以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における情報処理システム1の構成概念を示す図である。情報処理システム1は、情報処理装置2と、画像形成装置3とを備え、それら情報処理装置2と画像形成装置3とがインターネットなどのネットワーク5に接続された構成である。なお、情報処理装置2および画像形成装置3は、例示している数に限られない。
情報処理装置2は、例えば図1に示すように、スマートフォンやタブレット端末などで構成される携帯型情報処理装置である。但し、これに限られず、例えば、情報処理装置2は、一般的なパーソナルコンピュータなどで構成されても良い。情報処理装置2は、ユーザーに対して各種情報を表示したり、ユーザーによる操作情報を検知したりする操作パネル6を備えている。また、情報処理装置2は、電子メールEMの送受信を行うことが可能に構成される。
画像形成装置3は、例えば、MFPなどで構成され、ネットワーク5を介して電子メールEMの送受信を行う電子メール送受信機能を備えている。また、本実施形態のように画像形成装置3がMFPなどで構成される場合、画像形成装置3は、上記のような電子メール送受信機能の他に、コピー機能、プリント機能、スキャン機能およびFAX機能などの複数の機能を備えている。また、画像形成装置3は、上述した電子メール送受信機能とプリント機能とが連続的に作動する電子メールプリント機能を有し、受信した電子メールEMを解析して、その電子メールEMから添付ファイルを抽出し、その添付ファイルを自動で印刷出力する。ただし、画像形成装置3は、LANなどのネットワークを介して、例えばパーソナルコンピュータから受信する印刷ジョブに基づいて印刷出力を行うことも可能である。
画像形成装置3は、装置本体の正面側に、ユーザーが画像形成装置3を操作する際のユーザーインタフェースとなる操作パネル8を備えている。操作パネル8には、ユーザーに対して、各種設定操作やジョブ実行操作を行わせるための各種操作画面が表示される。そして、画像形成装置3は、この操作パネル8に対して行われるユーザーの指示操作に基づいて、例えば、コピー処理、スキャン送信、FAX送信などの各種処理を行う。
次に、本実施形態の概要について説明する。ユーザーは、例えば情報処理装置2に保存されている画像データを画像形成装置3に印刷出力させたい場合、情報処理装置2の操作パネル6を操作することにより、印刷対象となる画像データを電子メールEMに添付して画像形成装置3に送信する。画像形成装置3は、そのような電子メールEMに基づく印刷出力を制御する印刷制御装置3aを備えている。すなわち、印刷制御装置3aは、上述した電子メールプリント機能に関する動作を制御するものである。なお、印刷制御装置3aは、画像形成装置3の内部にハードウエアとして実装されるものであっても良いし、後述するCPU11が所定のプログラム14を実行することによって実現されるソフトウェア機能であっても構わない。
印刷制御装置3aは、自機宛の電子メールEMを受信すると、その電子メールEMを解析して、ユーザーが電子メール送信前において添付ファイルを確認したか否かを判断し、その添付ファイルが確認済である場合には、添付ファイルの印刷可否についてユーザーに確認することなく、その添付ファイルを印刷出力する。これにより、ユーザーによる事前確認済の添付ファイルについては、電子メールEMが送信された後にユーザーが印刷出力の可否について再度判断しなくて済むので、ユーザーの操作負担が軽減される。さらに、ユーザーによる事前確認済の添付ファイルについては、ユーザーに確認することなく印刷出力するので、添付ファイルの印刷可否についてユーザーに常に確認するような従来に比べて、印刷開始までの時間が短縮されるというメリットもある。また、印刷制御装置3aは、ユーザーが未確認の添付ファイルであれば、ユーザーによる印刷指示を検知するまで印刷出力を行わない。これにより、添付間違いの添付ファイルを無駄に印刷出力してしまうことを防止できる。
図2は、印刷制御装置3aのハードウェア構成の一例を示す図である。なお、以下においては、印刷制御装置3aがソフトウェア機能によって実現されている場合を例示する。図2に示すように、印刷制御装置3aは、制御部10と、操作パネル8と、ネットワークインタフェース23と、スキャナ部24と、プリンタ部25と、FAX部26と、記憶部27とを備えている。
制御部10は、操作パネル8、ネットワークインタフェース23、スキャナ部24、プリンタ部25、FAX部26および記憶部27の各部の動作を制御すると共に、上述した電子メールプリント機能の動作を制御する印刷制御装置3aとして機能するものである。操作パネル8は、各種情報を表示する表示部8aと、ユーザーによる操作を検知する操作部8bとを備えている。ネットワークインタフェース23は、印刷制御装置3aを上述したネットワーク5などのネットワークに接続し、電子メールEMの送受信を行う際のインタフェースとなるものである。スキャナ部24は、制御部10からの指令に基づいて動作し、原稿を読み取って画像データを生成する機構である。プリンタ部25は、制御部10から出力される印刷データに基づき、印刷用紙などに画像形成を行って印刷出力する印刷出力手段である。FAX部26は、図示しない公衆電話網などを介してFAXデータの送受信を行うものである。記憶部27は、例えばハードディスクドライブなどで構成される不揮発性記憶手段であり、受信した電子メールEMを一時的に保存したり、或いはその他の各種データを記憶しておいたりするために利用される。
また、制御部10は、CPU11と、RAM12と、ROM13とを備えている。CPU11は、ROM13に格納されているプログラム14を読み出して実行する演算処理ユニットである。RAM12は、CPU11がプログラム14を実行することに伴って発生する一次的なデータなどを記憶しておくためのものである。ROM13は、不揮発性メモリであり、プログラム14の他、様々なデータが予め格納されたメモリである。CPU11は、印刷制御装置3aへの電源投入に伴ってROM13からプログラム14を読み出して実行することにより、制御部10を後述する各種処理部として機能させる。
図3は、CPU11がプログラム14を実行することによって実現される制御部10の機能構成の一例を示すブロック図である。尚、図3では、電子メールプリント機能に関する機能構成だけを例示している。図3に示すように、CPU11がプログラム14を実行すると、制御部10は、電子メールEMの送受信を行う電子メール送受信部31、および、電子メールEMの印刷出力を制御する印刷制御部34として機能する。また、電子メール送受信部31は、受信した電子メールEMに添付されている添付ファイルの送信前における確認有無を判別する判別部32と、その判別部32による判別結果に基づいて、添付ファイルが未確認である場合に電子メールEMの送信元ユーザーに対して確認通知を行う通知部33と、を備えている。また、上述した記憶部27には、受信した電子メールEMを記憶する記憶領域である電子メール記憶部27aを有している。なお、図例では、電子メール送受信部31が、判別部32と通知部33とを備えている場合を例示しているが、これに限定されず、例えば、電子メール送受信部31と、判別部32と、通知部33とのそれぞれが独立して機能するものであっても良い。
電子メール送受信部31は、予め設定されているメール取得間隔に基づき、電子メールEMの受信タイミングになると、ネットワークインタフェース23を介して、ネットワーク5に接続されているメールサーバ(図示せず)へアクセスし、自機宛の電子メールEMを受信するための電子メール受信処理を実行する。そして電子メール送受信部31は、メールサーバーに自機宛の電子メールEMが蓄積されていれば、その電子メールEMを受信する。また、電子メール送受信部31は、電子メールEMを受信すると、その電子メールEMを電子メール記憶部27aに記憶させる。
