JP5955440B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機・レーザービームプリンタ等の画像形成装置に用いられる、記録材上に形成させた未定着トナー像を記録材に加熱定着処理する定着装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置で用いられる定着装置として、オンデマンド性に優れたフィルム定着方式の定着装置が用いられている。
フィルム定着方式の定着装置は、筒状のフィルムと、フィルムの内面と接触するヒータと、フィルムを介してヒータと共にニップ部を形成する加圧部材を有する。そして、ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し、トナー像を記録材に定着するものである。
フィルム加熱方式の定着装置は、フィルムを目標温度まで早く立ち上げるために、熱容量の小さいフィルムを用いている。フィルムの材料としては、ステンレス鋼やニッケルなどの金属材料を用いる場合や、ポリイミドなどの耐熱樹脂材料を用いる場合がある。一般的に、金属材料は樹脂材料に比べると強度があるため薄肉化でき、また熱伝導率も高いという特徴を持つ。一方、樹脂材料は、金属に比べると比重が小さいため熱容量が小さく温まりやすい利点がある。また、樹脂材料は塗工成型により薄肉のフィルムを成型できるため、安価に成型できるという特徴がある。
また、フィルム加熱方式での定着装置においては、設計の公差等により、加圧部材とフィルムの平行度のズレや加圧力の左右差が発生する場合がある。そのような場合、フィルムの記録材搬送方向に直交する方向への片寄り(以下、フィルムの寄りと称する)が発生する場合がある。
そこで、フィルム端部を、規制部材の規制面で受け止め、またその形状を工夫することでフィルムの寄りの規制を行い、フィルム端部が折れたり、ラッパ状に広がって亀裂が生じるなどのフィルム端部破損を防止する構成が開示されている(特許文献1及び2)。
特開2002−246151号公報 特許第3814542号
しかしながら、近年の環境意識の高まりを背景にした省エネルギー化のために、定着装置の更なる低消費電力化が求められている。消費電力を低減させるためには、フィルムから記録材への伝熱効率を高めることが有効であるため、更なるフィルムの薄層化が進められており、フィルムの端部の強度が不足することが予想される。
従って、更なるフィルムの薄層化が進められた場合、特許文献1又は特許文献2に示す規制部材を用いたとしてもフィルム端部破壊の対策として十分でない場合がある。なぜなら、特許文献1及び特許文献2では、フィルムの寄りでフィルムがラジアル方向に移動した際に、フィルム端部に内面方向への力が加わると、フィルム端部が内面方向へ折れてしまう虞がある。
本発明の目的は、上記のような状況を鑑み、フィルムの更なる薄層化が進められた場合でも、フィルムの寄りによるフィルム端部破損を抑制できる定着装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の好適な実施形態の一つは、筒状のフィルムと、前記フィルムの内面接触するニップ形成部材と、前記フィルムを介して前記ニップ形成部材と共にニップ部を形成する加圧部材と、前記フィルムが前記フィルムの母線方向に移動したときに前記フィルムの前記母線方向の端面が接触し前記フィルムの前記母線方向の移動を規制する規制面を有する規制部材と、を有し、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し、記録材に前記トナー像を定着する定着装置において、前記規制面は凹形状の曲面領域を有することを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明の好適な実施形態の一つは、筒状のフィルムと、前記フィルムの内面に接触するニップ形成部材と、前記フィルムを介して前記ニップ形成部材と共にニップ部を形成する加圧部材と、前記フィルムが前記フィルムの母線方向に移動したときに前記フィルムの前記母線方向の端面が接触し前記フィルムの前記母線方向の移動を規制する規制面を有する規制部材と、を有し、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し、記録材に前記トナー像を定着する定着装置において、前記規制面は、前記フィルムの前記端面が前記規制面に接触するときに、前記端面が接触する位置が前記フィルムのラジアル方向において外側である程、前記端面が前記規制面から受ける力であって前記端面を前記フィルムのラジアル方向の内側に曲げる方向の力が大きくなるように形成された領域を有することを特徴とする。
