JP5941283B2 - 受発振点レイアウトおよび弾性波探査方法 - Google Patents

受発振点レイアウトおよび弾性波探査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5941283B2
JP5941283B2 JP2012001604A JP2012001604A JP5941283B2 JP 5941283 B2 JP5941283 B2 JP 5941283B2 JP 2012001604 A JP2012001604 A JP 2012001604A JP 2012001604 A JP2012001604 A JP 2012001604A JP 5941283 B2 JP5941283 B2 JP 5941283B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wave
point
oscillation
receiving point
receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012001604A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013142556A (ja
Inventor
今井 博
博 今井
青木 智幸
智幸 青木
順民 山上
順民 山上
隆生 相澤
隆生 相澤
義彰 山中
義彰 山中
高橋 亨
亨 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2012001604A priority Critical patent/JP5941283B2/ja
Publication of JP2013142556A publication Critical patent/JP2013142556A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5941283B2 publication Critical patent/JP5941283B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Description

本発明は、弾性波探査用の受発振点レイアウトおよび弾性波探査方法に関する。
山岳トンネル工事における切羽前方探査方法として、弾性波探査反射法の原理を利用したTSP(Tunnel Seismic Prediction)やHSP(Horizontal Seismic Profiling)が知られている(特許文献1,2参照)。
TSP法は、多数の発振点において弾性波(人工地震波)を順次発生させ、少数の受振点において弾性波を計測することにより反射面の位置等を推定する、というものである。なお、発振点および受振点は、トンネル側壁から側方に向けて延在する孔の内部に配置される。
一方、HSP法は、少数の発振点において弾性波を発生させ、多数の受振点において弾性波を計測することにより反射面の位置等を推定する、というものである。
なお、TSP法やHSP法では、直接波(発振点から受振点まで直線的に伝播した波)に含まれるP波の初動に基づいてP波速度を求め、このP波速度を利用して反射面の位置等を推定している。ちなみに、最近のTSP法では、3成分受信器が使用され、P波の空間分布、S波の空間分布、地山密度の推定式などから岩盤物性の空間分布を求めているが、その具体的な計算方法は未公開である。
特開2004−346567号公報 特開2002−122673号公報
P波による探査に加えてS波や表面波による探査を行うことができれば、反射面の推定精度を高めることが可能となるが、発振点と受振点との距離が近接しているTSP法やHSP法では、S波の初動がP波のコーダ部分や表面波と重なってしまうことから、S波の実諸元(伝播速度の実測値や、卓越波長の実測値など)を読み取ることができず、読み取れたとしても大きな誤差を含む虞がある。なお、かかる問題は、トンネル坑内において実施される弾性波探査(切羽前方探査)に限らず、斜面や地表面において実施される弾性波探査にも当てはまる問題である。
このような観点から、本発明は、S波の実諸元の読み取りが容易となる弾性波探査用の受発振点レイアウトを提供することを課題とし、さらには、反射面の検知精度を高めることが可能な弾性波探査方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明に係る受発振点レイアウトは、間隔をあけて並べられた複数の発振点からなる発振点群と、前記発振点群から離れた位置に設けられた後方受振点と、を備え、前記各発振点から前記後方受振点に伝播したP波、S波および表面波の直接波の中からS波の直接波を特定するための弾性波探査用の受発振点レイアウトであって、前記後方受振点には、P波、S波および表面波を含む弾性波の時刻歴データを取得するための地震計が設置されており、探査対象地盤におけるP波伝播速度をVP、S波伝播速度をVS、表面波伝播速度をVR、P波卓越波長をλP、S波卓越波長をλSとしたとき、前記後方受振点に最も近い前記発振点と前記後方受振点との離隔距離Lが、L>VS・λP/(VP−VS)を満足し、且つ、L>VR・λS/(VS−VR)を満足する、ことを特徴とする。
