上記特許文献1に記載のブリスターパッケージは、当該ブリスターパッケージから所定の個別領域及びこれに接着された裏面シートが切り離されたとき、当該個別領域及び当該裏面シートは、それぞれそのミシン目がなす角が90度となる端部を有する。よって、この個別領域及びそれに接着された裏面シートから当該裏面シートを剥がす際、指が前記端部に当たることによって指が当該端部から受ける刺激が大きいという問題があった。
このような不都合を回避するには、図5(a)に示すように、各個別領域101〜104及びそれに接着された各裏面シートにおけるミシン目105に挟まれる角部が全て面取りされるように、前記ブリスターシートに設けられるミシン目105及び前記裏面シートに設けられるミシン目のそれぞれの交点を含めた所定領域を打ち抜くことが考えられる。このようにすれば、図5(b)に示すように、当該ブリスターパッケージから、例えば第一個別領域101及びこれに接着された裏面シートがミシン目105に沿って切り離されたとき、そのミシン目105に挟まれる角部106(打ち抜かれているので二点鎖線で示す)が除去されているので、この部分から裏面シートを剥がすことによって、指の受ける刺激が緩和される。しかしながら、このようにすれば、製造工程上で細かい抜き屑、すなわち、各角部106が打ち抜かれたものが多数発生し、しかも、その発生した抜き屑を製造工程において全て除去することは容易ではない。さらに、各ミシン目105の交点を含めた所定領域が打ち抜かれるため、前記非接着領域の確保が困難となる。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、各個別領域及びそれに接着された裏面シートから当該裏面シートを剥がす際、その裏面シートが剥がしやすく、かつ、その際に指の受ける刺激が大きくなく、さらに、製造工程において細かい抜き屑が発生することのないブリスターパッケージを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、複数個の被包装物と、前記複数個の被包装物のうちの一個以上の被包装物を収容可能な形状の複数の膨出部を有するブリスターシートと、前記複数の膨出部のそれぞれの開口を封止するように前記ブリスターシートの裏面側に接着される裏面シートとを備えるブリスターパッケージであって、前記ブリスターシートは、前記複数の膨出部として、第一膨出部と、前記第一膨出部と特定方向に隣接する第二膨出部と、前記第一膨出部と前記特定方向とは異なる方向に隣接する第三膨出部とを含み、さらに、前記第一膨出部を含む第一個別領域と前記第二膨出部を含む第二個別領域との間での当該ブリスターシートの切断を誘導する第一切断誘導部と、前記第三膨出部を含む第三個別領域と前記第一個別領域との間での当該ブリスターシートの切断を誘導する第二切断誘導部と、前記第二個別領域と前記第三個別領域との間に介在する介在部と、前記介在部と前記第一膨出部との間に形成されており、前記第一切断誘導部及び前記第二切断誘導部に挟まれる前記第一個別領域の角部が面取りされる形状に切り込まれた第一切込部と、前記介在部を、前記第二個別領域から前記第三個別領域へ向かって突出する形状の第二個別領域側突出部と、前記第三個別領域から前記第二個別領域に向かって突出する形状の第三個別領域側突出部とに分断するとともに、その切断面が滑らかに連続する面となるように切り込まれた第二切込部とを含み、前記裏面シートは、前記第一切断誘導部と対向する部分に形成されており、前記第一切断誘導部の切断に合わせて、前記第一膨出部の開口を封止する第一裏面シートと前記第二膨出部の開口を封止する第二裏面シートとの間で当該裏面シートが切断される第一裏面切断部と、前記第二切断誘導部と対向する部分に形成されており、前記第二切断誘導部の切断に合わせて、前記第三膨出部の開口を封止する第三裏面シートと前記第一裏面シートとの間で当該裏面シートが切断される第二裏面切断部と、前記第一切込部と対向する部分に形成されており当該第一切込部と同形状を有する第一裏面切込部と、前記第二切込部と対向する部分に形成されており当該第二切込部と同形状を有する第二裏面切込部と、前記ブリスターシートの裏面側と接着されていない非接着領域とを含み、前記非接着領域は、前記第一裏面切込部及び前記第二裏面切込部を取り囲み、かつ、各膨出部の開口を封止する領域を含まない形状を有するブリスターパッケージを提供する。
この発明のブリスターパッケージによれば、当該ブリスターパッケージから、前記第一個別領域及び前記第一裏面シートを切り離した場合、その第一裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激を緩和させ、かつ、その裏面シートの剥離を容易にすることができる。詳細には、前記第一切断誘導部及び前記第一裏面切断部、並びに前記第二切断誘導部及び前記第二裏面切断部が切断されて、前記第一個別領域及び前記第一裏面シートが切り離された場合において、その第一裏面シートを剥がすとき、当該第一裏面シートは前記第一個別領域とは接着されていない非接着領域を有するので、この非接着領域をつまむように促される。そして、前記第一個別領域におけるこの非接着領域と対向する部分は、面取りされるように切り込まれた第一切込部となっているので、前記第一裏面シートを剥がす際に当該第一切込部の切断面に指が当たったとしても、指が受ける刺激が緩和される。
さらに、この発明のブリスターパッケージによれば、当該ブリスターパッケージから、前記第二個別領域及び前記第二裏面シート、あるいは、前記第三個別領域及び前記第三裏面シートを切り離した場合においても、その裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激を緩和させ、かつ、その裏面シートの剥離を容易にすることができる。詳細には、前記第一切断誘導部及び前記第一裏面切断部が切断されて、前記第二個別領域及び前記第二裏面シートが切り離された場合において、その第二裏面シートを剥がすとき、当該第二裏面シートは前記第二個別領域とは接着されていない非接着領域を有するので、この非接着領域をつまむように促される。そして、前記第二個別領域におけるこの非接着領域と対向する部分は、滑らかな切断面を有する第二切込部となっているので、前記第二裏面シートを剥がす際に当該第二切込部の切断面に指が当たったとしても、指が受ける刺激が緩和される。しかも、前記第二裏面シートの非接着領域は、前記介在部における前記第二個別領域側突出部と対向する部分にあることから、十分なつまみ代が確保されており、当該第二裏面シートの剥離が一層容易となる。このことは、前記第三個別領域及び前記第三裏面シートを切り離した場合においても同様である。
加えて、この発明のブリスターパッケージは、前記第二切込部が、前記介在部を二つの領域に分断するように、すなわち、前記ブリスターシートに前記第二個別領域側突出部と前記第三個別領域側突出部とを残すように設けられることから、製造工程において抜き屑が発生しない。
この場合において、前記ブリスターシートは、前記複数の膨出部としてさらに、前記第二膨出部と前記第三膨出部とを結ぶ直線に対して前記第一膨出部とは反対側に設けられた第四膨出部を含むとともに、この第四膨出部を含みかつ前記第二個別領域、前記第三個別領域及び前記介在部のすべてと隣接する第四個別領域と前記第二個別領域との間での当該ブリスターシートの切断を誘導する第三切断誘導部と、前記第四個別領域と前記第三個別領域との間での当該ブリスターシートの切断を誘導する第四切断誘導部と、前記第一切込部との間に前記介在部を残しながら、前記第三切断誘導部及び前記第四切断誘導部に挟まれる前記第四個別領域の角部が面取りされる形状に切り込まれた第三切込部とをさらに含み、前記第二切込部は、前記第一切込部から前記第三切込部に至る形状を有しており、前記裏面シートは、前記第三切断誘導部と対向する部分に形成されており、前記第三切断誘導部の切断に合わせて、前記第四膨出部の開口を封止する第四裏面シートと前記第二裏面シートの間で当該裏面シートが切断される第三裏面切断部と、前記第四切断誘導部と対向する部分に形成されており、前記第四切断誘導部の切断に合わせて、前記第四裏面シートと前記第二裏面シートの間で当該裏面シートが切断される第四裏面切断部と、前記第三切込部と対向する部分に形成されており当該第三切込部と同形状を有する第三裏面切込部とをさらに含み、前記非接着領域が前記第三裏面切込部をも取り囲む形状を有することが好ましい。
