JP5935132B2 - 蛋白質の整列方法 - Google Patents

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Description

本発明は蛋白質の整列方法に関する。さらに、詳しくは、本発明はナノテクノロジー等への応用基礎技術として活用できる蛋白質の整列方法に関する。
セルロースと酵素という固液境界面で起こる反応を解明するために多くの研究が行われている。本発明者等が研究を行っている好熱嫌気性細菌(Clostridium thermocellum、以下、クロストリジウム・サーモセラムと呼ぶ。)は、地上で最も速くセルロースを分解する。セルロースの分解には酵素複合体である「セルロソーム)が主役を果たしていることが知られている。またこれまでの分子遺伝学的研究からセルロソームはカビ酵素とは全く異なる構造を有している。セルロースの分解のメカニズムに関しては不明であり、その解明が期待されている。
非特許文献1では、グラファイトの疎水性の表面に固定した結晶セルロースと酵素との反応で、結晶セルロース上を酵素が移動することが、原子間力顕微鏡でカビ、セルラーゼの一分子の動きを可視化できることが報告されている。
グラファイトでは、その疎水性から蛋白質が表面に吸着するが、通常、蛋白質が非特異的吸着を起こした場合、構造的変化が起こり蛋白質としての機能を失う。これまで、グラファイトなどの炭素材料上に固定され、さらに機能を失っていない活性の蛋白質は、確認されていない。
Kiyohiko Igarashi, Anu Koivula, Masahisa Wada, Satoshi Kimura, Merja Penttila and Masahiko Samejima, "High Speed Atomic Force Microscopy Visualizes Processive Movemnet of Trichoderma reesi Cellobiohydrolase I on Crystalline Cellulose", Journal of Biological Chemistry, December 25, Vol. 284, No.52,pp. 36186-36190.,2009 N. Kodera, D. Yamamoto, R. Ishikawa, and T. Ando, "Video imaging of walking myosin V by high-speed atomic force microscopy", Nature 468, 72-76, 2010. Demain AL, Newcomb M, Wu JH.,Microbiol, "Cellulase, clostridia, and ethanol", Microbiol. Mol. Biol. Rev., Vol.69, No.1., pp.124-154, March 2005 Fierobe HP, Mingardon F, Mechaly A, Belaich A, Rincon MT, Pages S, Lamed R, Tardif C, Belaich JP, Bayer EA ,"Action of designer cellulosomes on homogeneous versus complex substrates: controlled incorporation of three distinct enzymes into a defined trifunctional scaffoldin", J Biol Chem.,280(16), pp16325-16334, Epub 2005 Feb 10
従来の知見では、セルロース分解に寄与する酵素複合体(セルロソーム)を構成する骨格蛋白質がグラファイトに非特異的に吸着した場合、骨格蛋白質としての機能を失うことが予想されている。
本発明は、炭素材料等の表面上に活性の蛋白質を整列させることができる蛋白質の整列方法を提供することを目的としている。
本発明者等は、組換え技術によってセルロソームの部分構造を作成し、グラファイトに添加して原子間力顕微鏡で観察したところ、複数の骨格蛋白質がグラファイトの六角板状結晶に沿って規則性を持って整列し、グラファイト上に整列した骨格蛋白質にセルロソームの酵素サブユニットが結合して自己組織化することを見出し、本発明に想到した。
上記目的を達成するために、本発明の蛋白質の整列方法は、炭素からなる基材に、蛋白質を整列させることを特徴とする。
上記構成において、セルロソームのセルロース結合ドメイン、コヘシンドメイン及びドッケリンドメインの何れかを、蛋白質として利用する。
