JP5942346B2 - 車両用シート構成装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シート構成装置の製造方法に関するものである。
従来、車両用シートの一構成部品である鋼板製の車両用シート構成装置として種々のものが提案されている。例えば特許文献1では、車両用シート構成装置として、車両フロアにブラケットを介して固定される断面略C字状のロアレールや、シートクッション下部に固定される断面略U字状のアッパレールなどが提案されている。アッパレールは、ロアレールに対しシートの前後方向に移動可能に装着されており、ロック装置を設けることで任意の位置で当該移動が係止可能とされている。
特開2010−105533号公報
ところで、こうした車両用シート構成装置では、その使用環境等に応じて入力される過大な荷重に十分に耐え得る強度が求められる。例えば特許文献1では、フロントシートに適用されることで、当該シートにシートベルトが設置され、車両衝突時には該シートベルトから下部の各種の車両用シート構成装置(ロアレール、アッパレール等)に過大な荷重が入力される。従って、各車両用シート構成装置には、該当の荷重に十分に耐え得る強度が求められる。
そこで、このような要求を満足すべく、各車両用シート構成装置の形状、材質、板厚等が決定されているが、軽量化等への要望が高まる中で、その板厚等の増加を抑えながらの強度確保には自ずと限界がある。これは、例えば高張力材料を用いて当該車両用シート構成装置の板厚を減少しようとしても、加工性が悪くなるという別の問題が生じて所要の形状への成形が困難になることによる。あるいは、仮に所要の形状への当該車両用シート構成装置の成形が可能であったとしても、その素材の炭素当量の増加が主因と考えられる遅れ破壊(水素脆性)の機会が高まり、特に応力集中部や加工面の粗い部分から割れる可能性があることによる。
本発明の目的は、加工性を損ねることなく、十分な強度を確保することができる車両用シート構成装置の製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両フロアに固定されるロアレールおよび該ロアレールに対し相対移動可能に装着されるアッパレールが、加熱状態での曲げ成形とともに焼き入れてなる一枚の鋼板からなる車両用シート構成装置の製造方法において、前記ロアレールおよび前記アッパレールの相対移動の係止に係るロック用嵌合部を一枚の鋼板に設ける工程と、一枚の鋼板において、前記ロック用嵌合部を含む加熱焼き入れが非処理となる部位を除いて加熱する加熱工程と、前記加熱状態で曲げ成形を行うとともに焼き入れを行う工程とを備えることを要旨とする。
同構成によれば、車両用シート構成装置は、加熱状態での曲げ成形とともに焼き入れてなる一枚の鋼板からなることで、板厚等を増加することなく全体として十分な強度を確保することができる。また、前記加熱焼き入れが非処理となる部位を、例えば追加の塑性加工(切断加工など)を要する部位等に配置しておくことで、加工性を損ねることもない。
同構成によれば、加熱状態での曲げ成形等に先立って前記ロック用嵌合部を加工する場合、加熱焼き入れに伴って前記ロック用嵌合部に熱歪みが生じることを回避できる。従って、前記ロック用嵌合部に必要な精度や緻密な加工を好適に維持することができる。
本発明では、加工性を損ねることなく、十分な強度を確保することができる車両用シート構成装置の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態を示す斜視図。 同実施形態を示す側面図。 図2のA−A線に沿った断面図。 同実施形態が適用されるシートを模式的に示す側面図。 ロアレールを示す斜視図。 (a)〜(c)は、ロアレールを示す平面図、側面図及び縦断面図。 アッパレールを示す斜視図。 (a)(b)は、アッパレールを示す平面図及び側面図。 同実施形態の製造装置を示す概略ブロック図。 仕上げロール成形装置の終段のローラユニットを示す横断面図。 仕上げロール成形装置の終段のローラを示す斜視図。 本発明の変形形態が適用されるシートバックの骨格を示す斜視図。 (a)(b)は、同変形形態を示す側面図及び背面図。
図1〜図11を参照して本発明の一実施形態について説明する。図4に示すように、車両フロア1には、鋼板からなるロアレール11が前後方向に延在する態様で固定されるとともに、該ロアレール11には、鋼板からなるアッパレール12がロアレール11に対し前後方向に相対移動可能に装着されている。
