JP5945734B2 - 金属化フィルムおよびこれを用いた金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

金属化フィルムおよびこれを用いた金属化フィルムコンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に使用され、特に、ハイブリッド自動車のモータ駆動用インバータ回路の平滑用、フィルタ用、スナバ用に最適な金属化フィルムコンデンサとそれに用いられる金属化フィルムに関する。
近年、環境保護の観点から、あらゆる電気機器がインバータ回路を有し、省エネルギー化、高効率化が進められている。中でも自動車業界においては、電気モータとエンジンで走行するハイブリッド車(以下、HEVと呼ぶ)が市場導入される等、地球環境に優しく、省エネルギー化、高効率化に関する技術の開発が活発化している。
このようなHEV用の電気モータの使用電圧領域は数百ボルトと高い。そのため、このような電気モータに関連して使用されるコンデンサとして、高耐電圧で低損失の電気特性を有する金属化フィルムコンデンサが注目されている。また、市場におけるメンテナンスフリー化の要望からも極めて寿命が長い金属化フィルムコンデンサが採用される傾向にある。
金属化フィルムコンデンサの中でも、誘電体フィルム上に形成された蒸着金属を電極とする金属化フィルムコンデンサは、金属箔を電極とする場合に比べて電極の占める体積が小さい。そのため、小型軽量化することができる。また蒸着金属電極特有の自己回復機能により絶縁破壊に対する信頼性が高い。そのため、従来から広く用いられている。
このような金属化フィルムの一例としての従来の金属化フィルム100の構成を図3に示す。図3は従来の金属化フィルム100の断面図である。
金属化フィルム100は、誘電体フィルム101と金属薄膜層102と誘電体層104とを有する。金属薄膜層102はアルミニウムを主成分とし、真空蒸着法やイオンプレーティング法などにより誘電体フィルム101の両面に形成されている。マージン103は金属薄膜層102のない部分である。誘電体層104はポリカーボネイト、ポリフェニレンオキサイド、またはポリアリレートを有機溶剤に溶かした誘電体塗料を誘電体フィルム101の両面または片面に塗布して形成されている。マージン105は、誘電体層104の存在しない部分である。このように誘電体塗料を塗布した後、誘電体塗料に希釈剤として含まれている有機溶剤を蒸発、乾燥させ金属化フィルム100が作製される。この有機溶剤として、ジクロルメタン、ジクロルエタン、トリクロロエチレンなどから一種あるいは二種以上が適宜選ばれて用いられる。
このように金属化フィルム100の形成には、誘電体層104に用いる高分子化合物を有機溶剤に溶解させ、それを塗布することで誘電体層を形成している。そのため、有機溶剤を気化、除去させる熱源と冷却装置あるいは高性能の溶剤回収装置を要する。
特許文献1では、誘電体塗料として紫外線硬化型樹脂を用いて誘電体膜を形成し、図4に示す金属化フィルム200を作製することが提案されている。すなわち、金属化フィルム200は、以下のようにして作製される。まず誘電体フィルム201の両面に、真空蒸着法やイオンプレーティング法などによりアルミニウムを主成分とする金属薄膜層202と金属薄膜層202のないマージン203を形成する。その後、さらに誘電体フィルム201の少なくとも一方の面に紫外線硬化型塗料を塗布し、その後紫外線照射により紫外線硬化型塗料を硬化させ、誘電体層204を形成する。
誘電体層204を構成する紫外線硬化型塗料は、紫外線硬化型樹脂に、この紫外線硬化型樹脂を硬化反応させる光重合開始剤を加えて調製される。すなわち、この塗料は有機溶剤を含まない。したがって上述の有機溶剤の使用に纏わる問題は起こらない。
特開平5−243085号公報
本発明は、金属化フィルム作製時における誘電体層のクラックの発生を抑制し、優れたコンデンサ特性を有する金属化フィルムコンデンサを提供することを目的とする。
