JP5944794B2 - 軌道位置データ付与システム及び軌道位置データ付与方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軌道上を走行する車両に設置されたセンサから時系列的に出力される検査値データを、軌道位置データと対応付ける軌道位置データ付与システム及び軌道位置データ付与方法に関する。
軌道上を走行する車両においては、その軌道保守を行うために、軌道の状態を検査することが行われており、検査として、例えば、レールの傷、摩耗または変位、レール遊間量の検査、車両の動揺の検査などが、各種センサを用いて行われる。
これらの検査を行う場合、センサを用いて取得される検査値データは、その検査値データがどこの軌道位置のデータであるかを表す軌道位置データとの対応付けがなされて、格納される必要がある。
従来、軌道検測車のような検査専用車両では、軌道位置データを得るために車輪の回転から距離を計測するエンコーダや、地上子からの軌道位置データを受信可能な車上受信装置が装備されており、検査値データと軌道位置データとの対応付けが行えるようになっている。
しかしながら、検査専用車両を用いずに、通常の営業車で検査値データを取得しようとすると、上記軌道位置データを取得するための装置が装備されていないために、軌道位置の決定が困難になる、という問題がある。
このような問題を解決するためのものとして、特許文献1ないし特許文献3に示すものが知られている。
特許文献1の測定位置照合方式では、軌道の高低狂いデータと車両の上下動揺加速度との間に非常に強い線形依存関係が存在することに着目して、低域通過ろ波処理をした軌道の高低狂いデータと上下動揺データとの相関処理を実施し、最大値を求めている。軌道の高低狂いデータは、軌道検測車による定期検測により軌道位置データとの対応付けがなされて形成されているので、この軌道の高低狂いデータと、上下動揺加速度測定データとを照合することで軌道位置を決定するものである。
特許文献2の並列記録方式では、軌道検測車で測定した列車動揺データと、営業車で測定した動揺データとの照合を行うために、営業車で測定した進行方向の加速度データを2重積分して距離にして軌道位置データである走行キロ程を求め、上下方向及び左右方向の加速度データに対して、軌道位置データとの照合を行っている。
特許文献3の車両走行動揺解析システム及び方法では、GPSアンテナ及びGPS受信機を有し、GPSアンテナによりGPS受信機が受信するGPS信号により取得される位置情報に基づいて車両の位置情報を補正している。
しかしながら、特許文献1の構成では、軌道の高低狂いデータと車両の上下動揺加速度データとの間に線形依存関係があるといっても、ある長い波長帯において関係が成り立つのであり、直接の両データ同士を比較する限りにおいては、類似性は見られない。そのため、精度良く照合させることが困難である、という問題がある。
また、特許文献2の構成では、進行方向の加速度データを2重積分しているが、加速度データに含まれるオフセットや誤差が積分により増大し、正確に照合を行うことが困難である、という問題がある。
また、特許文献3の構成では、GPS信号により取得される位置情報は、ある範囲の誤差を持つ緯度経度情報であるために、GPS信号により取得される緯度経度情報を、軌道位置に対応付ける更なる照合作業が必要になる、という問題がある。
以上のような問題を解決するものとして、本件出願人らは、特許文献4で、少ない処理で簡単に軌道位置データと対応付けることができる軌道位置データ付与システム及び軌道位置データ付与方法を提案している。具体的には、検査値データと同期して、車両上に設置された角速度センサによってヨー角速度を表す角速度データを順次取得して検査値データと共に時系列的に保存するデータ記録装置と、前記データ記録装置で記録されたデータを解析するデータ解析装置とを備えており、データ解析装置は、保存した角速度データの中で処理するべき範囲である処理区間を必要に応じて決定する手段と、処理区間における角速度データと軌道管理図の曲線線形図とを比較することにより、処理区間における角速度データと軌道管理図の軌道位置データとの対応付けを行う手段と、軌道位置データと対応付けられた角速度データに基づき、該角速度データと同期する検査値データを該軌道位置データと対応付ける手段と、を含んでいる。
特許第2933832号公報 特許第2720172号公報 特許第3993222号公報 特開2010−91296号公報
本発明はさらに、特許文献4で示される軌道位置データ付与システム及び軌道位置データ付与方法を改良して、角速度データと同期する検査値データと軌道位置データとの対応付けを自動的に且つ安定的に行うシステム及び方法を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明は、軌道上を走行する車両に設置されたセンサによって時系列的に取得される検査値データを、軌道位置データと対応付ける軌道位置データ付与システムであって、
前記検査値データと同期して、車両上に設置された角速度センサによってヨー角速度またはロール角速度のいずれかを表す角速度データを順次取得して検査値データと共に時系列的に保存するデータ記録装置と、
前記データ記録装置で記録されたデータを解析するデータ解析装置とを備え、前記データ解析装置は、
前記保存したヨー角速度を表す角速度データ、またはロール角速度を表す角速度データを積分した角度データ(以下、「角速度または角度データ)という)と、軌道管理図の曲線線形図とを比較することにより、角速度または角度データと軌道管理図の軌道位置データとの対応付けを行う第1対応付け手段と、
