JP5946398B2 - 三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置 - Google Patents

三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、鉄筋構造物の配筋シミュレーションを行うシステム及びそのプログラムに関し、特に、配設された鉄筋相互の干渉状況に基づいて配筋状態を補正する処理に関する。
従来、施工図を作図するシステムが種々提供されており、個々の建築構造物の設計に応じて所定の規則に応じた配筋作業の効率化が図られている。この様な配筋作業に置いては、鉄筋相互の干渉回避が問題となっており、下記特許文献1に記載の技術にあっては、初期配置の状態においてレベル方向の鉄筋の干渉を検出し、予め記憶されたルール情報に基づいて鉄筋のレベル方向の回避処理を行うと共に、平面方向の鉄筋の干渉を検出して、予め記憶されたルール情報に基づいて鉄筋の平面方向の回避処理を行う様になっている。
更に、下記特許文献2に記載の技術にあっては、干渉チェック回避ステップにおいて、先行するコンクリート打設ロットにおいて干渉を回避すべく移動又は変更した鉄筋の情報を反映させて更新した三次元配筋モデルに基づいて、次のコンクリート打設ロットにおける鉄筋の干渉をチェックして干渉を回避し得る技術が開示されている。
特開2009−30403号公報 特開2011−253484号公報
しかしながら、前記公報に記載の技術をはじめとする従来のシステムは、干渉を検知した鉄筋線形を平行移動させることにより干渉を回避する手法を採っているため、鉄筋全体を平行移動すると他の鉄筋と新たな干渉を生む可能性がある。
例えば、梁の始端側にある柱との干渉回避のために梁筋を移動すれば、終端側の柱筋と新しい干渉点ができるという状況が挙げられる。
この様に、従来の手法は、単純な鉄筋間の干渉は解消できるものの、例えば、複数の鉄筋間で複数の干渉点が存在する場合には、当該干渉回避処理が容易に無限ループとなり、その解消処理として、干渉点が残存する不完全な状態で処理を終了させることにならざるを得ないという問題がある。
また、従来の技術は、鉄筋毎に、梁筋又は柱筋等の属性の組み合わせに応じて、相干渉する鉄筋相互の干渉を回避する可能性の高い規定方向へ移動する処理を行っているので、鉄筋毎に属性を付与せねばならず、また、当該規定方向へ移動したとしても、必ずしも干渉が回避するとは限らないという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、干渉回避処理において新たな干渉点を生むことがなく、鉄筋毎に属性を与えることなく鉄筋相互の干渉を回避できる三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために為された本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置は、記憶手段に保持する部材情報及び部材配置情報から鉄筋を含む二部材からなる組み合わせを作るペアリング手段と、前記組み合わせを構成する二部材の距離を、鉄筋を含む部材の直線部分を一定長毎に直線成分に分割し、又は曲線部分を所定の精度を満たした直線成分に分割した直線成分の各々である線分単位で算出する距離計測手段と、前記組み合わせを構成する二部材の最近点を、鉄筋を含む部材の直線部分を一定長毎に直線成分に分割し、又は曲線部分を所定の精度を満たした直線成分に分割した直線成分の各々である線分単位で導く最近点算出手段と、前記組み合わせを構成する二部材の最近点の距離が規定距離以内の干渉点を抽出し干渉点情報を記憶手段に保存する干渉点抽出手段と、前記干渉点を中心とする前後規定領域のみをその干渉を回避する方向へ当該鉄筋を迂回させる干渉回避手段を備えることを特徴とする。
前記干渉回避手段は、干渉する鉄筋が規定長を超える場合にその干渉点の前後規定領域のみをその干渉を回避する方向へ当該鉄筋を迂回させる迂回手段と、干渉する鉄筋が規定長位内の場合に当該鉄筋をその干渉を回避する方向へ平行移動させる移動手段を備えることを特徴とする。
前記移動手段の構成例としては、干渉点の存否から移動させるべき鉄筋を特定する部材特定手段と、前記干渉点の干渉点情報から当該鉄筋をその干渉を回避する方向へ平行移動させる移動関数を導く関数構成手段と、当該移動関数を用いて移動させるべき鉄筋の移動先座標を算出する座標算出手段と、導かれた移動先座標に鉄筋を平行移動させる処理を行う座標適用手段を備える構成が挙げられる。
前記迂回手段の態様としては、干渉点の存否から迂回させるべき鉄筋を特定する部材特定手段と、前記干渉点を移動点とし当該干渉点から前後方向規定距離の基点に亘る領域に迂回処理を施す曲げ手段を備えた構成であって、前記曲げ手段を、前記干渉点の干渉点情報から当該干渉点をその干渉を回避する方向へ移動させる移動関数(行列等)を導く関数構成手段と、当該移動関数を用いて移動させるべき干渉点の移動先座標を算出する座標算出手段と、導かれた移動先座標に当該干渉点を移動させる処理を行う座標適用手段を備える構成とする手法が挙げられる。
前記迂回手段に、干渉回避に必要な干渉点の移動量と鉄筋許容の曲げ角から変形距離係数を算出する係数算出手段と、前記変形距離係数と鉄筋径から前記前後規定距離各部の移動量tを算出する変形距離算出手段を備えた構成としても良い。
