JP5930316B2 - 光ファイバ、ファイバレーザおよび光ファイバの作製方法 - Google Patents

光ファイバ、ファイバレーザおよび光ファイバの作製方法 Download PDF

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Description

本発明は光ファイバ、ファイバレーザおよび光ファイバの作製方法に関する。
光ファイバは光の導波路として用いられる。光ファイバは、コア、および、コアの周囲に設けられたクラッドを備えている。典型的には、光ファイバの断面においてコアは円形状であり、クラッドは筒形状である。また、光ファイバを備えるファイバレーザは、高出力および小型化の可能といった利点を有しており、レーザ加工に用いられている。ファイバレーザには、コアの周囲に2つのクラッドを設けたダブルクラッド構造の光ファイバが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−134626号公報
上述したように、コアは、典型的には円形状であり、光ファイバは、ほぼ円形状の光ビームを出射する。しかしながら、光ビームを利用する際に、光ビームを円形状以外の形状に変形することがある。例えば、光ビームのライン走査を行う場合、所定の光学部品を用いて光ビームの形状をラインビームに変形することがある。この場合、光ファイバから出射された光は、所定の光学部品を用いて変形することが必要となる。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、所望な形状の光ビームの出射または入射に適した光ファイバ、ファイバレーザおよび光ファイバの作製方法を提供することにある。
本発明による光ファイバは、コアと、前記コアと接触する第1クラッドと、前記第1クラッドの周囲に設けられた第2クラッドとを備える、光ファイバであって、前記コアは、前記第1クラッドよりも高い屈折率を有しており、前記第1クラッドは、前記第2クラッドよりも高い屈折率を有しており、断面において、前記コアの第1方向に沿った長さは前記コアの第2方向に沿った長さとは異なる。
ある実施形態において、前記第1クラッドは互いに分離された2つの領域を有している。
ある実施形態において、前記コアは、前記第2クラッドと接触する。
ある実施形態では、断面において、前記コアはほぼ矩形状を有しており、前記第1クラッドは半円形状を有している。
ある実施形態において、前記コアおよび前記第1クラッドのそれぞれに希土類元素がドープされている。
ある実施形態において、前記コアに、ネオジムまたはイッテルビウムがドープされている。
ある実施形態において、所定の波長の光は、前記コアの第1方向の沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、前記コアの第2方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される。
本発明の光ファイバは、コアと、クラッドとを備える、光ファイバであって、所定の波長の光は、前記コアの第1方向の沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、前記コアの第2方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される。
ある実施形態では、断面において、前記コアの第1方向に沿った長さは前記コアの第2方向に沿った長さとは異なる。
本発明によるファイバレーザは、励起光源および共振器を備えるファイバレーザであって、前記共振器は、上記の光ファイバと、リアミラーと、フロントミラーとを有する。
本発明の光ファイバの作製方法は、コア材料を有するコア部材と、それぞれが第1クラッド材料を有する2つの第1クラッド部材とを用意する工程と、前記コア部材を前記2つの第1クラッド部材で挟んだ成形体を形成する工程と、第2クラッド材料を有する第2クラッド部材であって、開口部の設けられた第2クラッド部材を用意する工程と、前記成形体を前記第2クラッド部材の前記開口部に挿入することによってプリフォームを形成する工程と、前記プリフォームからファイバを取り出す工程とを包含する。
ある実施形態において、前記作製方法は、前記プリフォームを形成する工程の前に、前記第2クラッド部材の前記開口部と整合するように前記成形体を切削する工程をさらに包含する。
ある実施形態において、前記成形体を形成する工程は、前記コア部材および前記2つの第1クラッド部材の少なくとも一方を研磨する工程を含む。
本発明の光ファイバの作製方法は、第1方向に沿った長さが第2方向に沿った長さと異なる断面を有するロッドを用意する工程と、前記ロッドの周囲にコアを形成する工程と、前記コアの周囲にクラッドを形成する工程とを包含する。
本発明によれば、所望な形状の光ビームの出射または入射に適した光ファイバを提供することができる。
(a)は本発明による光ファイバの実施形態を示す模式的な断面図であり、(b)は本実施形態の光ファイバにおける屈折率の変化を示すグラフであり、(c)は本実施形態の光ファイバから出射される光ビームの形状を示す模式図である。 (a)は比較例1の光ファイバの模式的な断面図であり、(b)は比較例1の光ファイバから出射される光ビームの形状を示す模式図である。 (a)は比較例1の光ファイバから出射された光ビームのラインビームへの変形を説明するための模式図であり、(b)は本実施形態の光ファイバから出射された光ビームのラインビームへの変形を説明するための模式図である。 本実施形態のファイバレーザの模式図である。 (a)は比較例1の光ファイバを備えたファイバレーザにおいて発生するスキューレイを説明するための模式図であり、(b)は比較例2の光ファイバの模式的な断面図である。 (a)は比較例1の光ファイバから出射された光ビームのラインビームへの変形を説明するための模式図であり、(b)、(c)および(d)は比較例1の光ファイバから出射された光ビームの変化を示す模式図である。 (a)は本実施形態の光ファイバから出射された光ビームのラインビームへの変形を説明するための模式図であり、(b)、(c)および(d)は本実施形態の光ファイバから出射された光ビームの変化を示す模式図である。 (a)は比較例3の光ファイバに向けて出射された光ビームを示す模式図であり、(b)は本実施形態の光ファイバに向けて出射された光ビームを示す模式図である。 (a)〜(e)は本実施形態の光ファイバの作製方法を説明するための模式図である。 本実施形態の光ファイバを示す模式図である。 本実施形態のファイバレーザにおけるレーザ発振スペクトルを示すグラフである。 本実施形態のファイバレーザにおけるレーザ発振の入出力特性を示すグラフである。 本実施形態のファイバレーザにおけるレーザ発振の入出力特性を示すグラフである。 本実施形態のファイバレーザにおけるビームプロファイルを示す図である。 本実施形態の光ファイバの模式的な断面図である。 本実施形態の光ファイバの模式的な断面図である。 本実施形態の光ファイバの模式図である。 本実施形態の光ファイバの模式図である。 (a)および(b)は本実施形態のファイバレーザを示した模式図である。
以下、図面を参照して本発明による光ファイバおよび光ファイバの作製方法を説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1(a)に、本実施形態の光ファイバ10の模式的な断面図を示す。光ファイバ10は、コア12と、クラッド14aと、クラッド14bとを備えている。コア12はクラッド14aと接触しており、クラッド14bはクラッド14aの周囲に設けられている。典型的には、光ファイバ10の断面においてクラッド14aの面積はコア12よりも大きい。
断面においてクラッド14bは筒形状である。例えば、クラッド14bの内径は約100〜350μmであり、クラッド14bの外径は125〜400μmである。ここでは、クラッド14aは、互いに分離された領域14a1、14a2を有しており、断面において領域14a1、14a2はいずれも半円形状である。コア12は、クラッド14aだけでなくクラッド14bとも接触している。コア12の長辺の長さはクラッド14bの内径と等しい。
本明細書において、クラッド14aを第1クラッドと呼ぶことがあり、クラッド14bを第2クラッドと呼ぶことがある。また、クラッド14aは中間クラッドとも呼ばれ、クラッド14bはアウタークラッド(outer cladding)とも呼ばれる。なお、ここでは図示していないが、クラッド14bの周囲を樹脂(例えば、ポリアミド樹脂)でコーティングすることによって光ファイバ10を保護することが好ましい。樹脂により、光ファイバ10を曲げる際の光ファイバ10の破損を抑制することができる。
図1(b)に、図1(a)の1b−1b’線に沿った断面における屈折率の変化を示す。コア12は第1クラッド14aよりも高い屈折率を示し、第1クラッド14aは第2クラッド14bよりも高い屈折率を示す。例えば、クラッド14bはシリカから形成されており、コア12およびクラッド14aは希土類元素のドーピングされたシリカから形成されている。
一例として、コア12およびクラッド14aは、希土類元素の固定されたゼオライトと媒質原料(例えば、シリカ原料)との混合物を焼成することによって形成される。詳細には、希土類元素の水溶性化合物とゼオライトを水中で加熱した後に、塩化アンモニウム溶液で処理することによって希土類元素の固定されたゼオライトが形成され、このゼオライトをシリカ原料と混合して焼成することにより、希土類元素のドーピングされたシリカが形成される。これにより、希土類元素濃度の高いコア12およびクラッド14aを形成することができる。なお、例えば、クラッド14aには希土類元素がドープされなくてもよい。
コア12に入射された光は、コア12とクラッド14aとの界面でほぼ全反射されて、コア12内を進行する。また、クラッド14aに入射された光は、クラッド14aとクラッド14bとの界面でほぼ全反射される一方、コア12とクラッド14aとの界面を通過してコア12内に進行する。光ファイバ10では最も外側に位置するクラッド14bの屈折率が最も低いため、光ファイバ10に入射した光をコア12に集めることができ、コア12から出力される光の強度を増大させることができる。このような光ファイバ10は、増幅器またはファイバレーザに好適に用いられる。
本実施形態の光ファイバ10では、断面においてコア12のある方向に沿った長さは別の方向に沿った長さよりも大きい。例えば、コア12において直交する2つの方向に沿った長さは互いに異なる。図1(a)は、光ファイバ10の延びている方向に対して垂直に切断した断面であり、この断面においてコア12のx方向に沿った長さはy方向に沿った長さよりも大きい。ここでは、コア12の断面は長手方向に沿ってほぼ直線状に延びた矩形状であり、コア12のアスペクト比は3(3:1)以上70(70:1)以下の範囲内である。例えば、コア12の長辺の長さ(x方向に沿った長さ)は約100μm、短辺の長さ(y方向に沿った長さ)は約10μmである。
光ファイバ10では、コア12の断面の長さが一定ではなく、方向に応じて異なる。コア12の断面形状を光ビームの使用用途に合わせて変形することにより、光ファイバ10から出射される光ビームの照射強度をほぼ均一にするとともに、光ファイバ10から出射される光ビームの形状を変更するための光学部品の数を低減させることができる。例えば、ラインビームを形成する場合、図1(a)に示したようにコア12の断面形状がほぼ矩形状であると、図1(c)に示すように、光ファイバ10からライン状の光ビームが出射される。なお、必要とされるラインビームの長さに応じて、光ファイバ10から出射された光ビームを拡大してもよい。光ファイバ10では、所望な形状の光ビームを形成するための光学系を簡略化することができる。
以下に、比較例の光ファイバと比較して本実施形態の光ファイバ10の利点を説明する。まず、図2を参照して比較例1の光ファイバ70を説明する。
図2(a)に、比較例1の光ファイバ70の模式図を示す。光ファイバ70は、コア72と、クラッド74aと、クラッド74bとを備える。クラッド74aはコア72の周囲に設けられており、クラッド74bはクラッド74aの周囲に設けられている。コア72はクラッド74aよりも高い屈折率を示し、クラッド74aはクラッド74bよりも高い屈折率を示す。光ファイバ70の断面において、コア72は円形状であり、クラッド74a、74bは筒形状であり、コア72、クラッド74a、74bの中心はほぼ等しい。クラッド74aはインナークラッドとも呼ばれ、クラッド74bはアウタークラッドとも呼ばれる。光ファイバ70は、図2(b)に示すように、断面の円形状の光ビームを出射する。
