JP5946749B2 - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5946749B2
JP5946749B2 JP2012242000A JP2012242000A JP5946749B2 JP 5946749 B2 JP5946749 B2 JP 5946749B2 JP 2012242000 A JP2012242000 A JP 2012242000A JP 2012242000 A JP2012242000 A JP 2012242000A JP 5946749 B2 JP5946749 B2 JP 5946749B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joule
thomson
valve
heat exchanger
cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012242000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014092300A (ja
Inventor
勝弘 楢崎
勝弘 楢崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2012242000A priority Critical patent/JP5946749B2/ja
Publication of JP2014092300A publication Critical patent/JP2014092300A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5946749B2 publication Critical patent/JP5946749B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、冷凍装置に関する。
このような分野の技術として、下記特許文献1に記載された冷凍装置がある。この冷凍装置は、高圧のヘリウムガスを2段階に膨張させて約4Kの極低温を発生させるものである。この冷凍装置は、ヘリウムガスを膨張させるための2つの絞り部を有している。前段の絞り部は、ジュール・トムソン弁によって構成されている。後段の絞り部は、可動オリフィスによって構成されている。
冷凍装置が運転開始されるときには、ジュール・トムソン弁の開度は、全開状態とされる。さらに、冷凍装置がクールダウン状態になると、ジュール・トムソン弁の開度が小さくされる。ジュール・トムソン弁の開度は、クライオスタットの外側の常温部に設けられた操作ロッドによって調整される。
特開平10−26428号公報
しかしながら、従来の冷凍装置では、ジュール・トムソン弁の開度が、常温部に設けられた操作ロッドによって調整されるため、常温部からの侵入熱が多くなる。さらに、クールダウンに要する時間が長くなる。従来の冷凍装置では、侵入熱の低減を図り、かつ、クールダウンに要する時間を短縮することは困難であった。
本発明は、侵入熱の低減を図り、かつ、クールダウンに要する時間を短縮することができる冷凍装置を提供することを目的とする。
本発明の冷凍装置は、循環ラインに直列に設けられた第1および第2のジュール・トムソン弁によって循環ラインを流れる冷媒を冷却し、極低温冷却部において極低温を発生させるジュール・トムソン冷凍機と、第1および第2のジュール・トムソン弁の上流側で冷媒を予冷する予冷機と、を備えた冷凍装置であって、ジュール・トムソン冷凍機は、第1および第2のジュール・トムソン弁の上流側に設けられて、予冷機によって予冷される予冷部と、第1のジュール・トムソン弁をなす第1のオリフィスと、第1のオリフィスの下流側に設けられて、第2のジュール・トムソン弁をなす第2のオリフィスと、予冷部と第1のオリフィスとの間で循環ラインから分岐して極低温冷却部に接続されるバイパス管と、バイパス管に設けられ、ガス圧により開閉するガス駆動バルブであるバイパスバルブと、前記予冷部、前記第1のオリフィス、前記第2のオリフィス、前記バイパス管、及び前記バイパスバルブを収容するクライオスタットと、前記バイパスバルブを駆動する駆動ガスが流れる駆動ガス管と、を備え、前記駆動ガス管は、前記予冷部の上流側で前記循環ラインから分岐して前記クライオスタットの内部まで延伸し、前記クライオスタットの内部において前記バイパスバルブに接続されていることを特徴とする。
