JP2649340B2 - 極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置 - Google Patents

極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置

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JP2649340B2 JP13447586A JP13447586A JP2649340B2 JP 2649340 B2 JP2649340 B2 JP 2649340B2 JP 13447586 A JP13447586 A JP 13447586A JP 13447586 A JP13447586 A JP 13447586A JP 2649340 B2 JP2649340 B2 JP 2649340B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はボイラー、焼結機等からの工業排ガス中に含
まれる窒素酸化物(以下NOxとよぶ)の酸化・分解、二
酸化硫黄(以下SO2とよぶ)の酸化等々によりこれらを
含む各種のガス状汚染物質を除去するための、「極短パ
ルス高電圧加電式ガス浄化装置」に関するものである。
しかしその応用範囲は単なるガス浄化にとどまらず、電
気集塵装置,加電式バグフイル等と組合せてガス浄化と
同時に集塵を行なったり、電子複写機、除電器等コロナ
放電を用いる装置で発生するNOxの分解等にも利用で
き、また一般にガス中の放電化学的反応により特定ガス
成分の酸化、還元、生成、分解等を効果的に行なう為に
も用いる事ができる。
[従来の技術] 従来、排ガスの脱硝や脱硫に実用されているものは専
ら化学的方法である。脱硝には主として300度以上のガ
ス温度で排ガス中にアンモニアを添加の上触媒でNOxを
窒素と水分に分解する、いわゆる「アンモニア触媒還元
方法が用いられている。また脱硫には主として石灰乳を
ミスト状にして排ガス中に分散の上、これにSO2を吸収
して亜硫酸石膏としてガスから除去する、いわゆる「石
灰石膏法」が用いられている。一方排ガスに予めアンモ
ニアを添加の上、これに高エネルギーの電子ビームを照
射して、NOxとSO2を硫硝安複塩の固体微粒子に転化し、
これをガスから除去する「電子ビーム排ガス浄化方式」
も開発された。またこの方式を電子ビームの照射空間に
電界を加えて、その反応速度を上げることにより改良す
る方法もその有効性が実証されている。更に排ガス中に
単にコロナ放電極と非コロナ対向電極より成るコロナ電
極系のみを設け、両電極間にパルス高電圧を加え、脱硝
と脱硫を行なう方式も提案され、実験室規模の装置での
有効性が実証されている。しかしこれらはいずれも実用
化が極めて難しく、実用化に成功しないままに現在に至
っている。
[発明が解決しようとする問題点] 上記の「アンモニア触媒還元法」、「石灰石膏法」等
の化学的方法は建設費・運転費が極めて高く、その上装
置の腐蝕、触媒の寿命等の問題がある。「電子ビーム排
ガス浄化方法」は脱硝と脱硫を同時に行なうことが出
来、触媒も要らず、完全な乾式プロセスなので、装置が
簡単で保守も容易であるが、設備費・運転費が共に非常
に高い上、放射線防護に高価な対策を必要とする。この
方式で電子ビームの照射空間に電界を加えて脱硝・脱硫
反応を促進する方式も基本的には電子ビームを使用する
事には変わりがないので設備費の高くなるのは避けられ
ない。結局もっとも簡単で経済的な方法は、排ガス中に
単にコロナ電極系のみを設けて両電極間に幅の短いパル
ス高電圧を周期的に印加し、パルス的コロナ放電を発生
させ、これによって純電気的に排ガスの脱硫・脱硝ある
いはその他の浄化を行なう方法である。しかしこれも大
型の装置では全くその効果がないことが認められてお
り、この方式を実用化する為の方策は全く立っていない
のが実情であった。
本発明は上記の困難を克服して「極短パルス高電圧に
よるコロナ放電を用いたガス浄化方式」を大型装置で実
用化する事を目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、NOx、SO2等のガス状汚染物質を含有するガ
ス中に、少なくとも一個をコロナ放電極、少なくとも他
の一個を該コロナ放電極と対向した対向電極として相互
に絶縁の上配設せる二個以上の独立な電極より成るコロ
ナ電極系を設け、該コロナ放電極と他の電極との間にパ
ルス巾の極めて短い極短パルス高電圧を印加する事によ
りガスの脱硝・脱硫を図る装置において、極短パルス高
電圧のパルス巾を1μs以下の値とし、0℃・1気圧に
おける被浄化ガスの密度に対する浄化時の温度・圧力に
おけるガスの相対密度をdとするとき、該コロナ放電極
と該対向電極間の単位長さ当たりの波高値電圧Vpを示す
距離的平均電界強度の時間的ピーク値Epが、少なくとも
ガス浄化反応を引き起す臨界値 Epo=8d(KV/cm) ……(1) 以上となる如き極めて高い値にその波高値電圧Vpの値
を選定する事により、上記の問題点を解決する。
ここで、「電圧」はパルスの波高値もしくはピーク値
のことを意味するが、本願では、例えばパルスの立ち上
がり部分等における電圧と区別するために、波高値(ピ
ーク値)と表現している。
また、平均電界強度とは、周知のように、静電界に
おける電荷の周囲の電界の強さ、もしくは時間的に変
化する磁場の中に存在する電界の経済的な強さを表わ
す。本願で述べる平均電界強度は、の電界強度、すな
わち電荷から一定の距離をおいた地点の(ここでは電極
間に働く)電界の強さを意味するので、の電界と混同
しないよう、距離的平均電界強度と表記している。
即ち本発明者は、NOx,SO2等を含むガスのガス通路を
横切ってパルス的コロナ放電を発生せしめ、その間隙に
おける距離的平均電界強度が少なくとも上記条件(1)
のEpoをこえる如き極めて高い値,好ましくは12d(kV/c
m)以上の値をとるようにする事により、はじめてNOお
よびSO2をそれぞれ水溶性のNO2およびSO3へと酸化出
来、適当な吸収剤ないし吸収液,例えば水やNaOH,Na2CO
3,Ca(OH)2,CaCO3の水溶液又は懸濁水への接触吸収に
よりガス中から有効に除去できる事を見出した。この場
合かかるNO2,SO3等の吸収液は、該対向電極の表面に液
膜の形で流下せしめると、もっとも有効かつ好適であ
る。またNOの酸化で生成したNO2は更に極短パルス高電
圧によるパルス的コロナ放電の作用で分解されるが、こ
の際予めガス中にNOxと等量のアンモニアを添加してお
く事によりNO2の分解が著しく促進される事が見出され
た。またSO2やSO3もアンモニアの添加により固体微粒子
に転化固定される事が見出された。またNOxとSO2がガス
中に共存する時には、正パルスコロナを用いる際先ずNO
xの酸化・分解が先行し、しかる後SO2の酸化が行なわれ
る事が判明した。またガス中に含まれる水銀蒸気も上記
パルス的コロナ放電により極めて有効に酸化されて固体
の酸化水銀となり、またHCL等の存在下に可溶性の塩化
水銀となることが知られている。
また本発明によるNOの酸化,NO2の分解,SO2の酸化,水
銀蒸気の酸化や塩化等の放電化学的ガス浄化反応はガス
通路におけるコロナ放電極と対向電極間の距離的平均電
界強度を上記(1)式のEpoを越えて更に高くすればす
る程、またコロナ放電極の曲率半径を小さくしたり、鋭
い突起をつけてパルス・コロナ放電を活発ならしめる
程、より効果的におこなわれることも判明した。
上記(1)式のEpoを越える著しく高い距離的平均電
界強度を、火花の発生なしに上記ガス通路のコロナ空間
に形成するには印加すべき上記極短パルス高電圧の幅を
極めて短くする必要がある。この場合パルス巾を半値巾
Tpであらわすと、その所要値は用いるコロナ電極系の構
成・電極形状・寸法やガスの組成・温度・圧力等に依存
するが、通常Tpを長くても1000ns以下、好ましくは500n
s以下と極度に短くする必要がある事が実験により見出
された。
本発明に用いるコロナ電極系としてはガス通路を隔て
て互いに対向した該コロナ放電極と該対向電極の二種類
の独立電極から成る二電極系を用いてもよく、また放電
極の近傍に更に第三の電極を絶縁配設した三電極系を用
いてもよい。また本発明に用いる該コロナ放電極として
は線状・角線状・刺付き線状・突起付き棒状・ストリッ
プ状・突起付きストリップ状等、適当な如何なる形状・
構造・材質のものを用いてもよいが、上述の通りコロナ
放電が活発におこる様な形状にするほど放電化学作用が
旺盛となるので一般には好適である。またこのコロナ放
電極を適当な支持枠に固定して用いても、また一本の長
いコロナ伝送線路を形成せしめて用いてもよい。
本発明の電極構成として上記二電極系を用いるとき
は、その対向電極として上記の様なコロナ放電極を用い
てもよく、また板状・金網状・円筒状等の曲率半径の大
きな非コロナ電極を用いてもよい。また三電極系を用い
る時は対向電極として上記の様な非コロナ電極を用いる
のが好適であり、第三電極としてはコロナ放電極、非コ
ロナ電極のいずれを用いる事も出来る。
二電極系の使用にあたっては該コロナ放電極と対向電
極間に直接該極短パルス高電圧を印加してもよいが、予
め両電極間に加えるべきパルス高電圧と同極性の補助高
電圧(以下バイアス高電圧とよぶ)を加えておき、これ
に重ねて該極短パルス高電圧を結合コンデンサーを介し
て印加すればその波高値電圧を該バイアス高電圧の分だ
け低減出来て極短パルス高電圧を発生するための極短高
圧パルス電源を安価に出来、好適である。
三電極系の使用にあたっては、上記バイアス高電圧を
該第三電極と該対向電極の間に前者の後者に対する極性
が該コロナ放電極の該パルス高電圧における極性と同じ
になる様にして印加しておき、その上で該コロナ放電極
と該第三電極の間に直接または結合コンデンサーを介し
て該パルス高電圧を印加する。
二電極系および三電極系において使用する上記バイア
ス高電圧は直流高電圧を用いてもよいが、該極短パルス
高電圧よりも幅の広いパルス高電圧(以下バイアス・パ
ルス高電圧とよぶ)を用いるとバイアス直流高電圧を用
いる場合と異なり、ガス通路空間を横切って流れるイオ
ン電流を大幅に低減出来、脱硝・脱硫等のガス浄化に要
する消費電力を著しく節減できる。
上記二電極系および三電極系において該対向電極を非
コロナ電極とする場合、極短パルス高電圧を印加する際
の該コロナ放電極の極性は正・負いずれであってもよい
が、正のパルス・コロナはストリーマー状に伸びて該コ
ロナ放電極と相手電極間のガス空間を橋絡するので、脱
硝・脱硫等のガス浄化反応を生起せしめるもとになる化
