JP5952779B2 - ネットワーク制御装置、および、ネットワーク制御プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、通信ネットワークの伝送パスを設定するネットワーク制御装置、および、ネットワーク制御プログラムに関する。
激甚災害などによる大規模なネットワーク障害が発生した際であっても、ネットワーク事業者は、ネットワークの障害装置や伝送路の復旧を速やかに実施し、信頼性の高いネットワークサービスをユーザに提供することが求められている。ネットワーク事業者が提供するネットワークは、例えば、物理的な光インフラ網上に波長による伝送パスを設定し、この伝送パスによって上位レイヤネットワーク上のノードを接続する論理的なリンクを提供するものである。ここで、上位レイヤネットワークとは、例えばIP(Internet Protocol)ネットワークなどである。論理的なリンクとは、ユーザのトラヒック転送路を構成するものである。
障害発生の際、ネットワーク事業者が提供するネットワークは、高品質なネットワークサービスを提供するため、残存資源を有効活用してユーザの疎通トラヒック量を最大化するように伝送パスを再構成することが求められる。そのため、ネットワーク制御装置は、残存資源に於ける最大流問題の解を算出して伝送パスを再構成する。
ネットワーク事業者は、障害が発生したネットワークの通信機器や光ファイバなどの物理資源を可及的速やかに復旧することが望ましい。しかし、ビル倒壊などを含む激甚災害を想定すると、ネットワーク事業者が、障害が発生した物理資源を一度に復旧することが困難な場合も考えられる。その場合、ネットワーク事業者は、数週間から数ヶ月のスパンで段階的に物理資源を復旧する。ネットワーク制御装置は、物理資源が復旧される毎に、残存資源に於ける最大流問題の解を算出して伝送パスを再構成することとなる。
非特許文献1には、段階的復旧が行われるネットワークを前提とした場合に、中間ステージの疎通トラヒック量も含めて、疎通トラヒック量を最大化する方法が記載されている。非特許文献1に記載の技術は、中間ステージを含む複数ステージの疎通トラヒック量の総和を最大化する問題を線形計画問題として定式化し、最適性が保証された厳密解を算出するものである。
ネットワーク事業者が提供するネットワークは、ネットワークサービスの提供の観点により、中間ステージに於いても所定の疎通トラヒック量の確保が要求され、運用負荷の緩和の観点により、復旧ステージの遷移に於ける伝送パスの張り替え本数の最小化が要求される。ここで伝送パスの張り替え本数とは、新たな復旧ステージに遷移したときに、新たに張った伝送パスの本数のことをいう。この場合、伝送パスの張り替え本数を、数理計画問題の目的関数や制約条件として付与することで、要求を満たす制御が実現可能である。
非特許文献2に記載の技術は、伝送パスの張り替え本数を間接的に制御する変数を目的関数としている。これにより、非特許文献2に記載の技術は、復旧の中間ステージで所定の疎通トラヒック量を担保しつつ、複数のステージに遷移する際の伝送パスの張り替え本数を最小化する問題を、線形計画問題として定式化可能である。
WANG Jianping,QIAO Chunming,YU Hongfang、"On Progressive Network Recovery After a Major Disruption"、The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.、Proc IEEE INFOCOM、2011年、2011 Vol.3、1925-1933頁 S. Kamamura, D. Shimazaki, T. Miyamura, Y. Uematsu, and K. Sasayama、"Fuss-free Progressive Network Recovery after a Large Scale Disaster"、一般社団法人電子情報通信学会、電子情報通信学会大会講演論文集、2013年3月5日、2013巻、S.72-S.73頁
激甚災害を想定すると、物理資源は、一度に復旧されるのではなく、段階的に復旧されることが想定される。各物理資源が段階的に復旧された中間のステージに於いても、キャリアネットワークは、所定の疎通トラヒック量を確保することが望ましい。本問題は、線形計画問題としての定式化が可能であり、シンプレックス法や内点法などの古典的アルゴリズムで問題を解くことができる。本問題の時間計算量のオーダは、多項式関数となる。
しかし、これら古典的アルゴリズムは、時間計算量の発散速度が速いため、数百台規模のノードを有するキャリアネットワークに於いて、実用的な時間で計算が完了しない虞があり、よって実用的な計算時間で問題を解けない虞がある。例えば非特許文献2の技術によれば、ノード数をnとして、ステージ数をKとした場合、時間計算量のオーダはO(n72)となる。
本発明では、通信ネットワークの物理資源の故障から順次復旧する複数のステージにて、ネットワーク制御装置、および、ネットワーク制御プログラムが、パス張り替えの発生頻度を抑制しつつ最大流問題を解くにあたり、時間計算量のオーダの発散速度を遅らせて、大規模な通信ネットワークにも適用可能とすることを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、通信ネットワークの物理資源である物理ノードと物理リンクとの接続トポロジ情報を格納する網トポロジ記憶部と、各伝送パスのトラヒック量情報を格納するトラヒック記憶部と、各ステージで復旧される各物理資源の情報を格納する物理資源復旧順序記憶部と、最終ステージに於ける最大流問題の解である伝送パスの最終パス集合のうち、各ステージで復旧可能な部分集合である最終パス部分集合、および、前記最終パス部分集合を復旧した際の残余資源に於ける最大流問題の解である第1残余資源パス集合を算出して、前記最終パス部分集合と前記第1残余資源パス集合との和集合を算出し、各ステージのパス集合とするパス計算部と、を備えることを特徴とするネットワーク制御装置とした。
請求項5に記載の発明では、通信ネットワークの物理資源である物理ノードと物理リンクとの接続トポロジ情報を格納する網トポロジ記憶部と、各伝送パスのトラヒック量情報を格納するトラヒック記憶部と、各ステージで復旧される各物理資源の情報を格納する物理資源復旧順序記憶部と、を備えたネットワーク制御装置であるコンピュータに、最終ステージに於ける最大流問題の解である伝送パスの最終パス集合を算出するステップを実行したのち、復旧の各ステージに於けるパス集合を算出するため、前記最終パス集合のうち、このステージで復旧可能な部分集合である最終パス部分集合を算出するステップと、前記最終パス部分集合を復旧した際の残余資源に於ける最大流問題の解である第1残余資源パス集合を算出するステップと、前記最終パス部分集合および前記第1残余資源パス集合との和集合を算出し、このステージに於けるパス集合とするステップと、を繰り返し実行させるためのネットワーク制御プログラムとした。
このようにすることで、通信ネットワークの物理資源の故障から順次復旧する複数のステージにて、パス張り替えの発生頻度を抑制しつつ最大流問題を解くにあたり、時間計算量のオーダの発散速度を遅らせることができる。
請求項2に記載の発明では、前記パス計算部は、初期ステージに於ける最大流問題の解である初期パス集合を算出し、前記最終パス集合のうち各ステージで復旧可能な部分集合である前記最終パス部分集合を算出し、前記最終パス部分集合を復旧した際の残余資源により復旧可能な前記初期パス集合の部分集合である初期パス部分集合を算出し、前記最終パス部分集合と前記初期パス部分集合とを復旧した際の残余資源に於ける最大流問題の解である第2残余資源パス集合を算出し、前記最終パス部分集合、前記初期パス部分集合、および、前記第2残余資源パス集合の和集合を算出し、各前記ステージのパス集合とする、ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク制御装置とした。
このようにすることで、初期パス集合に含まれる伝送パスを優先して復旧することができるので、伝送パスの張り替え本数を更に減らすことができる。
