JP5951877B2 - 軸受構造及び風力発電装置 - Google Patents
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Description
本発明は、例えば風力発電装置の主軸用軸受のように、回転体の軸部を支持する軸受構造及び風力発電装置に関する。
従来、風力発電装置の主軸用軸受等に用いられる軸受構造は、軸方向に配置された1または複数により支持する構造が一般的である。
図9に示す風力発電装置1において、支柱2の上端に設置されたナセル前端部側では、風車回転翼5に風力を受けてロータヘッド4が回転する。このロータヘッド4は、複数の風車回転翼5が取り付けられ、主軸7の先端に連結される。なお、図9において、図中の符号3aはナセル台板、Siは増速装置、Geは発電機である。
図9に示す風力発電装置1において、支柱2の上端に設置されたナセル前端部側では、風車回転翼5に風力を受けてロータヘッド4が回転する。このロータヘッド4は、複数の風車回転翼5が取り付けられ、主軸7の先端に連結される。なお、図9において、図中の符号3aはナセル台板、Siは増速装置、Geは発電機である。
上述した主軸7の軸受構造は、例えば図9及び図10に示すように、軸方向に配置した前後一対の転がり軸受RBをフロント側軸受Bf及びリア側軸受Brとする複列支持構造(2点支持構造)が採用されている。図示の転がり軸受RBは、外輪側がナセル台板3a等に固定支持され、転動体としてフロント側ころRf及びリア側ころRrを備えた複列ころ軸受となっている。
主軸7の後端部側(他端)には、発電機構が連結されている。このような発電機構には、例えば機械式や油圧式の増速機構を介して発電機Geを駆動する発電方式や、直接発電機を駆動する発電方式がある。
なお、図10において、図中の符号Rmは、フロント側軸受Bf及びリア側軸受Brの間を連結する補強部材であり、必要に応じて設けられる部材である。
主軸7の後端部側(他端)には、発電機構が連結されている。このような発電機構には、例えば機械式や油圧式の増速機構を介して発電機Geを駆動する発電方式や、直接発電機を駆動する発電方式がある。
なお、図10において、図中の符号Rmは、フロント側軸受Bf及びリア側軸受Brの間を連結する補強部材であり、必要に応じて設けられる部材である。
下記の特許文献1には、調心機能を維持しつつアキシアル荷重を支持可能であり、しかも、軸方向にコンパクトに構成可能な転がり軸受に関する技術が開示されている。
また、下記の特許文献2には、風力発電装置の主軸受部において、給油ポンプを使用できない停電時の風車遊転による転動体損傷を防止する技術が開示されている。
また、下記の特許文献2には、風力発電装置の主軸受部において、給油ポンプを使用できない停電時の風車遊転による転動体損傷を防止する技術が開示されている。
ところで、上述した風力発電装置1の主軸7等に適用される軸受構造においては、風車回転翼5とともに回転するハブ等を連結する主軸7からの入力を受けて、軸受支持部やナセル構造自体が構造変形するような影響を受ける。例えば風力発電装置1の主軸7には、風車回転翼5の回転により、ハブ中心位置に半径方向下向きのラジアル荷重が作用する。このため、図11に示すイメージ図のように、軸受を支持するナセル3は、想像線で示す通常の状態から実線で示すナセル3´のように、ハブ中心位置に近い先端部側が下向きに変形する。
このようなナセル3の構造変形は、軸受にも影響を及ぼすことになる。すなわち、軸受に構造変形の影響が作用すると、軸受内部に発生する荷重は、理論上の荷重分布や荷重分担と大きく異なり、結果として軸受性能にも影響が及ぶことになる。なお、主軸7をフロント側軸受Bf及びリア側軸受Brよりなる複列支持構造では、荷重負荷位置に近いフロント側軸受Bfがより大きな影響を受けることになる。
以下、図12の軸受ころ荷重分布図に基づいて、軸受内部に発生する荷重分担の変化を具体的に説明する。
図12の紙面左側は、フロント側軸受Bf及びリア側軸受Brよりなる複列支持構造において、フロント側軸受Bfがフロント側ころRf及びリア側ころRrよりなる複列ころ軸受の場合を示しており、図中の破線が理論計算によるフロント側ころRf及びリア側ころRrのころ荷重であり、図中の実線が構造変形を考慮した場合のころ荷重(転動体解析荷重値)である。
