JP5955605B2 - ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

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この発明は、ステンレス鋼の製造方法に係り、特に、ステンレス溶鋼の精錬炉からの出鋼時における窒素吸収を抑制する製造方法に関する。
ステンレス鋼の製鋼工程では、原料を溶解して溶銑とし、この溶銑を転炉等の精錬炉に注銑して、精錬炉の溶銑に酸素を吹錬することによって炭素を除去する粗脱炭が実施され溶鋼となる。その後精錬炉から取鍋に粗脱炭後の溶鋼の出鋼を行い、二次精錬設備にて溶鋼の最終脱炭及び成分調整を実施した後、鋳造してステンレス鋼スラブ等を形成する。近年では、加工性の高いステンレス鋼が求められ、製品の低窒素化が必須である。しかしながら、精錬炉での溶鋼の出鋼時、溶鋼は、大気に接触するため、大気から窒素を吸収する吸窒を起こし、それにより、製造完了後の製品において高窒素化につながり問題となっている。
この対策として、例えば、特許文献1には、極低窒素ステンレス鋼等の極低窒素Cr含有鋼における転炉等での脱炭後の溶鋼を真空脱ガス処理や連続鋳造のために搬送する過程で、溶鋼の吸窒を防止する方法が記載されている。具体的には、二酸化炭素(CO)発生物質である炭酸カルシウム(CaCO)を取鍋内に投入し、この取鍋内に溶鋼を出鋼することによって、二酸化炭素ガスを発生させ、取鍋内をCO雰囲気に変換する。それによって、二酸化炭素を溶鋼のガスシールとして作用させ、出鋼時の溶鋼の大気接触を防ぐ。
特開平9−78120号公報
しかしながら、炭酸カルシウムは、COガスを発生する反応速度が低いため、特許文献1のように予め炭酸カルシウムを投入した取鍋(溶鋼鍋)に溶鋼の出鋼を実施すると、出鋼を開始してから完了するまでの間にCOガスの発生反応がほとんど進行せず、反応によって発生したCOガスはガスシールとして十分に機能することができないという問題がある。また、上述のような特許文献1に記載される方法では、出鋼完了後もCOガスの発生反応が継続するため、出鋼後の取鍋内の溶鋼にCOガスによるボイリングが発生する。これによって溶鋼と大気とが接触し、溶鋼に改めて吸窒が発生するだけでなく、ボイリングによって取鍋外への溶鋼のスプラッシュ飛散が発生することがあり、安全上の問題も発生する。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、転炉等の精錬炉からの出鋼時の溶鋼(ステンレス溶鋼)の窒素吸収を抑制するステンレス鋼の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明に係るステンレス鋼の製造方法は、ステンレス鋼の原料を溶解して生成されたステンレス鋼溶銑を精錬炉でステンレス溶鋼に精錬処理した後、精錬炉から溶鋼鍋にステンレス溶鋼を出鋼するステンレス鋼の製造方法において、上記出鋼前に、溶鋼鍋に炭酸カルシウムを投入し且つ溶鋼鍋内の炭酸カルシウムを加熱するものであって、ステンレス溶鋼を出鋼する前の精錬炉に炭酸カルシウムを投入し、ステンレス溶鋼に発生するスラグを固化させるものである。
また、この発明に係るステンレス鋼の製造方法は、ステンレス鋼の原料を溶解して生成されたステンレス鋼溶銑を精錬炉でステンレス溶鋼に精錬処理した後、精錬炉から溶鋼鍋にステンレス溶鋼を出鋼するステンレス鋼の製造方法において、上記出鋼前に、溶鋼鍋に予め加熱した炭酸カルシウムを投入するものである。
上記炭酸カルシウムを800℃〜1300℃の雰囲気温度で加熱してもよい。
溶鋼鍋への炭酸カルシウムの投入量が、溶鋼鍋に出鋼されるステンレス溶鋼1トンあたりにつき1.0〜5.0kgであってもよい。
溶鋼鍋へ投入される炭酸カルシウムは、10〜50mmの粒度範囲であってもよい。
ステンレス溶鋼を出鋼する前の精錬炉に炭酸カルシウムを投入し、ステンレス溶鋼に発生するスラグを固化させてもよい。
溶鋼鍋に出鋼したステンレス溶鋼を、真空精錬炉でさらに精錬処理してもよい。
