JP5944982B2 - 小型スキャナを備える走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

小型スキャナを備える走査型プローブ顕微鏡 Download PDF

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Description

好ましい実施形態は、高速走査型プローブ顕微鏡(SPM)を対象とし、より詳細には、小型かつ軽量であると同時に、高速走査を含むSPM性能を維持しながら使いやすさを促進するために、SPMのヘッドから容易に取外し可能である、SPMのためのZスキャナアセンブリを対象とする。
原子間力顕微鏡(AFM)のような走査型プローブ顕微鏡は、サンプルの1つまたは複数の特性を測定しながら、測定プローブとサンプルとの間で相対的な走査運動を行うことによって動作する。図1に、典型的なAFMシステムが概略的に示されている。AFM10は、カンチレバー15を有するプローブ14を含むプローブデバイス12を採用する。スキャナ24は、プローブ−サンプル間の相互作用が測定される間、プローブ14とサンプル22との間に相対運動を発生する。このようにして、サンプルの画像または他の測定値を取得することができる。スキャナ24は、典型的には、通常3つの直交方向(XYZ)の運動を発生する1つまたは複数のアクチュエータで構成される。しばしば、スキャナ24は、サンプルまたはプローブのいずれかを3つの軸すべてで移動させるための1つまたは複数のアクチュエータを含む単一の集積ユニットとすることができる。代替的には、スキャナは、複数の別個のアクチュエータのアセンブリとすることができる。いくつかのAFMは、スキャナを複数の構成要素に、たとえば、サンプルを移動させるXYスキャナとプローブを移動させる別個のZアクチュエータとに分離する。
一般的な構成では、プローブ14は、しばしば、カンチレバー15の共振周波数でまたはその付近でプローブ14を駆動するために使用される発振アクチュエータまたはドライブ16に結合される。それに代わり、カンチレバー15の歪み、ねじれまたは他の運動が測定されてもよい。プローブ14は、多くの場合、一体化された先端17を備える微細加工されたカンチレバーである。
一般的には、SPMコントローラ20の制御の下で、電子信号をAC信号源18から印加して、プローブ14を駆動するためにプローブホルダウェッジ(または代替的にはスキャナ24)に結合されたアクチュエータ16を発振させる。プローブ−サンプル間の相互作用は、典型的には、コントローラ20によるフィードバックを介して制御される。特に、アクチュエータ16は、スキャナ24およびプローブ14に結合され得るが、自己作動型カンチレバー/プローブの一部としてプローブ14のカンチレバー15と一体に形成することもできる。
多くの場合、上述したように、プローブ14の発振の1つまたは複数の特性における変化を検出することによってサンプル特性を監視する際には、選択されたプローブ14を発振させ、サンプル22に接触させる。この点について、偏向検出装置25は、典型的には、ビームをプローブ14の後方に向かって方向付けるために採用され、次いで、ビームは、4象限光検出器のような検出器26に向かって反射する。装置25の感知光源は、典型的には、レーザー、しばしば、可視レーザーダイオードまたは赤外レーザーダイオードであることを留意されたい。また、感知光ビームは、他の光源、たとえば、He−Neまたは他のレーザー源、スーパールミネセントダイオード(SLD)、LED、光ファイバ、あるいは小さいスポットに集束させることができる任意の他の光源によって発生することができる。ビームが検出器26の両端間で平行移動すると、適宜な信号がコントローラ20に送信され、コントローラ20は、その信号を処理してプローブ14の発振における変化を判断する。一般に、コントローラ20は、先端とサンプルとの間の相対的に一定の相互作用(または、レバー15の偏向)を維持するために、典型的にはプローブ14の発振のセットポイント特性を維持するために、制御信号を発生する。たとえば、コントローラ20は、しばしば、先端とサンプルとの間にほぼ一定の力を保証するために、発振振幅をセットポイント値Aに維持するために使用される。代替的には、セットポイント位相または周波数を使用してもよい。
また、コントローラ20中に、ならびに/あるいは、別個のコントローラ中または接続されたか、もしくはスタンドアロンのコントローラの別個のシステム中に、ワークステーション40が提供され、ワークステーション40は、収集されたデータをコントローラから受信し、ポイント選択動作、曲線当てはめ動作および距離判断動作を実行するために走査中に取得されたデータを操作する。ワークステーションは、得られた情報をメモリに記憶すること、さらなる計算のために得られた情報を使用することおよび/または好適なモニタ上にそれを表示すること、ならびに/あるいは、得られた情報を有線によってまたはワイヤレスに別のコンピュータまたはデバイスに送信することができる。メモリは、任意のコンピュータ可読データ記憶媒体を備えることができ、例として、コンピュータRAM、ハードディスク、ネットワークストレージ、フラッシュドライブまたはCD ROMが挙げられるがこれらに限定されるものではない。特に、スキャナ24は、しばしば、測定プローブとサンプル表面との間の相対運動を発生させるために使用される圧電スタック(本明細書ではしばしば「ピエゾスタック」と呼ぶ)または圧電チューブを備える。ピエゾスタックは、スタック上に配設された電極に印加される電圧に基づいて、1つまたは複数の方向に移動するデバイスである。ピエゾスタックは、しばしば、ピエゾスタックの運動をガイドする、抑制する、および/または増幅するのに役立つ機械式撓曲部と組み合わせて使用される。それに加えて、「Fast-Scanning SPM Scanner and Method of Operating Same」と題する2007年3月16日付けで出願され同時係属中の、米国特許出願第11/687,304号に記載されているように、1つまたは複数の軸におけるアクチュエータの剛性を高めるために、撓曲部が使用される。アクチュエータは、プローブ、サンプル、またはそれらの両方に結合することができる。最も典型的には、アクチュエータアセンブリは、プローブまたはサンプルを水平つまりXY平面で駆動するXYアクチュエータの形態で、また、プローブまたはサンプルを垂直つまりZ方向に移動させるZアクチュエータの形態で提供される。