また、前記迂回手段の構成において、前記干渉点を有する鉄筋に対し前記干渉点を挟んで前後に分割する分割手段と、当該分割点(分割した点)の前後規定距離に亘る領域を回避方向へ前後対称的に移動させる曲げ手段と、前記分割点を再連結する結合手段を備える構成としても良い。再連結の態様としては、移動後において分割点を再連結する態様でも良いし、前記前後規定距離と後に記す干渉解決距離との関係で、前記両分割点b、b’の間に線分を介在して連結しても良い(図19参照)。
迂回の態様としては、例えば、前記干渉点の前後規定距離の範囲を、当該範囲を底辺とする二等辺三角形の一方の斜辺の形状又は当該一方の斜辺に他方の斜辺の全部(図1又は図2参照)若しくは一部、若しくは底辺と平行な線分(図20(B)参照)を連結した形状に変形する処理や、前記干渉点の前後規定距離の範囲を、当該範囲を直径とする半円形状の一方の円弧状又は当該一方の円弧状に他方の円弧状の全部若しくは一部を連結した形状に変形する処理を行う構成が挙げられる(図22参照)。
前記座標適用手段による移動後の干渉点とその前後の基点を結ぶ多角形の頂角b又は底角a,cの外角の二接点間に、各々の内接円の円弧を適用することを特徴とする屈曲緩和手段を備える構成としても良い。尚、前記頂角とは、迂回後の線形だけで形成される角を指し、前記底角とは、迂回前の線形と迂回後の斜辺とで構成される角を指す(図22(A)参照)。
上記課題を解決するために為された三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置及び配筋補正処理プログラムは、コンピュータに、前記配筋補正処理装置を構成する各具体的手段として機能させることを特徴とする。
本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置は、前記干渉点の前後規定領域のみをその干渉を回避する方向へ当該鉄筋を迂回させる干渉回避手段を備えることによって、干渉回避処理において新たな干渉点を生むことを回避しつつ鉄筋相互の干渉を回避させることができる。
また、前記干渉回避手段に、干渉する鉄筋が規定長を超える場合にその干渉点を中心とする前後規定領域のみその干渉を回避する方向へ当該鉄筋を迂回させる迂回手段と、干渉する鉄筋が規定長位内の場合に当該鉄筋をその干渉を回避する方向へ平行移動させる移動手段を備えることによって、鉄筋の変形という煩雑な作業を回避した実効性のある干渉回避処理を選択することができる。
前記干渉回避手段に、前記干渉点の前後規定距離の範囲を、当該範囲を底辺とする二等辺三角形の一対の斜辺を連結した形状に変形する迂回手段を備えることによって、比較的簡単な処理を以って、前記干渉点の前後規定距離の範囲を実効性のある形で迂回させることができる。
前記迂回手段に、干渉回避に必要な干渉点の移動量と鉄筋許容の曲げ角から変形距離係数を算出する係数算出手段と、前記変形距離係数と鉄筋径から前記前後規定距離各部の移動量tを算出する変形距離算出手段を備えることによって、干渉状況に応じた実効性のある変形距離を干渉回避に採用することができる。
本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置の迂回処理の一例を示す説明図及びフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置の迂回処理の一例を示す説明図及びフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置の(A):平行移動処理、(B):迂回処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における干渉回避処理後の情報更新処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における干渉回避処理の検証処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置の一例を示すブロック図である。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における矢印作成処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における最近点算出処理及び干渉点抽出処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における最近点算出処理及び干渉点抽出処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における連続する干渉点に対する干渉点抽出処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置におけるペアリング処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における干渉点編集処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における強調表示処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における回避対象検出処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における回避対象検出処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における一個の干渉点に対して二つの回避矢印が与えられているものを抽出する処理の一例を示すフローチャートである。