JP5950322B2 - 湿式電気集塵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、廃ガスからダスト等を除去する湿式電気集塵装置に関する。本発明は、特に、火花放電の発生頻度を抑制しつつ、放電極に対する印加電圧を従来よりも上昇(例えば70〜80kV程度まで上昇)させることによって、重金属を含むダストの集塵効率の向上を図ることが可能な湿式電気集塵装置に関する。
従来から、湿式電気集塵装置(例えば特許文献1乃至3参照)は、硫酸ミスト処理やアルミニューム精錬排ガス処理のみならず廃棄物焼却プロセス等において発生する廃ガスから、有害なダストやミストを捕集する目的で使用されている。このように、湿式電気集塵装置は、大気汚染防止や環境保全の観点から有用な装置として普及している。
湿式電気集塵装置で処理される被処理廃ガスには、有害なダストやミストの他に、例えばフッ酸や亜硫酸ガス等のいわゆる腐食性物質を含有する場合がある。このため、近年では、湿式電気集塵装置のケーシングや集塵極等の接ガス部分を構成する材料として、従来の金属材料に替わって導電性の繊維強化プラスチック(FRP、Fiber Reinforced Plastic, 以下FRPと呼ぶ)が採用されている。FRPを採用することで、主に耐食性を強化し、かつ高耐食性金属材料よりも安価に製作することが可能になっている。
このような湿式電気集塵装置では、重金属を含むダストの集塵効率を高めることが要求される。集塵効率を高める一般的な手法としては、集塵極と放電極との電圧、即ち放電極に対する印加電圧を高くする手法が知られている。
特開2007−196159号公報 特開2002−119889号公報 特公平6−91965号公報
しかしながら、放電極に対する印加電圧を高めていくと、コロナ放電が増大し、ついには火花放電(スパーク)が発生する場合がある。さらに、湿式電気集塵装置内部の洗浄水を継続して噴霧した運転状態では、その水滴の存在により、火花放電の発生頻度が高まる。
このような火花放電が発生すると、湿式電気集塵装置の安定した運転を阻害することになる。このため、湿式電気集塵装置の運転中では、洗浄水を噴霧しつつ、火花放電を発生させることのない安定した運転状態を維持することが要求される。
従って、特許文献1乃至3を含め従来の湿式電気集塵装置を用いて、このような要求に応えるためには、印加電圧を抑制して、重金属を含むダストの集塵効率を高めるという要求の方を犠牲にせざるを得ない状況である。例えば、特許文献2によれば、火花放電の発生を抑制するために、印加電圧の実効電圧を40kV乃至60kV程度に止めて、集塵効率を落として運転せざるを得ない状況である。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、火花放電の発生頻度を抑制しつつ、放電電極に対する印加電圧を従来よりも上昇(例えば70〜80kV程度まで上昇)させることによって、重金属を含むダストの集塵効率の向上を図ることを目的とする。
本発明の一側面の電気集塵装置は、
直流高電圧を発生する高電圧発生部と、
前記高電圧発生部により発生された直流高電圧を入力し、当該直流高電圧をコンデンサにより平滑化して出力する高電圧入力部と、
前記高電圧入力部から出力された直流高電圧が印加される放電極と、
前記直流高電圧に基づいて前記放電極との間に発生する負コロナ放電によって、微粒子を集塵する集塵極と、
を備え、
前記コンデンサの容量は、前記放電極と前記集塵極との間における電圧リップル率に基づいて設定されている、
ことを特徴とする。
この場合、前記集塵極は、所定の形状の開口部を有する多角筒を単位として、複数の前記単位の集合体により構成され、
前記放電極は、前記集塵極を構成する前記複数の単位の各々の中に収容されている、
ようにすることができる。
本発明によれば、火花放電の発生頻度を抑制しつつ、放電電極に対する印加電圧を従来よりも上昇(例えば70〜80kV程度まで上昇)させることによって、重金属を含むダストの集塵効率の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る湿式電気集塵装置の概略構成を示す断面図である。 図1の集塵装置本体部の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。 図1の湿式電気集塵装置のうち、直流高電圧入力部2及び直流高電圧発生部3の概略構成の詳細を示す部分断面図である。 従来の湿式電気集塵装置に印加される直流高電圧Vのタイミングチャートを示している。 本実施形態の湿式電気集塵装置に印加される直流高電圧Vcのタイミングチャートを示している。 湿式電気集塵装置に対する印加電圧と、それに対応する電流との関係を示している。 図2のコンデンサが搭載された本実施形態の湿式電気集塵装置の等価回路図である。 本実施形態の湿式電気集塵装置の効果を示す図である。 本発明の別の実施形態に係る湿式電気集塵装置のうち、開口部が6角形の形状を有する筒を「室」とする角筒型集塵極を有する、集塵装置本体部の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[湿式電気集塵装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る湿式電気集塵装置の概略構成を示す断面図である。