この発明に係るステンレス鋼の製造方法によれば、ステンレス溶鋼の出鋼時における炭酸カルシウムのCOガスを発生する発生反応速度が増加し、出鋼時のステンレス溶鋼に十分なガスシール効果を得ることができる。さらに、出鋼時におけるCOガスの発生反応速度の増加が可能なことによって、出鋼完了時までにCOガスの発生反応を終了させることができ、それにより、出鋼後の溶鋼鍋(取鍋)でのステンレス溶鋼に発生するボイリングを防ぐことができ、さらに、ボイリングによってステンレス溶鋼に発生する吸窒、及びボイリングによって発生する溶鋼鍋の外へのステンレス溶鋼のスプラッシュ飛散を防ぐこともできる。よって、転炉等の精錬炉からの出鋼時のステンレス溶鋼の窒素吸収の抑制を図ることが可能になる。
この発明の実施の形態に係るステンレス鋼の製造方法における転炉での処理工程の流れを示す模式図である。 この発明の実施の形態に係るステンレス鋼の製造方法における、転炉から溶鋼鍋にステンレス溶鋼を出鋼する処理過程を示す模式図である。 出鋼時の条件が異なるケースで転炉から溶鋼鍋に出鋼した際の溶鋼鍋内のガスの状態を比較した図である。 出鋼時の条件が異なる例で転炉から溶鋼鍋に出鋼した溶鋼鍋内のステンレス溶鋼における窒素吸収量を比較した図である。 出鋼時の条件及びスラグ固化材が異なる例で転炉から溶鋼鍋に出鋼した溶鋼鍋内のステンレス溶鋼における窒素吸収量を比較した図である。
実施の形態
以下、この発明の実施の形態に係るステンレス鋼の製造方法について添付図面に基づいて説明する。
まず、ステンレス鋼の製造は、溶解工程、一次精錬工程、二次精錬工程、及び鋳造工程がこの順で実施されて行われる。
溶解工程では、ステンレス製鋼用の原料となるスクラップや合金を電気炉で溶解してステンレス鋼溶銑を生成し、生成したステンレス鋼溶銑が精錬炉である転炉に注銑される。さらに、一次精錬工程では、転炉内のステンレス鋼溶銑に酸素を吹精することによって含有されている炭素を除去する粗脱炭処理が行われ、それによりステンレス溶鋼と炭素酸化物及び不純物を含むスラグとが生成する。さらに、一次精錬工程で生成したステンレス溶鋼は、溶鋼鍋に出鋼されて二次精錬工程に移され、その際にスラグが除去される。
二次精錬工程では、ステンレス溶鋼が溶鋼鍋と共に真空精錬炉である真空脱ガス装置(VOD)に入れられ、仕上げ脱炭処理が行われる。そして、ステンレス溶鋼が仕上げ脱炭処理されることによって、純粋なステンレス溶鋼が生成する。鋳造工程では、真空脱ガス装置から溶鋼鍋を取り出して連続鋳造装置(CC)にセットされる。溶鋼鍋のステンレス溶鋼は、連続鋳造装置に注ぎ込まれ、さらに連続鋳造装置が備える鋳型によって、例えばスラブ状のステンレス鋼片に鋳造される。鋳造されたステンレス鋼片は、次の圧延工程において、熱間圧延又は冷間圧延され熱間圧延鋼帯又は冷間圧延鋼帯とされる。
図1を参照すると、一次精錬工程の詳細が示されている。
まず、注銑工程(S1)にて、電気炉で生成されたステンレス鋼溶銑1が転炉2に注入される。次いで、酸素吹精工程(S2)にて、転炉2内のステンレス鋼溶銑1の表面にノズル2aから酸素が吹き付けられ、それによって、ステンレス鋼溶銑1は、含有する炭素が酸化・除去される脱炭処理されてステンレス溶鋼1aとステンレス鋼の品質に悪影響を与えるスラグ1bとを生成する。
さらに、ステンレス鋼溶銑1の脱炭処理完了後、固化材投入工程(S3)にて、ステンレス溶鋼1aの表面上のスラグ1bに対して、固化材である固化用炭酸カルシウム(CaCO)5aが添加される。このとき、固化用炭酸カルシウム5aは、スラグ1bから熱を吸収し、熱分解温度まで昇温された後、以下の式1に示すように、固体状の酸化カルシウム(CaO)と気体の二酸化炭素(CO)とに熱分解する。上述のように固化用炭酸カルシウム5aが吸熱反応を起こすことによって、スラグ1bは、冷却され、固化用炭酸カルシウム5aが生成した酸化カルシウムを含んだ状態で固化する。
CaCO(固体)→CaO(固体)+CO(気体)・・・・・・・・・・(式1)
また、固化用炭酸カルシウム5aが生成した二酸化炭素は、転炉2内の空気を外部に押し出し、転炉2内に充満する。これにより、転炉2内のステンレス溶鋼1aは、周囲が二酸化炭素によって覆われるつまりガスシールされ空気との接触が遮断されるため、空気中の酸素との反応及び窒素の吸収が抑えられる。
