JP5957397B2 - 状態推定装置、状態推定方法及び状態推定プログラム - Google Patents

状態推定装置、状態推定方法及び状態推定プログラム Download PDF

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本発明の実施形態は、需要家に使用される需要家機器の状態を推定する状態推定装置、状態推定方法及び状態推定プログラムに関する。
商用系統(電力会社系統)と連系線で連係し、BEMS等のEMSをもつビル等の需要家において、需給制御としてピークカットやピークシフト等の負荷制御を実施する必要がある。ピークカットやピークシフト等を実施するためには、需要家の機器毎の負荷量を監視する必要がある。しかし、需要家機器が多数、又は、広域にある等の場合には、計測機器及び計測伝送系が非常に多数必要になり監視が困難な場合が多い。このため、少ない計測点で需要家機器の負荷量を監視することが可能なシステムが望まれる。
また、ピークカットやピークシフト等の負荷制御を実施する場合、配電線による電力ロス、及び、電力ロスにより生じる発熱が無視できないときは、電力ロスについても推定する必要がある。
特許第4802129号公報 特開2006−17456号公報 特許第3877269号公報
以上のように、ビル等の需要家において、需給制御として負荷制御を実施する場合、少ない計測点で需要家機器の負荷量、及び、配電線による電力ロスを推定する必要があるが、これらを同時に推定することが可能な装置は確立されていない。
そこで、目的は、需要家において、少ない計測点で需要家機器の負荷量、及び、配電線による電力ロスを同時に推定することが可能な状態推定装置、状態推定方法及び状態推定プログラムを提供することにある。
実施形態によれば、状態推定装置は、高調波成分計算部、データベース及び状態推定部を具備する。高調波成分計算部は、複数の需要家機器が接続可能な電気系統へ供給される電力及び電流についての測定情報を取得し、前記電力の高調波成分である第1の高調波成分と、前記電流の高調波成分である第2の高調波成分とを計算する。データベースは、前記複数の需要家機器がそれぞれ必要とする電力の高調波含有率を記録可能である。状態推定部は、前記第1の高調波成分を、前記需要家機器の有効電力及び前記高調波含有率から求められる第1の電力と、前記電気系統における抵抗値及び前記第2の高調波成分から求められる第2の電力とにより表すことで、前記需要家機器の有効電力及び前記電気系統における抵抗値を推定する。
第1の実施形態に係る状態推定装置を適用可能なエネルギー管理システムを示す図である。 図1に示す測定装置で取得される電気物理量の波形を示す図である。 図1に示す状態推定装置の機能構成を示す図である。 図3に示す高調波成分計算部の機能構成を示す図である。 図4に示すFFT処理部により、図2に示す電気物理量についての高調波含有率の次数毎の成分を計算した計算結果を示す図である。 図3に示すデータベースに記録されている高調波含有率パターンの例を示す図である。 図3に示すデータベースに記録されている高調波含有率パターンの例を示す図である。 図3に示すデータベースに記録されている高調波含有率パターンの例を示す図である。 図3に示すデータベースに記録されている高調波含有率パターンの例を示す図である。 図1に示すローカル系統への需要家機器の接続例を示す図である。 図1に示すローカル系統への需要家機器のその他の接続例を示す図である。 図3に示す状態推定部の処理を説明する図である。 図3に示す状態推定装置10において、有効電力と、ローカル系統の電気抵抗とを算出する際の図を示す。 図3に示す状態推定部のその他の処理を説明する図である。 図3に示す状態推定部のその他の処理を説明する図である。 図3に示す状態推定部のその他の処理を説明する図である。 第2の実施形態に係る状態推定装置の機能構成を示すブロック図である。 図17に示す結果表示部により表示装置に表示される有効電力を示す図である。 図17に示す結果表示部により表示装置に表示される有効電力と、ローカル系統による電力ロスとを示す図である。 第3の実施形態に係る状態推定装置の機能構成を示すブロック図である。 図20に示す結果表示部により表示装置に表示される電力ロスを示す図である。 図20に示す結果表示部により表示装置に表示される、電力ロスに対する消費電力の比率を示す図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る状態推定装置10を適用可能なエネルギー管理システムの一例を示す図である。本実施形態では需要家の一例としてビルを採りあげる。この他、病院、研究施設、学校及び工場等も需要家になり得る。図1において、電力系統(power grid)からビル内の母線に引き込まれた電力は、母線からフィーダを介して例えば各階のローカル系統(local grid)40に分配される。
需要家機器30−1〜30−5はコンセント等を介してローカル系統40に接続され、それぞれローカル系統40から電力の供給を受けて機能する。需要家機器30−1〜30−5は、例えば、空調機(エアコン)、ノートPC、デスクトップPC、コピー/プリンタ、及び照明器具などである。工場等においては半導体製造機器等も需要家機器に含まれる。
母線からローカル系統40に至るフィーダには測定装置20が接続される。測定装置20は、フィーダからローカル系統40に供給される電流、電圧及び電力等の電気的物理量を取得する。測定装置20は、取得した電気物理量をビル監視室へ出力する。
ビル監視室には、階毎の電気物理量を受信し、需要家機器30−1〜30−5の有効電力、測定装置20から需要家機器30−1〜30−5までの抵抗値、及び、測定装置20から需要家機器30−1〜30−5までの電力ロスを推定する状態推定装置10、及び、状態推定装置10で推定される有効電力、抵抗値及び電力ロスに基づいてビル内のエネルギー状態を管理するエネルギー管理サーバ50が設置されている。
図2は、第1の実施形態に係る測定装置20で取得される電気物理量の波形例を示す図である。図2では、電気物理量の例として、電圧波形V、電流波形I及び電力波形Pを示す。図2において、縦軸は電気物理量を示し、横軸は時間を示す。