具体的には、図1(A)及び図1(B)は、湿式電気集塵装置の外観の概略構成を示す断面図であり、相互に略直角の別々の方向からみた断面図である。
湿式電気集塵装置は、集塵装置本体部1と、直流高電圧入力部2と、直流高電圧発生部3と、を備えている。なお、図示はしないが、その他、直流高電圧発生部3を制御する直流高電圧制御部等が、湿式電気集塵装置の構成要素として適宜設けられる。
集塵装置本体部1には、上部ケーシング11と、側部ケーシングとしても機能する集塵極12と、下部ケーシング13と、架構14と、が設けられている。
上部ケーシング11と、集塵極12と、下部ケーシング13とが上方からその順番で組み合わされることによって、集塵装置本体部1の筺体が構成される。集塵装置本体部1の筺体は、架構14により、地上から所定距離だけ上方に離間して固定されている。集塵装置本体部1の筺体の材質は、本実施形態では導電性のFRPが採用されている。
図2は、集塵装置本体部1の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。
図2に示すように、集塵装置本体部1の筺体内部には、上部グリッド21と、上述した集塵極12と、下部グリッド23と、電極ロッド24と、放電線25と、ウェイト26と、上向きスプレーノズル27と、洗浄用配管28とが設けられている。
上部グリッド21と、集塵極12と、下部グリッド23とは、図2に示すように、上方からその順番で相互に所定距離だけ離間して、水平方向に相互に略平行となるように、配設されている。
集塵極12は、図2に示すように、角筒を単位(以下、このような単位を「室」と呼ぶ)として、複数の「室」を繰り返し連続して配置することによって構成される。
具体的には、以下、略水平方向のうち、一方向を「縦方向」と呼び、縦方向に直角な方向を「横方向」と呼ぶ。この場合、縦方向にN個の単位を繰り返し連続して配置させ、横方向にM個の単位を繰り返し連続して配置させること(以下、「N×M」と表現する)によって、集塵極12が構成される。
ここで、NとMとは独立した任意の整数値であり、本実施形態では、図2に示すように、集塵極12の「室」の個数はN×M=9×9個とされている。
なお、集塵極12の材質は、本実施形態では、導電性のFRPが採用されている。
このような集塵極12に対する放電極は、本実施形態では、電極ロッド24及び放電線25により構成されている。
電極ロッド24は、図2に示すように、集塵極12の所定の「室」の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設され、上端部が上部グリッド21に固定され、下端部が下部グリッド23に固定される。
放電線25は、図2に示すように、上部グリッド21から吊下げられ、集塵極12の所定の「室」の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設される。放電線25はまた、弛まないだけの張力を持たすように、下部グリッド23の上部に設けられたウェイト26に接続される。
電極ロッド24には、図1の直流高電圧発生部3により発生されて図1の直流高電圧入力部2を介して供給される負極の直流高電圧が直接印加される。一方、放電線25には、当該負極の直流高電圧が、電極ロッド24及び上部グリッド21を介して印加される。
上向きスプレーノズル27は、集塵極12の各「室」の四隅の上方に配設され、洗浄用配管28に流通している洗浄水を、略垂直上向き方向に微細の霧として噴出する。これにより、集塵極12に付着したミストやダスト等の微粒子を洗浄除去することが可能になる。
図3は、図1の湿式電気集塵装置のうち、直流高電圧入力部2及び直流高電圧発生部3の概略構成の詳細を示す部分断面図である。
具体的には、図3(A)及び図3(B)は、直流高電圧入力部2及び直流高電圧発生部3の外観の概略構成の詳細を示す断面図であり、相互に略直角の別々の方向からみた断面図である。
直流高電圧入力部2は、図3に示すように、コンデンサボックス31と、ブスダクト32と、碍子室33とを備える。
コンデンサボックス31の内部には、コンデンサ41と、保護抵抗42と、保護抵抗43とが設けられている。
ここで、コンデンサ41の搭載理由の概略について説明する。
即ち、直流高電圧発生部3から発生されて直流高電圧入力部2に入力される直流高電圧Vは、後述するシリコン整流器71により交流から直流への変換(以下、「整流」と呼ぶ)が行われているものの、十分に整流されているとは言い難い。