電子メール記憶部27aに電子メールEMが記憶されると、次に判別部32が機能する。判別部32は、受信した電子メールEMを電子メール記憶部27aから読み出し、その電子メールEMが印刷対象となる電子メールであるか否かを判断する。具体的には、判別部32は、電子メールEMに添付ファイルが添付されているか否かを判断し、電子メールEMに添付ファイルが添付されている場合に、その電子メールEMが印刷対象であると判断する。一方、添付ファイルが添付されていない場合、判別部32は、印刷対象ではないと判断する。この場合、判別部32は、電子メールEMの件名欄などに記述されているコマンド(後述する)に基づいて各種処理を行う。
電子メールEMが印刷対象であると判断した場合、次に判別部32は、その電子メールEMを解析することにより、その電子メールEMに添付されている添付ファイルの中身が、送信前にユーザーによって確認されたか否かを判断する。なお、添付ファイルの確認有無を判別するための具体的な手法については後述する。そして、判別部32は、添付ファイルが確認済である場合、つまり添付ファイルの内容がユーザーによって電子メール送信前に確認されている場合、印刷制御部34を機能させる。一方、判別部32は、添付ファイルが未確認である場合、つまり添付ファイルの内容がユーザーによって電子メール送信前に確認されていない場合、通知部33を機能させる。
印刷制御部34は、判別部32によって添付ファイルが、ユーザーによる事前確認済のファイルであると判別されると、電子メール記憶部27aから印刷対象となる電子メールEMを読み出し、その電子メールEMから添付ファイルを抽出して、添付ファイルに基づく印刷データを生成した後、その印刷データをプリンタ部25に出力する。プリンタ部25は、その印刷データに基づいて印刷出力を行う。これにより、確認済の添付ファイルについては、印刷可否についてユーザーに確認することなく印刷出力するので、ユーザーに対して、電子メール送信後に印刷出力の可否について判断させずに済む。また、従来のように、常に印刷可否についてユーザーに確認するような場合に比べて、印刷開始までの待ち時間が短縮される。なお、このとき、既に他の印刷ジョブが実行中である場合など、上記添付ファイルが印刷待ちとなる場合がある。この場合、印刷制御部34は、図示しない印刷ジョブ管理テーブルなどに印刷待ちとなる印刷ジョブを登録し、その印刷ジョブの実行順序を管理しても良い。
一方、通知部33は、判別部32によって添付ファイルが未確認であると判別されると、その電子メールEMの送信元メールアドレスを特定し、その送信元メールアドレスに対して電子メールによる確認通知を行う。この確認通知には、添付ファイルの印刷可否についてユーザーに問い合せる内容が含まれている。これにより、ユーザーが事前確認を行っていない添付ファイルについては、直ちには印刷出力せずに、ユーザーに対して印刷可否について確認するので、ユーザーが印刷出力前に添付間違いであるか否かを確認することができる。その結果、添付間違いであれば、ユーザーが上記添付ファイルの印刷出力を中止する意思表示(後述する)を行うことができるので、ミスプリントを防止できる。また、このような確認通知は、添付ファイルが未確認であることを条件として行われるので、例えば常にユーザーに確認通知を行うような従来に比べてユーザーが煩わしい思いをせずに済む。
次に、情報処理装置2において、上記確認通知に対する応答メールを印刷制御装置3aに返信する場合の処理について説明する。情報処理装置2は、印刷制御装置3aからの確認通知を受信すると、例えば、新着メールがあったことを操作パネル6において報知する。そして、情報処理装置2は、ユーザーによる上記確認通知の表示指示を検知すると、その確認通知を操作パネル6に表示する。
図4は、情報処理装置2の操作パネル6に表示される通知画面35の一例を示す図である。図例に示すように、通知画面35には、メール本文において、添付ファイルに添付間違いがないかを確認するように促すメッセージが記述されている。これにより、ユーザーは、添付ファイルの印刷出力前に、その添付ファイルが適切に添付されたものであるか否かを確認することができる。また、通知画面35には、確認通知の対象となる電子メールEMまたは添付ファイルを特定するための識別情報が件名欄や本文欄などに記述される。図例では、件名欄と本文欄の双方において、識別情報としてファイル名が記述されている場合を例示している。これにより、ユーザーが添付ファイルのファイル名を把握することができる。また、その識別情報を件名欄や本文欄に記述したまま応答メールを印刷制御装置3aに返信することにより、後に印刷制御装置3aにおいてその識別情報に基づく電子メールEMまたは添付ファイルを特定することができるという利点もある。
ユーザーは、添付ファイルの添付間違いについて確認した後、確認通知に対する応答メールを返信することにより、印刷保留中の添付ファイルを印刷出力するか否かの意思表示を行う。
一例を挙げると、図4では、件名欄に印刷出力を続行するか中止するかをユーザーに選択させるための判別用コマンド35aが予め記述されている。ユーザーは、応答メールを作成する際、通知画面35の内容を反映させて返信するための返信指示キー35bを選択操作する。そして、ユーザーは、その返信指示キー35bが選択操作されることにより表示される応答メール作成画面(図示せず)の件名欄において、「Yes」,「No」のいずれか一方を消去して返信することにより、印刷続行か印刷中止かを指示する。すなわち、ユーザーは、印刷出力を続行する場合には、「No」を消去し「Yes」を指定した状態で、応答メールを送信することにより印刷続行指示を行う。一方、ユーザーは、印刷出力を中止する場合には、「Yes」を消去し「No」を指定した状態で、応答メールを送信することにより、印刷中止指示を行う。
図3に戻って、印刷制御装置3aにおいては、電子メール送受信部31が上記と同様にして電子メールEMを受信すると、判別部32は、その電子メールEMが印刷対象となる電子メールEMであるか否かを判断する。添付ファイルが付加されていない電子メールEMを受信した場合、判別部32は、その電子メールEMが印刷対象ではないと判断する。次に、判別部32は、件名欄に判別用コマンド35aが記述されているか否かを判別する。件名欄に判別用コマンド35aが記述されている場合、判別部32は、その判別用コマンド35aに基づいて、以下の処理を行う。なお、件名欄に判別用コマンド35aが記述されていない場合、例えば、判別部32は、予め設定される処理条件に基づいて、その電子メールEMをBOX保存したり、件名欄などに他のコマンドが記述されている場合には、そのコマンドに基づく処理を行ったりしても良い。以下においては、説明を簡潔にするため、添付ファイルが付加されていない電子メールEMは、応答メールであるとする。
判別部32は、応答メールを受信した場合、判別用コマンド35aを参照して、印刷出力を続行するか中止するかを判別する。上記の例では、判別部32は、判別用コマンド35aが「Yes」である場合、印刷制御部34に対して印刷出力を指示する。このとき、印刷制御部34は、応答メールの件名欄に記述されているファイル名などに基づいて、印刷対象となる添付ファイルを特定し、その添付ファイルを電子メール記憶部27aから読み出して印刷出力を実行する。一方、判別部32は、判別用コマンド35aが「No」である場合、応答メールの件名欄に記述されているファイル名などに基づいて、印刷中止対象となる添付ファイルを特定し、その添付ファイルを、その添付ファイルが付加されている電子メールEMと共に削除する。
ただし、上述した通知内容は、一例であり、図4に例示したものに限定されない。また、確認通知に対する応答態様についても、必ずしも上述した判別用コマンド35aのように、ユーザーに対して件名欄の編集作業を行わせる必要はない。例えば、ユーザーは、印刷続行を指示する場合には、受信した確認通知をそのまま返信し、印刷中止を指示する場合には、確認通知に対する応答を行わないこともある。この場合、判別部32は、応答メールを受信したか否かによって、印刷続行の可否を判断する。具体的には、判別部32は、所定時間内に応答メールを受信した場合には、件名欄に印刷中止コマンドが指定されていないことを条件に印刷続行の指示があったと判断し、上記と同様にして添付ファイルの印刷出力を指示する。一方、判別部32は、所定時間待っても応答メールを受信しない場合には、印刷続行の指示がなかったと判断し、タイムアウトした添付ファイルを電子メールEMと共に削除する。また、上記とは逆に、所定時間待っても応答メールを受信しない場合に印刷出力を実行し、応答メールを受信した場合に印刷出力を中止しても良い。いずれを採用する場合であっても、ユーザーは、印刷可否について意思表示をする際に、上記のように編集作業を行う必要がないので操作負担が軽減される。
