JP5938715B2 - 部品供給装置および部品供給方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部品供給装置および部品供給方法に関する。
従来より、部品実装装置の移戴ヘッドのノズルに部品を供給するために、キャリアテープが使用されている。キャリアテープは、部品を収容する凹部状またはエンボス状の複数の収容部がテープ長手方向に並んで形成されたベーステープと、部品が収容された状態の複数の収容部を覆うようにベーステープに貼り付けられたトップテープとを備える。部品実装装置の移戴ヘッドのノズルがキャリアテープの収容部内の部品を吸着できるように、トップテープはベーステープから剥離される。
例えば特許文献1には、トップテープのベーステープからの剥離を、刃先を備える剥離部材を用いることによって実行することが開示されている。具体的には、テープ長手方向に搬送されるキャリアテープのテープ経路上に剥離部材が配置されている。移動中のキャリアテープの前端側からトップテープとベーステープとの間にテープ長手方向に剥離部材の刃先が進入することにより、トップテープがベーステープから剥離される。なお、特許文献1に記載された部品供給装置は、移動中のキャリアテープにおけるトップテープのテープ幅方向の一方側の部分をベーステープから連続的に剥離するように構成されている。
米国特許第7713376号公報
しかしながら、特許文献1に記載された部品供給装置のように、移動中のキャリアテープにおけるトップテープとベーステープとの間に剥離部材の刃先を進入させてトップテープをベーステープから剥離する場合、剥離部材の刃先のトップテープとベーステープとの間への進入が失敗する場合がある。特に、キャリアテープの移動速度が高速になればなるほど、例えば移動中のキャリアテープの振動等によって剥離部材の刃先も振動し、それにより剥離部材の刃先の位置ずれが発生し、その結果として、刃先のトップテープとベーステープとの間への進入が失敗する可能性が高くなる。
例えば、剥離部材の刃先がトップテープとベーステープとの間に進入できずに、トップテープが剥離されていない状態のキャリアテープがそのまま搬送される可能性がある。また、例えば、剥離部材の刃先がベーステープのテープ移動方向の前端面に接触してキャリアテープを停止させる可能性がある。
そこで、本発明は、テープ長手方向に移動中のキャリアテープにおけるトップテープとベーステープとの間に、キャリアテープの移動方向の前端側から剥離部材の刃先を進入させてトップテープをベーステープから剥離する部品供給装置において、剥離部材の刃先をトップテープとベーステープとの間により確実に進入させることを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、
部品を収容する複数の収容部がテープ長手方向に並んで形成されたベーステープおよび収容部を覆うようにベーステープに貼り付けられたトップテープを備えるキャリアテープを、テープ長手方向のテープ送り方向に送る部品供給装置であって、
キャリアテープのテープ送り方向の前端側からテープ長手方向にトップテープとベーステープとの間に進入して、ベーステープからトップテープを剥離する第1のブレードと、
キャリアテープの前端側におけるトップテープとベーステープとの間に第1のブレードが進入するように、トップテープと当接してキャリアテープを第1のブレードに案内するガイド部と、
ベーステープのテープ送り方向の前端側と接触して、トップテープとベーステープとの間への第1のブレードのテープ長手方向の進入量を所定量に制限するストッパー部と、
第1のブレードによってキャリアテープの前端側からテープ長手方向にトップテープが所定量剥離された状態のキャリアテープをテープ長手方向のテープ送り方向に送るテープ送り機構と、
テープ送り機構によって移動中のキャリアテープにおける第1のブレードによってテープ長手方向に所定量剥離されたトップテープとベーステープとの間にキャリアテープのテープ送り方向の前端側からテープ長手方向に進入して、ベーステープの収容部内の部品が露出するようにベーステープからトップテープを少なくとも部分的に且つ連続的に剥離する第2のブレードと、を有する部品供給装置が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
キャリアテープのテープ経路に、テープ送り機構および第2のブレードが配置され、
第1のブレードによってトップテープがテープ長手方向に所定量剥離されるプレ剥離位置が第2のブレードよりテープ経路の上流側でかつテープ経路の上方に配置され、
ガイド部が、プレ剥離位置上でテープ長手方向にトップテープが所定量剥離された状態のキャリアテープを押圧して移動させテープ経路上に配置する、第1の態様に記載の部品供給装置が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
プレ剥離位置上のキャリアテープの収容部に収容されている部品を認証する部品認証装置をさらに有し、
部品認証装置の部品認証が完了すると、ガイド部がプレ剥離位置上のキャリアテープを押圧してテープ経路上に配置する、第2の態様に記載の部品供給装置が提供される。
本発明の第4の態様によれば、
キャリアテープのテープ経路に、第1のブレード、ガイド部、ストッパー部、テープ送り機構、および第2のブレードが配置され、
第1のブレードおよびストッパー部が、テープ長手方向にトップテープを所定量剥離した後、テープ経路から相対的に退避するように構成されている、第1の態態に記載の部品供給装置が提供される。
本発明の第5の態様によれば、
部品を収容する複数の収容部がテープ長手方向に並んで形成されたベーステープおよび収容部を覆うようにベーステープに貼り付けられたトップテープを備えるキャリアテープを、テープ長手方向のテープ送り方向に送る部品供給方法であって、
キャリアテープのテープ送り方向の前端側におけるトップテープとベーステープとの間に第1のブレードが進入するように、トップテープと当接するガイド部材によってキャリアテープを第1のブレードに案内し、
ガイド部によって案内されたキャリアテープのテープ送り方向の前端側からトップテープとベーステープとの間に第1のブレードをテープ長手方向に進入させてベーステープからトップテープを事前に剥離し、
ベーステープのテープ送り方向の前端側にストッパー部を接触させて、トップテープとベーステープとの間への第1のブレードのテープ長手方向の進入量を所定量に制限し、
第1のブレードによってキャリアテープの前端側からテープ長手方向にトップテープが所定量剥離された状態のキャリアテープをテープ長手方向のテープ送り方向に送り、
