JP5935950B2 - 送電装置、受電装置及びワイヤレス電力伝送システム - Google Patents

送電装置、受電装置及びワイヤレス電力伝送システム Download PDF

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Description

本発明は、電界結合方式によりワイヤレスで電力を伝送する送電装置、受電装置及びワイヤレス電力伝送システムに関する。
近年、携帯電話機、又はモバイルPCなどの電子機器を充電する際、電子機器に充電用のケーブルを接続するといった煩わしさを無くすために、充電装置に電子機器を設置するだけで充電できるワイヤレス電力伝送が提案されている。ワイヤレス電力伝送として、電界結合を利用して送電装置(充電装置)側から受電装置(電子機器)側へ電力を伝送する方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の電力伝送システムでは、送電装置、及び受電装置それぞれに高電位側となるアクティブ電極と、低電位側となるパッシブ電極とを備え、アクティブ電極同士、及びパッシブ電極同士を、間隙を介して対向させることで電極間に強い電界を形成し、電極同士を電界結合させる。この電界結合により装置間でのワイヤレスな電力伝送を可能としている。
特表2009−531009号公報
この電界結合方式のワイヤレス電力伝送システムでは、アクティブ電極同士に印加される電圧を相対的に高くし、パッシブ電極同士に印加される電圧を相対的に低くして電力伝送される。このため、基準電位に対するアクティブ電極の電位の絶対値と、基準電位に対するパッシブ電極の電位の絶対値との差は大きい。この場合、装置の基準電位とアクティブ電極(高電位部)との間に形成される容量と、装置の基準電位とパッシブ電極(低電位部)との間に形成される容量との容量比が適切な値に設定されていないと、受電装置の基準電位が変動するおそれがある。そして、基準電位が変動すると、それに伴い、受電装置において不具合が生じるおそれがある。
この問題を回避するために、変動する容量比を調整する回路を構成することが考えられるが、この場合、外付け部品により省スペース化を阻害するといった問題が生じる。また、装置の回路又は素子の設計変更を必要とし、手間を要するといった問題も生じる。このため、高電位部と低電位部とに生じる容量の比を、容易に調整することは難しい。
そこで、本発明の目的は、基準電位の変動を抑制するために、高電位部と低電位部とに生じる容量の比を容易に設定できる受電装置、送電装置及びワイヤレス電力伝送システムを提供することにある。
本発明に係る受電装置は、送電装置の送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電装置の送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極に誘起される電圧が印加される第1トランスと、前記第1トランスにより励起された電圧が印加される負荷回路とを備え、電界結合により前記送電装置から電力が伝送される受電装置において、前記第1トランスは、1次コイル及び2次コイルを有し、前記1次コイルの第1端が前記受電側アクティブ電極に接続され、第2端が自装置の基準電位に接続された第1巻線トランスと、1次コイル、及び2次コイルを有し、前記1次コイルの第1端が前記受電側パッシブ電極に接続され、第2端が自装置の基準電位に接続された第2巻線トランスと、を有し、前記第1巻線トランスの前記1次コイルのインダクタンスをL11、前記1次コイルの前記第1端と前記第2端との間に生じる第1静電容量をC11、前記第2巻線トランスの1次コイルのインダクタンスをL12、前記1次コイルの前記第1端と前記第2端との間に生じる第2静電容量をC12、電力伝送の動作角周波数をωで表すと、1/ωC11<ωL11、1/ωC12<ωL12である場合、C11≦C12であり、1/ωC11>ωL11、1/ωC12>ωL12である場合、L11≧L12であることを特徴とする。
この構成では、各条件を満たすよう、第1巻線トランスと第2巻線トランスとを組み合わせることにより、アクティブ電極(高電位部)とパッシブ電極(低電位部)とに生じる容量比を設定できる。これにより、受電装置の基準電位の変動を抑制して、不具合を防止できる。
前記第1静電容量、及び前記第2静電容量は、前記第1巻線トランス、及び前記第2巻線トランスの前記1次コイルの巻線間浮遊容量である、ことが好ましい。
この構成では、巻線トランスの巻線比に応じて、1次コイル及び2次コイルを組み合わせすることで、アクティブ電極(高電位部)とパッシブ電極(低電位部)とに生じる容量比を設定できる。
本発明は、送電装置の送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電装置の送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極に誘起される電圧が印加される第1トランスと、前記第1トランスにより励起された電圧が印加される負荷回路とを備え、電界結合により前記送電装置から電力が伝送される受電装置において、前記第1トランスは、1次コイル及び2次コイルを有する第1巻線トランス及び第2巻線トランスを有し、前記第1巻線トランスは、前記1次コイルの第1端が前記受電側アクティブ電極に接続され、第2端が前記第2巻線トランスの1次コイルの第1端に接続された構成であり、前記第2巻線トランスは、前記1次コイルの第2端が前記受電側パッシブ電極に接続された構成であり、前記第1巻線トランスの前記1次コイル及び前記2次コイルの間の静電容量をC13、前記第2巻線トランスの前記1次コイル及び前記2次コイルの間の静電容量をC14で表すと、C13<C14であることを特徴とする。
この構成では、各条件を満たすよう、第1巻線トランスと第2巻線トランスとを組み合わせることにより、アクティブ電極(高電位部)とパッシブ電極(低電位部)とに生じる容量比を設定できる。これにより、受電装置の基準電位の変動を抑制して、不具合を防止できる。
本発明は、送電装置の送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電装置の送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極に誘起される電圧が印加される第1トランスと、前記第1トランスにより励起された電圧が印加される負荷回路とを備え、電界結合により前記送電装置から電力が伝送される受電装置において、前記第1トランスは、電圧入力電極、電圧出力電極、及び、自装置の基準電位に接続される基準電位用電極を有する第1圧電トランス及び第2圧電トランスを有し、前記第1圧電トランスは、前記電圧入力電極が前記受電側アクティブ電極に接続され、前記電圧出力電極が、前記第2圧電トランスの前記電圧出力電極に接続された構成であり、前記第2圧電トランスは、前記電圧入力電極が前記受電側パッシブ電極に接続された構成であり、前記第1圧電トランスの前記電圧入力電極と前記基準電位用電極との間に生じる静電容量をC15、前記第2圧電トランスの前記電圧入力電極と前記基準電位用電極との間に生じる静電容量をC16で表すと、C15≦C16であることを特徴とする。
この構成では、各条件を満たすよう、第1巻線トランスと第2巻線トランスとを組み合わせることにより、アクティブ電極(高電位部)とパッシブ電極(低電位部)とに生じる容量比を設定できる。これにより、受電装置の基準電位の変動を抑制して、不具合を防止できる。また、圧電トランスを用いることで、受電装置の小型化、薄型化を実現できる。
本発明は、送電装置の送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電装置の送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極に誘起される電圧が印加される第1トランスと、前記第1トランスにより励起された電圧が印加される負荷回路とを備え、電界結合により前記送電装置から電力が伝送される受電装置において、前記第1トランスは、第1電圧入力電極、第2電圧入力電極、第1電圧出力電極及び第2電圧出力電極を有する第1圧電トランス及び第2圧電トランスを有し、前記第1圧電トランスは、前記第1電圧入力電極が前記受電側アクティブ電極に接続され、前記第2電圧入力電極が、自装置の基準電位に接続された構成であり、前記第2圧電トランスは、前記第2電圧入力電極が前記受電側パッシブ電極に接続され、前記第1電圧入力電極が、前記第1圧電トランスの前記第2電圧入力電極、及び、自装置の基準電位に接続された構成であり、前記第1圧電トランスの前記第1電圧入力電極と前記第2電圧入力電極との間に生じる静電容量をC51、前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC53で表し、前記第2圧電トランスの前記第1電圧入力電極と前記第2電圧入力電極との間に生じる静電容量をC61、前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC63で表すと、C51+C53≦C61+C63であることを特徴とする。
本発明は、送電装置の送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電装置の送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極に誘起される電圧が印加される第1トランスと、前記第1トランスによりされた電圧が印加される負荷回路とを備え、電界結合により前記送電装置から電力が伝送される受電装置において、前記第1トランスは、第1電圧入力電極、第2電圧入力電極、第1電圧出力電極及び第2電圧出力電極を有する第1圧電トランス及び第2圧電トランスを有し、前記第1圧電トランスは、前記第1電圧入力電極が前記受電側アクティブ電極に接続された構成であり、前記第2圧電トランスは、前記第2電圧入力電極が前記受電側パッシブ電極に接続され、前記第1電圧入力電極が、前記第1圧電トランスの前記第2電圧入力電極に接続された構成であり、前記第1圧電トランスの前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC53で表し、前記第2圧電トランスの前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC63で表すと、C53≦C63であることを特徴とする。
この構成では、各条件を満たすよう、第1圧電トランスと第2圧電トランスとを組み合わせることにより、アクティブ電極(高電位部)とパッシブ電極(低電位部)とに生じる容量比を設定できる。これにより、受電装置の基準電位の変動を抑制して、不具合を防止できる。また、圧電トランスを用いることで、受電装置の小型化、薄型化を実現できる。
