JP5939992B2 - 水不溶性被膜形成性ポリマーのデリバリーのための予め形成された濃縮物 - Google Patents

水不溶性被膜形成性ポリマーのデリバリーのための予め形成された濃縮物 Download PDF

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Description

本技術は、葉/作物に対して適用するための予め形成された濃縮物に関する。Narayananの米国特許第5,425,955号(1995年6月20日発行)「不溶性被膜を形成するポリマーの組成物及びそれらの使用」;米国特許第5,766,615号(1998年6月16日発行)「不溶性被膜形成性ポリマーの組成物及びその使用」;Narayananの米国特許第5,283,229号(1994年2月1日発行)「農薬のためのデリバリーシステム」を参照。
本発明は、水で希釈することによりエマルション/ミクロエマルションを形成することが可能で、葉/作物に対して周辺を乾燥させる作用をもたらし、(i)水不溶性被膜形成性ポリマー;(ii)長鎖置換アミド;及び(iii)油溶性界面活性剤を含む予め形成された濃縮物に関する。本発明の組成物によりもたらされる周辺を乾燥させる作用は、通常、葉/作物に、撥水性及び/又は真菌類の成長の開始の遅延をもたらす。
予め形成された濃縮物は、約50%を超え、好ましくは約70%を超える部分的分散可溶性パラメータ(fractional dispersive solubility parameter)を有し、約150cc/molを超えるモル体積を有する共溶媒をさらに含む。その濃縮物は、水又は農業用活性剤の溶液で希釈することにより、葉/作物にスプレーされ得る、エマルション/マイクロ−エマルション又は微細な分散物を形成する。
ここで使用が想定される農業用活性剤には、生物活性物質、農業用肥料、栄養素、植物成長促進剤、除草剤、植物成長抑制剤、殺虫剤、殺菌剤、殺真菌剤、抗線虫剤、燻蒸剤、光安定剤、UV吸収剤、合成炭化水素類、ラジカル捕捉剤、樹脂、天然ワックス、香料、有機溶媒及びポリマーのためのモノマー、消毒剤及び/又はそれらの組み合わせが含まれる。
特に好ましい実施形態として、本発明のマトリックスは、毒性及び環境的に好ましくない溶剤/成分を含まない。本発明は、水不溶性被膜形成性ポリマーを単独で又は農業用活性剤と組み合わせて効果的なデリバリーをもたらす用途を可能にする組成物を提供する。本発明は、木材の保護、植物の保護、耐雨性作用、周辺を乾燥させて真菌類の成長の開始を抑制する又は遅らせる作用等の被膜形成用途に好適であり、より高い作物収穫量などをもたらす。
水中での水不溶性被膜形成物のデリバリーは難しい問題である。根本的な問題の1つは、それらの水中での極端な不溶性である。特定の種類のポリマーは、被膜形成特性を示し、有機溶媒に溶解した場合に、基材上に耐水性被覆をもたらす目的のために適用され得る。一般的に、溶剤中の被膜形成性ポリマーは、被覆される特定の基材に適用され、そして、その溶剤が蒸発又は除去されて、そのポリマーの被膜が残る。
これは、有機溶媒に溶解されるか、あるいはエマルション又は懸濁液の形態で使用されるべき被膜形成物をもたらす。有機溶媒の使用に関しては、環境及びコストの観点から、一般的に不都合な点がある。特に、そうした有機薬品は、活性物/薬品それ自体又はその後の応用の効果に対して不都合であり得る毒性又は副作用を示し得る。この毒性はまた、ハンドリングの点で不利であり、また、環境に影響を与え得る。
そのような被膜形成性ポリマーの典型は、N−ビニルピロリドンとα−オレフィン類、スチレン、酢酸ビニル等のエステル類、アクリレート、アクリル酸類、アミド、マレイン酸、及び、マレイン酸類のモノエステル及びジエステルとの共重合体、ビニルエーテル共重合体、並びに天然ワックス等である。
乳化又は懸濁処方物を提供するために種々の試みがされてきた。疎水性の活性成分、特に農業用薬剤、除草剤、殺虫剤等の望まれる高濃縮物を提供する点で、困難に直面している。エマルション(又はマクロエマルション)は、一般的に不安定である。懸濁された液滴は、最終的に凝集し、分散相は相分離する。エマルション液滴のサイズはずっと大きく、通常、1ミクロ以上であり、濁った又は乳白色の分散物になる。エマルションの性質は、その成分を混合する順番と混合プロセスにおいて加えられるエネルギーの量とに左右され得る。最終的なマイクロエマルションの状態は混合の順番に左右されず、加えられるエネルギーは、ただ平衡状態に至る時間を決定するだけである。そこにマイクロ−エマルションを開発する努力の限界があった。
そのため、そのような疎水的な活性な薬品がマクロエマルション(この明細書では、エマルションとも表す。)中に配合された場合、その乳化された状態を維持するのは難しい。これはやはり、一様な処方を維持することにおいて問題を起こし、特にそれは、植物、木材への塗布又は被覆剤として適用するために、その配合物が水で希釈される場合に顕著である。
マイクロエマルション技術の開発は、いくつかの物質の改良された分散物の形成を可能にしてきた。マイクロエマルションは、界面活性剤の界面被膜により安定された、1つの液相の別の液相中での熱力学的に安定な分散物である。この分散物は、水中油型又は油中水型のいずれかであることができる。マイクロエマルションは、通常透明な溶液であり、液滴の直径は約100nm以下だからである。その2つの相の間の表面張力は極めて低い。
特許文献1には、農業用活性薬品等の活性成分の耐水性被膜を形成するのに使用される水不溶性被膜形成性ポリマーのエマルション濃縮物が開示されている。そのエマルション濃縮物を調製する方法及び使用が開示されている。
同様に、特許文献2には、水不溶性ポリマー、界面活性剤、及び長鎖アルキルピロリドンで構成され、水の添加により得られる、不溶性ポリマーの透明で安定なマイクロエマルション又は溶液を形成する組成物が開示されている。
先行技術の多くは、マトリックスの主な成分の1つとしてアルキルピロリドン溶剤の使用を提案している。しかしながら、近年は、作物を育てる農業分野に安全に適用できる、環境的に安全な又はEPAが認可した薬品に対して、より大きな圧力がある。本発明の組成物は、すべての成分が、作物を育てる応用のためにEPAにより認可されている、又は認可を免除されているもので構成されることができる。
特許文献3には、アルキルピロリドン及びジアルキルアミドの組み合わせが開示されている。この発明は、農業用活性薬品、界面活性剤、及び第1又は第2の成分で構成される溶媒で構成される濃縮物に特に関連している。その第1の成分は、N−メチルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、N,N−ジメチルイミダゾロン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シメチルスルホキシド、及びそれらの混合物からなる群から選ばれ、その第2の成分は、オクチルピロリドン、ドデシルピロリドン、N−2−エチルヘキシルピロリドン、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる。
特許文献4には、透明で安定で、ピレスロイド系殺虫剤の効果のある水性マイクロエマルション単独又は複合混合物が開示され、これらは、その殺虫剤を、非イオン性界面活性剤の特定の混合物を含む不活性なマトリックス組成物と混合してマイクロエマルション濃縮物を形成し、水で希釈することにより得られることが開示されている。その不活性なマトリックス組成物は、HLB値が6より大きいノニルフェノールエトキシレートをも含む非イオン性界面活性剤の所定の混合物で構成される。しかしながら、その組成物中のノニルフェノールエトキシレートの存在は、場合によっては有害であるとみなされ得る。