SPMの実用性は発展し続けているので、サンプル測定スループット(たとえば、1時間あたり20個以上のサンプル)を改善するために、および/または現在利用可能であるよりも高い時間分解能での測定ナノスケールプロセスを改善するために、より高速で様々なタイプのサンプルを画像化する必要性が生じた。AFM画像化は、高い空間分解能(ナノスケール)を提供するが、一般には、低い時間分解能を有する。典型的な高品質のAFM画像は、特に数ミクロンを上回る走査サイズを獲得するためには数分間かかる。
いくつかの要因により、カンチレバー応答時間、X方向、Y方向およびZ方向における使用可能なスキャナ帯域幅、スキャナを駆動する高電圧増幅器の電力および帯域幅、カンチレバー力感知の速度を含む画像化速度、ならびに復調システムおよび針圧フィードバックシステムが制限されることがある。
大部分の測定デバイスの場合と同様に、多くの場合AFMには、分解能と獲得速度との間のトレードオフが生じる。つまり、いくつかの現在利用可能なAFMは、サブオングストロームの分解能で単純な表面を走査することができる。これらのスキャナは、比較的小さいサンプル面積しか、さらに、比較的低い走査レートでしか走査することができない。従来の市販のAFMは、通常、高分解能(たとえば512×512ピクセル)かつ低い針圧で数ミクロンの面積をカバーするためには、典型的には数分間の総走査時間を必要とする。AFM走査速度の実用的な限界は、先端および/またはサンプルに損傷を与えない、または先端および/またはサンプルに対する損傷を最小限にするのに十分な低い針圧を維持しながら、AFMを走査することができる最大速度の結果としてもたらされる。安藤敏夫教授(日本の金沢大学)は、mmサイズの短い距離、典型的には2μm未満にわたってサンプル走査するAFMを使用する高速AFMを大きく進歩させた。安藤教授は、小さいサンプルと小さい走査サイズとのこの組合せについて高分解能でのビデオ走査レートを達成した。
スキャナにプローブがマウントされた、典型的には「チップスキャナ」と呼ばれる他のシステムが知られており、あるいは、それらが提案および/または実装されてきた。Dimension(商標)という製品名でVeeco Instrumentsが販売している一連の計器に、1つのそのようなシステムが組み込まれている。そのシステムは、Zアクチュエータについて比較的大型のチューブスキャナを採用し、比較的低い帯域幅を有する。別のシステムは、Hwangの米国特許第7,249,494号に開示される。Hwangの出願のシステムでは、プローブは、アクチュエータにマウントされ、アクチュエータは、入射するレーザー光を集束させる光学対物レンズにマウントされる。対物レンズは、x−yアクチュエータにマウントされる。しかしながら、システムの対物レンズおよび他の光学部品は、プローブに対して固定されるので、(少なくとも20μm幅と40μm以上の長さを有する)比較的大きいプローブは、カンチレバー上における集束したレーザービームの位置決めを保証するように要求される。また使用される典型的なプローブは、およそ400kHzの共振周波数Fと、約400の品質係数Qとを有する。これらのプローブに関して得られた応答帯域幅は、F/Q≒1kHzのオーダーのものである。その低帯域幅プローブに部分的に起因して、得られたシステムは、30Hz未満の最大走査レート(または、毎秒30走査線)を有し、より典型的な画像化速度は約1Hzである。
一方、迅速にデータを取得することができるSPMは、許容できないトレードオフを負うこともある。1つのそのようなシステムは、Video AFM(商標)という製品名でInfinetismaから販売されている。Video AFMは、ビデオレートで動作するが、信号対雑音比と得られる画質に対してかなり妥協している。また、Infinitesimaのシステムは、力フィードバックが走査線内のサンプルコルゲーションにおける変動に応答するには十分には速くない接触モードで動作する。このシステムでは、サンプルまたはプローブは音叉にマウントされる。プローブは、サンプルと接触させて駆動し、サンプルまたはプローブは、その共振周波数でまたはその付近で音叉を振動させることによって、走査される。音叉は、高い共振周波数を達成するために極めて小さくなければならない(典型的には、数mmオーダーのサイズでなければならない)ので、質量が増大することに極めて敏感である。その結果、性能を劣化させることなしには、極めて小さい(数mmオーダーのサイズの)サンプルまたはカンチレバー基板のみが音叉にマウントすることができる。
サンプルの表面特性のビューを提供するために、AFMを従来の光学顕微鏡と組み合わせることが知られている。特に、高性能の顕微鏡対物レンズは、短い作動距離を有し、サンプル表面の近くに配置されなければならない。したがって、対物レンズの底部とプローブとの間の空間は、入射する検出ビームおよび出射する検出ビームのジオメトリを受け入れるには十分ではないので、高分解能光学画像化は、従来のAFM検出器と組み合わせて実装するのが難しい。光学顕微鏡の重量の理由から、計器の走査レートを容認できないほど低減することなく、光学顕微鏡の光学部品をAFMのスキャナに組み込むことは難しい。
いくつかの光学顕微鏡搭載型SPMは、レーザー光を顕微鏡対物レンズを通して方向付けることによって、この限界を克服しようと試みてきた。1つのそのようなシステムは、Surface Imaging SystemsによってULTRAOBJECTIVE(商標)という製品名で販売されており、国際公開WO01/23939号に開示されている。ULTRAOBJECTIVE(商標)システムでは、光学顕微鏡の対物タレットに挿入することができる交換可能な対物レンズを提供するために、近接場AFMプローブとプローブのためのZアクチュエータアセンブリと光学集束システムとが単一のハウジングに提供される。その対物レンズは、プローブに対して固定され、レーザービームをプローブ上に動的に集束させるためのいかなる機構も有さない。
従来のAFMを装備した光学顕微鏡の別の欠点は、ユーザがサンプルを検査することを可能にするためににしか提供されていないことである。当該光学顕微鏡は、カンチレバー上にレーザービームを集束させる際に何ら役に立たない。したがって、光点をカンチレバー上に集束させるためにこのシステムが提供された場合であっても、いずれの機構も、集束プロセス中に光学フィードバックをユーザに与えるためには利用できない。