本発明によれば、第1巻線トランスと第2巻線トランスとを組み合わせることにより、アクティブ電極と基準電位との間に生じる容量と、パッシブ電極と基準電位との間に生じる容量との比を設定できる。これにより、受電装置の基準電位の変動を抑制して、不具合を防止できる。
実施形態1に係るワイヤレス電力伝送システムの回路図 図1に示す受電装置の等価回路を示す図 一部を省略したワイヤレス電力伝送システムの等価回路図 降圧部の別の例を示す図 降圧部の別の例を示す図 降圧部が有する巻線トランスの1次コイルの接続点を、グランド接続しない場合の例を示す図 静電容量を説明するための図 実施形態2に係る送電装置の回路図 実施形態3に係るワイヤレス電力伝送システムの受電装置の回路図 実施形態4に係る送電装置の回路図 実施形態5に係るワイヤレス電力伝送システムの回路図 実施形態5に係る圧電トランスの一例を示す図 図10に示すワイヤレス電力伝送システムの等価回路図 圧電トランスに生じる寄生容量の測定方法を説明するための図 実施形態6に係るワイヤレス電力伝送システムの回路図 実施形態6に係る圧電トランスの一例を示す図 圧電トランスに生じるキャパシタの測定方法を説明するための図
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るワイヤレス電力伝送システム1の回路図である。ワイヤレス電力伝送システム1は、送電装置101と受電装置201とを備えている。送電装置101には受電装置201が載置される。その状態で、送電装置101は、電界結合を利用して受電装置201へ電力を伝送する。受電装置201は、二次電池及び充電回路を含む負荷回路RLを備えていて、送電装置101から送電された電力を二次電池に充電する。
送電装置101は電源回路11を備えている。電源回路11は、商用電源に接続されたACアダプタにより交流電圧(AC100V〜240V)から変換された直流電圧(例えばDC19V)を、DC−ACインバータ回路で交流電圧に変換する。
電源回路11には昇圧トランス12が接続されている。昇圧トランス12は、1次コイル及び2次コイルを有する絶縁型巻線トランスである。1次コイルは電源回路11に接続されている。2次コイルの一端はアクティブ電極13に接続され、他端はパッシブ電極14に接続されている。
アクティブ電極13及びパッシブ電極14はいずれも平板状であり、アクティブ電極13はパッシブ電極14よりも面積が同じ又は小さい。そして、アクティブ電極13はパッシブ電極14よりも送電装置101の基準電位に対して電位差が同じ又は大きい。これらアクティブ電極13及びパッシブ電極14には、昇圧トランス12で昇圧された交流電圧が印加される。
アクティブ電極13及びパッシブ電極14の間には、キャパシタC1a,C1pが直列に接続されている。キャパシタC1a,C1pの接続点は、送電装置101の基準電位に接続されている。また、キャパシタC1aの容量(以下、C1aで表す)は、キャパシタC1pの容量(以下、C1pで表す)より小さい又は等しく、C1a≦C1pの関係が成り立つ。このキャパシタC1a,C1pは、基準電位の変動を抑制するものであり、詳しくは後述する。
受電装置201は、アクティブ電極23及びパッシブ電極24を備えている。受電装置201を送電装置101に載置した場合に、アクティブ電極23は、送電装置101のアクティブ電極13に対向し、パッシブ電極24は、送電装置101のパッシブ電極14に対向する。アクティブ電極23及びパッシブ電極24はいずれも平板状であり、アクティブ電極23は、対向するアクティブ電極13と同面積を有し、パッシブ電極24は、対向するパッシブ電極14と同面積を有している。すなわち、アクティブ電極23はパッシブ電極24よりも面積が小さい、又は同じである。そして、アクティブ電極23はパッシブ電極24よりも受電装置201の基準電位に対して電位差が大きい、又は同じである。
以下では、アクティブ電極13,23の間に生じる(等価的に接続される)容量をキャパシタCaで表し、パッシブ電極14,24の間に生じる(等価的に接続される)容量をキャパシタCpで表す。また、キャパシタCaのキャパシタンスをCaa、キャパシタCpのキャパシタンスをCppで表す。この場合、パッシブ電極14,24間の対向面積は、アクティブ電極13,23間の対向面積よりも大きい、又は同じであるから、Caa≦Cppの関係が成り立つ。
なお、アクティブ電極23及びパッシブ電極24は、対向するアクティブ電極13及びパッシブ電極14と同面積を有しているとしているが、これに限らない。アクティブ電極13,23間の対向面積が、パッシブ電極14,24間の対向面積より小さい、または同じであるように電極の大きさを定め、Caa≦Cppの関係が成り立てばよい。
アクティブ電極23及びパッシブ電極24には、降圧部25、整流用のダイオードブリッジDB、平滑用のインダクタL1及びキャパシタCoを介して、負荷回路RLが接続されている。送電装置101のアクティブ電極13及びパッシブ電極14に電圧が印加されると、アクティブ電極13,23同士、パッシブ電極14,24同士が電界結合する。そして、アクティブ電極23及びパッシブ電極24には電圧が誘起される。降圧部25は、この誘起された電圧を降圧する。降圧部25は、本発明に係る「第1トランス」に相当する。
降圧部25は、二つの巻線トランスT21,T22を有している。巻線トランスT21は、本発明に係る第1巻線トランスに相当し、巻線トランスT22は、本発明に係る第2巻線トランスに相当する。巻線トランスT21,T22は、1次コイルと2次コイルとを有している。
なお、図の破線で示すキャパシタC11は、巻線トランスT21の1次コイルの巻線間浮遊容量である。また、キャパシタC12は、巻線トランスT22の1次コイルの巻線間浮遊容量である。
巻線トランスT21,T22の1次コイル同士、2次コイル同士はそれぞれ直列に接続されている。直列に接続された1次コイルの接続点は、受電装置201の基準電位に接続されている。より詳しくは、巻線トランスT21の1次コイルの一端はアクティブ電極23に接続され、他端は送電装置101の基準電位に接続されている。巻線トランスT22の1次コイルの一端はパッシブ電極24に接続され、他端は送電装置101の基準電位に接続されている。また、巻線トランスT21,T22の2次コイルは直列接続されている。
巻線トランスT21,T22を所定の条件を満たすように組み合わせ、降圧部25を構成した場合、受電装置201の基準電位の変動を抑制できる。以下に、その条件について説明する。
巻線トランスT21の1次コイルのインダクタンスをL11、その1次コイルのキャパシタC11のキャパシタンスをC11で表す。また、巻線トランスT22の1次コイルのインダクタンスをL12、その1次コイルのキャパシタC12のキャパシタンスをC12で表す。ワイヤレス電力伝送システム1の電力伝送時の動作角周波数ω(=2πf、f:動作周波数)で表す。
1/ωC11<ωL11、1/ωC12<ωL12である場合、受電装置201の基準電位の変動は、キャパシタンスC11,C12による影響が支配的となる。この場合、少なくともC11≦C12の条件(以下、条件(1)と言う。)を満たすように、巻線トランスT21,T22を選択する。
1/ωC11>ωL11、1/ωC12>ωL12である場合、受電装置201の基準電位の変動は、インダクタンスL11,L12による影響が支配的となる。この場合、少なくともL11≧L12の条件(以下、条件(2)と言う。)を満たすように、巻線トランスT21,T22を選択する。
図2は、図1に示す受電装置201の等価回路を示す図である。降圧部25は、等価的に図2に示す回路で表すことができる。図2では、直列接続された、巻線トランスT21,T22の1次コイルを一つの1次コイルn1で表し、直列接続された、巻線トランスT21,T22の2次コイルを一つの2次コイルn2で表している。キャパシタC11,C12は、図2で示すように、アクティブ電極23及びパッシブ電極24の間に直列に接続された構成で表せる。そして、キャパシタC11,C12の接続点は、受電装置201の基準電位に接続された構成となる。
このワイヤレス電力伝送システム1において、前記の各条件(1)、(2)を満たすことで、受電装置201の基準電位の変動を抑制できる。そして、その結果、基準電位の変動による不具合、例えば、装置の誤作動等を防止できる。
以下に、受電装置201の基準電位が安定する理由について説明する。
図3は、一部を省略したワイヤレス電力伝送システム1の等価回路図である。図3では、キャパシタC1a,C1p,C11,C12及びキャパシタCa,Cpから構成される回路を主に示し、他の回路、例えば、受電装置201のダイオードブリッジDBなどは負荷回路RLとしてまとめている。また、図3に示すTGは、送電装置101の基準電位点であり、RGは受電装置201の基準電位点である。この図3において、送電装置側基準電位点TGと受電装置側基準電位点RGとの電位差を抑えることにより、受電装置201の基準電位の安定化が可能となる。
図3において、キャパシタC1a,C1pのインピーダンスをZ1,Z2で表す。また、並列接続したキャパシタC11及びインダクタL11のインピーダンスをZ3で表し、並列接続したキャパシタC12及びインダクタL12のインピーダンスをZ4で表す。なお、説明を簡単にするため抵抗成分は無視する。この場合、インピーダンスZ1,Z2,Z3,Z4それぞれは以下の式(1)〜(4)で表される(以下では、記号「//」は並列接続を表す)。
Z1=1/jωC1a…(1)
Z2=1/jωC1p…(2)
Z3=(jωL11)//(1/jωC11)…(3)
Z4=(jωL12)//(1/jωC12)…(4)
ここで、電源回路側から視たブリッジ回路及び負荷回路側から視たブリッジ回路の両方の平衡条件から、
Z1/Z2=Z3/Z4=(1/jωCaa)/(1/jωCpp)…(5)
を満たしているとき、送電装置側基準電位点TGと受電装置側基準電位点RGとの電位差が0となる。
前記式(1)〜(5)から以下の式(6)が成り立つ。
C1p/C1a=(ωL11−1/ωC11)/(ωL12−1/ωC12)=Cpp/Caa…(6)
よって、前記式(6)が成り立つように周波数に応じて各定数を定めれば送電装置側基準電位点TGと受電装置側基準電位点RGとの電位差が0となる。
ここで、Caa≦Cppであるから、式(6)により、少なくともC1a≦C1p、|ωL11−1/ωC11|≧|ωL12−1/ωC12|であることにより、不等号が逆の場合と比べて式(5)の各辺の差は小さい。このため、送電装置側基準電位点TGと受電装置側基準電位点RGとの電位差は小さい。ωL11−1/ωC11及びωL12−1/ωC12は、周波数によってインダクタンスL11,L12、又はキャパシタンスC11,C12の影響の大きさは変化する。