このようにすれば、上記と同様の効果を得ながら、前記第四個別領域及び前記第四裏面シートを追加することができる。すなわち、当該ブリスターパッケージから、前記第一個別領域及び前記第一裏面シート、あるいは、前記第四個別領域及び前記第四裏面シートのいずれを切り離した場合であっても、その裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激を緩和させ、かつ、その裏面シートの剥離を容易にすることができる。詳細には、前記第一切断誘導部及び前記第一裏面切断部、並びに前記第二切断誘導部及び前記第二裏面切断部が切断されて、前記第一個別領域及び前記第一裏面シートが切り離された場合において、その第一裏面シートを剥がすとき、あるいは、前記第三切断誘導部及び前記第三裏面切断部、並びに前記第四切断誘導部及び前記第四裏面切断部が切断されて、前記第四個別領域及び前記第四裏面シートが切り離された場合において、その第四裏面シートを剥がすとき、これら第一裏面シート及び第四裏面シートは、それぞれその対応する個別領域とは接着されていない非接着領域を有するので、この非接着領域をつまむように促される。そして、前記第一裏面シート、あるいは、前記第四裏面シートを剥がすときに指が接触する部分、すなわち、前記第一切断誘導部と前記第二切断誘導部とに挟まれた前記第一個別領域の角部、あるいは、前記第三切断誘導部と前記第四切断誘導部とに挟まれた前記第四個別領域の角部は、いずれも面取りされているので、指が受ける刺激が緩和される。
さらに、この発明のブリスターパッケージによれば、当該ブリスターパッケージから、前記第二個別領域及び前記第二裏面シート、あるいは、前記第三個別領域及び前記第三裏面シートを切り離した場合においても、その裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激を緩和させ、かつ、その裏面シートの剥離を容易にすることができる。詳細には、前記第一切込部及び前記第三切込部が、前記介在部を残すように形成されており、しかも前記第二切込部がこの介在部を分断するように形成されている。よって、前記第二個別領域及び前記第二裏面シートから当該第二裏面シートを剥がすとき、あるいは、前記第三個別領域及び前記第三裏面シートから当該第三裏面シートを剥がすときのいずれであっても、十分なつまみ代、すなわち、前記裏面シートにおける前記第二個別領域側突出部と対向する部分、あるいは、前記第三個別領域側突出部と対向する部分が確保されるので、その裏面シートを容易に剥がすことができる。そして、前記第二裏面シート、あるいは、前記第三裏面シートを剥がすときに指が接触する部分、すなわち、前記第二個別領域側突出部の端面、あるいは、前記第三個別領域側突出部の端面は、いずれも滑らかに連続する面となっているので、指が受ける刺激が緩和される。
加えて、この発明のブリスターパッケージは、前記第一切込部及び前記第三切込部が、前記介在部を残すように形成されており、しかも前記第二切込部がこの介在部を分断するように形成されていることから、すなわち、各切込部が前記ブリスターシートに前記第二個別領域側突出部と前記第三個別領域側突出部とを残すように設けられることから、製造工程において抜き屑が発生しない。
また、本発明において、前記ブリスターシートは、前記第二切込部を取り囲むとともに各膨出部から独立した位置に設けられており、その裏面が前記裏面シートから離間することにより、両者の間に所定の空間を形成する凸部を有することが好ましい。
このようにすれば、前記第二個別領域及び前記第二裏面シート、あるいは、前記第三個別領域及び前記第三裏面シートが切り離されたとき、前記凸部のうち前記第二切込部を取り囲む部分と前記第二裏面シート、あるいは、前記第三裏面シートとの間には空間が形成される。よって、その空間に指の一部を挿入することにより、前記第二裏面切込部を取り囲む部分、すなわち、前記第二個別領域側突出部と対向する部分、あるいは、前記第三個別領域側突出部と対向する部分をつまみやすくなる。また、前記ブリスターシートの裏面側に前記裏面シートを接着する際、当該ブリスターシートと当該裏面シートとの位置決めに多少の誤差があったとしても、つまり、前記第二切込部の裏面側に多少の接着領域が存在したとしても、当該第二切込部を取り囲む部分の裏面側と前記裏面シートとを非接着とすることができる。
また、本発明において、前記ブリスターシートは、前記第一切込部、前記第二切込部及び前記第三切込部を取り囲むとともに各膨出部から独立した位置に設けられており、その裏面が前記裏面シートから離間することにより、両者の間に所定の空間を形成する凸部を有することが好ましい。
このようにすれば、いずれの個別領域及びこれに接着された裏面シートが切り離された場合であっても、前記凸部のうちいずれかの切込部を取り囲む部分と前記裏面シートとの間には空間が形成される。よって、その空間に指の一部を挿入することにより、前記裏面シートにおけるいずれかの裏面切込部を取り囲む部分をつまみやすくなる。また、前記ブリスターシートの裏面側に前記裏面シートを接着する際、当該ブリスターシートと当該裏面シートとの位置決めに多少の誤差があったとしても、すなわち、いずれかの切込部の裏面側に多少の接着領域が存在したとしても、当該切込部を取り囲む部分の裏面側と前記裏面シートとを非接着とすることができる。
また、本発明において、当該ブリスターパッケージの外縁のうち、前記第一個別領域及び前記第一裏面シートと前記第二個別領域及び前記第二裏面シートとの境界、並びに前記第一個別領域及び前記第一裏面シートと前記第三個別領域及び前記第三裏面シートとの境界は、それぞれ面取りされていることが好ましい。
このようにすれば、各個別領域及び各裏面シートを切り離したときに、その切り離された個別領域及び裏面シートの外縁に面取りされた部分を増やすことができる。
また、本発明は、複数個の被包装物と、前記複数個の被包装物のうちの一個以上の被包装物を収容可能な形状の複数の膨出部を有するブリスターシートと、前記複数の膨出部のそれぞれの開口を封止するように前記ブリスターシートの裏面側に接着される裏面シートとを備えるブリスターパッケージであって、前記ブリスターシートは、前記複数の膨出部として、第一膨出部と、前記第一膨出部と特定方向に隣接する第二膨出部と、前記第一膨出部と前記特定方向とは異なる方向に隣接する第三膨出部とを含み、さらに、前記第一膨出部を含む第一個別領域と前記第二膨出部を含む第二個別領域との間での当該ブリスターシートの切断を誘導する第一切断誘導部と、前記第三膨出部を含む第三個別領域と前記第一個別領域との間での当該ブリスターシートの切断を誘導する第二切断誘導部と、前記第二個別領域と前記第三個別領域との間に介在する介在部と、前記介在部と前記第一膨出部との間に形成されており、前記第一切断誘導部及び前記第二切断誘導部に挟まれる前記第一個別領域の角部が面取りされる形状となるように当該ブリスターシートの切断を促進する第一切断促進部と、前記介在部を、前記第二個別領域から前記第三個別領域へ向かって突出する形状の第二個別領域側突出部と、前記第三個別領域から前記第二個別領域に向かって突出する形状の第三個別領域側突出部とに分断するとともに、その切断面が滑らかに連続する面となるように当該ブリスターシートの切断を促進する第二切断促進部とを含み、前記裏面シートは、前記第一切断誘導部と対向する部分に形成されており、前記第一切断誘導部の切断に合わせて、前記第一膨出部の開口を封止する第一裏面シートと前記第二膨出部の開口を封止する第二裏面シートとの間で当該裏面シートが切断される第一裏面切断部と、前記第二切断誘導部と対向する部分に形成されており、前記第二切断誘導部の切断に合わせて、前記第三膨出部の開口を封止する第三裏面シートと前記第一裏面シートとの間で当該裏面シートが切断される第二裏面切断部と、前記第一切断促進部と対向する部分に形成されており、前記第一切断促進部の切断に合わせて当該裏面シートが切断される第一裏面切断促進部と、前記第二切断促進部と対向する部分に形成されており、前記第二切断促進部の切断に合わせて当該裏面シートが切断される第二裏面切断促進部と、前記ブリスターシートの裏面側と接着されていない非接着領域とを含み、前記非接着領域は、前記第一裏面切断促進部及び前記第二裏面切断促進部を取り囲み、かつ、各膨出部の開口を封止する領域を含まない形状を有するブリスターパッケージを提供する。