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における画面の一例を示す写真である。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置における情報構成の一例を示す表である。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置の迂回処理における迂回態様の一例を示す説明図である。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置の迂回処理における迂回態様の一例を示す説明図である。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置の迂回処理における迂回態様の一例を示す説明図である。 本発明による三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置の迂回処理における迂回態様(屈曲緩和処理を含む)の一例を示す説明図である。
以下、本発明による三次元配筋シミュレーションシステム(所謂コンピュータを用いた入力装置又は記録メディアから種々の情報を入力した上で、ディスプレイ画面に画像を表示しつつ躯体の配筋状態等を三次元座標系においてシミュレーションするシステムである。)における配筋補正処理装置及びそのプログラムの実施の形態を、図面を示しつつ詳細に説明する。
図1に示す配筋補正処理装置は、演算装置を具備した所謂コンピュータを用い、キーボードやマウス等の入力装置で種々の情報を入力し、ディスプレイ画面に画像を表示しつつ三次元画像で躯体の配筋状態等をシミュレーションするシステム(例えば、前記特許文献に記載のシステム等。)において、登録情報及び干渉点情報を記録する記憶手段と、当該記憶手段に前記登録情報として保持する配筋群から一本の鉄筋と一本の鉄筋又は鉄骨からなる組み合わせ(以下、部材ペアと記す。)を作るペアリング手段と、前記部材ペアを構成する部材X,Y間の距離を線分単位で算出する距離計測手段と、前記部材ペアを構成する部材X,Y間の最近点を線分単位で導く最近点算出手段と、前記部材ペアを構成する部材X,Y間の最近点の距離が規定距離以内の干渉点を抽出する干渉点抽出手段と、前記干渉点の前後規定領域のみその干渉を回避させる干渉回避手段を備える(図6及び図11参照)。
尚、ここで線分とは、鉄筋等の直線部分を一定長毎に直線成分に分割し、又は曲線部分を当該装置の仕様として満足する精度を満たした直線成分に分割した直線成分の各々を指す。
前記記憶手段は、前記登録情報として、躯体情報、部材情報、及び部材配置情報(配筋情報及び鉄骨配置情報を含む。)等を記録するものであって、チップや磁気ディスクその他の構成を採る(図18参照)。
前記部材情報は、鉄筋データ及び鉄骨データ(以下、両者を合わせて「部材データ」と記す。)を含んでなる。
当該例における前記鉄筋データは、個々の鉄筋について、その鉄筋の部材インデックス、線形、名称、鉄筋半径、及び表示透明度等の表示仕様を示すデータからなり、前記鉄骨データは、個々の鉄骨について、その鉄骨の部材インデックス、閉鎖多角形群(鉄骨の表面を形成する多角形群)、名称、及び表面透明度等の表示仕様を示すデータからなる。
前記干渉点情報は、干渉点データ及び矢印データを含んでなる。
当該例における前記干渉点データは、個々の干渉点について、その干渉点のインデックス、当該干渉点を構成する二点のうちの一方の座標:点PXの座標、当該干渉点を構成する二点のうちの他方:点PYの座標、部材インデックスX:点PXを含む部材のインデックスX、及び部材インデックスY:点PYを含む部材Yのインデックスからなる。
当該例における前記矢印データは、その矢印インデックス、前記干渉点インデックス、回避矢印(干渉を回避させ得る方向を示す矢印)の始点(干渉点PX及びPYと同座標の点)及び終点(例えば、PX+V×q及びPY+V×q)の座標、干渉点間の距離(|PX−PY|)、前記干渉点の一方を含む部材の部材インデックスα及び当該干渉点の他点を含む部材インデックスβ、並びに干渉解決距離(現在の干渉状態を解決するに足る移動距離)を備える。
当該例では、上記の如く、それらの情報に対して、それぞれ固有のインデックス(名称(コード等))を割り当てており、前記登録情報については、鉄筋や鉄骨等固有のインデックス(部材インデックス)及び前記部材の線形又は閉鎖多角形を構成する線分や閉鎖多角形線(以下、線分と記す。)固有のインデックス(線分インデックス)等を与え、前記干渉点情報については、個々の干渉点ペアについて固有の干渉点インデックス、個々の回避矢印については固有の矢印インデックスを与え、処理の便宜等を図っている。
<回避対象検出処理>
記憶手段に前記登録情報として備える鉄筋(以下、登録鉄筋と記す。)又は鉄骨(以下、登録鉄骨と記す。)について、ペアリング処理、距離計測処理、最近点算出処理、及び干渉点抽出処理を施し、回避対象たる干渉点を導く。
導いた干渉点は、各々干渉点データとして前記記憶手段に保存する処理を行う(図8又は図9参照)。
<ペアリング処理>
前記ペアリング手段は、記憶手段に前記登録情報として備える登録鉄筋又は登録鉄骨のなかから、一本の鉄筋と一本の鉄筋又は鉄骨(以下、部材と記す。)を一単位とした部材ペアをつくる(図11参照)。
その際、全ての部材について総当たりで部材ペアを作ることもできるし、領域指定の操作等により指定した限られた部材(以下、指定部材と記す。)について総当たりで部材ペアを作ることもできる。