この点について複数の解決策が利用可能である。しかしながら、AFMのすべての可動式構成要素について、大きい第1の共振周波数、つまり、基本共振周波数を維持することに対する2つの主要な欠点は、1)スキャナおよびプローブホルダのサイズおよび質量と、2)AFMヘッドへの、および互いへのこれらの構成要素間の結合が強固でないことを含む。
図2および図3に示すように、従来のAFMでは、しばしば、大型のプローブホルダ50が採用される。AFMの1つのタイプでは、圧電チューブアクチュエータは、プローブホルダ50のようなプローブホルダを受け入れるために、その遠位端にカップリングピンを支持するAFMヘッド内で支持される。プローブホルダは、マウントピンを受けるためにその中に形成されたマウント開口62を備える比較的大型の本体52を含む。ウェッジ54が本体52の表面に設けられ、カンチレバーをその角度を調節可能に支持するように構成される。ウェッジ54によって支持されたプローブデバイス56の基部を保持するために、アーム58が設けられる。ねじ60は、アーム58をウェッジ54に保持する。アーム58の後端部をユーザが押すことで、設置、除去および交換のためにプローブが解除される。全体として、これは、スキャナ自体と共に大容量(10s立方インチ)を占める大規模な構造である。この可動式の構造は、AFMの機械的共振を、したがってAFM走査速度を著しく制限する。
他のAFM走査の解決策も利用可能であるが、各々の解決策は同様に欠点を有する。高い基本共振周波数を維持することが可能なものであっても、扱いにくいことが多く、したがって、使用が難しい。具体的には、比較的大型のヘッドおよびスキャナをピックアップすることと、それを回転させ、プローブをマウントする、取り外す、および交換することができるように配置することとがしばしば課題となる。特にこの点について、プローブデバイスはしばしば、1時間ごとに、ときにははるかに短いタイムスパンで交換する必要がある消耗品であるということが明らかである。
米国特許出願第11/687,304号明細書 米国特許第7,249,494号明細書 国際公開WO01/23939号明細書
走査型プローブ顕微鏡の分野は、したがって、剛性が向上し、質量がより小さく、プローブ交換を容易にするために容易に着脱可能であるスキャナを必要としている。また、より高い第1の共振周波数を有するより小さいプローブホルダが望まれてきた。最後に、使用の容易性および高速なAFM動作を促進するスキャナが理想的である。
本発明の好ましい実施形態は、大型の走査装置およびプローブホルダに起因するシステム共振周波数に対する悪影響を最小限に抑えることによって、高速AFM動作を可能にする。コンパクトで比較的軽量なZスキャナは、テーパーマウントがAFMヘッドに強固に結合されるように構成される。さらに、その機械的に剛性なテーパーマウントをもつZスキャナは、さらなる共振周波数に対する利点を提供するコンパクトなプローブホルダ設計に適応する。その結果、AFMヘッド/スキャナへの脆弱な接続を有する大型のプローブホルダを使用することに起因するシステム共振の連続性における弱い結びつきがより強固になり、したがって、本発明の技術を採用するAFMは、従来のAFMに比べて著しく速い走査速度を達成することが可能である。その上、スキャナは、容易に取外し可能となり、したがって、プローブ設置のような典型的なAFMセットアップ動作を含めて、非常に容易に使用できるようになる。実際に、指を使用して容易にシャツのボタンを1つ外すことができるのと同じくらい、容易かつ迅速にスキャナを取り外し、設置することができる。
1つの実施形態の第1の態様によれば、ヘッドを含む走査型プローブ顕微鏡(SPM)のためのスキャナは、本体ハウジングと、アクチュエータと、スキャナ運動を検出するセンサとを有する。このスキャナにおいて、本体は、ヘッドから取外し可能であり、(ケーブルを除いて)約1立方インチの総体積を有する。
本実施形態のさらに別の態様によれば、スキャナは、実質的に、走査するサンプルに直交する方向においてのみ、それに結合されたプローブデバイスの運動を提供するZスキャナである。
本実施形態のさらなる態様によれば、本スキャナは、アクチュエータとプローブデバイスとの間に結合された撓曲ダイアフラムを備える。撓曲ダイアフラムは、上述の方向に対して横方向にプローブデバイスの運動を制限する。
本実施形態の別の態様によれば、センサは、上述の方向のプローブデバイスの運動を実質的に測定する。好ましくは、センサは、本体と一体に形成される。
本実施形態のさらなる態様によれば、センサは、固定端部および自由端部を有するカンチレバー型エレメントと接続部とを含む。接続部は、カンチレバー型エレメントの自由端部に接続され、リンクの対向する端部は、プローブデバイスを支持するプローブホルダに接続される。
本実施形態の別の態様では、本体は、SPMのヘッドの自由端部の一部分にスキャナを接続するための第1の開放端部を有する。自由端部の一部分は、サンプルに向かって延びた外側表面を有する。本体は、プローブホルダを支持する第2の閉鎖端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びた内側表面とを有する。好ましくは、外側表面および内側表面には、互いに係合するように同様のテーパーが付けられている。テーパーが付けられた内側表面によって規定された角度は、約15度〜35度であり、理想的には約22度である。
本実施形態のさらなる態様によれば、スキャナに関連付けられた基本共振周波数は、10kHzよりも大きい。理想的は、基本共振周波数は40kHzよりも大きい。
さらに別の実施形態では、プローブホルダは、本体に剛結合される。内側表面は、外側表面の溝に設けられた例えばOリングのような封止エレメントを受け入れるための環状デテントを含む。
本実施形態の別の態様によれば、自由端部の一部分中の真空ポートは、本体に真空力を印加する。真空ポートは、自由端部の一部分中の真空オリフィスに結合され、真空オリフィスは、本体中の真空オリフィスに接続される。
当業者には、以下の詳細な説明および添付の図面から、本発明のこれらの特徴および利点ならびに他の特徴および利点が明らかになるであろう。ただし、詳細な説明および特定の実施形態は、本発明の好適な実施形態を示すが、例として与えられ、限定するものではないことを理解されたい。本発明の趣旨から逸脱することなく本発明の範囲内に置いて、多くの変更および修正を行うことができ、本発明はそのような修正をすべて含むものである。