軌道位置データと対応付けられた角速度または角度データに基づき、該角速度または角度データと同期する検査値データを該軌道位置データと対応付ける第2対応付け手段と、
を含み、
前記第1対応付け手段は、
規定条件を満足する角速度または角度データの時系列的集合を抽出し、その時系列的集合を検出曲線として、曲線線形図における曲線とマッチングさせる手段と、
マッチングさせた検出曲線の始点または終点を求める始点/終点検出手段と、
検出曲線の始点または終点を、曲線線形図における曲線の始点または終点に対応付けて、さらに、その曲線の始点または終点に対応する軌道管理図の軌道位置データに対応づける手段と、
を備える、ことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、
曲線における角速度または角度データは、曲線開始時において、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)まで線形で変化し、円弧曲線始点(BCC)から一定になると仮定し、マッチングさせた検出曲線に対して、線形で変化する途中に設定される閾値と、円弧曲線始点後の角速度または角度データと、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)までの距離である既知の緩和曲線長とから、緩和曲線始点(BTC)に対応する点を求め、それを検出曲線の始点とし、または、
曲線における角速度または角度データは、曲線終了時において、円弧曲線終点(ECC)までは一定で、円弧曲線終点(ECC)から緩和曲線終点(ETC)まで線形で変化すると仮定し、マッチングさせた検出曲線に対して、線形で変化する途中に設定される閾値と、円弧曲線終点前の角速度または角度データと、円弧曲線終点(ECC)から緩和曲線終点(ETC)までの距離である既知の緩和曲線長とから、緩和曲線終点(ETC)に対応する点を求め、それを検出曲線の終点とする、
ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、
マッチングさせた検出曲線に対して、その角速度または角度データが第1閾値を示す点よりも曲線端部側にあって、最初にその角速度または角度データが第2閾値(但し、|第2閾値|<|第1閾値|)になった、または第2閾値をクロスした点を、検出曲線の始点または終点とすることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発明において、
マッチングさせた検出曲線の代表のヨー角速度と、対応する曲線線形図における曲線の曲率半径とから速度を求める手段を備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、軌道上を走行する車両に設置されたセンサによって時系列的に取得される検査値データを、軌道位置データと対応付ける軌道位置データ付与方法であって、
前記検査値データと同期して、車両上に設置された角速度センサによってヨー角速度またはロール角速度のいずれかを表す角速度データを順次取得して検査値データと共に時系列的に保存する工程と、
前記保存した角速度データの中で規定条件を満足する、ヨー角速度を表す角速度データ、またはロール角速度を表す角速度データを積分した角度データ(以下、「角速度または角度データ)という)の時系列的集合を抽出し、その時系列的集合を検出曲線として、軌道管理図の曲線線形図における曲線とマッチングさせる工程と、
マッチングさせた検出曲線の始点または終点を求める工程と、
検出曲線の始点または終点を、曲線線形図における曲線の始点または終点に対応付けて、さらに、その曲線の始点または終点に対応する軌道管理図の軌道位置データに対応づけることで、角速度または角度データと軌道管理図の軌道位置データとの対応付けを行う工程と、
軌道位置データと対応付けられた角速度または角度データに基づき、該角速度または角度データと同期する検査値データを該軌道位置データと対応付ける工程と、
を含むことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、
曲線における角速度または角度データは、曲線開始時において、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)まで線形で変化し、円弧曲線始点(BCC)から一定になると仮定し、マッチングさせた検出曲線に対して、線形で変化する途中に設定される閾値と、円弧曲線始点後の角速度または角度データと、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)までの距離である既知の緩和曲線長とから、緩和曲線始点(BTC)に対応する点を求め、それを検出曲線の始点とし、または、
曲線における角速度または角度データは、曲線終了時において、円弧曲線終点(ECC)までは一定で、円弧曲線終点(ECC)から緩和曲線終点(ETC)まで線形で変化すると仮定し、マッチングさせた検出曲線に対して、線形で変化する途中に設定される閾値と、円弧曲線終点前の角速度または角度データと、円弧曲線終点(ECC)から緩和曲線終点(ETC)までの距離である既知の緩和曲線長とから、緩和曲線終点(ETC)に対応する点を求め、それを検出曲線の終点とする、
ことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5記載の発明において、
