JP5957942B2 - 送液システム - Google Patents

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Description

本発明は、液体貯蔵部に貯蔵されている液体を、バルブを介して液体消費部へ送る送液システムに関するものである。
従来、液体貯蔵部に貯蔵されている液体を、バルブを介して液体消費部へ送る送液システムが知られている。
図10は、特許文献1の送液システム800の概略構成図である。この送液システム800は、燃料を貯蔵する燃料カートリッジ1(液体貯蔵部)と、耐圧用バルブ2と、受動バルブ3と、燃料を輸送するポンプ4と、ポンプ4から燃料の供給を受けて発電する発電セル5(液体消費部)と、流路7、8と、からなる。燃料は、例えばメタノールである。
ポンプ4は、燃料を吸引する吸引孔41と、燃料を吐出する吐出孔42と、燃料の逆流を防ぐ逆止弁43、44と、を有する。
受動バルブ3は、バルブ筺体10と、該バルブ筺体10内を分割して第1バルブ室11と第2バルブ室12をバルブ筺体10内に構成するダイヤフラム20と、を有する。
バルブ筺体10には、第1バルブ室11に連通する第1開口部15と、第2バルブ室12に連通する第2開口部16と、第3開口部17とが形成されている。さらに、バルブ筺体10には、第3開口部17の周囲からダイヤフラム20側へ突出し、ダイヤフラム20に当接するOリング(弁座)30が設けられている。
そして、燃料カートリッジ1は耐圧用バルブ2及び流路7を介して、受動バルブ3の第2開口部16とポンプ4の吸引孔41とに接続されている。ポンプ4の吐出孔42は、流路8を介して第1開口部15に接続されている。さらに、第3開口部17は、発電セル5に接続されている。
以上の構成において、ポンプ4のポンピング動作が開始すると、燃料カートリッジ1に貯蔵されている燃料は耐圧用バルブ2及びポンプ4を介して第1開口部15から第1バルブ室11に流入し、第1バルブ室11の圧力が高まる。この結果、受動バルブ3のダイヤフラム20が第2バルブ室12側へ湾曲してOリング30から離間し、第1開口部15と第3開口部17とが連通する。即ち受動バルブ3が開く。
これにより、燃料カートリッジ1に貯蔵されている燃料は、ポンプ4のポンピング動作により、耐圧用バルブ2、ポンプ4、及び受動バルブ3を介して発電セル5に供給される。発電セル5は、当該燃料の供給を受けて発電する。
国際公開第2010/137578号パンフレット
本願の発明者は、前述の送液システム800を改良して、以下に示す構成の、薬液を送液する送液システムを考案した。図11は、本発明の比較例に係る送液システム900の概略構成図である。図12は、図11に示す送液システム900の滅菌ガス注入時の概略構成図である。図13は、図11に示す送液システム900の滅菌ガス排出時の概略構成図である。
この送液システム900は、薬液を貯蔵する薬液バッグ6を燃料カートリッジ1の代わりに備え、薬液バッグ6の薬液を発電セル5の代わりに人体9に送液し、耐圧用バルブ2が備えられていない点で、前述の送液システム800と相違する。その他の点については同じである。
送液システム900は医療現場で使用され、薬液は、例えばブドウ糖輸液等であり、医療現場で薬液バッグ6に入れられる。薬液バッグ6に入れられた薬液は、ポンプ4のポンピング動作により、ポンプ4、及び受動バルブ3を介して人体9に供給される。
送液システム900を含む医療用途の機器は通常、製造後、医療現場へ提供される前に滅菌する必要がある。送液システム900は、図12に示すように例えばポリエチレンからなる滅菌袋Hに密封され、滅菌釜に入れられてガス滅菌される。
送液システム900に対してガス滅菌を行った場合、薬液バッグ6の入力から滅菌ガスEが充填され、薬液に接液する流路全てを滅菌ガスEで満たすことができる。この滅菌ガスEは、例えばエチレンオキサイドガスである。そして、滅菌終了後、滅菌釜内を減圧し、滅菌ガスEを送液システム900外に排出する(図13参照)。