本発明の冷凍装置によれば、循環ラインを流れる冷媒が、予冷部において予冷機により冷却され、さらに第1および第2のジュール・トムソン弁すなわち第1および第2のオリフィスによって冷却される。ここで、ジュール・トムソン冷凍機には、予冷部と第1のオリフィスとの間で循環ラインから分岐して極低温冷却部に接続されるバイパス管が設けられる。バイパス管には、バイパスバルブが設けられる。ここで、冷媒の温度が所定の温度域以上である状態においては、第1および第2のオリフィスによる冷却のためのジュール・トムソン効果は発揮され難い。本発明の冷凍装置では、冷却が開始されて定常状態になるまでの初期の段階(すなわちクールダウン時)においてはバイパスバルブを開くことにより、冷媒が、第1および第2のオリフィスを通らずに(すなわち、第1および第2のオリフィスをバイパスして)極低温冷却部に導かれる。この場合、冷媒は、予冷機のみによって冷却される。冷媒が第1および第2のオリフィスをバイパスすることにより、冷媒は予冷機によって所定の温度域まで効率よく速やかに冷却される。冷媒が所定の温度域まで冷却された後、バイパスバルブを閉じることにより、冷媒は、第1および第2のオリフィスを通る。このとき、第1および第2のオリフィスによるジュール・トムソン効果が発揮されて、冷媒がさらに冷却され、極低温冷却部において極低温が発生する。このように、ジュール・トムソン効果が発揮されやすい温度域に至るまでは、冷媒が第1および第2のオリフィスをバイパスするように、冷媒の流路が切り替えられる。これによって、クールダウンに要する時間を短縮することができる。さらに、バイパスバルブは単に開閉すればよく、開度や流量の調整は不要であるため、従来のような常温部からの操作は不要になる。よって、侵入熱の低減を図ることができる。また、駆動ガス管を介して、バイパスバルブの駆動ガス流入部に冷媒を送ることにより、バイパスバルブが開く。このようなガス駆動バルブを用いることにより、簡易な構成でクールダウンに要する時間を短縮することができる。駆動ガス管は、従来の操作ロッドが通る配管より細いため、侵入熱の影響を小さくできる。しかも、駆動ガス管は、従来の操作ロッドが通る配管のように直線状に配置する必要がないため、駆動ガス管を曲げて配置する等により、駆動ガス管を自由に長くすることができる。これにより、侵入熱の影響を一層小さくできる。
本発明によれば、侵入熱の低減を図り、かつ、クールダウンに要する時間を短縮することができる。
冷凍装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。 図1の冷凍装置において、冷却の初期段階における冷媒の流れを示す図である。 図1の冷凍装置において、図2に続く段階における冷媒の流れを示す図である。 従来の冷凍装置の概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、本実施形態の冷凍機(冷凍装置)1の構成について説明する。図1に示されるように、冷凍機1は、1〜4Kの冷却温度を実現することのできる小型冷凍機である。冷凍機1は、例えば赤外線検出器やサブミリ波検出器などを冷却するものである。冷凍機1は、ギフォード・マクマホン冷凍機からなる予冷機2と、予冷機2によって予冷されるジュール・トムソン冷凍機3と、予冷機2およびジュール・トムソン冷凍機3における弁類等を制御するための制御部5と、を備えている。さらに、冷凍機1は、真空容器であるクライオスタット6と、クライオスタット6内に配置された第1シールド7と、第1シールド7内に配置された第2シールド8と、を備えている。第1シールド7は、たとえば100Kの輻射シールド板であり、第2シールド8は、たとえば15Kの輻射シールド板である。
