JP5949631B2 - アクセルペダル装置 - Google Patents
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Description
そこで、改めてキックダウンスイッチを設け、ほとんどのアクセル開度領域においてはパワー感は弱いが低燃費を実現するパワートレイン制御を行なう一方、同キックダウンスイッチを踏込めば低速側変速を主な手段としてパワー感を出すパワートレイン制御に一時的に移行させるようにして、ドライバに、キックダウンスイッチの動作を境界として、低燃費走行とパワーが出る意のままの走りの双方が得られることを意識させる車が登場している。
したがって本発明の目的は、体格を異にする男女の如何なるドライバであっても適切にアクセル操作し得るピーク反力値を設定することにある。
よって、小柄な女性から大柄の男性までが、第2ペダル反力発生機構としてのキックダウンスイッチが作動しないように意識して力を弱めてペダルを踏込む必要もなく、かつ、キックダウンスイッチを作動させるのに力を込めてペダルを踏込む必要もなく、快適なアクセル操作を行なうことができる。
すなわち、第1ペダル反力発生機構が発生する反力を小柄女性の足首最大踏力としたとき、大柄男性の足首最大踏力は、その約2.4倍となり、小柄女性が脚全体で出せる踏力は、当該女性の足首最大踏力の約2.6倍となる(図4参照)。
したがって、第2ペダル反力発生機構の所定のピーク反力値を、Fの2.4倍以上で、かつ2.6倍以下の間に設定することにより、上記効果が得られるものである。
よって、小柄な女性から大柄の男性までが、第2ペダル反力発生機構としてのキックダウンスイッチが作動しないように意識して力を弱めてペダルを踏込む必要もなく、かつ、キックダウンスイッチを作動させるのに力を込めてペダルを踏込む必要もなく、快適なアクセル操作を行なうことができる効果がある。
図面はアクセルペダル装置を示し、図1において、オルガン式のアクセルペダル装置1は、ペダル部2がベース部3に回動可能に取付けられている。
上述のペダル部2は、その下端がベース部3に軸支されて立設されており、乗員足裏で踏込まれて無負荷時の初期位置(図示の状態)から車両前方側の終端位置まで所定角度(例えば、図3に示す15.1°)回動するように構成されている。
上述のベース部3と一体的に形成され該ペダル部2よりも下方に位置するハウジング4内には、図示しない復帰ばね(いわゆるリターンスプリング)が設けられると共に、ハウジング4の内部構造体とペダル部2との間には複数のリンク5(具体的には合計3個のリンクを有するが、図面ではそのうちの1つのみを示す)が設けられており、上記復帰ばねと複数のリンク5との両者により第1ペダル反力発生機構6を構成している。
また、上述のハウジング4には、アクセル開度センサ部としてのアングルセンサ7を設けている。このアングルセンサ7は上述のペダル部2の踏面部2aの回動位置に応じて、アクセル開度に係る信号を発生するセンサである。
さらに、上述のハウジング4のペダル部2下面と対向する上面部には、第2ペダル反力発生機構としてのキックダウンスイッチ8を設けている。
上述のアクセルペダル装置1は、図2に示すように、ドライバーズシート9が配設されるフロアパネル10前部のキックボード部11に配置されるものである。なお、ドライバーズシート9は、ドライバの着座面を形成するシートクッション9Cと、ドライバの背もたれ面を形成するシートバック9Bと、ドライバの頭部を保持するヘッドレスト9Hと、を備えている。
この実施例では、第1ペダル反力発生機構6による通常作動域と、キックダウンスイッチ8によるキックダウンストローク域とを有すると共に、踏込み側と戻り側とにヒステリシスを有する。
そこで、発明者らは、様々な体型の被験者での実測値に基づいて、前述の自然に発揮できる脚の力の最大値は、最大で各自の下肢の各部の質量に重力加速度を掛けた値(重量)に略一致することを見い出した。
つまり、乗員は自分の下肢の重量をペダルに作用させているときは、特に負担感を感じないのである。
ここで、一般に、下肢各部の体重比率は、それぞれ片脚について、上腿が体重の10.5%、下腿が5%、足が1.5%であることが知られている。