なお、本発明における「前」、「後」は便宜的に付したものであり、反射面との関係を表すものではない。
各発振点において弾性波(人工地震)を発生させると、P波、S波および表面波の直接波が後方受振点に順次到達するところ、L>VS・λP/(VP−VS)という条件を満足すれば、理想的には、1波長の長さを持つP波が到達した後に、S波がその初動に対してP波の影響が及んでいない状態で観測されるようになり、L>VR・λS/(VS−VR)という条件を満足すれば、理想的には、S波の到達後、その1波長が観測された後に表面波が観測されるようになる。而して、弾性探査法では、P波、S波および表面波がそれぞれ最初の1波長(初動)で収束し、それ以降の波形を無視できる場合が多いから、時間軸上においてS波の1波長分が表面波と重ならなければ、S波の実諸元(伝播速度や卓越波長の実測値)を容易に読み取ることが可能になる。
このように、本発明に係る受発振点レイアウトを用いて弾性波探査を行えば、P波の実諸元のみならず、S波の実諸元をも取得できるようになる。S波の実諸元を取得できれば、複数種の波が混在・重畳する反射波の中からS波を高い精度で分離することが可能になるので、S波による反射面検知を行うことが可能になる。なお、S波の波長は、P波の波長よりも短いので、S波で反射面検知を行うことができれば、反射面の検知精度を高めることが可能になる。また、反射面前後のS波速度に対するP波速度の比(>1)が求まれば、ポアソン比を計算できるので、反射面前後での岩盤物性評価が可能になる。
前記発振点群と前記後方受振点との間に中間受振点を設けてもよい。また、前記発振点群を挟んで前記後方受振点の反対側に前方受振点を設けてもよい。複数の受振点において反射波を観測すれば、反射面検知の精度を高めることが可能になる。
なお、トンネル切羽の前方探査を行う場合(前記各発振点、前記後方受振点および前記前方受振点をトンネル側壁に穿設された孔の内部に設ける場合)には、前記発振点群の坑口側に前記後方受振点を設け、前記発振点群のトンネル切羽側に前記前方受振点を設けることが好ましい。
上記課題を解決する本発明に係る弾性波探査方法は、探査対象地盤におけるP波伝播速度VP0、S波伝播速度VS0、表面波伝播速度VR0、P波卓越波長λP0およびS波卓越波長λS0を仮設定する諸元設定工程と、探査対象地盤に複数の発振点を設けて発振点群を形成するとともに、前記発振点群の端に位置する前記発振点からの離隔距離Lが、L>VS0・λP0/(VP0−VS0)、且つ、L>VR0・λS0/(VS0−VR0)となる位置に後方受振点を設ける受発振点設置工程と、前記各発振点において弾性波を発生させる人工地震発生工程と、前記各発振点から前記後方受振点に伝播した直接波と、前記探査対象地盤内の反射面を介して前記後方受振点に伝播した反射波とを取得する計測工程と、前記後方受振点で取得した直接波の中からS波の初動を特定し、特定したS波の初動に基づいて実際のS波伝播速度VS1およびS波卓越波長λS1を求めるS波特定工程と、前記S波特定工程で求めたS波伝播速度VS1またはS波卓越波長λS1に基づいて、前記後方受振点で取得した反射波又は前記後方受振点以外の受振点で取得した反射波の中からS波を抽出するS波抽出工程と、前記S波抽出工程で抽出したS波に基づいて前記反射面の位置を解析する反射面解析工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、P波での反射面検知に加えて、S波での反射面検知を行うことが可能になるので、反射面の検知精度を高めることが可能になる。
本発明に係る受発振点レイアウトによれば、S波の実諸元の読み取りが容易となる。
また、本発明に係る弾性波探査方法によれば、反射面の検知精度を高めることが可能になる。
本発明の実施形態に係る受発振点レイアウトを示す平断面図である。 P波、S波および表面波を含む地震記象を示す模式図である。 (a)は、坑口に最も近い発振点で発生させた弾性波を後方受振点で観測した場合に得られる加速度時刻歴データの初期部分を示す図であり、(b)は、坑口に最も近い発振点で発生させた弾性波を中間受振点で観測した場合に得られる加速度時刻歴データの初期部分を示す図である。
本発明の実施形態に係る受発振点レイアウトAは、図1に示すように、トンネルTの切羽前方探査に適用されるものであり、複数の発振点1,1,…からなる発振点群10と、発振点群10から離れた位置に設けられた後方受振点2と、発振点群10と後方受振点2との間に設けられた中間受振点3と、発振点群10を挟んで後方受振点2の反対側に設けられた前方受振点4とを備えている。後方受振点2は、発振点群10の坑口側に設けられており、前方受振点4は、発振点群10のトンネル切羽側に設けられている。