本発明の好適な例示的実施形態が添付の図面に示され、図面を通じて同様の参照番号は、同様の部分を表している。
従来技術の原子間力顕微鏡(AFM)の概略ブロック図である。 原子間力顕微鏡のための従来技術のプローブホルダの側面図である。 図2の従来技術のプローブホルダの頂面図である。 好適な実施形態による高速走査型AFMヘッドの等角図であり、好ましい実施形態の取外し可能なZスキャナを示している。 図4の高速走査型AFMヘッドの構成要素の概略図である。 好適な実施形態によるZスキャナの等角頂面図である。 図6のZスキャナの等角底面図である。 スキャナのダイアフラムおよびセンサを示す概略側断面図である。 図6のZスキャナの部分切欠き断面等角図である。 図6のZスキャナの部分切欠き断面等角図である。 図4のスキャナヘッドの下向きに延びた自由端部の一部分に結合された、図6のZスキャナの部分切欠き等角図である。 図11に示したAFMヘッドの下向きに延びた自由端部の一部分に結合されたZスキャナの断面図である。 図12のZスキャナに結合されたプローブホルダの拡大断面図である。 図11に示したZスキャナおよびAFMヘッドの自由端部の断面図である。 図13に示したZスキャナと自由端部との間のインターフェースの拡大断面図であり、自由端部に結合されたOリングを受け入れるZスキャナ中の環状デテントを示す。 好適な実施形態によるプローブホルダの分解斜視図であり、好ましい実施形態のプローブクリップを示している。 図14のプローブホルダおよびプローブクリップの頂面図である。 図14および図15に示したプローブホルダおよびプローブクリップの側面図である。 図15のプローブホルダおよびプローブクリップの等角図であり、開位置におけるプローブクリップを示している。 従来技術のZスキャナと本発明の好ましい実施形態によるZスキャナとに関連付けられたZスキャナのダイナミクスを示すグラフである。
好ましい実施形態は、高速走査型プローブ顕微鏡を対象とする。詳細には、革新的なZスキャナ設計は、従来のSPM/AFMをはるかに超えた速度でのサンプル走査を共同で可能にする一体化された小型のプローブホルダと組み合わせられる。詳細には、約2キロヘルツのAFMの可動式構成要素に関連付けられたより低い共振を有する、比較的大型のスキャナ/プローブホルダによって限定される従来技術のAFMのものとは対照的に、好ましい実施形態のコンパクトなZスキャナ/プローブホルダ設計は、システム共振の制約を実質的に克服し、本発明のAFMは、高速で走査し、安定性を維持することが可能になる。本発明の技術を採用するAFMは、すべての可動式構成要素のZ軸共振を50キロヘルツ超に維持することが可能である。
最初に図4を参照すると、高速走査型AFMヘッド100は、AFMの輸送にそなえて一体化されたハンドル104が形成されたハウジング102を含む。ヘッド100は、底部表面106を含み、そこから、光学構成要素および機械構成要素(図5を参照)を好ましくは収容する、本明細書では「ハウジング107」と呼ぶことがある、自由端部の一部分107が延び、ヘッド100は、取外し可能なZスキャナ110を受け入れるように構成される。以下にさらに詳しく記載するように、Zスキャナ110を対物レンズのハウジング107上にマウントすることにより、AFM性能が大幅に進歩する。詳細には、ハウジング107の外側表面は、好ましくは、Zスキャナ110の対応するテーパー付き表面を受け入れるためにテーパーが付いている。
また、Zスキャナ110は、スキャナ制御、および高速AFMヘッド100との通信のための対応するケーブルおよびコネクタ112を含む。また、高速走査型AFMヘッド100は、レーザーおよび検出器モータならびに対応するリミットスイッチのために、AFMヘッドコネクタケーブル114および対応するコネクタ116を含む。ヘッド100には、ヘッドコネクタ113においてZスキャナケーブル112が結合され、AFM動作中にカンチレバーの裏にレーザーを位置決めするために、レーザースポット調整ノブ128が設けられる。また、ヘッド100は、カメラモータおよび対応するライトスイッチを制御するために、カメラUSBケーブル118とコネクタ120とを含む。さらに、Zスキャナ真空スイッチ124とZスキャナ真空リリース126とともに真空チューブ122が設けられ、それらの機能は、以下の説明から明らかになる。
AFMヘッド100の構成要素の概略図を図5に示す。ヘッド100は、先端走査型AFM設計のXYスキャナ130、ならびに、レーザージンバル段132、光源(レーザー)134および対応する対物レンズ136を含む。また、検出器段154が、ヘッド100ならびにカメラ140に設けられる。
光学部品を受け入れるために、集束レンズ144に向かって、さらに自由端部の一部分またはハウジング107に向かってビームを方向付ける照明142が設けられる。また、自由端部の一部分107は、ハウジング102の底部表面106(図4参照)から延び、対物レンズ109を受け入れることが考えられる。また、集束レンズ146は、カメラ140と同一線上に設けられる。サンプルからビームスプリッター148に光が反射し、カメラ140に向かって戻ったときに、カメラ140によってサンプルの画像を取得することができる。レーザージンバルステージ132は、プローブの偏向、振幅、周波数または位相における変化を測定するために、レーザービームをプローブの背面に向かって方向付け、検出器に向かって戻す(反射ビーム)ためのダイクロイックミラー150用のマウントを含む。また、ジンバルステージ132は、AFMのプローブデバイスのカンチレバー(図示せず)の背面にビーム「L」を位置決めするための調整ねじ152を含む。
AFMヘッド100の検出器ステージは、プローブ先端が表面と相互作用する際のレーザービームの位置の変化を検出するための光検出器154を含む。
