JP5942026B2 - 光画像形成装置および光画像形成方法 - Google Patents

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Description

この発明は、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)技術に関する。
OCTは、光源から出力された光を信号光と参照光とに分割し、対象物を経由した信号光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光を検出し、この検出結果に基づいて対象物の断層像を形成する画像化技術である。OCTには、タイムドメイン(Time Domain)方式、スペクトラルドメイン(Spectral Domain)方式、スウェプトソース(Swept Source)方式などがある。タイムドメイン方式は、対象物の深さ方向上の一点一点を順次にスキャンしてAラインを取得する断層画像化技術である。スペクトラルドメイン方式は、広帯域光を用いて対象物のAラインを一度にスキャンし、干渉光を分光してスペクトル分布を検出することで断層像を取得する断層画像化技術である。スウェプトソース方式は、波長掃引光源から順次に出力される多数の波長の光でAラインをスキャンし、順次に検出される干渉光に基づいてAラインに対応する干渉スペクトル分布を求め、この干渉スペクトル分布に基づいて断層像を取得する断層画像化技術である。
OCTにおいては、使用される光の波長帯が重要である。たとえば、波長の長さは対象物への光の深達度に影響し、波長帯の広さ(波長範囲)は軸分解能(深さ分解能)に影響する。なお、波長の長さは、使用される波長範囲における代表的な波長の値(代表波長)によって表される。また、代表波長や波長範囲は、OCTの方式によって定義が異なる。たとえばタイムドメイン方式やスペクトラルドメイン方式のOCTでは、スーパールミネセントダイオード(SLD)などの広帯域光源が使用されるので、代表波長として中心波長が用いられ、波長範囲として半値幅(半値全幅、FWHM)が用いられるのが一般的である。一方、スウェプトソース方式においては、波長掃引光源が使用される。よって、波長範囲としては、光源による波長掃引範囲、検出器により検出される光のスペクトルの範囲、または画像化処理に供される信号のスペクトルの範囲などが用いられる。また、スウェプトソース方式の代表波長としては、波長範囲において強度が最大の波長が用いられるのが一般的である。
また、光を吸収する性質を持つ媒質がOCT計測に影響を与える場合がある。たとえば、ヒト眼底のOCT計測を行なう場合、眼内に存在する媒質(特に水)により光が吸収されて計測効率が低下するとともに、媒質による光の吸収特性によってスペクトルが変形される。従来のOCT技術では、計測に使用される光の波長範囲を、媒質による吸収が少ない波長帯に制限することで、この悪影響を回避していた。たとえば特許文献1には、水による吸収に伴う光損失(図1参照)を考慮して、波長1μm近傍における吸収係数の2つのピークの間の波長帯0.98〜1.20μmに波長範囲(波長掃引範囲)を制限する技術が開示されている。また、非特許文献1では、同様の理由により、中心波長1050nmおよび半値全幅165nmの光を使用している。
米国特許第7450242号
B. Povazay et al., Enhanced visualization of choroidal vessels using ultrahigh resolution ophthalmic OCT at 1050 nm,25 August 2003 / Vol. 11, No. 17 / OPTICS EXPRESS pp.1980-1986
上記のように、従来のOCT技術は、媒質による光損失を回避するために波長範囲を制限するものである。したがって、軸分解能を向上させるために波長範囲を任意に拡大することができない。一方、OCTは対象物の微細構造を画像化するものであるから、軸分解能は極めて重要なファクタである。
また、単純に波長範囲を広げた場合、媒質による光損失の影響によってスペクトル分布が変形し、その結果として画質が大きく劣化してしまう。このスペクトル分布の変形によるOCT画質の劣化は主にサイドローブアーティファクトとして表れる。従来のOCT技術では、このようなスペクトル分布の変形による画質劣化に対処することができなかった。
この発明の目的は、媒質による光損失が介在する場合であっても高分解能で計測を実行可能なOCT技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光源ユニットから出力された光を信号光と参照光とに分割し、対象物を経由した信号光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光を検出し、当該検出結果に基づいて対象物の断層像を形成する光画像形成装置であって、媒質を経由した信号光に基づく干渉光が所定のスペクトル分布を有するように参照光のスペクトル分布を変換するフィルタ部を有し、前記フィルタ部は、T (λ)=S (λ) /[S (λ) ・A (λ)](ここで、S (λ)は目的のスペクトル分布を示し、S (λ)は前記光源ユニットからの光のスペクトル分布を示し、A (λ)は前記対象物の透過特性を示す)により求められた透過特性T (λ)を有することを特徴とする。
この発明に係るOCT技術によれば、媒質による光損失が介在する場合であっても高分解能で計測を行なうことが可能である。
水の光吸収特性を示すグラフである。 水による吸収に伴う所定波長の光の損失量を示すグラフである。 水による吸収に伴う超過損失量の分布を示すグラフである。 分布情報に基づく波長帯の設定例を示すグラフである。 分布情報に基づく波長帯の設定例を示すグラフである。 分布情報に基づく波長帯の設定例を示すグラフである。 分布情報に基づく波長帯の設定例を示すグラフである。 実施形態に係る方法を説明するための概略図である。 実施形態に係る方法の効果を説明するためのグラフである。 実施形態に係る方法の効果を説明するためのグラフである。 実施形態に係る方法の効果を説明するためのグラフである。 実施形態に係る方法の効果を説明するためのグラフである。 実施形態に係る方法の効果を説明するためのグラフである。 実施形態に係る方法の効果を説明するためのグラフである。 光画像形成装置の実施例の構成の一例を表す概略図である。 光画像形成装置の実施例の構成の一例を表す概略図である。 光画像形成装置の実施例の構成の一例を表す概略図である。 光源特定設定装置の実施例の構成の一例を表す概略図である。
この発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
この発明では、媒質による吸収に伴う光損失を最小化することを目的とする従来技術と異なり、装置の構成や対象物の特性に応じてどの程度の光損失が許容されるかを考慮する。この発明は、このような新規の観点に基づいてなされたものである。以下、この観点から得られる原理を説明し、この原理に基づく実施形態を説明する。
〈原理〉
以下、媒質が水である場合について詳しく説明するが、他の媒質についても同様である。なお、他の媒質としては、血液等の液体の所定の成分、各種の混合物、計測対象となる対象物(生体眼等)などがある。
