以下、実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、一実施形態における交差点検出システムSYSの例を示している。交差点検出システムSYSは、例えば、移動体(以下、車両とも称する)に搭載されたカメラにより撮影された画像IMGを用いて交差点進入口を検出する。例えば、記憶装置100には、車両側面に取り付けられたカメラより撮影された画像IMGが記憶されている。そして、交差点検出システムSYSは、画像IMGを記憶装置100から読み出し、読み出した画像IMGに基づいて交差点進入口を検出する。
交差点検出システムSYSは、例えば、交差点進入確認部10および遮蔽物位置特定部20を有している。交差点進入確認部10は、画像IMGを取得し、画像IMGの交差点らしさを示す特徴量を算出する。以下、交差点らしさを示す特徴量を交差点らしさの評価値とも称する。例えば、交差点進入確認部10は、画像IMGが交差点内で撮影された画像IMGか否かを交差点らしさの評価値に基づいて判定する。そして、交差点進入確認部10は、判定結果に基づいて、交差点内で撮影された画像IMGを特定する。
例えば、交差点進入確認部10は、特徴量算出部12および交差点らしさ評価部14を有している。特徴量算出部12は、記憶装置100から読み出した画像IMGの交差点らしさの評価値を算出する。そして、交差点らしさ評価部14は、特徴量算出部12で算出された交差点らしさの評価値に基づいて、おおよその交差点中央位置を検出する。例えば、交差点らしさ評価部14は、交差点らしさの評価値に基づいて、交差点内で撮影された画像IMGか否かを判定する。そして、交差点らしさ評価部14は、交差点内で撮影された画像IMGを交差点中央位置の画像IMGと判定する。
遮蔽物位置特定部20は、例えば、交差点内で撮影された画像IMGを探索の開始画像に決定する。そして、遮蔽物位置特定部20は、画像IMGの撮影順序と逆の順序で画像IMGを順次選択し、画像IMGの動きベクトルの段差を探索する。すなわち、遮蔽物位置特定部20は、画像IMGの記録時間方向(撮影順序)と逆行する時間方向で画像IMGを順次選択し、画像IMGの動きベクトルの段差を探索する。
例えば、遮蔽物位置特定部20は、検出した動きベクトルの段差に基づいて交差点進入口を特定する。ここで、動きベクトルの段差は、例えば、互いに比較される動きベクトルのノルム(以下、動き量とも称する)に、所定値以上の差が発生していることを意味している。なお、所定値は、移動体の速度に応じた値でもよいし、固定値でもよい。
遮蔽物位置特定部20は、例えば、動きベクトル算出部22および交差点遮蔽物検出部24を有している。動きベクトル算出部22は、例えば、交差点中央に相当するフレーム(交差点内で撮影された画像IMG)から交差点進入口側に逆再生を行いながら動きベクトルを算出する。交差点進入口側は、画像IMGを撮影した車両を基準にしたときの交差点の入り口側である。交差点遮蔽物検出部24は、動きベクトル算出部22で算出された動きベクトルを用いて、動きベクトルの段差を検出する。そして、交差点遮蔽物検出部24は、動きベクトルの段差に基づいて、交差点の境界に対応する遮蔽物の位置を特定する。
なお、交差点検出システムSYSの構成は、この例に限定されない。例えば、交差点らしさ評価部14は、特徴量算出部12で算出された交差点らしさの評価値を、メモリ等の記憶装置を介して受けてもよい。同様に、交差点遮蔽物検出部24は、動きベクトル算出部22で算出された動きベクトルを、メモリ等の記憶装置を介して受けてもよい。
図2は、図1に示した交差点検出システムSYSの動作の一例を示している。図2の動作は、ハードウエアのみで実現されてもよく、ハードウエアをソフトウエアにより制御することにより実現されてもよい。例えば、交差点検出プログラム等のソフトウエアは、コンピュータに図2の動作を実行させてもよい。すなわち、交差点検出システムSYSは、ハードウエアのみで実現されてもよく、ハードウエアをソフトウエアにより制御することにより実現されてもよい。
処理P100では、交差点進入確認部10は、記憶装置100に記憶されている画像IMGから交差点中央部の画像IMGを検出する。例えば、特徴量算出部12は、記憶装置100から画像IMGを取得し、交差点らしさを示す特徴量(交差点らしさの評価値)を計算する。そして、交差点らしさ評価部14は、例えば、交差点らしさの評価値を時系列で比較し、交差点らしさの評価値がピークになる画像IMGを交差点中央部の画像IMGとして検出する。
例えば、交差点らしさの評価値は、定数から画像IMGの中央部の特徴点の移動量と画像IMGの周辺部の特徴点の移動量との比を引いた値である。なお、交差点進入確認部10は、ピークを検出できなかった場合、次の画像IMGを取得し、移動量の算出およびピークの検出を再度実行する。交差点中央部の画像IMGが検出された場合、交差点検出システムSYSの動作は、処理P200に移る。
処理P200では、遮蔽物位置特定部20は、交差点への進入が確認できた位置から入り口に向けてバックトレースして、遮蔽物を検出する。例えば、動きベクトル算出部22は、画像IMG間の動きベクトルを算出する。そして、交差点遮蔽物検出部24は、動きベクトルの段差を検出する。これにより、遮蔽物が検出される。例えば、動きベクトルの段差は、図5に示すように、遮蔽物により発生する。
なお、遮蔽物位置特定部20は、遮蔽物を検出できなかった場合、前の画像IMG(バックトレース方向で次の画像IMG)を取得し、遮蔽物の検出を再度実行する。遮蔽物が検出された場合、交差点検出システムSYSの動作は、終了する。このように、交差点検出システムSYSは、先ず、移動体が交差点へ進入しているかを確認し、次に、遮蔽物の位置を特定する。したがって、交差点検出システムSYSは、例えば、交差点進入口の探索範囲(探索地点)がユーザ等により予め設定されていなくても、交差点進入口を検出できる。例えば、交差点検出システムSYSは、交差点中央付近から交差点進入口側に向けて探索しているため、遮蔽物を検出することにより、交差点進入口を検出できる。
なお、交差点検出システムSYSの動作は、この例に限定されない。例えば、交差点らしさ評価部14は、交差点らしさの評価値が所定値以上になる画像IMGを交差点中央部の画像IMGとして検出してもよい。この場合、例えば、特徴量算出部12は、画像IMGの周辺部の特徴点の移動量に対する画像IMGの中央部の特徴点の移動量の割合を定数から引いた値を、交差点らしさの評価値として算出する。
図3は、図2に示した交差点進入確認の概要を示している。図3の画像IMG内の網掛けや格子模様の部分は、遮蔽物を示している。また、図3の画像IMG内の矢印は、特徴点の移動量を示している。移動体MOBJが交差点内(例えば、位置PT2)に存在し、移動体側方のカメラが交差路をとらえている場合、取得画像IMG2の画像中央部には、無限遠点付近の物体が撮影されている。このため、画像中央部の移動量M1は、画像周辺部の移動量M2に比べて小さい。画像中央部の移動量M1は、例えば、画像中央部内の特徴点の移動量の平均値等である。また、画像周辺部の移動量M2は、例えば、画像周辺部内の特徴点の移動量の平均値等である。