ここで、電力の瞬時値、電圧の瞬時値及び電流の瞬時値をそれぞれp、v、iとすると、電力の瞬時値pは、
Figure 0005957397
と求められる。つまり、電圧の瞬時値vと、電流の瞬時値iとから、電力の瞬時値pを計算することができる。
状態推定装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、並びに、CPUが処理を実行するためのプログラムやデータの格納領域等を含むROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備える。状態推定装置10は、CPUに状態推定プログラムを実行させることで、図3に示す機能を有する。すなわち、状態推定装置10は、高調波成分計算部11、保存部12、状態推定部13及びデータベース14を備える。
高調波成分計算部11は、測定装置20から供給される電気物理量を受信する。高調波成分計算部11は、電気物理量に対して波形分析を行い、電気物理量に含まれる高調波の次数毎の成分を計算する。高調波成分計算部11は、電気物理量に含まれる電力の瞬時値p、電圧の瞬時値v及び電流の瞬時値iのうち、いずれの高調波の次数毎の成分を計算することが可能である。
高調波は、一定の周期を持つ、周期の違う正弦波の集まりとして表される。基本波を一次とすると、周期が基本波の1/2(周波数は2倍)の波を二次の高調波、周期が基本波の1/3(周波数は3倍)の波を三次の高調波、周期が基本波の1/n(周波数はn倍)の波をn次の高調波と称する。商用周波数に高調波が入ると、商用周波数は歪んでいると扱われる。高調波成分は、フーリエ変換等で求めることが可能である。観測データがサンプリング値である場合、観測データから高調波成分を求めるには、離散型フーリエ変換と呼ばれる手法が用いられる。この離散型フーリエ変換を高速に解けるように改良した手法を、FFT(Fast Fourier Transform)といい、高調波の次数毎の成分を計算する手法としては、最も一般的な手法となっている。
高調波成分計算部11は、図4に示すように、FFT処理部111を備え、高調波の次数毎の成分を計算する。
多くの需要家機器では、運転時の電圧と電流との位相がほぼ等しいとみなせる。そのため、各高調波成分の力率を力率=1と近似することが可能である。これに対し運転時の電圧と電流との位相差が大きい需要家機器では式(2)のように高調波成分を補正する。
Figure 0005957397
図5は、FFT処理部111により、図2に示す電気物理量についての高調波含有率の次数毎の成分を計算した計算結果(以下、高調波成分計算結果と称する)の一例を示す図である。図5において、縦軸は高調波含有率を示し、横軸は高調波の次数を示す。図5では、有効電力P及び電圧Vの高調波含有率を示す。高調波含有率は、高調波の次数毎に計算され、式(3)で定義される。
Figure 0005957397
高調波成分計算部11は、算出した高調波成分計算結果と、測定装置20による電力及び電流の測定結果とを保存部12へ出力する。なお、本実施形態では、電気物理量に含まれる高調波の次数毎の成分を計算するのにFFTを利用しているが、他の手法により高調波の次数毎の成分を計算しても構わない。
保存部12は、高調波成分計算部11で算出される高調波成分計算結果と、測定装置20で計測される電力及び電流の測定結果とを保存する。
データベース14には、需要家機器30−1〜30−5それぞれについての有効電力の高調波含有率のパターンが記録される。このとき、データベース14には、高調波含有率のパターンが、状態推定装置10の納入時に記録済みであるようにしても構わない。また、データベース14には、高調波含有率のパターンが、納入時には記録されていないが、状態推定装置10の使用前までに記録されるようにしても構わない。
図6〜図9は、データベース14に記録されている高調波含有率パターンの例を示す図である。図6はコピー・プリンタの高調波含有率パターンの例を示し、図7はノートパソコンの高調波含有率パターンの例を示し、図8はエアコンの高調波含有率パターンの例を示し、図9は一般照明の高調波含有率パターンの例を示す。図6〜図9において、縦軸は高調波含有率を示し、横軸は高調波の次数を示す。
状態推定部13は、保存部12から読み出した測定結果及び高調波成分計算結果と、データベース14から読み出した高調波含有率パターンとに基づき、需要家機器30−1〜30−5の有効電力、ローカル系統40の電気抵抗、及び、この抵抗により発生する電力ロスを算出する。
具体的な処理を以下に示す。まず、図10に示す、需要家内のローカル系統40に5つの需要家機器30−1〜30−5が接続する場合を想定する。需要家機器30−1〜30−5には、上位電力系統からローカル系統40を経由して電力が供給される。図10では、需要家機器30−1であるエアコンに供給される有効電力をPL1とし、需要家機器30−2であるノートパソコンに供給される有効電力をPL2とし、需要家機器30−3であるデスクトップパソコンに供給される有効電力をPL3とし、需要家機器30−4であるコピー/プリンタに供給される有効電力をPL4とし、需要家機器30−5である蛍光灯に供給される有効電力をPL5とする。
需要家機器30−1の有効電力PL1のi番目の次数の高調波含有率をαi1とした場合、需要家機器30−1の有効電力PL1のi番目の次数の高調波成分PL1は、
Figure 0005957397
と求められる。需要家機器30−1の有効電力にN次の高調波成分があると仮定すると、需要家機器30−1の有効電力PL1は、式(4)に基づき、
Figure 0005957397
と求められる。
つまり、j番目の需要家機器30−jの有効電力をPLjとし、有効電力PLjのi番目の次数の高調波含有率をαijとした場合には、有効電力PLjは、
Figure 0005957397
と求められる。
