JP5942066B2 - 三次元成形可能な格子構造体 - Google Patents

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Description

本発明は,三次元方向に成形可能な格子構造体に関する。また,本発明は,高度に伸縮可能な構造を有し,複合される材料に弾性率を適合させることができる格子構造体に関する。
従来から,例えば,物品の軽量化を図りつつ物的強度を向上させたり,通気性や通液性を保持するためにメッシュと称される格子が用いられている。従来の格子は,例えば金属線を交差するように編み込んだり,パンチによって金属板に円形や多角形の孔を貫通形成することにより製造される。
また,特開平10−291173号公報(特許文献1)には,頭骨や顎骨,又は骨欠損部を補強するために,生体適合材料で形成された網状構造を有する格子が開示されている。この公報には,湾曲した4つの格子橋を1の格子点で連結し,4つの格子橋と4つの格子点により,1つの開口部が画定される格子が開示されている。
しかしながら,特許文献1に開示されているような格子では,開口部の形状が略四角形で形成されているため,縦及び横の二次元方向にしか伸縮しない。従って,従来の格子は,伸縮性や曲げ特性に乏しく,例えば生体適合させる格子構造体としては十分にその効果を奏し得ないものであった。
一方,例えば金属材料とカーボンファイバのような2つの材料を,複合して用いる場合がある。カーボンファイバは,軽く,優れた機械的な性質(高比強度,高比弾性率)と,炭素質に由来する優れた特性(導電性,耐熱性,低熱膨張率,化学安定性,自己潤滑性及び高熱伝導性など)を併せもつものであるため,近年では様々な用途で汎用的に用いられているものである。
しかしながら,このような金属材料とカーボンファイバの複合材料に,張力や衝撃がかかると,これら両材料の弾性率が大きく異なることが原因となり,両材料の間に剥離が生じ,破断してしまうという問題があった。
また,例えば,頭骨や顎骨,又は骨欠損部を補強するためには,金属のプレートを骨の補強部に適用する必要がある。このような場合に,金属プレートと皮質骨の弾性率が異なると,骨のへの応力が炎症反応を起こし骨吸収,消失,また骨に損傷を与えるという問題があった。
特開平10−291173号公報
そこで,本発明は,伸縮性や曲げ特性が高い格子構造体を提供することを目的とする。
また,上記した複合材料に関する問題は,複合された材料それぞれの弾性率が異なることにその原因がある。従って,上記問題を解決するためには,複合されるある材料の弾性率を,他の材料の弾性率に一致させることが必要である。しかしながら,材料の弾性率は,その材料の材料特性に依存するものであるので,材料そのものの弾性率を変化させて弾性率の一致を図ることはできない。
そこで,本発明は,材料の構造によって弾性率を調整することにより,複合される材料の弾性率を一致させることを目的とする。すなわち,本発明は,複合される材料の弾性率に適合させることができる,高度に伸縮可能な格子を提供することを目的とする。
本発明は,基本的には,格子橋と格子点により画定される格子開口部の形状を工夫することで,柔軟性が高く,三次元方向の成型が可能な格子構造を提供することができるという知見に基づくものである。本発明に係る格子構造体は,平板状,円筒状,及び球形状を含むものである。
本発明の第1の側面に係る格子構造体100は,S字型に湾曲又は屈折した複数の格子橋10と,複数の格子橋10のうち3つの格子橋10の端部を連結する複数の格子点20とを含む。そして,複数の格子橋10と複数の格子点20は,複数の格子開口部30を画定する。このとき,格子開口部30のそれぞれは,複数の格子橋10と複数の格子点20のうち,6つの格子橋10と6つの格子点20で取り囲まれることにより画定される。
すなわち,本発明は,六角形を基本とした格子構造体であり,基本となる六角形を隙間なく連接させてメッシュパターンを形成し,その六角形の各辺をS字型に湾曲又は屈折させてなるものである。
このようにして画定される格子開口部30のそれぞれは,1つの主たる開口部32と,6つの従たる開口部34を含むものである。そして,6つの従たる開口部34は,それぞれ,主たる開口部32から延びるように画定されている。
このような構成を有していることにより,本発明に係る格子構造体100は,縦方向と横方向のみならず,斜め方向にも伸縮することができる。このように,格子構造体100は,高い伸縮性を有するため,構造体の形状を三次元方向に変形させることができる。また,格子構造体は,格子橋10の幅や,格子橋10の曲げ率を調整することにより,弾性率を容易に変化させることができる。従って,格子構造体100が,他の材料に複合される場合であっても,材料同士の弾性率を一致させることができる。また,本発明に係る格子構造体100を複合材料に適用することにより,応力や衝撃が与えられた際にも剥離が生じにくい構造体を提供することができる。
また,本発明の第1の側面の好ましい態様において,6つの従たる開口部34は,それぞれ,主たる開口部32から,等方向かつ放射状に延びるように画定されている
また,格子開口部30を取り囲んでいる6つの格子点20は,それぞれの格子点20をつなぐことにより形成される正六角形の頂点に位置することが好ましい。このような構成を有していることにより,格子点20をつなぐことにより形成される六角形の対角線方向のいずれから引張又は圧縮された場合であっても,格子構造体100は,均等に伸縮することができる。従って,格子構造体100は,六角形における3つの対角線方向に対する弾性率がすべて同一となる。
このように,格子構造体100は,格子開口部30を取り囲んでいる6つの格子点20をつなぐことにより六角形を形成するものであるため,いわゆるハニカム構造の応用であるといえる。このような六角形を基本とするハニカム構造の格子構造体は,四角形を基本とする格子構造体に比べ,格子を形成する多角形の対角線の数が多いため,伸縮方向の自由度が高い。従って,本発明に係る格子構造体100は,四角形を基本とする格子と比べ,より柔軟に変形させることができる。また四角形を基本とする格子は,引張される方向によって伸縮性や弾性率が異なるものであるが,本発明に係る格子構造体100は,どの方向から引張された場合であっても伸縮性や弾性率を均一にすることができる。
一方で,本発明に係る格子構造体100は,三次元方向に伸縮可能であるため,あらゆる方向からの衝撃に対して,均等な応力を有する。従って,本発明に係る格子構造体100は,与えられた衝撃や圧力を,均等に分散させることができる。
また,格子構造体100は,S字型に湾曲した格子橋10を,湾曲しない直線状の格子橋10とした場合に,6つの直線状の格子橋10と6つの格子点20により画定された格子開口部30が,正六角形をなすことが好ましい。
また,本発明の第1の側面の好ましい態様において,S字型に湾曲した格子橋10を介して連結される格子点20同士の距離は,S字型に湾曲した格子橋10を湾曲しない直線状の格子橋10とした場合における,直線状の格子橋10の長さの1/2以下であることが好ましい。すなわち,S字型に湾曲した格子橋10を介して連結される格子点20同士の距離は,格子橋10引張し,直線状とすることにより,2倍以上に伸張することが好ましい。このようにS字型に湾曲した格子橋10を2倍以上に伸張させるためには,S字型格子橋10の曲げ率や,格子橋10の橋部の長さ,格子橋10の太さを調節すればよい。
また,本発明の第1の側面の好ましい態様において,格子橋10は,バネ合金材料や形状記憶合金であり,特にTi−Ni(チタンニッケル)合金を含むことが好ましい。Ti−Ni合金は,バネ特性に優れた材料であるため,Ti−Ni合金を格子橋10の材料として用いることにより,格子橋10に複合される材料との弾性率を一致させることがさらに容易となる。また,格子橋10は,純チタン,チタニウムからなるものであってもよい。
また,本発明の第1の側面に係る格子構造体100は,平板状であってもよい。平板状の格子構造体は,例えば,頭骨や顎骨,又は骨欠損部を補強するため医療用のプレートとして用いることができる。本発明を医療用プレートとして用いた場合には,格子構造体の弾性率と骨弾性率を適合させることが好ましい。平板状の格子構造体について,格子点ごとに凹凸を形成したり,格子橋を上下方向に湾曲させたりすることにより,平板の曲がり特性や上下厚みの弾性を付与することが出来る。