図1に示す水の光吸収特性から分かるように、波長1070nm近傍において光損失量が最小となる。この波長における光損失量を求めた結果を図2に示す。図2は、中心波長1070nmおよび半値全幅約2nmの光(ほぼ単色光)が、水中を50mm進行したときの光損失量を示す。50mmは、人眼の標準的な眼軸長の約2倍の値であり、眼底を計測する場合に信号光が進行する眼内距離に相当する。図2の横軸は波長(nm)を示し、縦軸は光強度(arbitrary unit a.u.)を示す。また、破線で示すグラフは、水に対する入射光のスペクトル分布を示し、実線で示すグラフは、この入射光が水中を50mm進行した後のスペクトル分布を示す。
図2に示す2つのグラフの比較から分かるように、この条件における最大透過効率は0.35(実線で示すグラフのピーク値)であり、これは−4.6dBに相当する。なお、説明は省略するが、他の波長帯(中心波長および/または半値全幅)の光の透過効率がこれを超えるものではないことも確認された。なお、この検討において、光検出器(InGaAs検出器を用いた)の量子効率も考慮した。
この最大透過効率は、波長1070nmを含む波長範囲を用いるOCT計測において避けられない光損失量(基準損失量)に相当する。発明者らは、代表波長(中心波長)および波長範囲(半値全幅)の様々な値について、上記基準損失量に加算される光損失量(超過損失量)を求めた。その結果を図3に示す。
図3は、代表波長と波長範囲に対する超過損失量の分布を示す分布情報である。より具体的には、図3に示す横軸(第1座標軸)は代表波長(中心波長(nm))を示し、縦軸(第2座標軸)は波長範囲(スペクトル幅、半値全幅(nm))を示す。超過損失量の分布は、横軸および縦軸により張られる空間における等高線として示されている。等高線A1およびB1は超過損失量1デシベルの領域を示す。等高線A2およびB2は超過損失量2デシベルの領域を示す。等高線A3およびB3は超過損失量3デシベルの領域を示す。等高線A4およびB4は超過損失量4デシベルの領域を示す。なお、超過損失量3デシベルの等高線と超過損失量4デシベルの等高線との間については、損失量0.2デシベルごとに等高線が示されている。
図3は分布情報の一例である。分布情報は、代表波長と波長範囲と媒質による吸収に伴う光損失量とが関連付けられた関連情報の一例である。関連情報は、分布情報のような連続的な情報である必要はなく、たとえばテーブル情報のような離散的な情報であってもよい。
図3から分かるように、代表波長の値が同じであっても波長範囲によって超過損失量が変わる。同様に、波長範囲の値が同じであっても代表波長の値によって超過損失量が変わる。また、超過損失量の値が等しい領域(等高線)はそれぞれ固有の形状で分布している。このような知見は、従来と異なる観点で検討を行った結果として新規に得られたものである。
なお、従来技術は、光損失量が小さくなるような波長帯(代表波長、波長範囲)の範囲を示すのみであるが、図3に示すような関連情報によれば、代表波長、波長範囲および(超過)光損失量のうちの2つのパラメータを任意に設定することにより、3つ目のパラメータの値を取得することができる。また、関連情報全体を観察することにより、これらパラメータをどのように設定すべきかを把握することができる。たとえば、所望の代表波長が適用される場合に、どの程度の光損失量が生じるか、あるいは、所望の光損失量を達成するにはどの程度の波長範囲を適用できるか、などを知ることができる。また、所望の波長範囲(軸分解能)を得るためには、どの程度の代表波長を採用しうるかなどを知ることができる。また、所望の光損失量を達成するには、どの程度の代表波長や波長範囲を採用しうるかなどを知ることができる。これらのことは、上記のような関連情報を参照することにより初めて可能となる。少なくともこの点において、この発明は従来技術とは全く異なるものと言える。
図3に示す分布情報に基づく波長帯の設定例を以下に示す。第1の例を図4Aおよび図4Bに示す。第1の例は、図3の座標C1(代表波長、波長範囲)=(1050、117)が適用された場合を示す。図4Aにおける横軸は波長(nm)を示し、縦軸は光強度(a.u.)を示す。また、この座標C1に対応する超過損失量は2デシベルである。符号D1は水に対する入射光のスペクトル分布を示し、符号D2はこの入射光が水中を50mm進行した後のスペクトル分布を示す。グラフD2から分かるように、この光(透過光)の波長範囲(半値全幅)は74.6nmであり、軸分解能は4.92μmとなる。なお、軸分解能lは、代表波長λおよび波長範囲Δλに基づいて次式により算出される:l=(2ln2/π)×(λ /Δλ)。
図4Bは、図4Aに示すスペクトル分布D1およびD2に対応する点拡がり関数(Point Spread Function)を示す。幅が狭い側のグラフE1は、入射光に対応する点拡がり関数であり、幅が広い側のグラフE2は、透過光に対応する点拡がり関数である。入射光に基づく軸分解能は4.02μmであり、透過光に基づく軸分解能は4.92μmに劣化している。透過光の点拡がり関数E2には、−40デシベルを超えるサイドローブe2が生じている。
第2の例を図5Aおよび図5Bに示す。第1の例は、図3の座標C2(代表波長、波長範囲)=(1050、253)が適用された場合を示す。この座標C2に対応する超過損失量は3デシベルである。符号F1は水に対する入射光のスペクトル分布を示し、符号F2はこの入射光が水中を50mm進行した後のスペクトル分布を示す。グラフF2から分かるように、透過光の波長範囲(半値全幅)は90.7nmであり、軸分解能は2.39μmとなる。
図5Bは、図5Aに示すスペクトル分布F1およびF2に対応する点拡がり関数を示す。幅が狭い側のグラフG1は、入射光に対応する点拡がり関数であり、幅が広い側のグラフG2は、透過光に対応する点拡がり関数である。入射光に基づく軸分解能は2.01μmであり、透過光に基づく軸分解能は2.39μmである。透過光の点拡がり関数G2には、−30デシベルに迫るサイドローブg2が生じている。
以上のように、ユーザは、図3に示す分布情報(関連情報)を制約条件として、代表波長、波長範囲および光損失量を任意に選択することが可能である。特に、従来技術が考慮していた媒質に起因する光吸収損失の制限を超えて波長範囲を選択することも可能である。これは、波長範囲と他のパラメータ(特に光損失量)との関係を把握できるようになったことによる。また、上記の例では、1000nm付近の波長帯について説明したが、たとえば800nm帯や1300nm帯などの他の波長帯についても同様の原理を適用することができる。
検出効率やサイドローブを考慮すると、媒質による光吸収損失は、OCT画像の高分解能化に悪影響を及ぼす。高画質を達成するには、1つのAラインに対応するデータ(A−プロファイル)が45デシベル程度のダイナミックレンジを有することが望ましい。そのためには、同程度のサイドローブの抑制が必要である。
しかしながら、入射光のスペクトル全体にわたる吸収特性の定量化はなされていない。発明者らが行ったシミュレーションによれば、波長1070付近の最良の透過窓において、2デシベルを超える検出効率の犠牲を伴うことなく、スペクトル幅を123nm程度まで拡大できることが確認された。(空気中における)軸分解能の最高値として約5.2μmが得られた。軸分解能の更なる向上を図るには、水による更なる吸収が検出感度に悪影響を与えるおそれがある。