学的活性種が空間全体に生成され、比較的小さな装置容
積、ないし短かい滞留時間内にこの反応を完了出来、設
備を小型化する事が出来る。したがって本発明をガスの
脱硝・脱硫等のガス浄化のみの目的で単独に実施するに
は正パルス・コロナ放電を用いた方が設備費を安く出来
る。特にSO2のSO3への酸化速度は負のパルス・コロナで
は極めて遅いので、正のパルス・コロナを用いる必要が
ある。
しかし本発明のコロナ電極系を電気集塵装置として兼
用し、該コロナ放電極をその放電極、該対向電極をその
集塵極とし、排ガスの脱硝・脱硫等のガス浄化と同時に
集塵を行なう事も可能で、その場合には該コロナ放電極
にその極性を負として極短パルス高電圧を印加し、負の
パルス・コロナ放電発生させるのが好適である。何故な
らば、正パルス・コロナ放電を用いる時は、上述の如く
放電がコロナ放電極と集塵極間の間隙をストリーマー状
に橋絡して間隙空間全体に正・負イオンを成生するの
で、単極性イオンのみの射突を必要とするダスト粒子の
荷電が行なえず、集塵作用が失われるからである。これ
に対して、負のパルス・コロナ放電を用いると放電はコ
ロナ放電極近傍に局限され、この領域のみで正負イオン
を形成するが、それ以外の領域では負イオン流のみが存
在するので、ダストの荷電・集塵が有効に行なわれ得
る。この場合本発明を通常の放電極と集塵極より成る二
電極式の電気集塵装置を兼用せしめて実施する時は、コ
ロナ電極系の電極構成は上記二電極系となり、両電極間
に予め該コロナ放電極を負とする直流高電圧をバイアス
直流高電圧として印加し、これに重ねて結合コンデンサ
ーを介して該極短パルス高電圧を該放電極を負とする極
性で印加するとよい。また本発明はコロナ放電極・集塵
極に加えて該コロナ放電流の近傍に非コロナ電極ないし
コロナ電極より成る第三電極を設けた三電極式の電気集
塵装置としても実施でき、この場合は該第三電極と該集
塵極の間に前者を負とする直流高電圧を印加し、該放電
極と第三電極の間に前者を負とする極性をもって該極短
パルス高電圧を印加する。
本発明で使用する極短パルス高電圧は、コロナ電極系
を長い伝送線路(以下コロナ伝送線路とよぶ)として構
成すれば、その上を進行波として伝播しつつ強力なコロ
ナ放電をその全長にわたって発生し、該極短パルス高電
圧の保有するエネルギーを最も有効にコロナ放電の形
成、したがって脱硝・脱硫等のガス浄化反応に利用する
事ができる。この場合パルス電圧の伝播速度はほぼ光速
Coに等しいので、パルス電圧の巾がTの時、その幾何学
的な長さはLp=CoTになるので、終端開放のコロナ伝送
線路の場合その長さLoが(1/2)Lpと同等もしくはこれ
よりも長いこと Lo≧(1/2)Lp (2) がパルス電圧が進行波としてのふるまいを見せるための
条件であり、反対にLo≪(1/2)Lpの時はコロナ電極系
は電極間容量とコロナ放電の等価並列抵抗より成る所の
集中定数負荷となる。
この進行波を用いる本発明の実施態様(以下進行波型
とよぶ)を該二電極系のコロナ電極系ないし二電極式電
気集塵装置で実施するにあたっては、長い線状の該コロ
ナ放電極を、一対の並行な接地せる板状の対向電極(な
いし集塵極)の間にジグザグ状に線間幅ほぼ5ないし30
cmをもって絶縁配設するのが好適で、この場合互いに向
い合った一対の接地対向電極(ないし集塵極)とその中
間に配設された一本の長いコロナ放電極が組になって並
列の二つのコロナ伝送線路を構成する。この場合該コロ
ナ放電極は大地より絶縁せる適当な支持枠に、これより
絶縁して取り付けるのが好適である。
また該進行波型を三電極系のコロナ電極系または三電
極式電気集塵装置で実施するにあたっては、該コロナ放
電極あるいは該第三電極の少なくとも一方を、互いに向
き合った一対の平行な接地せる板状の対向電極(ないし
集塵極)の中間にジグザグ状に該第三電極とコロナ放電
極間の間隔約2ないし10cmをもって絶縁配設するのが好
適で、この場合には該コロナ放電極と該第三電極および
該コロナ放電極と両対向電極(または集塵極)とがそれ
ぞれ並列の三つ(ないし四つ)のコロナ伝送線路を形成
する。この場合第三電極をすのこ形として支持枠を兼ね
させ、すのこの相隣る垂直柱の中間を走るごとく蛇行し
て該支持枠より絶縁の上該コロナ放電極をジグザグ状に
配設するのが好適である。
コロナ伝送線路上を上記の極短パルス高電圧が進行波
として進行し、その途中においてコロナ放電を行う時
は、それに伴うエネルギー損失のため該極短パルス高電
圧の波高部分が次第に欠損して行き、或る距離進行した
後は完全に波高部が失われて、もはやコロナ放電を生ず
る能力が消失する。この距離は条件によって異なるが、
負パルス電圧の場合約300m,強力なストリーマー状コロ
ナ放電を発生するエネルギー消耗の激しい正パルス電圧
の場合約3m〜10m程度である。ところで波高部が消失し
た後も該極短パルス高電圧は尚充分なエネルギーを保有
しており、これを有効に活用するため何等かの方法でそ
の波高部を再び持ち上げて(以下これをパルスピーキン
グと略称する)コロナ開始電圧値以上とし、パルス高電
圧保有エネルギーの大部分をコロナ放電のエネルギーに
転換してやることが、本方式の電力効率を高め、運転コ
ストを下げる上げ極めて重要である。パルスピーキング
を実施するための一つの方法はコロナ伝送線路のサージ
ンイピーダンス を下流に行くほど大きくしてやると良く、そのためには
コロナ伝送線路単位長当りのインダクタンスLを下流に
行くほど大きくするか、コロナ伝送線路単位長当りの線
路間静電容量Cを下流に行くほど小さくしてやれば良
い。これを本発明において最も簡単に実施する方法は長
いコロナ放電線の途中にいくつかのインダクタンス要素
(以下ピーキング・コロナと省略する)を挿入し、その
インダクタンス値を下流に行くほど大きくすると共に、
コロナ伝送線路の終端を開放すること(この時Zoは無限
大となり、進行波は全反射する)である。またコロナ放
電線をいくつかの放電線を並列接続して構成し、その並
列線数を途中のいくつかの場所で減じて遂に一本とした
上で線路終端を開放してもよく、この時は上記のCがそ
の度に減少してZoが上昇する。あるいはコロナ放電線を
うすい帯状の導体で作って対向電極に並行に配置、その
鋭い周縁部でコロナ放電を発生させる様にし、かつその
巾を入力端から終端に向かって逐次狭くして行って対向
電極に対する静電容量Cを減じ、終端で巾をゼロとする
と共に開放端としてもよい。以下この様なコロナ放電極
をピーキング放電極と呼ぶことにする。以上の他パルス
ピーキングは適当な方法でパルスの巾を圧縮して小さく
すること(これをパルス圧縮という)によっても行うこ
とが出来、本発明のコロナ伝送線路において、パルス圧
縮を適用してパルスピーキングを実施してもよいことは
云うまでもない。
脱硝・脱硫等のガス浄化に要する時間は印加する極短
パルス高電圧の周波数fpにほぼ反比例するので、fpの値
を高くする程、装置を小型化できる。本発明の実施にあ
たっては実用上fpを50Hz以上、好ましくは250Hz以上に
選定するのがよい。
この様な極度に巾の短い極短パルス高電圧を発生する
為の高圧極短パルス電源としては、適当な如何なるもの
を利用しても良いが、一般にエネルギー蓄積要素(パル
ス波形成形要素ともよぶ)としてコンデンサー,同軸ケ
ーブルあるいは複数個のコンデンサーとインダクタンス
を梯子型に接続したLC梯子型回路等の容量性エネルギー
蓄積要素を用い、これに直流高電圧をもって充電し、つ
いでこれを固定火花ギャップ、回転火花ギャップ、ある
いは水素サイラトロン等の高速スイッチ素子をもって瞬
時に負荷である本発明のコロナ電極系の両電極間に直接
又は結合コンデンサーを介して放電して該極短パルス高
電圧を形成する形式のもの(容量蓄積型と称する)を用
いるのが好適である。しかしエネルギー蓄積要素として
インダクタンスを利用し、そのコイルに予め直流電流を
流しておいて、その電流を高速スイッチ素子で瞬時に開
放、この時該インダクタンス両端に現れるパルス高電圧
を本発明の負荷に直接又は結合コンデンサーを介して印
加する形式のもの(インダクタンス蓄積型と称する)を
用いても良い。容量蓄積型高圧極短パルス電源で固定火
花ギャップを用いる時は、コンデンサー等の容量性エネ
ルギー蓄積要素の充電過程における電圧が、ギャップの
火花電圧を越えた時、火花ギャップを自慢せしめる自爆
型火花ギャップを用いてもよいが、例えば主火花電極の
他トリガー電極を有する三点火花スイッチを用いると、
所要の時点にトリガー電極にトリガー用パルス電圧を与
えることにより火花を発生せしめてスイッチ作用を発現
させることが出来る。この様な外部トリガー型固定火花
スイッチはまたトリガー用レーザービームを所要の時点
に火花電極に照射することでも構成でき、その照射の瞬
間に火花を発生せしめうる。高速スイッチ素子としてこ
の様な外部トリガー型固定火花スイッチ、回転火花スイ
ッチ、水素サイラトロン等を用い、上記容量性エネルギ
ー蓄積要素を直流高電圧でなく交流高電圧をもって半波
整流器を介して充電し、該交流高電圧が充電を完了のの
ちゼロ電圧値付近をとる瞬間、ないしは極正反転して該
半波整流器がブロックしている半周期内にのみ該高速ス
イッチ素子をオンせしめる様にする時は、この瞬間の電
源から負荷への突入電流の発生を防止できると共に、交
流充電固有の利点として充電損失を大幅に減少でき、高
圧極短パルス電源の電力効率を大幅に向上できる。
次に本発明の極短パルス高電圧をコロナ伝送線路でな
い通常のコロナ電極系に印加するに際しては、該コロナ
電極系が電極間静電容量とコロナ損失に伴う並列高抵抗
よりなる集中定数負荷としてふるまい、この容量と高圧
極短パルス電源の静電容量、そのインダクタンス分、及
びスイッチ素子及び該電源とコロナ電極系を接続するフ
イーダー回路のインダクタンスによって高周波のLC連成
振動が発生し、火花電圧が大幅に低下する。
そこでこの連成振動発生を防いで火花電圧を上昇さ
せ、安定に式(1)のEpoよりも高い距離的平均電界強
度をガス間隙間に実現するには、パルス電源とコロナ電
極系の間にパルス電圧の幾何学長と同等又はそれ以上の
長さをもった長い高圧同軸ケーブル等の伝送線路を挿入
し、一旦パルス電圧を進行波にしてこの線路上を伝播せ
しめた上、その終端でコロナ電極系に印加するようにし
て、電源側と負荷側の回路的相互干渉を分離するとよ
い。以下この様な伝送線路を分離様伝送線路とよぶこと
にする。この分離用伝送線路は本発明に用いるコロナ電
極系が集中定数負荷であるとき上記連成振動をおこすの
を防止し、極短パルス高電圧波がそのままの形で負荷に
加わる様にするために必須の要素であって、かかる分離