なお、本実施形態では、左右のトンネル側壁T1,T1のそれぞれに受発振点レイアウトAを設ける場合を例示するが、本発明の適用範囲を限定する趣旨ではない。また、左右の受発振点レイアウトA,Aは、トンネルTの中心軸線に対して対称であるから、一方の受発振点レイアウトAを対象にして詳細な説明を行うこととする。
発振点1は、発振孔1aの内部に設けられている。発振孔1aは、トンネル側壁T1から斜め下方に向けて穿設された有底の孔であり、発振点1は、発振孔1aの底部に設けられている。発振孔1aの削孔深度に制限はないが、本実施形態のものは2.0(m)である。
発振点1には、弾性波(人工地震)を発生するための起振源(本実施形態では爆薬)が装填される。起振源は、図示せぬ制御装置に接続されており、制御装置からのトリガー信号を受けたときに起振(爆発)する。なお、発振点1をトンネル壁面に設ける場合には、起振源として油圧インパクタやハンマーを使用してもよい。
発振点群10の発振点1,1,…は、トンネル縦断方向に間隔をあけて並設されている。発振点1,1,…の数は、12点であり、発振点1,1,…のピッチは3.0(m)である。なお、発振点1の数やピッチは、適宜増減してもよい。
後方受振点2、中間受振点3および前方受振点4は、受振孔2a,3a,4aの内部に設けられている。受振孔2a,3a,4aは、いずれも、トンネル側壁T1から斜め下方に向けて穿設された有底の孔である。後方受振点2、中間受振点3および前方受振点4は受振孔2a,3a,4aの底部に設けられている。受振孔2a,3a,4aの削孔深度に制限はないが、本実施形態のものは、いずれも1.5(m)である。後方受振点2、中間受振点3および前方受振点4には、弾性波(人工地震)を取得するための図示せぬ地震計(加速度センサや速度センサ)が設置される。地震計は、振動の大きさに応じた電気信号を図示せぬデータロガーに出力する。
発振点群10と中間受振点3との離隔距離(中間受振点3に最も近い発振点1から中間受振点3までの距離)L13および発振点群10と前方受振点4との離隔距離(前方受振点4に最も近い発振点1から前方受振点4までの距離)L14は、いずれも10.0(m)である。離隔距離L13,L14は、TSP(Tunnel Seismic Prediction)法において推奨されている範囲(約10〜20m)に設定することが好ましい。
発振点群10と後方受振点2との離隔距離(後方受振点2に最も近い発振点1から後方受振点2までの距離)Lは、第一条件(式1)を満足し、且つ、第二条件(式2)を満足するように設定する。
L > VS・λP/(VP−VS) ・・・(式1)
L > VR・λS/(VS−VR) ・・・(式2)
P:P波伝播速度(m/s)
S:S波伝播速度(m/s)
R:表面波伝播速度(m/s)
λP:P波卓越波長(m)
λS:S波卓越波長(m)
式1は、P波が後方受振点2に到達してからS波が後方受振点2に到達するまでの時間ΔTP-SがP波の卓越周期TPよりも大きい(ΔTP-S>TP)という条件から求めることができる。なお、ΔTP-S<TPとなると、P波とS波が重なってしまい、P波とS波とを分離できなくなる。
図2を参照してより詳細に説明する。図2は、P波、S波および表面波を含む地震記象において、P波、S波および表面波の基本波(卓越波)がそれぞれ1波長(初動)で収束し、それ以降の波形を無視できると仮定した場合の模式図である。ちなみに、図2では、各ウェーブレットの時刻歴波形が式3によって構成されると仮定した。
y(t)=A0・sin(2πft)・exp(−kt) ・・・式3
0:初期振幅
f:卓越周波数
k:減衰係数
P波とS波とを分離するために最小限必要となる発振点1と後方受振点2との離隔距離をLP-Sとすると、後方受振点2に最も近い発振点1で発生したP波が後方受振点2に到達するまでの時間tP、後方受振点2に最も近い発振点1で発生したS波が後方受振点2に到達するまでの時間tS、時間ΔTP-S、P波の卓越周期TPは、それぞれ式11〜14となる。発振点1と後方受振点2との離隔距離LがLP-Sであるときには、ΔTP-S=TPとなるから、式13および式14を代入すると、式15のとおりとなり、式15をLP-Sについて解くと、式16(式1の右辺)が得られる。
P = LP-S/VP ・・・式11
S = LP-S/VS ・・・式12
ΔTP-S = tS−tP = LP-S/VS−LP-S/VP ・・・式13
P = λP/VP ・・・式14
P-S/VS − LP-S/VP = λP/VP ・・・式15
P-S = VS・λP/(VP−VS) ・・・式16
式2は、S波が後方受振点2に到達してから表面波が後方受振点2に到達するまでの時間ΔTS-RがS波の卓越周期TSよりも大きい(ΔTS-R>TS)という条件から求めることができる。なお、ΔTS-R<TSとなると、S波と表面波が重なってしまい、S波と表面波とを分離できなくなる。