発明者らは、生体眼の画像化において、追加的な感度の損失を所定値(たとえば3デシベル)以下に抑えつつ、超高分解能(軸分解能2〜3μm)の1μm帯OCTを実現可能なことを見出した。これは、980nm以下の波長が含まれていても同様である。
水による吸収に伴うスペクトル分布の歪みを補償する処理について説明する。上記の説明から分かるように、望ましい検出効率と軸分解能を達成するには、スペクトル帯と波長幅が最適化された光源を用いることが重要である。また、水による吸収に伴うスペクトル分布の歪みは、OCTシステムの性能に悪影響を与える。特に、軸分解能を劣化させるとともに、点拡がり関数のサイドローブなどのアーティファクトを引き起こす。したがって、水による吸収の影響を補償する方法を適用して、システムの性能および画質を向上させることが望ましい。
水による吸収の影響を補償する方法としてスペクトル整形が知られている。スペクトル整形には、ソフトウェアを用いてデジタル的に(数値的に)整形を行なう技術、ハードウェアを用いて光源スペクトルを整形する技術、参照光のスペクトル分布を調整することで目的のスペクトル形状の干渉光を得る技術(クロススペクトル整形と呼ぶ)などがある。
ソフトウェアによるスペクトル整形は、計測されたスペクトル濃度(クロススペクトル)を、ガウシアン形状やハミング窓などの理想的な形状に整形するためのデジタル整形フィルタを求める手法である。この手法は、たとえば次の文献に記載されている。
・RenuTripathi et al., Spectral shaping for non-Gaussian source spectra in optical coherence tomography, March 15, 2002 / Vol. 27, No. 6 / OPTICS LETTERS pp.406-408
・Jianmin Gong et al., Optimal spectral reshaping for resolutionimprovement in optical coherence tomography, 26 June 2006 / Vol. 14, No. 13 / OPTICS EXPRESS pp.5909-5915
ハードウェアによるスペクトル整形では、光源から出力された光のスペクトルを整形するデバイス(整形フィルタ)が設けられる。このデバイスは、たとえばプログラマブルスペクトルプロセッサである。この手法は、たとえば次の文献に記載されている。
・A. CeyhunAkcay et al., Spectral shaping to improve the point spread function in optical coherence tomography, October 15, 2003 / Vol. 28, No. 20 / OPTICS LETTERS pp.1921-1923
クロススペクトル整形においては、参照光のスペクトル分布を変形するためのフィルタが用いられる。この手法は、たとえば以下の文献に記載されている。なお、後述する実施形態でも参照光のスペクトル分布を変形するが、媒質による吸収の影響を考慮する点において従来技術と異なる。吸収の影響の考慮は、図3に示すような関連情報を用いることにより初めて可能となる。したがって、実施形態は従来のクロススペクトル整形と実質的に異なるものである。
・Ying T. Pan et al.,Subcellular imaging ofepithelium with time-lapseopticalcoherencetomography, September/October 2007 Vol. 125 Journal of Biomedical Optics pp.050504-1 - 050504-3
・Zhijia Yuan et al., On the possibility oftime-lapseultrahigh-resolutionopticalcoherencetomography for bladdercancer grading, September/October 2009 Vol. 145Journal of Biomedical Optics pp.050502-1 - 050502-3
以上のように、従来技術では、スペクトル整形を最適化するためのキーファクターとして、対象物の特性を考慮していない。
ソフトウェアを用いた従来のスペクトル整形では、信号光のスペクトル分布の変化を深さの関数として補正することができない(つまり、深さ位置ごとに補正することができない)。更に、この手法はデータ収集の後に実行されるので、光電変換やデジタル化処理において読み出しノイズが増大する可能性がある。
ハードウェアを用いた従来のスペクトル整形は、光源のスペクトル分布を変形する必要があるので、実用的とは言えない。
従来のクロススペクトル整形は、色収差の補正を目的とするものである。また、最適化の基準は、光スペクトルアナライザーにより検出されるクロススペクトルの半値全幅の最大化である。更に、最適化は、参照光のスペクトル分布と信号光のスペクトル分布を独立に調整することにより行なう必要がある。加えて、従来のクロススペクトル整形は、装置光学系の特性のみを考慮しており、計測に大きな影響を与える対象物の特性を考慮したものではない。
〈実施形態の概要〉
この実施形態では、以下に記載する事項によって従来技術の問題を改善する。
この実施形態では、対象物の特性(媒質による光吸収特性)を考慮することにより、クロススペクトル整形の最適化を図る。
この実施形態では、干渉光学系の参照アームに物理的なフィルタを設けることにより、クロススペクトル整形の最適化を図る。従来のようなデジタル的な(数値的な)フィルタを用いる場合と異なり、物理的なフィルタは、光電変換の前にクロススペクトルを変化させる。よって、光電変換に介在する誤差やノイズの発生を回避することができる。
この実施形態の最適化プロセスは、水を含有する対象物の光透過率の定性的な解析と、所望のクロススペクトル(たとえばガウシアン形状のスペクトル)に基づいて行われる。
この実施形態において、上記した光電変換前のフィルタ処理に加えて、データ収集後のデジタル的な(数値的な)クロススペクトルの整形を追加的に行なってもよい。この追加的なスペクトル整形は、前述した従来技術と同様にして実行される。
実施形態に係る処理の内容を説明する。処理内容の例を図6に示す。対象物(Sample)を経由した信号光1001のスペクトル分布は、対象物の媒質(たとえば眼内の水)による吸収の影響によって歪められている。一方、参照光1002は、フィルタ1003を経由することにより、そのスペクトル分布が整形される。スペクトル整形された参照光1004は、信号光1001と重ね合わされて干渉光を生成する。この干渉光のスペクトルインターフェログラム1005は、光検出器により検出されてアナログ電気信号に変換され、更に、このアナログ電気信号はデジタル化される(1006)。このようにして得られたデジタルのインターフェログラム1007に基づいて画像データが形成される。なお、図6に示すように、数値的な(デジタル的な)スペクトル整形1008、つまりソフトウェアによるスペクトル整形を付加的に行ない、それにより得られる最適化されたインターフェログラム1009に基づき画像データを形成するようにしてもよい。
