JP5565785B2 - 構造材 - Google Patents

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Description

本発明は、薄肉鋼を用いた構造材に関し、特に、自動車、航空機等の輸送機器用シートのフレーム材として適する高強度高靱性の薄肉鋼を用いた構造材に関する。
例えば、自動車、航空機等の輸送機器等のシート用のフレーム材は、燃費改善や二酸化炭素排出規制等の観点から軽量化が強く求められており、そのためにシート用のフレーム材を形成する鋼材の高強度化が求められている。一方、シート用のフレーム材は、高強度化だけでなく、変形による衝撃吸収性等の観点から靭性(延性も含む)が高いことも求められる。このような要求に応える技術として、例えば特許文献1〜3に開示の高強度鋼板が知られている。
これらに開示の高強度鋼板は、いずれも、炭素以外の合金元素の添加量を制御することを前提としたものであり、例えば、Mn、Mo、Crなどを所定量以上含有させて所定の硬度、延性を確保するなどとしている。そして、自動車用の鋼材等として使用するため、最終的に1.2mmに冷間圧延しているが、冷間圧延前の工程において行う熱処理は、鋼スラブを厚さ3.2mmに熱間圧延するものである。つまり、厚さ数mm以上の鋼板を得るものであるため、熱処理においては、鋼板における板厚方向を含めてのミクロ組織の均一化を図ることが必要であり、そのため、合金元素の添加量制御が重要な要素となっている技術である。
一方、特許文献4〜5では、普通低炭素鋼の高強度化を図った技術が開示されている。特許文献4は、それ以前の技術において、普通低炭素鋼の焼入れ性が悪いことから、マルテンサイトを出発組織とすると、焼鈍時に不均一な混粒組織が生成されて所定の高強度、高延性鋼材を得ることができなかった、という課題を解決するためになされたものである。このため、特許文献4では、普通低炭素鋼を焼入れしてマルテンサイト相を90%以上とした後、全圧下率20%以上80%未満の冷間圧延と焼鈍を行うことによって粒径1.0μm以下の超微細結晶粒フェライト組織を得ている。特許文献5は、本出願人が提案した技術であるが、プレス成形などの内部応力を高める加工処理を行って、熱処理により、低炭素鋼の金属組織の微細化、混粒化を図って高強度化したものである。
特許第4005517号公報 特開2005−213640号公報 特開2008−297609号公報 特許第4189133号公報 特開2008−13835号公報
自動車のシート用のフレーム材等は、省エネルギー化、環境問題への対応等のから、今後益々コストの削減や資源のリサイクル性への要請が高くなる。従って、特許文献1〜3の技術のように、合金化による高強度化、高靱性化よりも、リサイクル性が高くなる普通低炭素鋼を用いて達成できることが望まれる。また、これらは、主として鉄鋼材料メーカーが、鋼スラブから所定の高強度高靱性鋼を作り出すために実施されている手法であり、市販の鋼を用いてシートフレーム等を加工する加工メーカーにおいて利用できる技術ではない。加工メーカーとしては、このように鉄鋼材料メーカーが高強度高靱性鋼として販売しているものを購入して使用するのではなく、鉄鋼材料メーカーから安価で成形が容易な普通鋼を購入した上で、必要な場合に必要な箇所にその普通鋼の高強度化高靱性化を図ることができれば、シートフレームのコストの低減につながる。
特許文献4の技術は、普通低炭素鋼を熱処理の受入材として用いて、所望の強度、延性を得ようとする技術であるが、鋼材全体をマルテンサイト化した後に冷間圧延して均質に微細化することが必要である。従って、圧延機能を備えた設備が必要となり、設備コスト、製造コストの点で課題がある。これは、特許文献4の実施例において厚さ2mmの普通低炭素鋼材が例示されていることからも明らかなように、ある程度の厚さの鋼を高強度化、高延性化するためには、板厚方向にも均質な微細化が必要であり、そのためマルテンサイト化後における所定条件下での冷間圧延工程が必須だからである。
特許文献5の技術の場合、実施例において、厚さ1.2mm、1.0mmの薄肉の冷間圧延鋼板、熱間圧延鋼板を熱処理して微細化し高強度化しているが、靭性の点ではさらに改善の余地がある。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、低コストでリサイクル性にも優れる薄肉の普通鋼である低炭素鋼を用い、強度及び靭性が高いレベルでバランスされ、特に、自動車や航空機等のシート用のフレーム材として適する構造材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、薄肉鋼同士がその一部において接合加工されて一体化されてなる薄肉鋼を用いた構造材であって、前記薄肉鋼に、ビード、ブラケット、又はビードとブラケットとの組み合わせ部からなる補強部が設けられていると共に、前記接合加工後に、部分的に熱処理され、又は部分的に条件を異ならせて熱処理され、この熱処理により、前記薄肉鋼に強度及び靭性の異なる2種以上の金属組織が形成されており、前記補強部と前記熱処理によって形成された素材状態の部位よりも高い硬度の部位とにより形成される力の伝達経路の形状が略トラス状であることを特徴とする構造材を提供する。本発明は、前記薄肉鋼が、シート用のフレーム材として用いられるものであり、周縁部がヘミング加工され、少なくともこのヘミング加工された周縁部が熱処理されている構成とすることができる。また、前記へミング加工された周縁部は、熱処理により薄肉鋼同士が溶着していることが好ましい。
また、本発明は、前記薄肉鋼が、シート用のフレーム材として用いられるものであり、前記略トラス状の力の伝達経路が、前記フレーム材において、所定間隔をおいて少なくとも2箇所に形成されるように、前記補強部及び前記熱処理された部位が設けられていることが好ましい。
