JP2010078475A - 光断層画像のスケール作成方法及びこれを実行する光断層画像化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】理論計算を要することなく正確な画像のスケールを作成する。
【解決手段】フーリエドメインOCTにおける光断層画像のスケール作成方法であって、フーリエ変換後のグラフ上でピークを検出する工程と、参照光または測定光の光路長を変化させて前記グラフ上でのピークを移動させる工程と、前記光路長の変化量及び前記グラフ上でのピークの移動量を検出する工程と、前記検出した光路長の変化量及び前記ピークの移動量に基づいて前記画像の1ピクセルあたりの長さを算出する工程と、前記1ピクセルあたりの長さから前記光断層画像のスケールを作成する工程と、を含むことを特徴とする光断層画像のスケール作成方法を提供するにより前記課題を解決する。
【選択図】図4
【解決手段】フーリエドメインOCTにおける光断層画像のスケール作成方法であって、フーリエ変換後のグラフ上でピークを検出する工程と、参照光または測定光の光路長を変化させて前記グラフ上でのピークを移動させる工程と、前記光路長の変化量及び前記グラフ上でのピークの移動量を検出する工程と、前記検出した光路長の変化量及び前記ピークの移動量に基づいて前記画像の1ピクセルあたりの長さを算出する工程と、前記1ピクセルあたりの長さから前記光断層画像のスケールを作成する工程と、を含むことを特徴とする光断層画像のスケール作成方法を提供するにより前記課題を解決する。
【選択図】図4
Description
本発明は、光断層画像のスケール作成方法及びこれを実行する光断層画像化装置に係り、特に、プローブ型光断層画像化装置の画像表示におけるその長さスケールを導出する技術に関する。
従来、生体組織等の測定対象を切断せずに断面画像を取得する方法として光干渉断層(OCT;Optical Coherence Tomography)計測法を利用した光断層画像化装置が知られている。
このOCT計測法は、光干渉計測法の一種であり、OCTには、TD−OCT(Time Domain OCT)、SD−OCT(Spectral Domain OCT)、SS−OCT(Swept Source OCT)などが知られている。
TD−OCTは、光源から射出された光を測定光と参照光に分け、測定光を測定対象に照射して測定対象で反射した反射光と参照光とを合波して干渉光を得るものであるが、測定光と参照光との光路長が一致したときに干渉光が検出されることを利用した計測方法であり、参照光の光路長を変更することにより測定対象に対する測定位置(測定深さ)を変更可能としたものである。
SD−OCTは、広帯域の低コヒーレンス光を測定光と参照光とに分割した後、測定光を測定対象に照射させ、測定対象からの反射光と参照光とを干渉させ、この干渉光を各周波数成分に分解したチャンネルドスペクトルをフーリエ変換することにより、深さ方向の走査を行わずに光断層画像を構成するようにしたものである。
SS−OCTは、光源から射出されるレーザ光の周波数を掃引させて反射光と参照光とを各波長において干渉させ、一連の波長に対する干渉信号をフーリエ変換することにより測定対象の深さ位置における反射光強度を検出し、これを用いて光断層画像を構成するようにしたものである。
ここでSD−OCT及びSS−OCTは共に、信号処理においてフーリエ変換を行うものであり、これらはまとめてFD−OCT(Fourier Domain OCT)と呼ばれている。
上述したようにFD−OCTの場合、TD−OCTとは異なり、画像作成過程においてフーリエ変換処理を行っているため、深さ方向の画像のスケールが実空間の数値とは異なるため、画像診断の際、診断対象の大きさや位置関係を正確に把握することが難しい。そこで画像のスケールを作成して表示することが考えられるが、FD−OCTの場合に画像のスケールを作成するにはフーリエ解析の理論計算を要し、また、そのためには光源の波長幅や中心波長の情報が必要となる。しかし、光源の波長幅や中心波長を正確に測定して求めるのは面倒である。
これに対して、従来、眼底観察装置において、所定距離を表すスケール画像を蛍光画像等に重ねて表示させるようにするものが知られていた。
特開2008−86670号公報