図6および図7を参照すると、Zスキャナ110が詳細に示されている。Zスキャナ110は、基本的にはノズル形状のスキャナ本体(または、単に、本体)200を含む。スキャナ110をAFMヘッド100に電子的に接続するスキャナケーブル112が、スキャナ本体200から延びており、これにより、制御と、ヘッド100とスキャナ110との間の通信とが提供される。本体200は第1のまた頂端部202を含み、頂端部202は、以下にさらに詳細に記載するように、開口しており、AFMヘッド100(図4)に剛結合されるように構成される。第1の端部202の反対側は、本体200内の収容された感応性のスキャナ構成要素を保護しながら、流体を含む変動する環境に導入されることができるように、閉鎖され密封された第2の(底)端部204である。第2の端部204には、プローブホルダ360が設けられる。プローブホルダ360は、図13〜図16に関して以下にさらに記載するAFM動作中にプローブアセンブリを保持するための保持クリップ362を含み、好ましくは、第2の端部204と一体に形成される。
図6をより詳細に参照すると、第1の端部202は、環状スロット214、216の対が形成されているリム212を含み、スロットは、リム212に沿って一定の長さだけ延び、互いから約180度で配設されている。スロット214、216は、ヘッド100の構造(たとえば、XYスキャナ)に結合されており、自由端部107から下向きに延びているインデックスピン160を受けるように適合された対応する開口部218、220で終端する(図11を参照、等角図にはピンが1つだけ示されている)。Zスキャナ110が、自由端部/対物レンズハウジング107に結合されているとき、スキャナ110の適切な配向、ならびに、それに応じてプローブホルダおよびスキャナ110によって支持された(1つまたは複数の)プローブの適切な配向が必要となる。スキャナ110をハウジング107に結合するときには、ピン160が開口部218、220に係合するまでAFMのユーザがZスキャナを回転させると、ピン160は、対応するスロット214、216の上に乗る。ピン160が開口部218、220の中へと落ちたときに、スキャナは適切に配向され、スキャナのさらなる回転が防止される。スキャナ110は、この位置でヘッド100に剛性にマウントされる。
次に図8、図9および図10を参照すると、Zアクチュエータおよび対応するZセンサを含むZスキャナ110の内部構成要素が示されている。性能(たとえば、高基本共振周波数)を維持し、装置の使用を簡単にし、たとえば、取外し可能/着脱可能にし、かつ、プローブデバイスの交換のような作業の操作を可能にする、コンパクトで(体積が小さく)、信頼性が高く、繰り返し可能なスキャナを作製することに関する1つの課題は、スキャナが意図された方向での走査運動を確実に維持することができるようにすること、および、スキャナ性能を損なうことなくプローブ運動を正確に測定することができるように保証することである。分離動作および再取付け動作により、プローブデバイスのカンチレバーをミクロンの範囲で容易に位置合わせできるように十分に正確に再び位置決めできるように保証される。これは、概略的な図8から始まる各図に示すような本発明の好ましい実施形態において達成される。
図8では、スキャナ110(たとえば、Zスキャナ)は、第1の本体部分201と第2の本体部分203とを含む本体200を含み、本体200は、この場合にはZセンサ264をコンパクトに収容している。また、スキャナ110の底部表面に沿って延び、その閉鎖端部で第2の本体部分203に結合されているダイアフラム撓曲258も含まれる。プローブホルダ360は、第2の本体部分203から延び、ダイアフラム258に結合される。より詳細には、撓曲ダイアフラム258は、アクチュエータ252によって引き起こされるプローブ運動を制御し、ガイドするように、アクチュエータ252(すなわち、圧電リング)とホルダ360との間に配設される。本質的に、ダイアフラム258により、(サンプルに直交する)「Z」方向でのみプローブ運動が維持されることが実質的に保証される。それは、横方向と垂直方向とにおけるダイアフラムの剛性の大幅な差に起因して実現するそこに結合したプローブホルダ360への横方向成分の伝達を制限することによって、(このコンパクトな設計で必要なアクチュエータのタイプに固有である)アクチュエータ252によって提供される運動の横方向成分を本質的に除去することによって行われる。ダイアフラムは、好ましく、論じられた結果を達成するために適切な仕様に機械加工することによって、スキャナ本体中に作製される。さらに、レーザー経路および光路のために、ダイアフラムの中心に孔または窓280が配設される。その結果、高速AFM動作に必要な先端の極めて正確な位置決めは、Zスキャナの運動によっては損なわれない。ダイアフラムの好ましい実施形態を、さらに図12により詳細に示す。
さらに図8を参照すると、Zスキャナ110は、本体200と一体に形成されたセンサ264も含む。センサ264は、(たとえば抵抗性の)1つまたは複数のストレインゲージセンサエレメント274を支持するダイビングボードまたはカンチレバー型部分272が作製された基板を含む。プローブの運動は、基本的に、プローブホルダ360を支持する位置にあるダイアフラム258とダイビングボード272の遠位端との間に接続部260を結合することによって、直接的に監視される。プローブは「Z」方向に移動するので、Z方向の力は、接続部260に、次いで、ダイビングボード272に伝達される。ダイビングボードは撓むので、センサーエレメント274は、その撓みを、したがってプローブのZ運動を定量化するように動作する。その結果、センサ264は非常に信頼性が高く正確となり、したがって、高速AFM動作がさらに促進される。
要するに、Zスキャナ110は、AFMヘッド100から取外し可能となり、ユーザが修復およびプローブの交換のようなルーチンの行為を行うのに十分にコンパクトとなる。スキャナ110は、取外し可能であるだけでなく、最小限のAFM実装面積の最小量を占めながら、典型的には、約5立方インチ未満の、好ましくは(ケーブルを除外して)約1立方インチ未満の体積を占めながら、(以下のさらに記載する)最高の性能を達成することが可能である。
1つの特定の実施形態では、次に図9および図10を参照すると、Zスキャナ110の本体200は、インターフェースリング250を介して第2の本体部分203とインターフェースする第1の本体部分201を含み、これらの構成要素、Zスキャナ110のすべての継ぎ目と同様に、溶接される(たとえば、レーザー溶接される)、または場合によっては接合され、それにより、流体密な封止が提供される。
