JP5936460B2 - ガラスの溶解方法及びガラスの気中溶解装置 - Google Patents

ガラスの溶解方法及びガラスの気中溶解装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5936460B2
JP5936460B2 JP2012139029A JP2012139029A JP5936460B2 JP 5936460 B2 JP5936460 B2 JP 5936460B2 JP 2012139029 A JP2012139029 A JP 2012139029A JP 2012139029 A JP2012139029 A JP 2012139029A JP 5936460 B2 JP5936460 B2 JP 5936460B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
combustion
tubular flame
gas
flame burner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012139029A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014001118A (ja
Inventor
明志 毛笠
明志 毛笠
洋輔 白神
洋輔 白神
喜徳 久角
喜徳 久角
司 堀
司 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Osaka University NUC
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd, Osaka University NUC filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2012139029A priority Critical patent/JP5936460B2/ja
Publication of JP2014001118A publication Critical patent/JP2014001118A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5936460B2 publication Critical patent/JP5936460B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B3/00Charging the melting furnaces
    • C03B3/02Charging the melting furnaces combined with preheating, premelting or pretreating the glass-making ingredients, pellets or cullet
    • C03B3/026Charging the melting furnaces combined with preheating, premelting or pretreating the glass-making ingredients, pellets or cullet by charging the ingredients into a flame, through a burner or equivalent heating means used to heat the melting furnace
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/12Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture in shaft furnaces

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Combustion Of Fluid Fuel (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Description

本発明は、円筒状の燃焼室の側面に軸方向に沿って開口するスリットから前記燃焼室内面の接線方向に向けて、酸素含有ガスと燃料とを個別に、又は混合して噴出させて旋回燃焼させる管状火炎バーナの複数を、前記燃焼室同士を前記軸方向に連通させて接続し、前記軸方向で連通された複数の前記燃焼室の上流側端部を閉塞するガラスの溶解方法、及びそれに用いるガラスの気中溶解装置に関する。
従来から知られている管状火炎バーナは、断熱火炎温度が近似的に実現できる、燃料可燃範囲とほぼ等しい空気比範囲の燃焼が可能である、絞り比を大きく取れる、バーナの過熱が起き難く金属で製作できる等の特徴がある。これらの特徴をさらに伸ばすべく、改良が行われたものとして、以下のものが知られている。
特許文献1では、圧力損失の増加を抑えながら、絞り比を拡大すべく、大径と小径の管状火炎バーナを、その円筒状の燃焼室の軸方向で連通接続する構成において、切り換え燃焼させる複合管状火炎バーナが示されている。
特許文献2は、本願の発明者によるものであり、燃焼(燃焼反応)の完結を促進し、高負荷燃焼を可能とすべく、複数の管状火炎バーナを、その円筒状の燃焼室の軸方向で連通接続する構成において、各管状火炎バーナでの燃料流量又は空気比を変更可能な複合管状火炎バーナが示されている。
特許文献3では、本願の発明者によるものであり、燃焼負荷を増大させるべく、管状火炎バーナの燃料・燃焼用空気供給系を、その円筒状の燃焼室の軸方向で燃料流量及び空気比を変化させる構成、換言すると、軸方向に沿って設けられた燃料の燃焼用空気の供給口の口径を、軸方向に沿って変化させた構成を有する管状火炎バーナが示されている。
一方、ガラス原料を溶解する方法として、粉状のガラス材料やガラス片(カレット)をタンク釜に供給し、重油を主とした燃料を燃焼させて高温(例えば1500℃程度)として、長時間(例えば数日間)をかけて、その溶解を行うものがある。
例えば、最近のガラス原料の溶解方法として、燃料を酸素燃焼させて生じる高温火炎にプラズマを加えることで超高温場を作り出し、その超高温場にガラス原料を吹き込むことで、気流中で瞬時(例えば0.1秒程度)にガラス原料を溶解させるインフライトメルティングが知られている(特許文献4を参照)。
特開2004−93115号公報 特開2010−210101号公報 特開2010−210100号公報 特開2007−297239号公報