しかしながら、上述した特許に関連するマイクロエマルション濃縮物は、活性成分の増加した取り込みのために、N−メチルピロリドンを含む大量のN−アルキルピロリドンを必要とする。N−メチルピロリドンは、特定の表示付け制限とともに、カリフォルニアプロポジション65に列挙されている。さらに、特許文献5及び6に開示された疎水性溶媒の使用は、選択された疎水性溶媒中でのその活性成分の溶解性に応じて、活性成分の種類及びその取り込みを制限している。
米国特許第5425955号 米国特許第5766615号 米国特許第5283229号 米国特許第5317042号 米国特許第6541516号 米国特許第6187715号
そのため、環境的に安全であるとともに認可され、そして、有益な活性物に適合する選択肢を探すことは常に望まれている。したがって、疎水性の活性物及び/又は水不溶性被膜形成性ポリマーを調剤する代替方法、特に、農業分野で使用される代替方法の必要性が存在している。
したがって、この発明の1つの目的は、水での希釈により安定なエマルション/マイクロエマルションをもたらし、著しい加水分解又は沈殿を生じずに、比較的長い時間使用され得る予め形成された濃縮物を提供することにある。
また、この発明の目的の1つは、被膜形成物、特に、水不溶性被膜ポリマー単独または農業用活性剤との組み合わせのためのデリバリーシステムを提供するのに好適で、非常に安定で均質な、水溶性又は水乳化性の予め形成された濃縮物を提供することにある。
この発明は、撥水性の表面を生じさせるだけでなく、真菌類の成長の開始を遅らせる、葉及び作物に周辺を乾燥させる作用をもたらす予め形成された新規な種類の濃縮物を提供する。本発明の予め形成された濃縮物は、単独又は農業用活性剤と混合されて使用でき、少なくとも10倍の水で希釈されて、作物にスプレーされ得るエマルション/マイクロ−エマルションを形成する。
そのため、本発明の目的の1つは、水で希釈することによってエマルション/マイクロ−エマルションを形成でき、葉/作物に対して周辺を乾燥させる作用をもたらすための、以下のものを含んで構成される予め形成された濃縮物を提供することにある:
(i)水不溶性被膜形成性ポリマー;
(ii)長鎖置換アミド;
(iii)油溶性界面活性剤;及び任意選択で場合によっては共溶媒
本発明の予め形成された濃縮物は、木材、金属、ガラス等の基材の被膜剤として使用されることができ、作物保護及び作物収穫量を高め、様々な作物保護の濃縮物と特に使用濃度で水に希釈された場合に適合する補助剤として使用されることができ、表面、特に成長している作物の表面に適用したときに耐水性被膜をもたらし、作物の成長の間に耐雨性をもたらし、殺真菌剤、殺虫剤、及び除草剤等の病原菌又は害虫に対する作物保護における効果的な向上をもたらし、作物の収穫量の向上をもたらし、併用される補助剤とともに水分散性の粒子を調製する整粒性流体として使用され得る。
本発明者は、撥水性の表面を生じさせるだけでなく、真菌類の成長の開始をも遅らせる、葉及び作物に対して周囲を乾燥させる作用をもたらす水不溶性被膜形成性ポリマーの予め形成された濃縮物の新しい種類を発見した。
本発明によれば、水で希釈することによってエマルション/マイクロ−エマルションを形成でき、葉/作物に対して周辺を乾燥させる作用をもたらす、以下のものを含んで構成される予め形成された濃縮物が提供される:
(i)水不溶性被膜形成性ポリマー;
(ii)長鎖置換アミド;及び
(iii)油溶性界面活性剤。
本発明で使用される水不溶性ポリマーは、N−ビニルピロリドンと、50:50の質量比のC16α−オレフィン及び20:80の質量比のC20α−オレフィンから成る群から選ばれるα−オレフィンとの水不溶性グラフト重合体、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート共重合体、ポリスチレンブタジエン共重合体、天然ワックス、ポリイソプレン共重合体、並びにそれらの混合物から成る群から選ばれる。
好ましい実施形態の1つでは、水不溶性ポリマーが、重合されたN−ビニルピロリドンの部分が約5質量%よりも大きいビニルピロリドン及びα−オレフィンのグラフト重合体である。好ましくは、重合されたN−ビニルピロリドンの部分の質量%が、少なくとも約10%である。α−オレフィンは、8から30、好ましくは16から20の炭素原子を含むことが好ましい。
本発明で使用され、湿潤性によりポリマーを可溶化させる好適な溶媒は、長鎖置換アミドであり、好ましくは下記化学式1を有するジアルキル酸アミドである。
Figure 0005939992
化学式1で、R及びRは炭素原子が1〜4個の低級アルキル基、脂環式基又は芳香族基であり、nは0〜18であり、nは0〜18であり、RはHである。好ましくは、RとRはCHであり、RはHであり、nは0であり、nは5〜11であり、より好ましくは7〜9である。
好ましい実施形態では、ジアルキル酸アミドは、N,N−ジメチルヘキサミド、N,N−ジメチルオクタンアミド、N,N−ジメチルデカンアミド、N,N−ジメチルドデカンアミド、N,N−ジメチルデカミド及びN,N−ジメチルテトラデカンアミドから成る群から選ばれる。
油溶性界面活性剤には、当業者に周知のアニオン性、非イオン性、弱カチオン性界面活性剤及びそれらの混合物を含まれる。
本発明の予め形成された濃縮物は、約50%を超え、好ましくは約70%を超える部分的分散可溶性パラメータ(fractional dispersive solubility parameter)を有し、約150cc/molを超えるモル体積を有する共溶媒をさらに含むことができる。共溶媒は、ピロリドン類、大豆油、菜種油、長鎖アルコール類、長鎖ケトン類、長鎖エステル類、エーテル類、炭化水素類、及び芳香族系石油類から成る群から選択できる。
好ましい実施形態では、共溶媒は、オクチルピロリドン、ドデシルピロリドン、N−2−エチルヘキシルピロリドン、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる長鎖アルキルピロリドンである。
さらにもう1つの好ましい実施形態では、共溶媒は、約60%の重質芳香族溶媒ナフサ及び約40%の中間留分溶媒抽出物で構成される芳香族系石油である。
予め形成された濃縮物の全質量に基づいて、予め形成された濃縮物中のアミドの量は、約5〜80質量%からであり、好ましくは8〜50質量%であり、水不溶性被膜形成性ポリマーの量は、約1から60質量%であり、界面活性剤の量は、約1から25質量%であり、共溶媒の量は、約0から60質量%である。
予め形成された濃縮物は、共乳化剤、湿潤性化合物(wetting combinations)、イオン性乳化剤、安定化剤、表面活性緩衝剤及びそれらの混合物をさらに含んでもよい。
本発明の組成物は、活性成分の組み合わせを使用することにより個々に又は別々に生物活性物質に加えられ、発生した後の適用として成長している作物に、又は発生する前の適用として土に対してスプレーされる。本発明の組成物を使用することによりもたらされる利益は、真菌類の攻撃を遅らせ、殺真菌剤の使用により真菌類の感染の程度を減少させ、最終的に作物収穫量を向上させることにある。他の製品とともに、本発明の組成物は、保護された目的成分の拡散、固着、及び耐雨性を向上させることができる。本発明の組成物の通常の使用量は、スプレー溶液中に0.01から1.0%であり、好ましくは0.1から0.3%である。濃縮物中に加えられた場合、又は水分散性の粒子を形成するためには、本発明の組成物の添加量は、1〜25%であり、好ましくは2〜15%であり、最も好ましくは5〜15%である。