また、本発明は、前記熱処理により形成される前記薄肉鋼の金属組織が、マルテンサイト組織、混粒組織、又は、混粒組織中に該混粒組織よりも高い硬度の硬質相組織が含まれた硬質相含有混粒組織のいずれか少なくとも一つの組織を含む構成とすることが好ましい。また、前記周縁部が、熱処理により、マルテンサイト組織、混粒組織又は硬質相含有混粒組織になっており、前記周縁部以外の部位が、熱処理されない素材状態の組織を含め、前記周縁部の金属組織よりも硬度が低く靭性の高い組織になっていることが好ましい。
また、本発明は、前記薄肉鋼が、厚さ1.2mm以下の普通鋼である薄肉低炭素鋼からなり、Cの含有量が質量%で0.01〜0.12%であり、残部が鉄及び不可避不純物であることが好ましい。また、前記混粒組織は、粒径1μm以上5μm未満の結晶粒と5μm〜30μmの結晶粒とが混合されて構成されていることが好ましく、前記硬質相含有混粒組織は、粒径1μm以上5μm未満の結晶粒と5μm〜30μmの結晶粒とが混合された混粒組織中に、前記硬質相として粒径30μm以下の島状又は鎖状マルテンサイトが分散された組織であることが好ましい。
本発明は、薄肉鋼同士をその一部において接合加工して一体化し、接合加工後に一部を熱処理して、熱処理された部分とそれ以外の部分とで強度及び靭性を異ならせた構造材である。すなわち、熱処理によって構造材全体を均質に高強度化したのではなく、部分的に強度の高い部分と弱い部分とを形成しており、強度と靭性が高いレベルでバランスされた構造材を得ることができる。強度と靭性とが高いレベルでバランスされているため、特に、自動車や航空機等のシート用のフレーム材として適している。また、高い強度が要求される部分の金属組織をマルテンサイト、硬質相含有混粒組織、混粒組織のいずれかとする一方、伸びの必要な部分については、素材状態のままの組織も含め、より硬度が低く靭性の高い組織とすると、強度と靭性とバランスがさらに向上する。特に、熱処理を施した部分と、ビードを形成したり、ブラケットを積層したり、あるいはビードを形成した部分にブラケットを積層した両者の組み合わせ部を形成することによって補強した補強部とは、熱処理せずに素材のままの部位と比較して相対的に大きな力を受けることができるため、この部分が構造材に加わる力の伝達経路になるが、この力の伝達経路の形状が略トラス状となるように熱処理の部位、ビードの形成部位、ブラケットの積層部位を選択することで、高い靭性を保ちながら、さらに強度を高めることができる。また、厚さ1.2mm以下の薄肉低炭素鋼を用いることにより、混粒組織や硬質相含有混粒組織を、急加熱及び急冷を伴う熱処理工程を複数回実施することで容易に構造材中に設定することができる。
図1(a)は、本発明の一の実施形態に係る構造材としてのサイドフレームを示した図であり、図1(b)はこのサイドフレームに形成されるミクロ組織の例を示した図である。 図2(a)〜(h)は、本発明の他の実施形態に係るサイドフレームの熱処理範囲、ビードの形成位置を説明するための図である。 図3(a)は、図2のサイドフレームの熱処理範囲とビードの形成位置を模式的に示した図であり、図3(b)は略トラス状の力の伝達経路を説明するための図である。 図4(a),(b)は、サイドフレームの熱処理範囲のさらに他の例を示した図である。 図5(a)〜(e)は、熱処理範囲の違い、ビードの形成位置の違いに伴う反力の違いを測定するために用いた5種類のサイドフレームを説明する図である。 図6は、負荷子変位量と乗員の変位との関係を説明するための図である。 図7は、図5(a)〜(e)のサイドフレームを用いた各シートについて負荷子変位に対する荷重の変化を示した図である。 図8(a)は、高周波誘導加熱装置の概略構成の一例を示す図であり、図8(b)は、高周波誘導加熱装置の好ましい例の概略構成を示した図であり、図8(c)は、第1工程及び第2工程における急加熱を行う加熱部が一つであって、かつ、ワークの両面から急冷処理行う高周波誘導加熱装置の概略構成を示す図である。 図9は、試験例1における処理条件(A),(B)の温度条件を示した図である。 図10(a)〜(c)は、試験例1の処理条件(A),(B)で処理した試料1〜3のミクロ組織の電子顕微鏡写真である。 図1は、試験例2における処理条件(C)の温度条件を示した図である。 図12は、試験例2の処理条件(C)で処理した試料1のミクロ組織の電子顕微鏡写真である。 図13(a)は、試料1及び試料2の素材の状態のミクロ組織の電子顕微鏡写真であり、図13(b),(c)は、試験例3で処理した試料1及び試料2の各ミクロ組織の電子顕微鏡写真である。 図14は、試験例1〜試験例3で処理した試料1〜試料3の硬度(Hv)とフラクタル次元との関係を示した図である。 図15は、試験例1〜試験例3で処理した試料1〜試料2の破断伸びとフラクタル次元との関係を示した図である。 図16(a),(b)は、試験例4の曲げ試験の測定方法を説明するための図である。 図17は、試験例4の曲げ試験の測定結果を示した図である。 図18は、試験例5の引張試験の測定結果を示した図である。 図19は、試験例6のパイプ状の鋼の引張試験の測定結果を示した図である。
次に、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一の実施形態に係る構造材である、自動車用シートのフレーム材の一つであるサイドフレーム10を示した図である。このサイドフレーム10は、2枚の薄肉鋼11,12を用いてプレス加工により所定形状に形成されたものである。図1(b)に示したように、周縁部10aは、プレス加工により又はローラへミング用の治具により、一方側に配置される薄肉鋼11の端縁を他方側の薄肉鋼12の内面側から外面側に沿うように折り曲げるヘミングが施されて一体化されている。
本実施形態においては、図1に示したように、2枚の薄肉鋼11,12の周縁部10aの全体をヘミング加工によって一体化しており、ヘミング加工した部分が、環状につながっている。このため、一方の薄肉鋼11と他方の薄肉鋼12との間でズレが生ずることがなくなる。また、ヘミング加工されることにより、周縁部10aは、3層構造になって強度が高まり、周縁部10aからクラックが生じたりすることを防止できる。
