JP5935357B2 - 印刷装置、計算装置、および、制御プログラム - Google Patents

印刷装置、計算装置、および、制御プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5935357B2
JP5935357B2 JP2012018694A JP2012018694A JP5935357B2 JP 5935357 B2 JP5935357 B2 JP 5935357B2 JP 2012018694 A JP2012018694 A JP 2012018694A JP 2012018694 A JP2012018694 A JP 2012018694A JP 5935357 B2 JP5935357 B2 JP 5935357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
test image
printing apparatus
scanning direction
sub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012018694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013154610A (ja
Inventor
幸樹 青沼
幸樹 青沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2012018694A priority Critical patent/JP5935357B2/ja
Publication of JP2013154610A publication Critical patent/JP2013154610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5935357B2 publication Critical patent/JP5935357B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Exposure Or Original Feeding In Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Facsimiles In General (AREA)
  • Fax Reproducing Arrangements (AREA)

Description

本発明は、テスト画像を利用して印刷画質を修正する技術に関する。
印刷装置の画質問題として、画像上に意図しない帯が現れるバンディングが挙げられる。バンディングを抑制する方法として、印刷解像度(例えば、1インチ当りの線数)を低くする方法がある。しかし、過度な印刷解像度の低下は、粒状性の悪化、エッジの再現性の低下などの別の画質問題をもたらす可能性がある。一方で、バンディングの程度は、印刷の工程における様々な要因、例えば、感光体や搬送ローラなどの回転体、および、これらの回転体を駆動するため機構(例えば、ギヤ、モータ)の製造精度、トナーなどの消耗材の特性、温度、湿度の影響を受ける。したがって、バンディングの程度は、印刷装置の個体差、さらには、印刷装置の使用状態(例えば、使用年数、トナー残量)、使用環境(例えば、温度、湿度)に応じて変動する。
ここで、感光体や転写体に形成されたトナー像(テスト画像)をフォトセンサによって読み取ることによって、テスト画像の濃度をサンプリングして印刷画質を判定する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開平4−212974号公報
しかしながら、上記技術では、バンディングの程度を適正に評価して、適正な対策を講じることについて、十分に考慮されているとは言えなかった。この結果、十分にバンディングを抑制できない、バンディング対策による別の画質問題を引き起こす、などによって画質低下が生じる可能性があった。
本発明の主な利点は、バンディングなどの画質低下を適切に抑制できる新たな技術を提供することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 消耗材を用いて第1のテスト画像と第2のテスト画像とを形成する画像形成部であって、前記第1のテスト画像は、複数の第1の画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像であって、第1の印刷解像度と対応関係を有する画像であり、前記第2のテスト画像は、複数の第2の画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像であって、第2の印刷解像度と対応関係を有する画像であり、前記第1の画像パターンと前記第2の画像パターンとは、前記消耗材を用いて形成される印刷画素が配置される配置領域と前記印刷画素が配置されない非配置領域とによって規定されるパターンが異なる、前記画像形成部と、
形成された前記第1のテスト画像を光学的に読み取って得られる第1の読取データと、形成された前記第2のテスト画像を光学的に読み取って得られる第2の読取データと、を取得する取得部であって、前記第1の読取データは、対応する前記第1のテスト画像における副走査方向の位置が異なる複数の第1の評価領域の読取結果をそれぞれ表す複数の第1の領域別データを含み、前記第2の読取データは、対応する前記第2のテスト画像における副走査方向の位置が異なる複数の第2の評価領域の読取結果をそれぞれ表す複数の第2の領域別データを含む、前記取得部と、
取得された前記第1の読取データと前記第2の読取データとを用いて、使用可能な印刷解像度の中から、画像の形成に用いる使用解像度を選択する選択部と、
を備える、印刷装置。
上記構成によれば、第1のテスト画像と第2のテスト画像とは、それぞれ第1の印刷解像度と第2の印刷解像度との対応関係を有している。印刷装置は、これらの第1のテスト画像と第2のテスト画像とを光学的に読み取って得られる第1の読取データと第2の読取データとを用いて第1の印刷解像度と第2の印刷画像との一方の印刷解像度を選択する。この第1の読取データと第2の読取データとは、副走査方向の位置が異なる複数の評価領域の読取結果をそれぞれ表すそれぞれ複数の第1の領域別データと第2の領域別データとを含んでいる。この結果、バンディングの程度を、印刷装置の個体差や使用状況などによって異なり得る印刷装置の現実の画像形成の能力に応じて適切に判断したうえで、適切な印刷解像度を選択することができる。この結果、バンディングによる画質低下を適切に抑制することができる。
[適用例2] 適用例1に記載の印刷装置であって、さらに、
前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とにおける予め定められた特定サイズの読取範囲を読み取る第1の読取部を備え、
前記取得部は、複数の前記特定サイズの読取範囲の読取結果を組合せて、1つの前記領域別データを作成する、印刷装置。
上記構成によれば、特定サイズの領域の読取結果を組合せて、領域別データを作成することができる。この結果、特定サイズの領域を読み取る第1の読取部を用いて、第1のテスト画像と第2のテスト画像とを適切に評価することができる。
[適用例3] 適用例2に記載の印刷装置であって、
複数の前記特定サイズの読取範囲の読取結果の組合せは、前記特定サイズの読取範囲の副走査方向の大きさと、前記第1の画像パターンと第2の画像パターンとのそれぞれの副走査方向の大きさとによって定められる、印刷装置。
上記構成によれば、第1のテスト画像と第2のテスト画像とを適切に評価できるように、読取結果を組合せることができる。
[適用例4] 適用例1に記載の印刷装置であって、
前記第1の評価領域の副走査方向の大きさは、前記第1の画像パターンの副走査方向の大きさの整数倍であり、前記第2の評価領域の副走査方向の大きさは、前記第2の画像パターンの副走査方向の大きさの整数倍である、印刷装置。
上記構成によれば、第1の評価領域と第2の評価領域とに含まれる画像パターンの数がそれぞれ整数になるので、第1の評価領域と第2の評価領域とがそれぞれ理想的に形成されている場合に第1の評価領域と第2の評価領域との内容がそれぞれ等価になる。この結果、画像形成過程で生じた第1の評価領域と第2の評価領域との差をそれぞれ適切に評価することができる。
[適用例5] 適用例4に記載の印刷装置であって、さらに、
副走査方向の読取範囲を変更することで、前記第1の画像パターンの副走査方向の大きさの整数倍である前記第1の評価領域を読み取り可能であり、前記第2の画像パターンの副走査方向の大きさの整数倍である前記第2の評価領域を読み取り可能である、第2の読取部を備える、印刷装置。
上記構成によれば、第2の読取部を用いて、適正な第1の領域別データと第2の領域別データとを取得することができる。
[適用例6] 適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記第1の領域別データは、対応する前記第1の評価領域の濃度を表す第1の濃度データを含み、前記第2の領域別データは、対応する前記第2の評価領域の濃度を表す第2の濃度データを含み、
前記選択部は、前記第1のテスト画像の濃度のばらつきを前記第1の濃度データを用いて算出し、前記第2のテスト画像の濃度のばらつきを前記第2の濃度データを用いて算出する算出部を備え、前記濃度のばらつきに基づいて、前記使用解像度を選択する、印刷装置。
テスト画像の濃度のばらつきとバンディングの程度とには、相関関係がある。上記構成によれば、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像との濃度のばらつきに基づいて、バンディングを適切に抑制できる印刷解像度を選択することができる。
[適用例7] 適用例6のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記選択部は、前記濃度のばらつきが閾値以下であるテスト画像に対応した印刷解像度を前記使用解像度として選択する、印刷装置。
テスト画像のバンディングの程度が大きいほど、テスト画像の濃度のばらつきが大きくなる。上記構成によれば、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像との濃度のばらつきを、閾値を用いて評価することによって、バンディングの程度を適切に評価できる。
[適用例8] 適用例7に記載の印刷装置であって、
前記選択部は、前記第1のテスト画像の前記濃度のばらつきと前記第2のテスト画像の前記濃度のばらつきとが前記閾値以下である場合には、前記第1のテスト画像に対応する前記第1の印刷解像度と、前記第2のテスト画像に対応する前記第2の印刷解像度のうちの印刷解像度が高い方を、前記使用解像度として選択する、印刷装置。
上記構成によれば、過度に印刷解像度を低くすることを抑制できるので、バンディングを抑制するとともに、印刷解像度の低下に起因する画質低下を抑制することができる。
[適用例9] 適用例1ないし適用例8のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とにおけるそれぞれの第1の周期は、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とにおけるそれぞれの第2の周期以下であり、
前記第1の周期は、副走査方向に沿って前記配置領域と前記非配置領域とが繰り返される周期であり、
前記第2の周期は、主走査方向に沿って前記配置領域と前記非配置領域とが繰り返される周期であり、
前記第1の周期は、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とで異なる、印刷装置。
主走査方向に沿った帯状のバンディングは、副走査方向の印刷解像度の影響を受けやすい。上記構成によれば、テスト画像において、副走査方向の周期を、主走査方向の周期以下とすることによって、バンディングを適切に評価することができる。
[適用例10] 適用例9に記載の印刷装置であって、
前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とはそれぞれ、ライン方向に平行な複数の配置ラインと、ライン方向に平行な複数の非配置ラインと、が交互に並んだ画像であり、
前記配置ラインは前記配置領域によって形成されるラインであり、
前記非配置ラインは前記非配置領域によって形成されるラインであり、
前記ライン方向と前記主走査方向との間の鋭角は、45度以下である、印刷装置。
上記構成によれば、配置ラインと非配置ラインとが周期的に繰り返されるテスト画像を用いて、バンディングを適切に評価することができる。
[適用例11] 適用例9または適用例10に記載の印刷装置であって、
前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とのそれぞれの前記第1の周期は、前記印刷装置の副走査方向の前記印刷解像度に対応している、印刷装置。
上記構成によれば、第1のテスト画像と第2のテスト画像とのそれぞれの第1の周期は、印刷装置の副走査方向の印刷解像度に対応しているので、第1のテスト画像と第2のテスト画像とのそれぞれの読取結果を用いて、適切な印刷解像度を選択することができる。
[適用例12] 適用例1ないし適用例11のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記第1のテスト画像は、均一濃度の画像を表す処理前画像データに対して第1のディザマトリクスを用いたハーフトーン処理を行って得られる処理後画像データによって表される画像であり、前記第2のテスト画像は、均一濃度の画像を表す処理前画像データに対して前記第1のディザマトリクスとは異なる第2のディザマトリクスを用いたハーフトーン処理を行って得られる処理後画像データによって表される画像であり、
前記選択部は、前記第1のディザマトリクスと前記第2のディザマトリクスとの中から使用するディザマトリクスを選択することによって前記使用解像度を選択する、印刷装置。
上記構成によれば、ディザマトリクスを用いて得られる画像データによって表されるテスト画像を用いて、使用するディザマトリクスを選択する。この結果、実際に使用するディザマトリクスを用いた場合のバンディングの程度を直接的に評価して、適切なディザマトリクス(印刷解像度)を選択することができる。