また、Zスキャナ110は、好ましくは、第2の本体部分203とインターフェースする圧電リングであるZアクチュエータ252を含み、第2の本体部分203は、図示のようにプローブホルダ360を支持している。詳細には、圧電リング252が励起されると、プローブホルダ360に運動が伝えられ、したがって、その中にマウントされた対応するプローブは、アクチュエータ252の運動に追従する。第2の本体部分203は、ダイアフラム撓曲258に結合された外側部分254を含み、外側部分254は、プローブホルダの対応するプローブの運動をガイドすると同時に、ピエゾリング252をプリロードし、ピエゾリングアセンブリを封止する。ピエゾリング252の内部には、接続部260(シリンダ)が隣接しており、接続部260は、インターフェース266を介してZセンサ264に結合された上向きに延びているタブ262を含んでいる。Zセンサ264は、以下に記載するプローブ先端の移動を検出する。
たとえば、インターフェース266は、レーザー溶接とすることができる。シリンダ260および対応するタブ262は、ピエゾリング252とともに移動し、プローブホルダ360は、ピエゾリング252に結合されているので、プローブホルダ360によってZ方向で支持されるプローブは、Zセンサ264によって検出される。換言すると、Zスキャナを作動させると、タブ262はプローブ運動に追従する。
より詳細にセンサ264を参照すると、センサ264は、好ましくはねじ270を用いてZスキャナ110の第1の本体部分201に結合された基板268を含む。また、センサ264の基板268は、一体のセンサダイビングボード272を含み、その遠位端は、インターフェース266を介してタブ262に結合する。
ピエゾリング252が励起され、ピエゾリング252により動作中にプローブの先端を移動させると、シリンダ260は、それとともに移動し、その運動は、タブ262を介してセンサダイビングボード272に転換され、それにより、ダイビングボード272を一緒に移動させる。そのとき、好ましくはホイートストーンブリッジ構成で構成される歪みゲージ274は、プローブ先端の対応する運動を感知する。
要するに、高共振Z位置センサ264は、AFMの可動式構成要素の最低共振周波数を最大にするように高共振Zアクチュエータ110を際立たせる。その際に、センサ264は、高帯域幅における先端位置を正確に測定する。
特に、ピエゾリング252は、スキャナ本体201とダイアフラム撓曲258との間に挟持され、本体201とダイアフラム撓曲258との間の隙間は、0.004インチと狭い。この隙間をさらに閉じ、ダイアフラム撓曲を本体201に取り付けるために、ねじが使用することが好ましい。次いで、レーザー溶接によって隙間を恒久的に封止することが好ましい。隙間が閉じているときには、ピエゾリング252は常に圧縮状態である。また、この力により、ピエゾリング252は横方向に移動しないように保たれる。同様に、ダイアフラム撓曲258は、その中心に円筒形のリング260を含み、このリング260は、センサ264とインターフェースするタブ262を受け入れる。さらに、プローブホルダ360は、シリンダ260の1つの端部に接合される。対向する端部には、撓曲タブ262が、シリンダ壁に機械加工される。同じく、タブ262は、好ましくは、センサダイビングボード272の自由端部にレーザー溶接される。好ましくは、ホイートストーンブリッジを形成するために、4つの歪みゲージ274がダイビングボード272の固定端部(基板268)に接合される。
動作中、励起されると、ピエゾリング252は、撓曲ダイアフラム258の中心で円筒形のリング260を押し、したがって、先端とサンプルとの間の相互作用に関する適宜な信号に応答してサンプル表面を追跡するために、カンチレバーおよび対応する先端を移動させる。円筒形のリング260の対向する端部にある撓曲タブ262は、先端と一緒に移動する。タブ262のこの運動は、ダイビングボード272を撓ませて、その固定端部で歪みを発生させる。歪みゲージ274は、カンチレバー先端の位置に比例する歪みを測定する。特に、アクチュエータの運動を測定するために歪みゲージを使用する既知のシステムとは反対に、歪みゲージ274は、ピエゾリング252の側壁に取り付けられていない。そのような構成は、正確性、反復可能性の点で性能が十分でないことが知られており、また、位置測定を損なうように動作するヒステリシスおよびクリープという欠点があることがある。センサ264は、Zスキャナ110の本体200と一体に形成され、同じ欠点に苦しむことはない。
次に図11〜図13Aを参照すると、Zスキャナ110と高速走査型AFMヘッド100との間の剛結合がより詳細に示されている。最初に図11を参照すると、Zスキャナ110は、スキャナヘッド100の自由端部の一部分107に結合されている。対物レンズハウジング107および位置合わせピン160は両方とも、ヘッド100内に収容されたXYスキャナ(図示せず)に接続されている。Zスキャナ110を対物レンズハウジング107に適切に位置合わせするために、ピン160は、前述したように、Zスキャナ本体200の頂部表面のリム212に形成された開口部でZスキャナ110に係合する。Zスキャナ110を対物レンズハウジング107にこのように結合すると、Zスキャナは、固定されたときにテーパー付きマウント上で回転するのが防止される。重要なことに、この取付け方式により、Zスキャナ110を取り付けることと、正確な位置決めを維持しながら、道具を使用せずに、手でZスキャナ110をヘッドから取り外すこととが可能になる。
図12に、Zスキャナ110とスキャナヘッド100との間のテーパー付きマウントをより詳細に示す。詳細には、Zスキャナ110の本体200の内側表面206は、対物レンズハウジング107の対応するテーパー付き表面300とインターフェースするように、テーパーが付けられており、Zスキャナ110の中心軸を中心として実質的に対称である。より詳細には、これらの対合したテーパー付き表面206および300は、Zスキャナ本体200上の雌テーパーとハウジング107上の雄テーパーとを含む。対物レンズは、底部レンズに沿って封止される。Oリング302は、以下のようにテーパー付き表面の周りを封止する。Zスキャナ110がハウジング107に結合されると、対物レンズハウジング107の環状溝304に配設されたOリング302は、Zスキャナ本体200の内部のテーパー付き表面300に形成されたデテント306に沿ってスライドする。デテント306は、Oリング302を受け入れ、ハウジング107とスキャナ110との間に封止係合を提供するように構成される。このインターフェースの詳細を図12Aに示す。Zスキャナ110が対物レンズハウジング107上に押されると、Oリングは、Zスキャナのテーパー付き表面300中に機械加工されたデテント306へとスライドする。好ましくは、デテント306の表面は、約2°の傾きを有し、この傾きにより、2つを一緒に保持するために外力を加えなくても、Zスキャナ110はスライドして、対物レンズハウジング107のテーパー付き表面から外れないように防止される。