上記特許文献4に示されているガラス原料の溶解方法では、プラズマを長時間安定的に発生させるために電極の消耗が問題となると共に、電力という単価の高いエネルギーを熱として用いている点において、エネルギーの合理的な使用方法とは言い難いものであり、電力から熱への変化を必要としないガラス原料の溶解方法が望まれていた。
一方、上記特許文献1〜3に示されている管状火炎バーナでは、燃焼室壁が未燃混合気層に覆われているため、火炎の熱を対流で受け難い特徴があるものの、高温を得るべく、酸素燃焼(純酸素燃焼、酸素富化燃焼)を行うと、燃焼速度が上昇し、火炎が燃焼室壁に近づいて燃焼室壁を過熱すると共に、燃焼騒音が増加(例えば120dB程度)する。
当該燃焼室の過熱、燃焼騒音の増加を抑制する対策として、空気比を高めて希薄燃焼を行い、燃焼速度を低下させることが考えられるが、同時に火炎温度も低下するため、高温を得るという酸素燃焼の目的を損ない、しかも酸素コストの増大を招くため、採用することはできなかった。
このような事情から、上述した特許文献1〜3に開示されている管状火炎バーナにて、燃焼室壁の過熱を抑えると共に、燃焼騒音を抑制しながらも、高温を得ることは難しく、当該管状火炎バーナを、ガラス原料を溶解する方法として採用することには、問題があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラス溶解に用いる管状火炎バーナに濃淡燃焼技術を組み合わせることにより、燃焼室壁の過熱を抑えると共に、燃焼騒音を抑制しながらも、高温により、適切にガラス溶解を実行可能な、ガラスの溶解方法、及びガラスの気中溶解装置を提供する点にある。
〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明のガラスの溶解方法の特徴構成は、
円筒状の燃焼室の側面に軸方向に沿って開口するスリットから前記燃焼室内面の接線方向に向けて、酸素含有ガスと燃料とを個別に、又は混合して噴出させて旋回燃焼させる管状火炎バーナの複数を、前記燃焼室同士を前記軸方向に連通させて接続し、燃焼ガスの流動方向において複数の前記燃焼室の上流側端部を閉塞し、燃焼ガスの流動方向で下流側が鉛直方向で下方側となるように設け、
複数の管状火炎バーナにおいて、少なくとも一の管状火炎バーナで、空気比が1より小さい燃料過濃状態で燃料を燃焼させ、少なくとも他の管状火炎バーナで、空気比が1より大きい燃料希薄状態で燃料を燃焼させ、
前記燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナと、前記燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナとの総括の空気比を量論空気比の近傍とし、
ガラス原料粉末が浮遊された搬送気体を前記燃焼室の前記上流側端部から前記燃焼室に導入し、溶解ガラス化反応により生じたガラス液滴を前記燃焼室の下流側端部下方にて受け止め回収する点にある。
上記目的を達成するための本発明のガラスの気中溶解装置の特徴構成は、
円筒状の燃焼室の側面に軸方向に沿って開口するスリットから前記燃焼室内面の接線方向に向けて、酸素含有ガスと燃料とを個別に、又は混合して噴出させて旋回燃焼させる管状火炎バーナの複数を、前記燃焼室同士を前記軸方向に連通させて接続し、燃焼ガスの流動方向において複数の前記燃焼室の上流側端部を閉塞し、燃焼ガスの流動方向で下流側が鉛直方向で下方側となるように設け、
少なくとも1つの前記管状火炎バーナにて、空気比が1より小さい燃料過濃状態で燃料を燃焼させると共に、少なくとも他の1つの前記管状火炎バーナにて、空気比が1より大きい燃料希薄状態で燃料を燃焼させる燃焼状態制御手段を備え、
前記燃焼状態制御手段は、前記燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナと、前記燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナとの総括の空気比を量論空気比の近傍とし、
ガラス原料粉末が浮遊された搬送気体を前記燃焼室の前記上流側端部から前記燃焼室に導入する導入部と、溶解ガラス化反応により生じたガラス液滴を複数の前記燃焼室の下流側端部下方にて受け止め回収する回収部とを備える点にある。
上記構成1のガラスの溶解方向及びガラスの気中溶解装置によれば、複数の管状火炎バーナにおいて、少なくとも一の管状火炎バーナで、空気比が1より小さい燃料過濃状態で燃料を燃焼させ、少なくとも他の管状火炎バーナで、空気比が1より大きい燃料希薄状態で燃料を燃焼させて、濃淡燃焼を行うことにより、各燃焼バーナにおける火炎形成では、空気比が量論空気比付近(例えば、λ=1.05〜1.15)とならず、激しい燃焼(最高燃焼速度近傍)を避けることができるから、火炎が燃焼室壁に近づくことによる燃焼室壁の過熱を抑制できると共に、燃焼騒音を低減できる。
さらに、総括での空気比を量論空気比付近に設定することで、不完全燃焼を抑えながら、排ガス損失を抑制し、断熱火炎温度に近い高温を得ることができるから、当該高温にて、ガラス原料粉末に、溶解ガラス化反応を生じさせることができる。
尚、燃焼ガスの流れ方向において、燃料過濃状態で燃料を燃焼させる管状火炎バーナと、燃料希薄状態で燃料を燃焼させる管状火炎バーナとの何れを上流側にするかは、適用目的とガラス原料粉末の搬送ガスによる。
ちなみに、燃料過濃状態で燃料を燃焼させる管状火炎バーナを上流側に配置すると輝炎が形成され、希薄火炎が長くなる傾向が強く、燃料希薄状態で燃料を燃焼させる管状火炎バーナを上流側に配置すると、不輝炎になりやすいが、圧力損失が大きくなる傾向がある。
また、管状火炎バーナにあっては、燃料の可燃範囲とほぼ等しい空気比範囲で安定燃焼を行うことができるので、空気比を量論空気比付近から大きく乖離させて燃焼させることが可能となり、上述の濃淡燃焼に適している。尚、一般的な濃淡燃焼は、燃料過濃燃焼と燃料希薄燃焼を空間的に分離して行う燃焼方法であり、時間的に分離して行うステージング燃焼(代表的には、空気二段燃焼、燃料二段燃焼)と異なる概念として捉えられている。本発明の場合、濃淡燃焼を、燃焼ガスの流れ方向で、上流側と下流側とで空間的に分離して行うことで、時間的にも分離して行うことにもなるため、両者の区別は付け難い。そこで、本発明にあっては、両者を含む意味で、「濃淡燃焼」を用いることとする。
尚、本発明において、「燃焼ガスの流れ方向」とは、管状火炎バーナにおける旋回を無視した燃焼ガスの流れ方向である
尚、ここで、複数の管状火炎バーナにおける燃焼ガスの旋回方向を同一方向とすることにより、よりスムーズな燃焼を実現できる。
