以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとはそれぞれ、特別図柄の可変表示後に、上記の可変表示の結果として、確定特別図柄を導出表示(ここでは、停止表示)する。可変表示中に表示される特別図柄と、確定特別図柄(つまり、導出表示される可変表示結果)とは同じであっても良いし、異なるものであってもよい。つまり、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bとのうちの少なくとも一方は、ルーレットのように可変表示する複数の特別図柄のうちのいずれかの特別図柄を確定特別図柄(つまり、可変表示結果)として導出表示してもよいし(例えば、「0」〜「9」を可変表示して、「1」を確定特別図柄として表示する。)、可変表示する複数の特別図柄以外の特別図柄を確定特別図柄(つまり、可変表示結果)として導出表示してもよい(例えば、「0」〜「9」を可変表示して、「−」を確定特別図柄として表示する。)。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示、飾り図柄の拡大・縮小など)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示には、可変表示の開始時には表示されていなかった新たな飾り図柄が登場して変動する態様があってもよい。
なお、特別図柄と同様に、可変表示中に表示される飾り図柄と、確定飾り図柄(つまり、導出表示される可変表示結果)を構成する飾り図柄とは同じであっても良いし、異なるものであってもよい。各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば、「0」〜「9」を可変表示して、「1」を確定飾り図柄として表示してもよいし、例えば、「0」〜「9」を可変表示して、「0」〜「9」以外の飾り図柄を確定飾り図柄として表示してもよい。
図1に示すパチンコ遊技機1の構成例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数は、例えば第1始動入賞口に遊技球が進入(例えば、通過)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第2特図保留記憶数は、例えば第2始動入賞口に遊技球が進入(例えば、通過)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ1加算(インクリメント)される。これにより、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。
第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。このように、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときには、可変表示の保留が発生する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
第1保留表示器25Aや第2保留表示器25Bとともに、あるいは、これらの保留表示器に代えて、画像表示装置5の表示領域に始動入賞記憶数表示エリアを設けてもよい。すなわち、始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
画像表示装置5の表示領域における所定縁部の近傍には、可動演出部材60が設けられている。一例として、表示領域が横長の方形状(横向きの長方形)である場合には、長辺(例えば上縁部となる上辺)における外周縁部の近傍にて表示領域の周囲を装飾する装飾部材の内部または外部に、可動演出部材60が収容されていればよい。このように、可動演出部材60は、画像表示装置5における表示領域の所定端部に近接して設けられたものであればよい。図1では、可動演出部材60が装飾部材の内部に収容されることを、破線により示している。
可動演出部材60は、図2に示す可動演出部材用モータ61の回転駆動により、画像表示装置5における表示領域の前面に進出する演出用模型(演出用役物装置)を構成するものであればよい。すなわち、可動演出部材60は、表示領域の周囲を装飾する装飾部材の内部または外部に収容された退避位置と、表示領域の前面に進出した進出位置とのあいだで、移動可能なものであってもよい。このとき、退避位置から進出位置へと向かう方向は、画像表示装置5における表示領域の所定縁部(例えば上縁部となる上辺)から他の縁部(例えば下縁部となる下辺)へと向かう方向であればよい。なお、所定縁部から他の縁部に達するまで進出してもよいし、他の縁部に達するより前(例えば表示領域の中央部)に進出位置となるようにしてもよい。なお、可動演出部材60は、表示領域の前面に進出可能なものに限定されず、例えば回転装飾体を用いて構成され、表示領域の近傍にて回転する演出動作を行うものであってもよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入(ここでは、通過)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入(ここでは、通過)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口に遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(ここでは、通過)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態(又は一部開放状態)となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、例えば、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿が設けられている。打球供給皿を形成する部材には、遊技者により操作可能な操作部30が取り付けられている。操作部30は、押しボタンスイッチからなる平面視で円形の操作ボタンを含んで構成されている。操作部30に対してなされた遊技者の操作行為は、それぞれ図2に示す操作検出スイッチ31によって検出される。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受信する機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。例えば、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。なお、演出制御基板12は、操作検出スイッチ31から伝送された操作検出信号を受信して所定の制御を行う機能も備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。操作検出スイッチ31は、操作部30に対してなされた遊技者の操作行為を検出するものであり、遊技者の操作行為を表す操作検出信号を演出制御基板12に供給する。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120が表示制御指令(表示制御信号)を表示制御部123に供給し表示制御部123を制御する表示制御動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、可動演出部材60を動作させる可動演出部材用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作検出スイッチ31から供給される操作検出信号を伝送する配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令(表示制御信号)などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド、操作検出スイッチ31から伝送された操作検出信号などを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたり、モータ駆動回路16を介して可動演出部材60を動かしたりして、各種の演出(リーチ演出や示唆演出など、遊技の盛り上げるための演出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を進入する始動入賞(第1始動入賞)が発生したときに、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより、第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を進入する始動入賞(第2始動入賞)が発生したときに、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態(又は一部開放状態)となり、入賞球が発生不可能(又は発生困難)となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「14」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「14」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
このような短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態及び時短状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、時短状態が終了して通常状態になることがある。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が確変状態や時短状態であって高開放制御を伴う時短制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御を伴う時短制御が行われるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクター画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
この実施の形態では、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される場合に、まずは飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて、ノーマルのリーチ演出が実行される。その後、スーパーA又はスーパーBのリーチ演出が実行され、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されて確定表示される。なお、スーパーAのリーチ演出の実行中に、スーパーAのリーチ演出が途中でスーパーBのリーチ演出に切り替わって実行されることがある(図12参照)。このように、スーパーAのリーチ演出が途中でスーパーBのリーチ演出に切り替わることを「リーチ演出が発展する」、「スーパーAがスーパーBに発展する」、「発展」などともいう。このようなスーパーAからスーパーBへの発展がある場合には、スーパーBのリーチ演出が実行されたあとに、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されて確定表示される。なお、ノーマルのリーチ演出が実行された後にスーパーA又はスーパーBのリーチ演出が実行されることについても、適宜「発展」などという場合がある。
この実施の形態では、(a)スーパーAのリーチ演出が実行されたとき(スーパーBへの発展無し)、(b)スーパーBのリーチ演出が実行されたとき(スーパーAからの発展無し)、(c)スーパーAがスーパーBに発展するリーチ演出が実行されたとき、の順で、大当り期待度が高くなる((a)が最も低く、(c)が最も高い)。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される。
なお、以下では、ノーマルのみのリーチ演出(スーパーAやスーパーBを含まない演出)をノーマルリーチなどといい、スーパーAを含みスーパーBへの発展が無いリーチ演出をスーパーリーチAなどといい、スーパーAからの発展が無くスーパーBを含むリーチ演出をスーパーリーチBなどといい、スーパーAからスーパーBへの発展があるリーチ演出をスーパーリーチA→Bなどという場合がある。
また、この実施の形態では、大当り遊技状態(この実施の形態では、第1特定遊技状態。示唆演出について同じ。)に制御される可能性(可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)になる可能性)を示唆する示唆演出であって、この示唆演出を実行しない場合よりも実行した場合の方が、前記可能性が高いことを示唆する示唆演出が、スーパーリーチAの実行中や、スーパーリーチBの実行中に実行されることがある。詳しくは後述するが、この実施の形態における示唆演出には、リーチ演出が実行されることによって画像表示装置5の表示領域に表示される画像(一部の画像であってもよい。)の背景を他の異なる背景(色彩及び/又は柄を変更した背景)に変更して表示する演出や、リーチ演出が実行されることによって画像表示装置5の表示領域に表示されるキャラクターを他のキャラクターに変更して表示する演出などが含まれる。なお、示唆演出は、その他所定の表示画像をリーチ演出における通常のもの(つまり、変更の無いもの)から他の画像に変更して表示などする演出や、可動演出部材60が退避位置から画像表示装置5における表示領域の前面(進出位置)に進出するなどして可動演出部材60を動作させるとともに、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による効果音の出力や発光体の点灯を行うものであってもよいし、その他、可動演出部材60を用いずに、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による効果音の出力や発光体の点灯を行うものであってもよい。示唆演出は、例えば、操作部30への所定の操作を行うことによって実行される演出や、所定の画像をスーパーリーチAやスーパーリーチBに挿入する演出、スーパーリーチAやスーパーリーチBにおけるキャラクターなどのセリフやメッセージを他のものに変更する演出などであってもよい。基本的には、示唆演出は、スーパーリーチAやスーパーリーチBなどにおける演出態様の一部(画像を含む)を他のものに変更することで、大当り遊技状態に制御される可能性を示唆する演出とするとよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せ(特定表示結果)となる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、変動パターン決定用の乱数値MR2とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR2は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(最初は“0”である。)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄の可変表示結果や大当り種別を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定(選択)する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターンは、1回の飾り図柄の可変表示の内容(可変表示が開始されてから表示結果が導出表示するまでの間の内容)を示すものでもあるため、変動パターンの決定によって、飾り図柄の可変表示の内容も決まることになる。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4A又は4Bにおいて特別図柄の変動を開始させる処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させる処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。小当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。大当りフラグや小当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態(又は半開放状態)から閉鎖状態に戻すタイミングと判別した場合に大入賞口を閉鎖状態(又は半開放状態)に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態(又は半開放状態)に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