なお、転炉2内に添加される固化用炭酸カルシウム5aは、10mm以上50mm以下の粒度範囲を有する塊状のものが用いられるのが好ましい。そして、粒度が10mm以上50mm以下の固化用炭酸カルシウム5aを使用した場合、転炉2内における質量1トンあたりのステンレス鋼溶銑1から生じるスラグ1bの固化に必要な量が約10kg〜約20kgとなる。
ちなみに、転炉2内のスラグ1bに投入される固化用炭酸カルシウム5aの粒度を10mm以上50mm以下とするのは、以下の理由による。
固化用炭酸カルシウム5aの粒度が50mmを超えると、スラグ1bの表面積に対する固化用炭酸カルシウム5aの表面積の比である表面積比(炭酸カルシウムの表面積/スラグの表面積)が小さくなるため、互いの接触面積が小さくなり、固化用炭酸カルシウム5aがスラグ1bから熱を吸収しにくくなる。これにより、固化用炭酸カルシウム5aとスラグ1bとの反応時間、つまりスラグ1bの固化に要する時間が長くなり、ステンレス鋼の生産性が低下する。
一方、固化用炭酸カルシウム5aの粒度が10mm未満となると、表面積比(炭酸カルシウムの表面積/スラグの表面積)が大きくなるため、固化用炭酸カルシウム5aとスラグ1bとの反応時間を短縮することができる。しかしながら、固化用炭酸カルシウム5aの粒度が小さすぎるため、固化用炭酸カルシウム5aがスラグ1bの表面のみに留まってしまってスラグ1bと十分に反応できなくなることや、熱分解により固化用炭酸カルシウム5aから生成した二酸化炭素が発生する上昇流によって、転炉2の外に固化用炭酸カルシウム5aが運ばれることで、スラグ1bが十分に冷却・固化されない。
また、固化材投入工程(S3)の後、出鋼工程(S4)にて、転炉2が傾動され、転炉2の側部に設けられた出鋼口2bからステンレス溶鋼1aのみが溶鋼鍋3に出鋼される。出鋼されたステンレス溶鋼1aを含む溶鋼鍋3は、二次精錬工程に移される。
なお、スラグ1bの固化材として、酸化カルシウム(生石灰)を使用してもよい。
一方、出鋼工程(S4)におけるステンレス溶鋼1aの出鋼後の転炉2は、続く傾動復帰工程(S5)にて、傾動されていた状態から元の状態に戻され、次いで、排滓工程(S6)にて再び傾けられ、上部の開口2cを介して内部の固化したスラグ1bが容器4に排出される、つまり排滓される。
さらに、図2を参照すると、図1の酸素吹精工程(S2)から出鋼工程(S4)までの転炉2及び溶鋼鍋3における処理過程の詳細が示されている。
酸素吹精工程(S2)において、転炉2内への酸素の吹き付け操業の実施中に、鋳造工程完了後の整備が完了し台車6に載せられた溶鋼鍋3が、転炉2の炉下のピットに移送される。溶鋼鍋3を載せた台車6がピット内の所定の位置に配置されると、図示しない固化材タンクに接続された固化材供給管7から溶鋼鍋3内に、炭酸カルシウム5bが投入される。そして、投入された炭酸カルシウム5bは、溶鋼鍋3の底部3aに堆積する。このとき、図2の状態Saに示す状態となる。
なお、投入される炭酸カルシウム5bは、10mm以上50mm以下の粒度範囲を有する塊状のものが用いられる。さらに、炭酸カルシウム5bは、転炉2から溶鋼鍋3に出鋼される質量1トンあたりのステンレス溶鋼1aに対して約1.0kg〜約5.0kgまでの範囲の質量で、溶鋼鍋3に投入される。
溶鋼鍋3は、出鋼時に注ぎ込まれたステンレス溶鋼1aの温度を低下させてしまうことを防ぐために、ステンレス溶鋼1aを受け入れるまで加熱つまり予備加熱される。溶鋼鍋3の予備加熱は、転炉2の炉下に備え付けられた溶鋼鍋予熱バーナー8を用いて実施され、この予備加熱は出鋼の直前まで継続される。このとき、図2の状態Sbに示す状態となる。
溶鋼鍋予熱バーナー8は、溶鋼鍋3の内部に向かって炎を放射することによって、溶鋼鍋3を加熱すると共に、溶鋼鍋3内の炭酸カルシウム5bも加熱する。さらに、溶鋼鍋3内では、底部3aにおける炭酸カルシウム5bの周囲の気体の温度が約800℃〜約1300℃となるように、加熱される。そして、このときの炭酸カルシウム5bの表面温度は約650℃〜約1150℃となる。