予冷機2は、ヘリウムを冷媒として用い、膨張器4内でサイモン膨張を行わせることにより低温を発生させるものである。予冷機2は、コールドヘッドとしての膨張器4と、ジュール・トムソン冷凍機3の第1予冷部(予冷部)L1aとの熱交換を行う第1段冷却部9と、ジュール・トムソン冷凍機3の第2予冷部(予冷部)L1bとの熱交換を行う第2段冷却部10と、を備えている。すなわち、予冷機2は、2段式の予冷機である。予冷機2には、図示しない圧縮機が設けられる。第1段冷却部9および第2段冷却部10は、真空容器であるクライオスタット6内に収容されている。より詳細には、第1段冷却部9は、第1シールド7によって熱アンカーが取られている。第2段冷却部10は、第2シールド8によって熱アンカーが取られている。第2段冷却部10は、第2予冷部L1b内の冷媒を例えば15K以下にまで冷却する機能を有する。
ジュール・トムソン冷凍機3は、ヘリウム(ヘリウム3またはヘリウム4)を冷媒として用い、上記予冷機2により予冷された後ジュール・トムソン弁14,15におけるヘリウムの断熱自由膨張により、冷却ステージ(極低温冷却部)16で1〜4Kの極低温を発生させるものである。2段のジュール・トムソン弁14,15が設けられることにより、ジュール・トムソン冷凍機3の冷却能力は、1段のジュール・トムソン弁を備える冷凍機にくらべて高められている。
ジュール・トムソン冷凍機3は、循環ラインLを流れる冷媒を圧送するためのジュール・トムソン圧縮システム11と、第1予冷部L1aおよび第2予冷部L1bと、第1導管L1に直列に設けられて、2段のジュール・トムソン弁をなす固定オリフィス14,15と、冷却ステージ16と、第1導管L1および第2導管L2を流れる冷媒同士で熱交換を行うための熱交換器17と、を備えている。固定オリフィス15は、固定オリフィス14の下流側に設けられている。第1予冷部L1aおよび第2予冷部L1bは、固定オリフィス14の上流側に設けられている。固定オリフィス14,15および冷却ステージ16は、第2シールド8内に収容されている。熱交換器17は、クライオスタット6内に収容されている。
冷却ステージ16には、冷却ステージ16における冷媒の温度を検出する温度検出器24が設けられている。冷却ステージ16は、冷却ステージ16における冷媒の温度を検出し、温度データを制御部5に出力する。
ここで、ジュール・トムソン冷凍機3の循環ラインLは、ジュール・トムソン圧縮システム11の吐出側に接続されて冷媒を固定オリフィス14,15および冷却ステージ16に導く第1導管L1と、冷却ステージ16の下流側に位置してジュール・トムソン圧縮機11の吸込み側に接続された第2導管L2と、を有している。ジュール・トムソン圧縮システム11およびその周辺の配管(第1導管L1の最上流部、第2導管L2の最下流部)は、クライオスタット6外で室温環境下に設置されている。
ジュール・トムソン圧縮システム11は、多段の圧縮構成となっている(複数の圧縮機を有している)。冷媒の流量及び圧力、この圧縮機により、必要な冷却温度における飽和蒸気圧から適宜設定される冷媒の流量及び圧力になる。本実施形態では、圧縮機は2段構成とされており、ほぼ大気圧に等しい圧力を有する第2導管L2内の冷媒を圧縮して昇圧させる真空ポンプ12と、真空ポンプ12により昇圧された冷媒をさらに圧縮して昇圧させ、第1導管L1内へと圧送するジュール・トムソン圧縮機13と、を有している。冷媒は、真空ポンプ12によって、例えば数気圧に昇圧され、ジュール・トムソン圧縮機13によって、例えば数十気圧に昇圧される。真空ポンプ(圧縮機)の個数や、ジュール・トムソン圧縮システム11によって圧送される冷媒の圧力および流量は、冷凍機1において求められる冷却能力などによって適宜設定される。
熱交換器17は、4段構成とされており、室温の冷媒を冷却するための第1熱交換器17aと、第1熱交換器17aおよび第1予冷部L1aにおいて冷却された冷媒をさらに冷却する第2熱交換器17bと、第2熱交換器17bおよび第2予冷部L1bにおいて冷却された冷媒をさらに冷却する第3熱交換器17cと、第3熱交換器17cおよび固定オリフィス14によって冷却された冷媒をさらに冷却する第4熱交換器17dと、を有している。第1熱交換器17aは、クライオスタット6と第1シールド7との間に配置されている。第2熱交換器17bは、第1シールド7と第2シールド8との間に配置されている。第3熱交換器17cおよび第4熱交換器17dは、第2シールド8内に配置されている。熱交換器17a〜17dには、第1導管L1および第2導管L2が通っている。