本発明の金属化フィルムは誘電体フィルムと、金属薄膜層と、誘電体層とを有する。金属薄膜層は誘電体フィルムの少なくとも一方の面に形成されている。誘電体層は金属薄膜層の上に形成されている。そして誘電体層は、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートと複素環を含有するモノアクリレートで構成されるアクリル酸エステル樹脂を主成分としている。
この構成の金属化フィルムを用いることにより金属化フィルムコンデンサ作製時のクラックの発生の可能性を低減でき、コンデンサ特性の低下を抑制することができる。
図1は本発明の実施の形態による金属化フィルムの断面図である。 図2は本発明の実施の形態による金属化フィルムコンデンサの斜視図である。 図3は従来の金属化フィルムの断面図である。 図4は従来の他の金属化フィルムの断面図である。
一般に硬化後の紫外線硬化型樹脂は、可撓性が低く脆い。このため、このような樹脂を用いた金属化フィルムを用いて巻回型の金属化フィルムコンデンサを作製する場合、紫外線硬化型塗料にて形成された誘電体層にクラックが発生する虞がある。このクラックは、最終的に作製された金属化フィルムコンデンサのコンデンサ特性の低下の原因となる。また、省スペース化等の観点から巻回して作製したコンデンサ素子をさらに扁平状にプレスすると可撓性が低い誘電体層にクラックが発生することがある。
一方、積層型の金属化フィルムコンデンサを作製する際には、金属化フィルムを比較的大きな環状ボビンに巻回して巻回体を作製し、この巻回体を圧潰した後、鋸刃によって切断し、個片化する。この方法により複数個の金属化フィルムコンデンサを同時に作製することができる。しかしながら紫外線硬化型塗料にて形成された誘電体層は脆いため、鋸刃による切断時に巻回型の金属化フィルムコンデンサと同様に誘電体層にクラックが発生する。その結果、金属化フィルムコンデンサのコンデンサ特性が低下する。
以下、このような課題を解決する構成について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態による金属化フィルムの構成を示した概略断面図である。図2は本発明の実施の形態による金属化フィルムコンデンサの斜視図である。
図1に示すように、金属化フィルム1は、誘電体フィルム2と、金属薄膜層3と、誘電体層4とを有する。金属薄膜層3はアルミニウムを主成分とし、誘電体フィルム2の両面のそれぞれに形成されている。金属薄膜層3は、アルミニウム以外にも、亜鉛やマグネシウム、シリコンなど、種々の金属で形成できる。金属薄膜層3は、誘電体フィルム2の一方の面のみに形成してもよい。その場合は、誘電体フィルムの金属薄膜層3を形成した面と反対側の面に更に金属層を形成する。金属薄膜層3と金属層とで正負一対の電極層となる。金属層は、アルミニウムや亜鉛、マグネシウム、シリコン、これらの合金等からなる金属箔で形成してもよい。あるいは他の誘電体フィルムの一方の面に形成した金属薄膜層を用いてもよい。誘電体層4は一対の金属薄膜層3の少なくともいずれか一方の上に形成されている。ここで、「主成分」とは金属薄膜層3を構成する成分のうち、重量比率の最も大きいものと定義する。例えば55重量%以上である。
誘電体フィルム2は例えば、ポリプロピレン樹脂で形成された厚さ約2.8μmのシートである。金属薄膜層3は例えば、真空蒸着法により形成されている。図1に示すように金属薄膜層3はマージン5にて分割されている。マージン5は、真空蒸着を行う際にマージンオイルを所定のパターンで塗布して金属粒子の付着を防ぐことで形成される。なお、誘電体フィルム2としてポリプロピレン樹脂以外にポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂を用いてもよい。また、蒸着方法として真空蒸着法以外にイオンプレーティング法等を用いてもよい。
誘電体層4は、誘電体フィルム2の上に設けられた金属薄膜層3を被覆するように形成されている。図1では、誘電体層4が誘電体フィルム2の片面のみに設けられた構成を示しているが、両面に設けてもよい。誘電体層4は、紫外線硬化型樹脂であるアクリル酸エステル樹脂を主成分とする誘電体塗料を紫外線照射によって硬化させることによって形成され、図1に示すように上述のマージン5にも充填されている。