その濃縮物は、希釈された全マトリックス組成物に基づいて、上記の疎水性の活性物を0.0005から5質量%含む水10〜99.99質量%で希釈された場合、安定なエマルション/分散物になる。
本発明の他の好ましい実施形態は、質量基準で以下のものを含んで構成された予め形成された濃縮物を提供する:
(a)5〜80%の長い直鎖置換アミド;
(b)0〜60%の希釈剤としての天然由来又は合成の疎水性油;
(c)1〜60%の、α−オレフィンと組み合わせたN−ビニルピロリドンの水不溶性グラフト重合体;及び
(d)1〜25%のマトリックスに可溶な油溶性界面活性。
本発明は、本発明の予め形成された濃縮物と農業用活性剤とを混合し、それを少なくとも10倍の水で希釈してエマルション/マイクロ−エマルションを形成した後、作物にスプレーすることを含む、葉/作物での真菌類の成長の開始を遅らせるために周囲を乾燥させる作用又は撥水性をもたらす方法をさらに提供する。
農業用活性剤は、生物活性物質、農業用肥料、栄養素、植物成長促進剤、除草剤、植物成長抑制剤、殺虫剤、殺菌剤、殺真菌剤、抗線虫剤、燻蒸剤、光安定剤、UV吸収剤、合成炭化水素類、ラジカル捕捉剤、樹脂、天然ワックス、香料、消毒剤及び/又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明の実施形態の1つは、木材、金属、ガラス等の基材のための被覆剤として使用され得るマトリックス組成物を提供する。その組成物は、作物保護及び作物収穫量を向上させる補助剤として使用されることができ、様々な作物保護の濃縮物、特に使用量に水で希釈される作物保護の濃縮物に適合する。その組成物は、表面、特に、成長している作物の表面への塗布により耐水性被膜をもたらし、作物が成長する間の耐雨性、並びに殺真菌剤、殺虫剤及び除草剤等の病原菌又は害虫に対する作物保護の効果的な向上をもたらす。その組成物は、真菌類に対する作物保護のために使用されるスプレー溶液へ添加される大量の油を大幅に低減し、増加した作物の収穫量をもたらし、併用される補助剤とともに水分散性の粒子を製造する整粒性の流体として使用されることを可能にする。
本発明の組成物は、農業用活性剤と組み合わせて、または組み合せずに、被膜形成性ポリマー、特に水不溶性被膜ポリマーのデリバリーに好適である。その取り組みは、環境的に安全であると同時に作物保護及び増加した作物収穫量に関する用途の広い範囲を有する。
本発明者は、いかなる理論によっても束縛されることを望まないが、作物保護及び作物収穫量の向上のメカニズムは、一般的に、本発明の予め形成された濃縮物の、葉又は作物を覆うエマルション/マイクロ−エマルション被膜を形成し、これが次に「周囲を乾燥させる作用」を引き起こす能力によるものであると考えられる。この周囲を乾燥させる作用は、葉の周囲/外側を疎水性又は撥水性にすることにより、葉の表面を乾いた状態に実質的に保ち、そのため、真菌類の成長の開始を妨げ又は遅らせ、したがって、作物が真菌類の攻撃から妨げられ、より多い収穫量を生み出す。
長い直鎖置換アミド、特にジメチルアミドは、それらの湿潤性及び親水性/疎水性により、被膜形成性ポリマーを可溶化する。ここで有益な長い直鎖置換アミドの別の重要な特性は、様々な当局の規制により証明された、それらの環境的な安全性である。
本発明は、予め形成された濃縮物に関し、それは水で希釈した場合にエマルション/マイクロ−エマルションを形成することができ、葉/作物に周囲を乾燥させる作用をもたらすためのものであって、以下のものを含んで構成される:
(i)水不溶性被膜形成性ポリマー;
(ii)長鎖置換アミド;及び
(iii)油溶性界面活性剤。
本発明の予め形成された濃縮物は、農業用活性剤とともに水で希釈することにより被膜形成性ポリマーの効果的で安定なエマルション/マイクロ−エマルション/分散物をもたらすために特別に処方され、与えられた基材上に特有の被膜形成性ポリマーの被膜を作り出す。
本明細書で用いられる用語「マイクロ−エマルション」は、水中油型又は油中水型で、分散相が約10から100ナノメーター(ミリミクロン)の範囲の直径の小さな液滴から成る、2以上の非混和性の液体又は液体中の固体の透明で熱力学的に安定な分散物を意味する。そのようなマイクロ−エマルションは透明であり、肉眼では単一相として見える。
本明細書で用いられる液体を修飾する用語「透明な」は、肉眼で見たときにいかなる粒子状物質、コロイド状物質、又は第2相が存在せずに、単一相として見えることを意味する。
本明細書で用いられる用語「農業用活性剤、農業用薬品又は農業用成分」(AAC又はa.i.)は、生物活性物質、農業用肥料、栄養素、植物成長促進剤、除草剤、植物成長制御剤、並びに殺虫剤、殺菌剤、殺真菌剤、抗線虫剤、燻蒸剤と一般的にいわれる植物、虫、微生物、真菌類、及び細菌等を殺すのに効果的な薬品及び共力剤(すなわち、他のAACともに使用された場合に、それらの活性等を向上させる化合物)等、並びに植物への又は生活用品への用途に関して農業的な使用に好適な特性を有するほかのいかなる薬品として使用され得る化合物及びそれらの混合物を意味する。それらの化合物は、米国特許第5283229号(ISP)に詳細に記載/例示されており、その開示はその全体を参照することにより本明細書に援用する。
農業用活性剤の濃度は、合理的な期間の間、水を用いた濃縮物の希釈物により沈殿が生じることがなく、目的とする効果を達成できる限り、できるだけ高くするべきである。静置時の沈殿(結晶形成)は、活性物の溶液を消耗させるだけでなく、適用用装置、すなわちスプレー装置等への付着(fouling)をも引き起こし得る。本発明によれば、約5質量%を超える活性剤濃度を有する、水での希釈により安定なエマルションを形成する濃縮物を得ることが可能である。好ましくは、活性剤の量は5から30%であり、最も好ましくは、10から20%である。
本発明の組成物は、農業用活性剤の濃縮物(AAC)の希釈により得られるすぐにスプレーできる溶液に添加されることができ、又は、その濃縮物に組み込まれることができる。AACの濃度は、1〜90%で変えることができ、好ましくは5〜60%にすることができ、最も好ましくは10〜40%にすることができる。その濃縮物は、湿潤可能な粉末、乳化可能な濃縮物、マイクロエマルション濃縮物、懸濁濃縮物、水系エマルション、水分散性粒子、粒子、又はゲル、セルロース基材のようなフィルム若しくは他の基材をAACで被膜したもののいずれかとすることができ、また、他の形式にすることができる。
本発明で用いられる「長鎖置換アミド」は、好ましくは下記化学式を有するジアルキル酸アミドである。
Figure 0005939992
ここで、R及びRは、炭素原子が1〜4個の低級アルキル基、脂環式基又は芳香族基であり、nは0〜18であり、nは0〜18であり、RはHである。好ましくは、RとRはCHであり、RはHであり、nは0であり、nは5〜11であり、より好ましくは7〜9である。
好ましくは、アミドの量は少なくとも約5から90質量%であり、より好ましくは約15から45質量%であり、そして最も好ましくは約25から35質量%である。これらのアミドの混合物が使用されてもよい。
好ましい実施形態では、ジアルキル酸アミドは、N,N−ジメチルヘキサミド(N,N−ジメチルカプロアミド)、N,N−ジメチルオクタンアミド(N,N−ジメチルカプリルアミド)、N,N−ジメチルデカンアミド(N,N−ジメチルカプラミド)、N,N−ジメチルドデカンアミド(N,N−ジメチルラウラミド)、N,N−ジメチルデカミド、及びN,N−ジメチルテトラデカンアミド(N,N−ジメチルミリスタミド)から成る群から選ばれる。