また,本発明の第1の側面に係る格子構造体100は,円筒形状であってもよい。円筒形状の格子構造体100は,例えば医療用のステントに用いられる。ステントとは,血管や,気管,食道,十二指腸,大腸,胆道のような人体の管状の部分を管腔内部から広げるための医療機器である。ステントは,格子構造体100が適用された筒をレーザーカットしたり,ワイヤーを編んで本発明の格子構造体100を成形することにより製造することができる。また円筒形状の格子構造体は歯科用インプラントの人工歯根に用いることが出来る。人工歯根と歯槽骨の弾性率を近づけることにより歯槽骨応力集中を減らし,歯根の緩みや,歯槽骨からの脱離を防ぐことが出来る。
また,本発明の第1の側面に係る格子構造体100は,円筒形状に形成され,その構造体が輪を形成するリング状であってもよい。円筒のリング状に形成された格子構造体100は,例えば,車両のタイヤの構造や,タイヤに装着される滑り止め防止器具の構造として用いることができる。
また,本発明の第1の側面に係る格子構造体100は,球形状であってもよい。本発明の格子構造体100は,三次元方向に伸縮可能であり,高い曲げ特性を有するため,球形状とすることも可能である。また,本発明の格子構造体100は,六角形のポリゴンを基本としているため,正12面対や切頂20面体構造(いわゆるC60フラーレン構造)を形成することもできる。
さらに,本発明の第1の側面に係る格子構造体100は,複数層に重ねて用いることができる。
本発明の第2の側面は,格子構造体100を複数層重ねてなる複数層格子構造体200に関する。複数層格子構造体200の例は,平板状の格子構造体100を2枚重ねることにより形成される複数層格子構造体200である。このように,格子構造体100を複数層に重ねることで,構造体自体の強度を高めることができる。
また,本発明の第2の側面の好ましい態様は,格子構造体100が,所定角度又は所定方向にずれて,複数層重ねられてなる複数層格子構造体200に関する。所定角度又は所定方向に格子構造体100をずらすとは,つまり,格子構造体100を複数層に重ね,各格子構造体100が元来有する格子パターンを再現するのではなく,複数層格子200を平面的に観察したときに,各格子構造体100が元来有する格子パターンではない格子パターンを表出させることを意味する。
このように,複数層格子構造体200に含まれる複数の格子構造体100を所定角度又は所定方向にずらし特異な格子パターンを表出させることにより,表出したそれぞれの格子パターンに応じた構造上の特性を発揮することができる。
例えば,格子構造体100を2層に重ねる場合において,2層の格子構造体100を重ねることにより,異方性を有する格子パターンが表出する複数層格子構造体200が形成される。これにより,複数層格子構造体200が,ある特定の方向に引張された場合の引張応力と,他の特定の方向に引張された場合の引張応力が異なることが好ましい。
このように,複数層格子構造体200が異方性を有する格子パターンを表出されることにより,引張される方向に応力の異なる格子を提供することができる。従って,例えば,それぞれ弾性率の異なる2以上の材料を混合する場合であっても,異方性を有する複数層格子構造体200を適用することにより,それぞれの材料に対して弾性率を一致させることが可能である。
また,本発明の第2の側面の別の態様において,複数層格子構造体は,第1の格子と,第1の格子上に,所定角度又は所定方向にずれて,重畳して形成された第2の格子を有し,第1の格子及び第2の格子は,同一のパターンを有する格子であり,第2の格子と第1の格子を重畳することよって異方性を有するパターンの格子が形成され,これにより,ある特定の方向に引張された場合の引張応力と,他の特定の方向に引張された場合の引張応力が異なるように形成されることとしてもよい。また,第1の格子及び第2の格子は,本発明の第1の側面に係る格子構造体100であってもよい。
本発明の第3の側面は,複数の格子構造体が立体的に接合された複数層立体格子構造体300に関する。
複数層立体格子構造体300は,本発明の第1側面に係る格子構造体100を少なくとも2枚以上含む。すなわち,複数層格子構造体300は,少なくとも第1の格子構造体100aと第2の格子構造体100bを含む。
これらの第1の格子構造体100aと第2の格子構造体100bは,少なくとも1箇所の格子点(20a,20b)において接合されている。そして,接合された格子点(20a,20b)に端部が連結された格子橋(10a,10b)のいずれか一つ以上は,格子構造体の平面に直交する方向に立上している。
このような構成を有することにより,複数層格子構造体300は,格子構造体の平面方向のみならず,格子構造体の立体方向についても,任意の弾性と強度を得ることができる。従って,本発明の第3の側面によれば,例えば,金属製の複数層格子構造体300の立体方向に,他の材料が複合することが可能になる。すなわち,複数層格子構造体300は,格子構造体の立体方向についても,任意の弾性と強度を得られるよう設計可能であるため,複合される材料同士の弾性率を一致させることができる。よって,本発明の第3の側面によれば,応力や衝撃が与えられた際にも複合された材料の剥離が生じにくい立体構造体を提供することができる。
また,複数層立体格子構造体300は,格子構造体100を少なくとも3枚以上含むことが好ましい。すなわち,複数層格子構造体300は,少なくとも第1の格子構造体100a,第2の格子構造体100b,及び第3の格子構造体100cを含む。
ここで,第1の格子構造体100aと第3の格子構造体100cの間には,第2の格子構造体100bが位置している。
また,少なくとも,第2の格子構造体100bのある格子橋10bの一端部に位置する格子点20bは,第1の格子構造体100aの格子点20aに接合されている。
また,少なくとも,第2の格子構造体100bのある格子橋10bの他端部に位置する格子点20bは,第3の格子構造体100cの格子点20cに接合されている。
そして,少なくとも,第2の格子構造体100bのある格子橋10bは,第2の格子構造体100bの平面に直交する方向に立上していることが好ましい。
また,第1の格子構造体100aの接合された格子点20aに端部が連結された格子橋10aのいずれか一つ以上が,第1の格子構造体100aの平面に直交する方向に立上しており,第3の格子構造体100cの接合された格子点20cに端部が連結された格子橋10cのいずれか一つ以上が,第3の格子構造体100cの平面に直交する方向に立上していることが好ましい。
このように,本発明の第3の側面においては,第1の格子構造体100aと第3の格子構造体100cの間に第2の格子構造体100bを位置させ,第2の格子構造体100bの格子橋10bを立上させて,第1の格子構造体100aと第3の格子構造体100cを繋ぐように設計することが好ましい。特に,第2の格子構造体100bの立上した格子橋10bと,接合された格子点を介して連結された,第1の格子構造体100の格子橋,及び第3の格子構造体100cの格子橋10cも立体方向に立上することが好ましい。
このように,複数層立体格子構造体300が,格子構造体を3枚以上含むことにより
さらに,立体方向への弾性と強度が向上する。
複数層立体格子構造体300は,格子構造体100を4枚以上含むものであってもよい。
本発明の第1の側面に係る格子構造体は,格子橋10が,S字型に屈折したものであってもよい。例えば,格子橋10は,ある格子開口部30の内側に向かって鋭角に突出した内側屈折点17と,当該ある開口部30の外側に向かって鋭角に突出した外側屈折点18の2点において屈折したものであってもよい。この場合において,格子開口部30は,六角形状の主たる開口部32と,当該主たる開口部32の各辺の一端部から当該各辺の延長線上に延びた一定の回転方向性を有する6つの従たる開口部34が画定される。なお,「一定の回転方向性」とは,例えば,直線的に形成された6つの従たる開口部が34のそれぞれが,隣り合う従たる開口部34と比較して,60度ずつ規則的に傾斜していることを意味する。
上記構成においては,格子開口部30が,要するに,六角形状の主たる開口部32と,録角形の各頂点から一定の回転方向性をもって延出した直線状の6つの従たる開口部34で形成されており,比較的簡易な形状となっている。このため,上記構成の格子構造体は,板状の基盤に,格子開口部30と同一形状の複数の貫通孔をパンチング加工することで,容易に製造することができる。一般的に,パンチング加工は,生産性は極めて高いが,穿設する貫通孔の形状に制限がある。この点,上記構成の構造体は,パンチング加工により製造できるため,極めて生産性が高く,安価なコストで具現化できるという利点を有する。
本発明の第1の側面に係る格子構造体の格子橋10は,ある格子開口部30の内側に向かって鈍角に突出する第1の内側屈折点17aと第2の内側屈折点17b,及び当該ある格子開口部30の外側に向かって鈍角に突出する第1の外側屈折点18aと第2の外側屈折点18bの4点において屈折するものであってもよい。この場合において,格子開口部30は,鋭角と鈍角が交互に連続した12角形状の主たる開口部32と,当該主たる開口部30の各鋭角端から当該鋭角端をなす一方の辺の延長線上に延びた一定の回転方向性を有する6つの従たる開口部34が画定される。