しかしながら、前記滅菌袋Hは医療現場で開封されるため、滅菌時にポンプ4を動作させることができない。そのため、送液システム900では図13に示すように、ポンプ4に設けられた逆止弁44から流路8を介して受動バルブ3の第1バルブ室11までの流路に満たされた滅菌ガスEが、送液システム900外に排出されない。すなわち、送液システム900では、大量の滅菌ガスEが送液システム900内に残留してしまうという問題がある。
そこで本発明は、液体が接液する流路全てを滅菌ガスで満たすことができ、且つ該滅菌ガスを送液システム外へ確実に排出できる送液システムの提供を目的とする。
本発明の送液システムは、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
(1)第1開口部および第2開口部が形成されたバルブ筺体と、一方の主面にかかる圧力と他方の主面にかかる圧力との差により変形し、前記第1開口部と前記第2開口部とを連通させたり、前記第1開口部と前記第2開口部との連通を遮断したりするよう前記バルブ筺体に固定されたダイヤフラムと、を有するバルブと、
液体を貯蔵する液体貯蔵部と、
前記液体を吸引する吸引孔と前記液体を吐出する吐出孔と前記液体の逆流を防ぐ逆止弁とを有し、前記吸引孔が前記液体貯蔵部に接続されるポンプと、
前記液体が流入する流入孔と前記液体が流出する流出孔と外部に連通する通気孔とを有し、前記流入孔が前記ポンプの前記吐出孔に接続され、前記流出孔が前記バルブの前記第1開口部に接続され、前記流入孔から前記流出孔へ流れる前記液体が前記通気孔を介して前記外部へ通過することを阻止し、気体のみを前記通気孔を介して通過させるフィルタと、を備え、
前記バルブの前記第2開口部は、前記ポンプのポンピング動作によって前記液体貯蔵部から前記ポンプを介して送られた前記液体を消費する液体消費部に接続される。
この構成では、ポンプの逆止弁からバルブの第1開口部までの間に、液体が通気孔を介して外部へ通過することを阻止し、気体のみを通気孔を介して通過させるフィルタを設けている。
そのため、この構成では滅菌ガスの排出時、例えバルブの第1開口部に逆止弁を有するポンプ等が接続されていたとしても、バルブによる流路の閉塞が行われることがなく、ポンプの逆止弁からバルブの第1バルブ室までの流路に満たされた滅菌ガスが、フィルタの通気孔から送液システム外に排出される。すなわち、この構成では、滅菌ガスが送液システム内に残留しない。
したがって、この構成のバルブによれば、液体が接液する流路全てを滅菌ガスで満たすことができ、且つ該滅菌ガスを送液システム外へ確実に排出できる。
なお、滅菌後の送液システムは医療現場へ提供される。この構成の送液システムは滅菌後の送液時、ダイヤフラムが、一方の主面にかかる圧力と他方の主面にかかる圧力との差により、第1開口部と第2開口部とを連通させたり、第1開口部と第2開口部との連通を遮断したりする。
そして、フィルタは、流入孔から流出孔へ流れる液体が通気孔を介して外部へ通過することを阻止する。そのため、この構成の送液システムにおいても、液体貯蔵部に貯蔵される液体は、ポンプのポンピング動作により、前述と同様に、ポンプ、フィルタ及びバルブを介して液体消費部に供給される。
(2)前記バルブは、前記ダイヤフラムを前記第1開口部側または前記第2開口部側へ付勢し、前記第1開口部側または前記第2開口部の周囲に形成された弁座に対して前記ダイヤフラムを与圧する与圧部をさらに有する。
この構成では送液時、与圧部が与圧する圧力までは流量の変化が抑制される。よって、送液システムの周辺環境に変化が生じても、液体消費部に供給される液体の流量を安定させることができる。
この発明によれば、液体が接液する流路全てを滅菌ガスで満たすことができ、且つ該滅菌ガスを送液システム外へ確実に排出できる。
