JP5958182B2 - 液状ポリシロキサン組成物、ポリシロキサン硬化物製造用キット及びこれらの製造方法 - Google Patents

液状ポリシロキサン組成物、ポリシロキサン硬化物製造用キット及びこれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5958182B2
JP5958182B2 JP2012185996A JP2012185996A JP5958182B2 JP 5958182 B2 JP5958182 B2 JP 5958182B2 JP 2012185996 A JP2012185996 A JP 2012185996A JP 2012185996 A JP2012185996 A JP 2012185996A JP 5958182 B2 JP5958182 B2 JP 5958182B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polysiloxane
liquid
mixture
group
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012185996A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014043505A (ja
Inventor
憲章 寺田
憲章 寺田
森 寛
寛 森
滝沢 健一
健一 滝沢
正人 新原
正人 新原
高巣 真弓子
真弓子 高巣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2012185996A priority Critical patent/JP5958182B2/ja
Publication of JP2014043505A publication Critical patent/JP2014043505A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5958182B2 publication Critical patent/JP5958182B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

本発明は、液状ポリシロキサン組成物の製造方法、ポリシロキサン硬化物製造用キット及びこれらの製造方法に関する。ここで、ポリシロキサンとはオルガノポリシロキサンを包含するものとし、以下においても同様とする。
下記ステップ(i)〜(iii)からなるポリシロキサン硬化物の製造方法が知られている。
(i)硬化触媒を含有しない液状ポリシロキサン組成物を準備するステップ。
(ii)ステップ(i)で準備される液状ポリシロキサン組成物の硬化に利用し得る硬化触媒を含有する液状組成物を準備するステップ。
(iii)ステップ(i)で準備した液状ポリシロキサン組成物と、ステップ(ii)で準備した液状組成物とを混合し、次いで加熱することにより、ポリシロキサン硬化物を得るステップ。
このような3つのステップを含むポリシロキサン硬化物の製造方法は極めて一般的なものであり、発光ダイオード(LED)のような光半導体素子の封止材にも、この方法で製造されるポリシロキサン硬化物が用いられている(特許文献1)。
2液硬化型ポリシロキサン樹脂、2液硬化型シリコーン樹脂、2液硬化型シリコーンゴムなどと呼ばれている材料は、上記ステップ(i)で準備される液状ポリシロキサン組成物と上記ステップ(ii)で準備される液状組成物とを組み合わせたキット(ポリシロキサン硬化物製造用キット)のことである。このようなキットでは、しばしば、一方の組成物が「A液」、他方の組成物が「B液」と呼ばれる。
特開2012−21131号公報
本発明の主たる目的は、上記ステップ(i)〜(iii)からなるポリシロキサン硬化物の製造方法に好適に使用し得る、液状ポリシロキサン組成物、ポリシロキサン硬化物製造用キット及びこれらの製造方法を提供することにある。
本発明の実施形態には、以下に挙げる液状ポリシロキサン組成物の製造方法が含まれる。
[a1]水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なシラン化合物および/またはシロキサン化合物と、縮合触媒として作用する有機−金属化合物と、を含有する混合物を準備する第1ステップと;該混合物を増粘する第2ステップと;該第2ステップで増粘した混合物を水と共に加熱して、上記有機−金属化合物の縮合触媒活性の少なくとも一部を失わせる第3ステップと;を含むことを特徴とする、液状ポリシロキサン組成物の製造方法。
[a2]上記第3ステップでは、上記第1〜第3ステップを実行して得たポリシロキサン混合物を150℃で3時間加熱したときの粘度上昇率が15%以下となるように上記有機−金属化合物の縮合触媒活性を失わせる、上記[a1]に記載の製造方法。
[a3]上記第3ステップでは上記第2ステップで増粘した混合物を、当該混合物に対する重量比10%以上の水とともに撹拌しながら、約100℃で加熱する、上記[a1]または[a2]に記載の製造方法。
[a4]上記第1ステップで準備する混合物が、上記有機−金属化合物としてガリウム化合物を含有する、上記[a1]〜[a3]のいずれかに記載の製造方法。
[a5]上記第1ステップで準備する混合物が、上記有機−金属化合物として、ガリウムアセチルアセトネートおよび酢酸ガリウムから選ばれる一種以上のガリウム化合物を含む、上記[a4]に記載の製造方法。
[a6]上記第1ステップで準備する混合物が、下記式(1)で表されるシラン化合物を含有する、上記[a1]〜[a5]のいずれかに記載の製造方法。
SiXMe4−n・・・(1)
(上記式(1)中、Xは水酸基または加水分解性基を表し、nは2、3または4であり、Meはメチル基を表す。)
[a7]上記第1ステップで準備する混合物が、上記式(1)で表されるシラン化合物としてテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシランおよびジメチルジメトキシシランから選ばれる少なくとも1種のシラン化合物を含有する、上記[a6]に記載の製造方法。
[a8]上記第1ステップで準備する混合物が、下記式(2)で表されるシロキサン化合物を含有する、上記[a1]〜[a7]のいずれかに記載の製造方法。
Figure 0005958182