図2を参照してより詳細に説明する。S波と表面波とを分離するために最小限必要となる発振点1と後方受振点2との離隔距離をLS-Rとすると、後方受振点2に最も近い発振点1で発生したS波が後方受振点2に到達するまでの時間tS、後方受振点2に最も近い発振点1で発生した表面波が後方受振点2に到達するまでの時間tR、時間ΔTS-R、S波の卓越周期TSは、それぞれ式21〜24となる。発振点1と後方受振点2との離隔距離LがLS-Rであるときには、ΔTS-R=TSとなるから、式23および式24を代入すると、式25のとおりとなり、式25をLS-Rについて解くと、式26(式2の右辺)が得られる。
S =LS-R/VS ・・・式21
R =LS-R/VR ・・・式22
ΔTS-R = tR−tS =LS-R/VR−LS-R/VS ・・・式23
S = λS/VS ・・・式24
S-R/VR −LS-R/VS = λS/VS ・・・式25
S-R = VR・λS/(VS−VR) ・・・式26
次に、本発明の実施形態に係る弾性波探査方法を説明する。本実施形態に係る弾性波探査方法は、図1に示す受発振点レイアウトAをトンネル坑内に形成し、この受発振点レイアウトAを利用して弾性波探査を行い、得られた結果に基づいて反射面の位置を解析する、というものであり、諸元設定工程と、受発振点設置工程と、人工地震発生工程と、計測工程と、S波特定工程と、S波抽出工程と、反射面解析工程とを含むものである。
諸元設定工程は、探査対象地盤におけるP波伝播速度VP0、S波伝播速度VS0、表面波伝播速度VR0、P波卓越波長λP0およびS波卓越波長λS0を仮設定する工程である。なお、受発振点レイアウトAを形成すべき区間の周辺(例えば、受発振点レイアウトAを形成すべき区間よりも坑口側の区間、隣接する他のトンネル、トンネル計画ルート上の地表面等)において弾性波探査等が既に実施されており、当該弾性波探査等によってP波伝播速度、S波伝播速度、表面波伝播速度、P波卓越波長およびS波卓越波長の実測値あるいは推定値が得られている場合には、この実測値あるいは推定値をP波伝播速度VP0、S波伝播速度VS0、表面波伝播速度VR0、P波卓越波長λP0およびS波卓越波長λS0とすればよい。また、受発振点レイアウトAを形成すべき区間の周辺において弾性波探査等が未だ行われておらず、P波伝播速度等の実測値および推定値が存在していない場合には、地質条件から求まる一般的な値(あるいは経験値)に基づいて、P波伝播速度VP0、S波伝播速度VS0、表面波伝播速度VR0、P波卓越波長λP0およびS波卓越波長λS0を仮設定すればよい。本実施形態では、上記の各諸元を表1のとおりに仮設定する場合を例示する。なお、λ=V/fの関係にあるから、P波、S波および表面波の卓越周波数f(=1/卓越周期T)の実測値あるいは推定値が得られている場合には、伝播速度Vを卓越周波数fで除することにより、卓越波長λを求めてもよい。
Figure 0005941283
受発振点設置工程は、図1に示すように、探査対象地盤に複数の発振点1,1,…を設けて発振点群10を形成するとともに、発振点群10の端に位置する発振点1からの離隔距離Lが、L>VS0・λP0/(VP0−VS0)、且つ、L>VR0・λS0/(VS0−VR0)となる位置に後方受振点2を設ける工程である。
表1の諸元を式16に代入すると、LP-S=16.0(m)となり、表1の諸元を式26に代入すると、LS-R=56.7(m)となるから、本実施形態では、L=60.0(m)(>LS-R>LP-S)とする。
また、受発振点設置工程では、坑口に最も近い発振点1から離れた位置に中間受振点3を設け、切羽に最も近い発振点1から離れた位置に前方受振点4を設ける。
本実施形態の受発振点設置工程では、まず、各トンネル側壁T1に対して3.0(m)ピッチで複数の発振孔1a,1a,…を削孔するとともに、坑口に最も近い発振点1から60.0(m)離れた位置に受振孔2aを削孔し、さらに、坑口に最も近い発振点1から10.0(m)離れた位置に受振孔3aを削孔し、切羽に最も近い発振点1から10.0(m)離れた位置に受振孔4aを削孔する。発振孔1aを形成したら、その底部に爆薬を装填する。また、受振孔2a,3a,4aを形成したら、その底部に地震計を設置する。
人工地震発生工程は、各発振点1において弾性波を発生させる工程である。本実施形態では、発振点1,1,…において爆薬を順次爆裂させることで、弾性波を発生させる。起振する順序に制限はないが、本実施形態では、坑口に最も近い発振点1を最初に起振する。
計測工程は、各発振点1から後方受振点2、中間受振点3および前方受振点4に伝播した直接波と、探査対象地盤内の反射面を介して後方受振点2、中間受振点3および前方受振点4に伝播した反射波とを取得する工程である。本実施形態では、後方受振点2、中間受振点3および前方受振点4のそれぞれに設けた地震計で直接波および反射波の時刻歴データを取得する。