図12の紙面左側は、フロント側軸受Bf及びリア側軸受Brよりなる複列支持構造において、フロント側軸受Bfがフロント側ころRf及びリア側ころRrよりなる複列ころ軸受の場合を示しており、図中の破線が理論計算によるフロント側ころRf及びリア側ころRrのころ荷重であり、図中の実線が構造変形を考慮した場合のころ荷重(転動体解析荷重値)である。
この場合、横軸がフロント側から見た翼回転方向の「角度(回転軸の鉛直方向上側が0度)」、縦軸が「ころ荷重(kgf)」であり、実線及び破線ともに太線がフロント側ころRfを示すとともに、細線がリア側ころRrを示している。なお、図12の紙面右側には、軸線と直交する方向の断面表示とした荷重分布が示されている。
図12から明らかなように、理論計算によるころ荷重は、ころ荷重のピークが180度前後(軸受下側の領域)となり、フロント側ころRf及びリア側ころRrの荷重分担は略均等である。しかし、構造変形を考慮した転動体解析荷重値には、荷重分布に大きな変化が認められるとともに、フロント側ころRfのころ荷重ピーク値が理論計算値より増大し、リア側ころRrの荷重ピーク値が理論計算値より減少する。
この結果、フロント側ころRf及びリア側ころRrの荷重分担は、構造変形を考慮した場合、フロント側ころRfの負担割合が大幅に増大することとなる。
この結果、フロント側ころRf及びリア側ころRrの荷重分担は、構造変形を考慮した場合、フロント側ころRfの負担割合が大幅に増大することとなる。
このような荷重分布及び荷重分担になると、複列ころ軸受のような転がり軸受BRの軸受寿命は、例えば正規寿命の60%程度にまで減少してしまうことになり好ましくない。このため、軸受寿命の減少を防止または抑制するため、例えばフロント側及びリア側に配置された転動体のように、軸方向に複数列配置された転動体に作用する荷重分布や列毎の荷重分担を改善することが望まれる。
なお、このような軸受寿命低減の問題は、軸方向に複数の転動体が配置される転がり軸受は勿論のこと、例えば単列の転動体を備えた転がり軸受においても、同様に生じるものである。
なお、このような軸受寿命低減の問題は、軸方向に複数の転動体が配置される転がり軸受は勿論のこと、例えば単列の転動体を備えた転がり軸受においても、同様に生じるものである。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軸方向に複数列の転動体を備えた転がり軸受を用いた軸受構造や、単列転動体を備えた2組の転がり軸受を用いた軸受構造のように、軸先端部側にラジアル荷重を受けるとともに軸方向を複数列の転動体で支持された軸受構造において、各列に配置された転動体で負担する荷重を均等化し、作用する荷重のピーク値を低減することにある。
また、本発明の目的は、各列に配置された転動体で負担する荷重を均等化でき、作用する荷重のピーク値を低減できる軸受構造を備えた風力発電装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、各列に配置された転動体で負担する荷重を均等化でき、作用する荷重のピーク値を低減できる軸受構造を備えた風力発電装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る第1態様の軸受装置は、内輪と外輪との間に挟持されて周方向に複数設置されている軸方向に複数列の転動体により、先端部側にラジアル荷重を受ける軸が支持される軸受構造であって、軸受装置の変形を考慮した転動体解析荷重値が構造変形のない理論計算値より高くなる軸受下面側の領域である軸受背面領域に、前記転動体解析荷重値が大きい領域ほど軸受中心から半径方向の剛性を低下させる剛性調整部を設けたことを特徴とする。
本発明に係る第1態様の軸受装置は、内輪と外輪との間に挟持されて周方向に複数設置されている軸方向に複数列の転動体により、先端部側にラジアル荷重を受ける軸が支持される軸受構造であって、軸受装置の変形を考慮した転動体解析荷重値が構造変形のない理論計算値より高くなる軸受下面側の領域である軸受背面領域に、前記転動体解析荷重値が大きい領域ほど軸受中心から半径方向の剛性を低下させる剛性調整部を設けたことを特徴とする。
このような軸受装置によれば、軸受装置の変形を考慮した転動体解析荷重値が構造変形のない理論計算値より高くなる軸受下面側の領域である軸受背面領域に、転動体解析荷重値が大きい領域ほど軸受中心から半径方向の剛性を低下させる剛性調整部を設けたので、転動体に作用するラジアル荷重のピーク位置周辺では、軸受中心から半径方向の剛性が低下することにより、荷重を周辺に分散することが可能になる。この結果、ラジアル荷重のピーク値を低減し、各列に配置された転動体で負担する荷重を均等化することができる。