当該例の回避対象検出処理では、マウスのクリック操作等による個別入力情報で指定した登録鉄筋、又はドラッグ操作等による入力情報で指定した画面エリアに含まれる登録鉄筋を前記記憶手段から抽出し、それを指定鉄筋として部材ペアを作る。
[画面エリア指定処理]
当該例における干渉回避処理での回避対象検出処理は、マウスの画面座標からドラッグの始点及び終点を結ぶ線分を対角線とする矩形(長方形)を導く処理と、当該矩形に奥行を与えた直方体を導く処理と、当該直方体の外縁を変換行列で実座標化する処理と、前記直方体の外縁内部に実座標を置く鉄筋を前記登録情報から検出し、各々指定部材として当該部材の部材データの内容に基づいて前記所定の処理(ペアリング処理、距離計測処理、最近点算出処理、及び干渉点抽出処理)を行う。
<距離計測処理>
前記距離計測手段は、前記ペアリング手段によって作られた部材Xと部材Yからなる部材ペアについて、前記部材ペアを構成する部材X,Y間の距離を線分単位(線分間距離)及び部材単位(部材間距離)で算出する(図8及び図9参照)。
即ち、当該距離計測手段は、前記部材ペアを構成する部材の線分データを参照し、前記部材ペアを構成する各部材の線分単位のペアリング(以下、これによって作られた線分ペアと記す。)を行う処理と当該ペアリングで得られた全ての線分ペアの距離(以下、線分間距離と記す。)を算出する処理を行う。
一方、前記線分データは、前記部材の直線部又は曲線部分を適宜分割し、分割することによって得られた各線分、又は閉鎖多角形群を構成する各閉鎖多角形線の端点座標、及び当該線分を含む部材の部材インデックスを含む。
当該例では、置換手段によって、各部材ペア毎に、鉄筋の線形や鉄骨等の直線部分を一定長毎に線分に分割し、又は曲線部分を当該装置の仕様として満足する精度を満たした線分に分割することによって、各部材の構成要素たる線分の概念を与え、各線分データを記憶手段のバッファに保存する。
[鉄筋と鉄筋の場合]
鉄筋Xと鉄筋Yの場合における距離計測処理は、前記線分ペアが平行である場合には、一方の線分の端点と、当該端点から他方の線分に下ろした垂線の足を最寄点pX、pYとし、当該最寄点pX、pY間の距離を線分間距離として記憶手段のバッファに保存する(図8参照)。尚、鉄筋Xと鉄筋Yが延長線上に存在する場合には、最寄点pX、pYの線分間距離を無限大、即ち、補正不要の距離として処理する。
[鉄筋と鉄骨の場合]
鉄筋Xと鉄骨Yの場合における距離計測処理は、指定鉄筋の線分と閉鎖多角形面が交差するか否かによって分けて行う。
即ち、指定鉄筋の線分と閉鎖多角形面が交差する場合には、その交点を、最寄点pX、pYとする一方、指定鉄筋の線分と閉鎖多角形面が交差しない場合には、前記指定鉄筋の線分の端点と閉鎖多角形線(閉鎖多角形の外縁線)との間で最も距離が短い2点間、又は前記指定鉄筋の線分の端点から閉鎖多角形面に降ろした垂線の足までの間のいずれかのうちで、最も距離が短い点を最寄点pX、pYとし、当該最寄点間距離を線分間距離として記憶手段のバッファに保存する(図9参照)。
<最近点算出処理>
前記最近点算出手段は、前記距離計測手段で算出した線分ペアの線分間距離(最寄点pX、pY間距離)を各部材ペア単位で相互に比較し、最も近い点の組み合わせ(以下、最近点ペアと記す。)を当該部材ペアにおける最近点PX,PYとし、当該最近点間の距離(以下、部材間距離と記す。)、及び当該最近点PX,PYの座標(以下、最近点ペア情報と記す。)を前記記憶手段のバッファに保存する。
<干渉点抽出処理>
前記干渉点抽出手段は、前記最近点ペア情報から前記部材間距離が規定距離以内の最近点ペア(最近点PX,PY)を干渉点PX,PYとして抽出し、その干渉点ペアの情報(部材間距離及び当該干渉点PX,PYの座標)を前記干渉点インデックス等先に記載した情報と共に干渉点データとして記憶手段に保存すると共に、表示手段により、干渉点を構成する部材(以下、干渉部材と記す。)径及び干渉点ペアの数の一覧、並びに干渉部材を強調した三次元画像表示、及び干渉点PX,PYの移動させるべき方向を示す前記回避矢印の表示を行い、当該回避矢印の前記矢印データを作成する(図7参照)。
前記干渉点PX,PYを移動させるべき方向は、干渉点PX,PYが同一の点でない場合には、干渉点PX,PYを結ぶベクトルの相反する二方向、即ち、干渉部材を相互に離隔させる二方向であり、同一の点となる場合には、干渉点PX,PYを含む線分の線方向ベクトルから外積方向を求め、その正負方向とする。
この場合、前記干渉点データには、干渉点インデックス、前記干渉点を構成する最近点PXの座標及び最近点PYの座標、並びにインデックスX(最近点PXを含む部材Xの部材インデックス)及びインデックスY(最近点PYを含む部材Yの部材インデックス)を含む(図8又は図9参照)。
上記の如く検出された干渉点を含む干渉部材に対しては、所定の強調表示処理が適宜施される。
当該例における強調表示処理は、干渉部材に、他の部材と差別化できる程度に異なる色彩若しくは色調、又は模様を施す表示データを出力するものである。具体例を挙げれば、干渉点を持つ全ての部材について、それらの部材の部材インデックスが記憶手段の干渉点情報(干渉点データ)に登録されているかを確認し、存在する場合には当該部材について透過性の低い表示データを出力し、存在しない場合には透過性の高い表示データを出力する(図13参照)。
一の部材ペアについて、干渉点が所定長にわたり連続する場合には、以下の処理を行う。
<連続する干渉点に対する干渉点抽出処理>