用伝送線路を用いることも本発明の一つの特徴をなす。
この場合、容量性エネルギー蓄積要素としてパルス波形
成形用コンデンサーを用いる時は、その充電電圧はスイ
ッチ素子を介して該分離用伝送線路の入力サージインピ
ーダンス(純抵抗分よりなる)に放電し、その時に生ず
るCR−減衰波形が進行波として速度 で伝送線路上を伝播する。したがって分離目的を達する
には線路の長さLsはパルスの巾をT(ns)とすると、 Ls≧VT (4) とする必要がある。いまかかる分離用伝送線路として高
圧同軸ケーブルを用いることとし、その上での進行波伝
播速度Vの値をV=0.2m/nsとすると、T=500nsの時に
はLs≧100m,T=1000nsの時にはLs≧200mとする必要があ
る。
[作用] 本発明の特長をなす式(1)のEpoよりも大きい距離
的平均電界強度を短時間乍らコロナ電極系の電極間に形
成する時はコロナ放電に伴って発生した電子が一平均自
由行程内に強力に加速されて著しく高い運動のエネルギ
ーを獲得し、ガス中に含まれるO2,H2O等の分子と衝突の
上、脱硫・脱硝等のガス浄化反応を引き起こすもとにな
るOHラヂカル,O,O3,励起状態の酸素およびO2イオン等の
化学的活性種を大量に成生させ、その強力な酸化作用に
よって例えばNOはNO2,SO2はSO3,水銀蒸気は固体の酸化
物に直ちに酸化され、適当な吸収剤の水溶液で容易にガ
スから除去できる。また予め中に適当な添加剤、例えば
NOやSO2の場合アンモニアガス,また水銀蒸気の場合塩
化水素ガス等を添加する時は上記強力なエネルギーを有
する電子の放電化学的作用で例えばNO2の大部分を分解
し、SO2はNH3と結合せしめて固体の硫安微粒子に転化固
定、また水銀蒸気はその固体の塩素化合物に転化固定す
ることが出来るので、ガスからNOx,SO2,水銀蒸気等の汚
染物質を完全に除去することが可能となる。すなわち本
発明に固有の極めて高い脱硝・脱硫等のガス浄化効果の
基本的作用機構は、本発明がはじめて一平均自由行程内
で、今迄到底不可能なレベルまで電子を加速してそのエ
ネルギーを著しく上昇せしめ、これによって従来の壁を
超えて脱硝・脱硫反応を含むガス浄化反応や放電化学的
反応の速度と収率を飛躍的に向上せしめ得たことにある
のである。
[実施例] 第1図は本発明によるガス浄化装置を特に排ガス脱 硝・脱硫装置として利用せるものの一実施例の縦断面
図、第2図はその横断面図を示す。1はNOx,SO2を含む
ガスの入口2,硝酸・脱硫後のガスの出口3,ホッパー4,ダ
スト排出口5を有する接地された金属より成るケーシン
グである。その内部に等間隔で接地せる垂直平行板状対
向電極群6,6′が配設されており、ケーシング及び該対
向電極群の中間に絶縁配設され矩形状金属支持枠群7に
支持張架された線状のコロナ放電極群8がある。該支持
枠7は下方においては水平ビーム9上に固定された支持
碍子により、上方においては碍管11を貫通する金属支柱
12により支持されて、大地より絶縁されている。該支柱
12の一つは切替スイッチ13を介し、本例の図では更に塞
流インダクタンス14を経て出力電圧Vbのバイアス直流高
圧電源15の正極性出力端子と接続され、更に結合コンデ
ンサー16,高圧同軸ケーブル17を介して極短高圧パルス
電源18の正の出力端子に接続されている。このパルス電
源18の発生する極短パルス高電圧は、そのパルスの半値
巾Tpが500ns以下でその波高値電圧Vpが充分に大きく、
上記バイアス電圧Vbと重畳せる全波高値電圧(Vp+Vb)
が式(1)で与えられるEpoよりも充分大きい距離的平
均電界強度を与えて本発明の要件を充分に満足せしめる
ものである。また本例にあたっては該コロナ放電極群8
と対向電極群6,6′より成るコロナ電極系は集中定数回
路を形成しており、したがって該高圧同軸ケーブル17は
すでに述べた分離用伝送線路の役目も果している。すな
わち該同軸ケーブル17の長さLsは式(4)を満たす様充
分長くとってある。いま切替スイッチ13を左に投入する
と、バイアス直流高圧電源15が切り離され、極短高圧パ
ルス電源18の出力電圧が結合コンデンサー16を介さずに
直接コロナ放電極群7と対向電極群6,6′の間に印加さ
れる。20はアンモニア容器で、注入パイプ21を介してア
ンモニアガスがノズル22より入口ダスト23内に吹き込ま
れる。NOx,SO2を含むガスは入口2より進入、ノズル22
より吹き込まれたNOx,SO2の合計せるものと化学的に当
量のアンモニアガスを混入ののち、コロナ放電極群7と
対向電極群6,6′の間のガス通路19を上方に流れ、出口
3に至り、これより硫化微粒子除去用の適当な集塵装置
へと導かれ、硫安微粒子を除去せるのちスタックへと排
出される。上記極短パルス高電圧の印加によってコロナ
放電極群8より対向電極群6,6′に向ってガス通路19を
橋絡する強力なストリーマー状の正コロナ放電が発生
し、その強力な放電化学作用によって、NOxはアンモニ
アの存在下にその大部分がN2とH2Oに分解し、SO2は酸化
されてSO3に酸化されたのち、NH3と化合して硫安の固体
粒子となる。その一部は下方のホッパー4に落下してこ
こに堆積し、ダスト排出口5より外部に排出される。残
りの微細硫安粒子はガスに同搬されてガス出口3に至
り、外部に導かれる。
該高圧同軸ケーブル17は全長150mですでに述べた分解
用伝送線路の役目をかねており、その上でのパルス電圧
の伝播速度は0.2m/ns,パルス巾500ns、したがって分離
用伝送線路としての式(4)の条件を満たす。その結
果、本例におけるコロナ電極系は巾500nsのパルス電圧
に対しては容量性の集中定数負荷であるにも拘らず、ケ
ーブル上を伝播して来た極短パルス高電圧がほぼそのま
まの波形でコロナ放電極群8と対向電極群6,6′の間に
印加される。次に反射されてケーブル17上を同一極性の
パルス電圧としてパルス電源へと戻り、以下多重反射を
繰り返す。但し該極短パルス高電圧の急峻な立上り部分
は高い高周波成分を含むので容量性集中定数負荷がある
コロナ電極系から反射される際、容量分がほぼ短絡とし
て働く。したがってこの部分のみ極性反転し、反射正パ
ルス波はその立上り部分のみにヒゲ状の負の極めて短い
パルス部分を含んだものとなる。24は電荷漏洩用高抵抗
でケーブルの心線に直流電荷が蓄積するのを防止する。
本例でアンモニアを注入する代りに対向電極6,6′の
上方から吸収液として水,NaOH・Na2CO3・CaOH・CaCO3等
の水溶液ないし懸濁水を供給し、これを6,6′の表面に
沿って面上を流下せしめて液膜を作り、NO2,SO3等の生
成酸化物をこの上に吸収せしめてもよく、この時は極め
て高いガス浄化効果が達成できます。
第3図は第1図及び第2図の実施例においてコロナ電
極系を接地ケーシングを兼ねた垂直の円筒状対向電極25
とその軸上に絶縁張架された一本の線状コロナ放電極8
のみをもって構成した、本発明による小型排ガス脱硝・
脱硫装置の縦断面図である。図における2より17に至る
番号の要素の名称と機能は第1図,第2図における同一
番号の要素のそれと同じであり、更に本図においてはパ
ルス電源18,アンモニア容器20,同注入パイプ21,注入ノ
ズル22は省略して画かれていない。アンモニアガスを添
加ののちガス入口2より導入されたNOx,SO2を含むガス
はケーシングを兼ねた円筒状対向電極25の内部のガス通
路19を上昇中にコロナ放電極8より25に向けて生ずる正
のパルス状のストリーマー・コロナ放電の極力な放電化
学作用で脱硝・脱硫反応を完了し、ガス出口3より外部
に排出される。この場合にもアンモニア注入の代りに円
筒状対向電極25の内壁上にNO2,SO3等反応生成物の吸収
液の液膜を作り、この液膜にこれら反応生成物を吸収せ
しめてもよいことは云うまでもない。
第4図は第1図,第2図の実施例において支持枠7を
取り除き、線状のコロナ放電極群8を上方では上部支持
碍子26に絶縁支持された上部水平支持導体27に固定し、
下方では下部支持碍子10に絶縁支持された下部水平支持
導体28に絶縁物29を介して固定張架して構成した本発明
の一実施例である。
図における他の番号の要素の名称と機能は、第1図お
よび第2図の同一番号の要素のそれと同じであり、また
第1図,第2図におけるこれ以外のすべての要素(7を
除く)は本例においても存在するが省略してあり画かれ
ていない。第1図,第2図がコロナ電極系を集中定数系
として使用しているのに対して、本例では立上りがより
急峻で巾のより短い正の極短パルス高電圧を正のバイア
ス直流高電圧に重ねて、あるいは単にそのままで印加使
用し、該極短パルス高電圧を進行波として用いる所に特
徴がある。すなわち切替スイッチ13を介して支柱12より
ケーシング1内に侵入した極短パルス高電圧の波頭は上
部水平支持導体27を介して長さ約6mのすべての線状コロ
ナ放電極群8に分配され、矢印30の方向に下方に進行す
る。そしてその間に対向電極群6,6′に向って強力なス
トリーマー状の正コロナ放電を生じ、その際急激にエネ
ルギーを失って波高部が欠損するため、約3m進行すると
コロナ発生能力を失う。しかし更に3m進行すると絶縁物
29で支持された開放状態の下端部に至り、ここで該パル
ス高電圧は同一極性に全反射され、進入波と反射波が重
なって波高値が約2倍に持ち上がり、ピーキングを生ず
る。その結果再びパルス発生能力を回収し、反射波は上
方に向って進行しつつ約3mほどの間強力なストリーマー
状の正コロナ放電を生ずる。その結果全長6mの角コロナ
放電極がその全体に渡って強力な正コロナ放電を生じて
有効に脱硝・脱硫作用を行なうこととなる。
この様に正パルス高電圧を進行波として用いる場合
は、正コロナ放電による波高部の減衰が著しいので、終
端を開放としてピーキングを併用することが不可欠であ
る。それでもコロナ伝送線路を余り長くすることは意味
がなく、高々全長は6〜10m程度におさえないとコロナ
放電線の中間部にコロナ放電の発生しない部分が生ず
る。したがって大量のガスを処理するには、コロナ電極
系の並列電極数を増す他はなく、場合によりケーシング
1を上方に延長してこの部分に同じ構造のコロナ電極系
を上部水平支持導体27を共通として対称状に反転配置せ
るものを配設し、滞留時間を長くする必要を生ずる。勿
論この場合には碍管11をケーシング1の側壁に設けねば
ならない。また本例でバイアス直流高圧電源の出力電圧
と極短高圧パルス電源の出力電圧を負極性とすると、各
コロナ放電線8の長さは6mであり、また負パルス電圧の
線上での伝播中のコロナ放電に伴なう減衰ははるかに少
ないので、コロナ電極系は集中定数回路として働く。そ
こで使用する高圧ケーブル17(図に示されていない)を