しかしながら、上記特許文献1においては、単にスケール画像を重ねて表示するとしか記載されておらず、画像のスケールの具体的な作成方法は開示されていなかった。また、上記従来のFD−OCTにおける光源の波長幅や中心波長を用いた理論計算によるスケール作成方法では、測定が面倒であり、さらに測定の誤差の存在により理論計算によって正確なスケールが得られるとは限らないという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、FD−OCTを用いた光断層画像化装置において、上述したような理論計算を要することなく深さ方向の正確な画像のスケールを作成することのできる光断層画像のスケール作成方法及びこれを実行する光断層画像化装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、フーリエドメインOCTにおける光断層画像のスケール作成方法であって、フーリエ変換後のグラフ上でピークを検出する工程と、参照光または測定光の光路長を変化させて前記グラフ上でのピークを移動させる工程と、前記光路長の変化量及び前記グラフ上でのピークの移動量を検出する工程と、前記検出した光路長の変化量及び前記ピークの移動量に基づいて前記画像の1ピクセルあたりの長さを算出する工程と、前記1ピクセルあたりの長さから前記光断層画像のスケールを作成する工程と、を含むことを特徴とする光断層画像のスケール作成方法を提供する。
これにより、FD−OCTにおいてフーリエ解析による理論計算によりスケールを作成する際の光源の波長幅や中心波長を測定したりする必要がなく、簡単に正確な深さ方向の画像のスケールを作成することができる。
また、請求項2に示すように、前記グラフ上でのピークを移動させる工程は、参照光の光路長を調整する手段によって該参照光の光路長を変化させることを特徴とする。
また、請求項3に示すように、前記グラフ上でのピークを移動させる工程は、光プローブに替えて測定光を導波する光ファイバに取り付けて用いる専用治具によって測定光の光路長を変化させることを特徴とする。
このように、光路長を変化させる方法はいろいろな方法がある。
また、請求項4に示すように、前記専用治具は、測定光を該専用治具内に導波する光ファイバと、前記光ファイバから射出された光を平行光にするコリメータレンズと、前記平行光を生体組織と略同程度の反射光量で反射する反射面と、前記反射面を前記平行光の光軸方向に移動させる反射面移動機構と、前記反射面の移動量を検出する移動量検出手段と、を備えたことを特徴とする。
このように、専用治具を用いることにより、簡単に正確な深さ方向の画像のスケールを作成することができる。
また、同様に前記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、フーリエドメインOCTを用いて測定対象の光断層画像を取得する光断層画像化装置であって、参照光または測定光の光路長を変化させる手段と、前記光路長の変化に応じて、前記干渉光に対してフーリエ変換して得られたグラフ上でピークが移動したとき、前記光路長の変化量及び前記ピークの移動量を検出する手段と、前記光路長の変化量及び前記ピークの移動量から前記断層画像におけるスケールを作成する手段と、を備えたことを特徴とする光断層画像化装置を提供する。
これにより、FD−OCTにおいて、スケールを作成する際の理論計算及び、それに必要とされる光源の波長幅や中心波長の測定の必要が無くなり、簡単に正確な深さ方向の画像のスケールを作成することができる。
また、請求項6に示すように、前記参照光の光路長を変化させる手段は、参照光の光路長を調整する手段であることを特徴とする。
また、請求項7に示すように、前記測定光の光路長を変化させる手段は、光プローブに替えて測定光を導波する光ファイバに取り付けて用いる前記スケール作成のための専用治具であることを特徴とする。
このように、光路長を変化させる手段にはいろいろなものが考えられる。
また、請求項8に示すように、前記専用治具は、測定光を該専用治具内に導波する光ファイバと、前記光ファイバから射出された光を平行光にするコリメータレンズと、前記平行光を生体組織と略同程度の反射光量で反射する反射面と、前記反射面を前記平行光の光軸方向に移動させる反射面移動機構と、前記反射面の移動量を検出する移動量検出手段と、を備えたことを特徴とする。