このような処理を実現するには、参照光1002を好適にスペクトル整形するためのフィルタ1003の透過特性(透過関数)T(λ)を求める必要がある。この実施形態では、次式により透過関数T(λ)を求める。
(λ)=S(λ)/[S(λ)・A(λ)]
ここで、S(λ)は目的のクロススペクトルのスペクトル分布を示し、S(λ)は光源からの出力光のスペクトル分布を示し、A(λ)は対象物(媒質)の透過特性(透過比)を示す。なお、A(λ)は、図1に示す水による吸収に伴う光損失のグラフα(λ)と、信号光が媒質中を進む距離L(たとえば5mm)に基づき、exp(−α(λ)・L)として定義される。また、S(λ)は、たとえばガウシアン分布やハミング窓に基づいて任意に設定される。
この実施形態では、参照光のスペクトル整形のみによって補正が行われる。参照光の最適なスペクトル分布を適用して参照光を調整することにより、望ましい軸分解能が得られ、かつ点拡がり関数のサイドローブが効果的に抑制されるような、理想的なクロススペクトル(たとえばガウシアン形状)を得ることができる。
参照光のスペクトル分布を変更する方法は、以下に例示する手法のいずれかを含んでいてもよい。まず、参照アームに設けられるフィルタとして、相対距離を変更可能なフォーカシングレンズと参照ミラーとを設けることができる。フォーカシングレンズは色収差を有するので、これら部材の間の距離を変更することにより、参照ミラーにより反射される光のスペクトル分布を変更することができる。
前述の手法により得られた透過特性を有するようにカスタマイズされた光学フィルタを、参照アームに配置することができる。この光学フィルタにより、参照光のスペクトル分布を変更することができる。
偏光依存型の透過特性を有する光学素子を参照アームに配置して、参照光の偏光状態を調整することにより、参照光のスペクトル分布を変更することができる。その代替手段として、光源のスペクトル特性と偏光依存型ビームスプリッタとの組み合わせにより、望ましいスペクトル分布を取得することができる。
以下、上記処理の例を示すことにより、その効果を説明する。
図7A、BおよびCを参照して第1の例を説明する。本例では、代表波長1050nmおよび波長範囲(半値全幅)100nmが適用される。図7Aには、3つのグラフH1、H2およびH3が示されている。実線のグラフH1は、ガウシアン形状の光源のスペクトル分布を示す。一点鎖線のグラフH2は、水による吸収の影響を受けた対象物からの戻り光(信号光)のスペクトル分布を示す。破線のグラフH3は、水による吸収によって歪められたクロススペクトルを示す。
図7Bには、2つのグラフJ1およびJ2が示されている。破線のグラフJ1は、水による吸収によって歪められたクロススペクトルを示す。実線のグラフJ2は、実施形態に係る方法により補正されたクロススペクトルを示す。図7Bから明らかなように、実施形態に係る方法により、歪みを伴うクロススペクトルJ1が、実質的にガウシアン形状のクロススペクトルJ2に補正されている。
2つのクロススペクトルJ1およびJ2に対応する点拡がり関数を図7Cに示す。点拡がり関数K1およびK2は、それぞれ、歪みが補正されていないクロススペクトルJ1、および、歪みが補正されたクロススペクトルJ2に対応する。補正後の点拡がり関数K2においては、補正前の点拡がり関数K1に生じているサイドローブk1が抑制されている。本例に示す補正によれば、軸分解能が3.7μmから4.3μmにわずかに劣化するが、サイドローブが約18デシベル抑制される。
図8A、BおよびCを参照して第1の例を説明する。本例では、代表波長1050nmおよび波長範囲(半値全幅)200nmが適用される。図8Aには、3つのグラフL1、L2およびL3が示されている。実線のグラフL1は、ガウシアン形状の光源のスペクトル分布を示す。一点鎖線のグラフL2は、水による吸収の影響を受けた対象物からの戻り光(信号光)のスペクトル分布を示す。破線のグラフL3は、水による吸収によって歪められたクロススペクトルを示す。
図8Bには、2つのグラフM1およびM2が示されている。破線のグラフM1は、水による吸収によって歪められたクロススペクトルを示す。実線のグラフM2は、実施形態に係る方法により補正されたクロススペクトルを示す。図8Bから明らかなように、実施形態に係る方法により、歪みを伴うクロススペクトルM1が、実質的にガウシアン形状のクロススペクトルM2に補正されている。
2つのクロススペクトルM1およびM2に対応する点拡がり関数を図8Cに示す。点拡がり関数N1およびN2は、それぞれ、歪みが補正されていないクロススペクトルM1、および、歪みが補正されたクロススペクトルM2に対応する。補正後の点拡がり関数N2においては、補正前の点拡がり関数N1に生じているサイドローブn1が抑制されている。本例に示す補正によれば、サイドローブが約18デシベル抑制される。
〈実施形態の特徴〉
実施形態の特徴について説明する。なお、以下に示す事項は、実施形態の特徴の全てではない。また、実施形態は、以下に示す事項の少なくとも1つを特徴として有するものであればよい。
実施形態に係る技術は、任意の方式のOCTに対して適用可能である。たとえば、実施形態に係る技術を、タイムドメイン方式、スペクトラルドメイン方式、またはスウェプトソース方式のOCTに適用することができる。
実施形態に係る技術は、任意のタイプの干渉光学系に適用可能である。たとえば、信号光や参照光の導波路として光ファイバーを用いる干渉光学系(ファイバー光学系)に対して、実施形態に係る技術を適用することができる。また、光ファイバーを用いずに自由空間に光学素子を配置して構成された干渉光学系に対して、実施形態に係る技術を適用することも可能である。
光増幅器のゲインに関する実施形態に係る技術によれば、0.92程度にまで至るスペクトルを含む光源を用いた1μm帯のOCTを実現することができる。
実施形態に係る技術において、対象物により信号光に付与されるスペクトル分布の歪みを補償するための光学フィルタ機能を参照アームに設けることができる。それにより、信号光の付加的な損失を伴うことなく、サイドローブの抑制および軸分解能の向上を図ることができる。このような処理は、たとえば、参照アームに物理的な光学フィルタを設けるだけで実現可能である。あるいは、データ処理としての数値的なフィルタ処理若しくはウィンドウ処理を、当該光学フィルタに組み合わせることも可能である。
参照光が各波長において十分な強度を有する場合、数値的なスペクトル整形のみでも十分な性能を実現できる。
眼科用のOCTでは、究極的には戻り光の強度によって感度が決定される。したがって、有効な帯域幅や、サイドローブに関する成像能力(imaging capability)について妥協することなく、水による吸収損失を最小化するように、入射光のスペクトルを最適化することが望ましい。透過効率を向上させるために、眼に対する入射光のスペクトルを変化させることも可能である。
〈実施例〉
上記のような技術を適用した実施例を説明する。
[構成]