これらの化合物は、CP Hall社によりHalcomideの商標で販売されている。CP Hall社の技術公報第827733号(1974年7月)を参照されたい。また、米国特許第3342673号明細書も参照されたい。
本発明で用いられる「水不溶性被膜ポリマー」は、N−ビニルピロリドンとα−オレフィンとの共重合体、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリスチレンアクリレート共重合体、ポリスチレンブタジエン共重合体、天然ワックス、ポリイソプレン共重合体及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
特に本発明の使用に好適なポリマーには、α−オレフィンとN−ビニルピロリドン(50%/50%の混合物)の共重合体であるGanex516等のポリマーが含まれる。通常、そうしたα−オレフィンは20個以下の炭素原子を含み、好ましくは16個以下の炭素原子を含む。そうしたポリマーの重量平均分子量は、通常、約20000よりも大きい。特に、C1429CH=CHの式を有するα−オレフィン(50%)とN−ビニルピロリドン(50%)との共重合体であるAgrimer AL25(International Specialty Products(ISP)社製)、及び20個の炭素原子を有するα−オレフィン(80%)とN−ビニルピロリドン(20%)との共重合体であるAgrimer AL30(ISP社製)等の水不溶性ポリマーが好適である。本明細書においてすべての%は、組成物の全質量に基づいた質量%である。米国特許第5766615号明細書も参照されたい。
本発明の組成物は、通常、約1から60質量%の水不溶性ポリマーを含有する。
本明細書で用いられる用語「油溶性界面活性剤」は、エトキシル化アルキルフェノール類、直鎖脂肪族ポリエステル類、直鎖芳香族ポリエステル類、ポリアルケニルオキシアルコール、直鎖脂肪族エトキシレート類、ポリエトキシル化ひまし油、ポリエトキシル化カルボキシレート類、及びポリエトキシル化アルキルアミン類、トリスチリルフェニルアルコキシレート類、並びに酸、エステル類、塩から成る群から選ばれる界面活性剤を表す。油溶性アニオン界面活性剤を使用することができ、リン酸エステル類及びそれらの塩、アルキルサルフェート類、スルホネート類、及びそれらの塩、ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール由来のサルフェート/スルホネートの塩、アルキルベンゼンスルホネート類の塩、例えば、そのナトリウム、カルシウム及びアルキルアンモニウム塩、アルキルナフタレンスルホネートの塩、並びにスルホン化脂肪族ポリエステル類及びそれらの塩が含まれる。リン酸のジエステルの混合物である、エチレンオキシド型の非イオン性界面活性剤のリン酸エステル類の混合物もまた好適である(例えば、McCutcheonの「乳化剤及び洗浄剤」(1989年、M.C.Publishing Co.,Glen Rock,N.J.のMcCutcheon’s Divisionより発行)も参照されたい)。選択された油溶性界面活性剤は、好ましくは、使用される溶剤中に可溶であるべきである。
界面活性剤は、約1から25%の量で存在してもよく、好ましくは5から22%であり、最も好ましくは、10から20%である。
本発明の組成物は、高い疎水性を有するか、又は約50%を超え、好ましくは約70%を超える部分的分散可溶性パラメータを有し、且つ約150cc/molを超えるモル体積を有する、合成又は天然由来の油であることができる1以上の共溶媒をさらに含んでもよい。これらの特性は、上述したC.R.Cハンドブックで定義されている。
典型的な共溶媒には、ピロリドン類、大豆油、菜種油、長鎖アルコール類、長鎖ケトン類、長鎖エステル類、エーテル類、炭化水素類、及び芳香族系石油類が含まれる。
好ましい実施形態の1つでは、共溶媒は、オクチルピロリドン、ドデシルピロリドン、N−2−エチルヘキシルピロリドン、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる長鎖アルキルピロリドンである。
さらに好ましい他の実施形態として、共溶媒は、約60%の重質芳香族溶媒ナフサ及び約40%の中間留分溶媒抽出物で構成される芳香族系石油である。共溶媒は、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アルデヒド類、脂肪族、芳香族、及び環式炭化水素類、天然由来の芳香添加剤、植物油、芳香添加剤、香料、モノマー、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、還元したビニルピロリドン二量体、γ−ブチロラクトン、N,N−ジアルキルイミダゾリドン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ベンゾフェノン、4個より多い炭素原子を有する長鎖カルボン酸のベンジルベンゾエートエステル類若しくは4個より多い炭素原子を有するアルコール部分からのアルキル基をもつエステル類、6個より多い炭素原子を有するアルコール類、又は高い溶解性及び低い水溶解性を有するそれらの活性成分のための炭化水素溶媒から選ばれ得る。有機希釈剤として、天然油、200℃を超える平均沸点を有する未精製油からの市販されている留出物を含む芳香族系石油もまた好適である。そうした物質の標準的なものは、Exxon 200又はTexaco 400の商標で販売されている。もちろん、そうした芳香族は、上記の疎水性の活性剤のキャリヤとしての使用が認可されているべきである。共溶媒は、約0から70%の量で存在してもよく、好ましくは0から60%である。
本発明の濃縮物は、ポリマーのための溶媒、共溶媒、共乳化剤、湿潤性化合物、イオン性乳化剤、安定化剤、及び界面活性緩衝剤、及びそれらの混合物をさらに含むことができる。これらの成分は、当技術分野で公知である。
好ましい実施形態の1つにおいて、本発明の予め形成された濃縮物は、1以上の農業用活性剤と混合され、それは10〜99質量%の水で希釈された場合に安定なエマルション/マイクロ−エマルション/分散物になる。
農業用活性剤は、生物活性物質、農業用肥料、栄養素、植物成長促進剤、除草剤、植物成長抑制剤、殺虫剤、殺菌剤、殺真菌剤、抗線虫剤、燻蒸剤、光安定剤、UV吸収剤、合成炭化水素類、ラジカル捕捉剤、樹脂、天然ワックス、香料、有機溶媒及びポリマーのためのモノマー、消毒剤、及び/又はそれらの組み合わせから成る群から選ばれる。
本発明のさらに他の好ましい実施形態は、以下を備えている:
長鎖の酸のジアルキルアミド:10%〜20%
Exxon aro 150 ULN:0〜75%
PVPの長鎖アルキルグラフト共重合体:10〜20%
油可溶化性乳化剤:5〜15%
IPA:微量(<0.2%)
合計:100%。
本発明の組成物は、水不溶性ポリマーの被膜が基材上に形成される最終使用用途に特に好適である。その被膜は、粘着用、保護用、装飾用、及び潤滑用の目的のために形成されてもよく、疎水性又は親水性を付与する。コスト、不利に作用する毒物性、及び環境的特性のため、有機溶媒を避けることが望まれているので、被膜形成手段のための溶媒としての水の使用は好ましい。本発明の組成物によれば、水系の媒体中に、そうした通常の水不溶性被膜形成性ポリマーを入れること(すなわち、ポリマーの真の溶液と同じ方法で取り扱うこと及び使用することが可能で、それを用いて被膜を形成できる、溶液、エマルション又は分散−可溶化性液体)が可能になる。そのため、マイクロエマルション形態の本発明の組成物は、基材上にそのまま被膜されてもよいし、もし望むのであれば、水でさらに希釈した後で被膜されてもよい。その水は、その後蒸発により除去されて、ポリマーの被膜を残す。