これに対し、移動体MOBJが交差点外の遮蔽物周辺(例えば、位置PT1)に存在し、移動体側方のカメラが交差点に隣接する遮蔽物をとらえている場合、取得画像IMG1の画像中央部には、移動体周辺(カメラ周辺)の遮蔽物が撮影されている。この場合、画像中央部の移動量M1は、画像周辺部の移動量M2と比較しても、ほとんど小さくならない。このため、交差点進入確認部10は、画像中央部の移動量M1と画像周辺部の移動量M2とを比較することにより、交差点らしさを評価する。
例えば、交差点進入確認部10は、画像中央部の移動量M1と画像周辺部の移動量M2との比R(例えば、R=定数−M1/M2)を交差点らしさの評価値Rとして算出する。そして、交差点進入確認部10は、例えば、画像中央部の移動量M1と画像周辺部の移動量M2との比Rを時系列で比較することにより、交差点らしさを評価する。
なお、図3に示したように、交差点中央付近の画像IMG2には、空間的な抜けという明確な特徴がある。例えば、道路沿いに存在する駐車場等の空き地の奥行きは、交差点中央付近の空間の奥行きに比べて、浅い。したがって、交差点らしさの評価値Rは、駐車場等の空き地の画像IMGでは交差点中央付近のように大きくならない。このため、例えば、交差点検出システムSYSは、移動体MOBJの走行路沿いに駐車場等の空き地が存在する場合でも、交差点らしさの評価値Rに対して交差点中央と判定するための閾値を設けることにより、駐車場等の空き地を交差点と誤判定せずに、交差点中央付近で撮影された画像IMGを特定できる。
図4は、図2に示した交差点進入確認の処理の一例を示している。すなわち、図4は、図1に示した交差点進入確認部10の動作の一例を示している。
処理P110では、特徴量算出部12は、i番目およびi+1番目の画像IMGを取得する。処理P112では、特徴量算出部12は、i番目の画像IMGの特徴点を抽出する。処理P114では、特徴量算出部12は、処理P112で算出した特徴点の追跡を、i+1番目の画像IMGに対して実行する。
処理P116では、特徴量算出部12は、画像中央部の移動量M1を算出する。例えば、特徴量算出部12は、追跡に成功した画像中央部内の特徴点の移動量の平均値M1を、画像中央部の移動量M1として算出する。処理P118では、特徴量算出部12は、画像周辺部の移動量M2を算出する。例えば、特徴量算出部12は、追跡に成功した画像周辺部内の特徴点の移動量の平均値M2を、画像周辺部の移動量M2として算出する。
処理P120では、特徴量算出部12は、画像中央部の移動量M1と画像周辺部の移動量M2との比Rを定数から引いた値を、交差点らしさの評価値Rとして算出する。例えば、特徴量算出部12は、画像周辺部の移動量M2に対する画像中央部の移動量M1の割合R(R=定数−M1/M2)を、交差点らしさの評価値Rとして算出する。なお、交差点らしさの評価値Rの計算方法は、この例に限定されない。
処理P122では、交差点らしさ評価部14は、移動体MOBJが交差点に進入したか否かを判定する。例えば、交差点らしさ評価部14は、処理P120で算出された交差点らしさの評価値Rが所定値以上になった場合、移動体MOBJが交差点に進入したと判定する。あるいは、例えば、交差点らしさ評価部14は、交差点らしさの評価値Rの時系列変化でピークを検出したとき、移動体MOBJが交差点に進入したと判定する。これにより、交差点内で撮影された画像IMGが特定される。
移動体MOBJが交差点に進入したと判定されたとき(処理P122のYes)、交差点進入確認部10の動作は、終了する。一方、移動体MOBJが交差点に進入していないと判定されたとき(処理P122のNo)、交差点進入確認部10は、処理P124を実行した後、処理P110を実行する。
処理P124では、交差点進入確認部10は、i=i+1の演算を実行する。これにより、交差点進入確認部10は、移動体MOBJが交差点に進入していないと判定したとき、次の画像IMGに対して、交差点進入確認の処理(処理P110−P122)を実行する。
なお、交差点進入確認部10の動作は、この例に限定されない。例えば、処理P116−P120は、交差点らしさ評価部14により実行されてもよい。
図5は、図2に示した遮蔽物位置特定の概要を示している。図5の画像IMG内の網掛けや格子模様の部分は、遮蔽物を示している。また、図5のグラフは、画像IMGの縦方向(垂直方向)の位置Y1、Y2、Y3の動き量を示している。動き量は、例えば、フレーム間の動きベクトルのノルムである。図5のグラフの縦軸は、動き量を示し、横軸は、画像IMGの横方向(移動体MOBJの進行方向に沿う方向)の位置を示している。なお、縦位置Y1は、移動体MOBJの走行路面に近い位置(画像上の高さ)を示している。また、縦位置Y2、Y3は、それぞれ縦位置Y1、Y2より高い位置を示している。
走行路面より高い縦位置Y2、Y3では、動き量の段差が遮蔽物の境界部分に生じる。したがって、遮蔽物位置特定部20は、動き量の段差を探索することにより、遮蔽物の位置を検出できる。なお、移動体MOBJの走行路面に近い縦位置Y1では、動き量の段差は小さい。このため、遮蔽物位置特定部20は、動き量を画像の縦方向に積算することにより画像の横位置の動き量を算出し、積算後の動き量(横位置の動き量)の段差を検出してもよい。あるいは、遮蔽物位置特定部20は、任意の高さYの動き量の段差を探索してもよい。
このように、交差点検出システムSYSは、GPS等の測位装置、地図データおよび測距センサを使用せずに、交差点進入口を検出できる。また、交差点検出システムSYSは、動き量の段差を探索して遮蔽物を検出するため、明確な縦エッジが得られる構造物のない交差点や道路内に白線がない交差点においても、交差点進入口を精度よく検出できる。さらに、交差点検出システムSYSは、動き量の段差の探索を交差点中央から交差点進入口に向けて実行するため、交差点中央に近い側から遮蔽物を検出できる。この結果、交差点検出システムSYSは、交差点の境界に対応する遮蔽物を効率よく検出できる。
図6は、図2に示した遮蔽物位置特定の処理の一例を示している。すなわち、図6は、図1に示した遮蔽物位置特定部20の動作の一例を示している。図6の動作では、処理P210が実行される前に、値jは、例えば、交差点進入確認部10で特定された交差点内(例えば、交差点中央部)の画像IMGを示すフレーム番号等の値に設定されている。例えば、値jは、図4の動作が終了したときの値iに設定されている。
処理P210では、動きベクトル算出部22は、j番目およびj−1番目の画像IMGを取得する。処理P211では、動きベクトル算出部22は、画像の左右中央付近を切り出す。処理P212では、動きベクトル算出部22は、処理P211で取得した画像IMG間の動きベクトルを算出する。