炭酸カルシウムの熱分解温度は825℃であるため、溶鋼鍋3の底部3aの炭酸カルシウム5bの周囲の気体温度、つまり炭酸カルシウム5bの雰囲気温度を約800℃〜約1300℃(以下、予備加熱温度と呼ぶ)とすることによって、炭酸カルシウム5bは、上述の式1に示すような熱分解を起こしやすくなる。また、炭酸カルシウム5bの一部は、熱分解し始め、固体状の酸化カルシウムと気体の二酸化炭素とを発生する場合がある。しかしながら、雰囲気温度と熱分解温度との差が小さいため、炭酸カルシウム5bは、低い分解反応速度で熱分解反応を続ける。
なお、炭酸カルシウムの加熱については、上述の溶鋼鍋3の予備加熱時におこなうのが最も効率的であるが、これに限られるものではなく、精錬炉(転炉2)からの出鋼前に、別の加熱装置により予め加熱された炭酸カルシウムを溶鋼鍋3に投入してもよい。
その後、図2の状態Scに示すように、転炉2から溶鋼鍋3内におよそ1700℃以上の温度であるステンレス溶鋼1aが注ぎ込まれる、つまり出鋼されると、予め加熱されて温度が上昇している炭酸カルシウム5bは、ステンレス溶鋼1aの熱によって短時間で熱分解速度を上昇させた状態で熱分解し、二酸化炭素の発生量を短時間に増大させる。これにより、溶鋼鍋3の内部では、転炉2からのステンレス溶鋼1aの出鋼開始直後から二酸化炭素の発生量が増大し、発生した二酸化炭素が空気を外部に押し出して充満し、さらに、発生した二酸化炭素は溶鋼鍋3の上部の開口3bから上方にも溢れだし、溶鋼鍋3の上方も二酸化炭素雰囲気となる。つまり、溶鋼鍋3内及び溶鋼鍋3上方のガス雰囲気が、空気から二酸化炭素に置換される。よって、転炉2から溶鋼鍋3内に出鋼されるステンレス溶鋼1aは、二酸化炭素によって周囲が覆われてガスシールされるため、周囲の空気との接触が防がれ、それにより、ステンレス溶鋼1aによる空気中の窒素吸収(吸窒)が抑えられる。
また、溶鋼鍋3内の炭酸カルシウム5bは、転炉2内のステンレス溶鋼1aの全てを溶鋼鍋3内に移し終える出鋼完了まで二酸化炭素の発生を継続する。さらに、出鋼完了時より前の近傍では、未分解で残留している炭酸カルシウム5bが少量になることによって、二酸化炭素の発生量が徐々に減少する状態となる。
なお、二酸化炭素によるガスシールによって出鋼されるステンレス溶鋼1aの吸窒を効率的に防止するためには、出鋼中、炭酸カルシウム5bの熱分解反応を活性化して二酸化炭素を活発に発生させ、さらに出鋼完了とほぼ同時に炭酸カルシウム5bからの二酸化炭素の発生が終了するように、熱分解反応を制御することが重要となる。ステンレス溶鋼1aが周囲の空気と接触して空気から吸窒する機会が多くなるのは、ステンレス溶鋼1aが転炉2から溶鋼鍋3に出鋼される際の流下中であるため、この流下しているステンレス溶鋼1aを二酸化炭素でガスシールすることが吸窒防止に効果的である。
一方、出鋼完了後は、溶鋼鍋3内のステンレス溶鋼1aは、その表面がスラグで覆われるため、周囲の空気と遮断される。しかしながら、出鋼完了後も炭酸カルシウム5bからの二酸化炭素の発生が継続すると、二酸化炭素が引き起こすボイリングによって覆っているスラグに穴があくため、ステンレス溶鋼1aが周囲の空気と接触するようになり、接触した空気から吸窒する。また、ボイリングによる気泡が破裂する際に高温のステンレス溶鋼1aが撥ねて溶鋼鍋3の外に飛散する、つまりスプラッシュ飛散する可能性があり、安全上の問題ともなる。
よって、本実施の形態では、上述したように、溶鋼鍋3へ投入する炭酸カルシウム5bの粒度を10mm以上50mm以下とし、炭酸カルシウム5bの投入量を転炉2から溶鋼鍋3に出鋼される質量1トンあたりのステンレス溶鋼1aに対して約1.0kg〜約5.0kgの範囲とし、さらに、溶鋼鍋3の底部3aにおける予備加熱温度を約800℃〜約1300℃とすることによって、炭酸カルシウム5bの熱分解反応を制御している。
なお、溶鋼鍋3の底部3aにおける予備加熱温度を約800℃〜約1300℃とするのは、以下の理由による。