充分長くして分離用伝送線路とする必要がある。この時
放電極群8にはバイアス直流高電圧に重ね極短パルス高
電圧がそのままの波形で印加され、脱硝・脱硫を行なう
と共に、排ガス中に含まれたダスト及び生成硫安粒子を
荷電してこれを電気集塵作用で対向電極群6,6′上に捕
集する。またスイッチ13を左に投入すると負の極短パル
ス高電圧が直接コロナ電極系に印加され、負コロナ放電
を生成するのみならず、該コロナ電極系の電極間静電容
量を充電して直流電界を形成、やはり電気集塵作用を生
ずる。但しこの場合、コロナ放電極近傍のコロナ放電域
から負イオンが対向電極に向って移動、負イオン電流を
生ずることにより、上記電極間静電容量に貯えられた電
荷が放電されてコロナ放電極8の電圧はCR減衰を示すの
で鋸歯状態となり、その頂部に急峻な極短パルス電圧の
重なったものとなる。またケーブル17を短くしたり省略
するとコロナ放電極の電圧波形は上記鋸歯状波に、その
波頭部ですでに述べた連成振動による高周波減衰振動の
重なったものとなる。
第5図は負の極短パルス高電圧を用い、その全長Loが
式(2)の条件を満足する様な長い一本の線状コロナ放
電極8を相対する接地対向電極群6,6′の中間にジグザ
グ状に張架し、かつ終端を開放としてコロナ伝送線路と
し、パルス電圧を進行波として伝播させつつ負コロナ放
電を行わしめる方式の本発明による排ガス脱硝・脱硫装
置の縦断面図で、本例ではこの装置が電気集塵装置を兼
ねている。図においてケーシング1内に接地配設された
垂直対向電極群6,6′は集塵極を兼ねており、絶縁され
た金属支持枠7に碍管3,下部絶縁物29,上部絶縁物32を
介して張架固定された線状コロナ放電極群8は、交互に
下部接続導線を兼ねたピーキング用コロナ33,上部接続
導線を兼ねたピーキング用コロナ34で接続されて、ジグ
ザグ状の長い終端開放のコロナ伝送線路35を形成すると
共に電気集塵装置の放電極を兼ねている。
そして各対向電極間に多数並列に配設されたコロナ伝
送線路群35は入力端36の上方でこれらと接続された分配
用共通導線37,碍管38を介して切替スイッチ13に接続さ
れ、本例の図では塞流インダクタンス14を介してバイア
ス直流高圧電源15の負の出力端子に接続されるととも
に、結合コンデンサー16,高圧同軸ケーブル17を介し
て、図には示されていない高圧極短パルス電源18の負の
出力端子に接続されている。これによりコロナ電送線路
35には常時負の直流バイアス高電圧が印加され、これに
重ねて負の極短パルス高電圧が碍管38をへて進行波とし
てケーシング1の内部に進入、共通導体37を介して分配
されたのち各コロナ伝送線路35の入力端36に印加され、
35の上を矢印39の方向にジグザグ状に進行しつつ負コロ
ナ放電を全長にわたって発生、その放電化学作用で予め
アンモニアを添加ののち入口2よりケーシング1内に進
入せるNOx,SO2を含む排ガスの脱硝と脱流を行う。また
この時負コロナ放電で生じた負イオンがガス中に浮遊し
たダストに射突してこれを強力に負に荷電し、そのため
ダストはクーロンカによってガスから分離し、対向電極
をかねた集塵極群6,6′の表面に捕集される。この際SO2
がSO3に酸化され、更にNH3と結合して生じた硫安微粒子
も同様に電気集塵作用により6,6′の表面に捕集され
る。したがって該集塵極群6,6′に槌打装置40により機
械的衝撃を与えることにより捕集されたダスト層は下方
に落下し、ホッパー4内に受納される。この場合硫安粒
子はその粒径が極めて細かく、コロナ放電極群8にも堆
積し、コロナ放電を抑制する傾向があるので別の槌打装
置41により、8の支持枠7を槌打してこれを除去する。
NOx,SO2およびダストを除去された清浄ガスは直接スタ
ックへと導かれる。負極性の進行波パルス高電圧は正極
性のそれに比べて電極間を橋絡する様な長いストリーマ
ー状のコロナ放電を発生せず、コロナ放電はコロナ放電
極の近傍領域に限定される。したがってガス通路はコロ
ナ放電領域から対向電極に向って流れる単極性の負イオ
ンのみに満され、正のストリーマー・コロナの様にガス
間隙全体が粒子電荷を除電する作用をもった正負両極性
イオンで満たされることが少ない。その結果負コロナ放
電ではガス通路のほぼ全域でダスト粒子への負イオン射
突による荷電が可能となり、電気集塵作用が発現する。
すなわち、本発明による脱硝・脱硫装置をして電気集塵
装置を兼ねしめるためには負の極短パルス高電圧を用い
ることが不可欠の条件である。しかし上述の如く負コロ
ナがコロナ放電極の近傍域のみに局限されるので(1)
その領域内でしか脱硝・脱硫が行われず、空間の利用効
率が悪いので大きなスペース、長い滞留時間が必要とな
る。(2)またコロナの局在に伴う分だけ、コロナ放電
極単位長当りのエネルギー消費が少く、コロナ放電に伴
う極短パルス高電圧の波高部の欠損が正パルスに比べて
格段に少くなる。換言するとコロナ伝送線路上のコロナ
放電成正可能な有効長が長くなる。しかし(1),
(2)の特性は脱硝・脱硫を大容積の電気集塵装置内で
行なう場合にはむしろ好都合である。勿論この場合終端
を開放してピーキングを行う必要があることは正の極短
パルス高電圧を用いる場合と同じである。
本例で切替スイッチ13を左に投入すると負のバイアス
直流高圧電源15が切りはなされ負の極短パルス高電圧が
直接ケーブル17から分配用共通導体37を介して各コロナ
伝送線路35に印加され、その上を進行波パルス高電圧と
して伝播する。この場合パルス高電圧の波高値を充分高
くしておくと強力な負コロナ放電を発生して脱硝・脱硫
作用を発揮する。またすでに述べた理由でコロナ放電極
8の電圧はCR減衰による負の鋸歯状波電圧の波頭部に急
峻なパルス電圧、又は高周波の減衰振動(ケーブル17を
短くするか、とり除いた場合)が重なったものとなり、
電極間のガス通路に直流電界成分があらわれて、ダスト
と生成硫安粒子の電気集塵が行われる。本例において下
部のピーキングコイル33のインダクタンス値よりも上部
のピーキングコイル34のインダクタンス値の方が大とな
っており、これによって挿入点での伝送線路のサージイ
ンピーダンスを順次に上げてパルス電圧のピーキングが
行われる。その結果伝播中のコロナ放電によりパルス波
高部が次第に失われ、コロナ放電が弱まるのを防止する
ことが出来る。この様なピーキングは以下に示す様な別
の方法でも実行できる。
すなわち第6図(a)は第5図の実施例においてコロ
ナ伝送線路35を複数個の並列接続せる線状コロナ放電極
8のグループ(以下段とよぶ)を、更に直列接続して形
成し、その並列コロナ放電極数を順次減少して伝送線路
のサージインピーダンスを上昇することによりパルス電
圧のピーキングを行ったものである。本例では第一段の
線状コロナ放電極郡42が金属支持枠7に固定せる上下の
絶縁物32、29に絶縁支持された上下水平支持導体43、44
に張架固定せる3本の線状コロナ放電極8の並列接続さ
れたのから成り、第2段45は同様の上下の水平支持導体
43′,44′に張架せる2本の並列接続せる線状コロナ放
電極8′、第3段46は上下で絶縁物32、29に張架固定せ
る1本の線状コロナ放電極8″より成り、それぞれ下端
と上端で接続導線33′,34′により水平支持導体44と4
4′,及び43′とコロナ放電極8″の上端が接続される
ことにより42,45,46の各段が直列接続されて、入力端36
より終端47に向って3段階にサージインピーダンスが上
昇する終端開放のコロナ伝送線路35を形成している。こ
れによりコロナ放電によって波高部を欠損した進行波パ
ルス電圧の充分なピーキングが行われ、該コロナ伝送線
路の全長にわたり均一かつ旺盛な負コロナ放電があらわ
れる。同図における上記以外の番号の要素の名称と機能
は第1図,第2図,第5図の同一番号の要素のそれと同
じである。ただしアンモニアの容器20,注入パルス21,注
入ノズル22,切替スイッチ13につながる塞流インダクタ
ンス14,バイアス直流高圧電源15,結合コンデンサー16,
高圧同軸ケーブル17,高圧極短パルス電源18は省略され
て本図には画かれていない。
第6図(b)は第6図(a)において並列線状コロナ
放電極数を逐次減じてピーキングを行う代りにコロナ放
電極8a,8a′の巾を上方から下方に向けて減ずることに
より、これらの対向電極6,6′に対する静電容量を減
じ、サージインピーダンスを連続的に下方に向けて高め
てピーキングを行ったもので、本例の方式は特に正の極
短パルス高電圧の印加時にそのピーキングを簡単に行う
方法として適している。この様なコロナ放電極8a,8a′
をピーキング−放電極という。図における8a,8a′以外
の番号の要素の名称及び機能は第6図(a)の同一番号
の要素のそれと同じであり、更に図においては塞流イン
ダクタンス14,正のバイアス直流高圧電源15,正の高圧極
短パルス電源18及び高圧同軸ケーブル17が省略されて画
かれておらない。
第7図は本発明のいま一つの実施例の縦断面図でコロ
ナ放電極8と非コロナ第三電極47及びこれらの両側の一
対の対向電極6,6′をもって三電極式コロナ電極系を構
成し、かつこれを長いコロナ伝送線路35として構成し、
排ガスの脱硝・脱硫・集塵を行う様にした装置である。
図において中間に垂直支柱48′を有する非コロナ第3電
極47を兼ねた金属支持枠7の相隣る垂直金属柱群48,4
8′,48″の中間に、線状コロナ放電極8,8′がこれと平
行に、これより絶縁されて配設され、支持枠7の上下の
水平支持導体27,28を貫通する碍管31,49,50及び27に固
定された上部絶縁物32によって張架固定され、かつ接続
導線33′によって直列接続されて一本の長い終端開放の
線状コロナ放電極を形成し、それぞれの両側の一対の非
コロナ第三電極48−48′,48′−48″及び一対の対向電
極6,6′との間に4個の部分コロナ伝送線路を形成し、
これらが並列接続された一つのコロナ伝送線路35を形成
している。金属支持枠7は支柱12,導線58,スイッチ51,
塞流インダクタンス14を介してバイアス直流高圧電源15
の負の出力端子に接続されており、その負のバイアス直
流高電圧は二連切替スイッチ52,導線53,漏洩用高抵抗54
を介してコロナ放電極8にも印加されている。いま絶縁
された高圧極短パルス電源18から導体外皮55が絶縁され
た高圧同軸ケーブル17の心線56と外皮55,導線53,二連の
切替スイッチ52および導線57,58を介して供給された極
短パルス高電圧は,分配用共通導体37及び金属支柱12を
介して長いコロナ放電極8の入力端36と金属支持枠7の
左上端59間に前者を負とする極性で印加され、次いで8
−48,8−48′,8−6,8−6′からなる並列コロナ伝送線