この実施形態に係る光画像形成装置の構成例を図9に示す。ここではスウェプトソース方式のOCTを用いた装置について説明するが、タイムドメイン方式やスペクトラルドメイン方式のOCTを用いた装置に対しても同様の構成を適用することが可能である。実施形態において、スウェプトソース方式のOCTを用いた装置と、他の方式のOCTを用いた装置との相違は、方式の相違に伴う一般的なものに過ぎない。たとえば、タイムドメイン方式やスペクトラルドメイン方式では、SLDなどの広帯域光源が用いられる。また、スペクトラルドメイン方式では、干渉光のスペクトル分布を検出する検出器が用いられる。この検出器としては、たとえばスペクトラルレーダーが用いられる。スペクトラルレーダーはラインスキャンカメラ等を含む。また、検出されたデータに対する演算処理についても、適用される方式に応じた一般的な演算処理が実行される。また、ここでは眼科用のOCTについて説明するが、他の用途のOCTについても実質的な相違なく構成できる。
図9に示す光画像形成装置100は、波長可変レーザー等の波長掃引光源を含む光源ユニット101を有する。波長掃引光源は、高速で連続的に波長を変えながら光を出力する。波長範囲が広く設定される場合などにおいて、光源ユニット101は、波長帯の異なる複数の波長掃引光源を有していてもよい。複数の光源を連動させてOCTを実行する方法は周知である。また、複数の波長掃引光源を設ける場合、各光源に対応する干渉光学系を設けることができる。たとえば、長波長側の波長掃引光源と短波長側の波長掃引光源とを設ける場合、長波長側と短波長側とで別々の干渉光学系を設けることができる。また、光源ユニット101は、波長掃引光源から出力された光のスペクトル分布を変更するフィルタを含んでいてもよい。このフィルタは、波長掃引光源からの出力光のスペクトル分布を、たとえばガウシアン形状に変形するように設計される。
光源ユニット101から出力された光は、光ファイバー102を経由してファイバーカプラ103に導かれる。ファイバーカプラ103は、4本の光ファイバー102、104、110および112を接続している。光ファイバー102により導かれた光は、ファイバーカプラ103により信号光と参照光とに分割される。信号光は、所定の経路を介して対象物に照射される光であり、測定光、サンプル光などとも呼ばれる。参照光は、所定の経路を介して信号光に合成される。
信号光は、光ファイバー104に導かれてそのファイバー端から出射し、コリメーター105により平行光束となる。平行光束となった信号光は、スキャナー106を経由し、レンズ107および108により被検眼Eの眼底Efに集束される。スキャナー106は、眼底Efに対する信号光の照射位置を変更する。スキャナー106としては、ガルバノスキャナー、ポリゴンミラー、共振スキャナー、音響光学変調器、回転プリズム、振動プリズムなどが用いられる。光ファイバー104、コリメーター105、スキャナー106、レンズ107および108が形成する光路は、信号光路あるいはサンプルアームなどと呼ばれる。
眼底Efに照射された信号光は、眼底Efの様々な組織により散乱される。この散乱光のうちの後方散乱光は、信号光路を介してファイバーカプラ103に戻ってくる。更に、この戻り光は、光ファイバー112によりファイバーカプラ113に導かれる。この戻り光は、眼底Efの深さ方向の情報を含んでいる。
一方、ファイバーカプラ103により生成された参照光は、光ファイバー110aによってフィルタ部111に導かれる。詳細については後述するが、フィルタ部111は、参照光のスペクトル分布を変形するように機能する。フィルタ部111によりスペクトル分布が変形された参照光は、光ファイバー110bによりファイバーカプラ113に導かれる。このような参照光の経路は、参照光路あるいは参照アームなどと呼ばれる。
ファイバーカプラ113は、4本の光ファイバー110b、112、114aおよび114bを接続している。ファイバーカプラ113の分岐比はたとえば1:1である。信号光と参照光は、ファイバーカプラ113により重ね合わされて干渉光を生成する。この干渉光は、信号光に含まれる眼底Efの深さ方向の情報と、フィルタ部111により変形された参照光のスペクトル分布の情報とを引き継いでいる。検出器115は、光ファイバー114aおよび114bにより導かれた干渉光を検出する。検出器115は、たとえば、2つのフォトディテクタを有し、これらによる検出結果の差分を出力するバランスド検出器(balanced photo detector、平衡検出器)である。
検出器115は、干渉光を検出する度に、その検出結果(検出信号)をデータ収集部116に送る。データ収集部116は、検出器115から順次に入力される検出信号を収集する。データ収集部116は、これら検出信号を、たとえば一連の波長掃引毎に、つまりAライン毎にまとめて演算制御部120に送る。
演算制御部120は、前述した原理を用いることで、データ収集部116から入力されるデータに基づき各Aラインプロファイル(Aライン像)を再構成する。更に、演算制御部120は、信号光のスキャンパターンに応じて複数のAラインプロファイルを一列に配列させることによりBスキャン像(断層像)を形成する。また、演算制御部120は、信号光のスキャンパターンに応じて複数のBスキャン像を配列させてスタックデータを生成し、このスタックデータに補間処理等の画像処理を施すことにより、ボリュームデータを生成することができる。
ユーザインターフェイス(マンマシンインターフェイス)130は、表示デバイス、入力デバイス、操作デバイス等を含む。表示デバイスとしては、LCDなどが用いられる。入力デバイスや操作デバイスとしては、光画像形成装置100に設けられた各種ハードウェアキー(スイッチ、ボタン、ノブ、ジョイスティック等)がある。また、光画像形成装置100に接続された装置に設けられたハードウェアキー(たとえばコンピュータに設けられたキーボード、ポインティングデバイス等)を、入力デバイスや操作デバイスとして用いることもできる。また、上記表示デバイスや上記コンピュータに表示されるソフトウェアキーを入力デバイスや操作デバイスとして用いることも可能である。
(フィルタ部111について)
フィルタ部111について説明する。前述したように、フィルタ部111は、参照光のスペクトル分布を変形するように機能する。フィルタ部111は、前述したフィルタ1003の透過関数T(λ)を実現するように構成(および/または制御)される。フィルタ部111の構成例を以下に説明する。
フィルタ部111の第1の例を図10Aに示す。図10Aに示すフィルタ部111Aは、コリメーター1111と、フォーカシングレンズ1112と、参照ミラー1113と、駆動機構1114とを有する。
コリメーター1111は、光ファイバー110aの出射端(光ファイバー110bの入射端)の近傍位置に配置されている。コリメーター1111は、光ファイバー110aから出射された参照光LRを平行光束に変換する。また、コリメーター1111は、参照ミラー1113による参照光LRの反射光を光ファイバー110bに入射させる。
フォーカシングレンズ1112は、コリメーター1111により平行光束に変換された参照光LRを集束光束に変換する。
参照ミラー1113は、フォーカシングレンズ1112により集束光束に変換された参照光LRを反射する。駆動機構1114は、フィルタ部111Aの光軸方向(参照光LRの進行方向)に沿って参照ミラー1113を移動させる。それにより、フォーカシングレンズ1112と参照ミラー1113との間の距離が変更される。駆動機構1114は、パルスモータ等のアクチュエータと、このアクチュエータにより発生された駆動力を伝達する部材とを含んで構成される。また、駆動機構1114は、演算制御部120による制御を受けて動作する。