炭酸カルシウムの熱分解温度は825℃であるため、予備加熱によって溶鋼鍋3内の炭酸カルシウム5bの周囲の雰囲気温度(予備加熱温度)を熱分解温度付近に保持しておくと、溶鋼鍋3内にステンレス溶鋼1aが出鋼されたとき、ステンレス溶鋼1aの熱に接触した炭酸カルシウム5bは、直ちに分解反応速度を上昇させ、ステンレス溶鋼1aをガスシールするのに十分な量の二酸化炭素を発生できる状態となる。
しかしながら、予備加熱温度が800℃に満たない場合、出鋼されたステンレス溶鋼1aと接触した炭酸カルシウム5bは、ステンレス溶鋼1aのガスシールに十分な量の二酸化炭素を発生できる状態となるまでに時間を要するため、十分にガスシールされないステンレス溶鋼1aが生じる。一方、予備加熱温度が1300℃を超える場合、溶鋼鍋3内の炭酸カルシウム5b自体の温度が熱分解温度825℃よりも高温となるため、予備加熱の段階で炭酸カルシウム5bが活発に熱分解反応を起こし、出鋼開始段階で既に多くの炭酸カルシウム5bが熱分解されてしまう。このため、出鋼開始時に残存している炭酸カルシウム5bでは、出鋼中に発生することができる二酸化炭素量が少なくなり、出鋼されるステンレス溶鋼1aを十分にガスシールできない。
また、炭酸カルシウム5bの溶鋼鍋3への投入量を、転炉2から溶鋼鍋3に出鋼されるステンレス溶鋼1aの質量1トンあたりに対して約1.0kg〜約5.0kgの範囲とするのは、以下の理由による。
炭酸カルシウム5bの溶鋼鍋3への投入量が、溶鋼鍋3に出鋼されるステンレス溶鋼1aの質量1トンあたりで約1.0kgよりも少ない場合、投入量が少な過ぎるため、出鋼開始から出鋼完了までの全体にわたった二酸化炭素によるステンレス溶鋼1aのガスシールが得られない。一方、炭酸カルシウム5bの溶鋼鍋3への投入量が、溶鋼鍋3に出鋼されるステンレス溶鋼1aの質量1トンあたりで約5.0kgよりも多い場合、熱分解反応時の炭酸カルシウム5bによる吸熱量が多くなり、吸熱されるステンレス溶鋼1aの温度が過度に低下するため、後に続く二次精錬工程で要するステンレス溶鋼1aの熱量に不足が生じ、操業に悪影響が及ぶ。さらに、炭酸カルシウム5bを過剰に投入すると、出鋼完了後もステンレス溶鋼1a中に残留して二酸化炭素を発生し続けるため、溶鋼鍋3を次工程へ運搬する際にスプラッシュが飛散するなどの問題が生じる。
また、溶鋼鍋3への投入する炭酸カルシウム5bの粒度を10mm以上50mm以下とするのは、以下の理由による。
炭酸カルシウム5bの粒度が10mm未満の場合、炭酸カルシウム5bは比表面積が大きくなることで吸熱しやすくなり、炭酸カルシウム5bの熱分解速度が高くなるため、出鋼完了までに炭酸カルシウム5bの全てが熱分解して二酸化炭素の発生が終了し、出鋼完了付近の出鋼末期で二酸化炭素によるガスシールが得られない。一方、炭酸カルシウム5bの粒度が50mmを超える場合、炭酸カルシウム5bは比表面積が小さくなることで吸熱しにくくなり、炭酸カルシウム5bの熱分解反応が活発にならずに熱分解の完了までに長時間を要するため、出鋼開始から出鋼完了までの間の出鋼中、ステンレス溶鋼1aのガスシールに十分な量の二酸化炭素の発生量が得られない。
ここで、図3を参照すると、出鋼時の条件が異なる3つのケースA〜Cで転炉2から溶鋼鍋3にステンレス溶鋼1aを出鋼した際の溶鋼鍋3内のガスの状態(ガス雰囲気)の推移が示されている。なお、図3では、横軸に経過時間をとり、縦軸にガス濃度をとり、二酸化炭素と酸素(O)との状態を示している。
各ケースが以下の表1に示されている。ケースAでは、出鋼前に溶鋼鍋3に炭酸カルシウムが投入されず、さらに溶鋼鍋3の予備加熱も行われない。ケースBでは、出鋼前に溶鋼鍋3に炭酸カルシウムが投入されるが、溶鋼鍋3の予備加熱は行われない。ケースCでは、本実施の形態のように、出鋼前に溶鋼鍋3に炭酸カルシウムが投入され、溶鋼鍋3の予備加熱も行われる。つまり、ケースCは、実施の形態に係るステンレス鋼の製造方法によって溶鋼鍋3にステンレス溶鋼1aを出鋼した場合のものである。