すなわち、G点のペダル反力が図3に仮想線αで示すように重過ぎる場合には、小柄な女性ドライバが図2に矢印Z1で示すように、足首だけでアクセルペダルを踏むことができず、同図に矢印Z2で示すように、脚全体でアクセルペダルを力を込めて踏込むことになる。逆に、G点のペダル反力が図3に仮想線βで示すように軽過ぎる場合には、キックダウンスイッチ8が作動しないように意識して力を弱めてペダル部2を踏込むことになり、このアクセル開度維持にドライバが拮抗筋を使うことになって、当該ドライバの疲労度が大となるので、この実施例ではG点のペダル反力を25.5Nに設定し、通常作動域におけるペダル部2の保持の容易化を図っている。
足首最大踏力=40×(5%+1.5%)≒2.6kgfとなり
1kgf=9.80665Nであるから、S1単位のNに換算すると、
2.6×9.8=25.5Nとなる。
よって、G点のペダル反力を25.5Nに設定することで、通常作動域におけるペダル部2の操作性、保持の容易化を図ったものである。
また、図3に示す通常作動域に対してキックダウンストローク域では、通常作動域での踏込み時とは異なる傾向でペダル反力を変化させることにより、通常作動域とキックダウンストローク域との間で、ペダル踏力に節度感を付与すべく構成している。
足首最大踏力=95×(5%+1.5%)=6.2kgf=60.8Nとなる。
そして、この足首最大踏力60.8Nは小柄女性の足首最大踏力25.5Nの約2.4倍となる。
脚全体の踏力=40×(10.5%+5%+1.5%)=6.8kgf=66.6Nとなる。
そして、この脚全体の踏力=66.6Nは当該小柄女性の足首最大踏力25.5Nの約2.6倍となる。よって、G点での反力をFとしたとき、P点のピーク反力値を、Fの2.4倍以上で、かつ2.6倍以下の間に設定したものである。
よって、小柄な女性から大柄の男性までが、第2ペダル反力発生機構としてのキックダウンスイッチ8が作動しないように意識して力を弱めてペダル部2を踏込む必要もなく、かつ、キックダウンスイッチ8を作動させるのに力を込めてペダル部2を踏込む必要もなく、快適なアクセル操作を行なうことができる。
すなわち、第1ペダル反力発生機構6が発生する反力(G点の反力)を小柄女性の足首最大踏力としたとき、大柄男性の足首最大踏力は、その約2.4倍(図3の仮想線y参照)となり、小柄女性が脚全体で出せる踏力は、当該女性の足首最大踏力の約2.6倍(図3の仮想線x参照)となる(図4参照)。
したがって、第2ペダル反力発生機構(キックダウンスイッチ8参照)の所定のピーク反力値(P点の反力値)を、F(G点の反力)の2.4倍以上で、かつ2.6倍以下の間に設定することにより、上記効果が得られるものである。
この発明のアクセル開度センサ部は、実施例のアングルセンサ7に対応し、
以下同様に、
第2ペダル反力発生機構は、キックダウンスイッチ8に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
2a…踏面部
6…第1ペダル反力発生機構
7…アングルセンサ(アクセル開度センサ部)
8…キックダウンスイッチ(第2ペダル反力発生機構)
Claims (1)
- 下端が軸支されて立設されており、乗員足裏で踏込まれて無負荷時の初期位置から車両前方側の終端位置まで所定角度回動するペダル部と、
上記ペダル部の踏面部の回動位置に応じて、アクセル開度に係る信号を発生するアクセル開度センサ部と、
上記初期位置からの上記ペダル部の所定の回動範囲を通常作動域とし、該通常作動域において、上記踏面部の回動量に比例した反力を発生する第1ペダル反力発生機構と、
上記通常作動域から前記終端位置までの前記ペダル部の回動範囲を、自動変速機をシフトダウンさせるキックダウンストローク域として、該キックダウンストローク域における上記終端位置の近傍で、上記踏面部の終端位置に向けた回動に抗する、上記第1ペダル反力発生機構よりも大きい所定のピーク反力を発生する第2ペダル反力発生機構と、を有するアクセルペダル装置であって、
上記通常作動域において、上記第1ペダル反力発生機構が発生するピーク反力値をFとしたとき、上記第2ペダル反力発生機構の所定のピーク反力値が、Fの2.4倍以上で、かつ2.6倍以下の間に設定されていることを特徴とする
アクセルペダル装置。
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