(上記式(2)中、Rのそれぞれは1価炭化水素基(互いに異なっていてもよい)、Uのそれぞれは酸素原子または炭素原子数1〜8の2価炭化水素基(互いに異なっていてもよい)、Yのそれぞれは水酸基または加水分解性基(互いに異なっていてもよい)であり、mは0〜2の整数、nは自然数である。)
[a9]上記第1ステップで準備する混合物が、上記式(2)で表されるシロキサン化合物として、PhSiO2/2ユニット(Phはフェニル基を表す)およびMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)から選ばれる少なくとも一種のDユニットを有するシロキサン化合物を含有する、上記[a8]に記載の製造方法。
[a10]上記第1ステップで準備する混合物が、上記式(2)で表されるシロキサン化合物として、PhSiO2/2ユニット(Phはフェニル基を表す)およびMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)から選ばれる少なくとも一種のDユニットと、MeSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)とを有するシロキサン化合物を含有する、上記[a9]に記載の製造方法。
[a11]上記第1ステップで準備する混合物が、PhSiO2/2ユニット(Phはフェニル基を表す)およびMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)から選ばれる少なくとも一種のDユニットを有するとともに、水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なポリシロキサンを含有する、上記[a1]〜[a7]のいずれかに記載の製造方法。
[a12]上記第3ステップの後に、更に、上記第1〜第3ステップを実行して得たポリシロキサン混合物に活性炭処理を行うステップを有する、上記[a1]〜[a11]のいずれかに記載の製造方法。
[a13]上記第2ステップを省略し、上記第1ステップで準備した混合物を上記第3ステップの過程で増粘させる、上記[a1]に記載の製造方法。
上記[a1]〜[a13]に挙げた製造方法によって、2液硬化型ポリシロキサン樹脂用に好適な液状ポリシロキサン組成物を製造することができる。
本発明の実施形態には、また、以下に挙げるポリシロキサン硬化物製造用キットの製造方法が含まれる。
[b1]ポリシロキサンを含有するA液と、硬化触媒を含有し硬化物製造時に該A液と混合されるB液と、を含むポリシロキサン硬化物製造用キットの、製造方法であって、
上記[a1]〜[a13]のいずれかに記載の液状ポリシロキサン組成物の製造方法を用いて該A液を製造することを特徴とする、ポリシロキサン硬化物製造用キットの製造方法。
[b2]上記B液が主たる溶媒成分としてHO−(MePhSi−O)−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、nは5以上の整数を表す)を含有する上記[b1]に記載の製造方法。
[b3]ナトリウムD線を用いて測定した20℃における上記A液の屈折率が1.50以上であり、上記B液の25℃における粘度が6000mPa・s未満である、上記[b2]に記載の製造方法。
[b4]ナトリウムD線を用いて測定した20℃における上記A液の屈折率が1.50以上であり、上記HO−(MePhSi−O)−Hはポリスチレン換算の重量平均分子量が2500以下である、上記[b2]に記載の製造方法。
[b5]上記B液が上記硬化触媒としてガリウム化合物を含有する上記[b1]〜[b4]のいずれかに記載の製造方法。
本発明の実施形態には、更に、以下に挙げる液状ポリシロキサン組成物が含まれる。
[c1]縮合触媒としてガリウム化合物を含有するとともに、主たる溶媒成分としてHO−(MePhSi−O)−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、nは5以上の整数を表す)を含有する、液状ポリシロキサン組成物。
[c2]縮合触媒として、ガリウムアセチルアセトネートおよび酢酸ガリウムから選ばれる一種以上のガリウム化合物を含む、上記[c1]に記載の液状ポリシロキサン組成物。[c3]縮合触媒としてガリウム化合物を含有するとともに、主たる溶媒成分として水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なシロキサン化合物を含有し、室温で30日保存したときの粘度上昇率が10%以下である、液状ポリシロキサン組成物。
[c4]上記主たる溶媒成分がHO−(MePhSi−O)−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、nは5以上の整数を表す)である、上記[c3]に記載の液状ポリシロキサン組成物。
[c5]上記縮合触媒としてガリウムアセチルアセトネートを含有する、上記[c3]または[c4]に記載の液状ポリシロキサン組成物。
上記[c1]〜[c5]に挙げた液状ポリシロキサン組成物は、硬化機構として縮合反応を利用する2液硬化型ポリシロキサン樹脂用の硬化触媒液として好適に使用できる。
本発明の実施形態には、更に、以下に挙げる液状ポリシロキサン組成物の製造方法が含まれる。
[d1]縮合触媒およびHO−(MePhSi−O)−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、nは5〜7の整数を表す)を含有する混合物を増粘するステップを有する、液状ポリシロキサン組成物の製造方法。
[d2]縮合触媒およびポリスチレン換算の重量平均分子量が約900のHO−(MeP
hSi−O)−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、nは5以上の整数を表す)を含有する混合物を増粘するステップを有する、液状ポリシロキサン組成物の製造方法。
[d3]縮合触媒およびHO−(MePhSi−O)−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、nは5以上の整数を表す)を含有する混合物を、25℃における粘度が6000mPa・s以上とならない範囲で増粘するステップを有する、液状ポリシロキサン組成物の製造方法。
[d4]上記縮合触媒がガリウム化合物を含む、上記[d1]〜[d3]のいずれかに記載の製造方法。
[d5]上記縮合触媒が、ガリウムアセチルアセトネートおよび酢酸ガリウムから選ばれる一種以上のガリウム化合物を含む、上記[d4]に記載の製造方法。
上記[d1]〜[d5]に挙げた製造方法によって、硬化機構として縮合反応を利用する2液硬化型ポリシロキサン樹脂用の硬化触媒液として好適な液状ポリシロキサン組成物を製造できる。
本発明の実施形態には、更に、以下に挙げるポリシロキサン硬化物製造用キットが含まれる。
[e1]水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を1分子中に少なくとも2個有するポリシロキサンを含有するA液と、硬化触媒を含有し硬化物製造時に該A液と混合されるB液と、を含むポリシロキサン硬化物製造用キットであって、
該ポリシロキサンが炭化水素基としてフェニル基およびメチル基を有しており、
ナトリウムD線を用いて測定した20℃における該A液の屈折率が1.50以上であり、かつ、
該B液が、縮合触媒を含有するとともに、主たる溶媒成分としてHO−(MePhSi−O)−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、nは5以上の整数を表す)を含有することを特徴とする、ポリシロキサン硬化物製造用キット。
[e2]上記B液が上記縮合触媒としてガリウム化合物を含有する、上記[e1]に記載のポリシロキサン硬化物製造用キット。
[e3]上記B液が上記縮合触媒として、ガリウムアセチルアセトネートおよび酢酸ガリウムから選ばれる一種以上のガリウム化合物を含む、上記[e1]または[e2]に記載のポリシロキサン硬化物製造用キット。
[e4]上記B液の25℃における粘度が6000mPa・s未満である、上記[e1]〜[e3]のいずれかに記載のポリシロキサン硬化物製造用キット。
[e5]上記HO−(MePhSi−O)−Hはポリスチレン換算の重量平均分子量が2500以下である、上記[e1]〜[e3]のいずれかに記載のポリシロキサン硬化物製造用キット。
[e6]上記A液が上記ポリシロキサンとして、PhSiO2/2ユニット(Phはフェニル基を表す)およびMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)から選ばれる少なくとも一種のDユニットを有するポリシロキサンを含有する、上記[e1]〜[e5]のいずれかに記載のポリシロキサン硬化物製造用キット。
[e7]上記A液が上記ポリシロキサンとして、PhSiO2/2ユニット(Phはフェニル基を表す)およびMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)から選ばれる少なくとも一種のDユニットおよびMeSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)を有するポリシロキサンを含有する、上記[e6]に記載のポリシロキサン硬化物製造用キット。
