JP5943942B2 - アクチュエータ - Google Patents
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Description
本願は、2012年01月25日に、日本に出願された特願2012−013218号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
さらに、この種のアクチュエータにおいては、前述したようにシリンダ径が大型化している一方で、主弁の開閉時間を従来と同等以下とすることが要求されている。
すなわち、本発明に係わるアクチュエータは、筒状をなし、流体が充填されるシリンダと、前記シリンダ内を、前記シリンダ内の軸方向に第1室と第2室とに区画するとともに往復移動可能とされ、主弁を開閉するピストンと、前記第2室に流体を供給する流体供給手段と、前記ピストンを、前記第2室側に向けて前記軸方向に付勢する付勢手段と、前記第1室と前記第2室とを連通する流路と、連通している前記流路を遮断するパイロット弁と、を備え、前記流路は前記シリンダと平行に隣接する配管部材を含み、前記パイロット弁の受圧室には、前記第2室と同一の圧力となるように流体が供給され、前記パイロット弁は、前記流路の一部をなす孔部の開口縁部に当接することにより、開放されている前記孔部を閉塞する弁体と、前記弁体に連結されて前記受圧室の内部に配設されるとともに、前記受圧室に供給される流体の圧力により前記弁体を前記孔部側へ向けて押す受圧体と、を備え、前記弁体が前記孔部の流体から圧力を受ける面積の、前記受圧体が前記受圧室の流体から圧力を受ける面積に対する比が、0.7〜0.8である。
尚、このような案内部の形成にあたっては、例えば、面取り加工や曲面(R)加工を用いることができる。
なお、記号Cを用いた表記はJIS規格(日本工業規格)に基づいた表記である。記号CはChamferのCであり、45°にて面取りした場合のmm単位の寸法数値である。その数値は、45°にて面取りした場合、角は直角二等辺三角形に切り取られるが、その切り取られた角の長さの等しい二辺における一辺の長さである。
すなわち、弁体の直径を76.2mmよりも小さくすると、流体の流量を増大できないおそれがあり、また弁体の直径を127.0mmよりも大きくすると、これに伴ってパイロット弁の外形もより大きくなり、例えばプラント内の各種配管等に干渉しやすくなるなど、好ましくない。従って、弁体の直径は、76.2mm〜127.0mmであることが好ましい。
尚、受圧面積A2/受圧面積A1が0.7よりも小さくなると、パイロット弁を迅速に動作させる効果が十分に得られないおそれがある。また、受圧面積A2/受圧面積A1が0.8よりも大きくなると、孔部の開口縁部に対する弁体のシートのシール性の確保が難しくなるおそれがある。従って、受圧面積A2/受圧面積A1は0.7〜0.8であることが好ましい。
図1及び図2に示されるように、本実施形態のアクチュエータ1は、シリンダ2と、ピストン3と、流体供給手段と、弾性部材(付勢手段)6と、流路7と、ダンプ弁(パイロット弁)8と、を備えている。シリンダ2は、筒状をなし、油(流体)が充填される。ピストン3は、シリンダ2内を、シリンダ2の軸方向(図1及び図2における上下方向)に第1室11と第2室12とに区画するとともに往復移動が可能であり、蒸気弁(主弁)4を開閉する。流体供給手段は、第2室12に油を供給する。弾性部材(付勢手段)6は、ピストン3を、第2室12側に向けて軸方向に付勢する。流路7は、第1室11と第2室12とを連通する。ダンプ弁(パイロット弁)8は、流路7を開放したり遮断したりする。
本実施形態における蒸気弁4のスロート径は、例えば762.0mmであり、該蒸気弁4を駆動(開閉動作)するアクチュエータ1のシリンダ径は、例えば228.6mmである。
尚、以下の説明では、ポンプ5から第2室12に供給される油を高圧油といい、ポンプ5からダンプ弁8の受圧室8aに供給される油を非常遮断油という。
一方、図2に示される状態では、電磁弁13が開状態とされ、ポンプ5と受圧室8aとの間の流路が電磁弁13によって遮断されており、電磁弁13は、多孔オリフィス15及び逆止弁14を通して、受圧室8aとタンク17との間の流路を連通している。
サーボ切換弁10のポート切り換え及び電磁弁13の開閉は、制御部19により制御される。