移動中のキャリアテープにおける第1のブレードによってテープ長手方向に所定量剥離されたトップテープとベーステープとの間にキャリアテープのテープ送り方向の前端側からテープ長手方向に第2のブレードの刃先を進入させて、ベーステープの収容部内の部品が露出するようにベーステープからトップテープを少なくとも部分的に且つ連続的に剥離する、部品供給方法が提供される。
本発明によれば、テープ長手方向に送られるキャリアテープのテープ送り方向の前端側からトップテープがテープ長手方向に所定量で第1のブレードによって剥離され、トップテープとベーステープとの間に隙間が事前に形成される。この事前に形成された隙間を介することにより、第2のブレードは、テープ長手方向に移動するキャリアテープにおけるトップテープとベーステープとの間により確実に進入することができる。
本発明の一実施の形態の部品供給装置の概略的構成図 キャリアテープの前端側部分を示す図 メインブレードの分解図 メインブレードの斜視図 トップテープを部分的に連続的に剥離する直前のメインブレードの上面図 トップテープを部分的に連続的に剥離中のメインブレードの上面図 プレ剥離機構を含む部品供給装置の一部の概略的構成図 プレ剥離機構の拡大図 トップテープを事前剥離する直前のプレ剥離機構の上方視図 トップテープを事前剥離中のプレ剥離機構の上方視図 トップテープを事前剥離後のプレ剥離機構の上方視図 プレ剥離機構と自動送り機構との動作を示す図 プレ剥離機構と自動送り機構との動作を示す図 プレ剥離機構と自動送り機構との動作を示す図 プレ剥離機構と自動送り機構との動作を示す図 プレ剥離機構と自動送り機構との動作を示す図 図8BにおけるB−B線断面図 別の実施の形態のプレ剥離機構を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態の部品供給装置の構成を概略的に示している。部品供給装置10は、部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102に部品を供給するように構成されている。具体的には、部品供給装置10は、テープ長手方向に複数の部品が収容されたキャリアテープ200を使用して部品を部品供給位置Qに向かってテープ長手方向のテープ送り方向に順次送り、部品供給位置にて移戴ヘッド100のノズル102に供給する。
図2は、キャリアテープ200のテープ長手方向の前端側部分(部品供給位置Qに向かってキャリアテープ200が送られる方向であるテープ送り方向Aへのテープの移動時において前側(先端側)になる端面側の部分)を示している。なお、図2に示す直交座標系u−v−wにおいて、u軸方向はテープ幅方向に対応し、v軸方向はテープ長手方向に対応し、w軸方向はテープ厚さ方向に対応している。
図2に示すように、キャリアテープ200は、部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102に供給される部品を収容する複数の収容部202がテープ長手方向(v軸方向)に並んで形成されたベーステープ204と、収容部202を覆うようにベーステープ204にテープ幅方向の両端側が接着され貼り付けられたトップテープ206とを有する。また、キャリアテープ200は、ベーステープ204にテープ長手方向に並んで形成され、テープ厚さ方向(w軸方向)に貫通する複数の送り孔208を有する。
図2に示すように、トップテープ206は、キャリアテープ200の主面200a側であって送り孔208が形成された部分を少なくとも除くベーステープ204の主面204aの部分に貼り付けられている。具体的には、トップテープ206は、テープ幅方向(u軸方向)の中央部分(収容部202を覆う部分)を除いて両端側部分210a、210bがベーステープ204の主面204aに貼り付けられている。
図1に戻り、部品供給装置10は、本体部12と、本体部12内に設けられたキャリアテープ200を部品供給位置Qに向かってテープ長手方向(テープ送り方向A)に送るためのテープ経路Pと、キャリアテープ200をテープ経路Pに沿ってテープ送り方向Aに送る複数のスプロケット14、16、18と、移動中のキャリアテープ200のベーステープ204からトップテープ206を連続的に剥離するメインブレード20(特許請求の範囲の「第2のブレード」に対応)とを有する。
部品供給装置10の本体部12は、キャリアテープ200を本体部12内のテープ経路Pに投入するためのテープ投入口12aを備える。テープ投入口12aは、水平方向(Y軸方向)に向かって開口している。本体部12はまた、部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102が本体部12内のテープ経路P上のキャリアテープ200の収容部202から部品を上方から吸着することができるように、上方に向かって開口した部品供給口12bを備える。テープ経路Pは、テープ投入口12aから部品供給口12bに向かって延在している。
複数のスプロケット14、16、18は、キャリアテープ200をテープ送り方向Aに送るためのテープ送り機構であって、キャリアテープ200のテープ経路P上に設けられ、キャリアテープ200の送り孔208と係合する歯14a、16a、18aを備える。歯14a、16a、18aがキャリアテープ200の送り孔208に係合した状態でスプロケット14、16、18が回転することにより、キャリアテープ200がテープ送り方向Aに送られる。
スプロケット14は、本体部12のテープ投入口12a近傍に配置されている。残りのスプロケット16、18は、本体部12の部品供給口12b近傍、すなわち部品供給位置Q近傍に配置されている。
メインブレード20は、部品供給位置Qで移戴ヘッド100のノズル102がキャリアテープ200の収容部202に収容されている部品を吸着するために、キャリアテープ200のベーステープ204からトップテープ206を剥離して収容部202内に収容されている部品を露出させる。メインブレード20は、部品供給位置Qよりテープ送り方向Aの上流側であって2つのスプロケット16、18に挟まれたテープ経路Pの部分に設けられている。メインブレード20はまた、スプロケット16、18によって送られて移動中のキャリアテープ200のベーステープ204からトップテープ206を部分的に連続的に剥離するように、具体的にはトップテープ206のテープ幅方向の一方側の部分をベーステープ204から連続的に剥離するように構成されている。
図3Aはメインブレード20の分解図であり、図3Bはメインブレード20の斜視図である。図4Aは、テープ送り方向Aに送られるキャリアテープ200のベーステープ204からトップテープ206を部分的に剥離する直前のメインブレード20を上方から見た図である。図4Bは、テープ送り方向Aに送られるキャリアテープ200のベーステープ204からトップテープ206を部分的かつ連続的に剥離中のメインブレード20の上面図である。