蛋白質を、好ましくは、セルロソームのセルロース結合ドメイン及びコヘシンドメインからなる構造体とし、蛋白質に結合する機能性蛋白質を、ドッケリンドメインを有する蛋白質とする。
コヘシンドメインを、異なる微生物種由来のコヘシンドメインのアミノ酸配列を有するようにし、かつ、微生物種のもつドッケリンドメインを酵素等の機能性蛋白質に有するようにし、微生物種特異的コヘシン・ドッケリン相互作用を利用することで、数種類の機能性蛋白質を配置してもよい。
基材を、好ましくは炭素からなる鉱物由来の材料とするか、または、グラファイトとする。
上記の何れかに記載の蛋白質の整列方法により、蛋白質が炭素からなる基材上に整列された複合基板を得ることができる。
本発明によれば、炭素からなる基材に、蛋白質を整列させることができる。例えば、セルロソームの骨格蛋白質の有するコヘシンドメインとセルロソームの酵素サブユニットが持つドッケリンドメインを使い、基材上に機能を失わずに蛋白質を固定することができる。
本発明の実施形態に係る複合体の模式図である。 本発明の実施形態に係る部分骨格蛋白質の模式図である。 本発明の実施形態に係る骨格蛋白質を表面に整列させた基材の模式図である。 本発明の蛋白質の整列方法の変形例に係る複合体を示す模式図である。 骨格蛋白質であるCipAをHOPGサンプルディスクへ整列させた場合の高速原子間力顕微鏡像を示す図である。 mCipAをHOPGサンプルディスクへ整列させた場合の高速原子間力顕微鏡像を示す図である。 骨格蛋白質とCelAとの結合を示す図であり、(a)は結合の模式図、(b)は高速原子間力顕微鏡像を示す図である。 骨格蛋白質とCelSとの結合を示す図であり、(a)は結合の模式 図、(b)は高速原子間力顕微鏡像を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態に係る複合体1の概略を示す模式図であり、図2は本発明の実施形態に係る部分骨格蛋白質20Aの概略を示す模式図である。
図に示すように、複合体1は、基材10と、この基材10上に固定したセルロソーム等の骨格蛋白質20と、この骨格蛋白質20に結合したドッケリンを含む機能性蛋白質32である酵素と、から構成されている。機能性蛋白質30とドッケリンドメイン31とからなる機能性蛋白質32を、ドッケリンを含む機能性蛋白質32と呼ぶ。
セルロソームは、セルラーゼを保持するための骨格蛋白質20であるスキャホールディン蛋白質を細胞表層に保持し、このスキャホールディン蛋白質にセルラーゼが結合されることにより構成されている。スキャホールディン蛋白質は、セルラーゼ結合ドメイン22とコヘシンドメイン21を有しており、セルロソームを構成するセルラーゼは、コヘシンドメイン21に水素結合等の非共有結合で結合するドックリンドメイン31を有していることが報告されている(非特許文献3参照)。
基材10は、炭素原子だけからなる炭素材料等を使用することができる。炭素材料として、グラファイトやカーボンナノチューブ等を利用することができる。グラファイト(graphite、黒鉛)は、炭素から成る元素鉱物であり、六角板状結晶を有している。グラファイトは、亀の甲状の層状物質である。この層毎の面内は、強い共有結合で炭素間が繋がっているが、層と層の間(面間)は、弱いファンデルワールス力で結合している。本実施形態では基材10にグラファイトを用いたものとして説明する。
基材10は、上記グラファイトだけでなく、図1に示す分子内のセルロース結合ドメイン22及び後述する図2に示すセルロース結合ドメイン22に親和性があるものであればいずれでも構わない。例えば、セルロースを含んでいてもよい。
本実施形態の複合体1において、図2に示すように、骨格蛋白質20或いは部分骨格蛋白質20Aは、基材10の表面に、セルロース結合ドメイン22を介して整列している。
図3は、本発明の実施形態に係る骨格蛋白質20を表面に整列させる方法を模式的に示す概略図である。
図3に示すように、基材10は、複数の骨格蛋白質20或いは部分骨格蛋白質20Aを含む水溶液を、炭素原子が六角網状に並んで構成される面10Aの表面に添加して作製される。基材10の面10A上に、骨格蛋白質20或いは部分骨格蛋白質20Aが固定する。さらに、図1に示すように、骨格蛋白質20或いは部分骨格蛋白質20Aには、ドッケリンを含む機能性蛋白質32を結合させることができる。
蛋白質を、好ましくは、セルロソームのセルロース結合ドメイン22、コヘシンドメイン21及びドッケリンドメイン31の何れかとすることができる。蛋白質を、セルロソームのセルロース結合ドメイン22及びコヘシンドメイン21からなる構造体として基材10に整列させることができる。ドッケリンを含む機能性蛋白質32を、ドッケリンドメイン31を有する蛋白質としてもよい。