なお、マージン6は誘電体層4形成時に同時に形成される誘電体層4の存在しない部分である。マージン6は誘電体塗料塗工時に予めマスキングを行うことで形成される。マージン6の役割については後述する。
次に、誘電体層4の形成に用いる誘電体塗料について説明する。金属化フィルム1に用いた誘電体塗料は、化学式(1)に示すジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(以下、DMTCDAと略す)と、化学式(2)に示すテトラヒドロフルフリルアクリレート(以下、THFAと略す)とを混合することによって得られたアクリル酸エステル樹脂を主成分とする。ここで、「主成分」とは誘電体塗料を構成する成分のうち、重量比率の最も大きいものと定義する。例えば90重量%以上である。
Figure 0005945734
Figure 0005945734
さらに、この誘電体塗料にはアクリル酸エステル樹脂の紫外線照射による硬化を促すための光重合開始剤として化学式(3)に示す2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン−1−オンが添加されている。誘電体塗料を形成する際には、アクリル酸エステル樹脂と2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン−1−オンの重量比が、例えば100対2となるように調節し、よく攪拌し両者を完全に溶解させている。
Figure 0005945734
また、誘電体塗料には金属化フィルムコンデンサ10の層間接着力を促す目的で熱可塑性の樹脂である、化学式(4)に示すエチレン・酢酸ビニル共重合体が添加されている。エチレン・酢酸ビニル共重合体は、上述の光重合開始剤を含む誘電体塗料の重量を100としたときに、重量比が100対1となるように添加されている。
Figure 0005945734
このようにしてアクリル酸エステル樹脂と、光重合開始剤と、熱可塑性樹脂とを調合して、誘電体塗料を調製する。そして、金属薄膜層3が形成された誘電体フィルム2にマイクログラビアコーターにより、この誘電体塗料を塗布する。さらに、窒素ガスで充満し酸素濃度900ppm以下となっている紫外線硬化炉にて、高圧水銀灯から紫外線を照射し誘電体塗料を硬化させて誘電体層4を形成する。すなわち、誘電体層4は、DMTCDAとTHFAで構成されるアクリル酸エステル樹脂を主成分としている。以上のようにして金属化フィルム1を作製することができる。
上述の誘電体塗料には低粘度のTHFAが含まれている。そのため、誘電体層4の可撓性は極めて良好である。その結果、巻回型の金属化フィルムコンデンサ作製時における巻回時、あるいは積層型金属化フィルムコンデンサ作製時における切断時のクラックの発生が低減される。
金属化フィルム1の誘電体層4の可撓性を評価した結果について以下に記す。可撓性の評価には、下記の所定の重量比に調整した各誘電体塗料を、縦20mm×横10mm×深さ0.2mmのテフロン(登録商標)製の容器に注入し、誘電体塗料に紫外線を照射して硬化させて作製した個片を評価対象の試料として用いている。可撓性の評価として、各試料に対し引っ張り試験を行って算出したヤング率(ヤング率E=応力σ/歪(%)=荷重変化(N)/厚み(μm)/伸び率(%))を測定し、合わせて、試料の一端に50gの荷重をかけてクラック発生の有無を確認する曲げ試験を行っている。
(サンプルEA)
上述の誘電体塗料の主成分であるアクリル酸エステル樹脂を構成するDMTCDAとTHFAの重量比を95対5とする。この誘電体塗料を用いて上述の方法により試料を作製する。
(サンプルEB)
誘電体塗料の主成分であるアクリル酸エステル樹脂を構成するDMTCDAとTHFAの重量比を90対10とする。この誘電体塗料を用いて上述の方法により試料を作製する。
(サンプルEC)
誘電体塗料の主成分であるアクリル酸エステル樹脂を構成するDMTCDAとTHFAの重量比を80対20とする。この誘電体塗料を用いて上述の方法により試料を作製する。
(サンプルED)
誘電体塗料の主成分であるアクリル酸エステル樹脂を構成するDMTCDAとTHFAの重量比を70対30とする。この誘電体塗料を用いて上述の方法により試料を作製する。
(サンプルEE)