本発明の実施形態に係る送液システム100の概略構成図である。 図1に示す送液システム100に備えられる定流量バルブ103の分解斜視図である。 図1に示す送液システム100の滅菌ガス注入時の概略構成図である。 図1に示す送液システム100の滅菌ガス排出時の概略構成図である。 図1に示す送液システム100の空気注入時の概略構成図である。 図1に示す送液システム100の空気排出時の概略構成図である。 図1に示す送液システム100の送液時の概略構成図である。 図8(A)は、図7に示す定流量バルブ103の弁閉時の断面図である。図8(B)は、図7に示す定流量バルブ103の弁開時の断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係る送液システム200の概略構成図である。 特許文献1の送液システム800の概略構成図である。 本発明の比較例に係る送液システム900の概略構成図である。 図11に示す送液システム900の滅菌ガス注入時の概略構成図である。 図11に示す送液システム900の滅菌ガス排出時の概略構成図である。
《本発明の実施形態》
以下、本発明の実施形態に係る送液システム100について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る送液システム100の概略構成図である。送液システム100は、薬液を貯蔵する薬液バッグ101と、定流量バルブ103と、薬液を輸送するポンプ104と、流路106、107、108と、エアベントフィルタ160と、を備える。
送液システム100は病院等の医療現場で使用され、薬液は医療現場で薬液バッグ101に入れられる。薬液は、例えばブドウ糖輸液である。薬液バッグ101に入れられた薬液は、ポンプ104のポンピング動作により、ポンプ104、エアベントフィルタ160、及び定流量バルブ103を介して人体109(後述の図7参照)に供給される。薬液バッグ101は、当該薬液を入れるための開口部98と、当該薬液の逆流を防ぐ逆止弁99とを有する。
なお、薬液バッグ101が、本発明の「液体貯蔵部」に相当する。また、人体109が、本発明の「液体消費部」に相当する。
ポンプ104は、薬液を吸引する吸引孔141と、薬液を吐出する吐出孔142と、薬液の逆流を防ぐ逆止弁143、144と、を有する。
エアベントフィルタ160は、薬液が流入する流入孔161と、薬液が流出する流出孔162と、エアベントフィルタ160の外部に連通する通気孔163とを有する。エアベントフィルタ160は、PET(PolyEthyleneTerephthalate)等の繊維状樹脂を挟んだ構造を有する。
エアベントフィルタ160は、流入孔161から流出孔162へ流れる薬液が通気孔163を介してエアベントフィルタ160の外部へ通過することを阻止し、気体のみを通気孔163を介して通過させる。
定流量バルブ103は略直方体形状である。定流量バルブ103は、バルブ筺体110と、該バルブ筺体110内を分割して第1バルブ室111と第2バルブ室112をバルブ筺体110内に構成するダイヤフラム120と、を有する。
なお、バルブ筐体110は、例えばPPS(PolyPhenyleneSulfide)樹脂で構成される。また、ダイヤフラム120は、例えばシリコーンゴムで構成される。
バルブ筺体110には、第1バルブ室111に連通する第1開口部115と、第2開口部117と、第2バルブ室112に連通する第3開口部118と、が形成されている。
そして、薬液バッグ101は流路107を介して、定流量バルブ103の第3開口部118とポンプ104の吸引孔141とに接続されている。ポンプ104の吐出孔142は、流路108を介して、エアベントフィルタ160の流入孔161に接続されている。エアベントフィルタ160の流出孔162は、流路106を介して、定流量バルブ103の第1開口部115に接続されている。
なお、定流量バルブ103の第2開口部117は送液時、後述の図7に示す人体109に、例えばチューブ(不図示)を介して接続される。
次に、定流量バルブ103の構造について詳述する。
図2は、図1に示す送液システム100に備えられる定流量バルブ103の分解斜視図である。定流量バルブ103は、図2に示すように、第3開口部118が形成された天板121と、第2のバルブ室112を構成する円形の開口領域が形成された側板122と、ダイヤフラム120と、第1のバルブ室111を構成する円形の開口領域が形成された側板123と、第1開口部115及び第2開口部117が形成された底板124と、を備え、これらを順に積層した構造を有している。