尚、本願において、空気比が1より小さいとは、酸素含有ガスに含まれる酸素量が燃焼に必要となる理論酸素量より少なく、空気比が1より大きいとは、酸素含有ガスに含まれる酸素量が燃焼に必要となる理論酸素量より多いことを意味する。そして本願にあっては、酸素含有ガスとして、空気、酸素富化空気(例えば、全体の容積に対して40%以上の酸素を含む)、及び酸素のみ(酸素100%)を用いる場合ある。このような場合、空気比は、酸素含有ガスとして空気を用いる場合、実空気量/理論空気量として定義され、酸
素富化空気、酸素のみを用いる場は、それら酸素含有ガスに含まれる酸素量に注目し、実酸素量/理論酸素量として定義される。
更に、上記構成1によれば、燃料希薄燃焼状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナと、燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナとの総括の空気比を、量論空気比の近傍、例えば、λ=1.05〜1.15程度に設定することで、不完全燃焼を抑えながらも排ガス損失を抑制することができ、結果として酸素コストの上昇を回避することができる。なお、高温では燃焼反応が平衡状態に達して温度上昇が抑えられる結果、濃淡燃焼にて量論をずらして反応させても、その温度低下は限定されたものになる。
〔構成2〕
本発明のガラスの溶解方法の更なる特徴構成は、
前記燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナでの燃焼量を、前記燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナでの燃焼量よりも大きくする点にある。
本発明のガラスの気中溶解装置の更なる特徴構成は、
前記燃焼状態制御手段は、前記燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナでの燃焼量を、前記燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナでの燃焼量よりも大きくする点にある。
上記構成2によれば、燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナと、燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナとの総括での空気比を1以上に保つことができ、全体としての空気比を量論空気比付近(例えば、λ=1.05〜1.15)として、不完全燃焼を抑えながらも排ガス損失を抑制でき、断熱火炎温度に近い高温を得ることができる。
具体的には、燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナと、燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナとを、同形状で作成すると共に、燃料希薄状態の側における混合気の流量を、燃料過濃状態の側における混合気の流量よりも大きくして燃焼させることで、上記発明を実現できる。
また、本発明にあっては、燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナ、及び燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナのうち、燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナを、その燃焼室の軸方向において長くすることで、圧力損失の増加を避けることができる。
〔構成
本発明のガラスの溶解方法の更なる特徴構成は、
前記燃焼ガスの流動方向において、上流側の管状火炎バーナにて燃料過濃状態で燃料を燃焼させ、下流側の管状火炎バーナにて燃料希薄状態で燃料を燃焼させる点にある。
本発明のガラスの気中溶解装置の更なる特徴構成は、
前記燃焼ガスの流動方向において、上流側の管状火炎バーナにて燃料過濃状態で燃料を燃焼させ、下流側の管状火炎バーナにて燃料希薄状態で燃料を燃焼させる点にある。
上記構成によれば、燃焼ガスの流動方向において、上流側にて燃料過濃状態で燃料を燃焼させると共に、下流側にて燃料希薄状態で燃料を燃焼させることで、上流側の燃料過濃状態の燃料の燃焼にて生じる未燃成分を、下流側の燃料希薄状態で燃料を燃焼させる管状火炎バーナにて適切に燃焼して、燃焼効率を向上させることができる。
〔構成
本発明のガラスの溶解方法の更なる特徴構成は、
燃焼ガスの流動方向において、上流側に設けられている管状火炎バーナの内径を、下流側に設けられている管状火炎バーナの内径よりも小径とし、
双方の管状火炎バーナにおける旋回速度を等しくする点にある。
本発明のガラスの気中溶解装置の更なる特徴構成は、
燃焼ガスの流動方向において、上流側に設けられている管状火炎バーナの内径を、下流側に設けられている管状火炎バーナの内径よりも小径とし、
前記燃焼状態制御手段は、双方の管状火炎バーナにおける旋回速度を等しくする点にある。
管状火炎バーナを大径に設計しようとすると、燃焼室壁に近い火炎形成領域に高温が形
成されるが、その位置から中心に向かって温度は低下する傾向になる。このため、管状火炎の径方向において、温度分布が生じて、中心部でガラス原料粉末の溶解性能(ガラス粒子への熱伝達)を悪化することがあった。
上記構成によれば、大径の管状火炎の中に小径の管状火炎が入り込んだ二重の管状火炎が形成される。これは、上流側に設けられた小径の管状火炎バーナにて形成された小径の管状火炎が、その燃焼室から、下流側に設けられた大径の管状火炎バーナへはみ出す場合に限られる。
そして、このように2重の管状火炎が形成されることで、中心の温度低下傾向を抑えて、管状火炎の径方向での温度分布を平均化(あるいは中心部分を高く)することが可能となり、溶解性能を向上できる。
尚、当該発明において、旋回速度を同程度にするとは、一方側の旋回速度が、他方側の旋回速度の0.5倍〜2倍となるように、酸素含有ガスと燃料とを供給することを言うものとする。
〔構成
上記目的を達成するためのガラスの溶解方法の特徴構成は、
円筒状の燃焼室の側面に軸方向に沿って開口するスリットから前記燃焼室内面の接線方向に向けて、酸素含有ガスと燃料とを個別に、又は混合して噴出させて旋回燃焼させ、燃焼ガスの流動方向の上流側端部を閉塞する管状火炎バーナが、燃焼ガスの流動方向で下流側が鉛直方向で下方側となるように設けられ、空気比が1より小さい燃料過濃状態で燃料を燃焼させ、