上記構成においては,格子開口部30が,要するに,六角星型の主たる開口部32と,六角星の各頂点から一定の回転方向性をもって直線的に延出した6つの従たる開口部34で形成されており,これも比較的簡易な形状となっている。このため,上記構造の格子構造体も,パンチング加工により,生産性が高く,しかも安価なコストで製造できる。さらに,上記構造の格子構造体は,格子橋10が4つの屈折点を有するS字型で形成されており比較的柔軟に伸縮するため,伸縮性や曲げ特性が高く生体適合性が良い。
本発明に係る格子構造体は,格子橋と格子点により画定された格子開口部が,六角形のポリゴンを基本とする形状である。このような新規な格子開口部の形状を有することにより,本発明に係る格子構造体は,三次元方向に伸縮することができ,高い伸縮性を有する。また,本発明は,複合される材料に弾性率を適合させることができる格子構造体を提供することができる。
図1は,本発明の第1の側面に係る格子構造体の形状を示す図である。図1(a)は,図1(b)に示す図の一部を拡大した図である。 図2は,本発明の第1の側面に係る格子構造体の形状を示す図である。図2(a)は,図2(b)に示す図の一部を拡大した図である。 図3は,本発明の第1の側面に係る格子構造体の形状を示す図である。図3(a)は,図3(b)に示す図の一部を拡大した図である。 図4は,本発明の第1の側面に係る格子構造体の形状を示す図である。図4(a)は,図4(b)に示す図の一部を拡大した図である。 図5は,本発明の第1の側面に係る格子構造体の形状を示す図である。図5(a)は,図5(b)に示す図の一部を拡大した図である。 図6は,本発明の第1の側面に係る格子構造体の形状を示す図である。図6(a)は,図6(b)に示す図の一部を拡大した図である。 図7は,格子構造の設計工程の例を説明するための概念図である。 図8は,本発明に係る格子構造体の使用例について説明するための概念図である。 図9は,本発明に係る格子構造体の動作例について説明するための概念図である。 図10は,本発明に係る格子構造体の動作例について説明するための概念図である。図10(a)は,ラチェット構造を有する格子構造体100を示す。図10(b)は,ラチェット構造を有する格子構造体100を転開させるための道具を示す。 図11は,円筒状である格子構造体を示す図である。円筒状の格子構造体は,例えば,ステントに適用される。 図12は,球形状である格子構造体を示す図である。 図13は,本発明の第2の側面に係る複数層格子構造体の構成を示す概念図である。 図14(a)から図14(b)は,本発明の第2の側面に係る複数層格子構造体の格子パターンを示す図である。 図15は,複数層立体格子構造体の例を示す側面図である。 図16は,複数層立体格子構造体の例を示す斜視図である。 図17は,複数層立体格子構造体に含まれる格子構造体を説明するための平面図である。 図18は,複数の格子構造体を重ね合わせて複数層立体格子構造体を形成するための状態を説明するための概略斜視図である。 図19は,本発明の格子構造体のパンチング加工モデルの例を示している。 図20は,本発明の格子構造体のパンチング加工モデルの例を示している。 図21は,本発明に係る格子構造体から抽出されるピースを説明するための図である。 図22は,本発明に係る格子構造体を生体(特に人の骨)に適用した実施例を示す写真である。 図23は,本発明に係る格子構造体,歯槽骨造成用の格子構造体としての応用した実施例を示し写真である。 図24は,リベットを用いて2つの本発明に係る格子構造体を圧接し連結した実施例を示す写真である。
以下,図面を用いて,本発明を実施するための形態について説明する。ただし,本発明は,以下の実施の形態に限定されるものではなく,当業者にとって自明な範囲で適宜修正したものを含む。
(1 格子)
図1から図6は,本発明の第1の側面に係る格子構造体100の形状を示す図である。図1(a)から図6(a)は,それぞれ,図1(b)から図6(b)に示す図の一部を拡大した図である。図1から図3までは,S字型の格子橋10が比較的小さい格子を示し,図4から図6は,S字型の格子橋10が比較的大きい格子を示している。また,図1及び図4は,S字型の格子橋10が比較的細い格子を示し,図2及び図5は,S字型の格子橋10が図1及び図4と比較して太い格子を示し,図3及び図6は,S字型の格子橋10の太さが図2及び図5と比較してさらに太い格子を示す。このように,格子橋10の形状や太さ,厚みを変化させることにより,格子構造体100が引張された場合の伸張率や,弾性率を調整することが可能である。以下,主に図1を用いて,本発明に係る格子構造体100の形状について説明する。
図1に示すように,格子構造体100は,複数の格子橋10,複数の格子点20を含み,複数の格子橋10と複数の格子点20により,複数の格子開口部30が画定されている。すなわち,格子構造体100は,S字型に湾曲した複数の格子橋10と,複数の格子橋10のうち3つの格子橋10の端部を連結する複数の格子点20とを含む。そして,複数の格子橋10と複数の格子点20は,複数の格子開口部30を画定する。格子開口部30のそれぞれは,複数の格子橋10と複数の格子点20のうち,6つの格子橋10と6つの格子点20で取り囲まれることにより画定されている。なお,ここにいう格子開口部30とは,物理的に存在するものではなく,複数の格子橋10と複数の格子点20が設けられることで,複数の格子橋10と複数の格子点20との間に形成される開口部である。格子橋10,格子点20,及び格子橋10と格子点20により画定される格子開口部30の数は,格子構造体100の大きさによって適宜増減すればよい。ただし,格子橋10,格子点20,及び格子開口部30の数は,それぞれ依存し合うものであるため,ある要素の数が決定されれば,必然的に他の要素の数も決定される。
ここで,格子構造体100をなす六角形を基本とした一単位を,説明の便宜上,単位格子と呼ぶ。すなわち,単位格子は,S字型に湾曲した6つの格子橋10と,格子橋10の端部を連結する6つの格子点20により画定される。そして,単位格子は,これら6つの格子橋10と6つの格子点20によって取り囲まれることにより1つの格子開口部30が画定されている。このような単位格子が,連続的に複数連結されていることにより,格子構造体100が形成される。また,単位格子同士は,格子橋10及び格子点20を介して,互いに連結されている。すなわち,ある格子橋10は,2つの単位格子を連結する役割を担う。また,ある格子点20は,3つの単位格子を連結する役割を担う。このようにしてそれぞれの格子橋10と格子点20が,複数の単位格子を連結する役割を担うことで,単位格子同士は連続的に連結されている。
(1−1 格子橋)
図1に示すように,格子橋10は,S字型に湾曲している。つまり,格子橋10は,格子開口部30の中心から外方(R1)に向かって湾曲した外曲部12と,格子開口部30中心に向かって内方(R2)に湾曲した内曲部14と,外曲部12と内曲部14とを結ぶ略直線状の橋部16とからなる。そして,格子橋10は,橋部16を介して,外曲部12と内曲部14が交互に連続することによりS字型となっている。このようにS字型に湾曲した格子橋10は,格子構造体100が圧縮又は引張された場合に伸縮する。
格子橋10は,異方性を有するようにS字型に湾曲していてもよい。例えば,1つの従たる開口部34を画定する2つの橋部16のうち,一方の橋部16の湾曲率を大きくし,他方の橋部16の湾曲率を小さくすることにより,格子橋10は異方性を備えることができる。すなわち,1つの従たる開口部34を画定する2つの橋部16の湾曲率が異なる場合,これら2つの橋部16の長さも異なる。
格子橋10の太さは,格子構造体100が適用される用途に応じて適宜設計すればよい。また,格子橋の10の平面に対し垂直方向の厚みも,格子が適用される用途に応じて適宜設計すればよい。例えば,格子橋10の太さと厚みを変更することにより,格子構造体100の伸縮性や,弾性率を自由に調整することができる。また,例えば,格子橋10の太さに関しては,図1に示されている格子よりも,図2に示されている格子の方が太くなっている。また,図2に示されている格子よりも,図3に示されている格子の方が太くなっている。格子橋10の太さは,例えば,平板状の格子構造体100を骨片の固定又は骨欠損分部の架橋に用いる場合に,0.4mmから0.8mmであってもよいし,0.5mmから0.7mmであってもよいし,0.6mmであってもよい。また,格子橋10の太さは,例えば,平板状の格子構造体100を衣服にラミネートして防護服として用いるような場合には,より太く形成すればよい。ただし,この格子橋10の太さとして,隣接する格子橋10に接触する程に太いものを採用することはできない。格子橋10の厚みは,例えば,格子構造体100を骨片の固定又は骨欠損分部の架橋に用いる場合に,0.1mmから0.5mmであってもよいし,0.2mmから0.4mmであってもよいし,0.3mmであってもよい。