マッチングさせた検出曲線に対して、その角速度または角度データが第1閾値を示す点よりも曲線端部側にあって、最初にその角速度または角度データが第2閾値(但し、|第2閾値|<|第1閾値|)になった、または第2閾値をクロスした点を、検出曲線の始点または終点とすることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の発明において、
マッチングさせた検出曲線の代表のヨー角速度と、対応する曲線線形図における曲線の曲率半径とから速度を求める工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、角速度データまたはそれを積分した角度データは、軌道管理図の曲線線形図と類似の変化傾向を持つために、規定条件を満足する角速度または角度データの時系列的集合を曲線にマッチングすることができる。
そして、マッチングさせた検出曲線の始点または終点を求め、検出曲線の始点または終点を、曲線線形図における曲線の始点または終点に対応付けることで、角速度または角度データを軌道位置データと対応付けて、該角速度または角度データと同期する検査値データと軌道管理図の軌道位置データとの対応付けを安定して自動的に行うことができる。
本発明による軌道位置データ付与方法を実施した軌道位置データ付与システムの全体図を示す概略説明図である。 本発明によるデータ記録装置の機能ブロック図である。 本発明によるデータ解析装置の機能ブロック図である。 軌道管理図の曲線線形図と、ヨー角速度、ロール角速度、ロール角との関係を示す図である。 (a)〜(c)は旋回変化点の記号の説明図である。 曲線線形テーブルの一例である。 曲線テーブルの一例である。 既定物テーブルの一例である。 データ出力テーブルのフィールドを表す。 直線近似法により検出曲線の始点と終点を求める場合の説明図である。 ゼロクロス法により検出曲線の始点と終点を求める場合の説明図である。 速度を補間する方法を表す説明図である。 (a)は、ヨー角速度と曲線線形図との対応付けを行う前の、検査値、即ち、ヨー角速度とキロ程とを暫定的に対応付けた場合の例であり、(b)は、ヨー角速度によって検出された検出曲線の始点及び終点を曲線線形図の曲線の始点及び終点とを一致させて、ヨー角速度とキロ程とを対応づけた場合の例である。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図において、軌道位置データ付与システム10は、大別して、車両上に設置されて角速度等を測定し、測定によって取得された該角速度データ等を記録するデータ記録装置12と、地上においてデータ記録装置12で記録されたデータを解析するデータ解析装置14及び充電器16と、に大別することができる。
データ記録装置12は、さらに、センサ部20と、収録回路22と、バッテリ28とを備えて、可搬性を持った装置となっている。
センサ部20は、例えば車両の進行方向の加速度a、車両の左右方向の加速度a、車両の上下方向の加速度a、車両のロール角変化であるロール角速度r、車両のピッチ角変化であるピッチ角速度r、車両のヨー角変化であるヨー角速度rを検出する。例えば、センサ部20は、3軸の加速度と2軸の角速度を出力するマイクロ慣性センサ(東京計器株式会社製「MESAG」)を2個直交して配置することにより、これらの3つの加速度及び3つの角速度を検出することができる。またはセンサ部20は、3個の加速度計と3個の角速度計とから構成することもできる。
図2に示すように、収録回路22は、メモリ32と、角速度データを含む検査値データをメモリ32に格納する制御部34と、マーキング部36と、入力部38とを備える。必要に応じてセンサ部20と制御部34との間にA/D変換器を設けることができる。
メモリ32は、データ記録装置12と一体または別体となった任意の記録媒体とすることができ、一定周期毎の角速度データを含む検査値データを時系列的に格納する。マーキング部36は、手動で操作可能であり、この操作が行われたときに、メモリ32にセンサ部20からのデータと対応付けられて後述の測定基準データとしてのマーキングデータが格納される。入力部38は、測定/記録の開始、終了/記録の終了の指令及び後述の測定基準データを入力するためのものである。尚、前記制御部34、マーキング部36及び入力部38の少なくとも一部は、キーボード、マウスといった入力手段を備えたノート型パソコンのような携帯型コンピュータで構成することもできる。
この例では、データ記録装置12は、軌道位置データを付与するための機能と、軌道保守のために必要な検査を行う機能とを兼用しており、検査装置も兼ねている。センサ部20から得られる検査値データは、動揺測定を行うものとして使用される。データ記録装置12が軌道位置データを付与するための機能のみを持つ場合には、センサ部20は、少なくとも1つの角速度データのみ、または少なくとも1つの角速度データと進行方向の加速度データのみを出力するものであってもよい。
データ解析装置14は、CPUを有するコンピュータで構成され、データ解析装置14に格納された軌道位置データ付与プログラムを実行することにより、コンピュータであるデータ解析装置14は、図3に示すように、処理区間決定処理手段140、角速度データ集合抽出手段142、マッチング手段144、速度演算手段146、始点/終点検出手段148、補間手段150、検査値データ対応付け処理手段152、として機能する。またデータ解析装置14は、メモリ32がセットされることによって、またはメモリ32のデータがダウンロードされることによって、データ保存手段としても機能する。このデータ解析装置14を構成するコンピュータは、データ記録装置12の一部を構成するコンピュータと同じものであってもよく、または別のものであってもよい。