固定オリフィス14は、第3熱交換器17cの直後に設けられている。固定オリフィス15は、第4熱交換器17dの直後に設けられている。冷却ステージ16は、固定オリフィス15の直後に設けられている。言い換えれば、固定オリフィス14は、第3熱交換器17cと第4熱交換器17dとの間に設けられており、固定オリフィス15は、第4熱交換器17dと冷却ステージ16との間に設けられている。冷媒は、各固定オリフィス14,15内で断熱自由膨張してミスト状の気液混合状態となり、さらに、冷却ステージ16で冷却負荷を吸収して気化される。
固定オリフィス14,15は、流路の幅または形状を変更できない固定式のオリフィスである。各固定オリフィス14,15を流れる冷媒の流量は、各固定オリフィス14,15の入口の圧力によって決まる。固定オリフィス14と固定オリフィス15とでは、それぞれの入口における冷媒の圧力が異なる。よって、固定オリフィス14と固定オリフィス15としては、容量の異なるオリフィスが用いられる。各固定オリフィス14,15で冷却される冷媒の温度は、各固定オリフィス14,15の出口における飽和蒸気圧によって決まる。
冷凍機1のジュール・トムソン冷凍機3は、冷媒が固定オリフィス14および固定オリフィス15を通らない(すなわち、バイパスする)ようにするためのバイパス管20を備えている。バイパス管20は、第2予冷部L1bと固定オリフィス14との間で第1導管L1から分岐して、冷却ステージ16に接続されている。すなわち、第1導管L1からバイパス管20が分岐する分岐部Aは、第2予冷部L1bの直後に設けられている。
このバイパス管20には、バイパス管20にヘリウムガスを通す、または遮断するためのバイパスバルブ21が設けられている。言い換えれば、バイパスバルブ21は、ヘリウムガスの流路を、固定オリフィス14,15を通る流路とするか、固定オリフィス14,15を通らずに直接冷却ステージ16に向かう流路とするか、のいずれかに切り替える切り替え手段である。バイパスバルブ21は、ヘリウムガスのガス圧により開閉する、オンオフ式のガス駆動バルブである。バイパスバルブ21は、ケーシングと、ケーシングに形成されたガス流入部およびガス流出部と、ケーシング内において進退することにより冷媒の流通をオン/オフさせるニードル部とを有している。これらの図示は、いずれも省略されている。
バイパスバルブ21のケーシングには、ニードル部を進退させるための駆動ガス流入部21aが形成されている。駆動ガス流入部21aに駆動ガスが流入し、ニードル部にガス圧が加わることにより、ニードル部が進退する。
ここで、ジュール・トムソン冷凍機3には、バイパスバルブ21の駆動ガス流入部21aに駆動ガス(すなわちヘリウムガス)を供給するための駆動ガス管22が設けられている。駆動ガス管22は、第1熱交換器17aの上流側(すなわち予冷部L1a,L1bの上流側)で第1導管L1から分岐してバイパスバルブ21の駆動ガス流入部21aに接続されている。より詳細には、第1導管L1から駆動ガス管22が分岐する分岐部Bは、クライオスタット6の外部(すなわち常温部)であって、ジュール・トムソン圧縮機13と第1熱交換器17aとの間に設けられている。なお、分岐部Bは、クライオスタット6内に設けられてもよい。
この駆動ガス管22中には、駆動ガス管22にヘリウムガスを通す、または遮断するためのバルブ26が設けられている。バルブ26は、制御部5によって開閉制御される。駆動ガス管22は、第1シールド7および第2シールド8によって熱アンカーが取られている。駆動ガス管22の第2シールド8内に配置された部分22aは、1または数回折り曲げられることにより、その長さが意図的に長くされている。この部分22aの長さが長いことにより、駆動ガスがクライオスタット6、第1シールド7、および第2シールド8内に流入した場合でも、侵入熱の流入が低減されている。駆動ガス管22の上流側の部分22bは、第2シールド8の外部に配置されている。第2シールド8の外部に配置された部分22bは、大気に曝されているため、高温になる。駆動ガス管22の長さを長くすることにより、駆動ガスではなく駆動ガス管22自体を伝って侵入する侵入熱も低減されている。