前記ペアリング手段によって作られた部材ペアについて、連続する干渉点(干渉点の連なり)を検出する場合においては、一方の干渉部材の始点から終点に至る全てのステップ(処理の便宜上設定した単位長)について、以下の距離計測処理及び干渉点抽出処理を以って干渉点を抽出する(図10参照)。
その際、最終検索番号Maxを、前記一方の干渉部材(例えば鉄筋)の長さrを、検索する際における所定の単位ステップの長さmで除して求め、検索番号iに前記単位ステップの長さmを乗じた部材の始点からの距離sについて、最終検出番号Maxとなるまで、前記の如く鉄筋又は鉄骨に定められた、前記距離計測手段による距離計測処理、及び前記干渉点抽出手段による干渉点抽出処理を繰り返す。
上記の如く繰り返される各干渉点抽出処理においては、前記距離計測処理は、前記ペアリング手段によって作られた部材ペアについて、前記部材ペアを構成する2本の部材X,Y間の距離をステップ単位で算出する。
即ち、干渉点が連続する場合における前記距離計測処理は、前記一方の干渉部材の始点から距離sの位置より、他方の干渉部材に降ろした垂線の足に至る長さを求め、その位置における当該部材間X,Yの距離とする。
次に、当該干渉点抽出処理は、上記の如く算出した距離が規定距離以内である前記垂線の足からなる点のペアを干渉点として抽出し、その際の検索番号iを前記記憶手段のバッファに保存する。
この処理を、前記一方の干渉部材の始点から上記干渉点抽出処理を開始し、当該処理を1ステップ行う度に検索番号iをインクリメントし、検索番号iが前記最終検索番号Maxとなるまで、前記一方の干渉部材の始点からステップ単位で距離sを延長しつつ繰り返し、前記一方の干渉部材と他の干渉部材との間での干渉点の抽出をステップ単位で行う。
最終ステップまでの干渉点抽出処理を終えると、前記干渉点抽出手段は、前記記憶手段のバッファに保存した検索番号のなかから連続した検索番号を検索し、連続した検索番号の始端と終端を取り出し、始端から終端に至るステップ数に単位ステップの長さmを乗じて干渉区間の距離を求める処理(干渉長計測処理)を行う。
前記表示手段は、部材ペアをなす両干渉部材について、その全長から当該干渉区間の線分を切り出し、当該切り出した線分を干渉部材以外の鉄筋径より太いシリンダの画像データ等として出力する(図10参照)。
<回避矢印表示処理>
[干渉点PXについて]
前記回避矢印の表示処理は、前記干渉点PXについては、干渉点PYから干渉点PXに向かうベクトルVX(PXtoPY)を算出する処理(回避ベクトル算出処理)と、当該ベクトルVXと方向が等しいベクトルを、干渉点PXを始点とし長さq(表示の状況に応じて適宜調整する。点間距離(PX−PYの距離)を反映した他の長さでも良い。)の回避矢印として表示し、干渉解決距離を文字列で表示する処理(回避ベクトル表示処理)と、当該回避矢印の前記矢印データを前記記憶手段に保存する処理を、前記領域指定の操作等により指定した全ての干渉点について行う。
ベクトルVXのベクトル量が0の場合には、前記回避ベクトル算出処理は、干渉点PXについて、前記干渉点データXに記録された干渉点PXを始点とする線分方向の単位ベクトルPXVを求めると共に、同様に、干渉点PYについても、前記干渉点データYに記録された干渉点PYを始点とする線分方向の単位ベクトルPYVを求め、ベクトルPXVとベクトルPYVの外積(PXV×PYV)をベクトルVXとする(図7参照)。
当該例における干渉点PXの前記矢印データは、回避矢印の始点(干渉点PX)、終点(当該例ではPX+VX×q)、点間距離(PX−PYの距離)、部材インデックスX(干渉点PXに付した回避矢印の始点(干渉点PX)を含む部材Xの部材インデックス。)、部材インデックスY(他の干渉点PYに付した回避矢印の始点を含む部材Yの部材インデックス。)、及び干渉解決距離(例えば、干渉鉄筋(鉄筋X)半径+他の干渉鉄筋(鉄筋Y)半径−点間距離、鉄骨の場合は半径=0で計算する。)を含む。
[干渉点PYについて]
前記回避矢印の表示処理は、前記干渉点PYについては、干渉点PXから干渉点PYに向かうベクトルVY(PYtoPX)を算出する処理(回避ベクトル算出処理)と、当該ベクトルVYと方向が等しいベクトルを、干渉点PYを始点とし長さq(表示の状況に応じて適宜調整する。点間距離(PY−PXの距離)を反映した他の長さでも良い。)の回避矢印として表示し、干渉解決距離を文字列で表示する処理(回避ベクトル表示処理)と、当該回避矢印の前記矢印データを前記記憶手段に保存する処理を、前記領域指定の操作等により指定した全ての干渉点について行う。
ベクトルVYのベクトル量が0の場合には、前記回避ベクトル算出処理は、干渉点PYについて、前記干渉点データYに記録された干渉点PYを始点とする線分方向の単位ベクトルPYVを求めると共に、同様に、干渉点PXについても、前記干渉点データXに記録された干渉点PXを始点とする線分方向の単位ベクトルPXVを求め、ベクトルPYV及びベクトルPXVの外積(PYV×PXV)をベクトルVYとする(図7参考)。
当該例における干渉点PYの前記矢印データは、回避矢印の始点(干渉点PY)、終点(当該例ではPY+VY×q)、点間距離(PY−PXの距離)、部材インデックスY(干渉点PYに付した回避矢印の始点(干渉点PY)を含む部材Xの部材インデックス。)、部材インデックスX。(他の干渉点PXに付した回避矢印の始点を含む部材Yの部材インデックス。)、及び干渉解決距離(例えば、干渉鉄筋(鉄筋Y)半径+他の干渉鉄筋(鉄筋X)半径−点間距離、鉄骨の場合は半径=0で計算する。)を含む。
<干渉点一覧処理>