処理P220では、動きベクトル算出部22は、処理P212で算出した動きベクトルに基づいて、画像IMGの各領域のフローを算出する。例えば、動きベクトル算出部22は、画像IMG内の左側、中央、右側のそれぞれの領域の動きベクトルを抽出する。そして、動きベクトル算出部22は、各領域の動きベクトルのノルムの積算値や平均値を、各領域のフローとして算出する。なお、フローが算出される領域の分割は、画像IMG内の左側、中央、右側の3分割に限定されない。
処理P222では、交差点遮蔽物検出部24は、画像IMG内のフローに段差が発生しているか否かを判定する。例えば、交差点遮蔽物検出部24は、右側の領域のフローが左側の領域のフローより小さくなるような段差が発生しているか否かを判定する。画像IMG内のフローに段差が発生しているとき(処理P222のYes)、遮蔽物位置特定部20の動作は、処理P224に移る。一方、画像IMG内のフローに段差が発生していないとき(処理P222のNo)、遮蔽物位置特定部20は、処理P226を実行した後、処理P210を実行する。
処理P224では、交差点遮蔽物検出部24は、フローに段差が発生している画像IMGを、遮蔽物の境界を撮影した画像IMGとして特定する。これにより、遮蔽物の位置が特定され、交差点進入口が特定される。すなわち、交差点遮蔽物検出部24は、フローに段差が発生している画像IMGを、交差点進入口の画像IMGに特定する。このように、遮蔽物位置特定部20は、動きベクトルの段差に基づいて、画像IMGから交差点進入口を検出する。
処理P226では、遮蔽物位置特定部20は、j=j−1の演算を実行する。これにより、遮蔽物位置特定部20は、画像IMGから交差点進入口を検出できないとき、前の画像IMGに対して、遮蔽物位置特定の処理(処理P210−P224)を実行する。このように、遮蔽物位置特定部20は、交差点中央側からバックトレースして遮蔽物を探索する。このため、遮蔽物位置特定部20は、交差点中央に近い側から遮蔽物を検出でき、交差点の境界に対応する遮蔽物を効率よく検出できる。
なお、遮蔽物位置特定部20の動作は、この例に限定されない。例えば、交差点遮蔽物検出部24は、動きベクトルのノルム(動き量)を画像IMGの縦方向に積算し、積算後のノルムの横方向差分を算出することにより、動きベクトルの段差を検出してもよい。この場合は処理P211(画像左右中央部切り出し)は不要である。あるいは、遮蔽物位置特定部20は、処理P220−P226の代わりに、図8に示す処理P232−P240と同様の処理を実行してもよい。
また、例えば、遮蔽物位置特定部20は、処理P212で算出した動きベクトルのうち、移動体MOBJの進行方向(例えば、X軸方向)のみに動いたことを示す動きベクトルに限定して、画像IMGの動きベクトルの段差を探索してもよい。あるいは、遮蔽物位置特定部20は、処理P212で算出した動きベクトルのうち、移動体MOBJの進行方向(例えば、X軸方向)と交差する方向(例えば、Y軸方向)に所定値以上動いたことを示す動きベクトルを除外して、画像IMGの動きベクトルの段差を探索してもよい。この場合、動きベクトルの算出誤り等が除外されるため、交差点進入口の検出精度を向上できる。
例えば、遮蔽物位置特定部20は、X軸となす角度が閾値以上の動きベクトルを、算出誤りとみなしてもよい。あるいは、遮蔽物位置特定部20は、動きベクトルのX軸方向(例えば、画像IMGの横方向)およびY軸方向(例えば、画像IMGの縦方向)のそれぞれの大きさをxi、yiとしたとき、比yi/xiが閾値以上の動きベクトルを、算出誤りとみなしてもよい。
また、動き量は、動きベクトルのノルムの代わりに、動きベクトルのX軸方向の大きさxiで代用されてもよい。したがって、各実施形態の説明において、動きベクトルのノルムは、動きベクトルのX軸方向の大きさxiに読み替えられてもよい。
なお、交差点検出システムSYSは、画像IMGが透視投影モデルで表せない場合(例えば、カメラのレンズが魚眼レンズの場合)、画像IMGを透視投影モデルで表せるように補正した後に、動きベクトルを算出してもよい。あるいは、交差点検出システムSYSは、画像IMGが透視投影モデルで表せない場合、画像IMGから算出した動きベクトルを透視投影モデルとなる空間に射影してもよい。
以上、この実施形態では、交差点検出システムSYSは、例えば、交差点進入確認部10および遮蔽物位置特定部20を有している。例えば、交差点進入確認部10は、移動体MOBJに搭載されたカメラにより撮影された画像IMGを取得し、交差点らしさを示す特徴量(交差点らしさの評価値R)を算出する。そして、交差点進入確認部10は、画像IMGが交差点内で撮影された画像IMGか否かを特徴量(交差点らしさの評価値R)に基づいて判定する。
また、遮蔽物位置特定部20は、例えば、交差点内で撮影された画像IMGを探索の開始画像に決定する。そして、遮蔽物位置特定部20は、画像IMGの撮影順序と逆の順序で画像IMGを順次選択し、画像IMGの動きベクトルの段差を探索する。例えば、遮蔽物位置特定部20は、検出した動きベクトルの段差に基づいて交差点進入口を特定する。
このように、交差点検出システムSYSは、先ず、移動体MOBJが交差点へ進入しているかを確認する。次に、交差点検出システムSYSは、交差点中央側からバックトレースして遮蔽物の位置を動きベクトルの段差に基づいて特定する。これにより、この実施形態では、交差点進入口を精度よく検出できる。例えば、この実施形態では、明確な縦エッジが得られる構造物のない交差点や道路内に白線がない交差点においても、交差点進入口を動きベクトルの段差に基づいて精度よく検出できる。また、この実施形態では、動きベクトルの段差の探索を交差点中央から交差点進入口に向けて実行するため、交差点中央に近い側から遮蔽物を検出できる。この結果、この実施形態では、交差点の境界に対応する遮蔽物を効率よく検出できる。
図7は、別の実施形態における遮蔽物位置特定の概要を示している。図7の画像IMG内の網掛けや格子模様の部分は、遮蔽物を示している。この実施形態の交差点検出システムSYSの構成は、例えば、図1に示した交差点検出システムSYSと同様である。例えば、交差点検出システムSYSは、交差点進入確認部10および遮蔽物位置特定部20を有している。この実施形態の交差点進入確認部10の構成および動作は、図1−図6で説明した交差点進入確認部10と同様である。また、この実施形態の遮蔽物位置特定部20の構成は、図1−図6で説明した遮蔽物位置特定部20と同様である。
なお、この実施形態では、遮蔽物位置特定部20は、動き量(動きベクトルのノルム)を走行路面からの高さを基準とする情報に変換してから、交差点進入口を検出する。遮蔽物位置特定部20のその他の動作は、図1−図6で説明した遮蔽物位置特定部20と同様である。すなわち、この実施形態の交差点検出システムSYSの動作は、遮蔽物位置特定部20の動作を除いて、図1−図6で説明した交差点検出システムSYSと同様である。図1−図6で説明した要素と同様の要素については、同様の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図7のグラフは、画像IMGの縦方向(垂直方向)の位置Y10、Y11、Y12、Y13の動き量を示している。例えば、グラフの縦軸は、動き量を示し、横軸は、画像IMGの横方向の位置を示している。なお、縦位置Y10は、移動体MOBJの走行路面に近い位置(画像上の高さ)を示している。また、縦位置Y11、Y12、Y13は、それぞれ縦位置Y10、Y11、Y12より高い位置を示している。