大当り終了処理において、CPU103は、RAM102の所定領域から大当り種別バッファ値を読み出すことにより、大当り種別が「非確変」、「確変」または「突確」のいずれであったかを特定する。このとき特定された大当り種別が「確変」または「突確」である場合には、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。また、特定された大当り種別が「非確変」または「確変」である場合には、時短制御を開始するための設定を行う。例えば、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグをオン状態にセットするとともに、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた時短回数カウンタに所定のカウント初期値(例えば「100」)を設定すればよい。時短回数カウンタは、時短制御が終了するまでに実行可能な特図ゲームの残り回数をカウントする。なお、大当り種別が「確変」であることに対応して、次に可変表示結果が「大当り」となるまで時短制御を継続させる場合には、時短回数カウンタのカウント初期値を設定せずに、確変フラグと時短フラグとをいずれもオン状態にセットすればよい。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とする処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態(又は半開放状態)から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は半開放状態)に戻すタイミングと判別した場合に大入賞口を閉鎖状態(又は半開放状態)に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態(又は半開放状態)に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に再び大入賞口を開放状態とするまで待機する処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図4は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データ(最も過去に記憶された保留データ)として、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。すなわち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データ(最も過去に記憶された保留データ)として、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。
図5(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図5(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図5(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」または「突確」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。また、図5(A)に示す決定例では、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で特図表示結果が「小当り」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、特図表示結果が「小当り」に決定されることがない。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて特図表示結果が「小当り」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い割合で、特図表示結果が「小当り」に決定されることがあってもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類(「確変」、「非確変」、「突確」)のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出す。さらに、CPU103は、変動特図指定バッファ値に基づいて変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかを判定する(変動特図指定バッファ値が、「1」であれば変動特図は第1特図であり、「2」であれば変動特図は第2特図である。)。CPU103は、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかの判定結果と、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値を示す数値データとに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、判定結果に対応して大当り種別決定用の乱数値に該当する決定値に割り当てられた「確変」、「非確変」、「突確」のいずれかを大当り種別として決定すればよい。
図5(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合に、所定割合で大当り種別が「突確」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」には決定されない。すなわち、大当り種別が「突確」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い割合で、大当り種別が「突確」に決定されることがあってもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータ(つまり、「突確」、「確変」、「非確変」のいずれかを示すデータ)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図6(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図6(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」や「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図7(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図6(A)に示すステップS262の処理では、CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる変動パターン決定用の乱数値MR2を変動用乱数バッファから読み出し、読み出した乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、図7(A)に示すような決定割合(選択割合)で可変表示結果が「大当り」となる場合の変動パターンが決定(選択)されればよい。大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「確変」又は「非確変」と「突確」とのいずれであるかに応じて乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、変動パターンPA3−1〜PA3−4及び変動パターンPC1−1〜PC2ー1に、割り当てられていればよい。CPU103は、大当り種別バッファ大当り種別の決定結果を示すデータを参照し、このデータが示す大当たり種別の決定結果が「確変」又は「非確変」と「突確」とのいずれであるかを判定する。CPU103は、この判定結果と、変動用乱数バッファから読み出した乱数値MR2を示す数値データと、に基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、判定結果に対応して乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた変動パターンPA3−1〜PA3−4及び変動パターンPC1−1〜PC2ー1のいずれかを大当り時における変動パターンとして選択(決定)すればよい。
図7(B)は、小当り時における変動パターンの決定例を示している。例えば図6(A)に示すステップS264の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意された小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、図7(B)に示すような決定割合(選択割合)で可変表示結果が「小当り」となる場合の変動パターンが決定(選択)されればよい。小当り変動パターン決定テーブルでは、乱数値MR2と比較される数値(決定値)が変動パターンPC1−1のみに割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した乱数値MR2を示す数値データに基づいて、小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを小当り時における変動パターンとして決定すればよい。この実施の形態では、決定値すべてが変動パターンPC1−1に割り当てられており、CPU103は、変動パターンをPC1−1に選択(決定)する。
図7(C)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。例えば図6(A)に示すステップS265の処理では、変動パターン決定用の乱数値MR2に基づいて、ROM101の所定領域に予め記憶されて用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、図7(C)に示すような決定割合(選択割合)で可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンが決定(選択)されればよい。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターンPA1−1〜PA1−3、変動パターンPB1−1〜PB1ー2、変動パターンPA2−1〜PA2−4に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した乱数値MR2を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた変動パターンPA1−1〜PA1−3、変動パターンPB1−1〜PB1ー2、変動パターンPA2−1〜PA2−4のいずれかをハズレ時における変動パターンとして選択(決定)すればよい。
図6(B)に示すように、各変動パターンPA2−1〜PA2−4と、各変動パターンPA3−1〜PA3−4とでは、内容が対応する変動パターン(例えば、PA2−1とPA3−1)それぞれの特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。
図7(A)に示す決定例では、大当り種別が「非確変」または「確変」の場合に、変動パターンPA3−1といった、ノーマルリーチが実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−2、PA3−3といったスーパーリーチA、スーパーリーチBが実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。一方、図7(C)に示す決定例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルリーチが実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2、PA2−3といったスーパーリーチA、スーパーリーチBが実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。これらにより、スーパーリーチA、又は、スーパーリーチBが実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が、ノーマルリーチが実行された場合よりも高いことが分かる。
また、図7(C)に示す決定例ではスーパーリーチA、スーパーリーチBが実行される変動パターンPA2−2、PA2−3の各決定割合は、スーパーリーチAが実行される変動パターンPA2−2の方が高くなっている。図7(A)に示す決定例では、スーパーリーチA、スーパーリーチBが実行される変動パターンPA3−2、PA3−3の各決定割合は、スーパーリーチAが実行される変動パターンPA3−2の方が低くなっている。
これらにより、実行されたときに可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)は、スーパーリーチBが実行された場合の方が、スーパーリーチAが実行された場合よりも高いことが分かる。
なお、大当り期待度は、上記のように例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される。
例えば、確変状態において第1特図が変動しているときに、ノーマルリーチが実行された場合の大当り期待度は、{(4/100)×(10/345)}/[{(4/100)×(10/345)}+{(15/100)×(335/345)}]=約0.008(必ず大当りになる場合を1とした場合、以下同じ。)となる。
例えば、確変状態において第1特図が変動しているときに、スーパーリーチAが実行された場合の大当り期待度は、{(30/100)×(10/345)}/[{(30/100)×(10/345)}+{(10/100)×(335/345)}]=約0.082となる。
例えば、確変状態において第1特図が変動しているときに、スーパーリーチBが実行された場合の大当り期待度は、{(64/100)×(10/345)}/[{(64/100)×(10/345)}+{(4.95/100)×(335/345)}]=約0.22となる。
例えば、確変状態において第1特図が変動しているときに、スーパーリーチA→Bが実行された場合の大当り期待度は、{(2/100)×(10/345)}/[{(2/100)×(10/345)}+{(0.05/100)×(335/345)}]=約0.54となる。
上記の例示からも分かるように、スーパーリーチA→Bが実行される変動パターンの決定割合は、可変表示結果が「大当り」のときであっても(図7(A))、可変表示結果が「ハズレ」のときであっても(図7(C))、他のリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなっているが、上記のように、スーパーリーチA→Bが実行された場合の大当り期待度は、他のリーチ演出が実行された場合の大当り期待度よりも大きくなっている。以上から、スーパーリーチA→Bは、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれよりも実行されにくいが、スーパーリーチA→Bが実行された場合の大当り期待度は、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBのいずれが実行された場合よりも高く、スーパーリーチA→Bが実行された場合には、大当り遊技状態になる期待を大きく持つことができる。
図6(A)に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図6(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させる(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、ステップS262において選択された変動パターンの内容を指定する演出制御コマンドであり、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「ハズレ」、「小当り」のいずれであるかや、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、可動演出部材60の所定動作(例えば揺動または移動)といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図8は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図9(A)は、可変表示開始設定処理として、図8のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS501)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS501;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(例えば、PA1−1〜PA1−3及びPB1−1〜PB1−2)であるか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS502;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS503)。一例として、ステップS503の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブル(左確定図柄決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が各左確定図柄に割り当てられたもの(以下、他の確定図柄決定テーブルなどについても適宜同様。))を参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する(例えば、左確定図柄決定用の乱数値に該当する決定値に割り当てられた飾り図柄を左確定図柄として決定(選択)する(以下、他の確定図柄の決定についても適宜同様。))。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS502にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS502;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS504)。一例として、ステップS504の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS501にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS501;No)、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS505)。特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドを読み取ることなどにより、演出制御用CPU120によって特定されればよい。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS505;Yes)、例えば短期開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS506)。
