JP5929391B2 - 塗装耐久性に優れた塗装鋼材 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼構造物の防食に塗装やライニングなどの有機層を用いる場合に、塗膜の腐食劣化を効果的に抑制することができる塗装耐食性に優れた鋼材に関するものである。
近年、鋼構造物を防食する手法としての塗装の利用割合は50%を超えている。しかしながら、塗装の耐用年数は鋼構造物の耐用年数よりも寿命が短いため、鋼構造物を維持管理するためには、複数回の塗り替え塗装が必要になる。このため、これら鋼構造物の維持管理費用は、トータルで莫大な金額になる。
従って、塗装の寿命を延長させることができるならば、維持管理費用の低減に大きく貢献する。
塗装塗り替え理由の中には、少なからず腐食に起因した塗装の劣化が認められる。そのため、塗装の耐久性を高めるための技術が種々提案されている。
例えば特許文献1には、耐侯性鋼をベースとして、リン酸系の表面処理を施すことによって塗装の寿命を延ばすこと記載されている。
特許文献2には、0.2〜0.7%Cu含有鋼についてリン酸系表面処理を施すことが示されている。
特許文献3には、Cu,NiおよびTiを含有させることによって、塗装の寿命を延長できることが示されている。
特許文献4には、Snイオンを含有する表面処理にてSn含有層を形成し、その上に塗装あるいはライニングを施す技術が開示されている。
特開平07‐299414号公報 特開平06‐143488号公報 特開2000−169939号公報 特開2007−230088号公報
上記した特許文献1〜4に開示された方法はいずれも、塗装耐久性に対して使用環境面からの配慮がなされておらず、いずれも同一の材料で効果を有するとしているが、全ての環境で優れた特性を発揮しない点に問題を残していた。また、特許文献1,2,4に記載の方法においては、鋼材のみならず表面処理を併用することから、施工面での制約が多く経済的に不利になる点が加えて問題となる。
塗装耐食性は、鋼材が置かれる環境によって、その劣化メカニズムや対処法も変化するので、同一材料で全ての環境をコントロールすることは極めて難しいことが大きな課題である。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、鋼材そのものの耐食性を向上させるだけでなく、環境に応じて対応鋼種を変更することにより、塗装耐久性をあらゆる環境において延長させることができる塗装耐食性に優れた鋼材を提案することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の課題を解決すべく、塗装鋼材の腐食現象について鋭意研究を重ねた。
その結果、塗装鋼材の腐食劣化(長期間および短期間ともに)に対しては、主にW,Cuの添加が有効であること、そして使用環境に応じてWとCuの比を調整することにより、幅広い使用環境にわたって優れた塗装耐食性を発揮できることの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.環境区分が図1に示す領域Iにおいて用いる塗装鋼材であって、
質量%で、
C:0.03〜0.3%、
Si:0.24〜1.0%、
Mn:0.1〜2.0%、
P:0.03%以下、
S:0.005%以下、
W:0.01%以上、0.10%未満および
Cu:0.01〜0.5%
を、WとCuの合計が0.3≦10W+Cu≦1.0を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、さらにWとCuの質量比を0.1≦10W/Cu≦1の範囲することを特徴とする塗装耐久性に優れた塗装鋼材
2.環境区分が図1に示す領域IIにおいて用いる塗装鋼材であって、
質量%で、
C:0.03〜0.3%、
Si:0.24〜1.0%、
Mn:0.1〜2.0%、
P:0.03%以下、
S:0.005%以下、
W:0.01%以上、0.10%未満および
Cu:0.01〜0.5%
を、WとCuの合計が0.3≦10W+Cu≦1.0を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、さらにWとCuの質量比を3≦10W/Cu≦30の範囲とすることを特徴とする塗装耐久性に優れた塗装鋼材。
3.環境区分が図1に示す領域IIIにおいて用いる塗装鋼材であって、