誘電体塗料の主成分であるアクリル酸エステル樹脂を構成するDMTCDAとTHFAの重量比を50対50とする。この誘電体塗料を用いて上述の方法により試料を作製する。
(サンプルCA)
誘電体塗料の主成分であるアクリル酸エステル樹脂を構成する成分としてDMTCDAのみを用いる。すなわち、誘電体塗料がTHFAを含まない点に関してサンプルEA〜サンプルEEと異なる。このような誘電体塗料を用いて上述の方法により試料を作製する。
(サンプルCB1)
誘電体塗料の主成分であるアクリル酸エステル樹脂を構成する成分としてDMTCDAと2−エチルヘキシルアクリレート(以下、EHAと略す)を用いる。すなわち、誘電体塗料がTHFAに替え、EHAを成分とする点がサンプルEA〜サンプルEEと異なる。なお、EHAはTHFAと同様に粘度が低いという特性を有する。DMTCDAとEHAの重量比は90対10とする。このような誘電体塗料を用いて上述の方法により試料を作製する。
(サンプルCB2)
誘電体塗料の主成分であるアクリル酸エステル樹脂を構成する成分としてDMTCDAとEHAを用いる。DMTCDAとEHAの重量比は50対50とする。このような誘電体塗料を用いて上述の方法により試料を作製する。
そして、これらサンプルEA〜サンプルEEおよびサンプルCA、サンプルCB1、CB2の引っ張り強度を測定し、可撓性を評価した結果を(表1)に示す。なお、(表1)において、サンプルEA〜サンプルEE、サンプルCB1、CB2の主剤はDMTCDAである。
Figure 0005945734
(表1)から明らかなように、アクリル酸エステル樹脂としてDMTCDA単体を用いたサンプルCAのヤング率は13.5である。この値は低粘度のアクリレートであるTHFA、あるいはEHAを添加したサンプルEA〜サンプルEE、サンプルCB1、CB2のヤング率と比較して大きい。
したがって、サンプルCAの試料に応力を加えても変形量が乏しく、この試料の可撓性が良好でないことがわかる。この結果、曲げ試験においても、クラックが発生している。このようにアクリル酸エステル樹脂としてDMTCDA単体を用いた金属化フィルムにより作製された金属化フィルムコンデンサにはクラックが発生しやすい。
また、サンプルEBではDMTCDAとTHFAの重量比が90対10である。同様に、サンプルCB1ではDMTCDAとEHAの重量比が90対10の割合である。このように同じ割合でTHFAとEHAを混合させたとしても、THFAを混合させたサンプルEBのヤング率の方がわずかに小さくなっている。
同様に、それぞれ主剤と副剤を50対50の割合で混合したサンプルEEとサンプルCB2のヤング率を比較すると、それぞれ1.2と2.2であり、この配合比の場合はサンプルEEのヤング率の方が明らかに小さい。
以上から、アクリレートの中でも特にTHFAを用いることが好ましい。THFAを副剤として混合したアクリル酸エステル樹脂を用いた金属化フィルム1により金属化フィルムコンデンサ10を作製する場合、従来のアクリレートを副剤として混合したアクリル酸エステル樹脂を用いた金属化フィルムにより金属化フィルムコンデンサを作製するよりもさらにクラックが発生する可能性が低減される。
この評価結果から、金属化フィルム1は金属化フィルムコンデンサ作製時における誘電体層4のクラックの発生を抑制できる。すなわち、金属化フィルム1を用いることにより優れたコンデンサ特性を有する金属化フィルムコンデンサ10を作製することができる。
次に、サンプルEA〜サンプルEEおよびサンプルCA、サンプルCB1、CB2に関して、誘電体損失角特性(tanδ)を測定した結果を(表2)に示す。
Figure 0005945734
(表2)から明らかなようにサンプルEA〜サンプルED、サンプルCA、サンプルCB1では、誘電体損失角特性が0.8前後と小さい。
一方、サンプルEEとサンプルCB2では、それぞれ誘電体損失角特性が1.2、2.0と若干高い。ただ、これらは実使用上特に問題はない。また、サンプルEEとサンプルCB2を比べるとサンプルEEの方が優れた誘電体損失角特性を有している。すなわち、THFAを副剤として混合したアクリル酸エステル樹脂を用いた金属化フィルム1により作製された金属化フィルムコンデンサ10は、従来のアクリレートを副剤として混合したアクリル酸エステル樹脂を用いた金属化フィルムにより作製された金属化フィルムコンデンサよりも特性が優れている。