[適用例13] 適用例6ないし適用例8のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記選択部は、前記第1のテスト画像の前記濃度のばらつきと前記第2のテスト画像の前記濃度のばらつきとがそれぞれ前記閾値を超える場合には、予め定められた印刷解像度を、前記使用解像度として選択する、印刷装置。
上記構成によれば、適正な印刷解像度を選択することができないために、印刷を行うことができない不都合を回避することができる。
[適用例14] 適用例6ないし適用例8または適用例13のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、
前記第1のテスト画像の前記濃度のばらつきと前記第2のテスト画像の前記濃度のばらつきとが閾値を超える場合には、特定の報知を利用者に対して実行する報知部を備える、印刷装置。
上記構成によれば、適正な印刷解像度を選択することができないことを利用者に認識させることができる。
[適用例15] 適用例1ないし適用例14のいずれかに記載の印刷装置であって、
文字を表す文字画像の印刷に用いる印刷解像度と、文字を含まない非文字画像の印刷に用いる印刷解像度とを、独立して設定可能であり、
前記選択部が選択する前記使用解像度は、前記非文字画像の印刷に用いる印刷解像度である、印刷装置。
上記構成によれば、印刷解像度の低下による画質劣化よりもバンディングが目立ちやすい非文字画像について使用解像度を選択し、バンディングよりも印刷解像度の低下による画質劣化が目立ちやすい文字画像については、別の印刷解像度を使用できる。この結果、画像の内容に応じて適切な印刷解像度を用いた印刷を実行することができる。文字画像および非文字画像は、印刷画像全体であっても良いし、印刷画像の一部の画像(部分画像)であっても良い。非文字画像は、例えば、写真画像、描画画像を含む。
[適用例16] 適用例1ないし適用例15のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記画像形成部は、前記印刷装置の消耗品の使用状況が特定基準に到達した場合に、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とを形成する、印刷装置。
消耗品(例えば、消耗材、感光体)の使用状況に応じて、バンディングの発生状況は変化する。上記構成によれば、消耗材の使用状況が特定基準に到達した場合に第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とが形成されるので、バンディングの程度が変化しがちなタイミングで、第1のテスト画像と第2のテスト画像とを形成することができる。
[適用例17] 適用例1ないし適用例16のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記画像形成部は、さらに、前記選択部が前記使用解像度を選択した後に、前記テスト画像とは異なる濃度補正用画像を形成し、
前記印刷装置は、さらに、
前記濃度補正用画像を読み取って得られる濃度補正データを用いて、印刷対象の画像データが表す画像の印刷結果の濃度を補正する濃度補正部を備える、印刷装置。
上記構成によれば、印刷解像度を選択した後に濃度補正を行うので、印刷解像度が変更されたことによって印刷結果の濃度が変動する場合であっても、適正な濃度で印刷を行うことができる。
[適用例18] 適用例1ないし適用例17のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記印刷装置は、副走査方向に搬送されるシート上に印刷画像を形成し、
前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とのそれぞれの副走査方向の大きさは、前記シートの副走査方向の大きさ以上である、印刷装置。
バンディングは、副走査方向のあらゆる位置において発生し得る。上記構成によれば、バンディングが発生し得る副走査方向の全範囲に亘るテスト画像を用いるので、バンディングの程度を適切に評価することができる。
[適用例19] 適用例1ないし適用例18のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とのそれぞれの副走査方向の大きさは、前記テスト画像の主走査方向の大きさより大きい、印刷装置。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、上記装置の機能を実現する方法、上記制御プログラム、コンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としての印刷装置100と印刷装置100と通信可能に接続された計算装置200と機能構成を示すブロック図。 印刷装置100の概略構成を示す図。 印刷装置100(図1)によって実行される印刷処理のフローチャート。 第1実施例の解像度設定処理の処理ステップを示すフローチャート。 テスト画像の画像パターンを説明する図。 搬送ベルト58に形成されたテスト画像を表す概念図。 テスト画像と印刷解像度(線数)との対応関係を示すテーブル。 6種類のテスト画像TG(X)のばらつきZ(X)を示すグラフ。 第2実施例の解像度設定処理の処理ステップを示すフローチャート。 第2実施例における濃度のばらつきZ(X)の一例を示すグラフ。 第3実施例の解像度設定処理の処理ステップを示すフローチャート。 ディザマトリクスの一例を示す図。 第3実施例のテスト画像TG(X)を構成する画像パターンGPの例を示す図。 第4実施例の解像度設定処理の処理ステップを示すフローチャート。 第4実施例における読取範囲ARの一例を示す図。 変形例における画像パターンの一例を示す図。 変形例における印刷処理の処理ステップを示すフローチャート。
A.第1実施例:
A−1:印刷装置100、計算装置200の構成
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例としての印刷装置100と、印刷装置100と通信可能に接続された計算装置200と機能構成を示すブロック図である。印刷装置100は、印刷材(本実施例では、4色(CMYK)のトナー)を用いて画像を形成する印刷装置(本実施例では、レーザプリンタ)である。印刷装置100は、CPU110と、DRAM等の揮発性メモリ120と、EEPROM等の不揮発性メモリ130と、液晶ディスプレイ等の表示部140と、タッチパネル等の操作部150と、外部装置との通信のためのインタフェースである通信部160と、印刷実行部50と、読取部40と、を備える。
不揮発性メモリ130は、プログラム132と、ハーフトーン処理にて用いられるディザマトリクスを規定するディザマトリクスデータ136と、後述するテスト画像の画像パターンを規定する画像パターンデータ138と、を格納している。これらのデータ136、138は、プログラム132に一体に組み込まれていても良い。CPU110は、プログラム132を実行することによって、印刷制御部M100として機能する。印刷制御部M100は、印刷の実行などの種々な機能を実現する。
印刷制御部M100は、画像形成部M102と、取得部M104と、選択部M106と、濃度補正部M110と、報知部M112と、を備える。選択部M106は、算出部M108を備える。画像形成部M102は、複数種類のテスト画像を形成する。取得部M104は、形成されたテスト画像を、読取部40を用いて読み取って得られる読取データを取得する。選択部M106は、複数のテスト画像の読取データを用いて、複数の印刷解像度の中から、印刷(画像の形成)に用いる使用解像度を選択する。算出部M108は、読取データを用いて、形成されたテスト画像の濃度ばらつきを算出する。濃度補正部M110は、テスト画像とは異なる画像を用いて濃度補正を実行する。報知部M112は、必要に応じてユーザに対して、トナー交換などを促す報知を行う。これらの機能部の具体的な処理内容については後述する。
図1に加えて、図2を参照しながら、印刷装置100の構成を、さらに説明する。図2は、印刷装置100の概略構成を示す図である。図2には、3つの方向Dx、Dy、Dzが示されている。2つの方向Dx、Dyは、それぞれ、水平な方向であり、Dz方向は、鉛直上方向である。Dy方向とDx方向は互いに直行する。以下、Dx方向を「+Dx方向」とも呼び、Dx方向の反対方向を「−Dx方向」とも呼ぶ。+Dy方向、−Dy方向、+Dz方向、−Dz方向についても、同様である。
印刷装置100は、上述した印刷実行部50を収容する略直方体の筐体10と、筐体10の鉛直下端部分に収容される給紙トレイ30を備えている。筐体10の上面には、排紙トレイ20として機能する傾斜面と、排紙トレイ20に対して印刷後の印刷媒体Pを排出するための開口OPとが形成されている。印刷実行部50は、搬送機構と、露光部51と、CMYKの各トナー用のプロセスユニット59C、59M、59Y、59Kと、CMYKの各トナー用の転写ローラ55C、55M、55Y、55Kと、定着部56と、を備えている。
搬送機構は、駆動ローラ57Aと、従動ローラ57Bと、搬送ベルト58と、図示しないモータや他のローラを備えており、給紙トレイ30から排紙トレイ20に至る搬送経路SR(図2:一点破線)に沿って、印刷媒体Pを搬送する。駆動ローラ57Aと、従動ローラ57Bは、Dy方向を軸方向とする円筒形状を有している。搬送ベルト58は、駆動ローラ57Aと従動ローラ57Bとの間に架設されている。搬送ベルト58のDy方向の幅は、印刷媒体Pの対応する方向の幅よりも広い。搬送ベルト58は、駆動ローラ57Aの回転と同期して回転し、上面58A(鉛直上側の面)に印刷媒体Pを乗せた状態で、印刷媒体Pを搬送する。
プロセスユニット59C、59M、59Y、59Kは、搬送ベルト58の上面58Aに沿って並んでいる。したがって、搬送ベルト58の上面58Aにおいて印刷媒体Pが搬送方向(−Dx方向)に搬送されると、プロセスユニット59C、59M、59Y、59Kは、印刷媒体Pに対して搬送方向の反対方向(+Dx方向)に移動する。以下、搬送方向の反対方向(+Dx方向)を副走査方向とも呼ぶ。
プロセスユニット59C、59M、59Y、59Kは、それぞれに、対応する色のトナーを収容したトナーカートリッジ52C、52M、52Y、52Kと、現像ローラ53C、53M、53Y、53Kと、感光ドラム54C、54M、54Y、54Kとを備えている。以下では、4つのプロセスユニット59C、59M、59Y、59K、および、これらの構成部品をトナーの色ごとに区別しないときには、符号の末尾の英字を省略して、例えば、プロセスユニット59、感光ドラム54とも呼ぶ。現像ローラ53および感光ドラム54は、Dy方向を軸方向とする円筒形状を有している。現像ローラ53および感光ドラム54の軸方向の長さは、印刷媒体Pの対応する方向の幅より長い。現像ローラ53と感光ドラム54は、後述するトナーの受け渡し(現像)のために接触している。
プロセスユニット59は、トナーの消費、感光ドラム54の汚れなどに応じて交換できるように、着脱自在に構成されている。また、トナーカートリッジ52は、トナーを収容する収容体であり、プロセスユニット59とは独立して交換できるように、プロセスユニット59に対して着脱自在に構成されている。トナーカートリッジ52は、プロセスユニット59に対して着脱不能に固定されていても良い。トナーなどの印刷材を「消耗材」とも呼び、トナーなどの印刷材、トナーカートリッジ52、感光ドラム54、プロセスユニット59などの交換可能な部品を、「消耗品」とも呼ぶ。消耗品は、消耗材を含む上位概念として用いる。
転写ローラ55C、55M、55Y、55Kは、Dy方向を軸方向とする円筒形状を有している。転写ローラ55C、55M、55Y、55Kの軸方向の長さは、感光ドラム54の軸方向の長さと同程度である。転写ローラ55C、55M、55Y、55Kは、対応する感光ドラム54C、54M、54Y、54Kとの組で、搬送ベルト58を挟む位置に配置されている。4つの転写ローラ55C、55M、55Y、55Kを区別しないときには、プロセスユニット59と同様に、符号の末尾の英字を省略する。
露光部51は、プロセスユニット59の上方に配置されている。露光部51は、図示は省略するが、レーザダイオードなどのレーザ光源と、回転駆動されるポリゴンミラー、レンズ、反射鏡を含む光学系と、を備えている。露光部51は、レーザ光源を用いて生成したレーザLZを、光学系を介して、4つの感光ドラム54の表面に照射する。露光部51は、感光ドラム54の表面におけるレーザ光の照射位置を、ポリゴンミラーによって、Dy方向に移動させる主走査を行う。これに代えて、露光部51は、Dy方向に画素に対応する数のLEDを配置したライン光源を備えても良い。いずれの構成であっても、露光部51は、感光ドラム54の表面におけるDy方向の任意に位置にレーザを照射することができる。以下では、Dy方向を主走査方向とも呼ぶ。
定着部56は、印刷媒体Pの搬送経路SRの搬送ベルト58より下流側に配置されている。定着部56は、一対のローラを用いて、印刷媒体P上のトナーを加圧・加熱することによって、トナーを印刷媒体Pに定着させる。
読取部40は、駆動ローラ57Aの近傍に配置されており、駆動ローラ57Aに回転駆動される搬送ベルト58の表面を光学的に読み取る光学センサである。読取部40は、例えば、LEDなどの発光素子と、フォトダイオードなどの受光素子とを含んでいる。読取部40は、発光素子からの光を搬送ベルト58の表面に照射して、反射光を受光素子で検出する。光の照射位置に、後述するテスト画像などのトナー像が形成されていれば、読取部40は、そのトナー像の濃度を光学的に検出することができる。
図1に戻って説明を続ける。計算装置200は、例えば、パーソナルコンピュータであり、CPU210と、メモリ230と、液晶ディスプレイ等の表示部240と、キーボード等の操作部250と、印刷装置100などの外部装置との通信のためのインタフェースである通信部260と、を備える。
メモリ230は、ドライバプログラム232を格納している。CPU210は、プログラム232を実行することによって、プリンタドライバM200として機能する。
A−2:画像形成の概略:
上述した構成を有する印刷実行部50による画像の形成工程を簡単に説明する。回転する感光ドラム54の表面は、図示しない帯電器により一様に電荷が付与された後、露光部51から照射されるレーザにより主走査方向に沿ったライン(主走査ライン)ごとに、露光される。露光された箇所は、付与された電荷が除かれるので、露光によって感光ドラム54の表面に、印刷すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