この発明のブリスターパッケージによれば、当該ブリスターパッケージから、前記第一個別領域及び前記第一裏面シートを切り離した場合、その第一裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激を緩和させ、かつ、その裏面シートの剥離を容易にすることができる。詳細には、前記第一切断誘導部及び前記第一裏面切断部、前記第二切断誘導部及び前記第二裏面切断部、並びに前記第一切断促進部及び前記第一裏面切断促進部が切断されて、前記第一個別領域及び前記第一裏面シートが切り離された場合において、その第一裏面シートを剥がすとき、当該第一裏面シートは前記第一個別領域とは接着されていない非接着領域を有するので、この非接着領域をつまむように促される。そして、前記第一個別領域におけるこの非接着領域と対向する部分は、第一切断促進部で切断されて面取りされた形状となっているので、前記第一裏面シートを剥がす際に当該第一切断促進部の切断面に指が当たったとしても、指が受ける刺激が緩和される。
さらに、この発明のブリスターパッケージによれば、当該ブリスターパッケージから、前記第二個別領域及び前記第二裏面シート、あるいは、前記第三個別領域及び前記第三裏面シートを切り離した場合においても、その裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激を緩和させ、かつ、その裏面シートの剥離を容易にすることができる。詳細には、前記第一切断誘導部及び前記第一裏面切断部が切断されて、前記第二個別領域及び前記第二裏面シートが切り離された場合において、その第二裏面シートを剥がすとき、当該第二裏面シートは前記第二個別領域とは接着されていない非接着領域を有するので、この非接着領域をつまむように促される。そして、前記第二個別領域におけるこの非接着領域と対向する部分は、第二切断促進部で切断された滑らかな切断面となっているので、前記第二裏面シートを剥がす際に当該第二切断促進部の切断面に指が当たったとしても、指が受ける刺激が緩和される。しかも、前記第二裏面シートの非接着領域は、前記介在部における前記第二個別領域側突出部と対向する部分にあることから、十分なつまみ代が確保されており、当該第二裏面シートの剥離が一層容易となる。このことは、前記第三個別領域及び前記第三裏面シートを切り離した場合においても同様である。
加えて、この発明のブリスターパッケージは、前記第二切断促進部が、前記介在部を二つの領域に分断するように、すなわち、前記ブリスターシートに前記第二個別領域側突出部と前記第三個別領域側突出部とを残すように設けられることから、製造工程において抜き屑が発生しない。
この場合において、前記ブリスターシートは、前記複数の膨出部としてさらに、前記第二膨出部と前記第三膨出部とを結ぶ直線に対して前記第一膨出部とは反対側に設けられた第四膨出部を含むとともに、この第四膨出部を含みかつ前記第二個別領域、前記第三個別領域及び前記介在部のすべてと隣接する第四個別領域と前記第二個別領域との間での当該ブリスターシートの切断を誘導する第三切断誘導部と、前記第四個別領域と前記第三個別領域との間での当該ブリスターシートの切断を誘導する第四切断誘導部と、前記第一切断促進部との間に前記介在部を残しながら、前記第三切断誘導部及び前記第四切断誘導部に挟まれる前記第四個別領域の角部が面取りされる形状となるように当該ブリスターシートの切断を促進する第三切断促進部とをさらに含み、前記第二切断促進部は、前記第一切断促進部から前記第三切断促進部に至る形状を有しており、前記裏面シートは、前記第三切断誘導部と対向する部分に形成されており、前記第三切断誘導部の切断に合わせて、前記第四膨出部の開口を封止する第四裏面シートと前記第二裏面シートの間で当該裏面シートが切断される第三裏面切断部と、前記第四切断誘導部と対向する部分に形成されており、前記第四切断誘導部の切断に合わせて、前記第四裏面シートと前記第二裏面シートの間で当該裏面シートが切断される第四裏面切断部と、前記第三切断促進部と対向する部分に形成されており、前記第三切断促進部の切断に合わせて当該裏面シートが切断される第三裏面切断促進部とをさらに含み、前記非接着領域が前記第三裏面切断促進部をも取り囲む形状を有することが好ましい。
このようにすれば、上記と同様の効果を得ながら、前記第四個別領域及び前記第四裏面シートを追加することができる。すなわち、当該ブリスターパッケージから、前記第一個別領域及び前記第一裏面シート、あるいは、前記第四個別領域及び前記第四裏面シートのいずれを切り離した場合であっても、その裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激を緩和させ、かつ、その裏面シートの剥離を容易にすることができる。詳細には、前記第一切断誘導部及び前記第一裏面切断部、前記第二切断誘導部及び前記第二裏面切断部、並びに前記第一切断促進部及び前記第一裏面切断促進部が切断されて、前記第一個別領域及び前記第一裏面シートが切り離された場合において、その第一裏面シートを剥がすとき、あるいは、前記第三切断誘導部及び前記第三裏面切断部、前記第四切断誘導部及び前記第四裏面切断部、並びに前記第三切断促進部及び前記第三裏面切断促進部が切断されて、前記第四個別領域及び前記第四裏面シートが切り離された場合において、その第四裏面シートを剥がすとき、これら第一裏面シート及び第四裏面シートは、それぞれその対応する個別領域とは接着されていない非接着領域を有するので、この非接着領域をつまむように促される。そして、前記第一裏面シート、あるいは、前記第四裏面シートを剥がすときに指が接触する部分、すなわち、前記第一切断誘導部と前記第二切断誘導部とに挟まれた前記第一個別領域の角部、あるいは、前記第三切断誘導部と前記第四切断誘導部とに挟まれた前記第四個別領域の角部は、いずれも面取りされているので、指が受ける刺激が緩和される。
さらに、この発明のブリスターパッケージによれば、当該ブリスターパッケージから、前記第二個別領域及び前記第二裏面シート、あるいは、前記第三個別領域及び前記第三裏面シートを切り離した場合においても、その裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激を緩和させ、かつ、その裏面シートの剥離を容易にすることができる。詳細には、前記第一切断促進部及び前記第三切断促進部が、前記介在部を残すように形成されており、しかも前記第二切断促進部がこの介在部を横断するように形成されている。よって、前記第二個別領域及び前記第二裏面シートから当該第二裏面シートを剥がすとき、あるいは、前記第三個別領域及び前記第三裏面シートから当該第三裏面シートを剥がすときのいずれであっても、十分なつまみ代、すなわち、前記裏面シートにおける前記第二個別領域側突出部と対向する部分、あるいは、前記第三個別領域側突出部と対向する部分が確保されるので、その裏面シートを容易に剥がすことができる。そして、前記第二裏面シート、あるいは、前記第三裏面シートを剥がすときに指が接触する部分、すなわち、前記第二個別領域側突出部の端面、あるいは、前記第三個別領域側突出部の端面は、いずれも滑らかに連続する面となっているので、指が受ける刺激が緩和される。