フォーカシングレンズ1112と参照ミラー1113とを一体的に、フィルタ部111Aの光軸方向に沿って移動させる手段を設けてもよい。それにより、信号アームと参照アームとの光路長差が変更され、画像化される対象物の深度位置が変更される。
フィルタ部111Aによれば、参照ミラー1113の位置を調整することにより、参照ミラー1113による参照光LRの反射光のスペクトル分布を変更することができる。これは、フォーカシングレンズ1112が有する色収差を利用した構成である。すなわち、フォーカシングレンズ1112により集束光束とされた参照光LRは、色収差の影響により、波長が長い成分ほどフォーカシングレンズ1112から遠い位置に結像する。よって、フォーカシングレンズ1112からより近い位置に参照ミラー1113を配置させると、参照光LRの短い波長の成分を多く含む反射光LR1(実線)が得られる。逆に、フォーカシングレンズ1112からより遠い位置に参照ミラー1113を配置させると、参照光LRの長い波長の成分を多く含む反射光LR2(破線)が得られる。反射光LR1およびLR2のスペクトル分布を図10Aのグラフに示す。OCT計測を行なう際には、前述したフィルタ1003の透過関数T(λ)を実質的に実現する位置に参照ミラー1113が配置されることで、干渉光の生成に寄与する参照光のスペクトル分布を最適化することができる。
フィルタ部111の第2の例を図10Bに示す。図10Bに示すフィルタ部111Bは、コリメーター1115と、光学フィルタ1116と、フォーカシングレンズ1117と、参照ミラー1118とを有する。コリメーター1115は、第1の例のコリメーター1111と同様である。フォーカシングレンズ1117は、第1の例のフォーカシングレンズ1112と同様である。参照ミラー1118は、第1の例の参照ミラー1113と同様であるが、移動可能である必要はない。
光学フィルタ1116は、前述したフィルタ1003の透過関数T(λ)を実質的に実現するようにカスタマイズされている。光学フィルタ1116を経由する前の参照光LR3スペクトル分布と、光学フィルタ1116を経由した後の参照光LR4のスペクトル分布を図10Bのグラフに示す。このような光学フィルタ1116を用いることで、干渉光の生成に寄与する参照光のスペクトル分布を最適化することができる。
フィルタ部111の構成は上記のものに限定されるものではなく、干渉光の生成に寄与する参照光のスペクトル分布を最適化する機能を有するものであれば、その具体的構成は任意である。たとえば、参照光のスペクトル分布を最適化する形状の反射面を有する回折格子を用いることが可能である。そのための構成例として、当該形状を有するように反射面が成形された回折格子を用いることができる。また、反射面の形状を変更可能に構成することも可能である。この構成は、たとえばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いることができる。
〈光画像形成装置および光画像形成方法〉
以上に説明した装置および方法の特徴は次のようにまとめられる。
光画像形成装置の第1の構成例について説明する。この光画像形成装置は、光源ユニットから出力された光を信号光と参照光とに分割し、対象物を経由した信号光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光を検出し、当該検出結果に基づいて対象物の断層像を形成する装置である。光源ユニット(101)は、代表波長を示す第1座標軸(図3の横軸)および代表波長を含む波長範囲を示す第2座標軸(図3の縦軸)により張られる空間において予め定義された媒質による吸収に伴う光損失量の分布情報における、所定の光損失量を示す等高線を境界とする領域に位置する座標に対応する波長範囲を有する光を出力する。
この光画像形成装置に適用される方法(光画像形成方法)は、次のステップを含む:
・代表波長を示す第1座標軸および代表波長を含む波長範囲を示す第2座標軸により張られる空間において予め定義された媒質による吸収に伴う光損失量の分布情報における、所定の光損失量を示す等高線を境界とする領域に位置する座標に対応する波長範囲を有する光を出力するステップ;
・出力された光を信号光と参照光とに分割するステップ;
・対象物を経由した信号光と参照光とを重ね合わせて干渉光を生成するステップ;
・生成された干渉光を検出するステップ;
・干渉光の検出結果に基づいて対象物の断層像を形成するステップ。
このような光画像形成装置および光画像形成方法において、境界とされる等高線は、任意に設定される。たとえば、媒質が実質的に水である場合において、座標は、図2に示す基準損失量に対する超過損失量が4デシベルとなる領域を示す等高線であって第1座標軸上の値1124nm近傍の座標を通過する等高線B4(図3参照)上の座標、または当該等高線B4よりも第1座標軸の負方向(短波長側)に位置する座標であってよい。
また、第1座標軸に対応する座標の成分は実質的に1050nmであってよい。つまり、図3において破線で示す直線上の任意の座標(代表波長、波長範囲)=(1050,Δλ)を適用することができる。代表波長として1050nmを適用する場合、超過損失量の制限をさほど受けることなく、波長範囲(軸分解能)を任意に設定することができる。つまり、波長範囲を任意に拡大しても超過損失量を3デシベル以下の範囲に抑えることが可能である。よって、代表波長を1050nmに設定することにより、波長範囲の設定自由度を高めることができる。
光画像形成装置の第2の構成例について説明する。この光画像形成装置は、光源ユニット(101)から出力された光を信号光と参照光とに分割し、対象物を経由した信号光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光を検出し、当該検出結果に基づいて対象物の断層像を形成する装置である。更に、この光画像形成装置は、代表波長と、代表波長を含む波長範囲と、媒質による吸収に伴う光損失量とが関連付けられた関連情報を予め記憶した記憶部を有する。この記憶部は、たとえば演算制御部120に設けられた記憶装置(ハードディスクドライブ、ROM等)により構成される。関連情報は、図3に示す分布情報のような連続的な情報でもよいし、テーブル情報のような離散的な情報でもよい。光源ユニット(101)は、関連情報に基づき予め決定された波長範囲を含む光を出力する。
この光画像形成装置に適用される方法(光画像形成方法)は、次のステップを含む:
・代表波長と、代表波長を含む波長範囲と、媒質による吸収に伴う光損失量とが関連付けられた関連情報に基づいて、代表波長および当該代表波長を含む波長範囲を決定するステップ;
・決定された波長範囲を含む光を出力するステップ;
・出力された光を信号光と参照光とに分割するステップ;
・対象物を経由した信号光と参照光とを重ね合わせて干渉光を生成するステップ;
・生成された干渉光を検出するステップ;
・干渉光の検出結果に基づいて対象物の断層像を形成するステップ。