本発明者は、農業用活性成分の耐雨性、及び特に殺虫剤の耐雨性が、水不溶性被膜形成性ポリマーを含む本発明の組成物中に殺虫剤を配合することにより、大幅に改善できることをさらに発見した。そのため、多くの殺虫剤、及び特に水溶性の農業用活性薬品は、植物又は土に塗布された後に、雨により洗い落される。効果的な害虫又は雑草の抑制のためには、その殺菌剤が生体系に浸透する(移行する)には、数時間から3週間を要する。本発明は、農業用活性成分が十分に長い時間ポリマー被膜の下に保たれ、それを有効にすることを可能にし、雨が洗い落とすことよる損失を避けること又は低減することを可能にする。
使用において、本発明の組成物は水で希釈され、作物、植物、又は土に適用される。通常、この希釈は、現場で行われる。上述したように、本発明の組成物に関連する耐降雨性、耐雨、又は耐雨性とは、その組成物から形成された被膜が、後述する試験方法のもと、その被膜形成性ポリマーを含まない同様の組成物と比べて、水で洗うことによる除去に対して向上した耐性を示すことを意味する。
本発明の先行技術を超える追加の有利な点の1つは、葉の表面に、その表面を乾燥させ、撥水性にし、そのために真菌類の成長の開始を妨げる、「周囲を乾燥させる作用」をもたらすことである。これは、真菌類の攻撃を低減させるだけでなく、作物収穫量を増加させる。特に、本発明により利益を受ける成長する作物は、バナナ、じゃがいも、茶、コーヒー、果実、及び穀類である。
上述した有利な点の増進のために、本発明の組成物は、殺真菌剤に加えて、作物の成長の間に、スプレー溶液中に使用される油の添加物を部分的に又は全体的に置き換えるために使用されることもできる。本発明により保護される様々な作物には、バナナ、マンゴー、パイナップル、ジャガイモ、穀類、トロピカルフルーツ、茶、コーヒー等が含まれる。上述した油の種類には、石油蒸留物、パラフィン油、鉱油、植物油及び他の天然由来の油が含まれる。
本発明によれば、エマルション濃縮物は、被膜用ポリマー及びその水不溶性ポリマーのための溶媒を含んでなる本発明の予め形成された濃縮物と、活性成分とを混合することにより調製されてもよい。そうした溶媒は、ポリマーに対する高い相溶性及び一般的に使用される乳化剤を用いての乳化作用の高い性能のために、共溶媒をも含むことができる。それらの濃縮物は、さらに水で希釈されて、安定なエマルションをもたらすことができる。
好ましい実施形態においては、その濃縮物は、アルキルピロリドン及び/又はノニルフェノールエトキシレートを含まない。
以下の実施例で本発明をさらに説明する。
[実施例1Aから1H]
表1に示した以下の組成物を調製した。
<組成物1A(比較例)>
乾燥したAgrimer AL25(50質量%のC16α−オレフィングラフト化ポリビニルピロリドン、ISP社製)14.6gをExxon Chem社製のExxon aromatic 150 ULN(Ultra Low volume Naphtalene、超微量ナフタレン)64.3g、N−オクチルピロリドン(ISP社製)14.6g中に溶解させ、続いて市販のドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(Ninate 60E、Stepan社製)6.4gを加えた。その混合物を1時間オービタルシェーカー中で撹拌して、透明な溶液を調製した。その組成物は、水中で安定なエマルション/分散物を生成した。
代わりに、乾燥したポリマーに代えて、市販され入手可能なイソプロパノール(IPA)中50質量%のAgrimer AL 25を29.2g使用し、N−オクチルピロリドン14.6g及びExxon Aro 150(又は他のより高沸点の疎水性溶媒)64.3gを加えることによってもこの組成物を調製した。IPAを大気圧下又は減圧下での蒸発により分離し、その後Ninate 60Eを6.4g加えることにより上記したものと同一の組成物を調製した。
<組成物1B>
乾燥したAgrimer AL 25(50質量%のC16α−オレフィングラフト化ポリビニルピロリドン、ISP社製)14.6gをExxon Chem社製のExxon aromatic 150 ULN(Ultra Low volume Naphtalene、超微量ナフタレン)64.3g、Stepan社製の市販され入手可能なHellcomid M 8−10(N,N−ジメチルオクタンアミド及びN,N−ジメチルデカンアミドの混合物)14.6gに溶解させ、続いて市販のドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(Ninate 60E,Stepan社製)6.5gを加えた。その混合物を1時間オービタルシェーカー中で撹拌して、透明な溶液を調製した。その組成物は、水中で安定なエマルション/分散物を生成した。
代わりに、乾燥したポリマーに代えて、市販され入手可能なイソプロパノール(IPA)中50質量%のAgrimer AL25を29.2g使用し、14.6gのHellcomid M 8−10及び64.3gのExxon Aro 150(又は他のより高沸点の疎水性溶媒)を加えることによってもこの組成物を調製した。IPAを大気圧下又は減圧化の蒸発により分離し、その後Ninate 60Eを6.4g加えることにより上記したものと同一の組成物を生成した。
<組成物1C>
Exxon Aro 150 ULNをExxon Aro 150の一般規格のものに代えたことを除いて、組成物1Bと同様に調製した。この組成物は水中で均質で分散性であった。
<組成物1D>
Agrimer AL 25をAgrimer AL 30(80質量%のC20アルキルグラフト化ポリビニルピロリドン共重合体、ISP社製)に代えたことを除いて、組成物1Bと同様に調製した。この組成物は均質で、水に分散性であった。
<組成物1E>
Agrimer AL 25をAgrimer VA3(30質量%のビニルピロリドンと70質量%のビニルアセテート共重合体、ISP社製)に代えたことを除いて、組成物1Bと同様に調製した。この組成物は水中で均質で分散性であった。
<組成物1F(比較例)>
乾燥したポリマー15gを溶媒85gに溶かすことにより、Exxon Aro 150ULN中のAgrimer AL 25の溶液を調製した。均質な溶液が得られた。しかしながら、1/100で水に希釈した場合、不安定な分散物を生成した。これは乳化剤を含んでいない。
<組成物1G(比較例)>
Agrimer AL25をAgrimer AL 30に代えたことを除いて、組成物1Fと同様に調製した。結果は同様であった。これは乳化剤を含んでいない。
<組成物1H(比較例)>
Agrimer AL 25をAgrimer VA3に代えたことを除いて、組成物1Fと同様に調製した。結果は同様であった。これは乳化剤を含んでいない。
Figure 0005939992
[実施例2]:安定な分散物/エマルションの粒子径
組成物1A,1B,1Cを水で1/10及び1/100に希釈し、(a)Horiba湿潤法及び(b)動的レーザー光散乱法を用いる標準の分析法により、液滴/粒子の粒度分布を測定した。粒子/液滴分布に本質的に差異はなかった。平均の双峰分布の液滴分布は、50%分布で直径が4μm未満であり、98%分布で200nmであった。希釈した組成物1F,1G及び1Hは分離した。これらの組成物は、高希釈においてもポリマーを安定化させる乳化剤を含む市販配合物と一緒に使用することができた。