本発明によれば、上記ステップ(i)〜(iii)からなるポリシロキサン硬化物の製造方法に好適に使用し得る、液状ポリシロキサン組成物、ポリシロキサン硬化物製造用キ
ット及びこれらの製造方法が提供される。
第2実施形態に係るポリシロキサン硬化物製造用キットを用いて封止した発光ダイオード素子を含む発光デバイスの断面図である。
以下、本発明を実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は本明細書に明示的または黙示的に記載された実施形態に限定されるものではない。
以下の説明において、ポリシロキサン組成物等の屈折率に言及する場合、特に断らない限り、その屈折率はナトリウムD線を用いて測定した20℃における屈折率を意味する。
また、以下の説明において、ポリシロキサンの重量平均分子量(Mw)に言及する場合、特に断らない限り、その重量平均分子量はポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
また、以下の説明において、ポリシロキサン組成物等の粘度に言及する場合、特に断らない限り、25℃における粘度を意味する。
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態は、液状ポリシロキサン組成物の製造方法であって:
水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なシラン化合物および/またはシロキサン化合物と、縮合触媒として作用する有機−金属化合物と、を含有する混合物を準備する第1ステップと;
該混合物を増粘する第2ステップと;
該第2ステップで増粘した該混合物を水と共に加熱して、上記有機−金属化合物の縮合触媒活性の少なくとも一部、好ましくは実質的に全てを失わせる第3ステップと;
を含むことを特徴とするものである。
該第1実施形態に係る液状ポリシロキサン組成物の製造方法は、上記ステップ(i)〜(iii)からなるポリシロキサン硬化物の製造方法におけるステップ(i)で準備すべき、硬化触媒を含有しない液状ポリシロキサン組成物を製造する目的のために好ましく使用することができる。
第1実施形態に係る液状ポリシロキサン組成物の製造方法の主たる特徴は、第3ステップにある。すなわち、第2ステップの増粘に必要な縮合触媒として用いた有機−金属化合物を、水とともに加熱する方法で失活させる点にある。
従来の、活性炭のような粉体状の吸着物質を用いて有機−金属化合物を除去する方法では、吸着物質の添加によりポリシロキサン組成物の粘度が上昇するために、吸着物質を濾過して取り除くステップに長時間を要するという問題がある。また、ポリシロキサンも吸着物質に吸着するために収率が著しく低くなるという問題、具体的には、回収し得るポリシロキサン組成物の重量が濾過前の50〜75%になるという問題がある。
更に、吸着物質を用いた方法では、小スケール実験で良好な結果が得られた条件を適用しても、スケールアップしたときには必ずしも良好な結果が再現されないことを本発明者等は確認している。その理由は、処理すべきポリシロキサン組成物の量が多くなる程、その中に吸着物質を均一に分散させることが困難になるからであると推定される。
それに対して、水を使用する方法では、これらの問題が発生しない。ポリシロキサン組成物を撹拌しながら水とともに加熱すると混合物はエマルジョン様を呈するが、この混合物を静かに放置すると再び2相に分離するので、分液装置を用いて水を容易に分別することができる。
また、上記エマルジョン様となった混合物は粘度が低いので、処理すべきポリシロキサ
ン組成物の量が多くなっても十分な撹拌が可能である。そのため、ポリシロキサン組成物の量の多少によらず、該混合物中における有機−金属化合物と水との反応を一様に発生させることができるものと考えられる。
以下、第1実施形態に係る液状ポリシロキサン組成物の製造方法について、ステップ毎に説明する。
1.1 第1ステップ
第1ステップでは、水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なシラン化合物および/またはシロキサン化合物と、縮合触媒として作用する有機−金属化合物と、を含有する混合物を準備する。
以下の説明では、便宜のために、この混合物を「混合物(A)」と呼ぶことにする。
混合物(A)には、上記のシラン化合物およびシロキサン化合物のいずれか一方のみを含有させてもよいが、好ましくは両方を含有させる。特に、この製造方法で得られる液状ポリシロキサン組成物を硬化させて得られるポリシロキサン硬化物が、適度な柔軟性を備えるものとなるように、この第1ステップで、ポリスチレン換算の重量平均分子量が500以上で両末端に水酸基および/または加水分解性基を有する直鎖状のポリジオルガノシロキサンを、混合物(A)に含有させることが望ましい。
1.1.1 シラン化合物
水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なシラン化合物とは、例えば、下記式(3)で表されるシラン化合物である。
SiX4−n・・・(3)
上記式(3)において、Xは水酸基または加水分解性基を表わし、Rは1価炭化水素基を表す。nは2、3または4である。Xは互いに異なっていてもよい。nが2のときには、2つのRは互いに異なっていてもよい。
加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基; アセトキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基; ビニロキシ基、イソプロペニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等のケトオキシム基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基; ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキ
シ基等のアミノキシ基;N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基;等が挙げられる。これらの中でも、アルコキシ基が好ましい。
1価炭化水素基の一例は、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基である。1価炭化水素基の他の例として、ビニル基、γ−アミノプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−クロロプロピル基、β−シアノエチル基、メチルフェニル基、p−アミノフェニル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、アミノエチル基、アミノメチル基、フェネチル基、4−アミノブチル基、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピル基、3−クロロプロピル基、(p−クロロメチル)フェニル基、4−クロロフェニル基、スチリルエチル基、2−メトキシエトキシ基、トリフルオロプロピル基などが挙げられる。
第1ステップでは、混合物(A)に、水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なシラン化合物を複数種含有させてもよいし、1種類のみ含有させて
もよい。
第1実施形態に係る発明の効果が最も顕著に得られるのは、上記式(3)で表されるシラン化合物の中でも、特に下記式(1)で表されるものを用いた場合である。
SiXMe4−n・・・(1)
上記式(1)において、Xは水酸基または加水分解性基を表し、nは2、3または4であり、Meはメチル基を表している。この式で表されるシラン化合物の典型例は、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランである。
上記式(1)で表されるシラン化合物と縮合触媒を含む混合物(A)を増粘して得られる液状組成物は、該シラン化合物に由来する反応性の高いシラノール基を有するポリシロキサンを含むものとなるので、保存安定性が低くなりがちである。しかし、この第1実施形態では、第3ステップで行う処理によって縮合触媒を確実に失活させることができるので、保存安定性の低下を防ぐことができる。
1.1.2 シロキサン化合物
水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なシロキサン化合物とは、例えば、かかるケイ素原子を1分子中に少なくとも2個有するシロキサン化合物である。その一例として、下記式(2)で表されるポリシロキサンが挙げられる。
Figure 0005958182
上記式(2)において、Rのそれぞれは1価炭化水素基(互いに異なっていてもよい)、Uのそれぞれは酸素原子または炭素原子数1〜8の2価炭化水素基(互いに異なっていてもよい)、Yのそれぞれは水酸基または加水分解性基(互いに異なっていてもよい)であり、mは0〜2の整数、nは自然数である。nは、例えば、当該ポリシロキサンの25℃における粘度が500〜2000mPa・sとなるように、あるいは、当該ポリシロキサンのポリスチレン換算したときの重量平均分子量が500〜4000となるように、設定される。
上記式(2)で表されるポリシロキサン化合物には、次の式(4)〜(10)に挙げるポリシロキサン化合物が含まれる。
Figure 0005958182