光ファイバ70から出射された光ビームからラインビームを形成する場合、光ファイバ70から出射される円形状の光ビームを、光学部材(ここでは、図示せず)を用いて変形することが必要となる。これに対して、本実施形態の光ファイバ10は、断面がほぼ矩形状のコア12を有しており、光ファイバ10から出射される光ビームはラインビームの形成に適している。
図3(a)に示すように、比較例1の光ファイバ70から出射される光ビームはラインビームに変形される。光ファイバ70から出射された光ビームは、拡大レンズF1によって拡大された後で、シリンドリカルレンズF2によって特定の方向に集められ、ラインビームが形成される。例えば、光ファイバ70のコア72の直径は約10μmであり、拡大レンズF1によって光ビームは直径5cmに拡大された後、シリンドリカルレンズF2によって長さ5cmのラインビームが形成される。
図3(b)に示すように、本実施形態の光ファイバ10から出射される光ビームはラインビームに変形される。例えば、上述したように、光ファイバ10のコア12はほぼ矩形状であり、光ファイバ10ほぼ矩形状の光ビームを出射する。所望の長さのラインビームを形成する場合、必要に応じて光ファイバ10から出射された光ビームを拡大レンズF1によって等方的に拡大してもよい。例えば、光ファイバ10のコア12の短径および長径がそれぞれ約10μm、約100μmである場合、拡大レンズF1で光ビームの短径および長径をそれぞれ約0.5cm、約5cmまで拡大することによって長さ約5cmのラインビームを形成してもよい。また、ここでは図示していないが、光ファイバ10から出射された光ビームに対して、必要に応じて、シリンドリカルレンズを用いて光ビームを特定の方向に変形してもよい。
コア12はマルチモードおよびシングルモードの両方で光を伝搬することができる。図1(a)に示したように、コア12の断面の長さは方向に応じて異なるため、コア12を伝搬する光の波長に応じて、コア12の長さ、ならびに、コア12およびクラッド14aの屈折率を適宜設定することにより、所定の波長の光は、コア12のx方向に沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、コア12のy方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される。シングルモードで光の伝搬が行われる場合、伝搬の損失を抑制できる。
なお、光ファイバ10を伝搬する光は、パルス波であっても、連続波であってもよい。ただし、パルス波が光ファイバ10を伝搬する場合、光がシングルモードで伝搬されると、パルス波の形状の変形を防ぐことができ、信号遅延を抑制できる。なお、シングルモードで光の伝搬が行われる場合、光ファイバ10はそれほど曲げないことが好ましい。
光ファイバ10は、ファイバレーザの一部として好適に用いられる。以下、図1および図4を参照して光ファイバ10を備えた本実施形態のファイバレーザ100を説明する。
図4に、本実施形態のファイバレーザ100の模式図を示す。ファイバレーザ100は、励起光源110と、共振器120とを備えている。共振器120は、光ファイバ10と、リアミラー122と、フロントミラー124とを有している。リアミラー122は光ファイバ10の一方の端部と向かい合うように配置されており、フロントミラー124は光ファイバ10の他方の端部と向かい合うように配置されている。ここでは、図1(a)に示した光ファイバ10において、コア12にネオジム(Nd)またはイッテルビウム(Yb)がドープされており、クラッド14aにランタン(La)がドープされている。
ファイバレーザ100では、励起光源110から共振器120に向かって励起光が出射される。リアミラー122を通過した励起光は光ファイバ10のコア12およびクラッド14aに入射する。励起光はコア12において吸収されて、コア12においてネオジムの発振波長の光が発生する。コア12において発生した光は、コア12とクラッド14aとの界面でほぼ全反射してコア12内に閉じ込められた状態で進行する。光ファイバ10はリアミラー122およびフロントミラー124に挟まれており、共振器120において共振が発生し、発振波長のコヒーレントな光が共振器120から出射される。なお、ファイバレーザ100から出射される光は、パルス波であってもよく、連続波であってもよい。
ファイバレーザ100は加工用レーザとして好適に用いられる。例えば、ファイバレーザ100は、太陽電池の表面改質、または、フラットパネルディスプレイなどのアニーリング処理に好適に用いられる。
ファイバレーザ100の光ファイバ10では、コア12とクラッド14bとの間にクラッド14aが設けられていることにより、励起光は効率的に入射される。なお、一般に、励起光源110からの光の強度がある程度増加するまで、光ファイバ10から出力される光の強度も増加する。しかしながら、非線形現象の影響により、励起光源110からの光の強度がある程度以上増加しても、光ファイバ10から出射される光のパワー密度(power density:単位 W/cm2)はほぼ一定となる。本実施形態の光ファイバ10ではコア12の断面積を比較的大きくできるため、光ファイバ10から出力される光ビームのパワーを増大させることができる。円形状のコア72を有する光ファイバ70では、シングルモードの光ビームを比較的高いパワーで出射する場合、コア72の断面積を単純に大きくすると、コア72およびクラッド74aの屈折率差を小さくすることが必要となるが、製造限界に起因して面積の大きさが限られるため、高パワーを実現できない。これに対して、本実施形態の光ファイバ10では、コア12の断面積を比較的大きくできるため、光ファイバ10から出力される光ビームのパワーを増大させることができる。例えば、光ファイバ10の断面におけるコア12の面積が光ファイバ70の断面におけるコア72の面積と比べて10倍以上の場合、光ファイバ10を備えたファイバレーザ100の最大出力は光ファイバ70を備えたファイバレーザよりも10倍以上にすることができる。このように、ファイバレーザ100の出力を向上できるため、ファイバレーザ100は、大面積の加工に好適に用いられる。