このように、専用治具を用いることにより、簡単に正確な深さ方向の画像のスケールを作成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、FD−OCTにおいて理論的にスケールを作成する際の光源の波長幅や中心波長を測定したりする必要がなく、簡単に正確な深さ方向の画像のスケールを作成することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る光断層画像のスケール作成方法及びこれを実行する光断層画像化装置について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る光断層画像化装置の一実施形態の全体構成を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態の光断層画像化装置1は、測定対象の断層画像をSS−OCT(Swept Source OCT)計測により取得するものであって、光を射出する光源ユニット10と、光源ユニット10から射出された光Laを測定光L1と参照光L2とに分割する光分割手段2により分割された参照光L2の光路長を調整する光路長調整手段20と、光分割手段2により分割された測定光L1を測定対象Sまで導波する光プローブ(以下単にプローブと言う)30と、プローブ30から測定光L1が測定対象Sに照射されたときの測定対象からの反射光L3と参照光L2とを合波する合波手段4と、反射光L3と参照光L2とを合波手段4により合波して得られる干渉光L4を検出する干渉光検出部40と、干渉光検出部40により検出された干渉信号を周波数解析することにより測定対象の各深さ位置における干渉光L4の強度を検出し測定対象Sの断層画像を取得する処理部(画像取得手段)50と、取得された断層画像(OCT画像)を表示する表示部52及び各部を制御する制御操作部54等を有している。
光源ユニット10は、周波数を一定の周期で掃引させながらレーザ光Laを射出するものである。そのため、光源ユニット10は、一定の波長帯域を有する光を射出する光源11と、該光源11から射出される波長を選択する波長選択手段12とを備えている。光源11は、光ファイバFB10とループ状に接続された、自然放出光を射出するとともに光ファイバFB10から導波された自然放出光を増幅する半導体光増幅器(半導体利得媒質)13から成っている。この光源11は、駆動電流の注入により自然放出光を光ファイバFB10の一端側に射出するとともに、光ファイバFB10の他端側から入射された光を増幅する機能を有している。そして、半導体光増幅器13に駆動電流が供給されたとき、半導体光増幅器13及び光ファイバFB10によって形成されるレーザ光源共振器によりレーザ光Laが光ファイバFB11へ射出されるようになっている。
次に、波長選択手段12は、波長掃引光源用のフィルタとして光ファイバFB10から導波される自然放出光の波長を選択するものであって、光ファイバFB10に結合された光分岐器(サーキュレータ)14から光ファイバFB11を介して自然放出光が入射されるようになっている。波長選択手段12は、コリメータレンズ15、回折格子素子16、光学系(面倒れ補正レンズ)17及び回転多面鏡(ポリゴンミラー)18等を有している。
光ファイバFB11から入射した光はコリメータレンズ15、回折格子素子16、光学系17を介して回転多面鏡(ポリゴンミラー)18において反射される。反射された光は光学系17、回折格子素子16、コリメータレンズ15を介して再び光ファイバFB11に入射される。
回転多面鏡18は、矢印R1方向に回転し、各反射面の角度が光学系17の光軸に対して変化するようになっている。これにより、回折格子素子16において分光された光のうち、特定の周波数域からなる光のみが再び光ファイバFB11に戻るようになっている。
この光ファイバFB11に戻る光の周波数は光学系17の光軸と反射面との角度によって決まる。光ファイバFB11に入射した特定の周波数域からなる光が光分岐器14から光ファイバFB10に入射され、結果として特定の周波数域からなるレーザ光Laが光ファイバカプラ6から光ファイバFB3側に射出されるようになっている。
従って、回転多面鏡18が矢印R1方向に等速で回転したとき、再び光ファイバFB11に入射される光の波長は一定の周期で掃引することになる。つまり、光源ユニット10から波長が一定の周期で掃引したレーザ光Laが光ファイバカプラ6を介して光ファイバFB3側に射出されることとなる。
光分割手段2は、例えば2×2の光ファイバカプラからなっており、光源ユニット10から光ファイバFB3を介して導波されたレーザ光Laを測定光L1と参照光L2に分割するものである。光分割手段2は、2つの光ファイバFB2、FB4にそれぞれ光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB2側に導波され、参照光L2は光ファイバFB4側に導波されるようになっている。