加えて、この発明のブリスターパッケージは、前記第一切断促進部及び前記第三切断促進部が、前記介在部を残すように形成されており、しかも前記第二切断促進部がこの介在部を横断するように形成されていることから、すなわち、各切断促進部が前記ブリスターシートに前記第二個別領域側突出部と前記第三個別領域側突出部とを残すように設けられることから、製造工程において抜き屑が発生しない。
また、本発明において、前記ブリスターシートは、前記第二切断促進部を取り囲むとともに各膨出部から独立した位置に設けられており、その裏面が前記裏面シートから離間することにより、両者の間に所定の空間を形成する凸部を有することが好ましい。
このようにすれば、前記第二個別領域及び前記第二裏面シート、あるいは、前記第三個別領域及び前記第三裏面シートが切り離されたとき、前記凸部のうち前記第二切断促進部を取り囲む部分と前記第二裏面シート、あるいは、前記第三裏面シートとの間には空間が形成される。よって、その空間に指の一部を挿入することにより、前記第二裏面切断促進部を取り囲む部分、すなわち、前記第二個別領域側突出部と対向する部分、あるいは、前記第三個別領域側突出部と対向する部分をつまみやすくなる。また、前記ブリスターシートの裏面側に前記裏面シートを接着する際、当該ブリスターシートと当該裏面シートとの位置決めに多少の誤差があったとしても、つまり、前記第二切断促進部の裏面側に多少の接着領域が存在したとしても、当該第二切断促進部を取り囲む部分の裏面側と前記裏面シートとを非接着とすることができる。
また、本発明において、前記ブリスターシートは、前記第一切断促進部、前記第二切断促進部及び前記第三切断促進部を取り囲むとともに各膨出部から独立した位置に設けられており、その裏面が前記裏面シートから離間することにより、両者の間に所定の空間を形成する凸部を有することが好ましい。
このようにすれば、いずれの個別領域及びこれに接着された裏面シートが切り離された場合であっても、前記凸部のうちいずれかの切断促進部を取り囲む部分と前記裏面シートとの間には空間が形成される。よって、その空間に指の一部を挿入することにより、前記裏面シートにおけるいずれかの裏面切断促進部を取り囲む部分をつまみやすくなる。また、前記ブリスターシートの裏面側に前記裏面シートを接着する際、当該ブリスターシートと当該裏面シートとの位置決めに多少の誤差があったとしても、すなわち、いずれかの切断促進部の裏面側に多少の接着領域が存在したとしても、当該切断促進部を取り囲む部分の裏面側と前記裏面シートとを非接着とすることができる。
また、本発明において、当該ブリスターパッケージの外縁のうち、前記第一個別領域及び前記第一裏面シートと前記第二個別領域及び前記第二裏面シートとの境界、並びに前記第一個別領域及び前記第一裏面シートと前記第三個別領域及び前記第三裏面シートとの境界は、それぞれ面取りされていることが好ましい。
このようにすれば、各個別領域及び各裏面シートを切り離したときに、その切り離された個別領域及び裏面シートの外縁に面取りされた部分を増やすことができる。
以上のように、本発明によれば、各個別領域及びそれに接着された裏面シートから当該裏面シートを剥がす際、その裏面シートが剥がしやすく、かつ、その際に指の受ける刺激が大きくなく、さらに、製造工程において細かい抜き屑が発生することのないブリスターパッケージを提供することができる。
本発明の好ましい実施形態について、図1〜図4を参照しながら説明する。なお、以下の説明における、上下左右の方向は、図1を基準としている。
(第一実施形態)
図1及び図2に示すように、本実施形態におけるブリスターパッケージ10は、複数個の被包装物20と、複数の膨出部を有するブリスターシート30と、ブリスターシート30の裏面側に接着される裏面シート40とを備える。なお、図1には、被包装物20及び膨出部がそれぞれ12個ずつ設けられた例を示すが、これらの数は12に限られない。また、以下、12個の膨出部のうちの4個(図1では右下領域で縦横に2個ずつ並んだ4個)を例にとって説明するが、残りの部分についても同様である。
被包装物20としては、洗浄剤、薬剤、雑貨等が挙げられるが、特に、包装された状態において、その外観を視認する必要性の高いものが選ばれる。
ブリスターシート30は、透明ないし半透明の材料、例えばポリプロピレン(PP)樹脂からなり、真空成形等により成形される。図1に示すように、ブリスターシート30は、複数の膨出部として、第一膨出部31a、第二膨出部32a、第三膨出部33a及び第四膨出部34aを含む。またブリスターシート30は、第一膨出部31aを含む第一個別領域31と、第二膨出部32aを含む第二個別領域32と、第三膨出部33aを含む第三個別領域33と、第四膨出部34aを含む第四個別領域34と、各個別領域の間に介在する介在部35とを含む。そして、このブリスターシート30は、当該ブリスターシート30の切断を誘導する第一切断誘導部36aと、第二切断誘導部36bと、第三切断誘導部36cと、第四切断誘導部36dとを含む。さらに、このブリスターシート30は、当該ブリスターシート30の厚さ方向に切り込まれた第一切込部37a、第二切込部37b及び第三切込部37cを含む。なお、図1に示す4個の個別領域の位置は絶対的なものではなく相対的なものである。つまり、例えば、図1に示した第三個別領域33を第一個別領域31とすれば、第二個別領域32は図1における第四個別領域34の位置となり、第三個別領域33及び第四個別領域34は、それぞれ図1における第三個別領域33及び第四個別領域34の上に隣接する位置となる。
各膨出部31a〜34aは、それぞれ開口を有し、この開口から前記被包装物20を受け入れて当該被包装物20を収容可能な形状を有する。また、第一膨出部31a及び第二膨出部32a、並びに第三膨出部33a及び第四膨出部34aは、それぞれ左右方向に隣接しており、第一膨出部31a及び第三膨出部33a、並びに第二膨出部32a及び第四膨出部34aは、それぞれ上下方向に隣接している。なお、各膨出部31a〜34aは、それぞれが単一の被包装物20を収容する形状に限らず、複数個の被包装物20を収容可能な形状であってもよい。
第一個別領域31は、第一膨出部31aと、その周囲に形成された第一鍔部31bとを含む。この第一鍔部31bは、第一膨出部31aの周囲から外側に張り出した平坦な形状を有する。また第一鍔部31bは、第一切断誘導部36aと第二切断誘導部36bとに挟まれる角部(図1における左上)に形成された第一凸部31cと、第一凸部31cと隣接する角部(図1における左下)に形成された第一面取部31dと、第一凸部31cと隣接する角部のうち第一面取部31dとは異なる角部(図1における右上)に形成された第二面取部31eと、第一膨出部31aを挟んで第一凸部31cと反対側の角部(図1における右下)に形成された第二凸部31fとを有する。
第一凸部31cは、第一切断誘導部36aと第二切断誘導部36bとに挟まれる角部、すなわち、第一個別領域31のうち介在部35に隣接する部位に形成される。第一凸部31cは、裏面シート40から離間する方向に突出する形状を有する。具体的には、第一膨出部31aの周囲に形成された平坦な面から起立する起立部と、この起立部の先端から第一膨出部31aとは異なる方向に突出する第一突出部とからなる。これにより、第一凸部31cの裏面と裏面シート40との間には空間が形成される。また、この第一凸部31cの先端部、すなわち、前記第一突出部の先端部は、面取りされた形状を有する。第一面取部31dは、第一鍔部31bの外縁における第二個別領域32側に位置する角部のうち、第一凸部31cとは異なる側に形成される。第二面取部31eは、第一鍔部31bの外縁における第三個別領域33側に位置する角部のうち、第一凸部31cとは異なる側に形成される。第二凸部31fは、裏面シート40から離間する方向に突出する形状を有する。具体的には、第一膨出部31aの周囲に形成された平坦な面から起立する起立部と、この起立部の先端から第一膨出部31aとは異なる方向に突出する第二突出部とからなる。これにより、第二凸部31fの裏面と裏面シート40との間には空間が形成される。また、この第二凸部31fの先端部、すなわち、前記第二突出部の先端部は、面取りされた形状を有する。