Oリング/デテント構成は、複数の構成要素を結合し、一緒に保持するように働くが、Zスキャナ110は、好ましくは、真空力を使用して対物レンズハウジング107上に保持される。詳細には、真空力を使用して、Zスキャナ110を対物レンズハウジング107に剛性に固定する。真空ポート310は、真空源(図示せず)に接続されており、Zスキャナ110に真空力を及ぼすように動作する。より詳細には、真空ポート310は、対物レンズハウジング107に機械加工された真空オリフィス312とインターフェースし、Zスキャナ110の内部の表面314によって規定されたキャビティを吸引する。
真空ポート310は、真空スイッチ124に接続されており、図4に示した適切なチューブ122を使用してポンピングする。真空が印加されると、対応するキャビティ内と周囲雰囲気内との差圧により、Zスキャナ110を対物レンズハウジング107に固定する力が発生する。
要するに、コンパクトなZスキャナ110は取外し可能であり、高速走査型AFMヘッド100への封止係合を維持しながら高速走査型AFMヘッド100とインターフェースすることが可能である。対物レンズは、底部レンズの周りに封止される。そして、Oリング302は、すべてのZスキャナ開口部が気密となるようにテーパー付き表面206、300の周りを封止する。その結果、対物レンズハウジング107とZスキャナ110の間の気密なキャビティが維持される。
再びダイアフラム258について参照すると、アクチュエータ252内のリングの形状のダイアフラム撓曲が対称であることにより、対称運動が保証される。さらに、撓曲258は、横方向運動に応答して、実質的により高い剛性のダイアフラムリングを介して、XY運動を分離するように動作する。
図13および図13Aを参照すると、Zスキャナ110に接合されたプローブホルダ360に関するさらなる詳細とともに、Zスキャナ110および対応するケーブル112についてより詳細に示されている。詳細には、ケーブル112は、Zスキャナ110に結合されており、相互接続PCB350が、Zスキャナ110と高速走査型AFMヘッド100との間の通信のために両者の間の配設されている。図13Aには、プローブホルダマウントがより詳細に示されている。Zスキャナ110の本体200の第2の本体部分203の底部表面には、絶縁体352が接合されている。さらに、ウェッジ354が絶縁体に接合されており、プローブデバイスによって保持されたプローブホルダに、選択された量の傾きを提供する。プローブクリップ362がプローブホルダ360と一体に形成され、クリップ362は、ウェッジ354に対してプローブ364を保持するように動作する。特に、ウェッジ354に形成されたキャビティ367に、タッピングピエゾ電気アセンブリ366が形成されている。タッピングピエゾ電気アセンブリ366を励起するために、適切な配線368が設けられる。プローブホルダ360は、スキャナ110と一体に形成されるので、従来のAFMよりも著しく大きい共振を有する剛性構造が提供される。
全体として、再び図13を参照すると、好ましい実施形態のZスキャナマウントおよびコンパクトなプローブホルダ設計は、システム共振に対する著しい制限となったものを大幅に改善する。プローブホルダとスキャナとの間の機械的に非剛性の結合(たとえば、圧電チューブからプローブホルダ開口部へと下向きに延びているピン)を利用する何らかの既知のシステムではなく、本発明の好ましい実施形態では、対物レンズハウジング107のテーパー付き表面206および300とZスキャナ110とが、それぞれ、両者間の剛性機械的接続を提供する。この剛結合は、Zスキャナ110の表面積の大部分が自由端部の一部分107の外側表面と直接接触するように維持することによって提供される。図12に示すように、2つの構造の間の円筒形のインターフェースの長さ「Q」は大きく、2つの構成要素間の接触している表面積が大きくなり、したがって、極めて剛性な構造がもたらされる。これにより、高い共振能力が可能になる。
テーパー角度αは、好ましくは約15°〜35°であり、理想的には、約22°が採用される。この構成におけるテーパーの実際の量は、使いやすさとZスキャナ110の位置反復可能性と間のトレードオフである。テーパー角度が22°よりもはるかに小さい場合には、スキャナ110は、道具を使用せずに手で容易に取り外すことはできない。一方、22°よりもはるかに大きい角度が採用された場合、テーパー上のスキャナ位置は、正確および反復可能なものとはならない可能性がある。
さらに高速動作を向上させることで、Zスキャナ110に剛結合したプローブホルダ360のコンパクトな設計は、システム共振をさらに改善する。図14〜図17に、このコンパクトで軽量のプローブホルダ360を示す。図13をより詳細に参照すると、ウェッジ354が絶縁体352に接合され、絶縁体352は、次いで、Zスキャナ110の底部表面に接合される。次に図14を参照すると、ウェッジ354は、動作中ウェッジ354内にプローブデバイスを保持するために使用されるクリップ362を受け入れるように機械加工される。クリップ362は、それに対して回転可能なピン372を介してウェッジに結合されるアーム370、371を含む。クリップ362は、プローブ364をウェッジ354に挿入するためにクリップを開き、ウェッジに対してプローブ364を保持するためにクリップを閉じることができるように、ウェッジ354に対して回転する。より詳細には、クリップ362は、クリップ362を閉じたときに、プローブ364の基部を挟持する(ウェッジ354に形成されたキャビティに配置される)ように構成されるタブ390を含む。クリップ362は、ピン372によって画定された点「P」でクリップを回転させることによって閉じ、バネ部分374によって閉位置に保持される。