なお、ロアレール11及びアッパレール12は、幅方向(図4において紙面に直交する方向)でそれぞれ対をなして配設されており、ここでは前方に向かって左側に配置されたものを示している。そして、両アッパレール12には、乗員の着座部を形成するシート5が固定・支持されている。ロアレール11及びアッパレール12の相対移動は基本的に係止状態にあって、該係止状態を解除するための解除ハンドル6が設けられている。
図1に示すように、ロアレール11は、前後方向に延在する底壁部11aと、該底壁部11aの幅方向両端からそれぞれ立設された側壁部11bと、該両側壁部11bの上端からそれぞれ形成されたロアレールフック部11cとを有する。そして、底壁部11aは、その幅方向両端側に配設された段差に区画される態様で中央部にレール取付部11dを形成するとともに、幅方向両外側に該レール取付部11dより上方に配置された走行レール部11eを形成する。また、両ロアレールフック部11cは、幅方向内側(互いに対向する側)に延びる内延部11fと該内延部11fの先端から下方向に延びる下延部11gとを有する。ロアレールフック部11cの下延部11gには、長手方向(前後方向)に多数の略四角形のロック用孔11iが所定の間隔をもって形成されている。
また、図6に示すように、底壁部11aのレール取付部11dには、長手方向に間隔を空けて複数のレール取付基準孔11jが形成されている。図1に示すように、ロアレール11は、これらレール取付基準孔11jをそれぞれ貫通する複数の締結具(例えばボルト、かしめピンなど)13によって車両フロア1に締結固定されている。
一方、図3に示すように、アッパレール12は、一対のロアレールフック部11c間に配置される本体壁部12aと、該本体壁部12aの下端から幅方向両外側にそれぞれ形成されたアッパレールフック部12bとを有する。そして、本体壁部12aは、幅方向に延びる天板部12eと該天板部12eの幅方向両端から下方向に延びる一対の取付部12fとを有する。両取付部12fは、上下方向中間部で当接するように幅方向内側に閉じるとともに、該当接部の下側で互いに離隔するよう幅方向外側に開いている。つまり、本体壁部12aは、その上部に略四角形の閉断面構造を有する。また、アッパレールフック部12bは、本体壁部12aの幅方向に開いた下端から幅方向の外側(互いに離間する側)に延びる外延部12cと該外延部12cの先端から上方向に延びる上延部12dとを有する。アッパレールフック部12bは、外延部12cが前記下延部11gの下方に(僅かな隙間を有して)配置されることと上延部12dが下延部11gと幅方向に対向することで、ロアレールフック部11cに対して上方向及び幅方向に係合可能とされ、ロアレールフック部11cからの外れが防止されている。
そして、図2に示すように、アッパレール12には、ロアレール11との上下方向の距離を一定に保ちつつ該ロアレール11に対するアッパレール12の前後方向の移動を可能とする転動体21がアッパレール12の前後方向に一対設けられている。転動体21は、前記上延部12dに対して回転可能に支持され、ロアレール11の前記走行レール部11e上を転動可能とされてアッパレール12の前後方向の移動(走行)を可能としている。
また、アッパレール12の本体壁部12aの上部には、その前端部及び後端部に一対の筒状のブラケット28,29が溶接にてそれぞれ結合されている。これらブラケット28,29は、アッパレール12にシート5を固定するためのものである。
さらに、アッパレール12の片側の取付部12fに支持ブラケット22が締結されるとともに、該支持ブラケット22にロックレバー23が回動可能に連結されている。詳述すると、図7に示すように、アッパレール12の両取付部12fには、互いに同等の前後方向の位置で、略四角形の透孔12g,12hがそれぞれ形成されている。そして、透孔12gを有する片側の取付部12fには、透孔12gを前後方向に挟む両側に略円形のロック装置用基準孔12iが形成されている。また、ロック装置用基準孔12iを有する片側の取付部12fの下端部には、長手方向(前後方向)に複数(3個)の挿通孔12jが前記所定の間隔をもって形成されている。さらに、当該側の上延部12dには、長手方向(前後方向)に複数(3個)の挿通孔12kが前記所定の間隔をもって形成されている。これら挿通孔12j,12kは、透孔12gの配置された前後方向の範囲に合わせて互いに同等の前後方向の位置に設けられている。