路、次いで8′−48′,8′−48″,8′−6,8′−6′か
らなる終端開放の並列コロナ伝送線路を進行波パルス高
電圧として伝播し、その間に主として8より48,48′,
また8′より48′,48″に向って強力な負コロナ放電を
行い、排ガスの脱硫・脱硝を行う。またこの際生じた負
イオンはガス通路にバイアス直流高圧電源15の作用で形
成されている直流電界の作用で対向電極6,6′へと駆動
され、この間に排ガス中のダスト及び生成硫安粒子に射
突してこれを負に荷電し、クーロンカの作用で集塵極を
かねた対向電極6,6′上に分離捕集する。この方式の特
徴は非コロナ第3電極47を用いているため、これとコロ
ナ放電極8,8′との距離を充分小さく選定でき、高圧極
短パルス電源の出力パルス電圧の値を比較的低くしても
両電極間に本発明の脱硝・脱硫のための電界値条件を満
足する高い電界を容易に形成できる点にある。勿論この
場合負コロナの一部はコロナ放電極8,8′より対向電極
6,6′に向っても進展し、バイアス直流高圧電源15の出
力電圧を充分高くしておくと、コロナ放電極8,8′と対
向電極6,6′との間のガス通路19においても脱硝・脱硫
反応が行なわれる。尚スイッチ51を投入したまま二連切
替スイッチ52を右に投入すると、高圧極短パルス電源18
よりケーブル17を介して供給される極短パルス高電圧は
結合コンデンサー60′,60を介して導線57,58に印加され
るので、該高圧極短パルス電源18は絶縁の必要がなくな
り、また高圧同軸ケーブル17の外皮55も接地することが
出来る。スイッチ51をオフするとバイアス直流高電圧が
コロナ放電極8,8′と非コロナ第三電極にかからなくな
り、脱硝・脱硫作用は存続するが、電気集塵作用は消失
する。
第8図は本発明のいま一つの実施例の縦断面図で、第
7図において非コロナ第三電極47の代りに線状コロナ放
電極61,61′,61″より成るコロナ第三電極62を上下の水
平支持導体27,28に固定張架して用い、61−61′,61′−
61″の中間に線状のコロナ放電極8,8′を上方において
は上部水平支持導体27を貫通する碍管31,31′,下方に
おいては下部水平支持導体28に固定された絶縁物29,2
9′により張架して絶縁配設したものである。8,8′の上
端は分配用共通導体37に接続され碍管38,導線57,二連切
替スイッチ52を介して絶縁された高圧極短パルス電源18
の正の出力端子に接続された高圧同軸ケーブル17の心線
56に接続されている。また上部水平支持導体27はその右
端において金属支柱12,導線58,スイッチ51,塞流インダ
クタンス14を介してバイアス直流高圧電源15の正の出力
端子と接続され、更に二連切替スイッチ52を介して上記
高圧同軸ケーブル17の絶縁された導体外皮55に接続され
ている。したがって線状コロナ放電極8,8′には常時は
高抵抗54を介して、線状コロナ第三電極61,61′,61″と
同様に,接地対向電極6,6′に対して正のバイアス直流
高電圧が印加されており、これに重ねて極短パルス高電
圧が8,8′を61,61′,61″に対して正極性とする如き極
性をもってコロナ放電極8,8′に印加される。この場合
には極短パルス高電圧の急峻な波頭部が上から下に向っ
て伝播する過程でまず61,61′から8に向って、また6
1′,61″から8′に向って負のストリーマー状コロナ放
電が生じ、これに誘発されて8から61,61′及び6,6′に
向って、また8′から61′,61″及び6,6′に向って強力
な正のストリーマー状コロナ放電が生じて両コロナ放電
極間及びコロナ放電極8,8′と対向電極6,6′間のガス通
路19を橋絡し、排ガスの脱硝・脱硫を行なう。この場合
8,8′の長さは約6mで、下端がピーキング作用のある開
放端となっているので、すでに述べた理由で正コロナ放
電に伴なう極短パルス高電圧波高部の著しい欠損にも拘
らず、ほぼ6mの全長にわたって均一な正負コロナ放電を
生ずる。本例の様に第三電極をもコロナ放電極とする時
の利点は、(1)第三電極61,61′,61″からの先駆負コ
ロナ放電による放電化学的脱硝・脱硫作用が加わるこ
と、(2)このストリーマー状先駆負コロナ放電による
衝突電離と光電離作用により予め両コロナ電極間及びガ
ス通路19に電子が生成され、その上コロナ放電極8,8′
近傍まで伸展した負コロナストリーマーは、8,8′の前
面に強力な電子空間電荷電界を生ずるので、次の瞬間8,
8′から正ずる正のストリーマーコロナ放電が極めて安
定かつ強力となり、脱硝・脱硫作用がより有効に発揮さ
れるという点にある。二連切替スイッチ52を右に倒せば
高圧極短パルス電源18を絶縁する必要がなくなることは
第7図の実施例と同様であり、またスイッチ51をオフす
ると正のバイアス直流高電圧が8,8′,61,61′,61″に印
加されなくなるのでガス通路に直流バイアス電界がなく
なり、極短パルス高電圧印加時における8,8′から6,6′
への正のストリーマーコロナ放電の進展が弱まり、脱硝
・脱硫効果が減ずるが、集塵効果があらわれる。
第9図は対向電極自体もコロナ放電極とした二電極式
のコロナ電極系をもって本発明を実施せるものの一例で
ある。図において63,64はそれぞれ矩形断面を有する素
線2本より成る所の二重らせん電極で、それぞれ上下端
においてケーシング1の天井65に固定された二重らせん
溝を有する支持碍子66,67,水平ビーム9に固定された二
重らせん溝を有する支持碍子68,69のらせん溝にねじ込
まれて絶縁張架されている。そして63,64の二本の素線7
0−71,72−73は下端において接続導線74,75により 互いに接続されており、これにより63,64は直列接続さ
れて一つの終端開放のコロナ伝送線路を形成している。
そしてその入力端79は導線76,77,碍管7を介して高圧同
軸ケーブル17の心線56及び接地された導体外皮55に接続
され、これによって高圧極短パルス電源18に接続されて
いる。いま上記入力端79に印加された極短パルス高電圧
は進行波として二重らせん電極63の二本の素線70,71に
沿って下方に伝播し、次いで74,75を介して二重らせん
電極64の下端に移り、その素線72,73に沿って上方に伝
播し、その開放終端80に至り、ここで全反射されてピー
キングが行われる。この管に63の素線70,71及び64の素
線72,73の全体に沿って両方の素線から相手素線に向っ
て強力な負のストリーマー状コロナ放電と、両素線間を
橋絡する強力な正のストリーマー状コロナ放電を発生
し、アンモニアガスを添加の上入口2より導入された排
ガスの脱硝と脱硫を行う。浄化されたガスは出口3より
集塵装置を介して硫安ダストを除去のうえスタックへと
排出される。40,40′は天井6にとりつけた槌打装置
で、二重らせん電極の素線上に付着堆積する硫安ダスト
を槌打衝撃によって下方のホッパー4に落下せしめ、排
出口5より外部に排出する。本例の特徴は両素子とも線
状コロナ放電極たる二重らせん電極を使用したことで、
すでに述べた如き負コロナと正コロナの協同的相乗作用
によって脱硝・脱硫効果を高め、更に電極の空間装荷率
を向上でき、かつ多数本の電極を容易に取り付けうると
いう構造上の利点が大きい。
第10図(a)は本発明に利用する極めて巾の短いパル
ス高電圧を発生する為の高圧パルス電源の一回路方式を
示す。図において81は低圧主電源で昇圧変圧器82の一次
側に接続されて交番主電圧を供給し、その二次側に波高
値150KVの交流高電圧を発生、これが半波整流器83,保護
抵抗84,塞流インダクタンス85を介してタンクコンデン
サー86を負の150KVに充電する。この場合はタンクコン
デンサー86は交流電圧によりゼロ電圧からピーク電圧迄
充電されるので、充電に伴う回路損失は交流充電特有の
極めて小さな値に止る。この充電半周期の期間内には、
該タンクコンデンサー86の一端と、高圧同軸ケーブル17
の一端に接続された固定火花電極87,88に介在する回転
火花スイッチ89の大地から絶縁された回転子90に90度の
角度をもって固定された回転火花電極91,92,93,94はい
づれも87,88から充分の離隔距離をもって遠ざかってお
り、この部分に火花が発生することはない。すなわちこ
の回転火花スイッチ89は、90度の角度をもって配置され
互いに導通せる4個の火花電極91〜94を有する大地から
絶縁された回転子90と、これを上記二次側交流高電圧の
周波数の同期して回転させる電動機で、丁度整流器83が
導通状態にある半周期には回転火花電極91〜94が固定火
花電極87,88から離隔しており、次に交番主電圧の次の
半サイクル、したがって昇圧変圧器82の二次側交番電圧
の極性が反転し、整流器83が阻止状態になった半周期の
期間内に二対の回転火花電極91−93,92−94のいづれか
一対が順次に固定火花電極87,88に接近して火花を発生
させる様に位相調整器95の作用で供給電圧の位相、した
がって、回転位相を制御された同期電動機96より成る。
いま回転火花スイッチ89が火花によりオンすると、タン
クコンデンサー86の充電電圧が同軸ケーブル17のサージ
インピーダンスZ。(純抵抗R)を通じて放電、そのCR
放電波形が負の極短パルス高電圧の進行波として右方に
伝播し、結合コンデンサー16を介して本発明による排ガ
ス脱硝・脱硫装置97内に入り、予め負の直流バイアス高
圧電源15により塞流インダクタンス14を介して負のバイ
アス直流高電圧を印加されている所のジグザグ状の長い
線状コロナ放電極より成るコロナ伝送線路35に印加さ
れ、脱硝・脱硫・集塵作用を行う。
第10図(b)は第10図(a)の例で、低圧交流主電源
81が商用周波交流電源98と逆並列接続のサイリスター9
9,100の直列接続回路から成り、かつ半波整流器83の代
りに全波整流器101を用いた本発明に使用すべき極短パ
ルス高圧電源の例の回路方式を示し、他のすべての要素
はサイリスター99,100の制御信号部102を除いて第10図
(a)と同様である。本例では交流主電圧に同期してそ
の半波毎の適当な位相時点で交互にサイリスター99,100
に制御信号部102から制御信号を供給し、これを導通せ
しめる。制御信号部102からは更に導線103を介して別の
制御信号が位相調整器95に送られ、これにより同期電動
機96の回転位相を制御して、サイリスター99,100がオン
状態にある時は回転火花スイッチ89の固定火花電極87,8
8と回転火花電極91〜94が充分離隔していて火花を発生
せず、サイリスター99,100がオフ状態の時にのみ上記火
花電極が近接して火花を発生する様にしている。
第11図は第10図(a),(b)のコロナ伝送線路35と
対向電極6,6′の間に生ずる電圧Vの波形を示すもの