このため、直流高電圧発生部3から発生される直流高電圧Vでは、そのピーク〜ピークの電圧差△Eが非常に大きく、実効電圧Erに対してそのピーク電圧Vpが非常に高くなる。従って、当該直流高電圧Vが、放電極にそのまま印加されると、火花放電の発生頻度が高くなるおそれがある。なお、本実施形態では「放電極」とは、上述の如く、図2に示す電極ロッド24及び放電線25をまとめたものをいう。
そこで、本実施形態では、コンデンサ41が、直流高電圧発生部3から発生される直流高電圧Vについて、さらに、当該直流の脈流を小さくすること(以下、「平滑化」と呼ぶ)で、ピーク〜ピークの電圧差△Eを低減させることによって、実効電圧Erを上昇させつつ、ピーク電圧Vpを抑制することを可能にする。
即ち、コンデンサ41により平滑化された後の直流高電圧Vcでは、実効電圧Erが上昇しつつ、ピーク電圧Vpが抑制されている。実効電圧Erが上昇することは、湿式電気集塵装置の集塵効率を高めることができることを意味する。一方、ピーク電圧Vpを抑制することは、電気集塵装置における火花放電の発生頻度を抑制できることを意味する。
これにより、従来よりも実効電圧Erが高い印加電圧を用いても、火花放電の発生頻度が抑制された安定運転が可能になり、その結果、重金属を含むダストが効率よく集塵される。
なお、コンデンサ41及びその効果についてのさらなる詳細については、図4以降の図面を参照して後述する。
保護抵抗42は、コンデンサ41と、後述する直流高電圧発生部3の高電圧出力端子72との間に接続される。
保護抵抗43は、当該高電圧出力端子72と、ブスダクト32の後述するブスバー51との間に、過電圧保護を目的に接続される。
ブスダクト32の内部には、ブスバー51と、壁貫通碍子52と、閉止板53とが設けられている。
ブスバー51は、保護抵抗43の一端(高電圧出力端子72が接続されている端とは反対側の端)と、壁貫通碍子52の一端とを接続する。
壁貫通碍子52は、その名称の如く、閉止板53を貫通するように配置され、その一端が、上述のブスバー51に接続されると共に、その他端が、碍子室33内の後述する支持碍子61に接続される。
閉止板53は、被処理ガスのブスダクト32への浸入を遮断する目的で、当該ブスダクト32と碍子室33との間に設置されている。
碍子室33内に設けられる支持碍子61は、その一端が、上述の壁貫通碍子52に接続されると共に、その他端が、放電極の一部である電極ロッド24(図2)に接続される。
直流高電圧発生部3は、図3に図示せぬ交流電源(図7の交流電源Vo)からの交流電圧を、図3に図示せぬ変圧器(図7の変圧器Tr)で昇圧して、シリコン整流器71により整流する(ただし上述したように脈流が大きい点で不十分な整流である)等の一連の処理を実行することによって、直流高電圧Vに変換して高電圧出力端子72から出力する。
高電圧出力端子72から出力された直流高電圧Vは、直流高電圧入力部2に入力されて、保護抵抗43、ブスバー51、壁貫通碍子52、及び支持碍子61を介して、放電極に印加される。換言すると、高電圧出力端子72から出力された直流高電圧Vの給電路は、高電圧出力端子72、保護抵抗43、ブスバー51、壁貫通碍子52、及び支持碍子61から構成される。
[湿式電気集塵装置の動作]
次に、以上の構成の本実施形態の湿式電気集塵装置の動作について説明する。
集塵極12(図2)が接地された状態で、直流高電圧発生部3(図3)から発生された負極の直流高電圧Vが、直流高電圧入力部2(図3)においてコンデンサ41により十分に平滑化され、その結果、直流高電圧Vcとして放電極に印加される。なお、放電極とは、上述の如く、電極ロッド24及び放電線25(図2)をまとめたものである。
直流高電圧Vcの値が上昇すると、放電極と、その周囲を囲む集塵極12の「室」の各側面との間に負コロナ放電が発生し、その結果、放電極から、集塵極12の「室」の各側面の各々に向かう方向に負イオンが移行すると共に、同方向にイオン風が発生する。
このように、本実施形態の湿式電気集塵装置では、集塵極12の各「室」の内部空間がイオン空間になる。従って、図1に示すように、ミストやダスト等の微粒子を含む気体G1が、湿式電気集塵装置の筺体の下部に供給されて、集塵極12の各「室」の下端の開口部から上端の開口部に向けて流通すると、負イオンの衝突により微粒子が帯電する。
帯電した微粒子は、集塵極12の各「室」内部の直流電界により、放電極から、集塵極12の各「室」の側面の各々に向かう方向に力を受けて移動して、集塵極12の各「室」の側面にそれぞれ付着する。
このようにして、ガスG1から微粒子が除去される。ガスG1から微粒子が除去されたガスG2は、集塵極12の各「室」の上端部から放出され、さらに、図1に示すように、本実施形態の湿式電気集塵装置の筺体の上部から排出される。
ここで、本実施形態の湿式電気集塵装置と、従来の湿式電気集塵装置とを比較してみる。
ここでいう従来の湿式電気集塵装置とは、直流高電圧発生部3から発生された直流高圧電圧Vがそのまま放電極に印加される装置、即ち、本実施形態のコンデンサ41が搭載されていない装置をいうものとする。