請求項3に記載の発明では、前記パス計算部は、初期ステージに於ける最大流問題の解である初期パス集合を算出し、前記最終パス集合のうち各ステージで復旧可能な部分集合である前記最終パス部分集合を算出し、前記最終パス部分集合を復旧した際の残余資源により復旧可能な直前のステージに於けるパス集合の部分集合である直前パス部分集合を算出し、前記最終パス部分集合と前記直前パス部分集合とを復旧した際の残余資源に於ける最大流問題の解である第3残余資源パス集合を算出し、前記最終パス部分集合、前記直前パス部分集合、および、前記第3残余資源パス集合のとの和集合を算出し、各前記ステージのパス集合とする、ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク制御装置とした。
このようにすることで、直前のステージのパス集合に含まれる伝送パスを優先して復旧することができるので、伝送パスの張り替え本数を、請求項2に記載の発明よりも更に減らすことができる。
請求項4に記載の発明では、前記パス計算部は更に、前記ステージのパス集合が、始点ノードおよび終点ノードの同一組合せに係る複数の伝送パスを含んでいたならば、前記複数の伝送パスのうち最大の疎通トラヒック量のものを採用し、それ以外のものを削除する、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のネットワーク制御装置とした。
このようにすることで、各伝送ノードは、設定が単純化されるので、不具合を未然に防止することができ、よって、通信ネットワークの運用性を向上することができる。
本発明によれば、通信ネットワークの物理資源の故障から順次復旧する複数のステージにて、ネットワーク制御装置、および、ネットワーク制御プログラムが、パス張り替えの発生頻度を抑制しつつ最大流問題を解くにあたり、時間計算量のオーダの発散速度を遅らせることができる。よって、大規模な通信ネットワークにも適用可能となる。
第1の実施形態に於けるネットワーク制御装置を示す概略の構成図である。 第1の実施形態に於けるパス計算処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態に於ける最終ステージのパス集合を示す図である。 第1の実施形態に於ける各ステージの状態を示す図である。 第1の実施形態の変形例に於けるパス計算処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態に於けるパス計算処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態に於ける最終ステージと初期ステージのパス集合を示す図である。 第2の実施形態に於ける各ステージの状態を示す図である。 第3の実施形態に於けるパス計算処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態に於ける各ステージの状態を示す図である。 第4の実施形態に於けるパス計算処理を示すフローチャートである。 比較例および第1〜第3の実施形態に共通する通信ネットワークを示す概略の構成図である。 比較例のネットワーク制御装置を示す概略の構成図である。 通信ネットワークの比較例に於ける段階復旧の例を示す図である。
次に、本発明の比較例と、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)とについて、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明では、複数ステージを同時に最適化する問題を、単独ステージ毎に最適化する問題に変換することにより、時間計算量のオーダの発散速度を遅らせている。具体的には、完全復旧時の伝送パス構成である最終パス集合や、初回復旧時の伝送パス構成である初期パス集合を個別に計算する。本発明は、これらの結果を中間ステージの伝送パス構成に反映することで、可能な限り伝送パスを固定し、よって伝送パスの張り替えの発生頻度を抑制する。
図12は、比較例および第1〜第4の実施形態に共通する通信ネットワーク9を示す概略の構成図である。
図12に示すように、通信ネットワーク9は、物理レイヤ6と、この物理レイヤ6に物理的に接続される比較例のネットワーク制御装置1D、または、第1〜第4実施形態のネットワーク制御装置1を含んで構成される。以下の説明にて、比較例のネットワーク制御装置1Dとして説明する。第1〜第4実施形態では、比較例のネットワーク制御装置1Dを、ネットワーク制御装置1として読み替えることができる。通信ネットワーク9は更に、この物理レイヤ6の上位概念としてのパケットレイヤ7としても構成される。
物理レイヤ6は、IPルータなどである転送ノード2a〜2dと、光スイッチなどである伝送ノード3a〜3gと、それらを通信可能に結ぶ光ファイバなどである物理リンク4とを含んで構成される。転送ノード2a〜2dは、この通信ネットワーク9と、他の通信ネットワークとを接続するエッジノードである。伝送ノード3a〜3gと物理リンク4とは、これら転送ノード2a〜2dを物理的に接続するものである。
転送ノード2a〜2dと、伝送ノード3a〜3gとは、物理レイヤ6の物理ノードを構成する。転送ノード2a〜2dと、伝送ノード3a〜3gと、物理リンク4とは、通信ネットワーク9の物理資源である。物理レイヤ6は、データプレーン(Data-Plane)であり、ユーザのトラヒックを転送するものである。
転送ノード2aは、伝送ノード3aに通信可能に接続されている。転送ノード2bは、伝送ノード3bに通信可能に接続されている。転送ノード2cは、伝送ノード3cに通信可能に接続されている。転送ノード2dは、伝送ノード3dに通信可能に接続されている。
伝送ノード3aは、物理リンク4によって伝送ノード3fに接続され、物理リンク4によって伝送ノード3gに接続され、物理リンク4によって伝送ノード3eに接続されている。更に伝送ノード3eは、物理リンク4によって伝送ノード3gに接続され、物理リンク4によって伝送ノード3dに接続されている。更に伝送ノード3fは、物理リンク4によって伝送ノード3gに接続され、物理リンク4によって伝送ノード3bに接続されている。更に伝送ノード3gは、物理リンク4によって伝送ノード3bに接続され、物理リンク4によって伝送ノード3dに接続されている。伝送ノード3cは、物理リンク4によって伝送ノード3bに接続され、物理リンク4によって伝送ノード3dに接続されている。
以下、転送ノード2a〜2dを特に区別しない場合には、単に転送ノード2と記載する。伝送ノード3a〜3gを特に区別しない場合には、単に伝送ノード3と記載する。
ネットワーク制御装置1Dは、物理レイヤ6上に、転送ノード2b,2cを始終点とした伝送パス51bと、転送ノード2c,2dを始終点とした伝送パス51cと、転送ノード2a,2dを始終点とした伝送パス51eとを設定する。ネットワーク制御装置1Dは、不図示の制御プレーンを介して、各物理ノードを制御するものである。
伝送パス51bは、転送ノード2bから伝送ノード3b,3cを介して、転送ノード2cに接続されるものである。この伝送パス51bは、方向に関する属性は有していないため、転送ノード2cから伝送ノード3c,3bを介して、転送ノード2cに接続されるものとしてもよい。
伝送パス51cは、転送ノード2cから伝送ノード3c,3dを介して、転送ノード2dに接続されるものである。伝送パス51eは、転送ノード2dから伝送ノード3d,3g,3aを介して、転送ノード2aに接続されるものである。
以下、伝送パス51b,51c,51eと特に区別しない場合には、単に伝送パス51と記載する。伝送パス51は、波長パスである。しかし、これに限られず、伝送パス51は、MPLS−TP(Multiprotocol Label Switching-Transport Profile)などの電気パスであってもよい。
パケットレイヤ7は、物理レイヤ6の上位レイヤであり、転送ノード2b,2cの間に論理リンク71bを構成し、転送ノード2c,2dの間に論理リンク71cを構成し、転送ノード2a,2dの間に論理リンク71dを構成する。論理リンク71bは、物理レイヤ6の伝送パス51bにより構成される。論理リンク71cは、物理レイヤ6の伝送パス51cにより構成される。論理リンク71dは、物理レイヤ6の伝送パス51dにより構成される。以下、論理リンク71b,71c,71dなどを特に区別しないときには、単に論理リンク71と記載する。