本発明によれば、薄層化されたフィルムを用いた場合でも、フィルムの寄りに起因するフィルムの端部破壊を抑制できる。
実施例1に係る定着装置のフィルムの母線方向に垂直な断面図 実施例1に係る定着装置の記録材搬送方向上流側から見た模式図 (a)実施例1に係る加圧ローラの軸方向に垂直な断面図、(b)実施例1に係るフィルムの母線方向に垂直な断面図 (a)実施例1に係るフィルムアセンブリのフィルムの母線方向に垂直な断面図(右図)、及び、A−A断面図(左図)、(b)実施例1に係るフィルムアセンブリのフィルムの母線方向に垂直な断面図(右図)、及び、B−B断面図(左図) (a)〜(c)比較例に係るフィルムとフィルム端部規制面のニップ部に平行な断面図 (a)(b)比較例に係るフィルムとフィルム端部規制面のニップ部に平行な断面図 比較例においてフィルムとフィルム端部規制面が接触した際の力のつり合いを表す図 (a)〜(c)実施例1に係るフィルムとフィルム端部規制面のニップ部に平行な断面図 (a)(b)比較例においてフィルムとフィルム端部規制面が接触した際の力のつり合いを表す図 実施例1及び比較例においてフィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量と内向きの力の関係を表す図 実施例1におけるフィルム端部規制面の形状を示す断面図 実施例1におけるフィルム端部のラジアル方向の基準位置を表す図 (a)実施例2に係るフィルムアセンブリのフィルムの母線方向に垂直な断面図(右図)、及び、C−C断面図(左図)、(b)実施例2に係るフィルムアセンブリのフィルムの母線方向に垂直な断面図(右図)、及び、D−D断面図(左図)
(実施例1)
実施例1に係る定着装置の概要について説明する。図1は定着装置18のフィルム36の母線方向に垂直な断面図であり、図2は定着装置18を記録材搬送方向上流側から見た図である。また、以下の定着装置の説明において、長手方向とは、記録材搬送方向に直交する方向である。幅方向とは記録材搬送方向である。31はフィルム36を含むフィルムアセンブリ、32は加圧部材としての加圧ローラである。加圧ローラ32は、図3(a)に示すように、芯金32aと、芯金32aの周りに同心一体にローラ状に形成した、シリコーンゴムやフッ素ゴム等からなる弾性層32bからなる。更に、その上に、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等の離型性層32cを形成している。実施例1では、ステンレス鋼製の外径11mmの芯金32a上に射出成形により厚み約3.5mmのシリコーンゴム層32bを形成し、その上に厚み約40μmのPFAチューブ32cを被覆した加圧ローラ32を用いた。加圧ローラ32の外径は18mmである。この加圧ローラ32は図2に示すように、芯金32aの長手方向両端で、それぞれ軸受部材35を介して装置フレーム側板34間に回転自在に支持させて配設してある。Gは加圧ローラ芯金32aの一端部に固着した駆動ギアである。
フィルムアセンブリ31は、フィルム36、ヒータ38、ガイド部材37、加圧ステイ39、及び、規制部材40を有する。
フィルム36は筒状のもので、図3(b)に示すように、内面側から外面側に向かって、耐熱樹脂から成る基層36a、弾性層36b、離型層36cを有する。実施例1では基層36aとして、筒状に形成した厚み45μmのポリイミドの基材を用いている。基層36aの上には、弾性層36bとして厚み約150μmのシリコーンゴム層を形成し、その上に離型層36cとして厚み15μmのPFAチューブを被覆した。実施例1では、フィルム36は内径18mmのものを用いている。
ニップ形成部材としてのヒータ38は、フィルム36の内面と接触してフィルム36を加熱し、フィルム36を介して加圧ローラ32と共にニップ部Nを形成する。ヒータ38の基板は、アルミナ又はチッ化アルミ等の高絶縁性且つ良熱伝導性のセラミックス基板や、ポリイミド、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、又は、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂基板が用いられる。そして、その基板の表面に長手に沿って、例えば、銀パラジウム等の通電発熱抵抗体層をスクリーン印刷等により、線状もしくは細帯状に形成されている。ヒータ38は不図示の給電部から通電発熱抵抗体層に電力が供給されることにより昇温する。そしてヒータ温度が不図示の温度センサにより検知され、不図示の制御部により目標温度に温調維持されるように給電部から通電発熱抵抗体層への電力供給が制御される。