Figure 0005958182

Figure 0005958182

Figure 0005958182

Figure 0005958182

Figure 0005958182

Figure 0005958182
上記式(4)〜(10)において、Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。p、p1、p2、q、P、Qは、それぞれ自然数であり、各式においてポリシロキサン主鎖に含まれるケイ素原子の数が4以上となる数である。p、p1、p2、q、P、Qは、当該ポリシロキサンの25℃における粘度が500〜2000mPa・sとなるように、あるいは、当該ポリシロキサンの、ポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜4000となるように、適宜設定される。
混合物(A)には上記式(5)〜(10)で表されるポリシロキサンのように、PhSiO2/2ユニット(Phはフェニル基を表す)およびMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)から選ばれる1種以上のDユニットを含むシロキサン化合物を含有させることが好ましい。そうすることで、第3ステップにおけるポリシロキサン成分の加水分解が抑制されるからである。詳細は明らかではないが、フェニル基が導入されることにより、シロキサン骨格を構成するSi−O結合に対する水分子の攻撃が阻害される可能性が推測される。
水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なシロキサン化合物は、上記式(2)で表されるものに限定されるものではなく、RSiO1/2(各Rは炭化水素基)で表されるMユニット、式RSiO3/2(Rは炭化水素基)で表されるTユニット、あるいは式SiO4/2で表されるQユニットを含むものであってもよい。また、末端置換基あるいは側鎖置換基として、反応性官能基であるビニル基、γ−アミノプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−クロロプロピル基、β−シアノエチル基、メチルフェニル基、p−アミノフェニル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、アミノエチル基、アミノメチル基、フェネチル基、4−アミノブチル基、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピル基、3−クロロプロピル基、(p−クロロメチル)フェニル基、4−クロロフェニル基、スチリルエチル基、2−メトキシエトキシ基、トリフルオロプロピル基など、様々な炭化水素基を有し得る。
混合物(A)には、水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なポリシラン化合物を複数種含有させることもできるし、一種のみ含有させることもできる。
一例では、第1ステップを、複数のサブステップから構成することもできる。例えば、上記式(4)で表されるシロキサン化合物と、上記式(5)で表されるシロキサン化合物と、縮合触媒とを含む混合物を準備するサブステップ−1、該混合物を加熱して増粘するサブステップ−2と、該サブステップ−2で増粘させた混合物に上記式(3)で表されるシラン化合物を混合するサブステップ−3という、3つのサブステップで第1ステップを構成することができる。この場合、第1ステップ全体では、上記式(4)で表されるシロキサン化合物と上記式(5)で表されるシロキサン化合物とが重縮合して生じるシロキサン化合物(上記式(8)で表されるシロキサン化合物を含む)と、縮合触媒(サブステップ−2で失活せず生き残ったもの)と、上記式(3)で表されるシラン化合物とを含む、混合物(A)が準備されることになる。
1.1.3 縮合触媒
縮合触媒として作用する有機−金属化合物とは、シラノール基(Si−OH)間の脱水縮合反応およびシラノール基と加水分解性基の間の縮合反応を触媒する金属化合物であって、有機成分を含有するものである。加水分解性基がアルコキシ基(Si−OR)の場合には、シラノール基との間の縮合反応はR−OHの発生を伴う脱アルコール反応となる。
かかる作用を有する有機−金属化合物はよく知られており、例えば、Sn(スズ)、Zn(亜鉛)、Fe(鉄)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Bi(ビスマス)、Hf(ハフニウム)、Y(イットリウム)、Al(アルミニウム)、B(ホウ素)、Ga(ガリウム)などの金属を含む、キレート錯体、有機酸塩、有機金属が挙げられる。
具体的な有機−金属化合物の例を以下に記す。
ジルコニウムを含有する有機−金属化合物としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシジアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムアシレート、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムオクトエート、ジルコニル(2−エチルヘキサノエート)、ジルコニウム(2−エチルヘキソエート)などが挙げられる。
ハフニウムを含有する有機−金属化合物としては、上記例示したジルコニウム化合物のジルコニウムをハフニウムに置き換えた化合物が挙げられる。
チタンを含有する有機−金属化合物としては、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラノルマルブトキシド、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンエチルアセトアセテートなどが挙げられる。
亜鉛を含有する有機−金属化合物としては、亜鉛トリアセチルアセトネート、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛(II)(一水和物)、などが挙げられる。
スズを含有する有機−金属化合物としては、テトラブチルスズ、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキサイド、テトラオクチルスズ、ジオクチルスズジクロライド、ジオクチルスズオキサイド、テトラメチルスズ、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレート、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ビス(ネオデカノエート)スズ、ジ−n−ブチルビス(エチルヘキシルマレート)スズ、ジ−ノルマルブチルビス(2,4−ペンタンジオネート)スズ、ジ−ノルマルブチルブトキシクロロスズ、ジ−ノルマルブチルジアセトキシスズ、ジ−ノルマルブチルジラウリル酸スズ、ジメチルジネオデカノエートスズなどが挙げられる。
ガリウムを含有する有機−金属化合物としては、トリス(アセチルアセトナート)ガリウム、酢酸ガリウム、オキシ酢酸ガリウム、トリエトキシガリウム、トリス(8−キノリノラト)ガリウム、シュウ酸ガリウム、エチルキサントゲン酸ガリウム、ジエチルエトキシガリウム、マレイン酸ガリウム等、オクチル酸ガリウム、ラウリン酸ガリウムなどが挙げられる。トリス(アセチルアセトナート)ガリウムは、ガリウムアセチルアセトネートとも呼ばれる。
アルミニウムを含有する有機−金属化合物としては、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウムなどが挙げられる。
また、本発明者等が見出しているところによれば、トリス(アセチルアセトナート)インジウム(III)のような、インジウムを含有する有機−金属化合物も、縮合触媒として使用することが可能である。
混合物(A)に含有させる有機−金属化合物の量は、上記の重縮合可能なシラン化合物およびシロキサン化合物100重量部に対して0.03重量部〜0.3重量部とすることができる。
混合物(A)に含有させる有機−金属化合物の種類は1種類であってもよく、また、2種以上であってもよい。
上記例示した有機−金属化合物の中でも、縮合触媒としての活性が高いのはSn、Ti、Al、Zn、Zr、HfまたはGaを含むものであり、特にGaを含むものである。縮合触媒にGa化合物を用いることは、上記式(5)〜(10)で表されるポリシロキサンのように、PhSiO2/2ユニット(Phはフェニル基を表す)およびMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)から選ばれる1種以上のDユニットを含むシロキサン化合物を重縮合させる場合に、特に望ましい。このようなシロキサン化合物では、水酸基または加水分解性基が結合した末端のケイ素原子にフェニル基が結合していて、特に活性の高い縮合触媒を用いないと重縮合反応が進まないことがあるからである。
本発明者等が確認している例を挙げると、上記式(5)で表されるポリシロキサンに少量のトリス(アセチルアセトナート)ガリウムを加えて加熱すると重縮合反応が生じて硬化するが、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウムを用いた場合には硬化しない。また、トリス(アセチルアセトナート)ガリウムを触媒に用いると、上記式(5)で表されるポリシロキサンとメチルトリメトキシシランとの間で縮合反応を発生させることができるが、テトラキス[アセチルアセトナート]ジルコニウムでは、かかる縮合反応を発生させることはできない。
混合物(A)にGa化合物を含有させた場合、その高い触媒活性のせいで、後述の第2ステップを実行した後に該Ga化合物の縮合触媒活性を確実に失効させないと、得られる液状ポリシロキサン組成物は保存安定性が非常に低いものとなる。この第1実施形態では、第3ステップで行う処理により、Ga含有触媒を効果的に失活させることができる。
1.2 第2ステップ
第2ステップでは、第1ステップで準備した混合物(A)を増粘する。特に、混合物(A)が低分子量のシラン化合物またはシロキサン化合物を含有する場合には、該第2ステップを実行してかかる低分子量成分を重縮合させることで、硬化反応時の重量減と収縮の少ない液状ポリシロキサン組成物を得ることができる。
増粘は、混合物(A)を加熱して、有機−金属化合物の触媒作用でシラン化合物および/またはシロキサン化合物の重縮合反応を発生させることによって行う。したがって、混合物(A)に含まれるシラン化合物および/またはシロキサン化合物が加水分解性基を有
するがシラノール基を有さない場合には、加水分解性基を加水分解させるための水を添加する必要がある。この場合、添加した水とシラン化合物またはシロキサン化合物とを相溶化させるための溶媒を添加することは、加水分解反応の速度を高めるうえで有用である。
混合物(A)の加熱は、常圧で窒素ガスを吹き込みながら、あるいは減圧下で、温度が好ましくは100〜130℃の範囲内となるように行なう。加熱時間は、例えば、1〜5時間である。加熱温度および時間の調整は、増粘後の混合物(A)の粘度が所定値となるように行えばよい。粘度の測定はブルックフィールド粘度計を用いて行うことができる。増粘後の混合物(A)の粘度は、例えば、液温25℃において、1000〜5000mPa・sとすることができる。
第2ステップにおいて分液が起こり、系内が不均一となる場合には、溶媒を使用しても良い。溶媒としては、例えば、炭素数1〜3の低級アルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルエチルケトン、トルエン、水等を適宜に用いることができる。好ましくは、重縮合反応が影響を受けないように、強い酸性や塩基性を示さないものを選択する。