ネットワーク制御装置1Dは、通信ネットワーク9の情報を収集して、通信ネットワーク9を構成する各ノードに制御情報を設定し、よって伝送パス51を設定する。ネットワーク制御装置1Dは、通信ネットワーク9に対して少なくとも1台が設置されている。しかし、これに限られず、ネットワーク制御装置1Dは、通信ネットワーク9に対して機能ごとに複数台を設置したり、制御対象のノードごとに同一機能の複数台を設置してもよい。
図13(a),(b)は、比較例のネットワーク制御装置1Dを示す概略の構成図である。図13(a)は、ネットワーク制御装置1Dの構成を示している。図13(b)は、ネットワーク制御装置1Dの各部の連携動作を示している。
図13(a),(b)では、ネットワーク制御装置1Dは、伝送パス51の設定や、その設定に必要な情報取得に関する処理部のみを示している。なお、伝送パス51を、論理リンク71と見なしたときに構成される論理トポロジ(IPネットワークもしくはMPLSネットワーク)上のルーティング方法については、一般的なIPルーティング機能やMPLSスイッチング機能によって実現可能であるため、説明は省略する。
図13(a)に示すように、ネットワーク制御装置1Dは、処理部としてネットワーク情報収集部11と、パス計算部12と、パス設定部13とを含み、記憶部の情報要素として網トポロジ記憶部14と、トラヒック記憶部15と、パス記憶部16とを含んで構成される。
ネットワーク情報収集部11は、網トポロジ情報やトラヒック情報を、通信ネットワーク9から取得するものである。
パス計算部12は、網トポロジ記憶部14に格納されたトポロジ情報に基づいて、伝送パス51の設定方法を計算するものである。
パス設定部13は、パス記憶部16に格納された伝送パス情報を、通信ネットワーク9上の各物理ノードに対して設定するものである。
網トポロジ記憶部14は、通信ネットワーク9(図12参照)の転送ノード2および伝送ノード3と物理リンク4との接続トポロジ情報を格納する記憶部である。転送ノード2および伝送ノード3は、通信ネットワーク9の物理資源かつ物理ノードである。物理リンク4は、通信ネットワーク9の物理資源である。
トラヒック記憶部15は、通信ネットワーク9上の論理リンク71かつ伝送パス51に収容されているトラヒック量を格納する記憶部である。
パス記憶部16は、パス計算部12が計算した伝送パス情報を格納する記憶部である。
これらネットワーク情報収集部11、パス計算部12、パス設定部13は、このネットワーク制御装置1Dが備えるCPU(Central Processing Unit)によるプログラム実行処理や、専用回路などにより実現される。網トポロジ記憶部14、トラヒック記憶部15、パス記憶部16は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリなどの記憶媒体から構成される。なお、ネットワーク制御装置1Dをプログラム実行処理により実現する場合、この記憶媒体には、このネットワーク制御装置1Dの機能を実現するためのネットワーク制御プログラムが格納される。
図13(b)に示すように、ネットワーク情報収集部11は、通信ネットワーク9から網トポロジ情報を取得して網トポロジ記憶部14に格納し、通信ネットワーク9からトラヒック情報を取得してトラヒック記憶部15に格納する。
パス計算部12は、網トポロジ記憶部14に格納されたトポロジ情報と、トラヒック記憶部15に格納されたトラヒック情報に基づいて計算した伝送パス情報を、パス記憶部16に格納する。
パス設定部13は、パス記憶部16に格納された伝送パス情報を、通信ネットワーク9上の各物理ノードに対して設定する。
図14(a)〜(d)は、通信ネットワーク9の比較例に於ける段階復旧の例を示す図である。
ビル倒壊などを含む激甚災害によるネットワーク障害が発生した際、通信ネットワーク9のネットワーク制御装置1Dは、残存資源を有効活用して最大限にユーザトラヒックを転送するため、伝送パス51を再構成する。このような激甚災害に於いて、物理資源は、一度で復旧されるのではなく、数週間から数ヶ月のスパンで段階的に複数される。以下の比較例では、この段階的な復旧を、第0ステージから第3ステージに分けて示している。
なお、以降の通信ネットワーク9を示す図では、障害を受けて停止している物理資源を、斜線によるハッチングと、破線による輪郭線で示している。
図14(a)は、通信ネットワーク9の障害発生時(第0ステージ)の状態を示している。
図14(a)に示すように、第0ステージに於いて、通信ネットワーク9の伝送ノード3b,3f,3gは、障害を受けて停止している。伝送ノード3b,3f,3gの停止により、これら伝送ノード3b,3f,3gを相互に接続する各物理リンク4は停止する。例えば、伝送ノード3fの停止により、この伝送ノード3fと伝送ノード3aとを接続する物理リンク4は停止する。伝送ノード3gの停止により、この伝送ノード3gと伝送ノード3a,3e,3dとを接続する各物理リンク4は停止する。
ネットワーク制御装置1Dは、残存資源に於ける最大流問題の解を算出し、転送ノード2c,2dを始終点とする伝送パス51cと、転送ノード2a,2dを始終点とする伝送パス51dとを設定する。これにより、ネットワーク制御装置1Dは、通信ネットワーク9に残存している物理資源を有効に活用して、ユーザにネットワークサービスを提供することができる。
しかし、ネットワーク制御装置1Dは、伝送ノード3bが停止しているので、この伝送ノード3bを経由する転送ノード2bに対しては、伝送パス51を設定することができない。
図14(b)は、通信ネットワーク9の一次復旧時(第1ステージ)の状態を示している。
図14(b)に示すように、第1ステージに於いて、通信ネットワーク9上には、新たに伝送ノード3bが復旧し、伝送ノード3f,3gが障害を受けて停止している。このとき、伝送ノード3f,3gの停止により、これら伝送ノード3f,3gを相互に接続する物理リンク4は停止する。伝送ノード3fの停止により、この伝送ノード3fと伝送ノード3a,3bを接続する各物理リンク4は停止する。伝送ノード3gの停止により、この伝送ノード3gと伝送ノード3a,3e,3dとを接続する各物理リンク4は停止する。
伝送ノード3bの復旧に伴い、ネットワーク制御装置1Dは、残存資源に於ける最大流問題の解を算出し、新たに転送ノード2b,2cを始終点とする伝送パス51bを設定する。これにより、ネットワーク制御装置1Dは、通信ネットワーク9に残存している物理資源を有効に活用して、ユーザにネットワークサービスを提供することができる。
図14(c)は、通信ネットワーク9の二次復旧時(第2ステージ)の状態を示している。
図14(c)に示すように、通信ネットワーク9上には、新たに伝送ノード3fが復旧し、伝送ノード3gが障害を受けて停止している。伝送ノード3gの停止により、この伝送ノード3gと伝送ノード3a,3e,3dとを接続する各物理リンク4は停止する。
伝送ノード3fの復旧に伴い、ネットワーク制御装置1Dは、残存資源に於ける最大流問題の解を算出し、新たに転送ノード2a,2bを始終点とする伝送パス51aを設定する。これにより、ネットワーク制御装置1Dは、通信ネットワーク9に残存している物理資源を有効に活用して、ユーザにネットワークサービスを提供することができる。
図14(d)は、通信ネットワーク9の三次復旧時(第3ステージ)の状態を示している。この第3ステージは、障害から完全に復旧した最終状態である。
図14(d)に示すように、通信ネットワーク9上には、新たに伝送ノード3gが復旧している。伝送ノード3gの復旧に伴い、ネットワーク制御装置1Dは、残存資源に於ける最大流問題の解を算出し、伝送パス51dの代わりに、新たに転送ノード2a,2dを始終点とする伝送パス51eを設定する。これは、伝送パス51dの疎通トラヒック量よりも、伝送パス51eの疎通トラヒック量の方が多いためである。これにより、ネットワーク制御装置1Dは、通信ネットワーク9の物理資源を有効に活用して、ユーザにネットワークサービスを提供することができる。