サイドフレーム10は、2枚の薄肉鋼11,12をプレス加工によって所定形状に加工した後、熱処理される。このとき、本実施形態では、薄肉鋼11,12の全ての部位を均質に熱処理するのではなく、部分的に熱処理するようにして、あるいは、熱処理の条件を部分的に異ならせるようにして、強度及び靭性を部位によって異ならせた構造である。
具体的には、薄肉鋼11,12のミクロ組織は、熱処理により形成されるマルテンサイト組織、混粒組織、硬質相含有混粒組織、及び、熱処理されない素材状態の組織のうちの少なくとも2種以上の組織が形成されている。例えば、図1(b)では、ヘミング加工された接合部である周縁部10aがマルテンサイト組織となるように熱処理され、それに隣接する部位が、硬質相含有混粒組織となるように熱処理され、さらにそれに隣接する部位が、混粒組織となるように熱処理されている。そして、混粒組織に隣接する部位は、熱処理されない素材のままの組織になっている。この結果、周辺部10aに近い部分ほど硬度が高く、大きな衝撃を受けた際でも形状を維持する機能を果たす一方、周辺部10aから離れるに従って、次第に硬度が低くなり靭性が高くなってくるため、大きな衝撃を受けた際には、この靭性の高い部位が変形して衝撃を緩和する機能を果たす。
図1においては、ヘミング加工した周縁部10aをマルテンサイト組織となるようにしているが、高い硬度を保ちながら、より靭性を高くするため、硬質相としてのマルテンサイト組織が島状又は鎖状に含まれる硬質相含有混粒組織とすることが好ましい(後述の図14及び図15参照)。なお、本明細書において、島状マルテンサイトとは、マルテンサイト組織の点状での存在を意味し、鎖状マルテンサイトとは、マルテンサイト組織の線状での存在を意味する。特に、鎖状マルテンサイトは粒界に多く存在するものである。なお、ヘミング加工した周縁部10aは、熱処理を施すことにより、重なり合った薄肉鋼の端縁同士が溶接(溶着)されるようにすることが好ましい。
図2は、2枚の薄肉鋼21,22の組み合わせからなるサイドフレーム20であって、所定の部位にビード23が形成されていると共に、周縁部20aを上記と同様にヘミング加工して一体化したものである。そして、周縁部20aの全周と、外側に位置する薄肉鋼21において、前後方向略中央付近よりも前方寄りにおいて上下方向に沿って形成されたビード23の部位とに熱処理が施されている。また、外側に位置する薄肉鋼21の前後方向及び上下方向ともに略中央付近に位置する部位に、所定長さに亘って熱処理が施されている(図2(b)参照)。また、内側に位置する薄肉鋼22の上下方向の下縁寄りの部位にも、所定の長さに亘って熱処理が施されている(図2(c)参照)。
図3(a)は、図2に示したサイドフレーム20に関し、内側の薄肉鋼(インナーフレーム)21及び外側の薄肉鋼(アウターフレーム)22において、ビード23が形成されている部位(ビードライン)と熱処理が施されている部位(熱処理範囲)を図示したものであり、このように形成することにより、図3(b)に示したように、衝撃を受けた際にベルトアンカを中心に略上方に向かってかかる力が、ビード23及び熱処理範囲を通じて、他の強度部材であるサイドフレーム20の前後に配置したトーションバー、サイドフレーム20の下縁部にスライドレールに固定するためのリベットに伝達される。ビード23等の補強部や熱処理範囲は、強度が高くなっているため、力の伝達経路として機能するが、このとき、図3(b)に示したように、強度部材であるトーションバーやリベット等に力が伝達されるように、ビード23等の補強部や熱処理範囲を形成することが好ましく、特に、ビード23等の補強部と熱処理範囲とにより作られる力の伝達経路が略トラス状となるように設定することが好ましい。中でも、図3(b)や後述の図4(b)に示したように、略トラス状の力の伝達経路が、サイドフレーム20に所定間隔毎に少なくとも2箇所(図3(b)の例では2箇所、図4(b)の例では3箇所)形成されていることが好ましい。
ビート23等の補強部や熱処理範囲により作られる力の伝達経路を略トラス状とすることにより、サイドフレーム23の強度をより高くすることができる。従って、例えば、図4(a)に示したサイドフレーム20のように、周縁部20aをヘミング加工して、熱処理範囲をサイドフレーム20の長手方向に沿った一本のライン状に施すようにして、中荷重対応のシートフレームを設計したり、図4(b)に示したサイドフレーム20のように、図4(a)の熱処理範囲に加えて、周縁部20aと、上縁と下縁との間に縦方向及び斜め方向に施した熱処理範囲とにより、略トラス状の力の伝達経路を作れば、高荷重対応のシートフレームを容易に設計することができる。熱処理範囲を調節すれば、全く同じフレーム形状であっても、中荷重対応、高荷重対応というように、異なる仕様のシートフレームを設計できることから、シートフレームの製造コストの低減に寄与する。
ここで、図5に示したように、2枚の薄肉鋼を用いて形成した同じ形状のサイドフレーム30について、種々の加工を行って負荷に対する反力を調べた。図5(a)は、サイドフレーム30の周縁部30aをヘミング加工しただけのもので、全く熱処理を施していないものである。図5(b)は、図5(a)のヘミング加工に加えて周縁部30aに熱処理を施したものである。図5(c)は、周縁部30aをヘミング加工と熱処理を施し、さらに、上縁と下縁との間に縦方向にビード33を形成し、熱処理した周縁部30aとビード33とを含めた力の伝達経路が両サイド付近において略トラス状になっているものである。図5(d)は、図5(c)に加えて、さらに斜めのビード33aを形成し、熱処理した周縁部30aとビード33,33aを含めた力の伝達経路が全て略トラス状になっているもの、図5(e)は、これらのビード33,33aについても熱処理を施したものである。なお、図5(e)は、周縁部30aではそのミクロ組織が島状又は鎖状マルテンサイト組織を含んだ硬質相含有混粒組織となるような条件で熱処理し、ビード33,33aが形成された部位についてはそのミクロ組織が粒径の異なる結晶粒の集まりからなる混粒組織となるように熱処理している。