以上より、キャパシタンスC1a,C1pの容量比と、キャパシタンスCaa,Cppの容量比と、キャパシタンスC11,C12の容量比、又はインダクタンスL2p,L2aのインダクタンス比とを同じにすることで、受電装置201の基準電位が変動しないようにできる。
条件(1)の場合、キャパシタンスC11,C12の影響が支配的となるため、C11≦C12が成り立つよう巻線トランスT21,T22の組み合わせることで、受電装置201の基準電位の変動を抑制できる。また、C11/C12=Caa/Cppであれば、より受電装置201の基準電位の変動を安定できる。
条件(2)の場合、インダクタンスL11,L12の影響が支配的となるため、L11≧L12が成り立つよう巻線トランスT21,T22の組み合わせることで、受電装置201の基準電位の変動を抑制できる。また、L12/L11=Caa/Cppであれば、より受電装置201の基準電位の変動を安定できる。
以上から、基準電位の変動を抑制するためには、受電装置201の製造時において、キャパシタCa,Cpの容量比と同じになるように(又はそれに近づけるように)、巻線トランスT21,T22の組み合わせを決めればよい。
巻線トランスT21,T22の組み合わせにより、基準電位の変動を抑制できるため、既存の巻線トランスを適宜選択すればよく、基準電位の変動を抑制のために巻線トランスを新たに設計する必要がない。また、キャパシタC11,C12の素子を設ける必要がなく、受電装置201の省スペース化が図れる。
本実施形態に係る降圧部25は、上述の構成に限定されない。図4A及び図4Bは、降圧部25の別の例を示す図である。
本実施形態では、降圧部25の巻線トランスT21,T22の2次コイルは直列に接続されているが、図4Aに示すように、2次コイルは並列に接続されてもよい。また、本実施形態に係る降圧部25は、高電圧を取り扱うことができる絶縁型巻線トランスとしているが、降圧部25は、図4Bに示すように、巻線トランスT21,T22は非絶縁型巻線トランスであってもよい。
また、本実施形態に係る降圧部25において、巻線トランスT21,T22の1次コイルは直列に接続され、その接続点は、受電装置201の基準電位に接続されているが、基準電位に接続しなくてもよい。
図5は、降圧部25が有する巻線トランスT21,T22の1次コイルの接続点を、グランド接続しない場合の例を示す図である。
この例では、巻線トランスT21,T22の1次側が、受電装置201の基準電位に対して絶縁している。このため、インダクタンスL11,L12、及びキャパシタンスC11,C12は、受電装置201の基準電位の変動には寄与しない。したがって、この例では、受電装置201の基準電位の変動を抑制するためには、図示する、巻線トランスT21の1次−2次間の静電容量C13と、巻線トランスT22の1次−2次間の静電容量C14との関係が、C13≦C14を満たすように、巻線トランスT21,T22を組み合わせる必要がある。
巻線トランスT21,T22の1次コイルに印加される電圧と比較すると、2次コイルに発生する電圧は十分低い。2次コイルは基準電位に接続しているため、2次コイル全体を基準電位とした回路と等価的に見ることができる。この場合、静電容量C13と静電容量C14との比を、キャパシタンスCaa,Cppの比に合わせる(近づける)。すなわち、Caa≦Cppの関係から、C13≦C14の条件が導くことができる。C13≦C14の条件を満たすように、巻線トランスT21,T22の組み合わせることで、受電装置201の基準電位の変動を抑制できる。
図6は、静電容量C13,C14を説明するための図である。図に示すように、巻線トランスT21の1次コイルと2次コイルとの間には、線間容量C01が生じる。静電容量C13は、この線間容量C01を総合して等価的に表したものである。同様に、巻線トランスT22の1次コイルと2次コイルとの間には、線間容量C02が生じる。静電容量C14は、この線間容量C02を総合して等価的に表したものである。
なお、本実施形態では、送電装置101は昇圧トランス12を備え、受電装置201は降圧部25を備えた場合について説明したが、各装置101,201が備えるトランスは、昇圧及び降圧に限定されない。例えば、送電装置101及び受電装置201は変圧しない絶縁型トランスを備えていてもよいし、送電装置101は降圧トランスを備え、受電装置201は昇圧トランスを備えていてもよい。そして、受電装置201が昇圧トランスを備える場合、本実施形態と同様に、昇圧トランスが有するキャパシタ成分であるキャパシタC11,C12を利用して、昇圧トランスの巻線トランスを適宜組み合わせ、受電装置201の基準電位の変動を抑制するようにしてもよい。
(実施形態2)
本実施形態では、ワイヤレス電力伝送システムの送電装置が有する昇圧トランスの構成が、実施形態1と相違する。受電装置は実施形態1と同様である。
図7は、実施形態2に係る送電装置102の回路図である。送電装置102は、電源回路11、昇圧部15、アクティブ電極13及びパッシブ電極14を備えている。
昇圧部15は、二つの巻線トランスT11,T12を有している。昇圧部15は、本発明に係る第2トランスに相当する。巻線トランスT11は、本発明に係る第3巻線トランスに相当し、巻線トランスT12は、本発明に係る第4巻線トランスに相当する。巻線トランスT11,T12は、1次コイルと2次コイルとを有している。
なお、図7の破線で示すキャパシタC21は、巻線トランスT11の2次コイルの巻線間浮遊容量である。また、キャパシタC22は、巻線トランスT12の2次コイルの巻線間浮遊容量である。
巻線トランスT11,T12の1次コイル同士、2次コイル同士はそれぞれ直列に接続されている。直列に接続された2次コイルの接続点は、送電装置102の基準電位に接続されている。より詳しくは、巻線トランスT11の2次コイルは、一端がアクティブ電極13に接続され、他端が送電装置102の基準電位に接続されている。巻線トランスT12の2次コイルは、一端がパッシブ電極14に接続され、他端が送電装置102の基準電位に接続されている。また、巻線トランスT11,T12の1次コイルは直列接続されている。
巻線トランスT11,T12を所定の条件を満たすように組み合わせ、昇圧部15を構成した場合、送電装置102から電力伝送される受電装置の基準電位の変動を抑制できる。以下に、その条件について説明する。
巻線トランスT11の2次コイルのインダクタンスをL21、その1次コイルのキャパシタC21のキャパシタンスをC21で表す。また、巻線トランスT12の2次コイルのインダクタンスをL22、その1次コイルのキャパシタC22のキャパシタンスをC22で表す。ワイヤレス電力伝送システム1の電力伝送時の動作角周波数をωで表す。
1/ωC21<ωL21、1/ωC22<ωL22である場合、受電装置の基準電位の変動は、キャパシタンスC21,C22による影響が支配的となる。この場合、少なくともC21≦C22の条件(以下、条件(3)と言う。)を満たすように、巻線トランスT11,T12を選択する。これにより、受電装置の基準電位の変動を抑制できる。また、C21/C22=Caa/Cppであれば、より受電装置の基準電位の変動を安定できる。
1/ωC21>ωL21、1/ωC22>ωL22である場合、受電装置の基準電位の変動は、インダクタンスL21,L22による影響が支配的となる。この場合、少なくともL21≧L22の条件(以下、条件(4)と言う。)を満たすように、巻線トランスT11,T12を選択する。これにより、受電装置の基準電位の変動を抑制できる。また、L22/L21=Caa/Cppであれば、より受電装置の基準電位の変動を安定できる。
なお、送電装置101の昇圧部、及び受電装置201の降圧部それぞれに巻線トランスを設ける本実施形態において、昇圧部の巻線トランスT11と、降圧部の巻線トランスT21とが同じ巻線トランスを用い、昇圧部の巻線トランスT12と、降圧部の巻線トランスT22とが同じ巻線トランスを用いることができる。この場合、送電装置101と受電装置201とで容量比を略同じにすることができ、受電装置201の基準電位をより安定化できる。
また、実施形態1の図5で説明した場合と同様に、昇圧部15が有する巻線トランスT11,T12の2次コイルの接続点は、グランド接続されていなくてもよい。この場合、巻線トランスT11,T12の2次側が、送電装置102の基準電位に対して絶縁している。このため、インダクタンスL21,L22、及びキャパシタンスC21,C22は、送電装置102の基準電位の変動には寄与しない。したがって、この例では、送電装置102の基準電位の変動を抑制するためには、巻線トランスT11の1次−2次間の静電容量C23と、巻線トランスT12の1次−2次間の静電容量C24との関係が、C23≦C24を満たすように、巻線トランスT11,T12を組み合わせる必要がある。
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係るワイヤレス電力伝送システムの受電装置の回路図である。本実施形態に係る受電装置202は、降圧部26の構成が実施形態1と相違する。ワイヤレス電力伝送システムの送電装置は、実施形態1と同様である。
降圧部26は、ローゼン型の圧電トランス261,262を備えている。圧電トランス261は、本発明に係る第1圧電トランスに相当し、圧電トランス262は、本発明に係る第2圧電トランスに相当する。圧電トランス261は、λ共振モードで振動し、圧電トランス262は、(λ/2)共振モードで振動する。
圧電トランス261,262は、第1電極E11,E21、第2電極E12,E22、及び第3電極E13,E23を有している。圧電トランス261の第1電極E11は、アクティブ電極23に接続されている。圧電トランス262の第1電極E21は、パッシブ電極24に接続されている。圧電トランス261,262の第2電極E12,E22は、受電装置202の基準電位に接続されている。圧電トランス261,262の第3電極E13,E23は、共振用のインダクタL2、整流用のダイオードブリッジDB、平滑用のインダクタL1及びキャパシタCoが接続されている。
この降圧部26において、圧電トランス261,262は、第1電極E11,E21に電圧が印加されると、逆圧電効果により、駆動信号に応じた周期で応力が生じ、その機械的歪みにより降圧した電圧を第3電極E13,E23から出力する。この圧電トランス261,262は、第1電極E11,E21と、第3電極E13,E23とは絶縁性を保っている。このため、受電装置202の降圧部において、入出力間で電気的に絶縁することで、負荷回路RL側への高圧部(アクティブ電極13,23の結合)によるノイズの影響を抑制できる。