ここで、側板122の厚みは、第2のバルブ室112の高さを構成し、側板123の厚みは、第1のバルブ室111の高さを構成する。また、天板121、側板122、側板123、及び底板124がバルブ筐体110を構成する。
第1のバルブ室111には、図1、図2に示すように、Oリング130が底板124に接着して設けられている。Oリング130は、第2開口部117の周囲からダイヤフラム120側へ突出し、ダイヤフラム120に当接する(後述の図7参照)。Oリング130は、例えばNBR(Nitrile Butadiene Rubber)で構成される。
なお、Oリング130が、本発明の「弁座」に相当する。
また、第2のバルブ室112には、図1、図2に示すように、バネ129が天板121に嵌入して設けられている。バネ129は、ダイヤフラム120を第2開口部117側へ付勢し、Oリング130に対してダイヤフラム120を与圧する。
なお、バネ129が、本発明の「与圧部」に相当する。
そして、ダイヤフラム120は、第1バルブ室111側の一方の主面にかかる圧力と第2バルブ室112側の他方の主面にかかる圧力との差によりOリング130に対し接触又は離間して、第1開口部115と第2開口部117とを連通させたり、第1開口部115と第2開口部117との連通を遮断したりするようバルブ筺体110に固定されている。
次に、送液システム100を滅菌する第1の場面について説明する。送液システム100の滅菌は、送液システム100の製造後、医療現場へ提供される前に行われる。
図3は、図1に示す送液システム100の滅菌ガス注入時の概略構成図であり、図4は、図1に示す送液システム100の滅菌ガス排出時の概略構成図である。図5は、図1に示す送液システム100の空気注入時の概略構成図であり、図6は、図1に示す送液システム100の空気排出時の概略構成図である。
送液システム100の滅菌は次の手順で行われる。
まず、送液システム100は、図3に示すように例えばポリエチレンからなる滅菌袋Hに密封され、滅菌釜に入れられる。次に、滅菌釜内を減圧して滅菌釜内の空気を排出してから滅菌ガスEを滅菌釜内に注入する。滅菌ガスEは、エチレンオキサイドガスである。
この結果、滅菌釜内の圧力が(例えば数十kPaまで)上昇し、滅菌ガスEが滅菌袋Hを透過し、薬液バッグ101の開口部98、定流量バルブ103の第2開口部117、及びエアベントフィルタ160の通気孔163から流入して、送液システム100の流路全てを滅菌ガスEで満たすことができる。これにより、送液システム100の流路全てが滅菌される。
次に、所定時間経過後、滅菌釜内を(例えばマイナス数十kPaまで)減圧する。図4に示すように、この構成では、ポンプ104の逆止弁144から定流量バルブ103の第1開口部115までの間に、液体が通気孔163を介して外部へ通過することを阻止し、気体のみを通気孔163を介して通過させるエアベントフィルタ160を設けている。
そのため、例え定流量バルブ103の第1開口部115に、逆止弁を有するポンプ等が接続されていたとしても、定流量バルブ103による流路106の閉塞が行われることがなく、充填された滅菌ガスEを定流量バルブ103の第2開口部117及びエアベントフィルタ160の通気孔163から送液システム100外に排出できる。
次に、送液システム100の流路内に吸着したり残留したりする微量の滅菌ガスEを確実に排出するため、図5に示すように新鮮な空気Aを滅菌釜内に注入する。この結果、滅菌釜内の圧力が(例えば数十kPaまで)上昇し、新鮮な空気Aが滅菌袋Hを透過し、薬液バッグ101の開口部98、定流量バルブ103の第2開口部117、及びエアベントフィルタ160の通気孔163から流入して、送液システム100の流路全てを新鮮な空気Aで満たすことができる。これにより、送液システム100の流路内に吸着したり残留したりする微量の滅菌ガスEに、新鮮な空気Aが接触できる。
この後、図6に示すように、滅菌釜内を(例えばマイナス数十kPaまで)減圧する。この構成では、ポンプ104の逆止弁114から定流量バルブ103の第1開口部115までの間に、液体が通気孔163を介して外部へ通過することを阻止し、気体のみを通気孔163を介して通過させるエアベントフィルタ160を設けているため、滅菌ガスEの排出時と同様に、新鮮な空気Aを滅菌ガスEとともに、定流量バルブ103の第2開口部117及びエアベントフィルタ160の通気孔163から送液システム100外に排出できる。