回転する現像ローラ53の表面にトナーカートリッジ52に収容されたトナーが一様に担持される。現像ローラ53と感光ドラム54との間には、現像バイアスが印加されている。現像バイアスによって、回転する現像ローラ53と、回転する感光ドラム54と、の接触部分で、感光ドラム54に形成された静電潜像に対して、現像ローラ53からトナーが供給される。この結果、感光ドラム54の表面上にトナー像が形成される(現像)。現像ローラ53と感光ドラム54との接触部分は、主走査ラインに沿った領域である。
感光ドラム54と、対応する転写ローラ55との間には、転写バイアスが印加されている。転写バイアスによって、感光ドラム54の表面に形成されたトナー像は、回転する感光ドラム54と、搬送ベルト58で搬送される印刷媒体Pと、の接触部分で、印刷媒体Pに転写される。感光ドラム54と印刷媒体Pとの接触部分は、主走査ラインに沿った領域である。
印刷媒体Pに転写されたトナー像は、定着部56の一対のローラによって定着されて画像の形成が完了する。
以上の説明から解るように、画像の形成における各工程(露光、現像、転写、定着)は、いずれも主走査ラインに沿った領域ごとに行われる。このために、各工程に関与する回転体および回転体を駆動するための部品の製造誤差、トナーの特性に起因する画質の変動(例えば、濃度の変動)は、主走査ラインに沿った領域ごとに生じやすい。この結果、主走査ラインに沿って延びる帯状の筋が画像に現れる現象(バンディング)が、画質低下をもたらす不具合として発生しやすい。
バンディングを抑制する方法として、印刷解像度を低くする方法がある。印刷解像度は、形成される画像(印刷画像)におけるドット(網点)の細かさであり、レーザープリンタでは、一般に、線数(単位は、Lpi(line per inch))で表される。印刷解像度は、印刷処理に用いられる画像データの解像度(処理解像度)とは異なり、一般的には、ディザマトリクスによって定められる。印刷解像度を低くすると、ドットが大きくなるために、トナーが安定してバンディングが生じにくくなる。以下では、バンディングなどの画質低下を抑制することができる本実施例の印刷処理について説明する。
A−3:印刷処理:
図3は、印刷装置100(図1)によって実行される印刷処理のフローチャートである。なお、本実施例では、黒(K)のトナーだけを用いたモノクロ印刷を行う場合を例に説明する。印刷制御部M100は、ユーザの指示(例えば、ユーザによる操作部150の操作や、通信部160に接続された計算装置200からのコマンド)に応じて、印刷処理を開始する。印刷制御部M100は、計算装置200や、内部の不揮発性メモリ130から印刷対象の画像を表す対象画像データを取得する。
ステップS100では、印刷制御部M100は、トナーの使用状況が基準に到達したか否かを判断する。例えば、印刷制御部M100は、黒色のトナーを収容するトナーカートリッジ52Kが最後に交換されてから、所定の使用期間が経過したか否かを判断する。あるいは、印刷制御部M100は、トナーカートリッジ52Kの内部でトナーを帯電させるために実行されるトナーの撹拌回数、トナーの消費量(印刷枚数、印刷ドット数)が、特定の基準値に達したか否かを判断しても良い。
トナーの使用状況が基準に到達していない場合には(ステップS100:NO)、印刷制御部M100は、対象画像データを用いた印刷を印刷実行部50に実行させ(ステップS900)、印刷処理を終了する。
トナーの使用状況が基準に到達している場合には(ステップS100:YES)、印刷制御部M100は、利用者に対して使用期間の経過を通知する(ステップS200)。具体的には、印刷制御部M100は、印刷装置100の表示部140に、トナーの使用状況が基準に到達したことを表すメッセージを表示するとともに、トナーの使用を継続するか否かの指示をユーザから受け付けるGUI(Graphical User Interface)を表示する。
ステップS300では、印刷制御部M100は、GUIを介して受け付けたユーザからの指示に従って、トナーの使用を継続するか否かを判断する。トナーの使用を継続しない場合には(ステップS300:NO)、印刷処理を終了する。
トナーの使用を継続する場合には(ステップS300:YES)、印刷制御部M100は、画質向上処理をユーザに対して案内する。具体的には、印刷制御部M100は、印刷装置100の表示部140に、画質向上処理の内容を説明するメッセージと、画質向上処理を実行するか否かの指示をユーザから受け付けるGUIを表示する。
ステップS500では、印刷制御部M100は、GUIを介して受け付けたユーザからの指示が、画質向上処理の実行指示であるか否かを判断する。実行指示でない場合には(ステップS500:NO)、印刷制御部M100は、対象画像データを用いた印刷を印刷実行部50に実行させ(ステップS900)、印刷処理を終了する。画質向上指示である場合には(ステップS500:YES)、画質向上処理として、解像度設定処理を実行する(ステップS600)。
図4は、第1実施例の解像度設定処理の処理ステップを示すフローチャートである。ステップS605では、印刷制御部M100の画像形成部M102は、後述する6種類の画像パターン(パターン1〜パターン6)の中からテスト画像の画像パターンを設定する。一つの画像パターンが設定されると、ステップS610では、画像形成部M102は、設定された画像パターンを用いてテスト画像を搬送ベルト58の表面に形成する。具体的には、画像形成部M102は、印刷実行部50を制御することによって、印刷媒体Pの搬送を行わずに、駆動ローラ57Aを回転させて搬送ベルト58を駆動しながら、黒色のトナーを用いてテスト画像を形成する。
図5は、テスト画像の画像パターンを説明する図である。図6は、搬送ベルト58に形成されたテスト画像を表す概念図である。テスト画像TGは、設定された画像パターン(図5)が副走査方向に沿って並べて配置された画像である。
図5には、6種類のうちの3つの画像パターンが図示されている。各画像パターンは、印刷実行部50の処理解像度(本実施例では、600dpi)に対応した複数の画素PXによって構成されている。各画像パターンは、印刷された場合に、トナーを用いて形成される印刷画素(ドット)が配置されるドット配置領域DAと、印刷画素が配置されない非配置領域SPとによって規定される。図5においてハッチングされた領域は、ドット配置領域DAを示し、ハッチングされていない領域は、非配置領域SPを示している。
ドット配置領域DAは、主走査方向(Dy方向)に沿って延びるドット配置ラインを形成している。非配置領域SPは、主走査方向に沿って延びる非配置ラインを形成している。各画像パターンは、ドット配置ラインと、ドット配置ラインの副走査方向に隣接する非配置ラインと、の組である。テスト画像TGは、この画像パターンが副走査方向に周期的に繰り返される画像になる。すなわち、テスト画像TGは、ドット配置ラインと非配置ラインとが副走査方向に交互に並んだ画像になる。言い換えれば、テスト画像TGは、主走査方向に沿って延びるドット配置ラインが、一定の間隔(非配置ラインの幅に相当)で副走査方向に並んだパターンである。
本実施例のドット配置ラインの副走査方向(Dx方向)の幅は、すべてのテスト画像TG(画像パターン)で同一であり、1画素である。ドット配置ラインの間隔、すなわち、非配置ラインの幅は、テスト画像TG(画像パターン)ごとに異なる。本実施例では、パターンn(nは、1〜6までの整数)のドット配置ラインの間隔(以下、単に、ライン間隔とも呼ぶ)は、n画素である。例えば、パターン1(図5(A))のライン間隔は、1画素であり、パターン2(図5(B))のライン間隔は、2画素であり、パターン3(図5(C))のライン間隔は、3画素である。
各テスト画像は、印刷装置100の印刷解像度と対応している。図7は、テスト画像と印刷解像度(線数)との対応関係を示すテーブルである。具体的には、テスト画像は、特定の線数と対応している。対応する特定の線数は、当該テスト画像を構成する画像パターンの副走査方向の周期と同じ周期でドットを形成する線数である。例えば、パターン1(図5(A))の周期幅D1は、処理解像度(本実施例では、600dpi)で2画素分である。したがって、パターン1で構成されるテスト画像TGに対応する線数は、300Lpiである。同様に、パターン2(図5(B))の周期幅D2およびパターン3(図5(C))の周期幅D3は、それぞれ、処理解像度(600dpi)で3画素分および4画素分である。したがって、パターン2で構成されるテスト画像TG、および、パターン3で構成されるテスト画像TGに対応する線数は、それぞれ200、150Lpiである。パターン4〜6でそれぞれ構成される3つのテスト画像TGに対応する線数は、それぞれ、120、100、86Lpiである。
図6に示す破線の範囲PAは、印刷媒体Pの大きさを表している。テスト画像TGの主走査方向の幅は、印刷媒体Pの主走査方向の幅より狭い(例えば、印刷媒体Pの主走査方向の幅の20分の1〜5分の1)。テスト画像TGの副走査方向の幅は、印刷媒体Pの副走査方向の幅と同じである。
ステップS615では、印刷制御部M100の取得部M104は、搬送ベルト58の表面に形成されたテスト画像TGを、読取部40を用いて、読み取る。本実施例の読取部40は、一定の速度で搬送ベルト58が駆動されている最中に、一定の受光時間の間に読取部40の受光素子が受光した光の強さを表す電気信号を、一定の時間間隔で読み出して数値(データ)に変換するように構成されている。図5に示すように、取得部M104は、テスト画像TGの読取範囲ARの画像の濃度を示す数値を、テスト画像TG上の副走査方向の全長に亘って一定間隔で並ぶ複数の位置について、取得する。一つの読取範囲ARの画像の濃度を示す数値を、読取結果Sd(E)とする。ここで、Eは、読み取られた位置を特定する番号(自然数)であり、副走査方向(Dx方向)の上流側から順次に付されているものとする。
一つの読取範囲ARの主走査方向の大きさWL(図6)は、例えば、読取部40の受光素子の受光部の大きさによって決まる。読取範囲ARの副走査方向の大きさSL(図6)は、例えば、受光素子の受光部の大きさ、搬送ベルト58の駆動速度、読取部40の受光時間で決まる。また、隣り合う2つの読取範囲ARの間隔Hは、読み出しの時間間隔で決まる。本実施例では、受光部の大きさ、搬送ベルト58の駆動速度、読取部40の受光時間、読み出しの時間間隔は、一定であり、任意の値に制御できない。したがって、読取範囲ARのサイズ、および、隣り合う2つの読取範囲ARの間隔Hは、予め定められた特定値であり、変更することはできない。なお、図6における各種の寸法、例えば、読取範囲ARの大きさ、テスト画像TGの画素の大きさは、図の見やすさのために、実際の寸法とは異なっている。
ステップS620では、印刷制御部M100の取得部M104は、複数の読取結果Sd(E)をN個ずつ組合せて、平均値Sn(W)を取得する。具体的には、取得部M104は、複数の読取結果Sd(E)を、番号Eが小さい順に5つずつグループ化して、グループごとのSn(W)を算出する。ここで、Wは、N個ずつのグループを特定する番号(自然数)である。
組合せ数Nは、読取範囲ARの副走査方向の大きさSL(図6)のN倍が、画像パターンの副走査方向の大きさ(テスト画像の副走査方向の周期幅(図5))の整数倍になるように設定されている。本実施例では、読取範囲ARの副走査方向の大きさSL(図6)のN倍が、読取範囲ARの副走査方向の大きさSLとテスト画像の副走査方向の周期幅との最小公倍数になるように、組合せ数Nの値がテスト画像(画像パターン)ごとに設定される。例えば、読取範囲ARの副走査方向の大きさSLが7画素である場合(図6)には、組合せ数Nは、テスト画像TGの副走査方向の周期幅と同じ値に設定される。ここで、組み合わされたN個の読取範囲ARに対応する領域を評価領域とも呼び、評価領域の平均濃度を表す平均値Sn(W)を領域別データとも呼ぶ。
このように、N個の読取範囲ARを組合せて、1つの評価領域とする理由を説明する。本実施例では、上述したように、読取範囲ARの大きさ、および、隣り合う2つの読取範囲ARの間隔Hは、予め定められており、変更することはできない。このために、画像パターンの種類と読取範囲ARの副走査方向の大きさSLによっては、各読取範囲ARに含まれるテスト画像TGの理想的な濃度が一定にならない場合がある。理想的な濃度とは、テスト画像TGがドットデータ通りに理想的に形成された場合、すなわち、画像形成過程で生じる濃度のばらつきがない場合の濃度である。例えば、図6のテスト画像TG上に示す10個の読取範囲ARのうち、上から4番目と8番目の読取範囲ARに含まれるドット配置ライン(ハッチングされた領域)は、1本である。これに対して、他の読取範囲ARに含まれるドット配置ラインは、2本である。この結果、読取範囲ARごとの読取結果Sd(E)には、画像形成過程で生じる濃度のばらつき以外に、理想的な濃度の差が含まれる。この結果、読取結果Sd(E)のばらつきをそのまま用いて、テスト画像TGの濃度のばらつきを評価したのでは、適切な評価結果が得られない可能性がある。上述のように適切な組合せ数Nの値を設定し、N個の読取範囲ARを組合せて1つの評価領域にすることによって、各評価領域の理想的な濃度を一定にすることができる。
ステップS625では、算出部M108は、算出された複数の平均値Sn(W)のばらつき、すなわち、複数の評価領域の濃度のばらつきZ(X)を算出する。具体的には、算出部M108は、算出された複数の平均値Sn(W)の分散を算出し、算出された分散をばらつきZ(X)とする。ここで、Xは、テスト画像TGを特定する番号であり、テスト画像TGを構成する画像パターンのパターン番号(1〜6)とする。以下では、テスト画像TGの種類を特定するめに、パターンXで構成されたテスト画像TGを、テスト画像TG(X)とも呼ぶ。
設定された画像パターンを有するテスト画像TG(X)のばらつきZ(X)が算出されると、ステップS630では、印刷制御部M100は、すべての画像パターンを有するテスト画像TG(X)を形成したか否かを判断する。未だ形成されていないテスト画像TG(X)が存在する場合には(ステップS630:NO)、印刷制御部M100は、ステップS605に戻って、未設定の画像パターンを設定して、上述したステップS605〜S625までの処理を繰り返す。全てのテスト画像TG(X)を形成した場合には、すなわち、6種類のテスト画像TG(X)のそれぞれの濃度の評価結果として、ばらつきZ(1)〜Z(6)が算出されている場合には(ステップS630:YES)、印刷制御部M100は、ステップS635に処理を進める。