また、次に、図11に示す、需要家内のローカル系統40に5つの需要家機器30−1〜30−5が接続する場合を想定する。図11では、ローカル系統40は、エアコン等と繋がるエアコン用電気系統であるローカル系統40−1、ノートパソコン、デスクトップパソコン及びコピー/プリンタ等と繋がる床下電気系統であるローカル系統40−2、及び、蛍光灯等の照明機器と繋がる天井裏系統であるローカル系統40−3等に分類される。ローカル系統40−1には、需要家機器30−1であるエアコンが接続し、ローカル系統40−2には、需要家機器30−2であるノートパソコン、需要家機器30−3であるデスクトップパソコン及び需要家機器30−4であるコピー/プリンタが接続し、ローカル系統40−3には、需要家機器30−5である蛍光灯が接続する。
図11に示すように、需要家機器30−1であるエアコンへは、測定装置20−1及びローカル系統40−1を介して電力PL1が供給される。ここで、測定装置20−1を通過する電力及び電流をそれぞれPa,Iaとする。
また、需要家機器30−2であるノートパソコンへは、測定装置20−2及びローカル系統40−2を介して電力PL2が供給される。需要家機器30−3であるデスクトップパソコンへは、測定装置20−2及びローカル系統40−2を介して電力PL3が供給される。需要家機器30−4であるコピー/プリンタへは、測定装置20−2及びローカル系統40−2を介して電力PL4が供給される。ここで、測定装置20−2を通過する電力及び電流をそれぞれPb,Ibとする。
また、需要家機器30−5である蛍光灯へは、測定装置20−3及びローカル系統40−3を介して電力PL5が供給される。ここで、測定装置20−3を通過する電力及び電流をそれぞれPc,Icとする。
ここで、需要家機器30−1に供給される電力PL1と、測定装置20−1により測定される電力Paとの関係は、電力PL1がローカル系統40−1を通ることで発生する電力ロスをPlos1とすると、
Figure 0005957397
と表される。
同様に、需要家機器30−2に供給される電力PL2、需要家機器30−3に供給される電力PL3、及び、需要家機器30−4に供給される電力PL4と、測定装置20−2で測定される電力Pbとの関係は、電力PL2、電力PL3及び電力PL4がローカル系統40−2を通ることで発生する電力ロスをそれぞれPlos2,Plos3,Plos4とすると、
Figure 0005957397
と表される。
さらに、需要家機器30−5に供給される電力PL5と、測定装置20−3で測定される電力Pcとの関係は、電力PL5がローカル系統40−3を通ることで発生する電力ロスをPlos5とすると
Figure 0005957397
と表される。
次に、式(7)、式(8)及び式(9)を高調波の次数毎に展開する。電力Paのi次の高調波成分をPa、電力PL1のi次の高調波成分をPL1、Plos1のi次の高調波に起因するものをPlos1とすれば、電力Paは、
Figure 0005957397
と表される。
同様に、電力Pb,Pcは、
Figure 0005957397
Figure 0005957397
と表される。
さらに、測定装置20−1からローカル系統40−1を通り、需要家機器30−1へ至る電気抵抗をRaとし、電流Iaのi次の高調波成分をIaとすると、式(10)は、
Figure 0005957397
次に、測定装置20−2からローカル系統40−2を通り、需要家機器30−2〜30−4へ至る電気抵抗をRbとし、電流Ibのi次の高調波成分をIbとすると、式(11)は、
Figure 0005957397
と表される。
また、測定装置20−3からローカル系統40−3を通り、需要家機器30−5へ至る電気抵抗をRcとし、電流Icのi次の高調波成分をIcとすると、式(12)は、
Figure 0005957397
と表される。
ここで、式(13)〜(15)に、式(6)の関係を用いると、電力Pa,Pb,Pcは、
Figure 0005957397
Figure 0005957397
Figure 0005957397
と表される。ここで、式(16)において、高調波含有率αi1はデータベース14に予め記録されているため既知であり、電力の高調波成分Pa及び電流の高調波成分Iaは高調波成分計算部11で取得される高調波成分結果であるため既知である。すなわち、式(16)において、求めたい値は、電力PL1及び電気抵抗Raの2つの値である。式(16)を用いて電力PL1及び電気抵抗Raの2つの値を求めるには、2つ以上の独立した方程式が必要となる。
また、式(17)において、高調波含有率αi2,αi3,αi4はデータベース14に予め記録されているため既知であり、電力の高調波成分Pb及び電流の高調波成分Ibは高調波成分計算部11で取得される高調波成分結果であるため既知である。すなわち、式(17)において求めたい値は、電力PL2、PL3、PL4及び電気抵抗Rbの4つの値である。式(17)を用いて電力PL2、PL3、PL4及び電気抵抗Rbの4つの値を求めるには、4つ以上の独立した方程式が必要となる。
また、式(18)において、高調波含有率αi5はデータベース14に予め記録されているため既知であり、電力の高調波成分Pc及び電流の高調波成分Icは高調波成分計算部11で取得される高調波成分結果であるため既知である。すなわち、式(18)において求めたい値は、電力PL5及び電気抵抗Rcの2つの値である。式(18)を用いて電力PL5と電気抵抗Rcの2つの値求めるには、2つ以上の独立した方程式が必要である。
式(16)をk次の高調波で表わすと、式(16)は、
Figure 0005957397
と表される。式(16)及び式(19)は、変数が2つの連立方程式であり、独立な式が2つである。すなわち、これらの式から、電力PL1及び電気抵抗Raが求められる。
また、式(16)及び式(19)を行列で表わすと、
Figure 0005957397
と表される。式(16)及び式(19)は、それぞれ独立な式であるため、式(20)で示される行列は逆行列が存在する正則行列である。そのため、式(20)において、電力PL1及び電気抵抗Raについて式をまとめることが可能であり、
Figure 0005957397
となる。式(21)を解くことで、電力PL1及び電気抵抗Raが求められる。
また、式(17)をk次、l次及びm次の高調波で表わすと、
Figure 0005957397
Figure 0005957397
Figure 0005957397