前記干渉部材、例えば干渉鉄筋の径及び干渉点の数の一覧(干渉点一覧情報)を表示する処理は、干渉点編集手段による干渉点編集処理で、以下の如く編集される。
前記干渉点編集手段は、前記干渉点情報を参照し、各干渉点の干渉点データの部材インデックスX及び部材インデックスYから、干渉点PX,PYを含む鉄筋又は鉄骨を特定し、部材情報を参照しその特定した鉄筋又は鉄骨を意味する文字列を作成し、各干渉点データに干渉点PX,PYを含む部材を示す同じ文字列が保存されているかを確認し、保存されていない場合には、特定した一対部材を意味する文字列と干渉点の数=1を保存し、保存されている場合には、干渉点の数をインクリメントして表示する(図12参照)。
前記干渉点編集手段は、相干渉する部材各々のコードの組み合わせ、及びその組み合わせの個数を、コード−コード(個数)と言う形で前記文字列とし、例えば、D25−D22(3)、又はD25−H500(2)として表示する文字データとする。ここで、コード:D25又はD22とは、D25又はD22という規格の鉄筋を指し、コード:H500とは、H500という規格の鉄骨を指し、(2)とは、それらの組み合わせの個数を指す(図12及び図17参照)。
<回避対象検出処理>
[回避矢印を個別に指定する]
回避矢印を指定するとは、干渉回避処理等を行う回避矢印を選択し決定することを言う。
この処理は、配筋状態等を表示した画面において、マウス等で操作するカーソルの座標から画面に垂直な直線を定義し、当該直線(以下、支持線と記す。)の軌跡を変換行列で実座標に変換し、当該直線と規定距離内にある干渉点を干渉点情報(干渉点データ)から検出し、当該干渉点に付された回避矢印の矢印データ(回避矢印の始点及び終点の座標、干渉点間の距離、前記干渉点の一方を含む部材の部材インデックスα及び当該干渉点の他点を含む部材インデックスβ、並びに干渉解決距離)の内容に副った所定の処理(干渉回避処理等)を行う(図14参照)。
当該支持線と回避矢印(干渉点)との間の距離は、例えば、当該干渉点から前記支持線に降ろした垂線の足までの距離を、干渉点情報(干渉点データ)から検出した座標に基づいて算出する。
[回避矢印をエリアで指定する]
当該例における干渉回避処理での回避対象検出処理は、マウスの画面座標からドラッグの始点及び終点を結ぶ線を対角線とする矩形(長方形)を導く処理と、当該矩形に奥行を与えた直方体を導く処理と、当該直方体の外縁を変換行列で実座標化する処理と、前記直方体の外縁に囲まれる範囲に実座標を置く干渉点を干渉点情報(干渉点データ)から検出し、当該干渉点に付された回避矢印の矢印データの内容に副った所定の処理を行う(図15参照)。
尚、この例においては、前記エリア指定による回避対象検出処理の際に、検出した回避矢印の前記矢印データを前記記憶手段の矢印保存バッファに記録して行う。
[一個の干渉点に対して二つの回避矢印が与えられているものを抽出する処理]
前記矢印保存バッファに記録された全ての回避矢印(以下、対象矢印と記す。i=1 to N)について、干渉点インデックスを含むか否かを判定し、含むものについては、矢印インデックスβに当該対象矢印のコード(インデックス)を代入して保存する。
この様に、矢印インデックスβに対象矢印のコードが代入された干渉点が抽出対象となる。
一方、干渉点インデックスを含まないものについては、新規な干渉点インデックスを設け、当該対象矢印の干渉点インデックスとして保存すると共に、矢印インデックスαのパラメータに当該対象矢印のコードを代入して保存する(図16参照)。
<干渉回避手段>
前記干渉回避手段は、前記回避対象検出処理を経て回避矢印を検出した場合に、当該回避矢印の矢印データに干渉点インデックスが含まれる干渉点について、干渉する鉄筋が規定長を超える場合に当該干渉点を中心とする前後規定領域のみをその干渉を回避する方向へ当該鉄筋を迂回変形させる迂回手段と、干渉する鉄筋が規定長位内の場合に当該鉄筋をその干渉を回避する方向へ平行移動させる移動手段を備える(図1乃至図3参照)。
〈移動手段〉
移動手段は、回避矢印の存否から移動させるべき鉄筋等を特定する処理を行う部材特定手段と、回避矢印の情報(前記干渉点の干渉点情報)から当該鉄筋をその干渉を回避する方向へ平行移動させる移動行列を作成する処理を行う関数構成手段と、当該移動行列を用いて移動させるべき鉄筋の移動先座標を算出する処理を行う座標算出手段と、導かれた移動先座標に鉄筋等を移動させる処理を行う座標適用手段を備える(図3(A)参照)。
〈迂回手段〉
前記迂回手段は、回避矢印の存否から移動させるべき鉄筋等を特定する処理を行う部材特定手段と、前記回避矢印の始点を含む前記矢印データから迂回させる干渉点を特定する処理を行う移動点特定手段と、前記干渉点を挟む両側を分断し、その前後の端点(分断点)を移動点とし、当該分割点の前後規定距離に亘る前半部及び後半部を同方向へ等量曲げる(屈曲処理)曲げ手段と、前記前半部と後半部の分割点を連結する結合手段を備える(図1参照)。
これらの処理を行う迂回手段を採用することによって、一の干渉点を回避する処理によって、他の干渉点が発生することを防止することができる。
前記迂回手段における迂回処理の具体例としては、例えば、前記干渉点(矢印の始点)から規定距離を切り出し長Lとし、当該切り出し長Lを底辺とする三角形、又はその二倍長2Lを底辺とする二等辺三角形が持つ一の斜辺となる形状、若しくは一対の斜辺を連結した形状に変形する迂回形態を採ったものが挙げられる(図1又は図2参照)。