混合物(A)に溶媒が残留すると、得られる液状ポリシロキサン組成物の硬化時に脱溶媒収縮が起こり、硬化物にクラックが発生する恐れがある。従って、溶媒使用量は必要最少限とすべきである。また、後で容易に留去できるよう、沸点が100℃以下、特に80℃以下の溶媒を選択することが好ましい。
1.3 第3ステップ
第3ステップでは、第2ステップで増粘した混合物(A)を水とともに加熱して、該混合物(A)中の有機−金属化合物の縮合触媒活性の少なくとも一部を、好ましくは実質的に全部を、失わせる。この処理を行うことにより、混合物(A)は常温でも流動性を保った状態のまま長期間保存することが可能となる。
具体的には、撹拌機および還流装置を備えた容器を使用して、混合物(A)と水とがエマルジョン様を呈するように撹拌を行いながら、加熱を行う。加熱温度は、有機−金属化合物の縮合触媒活性の少なくとも一部を失わせることができる温度であればよく、好ましくは80℃以上、より好ましくは約100℃である。約100℃という温度は、常圧における水の沸点である。 水の量は、混合物(A)の重量の10%以上とすることが好ましく、100%以上としてもよい。150%を超える量の水を添加してもよいが、通常、その必要はない。
処理時間は、例えば、5〜10時間である。処理時間は、処理後の混合物(A)の保存安定性の評価結果に基づいて調整することができる。一例では、処理後の混合物(A)を1gサンプリングして容量10mlのスクリュー管に入れ、150℃で3時間加熱したときの粘度上昇率を指標として、保存安定性を評価することができる。この粘度上昇率は15%以下となるようにすることが好ましい。
上記の処理を所定時間行った後、加熱および撹拌を停止し、放置すると、やがて水と混合物(A)とが2相に分離するので、分液装置を用いて水を分別する。分別後、混合物(A)に残留する微量の水分を留去する処理は適宜行うことができる。
水を分別した後の混合物(A)から、着色成分や微量の金属不純物等を、吸着剤を用いて取り除く処理を行ってもよい。触媒活性を失うことなく残留した有機−金属化合物を、吸着剤を用いて取り除くこともできる。
吸着剤としては、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、合成吸着剤、シリカゲル、アルミナ、活性炭、活性白土、各種粘土等が適している。微量の不純物を取り除く目的で必要となる吸着剤の量は、縮合触媒として加えた有機−金属化合物の全量を吸着剤で除去しようとした場合に必要となる吸着剤量に比べて、ずっと少ない。
第3ステップでは混合物(A)を水分が存在する環境下で加熱することから、混合物(A)の増粘も生じる。そこで、変形例として、第2ステップを省略して、第1ステップで準備した混合物(A)の増粘を、第3ステップにおける処理の過程で行ってもよい。
1.4 ポリシロキサン硬化物製造用キット
ポリシロキサン硬化物製造用キットとして、ポリシロキサンを含有するA液と、硬化触媒を含有し硬化物製造時に該A液と混合されるB液と、を含むものが知られている(例えば、2液硬化型シリコーン樹脂)。この第1実施形態に係る液状ポリシロキサン組成物の製造方法は、かかるポリシロキサン硬化物製造用キットのA液の製造方法として好適に用いることができる。
すなわち、第1〜第3ステップを経て得られるポリシロキサン組成物は、シラノール基を有するポリシロキサンを含むものとなるので、これをA液とし、縮合硬化触媒を含有するB液と組み合わせたキットは、縮合型の2液硬化型ポリシロキサン樹脂となる。
他の一例では、この第1実施形態に係る製造方法を用いて、ビニル基のようなアルケニル基が結合したケイ素原子を1分子中に少なくとも2個有するポリシロキサンを含む液状ポリシロキサン組成物を得ることができる。この液状ポリシロキサン組成物にヒドロシリル化反応を触媒し得る白金錯体を添加したものをB液とし、ヒドロシリル基を1分子中に少なくとも2個有するポリシロキサンを含有するA液と組み合わせたキットは、付加型の2液硬化型ポリシロキサン樹脂となる。また、硬化遅延剤としてアルキニル基を有するポリシロキサンを含有するC液を組み合わせて3液硬化型とすることもできる。
上述の付加型の2液硬化型ポリシロキサン樹脂のA液に、縮合硬化触媒として有機−金属化合物を添加することもできる。この場合には、硬化機構として付加反応と縮合反応の両方を利用した2液硬化型ポリシロキサン樹脂が得られる。
他の一例では、この第1実施形態に係る製造方法を用いて、エポキシ環を有する炭化水素基が結合したケイ素原子を1分子中に2個以上有するポリシロキサンを含む液状ポリシロキサン組成物を得ることができる。これをA液とし、酸無水物を含有するB液と組み合わせたキットは、エポキシ環と酸無水物との結合形成反応により硬化する2液硬化型ポリシロキサン樹脂となる。この例において、酸無水物に代えて、あるいは、酸無水物に加えて、エポキシ化合物の開環重合反応を触媒する化合物をB液に含有させることもできる。また、B液に縮合硬化触媒として有機−金属化合物を添加することもできる。
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態は、水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を1分子中に少なくとも2個有するポリシロキサンを含有するA液と、硬化触媒を含有し硬化物製造時に該A液と混合されるB液と、を含むポリシロキサン硬化物製造用キットに関し:
該ポリシロキサンが炭化水素基としてフェニル基およびメチル基を有しており、ナトリウムD線を用いて測定した20℃における該A液の屈折率が1.50以上であり、かつ;
該B液が、縮合触媒を含有するとともに、主たる溶媒成分としてHO−(MePhSi−O)−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、nは5以上の整数を表す)を含有する;
ことを特徴とするものである。
第2実施形態に係るポリシロキサン硬化物製造用キットは、上記ステップ(i)〜(iii)からなるポリシロキサン硬化物の製造方法を用いたポリシロキサン硬化物の製造に使用することができる。
第2実施形態に係るポリシロキサン硬化物製造用キットを用いることにより、光半導体
の封止材に要求される特性である光取出し性とガスバリア性の両方に優れたポリシロキサン硬化物が得られる。この効果は、A液およびB液のそれぞれがフェニル基を十分に高い濃度で有するポリシロキサンを含有しており、硬化物の骨格がこれらのポリシロキサンの架橋により形成されることになるからである。
2.1 A液
A液は、例えば、上記式(5)〜(10)で表されるポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種を含む組成物である。
式(5)で表されるポリシロキサンは炭化水素基としてフェニル基とメチル基を1:1の比で含んでおり、その屈折率は1.55である。
式(6)で表されるポリシロキサンは炭化水素基としてフェニル基のみを有しており、より高い屈折率を有している。
式(7)で表されるポリシロキサンは、DユニットとしてMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す。)およびMeSiO2/2ユニットを有しており、前者のユニットの含有量が多くなる程、屈折率が高くなる。
式(8)で表されるポリシロキサンは、式(5)で表されるポリシロキサンと式(4)で表されるポリシロキサンとを重縮合させて得られるものであり、前者の含有量が多くなる程、屈折率が高くなる。
式(9)で表されるポリシロキサンは、DユニットとしてPhSiO2/2ユニットおよびMeSiO2/2ユニットを有しており、前者のユニットの含有量が多くなる程、屈折率が高くなる。
式(10)で表されるポリシロキサンは、式(9)で表されるポリシロキサンと式(4)で表されるポリシロキサンとを重縮合させて得られるものであり、前者の含有量が多くなる程、屈折率が高くなる。
式(8)で表されるポリシロキサンを、式(5)で表されるポリシロキサンと式(4)で表されるポリシロキサンとを重縮合させて得ようとする場合、各ポリシロキサンの分子量が大き過ぎると相互の混和性が低下するので、注意が必要である。
式(10)で表されるポリシロキサンを、式(9)で表されるポリシロキサンと式(4)で表されるポリシロキサンとを重縮合させて得ようとする場合も同様で、各ポリシロキサンの分子量が大き過ぎると相互の混和性が低下する。
式(5)あるいは式(9)で表されるポリシロキサンと、式(4)で表されるポリシロキサンとを混和させるには、それぞれのポリシロキサンの重量平均分子量が1000以下であることが好ましい。
A液の製造には、限定されるものではないが、前述の第1実施形態に係る液状ポリシロキサン組成物の製造方法を好ましく用いることができる。例えば、第1ステップとして、式(5)におけるpが5〜7であるポリメチルフェニルシロキサンと、式(4)におけるpが5〜7であるポリジメチルシロキサンと、メチルトリメトキシシランと、Ga(acac)や酢酸ガリウムのような縮合触媒として作用するガリウム化合物を含む混合物(A)を準備する。続いて、第2ステップとして、重縮合反応が生じるようにこの混合物(A)を加熱し、ポリスチレン換算の重量平均分子量が約15000となるようにする。最後に第3ステップとして、混合物(A)を水とともに加熱することにより、残留する活性なガリウム化合物を失活させる。
A液とB液を含むポリシロキサン硬化物製造用キットにおいては、A液とB液とが混和し得ること、換言すれば、A液とB液とが白濁や相分離を生じることなく混ざり合って、透明な混合液を与えることが必要である。そのためには、A液とB液のそれぞれの主成分同士が化学的に似ていることが好ましい。
この第2実施形態では、B液が主たる溶媒成分としてHO−(MePhSi−O)−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す)で表されるポリシロキサンを含有するものであるところから、A液の主成分であるポリシロキサンが炭化水素基としてメチル基およびフェニル基を有し、ナトリウムD線を用いて測定した20℃における該A液の屈折率が1.50以上であることが望ましい。この屈折率の限定は、間接的に、A液が含有するポリシロキサンが有するメチル基とフェニル基のモル比を規定しているといえる。
2.2 B液
B液は、縮合触媒を含有するとともに、主たる溶媒成分としてHO−(MePhSi−O)−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表す)、すなわち、上記式(5)で表されるポリシロキサンを含有する。nは5以上であることが望ましい。主たる溶媒成分とは、重量比で最も多く含有される溶媒成分をいう。
硬化触媒は、上述のA液とB液との混合物を硬化させ得る化合物であり、強い触媒活性が必要であることから、好ましくはガリウム化合物またはインジウム化合物である。
ガリウム化合物としては、金属原子としてガリウムを含む化合物であれば特に限定されるものではなく、酸化物、塩、キレート錯体など、各種形態のものを使用することができる。具体的には、ガリウムアセチルアセトネート、酢酸ガリウム、オキシ酢酸ガリウム、トリエトキシガリウム、トリス(8−キノリノラト)ガリウム、シュウ酸ガリウム、エチルキサントゲン酸ガリウム、ジエチルエトキシガリウム、マレイン酸ガリウム等が例示される。なかでも特に好ましいのは、ガリウムアセチルアセトネート、及び酢酸ガリウムである。2種類以上のガリウム化合物を任意に組み合わせて用いることもできる。