上記した4つのサイドフレーム30をそれぞれ左右一対用いて、該サイドフレーム30間に三次元立体編物を張設したシートを製作し、前縁部を、直径200mmの加圧盤(負荷子)で加圧して反力を測定した。このように加圧すると、各サイドフレーム30は、図5(a)に示した二点鎖線のように、サイドフレーム30の前縁部付近が斜め前方に変位するように変形するが、これは、前突時におけるサイドフレーム30の変形に相当するものであり、加圧盤(負荷子)の変位量は、前突時における乗員の下方向への変位量に相当する(図6参照)。結果を図7に示す。
図7に示したように、ヘミング加工のみの図5(a)に対し、周縁部30aの熱処理を行った図5(b)の方が反力が高くなっている。また、ビード33も形成した図5(c)の方が反力はさらに高くなっており、力の伝達経路をサイドフレーム30の全体に亘り略トラス状とした図5(d)は図5(c)よりもさらに高くなっている。そして、ビード33,33aも熱処理した図5(e)が最も反力が高くなっている。
上記の結果から、熱処理をすることにより反力を高めることができると共に、熱処理範囲及びビードを含めた力の伝達経路が略トラス状に近いほど反力を高めることができることがわかる。なお、上記した説明では、熱処理範囲と共に力の伝達経路を形成する補強部としてビードを例示しているが、補強部としてはブラケット等の他の部材をフレームに積層するように取り付けたものであってもよい。
上記したように、所定の範囲に熱処理を施すと共に、この熱処理した部位とビード等の補強部とにより力の伝達経路を略トラス状とすることによって、薄肉鋼を用いた構造材であっても所定の反力(強度)を機能させることができる。このため、同じ強度を達成する場合に、従来よりも薄肉の鋼を使用でき、構造材の軽量化に寄与できる。また、本発明では、上記した力の伝達経路を形成する部位を略トラス状に形成し、その他の部位においては、熱処理やビード等の補強部を設けなかったり、あるいは、熱処理しても薄肉鋼のミクロ組織がマルテンサイトにならないように制御したりすることにより、靭性を高め、その部位においては変形を許容する構成となっている。従って、衝撃を受けた際には、上記した高い強度の部分では形状を保持する一方、靭性の高い部分は変形が許容されるため、シートフレームとして用いた場合には、形状保持作用による乗員の維持機能と変形作用による衝撃吸収機能とを併せもった軽量なフレームとすることができる。
ここで、本発明の構造材に用いる薄肉鋼としては、市販の普通鋼であって、薄肉かつ低炭素のもの(以下、「薄肉低炭素鋼」という)であり、冷間圧延鋼板と熱間圧延鋼板のいずれも含む。厚さは、1.2mm以下である。これより厚い鋼の場合、熱処理を行うに当たって、大きな熱源と大規模な冷却設備が必要となり、また、板厚方向で結晶粒の均質性が必要となるため制御が難しく、本発明の処理対象としては適さない。プレス加工やヘミング加工により所定形状に加工した構造材を熱処理するに当たって、混粒組織や硬質相含有混粒組織を作るのに適し、しかも、より軽量化を図れることから、厚さ1.0mm以下の薄肉低炭素鋼が好ましく、厚さ0.8mm以下の薄肉低炭素鋼がより好ましく、厚さ0.5mm以下の薄肉低炭素鋼がさらに好ましい。
上記薄肉低炭素鋼は、炭素含有量が0.01〜0.3%で残部が鉄及び不可避不純物である低炭素鋼を用いることもできるが、炭素含有量が0.01〜0.12%で残部が鉄及び不可避不純物である極低炭素鋼を用いることが好ましい。炭素含有量がより低い、より安価な材料を用いることで、シートフレーム等の構造材の製造コストの低減を図ることができる。また、本発明は、薄肉に限定することにより、炭素含有量が低くても強度を上げるとことができるため、炭素以外の合金元素の添加等を行う必要はなく、リサイクル性に優れている。一方、上記の炭素含有量以外については成分の制限がないため、例えば、普通鋼として使用されたものを混ぜ合わせたリサイクル鋼材で、炭素以外の成分が種々混入しているものであっても使用可能である。なお、加工処理対象の薄肉低炭素鋼は、板状のもの、パイプ状のもののいずれも含む。
上記薄肉低炭素鋼を熱処理してマルテンサイト組織を得る際には、薄肉低炭素鋼を、300℃/秒以上の速度で1000℃以上まで、好ましくは1000℃〜1250℃の範囲の温度に至るまで急加熱する工程と、急加熱後900℃以上の所定の温度に低下するまで、好ましくは1000℃〜1100℃の範囲の温度に低下するまで10秒以内、好ましくは5秒以内保持し、その後300℃/秒以上の速度で急冷する工程で行うことが好ましい。上記温度まで急加熱することにより、薄肉低炭素鋼の金属組織がオーステナイト化され、急冷によってマルテンサイト組織が形成されるが、上記したように薄肉低炭素鋼が厚さ1.2mm以下であるため、このような300℃/秒以上という、いわば超急速加熱と超急速冷却により、比較的粗大化を免れた均質なマルテンサイト組織を形成できる。なお、急加熱速度及び急冷速度は、500℃/秒以上とすることがより好ましい。
一方、薄肉低炭素鋼のミクロ組織を混粒組織や硬質相含有混粒組織とするには、上記したマルテンサイト組織を得る熱処理を施した後、さらに次のように二段階目の熱処理を施す。すなわち、上記のマルテンサイトを得る工程を経た後、300℃/秒以上の速度で700℃以上まで、好ましくは750℃〜1050℃の範囲の温度に至るまで急加熱する工程と、急加熱後600℃以上の所定の温度に低下するまで、好ましくは700℃〜950℃の範囲の温度に低下するまで10秒以内、好ましくは5秒以内保持し、その後300℃/秒以上の速度で急冷する工程とを有している熱処理を施すことが好ましい。なお、この工程における急加熱速度及び急冷速度も、マルテンサイトを形成する際の熱処理と同様に、500℃/秒以上とすることがより好ましい。