セルロソームを構成する酵素サブユニットには、約24のアミノ酸からなるドッケリンドメイン31があることが、共通の特性である。このドッケリンドメイン31と、骨格をなす蛋白質に存在する疎水性のコヘシンドメイン21が、高い結合定数で結合することが明らかとなっている。この二つのドッケリンドメイン31とコヘシンドメイン21の相互作用が、セルロソームを形成させる基本的な機構であり(非特許文献3参照)、蛋白質−蛋白質の相互作用としては、比較的高い結合定数を持っている。
上記のコヘシン・ドックリン相互作用は、微生物種特異的であることが明らかとなっている。すなわち、クロストリジウム・サーモセラムのドッケリンドメイン31は、クロストリジウム・サーモセラムのコヘシンドメイン21と結合する。クロストリジウム・セルロリティカム(Clostridium cellulolyticum)のドッケリンドメインは、クロストリジウム・セルロリティカムのコヘシンドメインと結合する。従ってこれらの特性を利用した人工セルロソームの作成が報告されている(非特許文献4参照)。
例えば、後述するように、クロストリジウム・サーモセラムのコヘシンドメイン21を、同じくセルロソームを生産するとされるクロストリジウム・セルロボランスのコヘシンドメインのアミノ酸配列としてもよい。その場合、ドッケリンを含む機能性蛋白質を、コヘシンドメインと同じ微生物由来のドッケリンドメインとして利用してもよい。つまり、クロストリジウム・セルロボランスのドッケリンドメインを含む機能性蛋白質を上記のコヘシンドメインに結合してもよい。この微生物種特異的なコヘシン・ドッケリンドメインの相互作用を利用することで、2種類以上、数種類の機能性蛋白質を配置、整列させることができる。
(骨格蛋白質の例)
骨格蛋白質20の具体例を説明する。骨格蛋白質20として、セルロソーム(酵素複合体)に含まれる酵素30をクローニングしたものを利用することができる。この酵素30は、骨格蛋白質20を構成するコヘシンドメイン21と結合するドッケリンドメイン31を備える。
骨格蛋白質20の一例はCipAであり、このCipA(196kDa)は、図1に示すように9つのコヘシンドメイン21と、1つのセルロース結合ドメイン22と、を備えている。セルロース結合ドメイン22は、2番目のコヘシンドメイン21と3番目のコヘシンドメイン21との間に設けられている。これらのコヘシンドメイン21は、微生物由来のもの、例えばクロストリジウム・サーモセラム由来の骨格蛋白質20を利用することができる。
骨格蛋白質20の代わりにその一部である骨格蛋白質20Aを利用してもよい。図2に示す部分骨格蛋白質20AはmCipA(分子量は53kDa)であり、このmCipAはCipAのN末端からセルロース結合ドメイン22までのCipAの部分構造体である。mCipAは、図2に示すようにCipAのセルロース結合ドメイン22と2個のコヘシンドメイン21とを備えている。これらの骨格蛋白質20及び部分骨格蛋白質20Aは、組み換え技術によって作成される。
(ドッケリンドメイン)
さらに、骨格蛋白質20のコヘシンドメイン21と親和性のあるドッケリンドメイン31として、同じく上記の微生物由来のドッケリンドメインを用いることができる。ドッケリンドメイン31を有しているドッケリンを含む機能性蛋白質32としては、酵素、抗体及び標識化合物の何れかとしてもよい。
本実施形態のドッケリンドメイン31は、コヘシンドメイン21と同じ微生物由来のものを用いることが可能である。例えば、骨格蛋白質20及びその一部である部分骨格蛋白質20Aとしては、以下の微生物由来の蛋白質を用いることができる。
クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)
クロストリジウム・セルロリティカム(Clostridium cellulolyticum)
クロストリジウム・ジョースイ(Clostridium josui)
クロストリジウム・アセトブティリカム(Clostridium acetobutylicum)
クロストリジウム・セロビオパルム(Clostridium cellobioparum)
クロストリジウム・パピロソルベンス(Clostridium papyrosolvens)
ルミノコッカス・アルブス(Ruminococcus albus)
ルミノコッカス・フラベファシエンス(Ruminococcus flavefaciens)