そして、図2に示すように、支持ブラケット22は、透孔12gを開放するように屈曲されて該透孔12gの前後方向両側にその両端部を延出しており、該両端部ともどもロック装置用基準孔12iをそれぞれ貫通する締結具(例えばボルト、かしめピンなど)24によって当該取付部12f(アッパレール12)に締結固定されている。また、ロックレバー23は、透孔12gを前後方向に跨る態様で当該方向(アッパレール12の長手方向)に延びる軸線周りに支持ブラケット22に回動可能に連結されている。ロックレバー23の下部には、挿通孔12j,12kの前後方向の位置に合わせて複数(3個)のロック用爪25が配設されている。図3に示すように、透孔12g,12hに順次挿入されたロックレバー23は、その軸線周りの回動に伴い挿通孔12jを貫通する各ロック用爪25をロック用孔11i及び挿通孔12kに順次挿入可能となっている。そして、ロックレバー23のロック用爪25がロック用孔11i及び挿通孔12kに挿入されると、ロアレール11に対するアッパレール12の移動が規制され、これに支持されるシート5も位置決めされることになる。また、ロックレバー23が回動されて、ロック用爪25が挿通孔12k及びロック用孔11iから抜き取られると、ロアレール11に対するアッパレール12(シート5)の移動が許容されることになる。
なお、図2に示すように、ロックレバー23は、支持ブラケット22に一端の係止されたトーションスプリング26の他端が係止されることで、ロック用爪25がロック用孔11i及び挿通孔12kに挿入される側、即ちロアレール11に対するアッパレール12の移動を規制する側に常時回動付勢されている。また、ロックレバー23は、前記解除ハンドル6に機械的に連係されており、該解除ハンドル6を通じて外部からの操作力が入力されることで、トーションスプリング26の付勢力に抗してロック用爪25が挿通孔12k及びロック用孔11iから外れる側、即ちロアレール11に対するアッパレール12の移動を許容する側に回動されることになる。
ここで、本実施形態のロアレール11及びアッパレール12について更に説明する。
鋼板製のロアレール11は、加熱状態での焼き入れが行われることで製造されている。そして、図5及び図6(a)〜(c)に便宜的にパターンを付して示したように、ロアレール11は、加熱焼き入れが非処理となる部位である除外部31を有する。この除外部31は、レール取付基準孔11jの周縁部を含むレール取付部11dの長手方向全長に亘って延在する底部除外部31aと、ロック用孔11iの周縁部を含む下延部11gの長手方向全長に亘って延在する側部除外部31bと、ロアレール11(底壁部11a、両側壁部11b、両ロアレールフック部11c)の前端部に配置されたフロント除外部31cとからなる。
底部除外部31aは、ロール成形に先立ってロアレール11の素材となる平板状の鋼板に予め形成されるレール取付基準孔11jが、ロール成形時の加熱焼き入れによって熱歪みが生じることを回避するために設定されている。同様に、側部除外部31bは、ロール成形に先立ってロアレール11の素材となる平板状の鋼板に予め形成されるロック用孔11iが、ロール成形時の加熱焼き入れによって熱歪みが生じることを回避するために設定されている。一方、フロント除外部31cは、加熱状態でのロール成形後に追加の塑性加工(切断加工など)を要するロアレール11の前端部の部位の高強度化を回避するために設定されている。
また、鋼板製のアッパレール12も、加熱状態での焼き入れが行われることで製造されている。そして、図7及び図8(a)(b)に便宜的にパターンを付して示したように、アッパレール12は、加熱焼き入れが非処理となる部位である除外部36を有する。この除外部36は、ロック装置用基準孔12iの周縁部を含む片側の取付部12fの上下方向中間部の範囲でその長手方向全長に亘って延在する側部除外部36aと、アッパレール12(両取付部12fの下部、両アッパレールフック部12b)の前端部及び後端部に配置されたフロント除外部36b及びリア除外部36cと、本体壁部12a上部の前端部及び後端部に配置された溶接用除外部36d,36eとからなる。