ここで、本実施形態の光ファイバ10を比較例1の光ファイバ70を備えたファイバレーザと比較する。例えば、比較例1の光ファイバ70のコア74の径は25μmである。このファイバレーザにおける励起光の波長915nmの吸収係数が0.8dB/mであると、励起光を99%(−20dB)吸収するファイバ長は25m(=(20dB)/(0.8dB/m)である。この場合、誘導ラマン増幅閾値は3.14kWとなり、誘導ブリルアン増幅閾値は41Wとなる。なお、典型的には、比較例1の光ファイバ70を備えたファイバレーザは約1kWの光ビームを出力する。
これに対して、例えば、本実施形態のファイバ10では、コア12の長辺の長さは100μmであり、短辺の長さは10μmである。ゼオライトを利用してコア12を形成する場合、このファイバレーザ100における励起光の波長915nmの吸収係数は約100dB/mとなり、励起光を99%(−20dB)吸収するファイバ長は0.2m(=(20dB)/(100dB/m)である。この場合、誘導ラマン増幅閾値は628kWとなり、誘導ブリルアン増幅閾値は825Wとなる。このようなファイバレーザ100によれば、一般的なマージンを考慮しても約200kWの出力を得ることができる。このように、本実施形態のファイバレーザ100によれば、一般的なファイバレーザと比べて高出力の光ビームを出射することができる。
なお、ここでは図示していないが、上述したように、光ファイバ10は樹脂で保護されることが好ましい。ファイバレーザ100では光ファイバ10がクラッド14aの周囲に設けられたクラッド14bを有することにより、樹脂の焼き付きを抑制することができる。
このように、クラッド14bは光の閉じ込めに利用される。また、クラッド14bにより、光の外部への漏れ出しを抑制できるため、金属等による接触冷却を好適に行うことができる。なお、クラッド14bは、光を閉じ込めるだけではない。クラッド14bは、後述するように、光ファイバ10を線引きで作製する際にコア12をサポートするため、光ファイバ10の作製を容易にすることができる。
上述したように、光ファイバ10では、コア12の断面の長さは方向に応じて異なる。このため、所定の波長の光は、コア12のx方向に沿った長さに対してマルチモードで伝搬し、コア12のy方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬する。ファイバレーザ100の場合、発振波長の光がマルチモードおよびシングルモードの両方で伝搬する。図1(a)において、コア12のx方向に沿った長さdxが2.405λ/(π√(n12−n22))よりも大きく、コア12のy方向に沿った長さdyが2.405λ/(π√(n12−n22))よりも小さい場合、コア12は、x方向にマルチモードおよびy方向にシングルモードで伝搬できる。ここで、λはコア12を伝搬する光の空気中の波長であり、n1はコア12の屈折率であり、n2はクラッド14aの屈折率である。
例えば、コア12にネオジムがドープされている場合、発振波長は1062nmである。コア12の屈折率が1.452、クラッド14aの屈折率が1.450である場合、上記式の計算結果は、2.405λ/(π√(n12−n22))=10.7μmである。この計算結果が、コア12の異なる方向に沿った長さの間であれば、光は、コア12の一方向に沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、コア12の他方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される。例えば、コア12のx方向に沿った長さが100μmであり、コア12のy方向に沿った長さが10μmである場合、波長1062nmの光は、コア12のx方向に沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、コア12のy方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される。
なお、図4では、1つの励起光源110が示されているが、光ファイバ10に入射される励起光は複数の励起光源110(例えば、レーザダイオード)から出射されてもよい。
比較例1の光ファイバ70を用いてファイバレーザを作製する場合、スキューレイが発生することがある。これに対して、本実施形態の光ファイバ10を備えたファイバレーザ100では、スキューレイの発生を抑制できる。
図5(a)に、比較例1の光ファイバ70において発生するスキューレイを示す。光ファイバ70のクラッド74aに入射された励起光は、クラッド74aとクラッド74bとの界面でほぼ全反射する。励起光のある成分は、クラッド74aの内部においてコア72とクラッド74aとの界面を通過してコア72に到達するが、励起光の別の成分は、クラッド74aの内部においてクラッド74aとクラッド74bとの界面において全反射を繰り返しても中心に位置するコア72に到達せずに、光ファイバ70から出射されてしまうことがある。
なお、近年、スキューレイを抑制するために、円の一部を切り欠いた形状の断面を有するクラッドを形成することも知られている。以下、図5(b)を参照して比較例2の光ファイバ80を説明する。
図5(b)に、比較例2の光ファイバ80の模式図を示す。光ファイバ80は、コア82と、クラッド84aと、クラッド84bとを備えている。クラッド84aはコア82の周囲に設けられており、クラッド84bはクラッド84aの周囲に設けられている。クラッド84aおよびクラッド84bは、それぞれ、インナークラッドおよびアウタークラッドとも呼ばれる。
コア82はクラッド84aよりも高い屈折率を示し、クラッド84aはクラッド84bよりも高い屈折率を示す。光ファイバ80の断面において、コア82は円形状であり、クラッド84bは筒形状である。クラッド84aは、筒形状の一部の切り欠かれた形状を有している。光ファイバ80でも、コア82、クラッド84a、84bの中心はほぼ等しい。