図3Aおよび図3Bに示すように、メインブレード20は、キャリアテープ200のベーステープ204からトップテープ206を部分的に剥離する剥離部22と、剥離部22によって部分的に剥離されたトップテープ206の部分を、図4Bに示すように送り孔208側に折り返す折り返し部24とを有する。
剥離部22は、短冊状の金属板にトップテープ206をベーステープ204から剥離するための刃部22aを形成することによって作製されている。刃部22aは、トップテープ206をベーステープ204から剥離する刃先22bと、剥離されたトップテープ206の部分をガイドしてベーステープ204から離間するようにすくい上げるすくい面22cと、トップテープ206とベーステープ204との間に進入する刃先先端22dとを有する。
折り返し部24は、剥離部22の上方側である上面22e側に取り付けられる。また、剥離部22によって剥離されたトップテープ206の部分がキャリアテープ200の送り孔208b側に折り返されるように、剥離されたトップテープ206の部分をガイドする凹状の円錐状湾曲面24aを備える。円錐状湾曲面24aは、剥離部22の上面22eから延在して凹状に湾曲してオーバーハングしている。
図4Aに示すように、メインブレード20は、剥離部22の刃先先端22dがトップテープ206とベーステープ204との間の未貼り付け部分(未接着部分)(すなわち、テープ幅方向における両端部分210a、210bの間の部分)に進入できるように、部品供給装置10の本体部12に設けられている。また、折り返し部24の凹状の円錐状湾曲面24aは、テープ幅方向においてキャリアテープ200の送り孔208側に開いている。
キャリアテープ200がスプロケット16,18によって部品供給位置Qに向かってテープ送り方向Aに送られると、メインブレード20の剥離部22の刃先先端22dが、キャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端212側からトップテープ206とベーステープ204との間に進入する。
メインブレード20の剥離部22の刃先先端22dがトップテープ206とベーステープ204との間に進入した状態のキャリアテープ200が部品供給位置Qに向かってテープ送り方向Aにさらに送られると、剥離部22の刃先22bがトップテープ206の一部分(テープ幅方向の片方側部分)をベーステープ204から連続的に剥離し始める。
例えば、剥離部22の刃先22bが、テープ幅方向において送り孔208から遠い側であるキャリアテープ200の側端面214a側のトップテープ206の貼り付けられた部分210aをベーステープ204から連続的に剥離し始める。刃先22bによって剥離されたトップテープ206の側端面214a側の部分210aは、キャリアテープ200が送られるにしたがって、すくい面22cにガイドされ、折り返し部24の湾曲面24aに向かう。
さらに、部品供給位置Qに向かってテープ送り方向Aにキャリアテープ200が送られるにしたがって、図4Bに示すように、ベーステープ204から剥離されたトップテープ206の側端面214a側の部分210aが、折り返し部24の凹状の円錐状湾曲面24aによって送り孔208側(側端面214b側)に折り返される。
具体的には、ベーステープ204から剥離されたトップテープ206の側端面214a側の部分210aが円錐状湾曲面24aによってガイドされることにより、トップテープ206の側端面214a側の部分210aが送り孔208側に折り返される。
このメインブレード20により、キャリアテープ200の収容部202にそれぞれ収容された部品が順次露出するようにトップテープ206がベーステープ204から部分的に且つ連続的に剥離された状態のキャリアテープ200を、部品供給位置Qに送ることができる。それにより、部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102は、ベーステープ204の複数の収容部202にそれぞれ収容された部品を部品供給位置Qで順次吸着して取り出すことができる。
また、部品供給装置10は、図1に示すように、テープ送り方向Aに移動中のキャリアテープ200におけるトップテープ206とベーステープ204との間にメインブレード20の剥離部22の刃先先端22dがより確実に進入できるようにするためのプレ剥離機構30を有する。
プレ剥離機構30は、テープ長手方向(テープ送り方向A)に移動中のキャリアテープ200におけるトップテープ206とベーステープ204との間へのメインブレード20の剥離部22の刃先先端22dの進入を容易にするために、トップテープ206とベーステープ204との間に隙間を事前に形成するように構成されている。具体的には、トップテープ206の一部分をキャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端212側から剥離することにより、トップテープ206とベーステープ204との間に隙間を事前に形成するように、プレ剥離機構30は構成されている。そのために、プレ剥離機構30は、図1に示すように、メインブレード20に対してテープ送り方向Aの上流側に配置されている。
図5は、プレ剥離機構30を含む部品供給装置10の一部の構成を概略的に示している。図6は、プレ剥離機構30の拡大図である。図7A〜図7Cは、プレ剥離機構によってトップテープ206とベーステープ204との間に隙間が形成される流れを示している。
図5および図6に示すように、本実施の形態の場合、プレ剥離機構30は、メインブレード20に対してテープ送り方向Aの上流側のテープ経路Pの部分の上方に配置されたプレ剥離位置Rでトップテープ206の一部分をキャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端212側から事前に剥離するように構成されている。
そのために、プレ剥離機構30は、キャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端212側からテープ長手方向にトップテープ206とベーステープ204との間に進入して、ベーステープ204からトップテープ206を剥離するプレ剥離用ブレード32(特許請求の範囲の「第1のブレード」に対応)と、キャリアテープ200の前端212におけるトップテープ206とベーステープ204との間にプレ剥離用ブレード32が進入するように、キャリアテープ200のトップテープ206と当接してキャリアテープ200をプレ剥離用ブレード32に案内するガイドブロック(特許請求の範囲の「ガイド部」に対応)34とを有する。
まず、ガイドブロック34について説明する。