図8の破線で示すキャパシタC15は、圧電トランス261の第1電極E11と第2電極E12との間に生じるキャパシタンス成分であり、キャパシタC16は、圧電トランス262の第1電極E21と第2電極E22との間に生じるキャパシタンス成分である。また、第3電極E13,E23は、受電装置202の基準電位に接続されている。換言すれば、キャパシタC15は、アクティブ電極23と基準電位との間に生じる容量、キャパシタC16は、パッシブ電極24と基準電位との間に生じる容量である。
また、圧電トランス261はλ共振モードで振動し、圧電トランス262は(λ/2)共振モードで振動することから、第1電極E11と第2電極E12との距離は、第1電極E21と第2電極E22との距離より長い。すなわち、キャパシタC15のキャパシタンス(以下、C15で表す)は、キャパシタC16(以下、C16で表す)のキャパシタンスよりも小さい。このため、C15<C16の関係が成り立つ。なお、圧電トランス261,262に同じ圧電トランスを用いた場合には、C15=16の関係が成り立つ。
以上より、キャパシタC15,C16は、実施形態1と同様に、アクティブ電極23及びパッシブ電極24の間に直列に接続され、キャパシタC15,C16の接続点が基準電位に接続された回路構成と同視できる。この場合、キャパシタC15,C16の影響が支配的となるため、C15≦C16が成り立つよう、圧電トランス261,262を組み合わせることで、受電装置202の基準電位の変動を抑制できる。また、C15/C16=Caa/Cppであれば、より受電装置202の基準電位の変動を安定できる。
また、受電装置202が例えば携帯電話機等、小型化、薄型化が望まれる装置である場合には、圧電トランス261,262により降圧部26を構成することで、受電装置202の小型化、薄型化を実現できる。
(実施形態4)
本実施形態では、ワイヤレス電力伝送システムの送電装置が有する昇圧トランスの構成が、実施形態3と相違する。受電装置は、実施形態1又は実施形態3に係る受電装置と同じである。
図9は、実施形態4に係る送電装置103の回路図である。送電装置103は、電源回路11、昇圧部16、アクティブ電極13及びパッシブ電極14を備えている。
昇圧部16は、二つのローゼン型の圧電トランス161,162を有している。圧電トランス161は、本発明に係る第3圧電トランスに相当し、圧電トランス162は、本発明に係る第4圧電トランスに相当する。圧電トランス161は、λ共振モードで振動し、圧電トランス162は、(λ/2)共振モードで振動する。
圧電トランス161,162は、第1電極E31,E41、第2電極E32,E42、及び第3電極E33,E43を有している。圧電トランス161の第1電極E31は、アクティブ電極13に接続されている。圧電トランス162の第1電極E41は、パッシブ電極14に接続されている。圧電トランス161,162の第2電極E32,E42は、送電装置103の基準電位に接続されている。圧電トランス161,162の第3電極E33,E43は、電源回路11に接続されている。
このように構成される昇圧部16において、圧電トランス161,162は、第2電極E32,E42、及び第3電極E33,E43に、電源回路11から交流電圧が印加されると、逆圧電効果により、駆動信号に応じた周期で応力が生じ、その機械的歪みにより昇圧した電圧を第1電極E31,E41から出力する。そして、アクティブ電極13及びパッシブ電極14には、圧電トランス161,162により昇圧された電圧が印加される。
図9の破線で示すキャパシタC25は、圧電トランス161の第1電極E31と第2電極E32との間に生じるキャパシタンス成分であり、キャパシタC26は、圧電トランス162の第1電極E41と第2電極E42との間に生じるキャパシタンス成分である。また、第3電極E33,E43は、送電装置103の基準電位に接続されている。換言すれば、キャパシタC25は、アクティブ電極13と基準電位との間に生じる容量、キャパシタC26は、パッシブ電極14と基準電位との間に生じる容量である。
また、圧電トランス161はλ共振モードで振動し、圧電トランス162は(λ/2)共振モードで振動することから、圧電トランス161の第1電極E31と第2電極E32との距離は、圧電トランス162の第1電極E41と第2電極E42との距離より長い。すなわち、キャパシタC25のキャパシタンス(以下、C25で表す)は、キャパシタC26のキャパシタンス(以下、C26で表す)よりも小さい。このため、C25<C26の関係が成り立つ。なお、圧電トランス161,162に同じ圧電トランスを用いた場合には、C25=C26の関係が成り立つ。
以上より、キャパシタC25,C26は、実施形態2と同様に、アクティブ電極13及びパッシブ電極14の間に直列に接続され、キャパシタC25,C26の接続点が基準電位に接続された回路構成と同視できる。この場合、キャパシタC25,C26の影響が支配的となるため、C25≦C26が成り立つよう、圧電トランス161,162を組み合わせることで、受電装置の基準電位の変動を抑制できる。また、C25/C26=Caa/Cppであれば、より受電装置の基準電位の変動を安定できる。
また、送電装置103に圧電トランス161,162を適用することで、送電装置103の小型化、薄型化を実現できる。
なお、送電装置の昇圧部、及び受電装置の降圧部それぞれに圧電トランスを設けた場合、実施形態3の降圧部26の圧電トランス261と、本実施形態の昇圧部16の圧電トランス161とが同じ圧電トランスであり、実施形態3の降圧部26の圧電トランス262と、本実施形態の昇圧部16の圧電トランス162とが同じ圧電トランスであることが好ましい。この場合、送電装置と受電装置とで容量比を略同じにすることができ、受電装置の基準電位をより安定化できる。
(実施形態5)
図10は、実施形態5に係るワイヤレス電力伝送システム5の回路図である。
ワイヤレス電力伝送システム5が備える送電装置105及び受電装置205は、それぞれの基準電位に接続された基準電位電極105A,205Aを備えている。送電装置105に受電装置205を載置した場合、基準電位電極105A,205Aは対向し、キャパシタCgを形成する。したがって、受電装置205の基準電位は、形成されたキャパシタCgを介して、送電装置105の基準電位と接続される。受電装置205の基準電位を、キャパシタCgを介して送電装置105の基準電位に接続することで、受電装置205の基準電位の安定化が図れる。
送電装置105は、電源回路11からの交流電圧を昇圧し、アクティブ電極13及びパッシブ電極14へ印加する昇圧部17を備えている。昇圧部17は、二つの圧電トランス171,172を有している。圧電トランス171は、本発明に係る「第3圧電トランス」に相当し、圧電トランス171は、本発明に係る「第4圧電トランス」に相当する。
圧電トランス171は、第1電極E51、第2電極E52、第3電極E53及び第4電極E54を備えている。圧電トランス172は、第1電極E61、第2電極E62、第3電極E63及び第4電極E64を備えている。第1電極E51,E61は、本発明に係る「第1電圧入力電極」に相当する。第2電極E52,E62は、本発明に係る「第2電圧入力電極」に相当する。第3電極E53,E63は、本発明に係る「第1電圧出力電極」に相当する。第4電極E54,E64は、本発明に係る「第2電圧出力電極」に相当する。
圧電トランス171の第1電極E51及び第2電極E52は電源回路11に接続されている。第3電極E53は、アクティブ電極13に接続されている。第4電極E54は、圧電トランス172の第3電極E63、及び、送電装置105の基準電位に接続されている。
圧電トランス172の第1電極E61及び第2電極E62は、電源回路11に接続されている。第3電極E63は、圧電トランス171の第4電極E54、及び、送電装置105の基準電位に接続されている。第4電極E64は、パッシブ電極14に接続されている。
なお、圧電トランス171の第2電極E52と、圧電トランス172の第1電極E61とはそれぞれ、電源回路11に接続しているが、圧電トランス171の第2電極E52と、圧電トランス172の第1電極E61とが互いに接続された構成でもよい。
圧電トランス171,172には電極間に寄生容量(キャパシタ)が生じる。圧電トランス171の第1電極E51及び第2電極E52間に生じる寄生容量をC31で表し、第3電極E53及び第4電極E54間に生じる寄生容量をC32で表す。また、第1電極E51及び第2電極E52と第3電極E53及び第4電極E54との間に生じる寄生容量をC33で表す。
また、圧電トランス172の第1電極E61及び第2電極E62間に生じる寄生容量をC41で表し、第3電極E63及び第4電極E64間に生じる寄生容量をC42で表す。また、第1電極E61及び第2電極E62間と第3電極E63及び第4電極E64との間に生じる寄生容量をC43で表す。
受電装置205は、アクティブ電極23及びパッシブ電極24に誘起される電圧を降圧し、ダイオードブリッジDBへ供給する降圧部27を備えている。降圧部27は、二つの圧電トランス271,272を有している。圧電トランス271は、本発明に係る「第1圧電トランス」に相当する。圧電トランス272は、本発明に係る「第2圧電トランス」に相当する。
圧電トランス271は、第1電極E71、第2電極E72、第3電極E73及び第4電極E74を備えている。圧電トランス272は、第1電極E81、第2電極E82、第3電極E83及び第4電極E84を備えている。第1電極E71,E81は、本発明に係る「第1電圧入力電極」に相当する。第2電極E72,E82は、本発明に係る「第2電圧入力電極」に相当する。第3電極E73,E83は、本発明に係る「第1電圧出力電極」に相当する。第4電極E74,E84は、本発明に係る「第2電圧出力電極」に相当する。
圧電トランス271の第1電極E71は、アクティブ電極23に接続されている。第2電極E72は、圧電トランス272の第1電極E81、及び、受電装置205の基準電位に接続されている。第3電極E73及び第4電極E74は、ダイオードブリッジDBに接続されている。
圧電トランス272の第1電極E81は、圧電トランス271の第2電極E72、及び、受電装置205の基準電位に接続されている。第2電極E82は、パッシブ電極24に接続されている。第3電極E83及び第4電極E84は、ダイオードブリッジDBに接続されている。
なお、圧電トランス271の第4電極E74と、圧電トランス272の第3電極E83とはそれぞれ、ダイオードブリッジDBに接続しているが、圧電トランス271の第4電極E74と、圧電トランス272の第3電極E83とが互いに接続された構成でもよい。