光ファイバFB4の一方の先端は光分岐器(サーキュレータ)32に接続しており、光分岐器32にはさらに光ファイバFB5及び光ファイバFB7が接続されている。光ファイバFB4から導波された参照光L2は光分岐器32から光ファイバFB5に導波される。そして、光ファイバFB5の先には光路長調整手段20が配置されている。
光路長調整手段20は、断層画像の取得を開始する位置を調整するために、参照光L2の光路長を変えるものである。光路長調整手段20は、光ファイバFB5から射出された参照光L2を反射させる反射ミラー22と、反射ミラー22と光ファイバFB5との間に配置された第1光学レンズ21aと、第1光学レンズ21aと反射ミラー22との間に配置された第2光学レンズ21bとを有している。
第1光学レンズ21aは、光ファイバFB5から射出された参照光L2を平行光にするとともに、反射ミラー22により反射された参照光L2を光ファイバFB5のコアに集光する機能を有している。また、第2光学レンズ21bは、第1光学レンズ21aにより平行光にされた参照光L2を反射ミラー22上に集光するとともに、反射ミラー22により反射された参照光L2を平行光にする機能を有している。
これにより、光ファイバFB5から射出された参照光L2は、第1光学レンズ21aにより平行光となり、第2光学レンズ21bにより反射ミラー22上に集光される。その後、反射ミラー22により反射された参照光L2は、第2光学レンズ21bにより平行光になり、第1光学レンズ21aにより光ファイバFB5のコアに集光される。
さらに、光路長調整手段20は、第2光学レンズ21bと反射ミラー22とを固定した可動ステージ23と、該可動ステージ23を第1光学レンズ21aの光軸方向に移動させるミラー移動機構24とを有している。そして可動ステージ23が矢印A方向に移動することにより、参照光L2の光路長が変更するように構成されている。
光路長調整手段20により光路長が変更された光は、再び光ファイバFB5に入射され、さらに光分岐器32を介して光ファイバFB7側に導波される。
一方、測定光L1を導波する光ファイバFB2の先には光分岐器(サーキュレータ)34が接続しており、光分岐器34にはさらに光ファイバFB1及び光ファイバFB6が接続されており、測定光L1は光分岐器34から光ファイバFB1側に導波される。
光ファイバFB1の一方の先端にはプローブ30が光学的に接続されており、測定光L1は光ファイバFB1からプローブ30内の光ファイバFB0に導波されるようになっている。プローブ30は、例えば鉗子口から鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入されるものであって、光学コネクタOCによって光ファイバFB1に対して着脱可能に取り付けられている。
プローブ30は、光学コネクタOCを介して光ファイバFB1と接続されており、光ファイバFB1によって導波された測定光L1がプローブ30内の光ファイバFB0に入射される。入射された測定光L1は光ファイバFB0によって伝送され測定対象Sに照射される。そして測定対象Sで反射した戻り光(反射光)L3は、光ファイバFB0に入射し、これにより測定対象のOCT撮像が行われる。
本発明は、光断層画像化装置において光路長を変化させることによりフーリエ変換後の信号の任意のピークを移動させ、その光路長を変化させるための装置の機械的移動量(実空間での寸法)と画像上(ソフト上)におけるピークの移動量との相関をとることにより1ピクセルに対応する長さを計算し、それを基にスケールを作成してOCTによる断層画像上にスケールを表示するものである。
ここで、光路長を変化させるための手段として、前述した光路長調整手段20を用いる方法と、専用の治具を用いる方法とが考えられる。
まず、光路長調整手段20(遅延器)を用いる場合について説明する。
今図2に、フーリエ変換後の信号を示すように、符号60で示すグラフのように何らかのピークが抽出されているとする。この状態で、光路長調整手段20のミラー移動機構24により可動ステージ23を移動させることにより反射ミラー22の位置を移動して参照光L2の光路長をXからYに変化させる。すると図2に符号62で示すグラフのようにピークが移動したとする。