比較例2の光ファイバ80を備えたファイバレーザでは、光ファイバ80のクラッド84aに入射された励起光は、クラッド84aとクラッド84bとの界面でほぼ全反射する。励起光のある成分は、クラッド84aの内部においてコア82とクラッド84aとの界面を通過してコア82に到達する。励起光の別の成分は、クラッド84aの内部においてクラッド84aの切り欠かれた部分とクラッド84bとの界面において全反射して最終的に中心に位置するコア82に到達する。このため、光ファイバ80では、スキューレイの発生を抑制することができる。
光ファイバ80において、クラッド84aに入射された光は、クラッド84aとクラッド84bとの界面において複数回全反射すると、コア72に入射することが多いが、クラッド84aに入射された光が、クラッド84aとクラッド84bとの界面において全反射する回数が比較的小さいと、コア82に入射しないことがある。これに対して、図1(a)に示したように、光ファイバ10では、コア12がクラッド14bと接触するように延びていることにより、スキューレイの発生を効果的に抑制することができる。
なお、上述した説明では、シリカガラスに、希土類元素をドープすることによって、クラッド14bよりも高い屈折率を有するコア12、クラッド14aを形成したが、本発明はこれに限定されない。同様に、シリカガラスに、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、リン(P)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)またはバリウム(Ba)などの元素をドープすることによって、クラッド14bよりも高い屈折率を有するコア12、クラッド14aを形成してもよい。あるいは、フッ素またはホウ素をドープすることによって、コア12よりも低い屈折率を有するクラッド14a、14bを形成してもよい。また、例えば、クラッド14aには不純物元素がドープされなくてもよい。
比較例1の光ファイバ70を備えるファイバレーザから出射されるシングルモードの光ビームをラインビームに変形する場合、干渉が生じることがある。以下に、図6および図7を参照して比較例1の光ファイバ70と比較して本実施形態の光ファイバ10の利点を説明する。ここでは、長さ約5cmのラインビームを形成する。
図6(a)に、比較例1の光ファイバ70から出射された光ビームのラインビームへの変形を説明するための模式図を示す。図6(b)、図6(c)および図6(d)に、光ファイバ70から出射された光ビームL1、拡大レンズF1によって拡大された光ビームL2、および、シリンドリカルレンズF2によって特定の方向に集められた光ビームL3をそれぞれ示す。
光ファイバ70から出射された光ビームは、拡大レンズF1によって拡大された後で、シリンドリカルレンズF2によって特定の方向に集められることによってラインビームが形成される。例えば、光ファイバ70のコア72の直径は約10μmであり、拡大レンズF1によって光ビームは直径5cmに拡大された後、シリンドリカルレンズF2によって長さ5cmのラインビームが形成される。
図7(a)に、本実施形態の光ファイバ10から出射された光ビームのラインビームへの変形を説明するための模式図を示す。図7(b)、図7(c)および図7(d)に、光ファイバ10から出射された光ビームL1、拡大レンズF1によって拡大された光ビームL2、および、シリンドリカルレンズF2によって特定の方向に集められた光ビームL3をそれぞれ示す。
光ファイバ10から出射された光ビームは、拡大レンズF1によって拡大された後で、シリンドリカルレンズF2によって特定の方向に集められることによってラインビームが形成される。例えば、上述したように、光ファイバ10のコア12はほぼ矩形状であり、光ファイバ10からはほぼ矩形状の光ビームが出射される。その後、拡大レンズF1によって光ビームは長径がラインビームに必要となる長さまで等方的に拡大される。
例えば、光ファイバ10のコア12の短径および長径はそれぞれ約10μm、約100μmであり、ラインビームの所望の長さが5cmの場合、拡大レンズF1により、光ビームの短径および長径はそれぞれ約0.5cm、約5cmまで拡大される。その後、シリンドリカルレンズF2によって光ビームは、短径が約10μmになるまで集められる。
光ファイバ70から出射された光ビームを変形することによって、図6(d)に示したようなライン形状の光ビームを得る場合、図6(c)に示した円形状の光ビームが中央に集まることになるため、干渉が発生することがある。これに対して、光ファイバ10から出射された光ビームを変形することによって、図7(d)に示したようなライン形状の光ビームを得る場合、x方向のみが拡大されることになるため、光の重なりが生じにくく、干渉は発生しにくい。
なお、ここでは、光ファイバ10から出射された光ビームはシリンドリカルレンズF2によって変形してラインビームを形成したが、光ファイバ10から出射された光ビームはシリンドリカルレンズを介することなくラインビームとして用いてもよい。また、光ファイバ10から出射された光ビームを相対的にx方向(コア12の長手方向)に沿って移動させることにより、光ビームをシングルモードで広い領域にわたって連続的に照射することができる。
また、本実施形態の光ファイバ10では、ラインビームの入射が効率的に行われる。以下、図8を参照して、比較例3の光ファイバ90と比べた光ファイバ10の利点を説明する。
図8(a)に示すように、ラインビームが比較例3の光ファイバ90に入射される。光源R1は、光ファイバ90に向かって長さ約100μmのラインビームを出射する。光ファイバ90は、直径100μmのコア92と、クラッド94とを備えている。典型的には光源R1から出射された光ビームは、レンズR2によって変形される。しかしながら、光ファイバ90のコア92は円形状であり、光ファイバ90のコア92の形状は光源R1から出射された光ビームの形状と大きく異なり、ビーム面積が大きくなるため、光源R1と光ファイバ90の輝度は低くなってしまう。