遮蔽物位置特定部20は、例えば、消失点DPに向かって道路面が見えていると仮定したときの仮想路面上の動きベクトルを算出する。そして、遮蔽物位置特定部20は、画像IMGの動きベクトルと仮想路面上の動きベクトルとの差分が規定値以上の部分を動きベクトルの段差として検出する。
例えば、遮蔽物位置特定部20の動きベクトル算出部22は、取得した画像IMG間の動きベクトルを算出する。次に、遮蔽物位置特定部20の交差点遮蔽物検出部24は、消失点DPに向かって道路面が見えていると仮定したときの仮想路面上の動きベクトルを算出する。そして、交差点遮蔽物検出部24は、動きベクトル算出部22で算出された動きベクトルから仮想路面上の動きベクトルを減算する。
ここで、仮想路面上の動きベクトルは、例えば、図7の括弧内の図に示すように、手前側から消失点DPに向かって小さくなる。画像IMGが透視投影モデルで表せる場合、消失点DPより上の領域は“0”、消失点DPより下は線形に増加するとして仮想路面上の動きベクトルを表せる。
実際の動きベクトル(動きベクトル算出部22で算出された動きベクトル)から仮想路面上の動きベクトルが減算されることにより、走行路面に近い高さの動き量はほぼ“0”となる。また、遮蔽物の位置に対応する動き量は、走行路面より高くなるにしたがい、増加する。すなわち、図7の仮想路面上の動きベクトルとの差分算出のグラフに示すように、仮想路面上の動きベクトルで減算された動きベクトルでは、走行路面より高さがある部分が突出する。
次に、交差点遮蔽物検出部24は、仮想路面上の動きベクトルで減算された動きベクトルのノルムを2値化する。例えば、交差点遮蔽物検出部24は、任意の閾値以上の部分を“1”に設定し、閾値未満の部分を“0”に設定する。これにより、走行路面より任意の高さ以上の部分が“1”(図7の2値化の白い部分)で、任意の高さ未満の部分が“0”(図7の2値化の黒い部分)の2値化画像が得られる。
例えば、交差点遮蔽物検出部24は、2値化画像の“1”の部分を検出することにより、ある程度の高さがある遮蔽物の領域を検出できる。また、交差点遮蔽物検出部24は、2値化画像の“0”から“1”に切り替わる部分を検出することにより、遮蔽物の境界を特定できる。
なお、交差点遮蔽物検出部24は、動きベクトルのノルムを2値化する際、モルフォロジー演算でのOpen、close処理等を実行してもよい。これにより、交差点遮蔽物検出部24は、動きベクトルが得られなかった部分やミスがあった部分の影響を抑制できる。例えば、交差点遮蔽物検出部24は、2値化画像内の細かな粒子や穴を消すことができる。これにより、交差点遮蔽物検出部24は、遮蔽物の境界を精度よく検出できる。
図8は、図7に示した遮蔽物位置特定の処理の一例を示している。すなわち、図8は、遮蔽物位置特定部20の動作の一例を示している。図8の動作は、ハードウエアのみで実現されてもよく、ハードウエアをソフトウエアにより制御することにより実現されてもよい。例えば、交差点検出プログラム等のソフトウエアは、コンピュータに図8の動作を実行させてもよい。
図8の処理P210、P212、P238、P240は、図6の処理P210、P212、P224、P226と同様である。図6で説明した処理と同様の処理については、詳細な説明を省略する。図8の動作では、処理P210が実行される前に、値jは、例えば、交差点進入確認部10で特定された交差点内(例えば、交差点中央部)の画像IMGを示すフレーム番号等の値に設定されている。例えば、値jは、図4の動作が終了したときの値iに設定されている。
処理P210では、動きベクトル算出部22は、j番目およびj−1番目の画像IMGを取得する。処理P212では、動きベクトル算出部22は、処理P210で取得した画像IMG間の動きベクトルを算出する。
処理P230では、交差点遮蔽物検出部24は、仮想路面上の動きベクトルを算出し、処理P212で算出された動きベクトルから仮想路面上の動きベクトルを減算する。
処理P232では、交差点遮蔽物検出部24は、処理P230で算出した動きベクトル(仮想路面上の動きベクトルで減算された動きベクトル)のノルムを2値化する。これにより、画像IMGに対応する2値化画像が生成される。この際、交差点遮蔽物検出部24は、モルフォロジー演算でのOpen、close処理等を実行してもよい。
処理P234では、交差点遮蔽物検出部24は、2値の切り替わり部(例えば、“0”から“1”に切り替わる部分)を探索する。
処理P236では、交差点遮蔽物検出部24は、2値の切り替わり部が処理P234で検出されたか否かを判定する。なお、交差点遮蔽物検出部24は、2値の切り替わりが発生している箇所も判定条件に含めてもよい。例えば、交差点遮蔽物検出部24は、所定の範囲(例えば、画像IMGの中央部に対応する部分)に2値の切り替わり部が発生しているか否かを判定してもよい。
2値の切り替わり部が検出されているとき(処理P236のYes)、遮蔽物位置特定部20の動作は、処理P238に移る。一方、2値の切り替わり部が検出されていないとき(処理P236のNo)、遮蔽物位置特定部20は、処理P240を実行した後、処理P210を実行する。
処理P238では、交差点遮蔽物検出部24は、2値の切り替わり部が検出された画像IMGを、遮蔽物の境界を撮影した画像IMGとして特定する。これにより、遮蔽物の位置が特定され、交差点進入口が特定される。すなわち、交差点遮蔽物検出部24は、2値の切り替わり部が検出された画像IMGを、交差点進入口の画像IMGに特定する。このように、遮蔽物位置特定部20は、2値の切り替わり部(動きベクトルの段差)に基づいて、画像IMGから交差点進入口を検出する。
処理P240では、遮蔽物位置特定部20は、j=j−1の演算を実行する。これにより、遮蔽物位置特定部20は、画像IMGから交差点進入口を検出できないとき、前の画像IMGに対して、遮蔽物位置特定の処理(処理P210−P212、P230−P238)を実行する。このように、遮蔽物位置特定部20は、交差点中央側からバックトレースして遮蔽物を探索する。このため、遮蔽物位置特定部20は、交差点中央に近い側から遮蔽物を検出でき、交差点の境界に対応する遮蔽物を効率よく検出できる。
なお、遮蔽物位置特定部20の動作は、この例に限定されない。例えば、遮蔽物位置特定部20は、処理P232−P240の代わりに、図6に示した処理P220−P226と同様の処理を実行してもよい。
以上、この実施形態においても、図1−図6で説明した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、この実施形態では、交差点進入口を精度よく検出できる。さらに、この実施形態では、遮蔽物位置特定部20は、消失点DPに向かって道路面が見えていると仮定したときの仮想路面上の動きベクトルを算出する。そして、遮蔽物位置特定部20は、画像IMGの動きベクトルと仮想路面上の動きベクトルとの差分が規定値以上の部分を動きベクトルの段差として検出する。