光路長がXからYに変化したとすると、反射ミラー22により光は反射して折り返しているから、このときの反射ミラー22の移動量は、その半分の|X−Y|/2(μm)となる。
一方、図2において、符号60で示すグラフのピーク位置はA(pix)、符号62で示すグラフのピーク位置はB(pix)であるとすると、このグラフ上でのピーク位置の移動量は、|A−B|(pix)である。
これより、1ピクセルの長さtは、|X−Y|/2を|A−B|で割り算して、次の式(1)のように求めることができる。
t=|X−Y|/2|A−B|(pixel in air) ・・・(1)
ただし、この式により1ピクセルの長さtを計算する場合には、光路長を変化させて図2に示す信号のピーク位置を移動させるときに光路長差0となる位置をまたがないようにする必要がある。
ただし、この式により1ピクセルの長さtを計算する場合には、光路長を変化させて図2に示す信号のピーク位置を移動させるときに光路長差0となる位置をまたがないようにする必要がある。
次に、専用治具を用いる場合について説明する。
図3に、光断層画像化装置における画像のスケールを作成するための専用治具の概略構成を示す。専用治具は、光学コネクタOCによって光ファイバFB1に対して着脱可能に取り付けられているプローブ30を取り外して、プローブ30の代わりに光ファイバFB1の先端に取り付けて用いるものである。
図3に示すように、専用治具70は、ケース72、光ファイバ74、コリメータレンズ76、反射面78、反射面支持体80、ネジ82及び移動量検出器84等から構成されている。
専用治具70は、そのケース72の一端が光学コネクタOCに取り付けられ、光ファイバFB1とケース72内の光ファイバ74が光学的に接続するようになっている。あるいは、ケース72内に光ファイバ74を設ける代わりに、光ファイバFB1がケース72の中まで挿入されて光ファイバ74と同じように固定されるようにしてもよい。
コリメータレンズ76は、光ファイバ74の先端74aから射出された光を平行光として反射面78に照射させるものである。
反射面78は、適度な反射光量を発生させるように構成されたミラーである。ここで、適度な反射光量とは、生体組織と同程度の反射光量を言う。これは、反射面78が単純なミラーだとすると、反射光が強すぎて干渉計検出部にてサチュレーションを起こしてしまう虞れがあるからである。従って、反射面78は、生体組織と同程度の適度な反射光量を反射させるものが好ましい。
反射面支持体80は、筒状の部材であり、その一方の先端に反射面78が取り付けられ、他方の端部にはケース72の外側に配置されたネジ82が取り付けられている。ネジ82をまわすことにより反射面支持体80がその軸方向(図の左右方向)に移動して、その結果反射面78が光軸方向に沿って移動するようになっている。すなわち、ネジ82と反射面支持体80とで反射面78の移動機構を構成する。
移動量検出器84は、ネジ82の回転量から反射面78の移動量を測定(検出)するものである。なお、図では移動量を表す目盛りを操作者が読み取るように表現されているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、このような目盛りはなくて装置が内部で自動的に移動量を検出するような機構としてもよい。
専用治具70は、プローブ30の代わりに光ファイバFB1に取り付けられているので、専用治具70が光路長を変更する光は測定光L1である。
いま、専用治具70の反射面78をある位置に設定して測定光L1の反射光から得られた画像信号において、図2に符号60で示すグラフのようにピークが抽出されているとする。
このとき、ネジ82を操作して反射面78を移動させて、測定光L1の光路長を変化させる。これにより光路長がXからYへ、|X−Y|(μm)だけ変化したとする。
このとき前と同様に、図2に符号62で示すグラフのように、ピーク位置が移動したとする。するとピーク位置の移動量は、前と同じで|A−B|(pix)である。
なお、測定光L1は反射面78で反射して折り返しているので、光路長が|X−Y|(μm)だけ変化したとすると、反射面78の移動量はその半分で|X−Y|/2(μm)である。
従って、1ピクセルあたりの長さtは、|X−Y|/2(μm)を|A−B|(pix)で割り算して、上記式(1)のように算出することができる。
なお、この場合にも前と同様に、反射面78の移動にあたり、ピーク位置の移動が光路長差0をまたがないようにする必要がある。