代表波長および波長範囲を決定するステップは、たとえば図3に示すような分布情報(関連情報の一例である)を参照し、代表波長、波長範囲および光損失量を全体的に考慮することにより、または代表波長、波長範囲および光損失量を所望の優先順位にしたがって考慮することにより、実行される。演算制御部120は、この決定操作を行なうためのインターフェイスを、ユーザインターフェイス130の表示デバイスに表示させる。ユーザは、操作デバイスや入力デバイスを用いることで、パラメータの値を入力する。表示されるインターフェイスの例として、図3に示すような分布情報がある。ユーザは、ポインティングデバイスを用いて分布情報中の所望の座標を指定することができる。また、パラメータを入力するための入力スペースを表示デバイスに表示させ、キーボード等を用いて所望の値を入力できるように構成してもよい。また、パラメータの値の選択肢を呈示可能なインターフェイス(プルダウンメニュー等)を表示させ、ポインティングデバイス等を用いて所望の値を指定できるように構成することも可能である。なお、関連情報は、上記3つのパラメータを関連付けているので、これらのうちの任意の2つのパラメータの値をユーザが決定すれば、3つ目のパラメータの値については演算制御部120によって決定される。演算制御部120は、決定された値を表示デバイスに表示させることができる。それにより、ユーザは3つのパラメータの値を勘案しながら代表波長および波長範囲の決定操作を行なうことができる。
光画像形成装置の第3の構成例について説明する。この光画像形成装置は、光源ユニット(101)から出力された光を信号光と参照光とに分割し、対象物を経由した信号光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光を検出し、当該検出結果に基づいて対象物の断層像を形成する装置である。更に、この光画像形成装置は、媒質を経由した信号光に基づく干渉光が所定のスペクトル分布を有するように参照光のスペクトル分布を変換する光学部材を有する。この光学部材は、図9に示すフィルタ部111に相当する。
この光画像形成装置に適用される方法(光画像形成方法)は、次のステップを含む:
・光を出力するステップ;
・出力された光を信号光と参照光とに分割するステップ;
・媒質を経由した信号光に基づく干渉光が所定のスペクトル分布を有するように参照光のスペクトル分布を変換するステップ;
・対象物を経由した信号光とスペクトル分布が変更された参照光とを重ね合わせて干渉光を生成するステップ;
・生成された干渉光を検出するステップ;
・干渉光の検出結果に基づいて対象物の断層像を形成するステップ。
〈光源特性設定装置および光源特性設定方法〉
光画像形成装置や光画像形成方法において使用される光源ユニットの特性を設定するために、実施形態に係る技術を用いることが可能である。具体的には、以下のような装置および方法が実現される。なお、光源ユニットの特性とは、代表波長と波長範囲を示す。
光源特定設定装置は、記憶部と、設定部と、取得部と、出力部とを有する。記憶部は、光コヒーレンストモグラフィ用の光源ユニットから出力される光の代表波長および代表波長を含む波長範囲、並びに媒質による吸収に伴う光損失量が関連付けられた関連情報を予め記憶する。設定部は、代表波長、波長範囲および光損失量のうちの第1パラメータおよび第2パラメータのそれぞれの値を設定する。第1パラメータおよび第2パラメータは、これら3つのパラメータのうちの任意の2つを示す。取得部は、設定部により設定された2つの値および関連情報に基づいて、第3パラメータの値を取得する。第3のパラメータは、代表波長、波長範囲および光損失量のうち、設定部により値が設定された第1パラメータおよび第2パラメータ以外のパラメータを示す。出力部は、取得部により取得された第3パラメータの値を出力する。出力部による出力態様は任意である。出力態様の例として、表示出力、印刷出力、送信出力、記憶出力などがある。表示出力は、表示デバイスによる情報表示処理である。印刷出力は、用紙に対する情報の固定化処理である。送信出力は、有線通信または無線通信を用いた情報の伝送処理である。記憶出力は、装置の内部または外部に設けられた記憶装置に対する情報の格納処理である。
この光源特定設定装置に適用される方法(光源特性設定方法)は、コンピュータを用いて光コヒーレンストモグラフィ用の光源ユニットから出力される光の特性を設定する方法であって、次のステップを含む:
・代表波長と、代表波長を含む波長範囲と、媒質による吸収に伴う光損失量とが関連付けられた関連情報を、コンピュータに記憶させるステップ:
・代表波長、波長範囲および光損失量のうちの第1パラメータおよび第2パラメータのそれぞれの値を設定するステップ;
・設定された2つの値および関連情報に基づいて、代表波長、波長範囲および光損失量のうち第1パラメータおよび第2パラメータ以外の第3パラメータの値を取得するステップ;
・取得された第3パラメータの値を出力するステップ。
光源特定設定装置の実施例を図11に示す。光源特定設定装置200は、記憶部201と、設定部203と、取得部204と、制御部205と、表示部206とを有する。光源特定設定装置200においては、出力部の出力態様として表示出力が適用されている。なお、他の出力態様が適用される場合にはそれに応じた構成が設けられる。たとえば、印刷出力の場合には印刷部(プリンタ)が設けられ、送信出力の場合には通信部(通信インターフェイス)が設けられ、記憶出力の場合には記憶部または通信部が設けられる。また、制御部は、適用される出力態様に応じて出力部を制御する。
記憶部201には関連情報202が予め記憶されている。関連情報202は、たとえば図3に示すような分布情報、またはテーブル情報のような離散的な情報である。
設定部203は、たとえば表示デバイスや操作デバイスを含んで構成される。表示デバイスには、制御部205によって所定のインターフェイス(GUI等)が表示される。このインターフェイスおよびパラメータ設定方法は、たとえば前述したものと同様である。ユーザは、設定部203を用いて、代表波長、波長範囲および光損失量のうちの第1パラメータおよび第2パラメータのそれぞれの値を設定する。
取得部204は、記憶部201から関連情報202を読み出す。更に、取得部204には、設定部203による設定内容、つまり第1パラメータおよび第2パラメータのそれぞれの設定値が入力される。取得部204は、関連情報202を参照することで、これら設定値に関連付けられた第3パラメータの値を取得する。たとえば、代表波長1050nmおよび波長範囲117nmが設定された場合、取得部204は、これらに対応する(超過)光損失量2デシベルを取得する。また、代表波長1050nmおよび(超過)光損失量2デシベルが設定された場合、取得部204は、これらに対応する波長範囲117nmを取得する。また、波長範囲117nmおよび(超過)光損失量2デシベルが設定された場合、取得部204は、これらに対応する代表波長1050nmを取得する。
制御部205には、取得部204により取得された第3パラメータの値(並びに第1パラメータおよび第2パラメータのそれぞれの値)が入力される。制御部205は、この第3パラメータの値(並びに第1パラメータおよび第2パラメータのそれぞれの値)を、表示部206に表示させる。ここで、表示出力の場合、第1パラメータおよび第2パラメータのそれぞれの値は既に表示されているのが一般的であるから、この出力制御段階では第3パラメータの値の表示制御のみが実行される。これに対し、他の出力態様の場合には、3つのパラメータの値を出力させることが可能である。