(第1の実施形態)
図1(a),(b)は、第1の実施形態に於けるネットワーク制御装置1を示す概略の構成図である。図1(a)は、ネットワーク制御装置1の構成を示している。図1(b)は、ネットワーク制御装置1の各部の連携動作を示している。図13(a),(b)に示す比較例のネットワーク制御装置1Dと同一の要素には同一の符号を付与している。
図1(a)に示すように、ネットワーク制御装置1は、比較例のネットワーク制御装置1D(図13(a))と同様の構成に加えて更に、物理資源復旧順序記憶部17を備えている。物理資源復旧順序記憶部17は、各復旧ステージで復旧する転送ノード2、伝送ノード3、物理リンク4などの物理資源の情報が格納されているものである。通信ネットワーク9(図12参照)の管理者は、例えば不図示の端末などを介して、工事計画などに基づき、物理資源復旧順序記憶部17に、各物理資源の復旧に関する情報を入力する。
パス計算部12は、復旧の最終ステージに於ける最大流問題の解である伝送パス51の最終パス集合のうち、各ステージで復旧可能な部分集合、および、この部分集合を復旧した際の残余資源に於ける最大流問題の解であるパス集合の和集合を算出し、各ステージのパス集合とするものである。これにより、パス計算部12は、通信ネットワーク9の物理資源の故障から順次復旧する複数のステージにて、伝送パス51の張り替えの発生頻度を抑制しつつ最大流問題を解くにあたり、時間計算量のオーダの発散速度を遅らせることができる。これにより、通信ネットワーク9が大規模であっても、第1の実施形態のネットワーク制御装置1を適用可能となる。パス計算部12の処理は、後記する図2で詳細に説明する。
図1(b)に示すように、第1の実施形態のネットワーク情報収集部11は、比較例と同様に、通信ネットワーク9(図12参照)から網トポロジ情報を取得して網トポロジ記憶部14に格納し、通信ネットワーク9からトラヒック情報を取得してトラヒック記憶部15に格納する。
第1の実施形態のパス計算部12は、網トポロジ記憶部14に格納されたトポロジ情報と、トラヒック記憶部15に格納されたトラヒック情報に加えて、物理資源復旧順序記憶部17に格納された物理資源の情報に基づいて伝送パス情報を計算する。パス計算部12は、計算した伝送パス情報を、パス記憶部16に格納する。
第1の実施形態のパス設定部13は、比較例と同様に、パス記憶部16に格納された伝送パス情報を、通信ネットワーク9(図12参照)上の各物理ノードに対して設定する。
物理資源の復旧順序は、例えば、通信ネットワーク9(図12参照)の管理者によって入力される。ここで通信ネットワーク9(図12参照)は、第0ステージから第K(Kは自然数)ステージまでを遷移して物理資源の復旧が完了するものとする。第0ステージは、初期ステージであり、例えば、激甚災害によって物理資源が故障しているステージである。第Kステージは、最終ステージであり、例えば、すべての物理資源が復旧したステージである。このように、通信ネットワーク9の物理資源は、段階的に復旧される場合がある。
図2は、第1の実施形態に於けるパス計算処理を示すフローチャートである。適宜、図12および図1(a)の要素を参照している。
ネットワーク情報収集部11が通信ネットワーク9(図12参照)から網トポロジ情報を取得して網トポロジ記憶部14に格納し、通信ネットワーク9からトラヒック情報を取得してトラヒック記憶部15に格納すると、パス計算部12は、パス計算処理を開始する。
ステップS10に於いて、パス計算部12は、最終ステージ上で最大流問題の解である最終パス集合を算出する。この最終パス集合は、最終ステージ上にて、疎通トラヒック量を最大化する伝送パス51の集合である。この最終パス集合は、各伝送パス51の接続トポロジ情報と、各伝送パス51の要求帯域の情報とを含んで構成される。
パス計算部12は、最大流問題の解を算出するため、ヒューリスティックアルゴリズムであるエドモンズ・カープ法を用いる。これにより、パス計算部12は、最大流問題の解を、転送ノード数の自乗と物理リンク数の自乗とを乗算したオーダの時間計算量で解くことができる。ここで、物理リンク数と転送ノード数がほぼ等しいという前提によれば、転送ノード数nに対する時間計算量のオーダは、O(n4)となる。
ステップS11〜S15に於いて、パス計算部12は、第0ステージから第(K−1)ステージまでの処理を繰り返す。以下、繰り返しに係る各ステージの順番は、変数kで示す。なお、本明細書では、変数を示す符号に於いて、大文字と小文字とを区別して記載している。
ステップS12に於いて、パス計算部12は、最終パス集合のうち、この第kステージで復旧可能な部分集合を算出する。この部分集合は、以下、最終パス部分集合と記載する。このとき、パス計算部12は、各伝送パス51単位のトラヒック量などを参考に、伝送パス51の復旧優先度を設けてもよい。
ステップS13に於いて、パス計算部12は、残余資源上で最大流問題を解き、パス集合を算出する。残余資源とは、第kステージのトポロジから最終パス部分集合の各伝送パス51の要求帯域を減算したものである。ここで算出したパス集合は、以下、第1残余資源パス集合と記載する。
ステップS14に於いて、パス計算部12は、算出した最終パス部分集合と、第1残余資源パス集合との和集合を算出し、この第kステージのパス集合とする。
ステップS15に於いて、パス計算部12は、第(K−1)ステージまでの処理を繰り返したか否かを判断する。パス計算部12は、当該判断条件が成立しなかったならば、ステップS11の処理に戻る。
ステップS16に於いて、パス計算部12は、第0ステージから第Kステージまでのパス集合をすべて出力する。パス計算部12は、パス記憶部16にパス集合を格納することにより、これらパス集合を出力する。パス計算部12は、ステップS16の処理が終了すると、図2のパス計算処理を終了する。
図2のパス計算処理によれば、パス計算部12は、ノード数nに対する時間計算量のオーダがO(n4)である最大流問題をK回解く。そのため、時間計算量のオーダは、O(Kn4)となる。
図3は、第1の実施形態に於ける最終ステージのパス集合を示す図である。
図3に示す通信ネットワーク9は、図12の物理レイヤ6に該当する部分が示されている。通信ネットワーク9は、転送ノード2a〜2dと、伝送ノード3a〜3gと、それらを通信可能に結ぶ物理リンク4とを含んで構成される。この物理リンク4の帯域は、100Gbpsである。
この最終ステージに於ける最終パス集合5zは、最大流問題の解であり、パス計算部12によって算出されるものである。最終パス集合5zは、伝送パス51a〜51eを含んで構成される。
伝送パス51aは、転送ノード2aから伝送ノード3a,3f,3bを介して、転送ノード2bに接続されるものである。伝送パス51bは、転送ノード2bから伝送ノード3b,3cを介して、転送ノード2cに接続されるものである。伝送パス51cは、転送ノード2cから伝送ノード3c,3dを介して、転送ノード2dに接続されるものである。伝送パス51dは、転送ノード2dから伝送ノード3d,3e,3aを介して、転送ノード2aに接続されるものである。伝送パス51eは、転送ノード2aから伝送ノード3a,3g,3dを介して、転送ノード2dに接続されるものである。各伝送パス51は、それぞれ独立した物理リンク4上に設定されているので、100Gbpsの帯域で通信可能である。
図4(a)〜(c)は、第1の実施形態に於ける各ステージの状態を示す図である。図4(a)〜(c)に於いて、実線で示した伝送パス51は、直前のステージと共通していることを示している。破線で示した伝送パス51は、直前のステージとは異なっており、伝送パス51が張り替えられたことを示している。太い実線および太い破線で示した伝送パス51の帯域は、100Gbpsである。細い実線および細い破線で示した伝送パス51の帯域は、50Gbpsである。
図4(a)は、通信ネットワーク9の第0ステージの状態を示している。なお、第0ステージの直前は、図3に示した最終ステージとする。
図4(a)に示すように、故障が発生した第0ステージに於いて、通信ネットワーク9の伝送ノード3fは、障害を受けて停止している。伝送ノード3fの停止により、この伝送ノード3fと伝送ノード3a,3g,3bを相互に接続する各物理リンク4は停止する。更に、伝送ノード3aと伝送ノード3gを接続する各物理リンク4は停止する。