次に、図2および図3を参照して、冷凍機1の動作について説明する。
まず、冷凍機1による冷却温度が定常状態になるまでの冷却初期の段階(クールダウン)の時は、ヘリウムガスを1Kに冷却するまでの冷却時間を短縮するため、バイパスバルブ21を開にする。このクールダウンの時、ジュール・トムソン圧縮システム11は低消費電力運転により圧縮比をほとんどつけずにヘリウムガスを循環するのみである。ジュール・トムソン圧縮システム11から吐出されるヘリウムガスは最初に第1熱交換器17aの高圧側入口に供給される。第1熱交換器17aの高圧側(第1導管L1)を流れるヘリウムガスは向流タイプの第1熱交換器17aで低圧側(第2導管L2)を流れる戻りのヘリウムガスと熱交換して冷却される。
次に、ヘリウムガスは、予冷機2の第1段冷却部9で冷却され、第2熱交換器17bの高圧側入口へ送り込まれる。第2熱交換器17bの高圧側(第1導管L1を流れるヘリウムガスは、低圧側(第2導管L2)を流れる戻りのヘリウムガスと熱交換して冷却され、更に予冷機2の第2段冷却部10で冷却される。図2に示されるように、バイパスバルブ21は開とされているので、第3熱交換器17c、第4熱交換器17dの高圧側と2段の固定オリフィス14,15とを通さずに(すなわちジュール・トムソン効果は使わずに)バイパスさせてヘリウムガスを流して、冷却ステージ16を予冷機2のみによって冷却する。
冷却ステージ16を冷却したヘリウムガスは、第4熱交換器17dの低圧側へ戻される。このヘリウムガスは、第3熱交換器17c、第2熱交換器17b、第1熱交換器17aの順に、熱交換器17の低圧側(第2導管L2)を通って熱交換器17の高圧側(第1導管L1)のヘリウムガスを冷却しながら昇温される。
そのようにして、常温に戻ったヘリウムガスはジュール・トムソン圧縮システム11の低圧側へ戻る。そして、ヘリウムガスは、再びジュール・トムソン圧縮システム11で循環のため第1熱交換器17aに供給される。
温度検出器24によって検出される冷却ステージ16の温度が、たとえば20〜30K以下になったら、図3に示されるように、制御部5の制御によりバルブ26を閉にすることによりバイパスバルブ21を閉にして、第3熱交換器17cおよび第4熱交換器17dの高圧側(第1導管L1)から固定オリフィス14,15を通してヘリウムガスを流す。このバイパスバルブ21を閉にした時は、ジュール・トムソン圧縮システム11の消費電力を増加させ、高低の圧縮比が取れる通常運転にする。これは、ジュール・トムソン効果(JT効果)を利用して冷却ステージ16を冷却するためである。
次に、定常状態の運転について説明する。ジュール・トムソン圧縮システム11で圧縮された高圧ヘリウムガスは、最初に第1熱交換器17aの高圧側入口に供給される。第1熱交換器17aの高圧側(第1導管L1)を流れる高圧ヘリウムガスは、向流タイプの第1熱交換器17aで低圧側(第2導管L2)を流れる戻りの低圧ヘリウムガスと熱交換して冷却される。第1熱交換器17aで冷却された高圧側(第1導管L1)を流れる高圧ヘリウムガスは、次に予冷機2の第1段冷却部9で冷却され、第2熱交換器17bの高圧側入口へ送り込まれる。第2熱交換器17bの高圧側(第1導管L1)を流れる高圧ヘリウムガスは、低圧側(第2導管L2)を流れる戻りの低圧ヘリウムガスと熱交換して冷却される。それから、第2熱交換器17bで冷却された高圧側を流れる高圧ヘリウムガスは、更に予冷機2の第2段冷却部10で冷却される。
第3熱交換器17cに送り込まれた高圧ヘリウムガスは、戻りの低圧ヘリウムガスと熱交換して、ジュール・トムソン効果が期待される温度以下まで冷却される。この冷却された高圧ヘリウムガスは、固定オリフィス14においてジュール・トムソン効果により中間圧のヘリウムガスとる。この中間圧の設定は、固定オリフィス15でのジュール・トムソン効果が高効率になるように選定し得る。