と表される。式(17)、式(22)〜(24)は、変数が4つの連立方程式であり、独立な式が4つである。すなわち、これらの式から、電力PL2、PL3、PL4及び電気抵抗Rbが求められる。
また、式(17)及び式(22)〜式(24)を行列で表わすと、
Figure 0005957397
と表される。式(17)及び式(22)〜(24)は、それぞれ独立な式であるため、式(25)で示される行列は正則行列である。そのため、式(25)において、電力PL2、PL3、PL4及び電気抵抗Rbについて式をまとめることが可能であり、
Figure 0005957397
となる。式(26)を解くことで、電力PL2、PL3、PL4及び電気抵抗Rbが求められる。
さらに、式(18)をk次の高調波で表わすと、
Figure 0005957397
と表される。式(18)及び式(27)は、変数が2つの連立方程式であり、独立な式が2つである。すなわち、これらの式から、電力PL5及び電気抵抗Rcが求められる。
また、式(18)及び式(27)を行列で表わすと、
Figure 0005957397
と表される。式(18)及び式(27)は、それぞれ独立な式であるため、式(28)で示される行列は逆行列が存在する正則行列である。そのため、式(28)において、電力PL5及び電気抵抗Rcについて式をまとめることが可能であり、
Figure 0005957397
となる。式(29)を解くことで、電力PL5及び電気抵抗Rcが求められる。
また、測定装置20−1を通る電流Iaが測定装置20−1からローカル系統40−1を通り、需要家機器30−1へ至るまでの電力ロスPlos_aは、
Figure 0005957397
と求められる。なお、電流Iaは、測定装置20−1で測定されるため、既知である。
また、測定装置20−2を通る電流Ibが測定装置20−2からローカル系統40−2を通り、需要家機器30−2〜30−4へ至るまでの電力ロスPlos_bは、
Figure 0005957397
と求められる。なお、電流Ibは、測定装置20−2で測定されるため、既知である。
さらに、測定装置20−3を通る電流Icが測定装置20−3からローカル系統40−3を通り、需要家機器30−5へ至るまでの電力ロスPlos_cは、
Figure 0005957397
と求められる。なお、電流Icは、測定装置20−3で測定されるため、既知である。
図12は、第1の実施形態に係る状態推定部13の処理を説明する図である。状態推定部13は、保存部12に保存される有効電力Paの高調波成分Pa,Pa、及び、電流Iaの高調波成分Ia,Iaと、データベース14に記録される高調波含有率αi1,αk1を式(21)へ代入することで、需要家機器30−1の有効電力PL1と、ローカル系統40−1の電気抵抗Raとを算出する。また、状態推定部13は、保存部12に保存される電流Iaと、算出される電気抵抗Raとを式(30)へ代入することで、ローカル系統40−1の電気抵抗Raにより発生する電力ロスPlos_aを算出する。
また、状態推定部13は、保存部12に保存される有効電力Pbの高調波成分Pb,Pb,Pb,Pb、及び、電流Ibの高調波成分Ib,Ib,Ib,Ibと、データベース14に記録される高調波含有率αi2,αi3,αi4,αk2,αk3,αk4,αl2,αl3,αl4,αm2,αm3,αm4を式(26)へ代入することで、需要家機器30−2の有効電力PL2と、需要家機器30−3の有効電力PL3と、需要家機器30−4の有効電力PL4と、ローカル系統40−2の電気抵抗Rbとを算出する。また、状態推定部13は、保存部12に保存される電流Iaと、算出される電気抵抗Rbとを式(31)へ代入することで、ローカル系統40−2の電気抵抗Rbにより発生する電力ロスPlos_bを算出する。
また、状態推定部13は、保存部12に保存される有効電力Pcの高調波成分Pc,Pc、及び、電流Icの高調波成分Ic,Icと、データベース14に記録される高調波含有率αi5,αk5を式(29)へ代入することで、需要家機器30−5の有効電力PL5と、ローカル系統40−3の電気抵抗Rcとを算出する。また、状態推定部13は、保存部12に保存される電流Icと、算出される電気抵抗Rcとを式(32)へ代入することで、ローカル系統40−3の電気抵抗Rcにより発生する電力ロスPlos_cを算出する。
図13は、第1の実施形態に係る状態推定装置10において、例えば、有効電力PL2〜PL4と、ローカル系統40−2の電気抵抗Rbとを算出する際の模式図を示す。状態推定部13は、データベース14に記録される機器毎の高調波含有率パターンに、需要家機器30−2〜30−4の有効電力PL2〜PL4を掛け合わせた合計値と、測定点の電流の高調波の二乗にローカル系統40−2の抵抗Rbを掛け合わせたものとの和が測定点の有効電力の高調波Pb〜Pbとなるように、需要家機器30−2〜30−4の有効電力PL2〜PL4と、ローカル系統40−2の抵抗Rbとを求める。
以上のように、第1の実施形態では、高調波成分計算部11は、測定装置20で測定される有効電力の高調波成分及び電流の高調波成分を計算する。データベース14は、複数の需要家機器30−1〜30−5についての高調波含有率パターンを予め記録する。状態推定部13は、有効電力の高調波成分を、需要家機器30−1〜30−5の有効電力及び高調波含有率から求められる電力と、ローカル系統40による抵抗値及び電流の高調波成分から求められる電力とにより表す。状態推定部13は、複数の次数での電力を用いることで、需要家機器30−1〜30−5毎の有効電力及びローカル系統40の抵抗値を推定するようにしている。これにより、状態推定装置10は、電力系統40に供給される電力及び電流の測定値を測定装置20から受信するのみで、需要家機器30−1〜30−5での有効電力、ローカル系統40の電気抵抗を推定することが可能となる。
また、第1の実施形態では、状態推定部13は、算出した電気抵抗を用いて、この電気抵抗による電力ロスを算出するようにしている。これにより、状態推定装置10は、電力系統40に供給される電力及び電流の測定値を測定装置20から受信するのみで、ローカル系統40の電気抵抗による電力ロスを推定することが可能となる。