また、データ解析装置14には、軌道の曲線線形データと軌道位置データとしてのキロ程との対応付けが記録された曲線線形テーブル42、軌道の曲線毎にその曲率半径との対応付けが記録された曲線テーブル44、軌道上の停車場データその他既定物データと軌道位置データとしてのキロ程との対応付けが記録された既定物テーブル46及び検査値データと軌道位置データとしてのキロ程とを対応付けたデータ出力テーブル48が格納される。曲線線形テーブル42及び曲線テーブル44は、既存の軌道管理図を元にそれぞれ作成されるものである。
図4(a)は、軌道管理図の曲線線形図の一例であり、軌道管理図の曲線線形図は、横軸がキロ程、中立線より上側が右カーブ(軌道の起点から終点に向かって右カーブ)、下側が左カーブ(軌道の起点から終点に向かって左カーブ)を表す。
軌道管理図の曲線線形図、曲線線形テーブル42及び曲線テーブル44で用いられる記号BTC、BCC、ECC、ETC、BIT、EIT、BRT、PRT、ERTの意味は、図5(a)〜(c)に示す通りであり、これらの記号は旋回変化点を表す。これらの旋回変化点は、いずれも曲線線形図において、屈曲点として表わされる。
図6Aに示すように、曲線線形テーブル42では、曲線線形図の各旋回変化点とキロ程との対応付けが一レコードとして記録されている。各レコードは、さらにページ、方向、曲率半径R(m)、カントC(mm)及びスラックS(mm)のフィールドを持つ。ページは、軌道管理図のページを表し、方向は、Rが右カーブ、Lが左カーブを表し、曲率半径Rは、終点方向の曲率半径を表す。曲率半径R、カントC及びスラックSは、旋回変化点が円弧曲線始点BCC及び次の円弧曲線の始点EITの場合に、その点からの軌道の曲率半径、カント及びスラックとして、該当するレコードに記録される。
図6Bに示すように、曲線テーブル44では、各曲線を識別する曲線IDと曲率半径、その他、曲線の特徴値の対応付けが一レコードとして記録されている。曲線IDは、少なくとも停車場間で連番とすることができる。図5(b)に示すように途中で曲線が変わる曲線については、1つの曲線とみなして、曲率半径は、曲線中央の曲率半径を代表させることができる。また、図5(c)の場合には、向きが変化するところを境とした2つの曲線として扱うことができる。
図6Cに示すように、既定物テーブル46では、停車場名とキロ程との対応付けが一レコードとして記録されている。記号は、INが停車場のホームの起点側のキロ程、Cが停車場の代表キロ程、OUTが停車場のホームの終点側のキロ程を表している。尚、既定物テーブル46には、停車場以外の既定物の情報を記録することもでき、例えば既定物として、トンネル、橋、ATS(地上子)のキロ程との対応付けを含めることができる。
以上の曲線線形テーブル42及び曲線テーブル44は1つのテーブルとして構成することも可能であり、既定物テーブル46もこれらのテーブルに吸収させて構成することも可能であり、また、これらのうちのいずれかのテーブルは省略することも可能である。
以上のように構成される軌道位置データ付与システム及び軌道位置データ付与方法の手順を説明する。
1.測定前の準備
予め、データ記録装置12のバッテリ28を充電器16により充電し、データ記録装置12には、記録可能な容量を持つメモリ32をセットしておく。
2.車両上での測定
角速度データを含む検査値データを取得するために、データ記録装置12を車両に運び、車両の任意の場所、例えば床上や座席に、データ記録装置12を設置する。このときに、センサ部20の方向と車両の座標とを一致させるようにして設置する必要がある。測定前に入力部38から測定開始地点の測定基準データとしてのキロ程及び/または停車場名の入力を行う。
データ記録装置12は、入力部38からの測定/記録開始指令の入力があると、測定及び記録を開始し、車両の停止/走行に関係なく、一定周期でセンサ部20からのデータを時系列的にメモリ32に格納し、入力部38からの測定/記録終了指令の入力があると、測定及び記録を終了する。測定後に入力部38から測定終了地点の測定基準データとしてのキロ程及び/または停車場名の入力を行う。
この例では、メモリ32に記録される検査値データは、進行方向加速度データ、左右方向加速度データ、上下加速度データ、ロール角速度データ、ピッチ角速度データ、ヨー角速度データであり、これらは同期して記録される。また、メモリ32には、測定基準データとしての測定開始地点及び測定終了地点のキロ程及び/または停車場名が記録される。即ち、この時点で、各角速度データを含む検査値データは、共通のデータID(または通し番号)と対応付けられ、データIDは、前記一定周期を一定キロ程とする暫定的なキロ程と実質的に対応付けられていることになる。測定開始地点及び測定終了地点の測定基準データもデータIDと対応付けられる。
好ましくは、測定中に、既定物テーブル46に格納した停車場等の既定物を停車または通過するときには、作業者がマーキング部36を操作する。これによって、上記メモリ32に、上記センサ部20で得られる角速度データを含む検査値データと同期して、データIDと対応付けられて測定基準データとしてのマーキングデータが記録される。
尚、測定中に、停車場に停車するときに、マーキングデータを記録する代わりに、測定基準データとして、その停車場のキロ程及び/または停車場名を入力部38を用いて記録することとしてもよい。
3.地上での処理
測定終了後に、地上において、データ解析装置14による軌道位置データ付与プログラムにより、メモリ32に記録されたデータに対して処理を行う。
3−1 処理区間決定処理
軌道位置データ付与処理を行う処理区間を決定し、処理区間に対応するメモリ32に記録された角速度データであるヨー角速度データを読み出す。