ガラス原料粉末が浮遊された搬送気体を前記燃焼室の前記上流側端部から前記燃焼室に導入し、
酸素を含有する酸化剤を前記搬送気体として、前記燃焼室における総括の空気比が1よりも大きくなるように供給し、
溶解ガラス化反応により生じたガラス液滴を前記燃焼室の下流側端部下方にて受け止め回収する点にある。
上記目的を達成するためのガラスの気中溶解装置の特徴構成は、
円筒状の燃焼室の側面に軸方向に沿って開口するスリットから前記燃焼室内面の接線方向に向けて、酸素含有ガスと燃料とを個別に、又は混合して噴出させて旋回燃焼させ、燃焼ガスの流動方向の上流側端部を閉塞する管状火炎バーナが、燃焼ガスの流動方向で下流側が鉛直方向で下方側となるように設けられ、
前記管状火炎バーナにて空気比が1より小さい燃料過濃状態で燃料を燃焼させる燃焼状態制御手段を備え、
ガラス原料粉末が浮遊された搬送気体を前記燃焼室の前記上流側端部から前記燃焼室に導入する導入部を備え、
当該導入部から、酸素を含有する酸化剤である前記搬送気体を、前記燃焼室における総括の空気比が1より大きくなるように供給する搬送気体供給量調整手段を備え、
溶解ガラス化反応により生じたガラス液滴を前記燃焼室の下流側端部下方にて受け止め回収する回収部を備える点にある。
構成を有する発明は、燃料過濃状態で燃料を燃焼させる管状火炎バーナの燃焼室に供給される酸素含有ガスと燃料との混合気と、酸素を含有する酸化剤である搬送気体との間で、濃淡燃焼(酸素二段燃焼)させるものである。ここで、搬送気体の流量は、燃焼室における総括の空気比が量論空気比以上、具体的には、1をわずかに上回る量に設定することで、完全燃焼が達成できる。
尚、搬送気体は、酸素を含有するものであればよく、例えば、燃料ガスと空気との混合気である燃料希釈ガスとすることができる。これにより、比較的簡便に、本発明の目的を達成できる。
〔構成
本発明のガラスの溶解方法の更なる特徴構成は、
前記酸素含有ガスとして、前記管状火炎バーナの燃焼排ガス、又は前記燃焼排ガスから水蒸気の一部を分離した残りの燃焼排ガスと酸素との混合気で酸素濃度が21%以上含有する混合ガスとする点にある。
本発明のガラスの気中溶解装置の更なる特徴構成は、
前記酸素含有ガスを、純酸素燃焼又は酸素富化燃焼を行う前記管状火炎バーナの燃焼排ガス、又は前記燃焼排ガスから水蒸気の一部を分離した残りの燃焼排ガスと酸素との混合気で酸素濃度を21%以上含有する混合ガスとする点にある。
酸素燃焼における燃焼反応においては、図4に示すように、温度が上がるとその逆反応、即ち、乖離反応が進行するために、酸素濃度を上げて燃焼させても火炎の温度は頭打ちになる。例えば、酸素濃度を50%から100%に上げても、図4に示すように、温度は200℃程度しか上がらない。よって、酸素富化空気で燃焼させても純酸素燃焼と温度的には大して差が出ない。ただし、このように温度が高い状態で窒素が含まれるガスを燃焼させると、NOxは指数関数的に増加する。
上記構成によれば、管状火炎バーナの燃焼排ガス、又は燃焼排ガスから水蒸気の一部を分離した残りの燃焼排ガスと酸素との混合気で酸素濃度が21%以上含有する混合ガスを酸素含有ガスとして用いることで、当該酸素含有ガスに含まれる炭酸ガス等の含有率を増加させ、窒素の含有率を低下させることができるから、NOxの生成を抑制することができる。
第1実施形態に係るガラスの気中溶解装置の斜視図及び断面図 第2実施形態に係るガラスの気中溶解装置の斜視図及び断面図 第3実施形態に係るガラスの気中溶解装置の斜視図及び断面図 平衡断熱火炎温度の燃焼用空気中の酸素濃度依存性を示すグラフ図
本発明に係るガラスの気中溶解装置100及びそれを用いたガラスの溶解方法では、例えば図1に示すように、複数の管状火炎バーナ10の夫々で濃燃焼又は淡燃焼を実行することにより、それらの燃焼室11において量論空気比付近(λ=1.05〜1.15)程度での燃焼を防ぎ、燃焼室の内壁部15の過熱を抑制しながら燃焼騒音を抑えると共に、総括での空気比を量論空気比付近として、不完全燃焼を抑えながら量論空気比付近の断熱火炎温度に近い高温を得て、当該高温により、ガラス原料粉末Gを溶解するものに関する。
以下、その実施形態を、図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
当該第1実施形態におけるガラスの気中溶解装置100は、図1(a)に示すように、円筒状の燃焼室11a、11bを有する複数の管状火炎バーナ10a、10b(本実施形態では2つ)と、その管状火炎バーナ10a、10bの燃焼室11内にガラス原料粉末Gが浮遊された搬送気体Hを導入する導入部Dと、燃焼室11にて溶解・ガラス化反応されて生じたガラス液滴を回収して液状のガラス溶液とする回収部Kとを備えている。
2つの管状火炎バーナ10a、10bは、両者の円筒状の燃焼室11a、11bの軸(図1で直線Xで示される)同士を、一直線上に沿わせた状態で、軸方向に連結接続されている。
当該管状火炎バーナ10a、10bの夫々は、円筒状の燃焼室11a、11bの側面にその軸方向(図1で直線Xに沿う方向)に沿って開口するスリット12a、12bを夫々備え、当該スリット12a、12bから、酸素含有ガスと燃料との混合気を、燃焼室11a、11bへ噴出させて旋回燃焼させるように構成されている。当該旋回燃焼の旋回方向は、複数の管状火炎バーナ10a、10bで、同一方向に設定されている。
尚、当該実施形態においては、上記スリット12a、12bは、夫々の管状火炎バーナ10a、10bに対して、複数(当該第1実施形態では2つ)設けられている。
管状火炎バーナ10a、10bの夫々は、その燃焼室11a、11bでの燃焼ガスの流動方向の下流側が鉛直方向で下方側(図1で下方側)となるように設けられている。ここで、燃焼ガスは旋回しながら全体として下流側に流動するが、「燃焼ガスの流動方向」とは旋回を無視した全体としての流れ方向を意味する。
燃焼ガスの流動方向において、上流側の管状火炎バーナ10aは、その上流側端部13が閉塞されると共に、当該上流側端部13にガラス原料粉末Gが浮遊された搬送気体Hを導入する導入部Dが接続され、下流側の管状火炎バーナ10bは、その下流側端部14に、ガラス原料粉末Gの溶解・ガラス化反応により生じたガラス液滴を回収する回収部Kが接続されている。
導入部Dは、ガラス原料粉末Gが浮遊された搬送気体Hを、上流側の管状火炎バーナ10aの燃焼室11aの径方向の中央位置(図1で軸Xの近傍位置)に導入するように構成されている。これにより、当該導入部Dの導入口から、ガラス原料粉末Gが浮遊された搬送気体Hが、燃焼ガスの流動方向の下流側で、鉛直方向下方側(図1で下方側)へ向けて導入されることとなる。