このような二段階目の熱処理工程で超急速加熱と超急速冷却を行うことにより、一段階目の熱処理により形成されたマルテンサイト組織が変化し、最終的には、1μm以上30μm以下の異なる粒径(本明細書において「粒径」は「円相等粒径」のことをいう)の結晶粒が集まった混粒組織が得られる。
混粒組織は、粒径1μm以上5μm未満の結晶粒と5μm〜30μmの結晶粒とが混合されて構成された組織であることが好ましく、さらには、粒径1μm以上5μm未満の結晶粒と5μm〜20μmの結晶粒とが混合されて構成されていることが好ましい。熱処理後の鋼が、このように均質な粒径ではなく、粒径の異なる混粒組織を有していることにより、薄肉低炭素鋼の場合には、部分伸びが生じ、それにより高い靭性の鋼が得られる。より高い強度とするためには、混粒組織中に、該混粒組織よりも硬度の高い硬質相組織が分散された硬質相含有混粒組織とする。例えば、混粒組織が、粒径の異なるフェライト組織の場合に、その混粒組織に、粒径30μm以下、好ましくは20μm以下の島状又は鎖状マルテンサイトが分散されていることが好ましい。このような硬質相含有混粒組織とすることにより、曲げ特性において、弾性域から塑性域に入ったところでの曲げモーメントによるはりのたわみによる反力が熱処理前と比較して1.5倍以上、引張特性における降伏点が熱処理前と比較して1.5倍以上の強度を有し、破断伸びが、薄肉低炭素鋼をマルテンサイトを形成する熱処理を行った状態の破断伸びと比較して1.5倍以上の高強度高靱性の薄肉低炭素鋼が得られる。
上記した熱処理を行う熱処理装置としては、高周波誘導加熱装置を用いることが好ましい。また、高周波誘導加熱装置の加熱部(誘導加熱装置の場合には、誘導加熱部を構成するコイル)及び冷却部(冷却水を供給する冷却水供給部)が、熱処理対象の上記薄肉低炭素鋼及びワーク支持部に対し、相対的に所定の速度で移動するものが好ましい。これにより、規模が小さな設備であっても、上記した極めて短い時間での急加熱、急冷処理を実現できる。高周波誘導加熱装置の加熱部(誘導加熱装置の場合には、誘導加熱部を構成するコイル)及び冷却部の移動速度は、30mm/秒以内の範囲に設定することが好ましく、さらには18mm/秒以内の範囲に設定することがより好ましい。なお、ワーク(薄肉低炭素鋼)は、ワーク支持部によって支持され、ワークが板状の場合には、該ワーク支持部として板状のワークを載置可能な平板状のテーブルやワークの端部を把持する把持部(図8(a)〜(c)参照)から構成することができる。また、ワークがパイプ状のものの場合には、ワークを回転させながら処理することが好ましいことから、該ワーク支持部は、パイプ状のものを把持できる把持部を有し、この把持部が回転可能になっている構成とすることが好ましい。
高周波誘導加熱装置は、図8(a)に示したように、加熱部と冷却水供給部が順に備えられたものを用いることができる。この加熱部と冷却水供給部は1セットのみであり、マルテンサイト組織を形成する一段階目の熱処理を行う場合には、該加熱部を、上記した所定の温度に制御して処理する。マルテンサイト組織を形成する処理を行った後、再び、図8(a)に示した高周波誘導加熱装置によって、加熱部を上記工程よりも低い温度に制御して熱処理する。ここで、本発明の構造材は、例えば、図1に示したサイドフレーム10のように、周縁部10aをマルテンサイトとし、他の部位は、硬質相含有混粒組織、混粒組織、又は素材のままの状態としている。従って、二段階目の熱処理の際には、一段階目の熱処理により所望の組織であるマルテンサイトになった周縁部10aは加熱対象外となり、硬質相含有混粒組織や混粒組織を形成する部分のみに加熱部(コイル)が近接するように制御する。あるいは、加熱部(コイル)として、マルテンサイトを形成する熱処理の際には、周縁部10aとそれに隣接する部位に至るまでの長さ・形状を有するコイルを用い、二段階目の熱処理の際には、周縁部10aが外れるような長さ・形状のコイルを用いるようにしてもよい。加熱部としては、高周波誘導加熱を行うコイルに代えて、レーザを装着し、各急加熱処理をレーザ加熱により行うことも可能である。
なお、高周波誘導加熱装置は、このように、加熱部と冷却水供給部が1セットのみ備えられたものに限らず、図8(b)に示したように、マルテンサイト組織を形成する一段階目の熱処理(以下、「第1工程」の熱処理)を行う第1加熱部(コイル)及び第1冷却水供給部と、二段階目の熱処理(以下、「第2工程」の熱処理」)を行う第2加熱部(コイル)及び第2冷却水供給部とが順に備えられた構成とすることもできる。この場合、第1及び第2加熱部(コイル)の形状を異ならせることで、周縁部は第1工程の処理のみが施され、それ以外の必要な部分に第1及び第2工程を連続して施すことができる。
また、図8(c)に示したように、加熱部(コイル)の移動方向に沿った長さが所定以上のもの、例えば、5〜10cm程度の長尺のものを用いることにより、第1工程における第1加熱部と第2工程における第2加熱部とを兼用させた構成とすることができる。すなわち、この高周波誘導加熱装置は、第1工程及び第2工程により、混粒組織や硬質相含有混粒組織を形成する部位専用に用いられる装置である。加熱部は、ワーク(薄肉低炭素鋼)の一面側に配置されており、ワークの反対側においては、該加熱部の移動方向前部付近に対応して冷却部(第1冷却水供給部)が設けられている。これにより、加熱部の移動方向前部付近が第1工程の急加熱処理を行い、それに対応する第1冷却水供給部が第1工程の急冷処理を行う。この加熱部と第1冷却水供給部とは、セットになって移動していく。すると、加熱部の後部付近により、第1工程の急加熱及び急冷処理が行われた部位が再度急加熱される。これにより、第2工程の急加熱処理が実行される。その後、加熱部の移動方向後方に所定間隔をおいて配置された冷却部(第2冷却水供給部)が、加熱部の後部付近によって急加熱された部位を急冷し、第2工程の急冷処理が施される。