なお、坑口に最も近い発振点1で発生させた弾性波(人工地震)を後方受振点2および中間受振点3で観測した場合に得られる弾性波波形記録の初動部分は、それぞれ図3の(a)および(b)のようになる。横軸の原点(時刻t=0)は、発破時刻である。
S波特定工程は、受発振点設置工程の算出式により求められた位置に設置した後方受振点2において取得した直接波の中からS波の初動を特定し、特定したS波の初動に基づいて実際のS波伝播速度VS1およびS波卓越波長λS1を求める工程である。実際のS波伝播速度VS1、表面波伝播速度VR1およびS波卓越波長λS1が、L=60(m)>VR1・λS1/(VS1−VR1)を満たす場合であれば、後方受振点2で取得されるP波、S波および表面波の初動は、互いに重ならない状態となるので(図3の(a)参照)、時刻歴データの中からS波の到達時刻をグラフから読み取り、離隔距離Lを到達時刻で除すると、実際のS波伝播速度VS1を求めることができ、さらに、S波の周期(卓越周期)をグラフから読み取り、S波伝播速度VS1に卓越周期を乗ずると、実際の卓越波長λS1を求めることができる。
なお、後方受振点2で取得した直接波の中からP波の初動および表面波の初動を特定することもできるので、実際のP波伝播速度VP1、P波卓越波長λP1、表面波伝播速度VR1および表面波卓越波長λR1を求めることもできる。
S波抽出工程は、S波特定工程で求めたS波伝播速度VS1またはS波卓越波長λS1に基づいて、後方受振点2で取得した反射波又は後方受振点2以外の受振点(中間受振点3および前方受振点4)で取得した反射波の中からS波を抽出する工程である。S波を抽出するには、例えば、時刻歴データを周波数領域に変換し、バンドパスフィルタなどのフィルタリング処理によってS波を抽出(すなわち、P波および表面波の除去)するか、あるいは、f−kフィルタ等の空間フィルタによってS波を抽出すればよい。
反射面解析工程は、S波抽出工程で抽出したS波に基づいて反射面の位置を解析する工程である。反射面の解析方法に制限はなく、公知の解析方法(P波による反射面の解析方法と同様の解析方法)を適用することができる。S波の波長は、P波の波長よりも短いので、S波で反射面検知を行えば、反射面の検知精度を高めることが可能になる。なお、弾性波の振幅は、伝播距離が大きくなるに従って減衰するため、反射面の位置を解析する場合には、中間受振点3または前方受振点4で取得したS波を使用することが望ましい。
なお、S波特定工程においてS波の初動を特定できない場合(S波および表面波の初動が重なった場合)には、P波を利用して反射面検知を行えばよい。S波の初動が特定できなかった場合には、実際のP波伝播速度VP1およびP波卓越波長λP1等を参考にしてS波伝播速度およびS波卓越波長を推定し、次回の弾性波探査に反映すればよい。
以上のように、本実施形態に係る受発振点レイアウトAを用いて弾性波探査を行えば、P波の実諸元のみならず、S波の実諸元をも取得できるようになる。S波の実諸元を取得できれば、複数種の波が混在・重畳する反射波の中からS波を高い精度で分離することが可能になるので、S波による反射面検知を行うことが可能になる。
すなわち、本実施形態に係る弾性波探査方法によれば、P波での反射面検知に加えて、S波での反射面検知を行うことが可能になるので、反射面の検知精度を高めることが可能になる。
A 受発振点レイアウト
1 発振点
1a 受振孔
10 発振点群
2 後方受振点
3 中間受振点
4 前方受振点
2a〜4a 受振孔
T トンネル
T1 トンネル側壁

Claims (5)

  1. 間隔をあけて並べられた複数の発振点からなる発振点群と、前記発振点群から離れた位置に設けられた後方受振点と、を備え、前記各発振点から前記後方受振点に伝播したP波、S波および表面波の直接波の中からS波の直接波を特定するための弾性波探査用の受発振点レイアウトであって、
    前記後方受振点には、P波、S波および表面波を含む弾性波の時刻歴データを取得するための地震計が設置されており、
    探査対象地盤におけるP波伝播速度をVP、S波伝播速度をVS、表面波伝播速度をVR、P波卓越波長をλP、S波卓越波長をλSとしたとき、前記後方受振点に最も近い前記発振点と前記後方受振点との離隔距離Lが、L>VS・λP/(VP−VS)を満足し、且つ、L>VR・λS/(VS−VR)を満足する、ことを特徴とする受発振点レイアウト。
  2. 前記発振点群と前記後方受振点との間に設けられた中間受振点を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の受発振点レイアウト。
  3. 前記発振点群を挟んで前記後方受振点の反対側に設けられた前方受振点を備える、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の受発振点レイアウト。
  4. 前記各発振点、前記後方受振点および前記前方受振点が、トンネル側壁に穿設された孔の内部に設けられており、
    前記後方受振点が、前記発振点群の坑口側に設けられており、
