JP5936574B2 - 偏光位相差板およびレーザ加工機 - Google Patents

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Description

本発明は、微細な周期構造から生じる構造複屈折を利用した遠赤外光用の偏光位相差板に関する。また本発明は、この偏光位相差板を用いたレーザ加工機に関する。
プリント基板等の被加工物に、孔あけ加工等の加工を行う従来のレーザ加工機として、以下の構成を備えたものが知られている。1つのレーザ光を第1の偏光ビームスプリッタで2つのレーザ光に分岐し、一方のレーザ光はミラーを経由し、他方のレーザ光は第1のガルバノスキャナでYZ2軸方向に走査し、2つのレーザ光を第2の偏光ビームスプリッタへ導いた後、第2のガルバノスキャナでXY2軸方向に走査し、XYステージ上の被加工物を加工している。ここで、第1の偏光ビームスプリッタを透過したレーザ光は、第2の偏光ビームスプリッタで反射され、一方、第1の偏光ビームスプリッタで反射したレーザ光は、第2の偏光ビームスプリッタを透過するような光路を構成している。このレーザ加工機は、2つのレーザ光を別個に走査することにより、同時に2箇所の加工を行なうことができる(例えば、特許文献1参照)。なお、このようなレーザ加工機の光源は、炭酸ガスレーザを用いたものが主流となっている。
しかしながら、上記従来のレーザ加工機では、被加工物に照射される2つのレーザ光が、互いに90°偏光方向が異なる直線偏光であるために、被加工物の材質によっては、レーザ光の直線偏光成分によって加工孔が楕円になるという課題がある。また、どのレーザ光で加工したかによって、楕円加工孔の長軸方向が異なるという課題がある。このように加工孔が楕円となる現象は、被加工物が銅箔である場合に顕著である。
このような課題に対処するために、第2の偏光ビームスプリッタとガルバノの間の光路に、市販の反射型の位相差板を挿入し、円偏光化することが考えられるが、折り返し光路の分、Fθレンズから第1ガルバノスキャナが離れてしまうため、第1ガルバノスキャナで、走査できる範囲が狭くなる、また、レンズ収差が大きくなり、加工品質が悪化することになる。
このため、透過型の偏光位相差板を設置することで、直線偏光のレーザ光を、円偏光化または楕円偏光化することが望まれる。偏光位相差板として、微細な周期構造から生じる構造複屈折を利用したものが知られている(例えば、特許文献2〜4等)。特に、特許文献2,3では、凸部をテーパ形状にして、フレネル反射を抑制している。特許文献4では、基板材料として遠赤外光を透過できるセレン化亜鉛(ZnSe)を用いており、表面にYFを用いることで、フレネル反射を低減している。
材料の複屈折特性を利用した偏光位相差板を製造する場合、遠赤外光を透過できる材料としては、硫化カドミウム(CdS)が挙げられる。
国際公開第2003/082510号 特開2007−178793号公報 特開2005−044429号公報 特開2011−232551号公報 特開2006−258914号公報 特開2008−096892号公報 特開2008−279597号公報 特開2006−323059号公報 特開2005−177788号公報
しかしながら、硫化カドミウムは、酸の混入で有毒な硫化水素を発生するため、製造場所、使用場所での環境対策の観点から取扱いが困難である。
また、特許文献2では基板材料として熱可塑性樹脂を用い、特許文献3では基板材料としてガラスを用いているため、いずれの材料も遠赤外光を吸収してしまう。
特許文献4では、ZnSeを用いているため、加工の際、有毒ガスが発生する。そのため特殊な廃棄設備が必要であり、容易に加工できない。また、表面に積層されたYFは、吸収率が高いため、高エネルギーレーザ光を透過させた場合は、吸収による温度上昇で、熱レンズが発生する。熱レンズとは、吸収による温度上昇で、光学素子内に温度分布が発生し、レンズ効果が発生する現象である。レーザ加工機の場合、熱レンズが発生すると、ビームの集光点が被加工物表面から離れ、加工品質が悪化する不具合となる。
本発明の目的は、製作が容易で、遠赤外光の透過光量損失が少ない透過型の偏光位相差板を提供することである。