側部除外部36aは、ロール成形に先立ってアッパレール12の素材となる平板状の鋼板に予め形成されるロック装置用基準孔12iが、ロール成形時の加熱焼き入れによって熱歪みが生じることを回避するために設定されている。一方、フロント除外部36b及びリア除外部36cは、加熱状態でのロール成形後に追加の塑性加工(切断加工など)を要するアッパレール12の前端部の部位及び後端部の部位の高強度化を回避するために設定されている。また、溶接用除外部36d,36eは、当該部位の硬化を回避してそれぞれにブラケット28,29を溶接する際の割れの発生を抑えるために設定されている。
次に、ロアレール11を代表してその製造方法について説明する。
図9に示すように、製造装置40は、ロアレール11の素材である高張力の鋼板Pが巻き取られたアンコイラ41と、スピードコントローラ42aにより駆動制御される送り装置42と、スピードコントローラ43aにより駆動制御されるプレス加工装置43と、スピードコントローラ44aにより駆動制御されるプレロール成形装置44と、切断装置45と、スピードコントローラ46aにより駆動制御される送り装置46と、加熱量コントローラ47aにより駆動制御される加熱装置47と、スピードコントローラ48aにより駆動制御される仕上げロール成形装置48と、冷却コントローラ49aにより駆動制御されて仕上げロール成形装置48に冷媒を供給可能な冷媒供給装置49とを備える。スピードコントローラ42a〜44a,46a,48a、切断装置45、加熱量コントローラ47a及び冷却コントローラ49aは、制御装置50により統括制御されている。
そして、製造装置40によるロアレール11の製造方法は、プレス加工装置43によるプレス(穴開け)工程と、プレロール成形装置44によるプレロール(断面成形)工程と、切断装置45による切断工程と、加熱装置47による加熱工程と、冷媒供給装置49と協働する仕上げロール成形装置48による仕上げロール(断面成形)工程とを備える。
すなわち、アンコイラ41に巻き取られた鋼板Pは、送り装置42を経てプレス加工装置43に送られることで、平板状のままロック用孔11i及びレール取付基準孔11jが穴開けされてワークW1となる。このワークW1は、引き続きプレロール成形装置44に送られることで、ロアレール11の断面形状が途中までロール成形(プレロール成形)されたワークW2となる。そして、ワークW2は、切断装置45においてロアレール11の長さで切り出される。
ロアレール11の長さで切り出されたワークW2は、送り装置46を経て加熱装置47に送られることで、その加熱コイル47bにより所定部分が十分に高周波加熱される。具体的には、ワークW2は、ロアレール11の前記除外部31を除く範囲に相当する部位に合わせて高周波加熱される。そして、ワークW2は、引き続き、仕上げロール成形装置48に送られることで、冷媒供給装置49に供給される冷媒にて冷却されつつロアレール11の断面形状が仕上げロール成形されたワークW3となる。この際、加熱コイル47bにより部分加熱された部位は、冷媒による冷却によって焼き入れされることで高強度化される。つまり、ロアレール11の製造に際しては、加熱状態で曲げ成形が行われ、その曲げ成形と並行して焼き入れ(冷媒による急冷)が行われる。なお、曲げ成形と焼き入れとは必ずしも並行(同時)で行われる必要はなく、曲げ成形の後、例えば反そう工程などを挟んで焼き入れが行われようになっていてもよい。その後、適宜の仕上げプレス加工(図示略)を経ることで、ロアレール11が完成する。仕上げプレス加工に係る部位が、加熱コイル47bによる部分加熱のされない部位(加熱焼き入れが非処理となる部位)であって、ロアレール11の除外部31(フロント除外部31c)になることはいうまでもない。
以上により、アンコイラ41に巻き取られた鋼板Pが製造装置40を経ることで複数のロアレール11が連続的に製造される。なお、製造装置40によるアッパレール12の製造方法についても同様である。
ここで、仕上げロール成形装置48及び冷媒供給装置49の構造について更に説明する。仕上げロール成形装置48は、上下一対のローラからなる複数のローラユニットを一列に並べることで構成されており、図10では仕上げロール成形の終段におけるローラユニット51を代表してその横断面形状を示している。このローラユニット51は、ワークW3(ロアレール11)の開口側で該ワークW3を挟む両外側に配設された一対のベアリングBE1により両端部の軸部52aがそれぞれ回転自在に支持された第1ローラ52と、ワークW3の反開口側で該ワークW3を挟む両外側に配設された一対のベアリングBE2により両端部の軸部53aがそれぞれ回転自在に支持された第2ローラ53とを備える。