質量%で、
C:0.03〜0.3%、
Si:0.24〜1.0%、
Mn:0.1〜2.0%、
P:0.03%以下、
S:0.005%以下、
W:0.01%以上、0.10%未満および
Cu:0.01〜0.5%
を、WとCuの合計が0.3≦10W+Cu≦1.0を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、さらにWとCuの質量比を1≦10W/Cu≦3の範囲とすることを特徴とする塗装耐久性に優れた塗装鋼材。
4.環境区分が図1に示す領域IVにおいて用いる塗装鋼材であって、
質量%で、
C:0.03〜0.3%、
Si:0.24〜1.0%、
Mn:0.1〜2.0%、
P:0.03%以下、
S:0.005%以下、
W:0.01%以上、0.10%未満および
Cu:0.01〜0.5%
を、WとCuの合計が0.3≦10W+Cu≦1.0を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、さらにWとCuの質量比を3≦10W/Cu≦30の範囲とすることを特徴とする塗装耐久性に優れた塗装鋼材。
.前記鋼材が、さらに質量%で、
Ge:0.005〜0.1%、
Sb:0.005〜0.1%、
Bi:0.005〜0.1%および
Se:0.005〜0.1%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の塗装鋼材。
.前記鋼材が、さらに質量%で、
Nb:0.005〜0.1%、
V:0.005〜0.1%および
Ti:0.005〜0.1%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の塗装鋼材。
本発明によれば、建築・土木構造物用鋼材として使用し、表面に塗料による防食をした場合に、従来の鋼材に比べてより長期間にわたる使用が可能で、また腐食による塗り替えの削減や損傷による事故を回避することができる鋼材を、安価に得ることができ、産業上極めて有用である。
湿潤率(Wet率)と飛来塩分量により規定した環境区分を示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において鋼材の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。なお、鋼材の成分組成における元素の含有量の単位はいずれも「質量%」であるが、以下、特に断らない限り単に「%」で示す。
C:0.03〜0.3%
Cは、鋼の強度確保に必要な元素であり、本発明で目標とする強度(400MPa以上)を確保するためには少なくとも0.03%の含有が必要であり、一方0.3%を超えると溶接性が低下し、溶接の際に制限が加わるため、C量は0.03〜0.3%の範囲とする。
Si:0.01〜1.0%
Siは、脱酸のため添加するが、含有量が0.01%未満では脱酸効果に乏しく、一方1.0% を超えると靭性や溶接性を劣化させるため、Si量は0.01〜1.0%の範囲とする。
Mn:0.1〜2.0%
Mnは、強度、靭性を改善するために添加するが、0.1%未満ではその効果が十分でなく、一方2.0%を超えると溶接性が劣化するため、Mn量は0.1〜2.0%の範囲とする。
P:0.03%以下
Pは、不可避的不純物として含有されるが、靭性および溶接性を劣化させるため、P量は0.03%以下に抑制するものとした。
S:0.005%以下
Sも、不可避的不純物として含有されるが、含有量が多くなると塗装耐食性が低下するだけでなく、MnSなどの介在物が増加してSCCの起点となり塗装耐食性を低下させるので、極力低減することが望ましいが、0.005%以下であれば許容できる。
W:0.01%以上、0.10%未満
Wは、腐食生成物として酸素酸塩を形成し、かかる腐食生成物が腐食抑制材として作用する。また、鋼材中にあっては、不均一腐食を低減する効果も併せ持っている。そのため塗装耐久性を改善する効果が発現する。特にWは、湿潤率の高い環境に適した元素である。しかしながら、含有量が0.01%未満では塗装耐食性の改善効果に乏しく、一方0.10%以上ではコスト的に不利になるため、W量は0.01%以上、0.10%未満の範囲とする。より好ましくは0.03〜0.06%の範囲である。
Cu:0.01〜0.5%
