JP5948064B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
上記湾曲部は、挿入部内を挿通された牽引部材としての操作ワイヤを介して挿入部の基端側に設けた湾曲操作部(操作入力部)と連結されており、操作者は湾曲操作部を操作することにより、操作ワイヤを牽引して上記湾曲部を湾曲することができる。
操作者による手動の操作力量で湾曲部を湾曲操作する場合には、大きな操作力量が必要となるため、湾曲操作部を構成する湾曲操作部を傾倒操作により、電気的な駆動手段を介して牽引部材を牽引する電動アシスト方式の内視鏡が提案されている。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で湾曲部を安定して湾曲駆動できる内視鏡を提供することを目的とする。
(第1の実施形態)
図1に示すように内視鏡装置1は、第1の実施形態の内視鏡2と、この内視鏡2が接続される制御装置3と、内視鏡2に設けられたライトガイド14(図2参照)に照明光を供給する光源装置4と、内視鏡2に設けられた撮像素子16(図2参照)に対する信号処理を行う信号処理装置としてのプロセッサ5と、プロセッサ5により生成された画像信号が入力されることにより撮像素子16で撮像した画像を内視鏡画像として表示する表示装置6とを有する。
内視鏡2は、体腔内等に挿入される細長の挿入部7と、この挿入部7の基端(後端)に設けられ、術者などの操作者により把持される把持部8a(図2参照)を有する操作部8と、この操作部8から延出されたユニバーサルコード9とを有する。このユニバーサルコード9の末端の図示しないコネクタは、光源装置4とプロセッサ5に着脱自在に接続される。
挿入部7は、先端側から順に、硬質の先端部11と、湾曲自在の湾曲部12と、可撓性を有し長尺に形成された可撓管部13とが連設して形成されている。
図2に示すように操作部8内には、湾曲部12を湾曲操作するための操作入力を行う操作入力部21が設けてある。
上記吊り枠23の十字形状に突出(延出)したアーム端部には、上下、左右の4方向に牽引して湾曲部12を湾曲する牽引部を形成する湾曲ワイヤ(以下、単にワイヤと略記)24u,24d,24l,24rの手元側端部が取り付けられている。
ワイヤ24i(i=u,d,l,r)は、ジョイスティック22及び吊り枠23の下端側に配置された第1ガイドローラ25i,この第1ガイドローラ25iの挿入部7側となる前方位置に配置された第2のガイドローラ26iを経て、駆動部としてのモータ27により回転駆動されるプーリ28の外周位置に配置され、駆動力伝達部を形成する回転体としてのCリング29iに巻回される。
Cリング29iに巻回された各ワイヤ24iは、挿入部7内における上下、左右の方向に近いに内壁に沿って挿入部7内を挿通され、湾曲部12を構成する図示しない複数の湾曲駒における最先端の湾曲駒に先端が固定されている。なお、複数の湾曲駒は、湾曲部12の長手方向に、上下、左右の方向に回動自在に連結されている。従って、ワイヤ24iを牽引することにより、牽引されたワイヤ24iの方向に湾曲部12を湾曲させることができる。
なお、間欠駆動信号発生部30aは、モータ27を定速度等、連続的に回転させる連続駆動信号をスイッチング素子又はリレースイッチ等により、例えば一定周期でON/OFFして間欠駆動信号を生成するもので構成することができる。例えば、スイッチング素子又はリレースイッチ等を、内視鏡2内部に設けるようにしても良い。
なお、間欠駆動信号により、モータ27と共にプーリ28を回転及び回転停止させる周期は、プーリ28、Cリング29iを介してワイヤ24iを牽引して湾曲部12を湾曲させる動作において、湾曲部12が殆ど湾曲しない程度に小さい時間間隔である。
上記プーリ28の外周に配置されたCリング29iは、外周面に巻回されたワイヤ24iに作用する牽引力によって、その直径(又は半径)が縮径となるように弾性体で形成されている。従って、Cリング29iは、ジョイスティック22が中立位置から傾倒操作が行われない状態、つまりワイヤ24iの手元側端部を牽引しないで、ワイヤ24iに牽引力が作用しない状態では、Cリング29iはプーリ28の外周面に殆ど非接触で摩擦係合しない状態となる。この状態では、モータ27の駆動力を伝達するプーリ28の回転がCリング29iには伝達されない駆動力伝達停止状態となっている。