プレ剥離機構30のガイドブロック34は、キャリアテープ200のテープ厚さ方向(w軸方向、Z軸方向)に移動可能であって、キャリアテープ200のトップテープ206の主面206a(ベーステープ204の主面204aに貼り付けられていない側のトップテープ206の面)と平行な(X−Y平面と平行な)ガイド面34aを備える。
ガイドブロック34は、ガイド面34aが図5や図6に示す初期位置T0に配置されているときに、そのガイド面34aに沿ってキャリアテープ200をプレ剥離用ブレード32に向かってテープ長手方向(Y軸方向)に案内するように構成されている。具体的には、ガイドブロック34のガイド面34aは、キャリアテープ200のトップテープ206の主面206aと当接することにより、キャリアテープ200をプレ剥離用ブレード32に向かって案内する。このガイドブロック34のガイド面34aにより、キャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端212は、プレ剥離用ブレード32によってトップテープ206の一部分が剥離される位置であるプレ剥離位置Rに案内される。
図6および図7Aに示すように、プレ剥離機構30のプレ剥離用ブレード32は、トップテープ206とベーステープ204との間に進入するための先鋭な先端32aと、トップテープ206とベーステープ204との間に進入し、トップテープ206をベーステープ204から剥離する刃先32bを備える。刃先32bは、先端32aから延在している。また、プレ剥離用ブレード32の厚さ(Z軸方向の厚さ)は、可能な限り薄くされている。
プレ剥離用ブレード32はまた、図6に示すように、本体部12の内壁部12cの壁面12dからテープ長手方向(Y軸方向)に所定量Lで突出している。プレ剥離用ブレード32は、初期位置T0に配置されたガイドブロック34のガイド面34aにトップテープ206が当接した状態におけるキャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端212に対してテープ長手方向(Y軸方向)に対向する。
具体的には、プレ剥離用ブレード32の刃先32bは、キャリアテープ200のテープ厚さ方向(Z軸方向)に見た場合、図7Aに示すように、キャリアテープ200のテープ幅方向(X軸方向)に対して傾斜している。また、ベーステープ204に貼り付けられていないトップテープ206の部分であるテープ幅方向の中央側の部分に、プレ剥離用ブレード32の先端32aがテープ長手方向(Y軸方向)に対向している。
さらに、キャリアテープ200の側端面側からテープ幅方向(X軸方向)に見た場合、図6に示すように、プレ剥離用ブレード32の先端32aは、初期位置T0に配置されたガイドブロック34のガイド面34aにトップテープ206が当接した状態のキャリアテープ200の前端212におけるトップテープ206とベーステープ204との間に対してテープ長手方向(Y軸方向)に対向する。そのために、プレ剥離用ブレード32の先端32aは、初期位置T0に配置されたガイドブロック34のガイド面34aからテープ厚さ方向(Z軸方向)に所定距離D離れた位置(Z軸方向位置)に配置されている。この所定の距離Dは、トップテープ206の厚さ(例えば、0.04〜0,07mm)と略同一である。
なお、ガイドブロック34のガイド面34aは、キャリアテープ200のトップテープ206の主面206aを案内することに代わって、トップテープ206によって覆われていないベーステープ204の主面204aの部分(送り孔208が形成された部分)(図2参照)を案内してもよい。この場合、プレ剥離用ブレード32の先端32aのテープ厚さ方向(Z軸方向)の位置がベーステープ204の主面204aと同じ位置になり、ガイドブロック34のガイド面34aからプレ剥離用ブレード32の先端32aまでのテープ厚さ方向(Z軸方向)の所定距離Dは、実質的にゼロになる。
ガイドブロック34のガイド面34aとキャリアテープ200のトップテープ206との当接状態を維持するために、キャリアテープ200をその裏面200b側からガイドブロック34のガイド面34aに向かって付勢する付勢ブロック36を、プレ剥離機構30は有する。
付勢ブロック36は、図6に示すように、ガイドブロック34のガイド面34aに対向するように配置され、Z軸方向に移動可能に本体部12に設けられている。付勢ブロック36はまた、ガイドブロック34のガイド面34aに対して平行な押圧面36aを備える。この押圧面36aは、キャリアテープ200の裏面200bと当接する。さらに、ばね38により、付勢ブロック36は、ガイドブロック34のガイド面34aに向かって付勢されている。このようなガイドブロック34と付勢ブロック36との間の間隙により、部品供給装置10の本体部12内にキャリアテープ200を投入するためのテープ投入口12aが構成されている。
キャリアテープ200は、初期位置T0に配置されたガイドブロック34のガイド面34aと付勢ブロック36の押圧面36aとの間に例えば作業者の手作業によってテープ長手方向(Y軸方向)に押し込まれ、図6に示すようにテープ厚さ方向(Z軸方向)に挟持される。この挟持状態のキャリアテープ200がテープ長手方向(Y軸方向)に本体部12の内部の奥側に向かってさらに押し込まれることにより、図7Bに示すように、キャリアテープ200は、プレ剥離位置Rに配置される。
本実施の形態の場合、図7Bに示すように、プレ剥離位置Rにおいて、キャリアテープ200の前端212側からテープ長手方向(Y軸方向)にトップテープ206とベーステープ204との間にプレ剥離用ブレード32が相対的に進入し、図7Cに示すようにトップテープ206の一部分をベーステープ204から剥離する。具体的には、送り孔208から遠い側であるトップテープ206のテープ幅方向の部分210aをキャリアテープ200の前端212側からテープ長手方向(Y軸方向)に所定量L(例えば、2〜10mm)剥離する。
プレ剥離用ブレード32がトップテープ206をキャリアテープ200の前端212側からテープ長手方向(Y軸方向)に所定量Lで剥離するために、プレ剥離用ブレード32が設けられている本体部12の内壁部12cの壁面12dは、ストッパー部として機能する。具体的には、壁面12dは、キャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端212側(ベーステープ204のテープ送り方向Aの前端側)と接触して、トップテープ206とベーステープ204との間へのプレ剥離用ブレード32のテープ長手方向(Y軸方向)の進入量を所定量Lに制限するストッパー部として機能する。なお、ストッパー部は、本体部12の壁面12dによって構成するのではなく、プレ剥離機構30に1つの構成要素として備えられてもよい。