アセトビブリオ・セルロリティクス(Acetivibrio cellulolyticus)
バクテロイディス・セルロソルベンス(Bacteroides cellulosolvens)
ブチリビブリオ・フィブリソルベンス(Butyrivibrio fibrisolvens)
(複合体の作製方法の一例)
骨格蛋白質20やこの骨格蛋白質に結合するドッケリンを含む機能性蛋白質32の整列方法の一例を説明する。
先ず、グラファイトで構成される基材10上に骨格蛋白質20を含む水溶液を添加する。これにより、グラファイトの面に複数の骨格蛋白質20が整列する。
次に、ドッケリンを含む機能性蛋白質32として、酵素30を含む水溶液を基材10上に添加する。これにより、酵素30のドッケリンドメイン31が骨格蛋白質20のコヘシンドメイン21に結合し、基材10上で自己組織化する。
このように、炭素材料等で構成される基材10に酵素30をドッケリンドメイン31を介して固定することができる。酵素30を固定する温度等は室温でもよい。また、温度は用いる酵素30に応じて調整してもよい。
本発明の蛋白質の整列方法によれば、蛋白質の組換え技術によって、例えばセルロソームの部分構造を作成し、グラファイトに添加して複数の骨格蛋白質20をグラファイトの六角板状結晶に沿って規則性を持って整列させることができる。グラファイト上に整列した骨格蛋白質20にセルロソームの酵素サブユニットを結合させて自己組織化させることもできる。
このようなグラファイト等の炭素材料からなる基材10上に蛋白質を固定する技術は、例えばバイオチップ、バイオセンサー、バイオデバイス、マイクロアレイ、クロマトグラフィー担体、固定化ポリマー、固定化酵素、味覚センサー、蛋白質非特異的吸着防止、医療材料用バイオチップ、蛋白質薬物運搬用素材、蛋白質分離、機能性分子の製造としての利用が考えられる。
具体的には骨格蛋白質20を用いて、炭素材料からなる基材10上に固定し、その後、ドッケリンドメイン31を本来持つようなセルロソーム酵素サブユニットはもちろんのこと、ドッケリンドメイン31を遺伝子組換えなどで人為的に付与させた機能を有する蛋白質等を用いて、基材10上に固定される骨格蛋白質20とのコヘシン・ドッケリン相互作用により自己組織化することが可能となる。
上記の蛋白質としては、加水分解酵素、酸化還元酵素、転移酵素、付加脱離酵素(リアーゼ)、異性化酵素、合成酵素(リガーゼ)、エピ化反応、分子内転移、ラセミ化反応を触媒する蛋白質などEC番号が付けられている酵素機能を有する蛋白質が挙げられる。さらに蛋白質としては、抗体、標識蛋白質、場合によってはコンジュゲートを利用し化学薬品を直接ドッケリンドメイン31へ付与したキメラ蛋白質でもよい。
上記以外での応用であれば、蛋白質に限らない。すなわち低分子化合物や、場合によっては放射線同位体をもった標識化合物及び安定同位体をもった標識化合物でも構わない。またドッケリンドメイン31に直接的に標識することや、標識機能を有する化合物を直接カップリングさせた、ドッケリンドメイン31であってもよい。従って、少なくともドッケリンドメイン31を有しており、炭素からなる基材10に整列させた骨格蛋白質20と相互作用し、配置させることができればいずれの形でも用いることが可能である。
(蛋白質の整列方法の変形例)
図4は、本発明の蛋白質の整列方法の変形例に係る複合体1Aを示す模式図である。この図に示すように、複合体1Aが図1の複合体1と異なるのは、基材10にセルロース結合ドメイン22を介して結合している骨格蛋白質20に、さらに、異なる微生物種のコヘシンドメイン23が結合している点である。さらに、この異なる微生物種のコヘシンドメイン23にドッケリンを含む機能性蛋白質42が結合している点にある。このドッケリンを含む機能性蛋白質42は、コヘシンドメイン23と同じ微生物種の機能性蛋白質40及びドッケリンドメイン41からなる。
上記コヘシン・ドッケリン相互作用は、微生物種特異的であることが明らかとなっている(非特許文献3参照)。すなわち、クロストリジウム・サーモセラムのドッケリンドメイン31は、クロストリジウム・サーモセラムのコヘシンドメイン21と結合し、クロストリジウム・セルロボランス(Clostridium cellulovorans)のドッケリンドメイン41は、クロストリジウム・セルロボランスのコヘシンドメイン23と結合する。従ってこれらの特性を利用した人工セルロソームの作成が報告されている(非特許文献4)。