次に、上記したマルテンサイト組織を形成する一段階目の熱処理(以下、「第1工程」)の条件と、混粒組織ないしは硬質相含有混粒組織を形成する二段階目の熱処理(以下、「第2工程」)の条件について、種々の試験をして確認した。
(試験例1)
試験例1では、以下の各試料について、第1工程と第2工程の熱処理を施して混粒組織又は硬質相含有混粒組織を形成した。
(1)試料1:普通鋼冷延鋼板(SPCC)
・化学成分(%):C=0.04、Si=0.02、Mn=0.26、P=0.011、S=0.006
・厚さ:0.5mm、幅:100mm、長さ:200mm
(2)試料2:普通鋼冷延鋼板(SPCC)
・化学成分(%):C=0.037、Si=0.004、Mn=0.19、P=0.013、S=0.012、solAl=0.015、Cu=0.02、Ni=0.02、B=14(PPM)
・厚さ:0.5mm、幅:100mm、長さ:200mm
(3)試料3:普通鋼冷延鋼板(JSC440)
・化学成分(%):C=0.12、Si=0.06、Mn=1.06、P=0.022、S=0.005
・厚さ:0.6mm、幅:100mm、長さ:200mm
熱処理装置としては、図8(a)に示した加熱部と冷却水供給部が1セットの高周波誘導加熱装置を用い、加熱部及び冷却水供給部により第1工程の熱処理を行った後、各試料を室温まで放置し、その後、同じ高周波誘導加熱装置により第2工程の熱処理を行った。処理条件は、次の(A)、(B)2つの条件で行った。
・処理条件(A)
・第1工程:
(1)加熱部及び冷却水供給部の移動速度:800mm/分
(2)加熱部のコイルを120Aに調節した。相対的に加熱部が近づいてくると試料は徐々に温度が上がって予備加熱されるが、400℃から約1秒間で1200℃まで急加熱した。その後、1050℃に下がるまで約2.5秒間保持し、次いで冷却水供給部から冷却水を供給して200℃以下に至るまで約0.5秒で急冷した(図9の第1工程における実線)。
・第2工程:
(1)加熱部及び冷却水供給部の移動速度:800mm/分
(2)試料が室温まで低下した後、再び高周波誘導加熱装置にセットした。加熱部のコイルに流す電流を100Aに調節し、予備加熱されて400℃に至った以降約0.5秒で900℃まで急加熱した。800℃に下がるまで約2.5秒間保持し、次いで冷却水供給部から冷却水を供給して200℃以下まで約0.5秒で急冷し、その後、室温になるまで放置した(図9の第1工程における実線)。
・処理条件(B)
・第1工程:
(1)加熱部及び冷却水供給部の移動速度:800mm/分
(2)加熱部のコイルを120Aに調節した。相対的に加熱部が近づいてくると試料は徐々に温度が上がって予備加熱されるが、400℃から約1秒間で1200℃まで急加熱した。その後、1050℃に下がるまで約2.5秒間保持し、次いで冷却水供給部から冷却水を供給して200℃以下に至るまで約0.5秒で急冷した(図9の第1工程における実線)。
・第2工程:
(1)加熱部及び冷却水供給部の移動速度:1000mm/分
(2)試料が室温まで低下した後、再び高周波誘導加熱装置にセットした。加熱部のコイルに流す電流を100Aに調節し、予備加熱されて400℃に至った以降約0.5秒で800℃まで急加熱した。700℃に下がるまで約2.5秒間保持し、次いで冷却水供給部から冷却水を供給して200℃以下まで約0.5秒で急冷し、その後、室温になるまで放置した(図9の第2工程における破線)。
図10(a)は、処理条件(A),(B)による試料1の長さ方向の中央付近を切断して観察したミクロ組織の電子顕微鏡写真であり、図10(b)は、処理条件(A),(B)による試料2の長さ方向の中央付近を切断して観察したミクロ組織の電子顕微鏡写真である(なお、試料1、試料2の素材状態のミクロ組織は図13(a)の「素材」の欄参照)。図10(c)は、処理条件(A),(B)による試料3の長さ方向の中央付近を切断して観察したミクロ組織の電子顕微鏡写真である
図10(a)から、処理条件(A)により処理された試料1は、粒径1μm以上5μm未満の細粒のフェライト組織と粒径5〜30μmのフェライト組織との混粒組織となっており、混粒組織中に粒径30μm以下の島状マルテンサイトが5%未満であるが含まれていた。これに対し、処理条件(A)よりも、移動速度が速く、第2工程における加熱温度の低い処理条件(B)の場合には、粒径1μm以上5μm未満の細粒のフェライト組織と粒径5〜20μmのフェライト組織との混粒組織になっており、処理条件(A)によるものの方が、結晶粒が大きめであった。
図10(b)の場合、処理条件(A)により処理された試料2は、粒径1μm以上5μm未満の細粒のフェライト組織と粒径5〜30μmのフェライト組織との混粒組織に加えて粒径30μ以下の島状マルテンサイトが約20%含まれていた。処理条件(B)の場合には、粒径1μm以上5μm未満の細粒のフェライト組織と粒径5〜20μmのフェライト組織との混粒組織になっていた。
試料3は、Cの含有量が0.12%と試料1及び試料2よりも多い。従って、図10(c)に示したように、処理条件(A),(B)共に、粒径1μm以上5μm未満の細粒のフェライト組織と粒径5〜30μmのフェライト組織との混粒組織に加えて粒径30μ以下の島状マルテンサイトが含まれていたが、島状マルテンサイトが約50〜60%の含まれていた。
(試験例2)
上記の試料1を、図8(c)に示した長さ6cmの長尺なコイルからなる加熱部と、第1及び第2冷却水供給部とを備えた高周波誘導加熱装置により熱処理した。処理条件は、次の(C)のとおりである。
・処理条件(C)
・第1工程:
(1)加熱部、第1及び第2冷却水供給部の移動速度:800mm/分
(2)加熱部のコイルを120Aに調節した。相対的に加熱部が近づいてくると試料は徐々に温度が上がって予備加熱されるが、400℃から約1秒間で1200℃まで急加熱した。その後、1050℃に下がるまで約2.5秒間保持し、次いで冷却水供給部から冷却水を供給して200℃以下に至るまで約0.5秒で急冷した(図11の第1工程の実線)。