    前記前方受振点が、前記発振点群のトンネル切羽側に設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の受発振点レイアウト。
  5. 探査対象地盤におけるP波伝播速度VP0、S波伝播速度VS0、表面波伝播速度VR0、P波卓越波長λP0およびS波卓越波長λS0を仮設定する諸元設定工程と、
    探査対象地盤に複数の発振点を設けて発振点群を形成するとともに、前記発振点群の端に位置する前記発振点からの離隔距離Lが、L>VS0・λP0/(VP0−VS0)、且つ、L>VR0・λS0/(VS0−VR0)となる位置に後方受振点を設ける受発振点設置工程と、
    前記各発振点において弾性波を発生させる人工地震発生工程と、
    前記各発振点から前記後方受振点に伝播した直接波と、前記探査対象地盤内の反射面を介して前記後方受振点に伝播した反射波とを取得する計測工程と、
    前記後方受振点で取得した直接波の中からS波の初動を特定し、特定したS波の初動に基づいて実際のS波伝播速度VS1およびS波卓越波長λS1を求めるS波特定工程と、
    前記S波特定工程で求めたS波伝播速度VS1またはS波卓越波長λS1に基づいて、前記後方受振点で取得した反射波又は前記後方受振点以外の受振点で取得した反射波の中からS波を抽出するS波抽出工程と、
    前記S波抽出工程で抽出したS波に基づいて前記反射面の位置を解析する反射面解析工程と、を含むことを特徴とする弾性波探査方法。
JP2012001604A 2012-01-06 2012-01-06 受発振点レイアウトおよび弾性波探査方法 Active JP5941283B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012001604A JP5941283B2 (ja) 2012-01-06 2012-01-06 受発振点レイアウトおよび弾性波探査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012001604A JP5941283B2 (ja) 2012-01-06 2012-01-06 受発振点レイアウトおよび弾性波探査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013142556A JP2013142556A (ja) 2013-07-22
JP5941283B2 true JP5941283B2 (ja) 2016-06-29

Family

ID=49039197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012001604A Active JP5941283B2 (ja) 2012-01-06 2012-01-06 受発振点レイアウトおよび弾性波探査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5941283B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103399358A (zh) * 2013-08-01 2013-11-20 中国建筑第四工程局有限公司 隧道地质的预报方法和系统
CN103399354B (zh) * 2013-08-01 2016-08-10 中国建筑第四工程局有限公司 暗河隧道地质的预报方法
CN104502913B (zh) * 2014-12-02 2017-05-24 平安煤矿瓦斯治理国家工程研究中心有限责任公司 揭煤巷道与煤层距离的测量方法及装置
CN105974465B (zh) * 2016-06-08 2017-08-01 山东大学 隧道三维地震波超前探测空间观测系统与方法
JP7005272B2 (ja) * 2017-10-20 2022-01-21 株式会社安藤・間 切羽前方探査方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4283985B2 (ja) * 2000-10-17 2009-06-24 株式会社奥村組 地質探査方法
JP2004346567A (ja) * 2003-05-21 2004-12-09 Shimizu Corp 切羽前方探査方法
JP4743416B2 (ja) * 2006-02-17 2011-08-10 東京電力株式会社 既設トンネル周辺の地質境界判別方法
DE102006009246B3 (de) * 2006-02-28 2007-08-02 GeoForschungsZentrum Potsdam Stiftung des öffentlichen Rechts Verfahren und Vorrichtung zur Vorauserkundung beim Tunnelbau