次に、判別部32が添付ファイルの確認有無を判別する場合の具体的な処理について説明する。印刷制御装置3aにおいて添付ファイルの確認有無を判別する手法としては、以下に説明するように、第1の手法と、第2の手法の2通りがある。
第1の手法は、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メール送信日時との時間差に基づいて、添付ファイルが送信前に確認されたか否かを判断する方法である。アクセス日時は、ファイルが最後に開封された日時を示す情報であり、一般にファイルの属性情報として付加されている情報である。したがって、添付ファイルへのアクセス日時を参照すれば、その添付ファイルが最後に開封された日時、つまりユーザーが最後に添付ファイルの内容を確認した日時を特定することが可能である。仮に、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メールEMの送信日時とが所定時間差未満であれば、ユーザーがファイル内容を確認した直後に、そのファイルを電子メールEMに添付して送信したと判断できる。この場合、添付ファイルの内容が送信直前にユーザーによって既に確認されているため、印刷制御装置3aは、ユーザーに対して印刷可否について再度確認する必要なく印刷出力を行うことができる。一方、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メールEMの送信日時とが所定時間差以上であれば、電子メールEMの送信直前にユーザーが添付ファイルの内容を確認していないと判断できる。このようなケースでは、例えば、最新情報でないファイルが添付されている場合など、ユーザーが印刷出力を意図しているファイルとは異なるファイルが誤って添付されている可能性がある。
そこで、本実施形態において判別部32は、添付ファイル付きの電子メールEMを受信すると、その電子メールEMのヘッダーなどから送信日時を抽出すると共に、添付ファイルの属性情報からアクセス日時を抽出する。そして、判別部32は、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メールEMの送信日時とが所定時間差未満であるか否かを判断する。この場合の所定時間は、任意に設定可能であるが、例えば1分〜数分程度とすることが好ましい。判別部32は、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メールEMの送信日時とが所定時間差未満である場合、添付ファイルが確認済であると判断する。一方、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メールEMの送信日時とが所定時間差以上である場合、判別部32は、添付ファイルが未確認であると判断する。
次に第2の手法について説明する。第2の手法は、添付ファイルを保存した保存ユーザーと、電子メールEMの送信元ユーザーとの同一性に基づいて、添付ファイルの確認有無を判別する方法である。保存ユーザーは、添付ファイルの属性情報に含まれている「ファイル作成者」の情報に基づいて特定される。ただし、ファイルを更新したユーザーに関する情報が添付ファイルに関連づけられている場合には、保存ユーザーを、そのファイル更新者の情報に基づいて特定しても良い。
上記保存ユーザーと、電子メールEMを送信した送信元ユーザーとが同一である場合、その添付ファイルは、送信元ユーザー自身がファイル内容を確認したり、編集作業を行ったりした後に保存したと判断できる。つまり、同一ユーザーであれば、送信元ユーザーは、添付ファイルの内容を知っているので、添付ファイルが確認済であると判断できる。一方、保存ユーザーと送信元ユーザーとが同一でなければ、他人が作成したファイルを誤って添付したにもかかわらず、添付ファイルを確認せずに送信してしまったと判断できる。
そこで、判別部32は、添付ファイル付きの電子メールEMを受信した場合、その添付ファイルを解析して、その添付ファイルから保存ユーザー情報を抽出して、添付ファイルの保存ユーザーを特定する。また、判別部32は、例えば、電子メールEMの送信元メールアドレスに基づいて、送信元ユーザーを特定する。具体的には、記憶部27の所定の記憶領域には、電子メールアドレスと、その電子メールアドレスを使用するユーザーのユーザー名とが対応付けられたユーザー情報が記憶されており、判別部32は、そのユーザー情報を参照して、電子メールEMの送信元ユーザーを特定する。ただし、上記に限定されず、例えば、送信元メールアドレスのアカウント名を送信元ユーザーとして特定しても良い。
そして、判別部32は、添付ファイルを保存した保存ユーザーと、電子メールEMを送信した送信元ユーザーとが同一である場合、添付ファイルが確認済であると判断する。一方、判別部32は、添付ファイルを保存した保存ユーザーと、電子メールEMを送信した送信元ユーザーとが同一でない場合、添付ファイルが未確認であると判断する。
上述した第1の手法および第2の手法については、いずれか一方だけを採用しても良いが、以下に説明するように、第1の手法および第2の手法を複合的に用いても良い。これにより、第1の手法および第2の手法のいずれかを採用するだけでは判断できないケースについても判断できるので使い勝手が向上する。以下、そのような構成について説明する。
例えば、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メールEMの送信日時とが所定時間差未満であっても、電子メールEMの送信元ユーザーが、他人が作成したファイルを誤って添付してしまったようなケースも考えられる。この場合において、上述した第1の手法のみによると、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メールEMの送信日時とが所定時間差未満であるので、添付ファイルが確認済であると判断してしまう。そこで、判別部32は、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メールEMの送信日時とが所定時間差未満であっても、添付ファイルを保存した保存ユーザーと、電子メールEMを送信した送信元ユーザーとが同一でない場合には、添付ファイルが未確認であると判断しても良い。これにより、ユーザーの同一性についてさらに判断するので、第1の手法だけでは確認済と判断されてしまう場合であっても、第2の手法により未確認であると適切に判断できるようになる。
また、上記とは逆に、添付ファイルを保存した保存ユーザーと、電子メールEMを送信した送信元ユーザーとの同一性が肯定された場合であっても、送信元ユーザーが長期に亘って中身を確認していないファイルが添付されているケースもある。この場合、上記第2の手法のみによると、ユーザーの同一性が肯定されているので、添付ファイルが確認済であると判断してしまう。そこで、判別部32は、添付ファイルを保存した保存ユーザーと、電子メールEMを送信した送信元ユーザーとが同一であっても、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メールEMの送信日時とが所定時間差以上である場合には、添付ファイルが未確認であると判断しても良い。これにより、第2の手法だけでは確認済と判断されてしまう場合であっても、第1の手法により未確認であると適切に判断できるようになる。