で、tは時間を示す。電圧波形は負のバイアス直流高電
圧Vdに負の極短パルス高電圧が周期的に重畳したものと
なる。したがって(Vd+Vp)が両電極間のガス通路に加
わる電圧の波高値(ピーク)値となり、パルス電源の出
力電圧をVdの分だけ減らすことが出来て経済的となる。
この場合負の極短パルス高電圧により発生した負イオン
は、負のバイアス直流高電圧により対向電極6,6′へと
駆動されるので、排ガス中のダストや脱硫による生じた
硫安ダストを負イオンの射突で荷電する。そして上記バ
イアス直流高電圧によりガス通路に直流電界が存在する
ので、この電荷を帯びた粒子を対向電極6,6′に駆動・
捕集するという電気集塵作用があらわれる。しかし集塵
を目的とせず単に排ガスの脱硝・脱硫のみを目的とする
場合、特に正の極短パルス高電圧を用いる場合(この場
合装置容積を大幅に縮小出来る)にはバイアス直流高電
圧を常時コロナ放電極に印加しておくと、イオンが直流
電界により移動してイオン電流が流れ、これに伴ってか
なりのエネルギー損失を生ずるので好ましくないことも
ある。この場合にはバイアス高電圧として直流電圧の代
りに形成の容易な巾の広いバイアス・パルス高電圧を用
いると、イオン電流による電力損失を大幅に低減できて
好都合である。
第12図は本発明に用いるためのこの様なバイアス・パ
ルス高電圧を併用した高圧極短パルス電源の一例であ
る。104は高圧極短パルス電源で低圧主電源81,昇圧変圧
器82,両波整流器101,減衰抵抗84,塞流インダクタンス8
5,結合コンデンサーを兼ねたパルス波形成形用コンデン
サー105,漏洩抵抗106,及び固定火花電極107と接地され
た回転子89上にとりつけられた4個の回転火花電極91,9
2,93,94,その駆動用同期電動器96,その位相調整器95及
びその制御信号部108が図示の如く結線,配設されたも
のより成る。また109はバイアス・パルス高電圧を発生
するための高圧バイアス・パルス電源で、低圧商用周波
数電源110,昇圧変圧器111,両波整流器112,減衰抵抗113,
塞流インダクタンス114,タンクコンデンサー115,サイリ
スタースイッチ素子116,これと逆並列に接続された整流
器118,スイッチ素子116の制御信号部108,共振用インダ
クタンス117,整流器118と直列の小さな保護インダクタ
ンス119,残留電圧リセット用サイリスタースイッチ120,
その制御信号部108,120の保護抵抗121,切替スイッチ122
及び123,昇圧用パルス変圧器124,小さな保護インダクタ
ンス125,高圧導線126,127,128及び接地導線129,出力端
子130,131が図示の如く結線,配設されたものより成
る。高圧極短パルス電源104の出力端子132,133は分離用
伝送線路を兼ねたケーブル17の入力端で、その心線56と
導体外皮55に接続され、ケーブル17の出力端では心線56
は脱硝・脱硫装置97のコロナ放電極群8に、また導体外
皮55は接地された対向電極群6,6′に接続されている。
またバイアス・パルス高圧電源109の出力端子130,131は
それぞれ高圧極短パルス電源104の出力端子132,133に図
の如く接続されている。いま切替スイッチ122,123が図
示の如く投入されている時はパルス変圧器124は切り離
されている。先づ低圧主電源81の出力電圧がゼロ値付近
の値をとる時その信号が導線134を介して制御信号部108
に伝えられ、ここからトリガー用制御信号が導線135を
介してサイリスター116の制御グリッドに与えられ、116
がオンする。これにより充分に大きな静電容量Coを有す
るタンクコンデンサー115の正の直流高電圧がインダク
タンス値Lの共振用インダクタンス117,導線126及び12
7,保護インダクタンス125,出力端子130,132及び導線12
9,出力端子131及び133を介し、更にケーブル17を介して
脱硝・脱硫装置97のコロナ放電極群8と対向電極群6,
6′の間に印加され、その電極間静電容量Clをコンデン
サー115の充電電圧Voのほぼ2倍近くの電圧(波高値)
+Vpoまで117のLとClとの過渡振動によって共振充電す
る。但しCo≫Clとしてある。次に同じくLとClの過渡振
動によってClの電圧Vpoが共振インダクタンス117,整流
器118,保護インダクタンス119を介してタンクコンデン
サー115のCoに向って放電し、この一周期の過程でコロ
ナ放電極群8と対向電極群6,6′の間にその巾がLとCl
で定まる巾の広い波高値Vpoの正のバイアスパルス高電
圧が印加される。但し回路損失のため常に端子130,131
間には直流小電圧Vrが残留し、これを放置すると、これ
が累積してLとClによる過渡振動自体が起きなくなるの
で、一周期の終りに108からトリガー信号が導線136を介
してリセット用サイリスタースイッチ120に与えられて
これをオンし、残留電圧が小さな保護抵抗121,及び該サ
イリスター120を介して放電する。この場合切替スイッ
チ122,123をそれぞれ反対方向に投入すると、このリセ
ット用サイリスタースイッチ120が切り離され、パルス
変圧器124が接続され、上記バイアス・パルス高電圧の
昇圧が行なわれると共に該残留電圧Vrはパルス変圧器12
4の二次巻線を介して放電されるが、パルス変圧器の損
失が加わる。さて上記バイアス・パルス高電圧がその波
高値Vpoに達した時、108からの信号で制御された位相調
整器95でその回転位相を制御せる回転式火花スイッチ89
のスリップリング137を介して接地された回転子導体90
上に90の回転角をもって配置された回転火花電極91〜94
のいづれかが固定火花電極107に接近して火花を生じ、
結合コンデンサーを兼ねた静電容量Cのパルス波形成形
用コンデンサー105の充電電圧を、該回転火花スイッチ8
9,分離用伝送線路を兼ねた高圧同軸ケーブル17のサージ
インピーダンスZo(=R)を通して放電し、その際のCR
放電で生じた巾の極めて短い波高値Vpoの正の極短パル
ス高電圧が進行波としてケーブル17上を右に伝播し、か
かる急峻なパルスを通さないインダクタンス125の阻止
作用で上記バイアスパルス高電圧の波高値Vpoに第13図
に示す様に重畳してコロナ放電極群8と対向電極群6,
6′間に印加され、前記重畳した電圧(Vpo+Vp)におけ
る距離的平均電界強度がガス間隙に形成され有効な脱硝
・脱硫作用を著しく高い電力効率をもって達成する。
第14図(a)は本発明に用いるための極短パルス高電
圧を発生する為の高圧極短パルス電源のいま一つの回路
方式を示す。図において6より106に至る要素の名称と
機能は第10図(a)、(b)における同一番号の要素の
それと同じである。しかし本例ではパルス成形用の容量
性エネルギー貯蓄要素としてコンデンサー86の代りに高
圧同軸ケーブル17自身を使用してコスト低減をはかって
おり、その入力端138で心線16と導体外皮15の間の静電
容量を正の高電圧に充電されたタンクコンデンサー86か
ら減衰用小抵抗139、塞流インダクタンス140,141を介し
て充電する。次に該高圧同軸ケーブル17の心線側出力端
142に導線143を介して回軸火花スイッチ89が接続されて
おり、これがオンすると同軸ケーブル17の充電電圧が巾
の短かい矩形波の正の進行波パルス高電圧として結合コ
ンデンサー16を介して正のバイアス直流高圧電源15によ
り与えられている正のバイアス直流高電圧に重畳して脱
硝・脱硫装置97のコロナ放電極群8と対向電極群6,6′
の間に印加され、脱硝脱硫反応を行う。切替スイッチ13
を左に投入すると固定火花電極144,145が自爆型の固定
火花スイッチ147を構成し抵抗139と同軸ケーブル17の静
電容量で定まる時定数で立ち上る17の充電電圧が該火花
スイッチ147の火花電圧をこえる度にここで火花が発生
し、極短パルス高電圧が97の電極間に供給され脱硝脱硫
反応が行なわれる。この極短パルス高電圧は反射されて
逆方向に戻るが塞流インダクタンス140,141の阻止作用
でそれ以上電源内部に進入することなく反射され、以下
多重反射をくり返しつつ減衰する。
本例では容量性エネルギー蓄積要素として高圧同軸ケ
ーブル17を用いているが、その代りに第14図(b)に示
す様に86a,86a′…とインダクタンス140a,140a′…を梯
子型に接続して成る、LC梯子型エネルギー蓄積要素17a
を用いることも出来る。
第15図は本発明に使用すべき高圧極短パルス電源のい
ま一つの回路方式を示すもので、第12図における接地回
転火花スイッチの代りに固定火花電極107及び接地の可
動式固定火花電極146よりなる自爆型固定式火花スイッ
チ147を用いたものである。出力電圧Voの正の直流高圧
電源148と出力電圧−Vbの負のバイアス直流高圧電源15
により減衰抵抗84、塞流インダクタンス140および14を
介して結合コンデンサーを兼ねたパルス波形成形用コン
デンサー105が図示の極性でVo+Vbの電圧に充電され
る。その充電電圧が火花スイッチ147の火花発生電圧を
こえると自爆的に火花電極107,146の間に火花が発生
し、該コンデンサー105の一方の端子149の電位は瞬時に
大地電位となり、他方の端子150は−(Vo+Vb)とな
り、すでに−Vbのバイアス直流高電圧を与えられている
脱硝・脱硫装置97のコロナ伝送線路35に対して−Voの電
圧が加わる。次の瞬間コンデンサー105が電源148と15に
より105の静電容量と84の抵抗で定まる時定数で再び充
電されて元の状態に復し、火花スイッチ147が再びオン
し以下この動作がつづく。この過程で−Voは上記時定数
でCR減衰し、そのCR減衰電圧波形が、所要の極短パルス
高電圧となる。この場合火花電極107,146の消耗に伴い
両者の間隔が変化し、これに起因して火花スイッチ147
の火花電圧が上昇し、パルス電圧の上昇とその周波数低
下を生ずるので分圧器151,152により火花電圧を検出の
上これを火花電圧制御装置153に入力し、火花電圧が一
定となる様に火花電極146を把持した操作部154を上方に
制御駆動し、火花間隔をコントロールして火花電圧を一
定に保つ様にする。
本発明によるガス浄化装置を実際の排ガス浄化プロセ
スに使用するには、多種多様の使用形態がある。第16図
の(a)〜(e)はそのいくつかの例を示すものであ
る。斜線を施した部分155が本発明によるガス浄化装置
ある。同図(a)は正のパルス高電圧を用いた本装置15
5を排ガスダクトの途中に設置し、その上流側ダクト156
の内の排ガス中たとえばアンモニア等の適当な添加剤を
注入するめの容器20,注入管21,注入ノズル22より成る添
加剤注入装置157を設けたものである。同図(b)は更