また本発明の目的は、1つのレーザ光を2つのレーザ光に分岐して2箇所の同時加工を行なう方式において、真円状の加工孔を形成できるレーザ加工機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、基板の少なくとも一方の主面に、基板と同一でかつ単一の材料で、複数の凸部が整列された一定の周期Pを有する回折格子が形成され、前記回折格子の構造性複屈折を利用した偏光位相差板であって、
前記回折格子の周期Pは、入射光の波長λ、基板材料の屈折率nを用いて、P<λ/nを満たし、
前記凸部の断面形状は、その底部から頂部に渡ってテーパ形状に形成され、
基板材料として、ZnSを用いたことを特徴とする。
また本発明は、1つのレーザ発振器から出射されたレーザ光を第1の偏光ビームスプリッタで2つの直線偏光レーザ光に分岐し、第2の偏光ビームスプリッタで該2つの直線偏光レーザ光を集めてガルバノスキャナのミラーに入射させ、ガルバノスキャナにて走査して被加工物に照射し、該被加工物の所定位置に孔あけ加工を行うレーザ加工機において、
第2の偏光ビームスプリッタとガルバノスキャナとの間に、上記の偏光位相差板を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、遠赤外光の透過光量損失が少ない透過型の偏光位相差板が得られる。また、こうした偏光位相差板を利用したレーザ加工機では、品質の高いレーザ加工を実現できる。
本発明の実施の形態1による偏光位相差板を示す斜視図である。 偏光位相差板の加工手順を示す断面図である。 本発明の実施の形態2による偏光位相差板を示す断面図である。 本発明の実施の形態3による偏光位相差板を示す断面図である。 本発明に係る偏光位相差板を搭載したレーザ加工機の一例を示す構成図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による偏光位相差板を示す斜視図である。偏光位相差板100は、基板102と、基板102の少なくとも一方の主面に、基板102と同一でかつ単一の材料で形成された回折格子とを備える。回折格子は、x方向と平行に直線状に延びる複数の凸部103が、y方向に沿って一定の周期Pで整列することによって構成される。
こうした回折格子に向けて光がz方向に沿って入射した場合、x方向の偏光成分(TE偏光)に関する有効屈折率と、y方向の偏光成分(TM偏光)に関する有効屈折率とが互いに異なるようになり、いわゆる構造性複屈折が生ずる。その結果、TE偏光とTM偏光との間で伝搬速度差が生じ、この伝搬速度差に対応した位相差(リターデーション)に応じて楕円偏光が発生する。この位相差をπ/2に設定した場合、回折格子は、直線偏光を円偏光に変換したり、円偏光を直線偏光に変換する4分の1波長板と同等な機能を示す。また、位相差をπに設定した場合、回折格子は、TE偏光をTM偏光に変換したり、TM偏光をTE偏光に変換する2分の1波長板と同等な機能を示す。
こうした回折格子の正確なリターデーションおよび透過率は、厳密な電磁解析法の1つであるRCWA法(厳密波結合法)でほぼ正確に計算できることが知られている。
このような微細周期構造において、入射光が回折せず「0次光」としてそのまま透過する条件は、周期Pが下記の式(1)を満たす場合である。
P<λ/(max[n,n]+n・sinΦmax) …(1)
但し、λは、使用する光の波長であり、Φは、偏光位相差板に対する光の入射角度である。また、nは、偏光位相差板を構成する基材の屈折率であり、nは、入射側の媒質(空気)の屈折率である。式(1)より、P<λ/nを満たすようにしておけば、Φ=0°の垂直入射光でも、高次回折光の損失を防止できることが判る。
凸部103の断面形状は、その底部から頂部に渡って角度θのテーパ形状106に形成されている。なお、θ=0°の場合は、テーパなしのラメラ形状となる。凸部103の頂部には、基板102の主面に対して平行な上部平坦部104が形成されている。凸部103の底部には、隣りの凸部103との間に介在するように、基板102の主面に対して平行な底部平坦部105が形成されている。
次に、基板材料について説明する。遠赤外光を透過する代表的な材料であって、加工しても有毒物の発生しない比較的扱いやすい材料として、ゲルマニウム(Ge、屈折率n=4.004)がある。下記(表1)は、基板材料としてGeを用いたときの設計データの一例を示す。計算手法は、RCWA法(厳密波結合法)を使用した。使用波長は、炭酸ガスレーザの9.29μmとし、空気の屈折率は1とした。
Figure 0005936574