また,格子橋10の長さ,特に格子橋10の橋部16の長さも格子構造体100が適用される用途に応じて適宜設計すればよい。例えば,橋部16の長さに関しては,図1から図3に示す格子より,図4から図6に示す格子の方が長くなっている。このように,格子橋10の長さ,特に橋部16の長さを変更することにより,格子構造体100が引張された場合の最大伸張距離を調節することができる。特に,この橋部16の長さは,格子構造体100が引張された場合に,2倍以上に伸張されることが好ましい。ただし,この橋部16の長さも,隣接する格子橋に接触する程度に長いものを選択することはできない。
外曲部12と内曲部14の曲率は,実質的に,同一であることが好ましい。そして,この曲率は,格子橋10を介して連結される格子点20同士の距離と,橋部16の長さに依存する。すなわち,格子橋10を介して連結される格子点20同士の距離が近いほど,この曲率も大きくなる。また,橋部16の長さが長いほど,この曲率は大きくなる。従って,外曲部12と内曲部14の曲率は,格子橋10を介して連結される格子点20同士の距離と,橋部16の長さを決定した後,これらに適合するように決定すればよい。
また,単位格子に含まれる6つのS字型の格子橋10は,格子構造体100が引張され,直線状の格子橋となった場合に,六角形となることが好ましい。特に,この六角形は,正六角形であることが好ましい。このように,格子構造体100は,格子点20同士をつなぐことにより形成される六角形の対角線方向,つまり,図1に示すD1,D2及びD3の方向に,ある一定以上の力で引張されると,格子橋10の外曲部12及び内曲部14の曲げ負荷が解放され,格子橋10は直線状となる。
(1−2 格子点)
上記構成を有する格子橋10は,格子点20を介して連結されている。具体的に説明すると,ある格子点20は,複数の格子橋10のうち,近接する3つの格子橋10の一端部を連結する。なお,格子橋10の他端部は,他の格子点20において,他の格子橋10の端部と連結されている。
単位格子には,格子構造体100を形成する複数の格子点20うち,6つの格子点20が含まれる。単位格子を画定する6つの格子点20を繋ぐことにより,六角形が形成される。この六角形は,正六角形である。そして,格子点20は,正六角形の頂点に位置する。この六角形の一辺の長さ,つまり,ある格子橋10により連結された2つの格子点20の間の距離は,格子構造体100が適用される用途に応じて適宜設計することができる。例えば,格子構造体100を骨片の固定又は骨欠損分部の架橋に用いる場合に,10mmから100mmであってもよいし,20mmから80mmであってもよいし,30mmから60mmであってもよい。また,例えば,格子構造体100を衣服にラミネートして防護服として用いるような場合には,10mmから50mmであってもよいし,20mmから40mmであってもよいし,30mmであってもよい。
このように形成された六角形は,D1,D2,及びD3方向に走行する対角線を有する。この対角線が走行する方向に,格子構造体100が引張された場合,この対角線に平行な六角形の辺に位置する2つの格子橋10が伸張する。
(1−3 格子開口部)
上記構成を有する複数の格子橋10及び複数の格子点20は,複数の格子開口部30を画定する。格子開口部30のそれぞれは,複数の格子橋10と複数の格子点20のうち,6つの格子橋10と6つの格子点20で取り囲まれることにより画定される。すなわち,六角形の頂点にそれぞれ位置する格子点20を連結するように6つの格子橋10が形成され,6つの格子点20と6つの格子橋10により,全周が閉じられた格子開口部30が画定される。
格子開口部30は,図1に示すように,1つの主たる開口部32と,6つの従たる開口部34を含むように画定される。従たる開口部34は,主たる開口部32の中心から,放射状に延びるようにして画定されている。従たる開口部34は,格子橋10がS字に湾曲していることに起因して画定されたものであり,主として,格子橋10が主たる開口部32から外方(R1)に向かって湾曲する外曲部を含んでいることによって画定されたものである。このような従たる開口部34は,主たる開口部32の中心から放射状に,かつ等方向に延びている具体的には,従たる開口部34のそれぞれは,主たる開口部32の中心点から見て,60度間隔で延伸していることが好ましい。

(1−4 材料)
上記構成を有する格子構造体100は,公知の材料を用いて製造することができる。格子構造体100は,金属材料で形成されていることが好ましい。すなわち,格子構造体100を形成する複数の格子橋10及び複数の格子点20が,金属材料で形成されていることが好ましい。特に,Ti−Ni合金により形成することが好ましい。Ti−Ni合金は,バネ特性に優れているものであるため,格子構造体100の伸縮性を高めることができる。従って,格子構造体100が適用される弾性率の調整が容易となる。また,格子構造体100は,形状記憶合金で形成されていることとしてもよい。形状記憶合金の例としては,Ni−Ti(Ni55%)合金や,CO−Ni−Al合金,Fe−Mn−Si合金であるが,この他にも公知の合金を用いて格子構造体100を形成することとしても良い。また医療用の吸収性メッシュとして使用する場合には,生体吸収材料(ポリ乳酸,ポリグリコール酸,ポリカプトラクトン,或いはその配合剤)が適しており,生体吸収性材料を燐酸カルシウム系の人工骨材料と複合化して用いることも出来る。
さらに,格子構造体100を形成する金属としては,例えば,純鉄,極軟鋼,黄銅,銅,鉛,アルミニウム,ニッケル,モネル,チタン,インコネルが挙げられる。また,格子構造体100を形成する合金としては,例えば,鋼(Fe−C),クルップ鋼,クロムモリブデン鋼(Fe−Cr−Mo),マンガンモリブデン鋼(Fe−Mn−Mo),安来鋼,ステンレス鋼(Fe−Ni−Cr),マルエージング鋼,42アロイ(Fe−42Ni),丹銅,洋銀(Cu−27Zn−18Ni),青銅(Cu−Ni),赤銅(Cu−Au),ジュラルミン(Al−Cu),ニクロム,サンプラチナが挙げられる。特に,格子構造体100を形成するチタン合金としては,α合金(SSAT−525,SSAT−811,SSAT−6242等),α−β合金(SSAT−325,SSAT−64,SSAT−662等),β合金(SSAT−1023,SSAT−3864,SSAT−153)が挙げられる。
(1−5 製造方法)
図7を参照して,本発明に係る格子構造体100の格子形状の設計工程の一例について説明する。図7は,本発明に係る格子の設計工程の一例を示した概念図である。この例においては,本発明に係る格子構造体100は,図7(a),(b),(c),(d),(f),(g)の順の工程で設計される。つまり,まず,図7(a)に示すように,直径Dの円が内接する正六角形を規定する。格子構造体100の大きさ,特に単位格子の大きさは,円の直径Dに依存するものである。直径Dは,格子構造体100を適用する材料の用途に応じて適宜調整すればよい。次に,図7(b)に示すように,規定した正六角形を基に,S字型に湾曲した格子橋10の基本形状を設計する。このとき,S字の中心が正六角形の1辺の中心に位置し,かつ,S字の両端がその1辺をはさむ正六角形の2角に位置するようにして,格子橋10の基本形状を設計する。このS字型の基本形状の曲率を変更することにより,格子橋10の長さが変化するため,格子構造体100の柔軟性や最大延伸長を調整することができる。次に,図7(c)に示すように,設計したS字型の基本形状を基に,S字型の基本形状の線幅を調整する。このS型の基本形状の線幅は,格子橋10の太さに対応するため,S字型の基本形状の線幅を変更することにより,格子構造体100の柔軟性や強度を調整することができる。次に,図7(d)に示すように,一定の線幅を有するS字型の基本形状を,60度ずつ異なった角度に傾斜させ,正六角形のそれぞれの辺に位置するようにし,360度のパターンを形成する。そして,図7(e)に示すように,形成した360度のパターンを基に,格子開口部30の基本形状を抽出する。つまり,形成した360度のパターンの最内部に位置するS字同士の接点をつなぎ合わせることにより,格子開口部30の基本形状を抽出する。次に,図7(f)に示すように,抽出した格子開口部30の基本形状に線幅を設けることにより,単位格子の基本パターンを形成する。このようにして形成された単位格子の基本パターンは,60度間隔の回転対称となっている。また,このときに単位格子の基本パターンが有する線幅は,(c)の工程で調整されたS字型の基本形状の線幅の半分とする。最後に,図7(g)に示すように,半分の線幅を有する単位格子の基本パターンを,複数組み合わせるようにして,格子構造体100を設計する。