上記のようにジョイスティック22を備えた操作入力部21は、中立位置からの傾倒操作又は傾倒された状態から中立位置に復帰させる操作により、駆動力伝達状態と駆動力伝達停止状態とを切り替える状態切替部21aの機能を有する。通常、ジョイスティック22を中立位置から僅かに傾倒した角度において駆動力伝達状態と駆動力伝達停止状態とが切り替わるように設定されている。
また、本実施形態においては間欠駆動信号を、少なくとも駆動力伝達状態においてモータ27により駆動力をプーリ28を介してCリング29iに伝達するように制御する構成にしている。
本実施形態においては、モータ28はモータ制御部30による間欠駆動信号により間欠的に回転駆動する。また、プーリ28はモータ27とギアによる噛合により常時係合しているため、プーリ28も間欠的に回転駆動する。
また、中立位置の状態においては、いずれのワイヤ24iも牽引されていないため、Cリング29iとプーリ28とは駆動力伝達停止状態である。
プーリ28は、間欠的に回転(間欠回転とも言う)するため、この間欠的な回転の際に働く摩擦力によりCリング29dも間欠的に回転し、プーリ28の回転方向にワイヤ24uが牽引移動する。そして、湾曲部12が下方向に湾曲する。
このように操作者は、ジョイスティック22に対して傾倒操作を行い、傾倒操作によりCリング29iを駆動力伝達停止状態から駆動力伝達状態に切り替えることができる。そして、傾倒操作に対応してモータ27の回転駆動力によって湾曲部12を湾曲させるように操作者の湾曲操作をアシスト(支援)する電動湾曲機構を形成している。
なお、下方向に湾曲する場合で説明したが、他の方向に湾曲する場合には、ジョイスティック22の傾倒方向が異なるが、牽引されるワイヤと、縮径となるCリングが異なるのみで同様の作用となる。
なお、図4において時間(期間)Ta、Tbはモータ27が駆動力を発生している時間と駆動力を発生していない時間をそれぞれ示し、時間TaとTbの和の時間Tcが間欠回転の周期を示している。本実施形態では一定の周期Tcで間欠駆動信号を発生させるようにしている。
また、図4における1点鎖線はモータ27によりプーリ28を一定速度で連続回転させた場合のアシスト力を示している。このようにプーリ28を一定速度で連続回転させた場合には、一定のアシスト力Faとなる。このアシスト力Faは、回転しているプーリ28とCリング29iとが摺接した滑り状態に作用する動摩擦係数に対応した動摩擦状態での摩擦力に対応する。
例えば回転が停止又は停止に近い状態では、静止状態の場合に作用する最大静止摩擦係数に対応した静止摩擦状態となり、プーリ回転速度が0から一定の速度に達する途中までは最大静止摩擦状態と動摩擦状態との中間的な状態となり、一定の速度では動摩擦状態となる。そして、図4の点線で示すように略3角形(ないしは最大静止摩擦係数の状態が停止期間程度継続する図示しない台形状)のように変化する。
従って、本実施形態によれば、連続駆動の場合に比較して、簡単な構成でアシスト力を増大でき、湾曲部12を安定して湾曲駆動することができる。
図5は第1の実施形態の第1変形例におけるワイヤ挟み込み方式の操作入力部21Bを備えた電動アシスト湾曲機構の概略の構成を示す。
第1の実施形態においては、プーリ28の外周に配置した駆動力伝達部としてのCリング29iをジョイスティック22の傾倒操作によりCリング29iを縮径にして、(縮径前の駆動力伝達停止状態から)駆動力伝達状態にして、プーリ28を回転する駆動力をCリング29iに伝達し、ワイヤ24iを牽引駆動する構成にしていた。
また、湾曲部12に先端が固定されたワイヤ24iの手元側は、プーリ28と押圧板41iとの間を通して、ワイヤ24iの手元側端部がワイヤ24iの弛みを除去する弛み取りバネ44iに連結されている。
なお、図5においては、i=uの場合で示しているが、第1の実施形態の場合と同様にi=d,l,rのワイヤ24d,24l,24rに対応して、押圧板41d,41l,41r、操作ワイヤ43d,43l、43r等も設けられている。
また、本変形例においてもプーリ28は、間欠駆動信号が供給されるモータ27により間欠回転する。その他の構成は、第1の実施形態と同様の構成である。
次に本変形例の作用を説明する。
図5において、操作者が湾曲部12を上方向に湾曲するためにジョイスティック22を矢印Duの方向に傾倒操作を行うと、操作ワイヤ押圧板41uが回動軸42の回りで回転し、押圧板41uが、プーリ28の外周面と押圧板41uとの間に配置されたワイヤ24uをプーリ28の外周面に押し付ける。