[実施例3]
以下の実施例は、市販配合物とともに使用された場合における効果的な耐雨性を説明する。市販のProwl(市販されている溶媒及び乳化剤とともに処方された42%ペンディメタリン)を使用して耐雨性評価を行った。以下に示す方法を使用した。
市販配合物(42質量%ペンディメタリンを含む市販のProwl)を最終使用濃度まで1/100になるよう、0.42%ペンディメタリンの理論量を含む脱イオン水で希釈した。この組成物を参照サンプルとして使用した。このサンプルを3R(3 reference)として示した。適切な用量(0.1g〜0.5g)を1〜3”の正方形のパッチ(区画)として均一に6”X6”ガラスプレートに塗布した。そのパッチを実験フード中、周囲条件下で48〜72時間乾燥させた。3枚のサンプルを再現性のために使用した。
乾燥した被膜が形成された後、水の細いスプレーを当てて、0.2〜2”の雨による洗い落としを模擬的に行った。洗った液を廃液瓶に集めた。パッチを洗った後の残留物を好適な溶媒(エタノール)で定量的に100mLフラスコ中に抽出した。直線回帰のスケールの範囲内のUV吸収を得るために必要ならば、追加のエタノールによる希釈がされてもよい。
適切に希釈されたそのエタノール抽出物を、校正されたUV分光光度計で測定し、λmax(吸収極大波長)での吸光度を得た。この値をaとして示した。洗浄水を全く使用しなかったことを除いて、同一のサンプルを同じパラメータを使用して作成した。その吸光度をaと示した。保持率(%)を次の式で計算した:(a/a)×100。ペンディメタリンのλmaxは239nmだと測定された。希釈されたサンプル0.3gを使用して6”X6”ガラスプレートの1辺が1〜2平方インチのパッチに塗布し、概して1.5g〜2.5gの水を使用して洗い落とした。配合物中に芳香油を用いるすべての実施例において、洗った後の乾燥したスポットからのアルコール抽出物のサンプルをバキュームオーブンの中で完全に蒸発させ、残る芳香族溶剤を完全に除去して、吸光度分析におけるそれらによる干渉を防いだ。
耐雨性評価のために以下のサンプルを調製した。
3R:(ペンディメタリンのブランク/未処理)上記した参照サンプル(1/100に希釈されたProwl)。
3A:Prowl 1gを組成物1A 0.65gと混合し、脱イオン水で100gまで希釈した。
3B:Prowl 1gを組成物1B 0.65gと混合し、脱イオン水で100gまで希釈した。
3C:Prowl 1gを組成物1C 0.65gと混合し、脱イオン水で100gまで希釈した。
3D:Prowl 1gを組成物1D 0.65gと混合し、脱イオン水で100gまで希釈した。
3E:Prowl 1gを組成物1E 0.65gと混合し、脱イオン水で100gまで希釈した。
3F:Prowl 1gを組成物1F 0.65gと混合し、脱イオン水で100gまで希釈した。
3G:Prowl 1gを組成物1G 0.65gと混合し、脱イオン水で100gまで希釈した。
3H:Prowl 1gを組成物1H 0.65gと混合し、脱イオン水で100gまで希釈した。
洗い落とし耐性の相対的な範囲は、3A≒3B≒3C≧3D>3E>3F≒3G>3H>3Rを示した。
[相溶性]
本発明の組成物3B(1/100で希釈され、約0.42%のペンディメタリンを含む)を背の高いネスラー管に保管し、参照サンプル3Rと比較して、いかなる分離も確認されなかった。0時間、8時間、24時間及び48時間保管した後、サンプル1gをネスラー管の中間部分から回収し、正確に計量し、規格化された容量フラスコに移し、500mLへの定量的な希釈又は適切な希釈をし、239nmでの吸光度をλmaxにて測定した。理論量は8.4ppmとなる。その濃縮物及び希釈物の相対的な安定性を、相対的な回収データを調べることにより評価できる。
[実施例4]
本発明の組成物1B、1C、比較組成物1A、1A及び1Bの混合物、1C、並びに多数の市販配合物を以下の方法を使用して評価した。
異なる比率の本発明の組成物とともにすぐに使用できるように希釈した以下の市販の濃縮物を使用し、その混合した組成物を所定の期間の間の目に見える分離について試験した。これらの組成物をバッガブルフルーツ(baggable fluits)にスプレーし、塗布によるフルーツに対する目に見える毒性を調べた。
1ヘクタール当たりにスプレーするために調節された濃縮物
Baycor:30L中0.5L;Folicur:30L中0.23L;Siganex:30L中0.5L;Impulse:30L中0.64L;及びTwist:30L中0.6L:上記のすべてを、30Lまでの希釈の前に本発明の組成物75mLを用いて処理して、スプレー溶液を調製し、相溶性評価に使用した。
以下の追加の市販の濃縮物も用いた:
Mazncozeb 80%WP:水20ポンド中に1.5ポンドを混合し、20ガロンまでさらに希釈して1ヘクタール当たりにスプレー可能な溶液を製造した。
Bravo 40%SC:1ガロンを20ガロンまで希釈し、1ヘクタール当たりにスプレー可能な溶液を製造した。
上記の2つを20ガロンまでの希釈の前に本発明の組成物180mLで処理し、スプレー溶液を調製し、相溶性評価のために使用した。組成及び相溶性の結果を表2に示す。
Figure 0005939992
[結果]
4Aから4Fまでのすべての組成物は、0、10、20、及び30分の時間、分離又は沈殿を実質的に示さなかった。バッガブルフルーツにスプレーして24時間観察した場合、毒性は0だった。上記の方法はこの分野における標準的な試験である。
すべての組成物は、有意な分離又は沈殿がなく、相溶性があることが確認された。
[実施例5]:既存の市販の補助剤及び本発明の組成物の相溶性
スプレーテックス(Spraytex)オイルを30L中に5L使用し、本発明の組成物1A、1B、並びに1:1、0.9:0.1、及び0.1:0.9の比率の1A及び1Bの混合物を30Lのスプレー溶液中に75mL使用した。
混合物を以下の比率で調製した:5Lのスプレーテックスオイル及び乳化剤(本発明の組成物30mL〜300mL)を30Lまで希釈したものには、5、10、及び15分後に観察した場合、実質的に分離又は沈殿が観察されなかった。上記の組成物でバッガブルフルーツを処理した場合、フルーツへの毒性は0であった。
[実施例6]:被膜形成及び周囲を乾燥させる作用
温室での実験において、栽培地で成長している葉に対して、本発明の組成物を0.05%〜0.25%の比率でスプレーした。風乾の後、その葉を水で処理し、処理された葉の特定の領域内でその水がはじかれるのを確認した。真菌類の新たな移植を試みた場合、処理された葉において真菌類のまん延に1日〜7日の遅延が確認された。真菌類の攻撃からの優れた保護は、表2で示したとおり、本発明の組成物と市販の殺真菌剤との組み合わせで植物が処理された場合に確認された。
[実施例7]
表2に示した組成物を、成長している作物に対する真菌類の制御における生物学的有効性について試験した。組成物4A,4Bから4Fまでをバナナ栽培地で試験し、表2の1列目に示した最初の5つの活性成分を使用して特定されたスプレー比率で、本発明の組成物を含まずにスプレーされた部分と比較した。本発明の添加剤の有効性は、1ヘクタール当たりのスプレー溶液30L中に5Lで使用したBanole(天然油)と比較して、30L中75mL使用した本発明の組成物は、作物に対してずっと少ない真菌類の攻撃を示し、真菌類のまん延の開始を遅らせた。本発明の組成物をスプレー溶液に含ませた場合に最良の結果が得られ、最終的に、より良いスプレーの有効性、並びに高められた品質及び作物生産量をもたらした。