・第2工程:
(1)加熱部、第1及び第2冷却水供給部の移動速度:1000mm/分
(2)加熱部のコイルに流す電流を90Aに調節し、約200℃になっていた試料1を加熱部の後部によって、約0.5秒で800℃まで急加熱した。700℃に下がるまで約2.5秒間保持し、次いで第2冷却水供給部から冷却水を供給して200℃以下まで約0.5秒で急冷し、その後、室温になるまで放置した(図11の第2工程の実線)。
図12は、処理条件(C)による試料1の長さ方向の中央付近を切断して観察したミクロ組織の電子顕微鏡写真である。図12から、処理条件(C)により処理された試料1は、粒径1μm以上5μm未満の細粒のフェライト組織と粒径5〜20μmのフェライト組織との混粒組織に加え、粒径5〜10μm前後の島状マルテンサイトが約20%形成されていた。
(試験例3)
熱処理装置として、図8(a)に示した加熱部と冷却水供給部が1セットの高周波誘導加熱装置を用い、試料1及び試料2について、急加熱及び急冷を1回のみ行う熱処理を行った。具体的には、加熱部(コイル)によって1200℃まで急加熱した後、冷却水供給部により急冷した場合(熱処理1)と、加熱部(コイル)によって900℃まで急加熱した後、冷却水供給部により急冷した場合(熱処理2)について試験した。各試料の長さ方向中央付近を切断して観察したミクロ組織の電子顕微鏡写真を図13に示す。なお、図中、「素材」は熱処理を行う前の試料1及び試料2のミクロ組織である。
図13(a)から、「素材」の状態では、試料1及び試料2共に、粒径10μm以下のほぼ均等なフェライト組織になっている。図13(b)の「熱処理1」の状態では、試料1及び試料2共に、粒径20〜100μmの粗大なマルテンサイト組織になっている。図13(c)の「熱処理2」の状態では、試料2は、粒径1μm以上5μm未満の細粒のフェライト組織と粒径5〜30μmのフェライト組織との混粒組織となっている。試料1の場合は、粒径1μm以上5μm未満の細粒のフェライト組織と粒径5〜30μmのフェライト組織との混粒組織に加えて、粒径5〜10μm前後の島状マルテンサイトが形成されている。
図14は、平均硬度(Hv)を横軸に、粒径のフラクタル次元を縦軸にとって、試験例1〜試験例3の各試料1,2,3の各値をプロットした図である。なお、試験例1の試料1−A処理については、試験片No.1〜3の3つの試験片の結果を示す。また、各試料の電子顕微鏡写真も合わせて示す。この図から明らかなように、試料1及び試料2の場合、試験例1,2のいずれも、混粒組織又は混粒組織に島状又は鎖状マルテンサイトを形成したものは、試験例3においてマルテンサイト組織を形成した試料1,2(熱処理1)よりもフラクタル次元が高かった。また、図14に示した最小二乗法により求めた傾きが、試験例3よりも試験例1の方が全体としてフラクタル次元の高い傾向を示しており、試験例1のように複数回の急加熱処理、急冷処理を行うことにより、同じ混粒組織又は混粒組織に島状マルテンサイトを形成したものであっても、試験例3の試料1,2(熱処理2)より、試験例1の試料1,2−A処理(処理条件(A)による処理)及び試料1,2−B処理(処理条件(B)による処理)の方が、細粒化が図られ、靭性を高めることができることがわかった。また、試験例2の試料1−C処理(処理条件(C)による処理)の場合も、硬度が高くなっているにも拘わらず、試験例3の試料1(熱処理2)の混粒組織を形成した場合と同程度のフラクタル次元であった。
また、試験例1の試料3は非常に高い硬度が得られている。これは、島状マルテンサイトの分散割合が多いためであり、靭性の点では、試料1,2−A処理及び試料1,2−B処理によるものよりも劣っている。但し、Cの含有量がこれ以上の場合には、靭性がより劣るおそれがあることから、Cの含有量としては0.12%以下とすることがより望ましい。
図15は、破断伸び(%)を横軸に、粒径のフラクタル次元を縦軸にとって、試験例1〜試験例3の各試料1,2の各値をプロットした図である。例えば、「試料1−A処理−No.2」は、上記した混粒組織中に島状マルテンサイトが5%未満の低い割合で含まれているものであって、破断伸びは21.4%である。「試料1−A処理−No.3」は、上記した5%未満のマルテンサイトが鎖状に分散して含まれている混粒組織からなるものであり、破断伸びは約19.64%である。フラクタル次元の高くなるほど、靭性の指標の一つである破断伸びが大きくなる傾向にあり、上記したフラクタル次元と靭性との相関が明らかになった。そして、この図15からも、急加熱処理及び急冷処理を1回だけ行った試験例3の試料1,2と比べて、試験例1、試験例2の複数回の急加熱処理、急冷処理を行った試料1,2の方が、靭性を高めることができることがわかった。これらのことから、このフラクタル次元を参照して、構造材のある部分、例えば、サイドフレームの周縁部を、いずれの組織とするかを選択し、それに応じた上記の熱処理を行うことで、サイドフレームを部分的に靭性を高くしたり、部分的に強度を高めたりすることを容易に行うことができる。
(試験例4)
(曲げ試験)
上記した試料1の普通鋼冷延鋼板と同じ化学成分であって、厚さ0.5mm、0.8mm、1.0mmの3種類の試料を、幅30mm、長さ100mmの範囲が含まれるように熱処理した(図16(a)参照)。熱処理は、上記した「処理条件(A)」に従って、第1工程、第2工程の各処理を行った。
図16(b)に示したように、上記した各試料の両端部付近を支持する支持台上にセットし、熱処理を施した範囲の長さ方向中央部をクロスヘッドにより負荷速度:10mm/分で荷重をかけた。いずれの試料も熱処理を施していないもの(図17中、「生材」と表示)と熱処理を施したもの(図17中、「熱処理」と表示)のそれぞれについて試験した。その結果を図17に示す。