この処理区間の決定は、任意の方法・手段により決定することができるが、例えば、この処理区間は、以下のように決定することができる。
・処理区間を測定開始地点と測定終了地点の間、即ち、測定区間全体とすることができる。この場合には、メモリ32に記録されている測定開始地点と測定終了地点のキロ程を読み出し処理基準開始キロ程及び処理基準終了キロ程とする。
・測定区間全体が長い場合には、メモリ32に記録された複数の測定基準データの任意の2つの測定基準データの間を処理区間とし、順次、処理区間を掃引していくことが好ましい。2つの測定基準データ間としては、例えば、隣合う停車場間とすることが考えられる。選択された2つの測定基準データがメモリ32でキロ程として記録されている場合には、それらのキロ程を処理基準開始キロ程及び処理基準終了キロ程とする。
以上の各例において、測定開始地点、測定終了地点または測定基準データがメモリ32で停車場名として記録されている場合には、既定物テーブル46を参照し、キロ程に変換したものを処理基準開始キロ程及び処理基準終了キロ程とする。尚、既定物テーブル46の停車場名のIN、C、OUTのいずれに対応するキロ程に変換するかは、データ記録装置12が設置された車両の位置とホームとの関係に応じて予め決まる。一般的には、データ記録装置12が車両の先頭付近、中間付近、最後尾付近に設置された場合には、その停車場のOUT、C、INのキロ程をそれぞれ読み出せばよい。勿論、停車場以外の既定物を処理区間の開始または終了とすることもできる。
・または、処理区間は予め決められた距離(例えば、1km、5km等)毎の区間とすることが考えられる。この場合、当然ながら、メモリ32に記録されたヨー角速度には距離の情報がないから、暫定的に対応付けられたキロ程を用いてメモリ32から読み出す範囲を決定する。より具体的には、測定開始地点と測定終了地点とのキロ程の差により求めた暫定的な測定距離Lをデータ数で割り算したものを隣り合うデータID間の暫定的な距離として、予め決められた距離に対応するヨー角速度データを読み出すこととしてもよい。
どのように処理区間を決定するかは、予めシステムで決められたものとするか、作業者による選択によって決定することにしてもよい。
3−2 第1対応付け処理
3−2−1 角速度データの抽出
図4に示すように、曲線線形図とヨー角速度のグラフは、非常に類似する変化傾向を持つ。メモリ32に記録された処理区間に対応する角速度データであるヨー角速度のデータを読み出し、曲線に対応するデータを見つけるために、規定条件を満足するデータの抽出を行う。規定条件としては、その絶対値が所定の閾値Ythを超えて、所定データ数、連続して閾値Ythを超えたこととすることができ、この規定条件を満足したヨー角速度の時系列的データ集合を、1つの曲線に対応するデータとみなすことができる。以下、この時系列的データ集合を検出曲線という。
3−2−2 曲線のマッチング
検出曲線が曲線テーブル44のどの曲線に対応するかを求めるために、検出曲線と曲線テーブルの曲線とのマッチングを行う。マッチングの条件は、曲線の順番が逆転することはないこと、曲線の向き、その他、曲線の特徴値の類似度等とすることができる。マッチングが行われると、検出曲線が、曲線テーブル44の曲線IDと対応付けられる。
3−2−3 速度の計算
検出曲線の代表ヨー角速度を決定する。ここでは、車両が曲線を走行する際に、曲率半径が一定の部分を一定の速度で走行するものとする。そして、この速度を求めるために、代表ヨー角速度を任意の方法で決定するが、例えば、以下のように決めることができる。
・検出曲線のうちの中央のデータに対応するヨー角速度を代表ヨー角速度とする。
・検出曲線のうちの中央のデータから前後所定数のデータに対応するヨー角速度の平均値をとって代表ヨー角速度とする。平均をとるデータ数である所定数は、検出曲線を構成する全データ数に応じて可変とすることができ、所定の割合数とすることができる。
こうして検出曲線の代表ヨー角速度Y0が決定されると、マッチングされた曲線の曲率半径Rcを曲線テーブル44より読み出し、速度VをV=Y0×Rcから求める。
3−2−4 始点及び終点の検出
次に、検出曲線から曲線始点及び曲線終点に対応するとみなされるデータを求める。検出曲線を求めるために抽出されたデータは、規定条件である閾値Ythを超えた部分のデータであり、閾値Ythをある程度の大きさにすると、実際の曲線始点及び曲線終点は、抽出されたデータよりも外側にあると考えられる。この始点及び終点を自動的に、且つ一義的及び安定的に検出する方法として、ここでは、直線近似法とゼロクロス法との2つの方法を提案する。
3−2−4−1 直線近似法
図5に示すように、一般的な曲線は、緩和曲線始点(BTC)から曲率が変化し、円弧曲線始点(BCC)で曲率が一定となり、反対に、円弧曲線終点(ECC)まで曲率が一定で、緩和曲線終点(ETC)まで曲率が変化する。この曲線に対して、図7(a)に示すように、ヨー角速度の絶対値は、曲線開始時において、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)まで線形で増加し、円弧曲線始点(BCC)から一定になると仮定する。また、曲線終了時において、円弧曲線終点(ECC)までは一定であり、円弧曲線終点(ECC)から緩和曲線終点(ETC)まで線形で減少すると仮定する。
この仮定に基づき、ヨー角速度が一定になる領域でのヨー角速度は、V/Rc、即ち、代表ヨー角速度であるとし、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)までの距離である緩和曲線長さをTCLとすると、図7(b)に示すように、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)までのヨー角速度Yと距離Dとの関係は、