また、本変形例においても、プーリ28が間欠回転するため、第1の実施形態の場合と同様にプーリ28を定速度で回転させる場合よりも、アシスト力を増大できる効果を有する。なお、上方向以外の方向に湾曲させる場合も同様の効果を有する。
次に図6―図8を参照して、第1の実施形態の第2変形例を説明する。図6は、中立位置の状態における(図7におけるB−B′線の方向から)操作入力部21周辺の構成を示す上面図を示し、図7は図6の矢印Cで示す方向から操作入力部21周辺の構成を示す側面図を示す。また、図8は図7の状態においてジョイスティック22を傾倒操作した場合の側面図を示す。
また、第1の実施形態においては、4つのプーリ28iが共通の軸方向に配置していたが、本変形例においては4つのプーリ28iは、ジョイスティック22の下端に連結した十字形状の吊り枠23の端部の下方位置に、それぞれ個別に配置されている。
各プーリ28iはそれぞれ軸51の回りに回動自在に、かつジョイスティック22の軸に関して90°ずつ回転させた対称な位置に配置されている。操作者がジョイスティック22を傾倒操作することにより、吊り枠23の端部でプーリ28iを押圧してそのプーリ28iを軸51の下方側に移動可能にしている。
また、図7に示すようにギア53iとプーリ28iとの間には、駆動力伝達部としての円筒状(又は円柱形状)の摩擦部材54iが軸51の回りに回動自在に配置されている。駆動力伝達部としての摩擦部材54iは、閾値以上となる押圧力が(軸51の方向に)作用した場合には、ギア53iの回転駆動をプーリ28iに伝達する機能を持つ。図6又は図7に示す中立位置の状態においては、摩擦部材54iの上面とプーリ28iの底面とは小さな隙間で離間した、両者が係合しない状態となっている。
そして、操作者がジョイスティック22を傾倒操作し、吊り枠23の端部でプーリ28iを押圧して、プーリ28iを軸51の下方側に移動し、その際、閾値以上となる押圧力でプーリ28iを摩擦部材54i側に押圧する状態になると、ギア52iを回転する駆動力が摩擦部材54iを介してプーリ28iに伝達する駆動力伝達状態に切り替えることができるようにしている。
なお、図7、図8においては、i=uに関係する軸51、プーリ28u、ギア53u、摩擦部材54uを示し、i=d,j,rに対応する軸51、プーリ28i、ギア53i、摩擦部材54iの図示を省略している。
その他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成である。次に本変形例の作用を説明する。
図6又は図7に示す中立位置の状態において、操作者が湾曲部12を上方向に湾曲させるためにジョイスティック22を図7における矢印Duの方向に傾倒操作すると、吊り枠23における矢印Du方向に延びる端部がプーリ28uの上端面を押圧して、プーリ28uを軸51の下方側に押圧移動させる。
このプーリ28uの押圧移動によりその底面が摩擦部材54uの上面を押圧する。押圧する押圧力が閾値以上になると、摩擦部材54uは圧縮されて、その上面がプーリ28uの底面に摺接し、両者の間の摩擦力によりギア53uの回転をプーリ28uに伝達する駆動力伝達状態となる。図8は、この状態に相当する。
また、本実施形態においてもモータ27を間欠的に回転駆動する構成のため、プーリ28uと摩擦部材54uとの間に作用する摩擦力を(モータ27を一定速度で連続回転させた場合よりも)増大できる。従って、プーリ28uを介して湾曲部12を上方向に湾曲させる牽引の駆動力を増大でき、湾曲部12を安定して湾曲駆動できる。なお、湾曲部12を上方向に湾曲させる場合で説明したが、他の方向に湾曲させる場合の作用も殆ど同様となる。このように本変形例においても、簡単な構成により、湾曲部12を安定して湾曲駆動できる。
本変形例は、例えば図3に示した駆動力伝達部を構成する各Cリング29iの内周面と、その内側に配置され、回転しているプーリ28の外周面との当接(摺動的な当接としての摺動当接、又は摺動接触又は摺接)を、例えば圧力により検知する圧力センサ57を設けている。なお、図9においては、i=dのCリング29iに圧力センサ57を設けた場合を示している。
図9の構成においてより具体的に説明すると、駆動力伝達停止状態においては、Cリング29iの内周面とプーリ28の外周面とは殆ど接触しない又は両者の間に圧力が作用しない状態であるので、その場合の圧力センサ57の検知信号の絶対値の大きさは、0の圧力値付近に設定された閾値未満となる。そして圧力センサ57の検知信号の絶対値の大きさが閾値未満となる判定結果の場合には、モータ制御部30は、モータ27に連続駆動信号を供給する。