なお、ケースA〜Cはいずれも、電気炉において1チャージに生成される80トンのステンレス鋼溶銑に対して実施したものであり、転炉2から溶鋼鍋3に出鋼する際のステンレス溶鋼の溶鋼温度を1800℃にして実施したものである。また、ケースB及びCでは、溶鋼鍋3内の約80トンのステンレス溶鋼に粒度10mm以上50mm以下の炭酸カルシウムを300kg投入し、さらに、ケースCでは、1020℃の予備加熱温度で20分間の予備加熱を実施している。
Figure 0005955605
ケースAの場合、出鋼開始前から出鋼開始、そして出鋼完了にわたって、溶鋼鍋3のガス雰囲気にほとんど変化がない。つまり、溶鋼鍋3内のほとんどは、大気である空気で満たされている。
ケースBの場合、出鋼開始後、二酸化炭素の発生が開始して濃度が緩やかに増加し、約20質量%の二酸化炭素濃度に達した後、緩やかに減少している。そして、酸素濃度は、二酸化炭素濃度と相反する動きで推移しており、空気の濃度も酸素濃度と同様の動きで推移する。
ケースCの場合、出鋼開始時から二酸化炭素の発生が開始して濃度が急激に増加し、出鋼中の1/3以上の期間にわたって約40〜50質量%の二酸化炭素濃度が維持されている。そして、酸素濃度は、出鋼中の1/3以上の期間にわたって0近傍まで低下しており、このとき、空気の濃度も大幅に低下して約50〜60質量%となる。
この図3の結果からも、溶鋼鍋3に炭酸カルシウム5bを投入した後、予備加熱を実施することによって、転炉2からステンレス溶鋼1aを出鋼する間、溶鋼鍋3内のガス雰囲気が二酸化炭素によって置換され、二酸化炭素はステンレス溶鋼1aをガスシールするのに十分な濃度を有することができる。
(実施例)
以下、実施の形態に係るステンレス鋼の製造方法によって溶鋼鍋3にステンレス溶鋼1aを出鋼する実施例の他、転炉2から溶鋼鍋3に出鋼する際の条件を実施例から変更した比較例における溶鋼鍋3内のステンレス溶鋼1aの状態を説明する。
以下の表2及び表3に示すように、実施の形態のように出鋼前の溶鋼鍋3に炭酸カルシウムを投入し予備加熱を実施する実施例1及び2と、出鋼前の溶鋼鍋3に炭酸カルシウムを投入せず予備加熱も実施しない比較例1−1及び2−1と、出鋼前の溶鋼鍋3に炭酸カルシウムを投入するが予備加熱を実施しない比較例1−2及び2−2とについて、その特性を評価した。
さらに、実施例1及び2、並びに比較例1−1、1−2、2−1及び2−2はいずれも、電気炉において1チャージに生成される80トンのステンレス鋼溶銑に対して実施したものであり、転炉2から溶鋼鍋3に出鋼する際のステンレス溶鋼の溶鋼温度を1800℃にして実施したものである。
Figure 0005955605
表2について、実施例1、並びに比較例1−1及び1−2は、クロム濃度が21〜23質量%、炭素濃度が0.03質量%以下、窒素濃度が0.03質量%以下であるフェライト系ステンレス鋼に関するもので、さらに転炉2でのスラグの固化材として、実施の形態で使用した炭酸カルシウムではなく、生石灰(酸化カルシウム)を使用したものである。
具体的には、実施例1は、転炉2でのスラグの固化材として生石灰を使用し、さらに出鋼前の溶鋼鍋3に粒度10mm以上50mm以下の炭酸カルシウムを300kg投入し1020℃の予備加熱温度で20分間の予備加熱を実施した後、出鋼を開始した例である。
比較例1−1は、転炉2でのスラグの固化材として生石灰を使用し、さらに出鋼前の溶鋼鍋3に炭酸カルシウムを投入せず予備加熱も実施せずに、出鋼を開始した例である。
比較例1−2は、転炉2でのスラグの固化材として生石灰を使用し、さらに出鋼前の溶鋼鍋3に粒度10mm以上50mm以下の炭酸カルシウムを300kg投入するがその後に予備加熱を実施せずに、出鋼を開始した例である。
また、吸窒量は、出鋼完了後であり二次精錬処理前である溶鋼鍋3内のステンレス溶鋼を測定して得られる窒素濃度から、転炉2での酸素吹精終了時のステンレス溶鋼を測定して得られる窒素濃度を差し引くことによって算出している。なお、吸窒量は、質量濃度で示し、単位はppmである。
また、実施例1、並びに比較例1−1及び1−2における吸窒量を比較した図が、図4に示されている。なお、図4では、横軸に各例をとり、縦軸に吸窒量をとっている。