なお、新鮮な空気Aの注入と排出は、送液システム100の流路内における滅菌ガスEの吸着量や残留量に応じて複数回行っても良い。
以上より、送液システム100では、ポンプ104の吐出孔142から流路108及びエアベントフィルタ160を介して定流量バルブ103の第1バルブ室111までの流路に満たされた滅菌ガスEも、第2開口部117及びエアベントフィルタ160の通気孔163から送液システム100外に排出される。すなわち、送液システム100では、滅菌ガスEが送液システム100内に残留しない(図6参照)。
したがって、この実施形態の送液システム100によれば、薬液が接液する流路全てを滅菌ガスEで満たすことができ、且つ該滅菌ガスEを送液システム100外へ確実に排出できる。
次に、滅菌後の送液システム100によって薬液を送液する第2の場面について説明する。
図7は、図1に示す送液システム100の送液時の概略構成図である。図8(A)は、図7に示す定流量バルブ103の弁閉時の断面図である。図8(B)は、図7に示す定流量バルブ103の弁開時の断面図である。
滅菌後の送液システム100は医療現場へ提供され、看護師等の医療従事者は、滅菌袋Hから送液システム100を取り出す。そして、医療従事者は、薬液を薬液バッグ101に入れ、ポンプ104を駆動し、送液システム100の流路内の空気を排出する。送液システム100の流路内の空気を排出した後、医療従事者は、定流量バルブ103の第2開口部117を人体109に例えばチューブ(不図示)を介して接続する。
ここで、定流量バルブ103では、前述したようにダイヤフラム120が、一方の主面にかかる圧力と他方の主面にかかる圧力との差によりOリング130に対し接触又は離間して、第1開口部115と第2開口部117とを連通させたり、第1開口部115と第2開口部117との連通を遮断したりする。
そして、エアベントフィルタ160には薬液が満たされているので、流入孔161から流出孔162へ流れる薬液が通気孔163を介してエアベントフィルタ160の外部へ通過することが阻止される。また、エアベントフィルタ160の通気孔163から気体が流入することも阻止される。
そのため、医療従事者が定流量バルブ103の第2開口部117を人体109に接続した後、ポンプ104の停止時には、定流量バルブ103は図8(A)に示すように閉じている。ポンプ104を駆動させることにより、薬液バッグ101に貯蔵されている薬液はポンプ104及びエアベントフィルタ160を介して第1開口部115から第1バルブ室111に流入し、第1バルブ室111の圧力が高まる。
ここで、図8(A)に示すように、第1バルブ室111に面し、Oリング130より外側に位置するダイヤフラム120の第1領域の面積をS1とし、ダイヤフラム120の第1領域にかかる圧力(即ちポンプ104の吐出圧力)をP1とし、第2バルブ室112に面するダイヤフラム120の第2領域の面積をS2とし、ダイヤフラム120の第2領域にかかる圧力をP2とし、第1バルブ室111に面し、Oリング130より内側に位置するダイヤフラム120の第3領域の面積をS3とし、ダイヤフラム120の第3領域にかかる圧力をP3としたとき、圧力の釣り合いから、図8(B)に示すように定流量バルブ103が開く条件は、P1×S1=P1×(S2−S3)>P2×S2となる。
そのため、ダイヤフラム120の第1領域にかかる圧力P1がこの条件を満たすと、定流量バルブ103のダイヤフラム120が第2バルブ室112側へ湾曲してOリング130から離間し、第1開口部115と第2開口部117とが連通する。即ち定流量バルブ103が開く。
これにより、薬液バッグ101に貯蔵されている薬液は、ポンプ104のポンピング動作により、ポンプ104、エアベントフィルタ160、及び定流量バルブ103を介して人体109に供給される。
なお、この送液時、薬液バッグ101が流路107を介して定流量バルブ103の第3開口部118に接続されているため、薬液バッグ101の圧力が急激に高まる等、送液システム100の周辺環境に変化が生じても、人体109に供給される薬液の流量を安定させることができる。