ステップS506における処理の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1が指定された場合に、複数種類の短期開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のチャンス目決定テーブル(チャンス目決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が各チャンス目に割り当てられたもの)を参照することなどにより、チャンス目決定用の乱数値に該当する決定値に割り当てられたチャンス目を短期開放チャンス目を構成する確定飾り図柄の組合せとして決定すればよい。
ステップS506における処理の他の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC2−1が指定された場合に、例えばステップS504と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。あるいは、変動パターンPC2−1が指定された場合に、ステップS504と同様の処理を実行することにより「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される同一の飾り図柄を決定する一方で、ステップS504とは異なる処理を実行することにより、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(短期開放チャンス図柄)を停止表示することに決定してもよい。こうした短期開放チャンス図柄を含むリーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放チャンス目に含まれてもよい。
なお、変動パターンPC2−1が指定されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合でも、例えば「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されることによりリーチ態様となった後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、短期開放チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが導出表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS506の処理では、変動パターンPC2−1が指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS505にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS505;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS507)。一例として、ステップS507の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブル(大当り種別が「確変」又は「非確変」であるかに応じて、大当り確定図柄決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り確定図柄(例えば、「確変」の場合には、「1」、「3」、「5」、「7」であり、「非確変」の場合には、「2」、「4」、「6」、「8」など)に割り当てられたもの)を参照することなどにより、大当り確定図柄決定用の乱数値に該当する決定値が大当り種別が「確変」又は「非確変」であるかに応じて割り当てられている図柄を、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄(大当り確定図柄)として決定する。
ステップS503、S504、S506、S507の処理のいずれかを実行した後には、示唆演出の実行の有無や、実行する場合の示唆演出の内容などを決定する示唆演出決定処理を実行する(ステップS508)。示唆演出は、上述のように、実行されない場合よりも大当り遊技状態に制御される可能性が高いことを示唆する演出である。示唆演出は、この実施の形態では、スーパーリーチAの実行中に3回実行可能であり(示唆演出AからC)、スーパーリーチBの実行中に1回実行可能である(示唆演出D)。示唆演出の実行可能回数は適宜変更可能であるが、スーパーリーチBを実行している間の示唆演出の実行可能回数よりも、スーパーリーチAを実行している間の示唆演出の実行可能回数を多くする。
示唆演出は、図10(A)に示すように、スーパーリーチA(変動パターン2−2、3−2)の実行中においては、示唆演出A実行期間、示唆演出B実行期間、示唆演出C実行期間のそれぞれにおいて、示唆演出A、示唆演出B、示唆演出Cとして実行される。示唆演出は、図11(A)に示すように、スーパーリーチB(変動パターン2−3、3−3)の実行中においては、示唆演出D実行期間において、示唆演出Dとして実行される。示唆演出は、図12に示すように、スーパーリーチA→Bの実行中においては、示唆演出は実行されない。なお、この実施の形態のスーパーリーチA→Bでは、スーパーリーチAの演出が実行されてから(特に、ノーマルからスーパーAに発展した後)、上記示唆演出A実行期間の到来前の所定タイミングに、スーパーリーチAからスーパーリーチBへの発展が行われる。
各示唆演出AからDは、大当り遊技状態に制御される可能性が高いことを示唆する第1の示唆演出と、大当り遊技状態に制御される可能性が前記第1の示唆演出より低いことを示唆する第2の示唆演出とを含み、各示唆演出実行期間では、示唆演出が実行されないか、第1の示唆演出が実行されるか、第2の示唆演出が実行される。なお、第1の示唆演出の大当り期待度は、第2の示唆演出の大当り期待度よりも高いものとなっている。
示唆演出決定処理では、示唆演出AからDについて、実行の有無や実行する場合の示唆演出の内容(第1の示唆演出を実行するか又は第2の示唆演出を実行するかなど)が決定される。
示唆演出A実行期間において実行される示唆演出Aには、第1の示唆演出として、画像表示装置5の表示領域に表示される画像の少なくとも一部を桜柄にした画像を表示する示唆演出(適宜、桜柄の示唆演出という。)があり、第2の示唆演出として、画像表示装置5の表示領域に表示される画像の少なくとも一部を赤色にした画像を表示する示唆演出(適宜、赤色の示唆演出という。)がある(図10(B)の「桜」、「赤」参照)。例えば、スーパーAを含み発展のないリーチ演出が実行されたときに画像表示装置5の表示領域において表示される画像が、図18に示す一連の画像である場合、(1−c)の段階において示唆演出Aが実行される可能がある。この場合、第1の示唆演出として、図20の(1−c−3)にような、背景を桜柄に変更した画像の表示が実行される。また、第2の示唆演出として、図20の(1−c−2)にような、背景を赤色(赤色はハッチングで表した。以下、赤色について同じ)に変更した画像の表示が実行される。
示唆演出B実行期間において実行される示唆演出Bには、第1の示唆演出として、画像表示装置5の表示領域に表示されるキャラクターをキャラクターCにした画像を表示する示唆演出(適宜、キャラクターCの示唆演出という。)があり、第2の示唆演出として、画像表示装置5の表示領域に表示されるキャラクターをキャラクターBにした画像を表示する示唆演出(適宜、キャラクターBの示唆演出という。)がある(図10(B)参照)。例えば、上記と同様に図18の(1−d)の段階において示唆演出Bが実行される可能がある。この場合、第1の示唆演出として、図20の(1−d−3)にように、図18の(1−d)で登場するキャラクターAをキャラクターCに変更して表示する演出が実行される。また、第2の示唆演出として、図20の(1−d−2)にように、図18の(1−d)で登場するキャラクターAをキャラクターBに変更して表示する演出が実行される。
示唆演出C実行期間において実行される示唆演出Cには、第1の示唆演出として、画像表示装置5の表示領域に表示される画像の少なくとも一部を桜柄にした画像を表示する示唆演出(適宜、桜柄の示唆演出という。)があり、第2の示唆演出として、画像表示装置5の表示領域に表示される画像の少なくとも一部を赤色にした画像を表示する示唆演出(適宜、赤色の示唆演出という。)がある(図10(B)の「桜」、「赤」参照)。例えば、上記と同様に図18の(1−f)の段階において示唆演出Cが実行される可能がある。この場合、第1の示唆演出として、図20の(1−f−3)にような、所定の画像の背景を桜柄に変更した画像の表示が実行される。また、第2の示唆演出として、図20の(1−f−2)にような、所定の画像の背景を赤色に変更した画像の表示が実行される。
示唆演出D実行期間において実行される示唆演出Dには、第1の示唆演出として、画像表示装置5の表示領域に表示される画像の少なくとも一部を桜柄にした画像を表示する示唆演出(適宜、桜柄の示唆演出という。)があり、第2の示唆演出として、画像表示装置5の表示領域に表示される画像の少なくとも一部を赤色にした画像を表示する示唆演出(適宜、赤色の示唆演出という。)がある(図11(B)参照の「桜」、「赤」)。例えば、発展無しでスーパーBを含むリーチ演出が実行されたときに画像表示装置5の表示領域において表示される画像が、図19に示す一連の画像である場合、(2−e)の段階において示唆演出Dが実行される可能がある。この場合、第1の示唆演出として、図20の(2−e−3)にような、所定の画像の背景を桜柄に変更した画像の表示が実行される。また、第2の示唆演出として、図20の(2−e−2)にような、所定の画像の背景を赤色に変更した画像の表示が実行される。
図13は、示唆演出決定処理として、図9のステップS508にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す示唆演出決定処理において、演出制御用CPU120は、変動パターンがスーパーリーチAを実行するものであるか否かを判定する(ステップS601)。演出制御用CPU120は、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、スーパーリーチAが実行される変動パターンPA2−2又はPA3−2であるか否かを判定することで、上記判定を行う。
伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンがPA2−2又はPA3−2であることなどによって、演出制御用CPU120は、変動パターンがスーパーリーチAを実行するものであると判定した場合には(ステップS601;Yes)、示唆演出AからCの少なくともいずれかを実行するか否かを決定する(ステップS602)。
例えば、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、示唆演出の実行決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出実行有無決定テーブルA(乱数値SR1と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かに応じて「示唆演出を実行する」又は「示唆演出を実行しない」という決定結果に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出を実行するか否かを決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、示唆演出実行有無決定テーブルAを参照し、示唆演出を実行するか否かを決定する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出実行有無決定テーブルAにおいて、乱数値SR1に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた決定結果を、示唆演出を実行するか否かの決定結果とする(例えば、決定結果が「示唆演出を実行しない」であれば示唆演出を実行しないと決定される)。
図14(A)は、ステップS602における示唆演出の実行決定例を示している。図14(A)に示すように、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」のときには示唆演出を実行すると決定する決定割合が高くなるように、また、可変表示結果が「ハズレ」のときには示唆演出を実行すると決定する決定割合が低くなるように、示唆演出を実行するか否かを決定すればよい。これによって、可変表示結果が「大当り」のときには、「ハズレ」のときと比べて、示唆演出が実行されやすくなる。
演出制御用CPU120は、ステップS602において示唆演出を実行すると決定されたか否かを判定し(ステップS603)、示唆演出を実行しないと決定した場合には(ステップS603;No)、示唆演出の内容を決定する必要がないので、示唆演出決定処理を終了する。一方、演出制御用CPU120は、示唆演出を実行すると決定した場合には(ステップS603;Yes)、実際に実行する示唆演出AからCの内容を決定し(ステップS604)、示唆演出決定処理を終了する。
演出制御用CPU120は、ステップS604では、一例として、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、示唆演出AからCの内容決定用の乱数値SR2を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出内容決定テーブルA(乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かであることに応じて示唆演出の実行パターン(示唆演出AからCの内容を示すパターン)に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出を実行するか否かを決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、示唆演出内容決定テーブルAを参照し、示唆演出AからCの内容を決定(選択)する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出内容決定テーブルAにおいて、乱数値SR2に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた示唆演出の実行パターンを、示唆演出AからCの内容とする。
図15は、ステップS602における示唆演出AからCの内容(示唆演出の実行パターン)の決定例を示している。なお、図15において、「無(通常図柄)」(リーチ演出において画像の変更がなく、通常の図柄になっていることを示す。)、「無(キャラA)」(リーチ演出における登場キャラクターが、変更無く、通常のキャラクターであるキャラクターAになっていることを示す。)は、示唆演出が行われないことを示す。図15において、「桜」、「キャラクターC」は、それぞれ、桜柄への変更が行われた画像を表示する示唆演出、キャラクターAをキャラクターCに変更して表示する示唆演出が行われること(つまり、その示唆演出実行期間において、第1の示唆演出が実行されること)を示す。図15において、「赤」、「キャラクターB」は、それぞれ、赤色への変更が行われた画像を表示する示唆演出、キャラクターAをキャラクターBに変更して表示する示唆演出が行われること(つまり、その示唆演出実行期間において、第2の示唆演出が実行されること)を示す。
図15に示すように、この実施の形態では、示唆演出AからCの内容、すなわち、示唆演出の実行パターンが複数用意され(パターン1から10)、そのうちの1つが示唆演出AからCの内容として決定されることになる。この実施の形態では、図15のように、可変表示結果が「大当り」及び「ハズレ」のときにおいて共通の実行パターン(パターン1から10)が用意されている。
図15に示すように、この実施の形態では、示唆演出AからCが第1の示唆演出を含まず、第2の示唆演出を含む実行パターン(パターン1から4)は、可変表示結果が「大当り」のときの決定割合が比較的小さく(5/100)、可変表示結果が「ハズレ」のときの決定割合が比較的大きくなっている(21/100)。
ここで、上記したように、ある実行パターンで示唆演出が実行されたときの大当り期待度は、例えば、(大当り時にその実行パターンで示唆演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその実行パターンで示唆演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその実行パターンで示唆演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(式Z)。
大当り時にその実行パターンで示唆演出が実行される確率は、大当り時にスーパーリーチAが実行される変動パターンを選択する決定割合(30/100)×大当り時にスーパーリーチAが実行されるときの示唆演出を実行する決定割合(80/100)×大当り時に選択する実行パターンの決定割合(パターン1であれば、5/100)、から算出される。
大当りになる確率は、確変時では10/345であり、非確変時では1/345であり、第1特図及び第2特図で共通である。
大当り時以外にその実行パターンで示唆演出が実行される確率は、大当り時以外のときにスーパーリーチAが実行される変動パターンを選択する決定割合(10/100)×大当り時以外のときにスーパーリーチAが実行されるときの示唆演出を実行する決定割合(20/100)×大当り時以外のときに選択する実行パターンの決定割合(パターン1であれば、21/100)、から算出される。
大当りにならない確率は、確変時では335/345であり、非確変時では344/345であり、第1特図及び第2特図で共通である。