図4及び表2をあわせて参照すると、出鋼前の溶鋼鍋3に何も投入しない比較例1−1では、出鋼完了までに83ppmの吸窒が発生するが、出鋼前の溶鋼鍋3に炭酸カルシウムを投入する比較例1−2及び実施例1では、吸窒が比較例1−1よりも抑制されている。さらに、溶鋼鍋3に予備加熱を実施しない比較例1−2では、出鋼完了までに74ppmの吸窒が発生するが、予備加熱を実施する実施例1では、出鋼完了までの吸窒量が57ppmとなり、吸窒がさらに抑制されている。また、比較例1−2では、出鋼完了後も炭酸カルシウムが熱分解反応を継続して二酸化炭素を発生し続け、ボイリングが観察されたが、実施例1では、出鋼完了時には炭酸カルシウムの熱分解反応が終了し、出鋼完了後にボイリングが観察されなかった。
Figure 0005955605
表3について、実施例2、並びに比較例2−1及び2−2は、クロム濃度が16〜17質量%、炭素濃度が0.03質量%以下、窒素濃度が0.03質量%以下であるフェライト系ステンレス鋼に関するもので、転炉2でのスラグの固化材として実施の形態のような炭酸カルシウム又は生石灰を使用したものである。
具体的には、実施例2は、転炉2でのスラグの固化材として炭酸カルシウムを使用し、さらに出鋼前の溶鋼鍋3に粒度10mm以上50mm以下の炭酸カルシウムを300kg投入し1020℃の予備加熱温度で20分間の予備加熱を実施した後、出鋼を開始した例である。
比較例2−1は、転炉2でのスラグの固化材として生石灰を使用し、さらに出鋼前の溶鋼鍋3に炭酸カルシウムを投入せず予備加熱も実施せずに、出鋼を開始した例である。
比較例2−2は、転炉2でのスラグの固化材として炭酸カルシウムを使用し、さらに出鋼前の溶鋼鍋3に粒度10mm以上50mm以下の炭酸カルシウムを300kg投入するがその後に予備加熱を実施せずに、出鋼を開始した例である。
また、出鋼前吸窒量は、転炉2での出鋼開始直前のステンレス溶鋼を測定した得られる窒素濃度から、転炉2での酸素吹精終了時のステンレス溶鋼を測定して得られる窒素濃度を差し引くことによって算出している。出鋼中吸窒量は、出鋼完了後であり二次精錬処理前である溶鋼鍋3内のステンレス溶鋼を測定して得られる窒素濃度から、転炉2での出鋼開始直前のステンレス溶鋼を測定して得られる窒素濃度を差し引くことによって算出している。
また、実施例2、並びに比較例2−1及び2−2における吸窒量を比較した図が、図5に示されている。なお、図5では、横軸に各例をとり、縦軸に吸窒量をとっている。
図5及び表3をあわせて参照すると、スラグ固化材として生石灰を転炉2に投入した比較例2−1では、出鋼前に既に13ppmの吸窒を発生しているが、スラグ固化材として炭酸カルシウムを転炉2に投入した比較例2−2及び実施例2では、出鋼前の吸窒量が5ppmにまで抑制されている。さらに、出鋼前の溶鋼鍋3に何も投入しない比較例2−1では、出鋼中に65ppmの吸窒が発生するが、出鋼前の溶鋼鍋3に炭酸カルシウムを投入する比較例2−2及び実施例2では、出鋼中の吸窒が比較例2−1よりも大幅に抑制されている。さらに、溶鋼鍋3に予備加熱を実施しない比較例2−2では、出鋼中に18ppmの吸窒が発生するが、予備加熱を実施する実施例2では、出鋼中の吸窒量が12ppmとなり、吸窒がさらに抑制されている。また、比較例2−2では、出鋼完了後も炭酸カルシウムが熱分解反応を継続して二酸化炭素を発生し続け、ボイリングが観察されたが、実施例2では、出鋼完了時には炭酸カルシウムの熱分解反応が終了し、出鋼完了後にボイリングが観察されなかった。
上述より、転炉2から溶鋼鍋3へのステンレス溶鋼の出鋼時のガスシール発生材として炭酸カルシウムを使用する際、実施例1及び2のように、出鋼前に炭酸カルシウムの溶鋼鍋3への投入後に予備加熱を実施することによって、出鋼の際のステンレス溶鋼の吸窒が効率よく防がれる。
このように、この発明に係るステンレス鋼の製造方法は、ステンレス鋼の原料を溶解して生成されたステンレス鋼溶銑1を転炉2でステンレス溶鋼1aに精錬処理した後、転炉2から溶鋼鍋3にステンレス溶鋼1aを出鋼するものであり、上記出鋼前に、溶鋼鍋3に炭酸カルシウム5bを投入し且つ溶鋼鍋3内の炭酸カルシウム5bを加熱するものである。これにより、溶鋼鍋3で予め加熱されて温度を上昇させている炭酸カルシウム5bは、転炉2から溶鋼鍋3に出鋼されたステンレス溶鋼1aと接触すると、短時間で熱分解温度に達して活発に熱分解し二酸化炭素を発生し、出鋼されるステンレス溶鋼1aの周囲を二酸化炭素で短時間で十分にガスシールすることができる。よって、出鋼時のステンレス溶鋼1aによる空気中の窒素の吸収を抑えることが可能になる。