ステップS635では、印刷制御部M100の選択部M106は、ばらつきZ(X)が閾値M以下であるテスト画像TG(X)が有るか否かを判断する。図8は、6種類のテスト画像TG(X)(X=1〜6)のばらつきZ(X)を示すグラフである。バンディングが発生した画像には、副走査方向の位置によって濃度の差が現れる。したがって、バンディングの程度は、副走査方向の位置が異なる複数の評価領域の濃度データ(領域別データ)のばらつきで評価できる。閾値Mは、バンディングが許容できる(目立たない)限界のばらつきZ(X)に対応する値であり、例えば、印刷画像の目視評価に基づいて、決定されている。図8の例では、ばらつきZ(1)、Z(2)が閾値Mを超えているので、テスト画像TG(1)、TG(2)はバンディングの程度が許容範囲を超えていると判断できる。ばらつきZ(3)〜Z(6)が閾値M以下であるので、テスト画像TG(1)、TG(2)はバンディングの程度が許容範囲内であると判断できる。本実施例では、ばらつきZ(X)が閾値M以下であるテスト画像TG(X)を良テスト画像とも呼ぶ。
良テスト画像がある場合には(ステップS635:YES)、選択部M106は、良テスト画像に対応する印刷解像度のうち、最も高い解像度(最大解像度)を、印刷対象である対象画像データを用いた印刷に使用する使用解像度として選択する(ステップS640)。図8の例では、4つの良テスト画像TG(3)〜TG(6)に対応する印刷解像度(図7:150、120、100、80Lpi)のうちの最大解像度である150Lpiが、使用解像度として選択される。
ステップS645では、選択部M106は、使用すべきディザマトリクスを選択する。具体的には、選択部M106は、使用可能なディザマトリクス(ディザマトリクスデータ136に規定されているディザマトリクス)の中に、選択された使用解像度のディザマトリクスがある場合には、そのディザマトリクスを選択する。選択部M106は、使用可能なディザマトリクスの中に、選択された使用解像度のディザマトリクスがない場合には、使用可能なディザマトリクスの中で、選択された使用解像度に最も近い印刷解像度(線数)のディザマトリクスを選択する。
良テスト画像がない場合には(ステップS635:YES)、すなわち、全てのテスト画像TG(X)のばらつきZ(X)が閾値Mを超えている場合には、印刷制御部M100の報知部M112は、利用者に対して、消耗品の交換を案内する報知を実行する(ステップS650)。例えば、報知部M112は、画質向上処理を行っても、十分な画質向上が見込めない旨を示すメッセージと、画質向上のために消耗品を交換するように促すメッセージを表示部140に表示する。ここで交換を促す消耗品には、トナーカートリッジ52、プロセスユニット59(感光ドラム54、現像ローラ53)が含まれる。なお、報知部M112は、これらのメッセージとともに、消耗品を交換せずに印刷を続行するか、印刷を中断するかの指示を受け付けるためのGUIを表示部140に表示する。
ステップS655では、印刷制御部M100は、印刷続行指示がなされたか否かを判断する。印刷続行指示がなされない場合には(ステップS655:NO)、すなわち、印刷中断指示がなされた場合には、印刷制御部M100は、印刷処理を終了する。印刷続行指示がなされた場合には(ステップS655:YES)、選択部M106は、予め定められたディザマトリクス、本実施例では、使用可能なディザマトリクスの中で、印刷解像度(線数)が最小のディザマトリクスを選択する(ステップS660)。
ステップS645またはS660において、使用すべきディザマトリクスが選択されると、印刷制御部M100は、解像度設定処理を終了する。
図3に戻って説明を続ける。ステップS700では、印刷制御部M100は、使用するディザマトリクスを、解像度設定処理(S600)にて選択されたディザマトリクスに切り換える。
ステップS800では、印刷制御部M100は、濃度補正処理を実行する。具体的には、画像形成部M102は、上述したテスト画像TG(X)とは異なる濃度補正用画像を搬送ベルト58の表面に形成する。濃度補正用画像は、例えば、均一濃度を表す多階調(例えば、256階調)の画像データに対して、解像度設定処理にて選択されたディザマトリクスを適用して得られるドットデータを用いて形成される複数のパッチ画像を含む。各パッチ画像は、それぞれ異なる濃度の画像データを用いて形成される。そして、濃度補正部M110は、濃度補正用テスト画像を、読取部40を用いて、読み取って得られる濃度補正データを用いて、印刷対象の画像データが表す画像の印刷結果の濃度を補正する。具体的には、濃度補正部M110は、印刷対象の画像データを構成する階調値を、ディザマトリクスを適用する前に、補正するためのデータ(ルックアップテーブルやトーンカーブ)を更新する。あるいは、濃度補正部M110は、現像バイアスや転写バイアスなどの画像形成工程における各種の設定を変更する。この濃度補正処理には、公知の様々な濃度補正技術が採用され得る。
濃度補正処理が終了すると、印刷制御部M100は、対象画像データを用いた印刷を印刷実行部50に実行させ(ステップS900)、印刷処理を終了する。
以上説明した本実施例によれば、解像度設定処理(図4)を実行するので、バンディングを適切に抑制することができる。具体的には、印刷制御部M100は、使用可能な複数の印刷解像度(線数)とそれぞれ対応関係を有する複数のテスト画像TG(X)を搬送ベルト58に形成する。そして、印刷制御部M100は、各テスト画像TG(X)を、読取部40を用いて読み取って得られる読取データを用いて、複数の印刷解像度の中から使用解像度を選択している。バンディングの程度は、印刷装置100の個体差(例えば、現像ローラ53や感光ドラム54などの回転体の製造誤差)や使用状況(例えば、トナーの残量や使用期間、印刷装置100の温度や湿度)などによって異なり得る。本実施例では、印刷装置100の現実の画像形成の能力に応じて、バンディングの程度を適切に判断したうえで、適切な印刷解像度を実際に印刷に使用する使用解像度として選択することができる。この結果、バンディングによる画質低下を適切に抑制しつつも、過度なバンディング対策による画質低下(粒状性の悪化など)を抑制することができる。
さらに、上記実施例の読取部40は、テスト画像TG(X)における予め定められた特定サイズの領域(読取範囲AR(図6))を読み取る。取得部M104は、読取範囲ARの読取結果をN個ずつ組合せて、1つの評価領域の濃度データ(領域別データ)として、平均値Sn(W)を算出する。この結果、固定された読取範囲ARを読み取る読取部40を用いて、各テスト画像TG(X)を適切に評価することができる。
1つの評価領域を規定する読取範囲ARを組合せ数Nは、読取範囲ARの副走査方向の大きさSLと、各テスト画像TG(X)を構成する画像パターンの副走査方向の大きさ(図5:周期幅)とによって定められる。この結果、テスト画像TG(X)に適切な評価領域についての濃度データを取得することができる。具体的には、1つの評価領域の副走査方向の大きさ(読取範囲ARの副走査方向の大きさSL×組合せ数N)は、画像パターンの周期幅の整数倍に設定される。この結果、読取範囲ARを組合せた評価領域に含まれる画像パターンの数が整数になる。この結果、テスト画像TG(X)の複数の評価領域の画像がそれぞれ理想的に形成されている場合に、各評価領域の画像の内容がそれぞれ等価になる。この結果、画像形成過程で生じた複数の評価領域の間の差を適切に評価することができる。
また、算出部M108は、各テスト画像TG(X)の濃度のばらつきZ(X)を算出する。そして、選択部M106は、ばらつきZ(X)に基づいて、使用解像度を選択する。上述したように、テスト画像TG(X)の濃度のばらつきZ(X)とバンディングの程度とには、相関関係がある。上記実施例によれば、濃度のばらつきZ(X)に基づいてバンディングを適切に抑制できる印刷解像度を使用解像度として選択することができる。具体的には、選択部M106は、ばらつきZ(X)が閾値M以下である良テスト画像に対応した印刷解像度を使用解像度として選択する。テスト画像TG(X)のバンディングの程度が大きいほど、濃度のばらつきZ(X)が大きくなる。上記実施例によれば、各テスト画像TG(X)のばらつきZ(X)を、閾値を用いて評価することによって、バンディングの程度を適切に評価することができる。
さらに、上記実施例において、選択部M106は、複数のテスト画像TG(X)のばらつきZ(X)が閾値M以下ある場合には、すなわち、複数の良テスト画像がある場合には、複数の良テスト画像にそれぞれ対応する印刷解像度の中で、最も高い印刷解像度を使用解像度として選択する。この結果、過度に印刷解像度を低くすることを抑制できるので、バンディングを抑制するとともに、印刷解像度の低下に起因する画質低下、例えば、粒状性の悪化や、エッジの再現性の悪化(例えば、文字の輪郭のがたつき)を抑制することができる。
さらに、各テスト画像TG(X)は、ドット配置ラインと、非配置ラインとが、副走査方向に交互に並んだ画像である(図5、6)。テスト画像TG(X)の主走査方向には、ドット配置領域DAと非配置領域SPとが繰り返される周期性がない(繰り返し周期が無限大であると言うこともできる)。テスト画像TG(X)の副走査方向には、ドット配置領域DAと非配置領域SPとが繰り返される周期性がある。主走査方向に沿った帯状のバンディングは、副走査方向の印刷解像度の影響を受けやすい。このような周期性を持つテスト画像を用いることによって、バンディングによる画質低下に特化された評価を行うことができるので、バンディングの程度を適切に評価することができる。
複数のテスト画像TG(X)における副走査方向の周期は、それぞれ異なる印刷解像度(線数)に対応している(図7)。すなわち、テスト画像TG(X)におけるドット配置ラインのライン間隔と同じ間隔でドットのラインが形成される印刷解像度が、当該テスト画像TG(X)に対応付けられている。この結果、各テスト画像TG(X)の読取結果を用いたバンディングの程度の評価結果に基づいて、適切な印刷解像度を使用解像度として選択することができる。
さらに、選択部M106は、良テスト画像がない場合には、予め定められた印刷解像度(上記実施例では、最小の印刷解像度)を選択するので、適正な印刷解像度を選択することができないために、印刷を行うことができない不都合を回避することができる。
さらに、報知部M112は、良テスト画像がない場合には、特定の報知(具体的には、消耗品の交換の案内、画質向上処理を行っても十分な画質向上が見込めない旨の通知)を行う。この結果、適正な印刷解像度を選択することができないことを利用者に認識させて、利用者に対応(消耗品の交換など)を促すことができる。
さらに、印刷装置100の消耗品の使用状況が特定基準に到達した場合に、テスト画像TG(X)を形成して解像度設定処理を行う(図3)。トナーの使用状況に応じて、バンディングの発生状況は変化する。上記実施例によれば、バンディングの程度が変化しがちなタイミングで、印刷解像度を適切に変更することができる。この結果、バンディングが発生した画像が印刷される可能性を低減することができる。
さらに、消耗品の使用状況が特定基準に到達した旨をユーザに通知した後に、ユーザが印刷の続行を望む場合に、解像度設定処理を行う。この結果、印刷解像度の低下を望まないユーザは、解像度設定処理を行うことなく、消耗品の交換などの対応を取ることができる。
さらに、解像度設定処理(図3:S600)が行われた後に濃度補正処理(図3:S800)を行うので、使用解像度が変更されたことによって印刷結果の濃度が変動する場合であっても、適正な濃度が印刷されるように補正したうえで、印刷を行うことができる。
さらに、テスト画像TG(X)の副走査方向の大きさは、印刷媒体P(シート)の副走査方向の大きさと同じである。バンディングは、副走査方向のあらゆる位置において発生し得る。上記実施例によれば、バンディングが発生し得る副走査方向の全範囲に亘るテスト画像TG(X)を用いるので、バンディングの程度を適切に評価することができる。
B.第2実施例:
第2実施例は、印刷処理における解像度設定処理が、第1実施例の解像度設定処理(図4)と異なる。第2実施例の印刷装置100の構成、および、印刷処理における解像度設定処理以外の処理は、第1実施例と同様であるので、その説明を省略する。
図9は、第2実施例の解像度設定処理の処理ステップを示すフローチャートである。図9において、第1実施例の解像度設定処理と同一のステップには、図4と同一の符号を付し、第1実施例の解像度設定処理と異なるステップには、符号の末尾に「B」を付した。
第2実施例の解像度設定処理では、第1実施例の設定処理と同様の処理ステップS605〜S615を実行して、テスト画像TG(X)の複数の位置の読取結果Sd(E)が取得された後の処理が異なる。
まず、ステップS616Bでは、印刷制御部M100は、読取範囲ARの組合せ数Nを、初期値「1」に設定する。ステップS620では、第1実施例と同様に、取得部M104は、複数の読取結果Sd(E)をN個ずつ組合せて、平均値Sn(W)を取得する。ステップS625では、算出部M108は、複数の平均値Sn(W)のばらつきZ(X)を算出する。
ステップS626Bでは、印刷制御部M100は、組合せ数Nが、所定の最大値Nmax(本実施例では、8)に設定されているか否かを判断する。組合せ数Nが最大値Nmaxに設定されていいない場合には(ステップS626B:NO)、印刷制御部M100は、組合せ数Nに、1を加算(インクリメント)して(ステップS627B)、インクリメント後の組合せ数Nを用いて、上述したステップS620とS625とを繰り返す。組合せ数Nが最大値Nmaxに設定されている場合には(ステップS626B:YES)、印刷制御部M100は、ステップS630に処理を進める。
ステップS630に進んだ段階で、評価対象のテスト画像TG(X)について、組合せ数N=1〜Nmaxにそれぞれ対応するNmax個のばらつきZ(X)が算出される。印刷制御部M100は、ステップS605〜S626Bまでの処理を、全てのテスト画像TG(X)について繰り返した後に、ステップS635Bに処理を進める(ステップS630)。ステップS630に進んだ段階で、各テスト画像TG(X)について、Nmax個ずつのばらつきZ(X)が算出される。
図10は、第2実施例において算出される濃度のばらつきZ(X)の一例を示すグラフである。図10の例では、4つのテスト画像TG(1)〜TG(4)までのばらつきZ(X)について図示している。