以上のように、第1の手法と第2の手法とを複合的に用いる場合、第1の手法によって確認済と判断される場合であっても第2の手法により未確認であると判断される場合がある。それとは逆に、第2の手法によって確認済であると判断される場合であっても、第1の手法によって未確認であると判断される場合がある。したがって、第1の手法と第2の手法とを複合的に用いる場合、第1の手法と第2の手法との双方で確認済であると判断される場合に限り、添付ファイルが確認済であると最終的に判断することができる。これに対し、第1の手法と第2の手法の少なくとも一方で未確認であると判断される場合には、添付ファイルが未確認であると最終的に判断することができる。ただし、例えば、上記とは逆に、第1の手法と第2の手法とのいずれか一方において確認済と判断された場合に、添付ファイルが確認済であると最終的に判断しても良い。この場合、第1の手法と第2の手法との双方で添付ファイルが未確認であると判断された場合に限り、添付ファイルが未確認であると最終的に判断されることになる。
図5,図6は、情報処理システム1において、情報処理装置2と印刷制御装置3aとが連携して行うプロセスを示すシーケンス図である。図5は、添付ファイルが事前に確認済であると判断される場合を例示し、図6は、添付ファイルが未確認であると判断される場合を例示している。
図5に示すように、情報処理装置2は、ユーザーによる操作指示に基づいて、添付ファイル付きの電子メールEMを印刷制御装置3aに対して送信する(プロセスP1)。印刷制御装置3aは、電子メールEMを受信すると、その電子メールEMを解析し(プロセスP2)、例えば、添付ファイルへのアクセス日時や電子メール送信日時など、添付ファイルの確認有無を判別するために必要な情報を取得する。次に、印刷制御装置3aは、添付ファイルの確認有無に基づいて印刷出力を行うか或いは確認通知を行うかを判定する印刷判定処理を行う(プロセスP3)。そして、印刷制御装置3aは、添付ファイルが確認済である場合には、印刷判定処理における判定結果に基づいて添付ファイルを印刷出力する(プロセスP4)。
次に、図6に示すように、上記と同様にして、情報処理装置2は、添付ファイル付きの電子メールEMを印刷制御装置3aに送信し(プロセスP11)、印刷制御装置3aは、その電子メールEMを解析して(プロセスP12)、印刷判定処理を行う(プロセスP13)。そして、印刷制御装置3aは、添付ファイルが未確認である場合には、印刷判定処理における判定結果に基づいて、電子メールEMの送信元ユーザーに対して確認通知を行う(プロセスP14)。一方、情報処理装置2は、ユーザーによる操作指示に基づいて、例えば、印刷続行指示を含む応答メールを印刷制御装置3aに送信する(プロセスP15)。印刷制御装置3aは、その応答メールを受信すると、その応答メールに基づく添付ファイルの印刷出力を行う(プロセスP16)。
図7は、印刷制御装置3aが行う全体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、印刷制御装置3aに電源が投入されることに伴って制御部10においてプログラム14が起動されることにより、図7のフローチャートに基づく処理が繰り返し行われる。
制御部10は、図7に示す処理を開始すると、電子メール送受信部31が機能する。電子メール送受信部31は、電子メールEMの受信タイミングになるまで待機し(ステップS1のNO)、電子メールEMの受信タイミングとなった場合(ステップS1でYES)、メールサーバーに自機宛の電子メールEMが蓄積されているか否かを問い合せる(ステップS2)。そして、電子メール送受信部31は、自機宛の電子メールEMが蓄積されている場合には(ステップS3のYES)、その電子メールEMを受信して電子メール記憶部27aに保存する(ステップS4)。電子メール送受信部31は、電子メールEMを保存すると、印刷判定処理を行う(ステップS5)。一方、電子メール送受信部31は、メールサーバーに自機宛の電子メールEMが蓄積されていない場合(ステップS3のNO)、ステップS1に戻って上記と同様の処理を行う。以上のようにして、全体的な処理は終了する。
図8は、印刷判定処理の処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートでは、印刷判定処理を行う際、上述した第1の手法と第2の手法の双方を用いて、添付ファイルの確認有無を判別する場合を例示する。また、この処理は電子メール送受信部31によって行われる処理である。
まず、電子メール送受信部31は、判別部32が機能し、受信した電子メールEMが印刷対象であるか否かを判断する(ステップS11)。印刷対象の電子メールである場合(ステップS11のYES)、判別部32は、電子メールEMから添付ファイルを抽出し、その添付ファイルからアクセス日時を抽出して取得する(ステップS12)。次に判別部32は、電子メールEMのヘッダーから電子メール送信日時を取得する(ステップS13)。そして、判別部32は、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メール送信日時とが所定時間差未満であるか否かを判断する(ステップS14)。
判別部32は、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メール送信日時とが所定時間差未満である場合(ステップS14のYES)、添付ファイルから保存ユーザー情報を抽出することにより、添付ファイルを保存した保存ユーザーを特定すると共に(ステップS15)、電子メールEMの送信元メールアドレスに基づいて電子メールEMの送信元ユーザーを特定する(ステップS16)。そして、判別部32は、添付ファイルの保存ユーザーと電子メールEMの送信元ユーザーとが同一であるか否かを判断する(ステップS17)。判別部32は、添付ファイルの保存ユーザーと電子メールEMの送信元ユーザーとが同一である場合には(ステップS17のYES)、添付ファイルの印刷出力を決定し、印刷制御部34に対して印刷出力を指示する(ステップS19)。
一方、ステップS14において、添付ファイルへのアクセス日時と、電子メール送信日時とが所定時間差未満でない場合(ステップS14のNO)、および、ステップS17において、添付ファイルの保存ユーザーと電子メールEMの送信元ユーザーとが同一でない場合(ステップS17のNO)、判別部32は、確認通知を行うことを決定する。そして、通知部33は、電子メールEMの送信元ユーザーに対して確認通知を行う(ステップS18)。
また、判別部32は、ステップS11において、印刷対象の電子メールEMではないと判断した場合(ステップS11のNO)、つまり、受信した電子メールEMが応答メールである場合、件名欄に記述されている判別用コマンド35aが印刷続行指示であるか、または、印刷中止指示であるかを判別する(ステップS20)。判別用コマンド35aが印刷続行指示である場合(ステップS20のYES)、判別部32は、印刷制御部34に対して、印刷続行指示に基づく添付ファイルの印刷出力を指示する(ステップS19)。一方、判別用コマンド35aが印刷中止指示である場合(ステップS20のNO)、判別部32は、印刷中止指示に基づく電子メールEMを添付ファイルと共に削除する(ステップS21)。
次に、判別部32は、電子メール記憶部27aに未処理の電子メールEMがあるか否かを判断し(ステップS22)、未処理の電子メールEMがある場合には(ステップS22のYES)、ステップS11に戻って、上記と同様の処理を行う。一方、判別部32は、未処理の電子メールEMがない場合には(ステップS22のNO)、この印刷判定処理を終了する。
以上のように、本実施形態において印刷制御装置3aは、受信する電子メールEMを解析することにより、その電子メールEMの送信元ユーザーによる、電子メール送信前における添付ファイルの確認有無を判別する。そして、印刷制御装置3aは、添付ファイルが確認済である場合には、添付ファイルの印刷出力の可否についてユーザーに確認することなく、その添付ファイルの印刷出力を実行する。これにより、電子メール送信後にユーザーが常に印刷出力の可否について判断するような従来に比べて、ユーザーの操作負担が軽減されると共に、印刷開始までの時間が短縮されるので利便性が向上する。また、印刷制御装置3は、添付ファイルが未確認である場合には、印刷出力を行わないので、添付間違いの添付ファイルを無駄に印刷出力してしまうことを防止できる。
また、本実施形態においては、印刷制御装置3aは、添付ファイルが未確認である場合には、電子メールEMの送信元ユーザーに対して確認通知を行う構成である。これにより、ユーザーは、確認通知を受けることで、添付ファイルに添付間違いがないかを印刷出力前に確認することができる。また添付ファイルが未確認であることを条件として通知を行うので、常に確認通知を行ってしまう場合に比べてユーザーが煩わしい思いをしなくて済む。
さらに、本実施形態においては、印刷制御装置3aは、確認通知に対する応答メールにより印刷指示を受信した場合に、その印刷指示に基づく添付ファイルを印刷出力する。これにより、ユーザーによる確認後に添付ファイルを印刷出力するので、ミスプリントを防止できる。
また、本実施形態においては、印刷制御装置3aは、上述した第1の手法として、添付ファイルへのアクセス日時をその添付ファイルから抽出し、上記アクセス日時と電子メールEMの送信日時とが所定時間差未満である場合に、添付ファイルが確認済であると判断する構成である。すなわち、添付ファイルへのアクセス日時と電子メール送信日時とが所定時間差未満であれば、ユーザーが添付ファイルの内容を確認した後、比較的直ぐに電子メールEMを送信したと考えられる。本実施形態において印刷制御装置3aは、そのような場合に添付ファイルを印刷出力するので、例えば、最新情報でないファイルであるにもかかわらず、ユーザーが確認せずに添付してしまったような場合に印刷出力してしまうことを防止できる。
さらに、本実施形態においては、印刷制御装置3aは、上述した第2の手法として、添付ファイルを保存した保存ユーザー情報を該添付ファイルから抽出し、その添付ファイルを保存した保存ユーザーと、電子メールEMの送信元ユーザーとが同一である場合に、添付ファイルが確認済であると判断する。これにより、ユーザーの同一性について判断するので、例えば、他人が作成したファイルを誤って電子メールEMに添付した場合に印刷出力してしまうことを防止できる。
また、本実施形態においては、印刷制御装置3aは、上述した第1の手法と第2の手法とを共に採用し、添付ファイルへのアクセス日時と電子メールEMの送信日時とが所定時間差未満であって、且つ、添付ファイルを保存した保存ユーザーと、電子メールEMの送信元ユーザーとが同一である場合に、添付ファイルが確認済であると判断する構成を例示した。これにより、複数の判断基準に基づいて添付ファイルの確認有無について判断するので、1つの判断基準だけでは判断できない添付間違いの可能性についても判断することができ、利便性が向上する。
上述した第1の実施形態では、一般的に電子メールEMに付加されている付加情報に基づいて添付ファイルの確認有無を判別する構成を例示した。これにより、第1の実施形態において情報処理装置2は、本発明を実現するための特別な構成を備える必要がないので、既存の電子メールアプリケーションソフトウエアを用いることができる。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態に対して、第2の実施形態では、情報処理装置2において、電子メールEMにファイルが添付された後、その電子メールEMの送信前に添付ファイルの開封操作が行われた場合に電子メールEMに特別な情報(開封済情報)を付加する形態について説明する。これにより、電子メールEMが送信される直前にユーザーが添付ファイルを確認したことが印刷制御装置3aにおいて正確に判断できる。以下、そのように構成される情報処理システム1について詳しく説明する。なお、第1の実施形態と重複する構成については、説明を省略する。
図9は、本実施形態における情報処理装置2のハードウェア構成、および、機能構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、ハードウェア構成として、CPU40、ネットワークインタフェース45、操作パネル6、および、記憶部46を備えている。CPU40は、図示しないROMなどのメモリからプログラムやデータなどを適宜読出して演算することにより情報処理装置2の動作を制御する演算ユニットである。ネットワークインタフェース45は、情報処理装置2をネットワークなどのネットワーク5に接続するためのものである。操作パネル6は、情報処理装置2を使用するユーザーに対するユーザーインタフェースとして機能するものであり、各種情報を表示する表示部6aと、ユーザーによる操作指示を検知する操作部6bとを備えている。記憶部46は、例えばソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶装置である。この記憶部46は、情報処理装置2が受信した電子メールEMを記憶する電子メール記憶部47と、印刷対象となる画像データを記憶する画像データ記憶部48とを有している。
また、記憶部46には、アプリケーションプログラム49が記憶されている。アプリケーションプログラム49は、CPU40を後述する各処理部として機能させるためのものである。すなわち、CPU40は、アプリケーションプログラム49を読出して実行することで、電子メールEMの送受信を行う電子メール送受信部41、および、電子メールに関する各種画面を操作パネル6に表示する電子メール表示制御部42として機能する。また、電子メール表示制御部42は、ユーザーの操作指示に基づいて電子メールEMを作成する電子メール作成部43と、開封済情報(詳しくは後述する)を電子メールEMに関連づけるマーキング部44と、を備えている。なお、上記構成は、電子メールプリントに関連するものを例示しており、例えば、情報処理装置2がスマートフォンなどで構成される場合には、上記構成の他にマイクやスピーカなどが設けられると共に、それらマイクやスピーカを制御する制御手段が実装される。以下、各処理部が連携して動作する場合の処理について説明する。
図10は、情報処理装置2の表示部6aに表示される初期画面の一例を示す図である。初期画面には複数のアイコン(操作キー)が表示されており、図例では、2列目において、電子メールプリントを行うためのメールアイコン51が表示されている。このメールアイコン51が選択操作されると、制御部45は、電子メール表示制御部42が機能し、電子メール操作画面を表示する。電子メール表示制御部42は、その電子メール操作画面に対する操作指示に基づき各種処理を行う。例えば、電子メール表示制御部42は、電子メール作成指示を検知すると、電子メール作成部43が機能して以下の処理を行う。
電子メール作成部43は、まず、電子メールEMを作成するための電子メール作成画面を表示部6aに表示させて、ユーザーに各種情報を入力させる。
図11は、電子メール作成部43が表示部6aに表示させる電子メール作成画面53の一例を示す図である。電子メール作成画面53には、電子メールEMの送信先を入力するための宛先欄55、電子メールEMの件名を入力するための件名欄56、添付ファイルのファイル名を表示するファイル名表示欄57、電子メール本文を入力するための本文欄58、電子メールEMの送信指示を行うための送信指示キー60、および、添付ファイルを添付するための添付指示キー61などが表示される。ただし、画面構成は図例に限定されない。
ユーザーは、電子メール作成画面53に対して、電子メールプリントを行うために必要な事項を入力していく。例えば、ユーザーは、印刷出力を行わせる印刷制御装置3aの電子メールアドレスを宛先欄55に入力する。このとき電子メール作成部43は、キーボード表示を行って、そのキーボードに入力される電子メールアドレスを宛先欄55に反映して表示する。または、電子メール作成部43は、宛先欄55が選択操作(例えばタッチ操作)されたことを検知すると、電子メールアドレスの一覧表を表示して、ユーザーによって選択される電子メールアドレスを宛先欄55に表示しても良い。
また、ユーザーは、電子メール作成画面53の件名欄56または本文欄58に対して、印刷設定に関する設定情報56aを入力する。図例では、件名欄56において設定情報56aが入力されている場合を例示している。設定情報56aは、例えば、印刷制御装置3aにおいて解析可能な所定の文字情報で構成される。このとき電子メール作成部43は、キーボード表示を行って、そのキーボードに入力される文字情報を件名欄56(または本文欄58)に反映させて表示する。ただし、ユーザーが設定情報56aを最初から入力するのは手間がかかるので、例えば、電子メール作成部43は、予め登録されている設定情報56aを所定操作に基づいて件名欄56(または本文欄58)に反映して表示しても良い。ただし、必ずしも情報処理装置2において設定情報56aを入力する必要はなく、印刷制御装置3aにおいて予め登録されている印刷設定で電子メールプリントを行うことも可能である。
また、添付指示キー61が選択操作されると、電子メール作成部43は、例えば、画像データ記憶部48に記憶されている画像データの一覧を表示部6aに表示する。そして、1又は複数の画像データが選択操作されると、電子メール作成部43は、その画像データを添付ファイルとして作成中の電子メールEMに関連づける。また、電子メール作成部43は、添付ファイルのファイル名をファイル名表示欄57に表示する。以上のようにして添付ファイル付きの電子メールEMの送信準備が整ったことになる。
ただし、このとき、電子メールEMに添付されているファイルは、必ずしもユーザーが印刷出力を意図しているものではなく、誤って他のファイルが添付されている可能性がある。そのため、ユーザーは、電子メール送信前に添付ファイルを開封してファイル内容を確認し、添付間違いでない場合に送信指示を行うこともある。そこで、情報処理装置2は、電子メール送信前に添付ファイルが開封された場合、電子メール送信前に添付ファイルが開封されたことを示す開封済情報56b(図13参照)を電子メールEMに関連づける。これにより、印刷制御装置3aは、受信した電子メールEMに開封済情報56bが付加されていれば、ユーザーが添付間違いではないと判断したファイルであることを把握することができる。以下、情報処理装置2が開封済情報56bを電子メールEMに付加する場合の処理について詳しく説明する。
図12は、電子メール送信前において、ユーザーが添付ファイルを確認する場合の画面構成の一例を示す図である。例えば、ユーザーは、上記のようにして電子メールEMの送信準備が整った後に添付ファイルを確認したい場合、ファイル名表示欄57を選択操作(例えばタッチ操作)する。電子メール作成部43は、ファイル名表示欄57に添付ファイル名を表示している状態で、そのファイル名表示欄57への選択操作を検知すると、添付ファイルを確認するか否かをユーザーに選択させるための確認画面65をポップアップ表示する。そして、実行キー65aが選択操作されると、電子メール作成部43は、その添付ファイルに基づく画像データを表示するためのアプリケーションプログラムを起動する。このとき制御部45は、画像データを表示する画像データ表示部として機能し、添付ファイルに基づく画像データを表示部6aに表示する。これにより、ユーザーは、表示される画像データを閲覧することで、添付間違いであるか否かを判断することができる。なお、確認画面65においてキャンセルキー65bが選択操作されると、電子メール作成部43は、添付ファイルを表示することなく確認画面65の表示を終了する。
制御部45においては、電子メールEMにファイルが添付された後に、上記のようにして、その添付ファイルの開封操作を検知すると、マーキング部44(図9)が機能する。すなわち、マーキング部44は、上述した実行キー65aの選択操作を検知すると、開封済情報56bを電子メールEMに関連づける。例えば、マーキング部44は、電子メール作成画面53の件名欄56または本文欄58に開封済情報56bを記述することにより、電子メールEMに開封済情報56bを関連づける。
図13は、マーキング部44によって件名欄56に開封済情報56bが記述された場合の電子メール作成画面53の画面構成例を示す図である。図例では、件名欄56には、開封済情報56bとして「添付ファイル開封済=YES」と記述されている。これにより、開封済情報56bが件名欄56に記述されるので、印刷制御装置3aにおいては、その件名欄56を参照することにより、ユーザーが添付ファイルを確認したか否かを判断することができる。
また、図例では件名欄56に開封済情報56bが記述されているが、これに限られず、例えば、マーキング部44は、本文欄58に開封済情報56bを記述しても良い。ただし、設定情報56aが件名欄56に記述されている状態で、開封済情報56bを本文欄58に記述すると、印刷制御装置3aにおいて、設定情報56aの解析対象は件名欄56、開封済情報56bの解析対象は本文欄58となり、複数の解析対象が存在し処理が複雑になる。そこで、マーキング部44は、設定情報56aが記述されている件名欄56または本文欄58に開封済情報56bを記述することが好ましい。
具体的には、マーキング部44は、開封済情報56bを記述する際、件名欄56と本文欄58とのいずれに設定情報56aが記述されているかを判別し、設定情報56aが記述されている欄に開封済情報56bを追加して記述する。これにより、設定情報56aと開封済情報56bとが同一欄に記述されるので、印刷制御装置3aにおいては解析対象が1つになり処理効率が向上する。
電子メール送受信部41は、送信指示キー60が選択操作されたことを検知すると、上記のようにして電子メール作成部43によって作成された電子メールEMを印刷制御装置3aに対して送信する。このとき、ユーザーが添付ファイルの開封操作を行わないまま送信指示を行った場合、開封済情報56bが関連づけられずに電子メールEMが印刷制御装置3aに送信されることになる。一方、ユーザーが添付ファイルの開封操作を行った後に送信指示を行った場合には、開封済情報56bが関連づけられて電子メールEMが印刷制御装置3aに送信されることになる。
図14,図15は、情報処理装置2の制御部45において実行されるフローチャートである。図14に示す処理は、バックグラウンドにおいて行われる処理であり、電子メールEMを受信する際に行われる処理である。図15に示す処理手順は、図14に示す処理とは別に行われる処理であり、主に、ユーザーの操作指示に基づいて電子メールEMを送信する際に行われる処理である。また図14,図15のいずれの処理も情報処理装置2の制御部45に電源が投入されることに伴って、アプリケーションプログラム49が起動されることにより開始される処理である。
制御部45は、図14に示す処理を開始すると、電子メール送受信部41が機能し、電子メールEMの受信タイミングとなったか否かを判断する(ステップS31)。電子メールEMの受信タイミングである場合(ステップS31でYES)、電子メール送受信部41は、メールサーバーに自機宛の電子メールEMが蓄積されているか否かを問い合せ(ステップS32)、自機宛の電子メールEMが蓄積されている場合には(ステップS33のYES)、その電子メールEMを受信して電子メール記憶部47に保存する(ステップS34)。次に、制御部45は、電子メール表示制御部42が機能し、新着メールを受信したことを報知する(ステップS35)一方、電子メール送受信部41は、メールサーバーに自機宛の電子メールEMが蓄積されていない場合(ステップS33のNO)、ステップS31に戻って上記と同様の処理を行う。以上のようにして、図14に示す処理は終了する。
制御部45は、図15に示す処理を開始すると、電子メール表示制御部42が機能し、電子メール操作画面の呼出操作を検知するまで待機する(ステップS41のNO)。図10の例では、電子メール表示制御部42は、メールアイコン51が選択操作されるまで待機する。そして、電子メール操作画面の呼出操作を検知すると(ステップS41のYES)、電子メール表示制御部42は、画面更新を行うことにより、電子メール操作画面を表示する(ステップS42)。続いて制御部45は、次の操作指示を検知するまで待機する(ステップS43のNO)。制御部45は、操作指示を検知すると(ステップS43のYES)、その操作指示が添付ファイルの開封指示であるか(ステップS44)、電子メールEMの送信指示であるか(ステップS47)、終了指示であるか(ステップS49)を判断する。
添付ファイル開封指示である場合(ステップS44のYES)、制御部45は、電子メール作成部43が機能し、その添付ファイルを閲覧するためのアプリケーションプログラムを起動して(ステップS45)、添付ファイルを表示する。この場合、制御部45は、マーキング部44が機能して、開封済情報56bを件名欄56(または本文欄58)に記述して(ステップS46)、ステップ42に戻る。
一方、制御部45は、送信指示を検知すると(ステップS47のYES)、電子メール送受信部41が機能して、電子メールEMを送信し(ステップS48)、ステップS42まで戻る。