固定オリフィス14を通過し、第4熱交換器17dに送り込まれた中圧ヘリウムガスは、戻りの低圧ヘリウムガスと熱交換して冷却され、固定オリフィス15においてジュール・トムソン効果により低圧のヘリウムミストとなり、液体ヘリウム温度域での冷却能力を発生させる。未液化及び蒸発ヘリウムガス(低圧)は、第4熱交換器17dの低圧側(第2導管L2)へ戻される。この低圧ヘリウムガスは、第3熱交換器17c、第2熱交換器17b、第1熱交換器17aの順に、熱交換器17の低圧側(第2導管L2)を通って熱交換器17の高圧側(第1導管L1)の中圧、高圧ヘリウムガスを冷却しながら昇温される。
そのようにして、常温に戻った低圧ヘリウムガスはジュール・トムソン圧縮システム11の低圧側へ戻る。そして、ヘリウムガスは、再びジュール・トムソン圧縮システム11で圧縮され、高圧ヘリウムガスとして第1熱交換器17aに供給される。
なお、上記の説明では、ヘリウムガスを1Kに冷却する例について説明したが、1Kに限らず他の温度(例えば、1K〜4K)に冷却しても良い。
本実施形態の冷凍機1によれば、循環ラインLを流れるヘリウムガスが、予冷部L1a,L1bにおいて予冷機2により冷却され、さらに固定オリフィス14,15によって冷却される。ここで、ジュール・トムソン冷凍機3には、予冷部L1a,L1bと固定オリフィス14との間で循環ラインLの第1導管L1から分岐して冷却ステージ16に接続されるバイパス管20が設けられる。バイパス管20には、バイパスバルブ21が設けられる。ここで、ヘリウムガスの温度が所定の温度域(たとえば20〜30K)以上である状態においては、固定オリフィス14,15による冷却のためのジュール・トムソン効果は発揮され難い。冷凍機1では、冷却が開始されて定常状態になるまでの初期の段階(すなわちクールダウン時)においてはバイパスバルブ21を開くことにより、ヘリウムガスが、固定オリフィス14,15を通らずに(すなわち、固定オリフィス14,15をバイパスして)冷却ステージ16に導かれる。この場合、ヘリウムガスは、予冷機2のみによって冷却される。ヘリウムガスが固定オリフィス14,15をバイパスすることにより、ヘリウムガスは予冷機2によって所定の温度域(たとえば20〜30K)まで効率よく速やかに冷却される。ヘリウムガスが所定の温度域まで冷却された後、バイパスバルブ21を閉じることにより、ヘリウムガスは、固定オリフィス14,15を通る。このとき、固定オリフィス14,15によるジュール・トムソン効果が発揮されて、ヘリウムガスがさらに冷却され、冷却ステージ16において極低温が発生する。このように、ジュール・トムソン効果が発揮されやすい温度域に至るまでは、ヘリウムガスが固定オリフィス14,15をバイパスするように、ヘリウムガスの流路が切り替えられる。これによって、クールダウンに要する時間が短縮される。さらに、バイパスバルブ21は単に開閉すればよく、開度や流量の調整は不要であるため、従来のような常温部からの操作は不要になる。よって、侵入熱の低減を図ることができる。
また、駆動ガス管22を介して、バイパスバルブ21の駆動ガス流入部21aにヘリウムガスを送ることにより、バイパスバルブ21が開く。このようなガス駆動バルブを用いることにより、簡易な構成で、クールダウンに要する時間が短縮される。また、駆動ガス管22の配管サイズは、従来の操作ロッドが通る配管サイズよりも大幅に小さくできるため、侵入熱の影響が小さい。しかも、駆動ガス管22は、従来の操作ロッドが通る配管のように直線状に配置する必要がないため、駆動ガス管を曲げて配置することができる。すなわち、駆動ガス管を自由に長くすることができる。これにより、侵入熱の影響が一層小さくなる。
図4に示されるように、予冷機200とジュール・トムソン冷凍機300とを備えた従来の冷凍機100では、常温部に配置されたジュール・トムソン操作部101によりジュール・トムソン弁であるニードルバルブ102を操作していたため、侵入熱が大きかった。また、ジュール・トムソン操作部101の操作ロッドが通る配管103は直線状に配置する必要があるため、配管103の長さが短くならざるを得ず、侵入熱が大きかった。固定オリフィス14,15を備えた冷凍機1によれば、これらの問題が解決される。
さらに、固定オリフィス14,15は、熱交換器17とは独立した2段固定オリフィスであるため、製作が簡単である。また、開度の調整が不要であるため、冷凍機1の運転操作が容易になっている。