図4は、従来の湿式電気集塵装置に印加される直流高電圧V(以下、「印加電圧V」と適宜呼ぶ)のタイミングチャートを示している。
図4において、縦軸は印加電圧Vを(kV)を示しており、横軸は時間tを示している。
図4に示す印加電圧Vにおいては、ピーク〜ピークの電圧差△Eは、約75kVと非常に大きくなっている。これは、上述したように、直流高電圧発生部3においては、シリコン整流器71による整流のみが行われるが、これだけでは整流として不十分(脈流が大きいという意)だからである。
このように、従来の湿式電気集塵装置では、ピーク〜ピークの電圧差△Eが非常に大きくなるため、印加電圧Vの実効電圧Erは約60kV程度であるにも関わらず、ピーク電圧Vpは約100kVと非常に高くなってしまう。このような高いピーク電圧値Epでは、火花放電(スパーク)の発生頻度が高くなる。
このため、従来の湿式電気集塵装置では、火花放電を抑制して安定した運転状態を維持するためには、上述したように、印加電圧Vの実効電圧Erをさらに下げて、40〜60kV程度に止めて運転せざるを得なかった。しかしながら、このような低い印加電圧Vでは、十分な集塵効率が得られなかった。
図5は、本実施形態の湿式電気集塵装置に印加される直流高電圧Vc(以下、「印加電圧Vc」と適宜呼ぶ)のタイミングチャートを示している。
図5において、縦軸は印加電圧Vc(kV)を示しており、横軸は時間tを示している。
図5に示す印加電圧Vcにおいては、ピーク〜ピークの電圧差△Eは、約10kVと従来よりも非常に小さくなっていることがわかる。これは、上述したように、直流高電圧発生部3から出力された直流高電圧Vが、コンデンサ41による平滑化がさらに行われるからである。
このように、本実施形態では、コンデンサ41を搭載しているため、ピーク〜ピークの電圧差△Eが従来よりも非常に小さくなり、その結果、印加電圧Vcの実効電圧Erを約75kV程度と従来より高く設定しても、ピーク電圧Vpは約80kVと従来より低く抑えることが可能になる。
実効電圧Erが高くなることは、湿式電気集塵装置の集塵効率を向上できることを意味する。一方、ピーク電圧Vpを抑制することは、電気集塵装置における火花放電の発生頻度を抑制できることを意味する。
これにより、本実施形態の湿式電気集塵装置では、従来よりも高い印加電圧Vc、より具体的には印加電圧Vc=70〜80kV程度まで上昇させても、火花放電を抑制して安定した運転状態を維持することが可能になり、その結果、重金属を含むダストを効率よく集塵できるようになる。
図6は、湿式電気集塵装置に対する印加電圧と、それに対応する電流との関係を示している。
図6において、縦軸は、印加電圧に対応する電流(後述する図7の等価回路の出力電流)(mA)を示し、横軸は、印加電圧(後述する図7の等価回路2Cの出力電圧Vc)の実効電圧Erを示している。
ここで、本実施形態の湿式電気集塵装置であっても、従来の湿式電気集塵装置(上述の如く、本実施形態のコンデンサ41が搭載されていない装置)であっても、印加電圧とそれに対応する電流との関係は略同一になる。
このため、点Paは、従来の湿式電気集塵装置についての実測値を示しており、印加電圧Vの実効電圧Erが約72kV(電流は約12mA)のときに、火花放電が発生したことが確認されている。
点Pbは、本実施形態の湿式電気集塵装置についての実測値を示しており、印加電圧Vcの実効電圧Erが約86kV(電流は約22mA)になっても、火花放電が発生しなかったことが確認されている。
ここで、注目すべきは、図6の実測用に用いられた本実施形態の湿式電気集塵装置及び従来の湿式電気集塵装置の差異点は、コンデンサ41及び保護抵抗42の有無のみである。このことは、図6に示す実測の結果は、コンデンサ41を搭載しない場合には約72kVで火花放電が発生してしまうところ、コンデンサ41を搭載することによって約86kVまで上昇させても火花放電が発生しないことを意味する。
このように、コンデンサ41を搭載している本実施形態の湿式電気集塵装置を採用することで、従来と比較して印加電圧の実効電圧Erを約14kV(=86kV−72kV)も高く設定しても運転可能であること、即ち、重金属を含むダストを効率よく集塵可能になることが確認された。
ただし、ここで注意すべき点は、コンデンサ41を単に搭載するだけで、上述の効果を十分に奏することができるわけではない点である。換言すると、適切な容量のコンデンサを、コンデンサ41として採用してはじめて、上述の効果を十分に奏することが可能になる。
そこで、以下、図7を参照して、コンデンサ41にとって適切な容量の設定の仕方を説明する。
[湿式電気集塵装置に搭載されるコンデンサの容量の設定の仕方]
図7は、コンデンサ41が搭載された本実施形態の湿式電気集塵装置の等価回路を示す図である。
図7に示すように、本実施形態の湿式電気集塵装置の等価回路は、主に直流高電圧発生部3についての等価回路3Cと、主に直流高電圧入力部2についての等価回路2Cと、主に集塵装置本体部1についての等価回路1Cとが接続されて構成される。