圧電トランス271,272には電極間に寄生容量が生じる。圧電トランス271の第1電極E71及び第2電極E72間に生じる寄生容量をC51で表し、第3電極E73及び第4電極E74間に生じる寄生容量をC52で表す。また、第1電極E71及び第2電極E72と第3電極E73及び第4電極E74との間に生じる寄生容量をC53で表す。
また、圧電トランス272の第1電極E81及び第2電極E82間に生じる寄生容量をC61で表し、第3電極E83及び第4電極E84間に生じる寄生容量をC62で表す。また、第1電極E81及び第2電極E82と第3電極E83及び第4電極E84との間に生じる寄生容量をC63で表す。
ここで、圧電トランス171,172,271,272の具体的構成について説明する。本実施形態では、圧電トランス171,172,271,272はそれぞれ別の圧電体素体に形成されている。圧電トランス171,172,271,272それぞれは同じ構成であり、入力側、出力側ともに圧電対素体の厚み方向に分極されている。以下では、圧電トランス271について説明する。
図11は、実施形態5に係る圧電トランス271の一例を示す図である。圧電トランス271は、例えばPZT系セラミックスシートが積層されて形成された圧電体301を備えている。圧電体301は、長さ方向に沿って、高インピーダンスの駆動部A1と、低インピーダンスの発電部A2と、駆動部A1及び発電部A2の間に形成された絶縁部A3とを有している。
駆動部A1での圧電体301は厚み方向に分極されている。そして、駆動部A1では、圧電体301内部に内部電極302,303が厚み方向に沿って交互に積層され、上下面に第1電極E71及び第2電極E72が設けられている。内部電極302は、側面電極304により第1電極E71と接続され、内部電極303は、側面電極304に対向する位置に形成された側面電極(不図示)により第2電極E72と接続されている。
発電部A2では、圧電体301の厚み方向に分極されている。発電部A2では、圧電体301と内部電極305,306を交互に複数枚積層しており、上下面に第3電極E73及び第4電極E74が形成されている。内部電極305は、側面電極307により第3電極E73と接続されている。破線で示す内部電極306は、側面電極307が形成された面側には露出せず、反対面側に露出している。そして、内部電極306は、側面電極307に対向する位置に形成された側面電極(不図示)により第4電極E74と接続されている。
この構造を有する圧電トランス271において、駆動部A1の第1電極E71及び第2電極E72に交流電圧を入力して駆動させると、発電部A2の第3電極E73及び第4電極E74から降圧された電圧が出力される。なお、図11に示す構造の圧電トランスは、駆動部A1、発電部A2の積層構成を調整することにより、降圧及び昇圧の変圧比を設定できる。
図12は、図10に示すワイヤレス電力伝送システム5の等価回路図である。図12では、昇圧部17の圧電トランス171,172、及び、降圧部27の圧電トランス271,272それぞれを、等価回路で示している。
昇圧部17は変圧部170を有している。この変圧部170は電源回路11と、アクティブ電極13及びパッシブ電極14との間に接続されている。また、圧電トランス171,172に生じるキャパシタC33,C43の直列回路と、キャパシタC32,C42の直列回路とが、アクティブ電極13及びパッシブ電極14の間に接続されている。キャパシタC33,C43の接続点、及び、キャパシタC32,C42の接続点は、それぞれ基準電位に接続されている。
なお、図12では、圧電トランス171,172に生じるキャパシタC31,C41の図示は省略している。
降圧部27は変圧部270を有している。この変圧部270は、アクティブ電極23及びパッシブ電極24と、ダイオードブリッジDBとの間に接続されている。また、圧電トランス271,272に生じるキャパシタC51,C61の直列回路と、キャパシタC53,C63の直列回路とが、アクティブ電極23及びパッシブ電極24の間に接続されている。キャパシタC51,C61の接続点、及び、キャパシタC53,C63の接続点は基準電位に接続されている。図12では、圧電トランス271,272に生じるキャパシタC52,C62の図示は省略している。
この回路構成において、送電装置105の昇圧部17では、並列接続されたキャパシタC32,C33と、並列接続されたキャパシタC42,C43とが、直列接続された構成と等価的に表せる。また、受電装置205の降圧部27では、並列接続されたキャパシタC51,C53と、並列接続されたキャパシタC61,C63とが、直列接続された構成と等価的に表せる。
ここで、キャパシタC32,C33,C42,C43,C51,C53,C61,C63それぞれのキャパシタンスをC32,C33,C42,C43,C51,C53,C61,C63で表す。この場合、図12に示すキャパシタC32,C33,C42,C43は、C32+C33のキャパシタンスを有するキャパシタと、C42+C43のキャパシタンスを有するキャパシタとが直列接続された構成で表せる。また、図12に示すキャパシタC51,C53,C61,C63は、C51+C53のキャパシタンスを有するキャパシタと、C61+C63のキャパシタンスを有するキャパシタとが直列接続された構成となる。
この場合、実施形態1で説明したように、パッシブ電極14,24の面積は、アクティブ電極13,23の面積よりも大きい、又は同じであり、Caa≦Cppの関係が成り立つ。そして、C32+C33≦C42+C43、かつ、C51+C53≦C61+C63を満たすように、圧電トランス171,172,271,272を選択する。これにより、受電装置205の基準電位の変動を抑制できる。そして、その結果、基準電位の変動による不具合、例えば、装置の誤作動等を防止できる。
以下に、圧電トランス171,172,271,272に生じる寄生容量の測定方法について説明する。
図13は、圧電トランス271に生じる寄生容量の測定方法を説明するための図である。なお、図13では、圧電トランス271に生じる寄生容量の測定方法について説明するが、他の圧電トランス171,172,272に生じる寄生容量の測定方法も同様である。
圧電トランス271の第1電極E71に定電流源150を接続し、第2電極E72はグランドに接続する。また、第3電極E73及び第4電極E74は短絡し、グランドに接続する。この接続構成において、キャパシタC53のキャパシタンスは、圧電トランス271に入力される電圧Vinと、圧電トランス271から出力される電流Ioutとから、C53=Iout/2πfVinの式により求めることができる。
なお、圧電トランス271に生じるキャパシタC51は、第1電極E71及び第2電極E72間に生じる容量、キャパシタC52は、第3電極E73及び第4電極E74間に生じる容量である。したがって、例えば、キャパシタC51のキャパシタンスは、第1電極E71と第2電極E72との間の容量を測定することで得られる。また、キャパシタC52のキャパシタンスは、第3電極E73と第4電極E74との間の容量を測定することで得られる。
以上のように、C32+C33≦C42+C43、かつ、C51+C53≦C61+C63の条件が満たされるように、圧電トランス171,172,271,272を選択することで、受電装置205の基準電位の変動を抑制できる。そして、その結果、基準電位の変動による不具合、例えば、装置の誤作動等を防止できる。
なお、本実施形態では、送電装置105及び受電装置205それぞれが圧電トランスを備えた構成としているが、送電装置105及び受電装置205の一方のみが圧電トランスを備えていてもよい。
送電装置105のみが圧電トランスを備えている場合、受電装置205の降圧部27は、巻線トランスで構成される。そして、この場合、C32+C33<C42+C43を満たすように、圧電トランス171,172を選択する。受電装置205のみが圧電トランスを備えている場合、送電装置105の昇圧部17は、巻線トランスで構成される。そして、この場合、C51+C53≦C61+C63を満たすように、圧電トランス271,272を選択する。
また、本実施形態では、受電装置205の降圧部27において、圧電トランス271の入力電極E72と、圧電トランス272の入力電極E81とはそれぞれ基準電位に接続しているが、接続していなくてもよい。この場合、圧電トランス271,272の入力電極側と出力電極側とが絶縁状態となるため、グランド経由で入力電極側に流れ込むノイズを抑制できる。そして、この場合では、C53≦C63を満たすよう、圧電トランス271,272を選択することで、受電装置205の基準電位の変動を抑制できる。
同様に、送電装置105において、圧電トランス171の第4電極E54と、圧電トランス172の第3電極E63とが、送電装置105の基準電位に接続していなくてもよい。この場合では、C33≦C43を満たすよう、圧電トランス171,172を選択することで、受電装置205の基準電位の変動を抑制できる。
(実施形態6)
実施形態5では、入出力部がともに圧電体素体の厚み方向に分極された圧電トランスを用いているのに対し、本実施形態では、入力部もしくは出力部のいずれか一方が圧電体素体の長手方向に分極され、他方が厚み方向に分極された圧電トランスを用いている点で、実施形態5と相違する。以下、実施形態5との相違点について説明する。
図14は、実施形態6に係るワイヤレス電力伝送システム6の回路図である。
ワイヤレス電力伝送システム6が備える送電装置106は、電源回路11からの交流電圧を昇圧し、アクティブ電極13及びパッシブ電極14へ印加する昇圧部18を備えている。昇圧部18は、二つの圧電トランス181,182を有している。圧電トランス181は、本発明に係る「第3圧電トランス」に相当する。圧電トランス182は、本発明に係る「第4圧電トランス」に相当する。
圧電トランス181は、第1電極E91、第2電極E92、第3電極E93及び第4電極E94を備えている。圧電トランス172は、第1電極E101、第2電極E102、第3電極E103及び第4電極E104を備えている。第1電極E91,E101は、本発明に係る「第1電圧入力電極」に相当する。第2電極E92,E102は、本発明に係る「第2電圧入力電極」に相当する。第3電極E93,E103は、本発明に係る「第1電圧出力電極」に相当する。第4電極E94,E104は、本発明に係る「第2電圧出力電極」に相当する。
圧電トランス181の第1電極E91及び第2電極E92は電源回路11に接続されている。また、第1電極E91は、送電装置106の基準電位にも接続されている。第3電極E93はアクティブ電極13に接続されている。第4電極E94は、圧電トランス182の第3電極E103、及び、送電装置106の基準電位に接続されている。
圧電トランス182の第1電極E101及び第2電極E102は、電源回路11に接続されている。また、第1電極E101は、送電装置106の基準電位にも接続されている。第4電極E104はパッシブ電極14に接続されている。第3電極E103は、圧電トランス181の第4電極E94、及び、送電装置106の基準電位に接続されている。