Y={(V/Rc)/TCL}×D (1)
と直線的に表すことができる。
そこで、緩和曲線始点(BTC)から閾値Ythをクロスした地点までの距離をDthとすれば、(1)式を用いて、
Dth=Yth×TCL×Rc/V (2)
となる。この距離Dthに対応する分だけ、ヨー角速度の絶対値が閾値を下から上へクロス地点から前側(曲線入口側)の地点を始点とし、緩和曲線始点(BTC)のキロ程に対応付ける。同様に、距離Dthに対応する分だけ、ヨー角速度の絶対値が閾値を上から下へクロス地点から後側(曲線出口側)の地点を終点とし、緩和曲線終点(ETC)のキロ程に対応付ける。
以上の対応付けと等価な処理として、具体的には、閾値をクロスしたときのヨー角速度のデータIDに、次のキロ程を対応させる。
閾値を下から上へクロスした地点(曲線入口側):BTCキロ程+Dth
閾値を上から下へクロスした地点(曲線出口側):ETCキロ程−Dth
3−2−4−2 ゼロクロス法
ゼロクロス法は、図8に示すように、閾値Ythを超えた抽出されたデータから、曲線端部側にあって、最初に第2閾値になった、または第2閾値をクロスした点を、始点または終点のデータとする方法である。第2閾値Yth2の絶対値は閾値Ythの絶対値よりも小さい値であり、具体的には、ゼロとすることもできるが、ゼロに近い小さな値としてもよい。
始点を求める場合には、抽出した最初のデータである閾値Ythを上回ったデータから前のデータに遡っていき、最初に第2閾値Yth2に達したデータを、始点のデータとし、それに対応するデータIDを緩和曲線始点(BTC)のキロ程に対応付ける。
同様に、抽出した最後のデータである閾値Ythを下回ったデータから後のデータをたどって行き、最初に第2閾値Yth2に達したデータを、終点のデータとし、それに対応するデータIDを緩和曲線始点(ETC)のキロ程に対応付ける。
3−2−5 補間
以上の検出曲線の始点及び終点において、ヨー角速度のデータIDと、キロ程との対応付けを行う以外に、決定された処理区間内に、メモリ32に記録された測定基準データとしてのマーキングデータがある場合には、既定物テーブル46からそのマーキングデータに対応する既定物のキロ程を参照し、マーキングデータに対応するデータIDと、参照されたキロ程との対応付けを行う。
こうして、離散的にデータIDとキロ程との対応付けが行われると、その間のデータに関して補間を行う。補間は任意の方法で行うことができるが、例えば、次のように行う。
・均等按分処理
キロ程が対応付けられたデータID間にあるデータIDについて、均等にキロ程を割り振る処理である。この場合には、速度が変化しなかったものと仮定したのと等価となる。
・速度の変化を考慮した処理
速度の変化を考慮した処理とする。速度は、前述の3−2−3で求めた速度を使い、この速度を検出曲線の中心における確定速度とする。隣り合う確定速度間は、センサ部20から得られる進行方向の加速度aの積分値で補間する。
図9を参照しながらこの方法について詳細に説明する。
図9において、VとVはそれぞれ隣り合う確定速度とし、その間の区間で進行方向の加速度aを積分していくと、積分区間終点における積分値は理想的にはVになるはずである。
しかしながら、加速度データはオフセットを持っているから積分することにより誤差が拡大する。即ち、速度Vは、
=V+ΣAcc+Σoffset (ここで、Acc:真の加速度、offset:加速度オフセット)
となる。このオフセット分を除去して、V〜V間を補間した速度V(iは、積分区間開始からデータIDがi番目であることを表す)は、i番目のオフセット分をOFFとすれば、
=Vai−OFF
=Vai−OFF×i/n
=Vai+(V−Van)×(ID−ID)/(ID−ID
と表すことができる。
ここで、Vaiは、加速度積分により得られたi番目の速度であり、
ai=Va(i−1)+T×(ax(i−1)+axi)/2
と表すことができる。ここで、Va0=Vであり、axiは、i番目の進行方向の加速度を表し、Tはサンプリングタイムである。
次に、以上の速度Vを積分することにより、距離、即ちキロ程を求める。距離Dは、
=D(i−1)+T×(V(i−1)+V)/2
となる。積分区間は、キロ程が対応づけられた2つのデータID間となり、初期値は、積分区間始点のキロ程である。積分を行ったときの積分区間終点の距離が、実際のキロ程と差異がある場合には、さらに補正を行なってもよい。補正は、例えば、積分区間の実際の距離をDとし、積分区間始点から積分区間終点までの積分によって求められた距離をDとすると、積分区間内の積分によって求められた距離距離Dの補正後の距離D’を、
’=D×D/D
とすることで行ってもよい。
・GPS信号を用いる方法
データ記録装置12にGPS受信機を設けて、GPS受信機から得られる速度(GPS速度という)を検査値データとして他の検査値データと同期して取り込みメモリ32に格納している場合に、そのGPS速度を確定速度として、上記処理と同様に補間することも考えられる。
3−3 第2対応付け処理
こうして、キロ程とデータIDとが対応付けられると、この対応関係をデータ出力テーブル48に格納する。データ出力テーブル48は、図6Dに示すフィールドを持つことができ、これによって、データIDとそれに対応するキロ程が、データIDに対応する検査値データと対応付けられたことになる。また、求めた速度もキロ程と対応付ける。
3−4 繰り返し処理