第1ローラ52は、ワークW3の開口側の外形(ロアレール11の両ロアレールフック部11cに相当)に合わせて段付き円柱状に成形された成形部52bを有するとともに、軸線方向に貫通する冷媒流路52cを有する。この冷媒流路52cは、成形部52bの外形に略沿った内壁面を有する。そして、第1ローラ52には、図11に併せ示すように、成形部52bの外壁面と冷媒流路52cとを連通する複数の噴射口52dが形成されている。
同様に、第2ローラ53は、ワークW3の反開口側の外形(ロアレール11の底壁部11a及び両側壁部11bに相当)に合わせて段付き円柱状に成形された成形部53bを有するとともに、軸線方向に貫通する冷媒流路53cを有する。この冷媒流路53cは、成形部53bの外形に略沿った内壁面を有する。そして、第2ローラ53には、成形部53bの外壁面と冷媒流路53cとを連通する複数の噴射口53dが形成されている。
一方、冷媒供給装置49は、両冷媒流路52c,53cに並列的に冷媒を供給可能な冷媒回路49bを有しており、該冷媒回路49bに冷媒を循環させることで両冷媒流路52c,53cに連通する複数の噴射口52d,53dから冷媒を噴射させてワークW3を冷却する。これにより、前述の部分加熱された部位が焼き入れされる。
次に、本実施形態の動作について説明する。
ロアレール11及びアッパレール12は、加熱状態でのロール成形(曲げ成形)とともに焼き入れされることで高強度化される。また、ロアレール11及びアッパレール12は、加熱焼き入れが非処理となる部位である除外部31,36を有することで、当該部位の高強度化が回避される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、ロアレール11及びアッパレール12は、加熱状態でのロール成形(曲げ成形)とともに焼き入れてなる一枚の鋼板からなることで、板厚等を増加することなく全体として十分な強度を確保することができる。そして、ロアレール11及びアッパレール12の各々の曲げ強度やそれらの間の剥離強度を向上することができる。また、除外部31,36を、例えば追加の塑性加工(切断加工など)を要する部位等に配置しておくことで、加工性を損ねることもない。
(2)本実施形態では、ロアレール11の除外部31(底部除外部31a、側部除外部31b)は、車両フロア1との結合に係るレール取付基準孔11j及びアッパレール12との間の相対移動の係止に係るロック用孔11iを共に含む。従って、加熱状態でのロール成形(曲げ成形)に先立って加工されるこれらレール取付基準孔11j及びロック用孔11iが、加熱焼き入れに伴って熱歪みが生じることを回避できる。従って、レール取付基準孔11j及びロック用孔11iに必要な精度や緻密な加工を好適に維持することができる。同様に、アッパレール12の除外部36(側部除外部36a)は、ロックレバー23との結合に係るロック装置用基準孔12iを含むことで、加熱状態でのロール成形(曲げ成形)に先立って加工されるロック装置用基準孔12iが、加熱焼き入れに伴って熱歪みが生じることを回避できる。従って、ロック装置用基準孔12iに必要な精度や緻密な加工を好適に維持することができる。
(3)本実施形態では、ロアレール11の除外部31(フロント除外部31c)は、加熱状態でのロール成形(曲げ成形)等の後に追加の塑性加工(切断加工など)を要するロアレール11の前端部であることで、当該部の高強度化を回避して加工性を好適に維持することができる。同様に、アッパレール12の除外部36(フロント除外部36b、リア除外部36c)は、加熱状態でのロール成形(曲げ成形)等の後に追加の塑性加工(切断加工など)を要するアッパレール12の前端部及び後端部であることで、当該部の高強度化を回避して加工性を好適に維持することができる。
(4)本実施形態では、アッパレール12の除外部36(溶接用除外部36d,36e)は、ブラケット28,29と溶接接合される部位であることで、当該部位の硬化を回避して割れの発生を抑えることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・本発明は、シート5の背もたれ部を構成するシートバックの骨格に適用してもよい。すなわち、図12に示すように、シートバックの骨格を成す略四角枠状のバックフレーム60は、幅方向に並設されて高さ方向に延在する一枚の鋼板からなる対のバックサイドフレーム61,62を有するとともに、これら両バックサイドフレーム61,62の上端間を接続する金属パイプからなる略L字状の接続棒63を有する。なお、両バックサイドフレーム61,62は、シートバックの側部骨格をなすものである。