以上から、例えば、パターン1の大当り期待度(パターン1で示唆演出が実行されたときの大当り期待度)は、以下のように計算される。なお、これ以降で、具体的に算出される大当り期待度は、特に言及がない限り、確変状態のときの第1特図の可変表示における大当り期待度として算出したものである。この実施の形態では、大当り期待度の大小関係は、確変状態と非確変状態とで逆になることはなく、大当り期待度は、第1特図の可変表示と第2特図の可変表示とで異ならない。
・大当り時にその実行パターンで示唆演出が実行される確率=(30/100)×(80/100)×(5/100)=12/1000
・大当りになる確率=10/345
・大当り時以外にその実行パターンで示唆演出が実行される確率=(10/100)×(20/100)×(21/100)=4.2/1000
・大当りにならない確率=335/345
・大当り期待度=(12/1000)×(10/345)/{(12/1000)×(10/345)+(4.2/1000)×(335/345)}=約0.079
なお、スーパーリーチAが実行されたときの大当り期待度は、上記のように約0.082になる。これは、示唆演出の実行を考慮に入れないときの大当り期待度である。つまり、示唆演出有りのスーパーリーチA及び示唆演出無しのスーパーリーチAが実行された場合の大当り期待度の平均である。スーパーリーチAが実行され示唆演出が何も実行されない場合の大当り期待度、つまり、示唆演出の実行の無いスーパーリーチAが実行された場合の大当り期待度は、示唆演出の実行の決定割合を考慮して、例えば、以下のように算出される。
・式Zにおいて、(大当り時にその実行パターンで示唆演出が実行される確率)を、大当り時のときにスーパーリーチAが実行される変動パターンを選択する決定割合(30/100)×大当り時のときにスーパーリーチAが実行されるときの示唆演出を実行しない決定割合(20/100)=6/100、に置き換える。
・式Zにおいて、(大当り時以外にその実行パターンで示唆演出が実行される確率)を、大当り時以外のときにスーパーリーチAが実行される変動パターンを選択する決定割合(10/100)×大当り時以外のときにスーパーリーチAが実行されるときの示唆演出を実行しない決定割合(80/100)=8/100、に置き換える。
・大当り期待度=(6/100)×(10/345)/{(6/100)×(10/345)+(8/100)×(335/345)}=約0.022
以上からパターン1から4のいずれかで示唆演出が実行されたとき(つまり、第2の示唆演出のみが実行され、第1の示唆演出が実行されなかった場合)の大当り期待度は、スーパーリーチAが実行されたときの平均的な大当り期待度よりも低いが、第1の示唆演出及び第2の示唆演出の実行がない場合よりも高いことが分かる。
また、図15に示すように、この実施の形態では、示唆演出AからCが第1の示唆演出を含む所定の実行パターン(パターン5から8)は、可変表示結果が「大当り」のときの決定割合がパターン5から8で共通してパターン1から4よりも大きく(14/100)、可変表示結果が「ハズレ」のときの決定割合がパターン5から8で共通してパターン1から4よりも小さくなっている(3/100)。これによって、パターン5から8のいずれかで示唆演出が実行された場合(第1の示唆演出が実行された場合)の大当り期待度は、パターン1から4のいずれかで示唆演出が実行された場合(第2の示唆演出のみが実行された場合)の大当り期待度よりも大きくなることが分かる。なお、パターン1から4では、大当り期待度は共通しており、パターン5から8でも大当り期待度は共通している。このため、パターン1から4、パターン5から8では、第1の示唆演出又は第2の示唆演出の実行回数にかかわらず、第2の示唆演出のみが実行されたとき、第1の示唆演出が実行されたときには、その実行回数に関わらず大当り期待度が同じになっている。
例えば、パターン5の大当り期待度(パターン5で示唆演出が実行されたときの大当り期待度)は、以下のように計算される。
・大当り時にその実行パターンで示唆演出が実行される確率=(30/100)×(80/100)×(14/100)=33.6/1000
・大当りになる確率=10/345
・大当り時以外にその実行パターンで示唆演出が実行される確率=(10/100)×(20/100)×(3/100)=0.6/1000
・大当りにならない確率=335/345
・大当り期待度=(33.6/1000)×(10/345)/{(33.6/1000)×(10/345)+(0.6/1000)×(335/345)}=約0.66
このように、パターン5から8のいずれかで示唆演出が実行されたとき(つまり、第1の示唆演出が実行された場合)の大当り期待度は、示唆演出が実行されなかった場合よりも高くなる。
また、図15に示すように、この実施の形態では、示唆演出AからCが第1の示唆演出を含む所定の実行パターン(パターン9)は、可変表示結果が「大当り」及び「ハズレ」のときの決定割合がパターン5から8よりも小さくなっている(5/100及び1/100)。このため、パターン9は、パターン5から8に比べ、実行される可能性が少ない。ここで、パターン9では、第1の示唆演出(「桜」)が示唆演出A実行期間において実行されたあとに、第2の示唆演出(「キャラクターB」)が示唆演出A実行期間よりも遅いタイミングで到来する示唆演出B実行期間において実行される。つまり、パターン9は、第1のタイミングで第1の示唆演出を実行し、第1のタイミングよりも後の第2のタイミングで第2の示唆演出を実行するパターンになっている。しかし、パターン9よりも実行されやすいパターン5から8ではそうはなっていない。このように、この実施の形態では、示唆演出の実行において、第1のタイミングで第1の示唆演出が実行された場合には、第1のタイミングよりも後の第2のタイミングで第2の示唆演出が実行されにくいようになっている。
なお、パターン9の大当り期待度(パターン9で示唆演出が実行されたときの大当り期待度)は、以下のように計算される。
・大当り時にその実行パターンで示唆演出が実行される確率=(30/100)×(80/100)×(5/100)=12/1000
・大当りになる確率=10/345
・大当り時以外にその実行パターンで示唆演出が実行される確率=(10/100)×(20/100)×(1/100)=0.2/1000
・大当りにならない確率=335/345
・大当り期待度=(12/1000)×(10/345)/{(12/1000)×(10/345)+(0.2/1000)×(335/345)}=約0.64
このように、パターン9で示唆演出が実行されたとき(つまり、第1の示唆演出が実行された場合)の大当り期待度も、示唆演出が実行されなかった場合よりも高くなる。
図15に示すように、この実施の形態では、示唆演出の実行パターンが特定パターン(ここでは、パターン10)のときに、可変表示結果が「大当り」のときの決定割合が他の実行パターンよりも大きく(19/100)、可変表示結果が「ハズレ」のときの決定割合が「大当り」のときの決定割合よりも、他の実行パターンと比べても十分小さくなっている(3/100)。つまり、ここでの特定パターンで示唆演出が実行されると、特定パターン以外のパターンで示唆演出が実行された場合(特に、パターン10と同じように、第1の示唆演出の実行が含まれる実行パターン)よりも大当り期待度が高くなっている。このように、この実施の形態では、示唆演出が、特定のパターンで実行されたときには、大当り期待度が特に高くなるようになっている。
演出制御用CPU120は、伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンがPA2−2又はPA3−2でないことなどによって、変動パターンがスーパーリーチAを実行するものでないと判定した場合には(ステップS601;No)、変動パターンがスーパーリーチBを実行するものであるか否かを判定する(ステップS605)。演出制御用CPU120は、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、スーパーリーチBが実行される変動パターンPA2−3又はPA3−3であるか否かを判定することで、上記判定を行う。
伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンがPA2−3又はPA3−3でないことなどによって、演出制御用CPU120は、変動パターンがスーパーリーチBを実行するものでないと判定した場合には(ステップS605;No)、示唆演出決定処理を終了する。
伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンがPA2−3又はPA3−3であることなどによって、演出制御用CPU120は、変動パターンがスーパーリーチBを実行するものであると判定した場合には(ステップS605;Yes)、示唆演出を実行するか否かを決定する(ステップS606)。
例えば、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、示唆演出の実行決定用の乱数値SR3を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出実行有無決定テーブルB(乱数値SR3と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かに応じて「示唆演出を実行する」又は「示唆演出を実行しない」という決定結果に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出を実行するか否かを決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、示唆演出実行有無決定テーブルBを参照し、示唆演出を実行するか否かを決定する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出実行有無決定テーブルBにおいて、乱数値SR3に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた決定結果を、示唆演出を実行するか否かの決定結果とする(例えば、決定結果が「示唆演出を実行しない」であれば示唆演出を実行しないと決定される)。
図14(B)は、ステップS606における示唆演出の実行決定例を示している。図14(B)に示すように、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」のときには示唆演出を実行すると決定する決定割合が高くなるように、また、可変表示結果が「ハズレ」のときには示唆演出を実行すると決定する決定割合が低くなるように、示唆演出を実行するか否かを決定すればよい。これによって、可変表示結果が「大当り」のときには、「ハズレ」のときと比べて、示唆演出が実行されやすくなる。
演出制御用CPU120は、ステップS606において示唆演出を実行すると決定されたか否かを判定し(ステップS607)、示唆演出を実行しないと決定した場合には(ステップS607;No)、示唆演出の内容を決定する必要がないので、示唆演出決定処理を終了する。一方、演出制御用CPU120は、示唆演出を実行すると決定した場合には(ステップS607;Yes)、実際に実行する示唆演出Dの内容を決定し(ステップS608)、示唆演出決定処理を終了する。
演出制御用CPU120は、ステップS608では、一例として、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、示唆演出Dの内容決定用の乱数値SR4を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出内容決定テーブルB(乱数値SR4と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かであることに応じて示唆演出の実行パターン(示唆演出Dの内容を示すパターンであり、ここでは示唆演出Dの内容)に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出を実行するか否かを決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、示唆演出内容決定テーブルBを参照し、示唆演出Dの内容を決定(選択)する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出内容決定テーブルBにおいて、乱数値SR4に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた示唆演出の実行パターン(ここでは、1つの示唆演出の内容)を、示唆演出Dの内容とする。
図16は、ステップS608における示唆演出Dの内容(示唆演出の実行パターン)の決定例を示している。なお、図16において、「桜」は、桜柄への変更が行われた画像を表示する示唆演出が示唆演出D実行期間において行われること(つまり、第1の示唆演出が実行されること)を示す。図16において、「赤」は、赤色への変更が行われた画像を表示する示唆演出が示唆演出D実行期間において行われること(つまり、第2の示唆演出が実行されること)を示す。
図16に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」のときに、示唆演出Dを、第1の示唆演出とする決定割合よりも第2の示唆演出とする決定割合の方が高くなっている。また、可変表示結果が「ハズレ」のときに、示唆演出Dは必ず第2の示唆演出になる。つまり、スーパーリーチBが実行された場合において、示唆演出Dとして第1の示唆演出が実行された場合には、大当り期待度は“1”となり、「大当り」(特に、大当り種別が「確変」、「非確変」の「大当り」)が確定になる(大当り遊技状態に制御されることが確定する)。なお、計算は省略するが、示唆演出Dにおいても、第2の示唆演出が実行される場合には、スーパーリーチDにおいて、第1の示唆演出及び第2の示唆演出が実行されない場合よりも大当り期待度は高くなる。また、第1の示唆演出が実行された場合には、第2の示唆演出が実行され第1の示唆演出が実行されない場合よりも大当り期待度は高くなる。
なお、図14を参照すると、可変表示結果が「大当り」のときにスーパーリーチAの実行時において示唆演出が実行される可能性は、「大当り」のときに示唆演出を実行すると決定する決定割合(80/100)=0.8である。可変表示結果が「大当り」のときにスーパーリーチBの実行時において示唆演出が実行される可能性は、「大当り」のときに示唆演出を実行すると決定する決定割合(60/100)=0.6である。このように、可変表示結果が「大当り」のときに、示唆演出が実行される可能性は、スーパーリーチBの実行時よりもスーパーリーチAの実行時の方が高くなっている。
さらに、図14から図16の各決定例を参照すると、可変表示結果が「大当り」のときにスーパーリーチAの実行時において所定の示唆演出実行期間(例えば、示唆演出B実行期間)で示唆演出が実行される可能性は、「大当り」のときに示唆演出を実行すると決定する決定割合(80/100)×「大当り」のときに所定の示唆演出実行期間において示唆演出が実行されるパターンを実行パターンとして決定する決定割合(81/100)=0.648である。可変表示結果が「大当り」のときにスーパーリーチBの実行時において示唆演出が実行される可能性は、「大当り」のときに示唆演出を実行すると決定する決定割合(60/100)=0.6である。このように、可変表示結果が「大当り」のときに、示唆演出が実行される可能性(スーパーリーチAにおいては、所定のタイミングで示唆演出が実行される可能性)は、スーパーリーチBの実行時よりもスーパーリーチAの実行時の方が高くなっている。
なお、図14から図16の各決定例を参照すると、可変表示結果が「大当り」のときにスーパーリーチAの実行時において第1の示唆演出が実行される可能性は、「大当り」のときに示唆演出を実行すると決定する決定割合(80/100)×「大当り」のときに第1の示唆演出が含まれるパターンを実行パターンとして決定する決定割合(80/100)=0.64である。可変表示結果が「大当り」のときにスーパーリーチDの実行時において第1の示唆演出が実行される可能性は、「大当り」のときに示唆演出を実行すると決定する決定割合(60/100)×「大当り」のときに第1の示唆演出が含まれるパターンを実行パターンとして決定する決定割合(10/100)=0.06である。このように、可変表示結果が「大当り」のときに、第1の示唆演出が実行される可能性(スーパーリーチAにおいては、いずれかのタイミングで第1の示唆演出が実行される可能性)は、スーパーリーチBの実行時よりもスーパーリーチAの実行時の方が高くなっている。
また、図14から図16の各決定例を参照すると、可変表示結果が「大当り」のときにスーパーリーチAの実行時において所定の示唆演出実行期間(例えば、示唆演出B実行期間)で第1の示唆演出が実行される可能性は、「大当り」のときに示唆演出を実行すると決定する決定割合(80/100)×「大当り」のときに所定の示唆演出実行期間において第1の示唆演出が実行されるパターンを実行パターンとして決定する決定割合(42/100)=0.336である。可変表示結果が「大当り」のときにスーパーリーチDの実行時において第1の示唆演出が実行される可能性は、「大当り」のときに示唆演出を実行すると決定する決定割合(60/100)×「大当り」のときに第1の示唆演出が含まれるパターンを実行パターンとして決定する決定割合(10/100)=0.06である。このように、可変表示結果が「大当り」のときに、第1の示唆演出が実行される可能性(スーパーリーチAにおいては、所定のタイミングで第1の示唆演出が実行される可能性)は、スーパーリーチBの実行時よりもスーパーリーチAの実行時の方が高くなっている。