(表1)、(表2)の評価結果から、誘電体塗料の主成分であるアクリル酸エステル樹脂を構成する成分として、DMTCDAとTHFAの合計に対するDMTCDAの重量比が0.5以上、0.95の割合となるように配合した場合、コンデンサ性能が実使用上問題なく、さらにクラックの発生も低減された金属化フィルム1を形成できる。
なおDMTCDAとTHFAの合計に対するDMTCDAの重量比が0.7以上、0.9の割合となるように配合することがより好ましい。この場合、(表1)、(表2)より明らかなように可撓性および誘電体損失角特性の両方が優れた金属化フィルム1を形成できる。そして、このような金属化フィルム1を用いることで、コンデンサ特性の優れた金属化フィルムコンデンサ10を作製できる。
なお、本実施の形態において誘電体塗料の成分として、アクリル酸エステル樹脂、光重合開始剤、熱可塑性樹脂を挙げたが、必要に応じて接着剤、レベリング剤等の添加剤を加えても良い。
次に、金属化フィルム1を用いた金属化フィルムコンデンサ10について図2を用いて説明する。金属化フィルムコンデンサ10は、金属化フィルム1を巻回し作製した巻回体11と、巻回体11の両端面に亜鉛等を金属溶射することによって形成されたメタリコン電極12とを有する。すなわち、一対のメタリコン電極12は巻回体11の、巻回軸方向における両端面に形成されている。なお、亜鉛以外に亜鉛と錫の合金等を用いてメタリコン電極12を形成してもよい。
なお金属化フィルムコンデンサ10を形成する際には、図1に示すマージン6に沿って金属化フィルム1を長手方向に切断し、切断された金属化フィルムをそれぞれ巻回する。図1の破線Aは切断位置を示している。
マージン6の位置に絶縁体である誘電体層4が存在すると、金属薄膜層3とメタリコン電極12との接触が阻害され、電気的な接続が困難になる。すなわち、マージン6は、金属薄膜層3とメタリコン電極12とを電気的に確実に接続するために形成されている。
また、図2に示す構成では、巻回体11の、巻回軸方向に垂直な断面形状が扁平状である。このように、金属化フィルムコンデンサ10は扁平状の形状をなしている。このような巻回体11は金属化フィルム1を巻回軸に対し円筒状に巻回した後、この巻回軸を抜き、中心が空洞状態となった巻回体を側面から挟み込むように圧縮することで形成される。一旦中心を空洞状態として巻回するのは巻回体の圧縮を容易とするためである。
ここで、圧縮する際に金属化フィルム1の可撓性が低いと誘電体層4にクラックが発生する。特に扁平状の金属化フィルムコンデンサ10のトラック部分の中心においては特に応力がかかり易く、この部分において頻繁にクラックが発生する。
(表3)にサンプルEA〜サンプルEEおよびサンプルCA、サンプルCB1、CB2の金属化フィルムにより、図2に示す扁平状の金属化フィルムコンデンサを作製し、誘電体層4のクラックの有無を確認した結果を示す。
Figure 0005945734
(表3)に示すように、クラック発生の有無は(表1)の「曲げ試験」の結果と相関している。すなわち、サンプルEA〜サンプルEEおよびサンプルCB2の金属化フィルムコンデンサにおいてはクラックが発生していない。一方、サンプルCA、サンプルCB1の金属化フィルムコンデンサではクラックが発生している。
特に、サンプルEBとサンプルCB1を比較すると、サンプルEBではTHFA、サンプルCB1ではEHAを同量(重量比で10%)混合している。しかしながら、サンプルEBはクラックが発生していないのに対し、サンプルCB1ではクラックが発生している。またTHFAの配合量の少ないサンプルEAでもクラックは発生していない。(表1)に示したように、ヤング率に関してサンプルEAとサンプルCB1とは僅かな差しかない。しかしながら、扁平状の金属化フィルムコンデンサ10では、誘電体層4の可撓性の僅かな違いによってもクラックの発生の有無やその数が大きく異なっている。このように、扁平状の金属化フィルムコンデンサ10においては少しでも誘電体層4の可撓性を向上することが重要である。また、THFAはEHAよりも誘電体層4の可撓性を向上させ、クラック発生の可能性をより低減させることが可能である。
