く位置に、スクリュ部51bが形成されている。また、このスクリュ部51bは、廃トナー貯留部31の上方において幅方向の一端側(図7の右側端部である。)に突出するように形成された廃トナー流入部32において、廃トナー貯留部31に向けて送出される廃トナーの幅方向のバランスと、廃トナー流入部32内に堆積される廃トナーの幅方向のバランスと、を整えるためのものであって、上述した軸部51aの範囲(一端側から中央部の位置までの範囲である。)にのみ形成されている。すなわち、廃トナー流入部32において幅方向一端側に突出するように形成された部分に、スクリュ部51bを有する搬送スクリュ51を設置することで、その部分に廃トナーが滞留する不具合を防止することができる。さらに、搬送スクリュ51においてスクリュ部51bを幅方向一端側のみに形成することで、スクリュ部51bを幅方向全域にわたって形成する場合に比べて、搬送スクリュ51の駆動トルクを低減することができる。
また、スクリュ部51bは、一端側(図7の右側端部である。)のカム部材52から離れる方向に廃トナーを搬送するように形成されている。これにより、カム部材52に廃トナーが付着してカム部材52と押込部材41(第1搬送部材)との駆動伝達不良が生じる不具合が防止される。
なお、図7を参照して、搬送スクリュ51(第2搬送部材)の軸部51aの一端側には、装置本体1に設置された駆動ギア(不図示である。)に噛合するギア71が設置されている。そして、駆動ギアからギア71に駆動力が伝達されて、搬送スクリュ51が所定方向に回転駆動されると、搬送スクリュ51によって廃トナーが幅方向における一端側から他端側に至らない中央部の位置に向けて搬送されることになる(図7の白矢印方向への搬送である。)。
押込部材41(第1搬送部材)の平板部41aは、図8、図9に示すように、略格子状に形成されている。すなわち、平板部41aには、上下方向からみて、縦横にわたって複数の矩形のすかし(貫通穴)が設けられている。
ここで、本実施の形態における平板部41aは、幅方向(図9の上下方向である。)の中央部の格子が廃トナーの搬送方向(図9の右方向である。)とそれに略直交する方向に略矩形状になるように形成されていて、幅方向の両端部の格子が廃トナーの搬送方向に対して中央部側に傾斜する略平行四辺形状になるように形成されている。さらに、平板部41aの幅方向の片側最端部(図9の下方である。)の格子の傾斜角度が、それよりも中央部側にある格子の傾斜角度よりも大きくなるように形成されている。このような構成によって、押込部材41の揺動によって、廃トナー貯留部31内の全体にわたって偏りなく廃トナーが回収されることになる。
なお、本願において「格子状」とは、縦横にわたって複数の矩形のすかし(貫通穴)が規則正しく整列されているものの他、矩形に関らず複数のすかし(貫通穴)がランダムに形成されているものも含むものとする。
これにより、廃トナー貯留部32に貯留される廃トナーが押込部材41と搬送スクリュ51との駆動連結部に付着しにくくなるため、搬送スクリュ51の駆動に連動して押込部材41が確実に駆動することになり、押込部材41の動作不良の発生が抑止される。したがって、大容量の廃トナー回収容器30内に廃トナーが全体的に満遍なく回収されることになる。
このような構成により、カム部材52(又は、腕部41bとの駆動連結部41b1)には廃トナー流入部52に流入される廃トナーが直接的に付着しにくくなるため、上述した押込部材41の動作不良を抑止する効果がさらに確実なものになる。
さらに、廃トナー流入部32の天井部32aには、搬送管16に対する装着方向の奥側(図3の右方である。)に対応する位置に、装着方向に沿って下方に傾斜する傾斜部(テーパ部)が形成されている。このように廃トナー流入部32に傾斜部を設けることで、装置本体1(搬送管16)に対する廃トナー回収容器30の着脱動作(特に、装着動作である。)をスムーズにおこなうことができる。
詳しくは、天井部32aには、装着方向手前側において上方に起立する起立部(壁面)が設けられている。そして、この起立部上に、ピン32bが水平方向に起立するように固設されている。そして、搬送管16(装置本体1)に対する廃トナー回収容器30の装着がおこなわれ、搬送管16の位置決め穴部に廃トナー回収容器30のピン32bが嵌合することで、搬送管16(装置本体1)に対する廃トナー回収容器30の位置が定められる。さらに、搬送管16の内部に挿入されたピン32b(押動部材)によって、付勢部材の付勢力に抗するように、シャッタ部材16bが排出口16aを開放する位置(開口と排出口16aとが合致する位置である。)まで押動される。そして、そのような状態で、搬送管16の排出口16aと、廃トナー回収容器30の流入口32a1と、が連通して、搬送管16を介して廃トナー回収容器30内に廃トナーが流入されることになる。