Cuは、長期間にわたって塗装耐食性の改善効果を維持する上で有効な元素である。特にCuは、湿潤率の高くない環境で有効な元素である。しかしながら、含有量が0.01%未満ではその効果に乏しく、一方0.5%を超えると鋼材製造上の面から制約が生じるので、Cu量は0.01〜0.5%の範囲とする。
WおよびCuについては、どちらも同様な効果を有する元素であるが、その配合量も重要である。
そこで、発明者らは、WとCuを複合含有させる時の好適合計量について検討した結果、合計量を(10W+Cu)で規定して、0.3≦10W+Cu≦1.0(%)を満足する範囲で含有させる必要があることが判明した。
すなわち、CuとWの合計量が(10W+Cu)で0.3%に満たないと十分に塗装の寿命を延長する効果が得られず、一方1.0を超えると効果は飽和に達し、むしろ経済的に不利となるためである。
ところで、本発明の鋼材は、使用環境の違いに応じて、成分とくにWとCuの質量比を的確に調整することにより、各環境に応じて適切な塗装耐食性を発揮させることができる。
環境区分としては、次に定義する湿潤率(Wet率)と飛来塩分量により、図1に示すように、領域I、領域II、領域IIIおよび領域IVの4つの領域に区分する。
ここに、湿潤率(Wet率)は、例えば表1に示すように、使用環境近傍で計測された年平均相対湿度(RH)と年平均気温(T)から導出した、湿度に関する確率係数P(RH)と温度に関する確率係数P(T)を用いて、次式により算出する。
Wet率=P(RH)×P(T)
そして、この湿潤率(Wet率):50%を境界として区分する。なお、明らかに制御された環境においては、相対湿度:80%RH以上や、没水、噴霧などの濡れ時間を対象として計算する。
また、飛来塩分量は10mddを境界とする。
そして、上記のようにして区分した領域毎に、(10W/Cu)で規定したWとCuの質量比を下記式で示す範囲に調整することによって、各領域すなわち各使用環境における塗装耐食性の一層の向上を図ることができる。

領域Iの時 0.1≦10W/Cu≦1
領域IIの時 3≦10W/Cu≦30
領域IIIの時 1≦10W/Cu≦3
領域IVの時 3≦10W/Cu≦30
以上、基本成分について説明したが、本発明では、その他にも、以下に述べる元素を必要に応じて適宜含有させることができる。
Ge:0.005〜0.1%、Sb:0.005〜0.1%、Bi:0.005〜0.1%およびSe:0.005〜0.1%のうちから選んだ1種または2種以上
Ge,Sb,BiおよびSeはいずれも、塗装耐食性の一層の向上を図る上で有用な元素である。また、これらの元素は、弱酸性環境における塗装耐食性の改善にも有効に寄与する。ここに、Ge量が0.005%未満では塗装耐食性の改善効果に乏しく、一方0.1%超ではコスト的な不利を招く。Sb量が0.005%未満では塗装耐食性の改善効果に乏しく、一方0.1%超では鋼材の機械的特性の低下を招く。Se量が0.005%未満では塗装耐食性の改善効果に乏しく、一方0.1%超ではコスト的な不利を招く。Bi量が0.005%未満では塗装耐食性の改善効果に乏しく、一方0.1%超では鋼材の機械的特性の低下を招く。それ故、これらの元素は、単独添加または複合添加いずれの場合も0.005〜0.1%の範囲で含有させるものとする。
Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%およびTi:0.005〜0.1%のうちから選んだ1種または2種以上
Nb,VおよびTiはいずれも、鋼材の機械的特性および塗装耐食性を向上させるために有用な元素である。これらの元素はいずれも、含有量が0.005%未満ではその添加効果に乏しく、一方0.1%を超えると溶接部の機械的特性が低下するので、単独添加または複合添加いずれの場合も0.005〜0.1%の範囲で含有させるものとする。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記以外の元素の含有を拒むものではない。例えば、上記した元素の他に、AlやREMを脱酸剤として少量に添加することもできる。
なお、本発明の鋼材において、上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。
次に、本発明鋼材の好適製造方法について説明する。