ここで、「主に」と記述したのは、例えば後述する総合容量Cが集塵装置本体部1の要素のみから決定できないように、集塵装置本体部1、直流高電圧入力部2、及び直流高電圧発生部3の各々の等価回路として明確に切り分けることができないからである。
等価回路3Cにおいては、交流電源Voからの交流電圧が、変圧器Trにより昇圧されて、さらに、シリコン整流器71により整流されて(ただし上述したように不十分な整流である)、直流高電圧Vとして出力されて、等価回路2Cに入力される。
等価回路2Cは、図7に示すように、T型4端子回路として構成される。等価回路2Cのうち、入力の2端には等価回路3Cが接続され、出力の2端には等価回路1Cが接続される。等価回路2Cの入力及び出力の一端(図4中下端)は接地されている。等価回路2Cの入力電圧(入力の2端間の電位差)は、直流高電圧発生部3から出力される直流高電圧Vであり、等価回路2Cの出力電圧(出力の2端間の電位差)は、集塵装置本体部1の放電極に対する印加電圧Vcである。
等価回路2Cの入力の2端のそれぞれには、直流高電圧入力部2のコンデンサ41及び保護抵抗42の直列接続の両端のそれぞれが接続されている。当該直列接続の一端(接地端とは反対側の端)と、等価回路2Cの出力の一端(接地端とは反対側の端)との間には、直流高電圧入力部2の保護抵抗43が接続されている。
等価回路1Cは、図7に示すように、本実施形態の湿式電気集塵装置の固有静電容量C1により構成されている。
ここで、等価回路2Cの出力電圧Vc、即ち集塵装置本体部1の放電極に対する印加電圧Vcについて、その定格電圧をEoと記述するものとする。また、等価回路2Cの出力における定格電流をIoと記述するものとする。
等価回路2Cの出力電圧Vc(集塵装置本体部1の放電極に対する印加電圧Vc)について、その交流電圧成分の最大値−最小値の差、即ちピーク〜ピークの電圧差△Eは、次の式(1)で表わされる。
△E=Io/2fC ・・・(1)
式(1)において、fは、交流電源Voの周波数を示しており、Cは、C1とC2との和(C=C1+C2)を示しており、以下、「総合容量」と呼ぶ。C1は、上述の如く湿式電気集塵装置の固有静電容量を示しており、C2は、直流高電圧入力部2のコンデンサ41の静電容量を示している。
この場合、等価回路2Cの出力電圧Vc(集塵装置本体部1の放電極に対する印加電圧Vc)について、そのピーク電圧Vpは、次の式(2)のように示される。
Vp=Eo+△E/2 ・・・(2)
ここで、電圧リップル率をMvと記述し、次の式(3)のように定義するものとする。
Mv=Vp/Eo
=(Eo+△E/2)/Eo
=1+△E/(2×Eo) ・・・(3)
ここで、定格電圧Eoは既知であり、電圧リップル率Mvを決めると、ピーク〜ピークの電圧差△Eは、次の式(4)に従って求めることができる。
△E=(2×Eo)×(Mv−1) ・・・(4)
上述した式(1)に対して、式(4)の演算値を代入することによって、総合容量Cが求まる。この場合、直流高電圧入力部2のコンデンサ41の静電容量C2は、次の式(5)で求まる。
C2=C−C1 ・・・(5)
ここで、集塵装置本体部1の固有静電容量C1は、集塵極12及び放電極の間の静電容量と、直流高電圧入力部2における電路(ブスバー51)及びブスダクト32の間の静電容量との和として、公知の式によって、近似的に求めることが可能である。
なお、保護抵抗43の抵抗値Ro及び保護抵抗42の抵抗値Rcは、湿式電気集塵装置の電路、例えば放電線と集塵極12とが短絡した場合に、設備の許容電流以下となるように選定すればよい。
ここで、上述の効果、即ち、実効電圧Erを上昇(例えば約70〜80kVまで上昇)しつつ、そのピーク電圧Vpを抑制するためには、ピーク〜ピークの電圧差△Eを抑える必要がある。換言すると、求められる実効電圧Er及びピーク電圧Vpによって、必要なピーク〜ピークの電圧差△Eはある程度決定づけられる。
よって、設計者等は、設計思想として、所望の効果が得られるように、ピーク〜ピークの電圧差△Eを決定すればよい。
ここで、ピーク〜ピークの電圧差△Eは、上述の式(4)により求めることができる。式(4)によれば、設計者等が自在に変更することが可能な値は、電圧リップル率Mvであり、電圧リップル率Mvが決定されれば、後は自動的に、ピーク〜ピークの電圧差△Eが求まることになる。
以上のことから、設計者等は、所望の効果を得るためには、設計値として電圧リップル率Mvを先ず決定すればよい。例えば、上述の図5に示す効果を得るためには、電圧リップル率Mvとして、1.15(15%)、望ましくは、1.10(10%)以下の値が決定されればよい。
このようにして、電圧リップル率Mvが決定されれば、上述の式(4)により、ピーク〜ピークの電圧差△Eが求まる。さらに、このようにして求められたピーク〜ピークの電圧差△Eを、上述した式(1)に代入することによって、総合容量Cが求まる。そして、当該総合容量Cを上述した式(5)に代入することによって、所望の効果を得るために適切な、コンデンサ41の静電容量C2が求まることになる。