図8(b)に示すように、ラインビームが本実施形態の光ファイバ10に入射される。光源R1は、光ファイバ10に向かって長さ約100μmのラインビームを出射する。例えば、光源R1は半導体レーザである。光ファイバ10のコア12はほぼ矩形状であるため、光源R1からの光が光ファイバ10に入射される際の光の強度の低減を抑制することができる。なお、図8(b)では光源R1からの光ビームはレンズR2を介して光ファイバ10に入射されたが、光源R1からの光ビームはレンズR2などの光学部品を介することなく光ファイバ10に直接入射されてもよい。この場合、コア12の長辺は、光源R1のエミッタ幅よりも大きいことが好ましい。なお、光ファイバ10はクラッド14aおよびクラッド14bを有しているため、光ファイバ10は、光源R1と容易に高効率かつ高輝度で結合される。
以下、図9を参照して光ファイバ10の作製方法を説明する。まず、図9(a)に示すように、コア12を形成する材料を含むコア部材A、および、第1クラッド14aを形成する材料を含む第1クラッド部材B1、B2を用意する。なお、以下の説明において、第1クラッド部材B1、B2を単にクラッド部材B1、B2と呼ぶことがある。ここでは、クラッド部材B1、B2の材料およびサイズは等しいが、クラッド部材B1、B2の材料およびサイズは異なってもよい。また、ここでは、コア部材Aの幅および長さは、それぞれ、クラッド部材B1、B2の幅および長さと等しいが、これらは、異なっていてもよい。
例えば、コア部材Aは、希土類元素をドープしたシリカガラスである。コア部材Aにはネオジム(Nd)がドープされている。クラッド部材B1、B2は、希土類元素をドープしたシリカガラスである。例えば、クラッド部材B1、B2にはランタン(La)がドープされている。例えば、コア部材Aにおける希土類元素の濃度はクラッド部材B1、B2における希土類元素の濃度よりも高く、コア部材Aの屈折率はクラッド部材B1、B2の屈折率よりも高い。なお、コア部材A、クラッド部材B1、B2の屈折率およびコア部材Aのアスペクト比(幅および厚さの比)を予め設定しておくことにより、作製される光ファイバ10のコア12は、マルチモードおよびシングルモードの両方で光の伝搬を行うことが可能となる。
例えば、コア部材Aには、ネオジム(Nd)がドープされている。ネオジムの重量%は1.25%である。コア部材Aには、さらに、アルミナ(Al23)もドープされている。コア部材Aの厚さは3mmであり、コア部材Aの幅および長さはそれぞれ、7mm、40mmである。
クラッド部材B1、B2には、ランタン(La)およびアルミナ(Al23)がドープされている。La23およびAl23のそれぞれの重量%は0.8wt%、1.74wt%である。また、クラッド部材B1、B2の厚さは3mmであり、クラッド部材B1、B2の幅および長さは、それぞれ7mm、40mmである。ここでは、コア部材Aにおけるネオジムの濃度はクラッド部材B1、B2におけるランタンの濃度よりも高く、また、コア部材AにおけるNdとAlの比率はクラッド部材B1、B2におけるLaとAlの比率とほぼ等しく、コア部材Aの屈折率はクラッド部材B1、B2の屈折率よりも高い。
次に、図9(b)に示すように、コア部材Aの両面にクラッド部材B1、B2を貼り合わせ、コア部材Aおよびクラッド部材B1、B2を接合する。これにより、クラッド部材B1、コア部材A、クラッド部材B2の積層された成形体Sが形成される。
コア部材Aおよびクラッド部材B1を接合する前に、コア部材Aのうちのクラッド部材B1と接合する面、および、クラッド部材B1のうちのコア部材Aと接合する面の少なくとも一方を光学的に研磨することが好ましい。このような光学研磨処理により、コア部材A、B1はオプティカルコンタクトによって接合される。コア部材Aおよびクラッド部材B2の接合も同様に行われる。なお、コア部材Aにクラッド部材B2を貼り合わせる直前まで、コア部材Aは比較的厚くてもよく、コア部材Aは、クラッド部材B1に貼り合わせられた後、クラッド部材B2を貼り合わせられる前に、研磨によって薄くしてもよい。例えば、コア部材Aをクラッド部材B1と接合した後、コア部材Aを約3mmから約0.5mmまで薄くし、クラッド部材B2と接合する。以上のようにして成形体Sを形成してもよい。
図9(c)に示すように、成形体Sを切削し、成形体Sをロッド形状に形成する。例えば、成形体Sの直径は約5mmであり、コア部材Aの厚さは約0.5mmである。
図9(d)に示すように、第2クラッド14bを形成する材料を含む第2クラッド部材Cの開口部に、ロッド形状の成形体Sを挿入する。このようにして得られた成形体S’はプリフォームC’とも呼ばれる。例えば、第2クラッド部材Cの内径および外径はそれぞれ5mm、9mmである。
その後、図9(e)に示すように、プリフォームC’から光ファイバ10を取り出す。例えば、プリフォームC’を光ファイバの線引き用に挿入し、加熱することによってネックダウンを行う。ネックダウンにより、加熱によって粘性の低下したプリフォームC’が自身の自重によって下方に引っ張られて、細い径で落下する。その後、加熱した状態で光ファイバの線引きが行われる。
例えば、ネックダウンは2040℃で行われ、線引きは1910℃で行われる。例えば、プリフォームC’の送出速度は2.0mm/分であり、引取速度は4.0mm/分である。以上のようにして光ファイバ10を作製することができる。
図10に、このようにして形成された光ファイバ10を示す。コア12の厚さは約10μmであり、クラッド14aの直径は約100μmであり、クラッド14bの直径は約180μmである。例えば、ネオジムの発振波長である1062nmにおいてコア12の屈折率は約1.452、クラッド14aの屈折率は約1.447である。クラッド14bの屈折率は約1.443である。コア12とクラッド14aとの開口率は約0.12であり、クラッド14aとクラッド14bとの開口率は約0.11である。一般に市販されている光ファイバの開口率とほぼ等しく、光ファイバ10は、広い範囲で用いることができる。
図11に、図10に示した光ファイバ10を備える本実施形態のファイバレーザ100のスペクトルを示す。図11において、波長800nmのピークは励起の漏れ光によるものである。波長1062nmにおいてスペクトルの狭帯域化が確認される。このようなスペクトルの狭帯域化により、レーザ発振が得られたと推察される。