このように,設計することにより,格子橋10の線幅,長さ及び曲げ率を全て任意に設計することができ,これにより,単位格子の形状が定まる。単位格子の形状が定まれば,複数の単位格子を連結させることにより格子構造体100のメッシュパターンを設計することが可能である。
また,上記例によって設計された格子構造100は,公知の方法によって製造することができる。例えば,設計された格子構造を有する型に溶融した材料を流し込むことにより格子構造体100を製造することとしてもよい。また,所望の材料にワイヤーカット加工や,レーザーカット加工を施して,格子構造体100を製造することとしてもよい。また,所望の材料に,格子開口部(30)と同形状の貫通孔を穿設するパンチング加工を施すことにより格子構造体100を製造することとしてもよい。格子構造体100に含まれる複数の格子橋10及び複数の格子点20は,すべて一体成形されていることが好ましい。
また,格子構造体100は,複数の格子構造体を接合することにより拡張することができる。特に,リベット(特にブラインドリベット)を用いて複数の格子構造体100を圧接することにより形状追随性や弾性などの機械特性を維持したまま格子の面積を拡大できる。
(2−1 使用例)
図8は,本発明に係る格子構造体100の使用例について説明するための概念図である。本発明に係る格子構造体100には,格子開口部30を利用して,他の部品50を取り付けることができる。図8においては,格子開口部30にナット40が嵌着されている。ナット40は,ブラインドナットであり,特に六角ナットであることが好ましい。ナット40は,その中心にネジ穴が形成されており,これに適合するネジ山を有する部品50を螺合することができるようになっている。このように,格子開口部30にナット40を圧着固定することにより,格子構造体100を他の部品50の支持部材として利用することができる。
特に,本発明に係る格子構造体100を,歯槽骨造成用の格子構造体としての応用する場合,格子開口部30にナット40を取り付けることにより,インプラント治療に利用できる。すなわち,格子開口部30に嵌着されたナット40には,人工歯(上部構造)50を螺合させ固定できる。一般的に,インプラント治療では,人工歯根が歯槽骨に埋め込まれ,歯槽骨が人工歯根の周囲で安定期間(治癒期間)中に育成し,その結果,埋め込まれた人工歯根は最終的に歯槽骨にしっかりと固定されることとなる。そして,人工歯根にアバットメントと称する支台部が連結され,そのアバットメントの上に新しい歯冠を装着する。従来は,この安定期間として人工歯根が歯槽骨にしっかりと固定される期間が必要であり,通常約3ケ月〜6ケ月の期間が必要とされていた。しかし,本発明に係る格子構造体100をインプラント治療にとして利用した場合,人工歯根と人工歯50の安定性が高まるため,骨の成長を待つことなく歯科インプラントの固定が可能である。
(2−2 動作例1)
次に,図9を用いて,本発明に係る格子構造体100の第1の動作例について説明する。
図9に示すように,格子構造体100における格子点20の中心には,孔部22が形成されている。孔部22の形状は,図14に示すように三角形状に形成されていてもよいし,例えば,四角形,五角形,六角形,星型のような多角形状で形成することとしてもよい。このような孔部22には,孔部22の形状に適合した専用のドライバが挿入される。このドライバは,単位格子が有する6つの孔部22に同時に挿入されるものであることが好ましい。そして,それぞれの孔部22に挿入されたドライバは,図14に示す矢印方向に回転される。このようにして,6つの孔部22に挿入されたドライバが,回転されることにより,単位格子が拡張される。すなわち,孔部22に挿入されたドライバが回転されることにより,S字型に湾曲した格子橋10のそれぞれが,回転するようにして引張され,格子橋10の曲率が小さくなる。格子橋10の曲率が小さくなると,S字型に湾曲している格子橋10は,直線状に近くなるため,全体として単位格子が拡張されることとなる。
このような動作を行う格子構造体100は,例えば,人工骨に適用されうる。すなわち,格子孔22を含む格子構造体100は,上記したドライバの操作により,徐々に単位格子を拡張することができるため,人工骨を取り替えるような施術を行わなくとも,人骨の成長に合わせて人工骨を拡張していくことができる。
(2−3 動作例2)
次に,図10を用いて,本発明に係る格子構造体100の第2の動作例について説明する。
図10(a)に示すように,格子構造体100における格子橋10の内曲部14には,格子開口部30の内方に向かって突起した鉤型の歯止部15が形成されている。歯止部15は,格子橋の10の内曲部14のそれぞれに形成されており,格子開口部30に挿通されるドライバ60の回転方向を制限する。図10(b)に示すように,ドライバ60の中柱の一部には,歯車62が形成されている。ドライバ60が格子開口部30に挿通されると,ドライバ60の歯車62と格子構造体100の歯止部15が係合する。歯車62は,歯止部15と係合する形状であればよく,例えば,六角形,又は六角形に突起を設けた風車形状であってもよい。このように,ドライバ60の歯車62と格子構造体100の歯止部15によって,いわゆるラチェット機構をなす。ドライバ60の歯車62は,図10(a)に示す矢印の方向への回転が制限されている。このように,格子構造体100の弾性特性によって構造体は逆回転しないため,緩みなく,格子構造体100とドライバ60を固定接合することができる。
また,格子構造体100の歯止部15にドライバ60の歯車62を係合させ,図10(a)に示す矢印の方向に回転させると,格子構造体100は,拡張展開する。つまり,格子開口部30に挿入されたドライバ60が,矢印方向に回転することにより,単位格子が拡張展開する。すなわち,ドライバ60が矢印方向に回転することにより,S字型に湾曲した格子橋10のそれぞれが,回転するようにして展開し,格子橋10の曲率が小さくなる。格子橋10の曲率が小さくなると,S字型に湾曲している格子橋10は,直線に近くなるため,全体として単位格子が拡張することとなる。
(3−1 構造例1)
次に,図11を用いて,本発明に係る格子構造体100の第1の構造例について説明する。
図11(a)は,円筒形状である格子構造体100の例を示した図である。図11(a)に示すように,本発明に係る格子構造体100は,格子構造を湾曲させ,円筒状に形成することが可能である。特に本発明に係る格子構造体100は,柔軟性が高いものであるため,直径がより小さい円筒形状とすることが可能である。
本発明に係る格子構造体100は,上述したように,三次元方向に伸縮成形が可能であり,柔軟性が高いものであるため,円筒状の格子構造体100は,様々な用途に応用することができる。
例えば,図11(b)に示すように,円筒状の格子構造体100は,インプラント治療に用いられる人工歯根(フィクスチャー)に適用することができる。すなわち,インプラント治療の患者の歯茎に埋入される人工歯根を円筒状の格子構造体100によって成形する。一般的に,インプラント治療を受ける患者の歯槽骨の量や厚み,あごの骨のくびれなどの形態は様々である。また,患者の歯茎に埋入される人工歯根にはあらゆる方向からの外力や衝撃が加わり続けるため,製品の長寿命化を図るためには,素材的な剛性と,構造的な柔軟性が求められる。この点,本発明に係る格子構造体100が適用された人工歯根は,柔軟に成形可能であるため,治療を受ける患者の生体特性に適合させることができる。また,本発明に係る格子構造体100が適用された人工歯根は,金属材料を用いることによって人工歯根として求められる剛性を担保すると同時に,構造的な柔軟性によって外方からの衝撃を分散させることができる。
また,円筒状の格子構造100を建築用の耐震台に用いられる支柱(金属柱)に適用することができる。本発明は,三次元方向に伸縮可能であり,高い柔軟性を有するため,地震がもたらす衝撃を支柱全体に分散させることができ,支柱の破損を防止できる。