上記の軸受装置において、前記剛性調整部は、軸受ハウジングよりヤング率の低い素材よりなり、前記軸受ハウジングと前記外輪との間に嵌め込まれるスリーブとされ、前記剛性の調整は、前記スリーブの半径方向厚さを前記転動体解析荷重値に応じて軸方向及び周方向に変化させてなされることが好ましく、これにより、スリーブの半径方向厚さが厚い部分で軸受中心から半径方向の剛性が低下するので、荷重を周辺に分散することが可能になる。この場合、スリーブと軸受ハウジングとの好適な境界線は、剛性が滑らかに変化するようにするように調整されたものである。
なお、軸受ハウジングよりもヤング率が低くスリーブに好適な素材としては、樹脂、鋳物、アルミ合金、銅合金等を例示できる。
なお、軸受ハウジングよりもヤング率が低くスリーブに好適な素材としては、樹脂、鋳物、アルミ合金、銅合金等を例示できる。
上記の軸受装置において、前記剛性調整部は、軸受ハウジングに形成された空隙部とされ、前記剛性の調整は、前記軸受ハウジングの半径方向断面空間比率を前記転動体解析荷重値に応じて軸方向及び周方向に変化させてなされることが好ましく、これにより、軸受ハウジングの半径方向断面空間比率が大きい部分で軸受中心から半径方向の剛性が低下するので、荷重を周辺に分散することが可能になる。
上記の軸受装置において、前記剛性調整部は、軸受ハウジングよりヤング率の低い素材よりなり、前記軸受ハウジングと軸受ハウジング支持部材との間に嵌め込まれるシムとされ、前記剛性の調整は、前記シムの半径方向厚さを前記転動体解析荷重値に応じて軸方向及び周方向に変化させてなされることが好ましく、これにより、シムの半径方向厚さが厚い部分で軸受中心から半径方向の剛性が低下するので、荷重を周辺に分散することが可能になる。
なお、軸受ハウジングよりもヤング率が低く低剛性のシムに好適な素材としては、樹脂、鋳物、アルミ合金、銅合金等を例示できる。
なお、軸受ハウジングよりもヤング率が低く低剛性のシムに好適な素材としては、樹脂、鋳物、アルミ合金、銅合金等を例示できる。
上記の軸受装置において、前記剛性調整部は、前記軸受ハウジングと軸受ハウジング支持部材との間に形成される空間部を埋める荷重伝達部材とされ、前記剛性の調整は、前記荷重伝達部材を前記転動体解析荷重値の小さい転動体列側に設置してなされることが好ましく、これにより、荷重伝達部材により空間部を埋めた転動体解析荷重値の小さい転動体列側は、軸受中心から半径方向の剛性が増すので、転動体列毎に負担する荷重差を低減できる。
本発明に係る第2態様の軸受構造は、軸先端部側にラジアル荷重を受けるとともに、内輪と外輪との間に挟持されて周方向に複数設置されている軸方向に複数列の転動体により支持される軸受構造であって、前記転動体の径、前記内輪の外径及び前記外輪の内径から少なくとも一つを選択して変化させることで、前記転動体の列毎に軸受ラジアル隙間を調整するとともに、前記軸受ラジアル隙間は、前記転動体に作用する負荷荷重の大きい列ほど小さな値に設定されていることを特徴とするものである。
このような軸受構造によれば、転動体の径、内輪の外径及び外輪の内径から少なくとも一つを選択して変化させることで、転動体の列毎に軸受ラジアル隙間を調整するとともに、軸受ラジアル隙間は、転動体に作用する負荷荷重の大きい列ほど小さな値に設定されているので、隙間の小さい列の転動体から先に荷重を受ける。この結果、荷重を受けた隙間の小さい列の転動体が隙間差を埋めるだけの弾性変形をすると、隙間の大きい列の転動体も荷重を受けることになり、軸方向の転動体列に対する荷重配分を改善することができる。
本発明の風力発電装置は、複数の風車回転翼を備えたロータヘッドの回転を支持する主軸受、前記風車回転翼のピッチ角を可変に支持するピッチ軸受、及び、ナセルのヨー角を可変に支持するヨー軸受の少なくとも一つが、上記記載の軸受支持構造であることを特徴とするものである。
このような風力発電装置によれば、上記記載の軸受支持構造を備えているので、各列に配置された転動体で負担する荷重の均等化や作用する荷重のピーク値低減により、軸受寿命の減少を防止または抑制した風力発電装置となる。
上述した本発明の軸受構造及び風力発電装置によれば、軸先端部側にラジアル荷重を受けるとともに軸方向を複数列の転動体により支持されている軸受構造は、各列に配置された転動体で負担する荷重を均等化し、作用する荷重のピーク値を低減できるので、正規寿命に対する軸受寿命の減少を防止または抑制することができる。