ガイド部材37は図1に示すように、横断面略半円状樋型で、剛性・耐熱性・断熱性を有する部材であり、液晶ポリマー等により形成されている。ヒータ38はガイド部材37の加圧ローラ32に対向する側にガイド部材の長手方向に沿って配設されている。
加圧ステイ39はフィルム36の母線方向に垂直な断面でU字型の断面形状を有し、ガイド部材の長手方向に長い部材で、ガイド部材を補強するものである。実施例1では、加圧ステイ39の材料としてステンレス鋼を用いている。
以上、前述したフィルムアセンブリ31を、図1のように、ヒータ38側が加圧ローラ32に対向するように、加圧ローラに対して加圧バネ42で押圧する。
そして、加圧ローラ32の駆動ギアGに不図示の駆動機構部から回転力が伝達されて加圧ローラ32が図1において時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ32の回転駆動によってニップ部Nにおいて加圧ローラ32とフィルム36との間に摩擦力が働き、フィルム36が回転する。
フィルム36が回転して、ヒータ38の温度が目標温度に到達し温調された状態において、ニップ部Nに記録材Pが突入するようにする。
ニップ部Nにおいて未定着トナー像tを担持した記録材Pが搬送されながら加熱され、記録材P上のトナー像tは記録材P上に定着される。ニップ部Nを通過した記録材Pはフィルム36の面から曲率分離して排出し、不図示の排紙ローラ対により搬送される。
次に、実施例1に係る規制部材40について説明する。 図4(a)は、実施例1に係るフィルムアセンブリ31のフィルムの母線方向に垂直な断面図(右図)、及び、A−A断面図(左図)である。図4(b)は実施例1に係るフィルムアセンブリ31のフィルムの母線方向に垂直な断面図(右図)、及び、B−B断面図(左図)である。
規制部材40は、第1の規制面としてのフィルム内周規制面40cと、第2の規制面としてのフィルム端部規制面40dを有し、フィルムの寄りが発生した際にフィルム36の位置を規制するためのものである。
ここで、フィルムの寄りの発生メカニズムについて説明する。通常の定着動作時において、加圧ローラ32の軸方向とフィルム36の母線方向は、完全な平行になるとは限らず、製造上の公差で交差角を持つ場合がある。また、加圧ローラ32の軸方向とフィルム36の母線方向が平行であったとしても、加圧バネ42による加圧力の左右差により、従動回転するフィルム36の送り速度に左右差が生じる場合もある。このような場合、フィルム36が回転駆動される時に、フィルム36にフィルムのラジアル方向、及び、フィルムの母線方向へ移動させる力(以後、フィルムの寄り力と記する)が働き、フィルムの寄りが発生する。また、通常の定着動作時以外にも、ニップ部Nに記録材を挟持した状態でジャムが発生した際に、ユーザが記録材を記録材搬送方向に対して角度を持った方向に引き抜いた場合にも、フィルムの寄りは発生する。
このようなフィルムの寄りが発生した際に、フィルム内周規制面40cは、フィルム36の端部内周面と接触しフィルム36のラジアル方向の移動を規制する。フィルム内周規制面40cは、ニップ部Nに近い部分を切欠いた筒状で、その外径はフィルム36の端部内周面の内径より僅かに小さい。フィルム内周規制面40cのフィルム36の母線方向に垂直な断面形状は、フィルム36がニップ部でヒータ38と加圧ローラ32に挟持されて加圧された時の形状に近いものにしている。
実施例1では、フィルム内周規制面40cの外径Aとフィルム36の端部内周面の内径Dを次式(1)を満たすように設定する。
1.00<D/A<1.07 ・・・式(1)
尚、実施例1ではD/A=1.035としている。規制部材40のフィルム内周規制面40cの外径は17.4mmであり、フィルム端部内周面の内径は18.0mmである。
式(1)を満たすことで、フィルム36の端部内周面とフィルム内周規制面40cのラジアル方向の間隔を小さくして、フィルム内周規制面40cがフィルム36の内周面のバックアップとして機能しやすいようにしている。
次に、実施例1の特徴であるフィルム端部規制面40dについて説明する。フィルム端部規制面40dは、フィルムの寄りが発生した際に、フィルム36の母線方向にフィルム36が移動することを規制する規制面である。フィルム端部規制面40dはニップ部付近を除いた部分で構成される。その理由は、フィルム36はニップ部Nによって強く拘束されるため柔軟性がなく、ニップ部付近で寄り力を受けてしまうと局部的な変形応力が発生し、フィルム端部破壊が発生しやすくなるためである。
実施例1の特徴的な構成であるフィルム端部規制面40dは、凹形状の曲面である。前述したようにフィルム36はフィルム内周規制面40cによってラジアル方向の移動範囲が制限されており、少なくともこの時のフィルムの母線方向の端面の移動範囲に対向するフィルム端部規制面40dの領域は凹形状の曲面とする。
その凹形状の曲面は、フィルム36の母線方向に垂直な任意の断面上においては、円弧で表される。その円弧の半径がフィルム36の母線方向のフィルム36側に向かう程大きくなり、その半径の変化率がフィルム36の母線方向のフィルム側に向かう程小さくなる曲面である。
実施例1に係るフィルム端部規制面40dの具体的な形状について説明する。図11に、フィルム36と規制部材40のニップ部Nに平行な断面で、フィルム端部がフィルム端部規制面40dに接触している部分の拡大図を示す。図11において、y方向がフィルム36のラジアル方向である。フィルム端部規制面40dは、この断面上で短軸半径2mm及び長軸半径4mmの楕円の一部(x/2+y/4=1 x≧0,y≧0)を含むラインになる曲面である。
実施例1の作用効果について比較例と対比して説明する。比較例のうち実施例1と異なるのは、規制部材401のフィルム端部規制面401dの形状のみである。その他の構成については同じであるので説明を省略する。
フィルムアセンブリ32の加圧方向でフィルム36を2等分した比較例の規制部材401とフィルム36の断面図を図5及び図6に示す。比較例のフィルム端部規制面401dは、ラジアル方向に直線的な斜面を有した面である。フィルム36はフィルム内周規制面401cによってラジアル方向の移動範囲が制限されており、少なくともこの時の前記フィルムの母線方向の端面の移動範囲に対向するフィルム端部規制面401dの領域は上記のラジアル方向に直線的な斜面を有した面とする。
上記のラジアル方向に直線的な斜面を有した面も、フィルム36の母線方向に垂直な任意の断面上においては、円弧で表される。その円弧の半径がフィルム36の母線方向のフィルム36側に向かう程大きくなり、その半径の変化率がフィルム36の母線方向のフィルム36側に向かう方向で一定である。
図7に、フィルムの寄り力Fがフィルム36に加わり、フィルム端部がフィルム端部規制面401d上の任意の接触ポイントで接触した場合の力のつり合いを表した図を示し、詳細に説明する。
上記の斜面形状の斜面とフィルム36の母線方向の端面を含む仮想面の交わる角度をθ1とする。そうすると、フィルムの寄り力Fは、フィルム端部規制面401dに垂直な方向の分力(Fcosθ1)と、フィルム端部規制面401dに平行な方向の分力(Fsinθ1)と、に分解できる。フィルム端部規制面401dに垂直な方向の分力(Fcosθ1)は、フィルム端部規制面401dの垂直抗力と釣り合う。フィルム端部規制面401dに平行な方向の分力Fsinθ1は、更に、フィルム36の母線方向の力と、フィルムの母線方向に直交する方向の分力(1/2Fsin2θ1)と、に分解できる。このフィルムの母線方向に直交する方向の分力(1/2Fsin2θ1)は、フィルム端部をフィルム内周規制面40c側に曲げる方向の力(以後、内向きの力Fr1と記す)となる。比較例では、θ1はフィルム36のラジアル方向で一定である。従って、比較例においては、フィルム端部に加わる内向きの力Fr1(=1/2Fsin2θ1)は、フィルムの寄り力F、及び、角度θ1が同じであれば、フィルム36のラジアル方向で接触ポイントに限らず一定となる。また、内向きの力Fr1は、寄り力Fが同じであっても、角度θ1を調整することで、調整可能である。
続いて、実施例1の規制部材40を用いた際に、フィルム端部に加わる内向きの力ついて説明する。フィルムの寄り力Fがフィルム36に加わり、フィルム端部がフィルム端部規制面40dに接触ポイントP2で接触した時の力のつりあいを表した断面図を図9(a)に示す。接触ポイントP2におけるフィルム端部規制面40dの接線と、フィルム36の母線方向の端面を含む仮想面を上記の断面図に投影した線と、が交差する角度をθ2とする。接触ポイントP2におけるフィルム端部規制面40dフィルムの寄り力Fは、フィルム端部規制面40dの接触ポイントP2における接線に垂直な方向の分力(Fcosθ2)と、フィルム端部規制面40dに平行な方向の分力(Fsinθ2)と、に分解できる。フィルム端部規制面40dに垂直な方向の分力(Fcosθ2)は、フィルム端部規制面40dの垂直抗力と釣り合う。更に、フィルムの斜面に平行な方向の分力(Fsinθ2)は、フィルム36の母線方向の分力と、フィルムの母線方向に直交する方向の分力(1/2Fsin2θ2)と、に分解することができる。このフィルムの母線方向に直交する方向の分力(1/2Fsin2θ2)が内向きの力Fr2となる。
次に、フィルム端部がフィルム端部規制面40dに接触する接触ポイントがP2よりもラジアル方向にずれたP3である場合の内向きの力Fr3について、図9(b)を用いて説明する。接触ポイントP3におけるフィルム端部規制面40dの接線と、フィルム36の母線方向の端面を含む仮想面を上記の断面図に投影した線と、がなす角度をθ3とする。寄り力Fと上記の角度θ3を用いて、接触ポイントP3における内向きの力Fr3は、1/2Fsin3θ3と表すことができる。θ3>θ2であることから、Fr3>Fr2となる。つまり、実施例1におけるフィルム端部に加わる内向きの力は、ラジアル方向に向かう程大きくなることがわかる(ただし、0<θ<45°)。
次に、図10を用いて、実施例1及び比較例のフィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量と、内向きの力の大きさと、の関係について比較する。上記の基準位置について、フィルムの端部及びフィルム内周規制面40c(401c)の位置関係をフィルム36の母線方向から見た図で表した図12を用いて説明する。基準位置とは、図12において、フィルム36の端部内周面と、規制部材40のフィルム内周規制面40c(401c)と、のラジアル方向の間隔(ΔR)が任意のラジアル方向で等しいフィルム端部の位置を指す。
図10のグラフの横軸はフィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量であり、縦軸は内向きの力である。フィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量は、フィルム36自身のラジアル方向の移動以外にも、フィルム端部がラッパ状に開く又は内側に折れるなどの局所的な変形によるものも含まれる。前述したように、フィルム36のラジアル方向の移動範囲は、フィルム内周規制面40cに制限されている。その制限された移動範囲において、フィルム36の端部が基準位置からラジアル方向に移動できる最大移動量をR1とする(ただし、フィルム端部の変形による移動は含まない)。そのR1は、フィルム内周規制面40c(401c)の外径とフィルム36の端部内周面の内径と、の差分の半分にほぼ一致する。フィルム端部がラジアル方向にR1移動した時のフィルム内周規制面40c(401c)との位置関係は、図12に示した通りである。
比較例の場合、フィルム端部が受ける内向きの力Fr1の大きさは、フィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量が0〜R1の間においても一定値Fとなる。
次に、この内向きの力の大きさFについて説明する。フィルム36自身がラジアル方向に移動せずにフィルム端部が破損に至ることなくラジアル方向に最大限にラッパ状に広がった状態(図5(c))におけるフィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量をR2とする。フィルム端部がラジアル方向にR2移動した時のフィルム内周規制面40c(401c)との位置関係は、図12に示した通りである。内向きの力の大きさFは、フィルム端部のラジアル方向における基準位置からの移動量がR2に達した際に、フィルム端部が更にラッパ状に広がってフィルム端部破損に至らないように抑えることが可能な大きさに設定されている。
比較例では、フィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量が0の場合(図5(a)及び図12)、フィルム端部は、大きさFの内向きの力が加えられても、フィルム内周規制面401cがバックアップとして機能して折れ曲がらない(図6(a))。
しかしながら、例えば、図5(b)及び図12に示すように、フィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量がR1に達すると、フィルム端部内周面と、フィルム内周規制面401cと、のラジアル方向の間隔が大きくなる部分が生じることになる。この部分は、フィルム内周規制面401cのバックアップとしての機能は働きにくい。そうなると、上記の内向きの力(大きさF)が、フィルム端部がフィルム自身の曲げ剛性で曲がらずに維持できる力の最大値Fを超えていると、図6(b)のようにフィルム端部がフィルム内周規制面401c側に折れ曲がるという課題が発生する可能性がある。
将来的にフィルムが薄肉化が進むと、フィルム36自身の曲げ剛性はますます小さくなるので、上記の課題が発生する可能性は大きくなる。
一方、実施例1における内向きの力は、図10に示すように、フィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量が大きくなる程、大きくなる。更に、内向きの力が大きくなる割合は、フィルム36のラジアル方向に向かう程大きくなる。
図8に、実施例1に係るフィルム36と規制部材40の位置関係を、ニップ部Nに平行な断面で示す。図8(a)はフィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量が0の場合で、図8(b)がフィルム端部の基準位置からの移動量がR1の場合である。また、図8(c)は、フィルムの寄り力によって、フィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量がR2で、フィルム端部がラッパ状に開いた状態を表した図である。つまり、実施例1では、図10に示すように、フィルム端部の基準位置からのラジアル方向の移動量がR1までは、内向きの力の大きさをF以下に抑え、上記の移動量がR2に達した時は内向きの力の大きさをFに設定することができる。このように、実施例1は、フィルム端部の状態に応じた内向きの力に設定できる。
従って、実施例1は、フィルム端部に内向きの力を作用させることによってフィルム端部がラジアル方向にラッパ状に広がって破損することを抑制しつつ、その内向きの力によってフィルム端部が内向きに折り曲げられることを抑制する効果がある。
尚、実施例1では、ニップ形成手段としてヒータを用いたものの、これに限らない。例えば、ニップ形成手段をフィルムの回転によってフィルム内面と摺動する摺動板として、その摺動板又はフィルムを熱源で加熱する構成でも良い。
フィルム端部規制面40dは、凹形状の曲面であれば、実施例1のようなニップ部に平行な断面上で楕円の一部を含むラインとなる曲面に限定されない。例えば、上記の断面上で円弧や指数関数で表されるラインとなる曲面でも良い。
(実施例2)
実施例2に係る定着装置について説明する。図13(a)は実施例2に係るフィルムアセンブリ32のフィルムの母線方向に垂直な断面図(右図)、及び、C−C断面図(左図)である。また、図13(b)は実施例2に係るフィルムアセンブリのフィルムの母線方向に垂直な断面図(右図)、及び、D−D断面図(左図)である。
実施例2は、実施例1に対して規制部材50の第2の規制面としてのフィルム端部規制面50dの形状のみが異なる。その他の構成は実施例1と同じであるので説明を省略する。
フィルム36はニップ部Nで強く拘束されているので、フィルム36は、フィルム36のラジアル方向のうちフィルムアセンブリ32の加圧方向に関しては動きの自由度が少ない。従って、フィルム36のフィルム回転方向でニップ部Nの反対側の部分のフィルム36の母線方向の端部は、そこに加わる内向きの力が大きいと折れ曲がって破損してしまう場合がある。
実施例2の特徴的な構成であるフィルム端部規制面50dについて説明する。実施例2においてもフィルム36がフィルム内周規制面50cによってラジアル方向の移動範囲が制限されている。また、少なくともこの時のフィルム36の母線方向の端面の移動範囲に対向するフィルム端部規制面50dの領域は凹形状の曲面であることは実施例1と同じである。これに加えて、フィルム36の回転方向でフィルム36のニップ部Nで挟持される部分の反対側の部分のフィルム36の母線方向の端面に対向するフィルム端部規制面50dの第1の領域は、その曲面のうち第1の領域を除いた第2の領域よりも曲率が小さい。
実施例2におけるフィルム端部規制面50dの第1の領域の具体的な形状について説明する。図13(a)(b)のフィルム回転方向でニップ部Nの反対側の第1の領域Eのラジアル方向の断面(例えば、C−C断面)上で短軸半径2mm及び長軸半径6mmの楕円の一部(x/2+y/6=1 x≧0,y≧0)を含むラインとなる曲面にする。次に、フィルム端部規制面50dのその他の領域(第2の領域)の具体的な形状について説明する。第2の領域は、第1の領域Eの端から円周方向に滑らかに連続し、ラジアル方向の断面(例えばD−D断面)上で、短軸半径2mm及び長軸半径4mmの一部(x/2+y/4=1 x≧0,y≧0)を含むラインとなる曲面にする。短軸の半径2mm及び長軸の半径6mmの楕円は、軸半径2mm及び長軸半径4mmの楕円よりも曲率が小さい。従って、上記の曲面におけるラジアル方向の曲率も小さいので、フィルム端部に加わる内向きの力も小さくなる。
実施例2は、フィルム回転方向でフィルム端部のラジアル方向の動きの自由度が少ないニップ部の反対側の領域で、フィルム端部に加わる内向きの力をその他の領域よりも小さくして、フィルム端部破損に対して有利な構成にすることができる。
18 定着装置
31 フィルムアセンブリ
32 加圧ローラ
36 フィルム、
37 ガイド部材、
38 ヒータ、
39 加圧ステイ
40 実施例1の規制部材、
40c 実施例1のフィルム内周規制面
40d 実施例1のフィルム端部規制面
42 加圧バネ
401 比較例の規制部材
401c 比較例のフィルム内周規制面
401d 比較例のフィルム端部規制面
50c 実施例2のフィルム内周規制面
50d 実施例2のフィルム端部規制面

Claims (6)

  1. 筒状のフィルムと、
    前記フィルムの内面に接触するニップ形成部材と、
    前記フィルムを介して前記ニップ形成部材と共にニップ部を形成する加圧部材と、
    前記フィルムが前記フィルムの母線方向に移動したときに前記フィルムの前記母線方向の端面が接触し前記フィルムの前記母線方向の移動を規制する規制面を有する規制部材と、
    を有し、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し、記録材に前記トナー像を定着する定着装置において、
    前記規制面は凹形状の曲面領域を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記曲面領域は、前記フィルムのラジアル方向において外側に向かう程、曲率が大きくなることを特徴とする請求項1に記載の定着装置
  3. 前記曲面領域において、前記フィルムの回転方向に関し前記ニップ部から遠い第1の領域は、前記第1の領域によりも前記ニップ部に近い第2の領域よりも曲率が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置
  4. 前記規制部材は、前記フィルムの前記フィルムの母線方向における端部の内面に対向する対向面を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置
  5. 前記ニップ形成部材は、ヒータであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の定着装置。
  6. 筒状のフィルムと、
    前記フィルムの内面に接触するニップ形成部材と、
    前記フィルムを介して前記ニップ形成部材と共にニップ部を形成する加圧部材と、
    前記フィルムが前記フィルムの母線方向に移動したときに前記フィルムの前記母線方向の端面が接触し前記フィルムの前記母線方向の移動を規制する規制面を有する規制部材と、
    を有し、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し、記録材に前記トナー像を定着する定着装置において、
    前記規制面は、前記フィルムの前記端面が前記規制面に接触するときに、前記端面が接触する位置が前記フィルムのラジアル方向において外側である程、前記端面が前記規制面から受ける力であって前記端面を前記フィルムのラジアル方向の内側に曲げる方向の力が大きくなるように形成された領域を有することを特徴とする定着装置。
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