図17から明らかなように、曲げ特性において、弾性域から塑性域に入ったところでの曲げモーメントによるはりのたわみによる反力は、厚さ0.5mmの熱処理後の試料は熱処理前の約2倍になっており、厚さ0.8mm及び厚さ1.0mmの熱処理後の試料はいずれも熱処理前の約2.5倍になっている。従って、厚さ0.8mmの生材に代えて厚さ0.5mmの熱処理後の試料を使用し、あるいは、厚さ1.0mmの生材に代えて厚さ0.8mmの熱処理後の試料を使用することにより、シートフレーム等の軽量化に寄与する。
(試験例5)
(引張試験)
長さ150mm、幅30mmの試料の長さ方向端部をチャックに把持して試験した。試料は、上記した曲げ試験で使用した試料1の厚さ0.5mm、0.8mmのものと、試料2の厚さ0.5mmのものである。結果を図18に示す。図18中、「熱処理−A(試料1)」及び「熱処理−A(試料2)」は、上記した試験例1の処理条件(A)に従って熱処理したもので、ミクロ組織が混粒組織か又は混粒組織に島状マルテンサイトが形成されたものである。「熱処理1」は、上記した試験例3の「熱処理1」の条件に従って熱処理したもので、マルテンサイト組織になっているものである。
この結果、試験例3において熱処理1のマルテンサイト組織が形成されたものは、降伏点(耐力)は高いが、破断伸びが小さい。これに対し、「熱処理−A(試料1)」及び「熱処理−A(試料2)」は、厚さ0.5mmの場合、降伏点(耐力)は熱処理前の素材の約2倍で、マルテンサイト組織が形成されたものよりも低いが、破断伸びは、マルテンサイト組織が形成されたものの3倍以上であった。厚さ0.8mmのものも、降伏点(耐力)は熱処理前の素材の約2.5倍でありながら、破断伸びは、マルテンサイト組織が形成されたものと比較して約2倍であった。
(試験例6)
直径12mm、厚さ1.0mm、C含有量:0.08%の機械構造用炭素鋼鋼管(STKM−13C)を400rpmで回転させながら熱処理した。図8(a)の高周波誘導加熱装置によって第1工程及び第2工程の熱処理を行った場合(図19において「2段熱処理」と表示)と、第1工程の熱処理のみを行った場合(図19において「1段熱処理」と表示)について、引張試験を行って比較した。図19にその結果を示す。
図19から明らかなように、2段熱処理を行ったものは、降伏点(耐力)が素材の約2倍以上となり、1段熱処理と比較して約2倍以上の破断伸びを有していた。なお、図19において「素材」は、伸び計をつけていないためグラフの立ち上がり方が他の熱処理したものと異なっているが、破断伸びは実測値から補正した。また、熱処理したもののグラフにおいて、いずれも途中で荷重が下がっているのは、伸び計を装着したままだと破断まで測定できないために、途中で測定機械を止めて取り外したためである。
以上のことから、熱処理によって混粒組織になっているものか又は混粒組織に島状又は鎖状マルテンサイトが形成されたもの(硬質相含有混粒組織)、すなわち、第1工程及び第2工程における急加熱及び急冷処理を行ったものは、硬度、降伏点(耐力)、引張強さ、曲げモーメントによるはりのたわみによる反力、破断伸びが、いずれも高いレベルで保たれており、市販の普通鋼を熱処理したものでありながら、高強度高靱性(高延性)のものが得られることがわかった。

Claims (9)

  1. 薄肉鋼同士がその一部において接合加工されて一体化されてなる薄肉鋼を用いた構造材であって、
    前記薄肉鋼に、ビード、ブラケット、又はビードとブラケットとの組み合わせ部からなる補強部が設けられていると共に、前記接合加工後に、部分的に熱処理され、又は部分的に条件を異ならせて熱処理され、この熱処理により、前記薄肉鋼に強度及び靭性の異なる2種以上の金属組織が形成されており、
    前記補強部と前記熱処理によって形成された素材状態の部位よりも高い硬度の部位とにより形成される力の伝達経路の形状が略トラス状であることを特徴とする構造材。
  2. 前記薄肉鋼が、シート用のフレーム材として用いられるものであり、周縁部がヘミング加工されており、少なくともこのヘミング加工された周縁部が熱処理されている請求項1記載の構造材。
  3. 前記へミング加工された周縁部は、熱処理により薄肉鋼同士が溶着している請求項記載の構造材。
  4. 前記薄肉鋼が、シート用のフレーム材として用いられるものであり、
    前記略トラス状の力の伝達経路が、前記フレーム材において、所定間隔をおいて少なくとも2箇所に形成されるように、前記補強部及び前記熱処理された部位が設けられている請求項1〜3のいずれか1に記載の構造材。
  5. 前記熱処理により形成される前記薄肉鋼の金属組織が、マルテンサイト組織、混粒組織、又は、混粒組織中に該混粒組織よりも高い硬度の硬質相組織が含まれた硬質相含有混粒組織のいずれか少なくとも一つの組織を含む請求項1〜のいずれか1に記載の構造材。
  6. 前記周縁部が、熱処理により、マルテンサイト組織、混粒組織又は硬質相含有混粒組織になっており、前記周縁部以外の部位が、熱処理されない素材状態の組織を含め、前記周縁部の金属組織よりも硬度が低く靭性の高い組織になっている請求項記載の構造材。
  7. 前記薄肉鋼が、厚さ1.2mm以下の普通鋼である薄肉低炭素鋼からなり、Cの含有量が質量%で0.01〜0.12%であり、残部が鉄及び不可避不純物である請求項1〜のいずれか1に記載の構造材。
  8. 前記混粒組織は、粒径1μm以上5μm未満の結晶粒と5μm〜30μmの結晶粒とが混合されて構成されている請求項5〜7のいずれか1に記載の構造材。
  9. 前記硬質相含有混粒組織は、粒径1μm以上5μm未満の結晶粒と5μm〜30μmの結晶粒とが混合された混粒組織中に、前記硬質相として粒径30μm以下の島状又は鎖状マルテンサイトが分散された組織である請求項5〜8のいずれか1に記載の構造材。
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