JP5936263B2 - 高圧ポンプの吐出量ばらつき補正方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
そのため、個々の高圧ポンプの吐出量にばらつきがあっても、ある程度のばらつきはPID制御によって吸収可能なため、ばらつきによるレール圧制御への影響を実質的に回避することができる。
ところが、このようにオープンループ制御がなされる場合には、先のような高圧ポンプの吐出量のばらつきは、そのまま実レール圧のばらつきとなって現れることとなる。そのため、例えば、高圧ポンプの吐出量が下限値寄りである場合には、レール圧が所望の大きさまで上がらず、最悪時には、インジェクタによる燃料噴射ができなくなり、エンジン停止に至ることも可能性として考えられる。
すなわち、例えば、高圧ポンプの工場出荷検査時に得られたばらつき量を、補正量として実際のレール圧制御における補正処理に用いる方法が考えられる。
また、高圧ポンプの工場出荷時と、実際にエンジンに搭載された場合とでは、雰囲気温度等の環境条件が異なるため、それに起因した吐出量のばらつきが生じてしまうが、このばらつきは、上述のように電子制御ユニットに取り込まれた補正量では補正することがきないものである。
より具体的には、例えば、レール圧制御がPID制御されている状態において、運転条件が一定状態となり、レール圧が安定した状態となると、高圧ポンプの吐出量は、プレコントロール量とPID制御のI項分の和に対応した大きさとなるので、プレコントロール量を、いわゆる中央特性、換言すれば、標準的な特性を有する高圧ポンプの吐出量となるように設定しておくことで、I項分は、ポンプ吐出量のばらつき分と捉えることが可能となる。
これに対して、例えば、トラクターの場合、信号待ちをすることは希であり、通常、保管場所から作業場所までの移動は比較的短く、さらに、エンジンの始動は概ね作業開始の場合だけであり、自動車と異なり、始動後にアイドル状態で待機状態となるようなことは殆ど無く、学習処理を実行するに適した状態を得ることは困難である。
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、少なくとも前記高圧ポンプの上流側に調量弁が設けられ、少なくとも前記調量弁の駆動制御により前記コモンレールのレール圧を制御可能とすると共に、アイソクロナス制御の実行を可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における前記高圧ポンプの吐出量ばらつき補正方法であって、
前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサが故障の場合に、指示噴射量と目標エンジン回転数に応じて定められるプレコントロール量と、前記指示噴射量と前記目標エンジン回転数に応じて定められるオープンループ制御用ポンプ吐出量との和に対する前記高圧ポンプの吐出量のばらつき補正量を、予め取得された学習値から求め、前記プレコントロール量とオープンループ制御用ポンプ吐出量との和に、前記求められたばらつき補正量を加算し、前記高圧ポンプの目標ポンプ吐出量として前記調量弁をオープンループ制御し、
前記プレコントロール量は、吐出特性が標準的であるとして選定された高圧ポンプを用いた標準となるコモンレール式燃料噴射制御装置において予め取得された、種々の指示噴射量と目標エンジン回転数の組み合わせに対する前記高圧ポンプの吐出量であり、
前記オープンループ制御用ポンプ吐出量は、前記標準となるコモンレール式燃料噴射制御装置において、所定のレール圧において、前記プレコントロール量を基に前記調量弁に対するPID制御を行った場合に、前記プレコントロール量のみで不足する前記高圧ポンプの吐出量を補うための、PID制御により得られる不足補充分であり、
前記ばらつき補正量は、コモンレール式燃料噴射制御装置の工場出荷の際に取得されたものであって、PID制御によるレール圧制御が行われた場合に、目標ポンプ吐出量が安定した状態において、前記PID制御における積分項に対応するものである。
また、上記本発明の目的を達成するため本発明に係るコモンレール式燃料噴射制御装置は、
燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、少なくとも前記高圧ポンプの上流側に調量弁が設けられ、電子制御ユニットにより、少なくとも前記調量弁が駆動制御されて前記コモンレールのレール圧を制御可能とすると共に、アイソクロナス制御の実行を可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサが故障と判定された場合に、予め記憶されたプレコントロール量マップにより、指示噴射量と目標エンジン回転数に応じて定められるプレコントロール量を求めると共に、予め記憶されたオープンループ制御用ポンプ吐出量マップにより、前記指示噴射量と前記目標エンジン回転数に応じたオープンループ制御用ポンプ吐出量を求め、次いで、前記プレコントロール量と前記オープンループ制御用ポンプ吐出量との和を算出し、
前記算出された和に対する前記高圧ポンプの吐出量のばらつき補正量を、予め取得された学習値から求め、前記プレコントロール量とオープンループ制御用ポンプ吐出量との和に、前記求められたばらつき補正量を加算し、前記高圧ポンプの目標ポンプ吐出量として前記調量弁をオープンループ制御するよう構成されてなり、
前記プレコントロール量は、吐出特性が標準的であるとして選定された高圧ポンプを用いた標準となるコモンレール式燃料噴射制御装置において予め取得された、種々の指示噴射量と目標エンジン回転数の組み合わせに対する前記高圧ポンプの吐出量であり、
前記オープンループ制御用ポンプ吐出量は、前記標準となるコモンレール式燃料噴射制御装置において、所定のレール圧において、前記プレコントロール量を基に前記調量弁に対するPID制御を行った場合に、前記プレコントロール量のみで不足する前記高圧ポンプの吐出量を補うための、PID制御により得られる不足補充分であり、
前記ばらつき補正量は、コモンレール式燃料噴射制御装置の工場出荷の際に取得されたものであって、PID制御によるレール圧制御が行われた場合に、目標ポンプ吐出量が安定した状態において、前記PID制御における積分項に対応するものである。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、図1に示されたコモンレール式燃料噴射制御装置について説明する。
このコモンレール式燃料噴射制御装置は、高圧燃料の圧送を行う高圧ポンプ装置50と、この高圧ポンプ装置50により圧送された高圧燃料を蓄えるコモンレール1と、このコモンレール1から供給された高圧燃料をエンジン3の気筒へ噴射供給する複数の燃料噴射弁2−1〜2−nと、燃料噴射制御処理や後述するレール圧制御処理などを実行する電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)4を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
かかる構成自体は、従来から良く知られているこの種の燃料噴射制御装置の基本的な構成と同一のものである。
なお、本発明の実施の形態において、かかるコモンレール式燃料噴射制御装置は、トラクター等の建築機械に搭載されたものであるとする。
かかる構成において、燃料タンク9の燃料は、供給ポンプ5により汲み上げられ、調量弁6を介して高圧ポンプ7へ供給されるようになっている。調量弁6には、電磁式比例制御弁が用いられ、その通電量が電子制御ユニット4に制御されることで、高圧ポンプ7への供給燃料の流量、換言すれば、高圧ポンプ7の吐出量が調整されるものとなっている。
また、供給ポンプ5は、高圧ポンプ装置50の上流側に高圧ポンプ装置50と別体に設けるようにしても、また、燃料タンク9内に設けるようにしても良いものである。
燃料噴射弁2−1〜2−nは、エンジン3の気筒毎に設けられており、それぞれコモンレール1から高圧燃料の供給を受け、電子制御ユニット4による噴射制御によって燃料噴射を行うようになっている。
本発明の実施の形態においては、エンジン3の動作状態に応じて、調量弁6と圧力制御弁12のそれぞれの動作状態を適宜変えることで、適切なレール圧制御の実現が図られるようになっている。
かかる電子制御ユニット4には、コモンレール1の圧力を検出する圧力センサ11の検出信号が入力される他、目標エンジン回転数やアクセル開度、また、燃料温度などの各種の検出信号が、エンジン3の動作制御や燃料噴射制御に供するために入力されるようになっている。