また、図1において、本実施形態では、弁体8bが孔部7aの流体(第2室12の流体)から圧力を受ける面積(以下、受圧面積A2と省略)の、受圧体8cが受圧室8aの流体から圧力を受ける面積(以下、受圧面積A1と省略)に対する比は、0.78となっている。受圧面積A2の、受圧面積A1に対する比は、0.7〜0.8であることが好ましい。
具体的に、本実施形態では、孔部7aの内壁の直径は、85mmであり、受圧体8cの外壁の直径は、96mmである。孔部7aの内壁の直径は、弁体8bの前記閉塞面が孔部7a内の流体から圧力を受ける領域の直径である。
図4に示されるように、流路7の内壁には、油の流通方向を段階的に又は連続的に漸次変化させる案内部16が形成されている。案内部16は、流路7の内壁において該流路7内に向けて突出する角部に配置され、面取り加工や曲面(R)加工等により形成され、流路7内壁において前記角部の上流側部分と下流側部分とを滑らかに連結している。
尚、案内部16は、凸曲面形状とされ、流路7の内壁において油の流通方向を上流から下流へ向けて連続的に漸次変化させるように形成されていてもよい。
図1において、ポンプ5から、サーボ切換弁10に高圧油が供給されるとともに、電磁弁13に非常遮断油が供給される。図1に示されるように、電磁弁13を閉状態とすることによって、高圧油は、サーボ切換弁10から流路7の孔部7aを通して、第2室12に供給される。非常遮断油は、電磁弁13から多孔オリフィス15を通して、ダンプ弁8の受圧室8aに供給される。これにより、非常遮断油の油圧によって受圧体8cを介して弁体8bを孔部7a側へ向けて押す力が、高圧油の油圧が弁体8bを孔部7aとは反対側へ向けて押す力とバネ8dの付勢力との和を上回るため、孔部7aが弁体8bにより閉塞される。
図2において、まず、電磁弁13が開状態となる。これにより、非常遮断油の供給が停止されるとともに、非常遮断油の一部がタンク17に流れて、非常遮断油の油圧が低下する。
電磁弁13が開状態となってから主弁(蒸気弁4)が閉弁されるまでの時間(主弁閉弁時間)Sは、例えば0.15〜0.2秒程度である。
尚、本実施形態では、複数のアクチュエータ1が互いに並列に連設されていることから、前述の開弁動作及び閉弁動作は、全てのアクチュエータ1において同時に行われるようになっている。
すなわち、弁体8bの直径Dを76.2mmチよりも小さくすると、油の流量を増大できないおそれがある。また弁体8bの直径Dを127.0mmよりも大きくすると、これに伴ってダンプ弁8の外形もより大きくなり、プラント内の各種配管等に干渉しやすくなることから、好ましくない。従って、弁体8bの直径Dは、76.2mm〜127.0mmであることが好ましい。尚、本実施形態のように、弁体8bの直径Dが88.9mmとされた場合には、各種配管等との干渉を防止しつつも油の流量を十分に増大でき、望ましい。
すなわち、ダンプ弁8においては、弁体8bの受圧面積A2×高圧油圧が、受圧体8cの受圧面積A1×非常遮断油圧を上回ったときに、ダンプ弁8が開く。具体的に、本実施形態で説明した例では、弁体8bの受圧面積A2×高圧油圧とバネ8dの付勢力との和が、受圧体8cの受圧面積A1×非常遮断油圧を上回ったときに、ダンプ弁8が開く。尚、バネ8dは設けられていなくても構わないが、本実施形態のように、バネ8dが設けられることによって、ダンプ弁8を迅速に開くことができ、好ましい。
本実施形態によれば、受圧面積A2/受圧面積A1が0.7〜0.8と高められているので、非常遮断油圧が低下するときに、ダンプ弁8をより迅速に動作させることができる。ここで、非常遮断油圧は、配管ラインの圧力損失等のため、なだらかに降下するので、本実施形態の構成による効果がより得られやすい。
尚、受圧面積A2/受圧面積A1が0.7よりも小さくなると、ダンプ弁8を迅速に動作させる効果が十分に得られないおそれがある。また、受圧面積A2/受圧面積A1が0.8よりも大きくなると、孔部7aの開口縁部に対する弁体8bのシートのシール性の確保が難しくなるおそれがある。従って、受圧面積A2/受圧面積A1は0.7〜0.8であることが好ましい。尚、本実施形態のように、受圧面積A2/受圧面積A1が0.78とされた場合には、孔部7aの開口縁部に対する弁体8bのシートのシール性を十分に確保しつつもダンプ弁8を迅速に動作させる効果が最大限に得られ、より好ましい。
2 シリンダ
3 ピストン
4 蒸気弁(主弁)
6 弾性部材(付勢手段)
7 流路
7a 孔部
8 ダンプ弁(パイロット弁)
8a 受圧室