このようなプレ剥離用ブレード32と壁面12dとにより、図7Cに示すように、キャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端212におけるトップテープ206とベーステープ204との間に、メインブレード20の剥離部22の刃先先端22dがテープ長手方向(テープ送り方向A)に容易に進入することができる微小な隙間Gが形成される。
ここで言う「隙間」とは、キャリアテープ200の前端212側のトップテープ206の幅方向両端がベーステープ204に貼り付けられている部分の領域である2つの角部206b、206cの少なくとも一方がベーステープ204から離れる(部分的に剥離される)ことによってトップテープ206とベーステープ204との間に形成される空間(図7Cに示す所定量Lの二点鎖線に囲まれた領域)を言う。
なお、この所定量Lは、例えば、キャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端212側から数えて1個目の収容部202に部品が収容されていない場合、その1個目の収容部202にかかる程度の剥離量(長さ)である。一方、キャリアテープ200の前端212側から数えて1個目の収容部202に部品が収容されている場合、所定量Lは、その1個目の収容部202に収容されている部品がその収容部202から外部に出ることができないような剥離量(長さ)である。なお、キャリアテープ200の前端212側から数えて1個目の収容部202が切断され、その収容部202のテープ長手方向の長さが通常の収容部202に比べて短い場合、切断された1個目の収容部202をテープ長手方向に越える所定量Lが設定されてもよい。また、収容される部品が小さく、その結果として収容部202が小さい場合、キャリアテープ200の前端212側から数えて2〜3個目の収容部202にかかるように所定量Lが設定されてもよい。広義には、プレ剥離機構30によって事前に剥離されるトップテープ206の剥離量である所定量Lは、部品供給装置10のテープ経路Pでのテープ送りやトップテープ剥離機構20によるトップテープ206の連続剥離に悪影響がなければよく、したがって、大きくてもよい。
図1に示すように、プレ剥離機構30に対してテープ送り方向Aの下流側で隣接するように、プレ剥離機構30によってトップテープ206が事前剥離された状態のキャリアテープ200を自動的に部品供給位置Qに向かってテープ送り方向Aに送る自動送り機構50が設けられている。
自動送り機構50は、複数本のキャリアテープ200を1本ずつテープ送り方向Aに部品供給位置Qに向かって順次自動的に送るように構成されている。具体的には、自動送り機構50は、部品実装装置の移戴ヘッド100のノズル102に対して部品を供給中の先行のキャリアテープ200のテープ送り方向Aの後端に、次に移戴ヘッド100のノズル102に部品を供給する後続のキャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端が続いて送られるように、複数本のキャリアテープ200をテープ送り方向Aに1本ずつ順次自動的に供給する。
自動送り機構50は、図5に示すように、本体部12のテープ投入口12aに最も近いスプロケット14と、キャリアテープ200をスプロケット14に向かって付勢する付勢ブロック52と、次に部品供給位置Qに送られる後続のキャリアテープ200を待機させるための旋回レバー54と、旋回レバー54をテープ厚さ方向に駆動する駆動バー56と、駆動バー56が設けられた昇降ブロック58とを有する。これらの自動送り機構50の構成要素の詳細を、プレ剥離機構30および自動送り機構50の動作を示す図8A〜8Eを用いて説明する。
上述するようにプレ剥離機構30によるトップテープ206の事前剥離が終了すると、図8Aに示すように、例えば作業者の手作業により、初期位置T0に位置するガイドブロック34が降下される。(矢印C)。それにより、トップテープ206が事前剥離されたキャリアテープ200が、初期位置T0のプレ剥離位置Rからテープ送り高さ位置T1に移動し、部品供給位置Qに向かうテープ経路P上に配置される。
図8Aを用いて具体的に説明すると、ガイドブロック34がテープ送り高さ位置T1に降下することにより、ガイドブロック34のガイド面34aに当接するキャリアテープ200のトップテープ206の主面206aは、キャリアテープ200がテープ経路Pに沿ってテープ送り方向Aに送られるときにキャリアテープ200のトップテープ206の主面206aが摺接するガイド面12eに位置合わせされる。このガイド面12eは、本体部12の内壁部12cにおけるX−Y平面と平行な壁面で構成され、キャリアテープ200のトップテープ206の主面206aと当接する。なお、補足すると、トップテープ206の主面206aと当接するガイド面12eに対してスプロケット14は図面の手前側に位置する(すなわちキャリアテープ200の送り孔208は図面の手前側に位置する)。
ガイドブロック34の降下によってキャリアテープ200がテープ経路P上のテープ送り高さ位置T1に配置されると、キャリアテープ200は、例えば作業者の手作業により、本体部12内の部品供給位置Qに向かってテープ送り方向に押し込まれる。具体的には、本体部12のガイド面12e(スプロケット14)と付勢ブロック52との間に、キャリアテープ200が押し込まれる。
付勢ブロック52は、図5に示すように、Z軸方向に移動可能に本体部12に設けられている。付勢ブロック52はまた、図8BにおけるB−B線断面図である図9に示すように、本体部12のガイド面12eおよびスプロケット14に対してZ軸方向に対向し、キャリアテープ200の裏面200bと当接するガイド面52aを備える。さらに、ばね60により、付勢ブロック52は、本体部12のガイド面12eおよびスプロケット14に向かってZ軸方向(テープ厚さ方向)に付勢されている。なお、付勢ブロック52のガイド面52aには、ガイド面12eと付勢ブロック52との間にキャリテープ200が存在しないとき(本体部12のガイド面12eに付勢ブロック52のガイド面52aが当接するとき)にスプロケット14の歯14aが収容される溝52bが形成されている。
キャリアテープ200は、図8Bに示すように、本体部12のガイド面12e(スプロケット14)と付勢ブロック52のガイド面52aとの間にテープ送り方向Aに押し込まれ、本体部12のガイド面12eと付勢ブロック52のガイド面52aとによってテープ厚さ方向(Z軸方向)に挟持される。すなわち、キャリアテープ200によって付勢ブロック52がガイド面12e(スプロケット14)からテープ厚さ方向に離れる方向に付勢される。