第二個別領域32は、第二膨出部32aと、その周囲に形成された第二鍔部32bとを含む。この第二鍔部32bは、第二膨出部32aの周囲から外側に張り出した平坦な形状を有する。また第二鍔部32bは、第一切断誘導部36aと第三切断誘導部36cとに挟まれる角部(図1における右上)に形成された第一凸部32cと、第一凸部32cと隣接する角部(図1における右下)に形成された第一面取部32dと、第二膨出部32aを挟んで第一凸部32cと反対側の角部(図1における左下)に形成された第二面取部32eと、第一凸部32cと隣接する角部のうち第一面取部32dとは異なる角部(図1における左上)に形成された第二凸部32fとを有する。
第一凸部32cは、第一切断誘導部36aと第三切断誘導部36cとに挟まれる角部、すなわち、第二個別領域32のうち介在部35に隣接する部位に形成される。第一凸部32cは、裏面シート40から離間する方向に突出する形状を有する。具体的には、第二膨出部32aの周囲に形成された平坦な面から起立する起立部と、この起立部の先端から第二膨出部32aとは異なる方向に突出する第一突出部とからなる。これにより、第一凸部32cの裏面と裏面シート40との間には空間が形成される。また、この第一凸部32cの先端部、すなわち、前記第一突出部の先端部は、介在部35を構成する第二個別領域側突出部35aとつながっている。第一面取部32dは、第二鍔部32bの外縁における第一個別領域31側に位置する角部のうち、第一凸部32cとは異なる側に形成される。第二凸部32fは、第二鍔部32bの外縁における第四個別領域34側に位置する角部のうち、第一凸部32cとは異なる側に形成される。この第二凸部32fは、前記第一凸部31cと同形状を有する。
第三個別領域33は、図4に示すように、第三膨出部33aと、その周囲に形成された第三鍔部33bとを含む。この第三鍔部33bは、第三膨出部33aの周囲から外側に張り出した平坦な形状を有する。また第三鍔部33bは、第二切断誘導部36bと第四切断誘導部36dとに挟まれる角部(図1における左下)に形成された第一凸部33cと、第一凸部33cと隣接する角部(図1における右下)に形成された第一面取部33dと、第三膨出部33aを挟んで第一凸部33cと反対側の角部(図1における右上)に形成された第二面取部33eと、第一凸部33cと隣接する角部のうち第一面取部33dとは異なる角部(図1における左上)に形成された第二凸部33fとを有する。
第一凸部33cは、第二切断誘導部36bと第四切断誘導部36dとに挟まれる角部、すなわち、第三個別領域33のうち介在部35に隣接する部位に形成される。第一凸部33cは、裏面シート40から離間する方向に突出する形状を有する。具体的には、第三膨出部33aの周囲に形成された平坦な面から起立する起立部と、この起立部の先端から第三膨出部33aとは異なる方向に突出する第一突出部とからなる。これにより、第一凸部33cの裏面と裏面シート40との間には空間が形成される。また、この第一凸部33cの先端部、すなわち、前記第一突出部の先端部は、介在部35を構成する第三個別領域側突出部35bとつながっている。第一面取部33dは、第三鍔部33bの外縁における第一個別領域31側に位置する角部のうち、第一凸部33cとは異なる側に形成される。第二凸部33fは、第三鍔部33bの外縁における第四個別領域34側に位置する角部のうち、第一凸部33cとは異なる側に形成される。この第二凸部33fは、前記第一凸部31c及び前記第二凸部32fと同形状を有する。
第四個別領域34は、第四膨出部34aと、その周囲に形成された第四鍔部34bとを含む。この第四鍔部34bは、第四膨出部34aの周囲から外側に張り出した平坦な形状を有する。また第四鍔部34bは、第三切断誘導部36cと第四切断誘導部36dとに挟まれる角部(図1における右下)に形成された第一凸部34cと、第一凸部34cと隣接する角部(図1における左下及び右上)に形成された第二凸部34d及び第三凸部34eと、第四膨出部34aを挟んで第一凸部34cと反対側の角部(図1における左上)に形成された第四凸部34fとを有する。
第一凸部34cは、第三切断誘導部36cと第四切断誘導部36dとに挟まれる角部、すなわち、第四個別領域34のうち介在部35に隣接する部位に形成される。第一凸部34cは、裏面シート40から離間する方向に突出する形状を有する。具体的には、第四膨出部34aの周囲に形成された平坦な面から起立する起立部と、この起立部の先端から第四膨出部34aとは異なる方向に突出する第一突出部とからなる。これにより、第一凸部34cの裏面と裏面シート40との間には空間が形成される。また、この第一凸部34cの先端部、すなわち、前記第一突出部の先端部は、面取りされた形状を有する。第二凸部34dは、第四鍔部34bの外縁における第二個別領域32側に位置する角部のうち、第一凸部34cとは異なる側に形成され、前記第一凸部33cと同形状を有する。第三凸部34eは、第四鍔部34bの外縁における第三個別領域33側に位置する角部のうち、第一凸部34cとは異なる側に形成され、前記第一凸部32cと同形状を有する。第四凸部34fは、前記第一凸部31c、前記第二凸部32f、及び前記第二凸部33fと同形状を有する。
なお、前記各凸部31c〜34cは、当該凸部の裏面側に位置する裏面シート40との非接着状態が確保されていれば、裏面シート40と離間する形状ではなく、当該裏面シート40と接触する平坦な形状とされてもよい。
介在部35は、第一個別領域31と第四個別領域34との間、かつ第二個別領域32と第三個別領域33との間に介在する。つまり、介在部35は、全ての個別領域31〜34に取り囲まれる位置に形成される。この介在部35は、第二個別領域32とつながる第二個別領域側突出部35aと、第三個別領域33とつながる第三個別領域側突出部35bとからなる。第二個別領域側突出部35a及び第三個別領域側突出部35bの境界は、それぞれ面取りされた形状を有し、互いに接触している。この介在部35は、その第二個別領域側突出部35aが前記第一突出部とつながっており、その第三個別領域側突出部35bが前記第一突出部とつながっているので、その裏面が裏面シート40から離間している。
第一切断誘導部36aは、第一個別領域31と第二個別領域32との間での当該ブリスターシート30の切断を誘導し、第二切断誘導部36bは、第一個別領域31と第三個別領域33との間での当該ブリスターシート30の切断を誘導し、第三切断誘導部36cは、第二個別領域32と第四個別領域34との間での当該ブリスターシート30の切断を誘導し、第四切断誘導部36dは、第三個別領域33と第四個別領域34との間での当該ブリスターシート30の切断を誘導する。各切断誘導部としては、ミシン目やスリット、あるいは、各鍔部31b〜34bの厚みに比べて薄肉とされたもの等が挙げられる。なお、第一切断誘導部36a及び第四切断誘導部36d、並びに第二切断誘導部36b及び第三切断誘導部36cは、それぞれ一直線上に並んでおり、これらの直線は直交しているが、これらの直線は直交することなく交差してもよい。
第一切込部37aは、介在部35と第一個別領域31との境界に設けられる。具体的には、第一切断誘導部36aと第二切断誘導部36bとに挟まれる第一個別領域31の角部を面取りするように設けられる。これにより、前記第一突出部の先端が面取りされた形状となる。また、この第一切込部37aが設けられているので、第一切断誘導部36aと第二切断誘導部36bとが切断されることにより、第一個別領域31が他の個別領域から切り離される。
第二切込部37bは、介在部35を分断するように設けられる。詳細には、第二切込部37bは、介在部35を第二個別領域側突出部35aと第三個別領域側突出部35bとに分断するように当該介在部35の中間位置に設けられる。この第二切込部37bは、第一切込部37aから第三切込部37cに至る形状を有し、その切断面35cは、図4に示すように、角を有することなく滑らかに連続する面となっている。