最初に、本発明の実施の形態における高圧ポンプの吐出量ばらつき補正処理の実行ために電子制御ユニット4が有する機能について、図2に示された機能ブロック図を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における高圧ポンプの吐出量ばらつき補正処理は、トラクター等の建築機械において、レール圧センサ11が故障の場合に、オープンループ制御によるレール圧制御が行われる状態において、高圧ポンプ7の吐出量のばらつきを、予め所定条件の下で取得された学習値に基づく補正データを用いて補正することで、従来のオープンループ制御に比してレール圧制御の安定性、信頼性の向上を図ることができるようにしたものである。
すなわち、図2において、符号2−1が付された箇所は、レール圧センサ11の故障、異常による上述した2つの制御状態の切り替え機能を表しており、いわゆるソフトウェアスイッチである。
図2において、このソフトウェアスイッチ2−1は、レール圧センサ11が正常な場合、換言すれば、PID制御によるレール圧制御が行われる場合の状態が表されたものとなっている。
すなわち、PID制御においては、従来同様、電子制御ユニット4において演算算出される指示噴射量と目標エンジン回転数に応じて、PID制御におけるP係数(比例係数)、I係数(積分係数)、D係数(微分係数)が、それぞれ設定されるようになっている。
ここで、指示噴射量は、図示されないメインルーチンで従来同様に実行される燃料噴射制御処理によって、エンジン3の1つのシリンダ(図示せず)において噴射されるべき燃料量として算出される値であり、また、目標エンジン回転数も同様に、アクセル開度等に基づいて燃料噴射制御処理によって算出されるエンジン3の回転数の目標値である。
一方、電子制御ユニット4において演算算出される目標レール圧とレール圧センサ11により取得された実レール圧の差(以下、説明の便宜上「レール圧差」と称する)が演算算出される(図2の符号2−3参照)。
また、レール圧差の微分が行われ(図2の符号2−6)、その微分結果と先のD係数とが乗算(図2の符号2−9参照)され、その乗算結果が先の符号2−8における加算結果に加算される(図2の符号2−10参照)。
これを演算式で表すならば、(P係数)×(レール圧差)+(I係数)×∫(レール圧差)dt+(D係数)×{d(レール圧差)/dt}となる。なお、この式の演算結果を、説明の便宜上、「PID制御量」と称する。
ここで、プレコントロール量マップ2−11は、高圧ポンプ7が標準的な吐出特性を有するものである場合における、種々の指示噴射量と目標エンジン回転数の組み合わせに対する目標吐出量を、指示噴射量と目標エンジン回転数を入力パラメータとして読み出し可能に構成されたデータマップである。
オープンループ制御においても、指示噴射量と目標エンジン回転数に対応したプレコントロール量がプレコントロール量マップ2−11により定められるのは、PID制御の場合と同様である。
さらに、電子制御ユニット4には、オープンループ制御の際に用いられるオープンループ制御用ポンプ吐出量マップ2−14、ポンプ吐出量バラツキ補正マップ2−15が適宜な記憶領域に記憶されている。
ここで、ばらつき量は、コモンレール式燃料噴射制御装置の工場出荷の際に、所定の運転条件の下で、いわゆる学習処理によって得られたものである(詳細は後述)。
また、同じく指示噴射量と目標エンジン回転数に対応したオープンループ制御用ポンプ吐出量がオープンループ制御用ポンプ吐出量マップ2−14により定められる。
次いで、目標ポンプ吐出量に対する調量弁6に必要な通電電流が、ポンプカーブマップ2−13により設定され、設定された通電電流での調量弁6の駆動が行われるものとなっている。
電子制御ユニット4による処理が開始されると、最初に、圧力センサ11が異常、故障状態であるか否かが判定される(図3のステップS102参照)。
ステップS104においては、レール圧制御におけるPID制御が停止され、レール圧制御はオープンループ制御に移行されることとなる。
すなわち、先ず、上述のステップS106で設定されたプレコントロール量とオープンループ制御用ポンプ吐出量との和が演算算出され(図2の符号2−16参照)、その演算結果に対するポンプ吐出量ばらつき補正量が、ポンプ吐出量バラツキ補正マップ2−15を用いて求められることとなる。