このように、この実施形態では、動き量は、カメラからの距離ではなく、走行路面からの高さを基準とする情報に変換される。これにより、この実施形態では、遮蔽物より手前側にある路面等が遮蔽物の検出精度に与える影響を小さくできる。例えば、カメラからの距離が基準の場合、遮蔽物だけではなく、遮蔽物より手前側にある路面等も抽出される。このため、交差点の境界に対応する遮蔽物を検出できないおそれがある。これに対し、この実施形態では、動き量を走行路面からの高さを基準とする情報に変換するため、走行路面よりある程度の高さがある遮蔽物(交差点の境界に対応する遮蔽物)を検出できる。
図9は、別の実施形態における遮蔽物位置特定の概要を示している。図9の画像IMG内の網掛けや格子模様の部分は、遮蔽物を示している。この実施形態の交差点検出システムSYSの構成は、例えば、図1に示した交差点検出システムSYSと同様である。例えば、交差点検出システムSYSは、交差点進入確認部10および遮蔽物位置特定部20を有している。この実施形態の交差点進入確認部10の構成および動作は、図1−図6で説明した交差点進入確認部10と同様である。また、この実施形態の遮蔽物位置特定部20の構成は、図1−図6で説明した遮蔽物位置特定部20と同様である。
なお、この実施形態では、遮蔽物位置特定部20は、時系列で取得した動きベクトルの段差(動きベクトルの時系列での段差)を探索して、交差点進入口を検出する。遮蔽物位置特定部20のその他の動作は、図1−図6で説明した遮蔽物位置特定部20と同様である。すなわち、この実施形態の交差点検出システムSYSの動作は、遮蔽物位置特定部20の動作を除いて、図1−図6で説明した交差点検出システムSYSと同様である。図1−図8で説明した要素と同様の要素については、同様の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図9のグラフは、画像IMGの横位置X10における縦位置Y20、Y21、Y22、Y23の動き量を時系列で示している。例えば、グラフの縦軸は、動きベクトルのノルム(動き量)を示し、横軸は、時刻を示している。なお、縦位置Y20は、移動体MOBJの走行路面に近い高さを示している。また、縦位置Y21、Y22、Y23は、それぞれ縦位置Y20、Y21、Y22より高い位置を示している。また、画像IMGcは、画像IMGの中央部を示している。
遮蔽物位置特定部20は、例えば、画像IMGの所定領域の動きベクトルを時系列で取得し、時系列で取得した動きベクトルの段差を探索する。そして、遮蔽物位置特定部20は、動きベクトルの段差が検出された画像IMGを交差点進入口が撮影された画像IMGに特定する。
例えば、遮蔽物位置特定部20の動きベクトル算出部22は、上述した実施形態と同様に、取得した画像IMG間の動きベクトルを算出する。この際、動きベクトル算出部22は、動きベクトルの算出範囲を所定領域(例えば、画像中央部の横位置X10付近)に限定することが望ましい。そして、遮蔽物位置特定部20の交差点遮蔽物検出部24は、画像IMGの撮影順序と逆の順序で、画像IMGの所定領域の動きベクトルの時系列での段差を探索する。すなわち、遮蔽物位置特定部20は、画像IMGの記録時間方向(撮影順序)と逆行する時間方向に、画像IMGの動きベクトルの段差を探索する。
図9のグラフでは、例えば、交差点遮蔽物検出部24は、時刻T50から時刻T10に向かって、動きベクトルの段差を探索する。図9の例では、時刻T30付近で、動きベクトルの段差が検出される。この場合、交差点遮蔽物検出部24は、動きベクトルの段差が検出された時刻の画像IMGを、交差点進入口の画像IMGに特定する。
なお、交差点遮蔽物検出部24は、交差点中央側からバックトレースして遮蔽物を探索するため、動き量が小さくなる方向の段差ではなく、動き量が大きくなる方向の段差(時刻T30付近の段差)を、交差点に隣接する遮蔽物として検出する。このように、交差点遮蔽物検出部24は、動きベクトルの時系列での段差に基づいて、画像IMGから交差点進入口を検出する。
すなわち、この実施形態の遮蔽物位置特定部20は、例えば、図6の処理P220、P222において、動きベクトルの時系列での段差が発生しているか否かを判定する。この際、遮蔽物位置特定部20は、図11に示す処理P262−P266と同様の処理を実行することにより、動きベクトルの時系列での段差を検出してもよい。また、この実施形態では、図6の処理P212において、遮蔽物位置特定部20は、所定領域(例えば、画像中央部の横位置X10付近)に限定して動きベクトルを算出してもよい。遮蔽物位置特定部20のその他の動作は、図6に示した動作と同様である。
以上、この実施形態においても、図1−図6で説明した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、この実施形態では、交差点進入口を精度よく検出できる。さらに、この実施形態では、遮蔽物位置特定部20は、画像IMGの所定領域の動きベクトルを時系列で取得し、時系列で取得した動きベクトルの段差を探索する。このため、この実施形態では、動きベクトルの算出対象を所定領域に限定することにより、計算量等の処理コストを低減できる。
図10は、別の実施形態における遮蔽物位置特定の概要を示している。この実施形態の交差点検出システムSYSの構成は、例えば、図1に示した交差点検出システムSYSと同様である。例えば、交差点検出システムSYSは、交差点進入確認部10および遮蔽物位置特定部20を有している。この実施形態の交差点進入確認部10の構成および動作は、図1−図6で説明した交差点進入確認部10と同様である。また、この実施形態の遮蔽物位置特定部20の構成は、図1−図6で説明した遮蔽物位置特定部20と同様である。
なお、この実施形態では、遮蔽物位置特定部20は、移動体MOBJの速度補償を時系列で取得した動きベクトルに対して実行する。遮蔽物位置特定部20のその他の動作は、図9で説明した遮蔽物位置特定部20と同様である。すなわち、この実施形態の交差点検出システムSYSの動作は、遮蔽物位置特定部20の動作を除いて、図9で説明した交差点検出システムSYSと同様である。図1−図9で説明した要素と同様の要素については、同様の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図10の(a)補正前のグラフは、図9のグラフと同様である。図10の(b)補正後のグラフは、移動体MOBJの速度補償が実行された動きベクトルのノルム(動き量)の時系列を示している。なお、縦位置Y20、Y21、Y22、Y23の意味は、図9の縦位置Y20、Y21、Y22、Y23と同様である。例えば、図10の(a)補正前および(b)補正後のグラフは、図9に示した画像IMGの横位置X10における縦位置Y20、Y21、Y22、Y23の動き量の補正前および補正後を時系列でそれぞれ示している。グラフの縦軸は、動き量を示し、横軸は、時刻を示している。