第三切込部37cは、介在部35と第四個別領域34との境界に設けられる。具体的には、第一切込部37aとの間に介在部35を残しながら、第三切断誘導部36cと第四切断誘導部36dとに挟まれる第四個別領域34の角部を面取りするように設けられる。これにより、前記第一突出部の先端が面取りされた形状となる。
なお、第一切込部37a及び第三切込部37cは直線状ではなく、それぞれ第一膨出部31a及び第四膨出部34aから遠ざかる方向に凸となった湾曲形状であってもよい。また、第二切込部37bは、その切断面35cが角を有することなく滑らかに連続する面であれば直線状に切り込まれたものに限らず、例えばS字状や波形に切り込まれたものであってもよい。また、図1には、第二切込部37bが介在部35の中間位置に設けられた例を示すが、この第二切込部37bを設ける位置としては、介在部35を第二個別領域側突出部35aと第三個別領域側突出部35bとに分割可能であれば、当該介在部35の中間位置に限らない。ただし、この第二切込部37bは、介在部35の中間位置に設けられることが好ましい。
裏面シート40は、ブリスターシート30の裏面側に接着されて各膨出部の開口を封止するものである。この裏面シート40は、三層構造を有する。すなわち、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂からなる第一層と、この第一層の表面側に積層されるアルミ箔からなる第二層と、この第二層の表面側に積層されてブリスターシート30の裏面側に接着される接着層(本実施形態ではPP樹脂)とからなる。また裏面シート40は、図3に示すように、第一個別領域31及び第四個別領域34のそれぞれに対応する形状の第一裏面シート41及び第四裏面シート44を含む。そして裏面シート40は、第二個別領域32及び第二個別領域側突出部35aに対応する形状の第二裏面シート42と、第三個別領域33及び第三個別領域側突出部35bに対応する形状の第三裏面シート43とを含む。またこの裏面シート40は、第一切断誘導部36a〜第四切断誘導部36dのそれぞれの切断に合わせて当該裏面シート40が切断される第一裏面切断部46a〜第四裏面切断部46dを含む。さらにこの裏面シート40は、当該裏面シート40の厚さ方向に切り込まれた第一裏面切込部47a、第二裏面切込部47b及び第三裏面切込部47cを含む。
第一裏面シート41は、図3に示すように、第一膨出部31aの開口を塞ぐ形状を有する第一閉塞部41aと、この第一閉塞部41aを包囲する形状の第一包囲部41bとを有する。第一包囲部41bは、第一非接着領域41cと、第一面取部41d及び第二面取部41eと、第二非接着領域41fとを有する。第一閉塞部41aは、その表面が接着層となっているが、当該部分はブリスターシート30及び被包装物20とは接着されない。第一非接着領域41c及び第二非接着領域41fも、それぞれその表面が接着層となってるが、これらの部分はブリスターシート30とは接着されない。なお、図3では、第一閉塞部41aと第一包囲部41bとの境界を含め、全ての閉塞部とこれを包囲する包囲部との境界を円形の実線で示し、第一非接着領域41cと第一包囲部41bとの境界を含め、全ての非接着領域とそれに隣接する包囲部との境界を直線状の実線で示している。第一非接着領域41cは、第一凸部31cにおける第一突出部と対向する位置に形成されており、かつ、当該第一突出部と同形状を有する。第二非接着領域41fは、第二凸部31fにおける第二突出部と対向する位置に形成されており、かつ、当該第二突出部と同形状を有する。第一面取部41d及び第二面取部41eは、それぞれ第一面取部31d及び第二面取部31eと対向する位置に設けられており、これら第一面取部31d及び第二面取部31eと同形状を有する。
第二裏面シート42は、第二膨出部32aの開口を塞ぐ形状を有する第二閉塞部42aと、この第二閉塞部42aを包囲する形状の第二包囲部42bとを有する。第二包囲部42bは、第一非接着領域42cと、第一面取部42d及び第二面取部42eと、第二非接着領域42fとを有する。第二閉塞部42aは、その表面が接着層となっているが、当該部分はブリスターシート30及び被包装物20とは接着されない。第一非接着領域42c及び第二非接着領域42fも、それぞれその表面が接着層となっているが、これらの部分はブリスターシート30とは接着されない。第一非接着領域42cは、第一凸部32cにおける第一突出部及び第二個別領域側突出部35aと対向する位置に形成されており、かつ、当該第一突出部及び第二個別領域側突出部35aと同形状を有する。第二非接着領域42fは、第二凸部32fにおける第二突出部と対向する位置に形成されており、かつ、当該第二突出部と同形状を有する。第一面取部42d及び第二面取部42eは、それぞれ第一面取部32d及び第二面取部32eと対向する位置に設けられており、これら第一面取部32d及び第二面取部32eと同形状を有する。
第三裏面シート43は、第三膨出部33aの開口を塞ぐ形状を有する第三閉塞部43aと、この第三閉塞部43aを包囲する形状の第三包囲部43bとを有する。第三包囲部43bは、第一非接着領域43cと、第一面取部43d及び第二面取部43eと、第二非接着領域43fとを有する。第三閉塞部43aは、その表面が接着層となっているが、当該部分はブリスターシート30及び被包装物20とは接着されない。第一非接着領域43c及び第二非接着領域43fも、それぞれその表面が接着層となっているが、これらの部分はブリスターシート30とは接着されない。第一非接着領域43cは、第一凸部33cにおける第一突出部及び第三個別領域側突出部35bと対向する位置に形成されており、かつ、当該第一突出部及び第三個別領域側突出部35bと同形状を有する。第二非接着領域43fは、第二凸部33fにおける第二突出部と対向する位置に形成されており、かつ、当該第二突出部と同形状を有する。第一面取部43d及び第二面取部43eは、それぞれ第一面取部33d及び第二面取部33eと対向する位置に設けられており、これら第一面取部33d及び第二面取部33eと同形状を有する。
第四裏面シート44は、第四膨出部34aの開口を塞ぐ形状を有する第四閉塞部44aと、この第四閉塞部44aを包囲する形状の第四包囲部44bとを有する。第四包囲部44bは、その四隅に、第一非接着領域44c〜第四非接着領域44fをそれぞれ有する。第四閉塞部44aは、その表面が接着層となっているが、当該部分はブリスターシート30及び被包装物20とは接着されない。第一非接着領域44c〜第四非接着領域44fも、それぞれその表面が接着層となっているが、これらの部分はブリスターシート30とは接着されない。第一非接着領域44c及び第四非接着領域44fは、それぞれ第一凸部34cにおける第一突出部及び第四凸部34fにおける第四突出部と対向する位置に形成されており、かつ、当該第一突出部及び第四突出部と同形状を有する。第二非接着領域44dは、当該第四裏面シート44における第二裏面シート42と隣接する側に位置する角部のうち、第一非接着領域44cとは異なる側に形成されており、第一非接着領域43cと同形状を有する。第三非接着領域44eは、当該第四裏面シート44における第三裏面シート43と隣接する側に位置する角部のうち、第一非接着領域44cとは異なる側に形成されており、第一非接着領域42cと同形状を有する。
第一裏面切断部46a〜第四裏面切断部46dは、それぞれ第一切断誘導部36a〜第四切断誘導部36dと対向する部分に形成されている。すなわち、第一裏面切断部46aは、第一裏面シート41と第二裏面シート42との間に、第二裏面切断部46bは、第一裏面シート41と第三裏面シート43との間に、第三裏面切断部46cは、第二裏面シート42と第四裏面シート44との間に、第四裏面切断部46dは、第三裏面シート43と第四裏面シート44との間にそれぞれ形成されている。各裏面切断部46a〜46dとしては、ミシン目やスリット、あるいは、各包囲部41b〜44bの厚みに比べて薄肉とされたもの等が挙げられる。