後者は、前記干渉点の前後規定距離の範囲をそれぞれ切り出し長Lとし、当該干渉点の前後に存在する切り出し長Lを加えた範囲を底辺とする二等辺三角形の一方の斜辺の形状又は当該一方の斜辺に他方の斜辺の全部若しくは一部、若しくは底辺と平行な線分を連結した形状に変形する処理を行うものである(図20参照)。
[屈曲処理]
屈曲処理は、干渉を回避させるべく処理を施す鉄筋の全長(単数又は複数の線分からなる鉄筋の線形長)が前記分割点からの切り出し長Lがよりも短い場合に、前記曲げ手段によって行われる。
前記屈曲処理の前提として、前記曲げ手段は、干渉回避に必要な干渉点の移動量と鉄筋許容の曲げ角から変形距離係数を算出する係数算出手段と、前記変形距離係数と鉄筋径から前記前後規定距離を算出する変形距離算出手段と、回避矢印の情報(前記干渉点の干渉点情報)から前記移動点特定手段で導いた干渉点をその干渉を回避する方向へ移動させる移動行列を作成する処理を行う関数構成手段と、当該移動行列を用いて移動させるべき干渉点の移動先座標を算出する処理を行う座標算出手段と、導かれた移動先座標に干渉点を移動させる処理を行う座標適用手段を備える(図3(B)参照)。
前記係数算出手段は、前記矢印データを参照して干渉の回避に必要な移動量(移動点の移動量:干渉解決距離)Tに基づき屈曲角θを設定し、変形係数:T×1/sinθを導く処理を行う。
尚、前記屈曲角を弾性変形内に収める場合は、屈曲する最大角度を鉄筋の断面係数などから求め、断面係数が不明又は弾性変形にこだわらない場合は、屈曲角θを適宜決定する(例えば、sin1°〜sin5°など。)。
前記屈曲角θが決まれば、前記変形距離算出手段は、屈曲角θを底角とする二等辺三角形を決定し、干渉解決距離Tと鉄筋径Rに比例する切り出し長L(二等辺三角形の底辺×1/2)を、例えば次式を用いて求める。
切り出し長:L=R×T×1/sinθ
前記切り出し長Lが決まれば、前記分割点から切り出し長Lの点を基点とし、当該基点から当該切り出し長Lを構成する各線分の端点までの距離Kを、
距離:K=K+連結線分長(順次隣接する線分長を連結する)
に基づき、当該距離Kの各点についてその距離に比例した線分端点移動量tを、例えば次式を用いて求める。
線分端点移動量:t=K×T/L
上記の如く求めた線分端点移動量tに則した移動行列を前記関数構成手段で作成し、当該移動行列に基づく屈曲処理を、当該分割点の前後規定距離(切り出し長)Lに亘る前半部及び後半部に含まれる各線分の端点について施した後、前記干渉点の前後端点を前記結合手段によって結合し、分割した鉄筋を連結し屈曲処理を終了する。
上記処理は、二等辺三角形状に屈曲させて鉄筋の一部を回避させる手法を示したものであるが、切り出し長Lの二倍を底辺とするに足りない場合には、前記干渉点の前後端点を前記結合手段によって結合し(前後一方にのみ屈曲処理を施した場合は除く)、一方の斜辺の全体又は一部を欠く形態で回避する処理としても良い。
<屈曲角の緩和>
前記迂回処理をより現実のものに近付けるべく、屈曲緩和手段により屈曲角の緩和処理を行うことが望ましい。
前記屈曲角の緩和処理の第一の手法は、前記三角形の頂角及び二つの底角の外角の二接点間に、各々の内接円の円弧を適用するものである。当該円弧の適用によって、適用した円弧の先端から適用前における頂角の頂点に至る距離の分だけ干渉解決距離に不足が生じることとなる(以下、この状況を目減りと記す。)。従って、上記屈曲角の緩和処理を行う場合には、前記目減り分を見込んだ干渉解決距離に設定する必要がある。
前記屈曲角の緩和処理の第二の手法は、ベジエ曲線処理である(図21参照)。この処理は、前記二等辺三角形の頂点a(左底角),b(頂角),c(右底角)を設定し、鉄筋の一端から他端に向かうベクトルとして、Va(線形方向頂点aに向かうベクトル),Vb(線形方向頂点bに向かうベクトル),Vc((ベクトルab+ベクトルbc)/2)を設定し、始点:a、終点:b、制御点A:a+Va×Fab、制御点B:b+Vc×(−Fab)のベジエ曲線を設定し、前記二等辺三角形のab及びbcと置換する。
この様に、ベジエ曲線処理を用いる場合には、前記目減りは生じない。
<連続する干渉点に対する迂回処理>
前記の如く行われた迂回処理が、一点についてのみではなく、切り出し長Lの二倍長2L未満の間隔で一定長に亘って生じている場合等には、連続する迂回形態のうち、それらの両端に位置する斜辺のみを残し、その頂点同士を結合手段により直線で結ぶことによって台形状の迂回形態を採用する迂回処理を行っても良い。
[干渉回避処理の検証処理]
前記干渉回避処理は、先ず、各干渉点について、当該干渉点に付された矢印の前記矢印データに含まれる干渉解決距離等に基づく干渉回避処理を行い、その後の他の部材との干渉を検出しその結果を返すと共に、前記記憶手段のバッファに一時保存する処理を行う(図5(A)参照)。
一の干渉点について、平行移動と屈曲処理など複数の干渉回避処理がある場合や、一の干渉点について二つの回避矢印が与えられている場合に備え、一方の仮移動結果RET0と、他方の仮移動結果RET1を保存する領域を備えて、当該領域に保存された結果を検証する(図5参照)。
具体的には、双方共に適切ではない場合にはこの処理を終了しオペレータに報知する。具体的な報知手段としては、リアルタイムでアラームやメッセージ等を出力してもよいし、鉄筋情報(前記干渉点ペアの情報)を記憶手段に累積保存し、後にダイアログで表示してもよい。
双方共に適切である場合には、鉄筋と鉄筋との干渉では、径の細い方の鉄筋に対して干渉回避処理を行う。鉄筋と鉄骨との干渉では、鉄筋に対して干渉回避処理を行い、鉄骨と鉄骨との干渉では、体積の小さい方に対して干渉回避処理を行う。片方の干渉回避処理のみが適切である場合には、当該干渉回避処理を適用する(図5参照)。