凸部103の断面形状は、その底部から頂部に渡って傾斜角度θのテーパ形状106とした。図1に示す深さHは0〜15[μm]、フィリングファクターfは0〜1、テーパ部の傾斜角度θは0°〜90°の範囲内で、これら3個のパラメータの組み合わせを総当たりで計算し、リターデーションが、狙いの値になり、かつ、凸部103の上部平坦部104の寸法Ltが0.3mm以上、かつ、底部平坦部105の寸法Lbが0mm以上である条件を満たす中で、Te反射率及びTm反射率の高い方が最も小さくなる条件を探索した結果を(表1)に示している。
フィリングファクターfは、凸部103の高さHの半分の位置(H/2)における、凸部103の幅Wの周期Pに対する比率、即ち、f=W/Pの値である。周期Pは、P<λ/nの範囲で、λ/nに近い値として、2.31μmとした。
(表1)を見ると、基板材料としてGeを用いた場合、リターデーションがλ/2,λ/4,λ/8のとき、Te反射率は5%を遙かに超え、非常に高いことがわかる。Tm反射率は、リターデーションがλ/8のときに高くなることが判る。
凸部103に傾斜部を設けることで、反射率が低減されることが、知られているが、遠赤外光においては、十分に、反射率を低減できないことがわかる。特に、比較的アスペクト比が小さく製造が容易なλ/8等の低位相差の場合に、Te反射率は20%以上になり、実用に耐えない。
遠赤外用材料は、可視光用材料(屈折率1.5程度)と比較して、屈折率が高く、フレネル反射が大きく、エネルギー利用率が低い。特に位相差が小さい位相差板ほど、格子深さHが浅くなるため、厚み方向の屈折率変化が急となって反射率が高くなり、その影響は大きい。
次に、基板材料として、屈折率nが2.2以下の材料、例えば、硫化亜鉛(ZnS)を使用した場合を説明する。(表1)のGeの場合と同様の手法を用いて、ZnSについて反射率が最も小さくなる条件を探索した結果を(表2)に示す。このとき凸部103の上部平坦部104の寸法Ltは、0.3mm以上とした。周期Pは、P<λ/nの範囲で、λ/nに近い値として、4.22μmとした。
Figure 0005936574
(表2)を見ると、基板材料としてZnSを用いた場合、リターデーションがλ/2,λ/4,λ/8のとき、Te反射率及びTm反射率はいずれも1.4%以下になり、Geを用いた場合よりも、遙かに小さく抑えることができ、エネルギー利用効率の良い遠赤外光用の位相差板が得られることが判る。特に、比較的アスペクト比が小さく製造が容易なλ/8等の低位相差の場合に、Te反射率は1.4%を示し、実用に耐え得る位相差板が得られる。
このように、構造性複屈折を利用する位相差板で遠赤外光を透過させる場合、材料の屈折率が高いものが多いため、そのフレネル反射を抑制するためには、屈折率の選択が重要である。
また、周期Pについても、P<λ/nの関係から、屈折率が2.2以下のZnSを用いた場合、周期Pは4.22μm程度まで大きくでき、研削機械加工または、i線ステッパーによるフォトリソグラフィとエッチング加工を用いて比較的容易に加工できるという利点が得られる。
また、ZnSは、加工しても有毒ガスは発生しないため、特別な廃棄物処理設備が不要で、設備投資が抑えられる。
また、ZnSを使用した場合、特許文献4のように格子表面にYF等の層が不要なため、低コストになる。また、ZnSの吸収係数は10−5[1/cm]であるのに対して、YFの吸収係数は10[1/cm]程度と非常に高いため、YF層の不使用により、レーザ光の吸収による熱レンズの発生を防止できる。この結果、反射率が高いため高エネルギーのレーザ光が必要とされる銅箔加工においても、高品質な加工が実現できる。
次に、偏光位相差板100の製法について説明する。ここでは、凸部103の頂部に平坦部104を設けた構造を得るために、エッチングプロセスを用いて加工した場合を例示する。凸部103の頂部に平坦部104を設けると、界面での屈折率変化が不連続で急となるため、フレネル反射が大きくなる懸念があるが、ZnSの場合、遠赤外光を透過する材料の中では、屈折率が比較的小さいため、平坦部104の寸法Ltが0.3μm程度でも、反射率は1.4%以下と小さく、十分使用に耐えるものであることが、上記の解析結果から判る。
加工手順は、図2(a)に示すように、ZnSからなる基板102の表面に、リソグラフィを用いてフォトレジストをパターン形成し、平坦部104の平面形状に対応したマスク110を設置する。そして、図2(b)に示すように、マスク110を用いて基板102をエッチングし、最後に、マスク110を除去する。