Mancozebを真菌類の制御について試験した。Bravoもまた、多数の植物に対してスポットのうどん粉菌の制御について試験した。組成物1Aによる処理は、高められた真菌類の制御を示し、有益な作物のより高い収穫量を示した。本発明の他の組成物が使用された場合、同様の結果が得られた。
[実施例8]
以下は、秋まき小麦を用いた野外試験の結果のいくつかの追加実施例である。
[実施例8A]
市販され入手可能なCyproconazoleを80g/20Lで適用し、スプレー溶液20L中に0.15%の組成物1Aを用いるか、又は用いずに、成長している秋まき小麦作物中の1エーカー当たりにスプレーした。うどん粉菌の膿疱は81%減少し、茶色いさび真菌類は79%減少した。収穫量は3.5%向上した。本発明の他の組成物が使用された場合、同様の結果が得られた。
[実施例8B]
市販され入手可能なTebuconazoleを100g/20Lで適用し、スプレー溶液20L中に0.15%の組成物1Aを用いるか、又は用いずに、成長している秋まき小麦作物中の1エーカー当たりにスプレーした。うどん粉菌の膿疱は31%減少し、茶色いさび菌類は41%減少した。収穫量は1.0%向上した。本発明の他の組成物が使用された場合、同様の結果が得られた。
[実施例8C]
市販され入手可能なFlutriafolを50g/20Lで適用し、スプレー溶液20L中に0.15%の組成物1Aを用いるか、又は用いずに、成長している秋まき小麦作物中の1エーカー当たりにスプレーした。うどん粉菌の膿疱は27%減少し、茶色いさび菌類は23%減少した。本発明の他の組成物が使用された場合、同様の結果が得られた。
[実施例9]
以下は、じゃがいもを用いた野外試験の結果のある追加実施例である。
スプレー溶液14L中に22mLの組成物1A用いるか、又は用いずに、市販で入手可能なFlutriafolを、成長しているじゃがいも作物中に0.3L/ヘクタールで塗布した。葉枯病は50%を超えて低減し、収穫量は7.5%増加した。本発明の他の組成物が使用された場合、同様の結果が得られた。
[実施例10]
以下は、大豆を用いた野外試験の結果のある追加実施例である。
スプレー溶液に0.25%の組成物1Aを適用し、又は適用せずに、市販で入手可能なTebuconazoleを、成長している大豆作物中に5.3Fl oz(fluid ounce、液量オンス)/エーカーで塗布した。葉の斑点は42%減少した。本発明の他の組成物が使用された場合、同様の結果が得られた。
[実施例11]
本発明の組成物は、混合された殺真菌剤組成物とも相溶性を有する。例えば、市販され入手可能なDithane及びCalixinは、水で希釈され、最少量の市販され入手可能な鉱油(又はスプレーテックスオイル)及び一般に使用される乳化剤と混合した場合、そのスプレー溶液組成物は10分以内に分離する。一方、上記の組成物をスプレー溶液として水中に、合計25L中に0.1L/haの組成物1Bとともに使用した場合、1時間の間分離はなかった。効能向上のための追加の添加剤(天然由来又は合成型の鉱物、クレイ、シリカ、真珠岩等のケイ酸塩、及び植物栄養素、有機及び無機肥料等)が使用され得る。
[実施例12]:本発明の組成物及び/又は1A(表1)と一般に入手可能な鉱油/スプレーテックスオイルとの組み合わせ
本発明の組成物及び/又は組成物1Aは、予め最適化された量の油及び乳化剤(油を乳化する一般的に使用されるNP7)等の添加剤とブレンドされ得る。そうしたブレンドは、スプレー溶液中の唯一の添加剤として使用され得る。
本発明の組成物1B(表1中)又は1Aは、スプレーテックスオイルと、0.1L:3Lすなわち1:30の比率でブレンドされることができ、そして、乳化剤NP7又は同等物を伴って、スプレー溶液中の唯一の添加剤として使用されることができ、上記と同じ結果を達成する。
そのため、本発明の組成物(例えば、1B)または組成物(1A)は、スプレーテックスオイルと、好ましい比率は1:1〜1:5で、さらに1:5〜1:200の比率でもブレンドされることができる。
[実施例13]
Calixin及びDithane(市販で入手可能な処方)を、通常の添加量で、25Lスプレー溶液中の低減した量のスプレーテックスオイル3L/Ha及びNP7とともに、一緒に混合し、表1中の本発明の組成物1B又は1Aの0.1Lとともに使用した場合、組成物1A又は1Bの0.1Lを4Lのスプレーテックスオイル及びNP7の追加量と代えた場合の組成物と比べて、バナナ作物に対してより高い効能を実現した。
[実施例14]:本発明の有効性を評価するためのバナナ栽培地試験
スプレー溶液中に油を用いるか又は用いずに、さまざまな殺真菌剤(保護性及び浸透性)との混合物中で使用された低い又は高い比率の本発明の予め形成された濃縮物を、ミコスファエレラ フィジエンシス(mycosphaerellafijiensis)(ブラックシガトカ)病抑制のために使用した。
<材料及び方法>
グランドナインバナナ植物を使用した。反復試験なしで、10本の植物の単列にそれぞれの処理剤を適用した。殺真菌剤処理を表3中に示した。
Figure 0005939992
合計で15の塗布を15週間の間に保護性殺真菌剤中で行い、14の塗布を他の殺真菌剤中で行った。
病害パラメータ評価:感染した最も若い葉(YLI)、斑点が発生した最も若い葉(YLS)、葉の枚数(#Leaves)及びGauhlにより改良されたストーバー(Stover)基準を使用する病害の重症度。
<結果と考察>
・Bravo処理
処理剤0.1LでのBravo及び組成物1Bと、組成物1Bを含まないBravoとの間には、非常に類似した作用があった。効能は、未処理物及びBravoを含まないスプレーテックスオイル処理よりも、非常に良好であった。
Figure 0005939992
・Dithane処理
Dithane及び油4Lを用いた処理は、低減された量の油(組成物1B0.05L及び油2Lを伴うDithane)と同程度の結果を示した。
Figure 0005939992
・Sico処理
Sico処理もまた、0.05Lの組成物1Bとともに使用された場合、低減した量の油と同等の結果を示した。油7Lを用いたSico処理と、油3L及び組成物1B0.05Lを用いたSico処理とは、同等の結果を生み出した。
Figure 0005939992
・Folicur処理
油7Lを用いたFolicurと、油3Lと組成物1B0.05Lを用いたFolicurは、未処理条件及び油単独での処理に比べて、非常に良好な真菌類の感染の制御をもたらした。
Figure 0005939992
・Calixin処理
Calixin処理は、0.05Lの組成物1Bとともに使用された場合、低減した量の油とともにより良い結果を示した。油7Lを用いたCalixin処理は、油3L及び組成物1B0.05Lを用いたCalixin処理に比べて、より高い病気の圧力を示した。
Figure 0005939992
[結論]
本発明の組成物又は表1中の実施例1Aの組成物の部分的な(非常に小さい割合)量の使用は、大量の油(現在農地で使用されている)の使用と置き換わることができ、保護性又は浸透性殺真菌剤のいずれかを用いて処理した植物の真菌類の感染からの高められた保護をもたらすことによって、成長している植物のより優れた健康を維持できる。概して、組成物1Bの代わりに組成物1Aを用いて処理した場合、同様の傾向が確認された。複製された小区画の土地/列を使用して、この傾向を実証することが推奨される。地理的な場所、残留した真菌類の感染の程度、相対湿度、温度、降雨量及び他の条件に依存して、様々な結果を示すことが予想される。さらに、真菌類の成長の低い程度は、より大きな幹の直径及び植物の高さにおける成長をともなう健康な植物をもたらし、葉による大きな被覆をもたらし、最終的に果実の重さをより大きくし、そして、作物生産の品質/サイズの向上をもたらす。