ステップS508にて示唆演出決定処理を行った後には、演出制御用CPU120は、使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS509)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、示唆演出決定処理で決定した示唆演出の内容などに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。このようなセットによって、可変表示中の演出の制御内容(つまり、リーチ演出や示唆演出などを適宜含む演出の演出態様)が決定される。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS510)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させる設定を行う(ステップS511)。このときには、例えばステップS510にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS512)、可変表示開始設定処理を終了する。
図17は、可変表示中演出処理として、図8のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。一例として、ステップS521の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS521にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS521;No)、現在がリーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS522)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出実行期間である場合(ステップS522;Yes)、演出制御用CPU120は、現在が示唆演出を実行するための示唆演出実行期間(示唆演出A実行期間など)であるか否かを判定する(ステップS523)。示唆演出実行期間は、例えば示唆演出を実行することに対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。示唆演出実行期間であるときには(ステップS523;Yes)、リーチ演出及び示唆演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS524)。
一例として、ステップS524の処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データなど)に応じて、所定の演出態様によるリーチ演出及び示唆演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123などに対して伝送させればよい。これによって、演出制御用CPU120は、各装置を制御し、リーチ演出及び示唆演出を実行する。
現在が示唆演出実行期間でないときには(ステップS523;Yes)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データなど)に応じて、所定の演出態様によるリーチ演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123などに対して伝送させればよい。これによって、演出制御用CPU120は、各装置を制御し、リーチ演出を実行する。
現在がリーチ演出実行期間ではないときや(ステップS522;No)、ステップS524又はステップS525の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS528)、可変表示中演出処理を終了する。
一方、可変表示時間が経過した場合には(ステップS521;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS529)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS529;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS529にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS529;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS530)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS531)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS532)、可変表示中演出処理を終了する。
上記で説明した一連の処理によって実行されるスーパーリーチA及び示唆演出AからCの例について説明する。例えば、変動パターンとしてPA2−2又はPA3−2が選択された場合、可変表示中においてリーチ成立後にスーパーリーチAが実行される。この場合、例えば、画像表示装置5の表示領域には、図18のような一連の画像が表示される。図18の一連の画像は、変動パターンPA2−2又はPA3−2に基づいて表示される画像のうち、スーパーリーチAにおいて表示される画像を示すものである。図18(1−b)では、リーチ演出がノーマルからスーパーAに発展している。変動パターンとしてPA2−2が選択された場合には、可変表示結果は「ハズレ」になるので、画像は図18(1ーf)から、(1−i)、(1−j)に遷移する。変動パターンとしてPA3−2が選択された場合には、可変表示結果は「大当り」になるので、画像は図18(1−f)から、(1−g)、(1−h)に遷移する。
また、示唆演出の実行が決定され、示唆演出の内容(実行パターン)が決定されている場合には、決定された実行パターンに従って示唆演出AからCのうちの少なくとも1つが実行される。
例えば、図18(1−c)の段階(示唆演出A実行期間)において、第1の示唆演出として、図20の(1−c−3)にような、背景を桜柄にした画像の表示が実行される。また、第2の示唆演出として、図20の(1−c−2)にような、背景を赤色(赤色はハッチングで表した。以下、赤色について同じ)にした画像の表示が実行される。
例えば、図18(1−d)の段階(示唆演出B実行期間)において、第1の示唆演出として、図20の(1−d−3)にように、図18の(1−d)で登場するキャラクターAをキャラクターCに変更する演出が実行される。また、第2の示唆演出として、図20の(1−d−2)にように、図18の(1−d)で登場するキャラクターAをキャラクターBに変更する演出が実行される。
例えば、図18(1−f)の段階(示唆演出C実行期間)において、第1の示唆演出として、図20の(1−f−3)にような、所定の画像の背景を桜柄にした画像の表示が実行される。また、第2の示唆演出として、図20の(1−f−2)にような、所定の画像の背景を赤色にした画像の表示が実行される。
上記で説明した一連の処理によって実行されるスーパーリーチB及び示唆演出Dの例について説明する。例えば、変動パターンとしてPA2−3又はPA3−3が選択された場合、可変表示中においてリーチ成立後にスーパーリーチBが実行される。この場合、例えば、画像表示装置5の表示領域には、図19のような一連の画像が表示される。図19の一連の画像は、変動パターンPA2−3又はPA3−3に基づいて表示される画像のうち、リーチが成立したあとの画像を示すものである。図19(2−b)では、リーチ演出がノーマルからスーパーBに発展している。変動パターンとしてPA2−3が選択された場合には、可変表示結果は「ハズレ」になるので、画像は図19(1−e)から、(1−h)、(1−i)に遷移する。変動パターンとしてPA3−3が選択された場合には、可変表示結果は「大当り」になるので、画像は図19(1−e)から、(1−f)、(1−g)に遷移する。
また、示唆演出の実行が決定され、示唆演出の内容が決定されている場合には、決定された示唆演出の内容に従って示唆演出Dが実行される。
例えば、図19(2−e)の段階において、この場合、第1の示唆演出として、図20の(2−e−3)にような、所定の画像の背景を桜柄にした画像の表示が実行される。また、第2の示唆演出として、図20の(2−e−2)にような、所定の画像の背景を赤色にした画像の表示が実行される。
本実施形態では、上記のような構成によって、遊技の進行に応じて遊技者にとって有利な特定遊技状態(ここでは、第1特定遊技状態に該当する大当り遊技状態)に制御され、特定遊技状態に制御するか否かを演出の結果として報知する第1の特定演出(ここでは、スーパーリーチA)が実行可能であり、特定遊技状態に制御するか否かを演出の結果として報知する第2の特定演出(ここではスーパーリーチB)が実行可能であり、実行された場合に特定遊技状態に制御される可能性(ここでは、大当り期待度)は第2の特定演出の方が高く、特定遊技状態に制御する可能性が高いことを示唆する示唆演出(ここでは、桜柄の示唆演出やキャラクターCの示唆演出である第1の示唆演出、赤色の示唆演出やキャラクターBの示唆演出である第2の示唆演出など)を、第1の特定演出の実行期間内に実行可能、かつ、第2の特定演出の実行期間内に実行可能としている。そして、第1の特定演出の実行期間内に示唆演出を実行することが可能な回数を、第2の特定演出の実行期間内に示唆演出を実行することが可能な回数よりも多くしている。これにより、遊技者は、実行された場合に特定遊技状態に制御される可能性の低い方の第1の特定演出が実行されたとしても、示唆演出が実行されることへの期待感(つまり、第1の示唆演出が実行されることで特定遊技状態に制御されるかもしれないという期待感)を前記可能性の高い方の第2の特定演出よりも多い回数もつことが期待出来る。
仮に第1の示唆演出の実行可能回数が第1の特定演出と第2の特定演出とで同じである場合には、第1の特定演出が実行されると、特定遊技状態に制御されることへの十分な期待感を遊技者が持つことができず、遊技への興趣が低下する恐れがあった。
しかし、この実施の形態では、第1の特定演出が実行されたとしても、第1の示唆演出が実行されることへの期待感を第2の特定演出よりも多い回数もつことが期待出来るので、第1の特定演出が実行されたときに特定遊技状態に制御されることへの十分な期待感を遊技者が持つことができないことを防止又は軽減でき、遊技への興趣の低下を防止又は軽減できる。
さらに、本実施形態では、上記のような構成によって、特定遊技状態に制御される場合において、第2の特定演出の実行中よりも第1の特定演出の実行中の方が示唆演出(又は第1の示唆演出)が実行される可能性(所定の示唆演出実行期間における示唆演出(又は第1の示唆演出)の実行の可能性又は1回以上示唆演出(又は第1の示唆演出)が実行される可能性)が高くなるように、示唆演出(又は第1の示唆演出)を実行する。これによって、遊技者は、第1の特定演出において示唆演出(又は第1の示唆演出)が実行されたときに、特典が付与されることへの期待感をもつことが出来るので、遊技への興趣の低下を防止又は軽減できる。
さらに、本実施形態では、上記のような構成によって、第2の特定演出が実行されるときには、特定遊技状態に制御される場合にのみ、第1の示唆演出を第2の特定演出の実行期間内の所定のタイミング(ここでは、示唆演出D実行期間)にて実行する。これによって、第2の特定演出において第1の示唆演出が実行されたときに遊技者に特別感を与えることができ、遊技への興趣が向上する。
さらに、本実施形態では、上記のような構成によって、第1の実行態様(ここではパターン10の実行パターン)又は第2の実行態様(ここではパターン10以外の実行パターン)のいずれかで示唆演出を実行可能であり、実行された場合に特定遊技状態に制御される可能性が第1の実行態様と第2の実行態様とで異なるように示唆演出を実行する。なお、第1の実行態様や第2の実行態様は、第1の示唆演出のみに着目した実行態様としてもよい。これら構成によれば、示唆演出(又は第1の示唆演出のみ)の実行態様に応じて、実行された場合に特定遊技状態に制御される可能性が異なることになるので、示唆演出の実行態様を遊技者が注目することになり、遊技への興趣が向上する。
さらに、本実施形態では、上記のような構成によって、第1のタイミング(例えば、示唆演出A実行期間)にて、第1の示唆演出と、第2の示唆演出と、のいずれかを実行可能であり、第1のタイミングよりも後に第2のタイミング(例えば、示唆演出B実行期間や示唆演出C実行期間)にて、第1の示唆演出と、第2の示唆演出と、を別途実行可能であり、第1のタイミングで第1の示唆演出を実行した場合には、第2のタイミングで第2の示唆演出を実行しにくいものとしている。なお、例えば、各タイミングで実行される第1の示唆演出同士や、第2の示唆演出同士は、実行された場合に特定遊技状態に制御される可能性が異なってもよい(例えば、前記可能性(大当り期待度)が0.1から0.3など、幅を持つ場合には一部重複していてもよい。詳しくは後述する)。上記構成によれば実行された場合に特定遊技状態に制御される可能性が第1のタイミングにおいて比較的高い示唆演出が実行されたあとに、実行された場合に特定遊技状態に制御される可能性が第2のタイミングにおいて比較的低い示唆演出が実行されにくくなっているので、前記可能性が第1のタイミングにおいて比較的高い示唆演出が実行されたあとに、前記可能性が第2のタイミングにおいて比較的低い示唆演出が実行されたことによって、特典が付与される期待感が損なわれにくくすることができ、遊技への興趣の低下を防止又は軽減できる。なお、第2のタイミングにて第2の示唆演出が実行されにくいとは、例えば、特定遊技状態に制御される場合又はされない場合を考えたときに、それぞれにおいて、又は、少なくとも一方において、第1のタイミングにて第1の示唆演出が実行されたときの方が、第1のタイミングにて第1の示唆演出が実行されなかったときよりも、第2の示唆演出が実行される確率が低いことを意味する。
さらに、本実施形態のように、第1の特定演出(スーパーリーチA)の途中で第2の特定演出(スーパーリーチB)に移行(発展)する、第1の特定演出と第2の特定演出よりも特定遊技状態に制御される可能性が高い第3の特定演出(スーパーリーチA→B)を用意し、第3の特定演出では、本来第1の特定演出が移行無しで実行された場合に示唆演出が最初に実行されるタイミング(示唆演出A実行期間)よりも前に、第1の特定演出からの移行が行われるようにすることによって、特定演出のバリーエーションが増え、遊技者は、第1の特定演出が実行されたときに、特定演出の移行を期待でき、また、移行が無い場合であっても、第1の示唆演出の実行を期待できる。これによって遊技の興趣が向上する。なお、本来第1の特定演出が移行無しで実行された場合に示唆演出が最後に実行されるタイミングよりも前に前記の移行が行われるようにしてもよい。これによっても、第1の示唆演出の実行を期待できる。これによっても遊技の興趣が向上する。
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、上記実施の形態などについて様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下に上記実施の形態の変形例を例示するが、各変形例は適宜組み合わせることができる。
(変形例1)
なお、図15などで示されている第1の示唆演出や第2の示唆演出の決定割合や実行された場合の大当り期待度は、適宜変更可能である。また、第1の示唆演出や第2の示唆演出の実行された場合の大当り期待度は、10%から20%など、幅を持つものであってもよい。
また、各示唆演出実行期間で実行される第1の示唆演出同士や、第2の示唆演出同士は、異なる大当り期待度(幅を持つ場合には一部重複していてもよい。)を有していても良い。これに関連して、一の示唆演出実行期間で実行される第1の示唆演出の大当り期待度は、他の示唆演出実行期間で実行される第2の示唆演出の大当り期待度よりも低かったり、低い部分があってもよい。また、同じ示唆演出実行期間で実行される第1の示唆演出と第2の示唆演出とでは、大当り期待度が一部重複してもよい(この場合、大当り期待度の上限又は中央の値が、第1の示唆演出よりも第2の示唆演出の方が大きくなるようにする。)。上記では、示唆演出として第1の示唆演出と第2の示唆演出との2段階の示唆演出を用意したが、示唆演出として3以上の段階の示唆演出を用意してもよい。第1の示唆演出は同じタイミングで択一的に実行可能な複数の示唆演出のうちで、一番大当り期待度が高いもの、及び/又は、一番大当り期待度が高いことを示唆する演出であることが望ましい。これによって、第1の示唆演出の実行によって、遊技者の期待感を煽ることができる。また、複数回の示唆演出が実行される場合には、示唆演出の実際の実行回数によって、大当り期待度を異ならせてもよい。例えば、第1の示唆演出や第2の示唆演出の実行回数が多くなると大当り期待度が高くなるようにしてもよい。このようにすることによって、示唆演出の注目度も上がり、遊技への興趣が向上する。
さらに、スーパーリーチAにおいて第1の示唆演出が実行された場合の大当り信頼度は、スーパーリーチBが実行された場合であって示唆演出が実行されていない場合(又はスーパーリーチA→Bが実行された場合)の大当り信頼度よりも低くてもよいし、高くするようにしてもよい。また、スーパーリーチA→Bにおいても示唆演出が実行されるようにしてもよい。
(変形例2)
上記第1の示唆演出又は第2の示唆演出は、操作部30への所定操作(例えば、ボタンを必要回数連打する操作など)が入力されたことを条件として実行されるようにしてもよく、この場合に、所定操作が行われなかった場合に、他の示唆演出実行期間において、実行されなかった示唆演出を実行するようにしてもよい。このような場合を図面を参照して説明する。