また、この送液時、定流量バルブ103はバネ129を有しているため、バネ129が与圧する圧力までは流量の変化を抑制できる。よって、ポンプ104の吐出圧力が急激に高まる等、送液システム100の周辺環境に変化が生じても、人体109に供給される薬液の流量を安定させることができる。
《その他の実施形態》
前記実施形態では滅菌ガスとしてエチレンオキサイドガスを用いているが、これに限るものではない。例えば当該滅菌ガスが、ホルムアルデヒドガス、オゾン等の他の滅菌ガスであっても本送液システムに適用できる。
また、前記実施形態では液体としてブドウ糖輸液を用いているが、これに限るものではない。例えば当該液体が、インスリン等の他の液体であっても本送液システムに適用できる。
また、前記実施形態ではダイヤフラム120はシリコーンゴムから構成しているが、これに限るものではない。可撓性を有する材料であれば、他の材料であってもよい。
また、前記実施形態では定流量バルブ103の第3開口部118が薬液バッグ101に接続されているが、これに限るものではない。図9に示すように定流量バルブ103の第2バルブ室112が第3開口部118を介して大気開放してもよい。
また、前記実施形態では弁座は第2開口部117の周囲に設けられているが、これに限るものではない。例えば第1開口部115の周囲に弁座が設けられていてもよい。
前記実施形態では弁座としてOリング130が設けられているが、これに限るものではない。例えば、Oリング130を設けず、ダイヤフラム120が弁閉時に当接するバルブ筐体110内における第2開口部117の周囲を弁座としてもよい。
なお、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…燃料カートリッジ
2…耐圧用バルブ
3…受動バルブ
4…ポンプ
5…発電セル
6…薬液バッグ
7、8…流路
9…人体
10…バルブ筺体
11…第1バルブ室
12…第2バルブ室
15…第1開口部
16…第2開口部
17…第3開口部
20…ダイヤフラム
30…Oリング
41…吸引孔
42…吐出孔
43、44…逆止弁
98…開口部
99…逆止弁
100、200…送液システム
101…薬液バッグ
103…定流量バルブ
104…ポンプ
106、107、108…流路
109…人体
110…バルブ筺体
111…第1バルブ室
112…第2バルブ室
115…第1開口部
117…第2開口部
118…第3開口部
120…ダイヤフラム
121…天板
122…側板
123…側板
124…底板
129…バネ
130…Oリング
141…吸引孔
142…吐出孔
143、144…逆止弁
160…エアベントフィルタ
161…流入孔
162…流出孔
163…通気孔
800、900…送液システム
A…空気
E…滅菌ガス
H…滅菌袋

Claims (2)

  1. 第1開口部および第2開口部が形成され、前記第1開口部または前記第2開口部の周囲に弁座が形成されたバルブ筺体と、一方の主面にかかる圧力と他方の主面にかかる圧力との差により、前記弁座に対して接触又は離間するダイヤフラムと、を有するバルブと、
    液体を貯蔵する液体貯蔵部と、
    前記液体吸引孔と前記液体吐出孔と前記液体の逆流を防ぐ逆止弁とを有し、前記吸引孔が前記液体貯蔵部に接続されるポンプと、
    前記液体流入孔と前記液体流出孔と外部に連通する通気孔とを有し、前記流入孔が前記ポンプの前記吐出孔に接続され、前記流出孔が前記バルブの前記第1開口部に接続され、前記流入孔から前記流出孔へ流れる前記液体が前記通気孔を介して前記外部へ通過することを阻止し、気体のみを前記通気孔を介して通過させるフィルタと、を備え、
    前記バルブの前記第2開口部は、前記液体を消費する液体消費部に接続される、送液システム。
  2. 前記バルブは、前記ダイヤフラムを前記第1開口部側または前記第2開口部側へ付勢し、前記弁座に対して前記ダイヤフラムを与圧する与圧部をさらに有する、請求項1に記載の送液システム。
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