また、本発明の軸受構造を採用した風力発電装置は、各列に配置された転動体で負担する荷重が均等化され、作用する荷重のピーク値も低減される軸受構造により、軸受寿命の減少を防止または抑制した軸受構造を備えたものとなる。
また、本発明の軸受構造を採用した風力発電装置は、各列に配置された転動体で負担する荷重が均等化され、作用する荷重のピーク値も低減される軸受構造により、軸受寿命の減少を防止または抑制した軸受構造を備えたものとなる。
以下、本発明に係る軸受構造の一実施形態として、風力発電装置への適用例について図面を参照して説明する。
図8に示す風力発電装置1は、基礎B上に立設される支柱(「タワー」ともいう。)2と、支柱2の上端に設置されるナセル3と、略水平な回転軸線周りに回転可能に支持されてナセル3に設けられるロータヘッド4とを有している。なお、風力発電装置1が洋上風車の場合には、浮体式あるいは基礎Bを海底に設ける方式の何れでもよい。
図8に示す風力発電装置1は、基礎B上に立設される支柱(「タワー」ともいう。)2と、支柱2の上端に設置されるナセル3と、略水平な回転軸線周りに回転可能に支持されてナセル3に設けられるロータヘッド4とを有している。なお、風力発電装置1が洋上風車の場合には、浮体式あるいは基礎Bを海底に設ける方式の何れでもよい。
ロータヘッド4には、その回転軸線周りに放射状にして複数枚(例えば3枚)の風車回転翼5が取り付けられている。これにより、ロータヘッド4の回転軸線方向から風車回転翼5に当たった風の力が、ロータヘッド4を回転軸線周りに回転させる動力に変換されるようになっている。
<第1実施形態>
以下では、上述した風力発電装置1において、主軸を支持する主軸受に適用される軸受構造を例示し、図1A,図1B及び図2を参照して詳細に説明する。
図2に示す軸受構造は、軸方向に配置した前後一対の転がり軸受RBをフロント側軸受Bf及びリア側軸受Brとする複列支持構造(2点支持構造)であり、主軸7の軸先端部側(紙面左側)にはラジアル荷重が作用する。
以下では、上述した風力発電装置1において、主軸を支持する主軸受に適用される軸受構造を例示し、図1A,図1B及び図2を参照して詳細に説明する。
図2に示す軸受構造は、軸方向に配置した前後一対の転がり軸受RBをフロント側軸受Bf及びリア側軸受Brとする複列支持構造(2点支持構造)であり、主軸7の軸先端部側(紙面左側)にはラジアル荷重が作用する。
図示のフロント側軸受Bfは、図1A及び1Bに示すように、軸受ハウジング11内において、外輪12と内輪13との間に形成される空間部14に対し、周方向へ等ピッチに配置した複数のころ15を備えている。
この場合、複数のころ15は、外輪12と内輪13との間に挟持された円筒形状の転動体である。従って、軸受10は、外輪12,内輪13及びころ15で構成される軸受本体が、軸受ハウジング11の内部に収納された構造となっている。
なお、上述した軸受10は、外輪12の下方側で軸受ハウジング11がナセル台板3aに固定支持されている。
この場合、複数のころ15は、外輪12と内輪13との間に挟持された円筒形状の転動体である。従って、軸受10は、外輪12,内輪13及びころ15で構成される軸受本体が、軸受ハウジング11の内部に収納された構造となっている。
なお、上述した軸受10は、外輪12の下方側で軸受ハウジング11がナセル台板3aに固定支持されている。
そして、図1Bに例示した軸受10は、軸方向に3列のころ15を配列した構成の、換言すれば、3組の軸受本体を軸方向に並べて軸受ハウジング11内に収納した構成の複列ころ軸受となっているが、これに限定されることはなく、1組または2組以上の複数であればよい。以下の説明において、3列のころ15について列毎の区別が必要な場合には、図1B及び図2に示すように、主軸7の軸先端側から順にフロント側ころ15F,中間ころ15M及びリア側ころ15Rと呼ぶ。
なお、風力発電装置1の主軸7に作用するラジアル荷重は、ロータヘッド4の内部で主軸7の先端部と連結され、風車回転翼5とともに回転するハブ(不図示)の中心位置に対して下向きに作用する。
なお、風力発電装置1の主軸7に作用するラジアル荷重は、ロータヘッド4の内部で主軸7の先端部と連結され、風車回転翼5とともに回転するハブ(不図示)の中心位置に対して下向きに作用する。
このように、内輪13と外輪12との間に挟持されて周方向に複数設置されるとともに、軸方向に複数列を配列したころ15により主軸7が支持される構造の軸受10に対し、本実施形態では、軸受構造の変形を考慮した転動体解析荷重値が構造変形のない理論計算値より高くなる軸受背面領域(通常は軸受下面側となる領域)に、転動体解析荷重値が大きい領域ほど軸受中心から半径方向の支持剛性を低下させる剛性調整部(図1A,1Bのハッチング部)SAを設けてある。