また,円筒状の格子構造体100は,ステントに適用することとしてもよい。例えば,冠動脈の狭窄している部分にカテーテルを用いて本発明が適用されたステントと,ステント内に配置されたバルーンを挿入する。そして,バルーンを膨張させることにより,ステントも広がる。広がったステントを冠動脈内に残してバルーンカテーテルを抜き取ると,ステントは狭窄部分を内側から支え続ける。このようにして冠動脈の狭窄が改善される。また,ステントの表面から再狭窄を防ぐ薬剤が溶出することとしてもよい。前述したように,格子構造体100は,柔軟性と伸縮性が高いため,ステントに適用することにより好適に作用しうる。
また,円筒状の格子構造体100は,三次元方向に湾曲させることが容易であるため,例えば,医療用内視鏡(ファイバスコープ)の胴体部分に適用することができる。また,円筒状の格子構造体100は,三次元方向に伸縮可能であり高い柔軟性を有するため優れた生体適合性を有する。従って,例えば,医療用の推体スペーサに適用することができる。
また,円筒状の格子構造体100は,柔軟性が高く軽量性が求められる機械的構造にも適用するこができる。従って,例えば,円筒状の格子構造体100は,高いトルクと軽量性が要求されるゴルフクラブのシャフト,あるいは釣竿に適用することできる。
また,円筒状の格子構造体100は,三次元方向に湾曲させることが容易であるため,環状(ドーナツ状)に形成することもできる。円筒環状の格子構造体100は,例えば,車両のタイヤの構造や,タイヤに装着される滑り止め防止器具の構造として用いることができる。
(3−2 構造例2)
次に,図12を用いて,本発明に係る格子構造体100の第2の構造例について説明する。
図12は,球体形状である格子構造体100の例を示す概念図である。このように,本発明の第1の側面に係る格子構造体100は,球形状であってもよい。本発明の格子構造体100は,三次元方向に伸縮可能であり,高い曲げ特性を有するため,球形状とすることも可能である。また,本発明の格子構造体100は,六角形のポリゴンを基本としているため,切頂20面体構造(いわゆるC60フラーレン構造)を形成することもできる。
球形状の格子構造体100は,例えば,耐熱性が求められる弾性球体に適用することができる。球形状の格子構造体100には金属材料を用いて剛性を維持させ,その一方で,格子構造の構造的なバネ特性によって高い弾性率を有する球体を提供することができる。また,格子構造体100は,切頂20面体構造とすることが可能であるため,本発明の格子パターンを有する遊戯用ボール(ピンポン玉,ゴルフボール,サッカーボール)を製造することとしても良い。
(4 複数層格子)
以下,図13及び図14を用いて,本発明の第2の実施の形態に係る複数層格子200について説明する。図13に示すように,複数層格子200は,本発明の第1の側面に係る格子構造体100を複数枚含む。例えば,複数層格子200は,格子構造体100を二枚含み,第1の格子構造体100a上に第2の格子構造体100bを重畳したものである。複数層格子200は,複数枚の格子構造体100が重なる部分を公知の方法により溶接すればよい。例えば,レーザ溶接,又は抵抗溶接によって溶接すればよい。また,リベット(特にブラインドリベット)を用いて複数の格子構造体100を圧接することとしてもよい。複数層格子200は,異なるパターンの格子構造体100,すなわち,格子橋10の太さや,格子橋10の橋部16長さ,格子橋10の曲率が異なる格子構造体100を重ねることにより形成することとしても良いが,同一のパターンを有する格子構造体100を重ねることが好ましい。
図14に示すように,複数層格子200は,2層の格子構造体(100a,100b)が,所定角度又は所定方向にずれて重畳されたものである。例えば,図14(a)は,第1の格子構造体100a上に,第2の格子構造体100bを,90度左方向にずらして重畳したものである。このとき,第1の格子構造体100aの格子開口部30の主たる開口部32のうちの1つと,第2の格子構造体100bの格子開口部30の主たる開口部32のうちの1つとが,一致する位置に,第2の格子構造体100bが重畳されている。また図14(b)は,第1の格子構造体100a上に,第2の格子構造体100bを,約45度左方向にずらして重畳したものである。また,図14(c)は,第1の格子構造体100a上に,第2の格子構造体100bを,左下方向に,単位格子約半個分ずらして重畳させたものである。すなわち,第1の格子構造体100aの斜め方向に連続する単位格子の中間に,第2の格子構造体100bの単位格子が位置するように,第2の格子構造体100bが重畳されている。このように,図14(a)から図14(b)は,2枚の格子(100a,100b)を,所定角度又は所定方向にずらして重畳することにより,複数層格子200の平面上に,異方性を有するパターンが表出されている。このようにして,複数層格子200は,ある特定の方向に引張された場合の引張応力と,他の特定の方向に引張された場合の引張応力が異なるように形成されている。
また,図14(d)に示すように,2層の格子構造体(100a,100b)を,所定角度又は所定方向にずらして重畳することにより,複数層格子200の平面状に,規則的なパターンが表出することとしてもよい。例えば,図14(d)においては,第1の格子構造体100a上に,第2の格子構造体100bを,右下方向に,単位格子約半個分ずらして重畳させたものである。このとき,このとき,第1の格子構造体100aの格子点20と,第2の格子構造体100bの格子点20とが,一致する位置に,第2の格子構造体100bが重畳されている。このようにして,重畳形成された複数格子200は,平面上に六角形を基本とする規則的なパターンを表出するように形成されている。このようなハニカム構造を有する複数層格子200は,機械的強度に優れたものである。
また,格子構造体100又は複数層格子200は,衣服にラミネートして防護服として用いることとしてもよい。つまり,衣服の表面に,格子構造体100又は複数層格子200を,接着又は編み込むことにより防護服を形成する。前述したように,格子構造体100又は複数層格子200は,高い柔軟性を有するため,軽量で装着性に優れた防護服を形成することができる。
また,格子構造体100又は複数層格子200,上記した用途の他にも,格子構造又はメッシュ構造が用いられる,多様なアプリケーションに適用することができる。
(5 複数層立体格子構造体)
図15は,複数層立体格子構造体の例を示す側面図である。また,図16は,複数層立体格子構造体16の例を示す斜視図である。
図15や図16に示されるように,複数層立体格子構造体300は,複数の格子構造体100を含む。そして,複数層立体格子構造体300は,複数の格子構造体100の平面を重ね合わせ,互いに対向する2枚の格子構造体100の一部を接合したまま,複数の格子構造体100の厚み方向に引張することにより,立体構造となる。
複数層立体格子構造体300は,少なくとも,第1の格子構造体100aと第2の格子構造体100bとを含み,第1の格子構造体100aの格子点20aと第2の格子構造体の格子点20bは接合されている。このように,格子点同士を接合したまま,第1の格子構造体100aと第2の格子構造体100bを厚み方向に引張すると,第1の格子構造体100aの格子橋10a及び第2の格子構造体100bの格子橋10bの両方,又はいずれか一方が,格子構造体の厚み方向に立ち上がることとなる。従って,複数層に重ね合わされた格子構造体が,立体構造となる。第1の格子構造体100aと第2の格子構造体20bは,少なくとも一箇所の格子点(20a,20b)において接合されていればよく,また,全ての格子点(20a,20b)が接合されていてもよい。
図15及び図16には,5枚の格子構造体が積層され,立体構造を形成した例が示されている。このように,格子構造体を積層する数は,2枚以上であればよく,3枚であってもよいし,4枚以上としてもよい。図5及び図6に示された例においては,第1の格子構造体100aと第3の格子構造体100cの間に,第2の格子構造体100bが位置している。第2の格子構造体100bの格子橋10bに注目してみると,格子橋10bの一端部に位置する格子点20bが,第1の格子構造体100aの格子点20aに接合されている。また,第2の格子構造体100bの格子橋10bの他端部に位置する格子点20bが,第3の格子構造体100cの格子点20cに接合されている。このように,第2の格子構造体100bの格子橋10bの両端に位置する格子点(20b,20b)が,それぞれ第1の格子構造体100aの格子点20aと第3の格子構造体100cの格子点20cに接合されている状態で,格子構造体の厚み方向に引張することにより,少なくとも第2の格子構造体100bの格子橋10bが立上することとなる。また,第2の格子構造体100bの格子橋10bを立上させるとともに,第1の格子構造体100aの格子橋10aや,第3の格子構造体100cの格子橋10cを立上させることとしてもよい。すなわち,第1の格子構造体100aと第3の格子構造体100cは,第2の格子構造体100bの格子橋10bを介して連結される。第1の格子構造体100aと第3の格子構造体100cを連結する第2の格子構造体100bの格子橋10bの数は,少なくとも1つ以上存在していればよく,2つ以上であってもよい。