第一裏面切込部47a〜第三裏面切込部47cは、それぞれ第一切込部37a〜第三切込部37cと対向する部分に形成されており、かつ、それぞれ第一切込部37a〜第三切込部37cと同形状を有する。すなわち、第一裏面切込部47aは、第一裏面切断部46aと第二裏面切断部46bとに挟まれる第一裏面シート41の角部を面取りするように設けられる。第二裏面切込部47bは、第一非接着領域42cと第一非接着領域43cとの境界に設けられており、その切断面は、図4に示すように、角を有することなく滑らかに連続する面となっている。第三裏面切込部47cは、第一裏面切込部47aとの間に第一非接着領域42c及び第一非接着領域43cを残しながら、第三裏面切断部46cと第四裏面切断部46dとに挟まれる第四裏面シート44の角部を面取りするように設けられる。
次に、ブリスターパッケージ10の製造方法について説明する。
この製造方法は、ブリスターシート製造工程、被包装物収容工程、裏面シート接着工程、及びプレス工程を有する。
ブリスターシート製造工程は、PP樹脂からなるシートを準備し、このシートを真空成形することにより、複数の(例えば12の倍数の)膨出部と複数の(例えば6の倍数の)凸部とを有するブリスターシート30を形成する工程である。被包装物収容工程は、先の工程で得られたブリスターシート30の各膨出部に、被包装物20を収容する工程である。裏面シート接着工程は、被包装物20が収容されている各膨出部の開口を封止するように、ブリスターシート30の裏面側に裏面シート40を接着する工程である。この裏面シート接着工程では、ブリスターシート30と裏面シート40とを圧着(熱溶着)することにより両者を接着する。そのため、ブリスターシート30の材料と裏面シート40における接着層の材料とは同一のもの(本実施形態ではPP樹脂)を用いることが好ましい。このとき、ブリスターシート30における各膨出部、各凸部は、それぞれその裏面側が裏面シート40と離間しているので、これらの部分は裏面シート40とは接着されない。なお、当該工程では、ブリスターシート30と裏面シート40とを接着剤により接着するようにしてもよい。プレス工程は、これまでの工程で製造されたブリスターパッケージ10を、膨出部を12個含む単位に切断されるようにプレスする工程である。このプレス工程では、トムソン刃を用いた打ち抜き加工により、第一切込部37a〜第三切込部37c、及び第一裏面切込部47a〜第三裏面切込部47cが同時に形成され、さらに、膨出部を12個含むブリスターパッケージ10の周縁の各面取部も同時に形成される。
以上の工程により製造されたブリスターパッケージ10は、各膨出部を露出させる穴を有する台紙に挟持されることが可能である。通常、この台紙の表面には印刷が施される。
次に、ブリスターパッケージ10から、被包装物20を取り出す方法として、第一個別領域31及び第一裏面シート41に収容された被包装物20を取り出す場合と、第二個別領域32及び第二裏面シート42に収容された被包装物20を取り出す場合とを例にとって説明する。
まず、ブリスターパッケージ10から、第一個別領域31及び第一裏面シート41に収容された被包装物20を取り出すには、ブリスターシート30における第一切断誘導部36a及び第二切断誘導部36bを切断する。このとき、これら第一切断誘導部36a及び第二切断誘導部36bの切断に合わせて、第一裏面切断部46a及び第二裏面切断部46bも切断される。そうすると、第一切込部37a及び第一裏面切込部47aは既に切断されているため、第一個別領域31及び第一裏面シート41が切り離される。
次に、第一裏面シート41を剥がす。このとき、第一凸部31cが第一裏面シート41から離間しており当該第一裏面シート41とは接着されていないので、第一凸部31cと対向する部分に位置する第一非接着領域41cをつまむように促される。そして、この第一非接着領域41cをつまんで第一裏面シート41と剥がすが、このとき、第一凸部31cの先端は面取りされているので、この部分に指が接触しても、指が受ける刺激は少ない。また、第二凸部31fも第一裏面シート41から離間しており当該第一裏面シート41とは接着されていないので、この第二凸部31fと対向する部分に位置する第二非接着領域41fをつまんで当該第一裏面シート41を剥がすことも可能である。このときも、第二凸部31fの先端は面取りされているので、この部分に指が接触しても、指が受ける刺激は少ない。なお、第一個別領域31は、第一凸部31c及び第二凸部31fに加え、第一面取部31d及び第二面取部31eも面取りされているので、そのいずれの部位に指が接触しても、指が受ける刺激は少ない。
続いて、ブリスターパッケージ10から、第二個別領域32及び第二裏面シート42に収容された被包装物20を取り出すには、ブリスターシート30における第三切断誘導部36c及び第二膨出部32aを挟んで第一切断誘導部36aと反対側(図1の左側)に形成された切断誘導部を切断する。このとき、これら第三切断誘導部36c及び第二膨出部32aの左側に形成された切断誘導部の切断に合わせて、第三裏面切断部46c及び第二膨出部32aの左側に形成された切断誘導部の裏面に位置する裏面切断部も切断される。そうすると、第二切込部37b、第三切込部37c、第二裏面切込部47b及び第三裏面切込部47cは既に切断されているため、第二個別領域32及び第二裏面シート42が切り離される。
次に、第二裏面シート42を剥がす。このとき、第一凸部32c及び第二個別領域側突出部35aが第二裏面シート42から離間しており、第二裏面シート42とは接着されていないので、第一凸部32c及び第二個別領域側突出部35aと対向する部分に位置する第一非接着領域42cをつまむように促される。そして、この第一非接着領域42cをつまんで第二裏面シート42と剥がすが、このとき、第二個別領域側突出部35aの先端は面取りされているので、この部分に指が接触しても、指が受ける刺激は少ない。また、第二凸部32fも第二裏面シート42から離間しており当該第二裏面シート42とは接着されていないので、この第二凸部32fと対向する部分に位置する第二非接着領域42fをつまんで当該第二裏面シート42を剥がすことも可能である。このときも、第二凸部32fの先端は面取りされているので、この部分に指が接触しても、指が受ける刺激は少ない。このように、複数個所から裏面シートの剥離が可能な場合であっても、第二非接着領域42fの面積が最大となるように設計されているため、この部分をつまんで裏面シートを剥がすことが好適である。なお、第二個別領域32は、第二個別領域側突出部35a及び第二凸部32fに加え、第一面取部32d及び第二面取部32eも面取りされているので、そのいずれの部位に指が接触しても、指が受ける刺激は少ない。
以上のように、本実施形態のブリスターパッケージ10によれば、当該ブリスターパッケージ10から、第一個別領域31及び第一裏面シート41、あるいは、第四個別領域34及び第四裏面シート44のいずれを切り離した場合であっても、その裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激を緩和させ、かつ、その裏面シートの剥離を容易にすることができる。具体的には、第一裏面シート41は第一非接着領域41cを有し、第四裏面シート44は第一非接着領域44cを有するので、この部分をつまむことにより当該裏面シートを容易に剥離することができる。そして、第一裏面シート41、あるいは、第四裏面シート44を剥がすときに指が接触する部分、すなわち、第一個別領域31における第一凸部31cの先端部、あるいは、第四個別領域34における第一凸部34cの先端部は、それぞれ面取りされた形状となっているので、これら裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激が緩和される。