この技術を応用すれば、図1の複合体1に結合させた骨格蛋白質20のコヘシンドメイン21を、異なる微生物由来のコヘシンドメイン23のアミノ酸配列を有するようにし、かつ、酵素等の機能性蛋白質40に、そのコヘシンドメイン23由来の微生物のドッケリンドメイン33を有するようにしてやると、数種類の異なる機能性蛋白質32、42を配置することができる(非特許文献4参照)。
これにより、コヘシンドメイン21を、異なる微生物種由来のコヘシンドメイン23のアミノ酸配列を有するようにし、かつ、酵素等の機能性蛋白質40に、その微生物種特異的なドッケリンドメイン41を有するようにし、微生物種特異的コヘシン・ドッケリン相互作用を利用することで、骨格蛋白質20上に異なる蛋白質32、42を配置させることが可能となる。
例えば、非特許文献4では、クロストリジウム・サーモセラムのコヘシンドメインやクロストリジウム・サーモセラムのコヘシンドメイン、R. flavefaciensのコヘシンドメインを使いキメラ型の骨格蛋白質を作り出している。さらにクロストリジウム・サーモセラムの由来でドッケリンドメインを持つセルラーゼ(ファミリー9)、C. cellulolyticum由来でドッケリンドメインを持つセルラーゼ(ファミリー8)、R. flavefaciens由来でドッケリンドメインを持つセルラーゼ(ファミリー9)を用いてそのキメラ型の骨格蛋白質へ種特異的なコヘシン・ドッケリン相互作用により、任意の場所へ配置することも可能である。
さらに、実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。
本発明において作成、利用した組換蛋白質のモデルを図1に示した。クロストリジウム・サーモセラムからのゲノムDNAは、以下の手順により抽出した。
0.5%セロビオースを含むBM7CO−CB液体培地を用いてクロストリジウム・サーモセラムを培養後、4℃にて10,000回転で5分間、遠心分離して菌体を回収した。
(クロストリジウム・サーモセラムの培養)
クロストリジウム・サーモセラムJK−S14株(NITE BP−627)を微結晶セルロース10g/Lを含むBM7CO−CB培地を用いて4日間、60℃にて培養を行った。
次に、得られた菌体を溶菌させるために、10%SDS(ラウリル硫酸ナトリウム)を最終濃度が0.5%になるように添加すると共に、プロテナーゼK(1mg/mL)溶液が5μg/mLになるように加え、37℃で1時間反応させた。
さらに10%臭化セチルトリメチルアンモニウム−0.7M(モル)塩化ナトリウム溶液を1%濃度になるように加え、65℃、10分間反応させた後、等量のクロロフォルム・イソアミルアルコール溶液を加えよく攪拌し、15,000回転、5分間遠心分離にて水層を得た。
上記水層にフェノール・クロロフォルム・イソアミルアルコール混液を等量加え、攪拌し再度15,000回転、5分間遠心分離にて水層を得た。この水層に対し0.6倍容量のイソプロパノールを加えゲノムDNAを析出させ、再度遠心分離によりゲノムDNAを調製した。このゲノムDNAを70%エタノールで洗浄、乾燥した。
なお、BM7CO−CB培地の組成は、リン酸二水素カリウム1.5g/L、リン酸水素二カリウム2.9g/L、尿素2.1g/L、酵母エキス6.0g/L、炭酸ナトリウム4g/L、システイン塩酸塩0.05g/L、0.2mLミネラル溶液(MgCl・6HO, 5g、CaCl・2HO0.75g、FeSO・6HO,0.0063gを水4mLに溶解)として調製した。また、培地に炭素源としてセロビオースを5g/Lになるように加えた。最終的な培地のpHは7.0前後に調製した。
CipAは、上記調製したゲノムDNAを用い、オリゴヌクレオチドプライマーCipA(配列番号1:AGTCA GAGCTCC GCC ACA ATG ACA GTCGAG)及びCipAR(配列番号2:AGTCACTCGAGTACAGGCTGTGTTGATGG)、mCipAはオリゴヌクレオチドプライマーmCipAF(配列番号3:AGTCA GAGCTCC GCC ACA ATG ACA GTCGAG)及びmCipAR(配列番号4:AGTCA CTCGAG TACAGGCTGTGTTGATGG)、CelAはオリゴヌクレオチドプライマーCelAF(配列番号5:AGTCA GAGCTCC GCA GGT GTG CCT TTT AAC)及びCelAR(配列番号6:AGTC AAGCTT ATAAGGTAGGTGGGGTATG−3)、及びCelSはオリゴヌクレオチドプライマーCelSA(配列番号7:AGTC GAGCTCC GGT CCT ACA AAG GCACCTA)及びCelSR(配列番号8:AGTCA GCTGAGC GTTCTTGTACGGCAATGT)をデザインし、合成した。