インジウム化合物の具体例としてはインジウムアセチルアセトネートが挙げられる。インジウムアセチルアセトネートは、トリス(アセチルアセトナート)インジウム(III)とも呼ばれる。
B液中における硬化触媒の含有量は、A液およびB液に含まれるポリシロキサン成分100重量部に対して0.03重量部〜0.3重量部となるように調製することが好ましい。
主たる溶媒成分として用いるHO−(MePhSi−O)−Hは、ガリウムアセチルアセトネートや酢酸ガリウムの溶解性が高いという利点がある。本発明者等が調べたところでは、ガリウムアセチルアセトネートは極性溶媒への溶解性は良好であったが、ポリシロキサン組成物との混和性の良好な低極性溶媒に対する溶解性は低かった。また、酢酸ガリウムは極性溶媒にも低極性溶媒にも溶解し難かった。
好ましい実施形態において、B液は、nが5〜7であるHO−(MePhSi−O)−Hに縮合触媒であるガリウム化合物を加えた後、加熱することによって増粘させたものであってもよい。かかる処理によってHO−(MePhSi−O)−Hの分子量が大きくなるので、A液とB液の混合液を硬化させる時の重量減と収縮を抑制することができる。ただし、重合度を高くし過ぎるとA液との相溶性が低くなる場合があるので注意が必要である。
A液との相溶性の観点からは、B液に含まれるHO−(MePhSi−O)−Hの重量平均分子量は2500以下であることが好ましく、また、B液の粘度は6000mPa・s未満とすべきであり、好ましくは5000mPa・s以下、特に好ましくは2500mPa・s以下である。
B液の粘度が低いことは、B液自体およびA液とB液を混合した混合物のハンドリングを容易にするうえでも好ましい。また、B液の粘度が低い方が、A液とB液の混合物の粘度も低くなるため、硬化前に行う該混合物の脱泡も容易となる。
驚くべきことに、nが5〜7であるHO−(MePhSi−O)−Hにガリウムアセチルアセトネートを溶解させた組成物や、該組成物を増粘させた組成物は、シラノール基を有するポリシロキサンを高濃度に含有するにもかかわらず、良好な保存安定性を示し、室温で1ヶ月以上放置してもその粘度上昇率は10%未満となる。
2.3 硬化物の形成
第2実施形態に係るポリシロキサン硬化物製造用キットを用いてポリシロキサン硬化物を形成するには、A液とB液を混合して混合液を作製し、次いでこの混合液を硬化温度に保持することにより硬化させればよい。硬化温度は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、更に好ましくは150℃以上である。
硬化温度に保持する時間(硬化時間)は触媒濃度や当該組成物で形成しようとする部材の厚みなどに応じて定める。通常1時間以上、好ましくは2時間以上、更に好ましくは4時間以上である。
硬化温度を、最初は100℃付近とし、次いで150℃付近に上げることにより、組成物中の残留溶媒や溶存水蒸気による発泡を防ぐことができる。また、深部と表面の硬化速度差を小さくできるので、表面が平滑でシワの無い、外観の良好な硬化物を得ることが出来る。深部と表面の硬化速度差が小さいと、硬化状態が均一となるので硬化物中における内部応力の発生が抑制され、ひいてはクラックの発生が防止できる。
2.4 応用例
第2実施形態に係るポリシロキサン硬化物製造用キットを用いて、様々な無機または有機半導体素子の封止を行うことができる。具体的な素子として、発光ダイオード(LED)や半導体レーザー等の半導体発光素子、半導体受光素子、有機発光ダイオード(OLED)などが挙げられる。また、該キットを用いて、電気光学的ディスプレイ、電子発光ディスプレイ、有機太陽電池(OPV)装置、照明装置などの表面保護コーティングを行うことができる。更に、該キットで、レンズ、導光板、光拡散板のような光学デバイスを作製し得る。該キットを光学デバイス用の接着剤に用いることもできる。
一例として、図1に、第2実施形態に係るポリシロキサン硬化物製造用キットを用いて封止した発光ダイオード素子を含む、発光デバイスの断面図を示す。図1に示す発光デバイスは、半導体発光素子1、樹脂成形体2、ボンディングワイヤ3、封止材4、リードフレーム5から構成されている。
半導体発光素子1は、近紫外LED、紫色LEDまたは青色LEDのいずれかである。
樹脂成形体2は、リードフレーム5と共に成形されている。リードフレーム5は導電性の金属からなり、半導体発光素子1に電流を供給する役割を果たす。
ボンディングワイヤ3は、半導体発光素子1とリードフレーム5を電気的に接続する役割を有する。
半導体発光素子1は樹脂成形体2に設けられた凹所内に設置され、封止材4により封止されている。この封止材4は、第2実施形態に係るポリシロキサン硬化物製造用キットを用いて形成されている。
封止材4の内部には粒子状の蛍光体が配置されている。例えば、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO(Cl,F):Euのような青色蛍光体、Y(Al,Ga)12:Ce、(Sr,Ba)SiO:Eu、β型サイアロン:Euのような緑色蛍光体、YAl12:Ce、(Y,Gd)Al12:Ce、(Sr,Ca,Ba,Mg)SiO:Euのような黄色蛍光体、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu、(La,Y)S:Eu、KSiF:Mnのよ
うな赤色蛍光体である。
封止材4は、更に、シリカ、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化イットリウムなどの無機酸化物微粒子やダイヤモンド微粒子を含有し得る。
これらの無機微粒子は、光散乱材、骨材、増粘剤(チキソ剤)、屈折率調整剤などの目的で封止材4に添加される。
封止材4の硬度としては一般にShore A(もしくはJIS Type A)で10以上、80以下が好ましい。より好ましくは20以上、80以下であり、さらに好ましくは30以上、70以下である。Shore A硬度が10を下回ると、半導体発光素子1やボンディングワイヤ3を保護する目的が達成できない。反対に、Shore A硬度が80を上回ると熱応力を緩和する機能が低下するために、ボンディングワイヤ3の切断、封止材4の割れ、樹脂成形体2と封止材4の間の剥離などが発生しやすくなる。
その他、第2実施形態に係るポリシロキサン硬化物製造用キットは、半導体発光素子1を樹脂成形体2またはリードフレーム5に接着するための接着剤として用いることもできる。
3.実験結果
以下には、本発明者等が行った実験の結果を記す。
3.1 原材料
以下に記す実験で使用した主な材料を表1にまとめて表1に示す。以下の説明において各材料に言及する場合には、表1に示す略称を用いる場合がある。
Figure 0005958182
FLD516(両末端シラノールメチルフェニルシリコーンオイル)は、上記式(5)
で表されるポリシロキサン(pは平均的に6〜7)である。
FLD516は、使用前に薄膜蒸留にかけて、低沸点成分をGPC分析で6%以下になるように除去したうえで用いた。該操作により生じた黄色着色は、活性炭Bで処理することにより除いた。
XC96−723(両末端シラノールジメチルシリコーンオイル)は、上記式(4)で表されるポリシロキサン(pは平均的に6〜7)である。
活性炭Aは活性炭Bよりも粒が粗く、当該活性炭が分散された粘性の高い被処理液から濾過によって当該活性炭を取り除くのに要する時間が、活性炭Bに比べて短い。
3.2 実験結果
3.2.1 実験1(参考例)
70gのFLD516と、30gのXC96−723と、100mgのGa(acac)との混合物を、1.3kPaの減圧下、撹拌しながら120℃に加熱し、粘度が500mPa・sとなるまで増粘した。続いて、温度を100℃に下げたうえで、1.6gのメチルトリメトキシシランを該ポリシロキサン混合物に添加し、常圧下、攪拌を行うことによって粘度が900mPa・sとなるまで増粘した。その後、縮合反応に伴い発生したメタノールその他の低沸点物質を除去するため、該ポリシロキサン混合物の温度を80℃に下げ、1.3kPaの減圧下で粘度が1500mPa・sとなるまで撹拌を続けた。
上記手順により増粘したポリシロキサン混合物に10gの活性炭Aを添加し、温度80℃で5時間攪拌した。その後、加圧濾過器を用いて活性炭Aの除去を行った。この濾過による活性炭の除去に要した時間は約6時間であった。活性炭除去後のポリシロキサン混合物1gをサンプリングして容量10mlのスクリュー管に入れ、150℃に設定した乾燥機中で3時間保持した後、その粘度を測定したところ、乾燥機に入れる前の粘度の1.10倍であった。換言すれば、乾燥機に入れる前の粘度を基準とした粘度上昇率は10%であった。
3.2.2 実験2(参考例)
活性炭Aの添加量を10gから7gに減らしたこと以外は上記実験1と同様にして、ポリシロキサン混合物の調製、増粘および活性炭処理を行った。濾過による活性炭の除去に要した時間は実験1よりも短かったが、活性炭処理後のポリシロキサン混合物1gをサンプリングし、実験1と同様にして150℃に設定した乾燥機中で3時間保持した後の粘度を測定したところ、乾燥機に入れる前の粘度を基準とした粘度上昇率は25%であった。
3.2.3 実験3(参考例)
活性炭Aの添加量を10gから3gに減らしたこと以外は上記実験1と同様にして、ポリシロキサン混合物の調製、増粘および活性炭処理を行った。濾過による活性炭の除去に要した時間は実験2よりも短かったが、活性炭処理後のポリシロキサン混合物1gをサンプリングし、実験1と同様にして150℃に設定した乾燥機中で3時間保持した後の粘度を測定したところ、乾燥機に入れる前の粘度を基準とした粘度上昇率は88%であった。
3.2.4 実験4(参考例)
活性炭Aの添加量を10gから1gに減らしたこと以外は上記実験1と同様にして、ポリシロキサン混合物の調製、増粘および活性炭処理を行った。濾過による活性炭の除去に要した時間は実験3よりも短かったが、活性炭処理後のポリシロキサン混合物1gをサンプリングし、実験1と同様にして150℃に設定した乾燥機中で3時間保持したところ、混合物はゲル化した。具体的にいうと、スクリュー管中のポリシロキサン混合物は、乾燥機中で保持した後では、スクリュー管を90度傾けて真横にしても流動しなかった。
3.2.5 実験5(実施例)
70gのFLD516と、30gのXC96−723と、100mgのGa(acac
と、1.6gのメチルトリメトキシシランとを用いて、実験1と同様の手順で粘度1500mPa・sのポリシロキサン混合物を得た。
実験5では、実験1の活性炭処理に代えて、このポリシロキサン混合物に100gの超純水を添加して、撹拌しながら100℃で8時間の加熱還流を行った。該還流処理後のポリシロキサン混合物1gをサンプリングし、実験1と同様にして150℃に設定した乾燥中で3時間保持した後の粘度を測定したところ、乾燥機に入れる前の粘度を基準とした粘度上昇率は13%であった。
3.2.6 実験6(実施例)
超純水の添加量を10gとしたこと以外は上記実験5と同様にして、ポリシロキサン混合物の調製、増粘および還流処理を行った。還流処理後のポリシロキサン混合物1gをサンプリングし、実験1と同様にして150℃に設定した乾燥中で3時間保持した後の粘度を測定したところ、乾燥機に入れる前の粘度を基準とした粘度上昇率は113%であった。
3.2.7 実験7
実験7では、ガリウム化合物の各種溶媒に対する溶解性を調べた。具体的には、溶媒3gに対して6mgのGa(acac)またはGa(OAc)を添加し、撹拌したときの状態を目視で観察した。結果を表2に示す
Figure 0005958182