上記実施形態では、熱交換器17が4段構成とされる場合について説明したが、熱交換器17は、3段以下であってもよく、5段以上であってもよい。
駆動ガス管22およびバルブ26を省略して、バイパスバルブ21をガス駆動ではなく電動バルブとし、制御部5によって開閉制御してもよい。バルブ26は、制御部5によって開閉制御される場合に限られず、温度検出器24による出力値に応じて手動で開閉操作されてもよい。すなわち、バルブ26を自動制御するための制御部5を省略することもできる。
予冷機2は、ギフォード・マクマホン冷凍機に限られず、スターリング冷凍機やパルスチューブ冷凍機等であっても良い。予冷機2がギフォード・マクマホン冷凍機である場合には、上記したように、膨張器4内でサイモン膨張を行わせることにより低温を発生させるが、予冷機2がギフォード・マクマホン冷凍機以外の冷凍機である場合には、この作用とは異なる作用で低温を発生させる。第2シールド8は必ずしも設けられなくても良い。第1シールド7内の温度が低い(例えば40K以下の)場合には、第2シールド8を省略しても良い。
1…冷凍機(冷凍装置)、2…予冷機、3…ジュール・トムソン冷凍機、14…固定オリフィス(第1のオリフィス、第1のジュール・トムソン弁)、15…固定オリフィス(第2のオリフィス、第2のジュール・トムソン弁)、16…冷却ステージ(極低温冷却部)、20…バイパス管、21…バイパスバルブ、21a…駆動ガス流入部、22…駆動ガス管、L…循環ライン、L1b…第2予冷部(予冷部)。

Claims (1)

  1. 循環ラインに直列に設けられた第1および第2のジュール・トムソン弁によって前記循環ラインを流れる冷媒を冷却し、極低温冷却部において極低温を発生させるジュール・トムソン冷凍機と、前記第1および第2のジュール・トムソン弁の上流側で前記冷媒を予冷する予冷機と、を備えた冷凍装置であって、
    前記ジュール・トムソン冷凍機は、
    前記第1および第2のジュール・トムソン弁の上流側に設けられて、前記予冷機によって予冷される予冷部と、
    前記第1のジュール・トムソン弁をなす第1のオリフィスと、
    前記第1のオリフィスの下流側に設けられて、前記第2のジュール・トムソン弁をなす第2のオリフィスと、
    前記予冷部と前記第1のオリフィスとの間で前記循環ラインから分岐して前記極低温冷却部に接続されるバイパス管と、
    前記バイパス管に設けられ、ガス圧により開閉するガス駆動バルブであるバイパスバルブと、
    前記予冷部、前記第1のオリフィス、前記第2のオリフィス、前記バイパス管、及び前記バイパスバルブを収容するクライオスタットと、
    前記バイパスバルブを駆動する駆動ガスが流れる駆動ガス管と、
    を備え、
    前記駆動ガス管は、前記予冷部の上流側で前記循環ラインから分岐して前記クライオスタットの内部まで延伸し、前記クライオスタットの内部において前記バイパスバルブに接続されていることを特徴とする冷凍装置。
JP2012242000A 2012-11-01 2012-11-01 冷凍装置 Active JP5946749B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012242000A JP5946749B2 (ja) 2012-11-01 2012-11-01 冷凍装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012242000A JP5946749B2 (ja) 2012-11-01 2012-11-01 冷凍装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014092300A JP2014092300A (ja) 2014-05-19
JP5946749B2 true JP5946749B2 (ja) 2016-07-06

Family