このとき、ネットワーク制御装置1のパス計算部12は、最終パス集合5zのうち、この第0ステージで復旧可能な部分集合を算出する。この最終パス部分集合は、伝送パス51b,51c,51dである。図3に示した最終パス集合5zのうち、伝送パス51a,51eは、復旧することができない。
パス計算部12は更に、残余資源上で最大流問題を解き、第1残余資源パス集合を算出する。第1残余資源パス集合は、破線で示された伝送パス51fである。
最終パス部分集合である伝送パス51b,51c,51dと、第1残余資源パス集合である伝送パス51fとの和集合が、この第0ステージのパス集合となる。
第0ステージに於ける伝送パス51の張り替え本数は、1本である。伝送パス51b,51cは、それぞれ独立した物理リンク4上に設定されているので、100Gbpsの帯域で通信可能である。伝送パス51d,51fは、物理リンク4を一部で共有しているので、例えば、それぞれ50Gbpsの帯域で通信可能である。よって、第0ステージのパス集合の疎通トラヒック量は、300Gbpsとなる。
図4(b)は、通信ネットワーク9の第1ステージの状態を示している。
図4(b)に示すように、第1ステージに於いて、伝送ノード3aと伝送ノード3gとを接続する各物理リンク4が復旧する。通信ネットワーク9の伝送ノード3fは、障害を受けて停止している。伝送ノード3fの停止により、この伝送ノード3fと伝送ノード3a,3g,3bを相互に接続する各物理リンク4は停止する。
このとき、ネットワーク制御装置1のパス計算部12は、最終パス集合5zのうち、この第1ステージで復旧可能な部分集合を算出する。この最終パス部分集合は、伝送パス51b,51c,51dである。
パス計算部12は更に、残余資源上で最大流問題を解き、第1残余資源パス集合を算出する。この第1残余資源パス集合は、伝送パス51gである。すなわち、パス計算部12は、この第1ステージに於いて、転送ノード2a,2bを接続するため、50Gbpsの帯域の伝送パス51fに代わり、100Gbpsの帯域の伝送パス51gを新たに設定する。
最終パス部分集合である伝送パス51b,51c,51dと、第1残余資源パス集合である伝送パス51gとの和集合が、この第1ステージのパス集合となる。
第1ステージに於ける伝送パス51の張り替え本数は、1本である。第1ステージのパス集合の疎通トラヒック量は、400Gbpsとなる。
図4(c)は、通信ネットワーク9の第2ステージの状態を示している。この第2ステージは、故障していた物理資源がすべて復旧した最終ステージである。
このとき、ネットワーク制御装置1のパス計算部12は、最終パス集合5zをすべて復旧可能である。この最終パス集合5zは、伝送パス51a,51b,51c,51d,51eである。
この第2ステージに於いて、破線で示す伝送パス51a,51eは、新たに設定される。第2ステージに於ける伝送パス51の張り替え本数は、2本である。第2ステージのパス集合の疎通トラヒック量は、500Gbpsとなる。
図5は、第1の実施形態の変形例に於けるパス計算処理を示すフローチャートである。図2に示す第1の実施形態のフローチャートと同一の要素には同一の符号を付与している。
第1の実施形態と同様にネットワーク情報収集部11が通信ネットワーク9から網トポロジ情報を取得して網トポロジ記憶部14に格納し、通信ネットワーク9からトラヒック情報を取得してトラヒック記憶部15に格納すると、パス計算部12は、パス計算処理を開始する。
ステップS10は、図2に示すステップS10と同様に最大パス集合を算出する処理である。最終パス集合を計算したステップS10以降、この変形例では、各ステージのパス集合を求める処理を、並列演算している。
ステップS20a〜S22aの処理は、第0ステージに係る処理である。
ステップS20aに於いて、パス計算部12は、最終パス集合5zのうち、第0ステージで復旧可能な部分集合を算出する。
ステップS21aに於いて、パス計算部12は、残余資源上で最大流問題を解き、パス集合を算出する。
ステップS22aに於いて、パス計算部12は、算出したパス集合の和集合を、第0ステージのパス集合とする。
ステップS20n〜S22nの処理は、第(K−1)ステージに係る処理である。
ステップS20nに於いて、パス計算部12は、最終パス集合5zのうち、第(K−1)ステージで復旧可能な部分集合を算出する。
ステップS21nに於いて、パス計算部12は、残余資源上で最大流問題を解き、パス集合を算出する。
ステップS22nに於いて、パス計算部12は、算出したパス集合の和集合を、第(K−1)ステージのパス集合とする。
ステップS20a〜S22aの処理から、ステップS20n〜S22nの処理までは、それぞれ第0〜第(K−1)ステージまでのパス集合を求める処理であり、複数の処理装置によって並列に処理される。パス計算部12は、すべてのステージのパス集合の処理が終了したならば、ステップS16の処理を行う。
ステップS16の処理は、図2に示すステップS16の処理と同様である。パス計算部12は、ステップS16の処理が終了すると、図5のパス計算処理を終了する。
第1の実施形態の変形例によれば、パス計算部12の時間計算量のオーダは、ノード数nに依存するがステージ数Kには依存せず、O(n4)となる。
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A),(B)のような効果がある。
(A) ネットワーク制御装置1は、パス計算処理に於いて、複数ステージを同時に最適化する問題を、各ステージ単独の最適化問題に変換して解いている。これにより、ネットワーク制御装置1は、この最適化問題の時間計算量のオーダの発散時間を遅らせて、通信ネットワーク9が大規模であっても適用可能としている。
(B) ネットワーク制御装置1は、中間ステージの伝送パス51の集合を算出する上で、障害復旧時の最終パス集合を反映している。これにより、ネットワーク制御装置1は、最終パス集合の伝送パス51を速やかに復旧して固定することができるので、伝送パス51の張り替えの発生頻度を抑制し、かつ、所定の疎通トラヒック量を確保することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態のネットワーク制御装置1は、図1に示す第1の実施形態のネットワーク制御装置1と同様に構成されている。
第2の実施形態のパス計算部12は、第1の実施形態とは異なり、初期パス集合を算出し、残余資源で復旧可能な初期パス集合の部分集合である初期パス部分集合を算出する。第2の実施形態のパス計算部12の処理については、図6で詳細に説明する。
図6は、第2の実施形態に於けるパス計算処理を示すフローチャートである。図2に示す第1の実施形態のフローチャートと同一の要素には同一の符号を付与している。
第1の実施形態と同様にネットワーク情報収集部11が通信ネットワーク9から網トポロジ情報を取得して網トポロジ記憶部14に格納し、通信ネットワーク9からトラヒック情報を取得してトラヒック記憶部15に格納すると、パス計算部12は、パス計算処理を開始する。
ステップS10は、図2に示すステップS10と同様に、最終パス集合を算出する処理である。
ステップS10Aに於いて、パス計算部12は、初期ステージ上で最大流問題の解である初期パス集合を算出する。この初期パス集合は、初期ステージかつ第0ステージ上にて、疎通トラヒック量を最大化する伝送パス51の集合である。この初期パス集合は、各伝送パス51の接続トポロジ情報と、各伝送パス51の要求帯域の情報とを含んで構成される。
ステップS11〜S15に於いて、パス計算部12は、第1の実施形態と同様に、第0ステージから第(K−1)ステージまでの処理を繰り返す。以下、繰り返しに係る各ステージの順番は、変数kで示す。
ステップS12は、図2に示すステップS12と同様に、最終パス部分集合を算出する処理である。
ステップS12Aに於いて、パス計算部12は、初期パス集合のうち、この第kステージの残余資源で復旧可能な部分集合を算出する。ここで残余資源とは、第kステージのトポロジから最終パス部分集合の各伝送パス51の要求帯域を減算したものである。この部分集合は、以下、初期パス部分集合と記載する。