図12に、本実施形態のファイバレーザ100の入出力特性を示す。ファイバレーザ100の発振閾値は1.6Wである。励起光源110の出力が1.84Wの場合、ファイバレーザ100は最大出力5.25mWを示す。発振スペクトルの狭帯域化、および、入出力特性に閾値が存在しており、レーザ発振が確認された。
また、図13に、本実施形態の別のファイバレーザ100の入出力特性を示す。ファイバレーザ100の発振閾値は480mWである。励起光源110の出力が1657mWの場合、ファイバレーザ100は最大出力75.1mWを示す。発振スペクトルの狭帯域化、および、入出力特性に閾値が存在しており、レーザ発振が確認された。
図14に、本実施形態のファイバレーザ100のビームプロファイルを示す。図14には、ファイバレーザ100の発振直前の自然放射増幅光(Amplified Spontaneous Emission:ASE)のプロファイルを示す。図14から理解されるように、ビーム強度の高い領域はコア12に対応して形成されており、x方向に長く、y方向に短い。このように、ファイバレーザ100からほぼ矩形状の光ビームが出射される。
なお、図9を参照して、光ファイバ10の作製方法の一例を説明したが、光ファイバ10の作製方法はこれに限定されない。光ファイバ10は、OVD(Outside Vapor Deposition)法で作製してもよい。例えば、OVD法におけるターゲットロッドを用意することにより、ほぼ矩形状のコア12を有する光ファイバ10を作製してもよい。
まず、断面において方向に応じて長さの異なるロッドを用意する。例えば、矩形状の断面を有するロッドを用意する。次に、ロッドの周囲にコアを形成し、コアの周囲にクラッドを形成し、最後に、クラッドの一部を切削する。このようにして円形状の断面を有する光ファイバ10を作製することができる。
なお、上述した説明では、光ファイバ10の断面においてコア12の中心はクラッド14a、14bの中心とほぼ等しく、また、光ファイバ10の断面はほぼ点対称であったが、本発明はこれに限定されない。コア12はクラッド14bの中心とは異なる位置に配置され、光ファイバ10の断面は点対称でなくてもよい。例えば、光ファイバ10の断面におけるクラッド14bの中心は、コア12の外部に位置していてもよい。
また、上述した説明では、光ファイバ10においてコア12はクラッド14aおよびクラッド14bの両方と接触していたが、本発明はこれに限定されない。図15に示すように、コア12はクラッド14aに囲まれており、コア12はクラッド14bと直接接触しなくてもよい。
また、上述した説明では、クラッド14aの周囲にクラッド14bが設けられていたが、本発明はこれに限定されない。クラッド14aの周囲にクラッド14bが設けられていなくてもよい。このような光ファイバ10は導波路として好適に用いられる。
以下、図16を参照して光ファイバ10を説明する。光ファイバ10は、コア12と、クラッド14とを備える。クラッド14は、コア12よりも高い屈折率を有している。例えば、コア12の短径および長径はそれぞれ約10μm、約100μmである。
この光ファイバ10において、コア12は、マルチモードおよびシングルモードの両方で光を伝搬する。コア12のx方向に沿った長さdxが2.405λ/(π√(n12−n22))よりも大きく、コア12のy方向に沿った長さdyが2.405λ/(π√(n12−n22))よりも小さい場合、コア12は、マルチモードおよびシングルモードの両方で伝搬できる。ここで、λはコア12を伝搬する光の空気中の波長であり、n1はコア12の屈折率であり、n2はクラッド14の屈折率である。
光ファイバ10において、例えば、コア12にネオジムがドープされている場合、発振波長は1062nmである。コア12の屈折率が1.452、クラッド14の屈折率が1.450である場合、上記式の計算結果は、2.405λ/(π√(n12−n22))=10.7μmである。この計算結果が、コア12の異なる方向に沿った長さの間であれば、光は、コア12の一方向に沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、コア12の他方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される。例えば、コア12のx方向に沿った長さが100μmであり、コア12のy方向に沿った長さが10μmである場合、波長1062nmの光は、コア12のx方向に沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、コア12のy方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される。
なお、図16に示した光ファイバ10は、第2クラッド部材を用いることなく形成する点を除いて、図9を参照して上述した説明と同様に作製される。あるいは、上述したように、光ファイバ10は、OVD法で作製されてもよい。
なお、図16に示した光ファイバ10では、コア12の長径方向に沿った端部はクラッド14に囲まれていないが、本発明はこれに限定されない。コア12は、コア12の短径方向に沿った端部をクラッドに囲まれるとともに、コア12の長径方向に沿った端部を別のクラッドに囲まれてもよい。
図17に、本実施形態の光ファイバ10の模式図を示す。本実施形態の光ファイバ10の模式的な断面図を示す。光ファイバ10は、コア12と、クラッド14aと、クラッド14bとを備えている。コア12はクラッド14aと接触しており、クラッド14bはクラッド14aの周囲に設けられている。コア12は、コア12の短径方向に沿った端部をクラッド14aに囲まれるとともに、コア12の長径方向に沿った端部をクラッド14bに囲まれている。図17に示した光ファイバ10において、コア12の長径方向に沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、コア12の短径方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される。