このように、廃トナー流入部32に設置されたピン32bは、装置本体1への装着動作にともない搬送管16の排出口16aに設置されたシャッタ部材16bを押動して排出口16aを開放する押動部材として機能することになる。そして、この押動部材としてのピン32bは、5つの流入口32a1Y、32a1M、32a1C、32a1BK、32a1Tと5つの搬送管16とに対応して、5つ設置されている(図7等を参照できる)。そして、5つのピン32b(押動部材)は、幅方向(奥行方向に直交する方向であって、図7の左右方向である。)に並設されている。
そして、図14に示すように、押込部材41の先端部が廃トナー貯留部31の上端近傍まで持ち上がった状態は、廃トナー貯留部31の全体にわたって充分に廃トナーが充填されるとともに、廃トナー流入部31にも付加的に廃トナーが充填された状態である。そして、図14のように先端部が持ち上がった状態の押込部材41を廃トナー検知部54によって検知する。
ゴムシート56(可撓性部材)は、廃トナー回収容器30(廃トナー貯留部31)に形成された開口部31aを塞ぐように設置(貼着)されていて、その位置に持ち上げられる押込部材41の先端部による押動によって変形するように形成されている。なお、ゴムシート56は、例えば、厚さが1mm以下のゴム材料で形成することができる。
また、フィラー55(可動部材)は、廃トナー回収容器30の外側からゴムシート56に接触するように設置されるとともに、支軸55aを中心にして回動可能に廃トナー回収容器30に支持されている。そして、フィラー55は、廃トナー量の増加にともなうゴムシート56を介在した押込部材41による押動によって変位して、その変位がフォトセンサ57によって検知されることになる。
なお、フォトセンサ57は、主として発光素子と受光素子とで構成されていて、発光素子と受光素子との間にフィラー55が介在して発光素子から射出されて受光素子に至る光が遮られるか否かで上述したフィラー55の姿勢を検知する。
なお、本実施の形態では、フォトセンサ57を装置本体1側に設置したが、フォトセンサ57を廃トナー回収容器30側に設置することもできる。
そして、このように押込部材41に面状部41a1を設けることで、廃トナー検知部54に対して面状部41a1(押込部材41)の大きな面で押動することができるため、押込部材41の変位を廃トナー検知部54によって確実に検知することができる。
具体的に、廃トナー検知部54によってニア満杯状態が検知されると、その状態が装置本体1の表示部(不図示である。)に報知される。これにより、その状態を認知したユーザー(又は、サービスマン)は、満杯状態になる時期をある程度予見できるため、満杯状態になって突然に装置本体1が停止して装置本体1の使用ができなくなるのを避けることができる。そして、廃トナー検知部54によって満杯状態が検知されると、制御部によって適当なタイミングで装置本体1の稼動が休止されて廃トナー回収容器30への廃トナーの搬送が停止されるとともに、その状態が装置本体1の表示部に報知される。そして、その状態を認知したユーザー(又は、サービスマン)は、満杯になった廃トナー回収容器30の交換メンテナンスをおこなうことになる。
このような構成により、装置本体1に対して廃トナー回収容器30を着脱する場合に、装置本体1の設置部200(図14において一点鎖線で示すように箱状に形成されている。)にフィラー55が干渉する不具合が抑止される。
このように構成することで、廃トナー貯留部31に向けて送出される廃トナーの幅方向のバランスと、廃トナー流入部32内に堆積される廃トナーの幅方向のバランスと、を整えやすくなる。すなわち、流入口の数が多い範囲に搬送スクリュ51のスクリュ部51bを設けることで、幅方向に搬送できる廃トナー量を多くすることができるため、幅方向のバランスを整えやすくなる。
詳しくは、一般的に、モノクロ画像のプリント頻度は他のカラー画像のプリント頻度に比べて多くなるとともに、中間転写ベルト17上では4色の画像が重ねて転写されるため、黒色用の流入口32a1BKから流入される廃トナー量と、中間転写ベルト17用(中間転写体用)の流入口32a1Tからから流入される廃トナー量と、は他の流入口32a1Y、32a1M、32a1Cから流入される廃トナー量に比べて、多くなる。そして、このように廃トナーの流入量が多くなる流入口32a1BK、32a1Tを遠い位置(幅方向両端部側である。)に配置することで、廃トナーが幅方向にバランスよく搬送・充填されることになる(幅方向両端部側の廃トナーの高さが低くなってしまうような不具合が生じにくくなる)。
さらに、黒色用の流入口32a1BKから流入される廃トナー量と、中間転写ベルト17用(中間転写体用)の流入口32a1Tからから流入される廃トナー量と、を比べると、一般的に、後者の方がやや多くなる傾向があるため、その方をスクリュ部51bの側(一端側)に配置して積極的に幅方向に搬送することで、廃トナーが幅方向にバランスよく搬送・充填されることになる。