[湿式電気集塵装置の集塵効率に寄与する要素]
以上、集塵装置本体部1の放電極に対する印加電圧Vcを従来より上昇させる(例えば70〜80kV程度に上昇させる)ことで、湿式電気集塵装置の集塵効率を向上させるという効果が得られることについて説明した。
ただし、湿式電気集塵装置の集塵効率に寄与する要素は、印加電圧Vcだけではない。このことについて、以下、簡単に説明する。
即ち、集塵効率を高めるためには、換言すると、排ガスからダストやミスト等を効率良く取り除くためには、集塵極12と放電極との2電極間の電界の強さをできるだけ大きくする必要がある。
一般に、2電極間の電位差(印加電圧Vc)が大きくなると電界の強さが大きくなる一方で、2電極間の距離が長くなると電界の強さが小さくなることが知られている。即ち、湿式電気集塵装置の集塵効率に寄与する要素としては、印加電圧Vcだけでなく、2電極間の距離が存在することが知られている。
以上のことから、2電極間の距離を短縮することで電界の強さは大きくなるため、その分だけ集塵効率を高めることができる。しかしながら、2電極間の距離を過度に短縮してしまうと、当該2電極間で絶縁破壊が発生し、その結果火花放電が発生してしまう。このため、2電極間の距離をむやみに短縮することは得策ではなく、適切な範囲におさめる必要がある。そこで、以下、2電極間の適切な距離について説明する。
[湿式電気集塵装置の集塵極と放電極との2電極間の距離]
一般に、火花放電が発生しない場合のコロナ放電の維持電圧は、2電極間の距離1cmあたり、約4kV(約4kV/cm)である。
従って、適切な2電極間の距離dは、2電極間の電位差、即ち印加電圧Vc(kV)によって決定される。具体的には、適切な2電極間の距離dは、次の式(6)に示される通りである。
d(cm)=Vc(kV)/4(kv/cm) ・・・(6)
例えば、印加電圧Vcとして70kVが要求されるならば、式(6)より、2電極間の距離dとしては17.5cmが適切となる。
従って、2電極間の距離dを17.5cmとし、かつ、上述のコンデンサ41を搭載させることで、理論的には、火花電圧を発生させることなく印加電圧Vc=70kVで運転が可能になる。
このことは、電極の形状によらず当てはまる。例えば、特許文献3に示されるように、線状の放電極と平面状の集塵電極(以下、「平面電極」と呼ぶ)を有する従来の集塵装置本体部に対して、コンデンサ41を搭載した本実施形態の直流高電圧入力部2及び直流高電圧発生部3を適用し、かつ、2電極間の距離dを17.5cmとすれば、理論的には、印加電圧Vc(kV)を70kVまで上昇させても、火花放電を発生させることなく安定した運転状態を実現することが可能になる。即ち、コンデンサ41の効果により、理論的には、平面電極であっても集塵効率を向上させることが可能である。
しかしながら、平面電極の材質としてFRPが採用されている場合、当該平面電極は、経年変化や熱の影響により、「そり」や「曲がり」等の形状の変形が生じてしまう。
平面電極の一部に「そり」や「曲がり」等が生じたとしても、当該一部における2電極間の距離がその分だけ短縮されるため、同一の印加電圧Vcであっても、電界の強さが大きくなる。換言すると、「そり」や「曲がり」等により2電極間の距離が短縮されるに連れて、火花放電の発生電圧が小さくなるため、当初の印加電圧Vc=70kVをかけると、火花放電の発生が頻発して、安定した運転状態を継続できなくなる。
例えば、経年変化や熱等により、FRPの平板が全長の3%の割合で中央部に「そり」や「曲がり」等の変形が生じるとすると、長さが315cmの平板電極では、9.45cm(=315cm×0.03)の「そり」や「曲がり」等の変形が生じることになる。当初の2極間の距離dは17.5cmであるので、変形後の2極間の距離は8.05cm(=17.5cm−9.45cm)まで短縮してしまう。
従って、火花放電の発生を抑制するためには、印加電圧Vcを32.2kV(=8.05cm×4kV/cm)まで低下させなければならない。
従って、従来の平面電極では、経年変化や熱等による「そり」や「曲がり」等の変化を考慮して、仕様としての印加電圧Vcを予め32.2kVまで低下させておくか、或いは、経年変化や熱等による距離の短縮分も含めて2電極間の距離を予め長く設計しておく必要がある。
仕様として印加電圧Vcを32.2kVまで低下させれば、要求される集塵効率を確保することが非常に困難になるし、一方で、2電極間の距離を長く設計すれば、その分だけ湿式電気集塵機が大型化して、コストや設置等各種各様の点において問題が生じてしまう。
そこで、本実施形態の集塵極12では、「室」という単位を導入し、複数の「室」を繰り返し連続して配置し、各「室」の四隅を強固に固定することによって、「そり」や「曲がり」等の変形が生じにくい構造を実現している。