したがって、第1の実施形態に係る状態推定装置10によれば、需要家において、少ない計測点で需要家機器の負荷量、配電線の抵抗、及び、配電線による電力ロスを同時に推定することができる。すなわち、需要家機器が多数もしくは広域にある場合に監視が困難な場合が多かったBEMS等のEMSをもつビル等の需要家において、需要家機器毎の負荷量、及び、需要家機器毎に生じる電力ロスを監視することが可能になり、需給制御としてピークカット及びピークシフト等を実施することが容易になる。
なお、第1の実施形態では、有効電力PL1及び電気抵抗Raを求める際には、i次及びk次の高調波を利用し、有効電力PL2,PL3,PL4及び電気抵抗Rbを求める際には、i次、k次、l次及びm次の高調波を利用し、有効電力PL5及び電気抵抗Rcを求める際には、i次及びk次の高調波を利用する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。状態推定部13は、例えば、需要家機器毎の高調波特性に基づき、特徴的な高調波を選択するようにしても構わない。
例えば、図6に示すコピー/プリンタの高調波含有率は、次数5,7,11,13に特徴がある。また、図7に示すノートパソコンの高調波含有率は、次数3,5,7,9,11,13,15,17,19に特徴がある。また、図8に示すエアコンの高調波含有率は、次数3,5,7,9,11,13,15,17,19に特徴がある。また、図9に示す一般照明の高調波含有率は、次数3,5,7,9,11に特徴がある。
状態推定部13は、高調波含有率に特徴がある次数を選択し、選択した高調波含有率を用いて計算する。これにより、状態推定部13は、需要家機器30の有効電力を求めやすくなる。例えば、コピー/プリンタの高調波含有率は11次及び13次に特に特徴があり、エアコンの高調波含有率は3次及び15次に特に特徴があり、一般照明の高調波含有率は3次、5次及び7次に特に特徴がある。すなわち、状態推定部13は、例えば、式(21)、式(26)及び式(29)において、3次、5次、7次、11次及び13次の高調波を選択すると、有効電力及び電気抵抗を算出しやすい。
より具体的には、状態推定部13は、式(21)において、3次及び5次を選択するとして、i=3、k=5とする。また、基本波分(1次)を選ぶことも有効であり、i=1、k=3とする。
また、状態推定部13は、式(26)において、3次、5次、7次及び13次を選択するとして、i=3、k=5、l=7、m=13とする。また、基本波分(1次)を選ぶことも有効であり、i=1、k=3、l=5、m=7とする。
また、状態推定部13は、式(29)において、3次及び5次を選択するとして、i=3、k=5とする。また、基本波分(1次)を選ぶことも有効であり、i=1、k=3とする。
図14は、第1の実施形態に係る状態推定部13の上述の際の処理を説明する図である。状態推定部13は、保存部12に保存される有効電力Paの高調波成分Pa,Pa、及び、電流Iaの高調波成分Ia,Iaと、データベース14に記録される高調波含有率α31,α51を式(21)へ代入することで、需要家機器30−1の有効電力PL1と、ローカル系統40−1の電気抵抗Raとを算出する。また、状態推定部13は、保存部12に保存される電流Iaと、算出される電気抵抗Raとを式(30)へ代入することで、ローカル系統40−1の電気抵抗Raにより発生する電力ロスPlos_aを算出する。なお、高調波は、i=1、k=3であっても構わない。
また、状態推定部13は、保存部12に保存される有効電力Pbの高調波成分Pb,Pb,Pb,Pb13、及び、電流Ibの高調波成分Ib,Ib,Ib,Ib13と、データベース14に記録される高調波含有率α32,α33,α34,α52,α53,α54,α72,α73,α74,α132,α133,α134を式(26)へ代入することで、需要家機器30−2の有効電力PL2と、需要家機器30−3の有効電力PL3と、需要家機器30−4の有効電力PL4と、ローカル系統40−2の電気抵抗Rbとを算出する。また、状態推定部13は、保存部12に保存される電流Iaと、算出される電気抵抗Rbとを式(31)へ代入することで、ローカル系統40−2の電気抵抗Rbにより発生する電力ロスPlos_bを算出する。なお、高調波は、i=1、k=3、l=5、m=7であっても構わない。
また、状態推定部13は、保存部12に保存される有効電力Pcの高調波成分Pc,Pc、及び、電流Icの高調波成分Ic,Icと、データベース14に記録される高調波含有率αi5,αk5を式(29)へ代入することで、需要家機器30−5の有効電力PL5と、ローカル系統40−3の電気抵抗Rcとを算出する。また、状態推定部13は、保存部12に保存される電流Icと、算出される電気抵抗Rcとを式(32)へ代入することで、ローカル系統40−3の電気抵抗Rcにより発生する電力ロスPlos_cを算出する。なお、高調波は、i=1、k=3であっても構わない。
また、第1の実施形態では、高調波の次数に係らず、電気抵抗が同一である場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。状態推定部13は、高調波の次数により配電線抵抗値が異なる場合に、需要家機器の有効電力と、次数毎の抵抗値とを推定するようにしても良い。
ローカル系統40−1〜40−3に異なる種類の配電線ケーブルが使用され、かつ、電気回路に幾つかの並列回路が含まれている場合、高調波の次数により配電線抵抗が異なることがある。これは、配電線ケーブルにはインダクタンス分やキャパシタンス分があるため、異なる種類の配電線ケーブル及び並列回路が混在すると、電気系統の抵抗分に周波数成分が現れるためである。高調波の次数によって周波数が異なるから、この様な場合、電気系統の抵抗分も高調波によって異なってくる。
例としてローカル系統40−1にて説明する。i次、k次、l次でローカル系統40−1の電気抵抗の高調波成分が異なるとする。ここで、i次、k次、l次のローカル系統40−1の電気抵抗の高調波成分をそれぞれ、Ra、Ra、Raとする。
式(16)及び式(19)は、ローカル系統40−1の電気抵抗が次数によって異ならない場合である。そこで、式(16)及び式(19)を、i次、k次、l次でローカル系統40−1の電気抵抗の高調波成分が異なるように展開すると、電力Pa,Pa,Paは、