この剛性調整部SAは、図12の紙面右側に示す軸線と直交する方向の断面表示とした荷重分布において、太い実線で示すフロント側ころRfのころ荷重分布と略一致するように、換言すれば、断面形状が転動体解析荷重値と略相似形となるように設定される。この図において、0度は軸受上面側を示し、180度は軸受下面側を示しており、ころ荷重の値は、同心円の中心となる軸線位置が0となり、軸線位置から全方向の外向きに大きくなる。
この剛性調整部SAは、図12の紙面右側に示す軸線と直交する方向の断面表示とした荷重分布において、太い実線で示すフロント側ころRfのころ荷重分布と略一致するように、換言すれば、断面形状が転動体解析荷重値と略相似形となるように設定される。この図において、0度は軸受上面側を示し、180度は軸受下面側を示しており、ころ荷重の値は、同心円の中心となる軸線位置が0となり、軸線位置から全方向の外向きに大きくなる。
本実施形態の剛性調整部SAについて具体例を示すと、例えば軸受ハウジング11よりヤング率の低い素材よりなり、軸受ハウジング11と軸受本体の外輪12との間に嵌め込まれるスリーブ20が有効である。スリーブ20に好適な素材としては、一般的に軸受ハウジング11が鋳鉄(FCD400等)製であることから、これよりヤング率の低い樹脂、鋳物、アルミ合金、銅合金等が有効である。
このようなスリーブ20を用いた場合、支持剛性の調整は、スリーブ20の半径方向厚さを、転動体解析荷重値に応じて軸方向及び周方向に変化させることによりなされる。
このようなスリーブ20を用いた場合、支持剛性の調整は、スリーブ20の半径方向厚さを、転動体解析荷重値に応じて軸方向及び周方向に変化させることによりなされる。
すなわち、スリーブ20は、軸先端側に作用するラジアル荷重の影響により、ころ荷重が大きくなる軸先端側で厚く、軸方向後端側へ徐々に厚さを減少するとともに、周方向においては、ころ荷重の大きい軸受下面側が厚くなっている。このようなスリーブ20を剛性調整部SAに設けることにより、スリーブ20の半径方向厚さが厚い部分(主に軸受下面側)では、素材のヤング率が軸受ハウジング11より低いため、軸受中心から半径方向の支持剛性が低下する。
この結果、スリーブ20を設けた軸受背面領域では、剛性低下に伴ってころ荷重を周辺に分散させることが可能になる。すなわち、ころ荷重のピーク荷重が大きくなる軸受下面側の領域では、厚さの大きいスリーブ20が設けられているため、軸受ハウジング11は、半径方向における低剛性部材の割合を増して同方向の剛性が低下するので、大きなころ荷重を受けて変形することにより、荷重が分散してピーク荷重は低減される。
このようなスリーブ20は、半径方向の剛性を滑らかに変化させるため、スリーブ20と軸受ハウジング11との境界線を滑らかに形成することが望ましい。すなわち、スリーブ20と軸受ハウジング11との境界線には、例えば応力集中の原因となる段差のように、急激な形状変化を生じないようにスリーブ20の形状を調整することが望ましい。
このようなスリーブ20は、半径方向の剛性を滑らかに変化させるため、スリーブ20と軸受ハウジング11との境界線を滑らかに形成することが望ましい。すなわち、スリーブ20と軸受ハウジング11との境界線には、例えば応力集中の原因となる段差のように、急激な形状変化を生じないようにスリーブ20の形状を調整することが望ましい。
このように、軸受構造の変形を考慮した転動体解析荷重値が構造変形のない理論計算値より高くなる軸受背面領域に、転動体解析荷重値が大きい領域ほど軸受中心から半径方向の支持剛性を低下させる剛性調整部SAのスリーブ20を設けたので、ころ15に作用するラジアル荷重のピーク位置周辺では、軸受中心から半径方向の支持剛性が低下することにより、荷重を周辺に分散することが可能になる。この結果、ラジアル荷重のピーク値を低減し、各列に配置されたころ15で負担する荷重の均等化が可能になる。
ところで、上述した剛性調整部SAは、上述したスリーブ20に限定されることはなく、種々の変形例が可能である。
図3に示す軸受10Aは、第1変形例の剛性調整部SAとして、軸受ハウジング11Aに空隙部となる軸方向の穴21が設けられている。
図3に示す軸受10Aは、第1変形例の剛性調整部SAとして、軸受ハウジング11Aに空隙部となる軸方向の穴21が設けられている。