JP5285290B2 (ja) * 2008-02-06 2013-09-11 鹿島建設株式会社 掘削機および切羽の前方探査方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013142556A (ja) 2013-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11275189B2 (en) Simulation of geophone data from distributed acoustic sensing data
JP5941283B2 (ja) 受発振点レイアウトおよび弾性波探査方法
US11112513B2 (en) Method and device for estimating sonic slowness in a subterranean formation
KR101547508B1 (ko) 전방 지질 예측 시스템 및 그 방법
US10345463B2 (en) Methods and systems for using known source events in seismic data processing
NO334218B1 (no) Behandling av målinger på lydbølgeformer for å bestemme langsomheten
JP6280768B2 (ja) トンネル弾性波探査方法及びこれに用いるトンネル弾性波探査システム
AU2014407527B2 (en) Integrating vertical seismic profile data for microseismic anisotropy velocity analysis
EP2669715B1 (en) Methods and Systems for Computing Notional Source Signatures From Near-Field Measurements and Modeled Notional Signatures
US20150003200A1 (en) System and method for determining the position of a sensor in seismic exploration
JP5757474B2 (ja) 断層探査装置および断層探査方法
US9695684B2 (en) System and method for predicting the front arrival time in reservoir seismic monitoring
JP5186538B2 (ja) 地山探査方法
JP2008014830A (ja) ハイドレートの存在領域探査方法及び探査システム
CA3107816C (en) Data-driven domain conversion using machine learning techniques
JP6111107B2 (ja) 弾性波探査方法
US10502851B2 (en) Method for optimizing the design of multiple-source arrays used in marine seismic surveys
BR112018067407B1 (pt) Método para adquirir um levantamento sísmico
US20140286125A1 (en) Seismic acquisition method and apparatus
AU2018205733B2 (en) Determining a notional source signature of a bubble
JP7017732B2 (ja) 地質探査方法及び地質探査システム
US1782445A (en) System and method for geophysical exploration
Bergery et al. The plug drum effect, or why your microseismic events may not be where you think they are
JP4069177B2 (ja) 断層破砕帯判定方法及び判定支援装置
RU2727317C1 (ru) Способ прогноза горного удара в шахтах и рудниках

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160411

TRDD Decision of grant or rejection written
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160506

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5941283

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250