また、図10の括弧内のグラフ(車両速度の時系列変化)は、車速センサ等により計測された車両(移動体MOBJ)の速度を、参考データとして示している。図10の括弧内に示したグラフの縦軸は、車両(移動体MOBJ)の速度を示し、横軸は、時刻を示している。
先ず、移動体MOBJの速度補償について説明する。移動体MOBJの速度が一定の場合、動きベクトルの時系列の変化は、遮蔽物等の距離の差による動きベクトルの変化にほぼ一致する。これに対し、移動体MOBJの速度が変化する場合、動き量全体が移動体MOBJの速度に応じて変化する。
このため、動きベクトルの時系列の変化が遮蔽物の有無による動きベクトルの変化に対応しない場合がある。この場合、移動体MOBJの速度補償を動きベクトルに実行することにより、遮蔽物の有無による動きベクトルの時系列の変化は、明確になる。したがって、この実施形態では、遮蔽物位置特定部20は、移動体MOBJの速度補償を時系列で取得した動きベクトルに対して実行する。
次に、速度補償用の動きベクトル(正規化の基準になる動きベクトル)の算出の一例を説明する。例えば、この実施形態では、移動体MOBJのカメラの向きは、移動体MOBJ付近の路面が画像IMGの下部に常に映るように調整されている。移動体MOBJ付近の路面の高さはほぼ一定であるため、画像IMG間の路面部分の動き量は移動体MOBJの速度にほぼ比例する。したがって、この実施形態では、画像IMG内の規定の位置(高さ)の動き量を移動体MOBJの速度の定数倍とみなし、規定の位置(高さ)の動き量に基づいて動きベクトルを正規化する。これにより、この実施形態では、車速センサ等を用いずに、移動体MOBJの速度補償を各フレームの動きベクトルに対して実行できる。
例えば、図10の補正前の高さ位置Y20の動きベクトルのノルムは、図10の括弧内に示した車両速度にほぼ比例している。この場合、動きベクトル算出部22は、例えば、縦位置Y20付近の動きベクトルに基づいて、動きベクトルを正規化する。例えば、動きベクトル算出部22は、予め定めた複数の位置(例えば、路面部)の動きベクトルを抽出する。そして、動きベクトル算出部22は、予め定めた複数の位置(例えば、縦位置Y20付近の複数の位置)の動きベクトルの中央値を、速度補償用の動きベクトルとして取得する。
移動体MOBJの速度が滑らかに変化している場合、予め定めた複数の位置の動きベクトルの中央値を選択することにより、動きベクトルの異常値の除去および平滑化が実行される。この結果、この実施形態では、動きベクトルの誤差、マッチング誤り等が補正後の動きベクトルに与える影響を小さくできる。
なお、速度補償用の動きベクトルは、予め定めた複数の位置の動きベクトルの中央値に限定されない。例えば、速度補償用の動きベクトルは、予め定めた複数の位置の動きベクトルの外れ値を除いた平均値でもよい。あるいは、速度補償用の動きベクトルは、予め定めた複数の位置の動きベクトルの平均値でもよい。あるいは、速度補償用に別途切り出した路面部の画像の動きベクトルを利用してもよい。また、交差点検出システムSYSは、反対側のカメラから得られた路面部の動きベクトルと比較し、異常値の除去を実行してもよい。
このように、遮蔽物位置特定部20は、移動体に近い位置の路面部分の動きベクトルに基づいて、速度補償用の動きベクトルを算出する。そして、遮蔽物位置特定部20は、例えば、図6の処理P212で算出した動きベクトルを速度補償用の動きベクトルで除算する。これにより、動きベクトルは、図10の(b)補正後のグラフに示すように、移動体MOBJの速度変化の影響が低減された動きベクトルに正規化される。動きベクトルを正規化した後の遮蔽物位置特定部20の動作は、図9で説明した遮蔽物位置特定部20の動作と同様である。
すなわち、この実施形態の遮蔽物位置特定部20は、例えば、図6の処理P220、P222において、動きベクトルの時系列での段差が発生しているか否かを判定する。この際、遮蔽物位置特定部20は、図11に示す処理P262−P266と同様の処理を実行することにより、動きベクトルの時系列での段差を検出してもよい。
また、この実施形態では、図6の処理P212において、遮蔽物位置特定部20は、所定領域(例えば、画像中央部の横位置X10付近)と速度補償用の動きベクトルの算出に使用する領域とに限定して動きベクトルを算出してもよい。なお、この実施形態の遮蔽物位置特定部20は、例えば、動きベクトルの時系列での段差の検出をする前に、処理P212で算出した動きベクトルを速度補償用の動きベクトルで正規化する。遮蔽物位置特定部20のその他の動作は、図6に示した動作と同様である。
例えば、遮蔽物位置特定部20の動きベクトル算出部22は、上述した実施形態と同様に、取得した画像IMG間の動きベクトルを算出する。そして、動きベクトル算出部22は、路面が常に映る位置の動きベクトルに基づいて、動きベクトルを正規化する。例えば、動きベクトル算出部22は、画像IMG内の左側、中央、右側のそれぞれの領域の動きベクトルを抽出する。そして、動きベクトル算出部22は、画像IMG内の左側、中央、右側のそれぞれの領域の動きベクトルのうち、路面が常に映る位置の動きベクトルに基づいて、動きベクトルを正規化する。
これにより、図10の(b)補正後のグラフに示すように、移動体MOBJの速度補償済みの動きベクトルが算出される。補正後の動きベクトルでは、移動体MOBJの速度の影響が低減されているため、動きベクトルの時系列での段差は、補正前の動きベクトルに比べて、明確になる。
次に、遮蔽物位置特定部20の交差点遮蔽物検出部24は、補正後の動きベクトルを時系列で比較する。例えば、交差点遮蔽物検出部24は、移動体MOBJの速度に応じた時間間隔(フレーム間隔)だけ離れた動きベクトルを比較する。なお、交差点遮蔽物検出部24は、予め設定された時間間隔(フレーム間隔)だけ離れた動きベクトルを比較してもよい。
そして、交差点遮蔽物検出部24は、補正後の動きベクトルの時系列変化が所定値以上のとき、画像IMGの所定領域(例えば、画像中央部)に遮蔽物の境界が存在すると判定する。なお、判定の基準となる所定値は、移動体MOBJの速度に応じた値でもよいし、固定値でもよい。
補正後の動きベクトルの時系列での段差が補正前の動きベクトルに比べて明確であるため、交差点遮蔽物検出部24は、遮蔽物の誤検出を低減できる。なお、交差点遮蔽物検出部24は、交差点中央側からバックトレースして遮蔽物を探索するため、動き量が小さくなる方向の段差ではなく、動き量が大きくなる方向の段差(時刻T30付近の段差)を、交差点に隣接する遮蔽物として検出する。
このように、遮蔽物位置特定部20は、移動体MOBJの走行路面が映っている部分の動きベクトルの時系列に基づいて、移動体MOBJの速度補償を画像IMGの動きベクトルに対して実行する。そして、遮蔽物位置特定部20は、時系列で取得した動きベクトルの段差を補償後の動きベクトルを用いて検出する。