圧電トランス181,182には電極間に寄生容量が生じる。圧電トランス181の第1電極E91及び第2電極E92と、第3電極E93との間に生じる寄生容量をCa1で表し、第1電極E91及び第2電極E92と、第4電極E94との間に生じる寄生容量をCb1で表す。また、第1電極E91と第2電極E92との間に生じる寄生容量をCc1で表す。
同様に、圧電トランス182の第1電極E101及び第2電極E102と、第3電極E103との間に生じる寄生容量をCa2で表し、第1電極E101及び第2電極E102と、第4電極E104との間に生じる寄生容量をCb2で表す。また、第1電極E101と第2電極E102との間に生じる寄生容量をCc2で表す。
ワイヤレス電力伝送システム6が備える受電装置206は、アクティブ電極23及びパッシブ電極24に誘起される電圧を降圧し、ダイオードブリッジDBへ供給する降圧部28を備えている。降圧部28は、二つの圧電トランス281,282を有している。圧電トランス281は、本発明に係る「第1圧電トランス」に相当する。圧電トランス282は、本発明に係る「第2圧電トランス」に相当する。
圧電トランス281は、第1電極E111、第2電極E112、第3電極E113及び第4電極E114を備えている。圧電トランス282は、第1電極E121、第2電極E122、第3電極E123及び第4電極E124を備えている。第1電極E111,E121は、本発明に係る「第1電圧出力電極」に相当する。第2電極E112,E122は、本発明に係る「第2電圧出力電極」に相当する。第3電極E113,E123は、本発明に係る「第1電圧入力電極」に相当する。第4電極E114,E124は、本発明に係る「第2電圧入力電極」に相当する。
圧電トランス281の第1電極E111及び第2電極E112は、ダイオードブリッジDBに接続されている。第3電極E113はアクティブ電極23に接続されている。第4電極E114は、圧電トランスE282の第3電極E123、及び、受電装置206の基準電位に接続されている。
圧電トランス282の第1電極E121及び第2電極E122は、ダイオードブリッジDBに接続されている。第4電極E124はパッシブ電極24に接続されている。第3電極E123は、圧電トランスE281の第4電極E114、及び、受電装置206の基準電位に接続されている。
圧電トランス281,282には電極間に寄生容量が生じる。圧電トランス281の第1電極E111及び第2電極E112と、第3電極E113との間に生じる寄生容量をCa3で表し、第1電極E111及び第2電極E112と、第4電極E114との間に生じる寄生容量をCb3で表す。また、第1電極E111と第2電極E112との間に生じる寄生容量をCc3で表す。
同様に、圧電トランス282の第1電極E121及び第2電極E122と、第3電極E123との間に生じる寄生容量をCa4で表し、第1電極E121及び第2電極E122と、第4電極E124との間に生じる寄生容量をCb4で表す。また、第1電極E121と第2電極E122との間に生じる寄生容量をCc4で表す。
ここで、圧電トランス181,182,281,282の具体的構成について説明する。本実施形態では、圧電トランス181,182,281,282は、入力部もしくは出力部のいずれか一方が圧電体素体の長手方向に分極され、他方が厚み方向に分極された圧電トランスである。圧電トランス181,182,281,282それぞれは同じ構成であり、以下では、圧電トランス281について説明する。
図15は、実施形態6に係る圧電トランス281の一例を示す図である。圧電トランス281は、例えばPZT系セラミックスシートが積層されて形成された圧電体401を備えている。
圧電トランス281は、(3λ/2)共振モードで長さ方向に振動するものとする。ここで、λは長さ方向の振動の1波長である。したがって、圧電体401の長さは(3λ/2)としている。ここで、圧電体401の幅及び厚みは(λ/2)未満とすることが好ましい。そうすることで、幅方向及び厚み方向の振動が長さ方向の振動に結合せず、圧電トランス281全体の振動が不安定とならない。
圧電体401は、第1領域B1、第2領域B2、第3領域B3が形成されている。各領域B1〜B3の長さは、何れもλ/2である。
第1領域B1及び第3領域B3は、圧電体の長さ方向に平行に分極されており、第2領域B2は、厚み方向に平行に分極されている。第1領域B1と第3領域B3とは逆方向に分極されている。分極処理の方法としては、例えば、圧電体板を170℃の絶縁油中で2kV/mmの電圧を印加する方法等が挙げられる。
第2領域B2には、第1電極E111及び第2電極E112が圧電体401の側面に対向するよう設けられている。また、第2領域B2には、厚み方向に積層された複数の内部電極402が設けられている。この内部電極402は、交互に第1電極E111及び第2電極E112に接続している。
同様に、第1領域B1には、一対の第3電極E113A,113Bが圧電体401の側面に対向するよう設けられている。一対の第3電極E113A,113Bは、図14に示す第3電極E113に相当する。第1領域B1には、厚み方向に積層された複数の内部電極403が設けられている。この内部電極403は、全てが第3電極E113A,113Bの両方に接続している。
第3領域B3には、一対の第4電極E114A,114Bが圧電体401の側面に対向するよう設けられている。一対の第4電極E114A,114Bは、図14に示す第4電極E114に相当する。第3領域B3には、厚み方向に積層された複数の内部電極404が設けられている。この内部電極404は、全てが第4電極E114A,114Bの両方に接続している。
以上のように構成された圧電トランス281において、一対の第3電極E113A,113B、及び、一対の第4電極E114A,114Bから電圧が入力されると、第1領域B1及び第3領域B3には分極方向(長さ方向)に電界が加えられる。そして、逆圧電効果により分極方向、すなわち、圧電体401の長さ方向に縦振動が励振される。縦振動が励振されると、第2領域B2では分極方向に機械的歪みが生じ、圧電横効果により分極方向に電位差が発生する。この電位差により第2領域B2が低電圧部となり、第2領域B2の第1電極E111及び第2電極E112からから低電圧が取り出される。
以下に、本実施形態に係る圧電トランス181,182,281,282に生じる寄生容量と、実施形態5に係る圧電トランス171,172,271,272に生じる寄生容量との関係について説明する。ここでは、本実施形態に係る圧電トランス281に生じるキャパシタCa3,Cb3,Cc3と、実施形態5に係る圧電トランス271に生じるキャパシタC51,C52,C53(図10参照)との関係を例に挙げて説明する。
キャパシタCa3,Cb3,Cc3のキャパシタンスをそれぞれ、Ca3,Cb3,Cc3で表すと、キャパシタC51,C52,C53に対応するキャパシタンスはそれぞれ、C51=(1/Ca3+1/Cb3)−1、C52=Cc3、C53=Ca3+Cb3で表すことができる。
同様に、圧電トランス181に生じるキャパシタCa1,Cb1,Cc1は、圧電トランス171に生じるキャパシタC31,C32,C33と、同様の対応関係を有する。圧電トランス182に生じるキャパシタCa2,Cb2,Cc2は、圧電トランス172に生じるキャパシタC41,C42,C43と、同様の対応関係を有する。圧電トランス282に生じるキャパシタCa4,Cb4,Cc4は、圧電トランス272に生じるキャパシタC61,C62,C63と、同様の対応関係を有する。
これらの関係から、C32+C33≦C42+C43、かつ、C51+C53≦C61+C63を満たすように、圧電トランス181,182,281,282を選択する。これにより、受電装置206の基準電位の変動を抑制できる。そして、その結果、基準電位の変動による不具合、例えば、装置の誤作動等を防止できる。
以下に、圧電トランス181,182,281,282に生じる寄生容量の測定方法について説明する。
図16は、圧電トランス281に生じるキャパシタの測定方法を説明するための図である。なお、図16では、圧電トランス281に生じるキャパシタの測定方法のみを説明するが、他の圧電トランス181,182,282に生じるキャパシタの測定方法も同様である。
圧電トランス281の第3電極E113に定電流源150を接続し、第4電極E114はグランドに接続する。また、第1電極E111及び第2電極E112は短絡し、グランドに接続する。この接続構成において、キャパシタCa3(=キャパシタC53)のキャパシタンスは、圧電トランス281に入力される電圧Vinと、圧電トランス281から出力される電流Ioutとから、Ca3=C53=Iout/2πfVinの式により求めることができる。
圧電トランス281の第3電極E113及び第4電極E114間の容量を測定することで、キャパシタCa3,Cb3を直列接続した場合のキャパシタンスが測定できる。これにより、前記のC51=(1/Ca3+1/Cb3)−1から、キャパシタンスC51を測定できる。また、第1電極E111及び第2電極E112間の容量を測定することで、前記のC52=Cc3からキャパシタンスC52を測定できる。
以上のように、C32+C33≦C42+C43、かつ、C51+C53≦C61+C63の条件が満たされるように、圧電トランス181,182,281,282を選択することで、受電装置206の基準電位の変動を抑制できる。そして、その結果、基準電位の変動による不具合、例えば、装置の誤作動等を防止できる。
1,5,6…ワイヤレス電力伝送システム
11…電源回路
12…昇圧トランス(第2トランス)
13,23…アクティブ電極
14,24…パッシブ電極
15,16,17…昇圧部(第2トランス)
25,26,27…降圧部(第1トランス)
101,102,103,105,106…送電装置
161,171…圧電トランス(第3圧電トランス)
162,172…圧電トランス(第4圧電トランス)
201,202,203,205,206…受電装置
261,271…圧電トランス(第1圧電トランス)
262,281…圧電トランス(第2圧電トランス)
C11…キャパシタ(第1静電容量)
C12…キャパシタ(第2静電容量)
C13…キャパシタ(第3静電容量)
C14…キャパシタ(第4静電容量)
C15…キャパシタ(第1圧電トランスの入力容量)
C16…キャパシタ(第2圧電トランスの入力容量)
C17…キャパシタ(第3圧電トランスの入力容量)
C18…キャパシタ(第4圧電トランスの入力容量)
Co…キャパシタ
Ca,Cp…キャパシタ
DB…ダイオードブリッジ
E11,E21…第1電極(電圧入力電極)
E31,E41…第1電極(電圧出力電極)