回収部Kは、下流側の管状火炎バーナ10bの下流側端部14下方に、溶解・ガラス化反応により生じたガラス溶液を貯留可能な炉床Yを備え、当該炉床Yにて貯留したガラス溶液が、随時下流側へ送り出し可能に(流れる)構成されている。
また、図示は省略するが、回収部Kには補助加熱手段が設けられ、ガラスの気中溶解装置100内が設定温度(例えば1500℃程度)に保たれて、ガラス溶液が保温されており、ガラス溶液から気泡を抜く(比重差で分離する)工程(清澄工程)が行われる。このようにして、清澄工程を経たガラス溶液が、ガラスの気中溶解装置100の外部に排出されて、所望の成形工程を経てガラス製品が製造される。
管状火炎バーナ10a、10bは、燃焼室11a、11bの内壁部15a、15bが耐熱材料により構成されており、当該耐熱材料としては、例えば、ステンレス系やニッケル系の耐熱金属材料、又は、セラミックス等を用いることができる。
管状火炎バーナ10a、10bには、その耐熱材料の耐熱許容温度未満となるように燃焼室11a、11bの内壁部15a、15bを冷却する冷却流路(図示せず)が設けられており、当該冷却流路に冷却水を通流させることで、燃焼室11a、11bの内壁部15a、15bを冷却可能に構成されている。当該冷却水の流量は、ガラスの溶解温度(例えば1400℃)以上且つ耐熱材料の耐熱許容温度(例えば1450℃)未満となるように流量制御自在に構成されている。
管状火炎バーナBにおける燃料としては、水素または炭化水素を主とする気体燃料(例えば天然ガス)、或いは、霧化又は気化された液体燃料(例えば重油)を用いることができる。管状火炎バーナBにおける酸素含有ガスとしては、酸素のみ(酸素100%)、酸素富化空気(例えば、全体の容積に対して40%以上の酸素を含む)もしくは炭酸ガスと酸素の混合気体を用いることができる。酸素含有ガスとして、炭酸ガスと酸素の混合気体を用いる場合には、水蒸気及び微量の窒素を含むことがある。そして、酸素含有ガスとして酸素のみ(酸素100%)を用いる場合には常温にて用い、酸素含有ガスとして酸素富化空気または炭酸ガスと酸素の混合気体を用いる場合には必要に応じて予熱して用いる。
ここで、炭酸ガスは、もともと窒素を排除した燃焼の燃焼排ガスから容易に得ることができる。
また、酸素含有ガスとして、空気を用いることも可能である。
ガラス原料粉末Gについては、複数の成分を混合した混合粉末であり、最終製品であるガラスの組成に対応した成分比率に応じてその混合比率が調製されている。例えば、ガラス原料粉末Gとしては、汎用ガラスであるソーダ石灰ガラスだけでなく、従来製法で比較的製造困難とされるホウ珪酸塩無アルカリガラスをも用いることができる。ソーダ石灰ガラスは、Na2OとCaOとSiO2とAl23を含み、全体の質量に対して、Na2Oが16〔wt%〕、CaOが10〔wt%〕、SiO2が72〔wt%〕、Al23が2〔wt%〕の割合で含まれているものである。ホウ珪酸塩無アルカリガラスは、SiO2とB23とAl23とBaOとSbO3を含み、全体の質量に対して、SiO2が49〔wt%〕、B23が15〔wt%〕、Al23が10〔wt%〕、BaOが25〔wt%〕、SbO3が1〔wt%〕の割合で含まれているものである。ガラス原料粉末Gの粒径は、例えば、100μmである。ガラス原料粉末Gには、必要に応じて、清澄剤等を添加しておくこともできる。
搬送気体Hについては、二酸化炭素(CO2)、酸素(O2)或いはアルゴン(Ar)を用いることができる。
具体的には、管状火炎バーナ10a、10bには、そのスリット12a、12bの夫々に対し、各別に燃料を導く燃料供給路30a、30bが設けられている。
夫々の燃料供給路30a、30bには、夫々を通流する燃料流量を調整する流量調整弁21a、21bが各別に設けられ、酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給路31a、31bがベンチュリーミキサ23a、23bを介して各別に接続されている。
夫々の酸素含有ガス供給路31a、31bは、夫々を通流する酸素含有ガスの流量を調整する流量調整弁22a、22bが各別に設けられている。
制御装置20は、燃料流量を調整する流量調整弁21a、21b、及び酸素含有ガス流量を調整する流量調整弁22a、22bの開度を各別に制御可能に構成されており、夫々の管状火炎バーナ10a、10bに導かれる混合気の空気比が調整される。
当該実施形態にあっては、制御装置20は、上流側の管状火炎バーナ10aへ導かれる混合気を、空気比が1より小さい燃料過濃状態(例えば、λ=0.5〜0.8)とし、下流側の管状火炎バーナ10bへ導かれる混合気を、空気比が1より大きい燃料希薄状態(例えば、λ=1.5〜2.0)とし、夫々における酸素の過剰量と不足量とが略同程度となるように、燃料流量を調整する流量調整弁21a、21b、及び酸素含有ガス流量を調整する流量調整弁22a、22bの開度を制御する。
さらに、制御装置20は、燃料希薄状態で燃料を燃焼する下流側の管状火炎バーナ10bの燃焼量を、燃料過濃状態で燃料を燃焼する上流側の管状火炎バーナ10aの燃焼量以上とするように、燃料流量を調整する流量調整弁21a、21b、及び酸素含有ガス流量を調整する流量調整弁22a、22bの開度を制御する。
ここで、燃料希薄状態で燃料を燃焼する下流側の管状火炎バーナ10bの燃焼量を、燃料過濃状態で燃料を燃焼する上流側の管状火炎バーナ10aの燃焼量以上とする場合、圧力損失を低減すべく、燃料希薄状態で燃料を燃焼する下流側の管状火炎バーナ10bの燃焼室11bの軸方向の長さを、燃料過濃状態で燃料を燃焼する上流側の管状火炎バーナ10aの燃焼室11aの軸方向の長さよりも、長く構成することが好ましい。
上述の構成により、複数の管状火炎バーナ10a、10bの夫々においては、量論空気比付近(λ=1.05〜1.15)程度における激しい燃焼(最高燃焼速度)を避けることができ、燃焼室11a、11bの内壁部15a、15bの過熱を抑制できながらも、燃焼騒音を抑制できる。さらに、全体としては、総括の空燃比を量論空気比付近(λ=1.05〜1.15)とでき、ガラス原料粉末Gの溶解に適切な燃焼温度(例えば、1400℃程度)を実現できる。
以上の如く、制御装置20が、管状火炎バーナ10a、10bにおける燃焼状態を制御する燃焼状態制御手段として働く。
当該第1実施形態にあっては、低NOx化を図るべく、管状火炎バーナ10a、10bからの燃焼排ガスを、再循環可能に構成されている。
説明を加えると、管状火炎バーナ10a、10bに、燃焼排ガスを燃料供給路30a、30bの夫々へ導く燃焼排ガス供給路32a、32bが設けられていると共に、当該燃焼ガス供給路32a、32bの夫々には、燃焼排ガスの流量を調整する流量調整弁23a、23bが各別に設けられている。
制御装置20は、管状火炎バーナ10a、10bにて所望の燃焼状態を実現しながらも、低NOx化を図るべく、燃焼排ガスの流量を調整する流量調整弁23a、23bの開度を調整する。
〔第2実施形態〕
管状火炎バーナ10では、その燃焼室11の径方向(図1で直線Xに直交する方向)で、径方向で中央位置(図1で直線Xの近傍位置)付近において、管状火炎バーナが実用規模の大口径である場合、温度が中心に向かって低下する傾向になる。この場合、燃焼室11の内部にあっては、径方向で、温度分布が生じるため、ガラスの原料粉末Gの溶解性能(ガラスの原料粉末Gへの熱伝達)が悪化する場合がある。
そこで、当該第2実施形態にあっては、ガラスの原料粉末Gの溶解性能を高めるべく、燃焼ガスの流動方向において、上流側の管状火炎バーナ10aの燃焼室11aの内径を、下流側の管状火炎バーナ10bの燃焼室11bの内径よりも小さく構成している。
ここで、小径の管状火炎バーナ10aと、大径の管状火炎バーナ10bとは、その旋回速度を同程度とすることが好ましい。そして、旋回速度を同程度とするためには、大径の管状火炎バーナ10bに供給する酸素含有ガスと燃料との混合気の流量を、小径の管状火炎バーナ10aに供給する酸素含有ガスと燃料の混合気の流量よりも、多くする必要がある。
そこで、本発明にあっては、その燃焼室11a、11bの軸方向(図1で直線Xに沿う方向)において、大径の管状火炎バーナ10bへ混合気を供給するスリット12bの幅を、小径の管状火炎バーナ10aへ混合気を供給するスリット12aの幅よりも、長くしている。
そして、制御装置20は、管状火炎バーナ10a、10bの径方向で同一の位置において、上流側の管状火炎バーナ10aの旋回速度と、下流側の管状火炎バーナ10bの旋回速度とが等しくなるように、大径の管状火炎バーナ10bへ供給する混合気の流量を小径の管状火炎バーナ10aへ供給する混合気の流量よりも多くする状態で、燃料流量を調整する流量調整弁21a、21b、及び酸素含有ガス流量を調整する流量調整弁22a、22bの開度を制御する。
以上の構成を採用することにより、下流側の大径の管状火炎バーナ10bの燃焼室11bの径方向で中央位置付近に、上流側の小径の管状火炎バーナ10aの燃焼ガスを通流させ、中央位置付近での燃焼ガスの逆流(中央位置付近での負圧化傾向)を抑え、燃焼室11bの径方向での燃焼ガスの流量分布を平均化して、ガラス原料粉末Gの溶解性能を向上させている。
〔第3実施形態〕
当該第3実施形態では、単一の管状火炎バーナを備えた構成において、単一の管状火炎バーナ10の燃焼室11に対し、スリット12から供給される混合気と、搬送気体Hとで、濃淡燃焼を実現するものである。
即ち、制御装置20は、スリット12へ空気比が1より大きい燃料過濃状態(例えば、λ=0.5〜0.8)の混合気を供給するように、燃料流量を調整する流量調整弁21、及び酸素含有ガス流量を調整する流量調整弁22の開度を制御して、燃焼状態制御手段として働くと共に、搬送気体Hとして、空気比が1より小さい燃料希薄状態(例えば、λ=1.5〜2.0)の混合気を、総括の空気比が量論空気比付近となるように供給し、濃淡燃焼を実行する搬送気体供給量調整手段として働く。
〔別実施形態〕
(1)上記第1実施形態、第2実施形態にあっては、管状火炎バーナが、2つ設けられる例を示したが、別に2つより多くの管状火炎バーナを設けても良い。
(2)
上記実施形態においては、各管状火炎バーナ10a、10bに対し、酸素含有ガスと燃料との混合気を供給したが、別に、酸素含有ガスと燃料とを複数のスリットから各別に供給し、各管状火炎バーナ10a、10bの内部において、急速混合させるように構成しても構わない。このように構成した場合逆火が生じないので、安全に酸素燃焼を行うことができる。
具体的な構成の一例としては、管状火炎バーナ10a、10bの夫々に対し、酸素含有ガスを供給するスリットを一対設けると共に、燃料を供給するスリットを一対設ける構成とすることができる。この構成を採用する場合、一対のスリットは、管状火炎バーナ10a、10bの周方向において、その供給口同士を対向させる状態で、設けることが好ましい。
(3)
上記第1実施形態においては、燃焼ガスの流動方向で上流側の管状火炎バーナ10aにて、燃料過濃状態で燃料を燃焼させ、下流側の管状火炎バーナ10bにて、燃料希薄状態で燃料を燃焼させる例を示したが、別にこれらを逆にした燃焼状態を採用することもできる。
(4)
上記実施形態において、導入部Dは、管状火炎バーナ10の燃焼室11の径方向で略中央位置へ、搬送気体H及びガラス気体粉末Gを導入する例を示した。しかしながら、当該導入部Dは、燃焼室11の径方向における偏心位置へ、搬送気体H及びガラス気体粉末Gを導入するように構成しても構わない。
(5)
上記第1実施形態において、燃焼火炎バーナ10a、10bの燃焼排ガスの全てを再循環させる構成を示した。しかしながら、例えば、当該燃焼排ガスに含まれる水蒸気の一部を除去した後の燃焼排ガスを再循環させるように構成しても構わない。
この場合、当該燃焼排ガスと他から供給される酸素含有ガスとの混合気において、酸素濃度が21%以上となるように、流量制御されることが好ましい。
本発明のガラスの溶解方法、及びガラスの気中溶解装置は、ガラス溶解に用いる管状火炎バーナに濃淡燃焼技術を組み合わせることにより、燃焼室壁の過熱を抑えると共に、燃焼騒音を抑制しながらも、高温により、適切にガラス溶解を実行可能な、ガラスの溶解方法、及びガラスの気中溶解装置として、有効に利用可能である。
10a、10b:管状火炎バーナ
11a、11b:燃焼室
12a、12b:スリット
13 :上流側端部
15a、15b:内壁部
20 :制御装置
100 :ガラスの気中溶解装置
D :導入部
G :ガラス原料粉末
H :搬送気体
K :回収部
X :軸
Y :炉床

Claims (12)

  1. 円筒状の燃焼室の側面に軸方向に沿って開口するスリットから前記燃焼室内面の接線方向に向けて、酸素含有ガスと燃料とを個別に、又は混合して噴出させて旋回燃焼させる管状火炎バーナの複数を、前記燃焼室同士を前記軸方向に連通させて接続し、燃焼ガスの流動方向において複数の前記燃焼室の上流側端部を閉塞し、燃焼ガスの流動方向で下流側が鉛直方向で下方側となるように設け、
    複数の管状火炎バーナにおいて、少なくとも一の管状火炎バーナで、空気比が1より小さい燃料過濃状態で燃料を燃焼させ、少なくとも他の管状火炎バーナで、空気比が1より大きい燃料希薄状態で燃料を燃焼させ、
    前記燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナと、前記燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナとの総括の空気比を量論空気比の近傍とし、
    ガラス原料粉末が浮遊された搬送気体を前記燃焼室の前記上流側端部から前記燃焼室に導入し、溶解ガラス化反応により生じたガラス液滴を前記燃焼室の下流側端部下方にて受け止め回収するガラスの溶解方法。
  2. 前記燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナでの燃焼量を、前記燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナでの燃焼量よりも大きくする請求項1に記載のガラスの溶解方法。
  3. 前記燃焼ガスの流動方向において、上流側の管状火炎バーナにて燃料過濃状態で燃料を燃焼させ、下流側の管状火炎バーナにて燃料希薄状態で燃料を燃焼させる請求項1又は2に記載のガラスの溶解方法。
  4. 前記燃焼ガスの流動方向において、上流側に設けられている管状火炎バーナの内径を、下流側に設けられている管状火炎バーナの内径よりも小径とし、
    双方の管状火炎バーナにおける旋回速度を等しくする請求項1〜3の何れか一項に記載のガラスの溶解方法。
  5. 円筒状の燃焼室の側面に軸方向に沿って開口するスリットから前記燃焼室内面の接線方向に向けて、酸素含有ガスと燃料とを個別に、又は混合して噴出させて旋回燃焼させ、燃焼ガスの流動方向の上流側端部を閉塞する管状火炎バーナが、燃焼ガスの流動方向で下流側が鉛直方向で下方側となるように設けられ、空気比が1より小さい燃料過濃状態で燃料を燃焼させ、
    ガラス原料粉末が浮遊された搬送気体を前記燃焼室の前記上流側端部から前記燃焼室に導入し、
    酸素を含有する酸化剤を前記搬送気体として、前記燃焼室における総括の空気比が1よりも大きくなるように供給し、
    溶解ガラス化反応により生じたガラス液滴を前記燃焼室の下流側端部下方にて受け止め回収するガラスの溶解方法。
  6. 前記酸素含有ガスとして、前記管状火炎バーナの燃焼排ガス、又は前記燃焼排ガスから水蒸気の一部を分離した残りの燃焼排ガスと酸素との混合気で酸素濃度が21%以上含有する混合ガスとする請求項1〜5の何れか一項に記載のガラスの溶解方法。
  7. 円筒状の燃焼室の側面に軸方向に沿って開口するスリットから前記燃焼室内面の接線方向に向けて、酸素含有ガスと燃料とを個別に、又は混合して噴出させて旋回燃焼させる管状火炎バーナの複数を、前記燃焼室同士を前記軸方向に連通させて接続し、燃焼ガスの流
    動方向において複数の前記燃焼室の上流側端部を閉塞し、燃焼ガスの流動方向で下流側が鉛直方向で下方側となるように設け、
    少なくとも1つの前記管状火炎バーナにて、空気比が1より小さい燃料過濃状態で燃料を燃焼させると共に、少なくとも他の1つの前記管状火炎バーナにて、空気比が1より大きい燃料希薄状態で燃料を燃焼させる燃焼状態制御手段を備え、
    前記燃焼状態制御手段は、前記燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナと、前記燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナとの総括の空気比を量論空気比の近傍とし、
    ガラス原料粉末が浮遊された搬送気体を前記燃焼室の前記上流側端部から前記燃焼室に導入する導入部と、溶解ガラス化反応により生じたガラス液滴を複数の前記燃焼室の下流側端部にて受け止め回収する回収部とを備えるガラスの気中溶解装置。
  8. 前記燃焼状態制御手段は、前記燃料希薄状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナでの燃焼量を、前記燃料過濃状態で燃料を燃焼する管状火炎バーナでの燃焼量よりも大きくする請求項7に記載のガラスの気中溶解装置。
  9. 前記燃焼ガスの流動方向において、上流側の管状火炎バーナにて燃料過濃状態で燃料を燃焼させ、下流側の管状火炎バーナにて燃料希薄状態で燃料を燃焼させる請求項7又は8に記載のガラスの気中溶解装置。
  10. 前記燃焼ガスの流動方向において、上流側に設けられている管状火炎バーナの内径を、下流側に設けられている管状火炎バーナの内径よりも小径とし、
    前記燃焼状態制御手段は、双方の管状火炎バーナにおける旋回速度を等しくする請求項7〜9の何れか一項に記載のガラスの気中溶解装置。
  11. 円筒状の燃焼室の側面に軸方向に沿って開口するスリットから前記燃焼室内面の接線方向に向けて、酸素含有ガスと燃料とを個別に、又は混合して噴出させて旋回燃焼させ、燃焼ガスの流動方向の上流側端部を閉塞する管状火炎バーナが、燃焼ガスの流動方向で下流側が鉛直方向で下方側となるように設けられ、
    前記管状火炎バーナにて空気比が1より小さい燃料過濃状態で燃料を燃焼させる燃焼状態制御手段を備え、
    ガラス原料粉末が浮遊された搬送気体を前記燃焼室の前記上流側端部から前記燃焼室に導入する導入部を備え、
    当該導入部から、酸素を含有する酸化剤である前記搬送気体を、前記燃焼室における総括の空気比が1より大きくなるように供給する搬送気体供給量調整手段を備え、
    溶解ガラス化反応により生じたガラス液滴を前記燃焼室の下流側端部にて受け止め回収する回収部を備えるガラスの気中溶解装置。
  12. 前記酸素含有ガスを、純酸素燃焼又は酸素富化燃焼を行う前記管状火炎バーナの燃焼排ガス、又は前記燃焼排ガスから水蒸気の一部を分離した残りの燃焼排ガスと酸素との混合気で酸素濃度が21%以上含有する混合ガスとする請求項7〜11の何れか一項に記載のガラスの気中溶解装置。
JP2012139029A 2012-06-20 2012-06-20 ガラスの溶解方法及びガラスの気中溶解装置 Active JP5936460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012139029A JP5936460B2 (ja) 2012-06-20 2012-06-20 ガラスの溶解方法及びガラスの気中溶解装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012139029A JP5936460B2 (ja) 2012-06-20 2012-06-20 ガラスの溶解方法及びガラスの気中溶解装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014001118A JP2014001118A (ja) 2014-01-09