にその上流側に排ガスを冷却して温度を下で脱硝脱硫等
のガス浄化効率を向上せしめるためのガス冷却塔158
を、また下流側に硫安塔の生成微粒子を捕集するための
バグフイルター、スクラッバー、ないしNO2、SO2等の水
溶性のガス状反応生成物を水・NaOH水溶液・Na2CO3水溶
液あるいは石灰乳等の吸収剤で除去するためのスクラッ
バー等、適当な後処理装置159を設けたもので160はスタ
ックである。同図(c)は三個の集塵室161,162,163よ
り成る電気集塵装置164の上流側集塵室161と、入口ダク
ト156内に本発明によるガス浄化装置155,155′を設けた
もので、155,155′にはそれぞれ正の極短パルス高電圧
を用いて短い滞留時間内に脱硝脱硫等のガス浄化反応を
完了し、硫安等の生成微粒子を排ガス中のダストと共に
集塵室162、163で電気集塵するものである。同図(d)
は図(c)ですべての集塵室161〜163に負の極短パルス
高電圧を負の直流バイアス高電圧に重ねて用い、本発明
によるガス浄化と電気集塵装置自体の負パルス荷電によ
る集塵とを併わせ行うものである。同図(e)は従来の
湿式スクラッバー方式による排ガス脱硫装置、バグフィ
ルター、電気集塵装置等の適当な前処理装置165のあと
に本発明によるガス浄化装置155をとりつけたものであ
る。
尚本発明はたとえば集塵用円筒型バグフィルター内部
に線状コロナ放電極を設けた如き加電式バグフィルター
において、該線状コロナ放電極に極短パルス高電圧を直
接ないし結合コンデンサーを介しバイアス直流高電圧に
重ねて印加することにより実施してもよいことも云うま
でもない。
[発明の効果] 本発明は触媒、スクラッバー、電子ビーム等設備費、
運転費が高く保守の面倒な装置を用いることなく、完全
に乾式で極短パルス高電圧によるコロナ放電の放電化学
作用によって排ガスの脱硝と脱硫を同時に且つ有効に行
う。したがって装置の腐蝕もなく、保守も容易で設備
費、運転費共に安い。また単に脱硝、脱硫のみでなく、
負コロナ放電の利用により排ガス中のダストの電気集塵
も同じ装置内で行うことが出来るので、好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による排ガス脱硝・脱硫装置の一実施例
の縦断面図、第2図はその横断面図である。第3図、第
4図、第5図、第6図(a)、第6図(b)、第7図、
第8図、および第9図、はそれぞれ本発明の異った実施
例の縦断面図を示す。第10図(a)、第10図(b)はそ
れぞれ本発明に用いる高圧極短パルス電源の異なった回
路方式を示し、第11図はこれらの電源で得られる電圧波
形を示す。第12図は本発明に用いる高圧極短パルス電源
のいま一つの回路方式を示し、第13図はこれにより得ら
れる電圧波形を示す。第14図(a)および第15図はそれ
ぞれ本発明に用いる別の高圧極短パルス電源の異なった
回路方式を示す。第14図(b)はLC梯子型エネルギー蓄
積要素の回路図を示す。第16図(a)、第16図(b)、
第16図(c)、第16図(d)、および第16図(e)は本
発明によるガス浄化装置をプロセスの系統内に設置して
使用する場合のそれぞれ異なった設置・使用形態を示
す。 図における主要要素の名称を記すと下記の通りである。 1……ケーシング 2……ガス入口 3……ガス出口 4……ホッパー 5……ダスト排出口 6,6′……対向電極ないし集塵極 8,8′……コロナ放電極 8a,8a′……ピーキング放電極 13,51,122,123……切替スイッチ 15……バイアス直流高圧電源 16,60,60′,105……結合コンデンサー 17……ケーブル 17a……LC梯子型エネルギー蓄積要素 18……高圧極短パルス電源 19……ガス通路 22……アンモニアガス注入口 23,156……入口ダクト 33,34……ピーキングコイル 35……コロナ伝送線路 40,41……槌打装置 48,48′,48″……垂直導体柱第三電極 52……二連切替スイッチ 61,61′,61″……線状コロナ放電極としての第三電極 81,110……低圧交流主電源 82,111……昇圧変圧器 83,118……半波整流器 85……塞流インダクタンス 86,86a,86a′,115,140,141……タンクコンデンサ 89……回転火花スイッチ 95……位相調整器 96……同期電動器 99,100,116,120……サイリスタ 101,112……両波整流器 102……制御信号部 117……共振インダクタンス 124……パルス変圧器 140,141,140a,140a′……インダクタンス 147……自爆型固定式火花スイッチ 148……高圧直流電源 151,152……分圧抵抗 153……火花電圧制御部 154……操作部 155,155′……ガス浄化装置 157……添加剤注入装置 158……ガス冷却塔 159……後処理装置 160……スタック 161,162,163……集塵室 164……電気集塵装置 165……前処理装置

Claims (39)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素酸化物、硫黄酸化物等のガス状汚染物
    質を含む浄化すべきガスを導入するためのガス入口と、
    浄化後のガスを排出するためのガス出口を備えたケーシ
    ング内のガス通路に、少なくとも一個をコロナ放電極、
    少なくとも他の一個を該コロナ放電極と対向した対向電
    極として相互に絶縁の上配設せる二個以上の独立な電極
    より成るコロナ電極系を設け、該コロナ放電極と他の電
    極との間にパルス巾の極めて短い極短パルス高電圧を印
    加するための容量性エネルギー蓄積要素、その充電用電
    源及び放電用高速スイッチ要素より成る高圧極短パルス
    電源を設けた所のガス浄化装置において、該高圧極短パ
    ルス電源のパルス巾を1μs以下とし、0℃・1気圧に
    おけるガスの密度を1としたときの前記ガスを浄化する
    際の温度・気圧におけるガスの相対密度をdとした際、
    印加する極短パルス高電圧の波高値電圧Vpを、前記コロ
    ナ放電極と対向電極間に化学的活性種(ラヂカル)を大
    量に発生せしめるための臨界の値を示す該コロナ放電極
    と該対向電極間の距離的平均電界強度をEpoとすると、E
    po=8d(KV/cm)以上となるようにすることを特徴とす
    る所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲(1)に記載の装置におい
    て、該容量性エネルギー蓄積要素がコンデンサーである
    ことを特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化
    装置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲(1)に記載の装置におい
    て、該容量性エネルギー蓄積要素が高圧同軸ケーブルで
    あることを特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス
    浄化装置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲(1)に記載の装置におい
    て、該容量性エネルギー蓄積要素がそれぞれ複数個のコ
    ンデンサーとインダクタンスのLC梯子型接続回路である
    ことを特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化
    装置。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲(1)より(4)までのい
    ずれかに記載の装置において、該放電用高速スイッチ要
    素が回転火花スイッチであることを特徴とする所の極短
    パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲(1)より(4)までのい
    ずれかに記載の装置において、該放電用高速スイッチ要
    素が固定式火花放電スイッチであることを特徴とする所
    の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲(1)より(6)までのい
    ずれかに記載の装置において、該コロナ電極系がコロナ
    放電極と対向電極のみから成る二電極系であり、該他の
    電極が対向電極であることを特徴とする所の極短パルス
    高電圧加電式ガス浄化装置。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲(7)に記載の装置におい
    て、該対向電極が非コロナ電極であることを特徴とする
    所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲(7)に記載の装置におい
    て、該対向電極がコロナ放電を行うコロナ放電極である
    ことを特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化
    装置。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲(1)より(6)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ電極系がコロ
    ナ放電極,対向電極の他、該コロナ放電極の近傍に両電
    極より絶縁されて配設せる第三電極を有する三電極系で
    あることを特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス
    浄化装置。
  11. 【請求項11】特許請求の範囲(10)に記載の装置にお
    いて、該第三電極と該対向電極の間に直流高電圧を印加
    するための直流高圧電源を有し、かつ該極短パルス高電
    圧を該コロナ放電極と該他の電極としての該第三電極の
    間に印加することを特徴とする所の極短パルス高電圧加
    電式ガス浄化装置。
  12. 【請求項12】特許請求の範囲(10),(11)のいずれ
    かに記載の装置において、該第三電極が非コロナ電極で
    あることを特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス
    浄化装置。
  13. 【請求項13】特許請求の範囲(10),(11)のいずれ
    かに記載の装置において、該第三電極がコロナ放電を行
    うコロナ放電極であることを特徴とする所の極短パルス