上記した好適成分組成になる溶鋼を、転炉や電気炉等の公知の炉で溶製し、連続鋳造法や造塊法等の公知の方法でスラブやビレット等の鋼素材とする。なお、溶製に際して、真空脱ガス精錬等を実施しても良い。
溶鋼の成分調整方法は、公知の鋼精錬方法に従えばよい。
ついで、上記の鋼素材を所望の寸法形状に熱間圧延する際には、1000〜1350℃の温度に加熱する。加熱温度が1000℃未満では変形抵抗が大きく、熱間圧延が難しくなる。一方、1350℃を超えると、表面痕の発生原因となったり、スケールロスや燃料原単位が増加したりする。好ましくは1050〜1300℃の範囲である。なお、鋼素材の温度が、もともと1000〜1350℃の範囲の場合には、加熱せずに、そのまま熱間圧延に供してもよい。
なお、熱間圧延では、熱間仕上圧延終了温度を適正化することが望ましく、600℃以上 850℃以下とすることが好ましい。熱間仕上圧延終了温度が600℃未満では、変形抵抗の増大により圧延荷重が増加し、圧延の実施が困難となる。一方、850℃超えだと所望の強度を得ることが難しくなる。熱間仕上圧延終了後の冷却は、空冷または冷却速度:150℃/s以下の加速冷却とすることが好ましい。加速冷却する場合の冷却停止温度は300〜750℃の範囲とすることが好ましい。なお、冷却後、再加熱処理を施してもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
表2に示す成分組成になる溶鋼を、真空溶解炉で溶製後または転炉溶製後、連続鋳造によりスラブとした。ついで、1250℃に加熱後、仕上圧延終了温度:800℃の条件で熱間圧延を実施して、30mm厚の鋼材とした。
これらの鋼材について、次の塗装耐食性試験を実施した。
(a) エポキシ樹脂塗料による耐食試験材の作成
鋼材を、長さ:100mm、幅:75mm、厚さ:6mmに切り出し、両面をグリットブラスト(表面仕上げ ISO Sa 2.5)で仕上げ、アセトン中で超音波脱脂を5分間行い、風乾して塗装耐食性の供試材とし た。片面は塗装するための面とし、もう片面および端面は溶剤型のエポキシ樹脂塗料にてシールし、さらにシリコン系のシール剤にて被覆した。また、塗料として、エポキシ樹脂塗料(関西ペイント製 エポマリン)を、エアレススプレーにて、先のブラスト表面上に塗布した。塗装膜厚は、乾燥後の膜厚が150μmとなるように調節して塗装した。そして、一週間室内で養生後、試験材とした。
(b) 長期間にわたる塗装耐食性の調査
試験材の中央部に、幅:1mm、長さ:50mmの初期欠陥を、厚刃のカッターで設けた。この試験材を、図1で記号I,II,IIIおよびIVに示す領域での試験を行った。
(1) 領域Iに該当する試験
JFEスチール東日本製鉄所岸壁脇の環境(Wet率:35%、飛来塩分量:0.7mdd相当)で、暴露試験を1年間実施した。試験片を回収後、クロスカット部からの膨れ幅の最大値の測定結果から、以下のように判定した。
◎:膨れ幅5mm以下
○:膨れ幅5mm超、10mm以下
△:膨れ幅10mm超、15mm以下
×:膨れ幅15mm超
(2) 領域IIに該当する試験
塩水噴霧(SST:35℃,5%NaCl溶液):0.5時間、湿潤(40℃,95%RH):1.5時間、乾燥(50℃,25%RH):4時間の、合計6時間を1サイクルとする、複合サイクル腐食試験に供した。本試験は、Wet率:33.3%、飛来塩分量:100mdd以上に相当する。この試験を、49日間行い、試験槽から取り出し水洗した後、クロスカット部からの最大膨れ(剥離)幅を計測した。その後膨れ幅の最大値測定結果から、以下のように判定した。
◎:膨れ幅5mm以下
○:膨れ幅5mm超、10mm以下
△:膨れ幅10mm超、15mm以下
×:膨れ幅15mm超
(3) 領域IIIに該当する試験
JFEスチール東日本製鉄所内の海上暴露試験場(Wet率:65%、飛来塩分量:5mdd相当)にて、半年間の暴露試験を実施した。試験片を回収後、クロスカット部からの膨れ幅の最大値の測定結果から、以下のように判定した。
◎:膨れ幅5mm以下
○:膨れ幅5mm超、10mm以下
△:膨れ幅10mm超、15mm以下
×:膨れ幅15mm超
(4) 領域IVに相当する試験
塩水噴霧(SST:35℃,5%NaCl溶液):30分、湿潤 (40℃,95%RH):3.5時間、乾燥(50℃,25%RH):2時間の、合計6時間を1サイクルとする、複合サイクル腐食試験に供した。本試験は、Wet率:66.6%、飛来塩分量:100mdd以上に相当する、この試験を、35日間行い、試験槽から取り出し水洗した後、クロスカット部からの最大膨れ(剥離)幅を計測した。その後膨れ幅の最大値測定結果から、以下のように判定した。