なお、光源特定設定装置200がサーバであり、このサーバと通信可能なクライアントを用いてユーザがパラメータ設定操作を行なう場合がある。その場合、設定部203は、表示デバイスや操作デバイスを含む必要はなく、クライアントからの設定情報を受け付ける通信インターフェイスを含んでいる。更に、この場合の出力部は送信出力を行なう通信インターフェイスを含んで構成される。クライアントには第1パラメータおよび第2パラメータのそれぞれの設定値が既に表示されているのが一般的であるから、制御部205は、取得部204により取得された第3パラメータの値のみをクライアントに送信させるように出力部を制御することが可能である。
このような光源特定設定装置および光源特性設定方法によれば、光コヒーレンストモグラフィ用の光源ユニットの特性を好適にかつ容易に設定することができる。なお、当該装置および方法は、光画像形成装置の設計を行なうために使用することが可能である。
また、このような光源特性設定機能を光画像形成装置に設けることも可能である。その場合、対象物の特性や測定モードなどに応じて光源ユニットから出力される光の特性を設定することができる。更に、光画像形成装置は、参照光のスペクトル分布の変形内容を、特性の設定内容に応じて切り替えられるように構成される。このスペクトル分布の変形内容の切り替えは、たとえば、図10Aに示す参照ミラー1113の位置の切り替え、図10Bに示す光学フィルタ1116の切り替え配置、MEMSによる回折格子の反射面の形状の切り替えなどによって実現可能である。なお、光学フィルタ1116の切り替え配置は、たとえば、透過特性が異なる複数の光学フィルタが設けられたターレット板と、このターレット板を回転させるフィルタ駆動機構とにより実現できる。
このような切り替えを自動で行なえるように構成することが可能である。たとえば、光源特性のパラメータ(代表波長および波長範囲)と、スペクトル分布の変形内容(参照ミラー1113の位置、参照アームに選択的に配置される光学フィルタ1116、回折格子の反射面の形状など)とを対応付ける対応情報を、記憶部201に予め記憶させておく。代表波長および波長範囲が設定されると、制御部205は、対応情報を参照することにより、当該設定内容に対応する変形内容を特定する。そして、制御部205は、特定された変形内容に基づいて、参照ミラー1113(駆動機構1114)、光学フィルタ1116(フィルタ駆動機構)、回折格子の反射面の形状(MEMS)などを制御する。
以上に説明した内容は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形(省略、置換、付加等)を適宜に施すことが可能である。
上記の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な任意の記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体としては、たとえば、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などを用いることが可能である。
また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
100 光画像形成装置
101 光源ユニット
102 光ファイバー
103 ファイバーカプラ
104 光ファイバー
105 コリメーター
106 スキャナー
107 レンズ
108 レンズ
110 光ファイバー
111 フィルタ部
111A フィルタ部
1111 コリメーター
1112 フォーカシングレンズ
1113 参照ミラー
1114 駆動機構
111B フィルタ部
1115 コリメーター
1116 光学フィルタ
1117 フォーカシングレンズ
1118 参照ミラー
112 光ファイバー
113 ファイバーカプラ
114a、114b 光ファイバー
115 検出器
116 データ収集部
120 演算制御部
130 ユーザインターフェイス
E 被検眼
Ef 眼底

Claims (5)

  1. 光源ユニットから出力された光を信号光と参照光とに分割し、対象物を経由した信号光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光を検出し、当該検出結果に基づいて対象物の断層像を形成する光画像形成装置であって、
    媒質を経由した信号光に基づく干渉光が所定のスペクトル分布を有するように参照光のスペクトル分布を変換するフィルタ部を有し、
    前記フィルタ部は、T (λ)=S (λ) /[S (λ) ・A (λ)](ここで、S (λ)は目的のスペクトル分布を示し、S (λ)は前記光源ユニットからの光のスペクトル分布を示し、A (λ)は前記対象物の透過特性を示す)により求められた透過特性T (λ)を有する
    ことを特徴とする光画像形成装置。
  2. 前記光学ユニットから出力された光から分離された前記参照光を導く光ファイバーを有し、
    前記フィルタ部は、
    前記光ファイバーから出射した前記参照光を平行光束に変換するコリメーターと、
    前記コリメーターにより平行光束に変換された前記参照光を集束光束に変換するフォーカシングレンズと、
    前記フォーカシングレンズにより集束光束に変換された前記参照光を反射する参照ミラーと、
    前記フォーカシングレンズと前記参照ミラーとの間の距離を変更する駆動機構と
    を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の光画像形成装置。
  3. 前記フィルタ部は、
    前記光ファイバーから出射した前記参照光を平行光束に変換するコリメーターと、
    前記コリメーターにより平行光束に変換された前記参照光のスペクトル分布を変更する光学フィルタと、
    前記光学フィルタを通過した前記参照光を集束光束に変換するフォーカシングレンズと、
    前記フォーカシングレンズにより集束光束に変換された前記参照光を反射する参照ミラーと
    を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の光画像形成装置。
  4. 前記フォーカシングレンズと前記参照ミラーとを一体的に移動させる手段を更に備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光画像形成装置。
  5. 光を出力するステップと、
    出力された光を信号光と参照光とに分割するステップと、
    媒質を経由した信号光に基づく干渉光が所定のスペクトル分布を有するように参照光のスペクトル分布を変換するステップと、
    対象物を経由した信号光とスペクトル分布が変更された参照光とを重ね合わせて干渉光を生成するステップと、
    生成された干渉光を検出するステップと、
    干渉光の検出結果に基づいて対象物の断層像を形成するステップと
    を含み、
    前記変換するステップは、T (λ)=S (λ) /[S (λ) ・A (λ)](ここで、S (λ)は目的のスペクトル分布を示し、S (λ)は前記光源ユニットからの光のスペクトル分布を示し、A (λ)は前記対象物の透過特性を示す)により求められた透過特性T (λ)を有するフィルタを用いて、前記参照光のスペクトル分布を変換する
    ことを特徴とする光画像形成方法。
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