なお,図15や図16に示されるように,格子構造体の格子橋同士が接合される箇所が一部に存在していてもよい。格子橋同士を接合すると,接合された格子橋は立ち上がらないが,格子橋同士を接合することにより,積層された格子構造体の接着強度を向上させることができる。
図17は,格子構造体の間に位置する格子構造体(例えば第2の格子構造体100b)を抽出して示した概略平面図である。また,図18は,複数の格子構造体を積層して接合する状態を説明するための概略斜視図である。図17及び図18において,“黒丸”は,上層の格子構造体に接合される格子点を示しており,“白丸”は,下層の格子構造体に接合される格子点を示している。図17及び図18において,“黒丸”と“白丸”は,説明のために概念的に示したものであり,実際には存在していない。
すなわち,図17に示されるように,第1の格子構造体100aと第3の格子構造体100cの間に位置する第2の格子構造体100bは,上層の格子構造体に接合される格子点である上層接合格子点20bと,下層の格子構造体に接合される格子点である下層接合格子点20bを有している。例えば,上層接合格子点20bは,第1の格子構造体100aの格子点20bと接合され,下層接合格子点20bは,第3の格子構造体100cの格子点20bと接合される。図17に示されるように,第2の格子構造体100bにおいて,格子橋10bの一端には上層接合格子点20bが形成され,格子橋10bの他端には下層接合格子点20bが形成されることが好ましい。これにより,上層接合格子点20bと下層接合格子点20bに繋がる格子橋10bが,上層と下層に配置された格子構造体を連結する役割を担う。
図18においては,3枚の格子構造体,すなわち,第1の格子構造体100a,第2の格子構造体100b,及び第3の格子構造体100cが積層される状態の例が示されている。第2の格子構造体100bは,第1の格子構造体100aと第3の格子構造体100cの間に位置する。上述したように,第2の格子構造体100bは,上層接合格子点20bと下層接合格子点20bを有している。一方,第2の格子構造体100bの上層に位置する第1の格子構造体100aは,下層接合格子点20aを有する。また,第2の格子構造体100bの下層に位置する第3の格子構造体100cは,上層接合格子点20cを有する。そして,第1の格子構造体100aの下層接合格子点20aと第2の格子構造体100bの上層接合格子点20bが,互いに接合される。また,第2の格子構造体100bの下層接合格子点20bと第3の格子構造体100cの上層接合格子点20cが,互いに接合される。このような状態で,積層した格子構造体を厚み方向に引張することにより,3枚の格子構造体が積層した複数層立体格子構造体300が形成される。なお,第1の格子構造体100aと第2の格子構造体100bを接合する際には,第1の格子構造体100aの裏面と第2の格子構造体100bの表面が接合される。同様に,第2の格子構造体100bと第3の格子構造体100cを接合する際には,第2の格子構造体100bの裏面と,第3の格子構造体100cの表面が接合される。
上記した複数層立体格子構造体の構成は,例示である。すなわち,複数枚の格子構造体の平面を重ね合わせて格子橋を立ち上がらせ,複数層の格子構造体を立体構造とすることのできる構成であれば,上記した構成の他に種々の構成を採用することが可能である。
また,上記した複数層立体格子構造体は,種々の用途に採用することができる。例えば,人工椎体、椎体間スペーサ,又は骨補填材として利用可能である。人工椎体は圧損した椎体を摘出後に置換するもので、弾性や柔軟性が要求される。椎体間スペーサは,椎間板を除去した後,調整器具にて上下の椎体間の間隔(椎間高さ)を適正値に調整し,その間隔を保持するために用いられる。また,骨補填材は,外傷や骨粗鬆症等により椎体が潰れる椎体圧迫骨折を治療するため,圧潰した椎体内に充填される治療具である。このように,本発明に係る複数層立体格子構造体は,任意の弾性や強度で設計可能であり生体適合性に優れたているため,生体骨と同じ物性を持つインプラント材を作成することができる。
また,複数層立体格子構造体は,医療的用途のみならず,例えば,プラスチチック材との複合材料のような工業的用途にも利用することができる。例えば,金属製の複数層立体と他のプラスチック材を複合して形成された構造であっても,複数層立体格子構造体の弾性や強度をプラスキック材に適合させることができる。また,数層立体格子構造体は,例えば,金属ケージ,バネブロック,防振材の構造としても好適に利用可能である。
(6 パンチング加工モデル)
次に,本発明の格子構造体をパンチング加工する際のモデルについて説明する。
一般的に,所望の形状の貫通孔を穿設するパンチング加工は,ワイヤーカットやレーザーカットと比較して高い生産性を有し,かつ生産コストも安価である。しかしながら,パンチング加工を行うことができる形状は,比較的単純な形状に限られており,曲線が連続するような複雑な形状については,パンチング加工を施すことが困難であるとされている。
そこで,以下では,比較的単純な形状で設計されておりパンチング加工で製造することが容易な格子構造体について説明する。
図19に示された例では,格子橋10が,ある格子開口部30の内側に向かって鋭角に突出した内側屈折点17と,当該ある開口部30の外側に向かって鋭角に突出した外側屈折点18の2点においてS字型に屈折したものとなっている。なお,格子橋10の形状は,Z字型に屈折したものと称することもできる。内側屈折点17と外側屈折点18の角度は,例えば60度である。
格子点20においては,S字型に屈折した3つの格子橋10の一端部が連接している。そして,各格子開口部30は,6つの格子橋10と6つの格子点20で取り囲まれることにより画定されている。すなわち,格子開口部30は,六角形状の主たる開口部32と,当該主たる開口部32の各辺の一端部から当該各辺の延長線上に延びた一定の回転方向性を有する6つの従たる開口部34が画定される。ここで,「一定の回転方向性」とは,例えば,直線的に形成された6つの従たる開口部が34のそれぞれが,隣り合う従たる開口部34と比較して,60度ずつ規則的に傾斜していることを意味する。主たる開口部32は,正六角形であることが好ましい。また,従たる開口部34は,直線状であることが好ましい。
図19に示された格子構造体は,格子橋10が内側屈折点17と外側屈折点18の2点で屈折する形状となり,かつ全ての格子橋10の形状が略同一となるように留意しながら,複数の格子開口部30をパンチング加工することにより製造が可能である。このため,図19に示された格子構造体は,高い生産性でかつ安価に製造することができ,大量生産に適している。
図20に示された例では,格子橋10が,ある格子開口部30の内側に向かって鈍角に突出する第1の内側屈折点17aと第2の内側屈折点17b,及び当該ある格子開口部30の外側に向かって鈍角に突出する第1の外側屈折点18aと第2の外側屈折点18bの4点において屈折している。各屈折点の角度は,例えば120度である。
格子点20においては,S字型に屈折した3つの格子橋10の一端部が連接している。そして,各格子開口部30は,6つの格子橋10と6つの格子点20で取り囲まれることにより画定されている。このため,格子開口部30は,鋭角と鈍角が交互に連続した12角形状の主たる開口部32と,当該主たる開口部30の各鋭角端から当該鋭角端をなす一方の辺の延長線上に延びた一定の回転方向性を有する6つの従たる開口部34が画定される。主たる開口部32の鋭角の例は,60度である。また,主たる開口部32の鈍角の例は,240度である。例えば,格子開口部30は,正六角星形状であることが好ましい。また,従たる開口部34は,直線状であることが好ましい。
図20に示された格子構造体でも,格子開口部30が,比較的簡易な形状となっているため,パンチング加工により製造できる。さらに,図20に示された格子構造体では,の格子橋10が4つの屈折点を有するS字型で形成されており比較的柔軟に伸縮する。従って,図20に示された格子構造体は柔軟に成形可能であり,例えばインプラント治療を受ける患者の生体特性に適合し易いという利点を有する。
(7 格子パターンから抽出されるピース)