また、制御部45は、ステップS43において検知した操作指示が、添付ファイルの開封指示でなく(ステップS44のNO)、電子メールEMの送信指示でもなく(ステップS47のNO)、終了指示でもない場合(ステップS49のNO)、その操作指示に対応する処理部が機能して、必要な処理を行った後に画面を更新する(ステップS42)例えば、電子メール作成指示を検知した場合、制御部45は、電子メール作成部43が機能し、電子メール作成画面53を表示する。また、印刷制御装置3aからの確認通知の表示指示を検知した場合、制御部45は、電子メール表示制御部42が機能し、その確認通知を表示する。
そして、制御部45は、終了指示を検知した場合(ステップS49のYES)、電子メール表示制御部42が機能して、そのとき表示している電子メール操作画面の表示を終了する(ステップS50)。
図16は、本実施形態において、印刷制御装置3aの制御部10において実行される印刷判定処理(図7でステップS5)の処理手順を示すフローチャートである。制御部10は、この処理を開始すると、判別部32が機能し、受信した電子メールEMが印刷対象であるか否かを判断する(ステップS61)。受信した電子メールEMが印刷対象である場合(ステップS61のYES)、判別部32は、件名欄56(または本文欄58)に開封済情報56bが記述されているか否かを判断し(ステップS62)、開封済情報56bが記述されている場合には(ステップS62のYES)、添付ファイルの印刷出力を行うことを決定し、印刷制御部34に印刷指示を行う。印刷制御部34は、判別部32による印刷指示を検知すると、その印刷指示に基づく電子メールEMを電子メール記憶部27aから読出して、その電子メールEMから設定情報56aを抽出して取得する(ステップS64)。そして、印刷制御部34は、電子メールEMから添付ファイルを抽出し、上記設定情報56aに基づいて添付ファイルの印刷出力を実行する(ステップS65)。
一方、件名欄56に開封済情報56bが記述されていない場合には(ステップS62のNO)、判別部32は、確認通知を行うことを決定し、通知部33を機能させる。そして、通知部33は、電子メールEMの送信元ユーザーに対して確認通知を送信する(ステップS63)。
また、判別部32は、応答メールを受信した場合(ステップS61のNO)、その応答メールに印刷続行指示が含まれているか否かを判断し(ステップS66)、応答メールに印刷続行指示が含まれている場合には(ステップS66のYES)、ステップS64に進み印刷制御部34を機能させ、印刷続行指示に基づく添付ファイルの印刷出力を指示する。一方、応答メールに印刷中止指示が含まれている場合には(ステップS66のNO)、判別部32は、その印刷中止指示に基づく添付ファイルを電子メールEMと共に削除する(ステップS67)。
そして、判別部32は、電子メール記憶部27aに未処理の電子メールEMがあるか否かを判断し(ステップS68)、未処理の電子メールEMがある場合には(ステップS68のYES)、ステップS61に戻って上記と同様の処理を行う。一方、未処理の電子メールEMがない場合(ステップS68のNO)、制御部45は、処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、印刷制御装置3aにおいては、受信した電子メールEMに開封済情報56bが関連づけられている場合に、添付ファイルが確認済であると判断する。すなわち、電子メール送信前に添付ファイルが開封された場合、ユーザーが添付ファイルの内容を最終確認したと判断できるので添付間違いの可能性はないと考えられる。本実施形態においては、印刷制御装置3aは、電子メール送信前に添付ファイルが開封されたことを示す開封済情報56bに基づいて、添付ファイルが確認済であるか否かを判断するので、ユーザーが送信前に内容を最終確認した添付ファイルであるか否かを高精度に判別することができる。これにより、添付間違いのない添付ファイルを印刷出力することができる。
また、本実施形態では、情報処理装置2は、電子メールEMの送信前に添付ファイルが開封された場合に、添付ファイルが開封済であることを示す開封済情報56bを添付ファイルに関連づける。そして、情報処理装置2は、ユーザーによる送信指示に基づいて、開封済情報56bが関連付けられた電子メールEMを印刷制御装置3aに対して送信する。これにより、情報処理装置2において、電子メールEMが送信前に開封された場合に開封済情報56bを電子メールEMに関連づけるので、情報処理装置2は、印刷制御装置3aに対して、その開封済情報56bの有無に基づいて添付間違いの可能性があるか否かを高精度で判別させることができるようになる。したがって、印刷制御装置3aにおいては、上述したように、上記開封済情報56bの有無に基づいて印刷出力を行うことができるので、ミスプリントを防止できると共に、電子メール送信後にユーザーが印刷出力の可否について常に判断する必要がなくなるので利便性が向上する。
また、本実施形態では、印刷制御装置3aは、印刷設定に関する設定情報56aを電子メールEMの件名欄56または本文欄58に記述し、その設定情報56aが記述されている件名欄56または本文欄58に開封済情報56bをさらに記述する。これにより、開封済情報56bが設定情報56aと同一欄に記述されるので、電子メールEMを受信する印刷制御装置3aにおいては、件名欄56および本文欄58のいずれかを解析すれば良いので処理効率が向上する。
ところで、上述した実施形態では、印刷制御装置3aは、添付ファイル付きの電子メールEMを受信した場合、その添付ファイルのみを印刷出力する処理を例示した。ただし、これに限られず、例えば、添付ファイルと共に電子メール本文を印刷出力しても良い。例えば、印刷制御装置3aは、添付ファイルだけを印刷出力するか、添付ファイルと電子メール本文とを共に印刷出力するかを事前登録する。そして、印刷制御装置3aは、添付ファイルが確認済であると判別した場合に、その登録内容に基づいて、添付ファイルだけを印刷出力したり、添付ファイルと共に電子メール本文を印刷出力したりしても良い。なお、電子メール本文には、本文欄58のみならず、宛先欄55、件名欄56、ファイル名表示欄57などが含まれても良い。
ただし、上記のように電子メール本文を印刷出力すると、設定情報56aや開封済情報56bも印刷されることになり実情に沿わない可能性がある。そこで、設定情報56aと開封済情報56bとを件名欄56または本文欄58に記述するのではなく、添付ファイルとは別のファイルにそれら設定情報56aと開封済情報56bとを記述して電子メールEMにさらに添付しても良い。
具体的には、情報処理装置2の電子メール作成部43は、電子メール作成画面53を表示している状態で、印刷設定を行うための所定操作を検知すると、文書作成用のアプリケーションプログラムを起動して、予め登録されている設定情報56aを新規ファイルの描画領域に記述して画像表示する。これにより、ユーザーは印刷設定を確認できる。また、このとき電子メール作成部43は、印刷設定を確定するための確定操作を検知すると、上記新規ファイルに所定のファイル名を付加して保存すると共に、その新規ファイルを電子メールEMに添付する。
また、マーキング部44は、添付ファイルが開封されると、その添付ファイルが印刷対象となるファイルであるか、または、設定情報56aが記述されているファイル(以下「設定情報記述ファイル」と称する)であるかを判別する。例えば、マーキング部44は、ファイル名やファイル形式などに基づいて、印刷対象となるファイルと設定情報記述ファイルとを判別する。そして、マーキング部44は、印刷対象となる添付ファイルが開封された場合には、一旦、設定情報記述ファイルの添付解除を行う。続いて、マーキング部44は、設定情報記述ファイルに開封済情報56bを追加記述して上書き保存した後、その設定情報記述ファイルを電子メールEMに再添付する。これにより、設定情報56aと開封済情報56bとが共に記述されたファイルが添付されることになる。そして、電子メール送受信部41は、印刷対象となるファイルと、設定情報記述ファイルとを添付した電子メールEMを、ユーザーによる送信指示に基づいて印刷制御装置3aに送信する。