キャリアテープ200が本体部12のガイド面12eと付勢ブロック52のガイド面52aとの間にテープ送り方向Aに押し込まれたとき、キャリアテープ200の送り孔208とスプロケット14の歯14aとが係合できるように、スプロケット14は自由回転するように構成されている。なお、スプロケット14は、送り孔208がスプロケット14の歯14と係合した状態のキャリアテープ200がテープ送り方向Aと逆方向に移動しないように、キャリアテープ送り方向Aに対応する回転方向(図中、反時計回り方向)のみに回転できるようにするのが好ましい。
例えば作業者の手作業によってその送り孔208がスプロケット14の歯14aと係合した後のキャリアテープ200は、スプロケット14の回転によって付勢ブロック52とスプロケット14との間を越えてさらにテープ送り方向Aに送られ、その送り孔208がスプロケット14に対してテープ送り方向Aの下流側のスプロケット16の歯16aに係合する(図1参照)。
スプロケット16は、その歯16aにキャリアテープ200の送り孔208が係合され、モータ(図示せず)などの駆動源によって回転する。それにより、送り孔208がスプロケット16の歯16aに係合した状態のキャリアテープ200は、テープ送り方向Aに送られ、メインブレード20によってトップテープ206が部分的に連続的に剥離され、スプロケット16に対してテープ送り方向Aの下流側のスプロケット18の歯18aにその送り孔208が係合する。そして、スプロケット16、18によって部品供給位置Qに向かってテープ送り方向Aに、収容部202内に部品が露出するようにトップテープ206が剥離されたキャリアテープ200が送られる。
キャリアテープ200がテープ投入口12aを通過して本体部12内に入り、部品供給位置Qに向かってテープ送り方向Aにスプロケット16、18によって送られて供給されている最中に、次に続く(後続の)キャリアテープ200が本体部12のテープ投入口12aに投入される。以下、後続のキャリアテープに関連する符号にはアポストロフィを付与する。
具体的には、図8Cに示すように、先行のキャリアテープ200上にテープ厚さ方向(Z軸方向)に後続のキャリアテープ200’が重なるように、後続のキャリアテープ200’がテープ投入口12aを構成するガイドブロック34と付勢ブロック36との間に投入される。
図8Cに示すように、後続のキャリアテープ200’が先行のキャリアテープ200上にテープ厚さ方向(Z軸方向)に重なるようにテープ投入口12aに投入されると、初期位置T0に配置されるガイドブロック34のガイド面34aに後続のキャリアテープ200’のトップテープ206’の主面206a’が当接する。また、初期位置T0に配置されたガイドブロック34と付勢ブロック36は、先行のキャリアテープ200と後続のキャリアテープ200’とをテープ厚さ方向(Z軸方向)に挟持する。したがって、例えば作業者の手作業によって後続のキャリアテープ200’がテープ長手方向に本体部12内の奥部に向かって押し込まれると、先行のキャリアテープ200と同様に、プレ剥離機構30のプレ剥離用ブレード32によって後続のキャリアテープ200’のトップテープ206’が事前剥離される(図7Cに示す先行のキャリアテープ200と同様に、トップテープ206’とベーステープ204’との間に隙間Gが形成される)。
後続のキャリアテープ200’は、先行のキャリアテープ200と同様に、トップテープ206’の事前剥離が完了すると、ガイドブロック34の降下によって初期位置T0のプレ剥離位置Rから下方のテープ送り高さ位置T1に移動される。続いて、本体部12内の奥側部に向かって後続のキャリアテープ200’がテープ長手方向に押し込まれることにより、図8Dに示すように、本体部12のガイド面12e(スプロケット14)と付勢ブロック52のガイド面52aとの間に、先行のキャリアテープ200上に重なった状態で後続のキャリアテープ200’は配置される。これにより、後続のキャリアテープ200’は、その送り孔208’がスプロケット14の歯14aに係合する。その一方、後続のキャリアテープ200’の下方に位置する先行のキャリアテープ200の送り孔208とスプロケット14の歯14aとの係合が解除される。
自動送り機構50は、図1に示すように、自動送り機構50とトップテープ剥離機構20との間のテープ経路P上に配置されたテープ後端センサ80が先行のキャリアテープ200のテープ送り方向Aの後端(後端面)を検出すると、スプロケット14を回転させて後続のキャリアテープ200’をテープ送り方向Aに自動的に送るように構成されている。
自動送り機構50は、テープ後端センサ80が先行のキャリアテープ200のテープ送り方向Aの後端を検出する前に後続のキャリアテープ200’がテープ送り方向Aに移動しないように、旋回レバー54によって後続のキャリアテープ200’を待機させるように構成されている。すなわち、先行のキャリアテープ200に乗って後続のキャリアテープ200’がテープ送り方向Aに移動しないように自動送り機構50は構成されている。
後続のキャリアテープ200’は、本体部12のガイド面12eと付勢ブロック52のガイド面52aとの間で、先行のキャリアテープ200上に重ねられた状態で、旋回レバーに54によって待機状態にされる。旋回レバー54は、図8Dに示すように、X軸方向に延在する回転シャフト60によって支持され、この回転シャフト60を中心として自由に旋回する。また、旋回レバー54は、回転シャフト60を中心として旋回可能な、付勢ブロック52のガイド面52aと対向する自由端54aを備える。旋回レバー54の自由端54aは、後続のキャリアテープ200’のテープ送り方向Aの前端212’と当接し、後続のキャリアテープ200’を待機させる。
旋回レバー54がX軸方向に延在する駆動バー56によって駆動されることにより、その自由端54aは、回転シャフト60を中心として旋回し、付勢ブロック52のガイド面52aに対して接近するまたは離間する。駆動バー56のX軸方向の両端は、Z軸方向に移動可能な昇降ブロック58に取り付けられた支持部材62によって支持されている。駆動バー56と昇降ブロック58との間をキャリアテープ200が通過できるように駆動バー56は支持部材62を介して昇降ブロック58に対して設けられている。
昇降ブロック58は、Z軸方向に移動可能に本体部12に設けられ、キャリアテープ200の裏面200bと当接するガイド面58aを備える。昇降ブロック58はまた、ばね64によって旋回レバー54に向かって付勢されている。さらに、昇降ブロック58は、そのガイド面58aと付勢ブロック52のガイド面52aとが同一高さ(Z軸方向位置)に維持されるように付勢ブロック52と係合し、付勢ブロック52と連動する。
自動送り機構50の構成要素である付勢ブロック52、旋回レバー54、駆動バー56、昇降ブロック58、ばね60、支持部材62、およびばね64は、以下のことが実現できるように構成されている。