3.2.8 実験8
実験8では、FLD516とXC96−723を重縮合させて得たA液と、B液用の溶媒であるFLD516との混和性が、A液の組成により変化する様子を調べた。
結果を表3に示す。
Figure 0005958182

表3に示すように、A液の仕込み組成におけるXC96−723の比率が高く、A液の屈折率が1.49以下であるときは、A液とFLD516とは混和しなかった。すなわち、両液体を同じ容器に入れて撹拌しても一様に透明な混合物は得られず、相分離により白濁した。一方、A液の屈折率が1.50以上となるよう、仕込み組成におけるFLD516の比率を高めると、A液とFLD516とは混和して透明の混合物を与えた。
3.2.9 実験9
実験9では、FLD516とXC96−723を重量比70:30で含有する混合物を増粘させて得たA液と、FLD516とガリウムアセチルアセトネートの混合物を増粘させて得たB液との混和性が、B液の粘度により変化する様子を調べた。
結果を表4に示す。
Figure 0005958182

3.2.10 実験10(参考例)
70gのFLD516と、30gのXC96−723と、100mgのGa(acac)との混合物を1.3kPaの減圧下、撹拌しながら120℃に加熱し、粘度が500mPa・sとなるまで増粘した。続いて、温度を100℃に下げたうえで、このポリシロキサン混合物に1.6gのメチルトリメトキシシランを添加し、撹拌を行うことによって
粘度が900mPa・sとなるまで増粘した。更に、該ポリシロキサン混合物の温度を80℃に下げ、1.3kPaの減圧下で粘度が2200mPa・sとなるまで撹拌を続けた。
上記手順により増粘したポリシロキサン混合物を50℃、室温および−18℃で保存したときの、10日後、30日後および60日後の粘度を測定し、保存前の粘度を基準とした粘度上昇率を調べた。結果を表5に示す。
3.2.11 実験11(実施例)
50gのFLD516と50mgのGa(acac)との混合物を、1.3kPaの減圧下、120℃に加熱して撹拌することで、粘度が2150mPa・sとなるまで増粘した。
かかる手順により増粘したポリシロキサン混合物を50℃、室温および−18℃で保存したときの、10日後、30日後および60日後の粘度を測定し、保存前の粘度を基準とした粘度上昇率を調べた。結果を表5に示す。
Figure 0005958182

3.2.12 実験12(参考例)
70gの上記式(9)で表される構造を有するポリジメチルジフェニルシロキサン(重量平均分子量7000;屈折率1.54)と、30gのXC96−723と、100mgのGa(acac)との混合物を、1.3kPaの減圧下、120℃で攪拌しながら加熱した。しかし、混合物はエマルジョン様となって白濁し、ゲル化が生じるまで加熱を継続しても透明になることはなかった。
3.2.13 実験13(実施例)
70gのFLD516と、30gのXC96−723と、100mgのGa(acac)と、1.6gのメチルトリメトキシシランとを用いて、実験1と同様の手順で粘度1500mPa・sのポリシロキサン混合物を得た。
このポリシロキサン混合物に水101.7gを加え、100℃に加熱し、水を還流させながら8時間撹拌を行って触媒を失活させた。還流処理後、エマルジョン様となったポリシロキサンと水の混合物を静置し、水とポリシロキサンを分層させたうえ、水層を除去した。
この還流処理によりポリシロキサン混合物の粘度は2400mPa・sまで上昇した。このポリシロキサン混合物1gをサンプリングし、実験1と同様にして150℃に設定した乾燥機中で3時間保持した後の粘度を測定したところ、2700mPa・sであり、乾燥機に入れる前の粘度を基準とした粘度上昇率は13%であった。
ここで、加える水の量を10gにしたこと以外は同様にして、上記還流処理を行うと、該処理後のポリシロキサン混合物の粘度は2300mPa・sとなった。このポリシロキサン混合物1gをサンプリングし、実験1と同様にして150℃に設定した乾燥機中で3時間保持した後の粘度を測定したところ、5000mPa・sであり、乾燥機に入れる前の粘度を基準とした粘度上昇率は117%であった。
上記還流処理後の粘度2400mPa・sのポリシロキサン混合物100gに活性炭Aを1.25g添加し、5時間攪拌した。撹拌後、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のフィルター(目開き0.1μ)を用いて加圧ろ過を行い活性炭を除去した。この活性炭処理後のポリシロキサン混合物のイエローインデックスは0.98であった。なお、添加する活性炭Aを5gおよび0.5gとして同様の処理を行った後のポリシロキサン混合物のイエローインデックスは、それぞれ、0.78および2.10であった。
上記活性炭処理したイエローインデックス0.98のポリシロキサン混合物70gをエバポレータを用いて減圧下で加熱撹拌し、混合物中の水分を除去した。次いで、ポリシロキサン原料(FLD516およびXC96−723)100重量部に対してフュームドシリカ6.1重量部という比率となるように、このポリシロキサン混合物にフュームドシリカを加え、自転公転型遠心撹拌機を用いて混合した。
こうして得たフュームドシリカ入りの液状ポリシロキサン組成物をA液とし、FLD516にガリウムアセチルアセトネートを溶解させて得た液状ポリシロキサン組成物(後述の実験14で調製したB液と同じ)をB液とした2液硬化型シリコーン樹脂は、LEDチップの封止に好ましく使用することができた。
3.2.14 実験14(実施例)
<A液の調製>
2液硬化型シリコーン樹脂のA液とするポリシロキサン混合物を、次の手順により調製した。
70gのFLD516と、30gのXC96−723と、100mgのガリウムアセチルアセトネートとの混合物を、1.3kPaの減圧下、110℃に加熱して攪拌し、粘度が500mPa・sになるまで増粘した。次いで、100℃に降温したうえで、該混合物に更に1.6gのメチルトリメトキシシランを加え、常圧下で90分間撹拌した。次いで、該混合物を80℃に降温し、1.3kPaの減圧下で撹拌することでメタノールその他の低沸点物質を除去するとともに、粘度が1500mPa・sとなるまで増粘させた。
このポリシロキサン混合物100gと10gの活性炭Aを混合し、80℃に加熱して5時間攪拌した。撹拌後、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のフィルター(目開き0.1μ)を用いて加圧ろ過を行い、活性炭を除去した。この活性炭処理後のポリシロキサン混合物のイエローインデックスは0.03であった。この活性炭処理の過程でポリシロキサン混合物の粘度は1800mPa・sに上昇した。
上記手順により得たA液は、ナトリウムD線を用いて測定した20℃における屈折率が1.50、組成物中に含まれるメチル基のモル数とフェニル基のモル数との比([メチル基モル数]/[フェニル基モル数])が2.8、分子量は約15,000であった。
<B液の調製>
100gのFLD516と100mgのガリウムアセチルアセトネートの混合物を、1.3kPaの減圧下、110℃に過熱して攪拌し、粘度が1800mPa・sになるまで増粘させることにより、2液硬化型シリコーン樹脂のB液とするポリシロキサン混合物を得た。
このB液は、ナトリウムD線を用いて測定した20℃における屈折率が1.54、組成物中に含まれるメチル基のモル数とフェニル基のモル数との比([メチル基モル数]/[フェニル基モル数])が1、分子量は2,000、粘度は1800mPa・sであった。
自転公転式遠心攪拌機を用いて、上記のA液9gとB液1gを5torrの減圧下、4分間撹拌し混合した。得られた混合液2.3gを直径5cmのPTFE製シャーレに入れ
、微風下、150℃で3時間保持したところ、厚さ約1mmでエラストマー状の自立した透明膜(硬化物)が得られた。この膜を8枚重ねたサンプルを用いて測定したShore
A硬度は40であった。また、この透明膜の屈折率は1.51であった。
3.2.15 実験15(実施例)
本実験15では、ポリシロキサン原料(FLD516およびXC96−723)100重量部に対してフュームドシリカ6.1重量部という比率となるように、上記実験14のA液に対しフュームドシリカを混合して得たポリシロキサン組成物を、A液として用いた。A液をこのように変更したことを除き、実験14と同様にして2液硬化型シリコーン樹脂を作製するとともに、その硬化物を作製した。この2液硬化型シリコーン樹脂の硬化時重量維持率は97%であった。また、実験14と同様の方法で測定した硬化物のShore A硬度は37であった。硬化物の屈折率は1.51であった。
3.2.16 実験16(実施例)
増粘処理時間を調節することによってB液に含まれるポリシロキサンの重量平均分子量を1200、B液の粘度を1500mPa・sとしたこと以外は実験14と同様にして、2液硬化型シリコーン樹脂を作製するとともに、その硬化物を作製した。実験14と同様の方法で測定した硬化物のShore A硬度は37であり、硬化物の屈折率は1.51であった。実験15では、A液とB液の混合液をPTFEシャーレに注ぐときに液中に入った気泡が硬化物中に残存したが、この実験16では硬化の際に気泡が抜け、硬化物中に残存する気泡は見られなかった。
3.2.17 実験17(参考例)
増粘処理時間を調節することによってB液の粘度を6000mPa・sとしたこと以外は実験14と同様にして、2液硬化型シリコーン樹脂を作製を試みた。しかし、A液とB液との混合物は白濁し、該混合物を硬化させても濁りは消失しなかった。
本発明により提供される液状ポリシロキサン組成物ならびにポリシロキサン硬化物製造用キット、および、これらを用いて得られるポリシロキサン硬化物は、その用途が特に制限されるものではなく、何れの用途に用いても良いが、特に半導体素子の封止の用途に好適に使用することができる。
1 半導体発光素子
2 樹脂成形体
3 ボンディングワイヤ
4 封止材
5 リードフレーム

Claims (17)