遺伝子を増幅する方法であるPCRにより約5.5キロベース長の二本鎖増幅DNA配列を得た。増幅したCipA遺伝子配列を配列番号9に示す。
デザインしたオリゴヌクレオチドプライマーCipF及びCipARは、大腸菌発現ベクターに挿入するため、制限酵素サイトSacl及びXholサイトを付加してある。
また同じく、オリゴヌクレオチドプライマーmCipARは、同じく制限酵素サイトXhoIサイトを付加している。オリゴヌクレオチドプライマーCelAF及びCelARとCelSと、オリゴヌクレオチドプライマーCelSA及びCelSRとにも、それぞれ制限酵素サイトSacI及びHindIII、SacI及びBpu1102Iを付加してある。
なお、クロストリジウム・サーモセラムの骨格蛋白質20であるCipA遺伝子配列、CelA遺伝子配列及びCelS遺伝子配列は、国立バイオテクノロジー情報センター(NBIC)のホームページ(http://www.Ncbi.nlm.nih.gov/)を通じ、遺伝子配列を取得することができる(CipA GenBankアクセッション番号;CAA91220.1)、(CelA GenBankアクセッション番号;K03088)、(CelS GenBankアクセッション番号;L06942.1)。
PCRは、ExTaq DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)により16srRNA遺伝子の増幅を行った。PCRの条件は98℃、1分間、55℃、1分間、72℃、4分間を30サイクルの条件において増幅を行った。
PCR産物は0.8%アガロースゲル電気泳動で増幅されたバンドを確認後、キアゲンPCR精製キット(キアゲン社製)を用いて精製した。精製したPCR産物は前述した制限酵素(タカラバイオ社製)を用い、37℃で一晩それぞれ制限酵素処理を行った。
制限酵素処理済みPCR産物は再度、0.8%アガロースゲル電気泳動により制限酵素分解産物と分離し、ゲルから目的のバンドを切り出し、ゲル抽出キット(キアゲン社製)により精製した。
CipA遺伝子を大腸菌において発現させるため、pET22b発現ベクター(メルク社製)も使用した。本ベクターは発現させたい目的の蛋白質のN末端側に6残基のヒスチジンタグが融合されるような設計になっている。CelSを大腸菌において発現させる場合には、pET19b(メルク社製)発現ベクターを使用した。この場合、SacI及びBpu1102を用い、37℃で一晩制限酵素処理を行った。制限酵素処理後、制限酵素切断サイトの脱リン酸を行うため、アルカリフォスファターゼ(タカラバイオ社製)を50℃で1時間処理を行った。フェノール・クロロフォルム抽出を繰り返し、アルカリフォスファターゼを失活させた後、エタノール沈殿処理を行い、制限酵素処理済みpET19b発現ベクターを回収した。
CipA発現ベクター、mCipA発現ベクター、CelA発現ベクター、CelS発現ベクターを構築するため、上記制限酵素処理済みpET22b及びpET19b発現ベクターは、T4ライゲース(タカラバイオ社製)により、16℃で一晩インキュベートを行い、それぞれの断片を連結させた。
次に、上記発現ベクターCipA−pET22b、mCipA−pET22b、CelA−pET22b及びCelS−pET19bは、それぞれ大腸菌JM109へ一度形質転換を行い、50μg/mLアンピシリンナトリウムと1.5%寒天を含むLuria−Bertani培地(LB培地と呼ぶ。)により37℃で一晩培養を行った。
LB培地の組成を以下に示す。
バクトペプトン1g/L
塩化ナトリウム1g/L
イーストエキストラクト1g/L
最終的な培地のpHは7.0前後に調製された。
生育してきたコロニーから目的の遺伝子断片を有するクローンを選択した。選択には、大腸菌クローンからプラスミド抽出キット(キアゲン社製)を用いてそれぞれ発現ベクターを抽出した。発現ベクターの抽出後、上記プライマーによりBigDye(登録商標)Terminator v3.1(アプライドバイオシステムズ社)、PRISM(登録商標) 3100 Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムズ社製)または、PRISM(登録商標)3700 DNA Analyzer(アプライドバイオシステムズ社製)によりDNA配列を読み取った。
読み取った遺伝子配列が正確かどうかを確認するため、国立バイオテクノロジー情報センター(NBIC)のホームページを通じ、得られたDNA配列データを用いて、ホモロジー検索を行って正確性を確かめた。正確な遺伝子配列を有する発現ベクターは、それぞれの蛋白質を多量発現させるため、再度大腸菌BL21(メルク社製)へ形質転換し蛋白質多量発現大腸菌クローンを得た。