ステップS13に於いて、パス計算部12は、残余資源上で最大流問題を解き、パス集合を算出する。ここで残余資源とは、第kステージのトポロジから最終パス部分集合と初期パス部分集合の各伝送パス51の要求帯域を減算したものである。ここで算出したパス集合は、以下、第2残余資源パス集合と記載する。
ステップS14に於いて、パス計算部12は、算出した最終パス部分集合と、初期パス部分集合と、第2残余資源パス集合との和集合を算出し、この第kステージのパス集合とする。
ステップS15に於いて、パス計算部12は、第1の実施形態と同様に、第(K−1)ステージまでの処理を繰り返したか否かを判断する。パス計算部12は、当該判断条件が成立しなかったならば、ステップS11の処理に戻る。
ステップS16は、図2に示すステップS16と同様に、算出したパス集合をすべて出力する処理である。パス計算部12は、ステップS16の処理が終了すると、図6のパス計算処理を終了する。
このようにすることで、初期パス集合に含まれる伝送パス51を優先して復旧することができるので、伝送パス51の張り替え本数を更に減らすことができる。
図7(a),(b)は、第2の実施形態に於ける初期ステージと最終ステージのパス集合を示す図である。図7(a)は、初期ステージに於ける初期パス集合5iを示している。図7(b)は、最終ステージに於ける最終パス集合5zを示している。
図7(a)に示す通信ネットワーク9の初期ステージは、故障が発生した第0ステージを示している。通信ネットワーク9の伝送ノード3fは、障害を受けて停止している。伝送ノード3fの停止により、この伝送ノード3fと伝送ノード3a,3g,3bを相互に接続する各物理リンク4は停止する。更に、伝送ノード3aと伝送ノード3gを接続する各物理リンク4は停止する。
初期パス集合5iは、伝送パス51b,51c,51d,51fを含んでいる。初期パス集合5iは、伝送ノード3a,3bを接続するため、伝送パス51aを代替する伝送パス51を含んでいる。初期ステージに於ける伝送パス51の張り替え本数は、1本である。初期パス集合5iの伝送パス51dと伝送パス51fとは、同一の物理リンク4を共有するように設定されており、この物理リンク4の帯域を共有している。伝送パス51b,51cは、独立した物理リンク4上に設定されている。
図7(b)に示す通信ネットワーク9の最終ステージに於ける最終パス集合5zは、図3に示した通信ネットワーク9の最終パス集合5zと同様である。
図8(a)〜(c)は、第2の実施形態に於ける各ステージの状態を示す図である。
図8(a)に示す第2の実施形態に於ける通信ネットワーク9の第0ステージの状態は、図7(a)に示す初期ステージと同様であり、かつ、図4(a)に示す第1の実施形態の状態と同様である。第0ステージに於ける伝送パス51の張り替え本数は、1本である。第0ステージのパス集合の疎通トラヒック量は、300Gbpsとなる。
図8(b)は、通信ネットワーク9の第1ステージの状態を示している。
図8(b)に示すように、第1ステージに於いて、伝送ノード3aと伝送ノード3gとを接続する各物理リンク4が復旧する。通信ネットワーク9の伝送ノード3fは、障害を受けて停止している。伝送ノード3fの停止により、この伝送ノード3fと伝送ノード3a,3g,3bを相互に接続する各物理リンク4は停止する。
このとき、ネットワーク制御装置1のパス計算部12は、最終パス集合5zのうち、この第1ステージで復旧可能な部分集合を算出する。この最終パス部分集合は、伝送パス51b,51c,51dである。
次に、パス計算部12は、最終パス部分集合を復旧したのち、初期パス集合5iのうち、残余資源上で復旧可能な部分集合を算出する。この初期パス部分集合は、伝送パス51fである。
パス計算部12は更に、残余資源上で最大流問題を解き、第2残余資源パス集合を算出する。この第2残余資源パス集合は、伝送パス51eである。すなわち、パス計算部12は、この第1ステージに於いて、転送ノード2a,2dを接続する伝送パス51eを新たに設定する。
最終パス部分集合である伝送パス51b,51c,51dと、初期パス部分集合である伝送パス51fと、第2残余資源パス集合である伝送パス51eとの和集合が、この第1ステージのパス集合となる。
第1ステージに於ける伝送パス51の張り替え本数は、1本である。第1ステージのパス集合の疎通トラヒック量は、400Gbpsとなる。
図8(c)は、通信ネットワーク9の第2ステージの状態を示している。この第2ステージは、故障していた物理資源がすべて復旧した最終ステージである。
このとき、ネットワーク制御装置1のパス計算部12は、最終パス集合5zをすべて復旧可能である。この最終パス集合5zは、伝送パス51a,51b,51c,51d,51eである。
この第2ステージに於いて、太い破線で示す伝送パス51aは、転送ノード2a,2dを接続するために新たに設定される。第2ステージに於ける伝送パス51の張り替え本数は、1本である。第2ステージのパス集合の疎通トラヒック量は、500Gbpsとなる。
図8(c)に示すように、第2の実施形態のパス計算処理は、図4(c)に示す第1の実施形態のパス計算処理と比較して、同等の疎通トラヒック量を達成しつつ、伝送パス51の張り替え本数を抑制することができる。
第2の実施形態に於いて、中間ステージのパス集合は、最終ステージの伝送パス51で固定されるだけでなく、初期ステージの伝送パス51でも固定される。そのため、第1の実施形態よりも、伝送パス51の張り替えの発生頻度が、更に抑制される。
ただし、初期ステージに於ける初期パス集合は、最大流問題の最適解であるという保証は無いため、第1の実施形態と比較して、疎通トラヒック量が低下する虞がある。
すなわち、通信ネットワーク9の管理者は、疎通トラヒック量の増加を優先する際には第1の実施形態の技術を用い、伝送パス51の張り替えの発生頻度の抑制を優先する場合には第2の実施形態の技術を用いることが考えられる。
伝送パス51の張り替えの発生頻度の抑制を優先する第1の理由は、伝送パス51の張り替えにより信号遅延が発生する虞があるためである。例えば、通信ネットワーク9に、動画ストリーミングコンテンツなどに代表されるリアルタイム性の高いトラヒックが流れているときには、信号遅延によって、動画ストリーミングコンテンツの再生が途切れる虞がある。
第2の理由は、伝送パス51の張り替えにあたって、手作業による設定が必要となる場合があるためである。これにより、新たな作業工数が発生する虞がある。
第3の理由は、伝送パス51の張り替えは、通信ネットワーク9にインパクトを与え、よって予期しなかった不具合が発生する虞があるためである。
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(C)のような効果がある。
(C) パス計算部12は、中間ステージに於けるパス集合である伝送パス51の構成を計算する上で、障害から復旧した際の最終パス集合を反映したのち、障害発生時の初期パス集合を反映する。これにより、最終パス集合の伝送パス51を速やかに復旧して固定すると共に、初期パス集合の伝送パス51を可能な限り長く固定することができるので、伝送パス51の張り替えの発生頻度を更に抑制することができる。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態のパス計算処理では、同一の始点と終点との間に複数の伝送パスが設定される場合がある。第3の実施形態のパス計算処理は、運用ポリシなどにより、同一始終点間に複数の伝送パスが設定されることを許容しない場合のものである。これにより、通信ネットワーク9の伝送パス51の構成を単純化することができる。
図9は、第3の実施形態に於けるパス計算処理を示すフローチャートである。図6に示す第2の実施形態のフローチャートと同一の要素には同一の符号を付与している。
第2の実施形態と同様にネットワーク情報収集部11が通信ネットワーク9から網トポロジ情報を取得して網トポロジ記憶部14に格納し、通信ネットワーク9からトラヒック情報を取得してトラヒック記憶部15に格納すると、パス計算部12は、パス計算処理を開始する。