ドライエッチングを使用した場合、その課題はテーパの角度を狙い値に精度良く加工することである。今回は、ほぼ等方性ドライエッチングとなるイオンミリング装置を用い、イオンビームの基板への入射角度を調整することで、テーパの角度が狙い値になるように、調整した。この方法によって、(表2)のλ/8の位相差格子の断面形状に加工できることを実験で確認した。
また、イオンミリングの代わりに、反応性イオンエッチング(RIE)等の異方性ドライエッチングを用いて加工してもよい。エッチング条件を、横方向エッチングも進行するように、言い換えれば、等方的エッチングが行われるように選択して、上部に行くほど幅が狭くなるような順テーパ形状に加工してもよい。具体的には、エッチングガスの流量、圧力を変えることにより、異方的エッチング条件から、アンダーカットの大きい等方的エッチング条件までを選択することができ、これによりテーパ角θが決まる。
一方、凸部103の頂部に平坦部がない形状の場合は、テーパ形状106を研削加工する必要があるが、レーザ加工機の光学素子は直径50mm程度と大きいため、加工時間が長く、高コストの問題がある。これに対して、エッチング加工は、広い面を一度に加工できるため加工時間が短く、比較的安価であるという利点がある。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2による偏光位相差板を示す断面図である。実施の形態1では、基板102の片面に回折格子を形成した場合を説明したが、本実施形態では、偏光位相差板100は、基板102の両面に、基板102と同一でかつ単一の材料で形成された回折格子を備える。
基板102の上面にある回折格子および、基板102の下面にある回折格子は、凸部103の位置、周期およびテーパ形状が互いに一致するように、上下対称形である。こうした回折格子の両面設置により、片面設置と比べて、偏光位相差板100のリターデーションを2倍に増加させることができる。
また、基板材料として硫化亜鉛(ZnS)を使用することにより、実施の形態1と同様に、反射率が小さく、透過光量損失が少ない透過型の偏光位相差板が得られる。
その製法に関して、実施の形態1と同様に、イオンミリング、反応性イオンエッチングなどのドライエッチングを使用することができる。
実施の形態3
図4は、本発明の実施の形態3による偏光位相差板を示す断面図である。本実施形態では、実施の形態1に係る偏光位相差板100を2枚用いて、凸部103同士が向かい合うように重ね合わせることによって、積層タイプの偏光位相差板を構成している。接合方法は、接着、融着、機械的圧接などが使用できる。また、接合せずに、2枚重ねた位相差板をレンズホルダー等で、位相差板の端部を機械的に挟み込み固定してもよい。
実施の形態1の偏光位相差板100は、凸部が外気に露出しているため、空気中に浮遊する異物等が凸部と凸部の谷間に付着することがある。異物がいったん付着すると、取り除くことが困難である。異物が付着した状態で高エネルギーのレーザ光を通過させた場合、異物が光を吸収し、光学素子に温度分布が発生し、熱レンズが発生するという問題がある。
本実施形態では、2枚の偏光位相差板100を、凸部103が向かい合うように重ね合わせているため、凸部103が外気に触れることがなく、空気中に浮遊するゴミ等の異物が凸部に付着することを防止できる。その結果、高エネルギーのレーザ光が通過した場合でも、熱レンズの発生を防止することができ、レーザ加工においては、高品質な加工が実現できる。
また、積層した偏光位相差板をレーザ光が通過する場合、同じ回折格子を2回通過することになり、偏光位相差板100のリターデーションを2倍に増加させることができる。逆に言えば、偏光位相差板の1枚使用と同じリターデーションを得る場合は、1つの回折格子のリターデーションは半分で足りることになる。(表2)を参照すると、リターデーションが小さいほど、凸部のアスペクト比は小さくなるため、回折格子の製造がより容易になる。
以上、片面回折格子の偏光位相差板(図1)を2枚用いて積層した例を説明したが、片面回折格子の偏光位相差板(図1)を3枚以上積層した構成、両側回折格子の偏光位相差板(図3)を2枚以上積層した構成、片面回折格子の偏光位相差板(図1)と両側回折格子の偏光位相差板(図3)を組み合わせた構成、なども同様に使用できる。
実施の形態4.