そして、図13(a)(b)に併せ示すように、両バックサイドフレーム61,62には、幅方向に貫通する円形の基準孔63がそれぞれ形成されている。両基準孔63は共通の中心線を有しており、例えば両バックサイドフレーム61,62間に橋渡しされる棒状の治具の両端部が挿入されることでこれらバックサイドフレーム61,62の位置決めに供される。また、図13(a)に便宜的にパターンを付して示したように、本実施形態では、各基準孔63の周縁部に加熱焼き入れが非処理となる部位である円環状の除外部64を有する。この除外部64は、バックサイドフレーム61,62の曲げ成形に先立ってその素材となる平板状の鋼板に予め形成される基準孔63が、曲げ成形時の加熱焼き入れによって熱歪みが生じることを回避するために設定されている。これにより、基準孔63に必要な精度や緻密な加工を好適に維持することができる。
さらに、本実施形態では、リクライナの取付部であるバックサイドフレーム61(62)の基端部に、加熱焼き入れが非処理となる部位である円環状の除外部65を有する。この除外部65は、リクライナと溶接接合される部位であることで、当該部位の硬化を回避して割れの発生を抑えることができる。
・前記実施形態において、ロアレール11の除外部31は、ロアレール11の後端部に配置されていてもよい。
・前記実施形態において、ロアレール11の除外部(31)又はアッパレール12の除外部(36)を、シート5上からの負荷伝達経路の途中にゾーンとして設け、わずかの変形を利用することで、加熱焼き入れ部(除外部31,36以外の部位)への応力集中を抑制するようにしてもよい。
・前記実施形態において、ロアレール11又はアッパレール12は、加熱状態でのプレス成形と同時に(曲げ成形とともに)焼き入れてなる、いわゆるダイクエンチの鋼板製であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)一枚の鋼板からなるワークを部分加熱する部分加熱工程と、加熱状態での曲げ成形とともに焼き入れる曲げ成形工程とを有する車両用シート構成装置の製造方法。同構成によれば、前記ワークは、部分加熱工程において部分加熱されることで、その後の曲げ成形工程を経て製造された車両用シート構成装置は、加熱焼き入れが非処理となる部位である除外部を有する。従って、前記除外部を、例えば追加の塑性加工(切断加工など)を要する部位等に配置しておくことで、加工性を損ねることがない。一方、車両用シート構成装置は、加熱状態での曲げ成形とともに焼き入れされることで、板厚等を増加することなく全体として十分な強度を確保することができる。
1…車両フロア(周辺部品)、11…ロアレール、11i…ロック用孔(ロック用嵌合部)、11j…レール取付基準孔(取付用穴部)、12…アッパレール、12i…ロック装置用基準孔(取付用穴部)、22…支持ブラケット(周辺部品)、28,29…ブラケット(周辺部品)、31,36,64,65…除外部、31a…底部除外部、31b…側部除外部、31c…フロント除外部、36a…側部除外部、36b…フロント除外部、36c…リア除外部、36d,36e…溶接用除外部、61,62…バックサイドフレーム、63…基準孔(取付用穴部)。

Claims (1)

  1. 車両フロアに固定されるロアレールおよび該ロアレールに対し相対移動可能に装着されるアッパレールが、加熱状態での曲げ成形とともに焼き入れてなる一枚の鋼板からなる車両用シート構成装置の製造方法において、
    前記ロアレールおよび前記アッパレールの相対移動の係止に係るロック用嵌合部を一枚の鋼板に設ける工程と、
    一枚の鋼板において、前記ロック用嵌合部を含む加熱焼き入れが非処理となる部位を除いて加熱する加熱工程と、
    前記加熱状態で曲げ成形を行うとともに焼き入れを行う工程とを備えることを特徴とする車両用シート構成装置の製造方法
JP2011132410A 2011-06-14 2011-06-14 車両用シート構成装置の製造方法 Expired - Fee Related JP5942346B2 (ja)

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