このように、光路長調整手段20あるいは専用治具70を用いて算出した1ピクセルの長さ(幅)は、空気中(pixel in air)におけるものであり、生体を測定する場合には、生体の屈折率を用いて長さの換算を行った結果をスケールとして表示部52のOCT画像に重ねて表示する。
なお、以上の1ピクセルあたりの長さを求める計算やこれからスケールを作成する処理は処理部50あるいは制御操作部54において行われる。
以上、光路長調整手段20を用いた場合と、専用治具70を用いた場合について1ピクセルの長さを算出する方法を説明したが、次にスケールを作成する本発明の原理について、フローチャートに沿って説明する。
図4は、本発明におけるスケール作成の原理を示すフローチャートである。
まず、図4のステップS100において、光路長調整手段20または専用治具70を用いて、OCT画像上で図2の符号60のグラフに示すようなピークを抽出する。
このとき、光路長調整手段20を用いる場合には、反射ミラー22を適当な位置に移動して参照光L2の光路長を調整してOCT画像を取得し、その画像上で上述したようなピークを抽出する。また、専用治具70を用いる場合には、反射面78を適当な位置に移動して測定光L1の光路長を調整してOCTデータを取得し、そのグラフ上で上述したようなピークを抽出する。
次に、ステップS110において、参照光L2あるいは測定光L1の光路長を変化させてグラフ上で図2の符号62のグラフに示すようにピークを移動させる。
このとき、光路長調整手段20を用いる場合には、反射ミラー22を移動して参照光L2の光路長を変化させる。また、専用治具70を用いる場合には、反射面78を移動して測定光L1の光路長を変化させる。
次に、ステップS120において、参照光L2あるいは測定光L1の光路長の変化量|X−Y|を検出する。
ここで、測定光(信号光)L1あるいは参照光L2のどちらかの光路を機械的に|X−Y|だけ変化させた場合、OCT信号画面の0パス位置(光路長差が0となる位置)は|X−Y|/2だけずれる。これはOCT測定が、測定物からの戻り光を測定しているからであり、例えば、測定物の位置が距離1だけ移動すると光路長は2変化することと同じである。これによりピーク位置が|X−Y|/2移動することとなる。
次に、ステップS130において、グラフ上でのピークの移動量|A−B|を検出する。
例えば、図2に示すように、ピーク位置がA(pix)からB(pix)まで|A−B|(pixel)
だけ移動したとすると、このピークの移動量がin airでの光路長の変化量|X−Y|/2に対応する。
だけ移動したとすると、このピークの移動量がin airでの光路長の変化量|X−Y|/2に対応する。
次に、ステップS140において、OCT画像における1ピクセルあたりの幅を算出する。これは、上に述べたように、ピーク移動量|A−B|(pixel)が光路長の変化量|X−Y|/2に対応するので、1ピクセルあたりの幅tは、上記式(1)のように、|X−Y|/2を|A−B|で割り算することによって得られる。
次に、ステップS150において、上で求めた1ピクセルあたりの幅tに基づいて、スケールを作成する。例えば、OCT画像の縦方向に10ピクセル毎に目盛りを形成し、これをOCT画像に重ねて表示するようにする。このとき、生体の屈折率を用いて長さの換算を行って目盛りを作成して表示することが好ましい。
このように、本発明においては、光路長を変化させるための反射面の移動量とフーリエ変換後の信号上でのピークの移動量を示すピクセルの間隔との関係から1ピクセルの幅を求めるようにしているため、特に途中でフーリエ変換処理を含むFD−OCT計測を利用した光断層画像化装置に適用すると有効であり、光源の波長幅や中心波長を測定して理論計算を行う必要がなく、正確に画像のスケールを作成することができる。
以上、本発明の光断層画像のスケール作成方法及びこれを実行する光断層画像化装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
1…光断層画像化装置、2…光分割手段、4…合波手段、6…光ファイバカプラ、10…光源ユニット、11…光源、12…波長選択手段、13…半導体増幅器、14…光分岐器(サーキュレータ)、15…コリメータレンズ、16…回折格子素子、17…光学系(面倒れ補正レンズ)、18…回転多面鏡、20…光路長調整手段、21a…第1光学レンズ、21b…第2光学レンズ、22…反射ミラー、23…可動ステージ、24…ミラー移動機構、30…プローブ、32、34、36…光分岐器、40…干渉光検出部、40a、40b…検出器、50…処理部(画像取得手段)、52…表示部、54…制御操作部、70…専用治具、72…ケース、74…光ファイバ、76…コリメータレンズ、78…反射面、80…反射面支持体、82…ネジ、84…移動量検出器