順次、以上の処理3−1〜3−3を、処理区間を変えて行う。通常、最初に決定された処理区間の始点は測定開始地点となり、最後に決定された処理区間の終点は測定終了地点となる。すべての処理区間について処理を行い、データIDに対してキロ程を対応付けることで、処理を終了する。
こうして作成されたデータ出力テーブル48により、検査値データである加速度データ及び角速度データに対してキロ程が付与されたことになる。
以上の処理によれば、ヨー角速度を利用することにより、キロ程との照合を行うことができる。ヨー角速度は、曲線線形図と類似の変化傾向を持つために、精度良くキロ程と検査値データとの照合を行うことができる。ヨー角速度は、右カーブまたは左カーブに対応しており、他の角速度に比較して曲線に対する感度が高いために、照合作業を一層簡単に且つ精度良く行うことができる。また、ヨー角速度は、曲線部で旋回によるヨー角速度が大きいので、車両の動揺の影響を比較的受け難い点でも、キロ程の照合に使用するデータとして最適である。
3−5 キロ程精度向上処理2
以上の例では、ヨー角速度は、センサ部20のヨー角速度出力を座標変換せずに使用しており、座標変換しなくてもヨー角速度のグラフにおいて、屈曲点の位置が精度良く現れるが、さらに精度を向上させるためには、データ解析装置14またはデータ記録装置12に、ヨー角速度、ロール角速度、ピッチ角速度の3軸の角速度を用いてまた必要に応じて加速度を用いて、公知の座標変換を行い車体系からその車両外の座標系に変換を行う処理を行う手段を設けることも可能である。
4.比較
図10(a)は、ヨー角速度と曲線線形図との対応付けを行う前の、検査値、即ち、ヨー角速度とキロ程とを暫定的に対応付けた場合の例であり、図10(b)は、ヨー角速度によって検出された検出曲線の始点及び終点を曲線線形図の曲線の始点及び終点とを一致させて、ヨー角速度とキロ程とを対応づけた場合の例である。図中矩形の部分は、実際の曲線に対応する。図10(b)に示される対応付けは、図10(a)に比較して、精度良く対応付けられていることが分かる。
5.地上での処理2
以上の例では、ヨー角速度データを主として用いてキロ程との照合を行ったが、これに限るものではなく、ロール角速度データを主として用いて、または副次的に用いてキロ程との照合を行ってもよい。
ロール角速度データを積分すると、図4(d)に示すように、それは、曲線線形図と類似する傾向がある。これはカーブで設定されるカントをロール角として検出するからである。
よって、ヨー角速度データの代わりに、ロール角速度データを積分したロール角データに対して、以上の3−1〜3−5、または4の処理を行っても良い。
この場合には、処理区間において、ロール角速度データを積分してロール角を求める。そして、ロール角と曲線線形図とを比較し、対応すると考えられる曲線の始点同士または終点同士の対応付けを行う。
このように、ロール角速度を用いる場合でも、1回の積分によって、軌道管理図と類似の変化傾向を持たせることができるので、精度良くキロ程と検査値データとの照合を行うことができる。
6.測定基準データについて
測定基準データとしては、前述のように、マーキング部36または入力部38から直接手動により入力されるキロ程のデータ、または、停車場、橋、トンネルといった既定物の通過したことを表すデータとする他に、別途のセンサにより自動的に通過したことを検出したことを表すデータとすることもできる。または、他のATSやデーターデポ(登録商標)(東京計器レールテクノ株式会社製)といった軌道に沿って間隔をあけて配置された地上子の通過を自動的に検知するデータとすることもできる。または、測定基準データとしては、データ記録装置12にGPS受信機を設けて、GPS受信機から得られる位置データとすることもできる。この場合、位置データと軌道上のキロ程との対応テーブルを別途設けるとよい。
7.検査値について
尚、以上の説明例では、検査値データは、ヨーまたはロール角速度及び進行方向の加速度を検出するセンサによって検出されるデータと共通または同一であったが、これに限るものではなく、検査値データは、別のセンサによって検出される別の測定値のデータとすることもできる。
10 軌道位置データ付与システム
12 データ記録装置
14 データ解析装置
140 処理区間決定処理手段
144 マッチング手段
146 速度演算手段
148 始点/終点検出手段
152 検査値データ対応付け処理手段
20 センサ部

Claims (8)

  1. 軌道上を走行する車両に設置されたセンサによって時系列的に取得される検査値データを、軌道位置データと対応付ける軌道位置データ付与システムであって、
    前記検査値データと同期して、車両上に設置された角速度センサによってヨー角速度またはロール角速度のいずれかを表す角速度データを順次取得して検査値データと共に時系列的に保存するデータ記録装置と、
    前記データ記録装置で記録されたデータを解析するデータ解析装置とを備え、前記データ解析装置は、
    前記保存したヨー角速度を表す角速度データ、またはロール角速度を表す角速度データを積分した角度データ(以下、「角速度または角度データ)という)と、軌道管理図の曲線線形図とを比較することにより、角速度または角度データと軌道管理図の軌道位置データとの対応付けを行う第1対応付け手段と、
    軌道位置データと対応付けられた角速度または角度データに基づき、該角速度または角度データと同期する検査値データを該軌道位置データと対応付ける第2対応付け手段と、
    を含み、
    前記第1対応付け手段は、
    規定条件を満足する角速度または角度データの時系列的集合を抽出し、その時系列的集合を検出曲線として、曲線線形図における曲線とマッチングさせる手段と、