以上、この実施形態においても、図1−図6で説明した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、この実施形態では、交差点進入口を精度よく検出できる。さらに、この実施形態では、遮蔽物位置特定部20は、移動体MOBJの走行路面が映っている部分の動きベクトルの時系列に基づいて、移動体MOBJの速度補償を画像IMGの動きベクトルに対して実行する。そして、遮蔽物位置特定部20は、補償後の動きベクトルを用いて画像IMGの動きベクトルの段差を検出する。このため、この実施形態では、移動体MOBJの速度変化の影響を低減でき、交差点進入口を精度よく検出できる。また、この実施形態では、動きベクトルの算出対象を所定領域等に限定することにより、計算量等の処理コストを低減できる。
なお、この速度補償を行った交差点検出方法は、速度センサや加速度センサからの情報利用を制限するものではない。
図11は、別の実施形態における遮蔽物位置特定の処理の一例を示している。すなわち、図11は、遮蔽物位置特定部20の動作の一例を示している。図11の動作は、ハードウエアのみで実現されてもよく、ハードウエアをソフトウエアにより制御することにより実現されてもよい。例えば、交差点検出プログラム等のソフトウエアは、コンピュータに図11の動作を実行させてもよい。
この実施形態の交差点検出システムSYSの構成は、例えば、図1に示した交差点検出システムSYSと同様である。例えば、交差点検出システムSYSは、交差点進入確認部10および遮蔽物位置特定部20を有している。この実施形態の交差点進入確認部10の構成および動作は、図1−図6で説明した交差点進入確認部10と同様である。また、この実施形態の遮蔽物位置特定部20の構成は、図1−図6で説明した遮蔽物位置特定部20と同様である。
なお、この実施形態では、遮蔽物位置特定部20は、移動体MOBJの速度補償を時系列で取得した動きベクトルに対して実行する。そして、遮蔽物位置特定部20は、動き量(補正後の動きベクトルのノルム)を走行路面からの高さを基準とする情報に変換してから、交差点進入口を検出する。遮蔽物位置特定部20のその他の動作は、図10で説明した遮蔽物位置特定部20と同様である。
すなわち、この実施形態の交差点検出システムSYSの動作は、遮蔽物位置特定部20の動作を除いて、図10で説明した交差点検出システムSYSと同様である。図1−図10で説明した要素と同様の要素については、同様の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。なお、別の観点では、遮蔽物位置特定部20の動作は、時系列で取得した動きベクトルの段差を探索することを除いて、図7−図8で説明した遮蔽物位置特定部20と同様である。
例えば、図11の処理P210、P212、P260−P270は、図8の処理P210、P212、P230−P240と同様である。図8で説明した処理と同様の処理については、詳細な説明を省略する。図11の動作では、処理P210が実行される前に、値jは、例えば、交差点進入確認部10で特定された交差点内(例えば、交差点中央部)の画像IMGを示すフレーム番号等の値に設定されている。例えば、値jは、図4の動作が終了したときの値iに設定されている。
処理P210では、動きベクトル算出部22は、j番目およびj−1番目の画像IMGを取得する。処理P212では、動きベクトル算出部22は、処理P210で取得した画像IMG間の動きベクトルを算出する。この際、動きベクトル算出部22は、動きベクトルの算出範囲を所定領域(例えば、画像中央部の横位置X10付近)および路面部周辺に限定してもよい。
処理P250では、動きベクトル算出部22は、処理P212で算出した動きベクトルのノルムを移動体MOBJの速度に応じた値に補正する。例えば、動きベクトル算出部22は、図10で説明した方法で、速度補償用の動きベクトルを算出する。そして、動きベクトル算出部22は、処理P212で算出した動きベクトルのノルムを速度補償用の動きベクトルで除算する。これにより、処理P212で算出された動きベクトルは、移動体MOBJの速度変化の影響が低減された動きベクトルに正規化される。
処理P260では、交差点遮蔽物検出部24は、仮想路面上の動きベクトルを算出し、処理P250で補正された動きベクトルから仮想路面上の動きベクトルを減算する。この実施形態では、移動体MOBJの速度補償が処理P212で算出された動きベクトルに対して実行されているため、仮想路面上の動きベクトルの減算を時系列の動きベクトルに対して実行できる。
処理P262では、交差点遮蔽物検出部24は、処理P260で算出した動きベクトル(仮想路面上の動きベクトルで減算された動きベクトル)のノルムを2値化する。これにより、画像IMGの所定領域(例えば、画像中央部)に対応する2値化画像が生成される。この際、交差点遮蔽物検出部24は、モルフォロジー演算でのOpen、close処理等を実行してもよい。
処理P264では、交差点遮蔽物検出部24は、2値の切り替わり部(例えば、“0”から“1”に切り替わる部分)を探索する。この際、交差点遮蔽物検出部24は、現在処理中のj番目の画像IMGの2値化画像とj番目の画像IMGより前に処理されたj+1番目の画像IMGの2値化画像とを参照して、2値の切り替わり部を探索してもよい。また、交差点遮蔽物検出部24は、j+1番目の画像IMGより前に処理された画像IMGからj番目の画像IMGまでの範囲の2値化画像を参照して、2値の切り替わり部を探索してもよい。この範囲(フレーム間隔)は、移動体MOBJの速度に応じた範囲でもよいし、予め設定された範囲でもよい。
処理P266では、交差点遮蔽物検出部24は、2値の切り替わり部が処理P264で検出されたか否かを判定する。2値の切り替わり部が検出されているとき(処理P266のYes)、遮蔽物位置特定部20の動作は、処理P268に移る。一方、2値の切り替わり部が検出されていないとき(処理P266のNo)、遮蔽物位置特定部20は、処理P270を実行した後、処理P210を実行する。
処理P268では、交差点遮蔽物検出部24は、2値の切り替わり部が検出された画像IMGを、遮蔽物の境界を撮影した画像IMGとして特定する。これにより、遮蔽物の位置が特定され、交差点進入口が特定される。すなわち、交差点遮蔽物検出部24は、2値の切り替わり部が検出された画像IMGを、交差点進入口の画像IMGに特定する。このように、遮蔽物位置特定部20は、2値の切り替わり部(動きベクトルの時系列での段差)に基づいて、画像IMGから交差点進入口を検出する。
処理P270では、遮蔽物位置特定部20は、j=j−1の演算を実行する。これにより、遮蔽物位置特定部20は、画像IMGから交差点進入口を検出できないとき、前の画像IMGに対して、遮蔽物位置特定の処理(処理P210−P212、P250−P268)を実行する。このように、遮蔽物位置特定部20は、交差点中央側からバックトレースして遮蔽物を探索する。このため、遮蔽物位置特定部20は、交差点中央に近い側から遮蔽物を検出でき、交差点の境界に対応する遮蔽物を効率よく検出できる。
なお、遮蔽物位置特定部20の動作は、この例に限定されない。例えば、遮蔽物位置特定部20は、処理P262−P270の代わりに、図6に示した処理P220−P226と同様の処理を実行してもよい。