コア12はクラッド14a、14bよりも高い屈折率を示し、クラッド14aの屈折率はクラッド14bと等しい。例えば、クラッド14a、14bはシリカから形成されており、コア12は希土類元素のドーピングされたシリカから形成されている。光ファイバ10も3層構造であり、この光ファイバ10を線引きで作製する場合には、クラッド14bがコア12をサポートするため、光ファイバ10の作製を容易にすることができる。
また、上述した説明では、断面におけるコア12の形状はほぼ矩形状であったが、本発明はこれに限定されない。必要とされる光ビームの形状に応じて、コア12の形状は三角、四角、L字または楕円等の形状であってもよい。また、光ファイバ10から出射される光ビームと、実際に使用される光ビームとの間の光学部品を効果的に接続することにより、任意の形状のラインビームを形成することができる。
なお、上述した説明では、1つの光ファイバには1つのコアが設けられていたが、本発明はこれに限定されない。図18に示すように、光ファイバ10に複数のコア12が設けられてもよい。
また、上述した、光ビームの入射または出射を行う光ファイバ10が互いに結合していてもよい。図19に、光ファイバ10a、10b、10c、10dを備える本実施形態のファイバレーザ100Aの模式図を示す。図19は、励起光源を省略して示している。図19(a)に示すように、光ファイバ10bには複数のコア12が設けられており、光ファイバ10bには複数の光ファイバ10aから光ビームが入射される。
また、図19(b)に示すように、複数のコア12の設けられた光ファイバ10bからの光ビームは光ファイバ10cに入射される。具体的には、光ファイバ10bからの光ビームは光ファイバ10cのクラッド14aに入射され、光ファイバ10cはパワーコンバイナとして機能する。光ファイバ10dのコア12はネオジム(Nd)またはイッテルビウム(Yb)等の希土類元素がドープされており、光ファイバ10dは、光ファイバ10cからの光に基づいて、増幅およびレーザ発振を行う。以上のように、ファイバレーザ100Aに、複数の光ファイバ10が用いられてもよい。
本発明によれば、所望な形状の光ビームの出射または入射に適した光ファイバを提供することができる。また、本発明の光ファイバは、高出力のシングルモードファイバレーザに好適に用いられる。
10 光ファイバ
12 コア
14 クラッド
14a 第1クラッド
14b 第2クラッド

Claims (11)

  1. コアと、
    前記コアと接触する第1クラッドと、
    前記第1クラッドの周囲に設けられた第2クラッドと
    を備える、光ファイバであって、
    前記コアは、前記第1クラッドよりも高い屈折率を有しており、
    前記第1クラッドは、前記第2クラッドよりも高い屈折率を有しており、
    断面において、前記コアの第1方向に沿った長さは前記コアの第2方向に沿った長さとは異なり、前記第1クラッドは、前記第2方向において前記コアを挟むように位置する互いに分離された2つの領域を有しており、
    所定の波長の光は、前記コアの前記第1方向に沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、前記コアの前記第2方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される、光ファイバ。
  2. 前記コアは、前記第2クラッドと接触する、請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 断面において、前記コアはほぼ矩形状を有しており、前記第1クラッドの前記2つの領域それぞれ半円形状を有している、請求項1または2に記載の光ファイバ。
  4. 前記コアおよび前記第1クラッドのそれぞれに希土類元素がドープされている、請求項1から3のいずれかに記載の光ファイバ。
  5. 前記コアに、ネオジムまたはイッテルビウムがドープされている、請求項1から4のいずれかに記載の光ファイバ。
  6. コアと、
    クラッドと
    を備える、光ファイバであって、
    所定の波長の光は、前記コアの第1方向の沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、前記コアの第2方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される、光ファイバ。
  7. 断面において、前記コアの第1方向に沿った長さは前記コアの第2方向に沿った長さとは異なる、請求項6に記載の光ファイバ。
  8. 励起光源および共振器を備えるファイバレーザであって、
    前記共振器は、請求項1から7のいずれかに記載の光ファイバと、リアミラーと、フロントミラーとを有する、ファイバレーザ。
  9. コア材料を有するコア部材と、それぞれが第1クラッド材料を有する2つの第1クラッド部材とを用意する工程と、
    前記コア部材を前記2つの第1クラッド部材で挟んだ成形体を形成する工程と、
    第2クラッド材料を有する第2クラッド部材であって、開口部の設けられた第2クラッド部材を用意する工程と、
    前記成形体を前記第2クラッド部材の前記開口部に挿入することによってプリフォームを形成する工程と、
    前記プリフォームからファイバを取り出し、前記ファイバには、前記コア部材によってコアが形成されており、所定の波長の光は、前記コアの第1方向に沿った長さに対してマルチモードで伝搬され、前記コアの第2方向に沿った長さに対してシングルモードで伝搬される、工程と
    を包含
    前記成形体を形成する工程では、前記2つの第1クラッド部材は、前記第2方向において前記コア部材を挟む、光ファイバの作製方法。
  10. 前記プリフォームを形成する工程の前に、前記第2クラッド部材の前記開口部と整合するように前記成形体を切削する工程をさらに包含する、請求項9に記載の光ファイバの作製方法。
  11. 前記成形体を形成する工程は、前記コア部材および前記2つの第1クラッド部材の少なくとも一方を研磨する工程を含む、請求項9または10に記載の光ファイバの作製方法。
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