Figure 0005957397
Figure 0005957397
Figure 0005957397
と表される。
式(33)、式(34)、式(35)は、変数が電力PL1、電気抵抗Ra,Ra,Raの4個であり、式の数が3つの方程式である。そのため、独立な解を求めるには式が一つ足りない。そこで、以下の近似を行う。すなわち、RaとRaとの平均値をRaikとすると、
Figure 0005957397
と表される。式(36)の関係を使ると、式(33)及び式(34)は、
Figure 0005957397
Figure 0005957397
と表される。式(37)及び式(38)はそれぞれ独立な式であるため、状態推定部13は、式(37)及び式(38)から電力PL1とRaikを求めることが可能である。状態推定部13は、求めたRa ik を用い、式(33)、式(34)、式(36)からRaを求め、式(35)からRaを求める。さらに、状態推定部13は、式(36)からRaを求める。
また、i次の高調波による電力ロスをPlos_aとし、k次の高調波による電力ロスをPlos_aとし、l次の高調波による電力ロスをPlos_aとすると、Plos_a,Plos_a,Plos_aはそれぞれ、
Figure 0005957397
Figure 0005957397
Figure 0005957397
と表される。
図15は、第1の実施形態に係る状態推定部13の上述の際の処理を説明する図である。なお、図15では、ローカル系統40−1を例として説明する。状態推定部13は、保存部12に保存される有効電力Paの高調波成分Pa,Pa,Pa、及び、電流Iaの高調波成分Ia,Ia,Iaと、データベース14に記録される高調波含有率αi1,αk1,αl1を式(33)〜式(38)へ代入することで、需要家機器30−1の有効電力PL1と、ローカル系統40−1の電気抵抗Ra,Ra,Raとを算出する。また、状態推定部13は、保存部12に保存される電流Ia,Ia,Iaと、算出される電気抵抗Ra,Ra,Raとを式(39)、式(40)、式(41)へそれぞれ代入することで、ローカル系統40−1の電気抵抗Ra,Ra,Raにより発生する電力ロスPlos_a,Plos_a,Plos_aを算出する。
ここでは、ローカル系統40−1に対する処理を説明したが、ローカル系統40−2,40−3に対しても同様の処理を実施することが可能である。
また、第1の実施形態では、需要家機器に係らず配電線抵抗値が同一である場合を例に説明している。しかしながら、これに限定されない。状態推定部13は、需要家機器により配電線抵抗値が異なる場合、需要家機器の有効電力と、需要家機器毎の抵抗値とを推定するようにしても良い。
ここでは、例として、測定装置20−2からローカル系統40−2を通り、需要家機器30−2へ至る電気抵抗をRb2とし、需要家機器30−3へ至る電気抵抗をRb3とし、需要家機器30−4へ至る電気抵抗をRb4とし、電気抵抗Rb2〜Rb4を求める場合を説明する。
上記第1の実施形態では、式(17)、式(22)、式(23)及び式(24)から、需要家機器30−2〜30−4の有効電力PL2、PL3及びPL4と、ローカル系統40−2の電気抵抗Rbとを求める場合を説明した。
測定装置20−2からローカル系統40−2を通り、需要家機器30−2に流れる電流をIb_2とし、需要家機器30−3に流れる電流をIb_3とし、需要家機器30−4に流れる電流をIb_4とし、電流Ib_2,Ib_3,Ib_4のi次の高調波をそれぞれIb_2,Ib_3,Ib_4とすると、式(17)、式(22)、式(23)の関係を用いて、
Figure 0005957397
Figure 0005957397
Figure 0005957397
が導かれる。なお、k次、l次の高調波分についても同様に求めることが可能である。
さらに、電流のi次の高調波分であるIb_2、Ib_3、Ib_4は、需要家機器30−2〜30−4の電圧をVとすれば、
Figure 0005957397
Figure 0005957397
Figure 0005957397
と表される。なお、Vは需要家機器30−2〜30−4の電圧であるが、定格電圧で近似できるものとした。式(42)〜式(44)を行列形式で表わすと、
Figure 0005957397
と表される。式(48)を電気抵抗Rb2、Rb3、Rb4についてまとめると、
Figure 0005957397
と表される。式(49)を解くことで、電気抵抗Rb2,Rb3,Rb4を求めることが可能となる。
図16は、第1の実施形態に係る状態推定部13の上述の際の処理を説明する図である。なお、図16では、ローカル系統40−2を例として説明する。状態推定部13は、保存部12に保存される有効電力Pbの高調波成分Pb,Pb,Pb,Pb、及び、電流Ibの高調波成分Ib,Ib,Ib,Ibと、データベース14に記録される高調波含有率αijを式(26)へ代入することで、需要家機器30−2〜30−4の有効電力PL2〜PL4と、ローカル系統40−2の電気抵抗Rbとを算出する。また、状態推定部13は、データベース14に記録される高調波含有率αijと、算出される有効電力PL2〜PL4とを式(45)〜式(47)へ代入することで、電流のi次の高調波成分であるIb_2、Ib_3、Ib_4を算出する。また、状態推定部13は、保存部12に保存される電流Ibの高調波成分Ib,Ib,Ib、算出される電気抵抗Rb、及び、算出される電流の高調波成分とを式(49)へ代入することで、測定装置20−2から需要家機器30−2〜30−4へ至る経路の電気抵抗Rb2,Rb3,Rb4を算出する。
また、第1の実施形態では、式(20)、式(21)、式(25)、式(26)、式(28)及び式(29)に示すように、行列方程式に示す行列が正方行列である場合を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。実際には、行と列との数が異なる場合も多い。
例えば、高調波の数をmとし、需要家機器の数をn−1台とし、式(20)の左辺を実測高調波ベクトルとし、式(20)の行列における列ベクトルを第1乃至第nの高調波ベクトルとした場合、実測高調波ベクトルは、