一方、印刷制御装置3aは、上記電子メールEMを受信すると、印刷対象となるファイルと設定情報記述ファイルとを、例えばファイル名やファイル形式に基づいて判別する。そして、印刷制御装置3aは、設定情報記述ファイルから設定情報56aと開封済情報56bを抽出して、上記と同様の処理を行う。なお、情報処理装置2において、印刷対象となる添付ファイルが開封されなかった場合には、設定情報記述ファイルには開封済情報56bが記述されないので、上記と同様にして、印刷制御装置3aは、電子メールEMの送信元ユーザーに対して確認通知を行う。これにより、印刷対象となるファイルとは別のファイルに設定情報56aと開封済情報56bとを記述するので、電子メール本文を印刷出力する際に、設定情報56aと開封済情報56bとが印刷されることはない。
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば、上記第1および第2の実施形態では、印刷制御装置3aがMFPなどの画像形成装置3に実装される場合を説明したが、電子メール送受信機能とプリント機能のみを備えるネットワークプリンタに実装されるものであっても構わない。または、印刷制御装置3aは、それ自体がプリント機能を有さないプリントサーバーに実装されるものであっても良い。ただし、この場合、図2に示すハードウェア構成としては、制御部10と、ネットワークインタフェース23と、記憶部27とを有していれば良く、操作パネル8、スキャナ部24、プリンタ部25およびFAX部26は必須ではない。また、この場合、印刷制御装置3aの印刷制御部34は、ネットワークインタフェース23を介して接続される外部プリンタに対して印刷指示を行う。
また、上述した第1の実施形態では、第1の手法において、電子メール送信日時を判断基準とする処理を例示した。ただし、電子メール送信日時の代わりに電子メール受信日時を用いても良い。つまり、判別部32は、添付ファイルへのアクセス日時と電子メール受信日時とが所定時間差未満である場合に、添付ファイルが確認済であると判断し、添付ファイルへのアクセス日時と電子メール受信日時とが所定時間差以上である場合に、添付ファイルが未確認であると判断する。ただし、一般的に、電子メールは、送信されてから直ちに宛先に到達するのではなく、複数のメールサーバーを経由したり、受信側において新着メールの確認タイミングになるまで待機したりするので、電子メール送信日時を用いる場合に比べて電子メール受信日時は遅い日時になる傾向がある。そのため、添付ファイルの送信日時と電子メール受信日時との時間差は、添付ファイルの送信日時と電子メール送信日時との時間差よりも、上述したタイムラグだけ長く設定することが好ましい。
また、第1の実施形態では、上述した第1の手法において、添付ファイルへのアクセス日時を判断基準とする場合を例示した。ただし、第1の手法においては、ユーザーが最終的にいつファイルを確認したのかを特定できれば良いので、例えば、上記アクセス日時の代わりに添付ファイルのファイル更新日時を用いても良い。このファイル更新日時も上記アクセス日時と同様に、一般的にファイルに付加されている情報である。このような構成によっても添付ファイルが電子メールEMの送信直前に確認されたものであるか否かを判断できる。
また、上述した第2の実施形態では、添付ファイルが開封された場合にのみ、件名欄56(または本文欄58)に開封済情報56bが記述される場合を例示した。ただし、これに限られず、例えば、添付ファイルが開封されない場合に、添付ファイルが未だ未開封であることを示す未開封情報を件名欄56(または本文欄58)に記述しても良い。具体的には、マーキング部44は、電子メール作成画面53が設定情報56aを件名欄56(または本文欄58)に記述するときに、添付ファイルが未開封であることを条件として、その設定情報56aが記述される欄と同一欄に上記未開封情報を記述する。そして、その後に添付ファイルが開封された場合に、未開封情報を削除して開封済情報56bを新たに記述する。これにより、添付ファイルが未開封であることを送信前にユーザーに報知することにより、ユーザー対して、送信前における添付ファイルの確認を促すことができる。
また、上述した第2の実施形態では、設定情報56aが記述された後に、その設定情報56aが記述されている欄または設定情報記述ファイルに開封済情報56bを記述する処理を例示した。ただし、これに限られない。例えば、設定情報56aを記述するよりも前に添付ファイルが開封された場合、マーキング部44は、予め設定される件名欄56(若しくは本文欄58)、または、新規ファイルに開封済情報56bを記述する。そして、その後に、電子メール作成部43は、上記開封済情報56bが記述されている欄またはファイルに設定情報56aを記述しても良い。
また、上述した第2の実施形態では、電子メール作成画面53において、ユーザーが宛先欄55、件名欄56などに別々に必要事項を入力する場合を例示したがこれに限られない。例えば、制御部45は、電子メール操作画面の呼出操作を検知した場合、電子メールプリントを行うためのメールプリントキーを表示し、そのメールプリントキーが選択操作されると、印刷制御装置3aの電子メールアドレスや、予め登録されている設定情報56aなど、必要事項が既に反映された電子メール作成画面53を表示しても良い。これにより、ユーザーの操作負担が軽減される。または、画像データを表示している状態で上記メールプリントキーを表示し、そのメールプリントキーが選択操作されると、その画像データが添付された状態で、さらに必要事項が既に反映された電子メール作成画面53が表示されるように構成しても良い。
また、上述した第2の実施形態では、ファイルの添付後に、その添付ファイルの開封操作を検知した場合に開封済情報56bが記述される場合を例示した。この場合、人間に対する電子メール作成時にも添付ファイルの開封操作によって開封済情報56bが記述されてしまうことになるので、例えば、マーキング部44は、開封操作を検知した場合、印刷制御装置3aの電子メールアドレスが宛先に含まれているか否かを判断し、印刷制御装置3aの電子メールアドレスが宛先に含まれている場合に、開封済情報56bを記述し、印刷制御装置3aの電子メールアドレスが宛先に含まれていない場合には、開封済情報56bを記述しなくても良い。
また、上述した第2の実施形態では、ユーザーが判別用コマンド35a(図4)の「Yes」,「No」のいずれかを正しく指定することを前提として、その後の処理を例示した。ただし、実際には、ユーザーが判別用コマンド35aの「Yes」,「No」の双方を指定してしまったり、いずれも指定しなかったりして応答メールを送信してしまうケースも考えられる。つまり、判別用コマンド35aの「Yes」,「No」の双方が記述されたままの状態で応答メールが送信されてしまうケースや、判別用コマンド35aの「Yes」,「No」がいずれも記述されない状態で応答メールが送信されてしまうケースなどである。
仮に、判別用コマンド35aの「Yes」,「No」の双方が記述されていたり、または判別用コマンド35aの「Yes」,「No」のいずれも記述されていなかったりすると、後に印刷制御装置3aが印刷出力の可否について判断できなくなってしまう。そこで、情報処理装置2は、以下のように処理を行っても良い。すなわち、情報処理装置2において電子メール送受信部41は、電子メールEMの送信指示を検知したとき、判別用コマンド35aの「Yes」,「No」のいずれか一方が指定された状態であるか否かを判断し、判別用コマンド35aの「Yes」,「No」のいずれか一方が指定された状態でない場合、つまり、判別用コマンド35aの「Yes」,「No」の双方が記述されている場合、または、判別用コマンド35aの「Yes」,「No」のいずれも記述されていない場合、電子メール送信を行わずに、エラー報知を行っても良い。これにより、後に印刷制御装置3aが印刷出力の可否について判断できなくなってしまうことを防止できる。
また、上記においては、第2の実施形態において、電子メールEMの件名欄56などに設定情報56aが記述される場合を例示したが、第1の実施形態においても、第2の実施形態と同様に電子メールEMの件名欄または本文欄などに設定情報56aが記述されても良い。