以上、この実施形態においても、図1−図6で説明した実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、この実施形態では、交差点進入口を精度よく検出できる。さらに、この実施形態では、遮蔽物位置特定部20は、移動体MOBJの走行路面が映っている部分の動きベクトルの時系列に基づいて、移動体MOBJの速度補償を画像IMGの動きベクトルに対して実行する。また、遮蔽物位置特定部20は、消失点DPに向かって道路面が見えていると仮定したときの仮想路面上の動きベクトルを算出する。そして、遮蔽物位置特定部20は、補正後の動きベクトルと仮想路面上の動きベクトルとの差分が規定値以上の部分を動きベクトルの時系列での段差として検出する。
このため、この実施形態では、画像IMGの所定領域の動きベクトルの時系列の変化に基づいて、走行路面よりある程度の高さがある遮蔽物(交差点の境界に対応する遮蔽物)を検出できる。
以上の実施形態において説明した発明を整理して、付記として開示する。
(付記1)
移動体に搭載されたカメラにより撮影された画像を用いて交差点進入口を検出する交差点検出方法であって、
前記画像を取得し、前記画像の交差点らしさを示す特徴量を算出し、前記画像が交差点内で撮影された前記画像か否かを前記特徴量に基づいて判定し、
交差点内で撮影された前記画像を探索の開始画像に決定し、前記画像の撮影順序と逆の順序で前記画像を順次選択し、前記画像の動きベクトルの段差を探索し、検出した前記動きベクトルの段差に基づいて前記交差点進入口を特定すること
を特徴とする交差点検出方法。
(付記2)
前記画像の所定領域の前記動きベクトルを時系列で取得し、時系列で取得した前記動きベクトルの段差を探索し、前記動きベクトルの段差が検出された前記画像を前記交差点進入口が撮影された前記画像に特定すること
を特徴とする付記1記載の交差点検出方法。
(付記3)
前記移動体の走行路面が映っている部分の前記動きベクトルの時系列に基づいて、前記移動体の速度補償を前記画像の前記動きベクトルに対して実行し、時系列で取得した前記動きベクトルの段差を補償後の前記動きベクトルを用いて検出すること
を特徴とする付記2記載の交差点検出方法。
(付記4)
消失点に向かって道路面が見えていると仮定したときの仮想路面上の前記動きベクトルを算出し、前記画像の前記動きベクトルと前記仮想路面上の前記動きベクトルとの差分が規定値以上の部分を抽出し、その領域の境界を前記動きベクトルの段差として検出すること
を特徴とする付記1ないし付記3のいずれか1項に記載の交差点検出方法。
(付記5)
算出した前記動きベクトルのうち、前記移動体の進行方向と交差する方向に所定値以上動いたことを示す前記動きベクトルを除外して、前記画像の前記動きベクトルの段差を探索すること
を特徴とする付記1ないし付記4のいずれか1項に記載の交差点検出方法。
(付記6)
算出した前記動きベクトルのうち、前記移動体の進行方向のみに動いたことを示す前記動きベクトルに限定して、前記画像の前記動きベクトルの段差を探索すること
を特徴とする付記1ないし付記5のいずれか1項に記載の交差点検出方法。
(付記7)
前記画像の中央部および前記中央部以外の周辺部のそれぞれの特徴点の移動量の比を、前記特徴量として算出すること
を特徴とする付記1ないし付記6のいずれか1項に記載の交差点検出方法。
(付記8)
前記特徴量を時系列で比較し、前記特徴量がピークになる前記画像を交差点内で撮影された前記画像と判定すること
を特徴とする付記7記載の交差点検出方法。
(付記9)
前記周辺部の特徴点の前記移動量に対する前記中央部の特徴点の移動量の割合を定数から引いた値を前記特徴量として算出し、前記特徴量が所定値以上になる前記画像を交差点内で撮影された前記画像と判定すること
を特徴とする付記7記載の交差点検出方法。
(付記10)
移動体に搭載されたカメラにより撮影された画像を用いて交差点進入口を検出する交差点検出システムであって、
前記画像を取得し、前記画像の交差点らしさを示す特徴量を算出し、前記画像が交差点内で撮影された前記画像か否かを前記特徴量に基づいて判定する確認部と、
交差点内で撮影された前記画像を探索の開始画像に決定し、前記画像の撮影順序と逆の順序で前記画像を順次選択し、前記画像の動きベクトルの段差を探索し、検出した前記動きベクトルの段差に基づいて前記交差点進入口を特定する特定部と
を備えていることを特徴とする交差点検出システム。
(付記11)
前記特定部は、前記画像の所定領域の前記動きベクトルを時系列で取得し、時系列で取得した前記動きベクトルの段差を探索し、前記動きベクトルの段差が検出された前記画像を前記交差点進入口が撮影された前記画像に特定すること
を特徴とする付記10記載の交差点検出システム。
(付記12)
前記特定部は、前記移動体の走行路面が映っている部分の前記動きベクトルの時系列に基づいて、前記移動体の速度補償を前記画像の前記動きベクトルに対して実行し、時系列で取得した前記動きベクトルの段差を補償後の前記動きベクトルを用いて検出すること
を特徴とする付記11記載の交差点検出システム。
(付記13)
前記特定部は、消失点に向かって道路面が見えていると仮定したときの仮想路面上の前記動きベクトルを算出し、前記画像の前記動きベクトルと前記仮想路面上の前記動きベクトルとの差分が規定値以上の部分を抽出し、その領域の境界を前記動きベクトルの段差として検出すること
を特徴とする付記10ないし付記12のいずれか1項に記載の交差点検出システム。
(付記14)
前記特定部は、算出した前記動きベクトルのうち、前記移動体の進行方向と交差する方向に所定値以上動いたことを示す前記動きベクトルを除外して、前記画像の前記動きベクトルの段差を探索すること
を特徴とする付記10ないし付記13のいずれか1項に記載の交差点検出システム。
(付記15)
前記特定部は、算出した前記動きベクトルのうち、前記移動体の進行方向のみに動いたことを示す前記動きベクトルに限定して、前記画像の前記動きベクトルの段差を探索すること
を特徴とする付記10ないし付記14のいずれか1項に記載の交差点検出システム。
(付記16)
前記確認部は、前記画像の中央部および前記中央部以外の周辺部のそれぞれの特徴点の移動量の比を、前記特徴量として算出すること
を特徴とする付記10ないし付記15のいずれか1項に記載の交差点検出システム。
(付記17)
前記確認部は、前記特徴量を時系列で比較し、前記特徴量がピークになる前記画像を交差点内で撮影された前記画像と判定すること
を特徴とする付記16記載の交差点検出システム。
(付記18)
前記確認部は、前記周辺部の特徴点の前記移動量に対する前記中央部の特徴点の移動量の割合を定数から引いた値を前記特徴量として算出し、前記特徴量が所定値以上になる前記画像を交差点内で撮影された前記画像と判定すること
を特徴とする付記16記載の交差点検出システム。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。