ステップS10は、図6に示すステップS10と同様に、最終パス集合を算出する処理である。
ステップS10Aは、図6に示すステップS10Aと同様に、初期パス集合を算出する処理である。
ステップS11〜S14,S30〜S33,S15に於いて、パス計算部12は、第2の実施形態と同様に、第0ステージから第(K−1)ステージまでの処理を繰り返す。
ステップS12〜S14の処理は、図6に示すステップS12〜S14の処理と同様である。ステップS14の処理が終了すると、パス計算部12は、ステップS30の処理を行う。
ステップS30〜S33に於いて、パス計算部12は、ステップS14で算出したパス集合のすべての始終点の組合せを繰り返す。
ステップS31に於いて、パス計算部12は、現在の始終点の組合せが複数の伝送パス51によって接続されているか否かを判断する。パス計算部12は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS32の処理を行い、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS33の処理を行う。
ステップS32に於いて、パス計算部12は、現在の始終点の組合せを接続する複数の伝送パス51のうち、疎通トラヒック量が最大となるものを採用する。パス計算部12は、それ以外の伝送パス51を削除する。
ステップS33に於いて、パス計算部12は、ステップS14で算出したパス集合のすべての始終点の組合せを繰り返したか否かを判断する。パス計算部12は、当該判断条件が成立しなかったならば、ステップS30の処理に戻る。
ステップS15に於いて、パス計算部12は、第2の実施形態と同様に、第(K−1)ステージまでの処理を繰り返したか否かを判断する。パス計算部12は、当該判断条件が成立しなかったならば、ステップS11の処理に戻る。
ステップS16は、図2に示すステップS16と同様に、算出したパス集合をすべて出力する処理である。パス計算部12は、ステップS16の処理が終了すると、図9のパス計算処理を終了する。
このパス計算処理によれば、始点と終点との組合せが、複数の伝送パス51で接続されていたならば、複数の伝送パス51のうち最大の疎通トラヒック量のものだけを採用し、それ以外のものを削除する、このようにすることで、各伝送ノード3は、設定が単純化されるので、不具合の発生を未然に防止することができる。
図10(a)〜(c)は、第3の実施形態に於ける各ステージの状態を示す図である。
図10(a)に示す第3の実施形態に於ける通信ネットワーク9の第0ステージの状態は、図8(a)に示す第2の実施形態の状態と同様である。第0ステージに於ける伝送パス51の張り替え本数は、1本である。第0ステージのパス集合の疎通トラヒック量は、300Gbpsとなる。
図10(b)は、通信ネットワーク9の第1ステージの状態を示している。
図10(b)に示すように、第1ステージに於いて、伝送ノード3aと伝送ノード3gとを接続する各物理リンク4が復旧する。通信ネットワーク9の伝送ノード3fは、障害を受けて停止している。伝送ノード3fの停止により、この伝送ノード3fと伝送ノード3a,3g,3bを相互に接続する各物理リンク4は停止する。
このとき、ネットワーク制御装置1のパス計算部12は、最終パス集合5z(図3参照)のうち、この第1ステージで復旧可能な部分集合を算出する。この最終パス部分集合は、伝送パス51b,51cと、伝送パス51d(図8(b)参照)とである。なお、伝送パス51dは、図10(b)には図示されていない。
次に、パス計算部12は、最終パス部分集合を復旧したのち、初期パス集合5iのうち、残余資源上で復旧可能な部分集合を算出する。この初期パス部分集合は、第2の実施形態と同様に伝送パス51fである。
パス計算部12は、残余資源上で最大流問題を解き、第2残余資源パス集合を算出する。この第2残余資源パス集合は、第2の実施形態と同様に伝送パス51eである。すなわち、パス計算部12は、この第1ステージに於いて、伝送パス51eを新たに設定する。
第3の実施形態では更にパス計算部12は、同一の始点と終点との間が、複数の伝送パス51で接続されていたならば、疎通トラヒック量が最大の伝送パス51を採用する。ここでは、転送ノード2a,2d間が、図8(b)に示した伝送パス51d,51eで接続される。伝送パス51dの疎通トラヒック量は、50Gbpsである。伝送パス51eの疎通トラヒック量は、100Gbpsである。よって、パス計算部12は、疎通トラヒック量が最大となる伝送パス51eを採用し、それ以外の伝送パス51d(図8(b)参照)を削除する。
この第1ステージのパス集合は、伝送パス51b,51c,51e,51fである。第1ステージに於ける伝送パス51の張り替え本数は、1本である。第1ステージのパス集合の疎通トラヒック量は、400Gbpsとなる。
図10(c)は、通信ネットワーク9の第2ステージの状態を示している。この第2ステージは、故障していた物理資源がすべて復旧した最終ステージである。
このとき、ネットワーク制御装置1のパス計算部12は、最終パス集合5zをすべて復旧可能である。この最終パス集合5zは、伝送パス51a,51b,51c,51d,51eである。
この第2ステージに於いて、破線で示す伝送パス51a,51dは、新たに設定される。第2ステージに於ける伝送パス51の張り替え本数は、2本である。第2ステージのパス集合の疎通トラヒック量は、500Gbpsとなる。
以上説明した第3の実施形態によれば、各ステージに於いて、単一の始終点間に単一の伝送パス51の設定のみを許容している。これにより、各伝送ノード3は、設定が単純化されるので、不具合を未然に防止することができ、よって、通信ネットワーク9の運用性を向上することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態のネットワーク制御装置1は、図1に示す第1の実施形態のネットワーク制御装置1と同様に構成されている。
第4の実施形態のパス計算部12は、第2の実施形態とは異なり、初期パス集合に換えて、直前のステージに於けるパス集合が、残余資源で復旧可能な直前パス部分集合を算出する。それ以外は、第4の実施形態のパス計算部12は、第2の実施形態と同様に動作する。第4の実施形態のパス計算部12の処理は、図11で詳細に説明する。
図11は、第4の実施形態に於けるパス計算処理を示すフローチャートである。図6に示す第2の実施形態のフローチャートと同一の要素には同一の符号を付与している。
第2の実施形態と同様にネットワーク情報収集部11が通信ネットワーク9から網トポロジ情報を取得して網トポロジ記憶部14に格納し、通信ネットワーク9からトラヒック情報を取得してトラヒック記憶部15に格納すると、パス計算部12は、パス計算処理を開始する。
ステップS10は、図6に示すステップS10と同様に、最終パス集合を算出する処理である。
ステップS10Aは、図6に示すステップS10Aと同様に、初期パス集合を算出する処理である。
ステップS11〜S15に於いて、パス計算部12は、第2の実施形態と同様に、第0ステージから第(K−1)ステージまでの処理を繰り返す。以下、繰り返しに係る各ステージの順番は、変数kで示す。
ステップS12の処理は、図6に示すステップS12の処理と同様である。パス計算部12は、ステップS12の処理が終了すると、ステップS40の処理を行う。
ステップS40に於いて、パス計算部12は、現在のステージが第0ステージであるか否かを判断する。パス計算部12は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS12Aの処理を行い、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS41の処理を行う。
ステップS12Aの処理は、図6に示すステップS12Aの処理と同様である。パス計算部12は、ステップS12Aの処理が終了すると、ステップS13の処理を行う。
ステップS41に於いて、パス計算部12は、前回のステージである第(k−1)ステージのパス集合のうち、残余資源で復旧可能な部分集合(直前パス部分集合)を算出する。パス計算部12は、ステップS41の処理が終了すると、ステップS13の処理を行う。