ここで、本実施形態では、図2に示すように、集塵極12の「室」の個数は81個(=9×9個)である。従って、集塵極12の全体の略水平方向の一辺の長さを、上述の例の従来の平面電極の長さと同一の315cmにするならば、35cm×35cmの正方形状の開口部を有する「室」を用意すればよい。
この場合、このような「室」を、上述の平面電極と同様に、全長の3%の割合で中央部に「そり」や「曲がり」等の変形が生じるFRPの板で製作するならば、1つの「室」における一辺の長さは、約1cm(=35cm×0.03)程度しか短縮しない。
従って、1つの「室」内での放電極との距離、即ち2極間の距離は、16.5cm(=17.5cm−1cm)となる。この場合の印加電圧Vcとしては、66kV(=18.5cm×4kV/cm)程度の軽微の低下で済む。
さらに、上述したように、本実施形態では、各「室」の四隅は強固に固定されるので、このような「そり」や「曲がり」等の変形はさらに生じにくくなることが期待できる。この場合、印加電圧Vcの低下もさらに軽微で済むようになることが期待できる。
このように、本実施形態では、複数の「室」が繰り返し連続して配置されて集塵極12が構成されているので、経年変化や熱等による「そり」や「曲がり」等の変化をさほど考慮せずとも、仕様としての印加電圧Vcとして所望の電圧(上述の例では70kV)をそのまま採用して、湿式電気集塵装置を設計製作することができる。
そして、そのように設計製作されても、「そり」や「曲がり」等の変形はさほど生じない。従って、長期間使用しても、火花放電を発生させることなく、当初の印加電圧Vc(上述の例では70kV)をほぼ維持して運転することが可能になる。
[湿式電気集塵装置の保護回路との関係]
ところで、図示はしないが、本実施形態の湿式電気集塵装置に対して、安全上の目的で、特許文献3に開示されているような保護回路を適用してもよい。
即ち、火花放電が発生すると、当該火花放電が集塵極12の表面部位に到達する場合がある。このような場合、集塵極12のうち火花放電が到達した部位では、当該火花放電によるFRP樹脂や繊維の剥離等の損傷が生じて、導電性のFRPの耐蝕層が劣化し、導電性のFRPの耐腐食性を低下させる、という問題が生ずる。
このような問題を解決すべく、特許文献3には、火花放電が一旦発生すると、それ以降、連続した火花放電が発生してしまうことを抑制する自動制御を実行する保護回路が開示されている。具体的には、高圧発生装置(本実施形態の直流高電圧発生部3)からの印加電圧(従来は印加電圧Vであり、本実施形態では印加電圧Vc)を、火花が発生しない電圧まで瞬時に下げることによって、火花放電を停止させ、その後、再び元の印加電圧となるまで電圧を上昇させる、といった自動制御を実行する保護回路が特許文献3に開示されている。
ただし、このような保護回路が働いて(自動制御が行われて)印加電圧が低下している状態とは、湿式電気集塵装置の集塵効率が低下した状態であることを意味する。このような集塵効率が低下した状態で被処理廃ガスを次プロセスへ排出することは、瞬間的であるとはいえ、好ましくない。
ところが、本実施形態の湿式電気集塵装置では、上述したように、コンデンサ41の平滑化効果によって、実効的な印加電圧Erを従来よりも上昇させつつ、ピーク電圧Vpを従来よりも低下させることができる。このため、火花放電の発生頻度が非常に低くなるので、保護回路が働く頻度、即ち、集塵効率が低下した状態で被処理廃ガスを次プロセスへ排出してしまう頻度も非常に低くなることが期待できる。
[本実施形態の湿式電気集塵装置の効果]
以上まとめると、本実施形態の湿式電気集塵装置は、従来の湿式電気集塵装置と比較して、次のように(1)乃至(3)の有利な効果を奏することが可能である。
(1)従来では、直流高電圧発生部3の出力電圧V、即ち整流が不十分な状態(脈流が大きい状態)の出力電圧Vがそのまま、印加電圧として放電極に印加されていた。これに対して、本実施形態では、直流高電圧発生部3の出力電圧Vは、コンデンサ41が搭載された直流高電圧入力部2を通過して、さらに平滑化された出力電圧Vcとなり、当該出力電圧Vcが放電極に印加される。
これにより、印加電圧Vcの実効電圧Erを従来よりも上昇させつつ(例えば従来では40〜60kV程度であったものを、70〜80kV程度まで上昇させつつ)、印加電圧Vcのピーク電圧Vpを従来よりも抑制することが可能になる。印加電圧Vcの実効電圧Erの上昇は、集塵効率を高めることを意味し、印加電圧Vcのピーク電圧Vpの抑制は、火花放電の発生頻度の低下を意味する。
図8は、本実施形態の湿式電気集塵装置の効果を示す図である。
図8において、縦軸は集塵効率(%)を示しており、横軸は印加電圧(kV)を示している。
従来の湿式電気集塵装置では、上述したように、印加電圧は40〜60kV程度であったために、集塵効率は、最大でも99.6%程度であり、砒素(As)にいたっては印加電圧50kVで98%にも到達しないといった、低い値になっている。
これに対して、本実施形態の湿式電気集塵装置では印加電圧Vcを70〜80kVまで上昇することができるので、ダスト、鉛(Pb)、カドニウム(Cd)、及び砒素(As)の何れの集塵効率についても、99.8〜99.9%といった非常に高い値になっている。
(2)印加電圧Vcのピーク電圧Vpが抑制されるので、印加電圧Vcの実効電圧Erを70〜80kVと高くした状態であっても、火花放電の発生頻度が非常に低くなる。このため、特許文献3のような保護回路が頻繁に働くことない状態で、即ち、集塵効率が低下した状態で被処理廃ガスを次プロセスへ排出してしまうおそれを抑制した状態で、FRP製の集塵極12に対する火花放電による損傷を抑制することが可能になる。
(3)本実施形態の集塵極12では、「室」という単位を導入し、複数の「室」を繰り返し連続して配置して、各「室」の四隅を強固に固定することによって、「そり」や「曲がり」等の変形が生じにくい構造を実現している。
その結果、長期間使用されても、放電極と集塵極12との接近による火花放電が発生する電圧を当初のまま低下させずに維持することができる。これにより、当初の印加電圧Vc、即ち上述の効果(1)とあわせれば、70〜80kVといった従来よりも非常に高い印加電圧Vcを維持した運転状態を、従来と比較して長期間維持することが可能になる。
このように、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態の集塵極12としては、開口部が正方形の形状を有する角筒を「室(単位)」とする角筒型集塵極が採用されたが、特にこれに限定されない。
具体的には例えば、角筒型集塵極を構成する各「室」の開口部の形状は、正方形である必要は特に無く、N角形(Nは3以上の整数値)であれば足り、この場合、上向きスプレーノズル27等は、各「室」のN個の角のうち、少なくとも1つの角の周囲に配設させればよい。
図9は、開口部が6角形の形状を有する筒を「室」とする角筒型集塵極を有する、集塵装置本体部1の筺体内部の概略構成を示す斜視図である。
図9の例でも、集塵装置本体部1の筺体内部には、上部グリッド21と、集塵極12と、下部グリッド23と、電極ロッド24と、放電線25と、ウェイト26と、上向きスプレーノズル27と、洗浄用配管28とが設けられている。
図9の例の集塵極12は、開口部が6角形の形状を有する筒を「室」として、複数の「室」を繰り返し連続して配置することによって構成される。
なお、「室」の個数は、図9の例では10個とされているが、これは例示に過ぎず、任意の数でよい。
1・・・集塵装置本体部
2・・・直流高電圧入力部
3・・・直流高電圧発生部
11・・・上部ケーシング
12・・・集塵極
13・・・下部ケーシング
14・・・架構
21・・・上部グリッド
23・・・下部グリッド
24・・・電極ロッド
25・・・放電線
26・・・ウェイト
27・・・上向きスプレーノズル
28・・・洗浄用配管
31・・・コンデンサボックス
32・・・ブスダクト
33・・・碍子室
41・・・コンデンサ
42・・・保護抵抗
43・・・保護抵抗
51・・・ブスバー
52・・・壁貫通碍子
53・・・閉止板
61・・・支持碍子
71・・・シリコン整流器
72・・・高電圧出力端子

Claims (3)

  1. 直流高電圧を発生する高電圧発生部と、
    前記高電圧発生部により発生された直流高電圧を入力し、当該直流高電圧をコンデンサにより平滑化して出力する高電圧入力部と、
    前記高電圧入力部から出力された直流高電圧が印加される放電極と、
    前記直流高電圧に基づいて前記放電極との間に発生する負コロナ放電によって、微粒子を集塵する集塵極と、
    を備える電気集塵装置の製造方法であって、
    予め設定されたピーク電圧と、定格電圧として予め設定された実効電圧とに基づいて、電圧リップ率を予め設定する第1ステップと、
    前記実効電圧と、前記第1ステップにおいて予め設定された前記電圧リップ率とに基づいて、ピークからピークの電圧差を求める第2ステップと
    前記第2ステップにおいて求められた前記ピークからピークの電圧差に基づいて、前記コンデンサの容量を求める第3ステップと、
    前記高電圧入力部における前記コンデンサとして、前記第3ステップにおいて求められた容量を持つコンデンサを設置する第4ステップと、
    を含む電気集塵装置の製造方法
  2. 前記集塵極を、所定の形状の開口部を有するN角形(Nは3以上の整数値)の室を単位として、複数の前記単位の集合体により構成する第5ステップをさらに含む
    請求項1に記載の電気集塵装置の製造方法
  3. 予め設定された前記実効電圧に基づいて、前記放電極と前記集塵極との距離を設定する第6ステップと、
    前記放電極を、前記第6ステップにおいて設定された距離だけ離間させて、前記集塵極を構成する前記複数の単位の各々の中に収容する第7ステップと
    をさらに含む請求項2に記載の電気集塵装置の製造方法
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