例えば、図22に示すように、示唆演出A実行期間内に、所定操作を受け付ける操作受付期間が設けられ、この操作受付期間内に所定操作を受け付けたことを条件として示唆演出Aが実行されるとすると、操作受付期間内に所定操作を受け付けなかった場合には、示唆演出を実行せずに、示唆演出A実行期間よりも後のタイミング(期間)である示唆演出B実行期間又は示唆演出C実行期間において、示唆演出を実行する。例えば、本来示唆演出が実行されない示唆演出B実行期間及び示唆演出C実行期間のいずれかにおいて、示唆演出を示唆演出B又は示唆演出Cとして実行してもよい。また、所定操作に応じて実行される示唆演出が第1の示唆演出であった場合にのみ、本来第2の示唆演出が実行される示唆演出B実行期間又は示唆演出C実行期間のいずれかにおいて、第2の示唆演出を第1の示唆演出に変更するようにしてもよいし、本来示唆演出が実行されない示唆演出B実行期間又は示唆演出C実行期間のいずれかにおいて、第1の示唆演出を実行するようにしてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば、ステップS524において図21に示すフローを実行する。演出制御用CPU120は、まず、ステップS621の処理において、例えばステップS524で動作制御される対象の示唆演出が、所定操作が行われたことを条件として実行されるものであるかを判定する。示唆演出が、所定操作が行われたことを条件として実行されるものであるか否かは、例えば示唆演出を実行することに対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。
次に、演出制御用CPU120は、前記所定操作がすでに行われたかを判定する(ステップS622)。例えば、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた所定の操作フラグ(所定操作が行われた場合にオンになるフラグ)がオフであった場合に、所定操作がすでに行われていないと判定し(ステップS622;No)、操作受付期間が経過しているかを判定する(ステップS623)。操作受付期間は、例えば示唆演出を実行することに対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。
操作受付期間が経過していない場合には(ステップS623;No)、所定操作があったか否かを判定する(ステップS624)。例えば、演出制御用CPU120は、操作受付期間中に、操作検出スイッチ31から供給される操作検出信号に基づいて、操作内容を特定し、操作内容が所定操作に該当した場合に、所定操作があったと判定する(ステップS624;Yes)。この場合、示唆演出の実行の条件が整ったことになるので、示唆演出を実行するために、リーチ演出及び示唆演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS625)。一例として、ステップS625の処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データなど)に応じて、所定の演出態様によるリーチ演出及び示唆演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123などに対して伝送させればよい。これによって、演出制御用CPU120は、各装置を制御し、リーチ演出及び示唆演出を実行する。なお、最初のステップS625においては、操作フラグもオンにされ、これ以降、ステップS622で所定操作済みと判定され(ステップS622;Yes)、ステップS625の処理が示唆演出実行期間内において実行され、リーチ演出及び示唆演出が実行される。なお、今回実行している示唆演出の実行が終了した場合(示唆演出実行期間が経過した場合など)には、演出制御用CPU120は、操作フラグをオフに戻す。
なお、ステップS621の処理において、ステップS524で動作制御される対象の示唆演出が、所定操作が行われたことを条件として実行されるものでないと判定された場合には、示唆演出の実行に関して操作を受け付ける必要がないので、そのまま、ステップS625の処理が行われる。また、ステップS624において所定操作がないと判定すると、示唆演出を実行することができないので、ステップS525の処理を行うようにする。なお、これ以降、操作受付期間が経過するか、操作フラグがオンとなるまでは、演出制御用CPU120は、新たな演出制御パターンをセットし、画像表示装置5の表示領域に所定操作を受け付けている旨の表示を行うとよい。
ステップS623で操作受付期間が経過していると判定された場合には(ステップS623;No)、所定操作が未だ行われないで、操作受付期間が終了したことになる。この場合には、演出制御用CPU120は、ステップS626の処理において、実行予定の示唆演出が第1の示唆演出であるかを判定し(ステップS626)、第1の示唆演出でなければ(ステップS626;No)、そのまま、ステップS525の処理に進む。一方で、実行予定の示唆演出が第1の示唆演出である場合には(ステップS626;Yes)、大当り期待度が高くなっていることを示唆するために、示唆演出の実行スケジュールを変更し(ステップS627)、ステップS525の処理に進む。
一例として、ステップS627では、演出制御用CPU120は、ステップS604で決定された実行パターンを参照するなどして、演出後の示唆演出実行期間において、示唆演出が実行されるか、及び、実行される場合には第1の示唆演出と第2の示唆演出とのいずれかが実行されるかを特定し、示唆演出が実行されない示唆演出実行期間や、第2の示唆演出が実行される示唆演出実行期間において、第1の示唆演出が実行されるように、現在セットしている演出制御パターンの内容を変更する(例えば、新たな演出制御パターンをセットし直す。)。なお、示唆演出が実行されない示唆演出実行期間や、第2の示唆演出が実行される示唆演出実行期間が複数ある場合には、直近の示唆演出実行期間などの予め定められた示唆演出実行期間又は乱数値などで決定された示唆演出実行期間に第1の示唆演出を実行するように、演出制御パターンの内容を変更する。このような処理によって、第1の示唆演出は、所定操作が無くて実行されなかった場合には、後のタイミングで実行されるようになる(図22参照)。
この変形例のように、所定のタイミング(例えば、示唆演出A実行期間)にて操作部30が遊技者からの所定操作を受け付けたことに応答して示唆演出を実行可能であり、所定のタイミングにて操作部30が遊技者からの所定操作を受け付けなかった場合には、所定のタイミングの後のタイミング(例えば、示唆演出B実行期間又は示唆演出C実行期間)で示唆演出(特に第1の示唆演出)を実行可能とすることによって、所定操作が行われなかったことによって示唆演出が実行されない場合であっても、示唆演出の実行機会が確保されるので、特典が付与されることへの期待感を煽る機会を別途設けることができ、遊技への興趣が向上する。特に、実行されない示唆演出が第1の示唆演出で、後のタイミングで第1の示唆演出が実行可能になることよって、特典が付与されることへの期待感を比較的大きく煽る機会を別途設けることができ、遊技への興趣が向上する。
(変形例3)
また、上記実施形態では、示唆演出AからCの実行パターンをテーブルを参照して一括で決定していたが、示唆演出AからCそれぞれの示唆演出を個別に決定してもよい。以下、このような変形例について説明する。図23は、示唆演出決定処理として、図9のステップS508にて実行される処理の他の例を示すフローチャートである。図23に示す示唆演出決定処理において、演出制御用CPU120は、変動パターンがスーパーリーチAを実行するものであるか否かを判定する(ステップS601)。この処理は上記実施形態と同じなので説明は省略する。
演出制御用CPU120は、変動パターンがスーパーリーチAを実行するものであると判定した場合には(ステップS601;Yes)、示唆演出AからCの内容(実行パターン)を特定パターンにするかを決定する(ステップ651)。特定パターンの内容は、例えば、図24(B)に示す組合せからなる。
例えば、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、特定パターンの実行決定用の乱数値SR6を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された特定パターン実行有無決定テーブル(乱数値SR6と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かに応じて「実行パターンを特定パターンにする」又は「実行パターンを特定パターンにしない」という決定結果に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出の実行パターンを特定パターンにするか否かを決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、特定パターン実行有無決定テーブルを参照し、示唆演出の実行パターンを特定パターンにするか否かを決定する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、特定パターン実行有無決定テーブルにおいて、乱数値SR6に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた決定結果を、示唆演出の実行パターンを特定パターンにするか否かの決定結果とする(例えば、決定結果が「実行パターンを特定パターンにしない」であれば実行パターンを特定パターンにしないと決定される)。
図24(A)は、ステップS651における示唆演出の実行決定例を示している。図24(A)に示すように、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」のときには実行パターンを特定パターンにする決定割合が高くなるように、また、可変表示結果が「ハズレ」のときには実行パターンを特定パターンにする決定割合が低くなるように、実行パターンを特定パターンにするか否かを決定すればよい。これによって、可変表示結果が「大当り」のときには、「ハズレ」のときと比べて、特定パターンにて示唆演出が実行されやすくなる。特に、この変形例では、可変表示結果が「大当り」のときには実行パターンを特定パターンにし易くしているため、特定パターンが実行パターンになると、大当り信頼度が向上し、遊技者は各示唆演出について興味をもち、遊技の興趣が向上する。
演出制御用CPU120は、ステップS651において実行パターンを特定パターンにすると決定されたか否かを判定し(ステップS652)、特定パターンにしないと決定した場合には(ステップS652;No)、示唆演出の実行パターンをどの特定パターンにするかを決定し(ステップS662)、示唆演出決定処理を終了する。
ステップS662では、例えば、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、特定パターン決定用の乱数値SR7を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された特定パターン決定テーブル(乱数値SR7と比較される数値(決定値)が、特定パターンA又はBのいずれかに割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出の実行パターンを特定パターンA又はBにいずれにするかを決定する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、特定パターン決定テーブルにおいて、乱数値SR7に該当する決定値に割り当てられた特定パターンA又はBを、示唆演出の実行パターンとする。
図24(B)は、ステップS662における特定パターンの決定例を示している。図24(B)に示すように、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかにかかわらず、特定パターンAの決定割合が高くなっている。このため、特定パターンAが実行されやすくなっている。
演出制御用CPU120は、ステップS652において特定パターンにしないと決定した場合には(ステップS652;No)、示唆演出Aを実行するかを決定する(ステップS653)。
例えば、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、示唆演出Aの実行決定用の乱数値SR8を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出A実行有無決定テーブル(乱数値SR8と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かに応じて「示唆演出Aを実行する」又は「示唆演出Aを実行しない」という決定結果に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出Aを実行するか否かを決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、示唆演出A実行有無決定テーブルを参照し、示唆演出Aを実行するか否かを決定する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出A実行有無決定テーブルにおいて、乱数値SR8に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた決定結果を、示唆演出Aを実行するか否かの決定結果とする(例えば、決定結果が「示唆演出Aを実行しない」であれば示唆演出Aを実行しないと決定される)。
図25(A)は、ステップS653における示唆演出Aの実行決定例を示している。図25(A)に示すように、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」のときには示唆演出Aを実行すると決定する決定割合が高くなるように、また、可変表示結果が「ハズレ」のときには示唆演出Aを実行すると決定する決定割合が低くなるように、示唆演出を実行するか否かを決定すればよい。これによって、可変表示結果が「大当り」のときには、「ハズレ」のときと比べて、示唆演出Aが実行されやすくなる。
演出制御用CPU120は、ステップS653において示唆演出を実行すると決定されたか否かを判定し(ステップS654)、示唆演出を実行しないと決定した場合には(ステップS654;No)、示唆演出Aの内容を決定する必要がないので、ステップS656の処理を行う。一方、演出制御用CPU120は、示唆演出Aを実行すると決定した場合には(ステップS654;Yes)、実際に実行する示唆演出Aの内容を決定し(ステップS655)、ステップS656の処理を行う。
演出制御用CPU120は、ステップS655では、一例として、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、示唆演出Aの内容決定用の乱数値SR9を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出A内容決定テーブル(乱数値SR8と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かであることに応じて示唆演出の示唆演出Aの内容(第1の示唆演出又は第2の示唆演出)に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出Aの内容を決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、示唆演出A内容決定テーブルを参照し、示唆演出Aの内容を決定(選択)する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出A内容決定テーブルにおいて、乱数値SR9に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた第1の示唆演出又は第2の示唆演出を、示唆演出Aの内容とする。
図26は、ステップS655における示唆演出Aの内容の決定例を示している。なお、図26において、「桜」は、桜柄の示唆演出が示唆演出A実行期間において行われること(つまり、第1の示唆演出が実行されること)を示す。図26において、「赤」は、赤色の示唆演出が示唆演出A実行期間において行われること(つまり、第2の示唆演出が実行されること)を示す。
図26に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」のときに、示唆演出Aを、第2の示唆演出とする決定割合よりも第1の示唆演出とする決定割合の方が高くなっている。また、可変表示結果が「ハズレ」のときは、その反対になっている。このため、第1の示唆演出の方が第2の示唆演出よりも実行された場合の大当り期待度が高くなっている。
演出制御用CPU120は、ステップS656において、示唆演出Bを実行するかを決定する。
例えば、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、示唆演出Bの実行決定用の乱数値SR10を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出B実行有無決定テーブル(乱数値SR10と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かに応じて「示唆演出Bを実行する」又は「示唆演出Bを実行しない」という決定結果に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出Bを実行するか否かを決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、示唆演出B実行有無決定テーブルを参照し、示唆演出Bを実行するか否かを決定する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出B実行有無決定テーブルにおいて、乱数値SR10に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた決定結果を、示唆演出Bを実行するか否かの決定結果とする(例えば、決定結果が「示唆演出Bを実行しない」であれば示唆演出Bを実行しないと決定される)。