ここで、プレコントロール量とオープンループ制御用ポンプ吐出量との和は、別言すれば、次述するようにポンプ吐出量ばらつき補正量により補正がなされる前の目標ポンプ吐出量である。
すなわち、目標ポンプ吐出量は、プレコントロール量にオープンループ制御用ポンプ吐出量とポンプ吐出量ばらつき補正量を加算した加算結果として求められるものとなっている(図2の符号2−17、符号2−12参照)。
そして、上述のようにしてポンプ吐出量ばらつき補正量による高圧ポンプ7の吐出量のばらつき補正がなされた目標ポンプ吐出量を得るために調量弁6に必要な通電電流である目標MPROP電流値が、ポンプカーブマップ2−13により求められ(図3のステップS112参照)、調量弁6への通電が行われて、一連の処理が終了され、図示されないメインルーチンへ一旦戻ることとなる。
ポンプ吐出量バラツキ補正マップ2−15は、先に述べたようにコモンレール式燃料噴射制御装置の工場出荷の際に、所定の運転条件の下で、いわゆる学習処理によって得られたデータが格納されたものである。
先ず、この図4に示された処理は、ポンプ吐出量バラツキ補正マップ2−15を構成する学習データを取得するために、コモンレール式燃料噴射制御装置の工場出荷の際にのみ実行されるもので、その実行には、電子制御ユニット4を用いても良いし、また、電子制御ユニット4と同等の機能を有する試験機を別途用いるようにしても、いずれでも良い。なお、以下の説明においては、図4に示された処理は、電子制御ユニット4により実行されるものとする。
次いで、アイドリング運転状態が安定するまで一定時間の間、運転状態が維持され(図4のステップS204参照)、電子制御ユニット4において演算算出される目標ポンプ吐出量が安定したか否かが判定される(図4のステップS206参照)。なお、上述の一定時間を如何なる値に設定するか、また、目標ポンプ吐出量が安定したと判定する基準を如何に設定するかは、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて、コモンレール式燃料噴射制御装置の具体的な仕様等を考慮して定めるのが好適である。
PID制御によるレール圧制御が行われている場合、目標ポンプ吐出量が安定するまでは、目標ポンプ吐出量は、プレコントロール量とPID制御による制御量の和として表されるものとなるが、ステップS206において目標ポンプ吐出量が安定したと判定された状態にあっては、PID制御による制御量は、I項(積分項)のみとなり、目標ポンプ吐出量は、プレコントロール量とI項分の和となる(図2参照)。ここで、I項分は、高圧ポンプ7の吐出量のばらつき量に相当するものである。
このため、ステップS208における学習処理においては、上述のI項分の所定時間(例えば、30秒程度)の平均値が学習値として、電子制御ユニット4のポンプ吐出量バラツキ補正マップ2−15に書き込まれることとなる。
本発明の実施の形態におけるコモンレール式燃料噴射制御装置は、先に述べたようにトラクター等の建築機械に搭載されたものであることを前提としているため、通常の車両のように安定して学習処理が実行できる機会は極限られている。
そのため、本発明の実施の形態においては、安定した運転状態を得ることのできるアイドリング点、トルク点、定格点のそれぞれで学習処理を実行することとしており、ステップS210においては、上述の3つ点における学習処理が終了したか否かが判定されることとなる。ここで、アイドリング点とは、いわゆるアイドリング運転状態にある場合を、トルク点とは、エンジン3の出力トルクが最大となる運転状態にある場合を、定格点とは、エンジン3の駆動出力が定格となる運転状態にある場合を、それぞれ意味する。
なお、上述した本発明の実施の形態においては、調量弁6と圧力制御弁12を有する構成のコモンレール式燃料噴射制御装置を前提としたが、本発明は、かかる構成のコモンレール式燃料噴射制御装置に限定されるものではなく、例えば、圧力制御弁12が無く、調量弁6のみでコモンレール圧が制御可能な構成であっても良い。
2−1〜2−n…燃料噴射弁
3…エンジン
4…電子制御ユニット
6…調量弁
7…高圧ポンプ
11…圧力センサ
12…圧力制御弁
Claims (2)