Figure 0005957397
との近似式により表される。
式(50)は近似式であるから、式(50)の右辺からは、近似値ベクトルが以下のように求められる。
Figure 0005957397
需要家機器30−1〜30−nの有効電力PL1〜PLn−1及び電気抵抗Rは、実測高調波ベクトルと、式(51)で表される近似値ベクトルとの誤差が最小となるときの有効電力PL1〜PLn−1及び電気抵抗Rとして求められる。
ここで、実測高調波ベクトルと近似値ベクトルとの誤差が最小となるように、実測高調波ベクトルの要素と、近似値ベクトルの要素との差分の二乗の合計値を最小化する。この手法は最小二乗法と呼ばれ、最も誤差が小さくなる近似式を求める一般的な手法である。
実測高調波ベクトルの要素と、近似値ベクトルの要素との差分の二乗の合計値をSとすると、Sは、
Figure 0005957397
と表される。
実測高調波ベクトルと近似値ベクトルとの誤差を最小二乗法で最小化するには、式(52)を各需要家機器の有効電力で偏微分し、これらが零となる有効電力を求めることが必要となる。例えば、式(52)をj番目の需要家機器30−jの有効電力で偏微分すると、
Figure 0005957397
となり、式(53)を展開すると、
Figure 0005957397
となる。式(54)を零とおき、需要家機器30−1〜30−(n−1)について式(54)を計算し、行列形式で表すと以下の式となる。ただし、簡略化のため、Ii=αin;i=1,mとする。
Figure 0005957397
ここで、式(55)の右辺の行列における各要素は、k列j行又はj列k行のΣαik×αijであり、j列j行の対角成分において、Σαij×αijの対称行列である。
式(55)の右辺行列は高調波次数の数≧需要家機器の数であれば正則行列となり逆行列を計算可能となる。すなわち、式(56)のように表され、需要家機器30−1〜30−(n−1)の有効電力PL1〜PLn−1と、電気抵抗Rとを算出することが可能となる。
Figure 0005957397
これにより、状態推定装置10は、高調波の次数の数と、需要家機器の数とが異なる場合であっても、需要家機器の有効電力と、電気抵抗とを推定することが可能となる。
(第2の実施形態)
図17は、第2の実施形態に係る状態推定装置60の機能構成を示すブロック図である。状態推定装置60は、高調波成分計算部11、保存部12、状態推定部13、データベース14及び結果表示部61を備える。
結果表示部61は、状態推定部13で算出される需要家機器30の有効電力、ローカル系統40の電気抵抗及びこの電気抵抗により生じる電力ロスを、ビル監視室に設置される表示装置(図示せず)に表示させる。このとき、結果表示部61は、状態推定部13により有効電力、電気抵抗及び電力ロスが算出される度に、これらを表示装置に表示させても良いし、予め設定された時間の経過毎に、算出された有効電力、電気抵抗及び電力ロスを表示装置に表示させるようにしても良い。
図18は、結果表示部61により表示装置に表示される需要家機器30−1〜30−5の有効電力の表示例を示す図である。図18において、有効電力は、トレンドグラフで表示されており、縦軸は電力値を示し、横軸は時間を示す。図18では、エアコン、ノートパソコン、デスクトップパソコン及び一般照明の、一日24時間分の有効電力推定結果を示される。
図19は、結果表示部61により表示装置に表示される需要家機器30−1の有効電力と、ローカル系統40による電力ロスと、これらの合計値との表示例を示す図である。図19において、縦軸は電力値を示し、横軸は時間を示す。図19では、エアコンの有効電力と、測定装置20−1からローカル系統40−1を介してエアコンへ至る経路における電力ロスと、有効電力と電力ロスとの合計値の、一日24時間分の推定結果を示される。
以上のように、第2の実施形態では、状態推定装置60は、結果表示部61により、推定結果を表示装置に表示させるようにしている。これにより、需要家の管理者は、需要家内の電力需要を視覚的に取得することが可能となり、需要家内の電力需要のピークカット及びピークシフト等の需給制御を実施することが可能となる。
(第3の実施形態)
図20は、第3の実施形態に係る状態推定装置70の機能構成を示すブロック図である。状態推定装置70は、高調波成分計算部11、保存部12、状態推定部13、データベース14、選出部71及び結果表示部72を備える。
選出部71は、状態推定部13で算出された電力ロスを参照し、電力ロスが最も大きな需要家機器を負荷制御の候補として選出する。選出部71は、選出した負荷制御の候補を表示装置(図示せず)に表示させる。
結果表示部72は、状態推定部13で算出される電力ロスを、ビル監視室に設置される表示装置に表示させる。
図21は、結果表示部72により表示装置に表示される電力ロスの表示例を示す図である。図21において、縦軸は電力値を示し、横軸は時間を示す。図21では、測定装置20−1からローカル系統40−1を介してエアコンへ至る経路における電力ロスと、測定装置20−2からローカル系統40−2を介してノートパソコンへ至る経路における電力ロスと、測定装置20−2からローカル系統40−2を介してデスクトップパソコンへ至る経路における電力ロスと、測定装置20−2からローカル系統40−2を介してコピー/プリンタへ至る経路における電力ロスと、測定装置20−3からローカル系統40−3を介して一般照明へ至る経路における電力ロスとの、一日24時間分の推定結果が示される。このケースでは、電力ロスの最も大きなエァコンがピークカット等の必要性が生じたときの負荷制御の対象となる。
以上のように、第3の実施形態では、選出部71は、電力ロスが最も大きな需要家機器を負荷制御の候補として選出するようにしている。これにより、需要家の管理者は、負荷制御の候補を自動的に取得することが可能となり、需要家内の電力需要を抑えることが可能となる。
なお、第3の実施形態では、選出部71は、電力ロスが最も大きな需要家機器を負荷制御の候補として選出する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。選出部71は、電力ロスに対する消費電力の比率の大きな需要家機器を負荷制御の候補にするようにしても構わない。このとき、結果表示部72は、電力ロスに対する消費電力の比率を表示装置に表示させる。