本変形例によれば、駆動力伝達停止状態においてはモータ27及びプーリ28を連続的に回転駆動し、駆動力伝達状態になった場合にモータ27及びプーリ28を間欠的に回転駆動するようにしているので、省エネルギ化を実現できると共に、湾曲部12を実際に湾曲駆動する状態の場合には湾曲駆動を支援するのに十分なアシト力を発生し安定した湾曲駆動を達成できる。
なお、本変形例は、図3の構成に適用した場合で説明したが、図5や図6に示した他の変形例に適用しても良い。また、圧力センサ57を用いる場合に限定されるものでなく、例えばCリング29i等の駆動力伝達部がプーリ28に当接して駆動力伝達停止状態から駆動力伝達状態に切り替わる場合を検出するセンサを用いても良い。
次に本発明の第2の実施形態を説明する。図10は、本発明の第2の実施形態を備えた内視鏡装置1Dを示す。本実施形態の内視鏡装置1Dは、第1の実施形態の内視鏡装置1における制御装置3に、駆動部の駆動状態を検出する駆動状態検出部として、例えばモータ27に流れるモータ電流値を検出する電流値検出部61と、検出したモータ電流値が予め設定された閾値V1以下か否かを判定する判定部62と、この閾値V1(の情報)を記憶する記憶部63とを備えた制御装置3Dを採用している。
モータ制御部30は、判定部62による判定結果によりモータ27を間欠の回転駆動(間欠の駆動)と、定速の回転駆動(駆動)とを切り替える制御を行うようにしている。例えば、駆動状態検出部としての電流値検出部61で検出された駆動状態が駆動部としてのモータ27を連続的に駆動する駆動状態よりも、間欠的に駆動する駆動状態に設定する方が望ましい駆動状態であると判定部62により判定された場合には、モータ制御部30は、モータ27に(連続駆動駆動信号から)間欠駆動状態となるように間欠駆動信号を出力する。
このように、制御部としてのモータ制御部30は、駆動状態検出部としての電流値検出部61で検出された駆動状態の情報に基づき、検出された駆動状態を予め定められた(又は予め駆動状態として用意された)間欠駆動状態となるように駆動部としてのモータ27に間欠駆動信号を出力する。
上記閾値V1としては、モータ27と共に回転させているプーリ28にワイヤ24iの牽引によりCリング29iを所定の牽引力量以上で回転させることが必要な負荷状態(換言すると、湾曲部12を湾曲させる湾曲角度(湾曲量)が所定の湾曲角度より大きいような負荷状態)に相当するか否かを判定するための基準のモータ電流値が設定される。
一方、Cリング29iを大きな牽引力量で回転させることが必要となる負荷状態(つまり、湾曲部12を所定の湾曲角度以上に湾曲させる負荷状態)でのモータ電流値の場合には、検出されるモータ電流値は閾値V1を超える値となる。
そして、判定部62は、検出されるモータ電流値が閾値V1を超える値と判定した場合には、モータ制御部30に対してモータ27を間欠の回転駆動させるように指令を送る。
なお、図10に示す内視鏡2の外部の制御装置3Dを、2点鎖線で示すように内視鏡2の内部に設ける構成にしても良い。或いは、内視鏡2の内部に制御装置3Dの一部、例えばモータ制御部30と、電流値検出部61、記憶部63を設けるようにしても良い。また、モータ制御部30が、電流値検出部61、又は電流値検出部61及び判定部62を含む構成にしても良い。
図11は、本実施形態によるモータ電流値の判定結果に応じたモータ制御を行う処理手順の一例を示す。
電流値検出部61がモータ電流値のモニタを開始すると、定速回転しているモータ27のモータ電流値を検出する。そして、ステップS1に示すように判定部62は記憶部63に予め記憶(格納)されている閾値V1の情報を読み出し、電流値検出部61が検出したモータ電流値が閾値V1以下か否かの判定を行う。
一方、モータ電流値が閾値V1以下でない判定結果の場合には、ステップS2において判定部62は、判定結果によりモータ制御部30に対して間欠動作の指令を送る。
ステップS3に示すようにこの間欠動作を指令を受けて、モータ制御部30はモータ27に間欠駆動信号を送り、モータ27を間欠回転動作させる。
次のステップS4において判定部62は、ステップS1の場合と同様にモータ電流値が閾値以下か否かの判定を行う。