[干渉回避処理後の回避矢印等の更新処理(矢印更新処理)]
この処理は、前記干渉回避処理によって移動又は変形した鉄筋の近傍に他の干渉点がある場合に、その回避矢印を変形後の位置に再配置する処理である。
例えば、先ず、前記干渉回避処理によって移動した矢印の矢印データから、移動又は変形された部材の部材インデックス「N」を取得し、記憶手段に登録されている前記干渉点データから、部材インデックスX又は部材インデックスYとして部材インデックス[N]を保有する干渉点ペアの情報を収集する。
収集した部材インデックス[N]を保有する干渉点ペアについて、[N]を保有する部材インデックスがインデックスX若しくはインデックスYのいずれであるかを特定し、特定された方の回避矢印の始点から更新された線分へ降ろした垂線の足を導き、当該足を新規な回避矢印の始点とする。
以上の処理を以って矢印更新処理を終了し、前記回避矢印表示処理を行う
(図4参照)。
a 左底角,b 頂角,c 右底角,
A 制御点,B 制御点,
Va 鉄筋の一端から多端に向かうベクトル(線形方向頂点aに向かうベクトル),
Vb 鉄筋の一端から多端に向かうベクトル(線形方向頂点bに向かうベクトル),
Vc 鉄筋の一端から多端に向かうベクトル((ベクトルab+ベクトルbc)/2),
m 単位ステップの長さ,r 干渉部材の長さ,
s 検索する鉄筋上の始点からの距離,
i 検索番号,Max r/m,

Claims (6)

  1. 記憶手段に保持する部材情報及び部材配置情報から鉄筋を含む二部材からなる組み合わせを作るペアリング手段と、
    前記組み合わせを構成する二部材の距離を、鉄筋を含む部材の直線部分を一定長毎に直線成分に分割し、又は曲線部分を所定の精度を満たした直線成分に分割した直線成分の各々である線分単位で算出する距離計測手段と、
    前記組み合わせを構成する二部材の最近点を、鉄筋を含む部材の直線部分を一定長毎に直線成分に分割し、又は曲線部分を所定の精度を満たした直線成分に分割した直線成分の各々である線分単位で導く最近点算出手段と、
    前記組み合わせを構成する二部材の最近点の距離が規定距離以内の干渉点を抽出し干渉点情報を記憶手段に保存する干渉点抽出手段と、
    前記干渉点を中心とする前後規定領域のみをその干渉を回避する方向へ当該鉄筋を迂回させる干渉回避手段を備え
    前記干渉回避手段は、干渉する鉄筋が規定長を超える場合にその干渉点を中心とする前後規定領域のみをその干渉を回避する方向へ当該鉄筋を迂回させる迂回手段と、干渉する鉄筋が規定長位内の場合に当該鉄筋をその干渉を回避する方向へ平行移動させる移動手段を備えることを特徴とする三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置。
  2. 前記移動手段は、
    干渉点の存否から移動させるべき鉄筋を特定する部材特定手段と、
    前記干渉点の干渉点情報から当該鉄筋をその干渉を回避する方向へ平行移動させる移動関数を導く関数構成手段と、
    当該移動関数を用いて移動させるべき鉄筋の移動先座標を算出する座標算出手段と、
    導かれた移動先座標に鉄筋を平行移動させる処理を行う座標適用手段を備えることを特徴とする前記請求項に記載の三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置。
  3. 前記迂回手段は、
    干渉点の存否から迂回させるべき鉄筋を特定する部材特定手段と、
    前記干渉点を移動点とし当該干渉点から前後方向規定距離の基点に亘る領域に迂回処理を施す曲げ手段を備え、
    前記曲げ手段は、前記干渉点の干渉点情報から当該干渉点をその干渉を回避する方向へ移動させる移動関数を導く関数構成手段と、
    当該移動関数を用いて移動させるべき干渉点の移動先座標を算出する座標算出手段と、
    導かれた移動先座標に当該干渉点を移動させる処理を行う座標適用手段を備えることを特徴とする前記請求項又は請求項のいずれかに記載の三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置。
  4. 前記迂回手段に、干渉回避に必要な干渉点の移動量と鉄筋許容の曲げ角から変形距離係数を算出する係数算出手段と、前記変形距離係数と鉄筋径から前記前後規定距離各部の移動量tを算出する変形距離算出手段を備えた前記請求項に記載の三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置。
  5. 前記迂回手段は、
    前記干渉点を有する鉄筋に対し前記干渉点を挟んで前後に分割する分割手段と、
    当該分割点の前後規定距離に亘る領域を回避方向へ前後対称的に移動させる曲げ手段と、前記分割点を再連結する結合手段を備えることを特徴とする前記請求項又は請求項のいずれかに記載の三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置。
  6. 前記座標適用手段による移動後の干渉点とその前後の基点を結ぶ多角形の頂角又は底角の外角の二接点間に、各々の内接円の円弧を適用することを特徴とする屈曲緩和手段を備える前記請求項乃至請求項のいずれかに記載の三次元配筋シミュレーションシステムにおける配筋補正処理装置。
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