CipA、mCipA、CelA、CelSを得るため、それぞれの発現ベクターを持つ大腸菌BL21をアンピシリンナトリウム含有LB培地で37℃、4時間培養を行った。培養の後、イソプロピル−D−チオガラクトピラノシド(isopropyl−D−thiogalactopyranoside)を1mMの濃度を加え、さらに12時間培養を行った。
各大腸菌BL21(DE3)は遠心分離(8000回転、4℃、10分)により菌体を回収した。回収した菌体は一度−80℃で一晩凍結し、溶菌緩衝液(50mMリン酸緩衝液、300mM塩化ナトリウム,10mMイミダゾール、pH8.0)に懸濁したのち、氷中において超音波破砕機により破砕した。得られた溶菌混濁液を遠心分離し、透明な溶菌液と沈殿している未破砕菌体とを分離後、溶菌液のみを回収し0.45μmフィルターを用いて濾過を行った。
その溶菌液はニッケルアガロースゲルカラム(Ni−NTAアガロースゲル;キアゲン社製)を通して、ヒスタグ融合蛋白質を得た。さらに溶出を行った組換え蛋白質は脱塩カラム(バイオラッド社製)に通して精製した。各タンパク量測定は、必要に応じて蒸留水で希釈後、BCA・タンパク測定キット(サーモサイエンティフィック社製)により測定を行った。蛋白質の検量線はウシ血清アルブミンを使用し作成した。
CipAの遺伝子配列及びアミノ酸配列を配列番号9及び10にそれぞれ示す。
クロストリジウム・サーモセラムのCipAの部分構造体であるmCipA遺伝子配列の遺伝子配列及びアミノ酸配列を配列番号11及び12にそれぞれ示す。
クロストリジウム・サーモセラムのCipAが有する代表的コヘシンドメイン21の遺伝子配列及びアミノ酸配列を配列番号13、14にそれぞれ示す。
クロストリジウム・サーモセラムのセルロース結合ドメイン22(CBM)のアミノ酸配列をコードする遺伝子配列及びクロストリジウム・サーモセラムのセルロース結合ドメイン22(CBM)遺伝子の配列を、配列番号15、16にそれぞれ示す。
CelAの遺伝子配列及びアミノ酸配列を配列番号18、19にそれぞれ示す。
CelSの遺伝子配列及びアミノ酸配列を配列番号20、21にそれぞれ示す。
CelAのドッケリンドメイン31の遺伝子配列及びアミノ酸配列を配列番号21、22にそれぞれ示す。
CelSのドッケリンドメイン31の遺伝子配列及びアミノ酸配列を、配列番号23、24にそれぞれ示す。
図1は、上記アミノ酸配列をもとにした蛋白質ドメイン構造を模式的に示したものである。観察は古寺等が開発したハイスピード原子間力顕微鏡を用いて行った(非特許文献2参照)
ハイスピード原子間力顕微鏡による観察はBL−AC10EGS−A2スモールカンチレバー(オリンパス社製)によりナノライブバージョン(オリンパス社製)を用いて行った。
台座となるグラファイトは気相成長黒鉛(Highly oriented pyrolytic graphite:HOPGと呼ぶ。)を用いた。0.1mm以下の厚さを持ったHOPGは円柱状のグラスステージ(高さ2mm、直径1.5mm)へ貼り付け、スコッチテープを押し当ててHOPG表面のフラットさを確保した。
高度に精製したCipA、mCipA、CelA、CelSの各蛋白質は上記ハイスピード原子間力顕微鏡に使用するためそれぞれ0.2μM〜20μMに50mM酢酸緩衝液(pH6.0)により調製した。
上記CipAやmCipAは、それぞれHOPG上に約2μMを加えて、1秒間に1〜4フレームの高速原子間力顕微鏡像を撮影した。高速原子間力顕微鏡像の解析はIGOR pro(WaveMetrics社製)を用いて行った。高速原子間力顕微鏡中のノイズスパイクを減らすために、すべての高速原子間力顕微鏡像は2×2ピクセルアベレージングフィルターで処理を行った。
図5は、骨格蛋白質20であるCipAをHOPGサンプルディスクへ整列させた場合の高速原子間力顕微鏡像を示す図である。この図に示すように、CipAは、HOPGディスクの炭素六角格子に沿い、整列することが明らかとなった。
CipAの一部のドメインだけでも同じように整列するかどうかを確認するために、mCipAもCipAと同様にHOPGサンプルディスクへ加えた。
図6は、mCipAをHOPGサンプルディスクへ整列させた場合の高速原子間力顕微鏡像を示す図である。この図に示すように、mCipAは、図5に示すCipAと同様に、HOPGディスクの炭素六角格子に沿い、整列することが明らかとなった。
(骨格蛋白質と機能性蛋白質との結合)