以上のように、DMTCDAに低粘度のTHFAを混合して調製されたアクリル酸エステル樹脂を主成分とする誘電体塗料を用いることにより、誘電体塗料をコーティングに最適な粘度に下げることができる。また紫外線硬化型樹脂の硬化後に脆くなる性質を緩和できる。
なお上述の説明では、アクリル酸エステル樹脂の副剤としてTHFAを用いた例を説明しているが、これに限定されない。複素環を含有する他のモノアクリレートをアクリル酸エステル樹脂の副剤として用いてもよい。このようなモノアクリレートとして例えば化学式(5)として示すテトラヒドロフルフリルメタクリレートや、下記の化学式6〜9に示すモノアクリレートがある。
Figure 0005945734
Figure 0005945734
Figure 0005945734
Figure 0005945734
Figure 0005945734
複素環を含有するモノアクリレートは、複素環による立体障害のため、硬化して誘電体層4を形成しても樹脂中の分子の配列がランダムになり結晶化しにくい。その結果、誘電体層4が柔軟になり、クラックの発生が抑制される。
本発明による金属化フィルムは、金属化フィルムコンデンサ作製時における誘電体層のクラックの発生を抑制するために有効である。したがって、コンデンサ特性の優れた金属化フィルムコンデンサを提供できる。したがって、本発明の金属化フィルムは各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に用いられる金属化フィルムコンデンサの金属化フィルムを製造する際に好適に採用することができる。特に扁平状の金属化フィルムコンデンサは、省スペース化が要求される車両用のコンデンサとして多く使用される。したがってHEVの開発が進む自動車業界において本発明は非常に重要な位置づけとなる。
1 金属化フィルム
2 誘電体フィルム
3 金属薄膜層
4 誘電体層
5,6 マージン
10 金属化フィルムコンデンサ
11 巻回体
12 メタリコン電極

Claims (7)

  1. 誘電体フィルムと、
    前記誘電体フィルムの少なくとも一方の面に形成された金属薄膜層と、
    前記金属薄膜層の上に形成された誘電体層と、を備え、
    前記誘電体層は、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートと複素環を含有するモノアクリレートで構成されるアクリル酸エステル樹脂を主成分とする、
    金属化フィルム。
  2. 前記複素環を含有するモノアクリレートはテトラヒドロフルフリルアクリレートである、
    請求項1記載の金属化フィルム。
  3. 前記アクリル酸エステル樹脂が含有する前記ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートと前記テトラヒドロフルフリルアクリレートの合計に対する前記ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートの重量比が0.7以上、0.9以下の範囲にある、
    請求項2記載の金属化フィルム。
  4. 前記誘電体フィルムがポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂のいずれか1つで形成された、
    請求項1記載の金属化フィルム。
  5. 請求項1記載の前記金属化フィルムは、
    前記誘電体フィルムの前記金属薄膜層が形成された面と反対側の面に、更に金属層を備え、
    前記金属化フィルムを巻回して形成された巻回体と、
    前記巻回体の、巻回軸方向における両端面に金属溶射により形成されたメタリコン電極と、を備えた、
    金属化フィルムコンデンサ。
  6. 前記巻回体の前記巻回軸方向に垂直な断面形状が扁平状である、
    請求項5記載の金属化フィルムコンデンサ。
  7. 前記複素環を含有するモノアクリレートはテトラヒドロフルフリルアクリレートである、
    請求項5記載の金属化フィルムコンデンサ。
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