◎:膨れ幅5mm以下
○:膨れ幅5mm超、10mm以下
△:膨れ幅10mm超、15mm以下
×:膨れ幅15mm超
得られた結果を表3に示す。
表3から明らかなように、本発明に従い、使用環境に応じて(10W/Cu)比を適正に調整することにより、各使用環境において優れた塗装耐食性が得られることが分かる。
これに対し、成分組成が発明範囲から外れた比較例はいずれも、塗装耐食性が悪いことが分かり、発明例と比較例の対比から、本発明の改善効果は明らかである。

Claims (6)

  1. 環境区分が図1に示す領域Iにおいて用いる塗装鋼材であって、
    質量%で、
    C:0.03〜0.3%、
    Si:0.24〜1.0%、
    Mn:0.1〜2.0%、
    P:0.03%以下、
    S:0.005%以下、
    W:0.01%以上、0.10%未満および
    Cu:0.01〜0.5%
    を、WとCuの合計が0.3≦10W+Cu≦1.0を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、さらにWとCuの質量比を0.1≦10W/Cu≦1の範囲することを特徴とする塗装耐久性に優れた塗装鋼材
  2. 環境区分が図1に示す領域IIにおいて用いる塗装鋼材であって、
    質量%で、
    C:0.03〜0.3%、
    Si:0.24〜1.0%、
    Mn:0.1〜2.0%、
    P:0.03%以下、
    S:0.005%以下、
    W:0.01%以上、0.10%未満および
    Cu:0.01〜0.5%
    を、WとCuの合計が0.3≦10W+Cu≦1.0を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、さらにWとCuの質量比を3≦10W/Cu≦30の範囲とすることを特徴とする塗装耐久性に優れた塗装鋼材。
  3. 環境区分が図1に示す領域IIIにおいて用いる塗装鋼材であって、
    質量%で、
    C:0.03〜0.3%、
    Si:0.24〜1.0%、
    Mn:0.1〜2.0%、
    P:0.03%以下、
    S:0.005%以下、
    W:0.01%以上、0.10%未満および
    Cu:0.01〜0.5%
    を、WとCuの合計が0.3≦10W+Cu≦1.0を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、さらにWとCuの質量比を1≦10W/Cu≦3の範囲とすることを特徴とする塗装耐久性に優れた塗装鋼材。
  4. 環境区分が図1に示す領域IVにおいて用いる塗装鋼材であって、
    質量%で、
    C:0.03〜0.3%、
    Si:0.24〜1.0%、
    Mn:0.1〜2.0%、
    P:0.03%以下、
    S:0.005%以下、
    W:0.01%以上、0.10%未満および
    Cu:0.01〜0.5%
    を、WとCuの合計が0.3≦10W+Cu≦1.0を満足する範囲で含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、さらにWとCuの質量比を3≦10W/Cu≦30の範囲とすることを特徴とする塗装耐久性に優れた塗装鋼材。
  5. 前記鋼材が、さらに質量%で、
    Ge:0.005〜0.1%、
    Sb:0.005〜0.1%、
    Bi:0.005〜0.1%および
    Se:0.005〜0.1%
    のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗装鋼材。
  6. 前記鋼材が、さらに質量%で、
    Nb:0.005〜0.1%、
    V:0.005〜0.1%および
    Ti:0.005〜0.1%
    のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の塗装鋼材。
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