この穴21は、軸受ハウジング11Aの半径方向断面空間比率を転動体解析荷重値に応じて軸方向及び周方向に変化させるものであり、1または複数の穴21について、穴径、穴数及びその配置(穴密度)等を適宜調整してなされる。すなわち、軸受ハウジング11Aの半径方向断面において、穴21の径を大きくした場合や穴数を多くした場合に半径方向断面空間比率が増すので、軸中心から半径方向の支持剛性が低下することになり、上述した実施形態と同様に、荷重分散によりラジアル荷重のピーク値を低減し、各列に配置されたころ15で負担する荷重の均等化が可能になる。
次に、図4に示す第2変形例の軸受10Bは、軸受ハウジング11と、軸受ハウジング支持部材であるナセル3の台板3aとの間に、剛性調整部SAを設けるものである。
すなわち、第2変形例の剛性調整部SAは、軸受ハウジング11よりヤング率の低い素材よりなり、軸受ハウジング11と台板3aとの間に嵌め込まれるシム30となる。図示の構成例では、軸受ハウジング11aと台板3aとが前面にわたって接している従来構造(上段の要部断面図参照)から、軸受ハウジング11のフランジ部11aと台板3aとの間に、軸先端側を厚くしたシム30を嵌め込んで追設した構造(下段の要部断面図参照)となっている。なお、シム30に好適な素材としては、一般的な軸受ハウジング11が鋳鉄製であることから、樹脂、鋳物、アルミ合金、銅合金等がある。
すなわち、第2変形例の剛性調整部SAは、軸受ハウジング11よりヤング率の低い素材よりなり、軸受ハウジング11と台板3aとの間に嵌め込まれるシム30となる。図示の構成例では、軸受ハウジング11aと台板3aとが前面にわたって接している従来構造(上段の要部断面図参照)から、軸受ハウジング11のフランジ部11aと台板3aとの間に、軸先端側を厚くしたシム30を嵌め込んで追設した構造(下段の要部断面図参照)となっている。なお、シム30に好適な素材としては、一般的な軸受ハウジング11が鋳鉄製であることから、樹脂、鋳物、アルミ合金、銅合金等がある。
この場合の支持剛性は、上述したスリーブ20の場合と同様に、シム30の厚さを転動体解析荷重値に応じて軸方向に変化させればよい。この結果、軸受ハウジング11の支持剛性は軸方向に低くなり、軸受ハウジング11が傾くことで、ころ15の軸方向荷重を均等化する。
次に、図5に示す第3変形例の軸受10Cは、軸受ハウジング11と軸受ハウジング支持部材である台板3aとの間に形成される空間部16を埋める剛性調整部SAを設けるものである。
すなわち、第3変形例の剛性調整部SAは、空間部16を埋める荷重伝達部材31となる。
すなわち、第3変形例の剛性調整部SAは、空間部16を埋める荷重伝達部材31となる。
この場合、荷重伝達部材31による支持剛性の調整は、転動体解析荷重値の小さいころ15の転動体列側に荷重伝達部材31を設置してなされる。
図示の構成例では、フロント側ころ15F及びリア側ころ15Rよりなる2列の複列ころ軸受において、下向きのラジアル荷重を受ける軸先端側に配置されたフロント側ころ15Fの転動体解析荷重値が大きくなる。従って、リア側ころ軸受15Rの下方に形成される空間部16だけを埋めるようにして、荷重伝達部材31が設置されている。
図示の構成例では、フロント側ころ15F及びリア側ころ15Rよりなる2列の複列ころ軸受において、下向きのラジアル荷重を受ける軸先端側に配置されたフロント側ころ15Fの転動体解析荷重値が大きくなる。従って、リア側ころ軸受15Rの下方に形成される空間部16だけを埋めるようにして、荷重伝達部材31が設置されている。
このようにして、荷重伝達部材31により空間部16を埋めたリア側ころ15R転動体列側は、空間部16がなくなったことにより軸受中心から半径方向の支持剛性を増すので、この結果、転動体列毎に負担する荷重差を低減することができる。
なお、このような荷重伝達部材31は、空間部16の周方向を全て埋める必要はなく、ラジアル荷重の影響が特に強い領域(軸中心位置の真下及びその周辺)を選択して埋めればよい。
なお、このような荷重伝達部材31は、空間部16の周方向を全て埋める必要はなく、ラジアル荷重の影響が特に強い領域(軸中心位置の真下及びその周辺)を選択して埋めればよい。
<第2実施形態>
以下では、上述した風力発電装置1において、主軸を支持する主軸受に適用される軸受構造を例示し、図6及び図7を参照して詳細に説明する。
本実施形態は、軸受本体内の隙間調整により、複列ころ軸受を構成する列毎のころ荷重について、荷重配分を均等化するものである。
以下では、上述した風力発電装置1において、主軸を支持する主軸受に適用される軸受構造を例示し、図6及び図7を参照して詳細に説明する。