ステップS635Bでは、選択部M106は、閾値M以下のばらつきZ(X)が規定数K以上であるテスト画像TG(X)が有るか否かを判断する。本実施例では、閾値M以下のばらつきZ(X)が規定数K以上であるテスト画像TG(X)を良テスト画像とも呼ぶ。本実施例では、規定数K=5とする。パターン2〜パターン4にそれぞれ対応するテスト画像TG(2)〜TG(4)が良テスト画像である。
良テスト画像が有る場合には(ステップS635B:YES)、第1実施例と同様に、選択部M106は、良テスト画像に対応する印刷解像度のうち、最大解像度を、使用解像度として選択し(ステップS640)、使用解像度に従って使用すべきディザマトリクスを選択する(ステップS645)。良テスト画像が無い場合には(ステップS635B:NO)、第1実施例と同様に、報知部M112は、消耗品の交換の案内を報知し(ステップS)、印刷を継続する場合には(ステップS655:YES)、選択部M106は、最小解像度のディザマトリクスを選択する(ステップS660)。
以上説明した第2実施例によれば、ばらつきZ(X)の異常値による影響を抑制して、適切な使用解像度を選択することができる。このような異常値は、例えば、上述したように、評価領域ごとに、理想的な濃度のばらつきが発生している場合や、テスト画像TG(X)の一部が偶然に異常な濃度になった場合や、読取部40の不具合などの読取過程の問題で異常の濃度データが生じた場合などが含まれる。
図10の例では、パターン2のテスト画像TG(2)における組合せ数N=4のばらつきZ(X)が、不自然に大きな異常値となっている。第1実施例の解像度設定処理において、テスト画像TG(2)の組合せ数N=4である場合には、テスト画像TG(2)のバンディングの程度が比較的低くても、異常値の影響で、テスト画像TG(2)は良テスト画像とは判断されない。本実施例によれば、異常値が1つあるものの、組合せ数Nが異なる5つ以上のばらつきZ(X)が閾値M以下であるので、テスト画像TG(2)は良テスト画像と判断される。
最大値Nmaxの値と規定数Kの値とのセットは、上述した8と5のセットに限らず、他の値であっても良く、例えば、10と7のセットであっても良い。ただし、最大値Nmaxの値が極端に大きい場合には、バンディングの程度も適正に評価できない可能性がある。例えば、最大値Nmaxの値が、評価領域を、テスト画像TG(X)の副走査方向の大きさ全体に及ぶ範囲にするほど大きな値であると、バンディングの程度を適正に評価できないので、最大値Nmaxの値は適切な範囲にあることが好ましい。例えば、評価領域の副走査方向の大きさが、人間の目で見て目立ちやすい大きさ(例えば、2mm)となる組合せ数Nについては少なくとも評価対象とするように、当該組合せ数Nの1倍〜3倍程度に最大値Nmaxの値を設定しても良い。人間の目で見て目立ちやすい大きさは、例えば、VTF(Visual Transfer Function)のピークに対応する空間周波数に基づいて定められる。
C.第3実施例:
第3実施例は、印刷処理における解像度設定処理が、第1実施例の解像度設定処理(図4)と異なる。第3実施例の印刷装置100の構成、および、印刷処理における解像度設定処理以外の処理は、第1実施例と同様であるので、その説明を省略する。
図11は、第3実施例の解像度設定処理の処理ステップを示すフローチャートである。図11において、第1実施例の解像度設定処理と同一のステップには、図4と同一の符号を付し、第1実施例の解像度設定処理と異なるステップには、符号の末尾に「C」を付した。
第3実施例の解像度設定処理では、図5に示す画像パターンを用いることなく、印刷装置100で使用可能なディザマトリクスを用いてテスト画像TG(X)を形成する。先ず、ステップS605Cでは、印刷制御部M100は、使用可能な複数のディザマトリクスの中から、1つのディザマトリクスを設定する。
ステップS608Cでは、印刷制御部M100の画像形成部M102は、設定されたディザマトリクスを用いて、テスト画像TG(X)を形成するためのドットデータ(テスト画像データ)を生成する。具体的には、画像形成部M102は、均一濃度の画像を表す処理前画像データに対して、設定されたディザマトリクスを用いたハーフトーン処理を実行して、テスト画像データを生成する。本実施例におけるテスト画像データを、ハーフトーン処理前の処理前画像データと区別するために処理後画像データとも呼ぶ。処理前画像データは、多階調値(例えば、256階調)で濃度を表す画素データによって構成された画像データであり、全ての画素データが特定の階調値(例えば、中間値である128)である画像データである。
図12は、設定されるディザマトリクスの一例を示す図である。図13は、第3実施例のテスト画像TG(X)を構成する画像パターンGPの例を示す図である。
図12のディザマトリクスMT1は、処理解像度の画素PX(図13)に対応する升PMを8行×8列に並べて構成されている。ディザマトリクスMT1は、4つのセルC1〜C4を含み、各セルは、それぞれ4行×4列の升PMを含んでいる。各升PMには、閾値が規定されている。図12の各升PMの内部に示した番号は、各升PMに設定されている閾値が小さい順に付された番号である。この例では、64個の閾値は、入力される階調値の取り得る範囲(例えば、0〜255)の全体に略均等に分布するように設定されている。この結果、ディザマトリクスMT1は、8行×8列の範囲で、64階調を表現することができる。ここでは、64階調用のディザマトリクスを例示したが、他のディザマトリクスであっても良い。例えば、少なくとも256個の升(例えば、16行×16列)を有し、256階調を表現可能なディザマトリクスであっても良い。ステップS608Cにて、設定対象となる複数のディザマトリクスには、ドット集中型、万線型などのドット成長の態様、ドット配置の角度、線数などが異なる様々な種類のディザマトリクスが用いられ得る。ただし、ステップS608Cにて、設定対象となる複数のディザマトリクスは、表現可能な階調数が同じであることが好ましい。
図13の画像パターンGPは、中間値(例えば、128)の画素データで構成される処理前画像データに対して、ディザマトリクスTM1を用いて生成されたテスト画像データによって表されるテスト画像TG(X)の画像パターンである。この画像パターンGPは、ディザマトリクスMT1を構成する64個の升PMのうち、1〜32までの番号が付された32個の升に対応する画素の領域が、ドット配置領域DAとなり、33〜64までの番号が付された32個の升に対応する画素の領域が非配置領域SPとなる画像パターンである。以上の説明から解るように、本実施例におけるテスト画像TG(X)の画像パターンGPは、設定されるディザマトリクスの種類に依存して決まる。
この画像パターンGPで構成されるテスト画像TG(X)に対応する印刷解像度は、ディザマトリクスMT1の印刷解像度(線数)である。ディザマトリクスMT1の線数は、図12に示すライン間隔、すなわち、セルC1〜C4の幅(図12の例では、処理解像度の画素で4画素分)に対応する。したがって、ディザマトリクスMT1の線数は、処理解像度を600dpiとすると、150Lpiである。ただし、本実施例では、後述するように、テスト画像TG(X)の評価結果に基づいて、使用すべきディザマトリクスを直接に選択するので、テスト画像TG(X)と印刷解像度の対応関係を印刷制御部M100が認識している必要はない。
ステップS610Cでは、画像形成部M102は、生成したテスト画像データを用いて、搬送ベルト58の表面上にテスト画像TG(X)を形成する。テスト画像TG(X)は、複数の画像パターンGPが副走査方向に沿って配置された画像となる。従って、本実施例のテスト画像TG(X)は、第1実施例のテスト画像TG(X)と同様に、副走査方向に特定の周期(図13の例では、4画素分)でドット配置領域DAと非配置領域SPとが繰り返される画像となる。
テスト画像TG(X)が形成されると、第1実施例の解像度設定処理と同様のステップS615〜S625の処理が行われて、同じ処理によって、テスト画像TG(X)の濃度のばらつきZ(X)が算出される。
ステップS630Cでは、印刷制御部M100は、評価対象の全てのディザマトリクスを用いてテスト画像TG(X)を形成したか否かを判断する。未だ用いられていないディザマトリクスが存在する場合には(ステップS630C:NO)、印刷制御部M100は、ステップS605Cに戻って、未使用のディザマトリクスを新たに設定して、上述したステップS605C〜S625までの処理を繰り返す。全てのディザマトリクスを用いてテスト画像TG(X)を形成した場合には(ステップS630C:YES)、印刷制御部M100は、ステップS635に処理を進める。
ステップS635では、第1実施例と同様に、選択部M106は、ばらつきZ(X)が閾値M以下であるテスト画像TG(X)(良テスト画像)が有るか否かを判断する。良テスト画像がある場合には(ステップS635:YES)、選択部M106は、良テスト画像のうち、ばらつきZ(X)が最大である良テスト画像に対応するディザマトリクスを、使用すべきディザマトリクスとして選択する(ステップS640C)。良テスト画像が無い場合には(ステップS635:NO)、第1実施例と同様に、報知部M112は、消耗品の交換の案内を報知し(ステップS650)、印刷を継続する場合には(ステップS655:YES)、選択部M106は、最小解像度のディザマトリクスを選択する(ステップS660)。
以上説明した第3実施例によれば、使用すべきディザマトリクスの候補となるディザマトリクスを用いて得られるドットデータによって表されるテスト画像を用いて、使用すべきディザマトリクスを選択する。この結果、実際に使用するディザマトリクスを用いた場合のバンディングの程度を直接的に評価して、適切なディザマトリクス(印刷解像度)を選択することができる。
本実施例では、印刷制御部M100は、第1実施例とは異なり、テスト画像TG(X)と印刷解像度との対応関係を認識している必要はない。選択部M106は、使用解像度(線数)を直接には選択しないが、線数は、ディザマトリクスに依存して決まるので、使用するディザマトリクスを選択することによって、間接的に、使用解像度を選択していると言うことができる。
D.第4実施例:
第1実施例における読取部40がテスト画像TG(X)を読み取る際の1つの読取結果Sd(E)に対応する範囲、すなわち、図6に示す読取範囲ARの大きさは、固定されているが、第4実施例では、読取範囲ARの副走査方向の大きさ(副走査方向の読取範囲)を、印刷制御部M100の制御に従って変更可能に構成されている。具体的には、印刷制御部M100は、搬送ベルト58の駆動速度、読取部40の受光時間、読み出しの時間間隔のうちの少なくとも1つを制御することによって、読取範囲ARの副走査方向の大きさを変更することができる。
第4実施例の印刷処理における解像度設定処理は、読取範囲ARを変更する制御を利用している点で、第1実施例の解像度設定処理(図4)と異なる。図14は、第4実施例の解像度設定処理の処理ステップを示すフローチャートである。図14において、第1実施例の解像度設定処理と同一のステップには、図4と同一の符号を付し、第1実施例の解像度設定処理と異なるステップには、符号の末尾に「D」を付した。
第4実施例の解像度設定処理では、ステップS605においてテスト画像TG(X)の画像パターンが設定された後、ステップS606Dでは、印刷制御部M100の画像形成部M102は、設定された画像パターンに応じた読取範囲ARを設定する。
図15は、第4実施例における読取範囲ARの一例を示す図である。本実施例では、読取範囲ARの副走査方向の大きさは、設定された画像パターンの副走査方向の大きさ(周期幅)の整数倍に設定される。
図15(A)には、画像パターンがパターン1である場合について示されている。この場合には、読取範囲ARは、例えば、副走査方向の大きさがパターン1の周期幅D1(2画素分)の2倍である第1の読取範囲AR1に設定される。また、読取範囲ARは、副走査方向の大きさがパターン1の周期幅D1の4倍である第2の読取範囲AR2に設定され得る。
図15(B)には、画像パターンがパターン2である場合について示されている。この例では、読取範囲ARは、例えば、副走査方向の大きさがパターン2の周期幅D2(3画素分)の1倍である第3の読取範囲AR3に設定される。あるいは、読取範囲ARは、副走査方向の大きさがパターン2の周期幅D2の2倍である第4の読取範囲AR4に設定され得る。
図15(C)には、画像パターンがパターン3である場合について示されている。この例では、読取範囲ARは、例えば、副走査方向の大きさがパターン3の周期幅D3(4画素分)の1倍である第5の読取範囲AR5に設定される。あるいは、読取範囲ARは、副走査方向の大きさがパターン3の周期幅D3の2倍である第6の読取範囲AR6に設定され得る。
図14に戻って説明を続ける。読取範囲ARが画像パターンに応じて設定されると、ステップS610にて、テスト画像TG(X)が搬送ベルト58の表面に形成される。そして、ステップS615Dでは、取得部M104は、読取部40を制御して、テスト画像TG(X)の複数の評価位置ごとに、設定された読取範囲ARを読み取ることによって、読取結果Sd(E)を取得する。
ステップS625Dでは、算出部M108は、取得された読取結果Sd(E)のばらつきZ(X)を算出する。すなわち、第1実施例では、組合せ数N個分の読取範囲ARを組み合わせた領域を1つの評価領域としていたが、本実施例では、算出部M108は、1つの読取範囲ARを1つの評価領域としてばらつきZ(X)を算出する。ステップS630〜S660の処理は、第1実施例と同一であるので、その説明を省略する。
以上説明した第4実施例によれば、読取範囲ARの副走査方向の大きさを変更可能な読取部40を用いて、テスト画像TG(X)の濃度のばらつきを評価するために適切な読取結果Sd(E)を取得することができる。この結果、第1実施例のように、組合せ数N個分の読取範囲ARを組み合わせる処理を行うことなく、バンディングの程度を精度良く評価することができる。
E.変形例:
(1)図16は、変形例における画像パターンの一例を示す図である。上記第1実施例では、テスト画像TG(X)において、ドット配置領域DAによって形成されるドット配置ラインと、非配置領域SPによって形成される非配置ラインは、主走査方向に沿ったラインであるが、これらのラインは主走査方向に対して所定の角度で傾いていても良い。例えば、これらのラインは、ハーフトーン処理に使用されるディザマトリクスのスクリーン角度と同じ角度で傾いていても良い。こうすれば、例えば、使用されるディザマトリクスのスクリーン角度に応じて、適切にバンディングの程度を評価できる。