  1. 水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なシラン化合物および/またはシロキサン化合物と、縮合触媒として作用する有機−金属化合物と、を含有する混合物を準備する第1ステップと;該混合物を増粘する第2ステップと;該第2ステップで増粘した混合物を水と共に加熱して、上記有機−金属化合物の縮合触媒活性の少なくとも一部を失わせる第3ステップと;を含むことを特徴とする、液状ポリシロキサン組成物の製造方法であって、
    上記第1ステップで準備する混合物が、上記有機−金属化合物としてガリウム化合物を含有する、製造方法
  2. 水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なシラン化合物および/またはシロキサン化合物と、縮合触媒として作用する有機−金属化合物と、を含有する混合物を準備する第1ステップと;該混合物を増粘する第2ステップと;該第2ステップで増粘した混合物を水と共に加熱して、上記有機−金属化合物の縮合触媒活性の少なくとも一部を失わせる第3ステップと;を含むことを特徴とする、液状ポリシロキサン組成物の製造方法であって、
    上記第3ステップの後に、更に、上記第1〜第3ステップを実行して得たポリシロキサン混合物に活性炭処理を行うステップを有する、製造方法。
  3. 上記第3ステップでは、上記第1〜第3ステップを実行して得たポリシロキサン混合物を150℃で3時間加熱したときの粘度上昇率が15%以下となるように上記有機−金属化合物の縮合触媒活性を失わせる、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 上記第3ステップでは上記第2ステップで増粘した混合物を、当該混合物に対する重量比10%以上の水とともに撹拌しながら、約100℃で加熱する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 上記第1ステップで準備する混合物が、上記有機−金属化合物として、ガリウムアセチルアセトネートおよび酢酸ガリウムから選ばれる一種以上のガリウム化合物を含む、請求項1に記載の製造方法。
  6. 上記第1ステップで準備する混合物が、下記式(1)で表されるシラン化合物を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
    SiXnMe4-n・・・(1)
    (上記式(1)中、Xは水酸基または加水分解性基を表し、nは2、3または4であり、Meはメチル基を表す。)
  7. 上記第1ステップで準備する混合物が、上記式(1)で表されるシラン化合物としてテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシランおよびジメチルジメトキシシランから選ばれる少なくとも1種のシラン化合物を含有する、請求項6に記載の製造方法。
  8. 上記第1ステップで準備する上記混合物が、下記式(2)で表されるシロキサン化合物を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
    Figure 0005958182
    (上記式(2)中、Rのそれぞれは1価炭化水素基(互いに異なっていてもよい)、Uのそれぞれは酸素原子または炭素原子数1〜8の2価炭化水素基(互いに異なっていてもよい)、Yのそれぞれは水酸基または加水分解性基(互いに異なっていてもよい)であり、mは0〜2の整数、nは自然数である)
  9. 上記第1ステップで準備する混合物が、上記式(2)で表されるシロキサン化合物として、Ph2SiO2/2ユニット(Phはフェニル基を表す)およびMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)から選ばれる少なくとも一種のDユニットを有するシロキサン化合物を含有する、請求項8に記載の製造方法。
  10. 上記第1ステップで準備する混合物が、上記式(2)で表されるシロキサン化合物として、Ph2SiO2/2ユニット(Phはフェニル基を表す)およびMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)から選ばれる少なくとも一種のDユニットと、Me2SiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)とを有するシロキサン化合物を含有する、請求項9に記載の製造方法。
  11. 上記第1ステップで準備する混合物が、Ph2SiO2/2ユニット(Phはフェニル基を表す)およびMePhSiO2/2ユニット(Meはメチル基を表す)から選ばれる少なくとも一種のDユニットを有するとともに、水酸基または加水分解性基が結合したケイ素原子を有する重縮合可能なポリシロキサンを含有する、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 上記第2ステップを省略し、上記第1ステップで準備した混合物を上記第3ステップの過程で増粘させる、請求項1に記載の製造方法。
  13. ポリシロキサンを含有するA液と、硬化触媒を含有し硬化物製造時に該A液と混合されるB液と、を含むポリシロキサン硬化物製造用キットの、製造方法であって、
    請求項1〜12のいずれかに記載の液状ポリシロキサン組成物の製造方法を用いて該A液を製造することを特徴とする、ポリシロキサン硬化物製造用キットの製造方法。
  14. 上記B液が主たる溶媒成分としてHO−(MePhSi−O)n−H(Meはメチル基を表し、Phはフェニル基を表し、nは5以上の整数を表す)を含有する請求項13に記載の製造方法。
  15. ナトリウムD線を用いて測定した20℃における上記A液の屈折率が1.50以上であり、上記B液の25℃における粘度が6000mPa・s未満である、請求項14に記載の製造方法。
  16. ナトリウムD線を用いて測定した20℃における上記A液の屈折率が1.50以上であり、上記HO−(MePhSi−O)n−Hはポリスチレン換算の重量平均分子量が2500以下である、請求項14に記載の製造方法。
  17. 上記B液が上記硬化触媒としてガリウム化合物を含有する請求項13〜16のいずれかに記載の製造方法。
JP2012185996A 2012-08-27 2012-08-27 液状ポリシロキサン組成物、ポリシロキサン硬化物製造用キット及びこれらの製造方法 Expired - Fee Related JP5958182B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012185996A JP5958182B2 (ja) 2012-08-27 2012-08-27 液状ポリシロキサン組成物、ポリシロキサン硬化物製造用キット及びこれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012185996A JP5958182B2 (ja) 2012-08-27 2012-08-27 液状ポリシロキサン組成物、ポリシロキサン硬化物製造用キット及びこれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014043505A JP2014043505A (ja) 2014-03-13
JP5958182B2 true JP5958182B2 (ja) 2016-07-27

Family

ID=50395021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012185996A Expired - Fee Related JP5958182B2 (ja) 2012-08-27 2012-08-27 液状ポリシロキサン組成物、ポリシロキサン硬化物製造用キット及びこれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5958182B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021152122A (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 信越化学工業株式会社 皮膜形成性シリコーン組成物およびその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348284A (ja) * 2005-05-20 2006-12-28 Jsr Corp シロキサン系縮合物およびその製造方法
JP4835199B2 (ja) * 2005-09-22 2011-12-14 三菱化学株式会社 半導体発光デバイス用部材及びその製造方法、並びにそれを用いた半導体発光デバイス
JP2009286986A (ja) * 2008-06-02 2009-12-10 Dic Corp 有機溶剤可溶性のジルコノシロキサンの製造方法
JP2011057787A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Showa Highpolymer Co Ltd 有機・無機ハイブリッド組成物の製造方法、同組成物ならびに半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014043505A (ja) 2014-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4636242B2 (ja) 光半導体素子封止材及び光半導体素子
KR101808869B1 (ko) 부가 경화형 실리콘 조성물 및 그것을 이용한 광 반도체 장치
TWI666267B (zh) 聚矽氧凝膠組合物
JP6277956B2 (ja) 硬化性オルガノポリシロキサン組成物、その製造方法、オルガノポリシロキサン硬化物の製造方法、オルガノポリシロキサンの縮合方法、光半導体封止体、及びオルガノポリシロキサンの縮合触媒
US9006358B2 (en) Compositions of resin-linear organosiloxane block copolymers
EP2222626A1 (fr) Composition organopolysiloxanique vulcanisable a temperature ambiante en elastomere et nouveaux catalyseurs de polycondensation d'organopolysiloxanes
US20180315906A1 (en) Addition curable type silicone resin composition, process for producing composition, and optical semiconductor apparatus
JP6218802B2 (ja) 樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマー及びオルガノポリシロキサンを含む組成物
EP3046981B1 (en) Compositions of resin-linear organosiloxane block copolymers
EP2222773A1 (fr) Composition organopolyseloxanique vulcanisable a temperature ambiante en elastomere et nouveaux catalyseurs de polycondensation d'organopolysiloxanes
US9212262B2 (en) Compositions of resin-linear organosiloxane block copolymers
WO2009106720A1 (fr) Composition organopolysiloxanique vulcanisable a temperature ambiante en elastomere et nouveaux catalyseurs de polycondensation d'organopolysiloxanes
JP2015515515A (ja) 樹脂−直鎖状オルガノシロキサンブロックコポリマーを調製するための方法
KR101251553B1 (ko) 엘이디 봉지재용 실록산 수지 조성물
KR101651684B1 (ko) 오르가노폴리실록산 및 그의 제조 방법
JP2013091705A (ja) シリコーン樹脂組成物、封止層、リフレクタおよび光半導体装置
TWI756411B (zh) 加成硬化型聚矽氧組成物、該組成物之製造方法及光學半導體裝置
JP6683573B2 (ja) 縮合硬化性シリコーン樹脂組成物
TWI714561B (zh) 有機聚矽氧烷、其製造方法及可固化聚矽氧組合物
KR101474283B1 (ko) 수소 올리고실록산 수지 및 이의 제조 방법
JP5958182B2 (ja) 液状ポリシロキサン組成物、ポリシロキサン硬化物製造用キット及びこれらの製造方法
JP2013091778A (ja) 硬化性ポリシロキサン組成物の製造方法
JP5811036B2 (ja) 縮合硬化性ポリシロキサン組成物
JPH09241509A (ja) 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物
EP2878635B1 (en) Hardening composition

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5958182

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees