JP5954495B2 - 固体電解質形燃料電池 - Google Patents
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Description
本発明は、一般的には固体電解質形燃料電池に関し、特にアノードガスとカソードガスの流通路を形成するためのガス流通路壁部(リブ)を有する固体電解質形燃料電池に関するものである。
一般的に、平板型の固体電解質形燃料電池(固体酸化物燃料電池(SOFC)ともいう)は、各々がアノード(負極)、固体電解質およびカソード(正極)からなる発電要素としての平板状の複数のセルと、複数のセルの間に配置されるセパレータ(インタコネクタともいう)とから構成される。セパレータは、複数のセルを相互に電気的に直列に接続し、かつ、複数のセルの各々に供給されるガスを分離するために、具体的にはアノードに供給されるアノードガスとしての燃料ガス(たとえば水素)と、カソードに供給されるカソードガスとしての酸化剤ガス(たとえば空気)とを分離するために複数のセルの間に配置される。
たとえば、国際公開第2008/044429号(以下、特許文献1という)には、固体電解質形燃料電池の構造が開示されている。
特許文献1に開示された固体電解質形燃料電池は、各々が燃料極層(アノード層)、固体電解質層および空気極層(カソード層)からなる複数のセル(発電素子部)の間に配置されるセル間分離部と、各セルに燃料ガスを供給するための燃料ガス通路、および、各セルに空気を供給するための空気通路を有するガス通路構造部とを備える。セル間分離部とガス通路構造部とセルとが一体的に形成されている。マニホールドの機能を果たすガス通路構造部の本体が、セパレータの機能を果たすセル間分離部を形成する電気絶縁体からなり、セル間分離部を形成する電気絶縁体に連続して形成されているので、セパレータとマニホールドの二つの機能を果たす部分が連続して形成されている。
特許文献1に開示された固体電解質形燃料電池では、明示されていないが、セル間分離部と燃料極層(アノード層)との間には燃料ガス(アノードガス)を燃料極層に供給するための複数のアノードガス流通路と、セル間分離部と空気極層(カソード層)との間には空気(カソードガス)を空気極層に供給するための複数のカソードガス流通路とが形成されている。複数のアノードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて複数のアノードガス流通路壁部(リブ)が形成され、複数のカソードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて複数のカソードガス流通路壁部(リブ)が形成されている。リブには、セルで発生した電力を取り出すために導電部が形成されている。
固体電解質形燃料電池は、燃料極層、固体電解質層および空気極層が積層されたセルと、セル間分離部とにより構成される。そして、それぞれの層を構成するグリーンシートが積層された成形体を一体焼成することにより、固体電解質形燃料電池が製造される。この成形体を焼成すると、各層の温度が上昇することにより、各層が熱膨張し、その後、焼結によって大きく収縮する。焼成が終了すると、常温まで温度が低くなるにつれて、得られた焼成体が冷却されることによって、さらに各層がそれぞれ収縮する。この一連の収縮の挙動において、各層のセラミックスの収縮率が異なるため、室温に冷却された後に、セルの層に反りまたはうねりが生じる。その反りまたはうねりの程度によっては、互いに密着されるべき上層と下層との間で剥離または分離が生じたり、クラックが発生する。この場合、特に複数のセラミックス層を3層積層したセルの収縮挙動が複雑となり、セルと接触するリブの収縮挙動と異なってくるので、セルとリブとの間で剥離または分離が生じたり、クラックが発生する。これにより、セルとリブの間で接続不良が起こるという問題がある。その結果、セルとリブとの間に隙間が形成されて、リブに形成された導電部を通じて効率よく集電することができないので、出力電圧が低下する。
そこで、本発明の目的は、発電素子部とガス流通路壁部との間の接続不良を防止することが可能な固体電解質形燃料電池を提供することである。
本発明に従った固体電解質形燃料電池は、セルと、アノードガス流通路層と、カソードガス流通路層と、支持層とを備える。セルは、アノード層、固体電解質層およびカソード層の積層体からなる。アノードガス流通路層は、セルの外側でアノード層に積層され、かつ、アノード層にアノードガスを供給する複数のアノードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて形成される複数のアノードガス流通路壁部を有する。カソードガス流通路層は、セルの外側でカソード層に積層され、かつ、カソード層にカソードガスを供給する複数のカソードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて形成される複数のカソードガス流通路壁部を有する。支持層は、アノードガス流通路層とアノード層との間、および、カソードガス流通路層とカソード層との間の少なくともいずれか一方に配置され、かつ、互いに間隔をあけて形成される複数の支持壁部を有する。支持層がアノードガス流通路層とアノード層との間に配置される場合には、複数の支持壁部が複数のカソードガス流通路の位置に整合するように支持層が積層されている。支持層がカソードガス流通路層とカソード層との間に配置される場合には、複数の支持壁部が複数のアノードガス流通路の位置に整合するように支持層が積層されている。
本発明の固体電解質形燃料電池においては、複数のアノードガス流通路壁部(リブ)を有するアノードガス流通路層とアノード層との間、および、複数のカソードガス流通路壁部(リブ)を有するカソードガス流通路層とカソード層との間の少なくともいずれか一方に、所定のガス流通路の位置に整合する複数の支持壁部を有する支持層が配置されている。このようにセル(発電素子部)を構成する層とリブを有するガス流通路層との間の少なくともいずれか一方に支持層が介在している。したがって、セルを構成する層とリブを有する層との間の少なくともいずれか一方では、支持層が介在することにより、セルを構成する層がリブを有する層に拘束されない箇所が存在する。このため、焼成から冷却までの一連の収縮の挙動において、セルの層に反りまたはうねりが生じても、セルとリブとの間で剥離または分離が生じたり、クラックが発生することを防止することができる。これにより、セルとリブとの間で接続不良が起こることを防止することができるので、リブに形成される導電部を通じて効率よく集電することができ、出力電圧の低下を抑制することができる。
本発明の固体電解質形燃料電池において、アノードガス流通路壁部、カソードガス流通路壁部、および、支持壁部は、同一の材料から形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、アノードガス流通路壁部またはカソードガス流通路壁部とセルとの接続と同様にして、支持壁部とセルとを接続することができる。
支持壁部の積層方向の厚みが大きいほど、支持壁部がセルを拘束することができるので、セルとリブとの間で剥離または分離が生じることを防止するのに有効であるが、アノードガス流通路壁部またはカソードガス流通路壁部とセルとが離れることになるので、セルへのガスの供給効率が低下する。これにより、支持壁部の積層方向の厚みは、アノードガス流通路壁部またはカソードガス流通路壁部の積層方向の厚み以下であることが好ましい。支持壁部の積層方向の厚みは、アノードガス流通路壁部またはカソードガス流通路壁部の積層方向の厚みの1/2以下であることがさらに好ましい。
本発明の固体電解質形燃料電池は、複数のセルを含む電池構造部と、複数のセルの間に配置されるセル間分離部と、複数のアノードガス流通路にアノードガスを供給するアノードガス供給流路と、複数のカソードガス流通路にカソードガスを供給するカソードガス供給流路とを有するガス供給流路構造部とを備えていることが好ましい。この場合、セル間分離部は、アノードガス流通路層と、カソードガス流通路層と、支持層とを含み、電池構造部、セル間分離部、および、ガス供給流路構造部が一体的に形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、セパレータとマニホールドの二つの機能を果たす部分を連続して形成することができる。
本発明によれば、セルとリブの間で接続不良が起こることを防止することができるので、リブに形成される導電部を通じて効率よく集電することができ、出力電圧の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一つの実施の形態として固体電解質形燃料電池の単位モジュール1の概略的な構成を示す分解斜視図であり、焼成前の積層された成形体(グリーンシート)を分解して示す。
図1に示すように、下から順に、セル間分離部20、支持層40、セル10、および、セル間分離部20が積層されることにより、固体電解質形燃料電池の単位モジュール1が構成されている。単一のセル10を挟むように二つのセル間分離部20が配置されている。図1の単位モジュールを複数備えることによって構成される固体電解質形燃料電池では、セル間分離部20が複数のセル10の間に配置される。
セル10の一方側(図1では上側)に接触するように一つのセル間分離部20が配置され、セル10の他方側(図1では下側)に支持層40を介在させてもう一つのセル間分離部20が配置されている。セル10の一方側(図1では上側)に支持層40を介在させて一つのセル間分離部20が配置され、セル10の他方側(図1では下側)に接触するようにもう一つのセル間分離部20が配置されてもよい。セル10の一方側(図1では上側)に支持層40を介在させて一つのセル間分離部20が配置され、セル10の他方側(図1では下側)にも支持層40を介在させてもう一つのセル間分離部20が配置されてもよい。
セル10は、アノード層としての燃料極層11、固体電解質層12、および、カソード層としての空気極層13の積層体からなる。セル10の空気極層13側に配置されるセル間分離部20は、セパレータ21と、カソードガス流通路層としての空気流通路層23との積層体からなる。セル10の燃料極層11側に配置されるセル間分離部20は、セパレータ21と、アノードガス流通路層としての燃料ガス流通路層22との積層体からなる。
セル間分離部20、支持層40、セル10、および、セル間分離部20の積層体には、セル10にアノードガス(燃料ガス)とカソードガス(空気)を供給するためのガス供給流路構造部30が形成されている。ガス供給流路構造部30は、燃料極層11にアノードガス(燃料ガス)を供給するためのアノードガス供給流路としての燃料ガス供給流路31と、空気極層13にカソードガス(空気)を供給するためのカソードガス供給流路としての空気供給流路32とから構成される。
セル10の燃料極層11が配置される箇所では、燃料ガス供給流路31が、U字形平板状の電気絶縁体110に矩形平板状の燃料極層11を嵌めることによって電気絶縁体110と燃料極層11との間に形成される隙間に相当し、一方向に延在する開口、すなわち、一つの細長い矩形状の貫通孔で形成されている。電気絶縁体110には、空気供給流路32が、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
セル10の空気極層13が配置される箇所では、空気供給流路32が、U字形平板状の電気絶縁体130に矩形平板状の空気極層13を嵌めることによって電気絶縁体130と空気極層13との間に形成される隙間に相当し、一方向に延在する開口、すなわち、一つの細長い矩形状の貫通孔で形成されている。電気絶縁体130には、燃料ガス供給流路31が、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
固体電解質層12には、燃料ガス供給流路31と空気供給流路32のそれぞれが、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
セパレータ21には、燃料ガス供給流路31と空気供給流路32のそれぞれが、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
燃料ガス流通路層22の焼成前のグリーンシートは、互い違いに並んだ複数の燃料ガス流通路形成層(アノードガス流通路形成層)2210と燃料ガス流通路壁部(アノードガス流通路壁部;リブ)222とをU字形平板状の電気絶縁体220に嵌めることによって形成されている。燃料ガス供給流路31が、電気絶縁体220と、複数の燃料ガス流通路形成層2210および燃料ガス流通路壁部222との間に形成される隙間に相当し、一方向に延在する開口、すなわち、一つの細長い矩形状の貫通孔で形成されている。燃料ガス流通路形成層2210は、焼成後において消失することによって、燃料極層11に燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路31に通じ、かつ、燃料極層11に燃料ガスを流通させる燃料ガス流通路(アノードガス流通路)221(図3参照)になる。電気絶縁体220には、空気供給流路32が、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
空気流通路層23の焼成前のグリーンシートは、互い違いに並んだ複数の空気流通路形成層(カソードガス流通路形成層)2310と空気流通路壁部(カソードガス流通路壁部;リブ)232とをU字形平板状の電気絶縁体230に嵌めることによって形成されている。空気供給流路32が、電気絶縁体230と、複数の空気流通路形成層2310および空気流通路壁部232との間に形成される隙間に相当し、一方向に延在する開口、すなわち、一つの細長い矩形状の貫通孔で形成されている。空気流通路形成層2310は、焼成後において消失することによって、空気極層13に空気を供給する空気供給流路32に通じ、かつ、空気極層13に空気を流通させる空気流通路(カソードガス流通路)231(図3参照)になる。電気絶縁体230には、燃料ガス供給流路31が、一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
この実施形態では、支持層40が燃料ガス流通路層22と燃料極層11との間に配置されている。支持層40の焼成前のグリーンシートは、平板状の電気絶縁体400内に複数のガス流通路形成層4010を配置することによって形成されている。ガス流通路形成層4010は、焼成後において消失することによって、この実施形態では、燃料極層11に燃料ガスを流通させる燃料ガス流通路221(図3参照)に通じるガス流通路401(図3参照)になり、複数のガス流通路401の間に支持壁部402が形成される。複数の支持壁部402は互いに間隔をあけて配置されている。電気絶縁体400には、燃料ガス供給流路31が一方向に延在する開口、すなわち、一つの細長い矩形状の貫通孔で形成され、空気ガス供給流路32が一方向に間隔をあけて配置された複数の開口、すなわち、複数の円形状の貫通孔で形成されている。
図2と図3は、本発明の一つの実施形態として燃料ガス流通路壁部222、空気流通路壁部232および支持壁部402の配置を示す平面図と斜視図である。
図1に示すように支持層40が燃料ガス流通路層22と燃料極層11との間に配置される場合には、図2と図3に示すように複数の支持壁部402が空気流通路層23内の複数の空気流通路231の位置に整合するように形成され、支持層40が積層されている。
なお、支持層40が空気流通路層23と空気極層13との間に配置される場合には、複数の支持壁部402が燃料ガス流通路層22内の複数の燃料ガス流通路221の位置に整合するように形成され、支持層40が積層される。
図4の(A)、(B)、(C)および(D)は、図2のA−A線、B−B線、C−C線およびD−D線における切断部端面図である。
図1、図2および図4に示すように、セル10で発生した電力を取り出すために、かつ、複数のセル10を相互に電気的に接続するために電気導電体211、223、233、403が配置されている。電気導電体211は、セパレータ21の本体を構成する電気絶縁体210内に形成された複数のビアホールに充填されている。電気導電体223は、燃料ガス流通路壁部222内に形成された複数のビアホールに充填されている。電気導電体233は、空気流通路壁部232内に形成された複数のビアホールに充填されている。電気導電体403は、支持壁部402内に形成された複数のビアホールに充填されている。上記の場合、燃料ガス流通路壁部222、空気流通路壁部232、および、支持壁部402は、たとえば、電気絶縁性のセラミック材料から形成され、セパレータ21の本体を構成する電気絶縁体210、燃料ガス流通路層22を構成する電気絶縁体220、空気流通路層23を構成する電気絶縁体230、および、支持層40を構成する電気絶縁体400と同一の材料から形成されるのが好ましい。このように構成することによって、焼成によって一体的に連続して形成することができる。
なお、燃料ガス流通路壁部222、空気流通路壁部232、および、支持壁部402は、機能的には導電性を有する必要があるため、電気導電体を充填するビアホールを形成しないで、導電性のセラミックスから形成されてもよい。
燃料ガス流通路壁部222、空気流通路壁部232、および、支持壁部402は、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア、希土類元素がドープされたセリア、希土類元素がドープされたランタンガレート等の電解質材料;アルカリ土類金属元素がドープされたランタンクロマイト、希土類元素,ニオブまたはタンタルがドープされたチタン酸ストロンチウム、ランタンフェレート、アルミニウムで置換されたランタンフェレート等の導電性のセラミック材料;アルミナ、マグネシア、チタン酸ストロンチウム、これらの混合材料等の電気絶縁性のセラミック材料などによって形成することができる。支持壁部402を形成する材料は、燃料ガス流通路壁部222と空気流通路壁部232を形成する材料と同じであることが好ましい。支持壁部402を形成する材料と、燃料ガス流通路壁部222と空気流通路壁部232を形成する材料とが異なる材料で、導電性のセラミック材料と電気絶縁性のセラミック材料との組み合わせであるとき、相互拡散により、燃料ガス流通路壁部222、空気流通路壁部232、および、支持壁部402の導電性が損なわれる場合がある。希土類元素がドープされたセリアは化学的に安定であるので、多くの他の材料と組み合わせて用いることができる。
図1〜図4に示すように、本発明の実施形態では、要約すれば、燃料ガス流通路層22は、セル10の外側で燃料極層11に積層され、かつ、燃料極層11に燃料ガスを供給する複数の燃料ガス流通路221の各々を互いに分離するように間隔をあけて形成される複数の燃料ガス流通路壁部222を有する。空気流通路層23は、セル10の外側で空気極層13に積層され、かつ、空気極層13に空気を供給する複数の空気流通路231の各々を互いに分離するように間隔をあけて形成される複数の空気流通路壁部232を有する。支持層40は、燃料ガス流通路層22と燃料極層11との間に配置され、かつ、互いに間隔をあけて形成される複数の支持壁部402を有する。複数の支持壁部402が複数の空気流通路231の位置に整合するように支持層40が積層されている。複数の燃料ガス流通路壁部(リブ)222を有する燃料ガス流通路層22とセル10(燃料極層11)との間に、空気流通路231の位置に整合する複数の支持壁部402を有する支持層40が配置されている。このようにセル(発電素子部)10を構成する燃料極層11と燃料ガス流通路壁部(リブ)222を有する燃料ガス流通路層22との間に支持層40が介在している。したがって、セル10を構成する燃料極層11と燃料ガス流通路壁部(リブ)222を有する燃料ガス流通路層22との間では、支持層40が介在することにより、セル10を構成する燃料極層11が燃料ガス流通路壁部(リブ)222を有する燃料ガス流通路層22に拘束されない箇所が存在する。このため、焼成から冷却までの一連の収縮の挙動において、セル10の層に反りまたはうねりが生じても、セル10と燃料ガス流通路壁部(リブ)222または空気流通路壁部(リブ)232との間で剥離または分離が生じたり、クラックが発生することを防止することができる。これにより、セル10と燃料ガス流通路壁部(リブ)222または空気流通路壁部(リブ)232との間で接続不良が起こることを防止することができるので、燃料ガス流通路壁部(リブ)222に形成される電気導電体223と空気流通路壁部(リブ)232に形成される電気導電体233とを通じて効率よく集電することができ、出力電圧の低下を抑制することができる。
図5は、図4においてセルにうねりが生じた場合の切断部端面図である。図5の(A)、(B)、(C)および(D)は、図4と同様に、図2のA−A線、B−B線、C−C線およびD−D線における切断部端面図である。
具体的には、図5(A)に示す切断部端面では、焼成から冷却までの一連の収縮の挙動において、セル10の層にうねりが生じても、セル10と燃料ガス流通路壁部(リブ)222との間で剥離または分離が生じたり、クラックが発生することを防止することができる。また、図5(C)に示す切断部端面では、他の切断部端面にて支持壁部402を有する支持層40が介在することにより、セル10の層と燃料ガス流通路壁部(リブ)222との間は離隔しており、セル10の層は燃料ガス流通路壁部(リブ)222と空気流通路壁部(リブ)232とによって引張られないので、セル10の層が剥離または分離することがない。さらに、図5(D)に示す切断部端面では、支持壁部402がセル10の層を引張るためにうねりが生じない。
これに対して、本発明の比較形態として、複数の燃料ガス流通路壁部(リブ)222を有する燃料ガス流通路層22とセル10(燃料極層11)との間に支持層40が配置されていない場合として、図6は図2に対応し、燃料ガス流通路壁部および空気流通路壁部の配置を示す平面図、図7は図3に対応し、燃料ガス流通路壁部および空気流通路壁部の配置を示す斜視図、図8は図4に対応し、図6のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線における切断部端面図、図9は図5に対応し、図8においてセルにうねりが生じた場合の切断部端面図である。
図9(A)に示す切断部端面では、焼成から冷却までの一連の収縮の挙動において、セル10の層にうねりが生じることにより、セル10と燃料ガス流通路壁部(リブ)222との間で剥離または分離が生じる。また、図9(C)に示す切断部端面では、セル10の層は燃料ガス流通路壁部(リブ)222と空気流通路壁部(リブ)232とによって引張られ、燃料ガス流通路壁部(リブ)222の引張る力が空気流通路壁部(リブ)232の引張る力に比べて弱い場合、セル10の層が剥離または分離する。さらに、図9(D)に示す切断部端面では、セル10の層にうねりが生じる。
上記の実施形態では、燃料ガス流通路層22とセル10(燃料極層11)との間に支持層40が配置されているが、複数の空気流通路壁部(リブ)232を有する空気流通路層23とセル10(空気極層13)との間に、燃料ガス流通路221の位置に整合する複数の支持壁部402を有する支持層40が配置されてもよい。このように構成しても上述の作用効果を達成することができる。
燃料ガス流通路層22とセル10(燃料極層11)との間に、空気流通路231の位置に整合する複数の支持壁部402を有する支持層40を配置するとともに、空気流通路層23とセル10(空気極層13)との間に、燃料ガス流通路221の位置に整合する複数の支持壁部402を有する支持層40が配置されてもよい。このように構成しても上述の作用効果を達成することができる。
なお、支持層40の収縮率は10〜30%であることが好ましく、支持層40の気孔率は0〜55%であることが好ましい。
燃料ガス流通路壁部222、空気流通路壁部232、および、支持壁部402は、同一の材料から形成されることにより、燃料ガス流通路壁部222または空気流通路壁部232とセル10との接続と同様にして、支持壁部402とセル10とを接続することができる。
支持壁部402の積層方向の厚みが大きいほど、支持壁部402がセル10を拘束することができるので、セル10とリブとの間で剥離または分離が生じることを防止するのに有効であるが、燃料ガス流通路壁部222または空気流通路壁部232とセル10とが離れることになるので、セル10へのガスの供給効率が低下する。これにより、支持壁部402の積層方向の厚みは、燃料ガス流通路壁部222または空気流通路壁部232の積層方向の厚み以下であることが好ましい。支持壁部402の積層方向の厚みは、燃料ガス流通路壁部222または空気流通路壁部232の積層方向の厚みの1/2以下であることがさらに好ましい。具体的には、燃料ガス流通路壁部222と空気流通路壁部232の積層方向の厚みは100〜600μmであることが好ましい。支持壁部402の積層方向の厚みは10〜120μmであることが好ましい。
図10は、本発明のもう一つの実施形態として燃料ガス流通路壁部222、空気流通路壁部232および支持壁部402の配置を示す平面図である。
図10に示すように、複数の支持壁部402(斜線で囲まれた領域)が、空気流通路層23内で複数の空気流通路壁部(リブ)232で挟まれた領域、すなわち、複数の空気流通路231(図3参照)の位置に整合し、かつ、空気流通路231の領域内に島状に形成されてもよい。このように構成しても上述の作用効果を達成することができる。この場合、島状の複数の支持壁部402が、複数の燃料ガス流通路壁部(リブ)222の領域内に島状に形成されている。
なお、支持層40が空気流通路層23と空気極層13との間に配置される場合には、複数の島状の支持壁部402が燃料ガス流通路層22内で複数の燃料ガス流通路壁部(リブ)222で挟まれた領域、すなわち、複数の燃料ガス流通路221(図3参照)の位置に整合し、かつ、燃料ガス流通路221の領域内に島状に形成されてもよい。
図11は、本発明の一つの実施形態として図1の単位モジュールを複数備えた固体電解質形燃料電池の概略的な構成を示す断面図である。
図11に示すように、固体電解質形燃料電池100は、電池構造部として複数のセル10を有し、最上部に位置するセルには電気絶縁体210を介して集電板50が電気的に接続するように配置され、最下部に位置するセルにはセル間分離部20を介して集電板60が電気的に接続するように配置されている。複数のセル10の各々は、順に積層された燃料極層11と固体電解質層12と空気極層13とからなる。セル間分離部20と支持層40は複数のセル10の間に配置される。
また、図1と図11に示すように、本発明の固体電解質形燃料電池100は、複数のセル10を含む電池構造部と、複数のセル10の間に配置されるセル間分離部20と、複数の燃料ガス流通路221に燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路31と、複数の空気流通路231に空気を供給する空気供給流路32とを有するガス供給流路構造部30とを備えている。この場合、セル間分離部20は、燃料ガス流通路層22と、空気流通路層23と、支持層40とを含み、複数のセル10を含む電池構造部、セル間分離部20、および、ガス供給流路構造部30が一体的に形成されている。
このように構成することにより、セパレータとマニホールドの二つの機能を果たす部分を一体的に連続して形成することができる。
なお、電気絶縁体110、130、210、220、230、400は、たとえば、添加量3モル%のイットリア(Y2O3)で安定化されたジルコニア(ZrO2)(イットリア安定化ジルコニア:YSZ)、添加量12モル%のセリア(CeO2)で安定化されたジルコニア(ZrO2)(セリア安定化ジルコニア:CeSZ)等を用いて形成される。電気導電体211、223、233、403は、たとえば、銀(Ag)‐白金(Pt)合金、銀(Ag)‐パラジウム(Pd)合金等を用いて形成される。固体電解質層12は、たとえば、添加量10モル%のスカンジア(Sc2O3)と添加量1モル%のセリア(CeO2)で安定化されたジルコニア(ZrO2)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)、添加量11モル%のスカンジア(Sc2O3)で安定化されたジルコニア(ZrO2)(スカンジア安定化ジルコニア:ScSZ)等を用いて形成される。燃料極層11は、たとえば、酸化ニッケル(NiO)と、添加量10モル%のスカンジア(Sc2O3)と添加量1モル%のセリア(CeO2)で安定化されたジルコニア(ZrO2)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)との混合物等を用いて形成される。空気極層13は、たとえば、La0.8Sr0.2MnO3と、添加量10モル%のスカンジア(Sc2O3)と添加量1モル%のセリア(CeO2)で安定化されたジルコニア(ZrO2)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)との混合物等を用いて形成される。集電板50、60は、たとえば、銀(Ag)から形成される。
以下、上述した実施形態に基づいて本発明の固体電解質形燃料電池を作製した実施例として支持層の厚みが異なる実施例1〜4と、本発明の構造と比較するために支持層がない固体電解質形燃料電池を作製した比較例について説明する。
まず、図1に示す実施形態の固体電解質形燃料電池の単位モジュールを構成する部材(A)〜(D)の材料粉末を以下のとおり準備した。
(A)燃料極層11:酸化ニッケル(NiO)60重量%と、添加量10モル%のスカンジア(Sc2O3)と添加量1モル%のセリア(CeO2)で安定化されたジルコニア(ZrO2)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)40重量%との混合物
(B)固体電解質層12:添加量10モル%のスカンジア(Sc2O3)と添加量1モル%のセリア(CeO2)で安定化されたジルコニア(ZrO2)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)
(C)空気極層13:La0.8Sr0.2MnO360重量%と、添加量10モル%のスカンジア(Sc2O3)と添加量1モル%のセリア(CeO2)で安定化されたジルコニア(ZrO2)(スカンジアセリア安定化ジルコニア:ScCeSZ)40重量%との混合物
(D)電気絶縁体110、電気絶縁体130、セパレータ21の電気絶縁体210、燃料ガス流通路層22の電気絶縁体220と燃料ガス流通路壁部(リブ)222、空気流通路層23の電気絶縁体230と空気流通路壁部(リブ)232、および、支持層40の電気絶縁体400と支持壁部402:添加量3モル%のイットリア(Y2O3)で安定化されたジルコニア(ZrO2)(イットリア安定化ジルコニア:3YSZ)
まず、図1に示すように、部材(D)を以下のように作製した。
セパレータ21の電気絶縁体210、燃料ガス流通路層22の電気絶縁体220と燃料ガス流通路壁部(リブ)222、空気流通路層23の電気絶縁体230と空気流通路壁部(リブ)232、および、支持層40の電気絶縁体400と支持壁部402については、電気絶縁材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、各部材のグリーンシートを作製した。
セパレータ21の電気絶縁体210、燃料ガス流通路層22の燃料ガス流通路壁部(リブ)222、空気流通路層23の空気流通路壁部(リブ)232、および、支持層40の支持壁部402のグリーンシートでは、図1に示すように、電気絶縁体に複数の電気導電体211、223、233、403を形成するための貫通孔を形成した。これらの貫通孔に70重量%の銀と30重量%のパラジウムとからなるペーストを充填することにより、電気導電体211、223、233、403を形成するための導電性ペースト充填層を作製した。
また、図1に示すように、セパレータ21の電気絶縁体210、燃料ガス流通路層22の電気絶縁体220、空気流通路層23の電気絶縁体230、および、支持層40の電気絶縁体400には、燃料ガス供給流路31と空気供給流路32を形成するために、円形と細長い矩形の貫通孔を形成した。円形の貫通孔は、直径が4.5mmで12mmの間隔で均等に5個配置した。矩形の貫通孔は、幅が4.5mmで長さが61.5mmであった。
燃料ガス流通路層22のグリーンシートでは、図1に示すように、燃料ガス供給流路31を形成するための貫通孔に接続するように、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる燃料ガス流通路形成層2210を形成した。この燃料ガス流通路形成層2210は、焼成後において消失することにより、燃料ガスを供給する燃料ガス供給流路31に通じ、かつ、燃料極層11に燃料ガスを流通させる燃料ガス流通路221(図3)になる。なお、図1では3つの燃料ガス流通路、図3では4つの燃料ガス流通路221が形成されるようになっているが、実際には幅が0.8mmで長さが61.5mmの燃料ガス流通路221を0.8mmの間隔(リブ)で多数配置した。
空気流通路層23のグリーンシートでは、図1に示すように、空気供給流路32を形成するための貫通孔に接続するように、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる空気流通路形成層2310を形成した。この空気流通路形成層2310は、焼成後において消失することにより、空気を供給する空気供給流路32に通じ、かつ、空気極層13に空気を流通させる空気流通路231(図3)になる。なお、図1では3つの空気流通路、図3では5つの空気流通路231が形成されるようになっているが、実際には幅が0.8mmで長さが61.5mmの空気流通路231を0.8mmの間隔(リブ)で多数配置した。
次に、電気絶縁体130については、電気絶縁材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、ドクターブレード法により電気絶縁体130のグリーンシートを作製した。
電気絶縁体130のグリーンシートでは、空気供給流路32を形成するための隙間を存在させて空気極層13のグリーンシートを嵌め合わせすることができるように、図1に示すように、ほぼU字形状のシートを作製した。また、図1に示すように電気絶縁体130に燃料ガス供給流路31を形成するために上記と同様の大きさの円形の貫通孔を電気絶縁体130のグリーンシートに形成した。
そして、電気絶縁体110については、電気絶縁材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、ドクターブレード法により電気絶縁体110のグリーンシートを作製した。
電気絶縁体110のグリーンシートでは、燃料ガス供給流路31を形成するための隙間を存在させて燃料極層11のグリーンシートを嵌め合わせすることができるように、図1に示すように、ほぼU字形状のシートを作製した。また、図1に示すように電気絶縁体110に空気供給流路32を形成するために上記と同様の大きさの円形の貫通孔を電気絶縁体110のグリーンシートに形成した。
次に、図1に示す空気極層13、燃料極層11、および、固体電解質層12のグリーンシートを以下のようにして作製した。
燃料極層11と空気極層13のそれぞれの材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、ドクターブレード法により、燃料極層11と空気極層13のグリーンシートを作製した。
固体電解質層12の材料粉末と、ポリビニルブチラール系バインダーと、有機溶媒としてのエタノールとトルエンとの混合物(重量比率で混合比が1:4)とを混合した後、ドクターブレード法により固体電解質層12のグリーンシートを作製した。固体電解質層12のグリーンシートには、図1に示すように、燃料ガス供給流路31と空気供給流路32を形成するための上記と同様の大きさの細長い矩形の貫通孔を形成した。
以上のようにして作製されたセパレータ21、燃料ガス流通路層22、支持層40、燃料極層11が嵌め合わせられた電気絶縁体110、固体電解質層12、空気極層13が嵌め合わせられた電気絶縁体130、空気流通路層23、および、セパレータ21のグリーンシートを図1に示すように下から順に積層した。これにより、セパレータ21(焼成後の厚み:300μm)/空気流通路層23(焼成後の厚み:300μm)/空気極層13(焼成後の厚み:80μm)/固体電解質層12(焼成後の厚み:40μm)/燃料極層11(焼成後の厚み:80μm)/支持層40(焼成後の厚み:10μm(実施例1)、30μm(実施例2)、60μm(実施例3)、120μm(実施例4)、0μm(比較例:支持層なし)/燃料ガス流通路層22(焼成後の厚み:300μm)/セパレータ21(焼成後の厚み:300μm)からなる固体電解質形燃料電池の単位モジュール1を構成した。
次に、固体電解質形燃料電池の単位モジュール1を図11に示すように4組積層し、最上部にはガス供給流路を形成していない電気絶縁体210を積層した。この積層体を1000kgf/cm2の圧力、80℃の温度にて2分間、冷間静水圧成形することにより圧着した。この圧着体を温度400〜500℃の範囲内で脱脂処理を施した後、温度1000℃〜1300℃の範囲内で2時間保持することにより、焼成した。このようにして実施例1〜4と比較例の固体電解質形燃料電池の試料(積層体において燃料極層11、固体電解質層12、および、空気極層13が重複する平面領域の面積(発電面積):65mm×65mm)を作製した。
以上のようにして作製された実施例1〜4と比較例の固体電解質形燃料電池の試料の上面と下面に、図11に示すように、銀からなる厚みが20μmの集電板50と60を固着した。
(評価)
得られた実施例1〜4と比較例の各試料の燃料電池を750℃に昇温して、5%の水蒸気を含む水素ガス(温度60℃)と空気とをそれぞれ、燃料ガス供給流路31と空気供給流路32とを通じて供給することにより、発電した。また、水素ガスと空気の供給量を増加させることにより、発電によって得られる電流密度を0.5A/cm2まで増大させた。燃料利用率(%)を75%に設定して、発電によって得られる出力電圧(V/cell)を測定した。その結果を以下の表1に示す。
得られた実施例1〜4と比較例の各試料の燃料電池を750℃に昇温して、5%の水蒸気を含む水素ガス(温度60℃)と空気とをそれぞれ、燃料ガス供給流路31と空気供給流路32とを通じて供給することにより、発電した。また、水素ガスと空気の供給量を増加させることにより、発電によって得られる電流密度を0.5A/cm2まで増大させた。燃料利用率(%)を75%に設定して、発電によって得られる出力電圧(V/cell)を測定した。その結果を以下の表1に示す。
以上の結果から、実施例1〜4では高い出力電圧を得ることができ、比較例では出力電圧が低下したことがわかる。比較例の燃料電池では、支持層がないのでセル10の層が剥離して、有効な発電面積が小さくなるため、出力電圧が低下したものと考えられる。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない
と考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
と考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
1:固体電解質形燃料電池の単位モジュール
10:セル
11:燃料極層
12:固体電解質層
13:空気極層
20:セル間分離部
21:セパレータ
22:燃料ガス流通路層
23:空気流通路層
30:ガス供給流路構造部
31:燃料ガス供給流路
32:空気供給流路
40:支持層
100:固体電解質形燃料電池
211,223,233,403:電気導電体
221:燃料ガス流通路
222:燃料ガス流通路壁部
231:空気流通路
232:空気流通路壁部
401:ガス流通路、402:支持壁部。
10:セル
11:燃料極層
12:固体電解質層
13:空気極層
20:セル間分離部
21:セパレータ
22:燃料ガス流通路層
23:空気流通路層
30:ガス供給流路構造部
31:燃料ガス供給流路
32:空気供給流路
40:支持層
100:固体電解質形燃料電池
211,223,233,403:電気導電体
221:燃料ガス流通路
222:燃料ガス流通路壁部
231:空気流通路
232:空気流通路壁部
401:ガス流通路、402:支持壁部。
Claims (5)
- アノード層、固体電解質層およびカソード層の積層体からなるセルと、
前記セルの外側でアノード層に積層され、かつ、前記アノード層にアノードガスを供給する複数のアノードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて形成され、一の方向に延在する複数のアノードガス流通路壁部を有するアノードガス流通路層と、
前記セルの外側でカソード層に積層され、かつ、前記カソード層にカソードガスを供給する複数のカソードガス流通路の各々を互いに分離するように間隔をあけて形成され、前記一の方向とは異なる他の方向に延在する複数のカソードガス流通路壁部を有するカソードガス流通路層と、
前記アノードガス流通路層と前記アノード層との間、および、前記カソードガス流通路層と前記カソード層との間の少なくともいずれか一方に配置され、かつ、互いに間隔をあけて形成される複数の支持壁部を有する支持層とを備え、
前記支持層が、前記アノードガス流通路層と前記アノード層との間に配置されている場合は、当該支持層が有する複数の支持壁部が前記カソードガス流通路壁部の延びる方向に延在し、
前記支持層が、前記カソードガス流通路層と前記カソード層との間に配置されている場合は、当該支持層が有する複数の支持壁部が前記アノードガス流通路壁部の延びる方向に延在し、
前記支持層が前記アノードガス流通路層と前記アノード層との間に配置される場合には、前記複数の支持壁部が前記複数のカソードガス流通路の位置に整合するように前記支持層が積層され、
前記支持層が前記カソードガス流通路層と前記カソード層との間に配置される場合には、前記複数の支持壁部が前記複数のアノードガス流通路の位置に整合するように前記支持層が積層されている、固体電解質形燃料電池。 - アノード層、固体電解質層およびカソード層の積層体からなるセルと、
前記アノードガス流通路壁部、前記カソードガス流通路壁部、および、前記支持壁部が、同一の材料から形成されている、請求項1に記載の固体電解質形燃料電池。 - 前記支持壁部の積層方向の厚みが、前記アノードガス流通路壁部または前記カソードガス流通路壁部の積層方向の厚み以下である、請求項1または2に記載の固体電解質形燃料電池。
- 前記支持壁部の積層方向の厚みが、前記アノードガス流通路壁部または前記カソードガス流通路壁部の積層方向の厚みの1/2以下である、請求項3に記載の固体電解質形燃料電池。
- 複数の前記セルを含む電池構造部と、
前記複数のセルの間に配置されるセル間分離部と、
前記複数のアノードガス流通路にアノードガスを供給するアノードガス供給流路と、前記複数のカソードガス流通路にカソードガスを供給するカソードガス供給流路とを有するガス供給流路構造部とを備え、
前記セル間分離部が、前記アノードガス流通路層と、前記カソードガス流通路層と、前記支持層とを含み、
前記電池構造部、前記セル間分離部、および、前記ガス供給流路構造部が一体的に形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質形燃料電池。
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