図16(A)に示すパターンAは、ドット配置ラインと非配置ラインのライン方向と、主走査方向(Dy方向)との間の鋭角が30度である。図16(B)に示すパターンBは、ドット配置ラインと非配置ラインのライン方向と、主走査方向との間の鋭角が45度である。パターンA、Bのように、ドット配置ラインと非配置ラインのライン方向と、主走査方向との間の鋭角は、45度以下であることが好ましい。当該鋭角が45度以下であるテスト画像TG(X)は、当該鋭角が45度を超えているテスト画像TG(X)と比較して、バンディングが発生しやすく、ライン間隔の変動に応じてバンディングの程度が変動しやすい。この結果、バンディングの程度を適切に評価することができる。
なお、ドット配置ラインと非配置ラインのライン方向と主走査方向との間の鋭角が、45度以下である場合には、副走査方向の周期(図16:パターンAの周期A1、パターンBの周期B1)は、主走査方向の周期(図16:パターンAの周期A2、パターンBの周期B2)以下になる。副走査方向の周期は、副走査方向(図16:Dx方向)に沿ってドット配置領域DAと非配置領域SPとが繰り返される周期であり、主走査方向の周期は、主走査方向(図16:Dy方向)に沿ってドット配置領域DAと非配置領域SPとが繰り返される周期である。主走査方向に沿った帯であるバンディングは、副走査方向の印刷解像度の影響を受けやすい。テスト画像TG(X)において、副走査方向の周期を、主走査方向の周期以下とすることによって、バンディングを適切に評価することができる。
なお、テスト画像TG(X)の画像パターンのドット配置ラインと非配置ラインは、直線かつ実線である必要はなく、例えば、破線であっても良いし、曲線であっても良い。また、ドット配置ラインと非配置ラインの太さは、様々に変更され得る。図5に示す例では、ドット配置ラインの太さは、全てのパターン1〜6において1画素分であるが、2画素分であっても良いし、3画素分であっても良く、また、各パターンによって異なる太さであっても良い。また、非配置ラインの太さも同様に、様々に変更可能である。いずれの場合であっても、非配置ラインを挟んで隣り合う2つのドット配置ラインの距離は、対応する印刷解像度(線数)における隣接ドット間の距離と同程度であることが好ましい。
一般的に言えば、バンディングの程度の評価に用いられるテスト画像TG(X)は、複数の特定画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像、すなわち、副走査方向にドット配置領域DAと非配置領域SPとが一定の周期で繰り返される画像であることが好ましい。また、テスト画像TG(X)ごとに、特定画像パターンが異なっていることが好ましい。例えば、市松模様、格子状の模様、点(ドット)が規則的に並んだ模様などが特定画像パターンとして用いられ得る。
(2)印刷制御部M100は、文字を表す文字画像の印刷に用いる印刷解像度と、文字を含まない非文字画像の印刷に用いる印刷解像度とを、独立して設定可能であっても良い。この場合には、上記実施例で説明した解像度設定処理において選択部M106が選択する使用解像度は、非文字画像の印刷に用いられることが好ましい。そして、上記実施例の解像度設定処理において選択された使用解像度での画像形成(印刷)は、文字画像を形成する際には実行されなくても良い。
具体的には、印刷制御部M100は、印刷対象の画像が文字画像であるか非文字画像であるかを判定する判定部M114(図1の破線)を備えても良い。例えば、判定部M114は、印刷対象の画像において、オブジェクトの種類ごとに、オブジェクト領域を特定し、特定された各オブジェクト領域の画像が文字画像であるか非文字画像であるかを判定する。オブジェクト領域を特定する具体的な方法は、例えば、画像を複数の領域に分割して、分割された複数の領域のうちの、エッジ量が閾値以上であり、かつ、互いに隣接する複数の領域を1つのオブジェクト領域とする方法など、様々な公知の方法を適用することができる。また、オブジェクト領域が文字画像であるか非文字画像であるかを判定する方法は、例えば、判定対象の領域内の色分布(ヒストグラム)の特徴を用いて判定する方法など、様々な公知の方法を適用することができる。
印刷制御部M100は、文字画像を表す領域に対しては、文字画像用として予め定められたディザマトリクス(例えば、デフォルトの印刷解像度のディザマトリクス)を用いて、画像形成を実行する。そして、印刷制御部M100は、非文字画像を表す領域に対しては、上述した解像度設定処理において選択されたディザマトリクスを用いて、画像形成を実行する。
あるいは、判定部M114は、印刷対象の画像の全体が、文字画像である領域を主体とする画像であるか、非文字画像である領域を主体とする画像であるかを判定しても良い。例えば、判定部M114は、印刷対象の画像を表す画像データを作成したアプリケーションを特定し、アプリケーションの種類(文書作成、描画作成など)に基づいて、文字画像である領域を主体とする画像であるか、非文字画像である領域を主体とする画像であるかを判定しても良い。または、判定部M114は、ユーザから画像の種類の指定を受け付けることによって、上述の判定を行っても良い。印刷制御部M100は、印刷対象の画像全体ごとに、文字画像用として予め定められたディザマトリクスと、解像度設定処理において選択されたディザマトリクスと、を使い分けて、画像形成を実行する。
バンディングは、ある程度の広さを有するトナー像において目立ちやすい。このために、細い線状のトナー像によって構成される可能性が高い文字画像は、バンディングが目立ちにくい。逆に、細い線状のトナー像は、エッジのがたつきが目立ちやすいので、文字画像は、エッジのがたつきを抑制するために印刷解像度の高さを優先することが適切である可能性が高い。一方で、ある程度の広さを有するトナー像が形成される可能性が高い画像、すなわち、文字画像ではない画像(非文字画像)、具体的には、写真画像、CGなどの描画画像は、バンディングなどの濃度むらが目立ちやすい。このために、印刷解像度の高さはある程度犠牲にしてもバンディングを抑制することが適切である可能性が高い。
本変形例によれば、バンディングが目立ちやすい非文字画像について使用解像度を用い、印刷解像度の低下による画質劣化(粒状性の悪化、エッジのがたつきなど)が目立ちやすい文字画像については、別の印刷解像度を使用できる。この結果、印刷対象の画像の内容に応じて適切な印刷解像度を用いた印刷を実行することができる。
(3)上述した解像度設定処理(例えば、第1実施例の解像度設定処理(図4))の一部は、プリンタドライバM200で実行されても良い。具体的には、図1において破線で示すように、プリンタドライバM200は、取得部M204と、算出部M208を含む選択部M206とを備えても良い。プリンタドライバM200は、さらに、報知部M212を備えても良い。これらの機能部M204、M206、M208、M212の機能は、印刷制御部M100の同名の機能部(図1)と、基本的に同一である。また、プリンタドライバM200は、印刷装置100の同名のデータと同一のディザマトリクスデータ236および画像パターンデータ238とを備えても良い(図1:破線)。
図17は、変形例における印刷処理の処理ステップを示すフローチャートである。本変形例における印刷処理は、例えば、計算装置200のプリンタドライバM200が利用者の印刷指示を受け付けた場合に開始される。
ステップS2010では、計算装置200のプリンタドライバM200は、読取データ生成指示を印刷装置100に対して送信する。読取データ生成指示を受信した印刷装置100は、評価対象である各テスト画像TG(X)の読取結果Sd(E)を生成する(ステップS1010)。具体的には、印刷装置100の印刷制御部M100は、第1実施例の解像度設定処理(図4)のステップS605〜S615を、第1実施例の6種類のテスト画像TG(1)〜TG(6)のそれぞれについて実行する。
ステップS1020では、印刷制御部M100は、生成された各テスト画像TG(X)の読取結果Sd(E)を計算装置200に対して送信する。読取結果Sd(E)を受信した受信した計算装置200のプリンタドライバM200は、読取結果Sd(E)を解析して、使用するディザマトリクスを選択する(ステップS2020)。具体的には、プリンタドライバM200の上述した機能部M204、M206、M208、M212を用いて、第1実施例の解像度設定処理(図4)のステップS620、S625の処理をこの順番で実行し、S635〜S660までのを処理を図4のフローチャートに示す順序で実行する。
計算装置200のプリンタドライバM200は、使用するディザマトリクスを選択すると、選択されたディザマトリクスを用いたハーフトーン処理を含む生成処理を実行して印刷データを生成する(ステップS2030)。印刷データが生成されると、プリンタドライバM200は、生成された印刷データを、印刷装置100に対して送信する(ステップSS2040)。印刷装置100は、印刷データを受信すると、印刷データを用いて印刷を実行する(ステップS1030)。
本変形例によれば、プリンタドライバM200は、印刷装置100の現在の印刷能力に応じた適切なディザマトリクスを用いて、印刷装置100に印刷を実行させることができる。この結果、上記実施例と同様に、印刷画像のバンディングを抑制しつつも、過度な印刷解像度の低下に起因する画質低下を抑制することができる。
本変形例において、プリンタドライバM200に画像パターンデータ238を備える場合には、計算装置200に画像パターンデータ238を備えなくても良い。この場合には、プリンタドライバM200は、画像パターンデータ238を用いて、各テスト画像TG(X)のテスト画像データを生成し、読取データの生成指示の送信(S2010)の際に、当該テスト画像データを送信すれば良い。
また、プリンタドライバM200において、ディザマトリクスデータ236を備えない場合などには、選択されたディザマトリクスを、印刷装置100に通知しても良い。この場合には、プリンタドライバM200は、ハーフトーン処理前の画像データを印刷装置100に対して送信し、印刷装置100の印刷制御部M100が通知されたディザマトリクスを適用したハーフトーン処理を実行して印刷データを生成する。
(4)上記各実施例では、搬送ベルト58にテスト画像TG(X)を形成しているが、印刷媒体Pにテスト画像TG(X)を形成しても良い。この場合には、読取結果Sd(E)は、テスト画像TG(X)が形成された印刷原稿をスキャナやデジタルカメラによって読み取ることによって、取得されても良い。具体的には、利用者に印刷原稿をスキャナまたはデジタルカメラを用いて印刷原稿の読取データを作成してもらい、取得部M104、M204は、作成された読取データを取得することによって、読取結果Sd(E)を取得する。この場合には、実際に印刷媒体Pに印刷された結果を用いるので、より実際の印刷に近い条件でバンディングの評価を行うことができる。また、この場合には、テスト画像TG(X)の全体を読み取ったデータを取得できるので、取得部M104、M204は、任意の大きさの評価領域を設定して、ばらつきZ(X)の評価を実行できる。したがって、この場合には、上記第4実施例のように、取得部M104、M204は、テスト画像TG(X)の副走査方向の周期(画像パターンの副走査方向の大きさ)の整数倍の大きさに、評価領域を設定することが好ましい。
(5)上記各実施例では、消耗材(トナー)の使用状況が基準に到達した場合に、画質向上処理の一部として、解像度設定処理を実行しているが、解像度設定処理の実行タイミングは、これに限られない。以下に設定処理の実行タイミングを例示する。
a)消耗材以外の消耗品の使用状況が基準に到達したとき:
例えば、感光ドラム54などの感光体の使用期間や、使用回数(印刷枚数、回転数など)が所定の判断基準に到達したときが考えられる。
b)ウォーミングアップの実行時:
ウォーミングアップは、例えば、定着部56のローラの温度を確保するために、熱源(ハロゲンランプ)を駆動して、所望温度に到達させる処理である。
c)印刷に関する条件が変動したとき:
具体的には、温度、湿度などの環境の変化時、消耗品交換直後などの消耗品の種類が変わった時、印刷媒体の種類(例えば、用紙の種類)の変更時などが含まれる。消耗品の種類は、例えば、トナーカートリッジ52に搭載されたメモリなど記述されている場合には、メモリの情報に基づいて判断されても良い。紙種の変更は、例えば、光学センサなどの紙種検出手段を用いて判断されても良いし、利用者から紙種の情報を受け付けて判断しても良い。印刷に関する条件が変動すると、バンディングの程度が変動し得るからである。例えば、トナーなどの消耗品特性、印刷媒体の電気抵抗(用紙の厚さなどで変動する)や表面特性(用紙の種類によって変動する)、湿度、温度などは、いずれもトナーの印刷媒体Pに対する定着特性に変動を与えうる。
c)ユーザの指示があったとき:
この場合には、例えば、実際にユーザが印刷画像にバンディングを発見して、印刷画質に不満を感じた場合などに、効果的である。
なお、解像度設定処理は、上述のように様々なタイミングで行われうるが、これに伴うディザマトリクスの切り替えは、1つの印刷ジョブの実行の途中には行わないことが好ましい。例えば、複数ページに亘る印刷ジョブの印刷を行っている途中に、解像度設定処理が行われた場合であっても、当該印刷ジョブの印刷の途中には、ディザマトリクスの切り替えは行わず、当該印刷ジョブの印刷が終了した後に、ディザマトリクスの切り替えを行うことが好ましい。こうすれば、1つの印刷ジョブの途中で印刷画質が変動することを抑制することができる。また、ディザマトリクスの切り替えを行う場合には、その旨を利用者に通知することが好ましい。こうすれば、印刷画質の変化に利用者が違和感を感じることを抑制することができる。
(6)なお、上記実施例では、印刷制御部M100は、画質向上処理として、解像度設定処理を実行した後に濃度補正処理を実行しているが、濃度補正処理を実行した後に解像度設定処理を実行しても良い。
(7)上記第2実施例における組合せ数Nは、テスト画像TG(X)の副走査方向の周期(画像パターンの副走査方向の大きさ)の整数倍の大きさに、評価領域を設定するように定められているが、これに限られない。例えば、各評価領域の画像の理想的な濃度が等価にならなくても、ばらつきZ(X)の適切な評価を行う妨げにならない程度に、評価領域の画像の理想的な濃度の差が小さくなるように、組合せ数Nを比較的大きな値としても良い。あるいは、組合せ数Nは、評価領域の副走査方向の大きさが、目立ちやすいバンディングの幅と同程度になるように、設定されても良い。目立ちやすいバンディングの幅は、例えば、例えば、上述したVTF(Visual Transfer Function)のピークに対応する空間周波数に基づいて定められても良い。