ステップS4の判定処理において、モータ電流値が閾値V1以下となる判定結果の場合には、判定部62はモータ制御部30に対して間欠動作を停止し、定速回転動作させる(つまり連続回転駆動の)指令を送る。その後、ステップS6において、モータ制御部30は、間欠駆動信号を止め、連続駆動信号をモータ27に供給する。そして、モータ27は間欠回転動作を止め、定速回転動作(連続回転動作)を行う。
そのため、アシスト力を増大することが不必要な状態においては間欠動作させないで定速回転させることにより、省エネルギ化を実現できる。その他、第1の実施形態と同様の効果を有する。
なお、判定部62は、湾曲部12を湾曲させるのに必要な負荷状態の判定結果のみにより、間欠動作させるか否かの判定を行う場合の他に、例えば所定期間(所定時間)、湾曲状態が維持されている場合のように所定の条件又は予め設定された条件を満たす場合に、間欠動作の指令をモータ制御部30に送るようにしても良い。
図12におけるステップS1においてモータ電流値が閾値V1以下の判定結果の場合には、ステップS11において判定部62はモータ電流値が第2の閾値V2以上であるか否かを判定する。
モータ電流値が第2の閾値V2以上でない場合には、ステップS1の処理に戻り、モータ電流値が第2の閾値V2以上の場合には、ステップS12において、判定部62はモータ電流値が第2の閾値V2以上となる時間が所定時間T1以上継続しているか否かを判定する。
また、ステップS4の判定処理により、モータ電流値が閾値V1以下の判定結果の場合には、ステップS13において判定部62はモータ電流値が第2の閾値V2以上であるか否かを判定する。
モータ電流値が第2の閾値V2以上でない場合には、ステップS6の処理に移り、モータ電流値が第2の閾値V2以上の場合には、ステップS14において、判定部62はモータ電流値が第2の閾値V2以上となる時間が所定時間T1以上継続しているか否かを判定する。
このような制御を行うことにより、例えば操作者が大きな湾曲操作程ではないが、小さな湾曲操作を継続するために指でジョイスティック22を傾倒操作を継続して行っているような場合、間欠駆動に切り替える。これにより、操作者が指で傾倒操作を継続して行っている状態に対して、その場合のアシスト力を増大することにより、指で傾倒操作を持続する場合の負担を軽減でき、操作性を向上できる。
図12で説明した条件の場合に限定されるものでなく、その条件を適宜に変更設定して同様に間欠動作を指令又は間欠動作を行わせるようにしても良い。例えば、間欠動作精度を向上させるためにモーター若しくはプーリに設けたエンコーダ等といった回転状態検出手段により回転角度を読み取り、回転速度を算出し、算出した回転速度の情報に基づき制御部が間欠動作を行わせるための回転速度に関する間欠動作指令値に、算出した回転速度が近づくようにフィードバック制御を行うといったように、モーターの駆動状態が予め決められた間欠駆動状態となるように制御部が駆動部に対して間欠駆動信号を出力し、間欠動作の精度を向上させるようにしても良い。
また、判定部62による判定する基準は、モータ電流値の他に、Cリング29iの回転量、ワイヤ24iの移動量、操作部8の回転量、湾曲部12の湾曲状態(例えば歪みセンサによる検出量に対する閾値、ファイバによる検出量に対する閾値)、ワイヤ24iの張力などを利用しても良い。
なお、図12の場合を含む上記の説明においては、モータ電流値が閾値V1以下の場合においても予め設定された条件又は所定の条件を満たす場合には定速回転動作(通常の連続回転動作)から間欠動作に切り替えるようにする説明を行ったが、予め設定された条件を満たす場合に間欠動作から定速回転動作(連続回転動作)に切り替えるようにしても良い。
図13は第2の実施形態の第2変形例における記憶部63に記憶されている間欠動作させる場合の情報を示す。本変形例においては、記憶部63に湾曲部12の湾曲角度(湾曲量)に対応してモータ27を間欠動作させる場合の間欠周期の情報をテーブルデータとして記憶(格納)している。なお、湾曲角度の代わりに、湾曲角度に対応したジョイスティック22の傾倒角度(傾倒量)の情報でも良い。
図14は本変形例において、中立位置の状態から一定の速度で傾倒操作を行った場合における湾曲部12の湾曲角度の値(横軸)に対するプーリ回転速度とアシスト力(縦軸)の設定例の様子を示す。なお、図14におけるWaが小さな湾曲角度の場合の間欠周期に対応し、Wbが大きな湾曲角度の場合での間欠周期に対応するものとなる。