廃トナー回収容器30は、装置本体1の本体カバー(不図示である。)を開放した状態で、装置本体1に対して奥行方向を着脱方向として着脱可能に設置される。具体的に、装置本体1への装着時には、廃トナー回収容器30は、図4の+Y方向に移動される。これに対して、装置本体1からの離脱時には、廃トナー回収容器30は、図4の−Y方向に移動される。
また、図4、図15を参照して、廃トナー回収容器30の廃トナー流入部32の幅方向両端部には、装置本体1の設置部に設けられた軸部材としての本体側ピン95に嵌合する切欠部32cが、奥行方向(+Y方向)に開口するようにそれぞれ形成されている。そして、廃トナー回収容器30は、装置本体1のガイドレールに案内されながら装置本体1に装着されて、奥行方向手前側の位置で切欠部32cが装置本体1の本体側ピン95(軸部材)に嵌合して、装置本体1に対する奥行方向手前側の装着位置が定められることになる。
さらに、図4、図5、図16を参照して、廃トナー回収容器30の廃トナー貯留部31の奥行方向奥側には、装置本体1の設置部に設けられた本体側対向部材としての磁石90に対向する容器側対向部材としての磁性金属板31cが設置されている。そして、廃トナー回収容器30は、装置本体1のガイドレールに案内されながら装置本体1に装着されて、奥行方向奥側の位置で磁石90と磁性金属板31cとの間に作用する磁力によって装置本体1に対して廃トナー回収容器30が固定されることになる。
さらに、装置本体1に廃トナー回収容器30が装着されると、廃トナー回収容器30のピン32b(押動部材)によって、搬送管16の位置決めがおこなわれるとともに、シャッタ部材16bが排出口16aを開放する位置まで押動される。そして、そのような状態で、搬送管16の排出口16aと、廃トナー回収容器30の流入口32a1と、が連通して、搬送管16を介して廃トナー回収容器30内に廃トナーが流入されることになる。
一方、本体側対向部材としての磁石90は、装置本体1に装着された状態の廃トナー回収容器30の磁性金属板31cに対して、微小な隙間をあけて対向するように、装置本体1の設置部に固設されている。詳しくは、磁石90は、永久磁石であって、その対向面(磁性金属板31cに対向する面である。)が矩形状に形成されている。そして、磁石90は、磁性金属板31cと同様に、奥行方向に直交する廃トナー貯留部31(廃トナー回収容器30)の断面の長手方向(X方向)に対応する方向の長さX0が、廃トナー貯留部31(廃トナー回収容器30)の断面の短手方向(Z方向)に対応する方向の長さZ0に比べて、短くなるように形成されている(X0<Z0である)。
また、ピン32bのY座標が大きくズレてしまうと、搬送管16のシャッタ部材16bを移動する位置がズレてしまい排出口16aが充分に開放されなくなって、廃トナー回収容器30における廃トナーの回収不良が生じることになる。
また、切欠部32cのY座標が大きくズレてしまうと、本体側ピン95と切欠部32cとの嵌合が不充分になって、装置本体1に対する廃トナー回収容器30の位置が充分に定まらなくなってしまう。なお、切欠部32cのZ座標がズレてしまった場合については、切欠部32cの開口部にテーパが形成されているため、切欠部32cが本体側ピン95に嵌合しないことはなく、切欠部32cが本体側ピン95に最終的に嵌合することによってその座標ズレが補正されることになる。
また、ギア71のY座標が大きくズレてしまうと、装置本体1の駆動ギアとの噛み合いが小さくなったり歯底に歯先が接触してしまったりして、搬送スクリュ51や押込部材41の駆動不良等が生じることになる。
特に、本実施の形態において、複数の切欠部32cや、複数の流入口32a1(32a1Y、32a1M、32a1C、32a1BK、32a1T)や、複数のピン32b(押動部材)は、それぞれ、幅方向に並設されているものであるとともに、磁石90や磁性金属板31cの位置から充分に離れた位置に設置されたものであるため、Y方向の位置ズレが大きくなりやすく、廃トナー回収容器30がY方向に大きく位置ズレするのを防止する必要がある。
また、本実施の形態では、2成分現像剤を用いる2成分現像方式の現像部13が搭載された画像形成装置に対して本発明を適用したが、1成分現像剤を用いる1成分現像方式の現像部13が搭載された画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
なお、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部(クリーニング装置)とのうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
また、本実施の形態では、装着状態において磁石90(本体側対向部材)に対して磁性金属板31c(容器側対向部材)が隙間をあけて対向するように構成したが、磁石90(本体側対向部材)に対して磁性金属板31c(容器側対向部材)が接触するように構成することもできる。