(8)ばらつきZ(X)の評価は、閾値Mを用いることなく、ばらつきZ(X)の相対的な比較に基づいて実行されても良い。例えば、選択部M106は、最大印刷解像度のテスト画像のばらつきZmaxと、最小印刷解像度のテスト画像のばらつきZminとを用いて、印刷解像度とばらつきとの対応関係、例えば、(x1、y1)=(最大印刷解像度、Zmax)、(x2、y2)=(最小印刷解像度、Zmin)の2点を結ぶ直線の式を取得する。選択部M106は、この対応関係からばらつきの狙い値に対応する印刷解像度を計算する。選択部M106は、使用可能な印刷解像度(例えば、使用可能なディザマトリクスによって定まる)の中から、計算された印刷解像度に最も近い印刷解像度を、使用解像度に選択する。この場合には、最小印刷解像度と、最大印刷解像度は、実際に使用可能な印刷解像度(対応するディザマトリクスがある印刷解像度)である必要はなく、対応するテスト画像が作成可能な最大の印刷解像度と、最小の印刷解像度であっても良い。
(9)例えば、上記各実施例において、印刷装置100で実行した解像度設定処理において使用解像度の選択結果、あるいは、ディザマトリクスの選択結果を、計算装置200に対して通知しても良い。例えば、印刷装置100にディザマトリクスデータ136が格納されていない場合や、印刷装置100の処理負荷を低減する場合など、当該通知を行ってもよい。この場合には、計算装置200のプリンタドライバM200は、通知された使用解像度に基づいて選択したディザマトリクス、あるいは、通知されたディザマトリクスを用いて印刷データを生成する。また、印刷装置100は、使用解像度の選択結果、あるいは、ディザマトリクスの選択結果に代えて、選択したディザマトリクスのデータ自体を計算装置200に対して送信しても良い。
(10)上記実施例の処理の一部は、適宜に省略され得る。例えば、図4に示す解像度設定処理において、ステップS620の処理、すなわち、読取結果Sd(E)のN個ずつの平均値Sn(W)を算出する処理は省略して、続くステップS625において、読取結果Sd(E)のばらつきZ(X)を算出しても良い。また、図4に示す解像度設定処理において、ステップS650およびS655の処理は省略され得る。すなわち、消耗品の交換を案内する報知は行わずに、最小解像度のディザマトリクスを選択しても良い。また、図3の印刷処理における濃度補正処理(S800)は省略されても良い。
(11)上記各実施例の印刷装置100は、レーザプリンタであるが、インクジェットプリンタに対して本実施例に類似する処理を適用しても良い。インクジェットプリンタであっても、例えば、副走査(紙送り)の精度のばらつきに起因してバンディングが発生する場合がある。このようなバンディングは、副走査方向の印刷解像度を低下させることで、抑制できる可能性がある。したがって、本実施例と同様の処理によって、バンディングを抑制しつつも、過度に印刷解像度を低下させることによる画質低下を抑制することができうる。この場合の印刷解像度は、線数ではなく、紙送り量によって定まる副走査方向のインクドットの解像度(dpi(dot per inch)で表される)である。また、この場合には、消耗材は、インクであり、消耗品は、例えば、インクカートリッジ、紙送りローラなどである。
(12)上記変形例(3)において、計算装置200のプリンタドライバM200が行う処理(図17)、例えば、読取結果Sd(E)を解析してディザマトリクスを選択する処理は、印刷装置100または計算装置200に対して通信可能に接続されたサーバにおいて実行されても良い。サーバには、ネットワークを介して互いに通信可能な複数のコンピュータから構成されるサーバ(いわゆるクラウドサーバ)が含まれる。
(13)上記各実施例では、モノクロ印刷のために、1色(黒(K))の使用解像度およびディザマトリクスを選択している。カラー印刷の場合には、例えば、各色ごとに使用解像度およびディザマトリクスを選択しても良いし、1色について選択された使用解像度を採用して、使用するディザマトリクスのセットを選択しても良い。いずれの場合でも、モアレの発生などを抑制できるように、形成されるドットの角度などを考慮して、適切なディザマトリクスのセットを選択することが好ましい。
(14)第1実施例では、テスト画像TGの副走査方向の大きさは、印刷媒体Pの副走査方向の大きさと同程度であるが、これに限らず、他の大きさであっても良い。発生し得るバンディングを適切に評価する観点から、テスト画像TGの副走査方向の大きさは、人の目に目立つ幅(例えば、2mm)のバンディングを所定数(例えば、10)以上含み得る大きさであることが好ましく、また、印刷媒体Pの副走査方向の大きさの半分以上の大きさであることが好ましく、印刷媒体Pの副走査方向の大きさ以上であることがさらに好ましい。
(15)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
(16)上記各実施例および変形例において、印刷制御部M100の機能を実現するプログラム132や、プリンタドライバM200の機能を実現するドライバプログラム232は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含んでいる。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100...印刷装置、20...排紙トレイ、30...給紙トレイ、40...読取部、50...印刷実行部、51...露光部、52...トナーカートリッジ、53...現像ローラ、54...感光ドラム、55...転写ローラ、56...定着部、58...搬送ベルト、59...プロセスユニット、110...CPU、120...揮発性メモリ、130...不揮発性メモリ、140...表示部、150...操作部、160...通信部、200...計算装置、210...CPU、230...メモリ、M100...印刷制御部、M200...プリンタドライバ、M102...画像形成部、M104、M204...取得部、M106、M206...選択部、M110...濃度補正部、M112、M212...報知部、M108、M208...算出部、M114...判定部

Claims (23)

  1. 消耗材を用いて第1のテスト画像と第2のテスト画像とを形成する画像形成部であって、前記第1のテスト画像は、複数の第1の画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像であって、第1の印刷解像度と対応関係を有する画像であり、前記第2のテスト画像は、複数の第2の画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像であって、第2の印刷解像度と対応関係を有する画像であり、前記第1の画像パターンと前記第2の画像パターンとは、前記消耗材を用いて形成される印刷画素が配置される配置領域と前記印刷画素が配置されない非配置領域とによって規定されるパターンが異なる、前記画像形成部と、
    形成された前記第1のテスト画像を光学的に読み取って得られる第1の読取データと、形成された前記第2のテスト画像を光学的に読み取って得られる第2の読取データと、を取得する取得部であって、前記第1の読取データは、対応する前記第1のテスト画像における副走査方向の位置が異なる複数の第1の評価領域の読取結果をそれぞれ表す複数の第1の領域別データを含み、前記第2の読取データは、対応する前記第2のテスト画像における副走査方向の位置が異なる複数の第2の評価領域の読取結果をそれぞれ表す複数の第2の領域別データを含む、前記取得部と、
    取得された前記第1の読取データと前記第2の読取データとを用いて前記第1のテスト画像および前記第2のテスト画像の濃度のばらつきを評価し前記画像形成部が使用可能な印刷解像度の中から、前記第1のテスト画像および前記第2のテスト画像の濃度のばらつきに基づいて判断される選択条件を満たす一の印刷解像度を、前記画像形成部による画像の形成に用いる使用解像度として選択する選択部と、
    を備える、印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、さらに、
    前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とにおける予め定められた特定サイズの読取範囲を読み取る第1の読取部を備え、
    前記取得部は、複数の前記特定サイズの読取範囲の読取結果を組合せて、1つの前記領域別データを作成する、印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    複数の前記特定サイズの読取範囲の読取結果の組合せは、前記特定サイズの読取範囲の副走査方向の大きさと、前記第1の画像パターンと第2の画像パターンとのそれぞれの副走査方向の大きさとによって定められる、印刷装置。
  4. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記第1の評価領域の副走査方向の大きさは、前記第1の画像パターンの副走査方向の大きさの整数倍であり、前記第2の評価領域の副走査方向の大きさは、前記第2の画像パターンの副走査方向の大きさの整数倍である、印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置であって、さらに、
    副走査方向の読取範囲を変更することで、前記第1の画像パターンの副走査方向の大きさの整数倍である前記第1の評価領域を読み取り可能であり、前記第2の画像パターンの副走査方向の大きさの整数倍である前記第2の評価領域を読み取り可能である、第2の読取部を備える、印刷装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1の領域別データは、対応する前記第1の評価領域の濃度を表す第1の濃度データを含み、前記第2の領域別データは、対応する前記第2の評価領域の濃度を表す第2の濃度データを含み、
    前記選択部は、前記第1のテスト画像の濃度のばらつきを前記第1の濃度データを用いて算出し、前記第2のテスト画像の濃度のばらつきを前記第2の濃度データを用いて算出する算出部を備え、前記濃度のばらつきに基づいて、前記使用解像度を選択する、印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置であって、
    前記選択部は、前記濃度のばらつきが閾値以下であるテスト画像に対応した印刷解像度を前記使用解像度として選択する、印刷装置。
  8. 請求項7に記載の印刷装置であって、
    前記選択部は、前記第1のテスト画像の前記濃度のばらつきと前記第2のテスト画像の前記濃度のばらつきとが前記閾値以下である場合には、前記第1のテスト画像に対応する前記第1の印刷解像度と、前記第2のテスト画像に対応する前記第2の印刷解像度のうちの印刷解像度が高い方を、前記使用解像度として選択する、印刷装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記選択部は、
    前記第1のテスト画像の前記濃度のばらつきと、前記第1のテスト画像に対応する前記第1の印刷解像度と、前記第2のテスト画像の前記濃度のばらつきと、前記第2のテスト画像に対応する前記第2の印刷解像度と、を用いて、印刷解像度と前記濃度のばらつきとの対応関係を取得し、
    前記対応関係を用いて、前記濃度のばらつきが狙い値に最も近くなる前記使用解像度を、前記画像形成部が使用可能な印刷解像度の中から選択する、印刷装置。
  10. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とにおけるそれぞれの第1の周期は、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とにおけるそれぞれの第2の周期以下であり、
    前記第1の周期は、副走査方向に沿って前記配置領域と前記非配置領域とが繰り返される周期であり、
    前記第2の周期は、主走査方向に沿って前記配置領域と前記非配置領域とが繰り返される周期であり、
    前記第1の周期は、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とで異なる、印刷装置。
  11. 請求項10に記載の印刷装置であって、
    前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とはそれぞれ、ライン方向に平行な複数の配置ラインと、ライン方向に平行な複数の非配置ラインと、が交互に並んだ画像であり、
    前記配置ラインは前記配置領域によって形成されるラインであり、
    前記非配置ラインは前記非配置領域によって形成されるラインであり、
    前記ライン方向と前記主走査方向との間の鋭角は、45度以下である、印刷装置。
  12. 請求項10または請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とのそれぞれの前記第1の周期は、前記印刷装置の副走査方向の前記印刷解像度に対応している、印刷装置。
  13. 請求項1ないし請求項1のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1のテスト画像は、均一濃度の画像を表す処理前画像データに対して第1のディザマトリクスを用いたハーフトーン処理を行って得られる処理後画像データによって表される画像であり、前記第2のテスト画像は、均一濃度の画像を表す処理前画像データに対して前記第1のディザマトリクスとは異なる第2のディザマトリクスを用いたハーフトーン処理を行って得られる処理後画像データによって表される画像であり、
    前記選択部は、前記第1のディザマトリクスと前記第2のディザマトリクスとの中から使用するディザマトリクスを選択することによって前記使用解像度を選択する、印刷装置。
  14. 請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記選択部は、前記第1のテスト画像の前記濃度のばらつきと前記第2のテスト画像の前記濃度のばらつきとがそれぞれ前記閾値を超える場合には、予め定められた印刷解像度を、前記使用解像度として選択する、印刷装置。