E51,E61,E71,E81,E91,E101,E113,E123…第1電極(第1電圧入力電極)
E12,E22,E32,E42…第2電極(基準電位用電極)
E52,E62,E72,E82,E92,E102,E114,E124…第2電極(第2電圧入力電極)
E13,E23…第3電極(電圧出力電極)
E33,E43…第3電極(電圧入力電極)
E53,E63,E73,E83,E93,E103,E111,E121…第3電極(第1電圧出力電極)
E54,E64,E74,E84,E94,E104,E112,E122…第3電極(第2電圧出力電極)
L1…インダクタ
L2…インダクタ
n1…1次コイル
n2…2次コイル
R1…抵抗成分
RG…受電装置側基準電位点
TG…送電装置側基準電位点
RL…負荷回路
T11…巻線トランス(第3巻線トランス)
T12…巻線トランス(第4巻線トランス)
T21…巻線トランス(第1巻線トランス)
T22…巻線トランス(第2巻線トランス)
Z1,Z2,Z3,Z4…インピーダンス

Claims (17)

  1. 送電装置の送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電装置の送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極に誘起される電圧が印加される降圧部と、前記降圧部により励起された電圧が印加される負荷回路とを備え、前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記送電装置から電力が伝送される受電装置において、
    前記降圧部は、
    1次コイル及び2次コイルを有し、前記1次コイルの第1端が前記受電側アクティブ電極に接続され、第2端が自装置の基準電位に接続された第1巻線トランスと、
    1次コイル及び2次コイルを有し、前記1次コイルの第1端が前記受電側パッシブ電極に接続され、第2端が自装置の基準電位に接続された第2巻線トランスと、
    を有し、
    前記第1巻線トランスの前記1次コイルのインダクタンスをL11、前記1次コイルの前記第1端と前記第2端との間に生じる第1静電容量をC11、前記第2巻線トランスの1次コイルのインダクタンスをL12、前記1次コイルの前記第1端と前記第2端との間に生じる第2静電容量をC12、電力伝送の動作角周波数をωで表すと、
    1/ωC11<ωL11、1/ωC12<ωL12である場合、C11≦C12であり、
    1/ωC11>ωL11、1/ωC12>ωL12である場合、L11≧L12である、
    受電装置。
  2. 前記第1静電容量及び前記第2静電容量は、前記第1巻線トランス、及び前記第2巻線トランスの前記1次コイルの巻線間浮遊容量である、
    請求項1に記載の受電装置。
  3. 送電装置の送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電装置の送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極に誘起される電圧が印加される降圧部と、前記降圧部により励起された電圧が印加される負荷回路とを備え、前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記送電装置から電力が伝送される受電装置において、
    前記降圧部は、
    1次コイル及び2次コイルを有する第1巻線トランス及び第2巻線トランスを有し、
    前記第1巻線トランスは、
    前記1次コイルの第1端が前記受電側アクティブ電極に接続され、第2端が前記第2巻線トランスの1次コイルの第1端に接続された構成であり、
    前記第2巻線トランスは、前記1次コイルの第2端が前記受電側パッシブ電極に接続された構成であり、
    前記第1巻線トランスの前記1次コイル及び前記2次コイルの間の静電容量をC13、前記第2巻線トランスの前記1次コイル及び前記2次コイルの間の静電容量をC14で表すと、C13≦C14である、
    受電装置。
  4. 送電装置の送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電装置の送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極に誘起される電圧が印加される降圧部と、前記降圧部により励起された電圧が印加される負荷回路とを備え、前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記送電装置から電力が伝送される受電装置において、
    前記降圧部は、
    電圧入力電極、電圧出力電極、及び、自装置の基準電位に接続される基準電位用電極を有する第1圧電トランス及び第2圧電トランスを有し、
    前記第1圧電トランスは、
    前記電圧入力電極が前記受電側アクティブ電極に接続され、前記電圧出力電極が、前記第2圧電トランスの前記電圧出力電極に接続された構成であり、
    前記第2圧電トランスは、
    前記電圧入力電極が前記受電側パッシブ電極に接続された構成であり、
    前記第1圧電トランスの前記電圧入力電極と前記基準電位用電極との間に生じる静電容量をC15、前記第2圧電トランスの前記電圧入力電極と前記基準電位用電極との間に生じる静電容量をC16で表すと、C15≦C16である、
    受電装置。
  5. 送電装置の送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電装置の送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極に誘起される電圧が印加される降圧部と、前記降圧部により励起された電圧が印加される負荷回路とを備え、前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記送電装置から電力が伝送される受電装置において、
    前記降圧部は、
    第1電圧入力電極、第2電圧入力電極、第1電圧出力電極及び第2電圧出力電極を有する第1圧電トランス及び第2圧電トランスを有し、
    前記第1圧電トランスは、
    前記第1電圧入力電極が前記受電側アクティブ電極に接続され、前記第2電圧入力電極が、自装置の基準電位に接続された構成であり、
    前記第2圧電トランスは、
    前記第2電圧入力電極が前記受電側パッシブ電極に接続され、前記第1電圧入力電極が、前記第1圧電トランスの前記第2電圧入力電極、及び、自装置の基準電位に接続された構成であり、
    前記第1圧電トランスの前記第1電圧入力電極と前記第2電圧入力電極との間に生じる静電容量をC51、前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC53で表し、
    前記第2圧電トランスの前記第1電圧入力電極と前記第2電圧入力電極との間に生じる静電容量をC61、前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC63で表すと、
    C51+C53≦C61+C63である、
    受電装置。
  6. 送電装置の送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電装置の送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極に誘起される電圧が印加される降圧部と、前記降圧部により励起された電圧が印加される負荷回路とを備え、前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記送電装置から電力が伝送される受電装置において、
    前記降圧部は、
    第1電圧入力電極、第2電圧入力電極、第1電圧出力電極及び第2電圧出力電極を有する第1圧電トランス及び第2圧電トランスを有し、
    前記第1圧電トランスは、
    前記第1電圧入力電極が前記受電側アクティブ電極に接続された構成であり、
    前記第2圧電トランスは、
    前記第2電圧入力電極が前記受電側パッシブ電極に接続され、前記第1電圧入力電極が、前記第1圧電トランスの前記第2電圧入力電極に接続された構成であり、
    前記第1圧電トランスの前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC53で表し、
    前記第2圧電トランスの前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC63で表すと、
    C53≦C63である、
    受電装置。
  7. 受電装置の受電側アクティブ電極に対向する送電側アクティブ電極と、前記受電装置の受電側パッシブ電極に対向する送電側パッシブ電極と、前記送電側アクティブ電極及び前記送電側パッシブ電極に印加する交流電圧が印加される昇圧部とを備え、前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記受電装置へ電力を伝送する送電装置において、
    前記昇圧部は、
    1次コイル及び2次コイルを有し、前記2次コイルの第1端が前記送電側アクティブ電極に接続され、第2端が自装置の基準電位に接続された第3巻線トランスと、
    1次コイル及び2次コイルを有し、前記2次コイルの第1端が前記送電側パッシブ電極に接続され、第2端が自装置の基準電位に接続された第4巻線トランスと、
    を有し、
    前記第3巻線トランスの前記2次コイルのインダクタンスをL21、前記1次コイルの前記第1端と前記第2端との間に生じる第1静電容量をC21、前記第4巻線トランスの前記2次コイルのインダクタンスをL22、前記2次コイルの前記第1端と前記第2端との間に生じる第2静電容量をC22、電力伝送の動作角周波数をωで表すと、
    1/ωC21<ωL21、1/ωC22<ωL22である場合、C21≦C22であり、
    1/ωC21>ωL21、1/ωC22>ωL22である場合、L21≧L22である、
    送電装置。
  8. 前記第1静電容量、及び前記第2静電容量は、前記第3巻線トランス、及び前記第4巻線トランスの前記2次コイルの巻線間浮遊容量である、
    請求項7に記載の送電装置。
  9. 受電装置の受電側アクティブ電極に対向する送電側アクティブ電極と、前記受電装置の受電側パッシブ電極に対向する送電側パッシブ電極と、前記送電側アクティブ電極及び前記送電側パッシブ電極に印加する交流電圧が印加される昇圧部とを備え、前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記受電装置へ電力を伝送する送電装置において、