Claims (8)
- フーリエドメインOCTにおける光断層画像のスケール作成方法であって、
フーリエ変換後のグラフ上でピークを検出する工程と、
参照光または測定光の光路長を変化させて前記画像上でのピークを移動させる工程と、
前記光路長の変化量及び前記画像上でのピークの移動量を検出する工程と、
前記検出した光路長の変化量及び前記ピークの移動量に基づいて前記画像の1ピクセルあたりの長さを算出する工程と、
前記1ピクセルあたりの長さから前記光断層画像のスケールを作成する工程と、
を含むことを特徴とする光断層画像のスケール作成方法。 - 前記グラフ上でのピークを移動させる工程は、参照光の光路長を調整する手段によって該参照光の光路長を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光断層画像のスケール作成方法。
- 前記グラフ上でのピークを移動させる工程は、光プローブに替えて測定光を導波する光ファイバに取り付けて用いる専用治具によって測定光の光路長を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光断層画像のスケール作成方法。
- 前記専用治具は、測定光を該専用治具内に導波する光ファイバと、前記光ファイバから射出された光を平行光にするコリメータレンズと、前記平行光を生体組織と略同程度の反射光量で反射する反射面と、前記反射面を前記平行光の光軸方向に移動させる反射面移動機構と、前記反射面の移動量を検出する移動量検出手段と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の光断層画像のスケール作成方法。
- フーリエドメインOCTを用いて測定対象の光断層画像を取得する光断層画像化装置であって、
参照光または測定光の光路長を変化させる手段と、
前記光路長の変化に応じて、前記干渉光に対してフーリエ変換して得られたグラフ上でピークが移動したとき、前記光路長の変化量及び前記ピークの移動量を検出する手段と、
前記光路長の変化量及び前記ピークの移動量から前記断層画像におけるスケールを作成する手段と、
を備えたことを特徴とする光断層画像化装置。 - 前記参照光の光路長を変化させる手段は、参照光の光路長を調整する手段であることを特徴とする請求項5に記載の光断層画像化装置。
- 前記測定光の光路長を変化させる手段は、光プローブに替えて測定光を導波する光ファイバに取り付けて用いる前記スケール作成のための専用治具であることを特徴とする請求項5に記載の光断層画像化装置。
- 前記専用治具は、測定光を該専用治具内に導波する光ファイバと、前記光ファイバから射出された光を平行光にするコリメータレンズと、前記平行光を生体組織と略同程度の反射光量で反射する反射面と、前記反射面を前記平行光の光軸方向に移動させる反射面移動機構と、前記反射面の移動量を検出する移動量検出手段と、を備えたことを特徴とする請求項7に記載の光断層画像化装置。
Priority Applications (1)
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JP2008247487A JP2010078475A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | 光断層画像のスケール作成方法及びこれを実行する光断層画像化装置 |
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JP2008247487A JP2010078475A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | 光断層画像のスケール作成方法及びこれを実行する光断層画像化装置 |
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2008
- 2008-09-26 JP JP2008247487A patent/JP2010078475A/ja active Pending
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