- 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、少なくとも前記高圧ポンプの上流側に調量弁が設けられ、少なくとも前記調量弁の駆動制御により前記コモンレールのレール圧を制御可能とすると共に、アイソクロナス制御の実行を可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置における前記高圧ポンプの吐出量ばらつき補正方法であって、
前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサが故障の場合に、指示噴射量と目標エンジン回転数に応じて定められるプレコントロール量と、前記指示噴射量と前記目標エンジン回転数に応じて定められるオープンループ制御用ポンプ吐出量との和に対する前記高圧ポンプの吐出量のばらつき補正量を、予め取得された学習値から求め、前記プレコントロール量とオープンループ制御用ポンプ吐出量との和に、前記求められたばらつき補正量を加算し、前記高圧ポンプの目標ポンプ吐出量として前記調量弁をオープンループ制御し、
前記プレコントロール量は、吐出特性が標準的であるとして選定された高圧ポンプを用いた標準となるコモンレール式燃料噴射制御装置において予め取得された、種々の指示噴射量と目標エンジン回転数の組み合わせに対する前記高圧ポンプの吐出量であり、
前記オープンループ制御用ポンプ吐出量は、前記標準となるコモンレール式燃料噴射制御装置において、所定のレール圧において、前記プレコントロール量を基に前記調量弁に対するPID制御を行った場合に、前記プレコントロール量のみで不足する前記高圧ポンプの吐出量を補うための、PID制御により得られる不足補充分であり、
前記ばらつき補正量は、コモンレール式燃料噴射制御装置の工場出荷の際に取得されたものであって、PID制御によるレール圧制御が行われた場合に、目標ポンプ吐出量が安定した状態において、前記PID制御における積分項に対応するものであることを特徴とする高圧ポンプの吐出量ばらつき補正方法。 - 燃料タンクの燃料が高圧ポンプによりコモンレールへ加圧、圧送され、当該コモンレールに接続された燃料噴射弁を介してエンジンへ高圧燃料の噴射を可能としてなると共に、少なくとも前記高圧ポンプの上流側に調量弁が設けられ、電子制御ユニットにより、少なくとも前記調量弁が駆動制御されて前記コモンレールのレール圧を制御可能とすると共に、アイソクロナス制御の実行を可能に構成されてなるコモンレール式燃料噴射制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記コモンレールの圧力を検出する圧力センサが故障と判定された場合に、予め記憶されたプレコントロール量マップにより、指示噴射量と目標エンジン回転数に応じて定められるプレコントロール量を求めると共に、予め記憶されたオープンループ制御用ポンプ吐出量マップにより、前記指示噴射量と前記目標エンジン回転数に応じたオープンループ制御用ポンプ吐出量を求め、次いで、前記プレコントロール量と前記オープンループ制御用ポンプ吐出量との和を算出し、
前記算出された和に対する前記高圧ポンプの吐出量のばらつき補正量を、予め取得された学習値から求め、前記プレコントロール量とオープンループ制御用ポンプ吐出量との和に、前記求められたばらつき補正量を加算し、前記高圧ポンプの目標ポンプ吐出量として前記調量弁をオープンループ制御するよう構成されてなり、
前記プレコントロール量は、吐出特性が標準的であるとして選定された高圧ポンプを用いた標準となるコモンレール式燃料噴射制御装置において予め取得された、種々の指示噴射量と目標エンジン回転数の組み合わせに対する前記高圧ポンプの吐出量であり、
前記オープンループ制御用ポンプ吐出量は、前記標準となるコモンレール式燃料噴射制御装置において、所定のレール圧において、前記プレコントロール量を基に前記調量弁に対するPID制御を行った場合に、前記プレコントロール量のみで不足する前記高圧ポンプの吐出量を補うための、PID制御により得られる不足補充分であり、
前記ばらつき補正量は、コモンレール式燃料噴射制御装置の工場出荷の際に取得されたものであって、PID制御によるレール圧制御が行われた場合に、目標ポンプ吐出量が安定した状態において、前記PID制御における積分項に対応するものであることを特徴とするコモンレール式燃料噴射制御装置。
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