前述の記載は本発明の説明のみであることを理解されたい。本発明を発端とせずに、当業者により様々な代替及び改良が考え出され得る。そのため、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる、そうしたすべての代替、改良及び変更を包含することを意図する。

Claims (18)

  1. 水での希釈によりエマルション/マイクロ−エマルションを形成でき、
    (i)水不溶性被膜形成性ポリマー;
    (ii)長鎖置換アミド;及び
    (iii)油溶性界面活性剤
    を含み、
    前記長鎖置換アミドが、以下の化学式を有するジアルキル酸アミドであり、
    Figure 0005939992
    (ここで、R及びRは炭素原子が1〜4個の低級アルキル基、脂環式基又は芳香族基であり、nは0〜18であり、nは0〜18であり、RはHである)
    アルキルピロリドンを含まない、葉/作物に周囲を乾燥させる作用をもたらすための予め形成された濃縮物。
  2. とRはそれぞれCHであり、RはHであり、nは0であり、nは5〜11である、請求項1に記載の予め形成された濃縮物。
  3. とRはそれぞれCHであり、RはHであり、nは0であり、nは7〜9である、請求項2に記載の予め形成された濃縮物。
  4. 前記ジアルキル酸アミドが、N,N−ジメチルヘキサミド、N,N−ジメチルオクタンアミド、N,N−ジメチルデカンアミド、N,N−ジメチルドデカンアミド、及びN,N−ジメチルテトラデカンアミドから成る群から選ばれる、請求項に記載の予め形成された濃縮物。
  5. 前記被膜形成性ポリマーが、N−ビニルピロリドンとC16α−オレフィンとの50:50の質量比の水不溶性グラフト重合体、N−ビニルピロリドンとC20α−オレフィンの20:80の質量比の水不溶性グラフト重合体、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート共重合体、ポリスチレンブタジエン共重合体、天然ワックス、ポリイソプレン共重合体、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項1に記載の予め形成された濃縮物。
  6. 前記油溶性界面活性剤が、アニオン性、非イオン性、弱カチオン性界面活性剤、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載の予め形成された濃縮物。
  7. 前記界面活性剤が、トリスチリルフェニルアルコキシレート類、アルコキシル化アルキルフェノール類、アルコキシル化直鎖脂肪族ポリエステル類、直鎖芳香族ポリエステル類、ポリアルケニルオキシアルコール類、直鎖脂肪族アルコキシレート類、ポリアルコキシル化ひまし油、ポリアルコキシル化カルボキシレート類、ポリアルコキシル化アルキルアミン類、リン酸エステル類及びそれらの塩、アルキルサルフェート類、スルホネート類、及びそれらの塩、ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール由来のサルフェート/スルホネートの塩、アルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム、カルシウム及びアルキルアンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、アニオン性アルコキシル化酸、カルボン酸、リン酸、及びステアリン酸のカルシウム塩及びリチウム塩、アルキルナフタレンスルホネート塩、スルホン化脂肪族ポリエステル類及びそれらの塩、リン酸ジエステル類の混合物であるエチレンオキシド型非イオン性界面活性剤の複合リン酸エステル類、並びにそれらの組み合わせから成る群から選ばれる、請求項6に記載の予め形成された濃縮物。
  8. 50%を超える部分的分散可溶性パラメータを有し、150cc/molを超えるモル体積を有する共溶媒をさらに含む、請求項1に記載の予め形成された濃縮物。
  9. 前記共溶媒が、大豆油、菜種油、長鎖アルコール類、長鎖ケトン類、長鎖エステル類、エーテル類、及び芳香族系石油類から成る群から選ばれる、請求項8に記載の予め形成された濃縮物。
  10. 前記共溶媒が、60%の重質芳香族溶媒ナフサ及び40%の中間留分溶媒抽出物で構成される芳香族系石油である、請求項9に記載の予め形成された濃縮物。
  11. 前記予め形成された濃縮物の全質量に基づいて、前記アミドの量が、5〜50質量%であり、前記水不溶性被膜形成性ポリマーの量が、1から60質量%であり、前記界面活性剤の量が、1から25質量%であり、前記共溶媒の量が、0から60質量%である、請求項1から10のいずれか一項に記載の予め形成された濃縮物。
  12. 共乳化剤、湿潤性化合物(wetting combinations)、イオン性乳化剤、安定剤、表面活性緩衝剤、又はそれらの混合物をさらに含む、請求項1に記載の予め形成された濃縮物。
  13. 請求項1に記載の予め形成された濃縮物と農業用活性剤との混合し、少なくとも10倍の水で希釈してエマルション/マイクロ−エマルションを形成した後、それを作物にスプレーすることを含む、葉/作物での真菌類の成長の開始を遅らせる、周囲を乾燥させる作用又は撥水性をもたらす方法。
  14. 前記農業用活性剤が、生物活性物質、農業用肥料、栄養素、植物成長促進剤、除草剤、植物成長抑制剤、殺虫剤、殺菌剤、殺真菌剤、抗線虫剤、燻蒸剤、光安定剤、UV吸収剤、合成炭化水素類、ラジカル捕捉剤、樹脂、天然ワックス、香料、消毒剤、及び/又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. スプレー溶液に使用される油の添加を部分的又は全体的に置き換えるために、
    (i)水不溶性被膜形成性ポリマー;
    (ii)長鎖置換アミド;及び
    (iii)油溶性界面活性剤
    を含む、請求項1に記載の予め形成された濃縮物を前記油に代えてスプレー溶液に使用する方法。
  16. 前記スプレー溶液に使用される油が、石油蒸留物、パラフィン油、鉱油、植物油、又は他の天然由来の油を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記長鎖置換アミドが、N,N−ジメチルヘキサミド、N,N−ジメチルオクタンアミド、N,N−ジメチルデカンアミド、N,N−ジメチルドデカンアミド、及びN,N−ジメチルテトラデカンアミドから成る群から選ばれるジアルキル酸アミドである、請求項15に記載の方法。
  18. 前記被膜形成性ポリマーが、N−ビニルピロリドンとC16α−オレフィンとの50:50の質量比の水不溶性グラフト重合体、N−ビニルピロリドンとC20α−オレフィンとの20:80の質量比の水不溶性グラフト重合体、ポリアクリレート、ポリスチレンアクリレート共重合体、ポリスチレンブタジエン共重合体、天然ワックス、ポリイソプレン共重合体、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項15に記載の方法。
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