ID=50936491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012242000A Active JP5946749B2 (ja) 2012-11-01 2012-11-01 冷凍装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5946749B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023145302A1 (ja) * 2022-01-31 2023-08-03 住友重機械工業株式会社 極低温冷却装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6138364A (ja) * 1984-07-31 1986-02-24 株式会社日立製作所 ヘリウム冷凍機
US4766741A (en) * 1987-01-20 1988-08-30 Helix Technology Corporation Cryogenic recondenser with remote cold box
JPH0289963A (ja) * 1988-09-27 1990-03-29 Toshiba Corp 極低温冷凍機
JP2910499B2 (ja) * 1993-05-18 1999-06-23 株式会社日立製作所 冷凍装置
GB9505915D0 (en) * 1995-03-23 1995-05-10 Ultra Electronics Ltd Cooler
US6530234B1 (en) * 1995-10-12 2003-03-11 Cryogen, Inc. Precooling system for Joule-Thomson probe
JPH10246524A (ja) * 1997-03-06 1998-09-14 Hitachi Ltd 冷凍装置
JP4022429B2 (ja) * 2002-05-20 2007-12-19 東海旅客鉄道株式会社 極低温冷凍装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014092300A (ja) 2014-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6975015B2 (ja) 極低温システム
CN105247299A (zh) 布雷顿循环冷冻机
JP5705375B2 (ja) 高温超電導機器の冷却装置及びその運転方法
EP2150756A1 (en) Air cycle refrigeration capacity control system
JP4022429B2 (ja) 極低温冷凍装置
JPH0515764A (ja) 冷却機付き真空容器
JP5946749B2 (ja) 冷凍装置
JP5377528B2 (ja) 冷凍サイクル装置
CN114739032B (zh) 一种超流氦制冷机
JP2013213605A (ja) 冷凍サイクル及び冷凍冷蔵庫
JPH10246524A (ja) 冷凍装置
JP3756711B2 (ja) 極低温冷凍装置
CN211560332U (zh) 一种冷冻消融系统
CN114877555A (zh) 一种具有叶轮机械入口兑温管路的超流氦制冷机
JPH08128745A (ja) 超臨界ヘリウム冷却装置およびその運転方法
US6484516B1 (en) Method and system for cryogenic refrigeration
JP5829201B2 (ja) 冷凍機
JPH09113052A (ja) 冷凍装置
JP5018944B2 (ja) 冷凍装置
JP2021533321A (ja) 高温超電導体冷蔵システム
EP3865789A1 (en) Cryogenic system
JPH06101919A (ja) 極低温冷凍装置
JP3589434B2 (ja) 極低温冷凍装置
JP2003214719A (ja) 極低温冷却方法及び装置
JP3596825B2 (ja) 極低温冷凍機の低圧制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5946749

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250