    前記昇圧部は、
    1次コイル及び2次コイルを有する第3巻線トランス及び第4巻線トランスを有し、
    前記第3巻線トランスは、前記2次コイルの第1端が前記送電側アクティブ電極に接続され、第2端が前記第4巻線トランスの前記2次コイルの第1端に接続された構成であり、
    前記第4巻線トランスは、前記2次コイルの第2端が前記送電側パッシブ電極に接続された構成であり、
    前記第3巻線トランスの1次コイル、及び前記2次コイルの間の静電容量をC23、前記第4巻線トランスの1次コイル、及び前記2次コイルの間の静電容量をC24で表すと、C23≦C24である、
    送電装置。
  10. 受電装置の受電側アクティブ電極に対向する送電側アクティブ電極と、前記受電装置の受電側パッシブ電極に対向する送電側パッシブ電極と、前記送電側アクティブ電極及び前記送電側パッシブ電極に印加する交流電圧が印加される昇圧部とを備え、前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記受電装置へ電力を伝送する送電装置において、
    前記昇圧部は、
    電圧入力電極、電圧出力電極及び自装置の基準電位に接続される基準電位用電極を有する第3圧電トランス及び第4圧電トランスを有し、
    前記第3圧電トランスは、
    前記電圧出力電極が前記送電側アクティブ電極に接続され、前記電圧入力電極が、前記第4圧電トランスの前記電圧入力電極に接続された構成であり、
    前記第4圧電トランスは、
    前記電圧出力電極が前記送電側パッシブ電極に接続された構成であり、
    前記第3圧電トランスの前記電圧出力電極と前記基準電位用電極との間に生じる静電容量をC25、前記第4圧電トランスの前記電圧出力電極と前記基準電位用電極との間に生じる静電容量をC26で表すと、C25≦C26である、
    送電装置。
  11. 受電装置の受電側アクティブ電極に対向する送電側アクティブ電極と、前記受電装置の受電側パッシブ電極に対向する送電側パッシブ電極と、前記送電側アクティブ電極及び前記送電側パッシブ電極に印加する交流電圧が印加される昇圧部とを備え、前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記受電装置へ電力を伝送する送電装置において、
    前記昇圧部は、
    第1電圧入力電極、第2電圧入力電極、第1電圧出力電極及び第2電圧出力電極を有する第3圧電トランス及び第4圧電トランスを有し、
    前記第3圧電トランスは、
    前記第1電圧出力電極が前記送電側アクティブ電極に接続され、前記第2電圧出力電極が自装置の基準電位に接続された構成であり、
    前記第4圧電トランスは、
    前記第2電圧出力電極が前記送電側パッシブ電極に接続され、前記第1電圧出力電極が、前記第3圧電トランスの前記第2電圧出力電極、及び、自装置の基準電位に接続された構成であり、
    前記第3圧電トランスの前記第1電圧出力電極と前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC32、前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC33で表し、
    前記第4圧電トランスの前記第1電圧出力電極と前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC42、前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC43で表すと、
    C32+C33≦C42+C43である、
    送電装置。
  12. 受電装置の受電側アクティブ電極に対向する送電側アクティブ電極と、前記受電装置の受電側パッシブ電極に対向する送電側パッシブ電極と、前記送電側アクティブ電極及び前記送電側パッシブ電極に印加する交流電圧が印加される昇圧部とを備え、前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記受電装置へ電力を伝送する送電装置において、
    前記昇圧部は、
    第1電圧入力電極、第2電圧入力電極、第1電圧出力電極及び第2電圧出力電極を有する第3圧電トランス及び第4圧電トランスを有し、
    前記第3圧電トランスは、
    前記第1電圧出力電極が前記送電側アクティブ電極に接続された構成であり、
    前記第4圧電トランスは、
    前記第2電圧出力電極が前記送電側パッシブ電極に接続され、前記第1電圧出力電極が、前記第3圧電トランスの前記第2電圧出力電極に接続された構成であり、
    前記第3圧電トランスの前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC33で表し、
    前記第4圧電トランスの前記第1電圧入力電極及び前記第2電圧入力電極と前記第1電圧出力電極及び前記第2電圧出力電極との間に生じる静電容量をC43で表すと、
    C33≦C43である、
    送電装置。
  13. 送電側アクティブ電極と、送電側パッシブ電極と、送電側アクティブ電極及び送電側パッシブ電極に交流電圧を印加する昇圧部を有する送電装置と、
    前記送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極の間に生じる電圧が印加される降圧部とを有する受電装置と、
    を備え、
    前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムにおいて、
    前記降圧部は、
    1次コイル及び2次コイルを有し、前記1次コイルの第1端が前記受電側アクティブ電極に接続され、第2端が自装置の基準電位に接続された第1巻線トランスと、
    1次コイル及び2次コイルを有し、前記1次コイルの第1端が前記受電側パッシブ電極に接続され、第2端が自装置の基準電位に接続された第2巻線トランスと、
    を有し、
    前記第1巻線トランスの前記1次コイルのインダクタンスをL11、前記1次コイルの前記第1端と前記第2端との間に生じる第1静電容量をC11、前記第2巻線トランスの1次コイルのインダクタンスをL12、前記1次コイルの前記第1端と前記第2端との間に生じる第1静電容量をC12、電力伝送の動作角周波数をωで表すと、
    1/ωC11<ωL11、1/ωC12<ωL12である場合、C11≦C12であり、
    1/ωC11>ωL11、1/ωC12>ωL12である場合、L11≧L12である、
    ワイヤレス電力伝送システム。
  14. 送電側アクティブ電極と、送電側パッシブ電極と、送電側アクティブ電極及び送電側パッシブ電極に交流電圧を印加する昇圧部を有する送電装置と、
    前記送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極の間に生じる電圧が印加される降圧部とを有する受電装置と、
    を備え、
    前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムにおいて、
    前記昇圧部は、
    1次コイル及び2次コイルを有する第3巻線トランス、及び第4巻線トランスを有し、
    前記第3巻線トランスは、前記2次コイルの第1端が前記送電側アクティブ電極に接続され、第2端が前記第4巻線トランスの前記2次コイルの第1端に接続された構成であり、
    前記第4巻線トランスは、前記1次コイルの第2端が前記送電側パッシブ電極に接続された構成であり、
    前記第3巻線トランスの1次コイル、及び前記2次コイルの間の静電容量をC13、前記第4巻線トランスの1次コイル、及び前記2次コイルの間の静電容量をC14で表すと、C13≦C14である、
    ワイヤレス電力伝送システム。
  15. 送電側アクティブ電極と、送電側パッシブ電極と、送電側アクティブ電極及び送電側パッシブ電極に交流電圧を印加する昇圧部を有する送電装置と、
    前記送電側アクティブ電極に対向する受電側アクティブ電極と、前記送電側パッシブ電極に対向する受電側パッシブ電極と、前記受電側アクティブ電極及び前記受電側パッシブ電極の間に生じる電圧が印加される降圧部とを有する受電装置と、
    を備え、
    前記送電側アクティブ電極と前記受電側アクティブ電極とに印加される電圧を相対的に高くし、前記送電側パッシブ電極と前記受電側パッシブ電極とに印加される電圧を相対的に低くして、電界結合により前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムにおいて、
    前記降圧部は、
    電圧入力電極、電圧出力電極、及び、前記受電装置の基準電位に接続される基準電位用電極を有する第1圧電トランス、第2圧電トランスを有し、
    前記第1圧電トランスは、
    前記電圧入力電極が前記受電側アクティブ電極に接続され、前記電圧出力電極が、前記第2圧電トランスの前記電圧出力電極に接続された構成であり、
    前記第2圧電トランスは、
    前記電圧入力電極が前記受電側パッシブ電極に接続された構成であり、
    前記第1圧電トランスの前記電圧入力電極と前記基準電位用電極との間に生じる静電容量をC15、前記第2圧電トランスの前記電圧入力電極と前記基準電位用電極との間に生じる静電容量をC16で表すと、C15≦C16である、
    ワイヤレス電力伝送システム。
  16. 前記昇圧部は、
    電圧入力電極、電圧出力電極、及び、前記送電装置の基準電位に接続される基準電位用電極を有する第3圧電トランス、第4圧電トランスを有し、
    前記第3圧電トランスは、
    前記電圧出力電極が前記送電側アクティブ電極に接続され、前記電圧入力電極が、前記第4圧電トランスの前記電圧入力電極に接続された構成であり、
    前記第4圧電トランスは、
    前記電圧出力電極が前記送電側パッシブ電極に接続された構成であり、
    前記第3圧電トランスの前記電圧出力電極と前記基準電位用電極との間に生じる静電容量をC25、前記第4圧電トランスの前記電圧出力電極と前記基準電位用電極との間に生じる静電容量をC26で表すと、C25≦C26である、
    請求項15に記載のワイヤレス電力伝送システム。
  17. 前記第1圧電トランス及び前記第3圧電トランスは、同一の圧電トランスであり、
    前記第2圧電トランス及び前記第4圧電トランスは、同一の圧電トランスである、
    請求項16に記載のワイヤレス電力伝送システム。
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