    マッチングさせた検出曲線の始点または終点を求める始点/終点検出手段と、
    検出曲線の始点または終点を、曲線線形図における曲線の始点または終点に対応付けて、さらに、その曲線の始点または終点に対応する軌道管理図の軌道位置データに対応づける手段と、
    を備える、ことを特徴とする軌道位置データ付与システム。
  2. 曲線における角速度または角度データは、曲線開始時において、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)まで線形で変化し、円弧曲線始点(BCC)から一定になると仮定し、マッチングさせた検出曲線に対して、線形で変化する途中に設定される閾値と、円弧曲線始点後の角速度または角度データと、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)までの距離である既知の緩和曲線長とから、緩和曲線始点(BTC)に対応する点を求め、それを検出曲線の始点とし、または、
    曲線における角速度または角度データは、曲線終了時において、円弧曲線終点(ECC)までは一定で、円弧曲線終点(ECC)から緩和曲線終点(ETC)まで線形で変化すると仮定し、マッチングさせた検出曲線に対して、線形で変化する途中に設定される閾値と、円弧曲線終点前の角速度または角度データと、円弧曲線終点(ECC)から緩和曲線終点(ETC)までの距離である既知の緩和曲線長とから、緩和曲線終点(ETC)に対応する点を求め、それを検出曲線の終点とする、
    ことを特徴とする請求項1記載の軌道位置データ付与システム。
  3. マッチングさせた検出曲線に対して、その角速度または角度データが第1閾値を示す点よりも曲線端部側にあって、最初にその角速度または角度データが第2閾値(但し、|第2閾値|<|第1閾値|)になった、または第2閾値をクロスした点を、検出曲線の始点または終点とすることを特徴とする請求項1記載の軌道位置データ付与システム。
  4. マッチングさせた検出曲線の代表のヨー角速度と、対応する曲線線形図における曲線の曲率半径とから速度を求める手段を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の軌道位置データ付与システム。
  5. 軌道上を走行する車両に設置されたセンサによって時系列的に取得される検査値データを、軌道位置データと対応付ける軌道位置データ付与方法であって、
    前記検査値データと同期して、車両上に設置された角速度センサによってヨー角速度またはロール角速度のいずれかを表す角速度データを順次取得して検査値データと共に時系列的に保存する工程と、
    前記保存した角速度データの中で規定条件を満足する、ヨー角速度を表す角速度データ、またはロール角速度を表す角速度データを積分した角度データ(以下、「角速度または角度データ)という)の時系列的集合を抽出し、その時系列的集合を検出曲線として、軌道管理図の曲線線形図における曲線とマッチングさせる工程と、
    マッチングさせた検出曲線の始点または終点を求める工程と、
    検出曲線の始点または終点を、曲線線形図における曲線の始点または終点に対応付けて、さらに、その曲線の始点または終点に対応する軌道管理図の軌道位置データに対応づけることで、角速度または角度データと軌道管理図の軌道位置データとの対応付けを行う工程と、
    軌道位置データと対応付けられた角速度または角度データに基づき、該角速度または角度データと同期する検査値データを該軌道位置データと対応付ける工程と、
    を含むことを特徴とする軌道位置データ付与方法。
  6. 曲線における角速度または角度データは、曲線開始時において、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)まで線形で変化し、円弧曲線始点(BCC)から一定になると仮定し、マッチングさせた検出曲線に対して、線形で変化する途中に設定される閾値と、円弧曲線始点後の角速度または角度データと、緩和曲線始点(BTC)から円弧曲線始点(BCC)までの距離である既知の緩和曲線長とから、緩和曲線始点(BTC)に対応する点を求め、それを検出曲線の始点とし、または、
    曲線における角速度または角度データは、曲線終了時において、円弧曲線終点(ECC)までは一定で、円弧曲線終点(ECC)から緩和曲線終点(ETC)まで線形で変化すると仮定し、マッチングさせた検出曲線に対して、線形で変化する途中に設定される閾値と、円弧曲線終点前の角速度または角度データと、円弧曲線終点(ECC)から緩和曲線終点(ETC)までの距離である既知の緩和曲線長とから、緩和曲線終点(ETC)に対応する点を求め、それを検出曲線の終点とする、
    ことを特徴とする請求項5記載の軌道位置データ付与方法。
  7. マッチングさせた検出曲線に対して、その角速度または角度データが第1閾値を示す点よりも曲線端部側にあって、最初にその角速度または角度データが第2閾値(但し、|第2閾値|<|第1閾値|)になった、または第2閾値をクロスした点を、検出曲線の始点または終点とすることを特徴とする請求項5記載の軌道位置データ付与方法。
  8. マッチングさせた検出曲線の代表のヨー角速度と、対応する曲線線形図における曲線の曲率半径とから速度を求める工程を備えることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の軌道位置データ付与方法。

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