通常、蛋白質は非特異的吸着を起こした場合、構造的変化が起こり蛋白質としての機能を失う。CipAがHOPGに非特異的に吸着した場合、骨格蛋白質20としての機能を失うことが予想される。セルロソームの酵素サブユニットがHOPG上に整列したCipAに結合し自己組織化できるかどうかを確認するため、二つの酵素サブユニットCelA及びCelSを作成し結合実験を行った。
先に示したmCipAが整列したHOPGサンプルディスク上に、先と同様にCelA及びCelSを2μLを加えて、一秒間に1〜4フレームの高速原子間力顕微鏡像を撮影した。高速原子間力顕微鏡像の解析は、上記同様にIGORpro(WaveMetrics社製)を用いて行った。
図7は、骨格蛋白質20とCelAとの結合を示す図であり、(a)は結合の模式図、(b)は高速原子間力顕微鏡像を示す図である。
図8は、骨格蛋白質20とCelSとの結合を示す図であり、(a)は結合の模式図、(b)は高速原子間力顕微鏡像を示す図である。
図7及び8の高速原子間力顕微鏡像において黄色く光っているのが、それぞれCelA及びCelS酵素蛋白質であり、HOPGサンプルディスク上に規則的に配置された部分骨格蛋白質20AであるmCipAに相互作用していることが示された。
上記図7及び8の結果において、CipAの骨格蛋白質20は、非特異的吸着を起こしているのではなく、構造を維持したまま規則的に整列していることを示しており、蛋白質としての機能を失わず、骨格蛋白質20のコヘシンドメイン21と蛋白質の有するドッケリンドメイン31で相互作用しており、セルロソーム的構造を自己組織化していることが判明した。
従って、上記方法を用いることで、酵素はもちろんのこと、抗体やドッケリンを含む機能性蛋白質32など好みの蛋白質を基材10の表面上に機能を維持したまま整列させることができる。
本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
1、1A:複合体
10、10A:基材
20:骨格蛋白質
20A:部分骨格蛋白質
21:コヘシンドメイン
22:セルロース結合ドメイン
23:異なる微生物種のコヘシンドメイン
30:機能性蛋白質
31:ドッケリンドメイン
32:ドッケリンを含む機能性蛋白質
40:異なる微生物種の機能性蛋白質
41:異なる微生物種のドッケリンドメイン
42:異なる微生物種のドッケリンを含む機能性蛋白質CelA:エンド型セルラーゼ
CelS:エキソ型セルラーゼ
NITE BP−627(クロストリジウム・サーモセラムJK−S14株)

Claims (12)

  1. セルロース結合ドメインとコヘシンドメインとを有する骨格蛋白質を、前記セルロース結合ドメインを介して炭素からなる基材上に整列する、蛋白質の整列方法。
  2. セルロース結合ドメインとコヘシンドメインとを有する骨格蛋白質を、前記セルロース結合ドメインを介して炭素からなる基材上に整列した後、
    ドッケリンドメインを有する機能性蛋白質の該ドッケリンドメインを前記コヘシンドメインに結合する、蛋白質の整列方法。
  3. 前記セルロース結合ドメインがセルロソーム由来である、請求項1又は2に記載の蛋白質の整列方法。
  4. 前記ドッケリンドメイン及びコヘシンドメインがクロストリジウム・サーモセラム由来である、請求項2に記載の蛋白質の整列方法。
  5. 前記ドッケリンドメイン及びコヘシンドメインが異なる微生物種由来であって、微生物種特異的コヘシン・ドッケンリン相互作用を有するものである、請求項2に記載の蛋白質の整列方法。
  6. 前記炭素からなる基材がグラファイトである、請求項1〜5の何れかに記載の蛋白質の整列方法。
  7. 炭素からなる基材と、
    セルロース結合ドメイン及びコヘシンドメインからなる骨格蛋白質と、
    を備え
    前記骨格蛋白質が、前記セルロース結合ドメインを介して前記基材上に整列されている、
    複合基板。
  8. 前記セルロース結合ドメインがセルロソーム由来である、請求項7に記載の複合基板。
  9. 前記コヘシンドメインにドッケリンドメインを有する機能性蛋白質が結合した、請求項7に記載の複合基板。
  10. 前記ドッケリンドメイン及びコヘシンドメインがクロストリジウム・サーモセラム由来である、請求項9に記載の複合基板。
  11. 前記ドッケリンドメイン及びコヘシンドメインが異なる微生物種由来であって、微生物種特異的コヘシン・ドッケンリン相互作用を有するものである、請求項9に記載の複合基板。
  12. 前記炭素からなる基材がグラファイトである、請求項7〜11の何れかに記載の複合基板。
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