図8Bおよび図8Cに示すように、本体部12のガイド面12eと付勢ブロック52のガイド面52aとの間に1つのキャリアテープ200が存在する場合には、駆動バー56は上昇し、付勢ブロック52のガイド面52aから旋回レバー54の自由端54aまでのZ軸方向の距離が1つのキャリアテープ200の厚さに比べて大きくなるように、自動送り機構50の各構成要素は構成されている。これにより、本体部12のガイド面12eと付勢ブロック52のガイド面52aとの間に存在する1つのキャリアテープ200は、旋回レバー54の自由端54aと付勢ブロック52のガイド面52aとの間をテープ送り方向Aに通過することができる。
これに対して、図8Dに示すように、本体部12のガイド面12eと付勢ブロック52のガイド面52aとの間に先行のキャリアテープ200と後続のキャリアテープ200’とがテープ厚さ方向(Z軸方向)に重なった状態で存在する場合には、駆動バー56が下降し、付勢ブロック52のガイド面52aから旋回レバー54の自由端54aまでのZ軸方向の距離は、先行のキャリアテープ200の厚さに比べては大きいが、先行のキャリアテープ200と後続のキャリアテープ200’の合計厚さに比べては小さくなるように、自動送り機構50の各構成要素は構成されている。これにより、付勢ブロック52のガイド面52a側の先行のキャリアテープ200は付勢ブロック52のガイド面52aと旋回レバー54の自由端54aとの間をテープ送り方向Aに通過することができる。その一方で、本体部12のガイド面12e側の後続のキャリアテープ200’は、先行のキャリアテープ200と旋回レバー54の自由端54aとの間をテープ送り方向Aに通過することができず、その結果として旋回レバー54によって待機状態にされる。
図8Eに示すように、スプロケット16、18によってテープ送り方向Aに送られる先行のキャリアテープ200のテープ送り方向Aの後端(後端面)216が後続のキャリアテープ200’のテープ送り方向Aの前端212’を通過すると、付勢ブロック52がばね60に付勢されて本体部12のガイド面12e(スプロケット14)に向かって移動する。これにより、後続のキャリアテープ200’のみが、本体部12のガイド面12eと付勢ブロック52のガイド面52aとの間に挟持される。その結果として、駆動バー56が上昇することにより、旋回レバー54の自由端54aが付勢ブロック52のガイド面52aから離間するように移動し、付勢ブロック52のガイド面52aと旋回レバー54の自由端54aとの間に、後続のキャリアテープ200’が通過可能な間隙が形成される。後端検出センサ80が先行のキャリアテープ200のテープ送り方向Aの後端216を検出すると、後続のキャリアテープ200’は、スプロケット14によってテープ送り方向Aに送られて、付勢ブロック52のガイド面52aと旋回レバー54の自由端54aとの間を通過する。
本実施の形態によれば、テープ長手方向に送られるキャリアテープ200のテープ送り方向Aの前端212側からトップテープ206がテープ長手方向に所定量Lでプレ剥離用ブレード32によって剥離され、トップテープ206とベーステープ204との間に隙間Gが事前に形成される。この事前に形成された隙間Gを介することにより、部品供給装置10のメインブレード20の剥離部22の刃先先端22dは、テープ長手方向のテープ送り方向Aに移動するキャリアテープ300におけるトップテープ206とベーステープ204との間により確実に進入することができる。
また、市場に流通しているキャリアテープ200のトップテープ206の厚さはベーステープ204の厚さに比べて十分に薄く、実質的に同一(例えば、0.04〜0,07mm)である。したがって、トップテープ206をテープ厚さ方向にガイドブロック34のガイド面34aに当接させた状態でキャリアテープ200を相対的に移動させて、プレ剥離用ブレード32をベーステープ204とトップテープ206との間にテープ長手方向に進入させることにより、様々な厚さや形態のベーステープ204を備えるキャリアテープ200からトップテープ206を前端212側からテープ長手方向に容易に所定量Lで剥離することができる。
さらに、トップテープ206を事前に剥離するプレ剥離位置Rがテープ経路P上に設けられず、テープ経路Pの上方に配置されているため、先行のキャリアテープ200の部品供給位置Qに向かうテープ送り方向Aの送りを中断することなく、後続のキャリアテープ200’のトップテープ206’を事前に剥離することができる。
以上、上述の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、図8Cに示すようにプレ剥離位置R上に配置されるキャリアテープ200の収容部202に収容されている部品を認証する部品認証装置(図示せず)を、部品供給装置10に設けてもよい。
例えば、部品認証装置は、押圧ブロック34のガイド面34aに当接した状態のキャリアテープ200の収容部202あるいはキャリアテープ200の供給リール(図示せず)を撮影するカメラ(図示せず)と、カメラの撮影画像に基づいて収容部202内の部品の認証を行う画像処理装置(図示せず)とを有する。これにより、例えば、先行のキャリアテープ200と異なる種類のキャリアテープが後続のキャリアテープ200’として部品供給位置Qに向かうテープ送り方向Aに誤って送られることが抑制される。なお、プレ剥離位置R上のキャリアテープ200の収容部202に収容されている部品の認証が完了すると、ガイドブロック34が初期位置T0のプレ剥離位置R上のキャリアテープ200を押圧して下方に移動させてテープ経路P上のテープ送り高さ位置T1に配置するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態の場合、図5に示すように、キャリアテープ200のテープ経路Pの上方に配置されたプレ剥離位置Rでトップテープ206が事前に剥離されるが、これに限らない。
例えば、キャリアテープ200のテープ経路P上のテープ送り高さ位置T1に、トップテープ206を事前に剥離するプレ剥離位置を設けてもよい。例えば、図10は、テープ経路P上にプレ剥離位置R’が設けられた別の実施の形態の部品供給装置のテープ経路の一部を示している。
キャリアテープ200は、キャリアテープ200のトップテープ206の主面206aと当接するガイド面312fとキャリアテープ200の裏面200bと当接するガイド面312gとに案内され、テープ経路Pに沿って部品供給位置に向かうテープ送り方向Aに送られる。これらのガイド面312f、312gとの間の空間にプレ剥離位置R’が設けられている、すなわちテープ経路P上にプレ剥離位置R’が設けられている。このプレ剥離位置R’に対してテープ厚さ方向に相対的に進退可能なプレ剥離機構300が部品供給装置に設けられている。