図5は、本発明に係る偏光位相差板を搭載したレーザ加工機の一例を示す構成図である。レーザ加工機は、特許文献1と同様に、プリント基板等の被加工物に孔あけ加工等の加工を行うために、1つのレーザ光を2つのレーザ光に分岐して2箇所の同時加工を行なう方式を採用している。
COレーザ発振器1から出力された直線偏光レーザ光2が、リターダ3によって円偏光に変換され、ミラー5を経由した後、第1の偏光ビームスプリッタ6によって2つのレーザ光に分岐される。一方のレーザ光7は、ミラー5を経由し、他方のレーザ光8は第1のガルバノスキャナ11によってYZ2軸方向に走査される。2つのレーザ光7,8は、第2の偏光ビームスプリッタ9に導入されて合流し、第2のガルバノスキャナ12によってXY2軸方向に走査され、fθレンズ10によって集光されてXYステージ14上の被加工物13を加工する。
第1の偏光ビームスプリッタ6を透過したレーザ光7は、第2の偏光ビームスプリッタで反射され、一方、第1の偏光ビームスプリッタ6で反射したレーザ光8は、第2の偏光ビームスプリッタ9を透過するような光路を構成している。このレーザ加工機は、2つのレーザ光を別個に走査することにより、同時に2箇所の加工を行なうことができる。
このようなレーザ加工機において、第2の偏光ビームスプリッタ9と第2のガルバノスキャナ12との間を通るレーザ光の偏光方向(7a及び8a)は直交しており、この場所に、実施の形態1〜3に係る1/4波長の偏光位相差板100を設置するとともに、凸部103の長手方向111(図1のx方向)が、入射する2本のレーザ光7,8の偏光方向(7a及び8a)に対して45°の角度をなすように位置決めしている。
1/4波長の偏光位相差板100は、第2の偏光ビームスプリッタ9から出射された直線偏光のレーザ光7,8を円偏光レーザ光にそれぞれ変換する。その結果、被加工物13には、2つの円偏光レーザ光7,8が照射され、真円状の孔を形成することができる。
本実施形態では、透過型の偏光位相差板100を使用しているため、第2の偏光ビームスプリッタ9と第2のガルバノスキャナ12との間の光路を延ばす必要がなく、収差で加工品質が低下することもない。
なお、偏光位相差板100を用いて直線偏光を円偏光に変換する場合、λ/4の位相差が理想であるが、λ/4波長からずれて円偏光度が30%程度になっても、偏光依存性のない、真円状の孔加工が可能であることが実験で判明しており、λ/4近傍に限定されるものではない。もちろん、λ/8の位相差板を2枚用いて、1/4波長板として機能させてもよいし、図3に示すように、λ/8の回折格子を基板の両面に施して、全体として1/4波長板として機能させてもよい。
また、本実施形態では、第1の偏光ビームスプリッタ6に入射するレーザ光が円偏光の場合について説明したが、偏光方向がY軸に対して45傾斜した直線偏光を第1の偏光ビームスプリッタ6に入射するようにしてもよい。
1 レーザ発振器、 2 レーザ光、 3 リターダ、 5 ミラー、
6 第1の偏光ビームスプリッタ、 7,8 レーザ光、
9 第2の偏光ビームスプリッタ、 10 fθレンズ、
11 第1のガルバノスキャナ、 12 第2のガルバノスキャナ、
13 被加工物、 14 XYステージ、
100 偏光位相差板、 102 基板、 103 凸部、 104 上部平坦部、
105 底部平坦部、 106 テーパ形状、 110 マスク、
111 凸部の長手方向。

Claims (6)

  1. 基板の少なくとも一方の主面に、基板と同一でかつ単一の材料で、複数の凸部が整列された一定の周期Pを有する回折格子が形成され、前記回折格子の構造性複屈折を利用した偏光位相差板であって、
    前記回折格子の周期Pは、入射光の波長λ、基板材料の屈折率nを用いて、P<λ/nを満たし、
    前記凸部の断面形状は、その底部から頂部に渡ってテーパ形状に形成され、
    基板材料として、ZnSを用いたことを特徴とする偏光位相差板。
  2. 前記凸部の頂部には、基板の主面に対して平行な平坦部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の偏光位相差板。
  3. 基板の両面に、前記回折格子がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の偏光位相差板。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の偏光位相差板が複数積層されていることを特徴とする偏光位相差板。
  5. 回折格子の凸部が向かい合うように積層されていることを特徴とする請求項4記載の偏光位相差板。
  6. 1つのレーザ発振器から出射されたレーザ光を第1の偏光ビームスプリッタで2つの直線偏光レーザ光に分岐し、第2の偏光ビームスプリッタで該2つの直線偏光レーザ光を集めてガルバノスキャナのミラーに入射させ、ガルバノスキャナにて走査して被加工物に照射し、該被加工物の所定位置に孔あけ加工を行うレーザ加工機において、
    第2の偏光ビームスプリッタとガルバノスキャナとの間に、請求項1〜5のいずれかに記載の偏光位相差板を備えたことを特徴とするレーザ加工機。
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