図22は、結果表示部72により表示装置に表示される、電力ロスに対する消費電力の比率の表示例を示す図である。図22において、縦軸は比率を示し、横軸は時間を示す。図22では、エアコンの比率、ノートパソコンの比率、デスクトップパソコンの比率、コピー/プリンタの比率、及び、一般照明の比率の、一日24時間分の推定結果が示される。このケースでは、比率の最も大きなエァコンがピークカット等の必要性が生じたときの負荷制御の対象となる。
(その他の実施形態)
上記第1乃至第3の実施形態では、状態推定装置が需要家に設置される場合を例に説明したが、これに限定される訳ではない。第1乃至第3の実施形態に係る状態推定装置は、単体で持ち運び可能としても構わない。この場合、状態推定装置は、ローカル系統40に供給される電力及び電流を測定する測定装置20と接続するコネクタ、又は、測定装置20と通信する通信部等を備え、測定装置20で取得された電気物理量を取得する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…状態推定装置、11…高調波成分計算部、111…FFT処理部、12…保存部、13…状態推定部、14…データベース、20,20−1〜20−3…測定装置、30,30−1〜30−5…需要家機器、40,40−1〜40−3…ローカル系統、50…エネルギー管理サーバ、60…状態推定装置、61…結果表示部、70…状態推定装置、71…選出部、72…結果表示部

Claims (14)

  1. 複数の需要家機器が接続可能な電気系統へ供給される電力及び電流についての測定情報を取得し、前記電力の高調波成分である第1の高調波成分と、前記電流の高調波成分である第2の高調波成分とを計算する高調波成分計算部と、
    前記複数の需要家機器がそれぞれ必要とする電力の高調波含有率を記録可能なデータベースと、
    前記第1の高調波成分を、前記需要家機器の有効電力及び前記高調波含有率から求められる第1の電力と、前記電気系統における抵抗値及び前記第2の高調波成分から求められる第2の電力とにより表すことで、前記需要家機器の有効電力及び前記電気系統における抵抗値を推定する状態推定部と
    を具備する状態推定装置。
  2. 前記状態推定部は、前記電流についての測定情報と、前記推定した抵抗値とから、前記電気系統における電力ロスを推定する請求項1記載の状態推定装置。
  3. 前記データベースに記録される高調波含有率は、前記複数の需要家機器毎に特徴的な値を示す特徴次数を有し、
    前記状態推定部は、前記特徴次数についての第1の高調波成分、及び、前記特徴次数についての第2の高調波成分に基づいて前記有効電力及び抵抗値を推定する請求項1記載の状態推定装置。
  4. 前記電気系統における抵抗値は、高調波の次数毎に異なり、
    前記状態推定部は、前記電気系統における高調波の次数毎の抵抗値を推定する請求項1記載の状態推定装置。
  5. 前記電気系統における抵抗値は、前記電気系統に接続される需要家機器毎に異なり、
    前記状態推定部は、前記電気系統に接続される前記需要家機器それぞれについての抵抗値を推定する請求項1記載の状態推定装置。
  6. 前記状態推定部は、前記電流についての測定情報と、前記推定した前記需要家機器それぞれについての抵抗値とから、前記需要家機器それぞれについての電力ロスを推定する請求項5記載の状態推定装置。
  7. 前記状態推定部で推定した有効電力及び/又は抵抗値を、表示装置に表示させる結果表示部をさらに具備する請求項1記載の状態推定装置。
  8. 前記状態推定部で推定した有効電力、抵抗値及び電力ロスのうち少なくともいずれかを、表示装置に表示させる結果表示部をさらに具備する請求項2記載の状態推定装置。
  9. 前記電力ロスが大きな需要家機器を負荷制御の候補として選出する選出部をさらに具備する請求項6記載の状態推定装置。
  10. 前記電力ロスに対する消費電力の比率が大きな需要家機器を負荷制御の候補として選出する選出部をさらに具備する請求項6記載の状態推定装置。
  11. 複数の需要家機器がそれぞれ必要とする電力の高調波含有率をデータベースに予め記録し、
    前記複数の需要家機器が接続可能な電気系統へ供給される電力及び電流についての測定情報を取得し、
    前記電力の高調波成分である第1の高調波成分と、前記電流の高調波成分である第2の高調波成分とを計算し、
    前記第1の高調波成分を、前記需要家機器の有効電力及び前記高調波含有率から求められる第1の電力と、前記電気系統における抵抗値及び前記第2の高調波成分から求められる第2の電力とにより表すことで、前記需要家機器の有効電力及び前記電気系統における抵抗値を推定する状態推定方法。
  12. 前記電流についての測定情報と、前記推定した抵抗値とから、前記電気系統における電力ロスを推定する請求項11記載の状態推定方法。
  13. 複数の需要家機器がそれぞれ必要とする電力の高調波含有率を記録可能なデータベースを具備する状態推定装置で用いられる状態推定プログラムにおいて、
    前記複数の需要家機器が接続可能な電気系統へ供給される電力及び電流についての測定情報を取得し、前記電力の高調波成分である第1の高調波成分と、電流の高調波成分である第2の高調波成分とを計算する処理と、
    前記第1の高調波成分を、前記需要家機器の有効電力及び前記高調波含有率から求められる第1の電力と、前記電気系統における抵抗値及び前記第2の高調波成分から求められる第2の電力とにより表すことで、前記需要家機器の有効電力及び前記電気系統における抵抗値を推定する処理と
    を前記状態推定装置のコンピュータに実行させる状態推定プログラム。
  14. 前記電流についての測定情報と、前記推定した抵抗値とから、前記電気系統における電力ロスを推定する処理を前記コンピュータに実行させる請求項13記載の状態推定プログラム。
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