図25(A)は、ステップS656における示唆演出Bの実行決定例を示している。図25(A)に示すように、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」のときには示唆演出Bを実行すると決定する決定割合が高くなるように、また、可変表示結果が「ハズレ」のときには示唆演出Bを実行すると決定する決定割合が低くなるように、示唆演出を実行するか否かを決定すればよい。これによって、可変表示結果が「大当り」のときには、「ハズレ」のときと比べて、示唆演出Bが実行されやすくなる。
演出制御用CPU120は、ステップS656において示唆演出Bを実行すると決定されたか否かを判定し(ステップS657)、示唆演出Bを実行しないと決定した場合には(ステップS657;No)、示唆演出Bの内容を決定する必要がないので、ステップS659の処理を行う。一方、演出制御用CPU120は、示唆演出Bを実行すると決定した場合には(ステップS657;Yes)、実際に実行する示唆演出Bの内容を決定し(ステップS658)、ステップS659の処理を行う。
演出制御用CPU120は、ステップS658では、一例として、まず、示唆演出Aとして第1の示唆演出(桜柄の示唆演出)が実行されるかを判定し、実行される場合には、示唆演出Bを必ず第1の示唆演出(キャラクターCの示唆演出)とする(図27(B)参照)。これによって、示唆演出A実行期間において第1の示唆演出が実行された場合には、その後の示唆演出B実行期間において第2の示唆演出が実行されることが防止される。演出制御用CPU120は、示唆演出Aとして第1の示唆演出(桜柄の示唆演出)が実行されないと判定した場合には、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、示唆演出Bの内容決定用の乱数値SR11を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出B内容決定テーブル(乱数値SR11と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かであることに応じて示唆演出の示唆演出Bの内容(第1の示唆演出又は第2の示唆演出)に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出Bの内容を決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、示唆演出B内容決定テーブルを参照し、示唆演出Bの内容を決定(選択)する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出B内容決定テーブルにおいて、乱数値SR11に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた第1の示唆演出又は第2の示唆演出を、示唆演出Bの内容とする。
図27(A)は、ステップS658における示唆演出Bの内容の決定例(示唆演出Aが第1の示唆演出(桜柄の示唆演出)でない場合)を示している。なお、図27(A)において、「キャラクターC」は、キャラクターCの示唆演出が示唆演出B実行期間において行われること(つまり、第1の示唆演出が実行されること)を示す。図27(A)において、「キャラクターB」は、スーパーリーチBの示唆演出が示唆演出B実行期間において行われること(つまり、第2の示唆演出が実行されること)を示す。
図27(A)に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」のときに、示唆演出Bを、第2の示唆演出とする決定割合よりも第1の示唆演出とする決定割合の方が高くなっている。また、可変表示結果が「ハズレ」のときは、その反対になっている。このため、第1の示唆演出の方が第2の示唆演出よりも実行された場合の大当り期待度が高くなっている。
演出制御用CPU120は、ステップS659において、示唆演出Cを実行するかを決定する。
例えば、演出制御用CPU120は、まず、示唆演出A及び示唆演出Bを実行すると決定していた場合に、その内容が特定パターンA及びBのいずれかに該当するかを判定し、該当する場合には、示唆演出Cを実行しないと必ず判定する(図25(B)参照)。これによって、示唆演出AからCの実行パターンを特定パターンとしないとした判定と矛盾した結果が出ないようにする。その内容が特定パターンA及びBのいずれかに該当しない場合には、演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、示唆演出Cの実行決定用の乱数値SR12を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出C実行有無決定テーブル(乱数値SR11と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かに応じて「示唆演出Cを実行する」又は「示唆演出Cを実行しない」という決定結果に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出Cを実行するか否かを決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、示唆演出C実行有無決定テーブルを参照し、示唆演出Cを実行するか否かを決定する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出C実行有無決定テーブルにおいて、乱数値SR12に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた決定結果を、示唆演出Cを実行するか否かの決定結果とする(例えば、決定結果が「示唆演出Cを実行しない」であれば示唆演出Cを実行しないと決定される)。
図25(A)は、ステップS659における示唆演出Cの実行決定例を示している。図25(A)に示すように、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「大当り」のときには示唆演出Cを実行すると決定する決定割合が高くなるように、また、可変表示結果が「ハズレ」のときには示唆演出Cを実行すると決定する決定割合が低くなるように、示唆演出を実行するか否かを決定すればよい。これによって、可変表示結果が「大当り」のときには、「ハズレ」のときと比べて、示唆演出Cが実行されやすくなる。
演出制御用CPU120は、ステップS660において示唆演出Cを実行すると決定されたか否かを判定し(ステップS660)、示唆演出Cを実行しないと決定した場合には(ステップS660;No)、示唆演出Cの内容を決定する必要がないので、示唆演出決定処理を終了する。一方、演出制御用CPU120は、示唆演出Cを実行すると決定した場合には(ステップS660;Yes)、実際に実行する示唆演出Cの内容を決定し(ステップS661)、示唆演出決定処理を終了する。
演出制御用CPU120は、ステップS661では、一例として、まず、示唆演出Bとして第1の示唆演出(キャラクターCに変更する演出)が実行されるかを判定し、実行される場合には、示唆演出Cを必ず第1の示唆演出(桜柄の画像を表示する演出)とする(図28(B)参照)。これによって、示唆演出B実行期間において第1の示唆演出が実行された場合には、その後の示唆演出C実行期間において第2の示唆演出が実行されることが防止される。演出制御用CPU120は、示唆演出Bとして第1の示唆演出(キャラクターCに変更する演出)が実行されない場合には、一例として、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される、示唆演出Cの内容決定用の乱数値SR12を示す数値データを抽出する。演出制御用CPU120は、抽出した数値データに基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出C内容決定テーブル(乱数値SR12と比較される数値(決定値)が、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かであることに応じて示唆演出の示唆演出Cの内容(第1の示唆演出又は第2の示唆演出)に割り当てられたもの)を参照することによって、示唆演出Cの内容を決定する。
具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、可変表示結果が「大当り」か「ハズレ」かを判定し、判定結果と抽出した数値データとに基づいて、示唆演出C内容決定テーブルを参照し、示唆演出Cの内容を決定(選択)する。さらに具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、示唆演出C内容決定テーブルにおいて、乱数値SR12に該当する決定値に、判定結果(「大当り」か「ハズレ」か)に対応して割り当てられた第1の示唆演出又は第2の示唆演出を、示唆演出Cの内容とする。
図28(A)は、ステップS661における示唆演出Cの内容の決定例を示している。なお、図28(A)において、「桜」は、桜柄の示唆演出が示唆演出A実行期間において行われること(つまり、第1の示唆演出が実行されること)を示す。図28(A)において、「赤」は、赤色の示唆演出が示唆演出A実行期間において行われること(つまり、第2の示唆演出が実行されること)を示す。
図28(A)に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」のときに、示唆演出Cを、第2の示唆演出とする決定割合よりも第1の示唆演出とする決定割合の方が高くなっている。また、可変表示結果が「ハズレ」のときは、その反対になっている。このため、第1の示唆演出の方が第2の示唆演出よりも実行された場合の大当り期待度が高くなっている。
ステップS605からステップS608は、上記実施形態と同様の処理なので詳細な説明を省略する。
このような変形例では、第1のタイミング(例えば、示唆演出A実行期間)にて、第1の示唆演出と、第2の示唆演出と、のいずれかを実行可能であり、第1のタイミングよりも後に第2のタイミング(例えば、示唆演出B実行期間)にて、第1の示唆演出と、第2の示唆演出と、を別途実行可能であり、第1のタイミングで第1の示唆演出を実行した場合には、第2のタイミングで第2の示唆演出を実行しないものとしている。上記構成によれば、実行された場合に特定遊技状態に制御される可能性が第1のタイミングにおいて比較的高い示唆演出が実行されたあとに、実行された場合に特定遊技状態に制御される可能性が第2のタイミングにおいて比較的低い示唆演出が実行されることがないので、前記可能性が第1のタイミングにおいて比較的高い示唆演出が実行されたあとに、前記可能性が第2のタイミングにおいて比較的低い示唆演出が実行されたことによって、特典が付与される期待感が損なわれることを防止でき、特典が付与される期待感が損なわれにくくすることができ、遊技への興趣の低下を防止又は軽減できる。
なお、示唆演出AからCの各内容は、例えば、示唆演出C、示唆演出B、示唆演出Aのような順序で決めてもよいし、他の順序で決めても良い。また、特定パターンについての決定も適宜のタイミングで行えばよい。
(変形例4)
上記実施形態や変形例3では、第1のタイミング(例えば、示唆演出A実行期間)にて、第1の示唆演出と、第2の示唆演出と、のいずれかを実行可能であり、第1のタイミングよりも後に第2のタイミング(例えば、示唆演出B実行期間)にて、第1の示唆演出と、第2の示唆演出と、を別途実行可能であり、第1のタイミングで第1の示唆演出を実行した場合には、第2のタイミングで第2の示唆演出を実行しないか実行しにくいものとしているが、第1のタイミングで第1の示唆演出又は第2の示唆演出を実行した場合には、第2のタイミングで示唆演出を実行しやすくするか、必ず実行するようにしもよい。このような構成を実現するためには、例えば、上記実施の形態の図15のパターンを、ある示唆演出実行期間で示唆演出が実行された場合には、それ以降の示唆演出実行期間において必ず示唆演出を実行するように変更する。例えば、パターン2について、示唆演出C実行期間の内容を赤色の示唆演出に変更する。また、図15のパターンで決定割合が低いものについてのみ、第1のタイミングで第1の示唆演出又は第2の示唆演出を実行した場合には、第2のタイミングで示唆演出を実行しないものとする。また、変形例3では、示唆演出を実行するか否かの判定(例えば、ステップS653など)のときに、前のタイミング(例えば、ステップS656など)で示唆演出が実行すると判定された場合には、必ず示唆演出を実行するものと判定する。このような構成によれば、実行された場合に特定遊技状態に制御される可能性が示唆演出が実行されたあとに、示唆演出を実行しやすくするか必ず実行するので、示唆演出が実行されたあとに示唆演出が実行されないことによって、特典が付与される期待感が損なわれることを防止でき、遊技への興趣の低下を防止又は軽減できる。
(変形例5)
これらの他にも、パチンコ遊技機1といった遊技機の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、所定の入賞装置に進入した遊技球の個数に対応して異なる遊技価値を付与するための遊技制御または演出制御を含めた各種の制御内容などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(変形例6)
パチンコ遊技機1は、遊技者に賞球となる遊技球が払い出され、払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であってもよいし、遊技に使用するための得点が付与されて、この得点を使用してパチンコ遊技機1の内部に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われる遊技機であってもよい。すなわち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機において、所定の遊技に用いられる得点が0でないときに、この得点を使用して遊技機内に封入された遊技媒体を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技媒体の打ち込みに応じて得点が減算され、遊技領域に設けられた入賞領域を遊技媒体が通過(進入)することに応じて得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。こうした遊技機は、得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体の記録情報を読み出す遊技用記録媒体処理手段を備えてもよい。
(変形例7)
なお、本発明は、様々な装置に適用できる。特に、遊技の進行に応じて、遊技者に特典を付与する遊技機であって、特典を付与するか否かを決定する特典付与決定手段と、特典が付与されるか否かを演出の結果として報知する第1の特定演出を、特典付与決定手段が特典を付与すると決定したときの実行割合が第1の実行割合となるように実行可能な第1の特定演出実行手段と、特典が付与されるか否かを演出の結果として報知する第2の特定演出を、特典付与決定手段が特典を付与すると決定したときの実行割合が第1の実行割合よりも高い第2の実行割合となるように実行可能な第2の特定演出実行手段と、特典が付与される可能性が高いことを示唆する示唆演出を、前記特典付与決定手段の決定結果に基づいて、前記第1の特定演出の実行期間内に実行可能、かつ、前記第2の特定演出の実行期間内に実行可能な示唆演出実行手段と、を備える遊技機に適用できる。
なお、特典とは、遊技を行うために用いる遊技用価値(例えば、掛けられた遊技メダル枚数、打ち込まれた遊技球など)に対し、遊技者に付与される遊技用価値の占める付与割合(例えば、遊技メダルの払出率、遊技球の払出率など)に直接影響を与える価値(例えば、遊技者にとって有利な、ATゲーム、ボーナス、大当り遊技状態、確変状態など)であってもよく、また、遊技の進行上、遊技者にとって有益な価値(例えば、確定演出、プレミアム演出など)であってもよい。遊技機が特典を遊技者に付与するとは、遊技機が、ATゲーム、ボーナス、大当り遊技状態、確変状態などを実行したり、確定演出、プレミアム演出などを実行したりすることを含む。
上記の遊技機としては、例えば、スロットマシンがある。スロットマシンは、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされたものである。以下、このようなスロットマシンの一例を図29及び30を参照して説明する。
図29は、スロットマシン500の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン500は、大別して、前面が開口する筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成されている。スロットマシン500の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリールRL、RC、RRを水平方向に並設した可変表示装置501が設置されている。リールRL、RC、RRの外周部には、例えば「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リールRL、RC、RRの外周部に描かれた図柄は、各々上中下三段に表示されている。
各リールRL、RC、RRは、各々対応して設けられたリールモータ651L、651C、651R(図30)によって回転させることで、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リールRL、RC、RRの回転を停止させることで、3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。また、スロットマシン500の前面扉には、パチンコ遊技機1の画像表示装置5と同様の表示機能を有する画像表示装置510が設けられている。スロットマシン500の前面扉における可変表示装置501の下部などには、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。