また、本実施の形態では、廃トナー貯留部31の上方に廃トナー流入部32が形成された略L字状の廃トナー回収容器30に対して本発明を適用したが、その他の形状の廃トナー回収容器に対しても本発明を適用することができる。
そして、これらの場合にも、容器側対向部材と本体側対向部材とを、奥行方向に直交する容器の断面の長手方向に対応する方向の長さが短手方向に対応する方向の長さに比べて短くなるように形成することで、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
9 中間転写ベルトクリーニング部(クリーニング部)、
11 感光体ドラム(像担持体)、
15 クリーニング部、
16 搬送管、
16a 排出口、
16b シャッタ部材、
17 中間転写ベルト(像担持体、中間転写体)、
30 廃トナー回収容器、
31 廃トナー貯留部、
31c 磁性金属板(容器側対向部材)、
32 廃トナー流入部(第2廃トナー貯留部)、
32a1 流入口、
32a1Y、32a1M、32a1C、32a1BK、32a1T 流入口、
32b ピン(押動部材)、
32c 切欠部、
41 押込部材(第1搬送部材)、
51 搬送スクリュ(第2搬送部材)、
52 カム部材、
54 廃トナー検知部、
90 磁石(本体側対向部材)、
95 本体側ピン(軸部材)。
Claims (7)
- 像担持体上の未転写トナーを除去するクリーニング部から排出された当該未転写トナーを廃トナーとして回収するとともに、画像形成装置本体に対して奥行方向を着脱方向として着脱可能に設置される廃トナー回収容器であって、
奥行方向に直交する端面に設置されて、前記画像形成装置本体に設置された本体側対向部材に対向又は接触して双方の部材間に作用する磁力によって容器の位置を固定するための容器側対向部材を奥行方向奥側に備え、
複数の前記クリーニング部から排出された廃トナーがそれぞれ搬送される複数の搬送管の排出口にそれぞれ連通するように上方に開口する複数の流入口と、奥行方向手前側を装着方向手前側とする前記画像形成装置本体への装着動作にともない前記複数の搬送管にそれぞれ嵌合するように奥行方向に起立する複数のピンと、がそれぞれ奥行方向手前側において奥行方向に直交する幅方向に並設され、
前記容器側対向部材は、前記本体側対向部材とともに、奥行方向に直交する容器の断面の長手方向に対応する方向の長さが前記断面の短手方向に対応する方向の長さに比べて短くなるように形成されたことを特徴とする廃トナー回収容器。 - 奥行方向に延在するように形成され、奥行方向に直交する断面において垂直方向の長さが水平方向の長さよりも短くなるように形成されるとともに、廃トナーを貯留する廃トナー貯留部と、
前記廃トナー貯留部の奥行方向手前側において上方に突設されるとともに、前記複数の流入口と前記複数のピンとが形成された廃トナー流入部と、
を備え、
前記容器側対向部材は、前記廃トナー貯留部の奥行方向奥側に形成された前記端面に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の廃トナー回収容器。 - 前記廃トナー流入部は、奥行方向に直交する幅方向の両端部に、前記画像形成装置本体に設置された軸部材に嵌合する切欠部が、奥行方向に開口するようにそれぞれ形成されたことを特徴とする請求項2に記載の廃トナー回収容器。
- 容器の内部に回収された廃トナーを搬送する搬送部材を駆動するためのギアが、奥行方向手前側に設置されて、前記画像形成装置本体への装着動作にともない前記画像形成装置本体に設置された駆動ギアに噛合することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の廃トナー回収容器。
- 前記複数のピンは、前記画像形成装置本体への装着動作にともない前記複数の搬送管の前記排出口にそれぞれ設置されたシャッタ部材を押動して前記排出口をそれぞれ開放するように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の廃トナー回収容器。
- 前記容器側対向部材は、矩形状の対向面を有する磁性金属板であって、
前記本体側対向部材は、矩形状の対向面を有する磁石であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の廃トナー回収容器。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の廃トナー回収容器を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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