JP5936460B2 true JP5936460B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=50034673

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012139029A Active JP5936460B2 (ja) 2012-06-20 2012-06-20 ガラスの溶解方法及びガラスの気中溶解装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5936460B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6253377B2 (ja) * 2013-12-03 2017-12-27 大阪瓦斯株式会社 管状の火炎を形成するバーナの燃焼方法及び管状の火炎を形成するバーナ
JP2017077997A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 大阪瓦斯株式会社 ガラス溶解用単独窯
JP6846713B2 (ja) * 2016-06-06 2021-03-24 東京瓦斯株式会社 燃焼器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5429318A (en) * 1977-08-08 1979-03-05 Takeo Nakamura Method and apparatus for spherical glass particulates
ZA815386B (en) * 1980-08-15 1983-03-30 Redland Technology Ltd Combustion chambers
DE19510874A1 (de) * 1995-03-24 1996-09-26 Gruenzweig & Hartmann Verfahren und Vorrichtung zum Erschmelzen von silikatischen Recycling-Rohstoffen
JP5406564B2 (ja) * 2009-03-06 2014-02-05 大阪瓦斯株式会社 複合管状火炎バーナ
JP5507422B2 (ja) * 2010-11-16 2014-05-28 大阪瓦斯株式会社 予混合管状火炎バーナ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014001118A (ja) 2014-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8806897B2 (en) Furnace and process for controlling the oxidative state of molten materials
CA2823431C (en) Distributed combustion process and burner
US9651248B2 (en) Method for generating combustion by means of a burner assembly and burner assembly therefore
MX2010008408A (es) Metodo para calefaccion de un horno de vidrio de bajo nox con alta transferencia de calor.
BG64593B1 (bg) Метод и устройство за загряване на стъкларски пещи с изкопаеми горива
JP5936460B2 (ja) ガラスの溶解方法及びガラスの気中溶解装置
KR20110056477A (ko) 버너 조립체 및 연소 방법
CN109489038A (zh) 一种可调节多种燃料进料比例的燃烧器
JP4713496B2 (ja) 一次酸化剤の最適化された注入を伴う段階的な燃焼方法
CA2633019C (fr) Procede d'oxycombustion etagee mettant en oeuvre des reactifs prechauffes
CN109751616B (zh) 一种降低玻璃熔窑NOx排放的增氧燃烧设备与工艺
JP5654857B2 (ja) ガラスの製造方法及びガラスの製造装置
JP5868270B2 (ja) 複合管状火炎バーナの燃焼方法および複合管状火炎バーナ
JP5635285B2 (ja) ガラス溶解炉およびガラス溶解炉における排ガスの処理方法
WO2021136218A1 (zh) 用于燃料燃烧的燃烧器及其燃烧方法
WO2012112686A2 (en) Oxygen enrichment of premix air-gas burners
JP5770499B2 (ja) 管状火炎バーナ
CN115307141B (zh) 一种延长燃烧器中氢气火焰长度的方法及氢燃烧器装置
JP2023530837A (ja) マルチノズルバーナによる工業炉、特に、ガラス炉または金属溶融炉における水素燃焼の方法およびバーナ
US20140162204A1 (en) Oxy-fuel boosting of zero port area in glass melter using a reversing system
CN115823583A (zh) 煤粉与氨气混燃系统和锅炉
CN111947146A (zh) 一种多孔材料预混燃烧的辐射加热方法及加热装置
WO2019074641A1 (en) REDUCTION OF ENCRASION IN STAGED COMBUSTION
TW201144245A (en) Furnace and process for controlling the oxidative state of molten materials

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150424

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5936460

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250