さらに、この実施形態のブリスターパッケージ10によれば、当該ブリスターパッケージ10から、第二個別領域32及び第二裏面シート42、あるいは、第三個別領域33及び第三裏面シート43を切り離した場合においても、その裏面シートを剥がすときに指が受ける刺激を緩和させ、かつ、その裏面シートの剥離を容易にすることができる。具体的には、第一切込部37a及び第三切込部37cが、介在部35を残すように形成されており、しかも第二切込部37bがこの介在部35を分断するように形成されている。よって、第二個別領域32及び第二裏面シート42から当該第二裏面シート42を剥がすとき、あるいは、第三個別領域33及び第三裏面シート43から当該第三裏面シート43を剥がすときのいずれであっても、十分なつまみ代、すなわち、第二裏面シート42のうち、介在部35の一部である第二個別領域側突出部35aと対向する部分、あるいは、第三裏面シート43のうち、第三個別領域側突出部35bと対向する部分がそれぞれ確保されるので、この部分をつまむことによりその裏面シートを容易に剥がすことができる。また、その裏面シートを剥がす際につまむ部分は、各個別領域の裏面側と接着されていない第一非接着領域42c、あるいは、第一非接着領域43cであるので、当該裏面シートの剥離が一層容易となる。そして、第二裏面シート42、あるいは、第三裏面シート43を剥がすときに指が接触する部分、すなわち、第二個別領域側突出部35aの端面、あるいは、第三個別領域側突出部35bの端面は、いずれも角を有することなく滑らかに連続する面となっているので、指が受ける刺激が緩和される。
加えて、この実施形態のブリスターパッケージ10は、第一切込部37a及び第三切込部37cが、介在部35を残すように形成されており、しかも第二切込部37bがこの介在部35を分断するように形成されていることから、すなわち、各切込部37a〜37cがブリスターシート30に第二個別領域側突出部35aと第三個別領域側突出部35bとを残すように設けられることから、製造工程においてブリスターシート30の抜き屑が発生しない。このことは、裏面シート40についても同様である。
また、本実施形態のブリスターシート30は、第一凸部31c〜第一凸部34cを有するので、これら凸部とそれらに対向する裏面シートとの間には所定の空間が形成される。よって、その空間に指の一部を挿入することにより、各裏面シートにおける各包囲部第一非接着領域41c〜44cをつまみやすくなる。
また、本実施形態のブリスターパッケージ10は、その外縁のうちの四隅に加え、各個別領域及びそれに接着される裏面シートの境界部分がそれぞれ面取りされているので、12個のうちいずれの個別領域及び裏面シートが切り離されたとしても、その角部が全て面取りされた形状を有する。さらに、いずれの個別領域及び裏面シートも、その裏面シートを剥がすときにつまむつまみ代を少なくとも二箇所に有するので、当該裏面シートの剥離が容易となる。
また、本実施形態のブリスターパッケージ10は、第一切込部37a〜第三切込部37c、及び第一裏面切込部47a〜第三裏面切込部47cが予め切断されているので、各切断誘導部を切断するだけで、各個別領域及びこれに接着された裏面シートを切り離すことができる。このことは、例えばこれらの切込部がミシン目でつながっている場合に比べて、前記つまみ代の確保を容易とする。すなわち、各切断誘導部の切断時に、前記つまみ代となるべき部分が誤って切断されるといった不具合の発生が抑制される。さらに、各切込部(特に第二切込部37b及び第二裏面切込部47b)は、例えばミシン目とする場合に比べ、製造が容易である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、膨出部を12個有するブリスターパッケージ10の例について説明したが、本発明は、少なくとも一つの介在部35と、この介在部35を取り囲むように配置された第一個別領域31〜第三個別領域33とを有するものが包含される。
また、上記実施形態では、ブリスターシート30が、各鍔部第一凸部31c〜34cをそれぞれの頂点に含んだ四角形の個別領域31〜34を有する例について説明したが、このブリスターシート30としては、各鍔部第一凸部31c〜34cをそれぞれの頂点に含み、かつ、これら各鍔部第一凸部31c〜34cをその中心として取り囲むように配置された4つの個別領域を有するものであれば、各個別領域の外形は三角形や扇形等であってもよい。このことは、当該ブリスターシート30の裏面側に接着される裏面シート40についても同様である。
また、上記実施形態では、ブリスターシート30がPP樹脂からなり、裏面シート40がPET樹脂からなる第一層と、アルミ箔からなる第二層と、PP樹脂からなる接着層とからなる三層構造のものを示したが、例えば、ブリスターシートがPET樹脂又はポリスチレン樹脂(PS樹脂)からなり、裏面シートが、紙からなる第一層と、この第一層の表面側に積層されるアルミ箔からなる第二層と、この第二層の表面側に積層されるPET樹脂又はPS樹脂からなる接着層とからなる三層構造のものであってもよい。また、この場合の第二層としては、印刷の施されたアルミ箔であってもよい。
(第二実施形態)
本実施形態では、第一実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第一実施形態と同じ構成、作用及び効果については説明を省略する。
この第二実施形態のブリスターパッケージ10における第一実施形態のブリスターパッケージ10との異なる点は、第一実施形態で第一切込部37a〜第三切込部37cとされていた部分が、切り込まれた形態ではなく各切断誘導部36a〜36dと同様の形態である点、及び第一実施形態で第一裏面切込部47a〜第三裏面切込部47cとされていた部分が、切り込まれた形態ではなく、各裏面切断部46a〜46dと同様の形態である点である。すなわち、本実施形態におけるブリスターシート30は、第一実施形態における第一切込部37a〜第三切込部37cのそれぞれと対応する位置に第一切断促進部〜第三切断促進部を有し、裏面シート40は、第一実施形態における第一裏面切込部47a〜第三裏面切込部47cのそれぞれと対応する位置に第一裏面切断促進部〜第三裏面切断促進部を有する。
第一切断促進部は、第一切断誘導部36a及び第二切断誘導部36bに挟まれる第一個別領域31の角部が面取りされる形状となるように当該ブリスターシート30の切断を促進する。第二切断促進部は、介在部35を、第二個別領域側突出部35aと第三個別領域側突出部35bとに分断するとともに、その切断面が滑らかに連続する面となるように当該ブリスターシート30の切断を促進する。第三切断促進部は、第一切断促進部との間に介在部35を残しながら、第三切断誘導部36c及び第四切断誘導部36dに挟まれる第四個別領域34の角部が面取りされる形状となるように当該ブリスターシート30の切断を促進する。なお、第一切断促進部〜第三切断促進部としては、ミシン目やスリット、あるいは、各鍔部31b〜34bの厚みに比べて薄肉とされたもの等が挙げられる。
第一裏面切断促進部は、裏面シート40における第一切断促進部と対向する位置に形成されており、当該第一切断促進部と同形状を有する。第二裏面切断促進部は、裏面シート40における第二切断促進部と対向する位置に形成されており、当該第二切断促進部と同形状を有する。第三裏面切断促進部は、裏面シート40における第三切断促進部と対向する位置に形成されており、当該第三切断促進部と同形状を有する。
そして、本実施形態のブリスターパッケージ10から、第一個別領域31及び第一裏面シート41を切り離す場合、ブリスターシート30における第一切断誘導部36a、第二切断誘導部36b及び第一切断促進部を切断すればよい。このとき、これら第一切断誘導部36a、第二切断誘導部36b及び第一切断促進部の切断に合わせて、第一裏面切断部46a、二裏面切断部46b及び第一裏面切断促進部も切断される。その他の個別領域及びこれに接着された裏面シートをブリスターパッケージ10から切り離す場合も同様である。