図21は,本発明に係る格子構造体100の格子パターンから抽出されたピース400を示している。ピース400は,格子構造体100の格子開口部30と略同一の形状である。また,ピース400は,連結させると隙間なく敷き詰めることができる。ピース400が敷き詰められたピース集合体は,各ピース400間において接着している面積が大きいため,各ピース400間の摩擦力が高く,容易には外れなくなっている。また,ピース集合体は等方性を有しているため,あらゆる方向からの衝撃に対して均一な応力を有する。従って,ピース400は,例えば路上に敷き詰めるタイルとして好適に利用することができる。また,ピース400を敷き詰めたピース集合体は,非常に複雑な幾何学模様を表出しているため,ピース400は,例えばジグソーパズルのピースとして利用することができる。
以下に,図22〜図24の写真を参照して,本発明の実施例について説明する。
図22は,本発明に係る格子構造体を人骨に適用した実施例を示す写真である。図22においては,板状である格子構造体を,適用する人骨の形状に合わせた大きさに切断し,人の頭骨や,顎骨,大腿骨,関節にそれぞれ装着しさせている。平板上の格子構造体は,骨片を固定したり骨欠損部を架橋したりするため,に三次元的に湾曲され,骨ネジによって,各種人骨に固定される。図22に示すように,本発明の格子構体は,柔軟に湾曲するものであるため,平坦な骨の領域だけでなく,凹凸形状や球状状に湾曲した骨表面であっても,密着させて装着することができる。
図23は,本発明に係る格子構造体を,歯槽骨造成用の格子構造体としての応用する場合の実施例を示す写真である。このように,本発明に係る格子構造体を歯槽骨造成用として利用する場合,格子開口部はナットが嵌着されている。格子開口部に嵌着されたナットには,人工歯(上部構造)が螺合され固定される。このように,本発明に係る格子構造体は,インプラントとして用いることができる。本発明に係る格子構造体をインプラント治療にとして利用した場合,人工歯根と人工歯の安定性が高まるため,骨の成長を待つことなく歯科インプラントの固定が可能である。
図24は,リベットを用いて2つの本発明に係る格子構造体を圧接し連結した実施例を示す写真である。このように,本発明にかかる格子構造体は,複数の格子構造体をリベットより圧接し,それぞれ連結を続けていくことにより,構造体の面積を拡張することができる。特に,リベット(特にブラインドリベット)を用いて複数の格子構造体を圧接し連結することにより,形状追随性や弾性などの機械特性を維持したまま格子の面積を拡大できる。
本発明に係る格子構造体は,三次元方向に成形可能である。また,本発明に係る格子構造体は,柔軟で高い伸縮性を有するものである。従って,本発明に係る格子構造体は,例えば,生体適合が必要な平板上の格子構造体や,ステントやインプラントのような円筒形状の格子構造体,さらには球形状に成形した格子構造体として好適に利用しうる。
10 格子橋
12 外曲部
14 内曲部
15 歯止部
16 橋部
17 内側屈折点
18 外側屈折点
20 格子点
22 孔部
30 格子開口部
32 主たる開口部
34 従たる開口部
40 ナット
50 部品
60 ドライバ
62 歯車部
100 格子
200 複数層格子
300 複数層立体格子構造体
400 ピース



Claims (16)

  1. S字型に湾曲又は屈折した複数の格子橋(10)と,
    前記複数の格子橋(10)のうち3つの格子橋(10)の端部を連結する複数の格子点(20)と,を含み,
    前記複数の格子橋(10)と前記複数の格子点(20)は,複数の格子開口部(30)を画定し,
    前記格子開口部(30)のそれぞれは,前記複数の格子橋(10)と前記複数の格子点(20)のうち,6つの格子橋(10)と6つの格子点(20)で取り囲まれることにより画定され
    かつ前記格子開口部(30)のそれぞれは,
    1つの主たる開口部(32)と,6つの従たる開口部(34)を含み,
    前記従たる開口部(34)は,前記主たる開口部(32)から,等方向に,放射状に延びるように画定されている
    格子構造体(100)。
  2. 前記格子開口部(30)を取り囲んでいる6つの前記格子点(20)は,
    それぞれの格子点(20)をつなぐことにより形成される六角形の頂点に位置する請求項1に記載の格子構造体(100)。
  3. 前記格子を形成するS字型に湾曲した格子橋(10)を,湾曲しない直線状の格子橋(10)とした場合に,
    6つの前記直線状の格子橋(10)と6つの前記格子点(20)により画定された格子開口部(30a)は,六角形をなす
    請求項1に記載の格子構造体(100)。
  4. 前記S字型に湾曲した格子橋(10)を介して連結される前記格子点(20)同士の距離は,
    前記S字型に湾曲した格子橋(10)を,湾曲しない直線状の格子橋(10)とした場合における,前記直線状の格子橋(10)の長さの90%以下である
    請求項1に記載の格子構造体(100)。
  5. 前記複数の格子開口部(30)の少なくとも1つにはネジ穴が形成されたナット(40)が嵌め込まれている
    請求項1に記載の格子構造体(100)。
  6. 前記格子橋(10)と前記格子点(20)は,バネ合金材料又は形状記憶合金で出来ており,
    Ti−Ni合金を含む
    請求項1に記載の格子構造体(100)。
  7. 平板状に形成されている
    請求項1に記載の格子構造体(100)。
  8. 円筒状に形成されている
    請求項1に記載の格子構造体(100)。
  9. 円筒形状に形成され,
    その構造体が輪を形成するリング状である
    請求項1に記載の格子構造体(100)。
  10. 球形状に形成されている
    請求項1に記載の格子構造体(100)。
  11. 請求項1に記載の格子構造体(100)を複数層に重ねてなる
    複数層格子構造体(200)。
  12. 請求項1に記載の格子構造体(100)が,所定角度又は所定方向にずれて,複数層に重ねられてなる
    複数層格子構造体(200)。
  13. 請求項1に記載の格子構造体(100)を少なくとも2枚以上含み,
    少なくとも2枚以上の格子構造体には,第1の格子構造体(100a)と第2の格子構造体(100b)が含まれ,
    前記第1の格子構造体(100a)と前記第2の格子構造体(100b)は,少なくとも1箇所の格子点(20a,20b)において接合されており,
    接合された格子点(20a,20b)に端部が連結された格子橋(10a,10b)のいずれか一つ以上は,格子構造体の平面に直交する方向に立上している
    複数層立体格子構造体(300)。
  14. 第3の格子構造体(100c)をさらに含み,
    前記第1の格子構造体(100a)と前記第3の格子構造体(100c)の間に,前記第2の格子構造体(100b)が位置し,
    少なくとも,前記第2の格子構造体(100b)のある格子橋(10b)の一端部に位置する格子点(20b1)は,前記第1の格子構造体(100a)の格子点(20a)に接合されており,
    少なくとも,前記第2の格子構造体(100b)のある格子橋(10b)の他端部に位置する格子点(20b2)は,前記第3の格子構造体(100c)の格子点(20c)に接合されており,
    少なくとも,前記第2の格子構造体(100b)のある格子橋(10b)は,前記第2の格子構造体(100b)の平面に直交する方向に立上している。
    請求項13に記載の複数層立体格子構造体(300)。
  15. 前記格子橋(10)は,S字型に屈折したものであり,
    前記格子橋(10)は,ある格子開口部(30)の内側に向かって鋭角に突出した内側屈折点(17)と,当該ある開口部(30)の外側に向かって鋭角に突出した外側屈折点(18)の2点において屈折し,
    前記格子開口部(30)は,六角形状の主たる開口部(32)と,当該主たる開口部(32)の各辺の一端部から当該各辺の延長線上に延びた一定の回転方向性を有する6つの従たる開口部(34)が画定される
    請求項1に記載の格子構造体。
  16. 前記格子橋(10)は,S字型に屈折したものであり,
    前記格子橋(10)は,ある格子開口部(30)の内側に向かって鈍角に突出する第1の内側屈折点(17a)と第2の内側屈折点(17b),及び当該ある格子開口部(30)の外側に向かって鈍角に突出する第1の外側屈折点(18a)と第2の外側屈折点(18b)の4点において屈折し,
    前記格子開口部(30)は,鋭角と鈍角が交互に連続した12角形状の主たる開口部(32)と,当該主たる開口部(30)の各鋭角端から当該鋭角端をなす一方の辺の延長線上に延びた一定の回転方向性を有する6つの従たる開口部(34)が画定される
    請求項1に記載の格子構造体。
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