操作テーブル520の奥側には、スロットマシン500において遊技媒体となるメダルを投入して収納可能なメダル投入口502、メダルを1枚分の賭数を設定(BET)するためのBETスイッチ503、1ゲームで賭けることのできる最高枚数分(本例では3枚分)の賭数を設定するためのMAXBETスイッチ504、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)として記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算するための精算スイッチ508が設けられている。メダル投入口502に投入されたメダルは、所定の投入メダルセンサによって検知される。
操作テーブル520の手前側には、スロットマシン500にてゲームを開始する際に操作されるスタートレバー505、リールRL、RC、RRの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ506L、506C、506Rが設けられている。操作テーブル520の下部には、メダルが払い出されるメダル払出口507が設けられている。
スロットマシン500の前面扉における可変表示装置501の下部といった所定位置には、スロットマシン500での遊技に関する各種の情報を表示するための遊技情報表示部が設けられている。例えば、遊技情報表示部は、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器や、ビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される補助表示器、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器などを備えていればよい。
スロットマシン500の上部左右には、効果音を発する2つのスピーカ511L、511Rが設けられている。画像表示装置510や可変表示装置501の左右には、遊技効果ランプ513、514が設けられている。
スロットマシン500においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口502から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはBETスイッチ503またはMAXBETスイッチ504を操作する。こうして賭数が設定されると、賭数に応じた複数の入賞ラインのいずれかが有効となり、スタートレバー505の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが実行可能な状態となって、可変表示の実行条件が成立する。なお、前回のゲームにてリプレイなどの再遊技役の入賞が発生した場合にも、続けて次のゲームが実行可能となり、可変表示の実行条件が成立する。
こうしてゲームが実行可能な状態でスタートレバー505が操作されると、その操作がスタートレバースイッチ505A(図28)により検知されたことに基づき、可変表示の開始条件が成立したことに対応して、各リールRL、RC、RRが回転し、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ506L、506C、506Rが操作されると、対応するリールRL、RC、RRの回転が停止し、表示結果が視認可能に導出表示される。そして、全てのリールRL、RC、RRの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各リールRL、RC、RRの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。
入賞となる役の種類には、大別して、メダルの付与を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン500では、スタートレバー505が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選(特典を付与するか否かの事前決定)を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。
各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
スロットマシン500における遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば466枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。
レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了させるようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
スロットマシン500では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度が高い遊技状態であればよい。
このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利度が高い遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ506L、506C、506Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
加えて、リプレイタイムとなった後、所定の転落役に当選して該転落役に対応する終了図柄組合せが導出されることによりリプレイタイムを終了させる場合に、リプレイタイムとなってから終了図柄組合せが導出されることなく所定数のゲームを消化したことを条件として、転落役に当選したときに当該転落役を回避するための情報を報知する報知期間(ART)に制御してもよい。あるいは、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが終了した後、直ちにARTへの制御が開始されてもよい。
スロットマシン500には、例えば図28に示すような主基板600、演出制御基板620、リールユニット650などが搭載されている。その他にも、スロットマシン500には、主基板600に接続された電源基板や中継基板等の他の基板も搭載されている。
主基板600には、遊技制御用マイクロコンピュータ610が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ610は、上記実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAMなどを備えて構成されている。リールユニット650は、リールモータ651L、651C、651R、リールランプ652、リールセンサ653などを備えて構成される。リールモータ651L、651C、651Rは、各リールRL、RC、RRを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リールRL、RC、RRの内部に設けられ、各リールRL、RC、RRに描かれた図柄のうち、可変表示装置501にて視認可能となる図柄をリールの内側から照射するためのランプである。リールセンサ653は、各リールRL、RC、RRの回転状態や回転数などを検知するためのセンサである。
演出制御基板620には、演出制御用CPU630や、表示制御部631、音制御部632、ランプ制御部633などが搭載されていればよい。なお、図2に示すパチンコ遊技機1の構成と同様に、音声制御基板やランプ制御基板を演出制御基板620とは別個に設け、音制御部632の機能を音声制御基板に搭載された各種回路により実現し、ランプ制御部633の機能をランプ制御基板に搭載された各種回路により実現してもよい。
演出制御用CPU630は、上記実施の形態における演出制御用CPU120と同様に、プログラムに従った制御を行う。表示制御部631は、画像表示装置510における表示動作の制御を行うものであり、上記実施の形態における表示制御部123と同様に、演出制御用CPU630からの表示制御指令に従った画像データの処理を実行する画像処理プロセッサや、画像表示装置510の画面上に画像を表示させるために使用される各種の画像データなどを記憶する画像処理用データメモリを備えて構成される。
演出制御用CPU630では、主基板600から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンに従って画像表示装置510やスピーカ511L、511R、遊技効果ランプ512〜514などによる演出動作を制御するための指令や処理が実行される。画像表示装置510の画面上には、例えば上記実施の形態における画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアと同様にして、「左」、「中」、「右」の可変表示部が設けられ、例えば演出制御用CPU630が上記実施の形態における可変表示中演出処理と同様の処理を実行することにより、可変表示装置501における図柄の可変表示に対応して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄が可変表示されてもよい。あるいは、画像表示装置510の表示領域では飾り図柄の可変表示が実行されず、可変表示装置501における図柄の可変表示などに対応した演出画像の表示が行われるようにしてもよい。
可変表示装置501における図柄の可変表示が開始された後に、例えばストップスイッチ506Lが操作されたことによりリールRLの回転を停止させ、続いて、ストップスイッチ506Cが操作されることによりリールRCの回転を停止させる。このとき、可変表示装置501では、リールRLの停止により導出表示された図柄と、リールRCの停止により導出表示された図柄とが、いずれかの入賞ライン上でビッグボーナスとなる特別役の入賞を発生可能な組合せを構成するものとする。このとき、例えばビッグボーナスやレギュラーボーナスのような特別役といった、内部抽選により所定の役に内部当選したことを特典が付与されたことにしてもよく、これに基づく可変表示を、内部当選していない場合の可変表示よりも遊技者にとって有利度が高い特典付与としてもよい。
あるいは、複数種類の特別役のうちに、入賞の発生に基づいて移行した遊技状態を終了させる条件の1つとなる遊技媒体(例えばメダルなど)の付与数量が第1数量(例えば「200」)となる第1特別役(例えば青色の「7」が揃うことによるビッグボーナス)と、第1数量よりも多い第2数量(例えば「300」)となる第2特別役(例えば赤色の「7」が揃うことによるビッグボーナス)とがあり、第2特別役に内部当選したことを特典が付与されたこととしてもよい。入賞が発生するまでの可変表示を、第1特別役に内部当選してから入賞が発生するまでの可変表示よりも遊技者にとって有利度が高い特典付与としてもよい。
あるいは、リールRL、RC、RRの回転に伴う図柄の可変表示を実行可能な上限回数が第1回数(例えば「50」)となる第1ARTと、その上限回数が第1回数よりも多い第2回数(例えば「150」)となる第2ARTのいずれかに制御可能とし、第2ARTに制御すると決定されたことを特典が付与されたこととしてもよい。また、これに基づく可変表示を、第1ARTに制御すると決定されたことに基づく可変表示よりも遊技者にとって有利度が高い特典付与としてもよい。
あるいは、ART中における所定当選役(例えば再遊技役)などに基づく継続抽選確率が第1確率(例えば50%)となる第1ARTと、その継続抽選確率が第1確率よりも高い第2確率(例えば80%)となる第2ARTのいずれかに制御可能とし、第2ARTに制御すると決定されたことを特典が付与されたこととしてもよい。また、これに基づく可変表示を、第1ARTに制御すると決定されたことに基づく可変表示よりも遊技者にとって有利度が高い特典付与としてもよい。
あるいは、ART中において情報報知が可能になる可変表示のセット数(例えば1セットは50ゲームや150ゲームなどから抽選)を示す貯留数(ストック数)が第1貯留数(例えば「5」)である場合と、第1貯留数よりも多い第2貯留数(例えば「10」)である場合とがあり、第2貯留数に決定されたことであることを特典が付与されたこととしてもよい。また、これに基づく可変表示を、第1貯留数に決定されたことに基づく可変表示よりも遊技者にとって有利度が高い特典付与としてもよい。
あるいは、リプレイタイム中やART中であることを特典が付与されたこととしてもよい。また、リプレイタイム中やART中における図柄の可変表示を、通常遊技状態における図柄の可変表示よりも遊技者にとって有利度が高い特典付与としてもよい。また、図柄の可変表示を実行可能な上限回数が第1回数(例えば「50」)となる第1ARTと、その上限回数が第1回数よりも多い第2回数(例えば「150」)となる第2ARTのいずれかに制御可能とし、第2ART中であることを特典が付与されたこととしてもよい。また、第2ART中に実行される可変表示を、第1ART中に実行される可変表示よりも遊技者にとって有利度が高い特典付与としてもよい。継続抽選確率が第1確率(例えば50%)となる第1ARTと、その継続抽選確率が第1確率よりも高い第2確率(例えば80%)となる第2ARTのいずれかに制御可能とし、第2ART中であることを特典が付与されたこととしてもよい。また、第2ART中に実行される可変表示を、第1ART中に実行される可変表示よりも遊技者にとって有利度が高い有利遊技としてもよい。ART中における残りストック数が第1貯留数(例えば「5」)よりも多い第2貯留数(例えば「10」)であることを特典が付与されたこととしてもよい。また、このときに実行される可変表示を、第1貯留数であるときに実行される可変表示よりも遊技者にとって有利度が高い有利遊技としてもよい。すなわち、複数種類の遊技状態のうちに、所定の遊技状態よりも遊技者にとって有利度が高い遊技状態を設けてもよい。
演出制御用CPU630は、画像表示装置510の表示領域などを用いて、上記の可変表示や演出画像の表示などをすることによって、パチンコ遊技機1と同様に、内部当選があったか(特典が付与されるか)などを報知する第1の特定演出、第2の特定演出、示唆演出などを実行する。特に、第2の特定演出が実行されると内部当選した確率が第1の特定演出を実行した場合よりも大きくなるように、第1の特定演出、第2の特定演出を実行する。示唆演出も、パチンコ遊技機1と同様に、第1の特定演出、第2の特定演出の実行中において実行され、示唆演出のうちの第1の示唆演出が実行されると内部当選した確率が高くなるように実行される。また、パチンコ機1と同様に、第1の特定演出を実行している場合における示唆演出の実行可能回数を、第2の特定演出を実行している場合における示唆演出の実行可能回数よりも大きくすることで、上記パチンコ機1と同様の効果を得ることができる。その他、パチンコ機1と同様の演出を行わせることによって、パチンコ機1と同様の効果を適宜得ることができる。このように、スロットマシン500であっても、パチンコ機1と同様に様々な演出を行うことができ、上記と同様の効果が適宜得られることになる。
上記第1の特定演出及び上記第2の特定演出は、例えば、内部当選があったか否かを報知する連続演出などによって実現される。
例えば、第1の特定演出では、1ゲーム目(スタートレバー505が操作の操作後)に図18(1−c)の画像が画像表示装置510の表示領域に表示され、2ゲーム目(スタートレバー505が操作の操作後)に図18(1−d)の画像が画像表示装置510の表示領域に表示され、3ゲーム目(スタートレバー505が操作の操作後)に図18(1−e)の画像が画像表示装置510の表示領域に表示され、4ゲーム目(スタートレバー505が操作の操作後)に図18(1−f)の画像が画像表示装置510の表示領域に表示され、4ゲーム目の最後又は5ゲーム目に、内部当選があったか否かに応じて、図18(1−g)が表示されるか(内部当選有り)、図18(1−i)が表示される(内部当選無し)。
例えば、第2の特定演出では、1ゲーム目(スタートレバー505が操作の操作後)に図19(2−c)の画像が画像表示装置510の表示領域に表示され、2ゲーム目(スタートレバー505が操作の操作後)に図19(2−d)の画像が画像表示装置510の表示領域に表示され、3ゲーム目(スタートレバー505が操作の操作後)に図19(2−e)の画像が画像表示装置510の表示領域に表示され、3ゲーム目の最後又は4ゲーム目に、内部当選があったか否かに応じて、図19(2−f)が表示されるか(内部当選有り)、図19(2−h)が表示される(内部当選無し)。
実行されない場合よりも特典が付与される可能性が高いことを示唆する示唆演出(第1の示唆演出又は第2の示唆演出)は、例えば、上記の実施の形態と同様のタイミング及び内容で実行される。すなわち、第1の特定演出では、1,2,4ゲーム目(図18(1−c)、(1−d)、(1−f))それぞれにおいて、図20(1−c−3)、(1−d−3)、(1−f−3)に示すような桜柄の画像を表示する演出や登場キャラクターをキャラクターCに変更する演出などが第1の示唆演出として実行され、図20(1−c−2)、(1−d−2)、(1−f−2)に示すような赤色の画像を表示する演出や登場キャラクターをキャラクターBに変更する演出などが第2の示唆演出として実行される。第2の特定演出では、3ゲーム目(図19(1−e))において、図20(2−e−3)に示すような桜柄の画像を表示する演出などが第1の示唆演出として実行され、図20(2−e−2)に示すような赤色の画像を表示する演出などが第2の示唆演出として実行される。
(変形例8)
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1といった遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。