図13又は図14において、間欠周期の変化と共に、さらに静止摩擦状態に相当する時間(期間)Tsと動摩擦状態に相当する時間(期間)Tmとのデューティ(割合)Ts/Tmを、変化させるようにしても良い。ここで、時間TsとTmは、図14に示すように(静止ないしは静止に近い摩擦係数が作用する)静止摩擦状態として機能する時間と、動摩擦係数として作用する動摩擦状態として機能する時間とを表している。
このようにすると、湾曲角度を大きくした場合の応答性を向上できると共に、アシスト力も増大でき、操作者に対する操作性を向上できる。なお、図15に示す特性を適宜に変更設定できるようにしても良い。
また、上記時間TsとTmの代わりに(モータ27又はプーリ28の)回転停止の時間Ts′と、回転の時間Tm′のデューティ(割合)を間欠周期の変化と共に、変更するようにしても良い。
なお、上述した(変形例の場合を含む)実施形態においては、内視鏡に対する適用例について説明したが、内視鏡のみに限定されるものでない。本発明は、内視鏡の他に、例えば、内視鏡におけるチャンネルの出口付近に設けた処置具を突出させる方向をワイヤの牽引を利用してガイドする起上台機構や、湾曲部を備えた処置具や、湾曲部を備えた縫合・吻合器や、内視鏡を挿通して挿入の補助する湾曲部を備えたガイドチューブ等の医療機器に適用することもできる。
Claims (8)
- 湾曲可能な湾曲部と、
前記湾曲部を牽引して湾曲させる牽引部と、
前記牽引部に対して前記湾曲部を湾曲駆動させる駆動力を発生する駆動部と、
前記湾曲部を湾曲操作する操作入力を行う操作入力部と、
前記駆動部と前記牽引部との間に設けられ、摩擦係合させて前記駆動力を前記牽引部へ伝達させる駆動力伝達状態と、前記摩擦係合を解除して前記駆動力を前記牽引部へ伝達させない駆動力伝達停止状態とに切り替え動作可能な駆動力伝達部と、
前記操作入力部への操作入力に従い、前記駆動力伝達部を前記駆動力伝達停止状態から前記駆動力伝達状態へ切り替える状態切替部と、
少なくとも駆動力伝達状態において、前記駆動力を間欠的に発生する間欠駆動信号を前記駆動部へ出力し、前記駆動力伝達部の摩擦状態を間欠的に変化させ、前記駆動力伝達部が前記駆動力伝達状態となった場合に前記間欠駆動信号を前記駆動部に出力し、前記駆動力伝達部が前記駆動力伝達停止状態となった場合に前記間欠駆動信号を停止して前記駆動部を連続的に駆動する連続駆動信号を前記駆動部に出力する制御部と、
を有することを特徴とする内視鏡。 - 前記制御部は、前記湾曲部の湾曲量に応じて前記間欠駆動信号における前記駆動力を発生する期間及び前記駆動力を発生しない期間の情報を格納した記憶部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記制御部は、前記湾曲部の湾曲量に応じて前記間欠駆動信号における前記駆動力を発生する期間及び前記駆動力を発生しない期間の周期を変更することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記制御部は、前記湾曲部の湾曲量が大きい程、前記周期を短くするように制御することを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
- 前記制御部は、前記駆動力を間欠的に発生する前記間欠駆動信号と、前記駆動力を連続的に発生する前記連続駆動信号と、を前記駆動部へ切り替えて出力可能とすることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記制御部は、前記間欠駆動信号を出力している状態において、予め設定された条件を満たす場合に、前記連続駆動信号を出力するように切り替えることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡。
- 前記制御部は、前記連続駆動信号を出力している状態において、予め設定された条件を満たす場合に、前記間欠駆動信号を出力するように切り替えることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡。
- 前記制御部は、前記湾曲部の湾曲量が大きい程、前記周期を短くするように制御すると共に、前記駆動力を連続的に供給した場合に作用する動摩擦係数が作用する期間に対する該動摩擦係数よりも大きくなる静止ないしは静止に近い摩擦係数が作用する期間の割合を大きくすることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
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