ステップS13に於いて、パス計算部12は、第2実施形態と同様に、残余資源上で最大流問題を解き、パス集合を算出する。ここで残余資源とは、第kステージのトポロジから最終パス部分集合と直前パス部分集合の各伝送パス51の要求帯域を減算したものである。ここで算出したパス集合は、以下、第3残余資源パス集合と記載する。
ステップS14に於いて、パス計算部12は、算出した最終パス部分集合と、直前パス部分集合と、第3残余資源パス集合との和集合を算出し、この第kステージのパス集合とする。
ステップS15に於いて、パス計算部12は、第2の実施形態と同様に、第(K−1)ステージまでの処理を繰り返したか否かを判断する。パス計算部12は、当該判断条件が成立しなかったならば、ステップS11の処理に戻る。
ステップS16は、図6に示すステップS16と同様に、算出したパス集合をすべて出力する処理である。パス計算部12は、ステップS16の処理が終了すると、図11のパス計算処理を終了する。
このようにすることで、直前のステージのパス集合に含まれる伝送パス51を優先して復旧することができるので、伝送パス51の張り替え本数を、第2の実施形態よりも更に減らすことができる。
(変形例)
第1〜第4の実施形態に係るネットワーク制御装置1は、前記したような処理を実行させるプログラムによって実現することができ、そのプログラムをコンピュータによる読み取り可能な記録媒体に記憶して提供することが可能である。また、そのプログラムを、インターネットなどのネットワークを通して提供することも可能である。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(e)のようなものがある。
(a) 第1〜第4の実施形態に於いて、パス計算部12は、最終ステージを、すべての物理資源が復旧されたステージと定義してパス計算処理を行っている。しかし、これに限られず、パス計算部12は、いずれかの物理資源が復旧されていない中間状態であっても、これを最終ステージと定義してパス計算処理を行ってもよい。パス計算部12は、同様に、最終ステージ以前の任意の中間ステージを初期ステージと定義して、パス計算処理を行ってもよい。
(b) 第2、第3の実施形態に於いて、ネットワーク制御装置1は、第1の実施形態の変形例と同様に、パス計算処理をステージごとに並行処理してもよい。これにより、パス計算処理を高速化することができる。
(c) 第1〜第4の実施形態に於いて、パス計算部12は、ヒューリスティックアルゴリズムであるエドモンズ・カープ法を用いて最大流問題を解いている。しかし、これに限られず、パス計算部12は、フォード・ファルカーソン法、ディニッツ法、汎用プッシュ再ラベル法、などの任意の方法を用いて、最大流問題を解いてもよい。
(d) 第1〜第4の実施形態に於いて、ネットワーク制御装置1は、制御プレーンを介して物理ノードと接続されている。しかし、これに限られず、ネットワーク制御装置1は、管理情報転送プレーン(Management−Plane)を介して、各物理ノードと接続されていてもよい。
(e) 第2の実施形態に於いて、パス計算部12は、最終パス集合のうち各ステージで復旧可能な部分集合を算出して、初期パス集合のうち残余資源で復旧可能な部分集合を算出している。しかし、これに限られず、パス計算部12は、初期パス集合のうち各ステージで復旧可能な部分集合を算出したのちに、最終パス集合のうち残余資源で復旧可能な部分集合を算出してもよい。これにより、パス計算部12は、物理資源の復旧が進んでいない最初のステージに於いて、伝送パス51の張り替え頻度を更に抑制することができる。
1,1D ネットワーク制御装置
11 ネットワーク情報収集部
12 パス計算部
13 パス設定部
14 網トポロジ記憶部
15 トラヒック記憶部
16 パス記憶部
17 物理資源復旧順序記憶部
2,2a〜2d 転送ノード (物理ノードかつ物理資源)
3,3a〜3g 伝送ノード (物理ノードかつ物理資源)
4 物理リンク (物理資源)
5i 初期パス集合
5z 最終パス集合
51,51a〜51g 伝送パス
6 物理レイヤ
7 パケットレイヤ
71,71b,71c,71d 論理リンク
9 通信ネットワーク

Claims (5)

  1. 通信ネットワークの物理資源である物理ノードと物理リンクとの接続トポロジ情報を格納する網トポロジ記憶部と、
    各伝送パスのトラヒック量情報を格納するトラヒック記憶部と、
    各ステージで復旧される各物理資源の情報を格納する物理資源復旧順序記憶部と、
    最終ステージに於ける最大流問題の解である伝送パスの最終パス集合のうち、各ステージで復旧可能な部分集合である最終パス部分集合、および、前記最終パス部分集合を復旧した際の残余資源に於ける最大流問題の解である第1残余資源パス集合を算出して、前記最終パス部分集合と前記第1残余資源パス集合との和集合を算出し、各ステージのパス集合とするパス計算部と、
    を備えることを特徴とするネットワーク制御装置。
  2. 前記パス計算部は、
    初期ステージに於ける最大流問題の解である初期パス集合を算出し、
    前記最終パス集合のうち各ステージで復旧可能な部分集合である前記最終パス部分集合を算出し、
    前記最終パス部分集合を復旧した際の残余資源により復旧可能な前記初期パス集合の部分集合である初期パス部分集合を算出し、
    前記最終パス部分集合と前記初期パス部分集合とを復旧した際の残余資源に於ける最大流問題の解である第2残余資源パス集合を算出し、
    前記最終パス部分集合、前記初期パス部分集合、および、前記第2残余資源パス集合の和集合を算出し、各前記ステージのパス集合とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク制御装置。
  3. 前記パス計算部は、
    初期ステージに於ける最大流問題の解である初期パス集合を算出し、
    前記最終パス集合のうち各ステージで復旧可能な部分集合である前記最終パス部分集合を算出し、
    前記最終パス部分集合を復旧した際の残余資源により復旧可能な直前のステージに於けるパス集合の部分集合である直前パス部分集合を算出し、
    前記最終パス部分集合と前記直前パス部分集合とを復旧した際の残余資源に於ける最大流問題の解である第3残余資源パス集合を算出し、
    前記最終パス部分集合、前記直前パス部分集合、および、前記第3残余資源パス集合のとの和集合を算出し、各前記ステージのパス集合とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク制御装置。
  4. 前記パス計算部は更に、
    前記ステージのパス集合が、始点ノードおよび終点ノードの同一組合せに係る複数の伝送パスを含んでいたならば、前記複数の伝送パスのうち最大の疎通トラヒック量のものを採用し、それ以外のものを削除する、
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のネットワーク制御装置。
  5. 通信ネットワークの物理資源である物理ノードと物理リンクとの接続トポロジ情報を格納する網トポロジ記憶部と、
    各伝送パスのトラヒック量情報を格納するトラヒック記憶部と、
    各ステージで復旧される各物理資源の情報を格納する物理資源復旧順序記憶部と、
    を備えたネットワーク制御装置であるコンピュータに、
    最終ステージに於ける最大流問題の解である伝送パスの最終パス集合を算出するステップを実行したのち、
    復旧の各ステージに於けるパス集合を算出するため、
    前記最終パス集合のうち、このステージで復旧可能な部分集合である最終パス部分集合を算出するステップと、
    前記最終パス部分集合を復旧した際の残余資源に於ける最大流問題の解である第1残余資源パス集合を算出するステップと、
    前記最終パス部分集合および前記第1残余資源パス集合との和集合を算出し、このステージに於けるパス集合とするステップと、
    を繰り返し実行させるためのネットワーク制御プログラム。
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