  15. 請求項6ないし請求項8または請求項1のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、
    前記第1のテスト画像の前記濃度のばらつきと前記第2のテスト画像の前記濃度のばらつきとが閾値を超える場合には、特定の報知を利用者に対して実行する報知部を備える、印刷装置。
  16. 請求項1ないし請求項1のいずれかに記載の印刷装置であって、
    文字を表す文字画像の印刷に用いる印刷解像度と、文字を含まない非文字画像の印刷に用いる印刷解像度とを、独立して設定可能であり、
    前記選択部が選択する前記使用解像度は、前記非文字画像の印刷に用いる印刷解像度である、印刷装置。
  17. 請求項1ないし請求項1のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記画像形成部は、前記印刷装置の消耗品の使用状況が特定基準に到達した場合に、前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とを形成する、印刷装置。
  18. 請求項1ないし請求項1のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記画像形成部は、さらに、前記選択部が前記使用解像度を選択した後に、前記テスト画像とは異なる濃度補正用画像を形成し、
    前記印刷装置は、さらに、
    前記濃度補正用画像を読み取って得られる濃度補正データを用いて、印刷対象の画像データが表す画像の印刷結果の濃度を補正する濃度補正部を備える、印刷装置。
  19. 請求項1ないし請求項1のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷装置は、副走査方向に搬送されるシート上に印刷画像を形成し、
    前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とのそれぞれの副走査方向の大きさは、前記シートの副走査方向の大きさ以上である、印刷装置。
  20. 請求項1ないし請求項1のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記第1のテスト画像と前記第2のテスト画像とのそれぞれの副走査方向の大きさは、前記テスト画像の主走査方向の大きさより大きい、印刷装置。
  21. 画像を形成する印刷装置と通信可能な計算装置であって、
    前記印刷装置によって消耗材を用いて形成された第1のテスト画像を光学的に読み取って得られる第1の読取データと、消耗材を用いて形成された第2のテスト画像を光学的に読み取って得られる第2の読取データと、を取得する取得部であって、前記第1のテスト画像は、複数の第1の画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像であって、第1の印刷解像度と対応関係を有する画像であり、前記第2のテスト画像は、複数の第2の画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像であって、第2の印刷解像度と対応関係を有する画像であり、前記第1の画像パターンと前記第2の画像パターンとは、前記消耗材を用いて形成される印刷画素が配置される配置領域と前記印刷画素が配置されない非配置領域とによって規定されるパターンが異なり、前記第1の読取データは、対応する前記第1のテスト画像における副走査方向の位置が異なる複数の第1の評価領域の読取結果をそれぞれ表す複数の第1の領域別データを含み、前記第2の読取データは、対応する前記第2のテスト画像における副走査方向の位置が異なる複数の第2の評価領域の読取結果をそれぞれ表す複数の第2の領域別データを含む、前記取得部と、
    取得された前記第1の読取データと前記第2の読取データとを用いて前記第1のテスト画像および前記第2のテスト画像の濃度のばらつきを評価し前記印刷装置が使用可能な印刷解像度の中から、前記第1のテスト画像および前記第2のテスト画像の濃度のばらつきに基づいて判断される選択条件を満たす一の印刷解像度を、前記印刷装置による画像の形成に用いる使用解像度として選択する選択部と、
    を備える、計算装置。
  22. 画像を形成する印刷装置の制御プログラムであって、
    消耗材を用いて第1のテスト画像と第2のテスト画像とを前記印刷装置に形成させる画像形成機能であって、前記第1のテスト画像は、複数の第1の画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像であって、第1の印刷解像度と対応関係を有する画像であり、前記第2のテスト画像は、複数の第2の画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像であって、第2の印刷解像度と対応関係を有する画像であり、前記第1の画像パターンと前記第2の画像パターンとは、前記消耗材を用いて形成される印刷画素が配置される配置領域と前記印刷画素が配置されない非配置領域とによって規定されるパターンが異なる、前記画像形成機能と、
    形成された前記第1のテスト画像を光学的に読み取って得られる第1の読取データと、形成された前記第2のテスト画像を光学的に読み取って得られる第2の読取データと、を取得する取得機能であって、前記第1の読取データは、対応する前記第1のテスト画像における副走査方向の位置が異なる複数の第1の評価領域の読取結果をそれぞれ表す複数の第1の領域別データを含み、前記第2の読取データは、対応する前記第2のテスト画像における副走査方向の位置が異なる複数の第2の評価領域の読取結果をそれぞれ表す複数の第2の領域別データを含む、前記取得機能と、
    取得された前記第1の読取データと前記第2の読取データとを用いて前記第1のテスト画像および前記第2のテスト画像の濃度のばらつきを評価し前記印刷装置が使用可能な印刷解像度の中から、前記第1のテスト画像および前記第2のテスト画像の濃度のばらつきに基づいて判断される選択条件を満たす一の印刷解像度を、前記印刷装置による画像の形成に用いる使用解像度として選択する選択機能と、
    を前記印刷装置が有するコンピュータに実現させる、制御プログラム。
  23. 画像を形成する印刷装置と通信可能な計算装置のための制御プログラムであって、
    前記印刷装置によって消耗材を用いて形成された第1のテスト画像を光学的に読み取って得られる第1の読取データと、消耗材を用いて形成された第2のテスト画像を光学的に読み取って得られる第2の読取データと、を取得する取得機能であって、前記第1のテスト画像は、複数の第1の画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像であって、第1の印刷解像度と対応関係を有する画像であり、前記第2のテスト画像は、複数の第2の画像パターンが副走査方向に沿って配置された画像であって、第2の印刷解像度と対応関係を有する画像であり、前記第1の画像パターンと前記第2の画像パターンとは、前記消耗材を用いて形成される印刷画素が配置される配置領域と前記印刷画素が配置されない非配置領域とによって規定されるパターンが異なり、前記第1の読取データは、対応する前記第1のテスト画像における副走査方向の位置が異なる複数の第1の評価領域の読取結果をそれぞれ表す複数の第1の領域別データを含み、前記第2の読取データは、対応する前記第2のテスト画像における副走査方向の位置が異なる複数の第2の評価領域の読取結果をそれぞれ表す複数の第2の領域別データを含む、前記取得機能と、
    取得された前記第1の読取データと前記第2の読取データとを用いて前記第1のテスト画像および前記第2のテスト画像の濃度のばらつきを評価し前記印刷装置が使用可能な印刷解像度の中から、前記第1のテスト画像および前記第2のテスト画像の濃度のばらつきに基づいて判断される選択条件を満たす一の印刷解像度を、前記印刷装置による画像の形成に用いる使用解像度として選択する選択機能と、
    を前記計算装置が有するコンピュータに実現させる、制御プログラム。
JP2012018694A 2012-01-31 2012-01-31 印刷装置、計算装置、および、制御プログラム Active JP5935357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012018694A JP5935357B2 (ja) 2012-01-31 2012-01-31 印刷装置、計算装置、および、制御プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012018694A JP5935357B2 (ja) 2012-01-31 2012-01-31 印刷装置、計算装置、および、制御プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013154610A JP2013154610A (ja) 2013-08-15
JP5935357B2 true JP5935357B2 (ja) 2016-06-15

Family

ID=49050280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012018694A Active JP5935357B2 (ja) 2012-01-31 2012-01-31 印刷装置、計算装置、および、制御プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5935357B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016191779A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 コニカミノルタ株式会社 画像読取装置、画像形成装置、及び画像形成システム
KR20220026628A (ko) 2020-08-25 2022-03-07 휴렛-팩커드 디벨롭먼트 컴퍼니, 엘.피. 화상 형성 장치의 화질 상태에 따른 스크린의 타입을 확인

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1134449A (ja) * 1997-07-24 1999-02-09 Canon Inc 画像形成装置及びその制御方法及び記憶媒体
JP5025088B2 (ja) * 2005-03-02 2012-09-12 株式会社リコー 階調表示装置,像読み取り装置および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013154610A (ja) 2013-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8194262B2 (en) System for masking print defects
JP5724628B2 (ja) 光書き込み装置及び画像形成装置
JP2007124352A (ja) 画像処理装置およびその方法
JP2011145596A (ja) 画像形成装置及びその画質補正方法
JP2010283687A (ja) プログラム、情報処理装置、階調補正パラメータ生成方法、記憶媒体
EP2738618A2 (en) Optical-writing control device, image forming apparatus, and method of controlling optical writing device
JP2021152598A (ja) 画像形成装置
EP2299686A2 (en) Image Forming Apparatus
US20110222085A1 (en) Image processing apparatus and image processing method
JP5935357B2 (ja) 印刷装置、計算装置、および、制御プログラム
JP6469538B2 (ja) 画像形成装置および診断方法
JP5515893B2 (ja) 光書き込み装置、画像形成装置及び光書き込み装置の制御方法
JP2015085525A (ja) 露光装置及び画像形成装置
KR20190031706A (ko) 화상형성장치 및 화상형성방법
US8963977B2 (en) Image forming apparatus that includes a plurality of light emitting elements arrayed so as to expose different positions in a longitudinal direction of a photosensitive member and configured to control a light amount of a light emitted from the plurality of light emitting elements
JP2018146653A (ja) 画像形成装置、情報処理装置及びプログラム
JP5806985B2 (ja) 画像形成装置、キャリブレーション方法及びキャリブレーションプログラム
JP5530982B2 (ja) 画像形成装置
JP2012080505A (ja) 画像処理装置および印刷装置、画像処理方法
JP2008042223A (ja) 画像濃度補正方法、画像形成装置、濃度補正システム、濃度補正装置、及び濃度補正プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体
JP4479290B2 (ja) 画像形成装置
JP6127557B2 (ja) 画像装置およびコンピュータプログラム
JP2020172041A (ja) チャート作成制御プログラム及びチャート作成制御方法
JP7412942B2 (ja) 画像形成装置
JP2005262620A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160425

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5935357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150