本実施形態は、軸受本体内の隙間調整により、複列ころ軸受を構成する列毎のころ荷重について、荷重配分を均等化するものである。
本実施形態は、主軸7の軸先端部側にラジアル荷重を受けるとともに、内輪13と外輪12との間に挟持されて周方向に複数設置されている軸方向に複数列のころ(転動体)15を備えた軸受構造の複列ころ軸受等に適用される。
なお、以下の説明では、軸方向に配置された前後2列のフロント側ころ15F(図6の符号Rf)及びリア側ころ15R(図6の符号Rr)を備えた複列ころ軸受を例示するが、ころ15が3列以上の複列ころ軸受や、ころ15が1列の転がり軸受を軸方向に複数並べた構成にも適用可能である。
なお、以下の説明では、軸方向に配置された前後2列のフロント側ころ15F(図6の符号Rf)及びリア側ころ15R(図6の符号Rr)を備えた複列ころ軸受を例示するが、ころ15が3列以上の複列ころ軸受や、ころ15が1列の転がり軸受を軸方向に複数並べた構成にも適用可能である。
軸受本体内の隙間調整は、ころ15の径、内輪13の外径(内輪軌道径)及び外輪12の内径(外輪軌道径)から少なくとも一つを選択して変化させることにより、ころ15の列毎に軸受ラジアル隙間δを調整する。この調整において、軸受ラジアル隙間δは、ころ15に作用する負荷荷重の大きい列ほど大きな値に設定される。
具体的には、隙間δを大きくするためには、ころ15の径を小さくすること、内輪13の外径を小さくすること、外輪12の内径を大きくすることの選択肢があり、このうち少なくとも一つを実施すれば隙間δが大きくなる。また、隙間δを小さくするためには、ころ15の径を大きくすること、内輪13の外径を大きくすること、外輪12の内径を小さくすることの選択肢があり、このうち少なくとも一つを実施すれば隙間δが小さくなる。
具体的には、隙間δを大きくするためには、ころ15の径を小さくすること、内輪13の外径を小さくすること、外輪12の内径を大きくすることの選択肢があり、このうち少なくとも一つを実施すれば隙間δが大きくなる。また、隙間δを小さくするためには、ころ15の径を大きくすること、内輪13の外径を大きくすること、外輪12の内径を小さくすることの選択肢があり、このうち少なくとも一つを実施すれば隙間δが小さくなる。
以下、この隙間調整について、図面を参照して具体的に説明する。
図6は、主軸7の下面側となる軸受ラジアル隙間δについて、上段に通常(従来)の状態を示し、下段に実施例(本発明)の状態を示している。そして、図7には、荷重負荷(横軸)の変化に伴うフロント側ころRf及びリア側ころRrの隙間δ及び変形量Δが縦軸に示されている。なお、図7の上段が通常の状態を示し、下段が実施例の状態を示している
図6は、主軸7の下面側となる軸受ラジアル隙間δについて、上段に通常(従来)の状態を示し、下段に実施例(本発明)の状態を示している。そして、図7には、荷重負荷(横軸)の変化に伴うフロント側ころRf及びリア側ころRrの隙間δ及び変形量Δが縦軸に示されている。なお、図7の上段が通常の状態を示し、下段が実施例の状態を示している
最初に、通常状態について説明する。軸荷重が無い状態(状態A)では、フロント側ころRf及びリア側ころRrは外輪12の内径を形成する壁面上にあり、フロント側ころRfの軸受ラジアル隙間δはδfとなり、リア側ころRrの軸受ラジアル隙間δはδrとなる。
この後、軸荷重をのせた状態(状態B)になると、フロント側ころRf及びリア側ころRrはともに外輪12及び内輪13に接して軸受ラジアル隙間δは0(δf=0,δr=0)となる。さらに、運転時の荷重がかかった状態(状態C)になると、ラジアル荷重により主軸7が傾くため、フロント側ころRfに受ける荷重がリア側ころRrに受ける荷重より大きくなることから、弾性変形量Δはフロント側のΔfがリア側のΔrより大きく(Δf>Δr)なる。すなわち、フロント側ころRfが、リア側ころRrより大きなころ荷重(軸荷重)を負担していることになる。
しかし、実施例に示すように、軸荷重が無い状態(状態A)において大きな軸荷重を負担するフロント側ころRfの軸受ラジアル隙間δfをリア側ころRrの軸受ラジアル隙間δrより大きく(δf>δr)設定しておけば、軸荷重をのせた状態(状態B)になった場合、リア側ころRrのみが外輪12及び内輪13に接することになり、従って、軸受ラジアル隙間δrが先に0となる。