    高電圧加電式ガス浄化装置。
  14. 【請求項14】特許請求の範囲(1)より(13)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ放電極と該他
    の電極との間に予めバイアス高電圧を印加するためのバ
    イアス高圧電源を設け、該バイアス高電圧に重ねてこれ
    と同極性の該極短パルス高電圧を結合コンデンサーを介
    して両電極間に印加することを特徴とする所の極短パル
    ス高電圧加電式ガス浄化装置。
  15. 【請求項15】特許請求の範囲(14)に記載の装置にお
    いて、該バイアス高圧電源が直流高圧電源であることを
    特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  16. 【請求項16】特許請求の範囲(14)に記載の装置にお
    いて、該バイアス高圧電源が該極短パルス高電圧の半値
    巾よりも十分に長い巾を有するバイアス用パルス高電圧
    を発生する所のバイアス・パルス高圧電源であることを
    特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  17. 【請求項17】特許請求の範囲(1)より(16)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ電極系として
    該コロナ放電極,該対向電極,該他の電極の中の少なく
    とも一つの長さが少なくともその上を伝播する該極短パ
    ルス高電圧の幾何学的長さの半分以上であり、かつその
    終端が開放されている様なコロナ伝送線路を用いること
    を特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装
    置。
  18. 【請求項18】特許請求の範囲(17)に記載の装置にお
    いて、該コロナ伝送線路を構成する少なくとも一つの長
    さの長い電極の少なくとも一つ以上の中間点においてピ
    ーキング用コイルを挿入することを特徴とする所の極短
    パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  19. 【請求項19】特許請求の範囲(17)に記載の装置にお
    いて、該コロナ伝送線路の全長を複数個の部分線路に分
    かち、その下流端の部分線路を除く部分線路が複数個の
    コロナ放電極の並列接続せるものより成り、かつその並
    列接続のコロナ放電極数が上流端より下流端に向って逐
    次減少する如きものであることを特徴とする所の極短パ
    ルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  20. 【請求項20】特許請求の範囲(1)より(17)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ放電極が帯状
    でかつ入力端から終端に向ってその巾を減ずる如きピー
    キング用コロナ電極であることを特徴とする所の極短パ
    ルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  21. 【請求項21】特許請求の範囲(1)より(19)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ放電極が断面
    が円形の線状コロナ放電極であることを特徴とする所の
    極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  22. 【請求項22】特許請求の範囲(1)より(19)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ放電極が断面
    が多角形の線状コロナ放電極であることを特徴とする所
    の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  23. 【請求項23】特許請求の範囲(1)より(19)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ放電極が断面
    が星形の線状コロナ放電極であることを特徴とする所の
    極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  24. 【請求項24】特許請求の範囲(1)より(19)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ放電極がスト
    リップ状の線状コロナ放電極であることを特徴とする所
    の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  25. 【請求項25】特許請求の範囲(1)より(19)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ放電極が突起
    付線状コロナ放電極であることを特徴とする所の極短パ
    ルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  26. 【請求項26】特許請求の範囲(1)より(19)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ放電極が突起
    付棒状コロナ放電極であることを特徴とする所の極短パ
    ルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  27. 【請求項27】特許請求の範囲(1)より(19)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ放電極が突起
    付ストリップ状コロナ放電極であることを特徴とする所
    の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  28. 【請求項28】特許請求の範囲(1)より(27)までの
    いずれかに記載の装置において、該極短高圧パルス電源
    と該コロナ電極系とを高圧同軸ケーブルによって接続
    し、かつ該同軸ケーブルの長さを少なくともその上で伝
    播する該極短パルス高電圧の幾何学的長さ以上として、
    これに分離用伝送線路の作用を付与したことを特徴とす
    る所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  29. 【請求項29】特許請求の範囲(1)より(8)まで及
    び(10)より(28)までのいずれかに記載の装置におい
    て、該コロナ放電極及び該対向電極がそれぞれ電気集塵
    装置における放電極及び集塵極であり、該ケーシングが
    その下方に補集粒子を受納するためのホッパーと、これ
    を外部に排出するための排出口を有し、排ガスの浄化に
    加えてガス中の微粒子の電気集塵を行うことを特徴とす
    る所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  30. 【請求項30】特許請求の範囲(1)より(29)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ放電極、対向
    電極の中少なくとも一者に機械的衝撃を与えるための槌
    打装置を設けたことを特徴とする所の極短パルス高電圧
    加電式ガス浄化装置。
  31. 【請求項31】特許請求の範囲(1)より(30)までの
    いずれかに記載の装置において、該コロナ電極系を電気
    集塵装置のケーシング内に配設したことを特徴とする所
    の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  32. 【請求項32】特許請求の範囲(1)より(31)までの
    いずれかに記載の装置において、該対向電極ないし集塵
    表面に液膜を形成する手段を具備したことを特徴とする
    所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  33. 【請求項33】特許請求の範囲(1)より(32)までの
    いずれかに記載の装置において、該浄化すべきガスに予
    め反応促進用添加剤を添加するための添加剤注入装置を
    備えたことを特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガ
    ス浄化装置。
  34. 【請求項34】特許請求の範囲(33)に記載の装置にお
    いて、該添加剤注入装置がアンモニア注入装置であるこ
    とを特徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装
    置。
  35. 【請求項35】特許請求の範囲(1)より(34)までの
    いずれかに記載の装置において、該浄化すべきガスに予
    め前処理を施すためのガス前処理装置を備えたことを特
    徴とする所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  36. 【請求項36】特許請求の範囲(35)に記載の装置にお
    いて、該ガス前処理装置がガス冷却塔であることを特徴
    とする所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  37. 【請求項37】特許請求の範囲(1)より(36)までの
    いずれかに記載の装置において、浄化後のガスを更に後
    処理するためのガス後処理装置を備えたことを特徴とす
    る所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
  38. 【請求項38】特許請求の範囲(37)に記載の装置にお
    いて、該ガス後処理装置が反応後のガスを吸収するため
    のガス吸収装置であることを特徴とする所の極短パルス
    高電圧加電式ガス浄化装置。
  39. 【請求項39】特許請求の範囲(37)に記載の装置にお
    いて、該ガス後処理装置が集塵装置であることを特徴と
    する所の極短パルス高電圧加電式ガス浄化装置。
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