また、炭酸カルシウム5bは、800℃〜1300℃の雰囲気温度で加熱される。これによって、転炉2から溶鋼鍋3に出鋼されたステンレス溶鋼1aと接触した炭酸カルシウム5bが熱分解温度に達して二酸化炭素を発生するまでの時間を短縮することができる。さらに、出鋼前の炭酸カルシウム5bに対して、過度な温度上昇を防ぎ、出鋼前に二酸化炭素を発生することを防ぐことができる。
また、溶鋼鍋3への炭酸カルシウム5bの投入量が、溶鋼鍋3に出鋼されるステンレス溶鋼1aの1トンあたりにつき1.0〜5.0kgである。これによって、炭酸カルシウム5bが二酸化炭素の発生を継続する時間を、出鋼開始から出鋼完了までにわたって継続するように制御することができる。さらに、炭酸カルシウム5bを過度に投入しないことによって、出鋼中に接触して吸熱するステンレス溶鋼1aに対して過度に温度低下させるのを防ぐことができる。
また、溶鋼鍋3へ投入される炭酸カルシウム5bは、10〜50mmの粒度範囲である。このとき、炭酸カルシウム5bの粒と周囲の気体との接触面積が制御され、それによって、二酸化炭素の発生量を出鋼されるステンレス溶鋼1aのガスシールに十分な量にすると共に、二酸化炭素の発生継続時間を出鋼開始から出鋼完了までに制御することができる。
また、ステンレス溶鋼1aを出鋼する前の転炉2に固化用炭酸カルシウム5aを投入し、ステンレス溶鋼1aに発生するスラグを固化させる。これによって、転炉2内でもステンレス溶鋼1aが、固化用炭酸カルシウム5aの発生する二酸化炭素によってガスシールされ、空気との接触に起因する窒素の吸収を抑えることができる。
また、実施の形態に係るステンレス鋼の製造方法は、ステンレス鋼の製造に適用されていたが、他の金属の製造に適用してもよい。
1 ステンレス鋼溶銑、1a ステンレス溶鋼、2 転炉(精錬炉)、3 溶鋼鍋、5a 固化用炭酸カルシウム、5b 炭酸カルシウム。

Claims (7)

  1. ステンレス鋼の原料を溶解して生成されたステンレス鋼溶銑を精錬炉でステンレス溶鋼に精錬処理した後、前記精錬炉から溶鋼鍋に前記ステンレス溶鋼を出鋼するステンレス鋼の製造方法において、前記出鋼前に、前記溶鋼鍋に炭酸カルシウムを投入し且つ前記溶鋼鍋内の前記炭酸カルシウムを加熱するステンレス鋼の製造方法であって、前記ステンレス溶鋼を出鋼する前の前記精錬炉に炭酸カルシウムを投入し、前記ステンレス溶鋼に発生するスラグを固化させるステンレス鋼の製造方法
  2. ステンレス鋼の原料を溶解して生成されたステンレス鋼溶銑を精錬炉でステンレス溶鋼に精錬処理した後、前記精錬炉から溶鋼鍋に前記ステンレス溶鋼を出鋼するステンレス鋼の製造方法において、前記出鋼前に、前記溶鋼鍋に予め加熱した炭酸カルシウムを投入するステンレス鋼の製造方法。
  3. 前記ステンレス溶鋼を出鋼する前の前記精錬炉に炭酸カルシウムを投入し、前記ステンレス溶鋼に発生するスラグを固化させる請求項2に記載のステンレス鋼の製造方法。
  4. 前記炭酸カルシウムを800℃〜1300℃の雰囲気温度で加熱する請求項1〜3のいずれか一項に記載のステンレス鋼の製造方法。
  5. 前記溶鋼鍋への前記炭酸カルシウムの投入量が、前記溶鋼鍋に出鋼される前記ステンレス溶鋼1トンあたりにつき1.0〜5.0kgである請求項1〜のいずれか一項に記載のステンレス鋼の製造方法。
  6. 前記溶鋼鍋へ投入される前記炭酸カルシウムは、10〜50mmの粒度範囲である請求項1〜のいずれか一項に記載のステンレス鋼の製造方法。
  7. 前記溶鋼鍋に出鋼した前記ステンレス溶鋼を、真空精錬炉でさらに精錬処理する請求項1〜6のいずれか一項に記載のステンレス鋼の製造方法。
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