ばね部分374は、構成要素376の表面377がウェッジ354の縁部380とインターフェースしたときに撓曲する、後方のしなやかな「s」形状構成要素376を含む。構成要素376が、縁部380に対してスライドしたときに、外向きに撓曲し、次いで、ウェッジ354に対してクリップ362を保持するために、ばね部分374がウェッジに向かって跳ね返ることができるように、縁部380を湾曲させる。その閉位置では、タブ390は、ウェッジ354に対してプローブ364を保持する。その結果は、プローブホルダの設計は、極めてコンパクトかつ剛性となり、AFMシステム共振を可能な限り高く維持すること対するさらに別の制限が取り除かれる。全体として、それは、スキャナに接合され、最も低い第1の共振における著しい改善を達成することを可能にするコンパクトなクリップ362を受け入れるように構成された機械的ウェッジを併用する。それにより、高速走査が実現される。
図18を参照すると、Zスキャナのダイナミクスが示されている。従来のAFMでは、Zスキャナの共振周波数応答のプロット400、404(振幅/位相)は、1キロヘルツ未満の第1の共振を示す。対照的に、高速走査型AFMヘッド100に結合されたZスキャナ110を採用する、本発明の好ましい実施形態のAFMでは、Zスキャナのダイナミクス(振幅プロット402および位相プロット406)は、約50キロヘルツを超える第1の共振周波数を示す。その結果、本発明の好ましい実施形態を利用すると、高速走査を25倍以上に改善することができる。
本発明を実行する発明者によって企図される最良の形態を上述したが、本発明の実施は、それに限定されるものではない。基礎となる発明の概念の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明の様々な追加、変更および再構成を行い得ることは明白であろう。

Claims (18)

  1. ヘッドを含む走査型プローブ顕微鏡(SPM)のためのスキャナにおいて、前記スキャナが、
    アクチュエータおよびセンサを収容するスキャナ本体であって、前記センサが、スキャナ運動を検出する、スキャナ本体を備え、
    前記スキャナ本体が、道具を使用せず、手で前記ヘッドから取外し可能であり、約5立方インチ未満の総体積を有し、
    前記本体は、
    a)前記SPMのヘッドの自由端部の一部分に前記スキャナを接続するための第1の開放端部と、
    b)プローブホルダを支持する第2の閉鎖端部とを有し、
    前記自由端部の一部分は、サンプルに向かって延びた外側表面を有し、
    前記本体は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びた内側表面を有し、
    前記外側表面および前記内側表面には同様に、互いに対合するようにテーパーが付けられている
    スキャナ。
  2. 前記スキャナが走査されるサンプルに直交する方向でのみ、それに結合されたプローブデバイスの運動を提供するZスキャナである、請求項1に記載のスキャナ。
  3. 前記方向に対して横方向に前記プローブデバイスの運動を制限する、前記アクチュエータと前記プローブデバイスとの間に結合された撓曲ダイアフラムをさらに備える、請求項2に記載のスキャナ。
  4. 前記センサが、前記方向の前記プローブデバイスの運動測定し、前記センサの少なくとも一部分が、前記本体によって支持される、請求項に記載のスキャナ。
  5. 前記センサが、固定端部および自由端部を有するカンチレバー型エレメントと接続部とを含み、前記接続部の一端は、前記カンチレバー型エレメントの前記自由端部に接続され、前記接続部の他端は、前記プローブデバイスを支持するプローブホルダに接続される、請求項4に記載のスキャナ。
  6. 前記本体が、流体中での動作を容易にするために気密に封止される、請求項1に記載のスキャナ。
  7. 前記センサが、実質的に前記カンチレバー型エレメントの固定端部に配設された歪みゲージをさらに含む、請求項5に記載のスキャナ。
  8. 前記テーパーが付けられた内側表面によって規定された角度が、約15度〜35度である、請求項に記載のスキャナ。
  9. 前記スキャナに関連付けられた基本共振周波数が、10kHzよりも大きい、請求項1に記載のスキャナ。
  10. 前記基本共振周波数が、40kHzよりも大きい、請求項に記載のスキャナ。
  11. 前記自由端部の一部分が、前記ヘッドの一部を形成するハウジングである、請求項1に記載のスキャナ。
  12. 前記プローブホルダが、前記本体に剛結合される、請求項に記載のスキャナ。
  13. 前記内側表面が、前記外側表面の溝に設けられた封止エレメントを受け入れるための環状デテントを含む、請求項に記載のスキャナ。
  14. 前記本体に真空力を印加する、前記自由端部の一部分中の真空ポートをさらに備える、請求項に記載のスキャナ。
  15. 前記真空ポートが、前記自由端部の一部分中の真空オリフィスに結合され、前記自由端部の一部分中の前記真空オリフィスが、前記本体中の真空オリフィスに接続される、請求項14に記載のスキャナ。
  16. 前記ヘッドに対して前記プローブの先端を配向するために、前記ヘッドによって支持された位置合わせピンを受ける少なくとも1つのスロットをさらに備える、請求項1に記載のスキャナ。
  17. ヘッドを有する原子間力顕微鏡(AFM)を動作させる方法であって、前記方法が、
    約5立方インチ未満の総体積を有し、プローブデバイスを支持する本体を含むスキャナを提供することと、
    道具を使用せずに、手で前記スキャナを前記ヘッドに取り付けることと、
    前記AFMを動作させることと、
    を含
    前記本体は、
    a)前記SPMのヘッドの自由端部の一部分に前記スキャナを接続するための第1の開放端部と、
    b)プローブホルダを支持する第2の閉鎖端部とを有し、
    前記自由端部の一部分は、サンプルに向かって延びた外側表面を有し、
    前記本体は、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びた内側表面を有し、
    前記外側表面および前記内側表面には同様に、互いに対合するようにテーパーが付けられている
    方法。
  18. 前記ハウジングによって少なくとも部分的に支持されるセンサを用いて前記プローブデバイスの移動を直接的に感知することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
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