プレ剥離機構300は、テープ経路Pに対して直交する方向にプレ剥離位置R’に対して進退可能なブロックで構成される。また、プレ剥離機構300は、キャリアテープ200(200’)のテープ送り方向Aの前端212(212’)側からテープ長手方向にトップテープ206(206’)とベーステープ204(204’)との間に進入して、ベーステープ204(204’)からトップテープ206(206’)を剥離するプレ剥離用ブレード302と、キャリアテープ200(200’)のテープ送り方向Aの前端212(212’)側と接触する平面で構成されるストッパー部304とを有する。
プレ剥離用ブレード302は、ストッパー部304からテープ送り方向Aと逆方向に所定量L突出している。また、プレ剥離機構300が初期位置T0’からテープ経路P上のテープ送り高さ位置T1’に相対的に移動すると、そのプレ剥離用ブレード302の先端302aは、キャリアテープ200のトップテープ206の主面206aと当接するガイド面312fに対して該ガイド面312fと直交する方向に距離D離れた位置のテープ経路P上のテープ送り高さ位置T1’としてのプレ剥離位置R’に配置される。
プレ剥離機構300は、先行のキャリアテープ200のテープ送り方向Aの後端216がプレ剥離位置R’を通過すると、図10の実線で示すように、テープ経路P上に移動する。そして、後続のキャリアテープ200’のテープ送り方向Aの前端212’側がプレ剥離機構300のストッパー部304に接触し、プレ剥離用ブレード302がトップテープ206’とベーステープ204’との間にテープ長手方向に所定量Lで進入する。これにより、後続のキャリアテープ200’においてトップテープ206’が事前に剥離される。後続のキャリアテープ200’の事前剥離が完了すると、プレ剥離機構300は、図10の二点鎖線に示すように、テープ経路P上のテープ送り高さ位置T1からテープ厚さ方向に相対的に退避する。
本発明は、テープ長手方向に送られるキャリアテープのテープ送り方向の前端側からトップテープとベーステープとの間に剥離部材の刃先を進入させて、トップテープを移動中のキャリアテープから連続的に剥離する部品供給装置に対して適用可能である。
10 部品供給装置
12d ストッパー部(壁面)
20 第2のブレード(メインブレード)
30 プレ剥離機構
32 第1のブレード(プレ剥離用ブレード)
34 ガイド部(ガイドブロック)
200 キャリアテープ
202 収容部
204 ベーステープ
206 トップテープ
212 前端
P テープ経路
R プレ剥離位置

Claims (5)

  1. 部品を収容する複数の収容部がテープ長手方向に並んで形成されたベーステープおよび収容部を覆うようにベーステープに貼り付けられたトップテープを備えるキャリアテープを、テープ長手方向のテープ送り方向に送る部品供給装置であって、
    キャリアテープのテープ送り方向の前端側からテープ長手方向にトップテープとベーステープとの間に進入して、ベーステープからトップテープを剥離する第1のブレードと、
    キャリアテープの前端側におけるトップテープとベーステープとの間に第1のブレードが進入するように、トップテープと当接してキャリアテープを第1のブレードに案内するガイド部と、
    ベーステープのテープ送り方向の前端側と接触して、トップテープとベーステープとの間への第1のブレードのテープ長手方向の進入量を所定量に制限するストッパー部と、
    第1のブレードによってキャリアテープの前端側からテープ長手方向にトップテープが所定量剥離された状態のキャリアテープをテープ長手方向のテープ送り方向に送るテープ送り機構と、
    テープ送り機構によって移動中のキャリアテープにおける第1のブレードによってテープ長手方向に所定量剥離されたトップテープとベーステープとの間にキャリアテープのテープ送り方向の前端側からテープ長手方向に進入して、ベーステープの収容部内の部品が露出するようにベーステープからトップテープを少なくとも部分的に且つ連続的に剥離する第2のブレードと、を有する部品供給装置。
  2. キャリアテープのテープ経路に、テープ送り機構および第2のブレードが配置され、
    第1のブレードによってトップテープがテープ長手方向に所定量剥離されるプレ剥離位置が第2のブレードよりテープ経路の上流側でかつテープ経路の上方に配置され、
    ガイド部が、プレ剥離位置上でテープ長手方向にトップテープが所定量剥離された状態のキャリアテープを押圧して移動させテープ経路上に配置する、請求項1に記載の部品供給装置。
  3. プレ剥離位置上のキャリアテープの収容部に収容されている部品を認証する部品認証装置をさらに有し、
    部品認証装置の部品認証が完了すると、ガイド部がプレ剥離位置上のキャリアテープを押圧してテープ経路上に配置する、請求項2に記載の部品供給装置。
  4. キャリアテープのテープ経路に、第1のブレード、ガイド部、ストッパー部、テープ送り機構、および第2ブレードが配置され、
    第1のブレードおよびストッパー部が、テープ長手方向にトップテープを所定量剥離した後、テープ経路から相対的に退避するように構成されている、請求項1に記載の部品供給装置。
  5. 部品を収容する複数の収容部がテープ長手方向に並んで形成されたベーステープおよび収容部を覆うようにベーステープに貼り付けられたトップテープを備えるキャリアテープを、テープ長手方向のテープ送り方向に送る部品供給方法であって、
    キャリアテープのテープ送り方向の前端側におけるトップテープとベーステープとの間に第1のブレードが進入するように、トップテープと当接するガイド部によってキャリアテープを第1のブレードに案内し、
    ガイド部によって案内されたキャリアテープのテープ送り方向の前端側からトップテープとベーステープとの間に第1のブレードをテープ長手方向に進入させてベーステープからトップテープを剥離し、
    ベーステープのテープ送り方向の前端側にストッパー部を接触させて、トップテープとベーステープとの間への第1のブレードのテープ長手方向の進入量を所定量に制限し、
    第1のブレードによってキャリアテープの前端側からテープ長手方向にトップテープが所定量剥離された状態のキャリアテープをテープ長手方向のテープ送り方向に送り、
    移動中のキャリアテープにおける第1のブレードによってテープ長手方向に所定量剥離されたトップテープとベーステープとの間にキャリアテープのテープ送り方向の前端側からテープ長手方向に第2のブレードを進入させて、ベーステープの収容部内の部品が露出するようにベーステープからトップテープを少なくとも部分的に且つ連続的に剥離する、部品供給方法。
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