このような状態から運転時の荷重がかかった状態(状態C)になると、軸受にかかる荷重は最初にリア側ころRrの列に作用する。そして、リア側ころRrの弾性変形が、フロント側ころRfとの間に設定された隙間差分(Δr=δf−δr)になると、この時点からフロント側ころRfでも荷重を受けることになる。この結果、リア側ころRr及びリア側ころRrが負担する荷重は略均一になり、従って、運転時の荷重がかかった状態(状態C)における弾性変形量Δもフロント側のΔfとリア側のΔrとが略同じ(Δf≒Δr)になる。
このような軸受構造によれば、ころ15の径、内輪13の外径及び外輪12の内径から少なくとも一つを選択して変化させることにより、軸方向に複数列設けられたころ15の列毎に軸受ラジアル隙間δを調整するとともに、軸受ラジアル隙間δについて、ころ15に作用する負荷荷重の大きい列ほど小さな値に設定するので、軸受ラジアル隙間δの小さい列にあるころ15から先に荷重を受ける。この結果、荷重を受けた軸受ラジアル隙間δの小さい列でころ15が隙間差を埋めるだけの弾性変形をした後、軸受ラジアル隙間δの大きい列にあるころ15も荷重を受けることになるので、軸方向の転動体列に対する荷重配分が改善される。
このように、上述し実施形態及びその変形例によれば、軸先端部側にラジアル荷重を受けるとともに軸方向を複数列の転動体により支持されている軸受構造は、各列に配置されたころ15のような転動体が負担する荷重を均等化し、作用する荷重のピーク値を低減できる。この結果、軸受寿命の減少を防止または抑制することができる。すなわち、多列軸受を使用するうえで問題となる軸方向における列毎の荷重等配分化や、ピーク荷重の低減が可能となる。
また、風力発電装置1の主軸7等に上述した本実施形態及びその変形例の軸受構造を採用すれば、転動体の列毎に負担する荷重を均等化し、さらに、作用する荷重のピーク値も低減されるので、軸受寿命の減少が防止または抑制され、信頼性や耐久性の面で優れたものとなる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
1 風力発電装置
3 ナセル
3a 台板
4 ロータヘッド
5 風車回転翼
7 主軸
10,10A〜10C 軸受
11,11A 軸受ハウジング
12 外輪
13 内輪
15 ころ(転動体)
15F フロント側ころ
15R リア側ころ
16 空間部
20 スリーブ
21 穴
30 シム
31 荷重伝達部材
SA 剛性調整部
3 ナセル
3a 台板
4 ロータヘッド
5 風車回転翼
7 主軸
10,10A〜10C 軸受
11,11A 軸受ハウジング
12 外輪
13 内輪
15 ころ(転動体)
15F フロント側ころ
15R リア側ころ
16 空間部
20 スリーブ
21 穴
30 シム
31 荷重伝達部材
SA 剛性調整部
Claims (3)
- 内輪と外輪との間に挟持されて周方向に複数設置されている軸方向に複数列の転動体により、先端部側にラジアル荷重を受ける軸が支持される軸受構造であって、
軸受構造の変形を考慮した転動体解析荷重値が構造変形のない理論計算値より高くなる軸受下面側の領域である軸受背面領域に、前記転動体解析荷重値が大きい領域ほど軸受中心から半径方向の剛性を低下させる剛性調整部を設け、
前記剛性調整部は、軸受ハウジングよりヤング率の低い素材よりなり、前記軸受ハウジングと軸受ハウジング支持部材との間に嵌め込まれるシムとされ、
前記剛性の調整は、前記シムの半径方向厚さを前記転動体解析荷重値に応じて軸方向及び周方向に変化させてなされることを特徴とする軸受構造。 - 内輪と外輪との間に挟持されて周方向に複数設置されている軸方向に複数列の転動体により、先端部側にラジアル荷重を受ける軸が支持される軸受構造であって、
軸受構造の変形を考慮した転動体解析荷重値が構造変形のない理論計算値より高くなる軸受下面側の領域である軸受背面領域に、前記転動体解析荷重値が大きい領域ほど軸受中心から半径方向の剛性を低下させる剛性調整部を設け、
前記剛性調整部は、軸受ハウジングと軸受ハウジング支持部材との間に形成される空間部を埋める荷重伝達部材とされ、
前記剛性の調整は、前記荷重伝達部材を前記転動体解析荷重値の小さい転動体列側に設置してなされることを特徴とする軸受構造。 - 複数の風車回転翼を備えたロータヘッドの回転を支持する主軸受、前記風車回転翼のピッチ角を可変に支持するピッチ軸受、及び、ナセルのヨー角を可変に支持するヨー軸受の少なくとも一つが、請求項1又は2に記載の軸受支持構造であることを特徴とする風力発電装置。
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