8b 弁体
8c 受圧体
10 サーボ切換弁(流体供給手段)
11 第1室
12 第2室
16 案内部
21 壁面部
71 配管部材
A1 受圧面積(受圧体が受圧室の流体から圧力を受ける面積)
A2 受圧面積(弁体が孔部の流体から圧力を受ける面積)
D 弁体の直径
Claims (9)
- 筒状をなし、流体が充填されるシリンダと、
前記シリンダ内を、前記シリンダ内の軸方向に第1室と第2室とに区画するとともに往復移動可能とされ、主弁を開閉するピストンと、
前記第2室に流体を供給する流体供給手段と、
前記ピストンを、前記第2室側に向けて前記軸方向に付勢する付勢手段と、
前記第1室と前記第2室とを連通する流路と、
連通している前記流路を遮断するパイロット弁と、を備え、
前記流路は前記シリンダと平行に隣接する配管部材を含み、
前記パイロット弁の受圧室には、前記第2室と同一の圧力となるように流体が供給され、
前記パイロット弁は、
前記流路の一部をなす孔部の開口縁部に当接することにより、開放されている前記孔部を閉塞する弁体と、
前記弁体に連結されて前記受圧室の内部に配設されるとともに、前記受圧室に供給される流体の圧力により前記弁体を前記孔部側へ向けて押す受圧体と、を備え、
前記弁体が前記孔部の流体から圧力を受ける面積の、前記受圧体が前記受圧室の流体から圧力を受ける面積に対する比が、0.7〜0.8であるアクチュエータ。 - 請求項1に記載のアクチュエータであって、
前記流路の内壁には、流体の流通方向を段階的に又は連続的に漸次変化させる案内部が形成されているアクチュエータ。 - 請求項2に記載のアクチュエータであって、
前記パイロット弁は、前記流路の一部をなす孔部の開口縁部に当接することにより、開放されている前記孔部を閉塞する弁体を備え、
前記案内部は、少なくとも前記孔部の開口縁部に形成されているアクチュエータ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクチュエータであって、
前記パイロット弁は、前記流路の一部をなす孔部の開口縁部に当接することにより、開放されている前記孔部を閉塞する弁体を備え、
前記弁体の直径が、76.2mm〜127.0mmであるアクチュエータ。 - 筒状をなし、流体が充填されるシリンダと、
前記シリンダ内を、前記シリンダ内の軸方向に第1室と第2室とに区画するとともに往復移動可能とされ、主弁を開閉するピストンと、
前記第2室に流体を供給する流体供給手段と、
前記ピストンを、前記第2室側に向けて前記軸方向に付勢する付勢手段と、
前記第1室と前記第2室とを連通する流路と、
連通している前記流路を遮断するパイロット弁と、を備え、
前記パイロット弁は、前記シリンダに一体的に組み込まれ、前記シリンダの前記第2室が、前記パイロット弁のケーシングに形成された流体ポートである孔部を通じて前記パイロット弁と直に接続されていることを特徴とするアクチュエータ。 - 請求項5に記載のアクチュエータであって、
前記流路の内壁には、流体の流通方向を段階的に又は連続的に漸次変化させる案内部が形成されているアクチュエータ。 - 請求項6に記載のアクチュエータであって、
前記パイロット弁は、前記流路の一部をなす孔部の開口縁部に当接することにより、開放されている前記孔部を閉塞する弁体を備え、
前記案内部は、少なくとも前記孔部の開口縁部に形成されているアクチュエータ。 - 請求項5〜7のいずれか一項に記載のアクチュエータであって、
前記パイロット弁は、前記流路の一部をなす孔部の開口縁部に当接することにより、開放されている前記孔部を閉塞する弁体を備え、
前記弁体の直径が、76.2mm〜127.0mmであるアクチュエータ。 - 請求項5〜8のいずれか一項に記載のアクチュエータであって、
前記パイロット弁の受圧室には、前記第2室と同一の圧力となるように流体が供給され、
前記パイロット弁は、
前記流路の一部をなす孔部の開口縁部に当接することにより、開放されている前記孔部を閉塞する弁体と、
前記弁体に連結されて前記受圧室の内部に配設されるとともに、前記受圧室に供給される流体の圧力により前記弁体を前記孔部側へ向けて押す受圧体と、を備え、
前記弁体が前記孔部の流体から圧力を受ける面積の、前記受圧体が前記受圧室の流体から圧力を受ける面積に対する比が、0.7〜0.8であるアクチュエータ。
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